JP3057474B2 - 車両におけるキャニスタの配置構造 - Google Patents

車両におけるキャニスタの配置構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロントフロアパネル
の後部に上向きに立ち上がる連結壁を介してリヤフロア
パネルを連設し、このリヤフロアパネルの下方に燃料タ
ンクを支持してなる車両におけるキャニスタの配置構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクの内部に発生した蒸発燃料を
活性炭等の吸着剤にチャージして大気中への放出を防止
し、エンジンの運転時に前記蒸発燃料を吸着剤から吸気
系にパージして燃焼させるキャニスタは従来周知であ
る。
【0003】一般にキャニスタはエンジンルームに配置
されることが多いが、大容量のキャニスタであって狭隘
なエンジンルームに収納することが難しい場合には、車
体後部の燃料タンクの近傍に配置される。このような場
合、従来は燃料タンクの後方位置がキャニスタの搭載場
所として利用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように燃料タンクの後方にキャニスタを配置すると、車
体前部に搭載されたエンジンとの距離が大きくなってキ
ャニスタとエンジンとを接続するパージ通路が長大化す
る問題があるばかりか、キャニスタの搭載スペースを確
保するためにトランクルームの容積が圧迫される問題が
あった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、キャニスタを車体後部に合理的に配置することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、フロントフロアパネ
ルの後部に上向きに立ち上がる連結壁を介してリヤフロ
アパネルを連設し、このリヤフロアパネルの下方に燃料
タンクを支持してなる車両において、連結壁の後面と燃
料タンクの前面間にキャニスタを配置し、燃料タンクを
支持して車体に着脱自在に搭載される枠状のサブフレー
ムの前面に前記キャニスタを取り付けたことを特徴とす
る。
【0007】また請求項2に記載された発明は、フロン
トフロアパネルの後部に上向きに立ち上がる連結壁を介
してリヤフロアパネルを連設し、このリヤフロアパネル
の下方に燃料タンクを支持してなる車両において、連結
壁の後面と燃料タンクの前面間にキャニスタを配置する
と共に、そのキャニスタ及びマフラーを車体左右方向に
並置したことを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0012】図1〜図3は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はサブフレーム組立体の全体斜視図、図2は
図1の2方向矢視図、図3は図2の3−3線断面図であ
る。
【0013】図1〜図3に示すように、前輪駆動車両の
左右の後輪W,Wを懸架するリヤサスペンションRS,
RSを支持するサブフレームSFは、左右一対のサイド
メンバ1,1と、両サイドメンバ1,1の前端間及び後
端間を接続する前部クロスメンバ2及び後部クロスメン
バ3とを備える。
【0014】両サイドメンバ1,1の前端及び後端は、
4個のゴムブッシュマウント4…の外にそれぞれ結合
されており、前側の2個のゴムブッシュマウント4,4
の外に、車体左右方向に延びる前記前部クロスメンバ
2の左右両端が結合される。前部クロスメンバ2は前面
が開放した断面コ字状の部材であって、その中央部を除
く左右両端近傍において、前面の開放部が補強部材
1 ,21 で閉塞される。各サイドメンバ1,1の前端
近傍と前部クロスメンバ2の左右両端近傍とが、下面が
開放した断面コ字状のトレーリングアーム用ブラケット
6,6によって結合される。
【0015】サブフレームSFは、その四隅に設けられ
た4個のゴムブッシュマウント4…を介して車両の左右
両側に延在する一対のメインフレームMF,MFの下面
に着脱自在に支持される。
【0016】両サイドメンバ1,1と前部クロスメンバ
2との結合部の近傍は、左右一対のトレーリングアーム
