JP2003203675A - 非水電解質及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質及び非水電解質二次電池

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JP2003203675A
JP2003203675A JP2002313051A JP2002313051A JP2003203675A JP 2003203675 A JP2003203675 A JP 2003203675A JP 2002313051 A JP2002313051 A JP 2002313051A JP 2002313051 A JP2002313051 A JP 2002313051A JP 2003203675 A JP2003203675 A JP 2003203675A
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aqueous
carbonate
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正宏 関野
Asako Sato
麻子 佐藤
Jun Monma
旬 門馬
Masayuki Oguchi
雅之 小口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での充放電サイクル寿命を向上すること
が可能な非水電解質を提供することを目的とする。 【解決手段】 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される
電解質とを具備する非水電解質であり、前記非水溶媒
は、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカー
ボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン(GBL)
と、前記EC、前記PC及び前記GBL以外の溶媒であ
る第4成分とを含み、前記非水溶媒全体積に対するエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積
%)、y(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とし
た際、前記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ1
5≦x≦50、30≦y≦75、0<z<30、0<p
≦5を満たすことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質及び非
水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話などの携帯機器向けの非
水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池が商
品化されている。このリチウムイオン二次電池の一例と
して、リチウムコバルト酸化物(例えば、LiCo
2)を含む正極と、黒鉛質材料あるいは炭素質材料を
含む負極と、リチウム塩を溶解した有機溶媒を主体とす
る非水電解液と、セパレータである多孔質膜とを備える
ものが知られている。前記電解液の溶媒としては低粘
度、低沸点の非水溶媒が用いられている。
【0003】例えば特開平4−14769号公報には、
プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとγ−
ブチロラクトンからなる混合溶媒を主体とし、γ−ブチ
ロラクトンの比率が混合溶媒全体の10〜50体積%で
ある電解液を備えた非水電解液二次電池が記載されてい
る。この公報では、プロピレンカーボネートとエチレン
カーボネートの混合溶媒にγ−ブチロラクトンを添加す
ることにより低温での電解液の伝導度を上げ、円筒形非
水電解液二次電池の低温放電特性を改善している。
【0004】しかしながら、前述した特開平4−147
69号公報に記載された非水電解液二次電池は、初充電
時に負極から多量のガスが発生したり、あるいは、60
℃以上の極めて高温に貯蔵した時に正極と非水電解液が
反応して非水電解液の酸化分解が生じてガス発生が起き
る。よって、電池の厚さを薄くするために、正極、負
極、セパレータ及び非水電解液が収納される容器の厚さ
を薄くすると、発生したガスにより容器が膨れ、変形す
るという問題点を生じる。容器が変形すると、電池が電
子機器に納まらなくなったり、あるいは電子機器の誤作
動を招く恐れがある。さらに、この非水電解液二次電池
は、高温環境下において負極とγ−ブチロラクトンとの
反応が進みやすく、高温環境下での充放電サイクルにお
いて長寿命を得られないという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特開平4−14769号公報(特許請求
の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温での充
放電サイクル寿命を向上することが可能な非水電解質及
び非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の非水
電解質は、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される電解
質とを具備する非水電解質であり、前記非水溶媒は、エ
チレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネー
ト(PC)と、γ−ブチロラクトン(GBL)と、前記
EC、前記PC及び前記GBL以外の溶媒である第4成
分とを含み、前記非水溶媒全体積に対するエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前
記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦
50、30≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満
たすことを特徴とする。
【0008】本発明に係る第2の非水電解質は、非水溶
媒と、前記非水溶媒に溶解される電解質とを具備する非
水電解質であり、前記非水溶媒は、エチレンカーボネー
ト(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、γ
−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート
(VC)と、前記EC、前記PC、前記GBL及び前記
VC以外の溶媒である第5成分とを含み、前記非水溶媒
全体積に対するエチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート
及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、q(体積
%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記w及び前
記qはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦75、0<
z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たすことを特徴
とする。
【0009】本発明に係る第1の非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される電極群と、前記電
極群に保持され、非水溶媒を含む非水電解質とを具備し
た非水電解質二次電池であり、前記非水溶媒は、エチレ
ンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート
(PC)と、γ−ブチロラクトン(GBL)と、前記E
C、前記PC及び前記GBL以外の溶媒である第4成分
とを含み、前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン
及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前
記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦
50、30≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満
たすことを特徴とする。
【0010】本発明に係る第2の非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される電極群と、前記電
極群に保持され、非水溶媒を含む非水電解質とを具備し
た非水電解質二次電池であり、前記非水溶媒は、エチレ
ンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート
(PC)と、γ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレ
ンカーボネート(VC)と、前記EC、前記PC、前記
GBL及び前記VC以外の溶媒である第5成分とを含
み、前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビ
ニレンカーボネート及び前記第5成分の割合をそれぞれ
x(体積%)、y(体積%)、z(体積%)、w(体積
%)、q(体積%)とした際、前記x、前記y、前記
z、前記w及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、30
≦y≦75、0<z<30、0<w≦5、0<q≦5を
満たすことを特徴とする。
【0011】本発明に係る第3の非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器
内に収納される負極と、前記正極及び前記負極の間に配
置されると共に、液状非水電解質及び前記液状非水電解
質をゲル化させる機能を有するポリマーを含有する電解
質層とを具備した非水電解質二次電池であり、前記液状
非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)と、プロ
ピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
(GBL)と、前記EC、前記PC及び前記GBL以外
の溶媒である第4成分とを含む非水溶媒を含有し、前記
非水溶媒全体に対するエチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び前記第4成分
の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体
積%)、p(体積%)とした際、前記x、前記y、前記
z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦7
5、0<z<30、0<p≦5を満たすことを特徴とす
る。
【0012】本発明に係る第4の非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器
内に収納される負極と、前記正極及び前記負極の間に配
置されると共に、液状非水電解質及び前記液状非水電解
質をゲル化させる機能を有するポリマーを含有する電解
質層とを具備した非水電解質二次電池であり、前記液状
非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)と、プロ
ピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、前記
EC、前記PC、前記GBL及び前記VC以外の溶媒で
ある第5成分とを含む非水溶媒を含有し、前記非水溶媒
全体積に対するエチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート
