JP3959708B2 - リチウム電池用正極の製造方法およびリチウム電池用正極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池用正極の製造方法およびリチウム電池用正極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や携帯ビデオカメラ等の電気機器の電源として、高い重量エネルギー密度を持つことから、リチウム電池の搭載が主流となりつつある。このリチウム電池は、リチウムを含む正極活物質をもち充電時にはリチウムをリチウムイオンとして放出し放電時にはリチウムイオンを吸蔵することができる正極と、負極活物質をもち充電時にはリチウムイオンを吸蔵し放電時にはリチウムイオンを放出することができる負極と、有機溶媒にリチウムが含まれる支持塩よりなる電解質が溶解されてなる非水電解液と、から構成される。
【0003】
また、このようなリチウム電池は、重量エネルギー密度を向上させるために、正極および負極がシート状に形成され、同じくシート状に形成されたセパレータを介して、シート状の正極および負極が巻回あるいは積層された状態で、ケース内に納められている。シート状の正極および負極は、集電体となる金属箔の表面に、活物質を含む合剤層を形成した構造をしている。
【0004】
リチウム電池の正極は、LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、yは特に限定しない)よりなる正極活物質、カーボン等よりなる導電剤およびPVDF等よりなるバインダが溶剤に分散した活物質ペーストを調製し、調整された活物質ペーストをAlよりなる集電体の表面に塗工して合剤層を形成することで製造されている。
【0005】
リチウム電池の正極の製造において、溶剤にはNMP等の有機系の溶液が用いられていた。これに対し、近年は、原料や取り扱いに要するコストの低減や排出時の環境負荷への影響から、溶剤として水が使用されてきている。
【0006】
正極活物質のLiMexOyは、水と反応を生じることが知られている。すなわち、水にLiMexOyを添加すると、結晶内のLiの離脱が生じる。この反応は、結晶中のLiイオン(Li+)と水のプロトン(H+)とがイオン交換を生じることにより生じると推測される。
【0007】
さらに、水よりなる溶剤にLiMexOyが分散した活物質ペーストは、Liイオンの離脱により、アルカリ性を示す。アルカリ性の活物質ペーストは、集電体と反応を生じ、集電体の腐食およびH2ガスの発生を進行させる。
【0008】
集電体と活物質ペーストとの界面でH2ガスが発生すると、それによって活物質の浮き上がりを生じる。浮き上がりの結果、活物質の見掛け体積が増加し、単位体積あたりの重量が減少する。このように塗着性が低下すると、塗着密度は減少することになる。
【0009】
さらに、製造された電極の合剤層内には、H2ガスによる数十μm程度の内径の穴が多数生じる。この多数の穴により合剤層の表面に割れが発生し、電極体としての強度が低下する。また、合剤層の材料分布が不均一になり、サイクル特性等の電池特性が劣化する。
【0010】
さらに、正極の製造を合剤層の製造を短時間で行うために、集電体の表面に塗布された活物質ペーストは、加熱されて乾燥されている。しかしながら、乾燥のために加熱されることで、集電体とアルカリ性の活物質ペーストとの反応が促進される。この結果、正極の製造に要する時間が長くなっていた。
【0011】
このような問題を解決するために、活物質ペースト中に炭酸ガスを混合して中和する方法が、特開平8−69791号に開示されている。
【0012】
詳しくは、特開平8−69791号には、強アルカリに対し腐食性を有する金属箔を集電体とし、その表面にリチウムと遷移金属を主体とした複合酸化物を主成分とする活物質層を形成した正極板と、負極板と、この正極板と負極板との間にセパレータを介在させた非水電解液二次電池の製造方法において、前記正極板は活物質と増粘材を練合させた粘性水溶液のアルカリ成分を中和した後、このペーストを集電体表面に塗着し乾燥したことを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法が開示されている。
【0013】
しかしながら、活物質ペースト中に炭酸ガスを供給して中和する方法では、LiMexOyから離脱するLi量が多量となるという問題があった。すなわち、多量のLiがLiMexOyから離脱するため、LiMexOyの組成や結晶構造が変化し、電池特性を悪化させるという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、活物質ペーストに水よりなる溶剤を用いても集電体に腐食が生じないリチウム電池用正極の製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、活物質ペーストとの反応を抑制する保護被膜を表面に有する集電体を用いることで上記課題を解決できることを見出した。
【0016】
すなわち、本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、を有するリチウム電池用正極の製造方法において、集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する厚さが0.02〜1μmであって、ベーマイト(Al 2 O 3 ・H 2 O)を有する酸化アルミニウム被膜である保護被膜を有し、かつ集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることを特徴とする。
【0017】
本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、活物質ペーストが塗布される集電体の表面に保護被膜が形成されているため、集電体と活物質ペーストとの反応が抑制される。この結果、本発明の製造方法を用いて製造された正極は、正極活物質が均一に分散した電極となる。本発明の製造方法を用いて製造された正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮する効果を示す。