用ブラケット6,6によって補強される。後側の2個の
ゴムブッシュマウント4,4には、左右一対のコントロ
ールアーム用ブラケット7,7の上端が結合される。両
サイドメンバ1,1の中央後寄りの下面には、左右一対
のロアアーム用ブラケット8,8の上端が結合される。
両サイドメンバ1,1の中央上面には、左右一対のアッ
パーアーム用ブラケット9,9が設けられるとともに、
後側の2個のゴムブッシュマウント4,4の後面には、
左右一対のリーディングアーム用ブラケット10,10
が設けられる。
【0017】而して、トレーリングアーム用ブラケット
6,6、コントロールアーム用ブラケット7,7、ロア
アーム用ブラケット8,8、アッパーアーム用ブラケッ
ト9,9及びリーディングアーム用ブラケット10,1
0に、それぞれリヤサスペンションRS,RSのトレー
リングアーム11,11、コントロールアーム12,1
2、ロアアーム13,13、アッパーアーム14,14
及びリーディングアーム15,15が連結される。前記
各サスペンションアームの先端には車軸16,16を支
持するナックル17,17が連結され、そのナックル1
7,17と車体とはダンパー18,18を介して連結さ
れる。
【0018】前部クロスメンバ2の前面には、スタビラ
イザ19のトーション部191 の左右両端が、一対のス
タビライザ支持部材20,20を介して弾性支持され
る。前記トーション部191 の左右両端から車体後方に
延びる一対のアーム部192 ,192 先端と、ナックル
17,17のアッパーアーム取付部の近傍とが、上下方
向に延びるスタビライザリンク21,21を介して連結
される。
【0019】サブフレームSFの両サイドメンバ1,
1、前部クロスメンバ2及び後部クロスメンバ3によっ
て画成される空間には、左右両端を両サイドメンバ1,
1の下面に固定した上下2本のバンド22,22によっ
て燃料タンク23が支持される。更に、燃料タンク23
の四隅は、三角形の接続部材5…を介して左右のサイド
メンバ1,1に固定される。燃料タンク23を枠状のサ
ブフレームSFの内部に支持したことにより、燃料タン
ク23の容積を最大限に確保することができるばかり
か、車両の衝突時にサブフレームSFによって燃料タン
ク23を保護することができる。
【0020】燃料タンク23の後部左側面から車体外側
に向けて延出するフィラーパイプ24及びブリーザパイ
プ25は、サブフレームSFの左側のサイドメンバ1の
上面と左側のメインフレームMFの下面との間を通過し
て上方に立ち上がる。
【0021】サブフレームSFには、エンジンから延び
る排気管の後端に着脱自在に結合される前部膨張室2
6、前部排気管27、主膨張室28、後部排気管29及
び後部膨張室30から構成される排気系31が支持され
る。主膨張室28は左右一対の弾性部材32,32を介
して前部クロスメンバ2に吊り下げ支持される。後部膨
張室30は弾性部材33を介して右側のリーディングア
ーム用ブラケット10に吊り下げ支持される。
【0022】前部クロスメンバ2の前面の左半部、即ち
前部クロスメンバ2の前面の右半部に支持された前記主
膨張室28の左側に隣接するように、キャニスタ41が
ブラケット42を介して支持される。キャニスタ41と
燃料タンク23の内部とが、中間部に電磁弁43を設け
た第1ベント通路44を介して接続されており、また第
1ベント通路44の前記電磁弁43よりもキャニスタ4
1寄りの部分と燃料タンク23の内部とが、中間部に二
方向弁45を設けた第2ベント通路46を介して接続さ
れる。更にキャニスタ41からは、エンジンの吸気系に
連なるパージ通路40と、大気に開放するドレン通路4
7とが接続される。
【0023】而して、燃料タンク23への給油中に電磁
弁43を開弁することにより、燃料タンク23から押し
出された蒸発燃料を第1ベント通路44を介してキャニ
スタ41に供給し、そこで活性炭に吸着させて大気への
放出を防止することができる。また駐車中等に燃料タン
ク23の温度が上昇したような場合、二方向弁45が大
気との圧力差で開弁することにより、燃料タンク23内
で発生した蒸発燃料を第2ベント通路46及び第1ベン
ト通路44を介してキャニスタ41に供給することがで
きる。そして、エンジンの運転中にキャニスタ41から
