JP2000215910A - リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
どの電池特性に優れたリチウム二次電池を提供するもの
である。 【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている電解
液において、該電解液中に下記一般式(I) R−S−M (I) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、または1つ
以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい
炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭素数
1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7〜1
5のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリール基
を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは1つ
以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表さ
れるチオール塩のうち少なくとも1種が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池用電解液、およびそ
れを用いたリチウム二次電池。
Description
性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチ
ウム二次電池を提供することができる新規なリチウム二
次電池用電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池
に関する。
などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム
二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成
されており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸
化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極とし
たリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、
そのリチウム二次電池用の電解液としては、エチレンカ
ーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)
などのカーボネート類が好適に使用されている。
サイクル特性および電気容量などの電池特性について、
さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
正極として、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、L
iNiO2などを用いたリチウム二次電池は、非水電解
液中の溶媒が充電時に局部的に一部酸化分解することに
より、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害
するために電池性能の低下を生じる。これは、正極と非
水電解液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因
するものと思われる。また、負極として例えば天然黒鉛
や人造黒鉛などの高結晶化した炭素材料を用いたリチウ
ム二次電池は、炭素材料負極の剥離が観察され、現象の
程度によって容量が不可逆となることがある。この剥離
は、電解液中の溶媒が充電時に分解することにより起こ
るものであり、炭素負極と電解液との界面における溶媒
の電気化学的還元に起因するものである。さらに、一般
に炭素負極には、一回目の充電時に炭素負極中に挿入さ
れたリチウムの一部が放電時に脱離しない不可逆容量と
呼ばれる容量が存在し、所定の容量の電池を作製するた
めには、この不可逆容量分に相当する正極活物質を余分
に使用しなければならず、電池重量がその分重くなる、
あるいはコストが余分に必要になるという問題がある。
以上のように電池のサイクル特性および電気容量などの
電池特性は必ずしも満足なものではないのが現状であ
る。
用電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特性に
優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性などの電
池特性にも優れたリチウム二次電池を構成することがで
きるリチウム二次電池用の電解液、およびそれを用いた
リチウム二次電池を提供することを目的とする。
解質が溶解されている電解液において、該電解液中に下
記一般式(I) R−S−M (I) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、または1つ
以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい
炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭素数
1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7〜1
5のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリール基
を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは1つ
以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表さ
れるチオール塩のうち少なくとも1種が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池用電解液に関する。
媒に電解質が溶解されている電解液からなるリチウム二
次電池において、該電解液中に下記一般式(I) R−S−M (I) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、または1つ
以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい
炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭素数
1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7〜1
5のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリール基
を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは1つ