【0018】
本発明のリチウム電池用正極は、LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、を有するリチウム電池用正極の製造方法が施されてなるリチウム電池用正極であって、集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する厚さが0.02〜1μmであって、ベーマイト(Al 2 O 3 ・H 2 O)を有する酸化アルミニウム被膜である保護被膜を有し、かつ集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることを特徴とする。
【0019】
本発明のリチウム電池用正極は、正極の製造時に活物質ペーストと集電体とが反応を生じることが抑えられているため、正極活物質が均一に分散している。すなわち、本発明の正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮する効果を示す。
【0020】
【発明の実施の形態】
(リチウム電池用正極の製造方法)
本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、を有するリチウム電池用正極の製造方法において、集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜を有する。
【0021】
LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程において、水を溶剤として用いた活物質ペーストが調製される。
【0022】
Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程により、集電体の表面に活物質合剤層が形成され、リチウム電池用正極となる。
【0023】
集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜を有する。すなわち、本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、集電体の表面に保護被膜を有するため、活物質合剤層を形成する工程において、集電体と活物質ペーストとの反応が抑えられている。
【0024】
また、保護被膜が活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有することで、集電板としての機能が発揮される。すなわち、保護被膜が電気伝導性を有することで、本発明の製造方法で製造された正極がリチウム電池に用いられたときに、集電体としての機能を発揮できる。
【0025】
保護被膜が厚さが0.02〜1μmの酸化アルミニウム被膜であり、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることが好ましい。
【0026】
保護被膜が酸化アルミニウム被膜よりなることで、集電体の表面に容易に活物質ペーストとの反応を抑制する保護被膜を形成することができる。
【0027】
さらに、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることで、アルミニウムと正極活物質とが接触し、集電体と正極活物質とが電気的に接続される。すなわち、酸化アルミニウムは電気絶縁性を有するため、この状態では集電体として不適である。このため、押圧することで、集電体の表面の電気絶縁性の酸化アルミニウム被膜が破壊され、電気伝導性が確保される。さらに、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることで、活物質合剤層の密度が向上し、正極のエネルギー密度が向上する。
【0028】
また、酸化アルミニウム被膜の厚さが0.02〜1μmとなることで、活物質ペーストとの反応を抑制でき、かつ圧縮されたときに破壊される。すなわち、酸化アルミニウム被膜の厚さが0.02μm未満では活物質ペーストとの反応を抑制することができず、1μmを超えると集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されたときに酸化アルミニウム被膜が十分に破壊されなくなり活物質合剤層で生じた電力を取り出せなくなる。
【0029】
なお、アルミニウムは、通常、大気中の酸素との間で生成した酸化被膜を有する。この酸化被膜は、0.01μm程度の厚さである。このため、アルミニウム表面に自然に形成された酸化被膜は、十分な厚さが確保されていないため集電体の保護被膜としては機能しない。
【0030】
酸化アルミニウム被膜は、ベーマイト(Al2O3・H2O)を有することが好ましい。酸化アルミニウム被膜がベーマイトを有することで、酸化アルミニウム被膜が活物質ペーストとの反応を抑制することができるとともに押圧されたときに破壊されるようになる。
【0031】
酸化アルミニウム被膜は、集電体を水蒸気中または水中で加熱して形成されたことが好ましい。Alよりなる集電体を水蒸気中または水中で加熱することで、ベーマイトを主成分とした酸化アルミニウム被膜を形成することができる。
【0032】
なお、水蒸気中または水中での集電体の加熱は、所望の酸化アルミニウム被膜が形成できるように行われる。
【0033】
保護被膜は、カーボン粒子とカーボン粒子を結着するバインダと、を有することが好ましい。保護被膜がカーボン粒子とバインダとを有することで、活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜となる。すなわち、カーボン粒子は、高い電気伝導性、軽量および電位的に安定等の特性を有しているため、電気伝導性を有する保護被膜を形成できる。また、カーボン粒子単独では、保護被膜を形成できないため、バインダが用いられる。バインダがカーボン粒子を結着して保護被膜を形成しているため、集電体と活物質ペーストと接触しなくなり、集電体と活物質ペーストとの反応が抑えられる。