パージされた蒸発燃料は、パージ通路40を介してエン
ジンの吸気系に供給され、そこで混合気と混じり合って
燃焼に供される。
【0024】図3から明らかなように、車体のフロアパ
ネルは左右のメインフレームMF,MFの上面間に配置
されて、その上面にリヤシートSを支持するリヤフロア
パネル48と、このリヤフロアパネル48の前方の一段
低い位置に配置されたフロントフロアパネル49と、概
略上下方向に延びてリヤフロアパネル48の前端とフロ
ントフロアパネル49の後端とを接続する連結壁50と
から構成される。尚、実施例ではフロントフロアパネル
49、連結壁50及びリヤフロアパネル48を一体とし
ているが、従来の如く連結壁50及びリヤフロアパネル
48を一体とし、これをフロントフロアパネル49に溶
着しても良い。サブフレームSFの前方において、連結
壁50の後面が車体左右方向に延びるミドルフロアクロ
スメンバ51により補強されるとともに、サブフレーム
SFの後方において、左右のメインフレームMF,MF
の下面が車体左右方向に延びるリヤフロアクロスメンバ
52により補強される。
【0025】燃料タンク23の前面とミドルフロアクロ
スメンバ51の後面間には所定の距離が設けられてお
り、その結果燃料タンク23の前面、リヤフロアパネル
48の下面及びミドルフロアクロスメンバ51の後面に
よって3方を囲まれた空間が画成され、この空間に収ま
るように前記キャニスタ41及び主膨張室28が左右に
並置される。キャニスタ41を車体左右方向に長く形成
し、且つ燃料タンク23の前面に沿って配置することに
より、前記空間を有効利用してキャニスタ41の容量を
充分に確保することができる。
【0026】このように、燃料タンク23の前方にキャ
ニスタ41を配置することにより、車体前部に搭載した
エンジンに連なるパージ通路40の全長を短縮すること
ができるばかりか、キャニスタ41によって燃料タンク
23の後方に設けられたトランクルームの容積が圧迫さ
れることがない。また、燃料タンク23及びミドルフロ
アクロスメンバ51により、飛石との衝突や縁石との接
触からキャニスタ41を保護することができる。
【0027】更に、燃料タンク23の前面、リヤフロア
パネル48の下面及びミドルフロアクロスメンバ51の
後面によって3方を囲まれたトンネル状の空間にキャニ
スタ41及び主膨張室28が並置されるため、排気ガス
の通過によって加熱された主膨張室28の熱をキャニス
タ41に効果的に作用させることができる。その結果キ
ャニスタ41のパージ効率が向上するため、その活性炭
の容量を減少させて小型化を図ることができる。
【0028】而して、左右のリヤサスペンションRS,
RS、燃料タンク23、排気系31及びキャニスタ41
を一体に組み付けたサブフレーム組立体が、前後左右の
4個のゴムブッシュマウント4…を介して左右一対のメ
インフレームMF,MFに取り付けられる。このとき、
前記サブフレーム組立体をユニットとして予め小組みし
ておき、それを一括してメインフレームMF,MFに取
り付けることにより組付工数を大幅に減少させることが
できる。
【0029】次に、図4及び図5に基づいて本発明の第
2実施例を説明する。この第2実施例において、第1実
施例の部材に対応する部材には同一の符号が付してあ
る。
【0030】第2実施例は、キャニスタ41の取り付け
位置が第1実施例と異なっており、その余の構成は第1
実施例と同じである。即ち、フロントフロアパネル49
とリヤフロアパネル48とを接続する連結壁50の後面
にミドルフロアクロスメンバ51が固着されてており、
そのミドルフロアクロスメンバ51の後面にブラケット
42を介してキャニスタ41が取り付けられる。ミドル
フロアクロスメンバ51は充分な剛性を有する部材であ
るため、重量の大きいキャニスタ41であっても確実に
支持することができる。
【0031】而して、燃料タンク23の前面、リヤフロ
アパネル48の下面及びミドルフロアクロスメンバ51
の後面によって3方を囲まれたトンネル状の空間にキャ
ニスタ41及び主膨張室28が並置されることになり、
第1実施例と同様に、エンジンに連なるパージ通路40
の短縮、キャニスタ41の保護、トランクルームの容積
確保及びキャニスタ41のパージ効率向上という作用効