以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表さ
れるチオール塩のうち少なくとも1種が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
は、充電時に正極表面において酸化されて正極表面に不
働態被膜を形成して、電解液の正極上での酸化分解を抑
制するため、電池のサイクル特性や保存特性を向上させ
るものと考えられる。また、電解液中に含有される化合
物(I)が正極上で酸化される際に電子を放出するの
で、この分の電子が負極側におけるLi貯蔵に使用でき
るので、化合物(I)を含有しない電解液に比べて高い
容量の電池を作製することが可能となる。
る電解液に含有される該化合物において、前記式(I)
で表されるRは、炭素数1〜15のアルキル基、または
1つ以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていても
よい炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭
素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7
〜15のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリー
ル基を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは
1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれる少
なくとも1種類以上のハロゲン原子で置換されていても
よい。
は、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブ
チル基等の炭素数1〜15の直鎖状または分枝状のアル
キル基、または、3−クロロプロピル基、3−ブロムプ
ロピル基、3−フルオロプロピル基、4−クロロ−n−
ブチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基を挙
げることができる。また、シクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
オクチル基、シクロドデシル基等の炭素数3〜12のシ
クロアルキル基、または、4−メチルシクロヘキシル
基、4−クロロシクロヘキシル基、4−ブロムシクロヘ
キシル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のシクロア
ルキル環上の少なくとも1つの水素原子が炭素数1〜4
のアルキル基やハロゲン原子で置換された炭素数3〜1
2のシクロアルキル基を挙げることができる。
ンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロムベンジル
基、4−フルオロベンジル基等のベンゼン環上の少なく
とも1つの水素原子が炭素数1〜4のアルキル基やハロ
ゲン原子で置換された炭素数7〜15のベンジル基を挙
げることができる。
リール基、または、p−トシル基、4−クロロフェニル
基、4−ブロムフェニル基、4−フルオロフェニル基、
2−メチルナフチル基、2−クロロナフチル基、2−ブ
ロムナフチル基、2−フルオロナフチル基等のベンゼン
環またはナフタレン環上の少なくとも1つの水素原子が
炭素数1〜4のアルキル基やハロゲン原子で置換された
炭素数6〜15のアリール基が挙げられる。
iは電気化学的に最も卑な金属元素であるので好まし
い。
としては、リチウムメタンチオラート、リチウムエタン
チオラート、リチウム n−プロパンチオラート、リチ
ウム1−メチルエタンチオラート、リチウム n−ブタ
ンチオラート、リチウム2−メチルプロパンチオラー
ト、リチウム 1,1−ジメチルエタンチオラート、リ
チウム 2,2−ジメチルプロパンチオラート、リチウ
ムペンタンチオラート、リチウムヘキサンチオラート、
リチウムヘプタンチオラート、リチウムオクタンチオラ
ート、リチウムデカンチオラート、リチウムドデカンチ
オラート、リチウム 3−クロロ−n−プロパンチオラ
ート、リチウム 3−ブロム−n−プロパンチオラー
ト、リチウム 3−フルオロ−n−プロパンチオラー
ト、リチウム 4−クロロ−n−ブタンチオラート、ナ
トリウムブタンチオラート、カリウムブタンチオラー
ト、リチウムシクロペンタンチオラート、リチウムシク
ロヘキサンチオラート、リチウムシクロヘプタンチオラ
ート、リチウムシクロオクタンチオラート、リチウムシ
クロデカンチオラート、リチウムシクロドデカンチオラ
ート、リチウム 4−メチルシクロヘキサンチオラー
ト、リチウム 4−クロロシクロヘキサンチオラート、
リチウム 4−ブロムシクロヘキサンチオラート、リチ
ウム 4−フルオロシクロヘキサンチオラート、ナトリ
ウムシクロヘキサンチオラート、カリウムシクロヘキサ
ンチオラート、リチウムフェニルメタンチオラート(C
6H5CH2−S−Li)、リチウム 4−メチルフェニ
ルメタンチオラート(4−CH3−C6H4CH2−S−L
i)、リチウム 4−クロロフェニルメタンチオラー
ト、リチウム 4−ブロムフェニルメタンチオラート、
リチウム4−フルオロフェニルメタンチオラート、ナト
リウムフェニルメタンチオラート、カリウムフェニルメ
タンチオラート、リチウムベンゼンチオラート、リチウ
ム 2−メチルベンゼンチオラート、リチウム 3−メ
チルベンゼンチオラート、リチウム 4−メチルベンゼ
ンチオラート、リチウム 2,4−ジメチルベンゼンチ
オラート、リチウム 2,5−ジメチルベンゼンチオラ
ート、リチウム2,6−ジメチルベンゼンチオラート、
リチウム 3,4−ジメチルベンゼンチオラート、リチ
ウム 3,5−ジメチルベンゼンチオラート、リチウム
2−エチルベンゼンチオラート、リチウム 2−is
o−プロピルベンゼンチオラート、ナトリウムベンゼン
チオラート、ナトリウム 2−メチルベンゼンチオラー
ト、ナトリウム 3−メチルベンゼンチオラート、ナト
リウム 4−メチルベンゼンチオラート、カリウムベン
ゼンチオラート、カリウム 2−メチルベンゼンチオラ
ート、カリウム 3−メチルベンゼンチオラート、カリ
ウム 4−メチルベンゼンチオラート、リチウム 4−
クロロベンゼンチオラート、リチウム 4−ブロモベン
ゼンチオラート、リチウム 4−フルオロベンゼンチオ
ラート、リチウムナフタレンチオラート、リチウム 2
−メチル−1−ナフタレンチオラート、リチウム 2−
クロロ−1−ナフタレンチオラート、リチウム 2−ブ
ロム−1−ナフタレンチオラート、リチウム 2−フル
オロ−1−ナフタレンチオラート、ナトリウム ナフタ
レンチオラート、カリウム ナフタレンチオラート等が
挙げられる。ただし、本発明はこれらの化合物に何ら限
定されるものではない。
れる化合物の含有量は、過度に多いと、正極表面状に形
成される不働態被膜が厚くなりすぎLiイオンの移動を
