JP3048899B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウムイオンのイン
ターカレート及びデインターカレート反応を充放電に利
用した二次電池に関する。より詳細には、充放電の繰り
返しによる性能低下の少ない、サイクル寿命の長いリチ
ウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気中に含まれるCO2ガス量が
増加しつつあるため、温室効果により地球の温暖化が生
じると予測されている。このため、CO2ガスを多量に
排出する火力発電所は、新たに建設することが難しくな
ってきている。したがって、火力発電所などの発電機に
て作られた電力の有効利用として、夜間電力を一般家庭
に設置した二次電池に蓄えて、これを電力消費量が多い
昼間に使用して負荷を平準化する、いわゆるロードレベ
リングが提案されている。また、大気汚染物質を排出し
ないという特徴を有する電気自動車用途では、高エネル
ギー密度の二次電池の開発が期待されている。さらに、
ブック型パーソナルコンピューター、ワードプロセッサ
ー、ビデオカメラ及び携帯電話などのポータブル機器の
電源用途では、小型・軽量で高性能な二次電池の開発が
急務になっている。
【0003】上記小型・軽量で高性能の二次電池として
は、リチウム−黒鉛層間化合物を二次電池の負極に応用
する例がJOURNAL OF THE ELECTR
OCHEMICAL SOCIETY 117,222
(1970)に報告されて以来、例えば、炭素材を負極
活物質に、リチウムイオンを層間化合物に導入したもの
を正極活物質に用い、炭素材の層間に充電反応でリチウ
ムを挿入して蓄えるロッキングチェアー型二次電池いわ
ゆる“リチウムイオン電池”の開発が進み、一部実用化
されつつある。このリチウムイオン電池では、リチウム
をゲストとして層間にインターカレートするホスト材料
の炭素材を負極に用いることによって、充電時のリチウ
ムのデンドライト成長を抑えて、充放電サイクルにおい
て長寿命を達成している。
【0004】しかし、炭素材をリチウムを貯蔵する負極
活物質として用いるリチウムイオン電池では、充放電の
繰り返しにも安定して取り出せる放電容量が、炭素原子
6個に1個のリチウム原子を蓄える黒鉛層間化合物の理
論容量を越えるものはまだ得られていないし、充放電の
繰り返し数の実用域では炭素原子10個に1個のリチウ
ム原子を蓄える程度の容量のものしか得られていないの
が現状である。したがって、炭素材を負極活物質として
いるリチウムイオン電池は、サイクル寿命は長いが、金
属リチウムそのものを負極活物質に使用するリチウム電
池のエネルギー密度には及んでいない。炭素材をリチウ
ムを貯蔵する負極活物質として用いる負極にさらに多く
のリチウムを蓄えて電池の容量を高める試みも、充放電
サイクルの進行に伴って、負極表面に電解液との反応で
絶縁皮膜が形成され、負極のインピーダンスが高まり、
充電でさらに電解液の分解が促進されて、サイクル寿命
が短くなるという問題点があり実現できていない。
【0005】また、いまだ、リチウム金属を負極に用い
る高容量のリチウム蓄電池が実用化されていないのは、
充放電の繰り返しによって発生し、短絡の主原因になる
リチウムのデンドライトの発生を抑えることが難しいた
めである。リチウムのデンドライトが成長して、負極と
正極が短絡状態になった場合、電池の持つエネルギーが
短時間で消費されることによって発熱し、電解液の溶媒
が分解しガスを発生することによって内圧が高まる状態
に至る場合もある。このリチウムデンドライトの生成や
寿命に至る原因は、本発明者らの実験によれば、充電に
よって析出するリチウムが非常に活性であり、この析出
リチウムが電解液もしくは電解液中の水分などの不純物
と反応して絶縁体皮膜を負極表面に形成して、または解
離した電解質が重合開始剤になって電解液の有機溶媒が
重合して、電池の内部インピーダンスが高まり、充放電
の繰り返しで電解液の分解も促進されていく、ことにあ
ると推測される。
【0006】そうした対策の一方法として、リチウムの
反応性を抑えるために負極にリチウム−アルミニウムな
どのリチウム合金を使用する方法も試されているが、サ