【0034】
まお、カーボン粒子とバインダの量は、特に限定されるものではない。すなわち、リチウム電池を形成したときに、正極としての機能が確保できるように保護被膜が形成されていればよい。一般に、カーボン粒子の含有量が増加すると、保護被膜の導電性が高くなり、カーボン粒子の含有量が減少すると導電性が低下する。また、カーボン粒子の含有量が増加すると、相対的なバインダ量が低下し、被膜が形成されなくなる。
【0035】
バインダは、カーボン粒子を結着できれば特に限定されるものではない。たとえば、リチウム電池の正極において正極活物質を結着するバインダとして用いられているPVDFやCMCをあげることができる。
【0036】
カーボン粒子は、その種類が特に限定されるものではない。また、カーボン粒子は、正極の活物質合剤層に導電剤として導入されるカーボンと同種であっても、別種であってもどちらでもよい。
【0037】
カーボン粒子は、少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有することが好ましい。少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有することで、保護被膜に十分な電気伝導性が確保される。
【0038】
カーボン粒子とバインダとを有する保護被膜の厚さは、一概に決定できるものではない。すなわち、保護被膜の電気伝導性は保護被膜を構成するカーボン粒子とバインダとの割合により決定されるため、高い電気伝導性を有する保護被膜と低い電気伝導性を有する保護被膜とでは、求められる厚さが異なる。
【0039】
一般に、保護被膜の厚さが厚くなるほど、組み立てられた電池のエネルギー密度が低下し、保護被膜の厚さが薄くなると、活物質ペーストと集電体との反応を抑制できなくなる。
【0040】
保護被膜は、導電性高分子を有することが好ましい。導電性高分子を有することで、活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有することができる。すなわち、導電性高分子は、電気伝導性を確保しながら集電体と活物質ペーストとの接触を抑制できる。この導電性高分子としては、たとえば、ポリアニリンをあげることができる。
【0041】
導電性高分子を有する保護被膜の厚さは、一概に決定できるものではない。すなわち、導電性高分子により電気伝導性が異なるためである。
【0042】
本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、集電体の表面に保護被膜を有する以外は、特に限定されるものではない。すなわち、活物質ペーストを構成する材料は、従来のリチウム電池用正極の製造に用いられている材料を用いることができる。
【0043】
正極活物質のLiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)は、特に限定されるものではない。たとえば、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、を主骨格として、各種金属元素が置換した化合物を用いることができる。
【0044】
LiMn2O4系、LiCoO2系、、LiNiO2系の正極活物質がより好ましい。すなわち、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど正極活物質としての性能に優れているため、高い充放電効率と良好なサイクル特性とを有するリチウム電池が得られる。さらに、材料コストの低さから、LiMn2O4系の正極活物質を用いることが好ましい。
【0045】
たとえば、正極活物質の水との反応性は、LiNiO2系>LiCoO2系>LiMn2O4系の順であり、本発明の製造方法は、LiNiO2系の正極活物質を用いたときに、特に大きな効果を発揮する。
【0046】
活物質ペーストは、結着剤および/または導電剤を有することが好ましい。活物質ペーストが結着剤および/または導電剤を有することで、製造される正極の特性が向上する。
【0047】
結着剤は、正極活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0048】
導電剤は、正極の電気伝導性を確保する。導電剤としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上の混合したものをあげることができる。
【0049】
本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、活物質ペーストが塗布される集電体の表面に保護被膜が形成されているため、集電体と活物質ペーストとの反応が抑制される。この結果、本発明の製造方法を用いて製造された正極は、正極活物質が均一に分散した電極となる。本発明の製造方法を用いて製造された正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮する効果を示す。
【0050】
(リチウム電池用正極)
本発明のリチウム電池用正極は、LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、を有するリチウム電池用正極の製造方法が施されてなるリチウム電池用正極であって、集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜を有する。
【0051】
本発明のリチウム電池用正極は、正極の製造時に活物質ペーストと集電体とが反応を生じることが抑えられているため、正極活物質が均一に分散している。すなわち、本発明のリチウム電池用正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮できる。
【0052】
LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程において、水を溶剤として用いた活物質ペーストが調製される。
【0053】
Alよりなる集電体の表面に活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程により、集電体の表面に活物質合剤層が形成され、リチウム電池用正極となる。
【0054】
集電体は、表面に活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜を有する。すなわち、本発明のリチウム電池用正極は、集電体の表面に保護被膜を有するため、製造時の活物質合剤層を形成する工程において、集電体と活物質ペーストとの反応が抑えられている。
【0055】
また、保護被膜が活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有することで、集電板としての機能が発揮される。すなわち、保護被膜が電気伝導性を有することで、本発明の製造方法で製造された正極がリチウム電池に用いられたときに、集電体としての機能を発揮できる。
【0056】
保護被膜が厚さが0.02〜1μmの酸化アルミニウム被膜であり、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることが好ましい。
【0057】
保護被膜が酸化アルミニウム被膜よりなることで、集電体の表面に容易に活物質ペーストとの反応を抑制する保護被膜を形成することができる。
【0058】
さらに、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることで、アルミニウムと正極活物質とが接触し、集電体と正極活物質とが電気的に接続される。すなわち、酸化アルミニウムは電気絶縁性を有するため、この状態では集電体として不適である。このため、押圧することで、集電体の表面の電気絶縁性の酸化アルミニウム被膜が破壊され、電気伝導性が確保される。さらに、集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることで、活物質合剤層の密度が向上し、正極のエネルギー密度が向上する。
【0059】
また、酸化アルミニウム被膜の厚さが0.02〜1μmとなることで、活物質ペーストとの反応を抑制でき、かつ圧縮されたときに破壊される。すなわち、酸化アルミニウム被膜の厚さが0.02μm未満では活物質ペーストとの反応を抑制することができず、1μmを超えると集電体と活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されたときに酸化アルミニウム被膜が十分に破壊されなくなり活物質合剤層で生じた電力を取り出せなくなる。
【0060】
なお、アルミニウムは、通常、大気中の酸素との間で生成した酸化被膜を有する。この酸化被膜は、0.01μm程度の厚さである。このため、アルミニウム表面に自然に形成された酸化被膜は、十分な厚さが確保されていないため集電体の保護被膜としては機能しない。
【0061】
酸化アルミニウム被膜は、ベーマイト(Al2O3・H2O)を有することが好ましい。酸化アルミニウム被膜がベーマイトを有することで、酸化アルミニウム被膜が活物質ペーストとの反応を抑制することができるとともに押圧されたときに破壊されるようになる。
【0062】
酸化アルミニウム被膜は、集電体を水蒸気中または水中で加熱して形成されたことが好ましい。Alよりなる集電体を水蒸気中または水中で加熱することで、ベーマイトを主成分とした酸化アルミニウム被膜を形成することができる。
【0063】
なお、水蒸気中または水中での集電体の加熱は、所望の酸化アルミニウム被膜が形成できるように行われる。
【0064】
保護被膜は、カーボン粒子とカーボン粒子を結着するバインダと、を有することが好ましい。保護被膜がカーボン粒子とバインダとを有することで、活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する保護被膜となる。すなわち、カーボン粒子は、高い電気伝導性、軽量および電位的に安定等の特性を有しているため、電気伝導性を有する保護被膜を形成できる。また、カーボン粒子単独では、保護被膜を形成できないため、バインダが用いられる。バインダがカーボン粒子を結着して保護被膜を形成しているため、集電体と活物質ペーストと接触しなくなり、集電体と活物質ペーストとの反応が抑えられる。
【0065】
まお、カーボン粒子とバインダの量は、特に限定されるものではない。すなわち、リチウム電池を形成したときに、正極としての機能が確保できるように保護被膜が形成されていればよい。
【0066】
バインダは、カーボン粒子を結着できれば特に限定されるものではない。たとえば、リチウム電池の正極において正極活物質を結着するバインダとして用いられているPVDFやCMCをあげることができる。
【0067】
カーボン粒子は、その種類が特に限定されるものではない。また、カーボン粒子は、正極の活物質合剤層に導電剤として導入されるカーボンと同種であっても、別種であってもどちらでもよい。
【0068】
カーボン粒子は、少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有することが好ましい。少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有することで、保護被膜に十分な電気伝導性が確保される。
【0069】
カーボン粒子とバインダとを有する保護被膜の厚さは、一概に決定できるものではない。すなわち、保護被膜の電気伝導性は保護被膜を構成するカーボン粒子とバインダとの割合により決定されるため、高い電気伝導性を有する保護被膜と低い電気伝導性を有する保護被膜とでは、求められる厚さが異なる。
【0070】
一般に、保護被膜の厚さが厚くなるほど、組み立てられた電池のエネルギー密度が低下し、保護被膜の厚さが薄くなると、活物質ペーストと集電体との反応を抑制できなくなる。
【0071】