及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、q(体積
%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記w及び前
記qはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦75、0<
z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たすことを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される電極群と、前記電
極群に保持され、非水溶媒を含む非水電解質とを具備す
る。
【0014】前記非水溶媒には、例えば、以下に説明す
る(A)〜(B)のうちのいずれかが使用される。
【0015】(A)非水溶媒A この非水溶媒Aは、エチレンカーボネート(EC)と、
プロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクト
ン(GBL)と、前記EC、前記PC及び前記GBL以
外の溶媒である第4成分とを含む。
【0016】前記非水溶媒全体積に対するエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前
記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦
50、30≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満
たす。
【0017】(B)非水溶媒B この非水溶媒Bは、エチレンカーボネート(EC)と、
プロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクト
ン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、前
記EC、前記PC、前記GBL及び前記VC以外の溶媒
である第5成分とを含む。
【0018】前記非水溶媒全体積に対するエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ビニレンカーボネート及び前記第5成分の割合をそ
れぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体積%)、w
(体積%)、q(体積%)とした際、前記x、前記y、
前記z、前記w及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、
30≦y≦75、0<z<30、0<w≦5、0<q≦
5を満たす。
【0019】前記非水電解質には、実質的に液状または
ゲル状の形態を有するものを使用することができる。中
でも、液状非水電解質が好ましい。液状非水電解質を用
いることによって、イオン伝導度を高くすることができ
るため、正極とセパレータの界面抵抗並びに負極とセパ
レータの界面抵抗を小さくすることができる。
【0020】前記非水電解質は、例えば、以下の(I)
〜(IV)に説明する方法で調製される。
【0021】(I)前述した非水溶媒A〜Bのうちのい
ずれかに電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させるこ
とにより非水電解質を得る(液状非水電解質)。
【0022】(II)前述した非水溶媒A〜Bのうちのい
ずれかと電解質とポリマーとを混合することにより調製
されたペーストを成膜した後、乾燥させる。得られた薄
膜を正極及び負極の間に介在させて電極群を作製する。
この電極群に液状非水電解質を含浸させた後、減圧下で
前記薄膜を可塑化させる。
【0023】(III)前述した非水溶媒A〜Bのうちの
いずれかと電解質とゲル化剤とを含むスラリーをセパレ
ータに含浸させた後、前記セパレータを正極及び負極の
間に介在させ、ゲル状非水電解質を保持する電極群を得
る。
【0024】(IV)前述した非水溶媒A〜Bのうちのい
ずれかと電解質とゲル化剤とを含むスラリーを正極又は
負極に塗布し、この正負極の間にセパレータを介在させ
ることによりゲル状非水電解質を保持する電極群を得
る。
【0025】前記ゲル化剤としては、例えば、ポリアク
リロニトリル(PAN)を挙げることができる。
【0026】以下、本発明にかかる二次電池の具体例
(非水電解質二次電池(I)および非水電解質二次電池
(II))を説明する。
【0027】1.非水電解質二次電池(I) この非水電解質二次電池は、厚さが0.3mm以下の容
器と、前記容器内に収納され、リチウムイオンを吸蔵・
放出する正極及びリチウムイオンを吸蔵・放出する負極
の間にセパレータが配置された電極群と、少なくとも前
記セパレータに含浸され、非水溶媒及び前記非水溶媒に
溶解される電解質を含む液状非水電解質(非水電解液)
とを具備する。
【0028】前記電極群、正極、負極、セパレータ、非
水電解質及び容器について説明する。
【0029】1)電極群 この電極群では、正極、負極及びセパレータが一体化さ
れていることが好ましい。かかる電極群は、例えば、以
下の(i)〜(ii)に説明した方法により作製される。
【0030】(i)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて偏平形状に捲回するか、正極及び負極をそ
の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、
径方向に圧縮するか、あるいは正極及び負極をその間に
セパレータを介在させて1回以上折り曲げる。前述した
いずれかの方法により得られた偏平状物の積層方向に加
熱成形を施すことにより、正極及び負極に含まれる結着
剤を熱硬化させて正極、負極及びセパレータを一体化さ
せ、電極群を得る。
【0031】前記加熱成形は、偏平状物を容器に収納し
てから行っても良いし、容器に収納する前に行っても良
い。
【0032】加熱成形を行う雰囲気は、真空を含む減圧
雰囲気か、あるいは常圧雰囲気にすることが望ましい。
【0033】成形は、例えば、プレス成形、あるいは成
形型への填め込み等により行うことができる。
【0034】前記加熱成形の温度は、20〜120℃の
範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、6
0〜100℃である。
【0035】前記加熱成形の成形圧は、0.01〜35
kg/cm2の範囲内にすることが望ましい。好ましい
範囲は8〜30kg/cm2で、さらに好ましい範囲
は、12〜25kg/cm2である。
【0036】(ii)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて偏平形状に捲回するか、正極及び負極をそ
の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、
径方向に圧縮するか、あるいは正極及び負極をその間に
セパレータを介在させて1回以上折り曲げる。前述した
いずれかの方法により得られた偏平状物に接着性を有す
る高分子の溶液を含浸させた後、真空乾燥を施すことに
より前記溶液中の溶媒を蒸発させる。次いで、加熱成形
を施すことにより正極、負極及びセパレータを一体化さ
せ、電極群を得る。このような電極群では、正極及びセ
パレータがこれらの内部及び境界に点在する接着性を有
する高分子により一体化されていると共に、負極及びセ
パレータがこれらの内部及び境界に点在する接着性を有
する高分子により一体化されているため、二次電池の内
部抵抗を低く抑えつつ、接着強度を高くすることができ
る。
【0037】前記加熱成形は、偏平状物を容器に収納し
てから行っても良いし、容器に収納する前に行っても良
い。
【0038】前記接着性を有する高分子の溶液は、有機
溶媒に接着性高分子を溶解させることにより調製され
る。
【0039】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。具体的には、ポリアク
リロニトリル(PAN)、ポリアクリレート(PMM
A)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、またはポリエチレンオキサイド(PE
O)等を挙げることができる。特に、ポリフッ化ビニリ
デンが好ましい。ポリフッ化ビニリデンは、非水電解液
を保持することができ、非水電解液を含むと一部ゲル化
を生じるため、イオン伝導度をより向上することができ
る。
【0040】前記溶媒の沸点は、200℃以下であるこ
とが望ましく、さらに好ましい範囲は180℃以下であ
る。沸点の下限値は50℃にすることが好ましく、さら
に好ましい下限値は100℃である。
【0041】前記溶液中の接着性を有する高分子の濃度
は、0.05〜2.5重量%の範囲にすることが好まし
い。濃度のより好ましい範囲は、0.1〜1.5重量%
である。
【0042】前記溶液の注入量は、前記溶液の接着性を
有する高分子の濃度が0.05〜2.5重量%である場
合、電池容量100mAh当たり0.1〜2mlの範囲
にすることが好ましい。前記注入量のより好ましい範囲
は、電池容量100mAh当たり0.15〜1mlであ
る。
【0043】前記真空乾燥は、100℃以下で行うこと
が好ましい。より好ましい真空乾燥温度は、40〜10
0℃である。
【0044】前記電池に含まれる接着性を有する高分子
の総量は、電池容量100mAh当たり0.1〜6mg
にすることが好ましい。接着性を有する高分子の総量の
より好ましい範囲は、電池容量100mAh当たり0.
2〜1mgである。
【0045】2)正極 この正極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担
持され、活物質を含む正極層とを含む。
【0046】前記正極層は、正極活物質、結着剤及び導
電剤を含む。
【0047】前記正極活物質としては、種々の酸化物、
例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、
リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸
化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム
含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二
硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物
などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバ
ルト酸化物(例えば、LiCoO2 )、リチウム含有ニ
ッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2
2 )、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiM
2 4 、LiMnO2 )を用いると、高電圧が得られ
るために好ましい。
【0048】前記導電剤としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。
【0049】前記結着剤は、活物質を集電体に保持さ
せ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤
としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
【0050】前記正極活物質、導電剤および結着剤の配
合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜2
0重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ま