阻害し電池の性能を低下させたり、電解液の電導度など
が変わり電池性能が低下することがあり、また、過度に
少ないと、十分な被膜が形成されず、期待した電池特性
が得られないので、電解液の重量に対して0.01〜1
0重量%、特に0.05〜5重量%の範囲が好ましい。
誘電率溶媒と低粘度溶媒とからなるものが好ましい。高
誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート
(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレン
カーボネート(BC)などの環状カーボネート類が好適
に挙げられる。これらの高誘電率溶媒は、1種類で使用
してもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよ
い。
ーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(M
EC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カ
ーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブト
キシエタンなどのエーテル類、γ−ブチロラクトンなど
のラクトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロ
ピオン酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類が挙げられる。これらの低粘度溶媒は
1種類で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて
使用してもよい。高誘電率溶媒と低粘度溶媒とはそれぞ
れ任意に選択され組み合わせて使用される。なお、前記
の高誘電率溶媒および低粘度溶媒は、容量比(高誘電率
溶媒:低粘度溶媒)で通常1:9〜4:1、好ましくは
1:4〜7:3の割合で使用される。
ば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiN
(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC
(SO2CF3)3などが挙げられる。これらの電解質
は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて
使用してもよい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通
常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で
溶解されて使用される。
率溶媒や低粘度溶媒を混合し、これに前記の電解質を溶
解し、前記式(I)で表される該化合物のうち少なくと
も1種を溶解することにより得られる。
て好適に使用される。二次電池を構成する電解液以外の
構成部材については特に限定されず、従来使用されてい
る種々の構成部材を使用できる。
ンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからな
る群より選ばれる少なくとも1種類の金属とリチウムと
の複合金属酸化物が使用される。このような複合金属酸
化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、
LiNiO2などが挙げられる。
ラック、カーボンブラックなどの導電剤、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤、及び溶剤と混練して正極合
剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウ
ム箔やステンレス製のラス板に塗布して、乾燥、加圧成
型後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下
で加熱処理することにより作製される。
ウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料
〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒
鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊
維〕や複合スズ酸化物などの物質が使用される。なお、
炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエン
モノマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など
の結着剤と混練して負極合剤として使用される。
ものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレ
ータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極および
ロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池な
どが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては
公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが
使用される。
を具体的に説明する。 実施例1 〔電解液の調製〕EC−DMC(容量比)=1:2の非
水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になる
ように溶解して電解液を調製した後、さらにリチウムベ
ンゼンチオラートを電解液に対して0.20重量%とな
るように加えた。
の測定〕LiCoO2(正極活物質)を80重量%、ア
セチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化
ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、こ
れに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合した
ものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加
熱処理して正極を調整した。天然黒鉛(負極活物質)を
90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重
量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリド
ン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、
加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリ
プロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記