イクル寿命の長いものは実用化されていない。特開平5
−190171、特開平5−47381、特開昭63−
114057、特開昭63−13264号公報では負極
に各種リチウム合金を使用する案、及び特開平5−23
4585ではリチウム表面にリチウムと金属間化合物を
生成しにくい金属粉を設ける案が提案されているが、い
ずれも負極の寿命を飛躍的に伸ばす決定的な方法となり
得ていない。一方、JOURNAL OF APPLI
ED ELECTROCHEMISSTRY 22(1
992)620−627には、リチウム一次電池よりエ
ネルギー密度が劣るが、表面がエッチングされたアルミ
ニウム箔を負極として用いた高エネルギー密度のリチウ
ム二次電池の報告が掲載されている。しかし、充放電サ
イクルを実用域まで繰り返した場合、アルミニウム箔が
膨張収縮を繰り返し、亀裂が入ってしまい、集電性が低
下するとともにデンドライトの成長が起こり、実用レベ
ルで使用可能なサイクル寿命を有する二次電池は得られ
ていない。
【0007】したがって、実用域のサイクル寿命を備
え、かつ更なる高容量な、リチウムイオンのインターカ
レート反応及びデインターカレート反応を用いた、“リ
チウムイオン電池”も含めた二次電池(以下、リチウム
二次電池と呼称する)の開発が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゲストのリ
チウムイオンのインターカレート反応及びデインターカ
レート反応を充放電反応に利用したリチウム二次電池に
おいて、エネルギー密度が高く、かつ、サイクル寿命が
長い二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池は、少
なくとも負極、セパレーター、正極、電解質、集電電
極、電池ケースから形成され、リチウムイオンのインタ
ーカレート及びデインターカレート反応を充放電に利用
した二次電池において、珪素元素、フッ素元素、炭素元
素、リチウム元素を少なくとも含有する有機フッ素珪素
化合物の塩からなる電解質を用いたリチウム二次電池で
あることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明では、電解質が、珪素元素、フッ素元
素、炭素元素、リチウム元素を少なくとも含有する有機
フッ素珪素化合物の塩からなり、電解質自体が水分を吸
着しにくいため、電解液中の水分を低濃度に管理し易く
なる。その結果、充電反応で析出するリチウムの水分と
の反応を抑えられるので、リチウム二次電池のサイクル
寿命を延ばすことができる。また、上記電解質では重合
反応の開始剤としての触媒活性が低く、電解液中の溶媒
の重合が抑えられるので、この電解質を使用したリチウ
ム二次電池では充放電サイクル寿命を延ばすことができ
る。したがって、高エネルギー密度であっても寿命が短
かかった負極の寿命を延ばし、高エネルギー密度のリチ
ウム二次電池を実現できる。また、本発明では、上記有
機フッ素珪素化合物の塩からなる電解質がフェニル基を
有するため、さらに水分を吸着しにくくなり、かつ非水
溶媒である有機溶媒への溶解が容易になり、イオン電導
度を向上できるので、電池の内部インピーダンスを低下
でき、より大きな電流を流すことが可能になる。その結
果、さらに電池のサイクル寿命を延ばすことができる。
【0011】
【実施態様例】以下、本発明の実施態様例を、図1を参
照して説明する。図1は、本発明の二次電池の構成断面
を示す概念図であり、負極101と、正極102、電解
質もしくは電解液(電解質溶液)103及びセパレータ
ー104から構成されている。本発明ではこの電解質1
03に有機フッ素珪素化合物の塩からなる電解質を用い
る。図1において、105は負極の出入力端子、106
は正極の出入力端子、107は電池ケースである。
【0012】
【電解質】本発明のリチウム二次電池に使用する電解質
である、有機フッ素珪素化合物の塩としては、一般式M
m[RnSiF4-n+m]で表されるリチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、からなる塩、お
よびこれらの混合塩、が挙げられる。ここで、Rはメチ
ル基CH3−,エチル基C25−,ブチル基C37−,