しい。
【0051】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステ
ンレス、またはニッケルから形成することができる。
【0052】中でも、直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板を用いることが好ましい。孔の直径
は、0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。
また、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の
範囲にすることがより好ましい。
【0053】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを15〜100μmの範囲に
することが好ましい。厚さのより好ましい範囲は、30
〜80μmである。
【0054】前記正極は、例えば、正極活物質に導電剤
および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電
体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作製され
る。
【0055】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記正極は接着性を有する高
分子を更に含有する。
【0056】3)負極 前記負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担
持される負極層とを含む。
【0057】前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵・放
出する炭素質物及び結着剤を含む。
【0058】前記炭素質物としては、黒鉛、コークス、
炭素繊維、球状炭素などの黒鉛質材料もしくは炭素質材
料、熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッ
チ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球
体など(特に、メソフェーズピッチ系炭素繊維が容量や
充放電サイクル特性が高くなり好ましい)に500〜3
000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材料
または炭素質材料等を挙げることができる。中でも、前
記熱処理の温度を2000℃以上にすることにより得ら
れ、(002)面の面間隔d002が0.34nm以下で
ある黒鉛結晶を有する黒鉛質材料を用いるのが好まし
い。このような黒鉛質材料を炭素質物として含む負極を
備えた非水電解質二次電池は、電池容量および大電流放
電特性を大幅に向上することができる。前記面間隔d
002 は、0.336nm以下であることが更に好まし
い。また、面間隔d002の下限値は、完全な黒鉛結晶に
おける(002)面の面間隔d002、すなわち0.33
54nmにすることが好ましい。
【0059】前記結着剤としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、スチレン−プタジエンゴム(SBR)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いること
ができる。
【0060】前記炭素質物及び前記結着剤の配合割合
は、炭素質物90〜98重量%、結着剤2〜20重量%
の範囲であることが好ましい。
【0061】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、ま
たはニッケルから形成することができる。
【0062】中でも、直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板を用いることが好ましい。孔の直径
は、0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。
また、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の
範囲にすることがより好ましい。
【0063】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを10〜50μmの範囲にす
ることが好ましい。
【0064】前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練
し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所
望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスす
ることにより作製される。
【0065】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記負極は接着性を有する高
分子を更に含有する。
【0066】前記負極層は、前述したリチウムイオンを
吸蔵・放出する炭素物質を含むものの他に、アルミニウ
ム、マグネシウム、スズ、けい素等の金属か、金属酸化
物か、金属硫化物か、もしくは金属窒化物から選ばれる
金属化合物や、リチウム合金を含むものであってもよ
い。
【0067】前記金属酸化物としては、例えば、スズ酸
化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸
化物、タングステン酸化物等を挙げることができる。
【0068】前記金属硫化物としては、例えば、スズ硫
化物、チタン硫化物等を挙げることができる。
【0069】前記金属窒化物としては、例えば、リチウ
ムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガ
ン窒化物等を挙げることができる。
【0070】前記リチウム合金としては、例えば、リチ
ウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛
合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。
【0071】4)セパレータ このセパレータは、例えば、多孔質シートから形成され
る。
【0072】前記多孔質シートとしては、例えば、多孔
質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前
記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
が好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中
でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、また
は両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を
向上できるため、好ましい。
【0073】前記多孔質シートの厚さは、30μm以下
にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は25μm
以下である。また、厚さの下限値は5μmにすることが
好ましく、さらに好ましい下限値は8μmである。
【0074】前記多孔質シートは、120℃、1時間で
の熱収縮率を20%以下であることが好ましい。前記熱
収縮率は、15%以下にすることがより好ましい。
【0075】前記多孔質シートは、多孔度が30〜60
%の範囲であることが好ましい。多孔度のより好ましい
範囲は、35〜50%である。
【0076】前記多孔質シートは、空気透過率が600
秒/100cm3 以下であることが好ましい。空気透過
率は、100cm3の空気が多孔質シートを透過するの
に要した時間(秒)を意味する。空気透過率の上限値は
500秒/100cm3 にすることがより好ましい。ま
た、空気透過率の下限値は50秒/100cm3 にする
ことが好ましく、さらに好ましい下限値は80秒/10
0cm3 である。
【0077】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記セパレータは接着性を有
する高分子を更に含有する。
【0078】5)液状非水電解質(非水電解液) この液状非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解さ
れる電解質とを含む。
【0079】前記非水溶媒には、前述した(A)〜
(B)のうちのいずれかを使用することができる。ま
ず、非水溶媒Aについて説明する。
【0080】各溶媒の非水溶媒全体に対する割合を前記
範囲に規定する理由を説明する。
【0081】a.γ−ブチロラクトン(GBL) GBLは、主に負極とPCの反応を制御する役割を果
す。GBLを添加しない場合、負極表面とPCの反応は
初充電時から進行し、前記反応により発生したガスが電
池容器の膨れを誘引する。GBLは、負極とPCの反応
を制御して、初充電時のガス発生および電池容器の膨れ
を抑制することを主な目的として添加されるが、GBL
の比率を30体積%以上にすると、特に高温時における
負極表面とGBLとの反応性が高くなり、非水電解質の
還元分解が進み、負極の表面に充放電反応を阻害する被
膜が形成される。このため、高温環境下において長いサ
イクル寿命を得られなくなる。
【0082】GBLの比率(z)が30体積%未満の場
合は、原因は定かではないが、PC、GBLともに負極
との反応が抑制され、また、第4成分の存在によって、
その抑制効果が相乗する。
【0083】より好ましい比率(z)は1体積%以上、
30体積%未満で、さらに好ましい比率(z)は1体積
%以上、25体積%以下で、最も好ましい比率(z)は
2体積%以上、15体積%以下である。
【0084】b.エチレンカーボネート(EC) ECの非水溶媒全体積に対する比率(x)を15体積%
未満にすると、負極表面をEC由来の保護膜で覆うこと
が困難になる恐れがあるため、負極とPCまたはGBL
との反応が進み、初充電時あるいは高温貯蔵時のガス発
生と、それに伴う容器の膨れを招く。一方、ECの比率
(x)が50体積%を超えると、非水電解液の粘度が高
くなってイオン伝導度が低下する恐れがあるため、低温
(例えば、0℃〜−40℃の温度範囲)での放電特性が
著しく低下する。ECの比率(x)のより好ましい範囲
は20体積%以上、50体積%以下で、さらに好ましい
範囲は25体積%以上、50体積%以下である。
【0085】c.プロピレンカーボネート(PC) PCの非水溶媒全体積に対する比率(y)を30体積%
未満にすると、負極とGBLとの反応が支配的となり、
第4成分の存在下であっても高温でのサイクル寿命を改
善することが困難になる。一方、PCの比率(y)が7
5体積%を超えると、初充電時において負極とPCの反
応が支配的となり、ガス発生およびそれに伴う電池容器
の膨れを抑制することは難しい。PCの比率(y)のよ
り好ましい範囲は30体積%以上、70体積%以下で、
さらに好ましい範囲は30体積%以上、65体積%以下
ある。
【0086】d.第4成分 非水溶媒に前記第4成分が存在しないと、負極表面に形
成される保護膜の緻密度あるいはリチウムイオン透過性
が低下するため、初充電時及び高温貯蔵時のガス発生を
抑えられなくなるばかりか、高温での充放電サイクル寿
命の改善も困難になる。しかしながら、第4成分の非水
溶媒全体積に対する比率(p)が5体積%を超えると、
高温貯蔵時や初充電時のガス発生を助長する恐れがあっ
たり、あるいは負極表面に形成される保護膜のリチウム
イオン透過性が低下して負極のインピーダンスが増加
し、長いサイクル寿命を得られない可能性がある。よっ
て、第4成分の非水溶媒全体積に対する比率(p)は、
0体積%より多く、5体積%以下の範囲内にすることが
好ましい。第4成分のより好ましい範囲は4体積%以下