保護被膜は、導電性高分子を有することが好ましい。導電性高分子を有することで、活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有することができる。すなわち、導電性高分子は、電気伝導性を確保しながら集電体と活物質ペーストとの接触を抑制できる。この導電性高分子としては、たとえば、ポリアニリンをあげることができる。
【0072】
導電性高分子を有する保護被膜の厚さは、一概に決定できるものではない。すなわち、導電性高分子により電気伝導性が異なるためである。
【0073】
本発明のリチウム電池用正極は、集電体の表面に保護被膜を有する以外は、特に限定されるものではない。すなわち、活物質ペーストを構成する材料は、従来のリチウム電池用正極の製造に用いられている材料を用いることができる。
【0074】
正極活物質のLiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)は、特に限定されるものではない。たとえば、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、を主骨格として、各種金属元素が置換した化合物を用いることができる。
【0075】
LiMn2O4系、LiCoO2系、、LiNiO2系の正極活物質がより好ましい。すなわち、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど正極活物質としての性能に優れているため、高い充放電効率と良好なサイクル特性とを有するリチウム電池が得られる。さらに、材料コストの低さから、LiMn2O4系の正極活物質を用いることが好ましい。
【0076】
たとえば、正極活物質の水との反応性は、LiNiO2系>LiCoO2系>LiMn2O4系の順であり、本発明の製造方法は、LiNiO2系の正極活物質を用いたときに、特に大きな効果を発揮する。
【0077】
活物質ペーストは、結着剤および/または導電剤を有することが好ましい。活物質ペーストが結着剤および/または導電剤を有することで、製造される正極の特性が向上する。
【0078】
結着剤は、正極活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0079】
導電剤は、正極の電気伝導性を確保する。導電剤としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上の混合したものをあげることができる。
【0080】
本発明のリチウム電池用正極は、正極の製造時に活物質ペーストと集電体とが反応を生じることが抑えられているため、正極活物質が均一に分散している。すなわち、本発明の正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮する効果を示す。
【0081】
(リチウム電池)
本発明のリチウム電池用正極の製造方法で製造された正極および本発明のリチウム電池用正極は、通常のリチウム電池用正極と同様にしてリチウム電池を形成することができる。
【0082】
すなわち、正極と負極とを電解液とともに電池容器内に収容することで製造できる。
【0083】
負極は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。特に、負極活物質および結着剤を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0084】
負極活物質としては、特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。たとえば、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、金属リチウムやリチウム合金、スズ化合物などの金属材料、導電性ポリマーなどをあげることができる。
【0085】
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0086】
負極の集電体としては、たとえば、銅、ニッケルなどを網、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
【0087】
電解液は、通常のリチウム二次電池に用いられる電解液であればよく、電解質塩と非水溶媒とから構成される。
【0088】
電解質塩としては、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiN(CF3 SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiI、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、Nal等をあげることができ、特に、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6などの無機リチウム塩、LiN(SO2CxF2x+1)(SO2CyF2y+1)で表される有機リチウム塩をあげることができる。ここで、xおよびyは1〜4の整数を表し、また、x+yは3〜8である。有機リチウム塩としては、具体的には、LiN(SO2 CF3)(SO2C2F5)、LiN(SO2CF3)(SO2C3F7)、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiN(SO2C2F5)(SO2C2F5)、LiN(SO2C2F5)(SO2C3F7)、LiN(SO2C2F5)(SO2C4F9)等があげられる。なかでも、LiN(SO2CF3 )(SO2C4F9)、LiN(SO2C2F5)(SO2C2F5)などを電解質に使用すると、電気特性に優れるので好ましい。
【0089】
なお、この電解質塩は、電解液中での濃度が、0.5〜2mol/dm3となるように溶解していることが好ましい。電解液中の濃度が0.5mol/dm3未満となると十分な電流密度が得られないことがあり、2mol/dm3を超えると粘度が増加し、電解液の導電性の低下を生じるようになるためである。