フェニル基C65−(Ph)、などのアルキル基、芳香
族基である。また、上記Mは、Li,Na,K,R
4N、などである。
【0013】本発明のリチウム二次電池の電解質に用い
た上記有機フッ素珪素化合物の塩は、従来のリチウム二
次電池に用いられてきた塩、すなわち、BF - 4,PF
- 6,AsF - 6,ClO - 4,CF3SO - 3,BPh - 4
(Ph:フェニル基)、などのルイス酸イオンと、陽イ
オン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラアル
キルアンモニウムイオン)からなる塩に比較して、吸湿
性が低い。そのため、リチウム二次電池用の電解液調製
時に水分の混入が少なく、この電解液を使用することに
よって、充電時の析出するリチウムが水分と反応して水
酸化リチウムなどの絶縁体皮膜が負極表面に形成される
のを抑制することができる。
【0014】また、フェニル基などの芳香族基を有した
有機フッ素珪素化合物の塩は、有機溶媒に溶解し易いの
で、より高いイオン電導度の電解液を得ることができ、
この電解液を使用したリチウム二次電池では内部インピ
ーダンスを低減でき、より大きな電流を流すことが可能
になり、充放電サイクル寿命も長くなる。なお、上記塩
は、リチウム二次電池の電解質として組み込む前に、減
圧下で加熱したりして、十分な脱水と脱酸素を行ってお
くことが望ましい。
【0015】
【電解質の調製方法】本発明のリチウム二次電池に使用
する電解質である、有機フッ素珪素化合物の塩(一般式
Mm[RnSiF4-n+m])調製方法の一つとしては、
RnSiF4-n化合物の水溶液をアルカリフッ化物(M
F)水溶液に添加して以下のように反応させて調製する
方法が挙げられる。
【0016】 RnSiF4-n+mMF→Mm[RnSiF4-n+m] ここで、 n=1〜3;m=1,2 n=2のときRnSiF4-n=RR’SiF2でもよく、
n=3のときRnSiF4-n=RR’R”SiFでもよ
い。R=メチル基CH3−,エチル基C25−,ブチル
基C37−,フェニル基C65−(Ph)、などのアル
キル基や芳香族基であり、M=Li,Na,K,R4
であり、RkN4-kのアンモニウムの代表例としては、
Et4N(Et:エチル基),Bu4N(Bu:ブチル
基)などがある。反応としては RSiF3+2MF→M2[RSiF5] R3SiF+MF→M[R3SiF2] などが挙げられる。
【0017】また、有機フッ素珪素化合物の塩(Mm
[RnSiF4-n+m])の別の調製方法としては、以下
のハロゲン元素の置換反応を利用した調製方法も挙げら
れる。 RnSiX4-n+hMF→Mm[RnSiF4-n+m]+
(h−m)MX n=1〜3;m=1,2 X=Cl,Br,I,RCOO,OH,ORなど。反応
例としては RSiX3+5MF→M2[RSiF5]+3MX などが挙げられる。
【0018】
【電解質の使用方法】本発明における電解質の使用法と
しては、次の3通りが挙げられる。 (1)そのままの状態で用いる方法。 (2)溶媒に溶解した溶液として用いる方法。 (3)溶液にポリマーなどのゲル化剤を添加することに
よって、固定化したものとして用いる方法。
【0019】一般的には、溶媒に電解質を溶かした電解
液を、多孔性のセパレーターに保液させて使用する。電
解質の導電率は、25℃における値として、好ましくは
1×10-3S/cm以上、より好ましくは5×10-3
/cm以上であることが必要である。
【0020】電解質の溶媒としては、以下のものが好適
に用いられる。より具体的な電解質の溶媒として、例え
ば、アセトニトリル、ベンゾニトリル、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、
ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、クロロ
ベンゼン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、スルホ
ラン、ニトロメタン、ジメチルサルファイド、ジメチル
サルオキシド、ジメトキシエタン、ギ酸メチル、3−メ