で、さらに好ましい範囲は3体積%以下で、最も好まし
い範囲は0.1体積%〜2体積%である。
【0087】ビニルエチレンカーボネート(VEC)を
含有する第4成分を含む非水電解質は、高温での充放電
サイクル寿命を改善する上で有利であり、また、高温環
境下における自己放電を抑制することも可能である。さ
らに、この非水電解質にVCを含有させると、低温放電
特性及び室温でのサイクル特性を向上させることができ
る。
【0088】第4成分としてビニルエチレンカーボネー
ト(VEC)を使用する場合、好ましい範囲は5体積%
以下で、より好ましい範囲は3体積%以下で、さらに好
ましい範囲は2体積%以下である。なお、高温で十分な
充放電サイクル寿命を得るために、第4成分の下限値
は、0.05体積%にすることが望ましい。
【0089】フェニルエチレンカーボネート(phE
C)を含有する第4成分を含む非水電解質によると、室
温における充放電サイクル寿命も改善される。すなわ
ち、広範囲な温度領域で長いサイクル寿命を得ることが
できる。さらに、この非水電解質にVCを含有させる
と、高温での充放電サイクル寿命をより向上させること
ができると共に、高温環境下における自己放電を抑制す
ることが可能になる。
【0090】第4成分としてフェニルエチレンカーボネ
ート(phEC)を使用する場合、好ましい範囲は5体
積%以下で、さらに好ましい範囲は4体積%以下で、最
も好ましい範囲は3体積%以下である。なお、十分な充
放電サイクル寿命を得るために、第4成分の下限値は、
0.05体積%にすることが望ましい。
【0091】また、第4成分として、VECおよびph
EC以外の他の溶媒を使用することができる。
【0092】他の溶媒としては、例えば、ビニレンカー
ボネート(VC)、エチレンサルファイト(ES)、1
2−クラウン−4(Crown)、テトラエチレングリ
コールジメチルエーテル(Ether)、ジエチルカー
ボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DM
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−バレ
ロラクトン(VL)、プロピオン酸メチル(MP)、プ
ロピオン酸エチル(EP)、2―メチルフラン(2Me
−F)、フラン(F)、チオフェン(TIOP)、カテ
コールカーボネート(CATC)等を挙げることができ
る。第4成分として使用する他の溶媒の種類は、1種類
もしくは2種類以上にすることができる。
【0093】VECおよびphECよりなる群から選択
される少なくとも1種類の溶媒と、前述した種類の中か
ら選ばれる1種類以上の他の溶媒とを含有する第4成分
を用いることによって、高温での充放電サイクル寿命を
より向上することができる。
【0094】次いで、非水溶媒Bについて説明する。
【0095】各溶媒の非水溶媒全体に対する割合を前記
範囲に規定する理由を説明する。
【0096】a.γ−ブチロラクトン(GBL) 非水溶媒中のGBLの存在比率(z)を30体積%未満
にするのは、前述した非水溶媒Aで説明したのと同様な
理由によるものである。より好ましい比率(z)は1体
積%以上、30体積%未満で、さらに好ましい比率
(z)は1体積%以上、25体積%以下で、最も好まし
い比率(z)は2体積%以上、15体積%以下である。
【0097】b.エチレンカーボネート(EC) 非水溶媒中のECの存在比率(x)を15〜50体積%
にするのは、前述した非水溶媒Aで説明したのと同様な
理由によるものである。ECの比率(x)のより好まし
い範囲は20体積%以上、50体積%以下で、さらに好
ましい範囲は25体積%以上、50体積%以下である。
【0098】c.プロピレンカーボネート(PC) 非水溶媒中のPCの存在比率(y)を30〜75体積%
の範囲内にするのは、前述した非水溶媒Aで説明したの
と同様な理由によるものである。PCの比率(y)のよ
り好ましい範囲は30体積%以上、70体積%以下で、
さらに好ましい範囲は30体積%以上、65体積%以下
ある。
【0099】d.ビニレンカーボネート(VC) VCは、負極の界面抵抗の上昇を抑えつつ、負極表面に
形成される保護膜の緻密度を向上させて、初充電時や高
温貯蔵時のガス発生抑制並びに高温でのサイクル寿命
と、貯蔵特性のような他の電池特性とを同時に満足させ
るために添加するものであるが、非水溶媒中のVCの存
在比率(w)が5体積%を超えると、高温貯蔵時や初充
電時のガス発生を助長する可能性があったり、あるいは
負極表面に形成される保護膜のリチウムイオン透過性が
低下して負極のインピーダンスが増加して低温放電特性
が低下する。VCの非水溶媒全体積に対する比率(w)
の好ましい範囲は3体積%以下で、さらに好ましい範囲
は2体積%以下である。また、高温で十分な充放電サイ
クル寿命を得るために、VCの比率(w)の下限値は、
0.05体積%にすることが望ましく、さらに好ましい
下限値は0.1体積%である。
【0100】なお、VCは、初充放電工程中に前記非水
溶媒から前記負極の表面へ移動し、前記負極の表面に付
着する。従って、初充放電工程が施された二次電池に存
在する非水溶媒においては、非水溶媒全体積に対するV
Cの割合が二次電池組立て前より少ない。減少率は、例
えば、VCの添加量が1重量%である場合に70〜80
%となる(つまり、残存率は20〜30%)。
【0101】e.第5成分 非水溶媒に前記第5成分が存在しないと、負極表面に形
成される保護膜の緻密度あるいはリチウムイオン透過性
が低下するため、初充電時のガス発生を抑えられなくな
るばかりか、高温でのサイクル寿命の改善も困難にな
る。しかしながら、第5成分の非水溶媒全体積に対する
比率(q)が5体積%を超えると、高温貯蔵時や初充電
時のガス発生を助長する恐れがあったり、あるいは負極
表面に形成される保護膜のリチウムイオン透過性が低下
して負極のインピーダンスが増加し、低温放電特性もし
くは室温サイクル寿命が低下する可能性がある。よっ
て、第5成分の非水溶媒全体積に対する比率(q)は、
0体積%より多く、5体積%以下の範囲内にすることが
好ましい。第5成分のより好ましい範囲は4体積%以下
で、さらに好ましい範囲は3体積%以下で、最も好まし
い範囲は0.1体積%〜2体積%である。
【0102】ビニルエチレンカーボネート(VEC)を
含有する第5成分を含む非水電解質は、高温での充放電
サイクル寿命を改善する上で有利であり、同時に、高温
環境下における自己放電の抑制と、低温放電特性の改善
を図ることができる。この場合、VECとVCの合計量
(r+w)は、下記(1)式を満足することが望まし
い。
【0103】0<r+w≦6 (1) 但し、前記wは、非水溶媒全体積に対するビニレンカー
ボネートの割合(体積%)で、前記rは、非水溶媒全体
積に対するビニルエチレンカーボネートの割合(体積
%)を示す。
【0104】これは、VECとVCの合計量(r+w)
が6体積%を超えると、高温貯蔵時や初充電時のガス発
生を助長する恐れがあったり、あるいは負極表面に形成
される保護膜のリチウムイオン透過性が低下して負極の
インピーダンスが増加し、充分な低温放電特性を得られ
ない可能性があるからである。VECとVCの合計量
(r+w)は、4体積%以下の範囲内にすることがより
好ましい。これにより、高温貯蔵時及び初充電時のガス
発生量をさらに少なくできるか、あるいは低温放電特性
を改善することができる。合計量(r+w)のさらに好
ましい範囲は2体積%以下である。
【0105】VECとVCの合計量(r+w)を前述し
た(1)式で規定される範囲内にする時、非水溶媒全体
積に対するVECの割合r(体積%)を下記(2)式で
規定される範囲内にすることが望ましい。
【0106】0.05≦r≦2 (2) これは、以下に説明する理由によるものである。VEC
の比率(r)を0.05体積%未満にすると、優れた高
温サイクル特性を得られない恐れがある。一方、VEC
の比率(r)が2体積%を超えると、負極の界面抵抗が
増加するため、低温放電特性が低下する恐れがある。V
ECの比率(r)のさらに好ましい範囲は、0.1体積
%〜2体積%である。
【0107】VECとVCの合計量(r+w)を前述し
た(1)式で規定される範囲内にし、かつVECの比率
r(体積%)を前述した(2)式で規定される範囲内に
した際には、VCの比率(w)を0.05体積%以上に
することが望ましい。これは、VCの比率(w)を0.
05体積%未満にすると、負極表面に形成される保護膜
の抵抗が上昇するため、室温サイクル特性あるいは低温
放電特性が低くなる恐れがあるからである。VCの比率
(w)のより好ましい範囲は、0.1体積%以上であ
る。
【0108】第5成分としてビニルエチレンカーボネー
ト(VEC)を使用する場合、好ましい範囲は5体積%
以下で、より好ましい範囲は3体積%以下で、さらに好
ましい範囲は2体積%以下である。なお、高温で十分な
充放電サイクル寿命を得るために、第5成分の下限値
は、0.05体積%にすることが望ましい。
【0109】フェニルエチレンカーボネート(phE
C)を含有する第5成分を含む非水電解質によると、室
温における充放電サイクル寿命の改善と、高温環境下に
おける自己放電の抑制を図ることが可能になる。この場
合、phECとVCの合計量(s+w)は、下記(3)
式を満足することが望ましい。
【0110】0<s+w≦7 (3) 但し、前記wは、非水溶媒全体積に対するビニレンカー
ボネートの割合(体積%)で、前記sは、非水溶媒全体
積に対するフェニルエチレンカーボネートの割合(体積
%)を示す。
【0111】これは、phECとVCの合計量(s+
w)が7体積%を超えると、高温貯蔵時や初充電時のガ
ス発生を助長する恐れがあったり、あるいは負極表面に
形成される保護膜のリチウムイオン透過性が低下して負
極のインピーダンスが増加し、充分なサイクル寿命を得
られない可能性があるからである。高温貯蔵時及び初充
電時のガス発生量をさらに少なくするために、phEC
とVCの合計量(s+w)は5体積%以下にすることが
望ましく、さらに好ましい範囲は3体積%以下である。
【0112】phECとVCの合計量(s+w)が前述
した(3)式で規定される範囲内である時、非水溶媒全
体積に対するphECの比率(s)を下記(4)式で規
定される範囲内にすることが望ましい。
【0113】0.05≦s≦5 (4) これは、以下に説明する理由によるものである。phE
Cの比率(s)を0.05体積%未満にすると、優れた
サイクル特性を得られない恐れがある。一方、phEC
の比率(s)が5体積%を超えると、負極の界面抵抗が
増加するため、低温放電特性あるいは室温サイクル特性
が損なわれる恐れがある。phECの比率(s)のより
好ましい範囲は、0.05体積%〜4体積%である。
【0114】第5成分としてフェニルエチレンカーボネ
ート(phEC)を使用する場合、好ましい範囲は5体
積%以下で、さらに好ましい範囲は4体積%以下で、最
も好ましい範囲は3体積%以下である。なお、十分な充
放電サイクル寿命を得るために、第5成分の下限値は、
0.05体積%にすることが望ましい。
【0115】また、第5成分として、VECおよびph
EC以外の他の溶媒を使用することができる。
【0116】他の溶媒としては、例えば、エチレンサル
ファイト(ES)、12−クラウン−4(Crow
n)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(E
ther)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチ
ルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート
(EMC)、γ−バレロラクトン(VL)、プロピオン
酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、2―
メチルフラン(2Me−F)、フラン(F)、チオフェ