果を達成することが可能となる。
【0032】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことが可能である。
【0033】例えば、キャニスタ41をリヤフロアパネ
ル48の下面に取り付けたり、ミドルフロアクロスメン
バ51を介さずに連結壁50の後面に取り付けることが
でききる。また、キャニスタ41と主膨張室28とを、
実施例とは左右逆に配置することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように請求項1,2に記載された
発明によれば、フロントフロアパネルとリヤフロアパ
ネルとを接続する連結壁の後面と、リヤフロアパネルの
下方に支持した燃料タンクの前面との間にキャニスタを
配置したので、燃料タンクの後方にキャニスタを配置す
る場合に比べて、キャニスタから車体前部に搭載したエ
ンジンに連なるパージ通路を短縮することができ、しか
も燃料タンクの後方に設けられたトランクルームの容積
を充分に確保することができる。またキャニスタはリヤ
フロアパネル、連結壁及び燃料タンクにより囲まれるた
め、飛石との衝突や縁石との接触から保護される。
【0035】また請求項に記載された発明によれば、
燃料タンクを支持して車体に着脱自在に搭載される枠状
のサブフレームの前面にキャニスタを取り付けたので、
キャニスタを含むサブフレーム組立体を一括して車体に
搭載することにより組付工数を減少させることができ
る。
【0036】
【0037】また請求項に記載された発明によれば、
ャニスタ及びマフラーを車体左右方向に並置したこと
により、マフラーの熱をキャニスタに効果的に作用さ
てパージ効率を向上させることができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】サブフレーム組立体の全体斜視図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】第2実施例に係る、前記図3に対応する平面図
【図5】図4の5−5線断面図
【符号の説明】
23 燃料タンク 28 主膨張室(マフラー) 41 キャニスタ 48 リヤフロアパネル 49 フロントフロアパネル 50 連結壁 51 ミドルフロアクロスメンバ(クロスメン
バ) SF サブフレーム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−211169(JP,A) 実開 昭61−120617(JP,U) 実開 昭63−123321(JP,U) 実開 平2−100827(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 15/00 - 15/10 F02M 25/08 F01N 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントフロアパネル(49)の後部に
    上向きに立ち上がる連結壁(50)を介してリヤフロア
    パネル(48)を連設し、このリヤフロアパネル(4
    8)の下方に燃料タンク(23)を支持してなる車両に
    おいて、 連結壁(50)の後面と燃料タンク(23)の前面間に
    キャニスタ(41)を配置し、燃料タンク(23)を支
    持して車体に着脱自在に搭載される枠状のサブフレーム
    (SF)の前面に前記キャニスタ(41)を取り付けた
    ことを特徴とする、車両におけるキャニスタの配置構
    造。
  2. 【請求項2】 フロントフロアパネル(49)の後部に
    上向きに立ち上がる連結壁(50)を介してリヤフロア
    パネル(48)を連設し、このリヤフロアパネル(4
    8)の下方に燃料タンク(23)を支持してなる車両に
    おいて、 連結壁(50)の後面と燃料タンク(23)の前面間に
    キャニスタ(41)を配置すると共に、そのキャニスタ
    (41)及びマフラー(28)を車体左右方向に並置し
    ことを特徴とする、車両におけるキャニスタの配置構
    造。
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