チル−2−オキダゾリジノン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、3−プロピルシドノン、二酸化イオウ、塩化ホ
スホリル、塩化チオニル、塩化スルフリル、又は、これ
らの混合液が使用できる。
【0021】上記溶媒は、例えば、活性アルミナ、モレ
キュラーシーブ、五酸化リン、塩化カルシウムなどで脱
水するか、溶媒によっては、不活性ガス中でアルカリ金
属共存下で蒸留して不純物除去と脱水をも行うのがよ
い。電解液の漏洩を防止するために、ゲル化することが
好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨
潤するようなポリマーを用いるのが望ましい。このよう
なポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミドなどが用いられ
る。
【0022】
【負極】本発明におけるリチウム二次電池に用いるリチ
ウムイオンのホスト材となる負極活物質としては、グラ
ファイトも含めたカーボン材、リチウム金属、リチウム
合金、リチウムと合金を形成する金属元素を有する材
料、多孔質金属、正極活物質と起電力を有する遷移金属
酸化物もしくは遷移金属硫化物、が用いられる。上記負
極活物質の形状が粉末である場合には、結着剤を用いる
か、焼結させて負極活物質層を集電体上に形成して負極
を作製する。また、上記負極活物質粉の導電性が低い場
合には、正極の活物質層の形成と同様に、導電補助材を
混合することが適宜必要になる。上記集電体及び導電補
助材としては、前記正極に用いるものが同様に使用でき
る。
【0023】
【正極】本発明における正極は、集電体、正極活物質、
導電補助材、結着剤、などから構成されたものである。
この正極は、正極活物質、導電補助材、及び結着剤など
を混合したものを、集電体の表面上に成形して作製され
る。本発明に使用する、リチウムイオンが挿入脱離する
ホスト材としての正極活物質としては、遷移金属酸化
物、遷移金属硫化物、リチウム−遷移金属酸化物、又は
リチウム−遷移金属硫化物が一般に用いられる。遷移金
属酸化物や遷移金属硫化物の遷移金属元素としては、例
えば、部分的にd殻あるいはf殻を有する元素であると
ころの、Sc,Y,ランタノイド,アクチノイド,T
i,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,M
n,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,I
r,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Auが挙げられ
る。特に、第一遷移系列金属であるTi,V,Cr,M
n,Fe,Co,Ni,Cuが好適に用いられる。
【0024】
【正極または負極に使用する導電補助材】正極に使用す
る導電補助材としては、粉末状または繊維状のアセチレ
ンブラックやケッチェンブラックなどの非晶質炭素(カ
ーボンブラック)、黒鉛、電池反応に不活性な金属が挙
げられる。
【0025】
【正極または負極に使用する結着剤】正極または負極の
作製に使用する結着剤としては、例えば、ポリエチレン
やポリプロピレンなどのポリオレフィン、又はポリフッ
化ビニリデンやテトラフルオロエチレンポリマーのよう
なフッ素樹脂、が挙げられる。
【0026】
【正極または負極に使用する集電体】本発明における負
極及び正極の集電体は、充放電時の電極反応で消費する
電流を効率よく供給するあるいは発生する電流を集電す
る役目を担っている。したがって、負極及び正極の集電
体を形成する材料としては、電導度が高く、かつ、電池
反応に不活性な材質が望ましい。好ましい材質として
は、ニッケル、チタニウム、銅、アルミニウム、ステン
レススチール、白金、パラジウム、金、亜鉛、各種合
金、及び上記材料の二種以上の複合金属が挙げられる。
集電体の形状としては、例えば、板状、箔状、メッシュ
状、スポンジ状、繊維状、パンチングメタル、エキスパ
ンドメタルなどの形状が採用できる。
【0027】
【セパレーター】本発明におけるセパレーターは、負極
と正極の短絡を防ぐ役割がある。また、電解液を保持す
る役割を有する場合もある。セパレーターは、リチウム
イオンが移動できる細孔を有し、かつ、電解液に不溶で