【0090】
電解質塩が溶解する有機溶媒としては、通常のリチウム二次電池の非水電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されず、例えば、カーボネート化合物、ラクトン化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等をあげることができる。詳しくは、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、スルホラン、3−メチルスルホラン等のスルホラン類、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン類、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、アセトニトリル、ピロピオニトリル、バレロニトリル、ベンソニトリル等のニトリル類、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、その他のメチルフォルメート、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることができる。さらに、これらの混合物であってもよい。
【0091】
これらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒が、電解質の溶解性、誘電率および粘度において優れているので、好ましい。
【0092】
正極を用いて形成されるリチウム電池は、その形状が特に限定されるものではなく、たとえば、シート型、コイン型、円筒型、角型など、種々の形状の電池として使用できる。好ましくは、正極および負極がシート状に形成され、シート状のセパレータを介した状態で巻回された巻回型電極体であることが好ましい。さらに、体積効率に優れることから扁平形状巻回型電極体であることがより好ましい。
【0093】
セパレータについても、通常のリチウム二次電池に用いられるセパレータであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等よりなる多孔質樹脂をあげることができる。
【0094】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0095】
本発明の実施例として、リチウム電池用正極を製造した。
【0096】
(実施例1)
(正極の製造)
正極集電体のアルミニウム箔の表面に酸化アルミニウム被膜を形成した。正極集電体に用いられたAl箔は、1N30−H材(Al:99.3%以上)よりなり、厚さが15μmのAl箔が用いられた。なお、このAl箔は、大気中の酸素により生じた厚さ0.01μmの酸化被膜を表面に有する。
【0097】
まず、Al箔を純水中に浸漬した。つづいて、Al箔が浸漬した状態で、純水を80℃に加熱した。1時間経過した後にAl箔を取り出した。取り出されたAl箔は、表面に0.2μmの酸化アルミニウム被膜が形成されていた。
【0098】
つづいて、活物質ペーストを調製した。LiNi0.81Co0.16Al0.03O2よりなる正極活物質が87wt%、導電剤のカーボンブラック10wt%、増粘剤としても機能する結着剤として2wt%のカルボキシメチルセルロース(CMC)、結着剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が1wt%を純水中に投入し、ホモジナイザ式の混練機を用いて混練した。ここで、調製された活物質ペーストは、pHが11.9であった。
【0099】
調製された活物質ペーストは、コンマコータにてAl箔表面上に片面あたり目付量6.4mg/cm2で一方の表面に塗布された。その後、80℃に加熱して乾燥させた後に、3ton/cm2の圧力でプレス成形を行って活物質合剤層を形成した。このプレス成形により、活物質合剤層の密度が上昇するとともに、Al箔の表面の酸化アルミニウム被膜が破壊された。
【0100】
以上の手段により、実施例1のリチウム電池用正極が製造された。
【0101】
ここで、実施例1のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の写真を撮影し、図1に示した。なお、この写真は、活物質ペーストがAl箔の表面に塗布、乾燥された状態で撮影された。すなわち、圧縮される前の活物質合剤層の表面を撮影した。
【0102】
図1より、活物質合剤層の表面には、H2ガスによる細孔が見られず、均一に正極活物質が分布していることが確認された。
【0103】
(実施例2)
実施例2は、活物質ペーストの塗布後の乾燥を150℃で行った以外は、実施例1と同様に製造されたリチウム電池用正極である。
【0104】
実施例2のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の観察を実施例1と同様に行った。その結果、実施例2のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面にもH2ガスによる細孔が確認されなかった。すなわち、実施例2より、Al箔の表面に酸化アルミニウム被膜をもうけることで、アルミニウムの腐食が促進される150℃の高温で乾燥を行っても、実施例1のリチウム電池用正極と同様に、腐食の進行が抑えられることがわかる。
【0105】
(比較例1)
比較例1は、酸化被膜を形成しないAl箔を正極集電体として用いた以外は、実施例1と同様に製造されたリチウム電池用正極である。
【0106】
なお、比較例1のリチウム電池用正極の正極集電体として用いられた酸化被膜を形成しないAl箔は、0.01μmの酸化被膜が大気中の酸素により形成されていた。
【0107】
実施例1と同様に、比較例1のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の写真を撮影し、図2に示した。なお、この写真は、実施例1と同様に、圧縮される前の活物質合剤層の表面を撮影した。