ン(TIOP)、カテコールカーボネート(CATC)
等を挙げることができる。第5成分として使用する他の
溶媒の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることが
できる。
【0117】VECおよびphECよりなる群から選択
される少なくとも1種類の溶媒と、前述した種類の中か
ら選ばれる1種類以上の他の溶媒とを含有する第5成分
を用いることによって、高温での充放電サイクル寿命を
より向上することができる。
【0118】前記非水溶媒A〜Bに溶解される電解質と
しては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、
六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウフッ化リ
チウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiA
sF6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(Li
CF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイ
ミドリチウム[LiN(CF3 SO2 2 ]、LiN
(C25SO22などのリチウム塩を挙げることができ
る。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上
にすることができる。
【0119】中でも、LiPF6あるいはLiBF4を含
むものが好ましい。また、LiN(CF3SO22およ
びLiN(C25SO22のうち少なくとも一方からな
るイミド塩と、LiBF4及びLiPF6のうち少なくと
もいずれか一方からなる塩とを含有する混合塩を用いる
と、高温でのサイクル寿命をより向上することができ
る。また、電解質の熱安定性が向上されるため、高温環
境下で貯蔵時の自己放電による電圧低下を抑えることが
できる。
【0120】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.5〜2.5モル/Lとすることが望ましい。さ
らに好ましい範囲は、1〜2.5モル/Lである。
【0121】前記液状非水電解質には、セパレータとの
濡れ性を良くするために、トリオクチルフォスフェート
(TOP)のような界面活性剤を含有させることが望ま
しい。界面活性剤の添加量は、3%以下が好ましく、さ
らには0.1〜1%の範囲内にすることが好ましい。
【0122】前記液状非水電解質の量は、電池単位容量
100mAh当たり0.2〜0.6gにすることが好ま
しい。液状非水電解質量のより好ましい範囲は、0.2
5〜0.55g/100mAhである。
【0123】6)容器(収納容器) 容器の形状は、例えば、有底円筒形、有底矩形筒型、袋
状等にすることができる。
【0124】この容器は、例えば、樹脂層を含むシー
ト、金属板、金属フィルム等から形成することができ
る。
【0125】前記シートに含まれる樹脂層は、例えば、
ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン)等から形成することができる。前記シートとして
は、金属層と、前記金属層の両面に配置された保護層と
が一体化されたシートを用いることが望ましい。前記金
属層は、水分を遮断する役割をなす。前記金属層は、例
えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等
を挙げることができる。中でも、軽量で、水分を遮断す
る機能が高いアルミニウムが好ましい。前記金属層は、
1種類の金属から形成しても良いが、2種類以上の金属
層を一体化させたものから形成しても良い。前記2つの
保護層のうち、外部と接する保護層は前記金属層の損傷
を防止する役割をなす。この外部保護層は、1種類の樹
脂層、もしくは2種類以上の樹脂層から形成される。一
方、内部保護層は、前記金属層が非水電解質により腐食
されるのを防止する役割を担う。この内部保護層は、1
種類の樹脂層、もしくは2種類以上の樹脂層から形成さ
れる。また、かかる内部保護層の表面に熱可塑性樹脂を
配することができる。
【0126】前記金属板及び前記金属フィルムは、例え
ば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することが
できる。
【0127】容器の厚さ(容器の壁の厚さ)は、0.3
mm以下にすることが望ましい。これは、厚さが0.3
mmより厚いと、高い重量エネルギー密度及び体積エネ
ルギー密度を得られ難くなるからである。容器の厚さの
好ましい範囲は、0.25mm以下で、更に好ましい範
囲は0.15mm以下で、最も好ましい範囲は0.12
mm以下である。また、厚さが0.05mmより薄い
と、変形や破損し易くなることから、容器の厚さの下限
値は0.05mmにすることが好ましい。
【0128】容器の厚さは、以下に説明する方法で測定
される。すなわち、容器の封止部を除く領域において、
互いに1cm以上離れて存在する3点を任意に選択し、
各点の厚さを測定し、平均値を算出し、この値を容器の
厚さとする。なお、前記容器の表面に異物(例えば、樹
脂)が付着している場合、この異物を除去してから厚さ
の測定を行う。例えば、前記容器の表面にPVdFが付
着している場合、前記容器の表面をジメチルホルムアミ
ド溶液で拭き取ることによりPVdFを除去した後、厚
さの測定を行う。
【0129】前記容器の表面の少なくとも一部に接着層
を形成し、前記接着層により前記電極群を前記容器の内
面に接着することが望ましい。このような構成にする
と、前記電極群の表面に前記容器を固定することができ
るため、電解液が電極群と容器の間に浸透するのを抑え
ることができる。
【0130】前記二次電池には、15℃〜80℃の温度
条件下で、0.05C以上、0.8C以下のレートで初
充電を施すことが好ましい。この条件での充電は1サイ
クルのみでも良いし、2サイクル以上行ってもよい。ま
た、初充電前に15℃〜80℃の温度条件下に1時間〜
20時間程度保管してもよい。
【0131】ここで、1Cとは公称容量(Ah)を1時
間で放電するために必要な電流値である。
【0132】前記初充電の温度を前記範囲に規定するの
は次のような理由によるものである。初充電温度が15
℃未満であると、液状非水電解質の粘度が高いままであ
るために液状非水電解質を正極、負極及びセパレータに
均一に含浸させることが困難になり、内部インピーダン
スが増加し、また活物質の利用率が低下する。一方、初
充電温度が80℃を超えると、正極及び負極に含まれる
結着剤が劣化する。好ましい充電温度の範囲は15〜6
0℃であり、さらに好ましい範囲は20〜50℃であ
る。
【0133】初充電のレートを0.05〜0.8Cの範
囲にすることによって、充電による正極と負極の膨張を
適度に遅くすることができるため、正極及び負極に液状
非水電解質を均一に浸透させることができる。好ましい
初充電のレートは、0.05〜0.5Cである。
【0134】このような工程を具備することによって、
電極やセパレータの空隙に液状非水電解質を均一に含浸
させることができるため、二次電池の内部インピーダン
スを小さくすることができる。その結果、活物質の利用
率を増大させることができるため、実質的な電池の容量
を大きくすることができる。また、電池の充放電サイク
ル特性及び大電流放電特性を向上させることができる。
【0135】本発明に係る非水電解質二次電池(I)の
一例である薄型リチウムイオン二次電池を図1及び図2
を参照して詳細に説明する。
【0136】図1は、本発明に係わる非水電解質二次電
池(I)の一例である薄型リチウムイオン二次電池を示
す断面図、図2は図1のA部を示す拡大断面図である。
【0137】図1に示すように、所望の厚さXを有する
容器1内には、電極群2が収納されている。前記電極群
2は、正極、セパレータおよび負極からなる積層物が偏
平形状に捲回された構造を有する。前記積層物は、図2
に示すように、(図の下側から)セパレータ3、正極層
4と正極集電体5と正極層4を備えた正極6、セパレー
タ3、負極層7と負極集電体8と負極層7を備えた負極
9、セパレータ3、正極層4と正極集電体5と正極層4
を備えた正極6、セパレータ3、負極層7と負極集電体
8を備えた負極9がこの順番に積層されたものからな
る。前記電極群2は、最外層に前記負極集電体8が位置
している。帯状の正極リード10は、一端が前記電極群
2の前記正極集電体5に接続され、かつ他端が前記容器
1から延出されている。一方、帯状の負極リード11
は、一端が前記電極群2の前記負極集電体8に接続さ
れ、かつ他端が前記容器1から延出されている。
【0138】次いで、本発明に係る非水電解質二次電池
(II)を説明する。
【0139】この非水電解質二次電池は、容器と、前記
容器内に収納される電極群とを具備する。前記電極群
は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極と、リチウム
イオンを吸蔵・放出する負極と、前記正極及び前記負極
の間に配置され、液状非水電解質およびこの液状非水電
解質をゲル化させる機能を持つポリマーを含む電解質層
とを含む。
【0140】容器、正極、負極および液状非水電解質に
は、前述した非水電解質二次電池(I)において説明し
たのと同様なものが用いられる。
【0141】前記電解質層は、例えば、以下に説明する
方法で作製される。まず、液状非水電解質をゲル化させ
る機能を持つポリマー及び液状非水電解質を含むペース
トを成膜した後、乾燥させる。得られた薄膜を正極及び
負極の間に介在させて電極群を作製する。この電極群に
液状非水電解質を含浸させた後、減圧下で前記薄膜を可
塑化させることにより前記電解質層を得る。
【0142】前記ポリマーは、熱可塑性を有することが
好ましい。かかるポリマーとしては、例えば、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(P
AN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリアクリレート(PMMA)及び
ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン
(PVdF−HFP)から選ばれる少なくとも1種類を
用いることができる。
【0143】前記二次電池には、15℃〜80℃の温度
条件下で、0.05C以上、0.8C以下のレートで初
充電を施すことが好ましい。この条件での充電は1サイ
クルのみでも良いし、2サイクル以上行ってもよい。ま
た、初充電前に15℃〜80℃の温度条件下に1時間〜
20時間程度保管してもよい。
【0144】以上説明した本発明に係る第1の非水電解
質二次電池は、容器と、前記容器内に収納される電極群
と、前記電極群に保持され、非水溶媒Aを含む非水電解
質とを具備する。
【0145】前記非水溶媒Aは、エチレンカーボネート
(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、γ−
ブチロラクトン(GBL)と、前記EC、前記PC及び
前記GBL以外の溶媒である第4成分とを含む。前記非
水溶媒全体積に対するエチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び前記第4成分
の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体
積%)、p(体積%)とした際、前記x、前記y、前記
z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦7
5、0<z<30、0<p≦5を満たす。
【0146】非水電解質二次電池の重量エネルギー密度
及び体積エネルギー密度を向上するためには、容器の厚
さを0.3mm以下にすることが望ましい。しかしなが
ら、厚さが0.3mm以下の容器は、容器内に発生した