安定である必要がある。したがって、セパレーターとし
ては、例えば、ガラス、ポリプロピレンやポリエチレン
などのポリオレフィン、フッ素樹脂、などの不織布ある
いはミクロポア構造の材料が好適に用いられる。また、
微細孔を有する金属酸化物フィルム、又は、金属酸化物
を複合化した樹脂フィルムも使用できる。特に、多層化
した構造を有する金属酸化物フィルムを使用した場合に
は、デンドライトが貫通しにくいため、短絡防止に効果
がある。難燃材であるフッ素樹脂フィルム、又は、不燃
材であるガラス、もしくは金属酸化物フィルムを用いた
場合には、より安全性を高めることができる。
【0028】
【電池の形状と構造】本発明における電池の形状として
は、例えば、扁平形、円筒形、直方体形、シート形など
がある。又、電池の構造としては、例えば、単層式、多
層式、スパイラル式などがある。その中でも、スパイラ
ル式円筒形の電池は、負極と正極の間にセパレーターを
挟んで巻くことによって、電極面積を大きくすることが
でき、充放電時に大電流を流すことができるという特徴
を有する。また、直方体形の電池は、二次電池を収納す
る機器の収納スペースを有効に利用することができる特
徴を有する。
【0029】以下では、図2と図3を参照して、電池の
形状と構造についてより詳細な説明を行う。図2は単層
式扁平形電池の断面図であり、図3はスパイラル式円筒
形電池の断面図を表している。図2と図3において、2
00と300は負極集電体、201と301は負極活物
質、203と303は正極活物質、205と305は負
極端子(負極キャップ)、206と306は正極缶、2
07と307は電解液を保持したセパレーター、210
と310は絶縁パッキング、311は絶縁板、である。
【0030】以下では、図2や図3に示した電池の組み
立て方法の一例を説明する。 (1)負極活物質(201,301)と成形した正極活
物質(203,303)の間に、セパレーター(20
7,307)を挟んで、正極缶(206,306)に組
み込む。 (2)電解質を注入した後、負極キャップ(205,3
05)と絶縁パッキング(210,310)を組み立て
る。 (3)上記(2)を、かしめることによって、電池は完
成する。 なお、上述したリチウム電池の材料調製、および電池の
組立は、水分が十分除去された乾燥空気中、又は乾燥不
活性ガス中で行うのが望ましい。
【0031】
【絶縁パッキング】本発明における絶縁パッキング(2
10,310)の材料としては、例えば、フッ素樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、各種ゴムが使用
できる。電池の封口方法としては、図2と図3のように
絶縁パッキングなどのガスケットを用いた「かしめ」以
外にも、ガラス封管、接着剤、溶接、半田付けなどの方
法が用いられる。また、図3の絶縁板の材料としては、
各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
【0032】
【外缶】本発明における外缶としては、電池の正極缶
(206,306)、及び負極キャップ(205,30
5)が挙げられる。外缶の材料としては、ステンレスス
チールが好適に用いられる。特に、チタンクラッドステ
ンレス板や銅クラッドステンレス板、ニッケルメッキ鋼
板などが多用される。図2と図3では正極缶(206,
306)が電池ケースを兼ねているため、上記のステン
レススチールが好ましい。ただし、正極缶が電池ケース
を兼用しない場合には、電池ケースの材質としては、ス
テンレススチール以外にも亜鉛などの金属、ポリプロピ
レンなどのプラスチック、又は、金属もしくはガラス繊
維とプラスチックの複合材が挙げられる。
【0033】
【安全弁】本発明の電池には、電池の内圧が高まった時
の安全策として、安全弁が備えられている。図2と図3
には図示されていないが、安全弁としては、例えば、ゴ
ム、スプリング、金属ボール、破裂箔などが使用でき
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0035】
【実施例1】本実施例では、図2に示した断面構造の扁
平形のリチウム二次電池を作製した。以下では、図2を
参照して、電池の各構成物の作製手順と、電池の組み立