の電解液を注入してコイン電池(直径20mm、厚さ
3.2mm)を作製した。このコイン電池を用いて、室
温(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終
止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定
電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰
り返した。初期放電容量は、チオール塩を添加しない1
Mの濃度でLiPF6を溶解したEC−DMC(1/2
容量比)を電解液として用いた場合(比較例1)と比較
し、その相対容量として算出したところ1.08であ
り、比較例1の場合に比べて8%の放電容量の増加が認
められた。50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持
率は92.4%であった。また、低温特性も良好であっ
た。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
量%使用したほかは実施例1と同様に電解液を調製して
コイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容
量の相対容量は1.04であり、チオール塩を添加しな
い場合(比較例1)に比べて4%の放電容量の増加が認
められた。50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、放電容量維持率は92.1%であった。コイン電池
の作製条件および電池特性を表1に示す。
重量%使用したほかは実施例1と同様に電解液を調製し
てコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電
容量の相対容量は1.02であり、チオール塩を添加し
ない場合(比較例1)に比べて2%の放電容量の増加が
認められた。50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、放電容量維持率は90.4%であった。コイン電池
の作製条件および電池特性を表1に示す。
チルベンゼンチオラートを電解液に対して0.2重量%
使用したほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイ
ン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量の
相対容量は1.07であり、チオール塩を添加しない場
合(比較例1)に比べて7%の放電容量の増加が認めら
れた。50サイクル後の電池特性を測定したところ、放
電容量維持率は92.7%であった。コイン電池の作製
条件および電池特性を表1に示す。
ロロベンゼンチオラートを電解液に対して0.2重量%
使用したほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイ
ン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量の
相対容量は1.06であり、チオール塩を添加しない場
合(比較例1)に比べて6%の放電容量の増加が認めら
れた。50サイクル後の電池特性を測定したところ、放
電容量維持率は91.5%であった。コイン電池の作製
条件および電池特性を表1に示す。
ンチオラートを電解液に対して0.2重量%使用したほ
かは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池を作
製し、電池特性を測定した。初期放電容量の相対容量は
1.07であり、チオール塩を添加しない場合(比較例
1)に比べて7%の放電容量の増加が認められた。50
サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持
率は91.3%であった。コイン電池の作製条件および
電池特性を表1に示す。
オラートを電解液に対して0.1重量%使用したほかは
実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池を作製
し、電池特性を測定した。初期放電容量の相対容量は
1.05であり、チオール塩を添加しない場合(比較例
1)に比べて5%の放電容量の増加が認められた。50
サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持
率は91.1%であった。コイン電池の作製条件および
電池特性を表1に示す。
これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。
このときチオール塩は全く添加しなかった。この電解液
を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池
特性を測定した。この場合の初期放電容量の相対容量を
実施例1〜7との比較において1とする。初期放電容量
に対し、50サイクル後の放電容量維持率は83.8%
であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1
に示す。
たほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池
を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量は、電極
構成が同じでチオール塩を添加しない1Mの濃度でLi
PF6を溶解したEC−DMC(1/2容量比)を電解
液として用いた場合(比較例2)と比較し、その相対容
量として算出したところ1.07であり、比較例2の場
合に比べて7%の放電容量の増加が認められた。50サ
イクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率
は90.1%であった。コイン電池の作製条件および電
池特性を表2に示す。
たほかは比較例1と同様にコイン電池を作製し、電池特
性を測定した。この場合の初期放電容量の相対容量を実
施例8との比較において1とする。初期放電容量に対
し、50サイクル後の放電容量維持率は82.7%であ
った。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示
す。
o0.2O2を使用したほかは実施例1と同様に電解液を調
製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期
放電容量は、電極構成が同じでチオール塩を添加しない
1Mの濃度でLiPF6を溶解したEC−DMC(1/
2容量比)を電解液として用いた場合(比較例3)と比
較してその相対容量として算出したところ1.06であ
り、比較例3の場合に比べて6%の放電容量の増加が認
められた。50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、放電容量維持率は91.5%であった。コイン電池