ガスにより膨らみやすい。
【0147】前記非水溶媒全体積に対するγ−ブチロラ
クトンの割合を30体積%未満の範囲内にすることによ
って、高温条件下での貯蔵や、初充電の際に、正極と非
水電解質が反応して非水電解質が酸化分解するのを抑制
することができる。その結果、高温貯蔵時及び初充電時
のガス発生量を少なくすることができるため、容器厚さ
を0.3mm以下にした際にも容器が膨れるのを抑える
ことができ、かつ高い初充放電効率を得ることができ
る。
【0148】また、前記非水溶媒全体に対するエチレン
カーボネートの割合を15体積%以上、50体積%以下
にし、プロピレンカーボネートの割合を30体積%以
上、75体積%以下にし、かつ第4成分の割合を5体積
%以下にすることによって、負極の表面にリチウムイオ
ン透過性の保護膜を緻密に形成することができる。その
結果、高温環境下における負極のγ−ブチロラクトンに
対する反応性を低下させることができるため、非水電解
質の還元分解を抑制することができ、負極の界面インピ
ーダンスの上昇を抑制することができる。よって、高温
での充放電サイクル寿命を向上することができる。
【0149】本発明に係る第2の非水電解質二次電池
は、容器と、前記容器内に収納される電極群と、前記電
極群に保持され、非水溶媒Bを含む非水電解質とを具備
する。
【0150】前記非水溶媒Bは、エチレンカーボネート
(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、γ−
ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート
(VC)と、前記EC、前記PC、前記GBL及び前記
VC以外の溶媒である第5成分とを含む。前記非水溶媒
全体積に対するエチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート
及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、q(体積
%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記w及び前
記qはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦75、0<
z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たす。
【0151】かかる二次電池によれば、負極表面に、リ
チウムイオン透過性に優れる緻密な保護膜を形成するこ
とができるため、初充電時のガス発生抑制効果もしくは
高温での充放電サイクル寿命をより高くすることができ
る。
【0152】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述した図面を参照
して詳細に説明する。
【0153】(実施例1) <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;但し、Xは0<X≦1である)粉末91重量
%をアセチレンブラック3重量%、グラファイト3重量
%及び結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)
3重量%と溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)を加えて混合し、スラリーを調製した。前記スラ
リーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集電体
の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることにより電
極密度が3g/cm3 で、正極層が集電体の両面に担持
された構造の正極を作製した。
【0154】<負極の作製>炭素質材料として3000
℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径
が8μm、平均繊維長が20μm、平均面間隔
(d002 )が0.3360nm)の粉末を93重量%
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7
重量%とを混合し、スラリーを調製した。前記スラリー
を厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布
し、乾燥し、プレスすることにより電極密度が1.4g
/cm3 で、負極層が集電体に担持された構造の負極を
作製した。
【0155】なお、(002)面の面間隔d002は、粉
末X線回折スペクトルから半値幅中点法により求めた値
である。この際、ローレンツ散乱等の散乱補正は、行わ
なかった。
【0156】<セパレータ>厚さが25μm、120
℃、1時間での熱収縮が20%で、多孔度が50%のポ
リエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを用意
した。
【0157】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレ
ンカーボネート(PC)及びビニルエチレンカーボネー
ト(VEC)を体積比率(EC:GBL:PC:VE
C)が31:5:62:2になるように混合して非水溶
媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチ
ウム(LiBF4 )をその濃度が1.5モル/Lになる
ように溶解させて、液状非水電解質を調製した。
【0158】<電極群の作製>前記正極の集電体に帯状
の正極リードを溶接し、前記負極の集電体に帯状の負極
リードを溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に
前記セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、偏平状
に成形し、電極群を作製した。
【0159】この電極群を90℃に加熱しながら13k
g/cm2の圧力で25秒間プレス成形を施し、前記正
極、前記負極及び前記セパレータを一体化させた。
【0160】アルミニウム箔の両面をポリプロピレンで
覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状に成
形し、これに前記電極群を収納した。
【0161】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記電
極群及び前記ラミネートフィルムに含まれる水分を除去
した。
【0162】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
液状非水電解質を電池容量1Ah当たりの量が4.8g
となるように注入し、前述した図1、2に示す構造を有
し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mm
の薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0163】この非水電解質二次電池に対し、初充放電
工程として以下の処置を施した。まず、45℃の高温環
境下に2h放置した後、その環境下で0.2C(104
mA)で4.2Vまで定電流・定電圧充電を15時間行
った。その後、7日間に亘り20℃で放置した。さらに
20℃の環境下で0.2Cで3.0Vまで放電し、非水
電解質二次電池を製造した。
【0164】(実施例2〜16)非水溶媒の組成を下記
表1〜2に示すように変更すること以外は、前述した実
施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造し
た。
【0165】(比較例1〜13)非水溶媒の組成及びリ
チウム塩を下記表3に示すように変更すること以外は、
前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池
を製造した。
【0166】得られた実施例1〜16及び比較例1〜1
3の二次電池について、以下の(1)、(2)に説明す
る方法で電池特性を評価した。
【0167】1)初充電時の容器の膨れ 上記の初充電工程、すなわち45℃の高温環境下に2h
放置し、その環境下で0.2C(104mA)で4.2
Vまで定電流・定電圧充電を15時間行った後、20℃
の環境下に電池を2時間放置してから電池厚さを測定し
た。電池厚さを測定するために使用した装置は、Mit
utoyo Corporation製の型番がIDF
−130の装置で、また、測定時にセル全体にかかる重
さを300グラム重に設定した。膨れ率(%)は、下記
(I)式から算出し、得られた結果を下記表1〜3に併
記する。
【0168】 膨れ率(%)=(T1−T2)/T1×100 (I) 但し、(I)式において、T1は初充電工程後の電池厚
さを示し、T2は初充電工程を行う前の電池厚さを示
す。
【0169】2)45℃環境下での200サイクル後の
容量維持率 1Cの電流での4.2V定電流・定電圧充電を3時間行
った後、1Cの電流での3.0Vまで放電する充放電サ
イクルを45℃の環境下で繰り返し、最大放電容量と2
00サイクル後の容量維持率を測定し、その結果を下記
表1〜3に併記する。なお、200サイクル後の容量維
持率は、1サイクル目の放電容量を100%とした時の
値である。
【0170】表1〜表3において、ECはエチレンカー
ボネート、GBLはγ−ブチロラクトン、PCはプロピ
レンカーボネート、VECはビニルエチレンカーボネー
ト、VCはビニレンカーボネート、EMCはエチルメチ
ルカーボネートを示す。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】表1〜表3から明らかなように、EC、P
C、GBL及びVECの割合が15≦x≦50、30≦
y≦75、0<z<30、0<p≦5を満たす非水溶媒
を含む液状非水電解質か、EC、PC、GBL、VC及
びVECの割合が15≦x≦50、30≦y≦75、0
<z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たす非水溶媒
を含む液状非水電解質を備える実施例1〜16の二次電
池は、初充電時の膨れが少なく、かつ45℃のような高
温での200サイクル後の容量維持率が高いことがわか
る。
【0175】また、実施例1〜6の結果から、GBLの
割合が少ない方が200サイクル後の容量維持率が高く
なり、一方、GBLの割合が多い方が初充電時の膨れが
小さくなることがわかる。さらに、非水溶媒の組成が同
じである場合、電解質としてLiBF4を用いる実施例
1の二次電池の方が、電解質としてLiPF6を用いる
実施例2に比較して、初充電時の膨れを小さくすること
ができる。
【0176】これに対し、比較例1〜13の二次電池
は、いずれも45℃での容量維持率が実施例1〜16に
比べて低くなっている。
【0177】また、実施例1の二次電池について、前記
初充放電工程後、5時間以上回路を開放して十分に電位
を落ち着かせた後、Ar濃度が99.9%以上、かつ露
点が−50℃以下のグローブボックス内で分解し、電極
群を取り出した。前記電極群を遠沈管につめ、ジメチル
スルホキシド(DMSO)−d6を加えて密封し、前記
グローブボックスより取り出し、遠心分離を行った。そ
の後、前記グローブボックス内で、前記遠沈管から前記
電解液と前記DMSO−d6の混合溶液を採取した。前
記混合溶媒を5mmφのNMR用試料管に0.5ml程
度入れ、NMR測定を行った。前記NMR測定に用いた
装置は日本電子株式会社製JNM−LA400WBであ
り、観測核は1H、観測周波数は400MHz、基準物
質にはジメチルスルホキシド(DMSO)−d5(2.
5ppm)の内部標準を使用した。測定温度は25℃と
した。1HNMRスペクトルではECに対応するピーク
が4.5ppm付近、VECに対応するピークが5.