てについて説明する。
【0036】(1)電解質の作製 1M(mol/l)のトリフェニルフルオロシランP
3SiFのテトラヒドロフラン−水等量混合溶液を、
2Mのフッ化リチウムLiF水溶液に滴下して反応させ
エバポレーターで反応液を濃縮させて、トリフェニルシ
リルジフルオライドリチウム塩の沈殿を得た。 上記で得られた沈殿を水洗後、100℃で減圧乾燥
してトリフェニルシリルジフルオライドリチウム塩Li
(Ph3SiF2)の電解質を得た。
【0037】(2)電解液307の作製 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 上記で得られた溶媒に、前記リチウム塩を1M(m
ol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0038】(3)正極203の作製 炭酸リチウムと炭酸コバルトを、1:2のモル比で混
合した後、800℃空気気流で熱処理して、リチウム−
コバルト酸化物を調製した。 上記において調製したリチウム−コバルト酸化物
に、アセチレンブラックの炭素粉3wt(重量)%とポ
リフッ化ビニリデン粉5wt%を混合した後、N−メチ
ル−2−ピロリドンを添加した。 上記で得られたペーストを、エキスパンドメタル状
のアルミニウム箔である集電体に塗布乾燥した後、15
0℃で減圧乾燥して正極203を作製した。
【0039】(4)負極202の作製 アルゴンガス気流中2000℃で熱処理した天然黒鉛の
微粉末にポリフッ化ビニリデン粉5wt%を混合した
後、N−メチル−2−ピロリドンを添加してペーストを
調製した。得られたペーストを、銅箔である集電体20
0に塗布し、150℃で減圧乾燥して負極202を作製
した。なお、負極の黒鉛量は、炭素原子6個に1個のリ
チウム原子を蓄えるとして、上記正極の正極活物質の理
論容量の60%の量とした。
【0040】(5)セパレーター207 ポリエチレンの微孔セパレーターを用いた。 (6)電池の組み立て アルゴンガス雰囲気中で、負極202と正極208の
間に電解液を保液したセパレーター207を挟み、チタ
ンクラッドのステンレススチール材の正極缶206に挿
入した。 上記で得られた正極缶206に、ポリプロピレンの
絶縁パッキング210とチタンクラッドのステンレスス
チール材の負極キャップ205をかぶせ、かしめてリチ
ウム二次電池を得た。
【0041】
【電池の性能評価】得られたリチウム二次電池について
性能評価を行った。性能評価は、充放電サイクル試験に
おいて得られる、電池の単位体積当たりのエネルギー密
度と、サイクル寿命について行った。サイクル試験の条
件は、正極活物質から計算される電気容量を基準とし
て、1C(容量/時間の1倍の電流)の充放電と、30
分の休憩時間からなるサイクルを1サイクルとした。電
池の充放電試験は、北斗電工製HJ−106Mを使用し
た。なお、充放電試験は、充電より開始し、充電量は正
極活物質の理論容量の50%とした。サイクル寿命は電
池容量の60%を下回ったサイクル回数とした。充電の
カットオフ電圧は4.5V、放電のカットオフ電圧は
2.5Vに設定した。
【0042】
【比較例1】本比較例では、電解質にヘキサフルオロリ
ン酸リチウムLiPF 6を用いた以外は、実施例1と同
様にして、図2に示した断面構造の扁平形のリチウム二
次電池を作製した。以下では、電解液の調製についての
み説明する。 電解液207の調製: 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 ヘキサフルオロリン酸リチウムLiPF 6を100℃
で減圧乾燥した。 上記で得られた溶媒に、上記のリチウム塩を1M
(mol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0043】表1は、実施例1と比較例1で作製したリ
チウム二次電池のサイクル寿命と用いた電解液の水分量
についてまとめたものである。表1に示した、サイクル
寿命と電解液の水分量に関す評価結果は、実施例1の値
を、比較例1の値で規格化したものである。得られた評
価結果から、実施例1の電解質を採用することで電解液
中の水分量を低減でき、黒鉛負極の炭素原子当たり0.