の作製条件および電池特性を表3に示す。
o0.2O2を使用したほかは比較例1と同様にコイン電池
を作製し、電池特性を測定した。この場合の初期放電容
量の相対容量を実施例9との比較において1とする。初
期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は
84.5%であった。コイン電池の作製条件および電池
特性を表3に示す。
を使用したほかは実施例1と同様に電解液を調製してコ
イン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量
は、電極構成が同じでチオール塩を添加しない1Mの濃
度でLiPF6を溶解したEC−DMC(1/2容量
比)を電解液として用いた場合(比較例4)と比較し、
その相対容量として算出したところ1.11であり、比
較例4の場合に比べて11%の放電容量の増加が認めら
れた。50サイクル後の電池特性を測定したところ、放
電容量維持率は91.9%であった。コイン電池の作製
条件および電池特性を表4に示す。
を使用したほかは比較例1と同様にコイン電池を作製
し、電池特性を測定した。この場合の初期放電容量の相
対容量を実施例10との比較において1とする。初期放
電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は8
2.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特
性を表4に示す。
EC−PC−MEC(容量比1/1/4)を使用したほ
かは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池を作
製し、電池特性を測定した。初期放電容量は、非水溶媒
が同じでチオール塩を添加しない1Mの濃度でLiPF
6を溶解したEC−PC−MEC(容量比1/1/4)
を電解液として用いた場合(比較例5)と比較し、その
相対容量として算出したところ1.08であり、比較例
5の場合に比べて8%の放電容量の増加が認められた。
50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量
維持率は91.3%であった。コイン電池の作製条件お
よび電池特性を表5に示す。
EC−PC−MEC(容量比1/1/4)を使用したほ
かは比較例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を
測定した。この場合の初期放電容量の相対容量を実施例
11との比較において1とする。初期放電容量に対し、
50サイクル後の放電容量維持率は81.4%であっ
た。コイン電池の作製条件および電池特性を表5に示
す。
EC−DMC−DEC(容量比1/1/1)を使用した
ほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池を
作製し、電池特性を測定した。初期放電容量は、電極構
成が同じでチオール塩を添加しない1Mの濃度でLiP
F6を溶解したEC−DMC−DEC(容量比1/1/
1)を電解液として用いた場合(比較例6)と比較し、
その相対容量として算出したところ1.08であり、比
較例6の場合に比べて8%の放電容量の増加が認められ
た。50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電
容量維持率は92.1%であった。コイン電池の作製条
件および電池特性を表6に示す。
EC−DMC−DEC(容量比1/1/1)を使用した
ほかは比較例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性
を測定した。この場合の初期放電容量の相対容量を実施
例12との比較において1とする。初期放電容量に対
し、50サイクル後の放電容量維持率は83.0%であ
った。コイン電池の作製条件および電池特性を表6に示
す。
ず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせ
が可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは
限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン
電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の
電池にも適用される。
クル特性や電気容量、更には保存特性などの電池特性に
優れたリチウム二次電池を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 非水溶媒に電解質が溶解されている電解
液において、該電解液中に下記一般式(I) R−S−M (I) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、または1つ
以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい
炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭素数
1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7〜1
5のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリール基
を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは1つ
以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表さ
れるチオール塩のうち少なくとも1種が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池用電解液。 - 【請求項2】 正極、負極および非水溶媒に電解質が溶
解されている電解液からなるリチウム二次電池におい
て、該電解液中に下記一般式(I) R−S−M (I) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、または1つ
以上の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい
炭素数3〜12のシクロアルキル基、1つ以上の炭素数
1〜4のアルキルで置換されていてもよい炭素数7〜1
5のベンジル基、もしくは炭素数6〜15のアリール基
を示し、Mはアルカリ金属を示す。また、前記Rは1つ
以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表さ
れるチオール塩のうち少なくとも1種が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池。
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