2,5.4,6ppm付近に観測され、初充放電工程後
の実施例1の二次電池に存在する非水溶媒中にVECが
含まれていることを確認できた。また、前記ECのNM
R積分強度に対して前記VECのNMR積分強度の比を
求めたところ、非水溶媒全体に対するVECの割合が二
次電池組立て前より減少していることがわかった。参考
に実施例1で用いた非水電解質の1HNMRスペクトル
を図3に示す。
【0178】(実施例17) <液状非水電解質の調製>エチレンカーボネート(E
C)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカー
ボネート(PC)及びフェニルエチレンカーボネート
(phEC)を体積比率(EC:GBL:PC:phE
C)が31:5:62:2になるように混合して非水溶
媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチ
ウム(LiBF 4 )をその濃度が1.5モル/Lになる
ように溶解させて、液状非水電解質を調製した。
【0179】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして薄型非
水電解質二次電池を製造した。
【0180】(実施例18〜32)非水溶媒の組成を下
記表4〜5に示すように変更すること以外は、前述した
実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造し
た。
【0181】得られた実施例17〜32の二次電池につ
いて、前述した実施例1で説明したのと同様にして最大
放電容量、初充電時の膨れ、45℃環境下における20
0サイクル後の容量維持率を測定し、その結果を下記表
4〜5に示す。なお、表4〜表5におけるphECは、
フェニルエチレンカーボネートを示す。
【0182】
【表4】
【0183】
【表5】
【0184】表4〜表5から明らかなように、EC、P
C、GBL及びphECの割合が15≦x≦50、30
≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満たす非水溶
媒を含む液状非水電解質か、EC、PC、GBL、VC
及びphECの割合が15≦x≦50、30≦y≦7
5、0<z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たす非
水溶媒を含む液状非水電解質を備える実施例17〜32
の二次電池は、初充電時の膨れが少なく、かつ45℃の
ような高温での200サイクル後の容量維持率が高いこ
とがわかる。
【0185】また、表1、2,4,5の結果を比較する
ことにより、第5成分としてVECを用いる実施例1〜
16の二次電池の方が、第5成分としてphECを用い
る実施例17〜32の二次電池に比べて、高温サイクル
特性に優れていることが理解できる。
【0186】また、実施例28の二次電池について、前
記初充放電工程後、5時間以上回路を開放して十分に電
位を落ち着かせた後、Ar濃度が99.9%以上、かつ
露点が−50℃以下のグローブボックス内で分解し、電
極群を取り出した。前記電極群を遠沈管につめ、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)−d6を加えて密封し、前
記グローブボックスより取り出し、遠心分離を行った。
その後、前記グローブボックス内で、前記遠沈管から前
記電解液と前記DMSO−d6の混合溶液を採取した。
前記混合溶媒を5mmφのNMR用試料管に0.5ml
程度入れ、NMR測定を行った。前記NMR測定に用い
た装置は日本電子株式会社製JNM−LA400WBで
あり、観測核は1H、観測周波数は400MHz、基準
物質にはジメチルスルホキシド(DMSO)−d
5(2.5ppm)の内部標準を使用した。測定温度は
25℃とした。1HNMRスペクトルではECに対応す
るピークが4.5ppm付近、VCに対応するピークが
7.7ppm付近に観測され、初充放電工程後の実施例
28の二次電池に存在する非水溶媒中にVCが含まれて
いることを確認できた。また、前記ECのNMR積分強
度に対して前記VCのNMR積分強度の比を求めたとこ
ろ、非水溶媒全体に対するVCの割合が二次電池組立て
前より減少していることがわかった。
【0187】(実施例33) <非水電解質の調製>エチレンカーボネート(EC)、
γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネー
ト(PC)及びビニルエチレンカーボネート(VEC)
を体積比率(EC:GBL:PC:VEC)が31:
6:62:1になるように混合して非水溶媒を調製し
た。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(Li
BF4 )をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解
させて、液状非水電解質を調製した。この液状非水電解
質と、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロ
ピレン(PVdF−HEP)をテトラヒドロキシフラン
(THF)に溶解して得た溶液とを混合させてペースト
を調製した。得られたペーストを基板に塗布した後、乾
燥させることにより薄膜を得た。
【0188】<電極群の作製>前述した実施例1で説明
したのと同様な正極の集電体に帯状の正極リードを溶接
し、前述した実施例1で説明したのと同様な負極の集電
体に帯状の負極リードを溶接した後、前記正極及び前記
負極をその間に前記薄膜を介して渦巻き状に捲回した
後、偏平状に成形し、電極群を作製した。
【0189】この電極群を前述した液状非水電解質に浸
漬させ、減圧下で薄膜を可塑化させることにより正極と
負極の間に電解質層が介在された電極群を得た。
【0190】アルミニウム箔の両面をポリプロピレンで
覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状に成
形し、これに前記電極群を収納し、厚さが3.6mm、
幅が35mm、高さが62mmの薄型非水電解質二次電
池を組み立てた。
【0191】この非水電解質二次電池に対し、初充放電
工程として以下の処置を施した。まず、45℃の高温環
境下に2h放置した後、その環境下で0.2C(84m
A)で4.2Vまで定電流・定電圧充電を15時間行っ
た。その後、7日間に亘り20℃で放置した。さらに2
0℃の環境下で0.2Cで3.0Vまで放電し、非水電
解質二次電池を製造した。
【0192】(実施例34〜40)ゲル状非水電解質の
非水溶媒の組成を下記表6に示すように変更すること以
外は、前述した実施例33と同様にして薄型非水電解質
二次電池を製造した。
【0193】(比較例14〜26)非水溶媒の組成及び
リチウム塩を下記表7に示すように変更すること以外
は、前述した実施例33と同様にして薄型非水電解質二
次電池を製造した。
【0194】得られた実施例33〜40および比較例1
4〜26の二次電池について、以下の(1)、(2)に
説明する方法で電池特性を評価した。
【0195】1)初充電時の容器の膨れ 上記の初充電工程、すなわち45℃の高温環境下に2h
放置し、その環境下で0.2C(84mA)で4.2V
まで定電流・定電圧充電を15時間行った後、20℃の
環境下に電池を2時間放置してから電池厚さを測定し、
前述した(I)式により膨れ率(%)を算出し、その結
果を下記表6〜7に併記する。電池厚さを測定するため
に使用した装置および測定時にセルにかかる重さは、前
述した実施例1で説明したのと同様にした。
【0196】2)45℃環境下での200サイクル後の
容量維持率 1Cの電流での4.2V定電流・定電圧充電を3時間行
った後、1Cの電流での3.0Vまで放電する充放電サ
イクルを45℃の環境下で繰り返し、最大放電容量と2
00サイクル後の容量維持率を測定し、その結果を下記
表6〜7に併記する。なお、200サイクル後の容量維
持率は、1サイクル目の放電容量を100%とした時の
値である。
【0197】
【表6】
【0198】
【表7】
【0199】表6〜表7から明らかなように、EC、P
C、GBL及び第4成分の割合が15≦x≦50、30
≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満たす非水溶
媒を含むゲル状非水電解質か、EC、PC、GBL、V
C及び第5成分の割合が15≦x≦50、30≦y≦7
5、0<z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たす非
水溶媒を含むゲル状非水電解質を備える実施例33〜4
0の二次電池は、初充電時の膨れが少なく、かつ45℃
のような高温での200サイクル後の容量維持率が高い
ことがわかる。特に、実施例37〜38の二次電池は、
容量維持率に優れている。また、実施例33,35,3
7,39の結果を比較することにより、高温でのサイク
ル寿命は、実施例35(phEC)<実施例39(VC
+phEC)<実施例33(VEC)<実施例37(V
C+VEC)の順に高くなることがわかる。
【0200】これに対し、比較例14〜26の二次電池
は、いずれも45℃での容量維持率が実施例33〜40
に比べて低くなっている。
【0201】(実施例41) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例1で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電解
質として四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )をその
濃度が1.5モル/Lになるように溶解させると共に、
第2の電解質としてLiN(C25SO22をその濃度
が0.2モル/Lになるように溶解させ、液状非水電解
質を調製した。
【0202】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0203】(実施例42) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例17で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電
解質として四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )をそ
の濃度が1.5モル/Lになるように溶解させると共
に、第2の電解質としてLiN(C25SO22をその
濃度が0.2モル/Lになるように溶解させ、液状非水
電解質を調製した。
【0204】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0205】(実施例45) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例12で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電
解質として四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )をそ
の濃度が1.5モル/Lになるように溶解させると共
に、第2の電解質としてLiN(C25SO22をその
濃度が0.2モル/Lになるように溶解させ、液状非水
電解質を調製した。
【0206】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0207】(実施例46) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例13で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電
解質としてLiPF6をその濃度が1モル/Lになるよ
うに溶解させると共に、第2の電解質としてLiBF4
をその濃度が0.2モル/Lになるように溶解させ、液
状非水電解質を調製した。
【0208】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0209】(実施例47) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例28で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電
解質として四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )をそ
の濃度が1.5モル/Lになるように溶解させると共
に、第2の電解質としてLiN(C25SO22をその
濃度が0.2モル/Lになるように溶解させ、液状非水
電解質を調製した。
【0210】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0211】(実施例48) <非水電解液(液状非水電解質)の調製>前述した実施
例29で説明したのと同様な組成の非水溶媒に第1の電
解質としてLiPF6をその濃度が1モル/Lになるよ
うに溶解させると共に、第2の電解質としてLiBF4
をその濃度が0.2モル/Lになるように溶解させ、液
状非水電解質を調製した。
【0212】かかる液状非水電解質を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0213】得られた実施例41〜42、45〜48の
二次電池について、前述した実施例1で説明したのと同
様にして最大放電容量、初充電時の膨れ、45℃環境下
における200サイクル後の容量維持率を測定し、その
結果を下記表8〜表9に示す。なお、表8には、前述し
た実施例1,12,13,17,28,29の結果を併
記する。
【0214】
【表8】
【0215】
【表9】
【0216】表8から明らかなように、実施例41と実
施例1との比較、実施例45と実施例12との比較を行
うことにより、電解質として、LiBF4とLiN(C2
5SO22との混合塩を用いると、電解質としてLi
BF4のみを用いる場合に比べて45℃のような高温で
の200サイクル後の容量維持率を高くできることがわ
かる。また、実施例46と実施例13との比較により、
LiPF6とLiBF4の混合塩を用いる実施例46の方
がLiPF6のみを電解質として用いる実施例13に比
べて、高温での200サイクル後の容量維持率を高くで
きることが理解できる。