【0108】
図2より、比較例1のリチウム電池用正極の表面には、10〜50μm程度の穴が多数確認された。また、比較例1のリチウム電池用正極は、正極活物質の粒子が不均一であることも確認された。
【0109】
(評価)
実施例1および比較例1のリチウム電池用正極の評価として、リチウム電池用正極を用いたコイン型リチウム電池を製造し、サイクル特性を測定した。ここで、製造されたコイン型電池を図3に示した。
【0110】
(リチウム電池の製造)
リチウム電池用正極は、直径14mmの円形に打ち抜かれて形成された。
【0111】
負極は、直径15mmの円盤状の金属リチウムが用いられた。
【0112】
電解液は、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの等体積混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を電解液中での濃度が1mol/dm3となるように溶解して調整された。
【0113】
リチウム電池用正極2および負極3は、正極ケース51とリチウム電池用正極2のAl箔が、負極ケース52と負極3とが当接した状態でケース5に溶接して固定された。
【0114】
その後、正極ケース51および負極ケース52は、正極2および負極3の間に厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムよりなるセパレータ6を介した状態で、正極ケース51および負極ケース52を嵌合し、接合した。このとき、正極ケース51および負極ケース52は、ポリプロピレンよりなるガスケット7を介して、内部に非水電解液4を満たした状態で接合された。
【0115】
以上の手順により実施例のコイン型電池1は製造された。
【0116】
(サイクル特性の測定)
サイクル特性の測定は、以下の手段により行われた。
【0117】
まず、5サイクル目まで室温で4.2V、1mA/cm2、3時間の定電流定電圧による充電を行った後に、1mA/cm2の定電流で終止電圧を3Vとした放電を行った。
【0118】
つづいて、電池を60℃の恒温槽内に保持し、定電流充電(電流:2C、電圧:4.2V)、定電流放電(電流:2C、電圧:3Vまで)で50サイクルの充放電を行った。
【0119】
実施例1および比較例1のリチウム電池用正極を用いた電池のサイクル特性の測定結果を図4に示した。
【0120】
図4より、実施例1の電池は、50サイクル後の電池容量が初期容量の90%以上の容量を維持していることがわかる。すなわち、高いサイクル特性を有している。
【0121】
これに対して、比較例1の電池は、50サイクル後の容量が初期容量の70%程度に低下した。このことは、正極合剤層内での正極活物質の分布が不均一となっているため、正極内での反応が不均一になり、局所的な電流の集中による副反応の発生およびマイクロショートの発生が起こったものと解釈される。
【0122】
(実施例3)
実施例3は、純水中でのAl箔の加熱温度を90℃とした以外は実施例1と同様に製造されたリチウム電池用正極である。
【0123】
なお、純水中の90℃での加熱によりAl箔の表面に形成された酸化アルミニウム被膜は、約0.8μmであった。
【0124】
実施例3のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の観察を実施例1と同様に行った。その結果、実施例3のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面にもH2ガスによる細孔が確認されなかった。
【0125】
すなわち、Al箔の表面に厚さが0.8μmの酸化アルミニウム被膜をもうけることで、実施例1のリチウム電池用正極と同様に、活物質ペーストの塗工時および乾燥時にAl箔の腐食が抑えられることがわかる。
【0126】
(比較例2)
比較例2は、純水中でのAl箔の加熱温度を100℃とした以外は実施例1と同様に製造されたリチウム電池用正極である。
【0127】
なお、純水中の100℃での加熱によりAl箔の表面に形成された酸化アルミニウム被膜は、約1.2μmであった。
【0128】
比較例2のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の観察を実施例1と同様に行った。その結果、比較例2のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面にもH2ガスによる細孔が確認されなかった。
【0129】
すなわち、Al箔の表面に厚さが1.2μmの酸化アルミニウム被膜をもうけることで、比較例2のリチウム電池用正極と同様に、活物質ペーストの塗工時および乾燥時にAl箔の腐食が抑えられることがわかる。
【0130】
(評価)
実施例3および比較例2のリチウム電池用正極の評価として、実施例1と同様にコイン型電池を作製し、内部抵抗およびサイクル特性の測定を行った。
【0131】
内部抵抗の測定は、まず、充電電流1.5mAで3.75Vまで2時間でCC−CV充電を行った。その後、0.5mAで10秒間放電、0.5mAで10秒間充電、1mAで10秒間放電、1mAで10秒間充電1.5mAで10秒間放電、1.5mAで10秒間充電、3mAで10秒間放電、3mAで10秒間充電、4.5mAで10秒間放電、4.5mAで10秒間充電し、各放電後、充放電後の電圧を縦軸に充放電電流を横軸にとった電流−電圧プロット値の近似一次直線の傾きから内部抵抗値を求めた。ここで、実施例1の電池の内部抵抗も同時に測定した。内部抵抗の測定結果を表1に示した。
【0132】
【表1】
【0133】
表1より、Al箔の表面に酸化アルミニウム被膜を形成したリチウム電池用正極を用いた電池の内部抵抗は、Al箔の表面に形成された酸化アルミニウム被膜の厚さが厚くなるほど、増加している。
【0134】