1以上のリチウムを蓄える充電条件であってもサイクル
寿命の長いリチウム二次電池が得られることがわかっ
た。
【0044】
【実施例2】本実施例では、図2に示した断面構造の扁
平形のリチウム二次電池を作製した。以下では、図2を
参照して、電池の各構成物の作製手順について説明す
る。なお、セパレーター及び電池の組み立ては実施例1
と同様にした。
【0045】(1)電解質の作製 0.5M(mol/l)のフェニルトリクロロシラン
PhSiCl3水溶液を、3Mのフッ化リチウム水溶液
に滴下して反応させエバポレーターで反応液を濃縮させ
て、フェニルシリルペンタフルオライドリチウム塩の沈
殿を得た。 上記で得られた沈殿を水洗後、100℃で減圧乾燥
してフェニルシリルペンタフルオライドリチウム塩Li
2(PhSiF5)の電解質を得た。
【0046】(2)電解液307の作製 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 上記で得られた溶媒に、前記リチウム塩を1M(m
ol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0047】(3)正極203の作製 硝酸リチウムと炭酸ニッケルを、1:1のモル比で混
合した後、750℃空気気流中で熱処理して、リチウム
−ニッケル酸化物を調製した。 上記において調製したリチウム−ニッケル酸化物
に、アセチレンブラックの炭素粉3wt%(重量)%と
ポリフッ化ビニリデン粉5wt%を混合した後、N−メ
チル−2−ピロリドンを添加した。 上記で得られたペーストを、接続端子を引き出した
アルミニウム箔に塗布乾燥した後、150℃で減圧乾燥
して正極203を作製した。
【0048】(4)負極202の作製 5wt%水酸化カリウム水溶液でエッチング処理したア
ルミニウム箔を、電解液に12M(mol/l)の硫酸
水溶液を用い、対向電極にグラシーカーボンを用い、3
0Vの電圧を印加してアルミニウム表面を陽極酸化処理
し、水洗とアセトン、イソプロピルアルコールで洗浄乾
燥後、150℃で減圧乾燥して負極202を調製した。
上記負極、正極、電解液を用いて実施例1と同様に電池
を組み立て、リチウム二次電池を得た。
【0049】
【比較例2】本比較例では、電解質にホウフッ化リチウ
ムLiBF4を用いた以外は、実施例2と同様にして、
図2に示した断面構造の扁平形のリチウム二次電池を作
製した。以下では、電解液の調製手順についてのみ説明
する。 電解液207の調製: 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 ホウフッ化リチウムLiBF4を100℃で減圧乾燥
した。 上記で得られた溶媒に、上記のリチウム塩を1M
(mol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0050】表2は、実施例2と比較例2で作製したリ
チウム二次電池のサイクル寿命と用いた電解液の水分量
についてまとめたものである。表2に示した、サイクル
寿命と電解液の水分量に関す評価結果は、実施例2の値
を、比較例2の値で規格化したものである。得られた評
価結果から、実施例2の電解質を採用することで電解液
中の水分量を低減でき、サイクル寿命の長い、陽極酸化
アルミニウム負極のリチウム二次電池が得られることが
わかった。なお、実施例2の電池では、比較例2の電池
に比較して、充放電の繰り返しに伴う、定電流充電時の
電池電圧の上昇が小さかった。
【0051】
【実施例3】本実施例では、図2に示した断面構造の扁
平形のリチウム二次電池を作製した。以下では、図2を
参照して、電池の各構成物の作製手順について説明す
る。なお、セパレーター及び電池の組み立ては実施例1
と同様にした。
【0052】(1)電解質の調製 1M(mol/l)のエチルトリフルオロシランC2
5SiF3水溶液を、3Mのフッ化リチウム水溶液に滴
下して反応させエバポレーターで反応液を濃縮させて、
エチルシリルペンタフルオライドリチウム塩の沈殿を得
た。 上記で得られた沈殿を水洗後、100℃で減圧乾燥
してエチルシリルペンタフルオライドリチウム塩Li2
(C25SiF5)の電解質を得た。
【0053】(2)電解液207の作製 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 上記で得られた溶媒に、前記リチウム塩を1M(m
ol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0054】(3)正極203の作製手順 電解二酸化マンガンと炭酸リチウムを、1:0.4の
モル比で混合した後、800℃で熱処理して、リチウム
−マンガン酸化物を調製した。 上記において調製したリチウム−マンガン酸化物
に、アセチレンブラックの炭素粉3wt(重量)%とポ
リフッ化ビニリデン粉5wt%を混合した後、N−メチ
ル−2−ピロリドンを添加した。 上記で得られたペーストを、アルミニウム箔に塗布
乾燥した後、150℃で減圧乾燥して正極203を作製
した。
【0055】(4)負極202の作製手順 金属リチウム箔201を、集電体200としてのニッケ
ルのエキスパンドメタルに圧着して負極202を調製し
た。上記負極、正極、電解液を用いて実施例1と同様に
電池を組み立て、リチウム二次電池を得た。
【0056】
【比較例3】本比較例では、電解質にトリフルオロメタ
ンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)を用いた以外
は、実施例3と同様にして、図2に示した断面構造の扁
平形のリチウム二次電池を作製した。以下では、電解液
の調製手順についてのみ説明する。 電解液307の調製: 十分に水分を除去したエチレンカーボネート(EC)
とジメチルカーボネート(DMC)とを、等量混合した
溶媒を調製した。 トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3
SO3)を100℃で減圧乾燥した。 上記で得られた溶媒に、上記のリチウム塩を1M
(mol/l)溶解し電解液として調製した。 上記で得られた電解液を少量取り、カールフィッシ
ャー水分計で水分含有量を測定した。
【0057】表3は、実施例3と比較例3で作製したリ
チウム二次電池のサイクル寿命と用いた電解液の水分量
についてまとめたものである。表3に示した、サイクル
寿命と電解液の水分量に関す評価結果は、実施例3の値
を、比較例3の値で規格化したものである。得られた評
価結果から、実施例3の電解質を採用することで電解液
中の水分量を低減でき、サイクル寿命の長い、金属リチ
ウム負極のリチウム二次電池が得られることがわかっ
た。なお、実施例3の電池では、比較例3の電池に比較
して、充放電の繰り返しに伴う、定電流充電時の電池電
圧の上昇が小さかった。
【0058】
【実施例4】本実施例では、実施例3において、電解液
を実施例1の電解液に変更した以外は、実施例3と同様
にして、図2に示した断面構造の扁平形のリチウム二次
電池を作製した。
【0059】表4は、実施例4と比較例3で作製したリ
チウム二次電池のサイクル寿命と用いた電解液の水分量
についてまとめたものである。表4に示した、サイクル
寿命と電解液の水分量に関す評価結果は、実施例4の値
を、比較例3の値で規格化したものである。得られた評
価結果から、フェニル基を有する電解質を採用すること
でさらにサイクル寿命の長い、金属リチウム負極のリチ
ウム二次電池が得られることがわかった。なお、実施例
4の電池では、比較例3の電池に比較して、充放電の繰
り返しに伴う、定電流充電時の電池電圧の上昇が小さか
った。
【0060】なお、実施例1〜4では、正極活物質とし
て、リチウム−コバルト酸化物、リチウム−ニッケル酸
化物、リチウム−マンガン酸化物を使用した。しかし、
これに限定されるものでなく、リチウム−バナジウム酸
化物、リチウム−鉄酸化物、など各種の正極活物質も採
用できる。また、負極として、黒鉛、陽極酸化アルミニ
ウム、金属リチウム、を使用した。しかし、これに限定
されるものでなく、有機樹脂を焼成して得られる各種炭
素材料、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、なども採用
できる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】以上説明したことから、明らかなよう
に、本発明によれば、有機フッ素珪素化合物の塩からな
る電解質を使用したリチウム二次電池において、電解質
調製時の水分混入が低減できる。その結果、エネルギー
密度の高いリチウム二次電池のサイクル寿命を伸ばすこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム二次電池の構成断面を示す概
念図である。
【図2】単層式扁平形電池の断面図である。
【図3】スパイラル式円筒形電池の断面図である。
【符号の説明】 101,201,302 負極 102,203,303 正極 103 電解質(電解液) 104 セパレーター 105 負極端子 106 正極端子 107 電池ケース 200,300 負極集電体 201,301 負極活物質 203,303 正極活物質 205,305 負極キャップ(負極端子) 206,306 正極缶(正極端子) 207,307 電解液を保持したセパレーター 210,310 絶縁パッキング 304 正極集電体 311 絶縁板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−47417(JP,A) 特開 昭63−239780(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも負極、セパレーター、正極、
    電解質、集電電極、電池ケースから形成され、リチウム
    イオンのインターカレート反応及びデインターカレート
    反応を充放電に利用した二次電池において、珪素元素、
    フッ素元素、炭素元素、を少なくとも含有する有機フッ
    素珪素化合物の塩からなる電解質を用いたことを特徴と
    するリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 上記有機フッ素珪素化合物の塩がフェニ
    ル基を含有していることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池。
  3. 【請求項3】 有機フッ素珪素化合物の塩がリチウム塩
    であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項
    記載のリチウム二次電池。
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