【0217】一方、表9に示すように、添加剤としてp
hECを用いる場合にも、LiBF 4とLiN(C25
SO22との混合塩を用いる実施例42,47の二次電
池が、電解質としてLiBF4のみを用いる実施例1
7,28の二次電池に比べて高温での200サイクル後
の容量維持率が高くなることが理解できる。また、実施
例48と実施例29との比較により、LiPF6とLi
BF4の混合塩を用いる実施例48の方がLiPF6のみ
を電解質として用いる実施例29に比べて、高温での2
00サイクル後の容量維持率を高くできることがわか
る。
【0218】また、混合塩を用いる中でも、実施例45
の二次電池の容量維持率が最も高かった。
【0219】(実施例43〜44,49〜50)非水溶
媒の組成を下記表10に示すように変更すること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。
【0220】得られた実施例43〜44,49〜50の
二次電池について、前述した実施例1で説明したのと同
様にして最大放電容量、初充電時の膨れ、45℃環境下
における200サイクル後の容量維持率を測定し、その
結果を下記表10に示す。なお、表10には、前述した
実施例1,12,17,28の結果を併記する。
【0221】
【表10】
【0222】表10から明らかなように、VECまたは
phECと、VECとphEC以外の溶媒とを含有する
第4成分を用いた実施例43〜44の二次電池は、第4
成分としてVECまたはphECのみを用いる実施例
1,17の二次電池に比較して、45℃のような高温で
の200サイクル後の容量維持率が高いことがわかる。
【0223】また、VECまたはphECと、VECと
phEC以外の溶媒とを含有する第5成分を用いた実施
例49〜50の二次電池は、第5成分としてVECまた
はphECのみを用いる実施例12,28の二次電池に
比較して、45℃のような高温での200サイクル後の
容量維持率が高いことがわかる。
【0224】実施例43,44,49,50の中でも、
DECのような添加成分とECとPCとGBLとVCと
VECとを用いる実施例49の二次電池は、高温での2
00サイクル後の容量維持率が最も高かった。
【0225】(低温放電特性の評価)実施例1,2,1
2〜16の二次電池について、1Cの電流で4.2Vの
定電流・定電圧充電を3時間行った後、−10℃で1時
間放置し、次いで−10℃の低温環境下で放電レート1
C、放電終止電圧3.0Vの条件で放電させた場合の放
電容量を測定した。得られた低温放電容量を、室温にお
いて同条件で放電した場合の放電容量を100%として
表し、その結果を−10℃放電容量維持率として下記表
11に示す。
【0226】
【表11】
【0227】表11から明らかなように、EC、GB
L、PC、VC及びVECを含む非水溶媒を備えた実施
例12〜16の二次電池は、VCを含まない非水溶媒を
備えた実施例1〜2の二次電池に比較して、−10℃の
ような低温での放電容量が高いことが理解できる。ま
た、実施例12,14〜16の比較により、VCの添加
量を0.05〜2体積%の範囲内にすると、60%を超
える高い低温放電容量維持率を得られることがわかる。
【0228】(実施例51〜54)非水溶媒の組成を下
記表12に示すように変更すること以外は、前述した実
施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造し
た。
【0229】得られた実施例51〜54の二次電池につ
いて、前述した実施例1で説明したのと同様にして最大
放電容量、初充電時の膨れ、45℃環境下における20
0サイクル後の容量維持率を測定し、また、前述したの
と同様な方法で低温放電容量維持率を測定し、これらの
結果を下記表12に示す。
【0230】
【表12】
【0231】表12から明らかなように、実施例4,7
〜9と実施例51〜54とを比較することにより、E
C,GBL,PC及びVECの四成分からなる溶媒にV
Cを添加すると、初充電時の膨れ率が低く、高温でのサ
イクル寿命が長く、かつ低温放電特性に優れる二次電池
が得られることが理解できる。実施例51〜54の中で
も、VECの割合(r)が0.05体積%〜3体積%の
範囲内である実施例51〜53の二次電池は、VECの
割合が3体積%を超える実施例54の二次電池に比較し
て、低温放電特性が優れていた。
【0232】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
温での充放電サイクル寿命を向上することが可能な非水
電解質と、この非水電解質を備える非水電解質二次電池
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非水電解質二次電池の一例であ
る薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図。
【図3】実施例1の薄型非水電解質二次電池の非水電解
液の1HNMRスペクトルを示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、 2…電極群、 3…セパレータ、 4…正極層、 5…正極集電体、 6…正極、 7…負極層、 8…負極集電体、 9…負極、 10…正極端子、 11…負極端子。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月17日(2003.2.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正内容】
【0157】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレ
ンカーボネート(PC)及びビニルエチレンカーボネー
ト(VEC)を体積比率(EC:GBL:PC:VE
C)が31::62:になるように混合して非水溶
媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチ
ウム(LiBF4 )をその濃度が1.5モル/Lになる
ように溶解させて、液状非水電解質を調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門馬 旬 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小口 雅之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK02 AK03 AK05 AL01 AL02 AL04 AL06 AL07 AL11 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ03 BJ04 CJ08 HJ07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される
    電解質とを具備する非水電解質であり、 前記非水溶媒は、エチレンカーボネート(EC)と、プ
    ロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
    (GBL)と、前記EC、前記PC及び前記GBL以外
    の溶媒である第4成分とを含み、 前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボネート、プ
    ロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び前記第
    4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、
    z(体積%)、p(体積%)とした際、前記x、前記
    y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、30
    ≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満たすことを
    特徴とする非水電解質。
  2. 【請求項2】 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される
    電解質とを具備する非水電解質であり、 前記非水溶媒は、エチレンカーボネート(EC)と、プ
    ロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
    (GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、前記
    EC、前記PC、前記GBL及び前記VC以外の溶媒で
    ある第5成分とを含み、 前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボネート、プ
    ロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレン
    カーボネート及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体
    積%)、y(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、
    q(体積%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記
    w及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦7
    5、0<z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たすこ
    とを特徴とする非水電解質。
  3. 【請求項3】 容器と、前記容器内に収納される電極群
    と、前記電極群に保持され、非水溶媒を含む非水電解質
    とを具備した非水電解質二次電池であり、 前記非水溶媒は、エチレンカーボネート(EC)と、プ
    ロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
    (GBL)と、前記EC、前記PC及び前記GBL以外
    の溶媒である第4成分とを含み、 前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボネート、プ
    ロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び前記第
    4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、
    z(体積%)、p(体積%)とした際、前記x、前記
    y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、30
    ≦y≦75、0<z<30、0<p≦5を満たすことを
    特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 前記第4成分は、ビニルエチレンカーボ
    ネート及びフェニルエチレンカーボネートのうちの少な
    くともいずれか一方の溶媒を含有することを特徴とする
    請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 容器と、前記容器内に収納される電極群
    と、前記電極群に保持され、非水溶媒を含む非水電解質
    とを具備した非水電解質二次電池であり、 前記非水溶媒は、エチレンカーボネート(EC)と、プ
    ロピレンカーボネート(PC)と、γ−ブチロラクトン
    (GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、前記
    EC、前記PC、前記GBL及び前記VC以外の溶媒で
    ある第5成分とを含み、 前記非水溶媒全体積に対するエチレンカーボネート、プ
    ロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレン
    カーボネート及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体
    積%)、y(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、
    q(体積%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記
    w及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、30≦y≦7
    5、0<z<30、0<w≦5、0<q≦5を満たすこ
    とを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 前記第5成分は、ビニルエチレンカーボ
    ネート及びフェニルエチレンカーボネートのうちの少な
    くともいずれか一方の溶媒を含有することを特徴とする
    請求項5記載の非水電解質二次電池。
  7. 【請求項7】 前記第5成分は、ビニルエチレンカーボ
    ネートを含有し、前記非水溶媒は、さらに下記(1)〜
    (2)式を満足することを特徴とする請求項5記載の非
    水電解質二次電池。 0<r+w≦6 (1) 0.05≦r≦2 (2) 但し、前記wは、前記非水溶媒全体積に対するビニレン
    カーボネートの割合(体積%)で、前記rは、前記非水
    溶媒全体積に対するビニルエチレンカーボネートの割合
    (体積%)を示す。
  8. 【請求項8】 前記第5成分は、フェニルエチレンカー
    ボネートを含有し、前記非水溶媒は、さらに下記(3)
    〜(4)式を満足することを特徴とする請求項5記載の
    非水電解質二次電池。 0<s+w≦7 (3) 0.05≦s≦5 (4) 但し、前記wは、前記非水溶媒全体積に対するビニレン
    カーボネートの割合(体積%)で、前記sは、前記非水
    溶媒全体積に対するフェニルエチレンカーボネートの割
    合(体積%)を示す。
  9. 【請求項9】 前記非水電解質は、実質的に液体もしく
    はゲルの形態を有することを特徴とする請求項3〜8い
    ずれか1項記載の非水電解質二次電池。
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