実施例1および3は、内部抵抗の測定値が9mΩ、11mΩであり、リチウム電池に用いるために十分に低い値を示した。これに対し、比較例2のリチウム電池用正極を用いた電池は、内部抵抗が23mΩと大きくなっていた。このことは、酸化アルミニウム被膜の厚さが厚くなるほど、絶縁性の酸化アルミニウム被膜の破壊が困難となり、抵抗値が高くなったと推測される。
【0135】
また、実施例1と同様の方法によりサイクル特性を測定したところ、実施例3および比較例2のリチウム電池用正極を用いた電池は、50サイクル後にも90%以上の容量が維持された。
【0136】
以上のことから、実施例3のリチウム電池用正極は、サイクル特性に優れるとともに、内部抵抗の小さな電池を製造することができる。
【0137】
(実施例4)
(正極の製造)
正極集電体のアルミニウム箔の表面にカーボンを有する被膜を形成した。正極集電体に用いられたAl箔は、実施例1と同様な1N30−H材(Al:99.3%以上)よりなり、厚さが15μmのAl箔であった。なお、このAl箔は、大気中の酸素により生じた厚さ0.02μmの酸化被膜を表面に有する。
【0138】
まず、カーボンを有する被膜を形成するためのカーボン含有ペーストを調製した。このカーボンペーストは、平均粒径が25nmのカーボンブラック粒子92.5g、PVDF7.5g、を130gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液中に分散させて調製された。ここで、カーボンブラックには、通常のリチウム電池の導電剤に用いられている粉末を用いている。このため、カーボンブラックは高い電気伝導性を有する。
【0139】
調製されたカーボンペーストは、Al箔の表面に塗布され、120℃で乾燥させられた。ここで、乾燥後の被膜の厚さは、20μmであった。
【0140】
以上の手段により、実施例4のリチウム電池用正極が製造された。
【0141】
(評価)
実施例4のリチウム電池用正極の評価として、実施例1と同様にサイクル特性を測定した。
【0142】
実施例4のリチウム電池用正極を用いた電池においても、50サイクル後の電池容量は、90%以上で維持されていた。
【0143】
【発明の効果】
本発明のリチウム電池用正極の製造方法は、活物質ペーストが塗布される集電体の表面に保護被膜が形成されているため、集電体と活物質ペーストとの反応が抑制される。この結果、本発明の製造方法を用いて製造されたリチウム電池用正極は、正極活物質が均一に分散した電極となる。本発明の製造方法を用いて製造されたリチウム電池用正極は、リチウム電池を形成したときに、高い電池特性を発揮する効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の写真である。
【図2】 比較例1のリチウム電池用正極の活物質合剤層の表面の写真である。
【図3】 実施例1および比較例1のリチウム電池用正極を用いた電池の構成を示した図である。
【図4】 実施例1および比較例1のリチウム電池用正極を用いた電池のサイクル特性の測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1…コイン型電池 2…リチウム電池用正極
3…負極 4…電解液
51…正極ケース 52…負極ケース
6…セパレータ 7…ガスケット
Claims (10)
- LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、
Alよりなる集電体の表面に該活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、
を有するリチウム電池用正極の製造方法において、
該集電体は、表面に該活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する厚さが0.02〜1μmであって、ベーマイト(Al 2 O 3 ・H 2 O)を有する酸化アルミニウム被膜である保護被膜を有し、
かつ該集電体と該活物質合剤層とが厚さ方向に押圧されることを特徴とするリチウム電池用正極の製造方法。 - 前記酸化アルミニウム被膜は、前記集電体を水蒸気中または水中で加熱して形成された請求項1記載のリチウム電池用正極の製造方法。
- 前記保護被膜は、カーボン粒子と該カーボン粒子を結着するバインダと、を有する請求項1記載のリチウム電池用正極の製造方法。
- 前記カーボン粒子は、少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有する請求項3記載のリチウム電池用正極の製造方法。
- 前記保護被膜は、導電性高分子を有する請求項1記載のリチウム電池用正極の製造方法。
- LiMexOy(Me;Ni、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属、x、y;任意)よりなる正極活物質と、水と、を有する活物質ペーストを調製する工程と、
Alよりなる集電体の表面に該活物質ペーストを塗布し、乾燥させて活物質合剤層を形成する工程と、
を有するリチウム電池用正極の製造方法が施されてなるリチウム電池用正極であって、
該集電体は、表面に該活物質ペーストとの反応を抑制するとともに電気伝導性を有する厚さが0.02〜1μmであって、ベーマイト(Al 2 O 3 ・H 2 O)を有する酸化アルミニウム被膜である保護被膜を有し、
かつ該集電体と該活物質合剤層とが厚さ方向に押圧される保護被膜を有することを特徴とするリチウム電池用正極。 - 前記酸化アルミニウム被膜は、前記集電体を水蒸気中または水中で加熱して形成された請求項6記載のリチウム電池用正極。
- 前記保護被膜は、カーボン粒子と該カーボン粒子を結着するバインダと、を有する請求項6記載のリチウム電池用正極。
- 前記カーボン粒子は、少なくともカーボンブラック、グラファイトの1種を有する請求項8記載のリチウム電池用正極。
- 前記保護被膜は、導電性高分子を有する請求項6記載のリチウム電池用正極。
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