JP2002075330A - 非水二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水二次電池およびその製造方法

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JP2002075330A
JP2002075330A JP2000264811A JP2000264811A JP2002075330A JP 2002075330 A JP2002075330 A JP 2002075330A JP 2000264811 A JP2000264811 A JP 2000264811A JP 2000264811 A JP2000264811 A JP 2000264811A JP 2002075330 A JP2002075330 A JP 2002075330A
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positive electrode
secondary battery
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electrode mixture
aqueous secondary
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JP2000264811A
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Shoji Nishihara
昭二 西原
Fumihiko Kishi
文彦 岸
Ichiji Miyata
一司 宮田
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質の高充填化を達成して、高容量で
かつ充放電サイクル特性が優れた非水二次電池を提供す
る。 【解決手段】 正極集電体の少なくとも一方の面に正極
合剤層を形成してなる正極、負極および非水電解質を有
する非水二次電池において、上記正極合剤中にフッ素系
ノニオン型界面活性剤を含有させる。上記フッ素系ノニ
オン型界面活性剤としては、下記の式(I) 【化1】 (mは4〜12の整数、nは5〜30の整数、Rは低級
アルキル基)で表される化合物が好ましく、フッ素系ノ
ニオン型界面活性剤の正極合剤中の含有量は0.01〜
1重量%が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水二次電池に関
し、さらに詳しくは、高容量でかつ充放電サイクル特性
が優れた非水二次電池およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、携帯電話の普及に伴
い、高エネルギー密度を有する二次電池への要求がます
ます高まっている。現在、この要求に応える高容量二次
電池としては、正極活物質にLix CoOを用い、負極
活物質として炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池
が商品化されている。このリチウムイオン二次電池は平
均駆動電圧が3.6Vと高く、従来のニッケル−カドミ
ウム電池やニッケル水素電池の平均駆動電圧の約3倍で
ある。また、このリチウムイオン二次電池は、負極活物
質として炭素材料を用い、充放電に関与するモビリティ
ーが軽金属のリチウムであることから、軽量化も期待で
きる。
【0003】このリチウムイオン二次電池は、従来の金
属リチウムを負極とする非水二次電池とは異なり、上記
正極活物質や負極活物質を結着剤などとともに溶剤中に
分散させてペーストとし、高容量化を図るために、その
電極合剤含有ペーストを正極集電体、負極集電体ともそ
の両面に塗布し、乾燥して電極合剤層を形成することに
よって、帯状の正極および負極を作製している。そし
て、得られた帯状の正極と負極をセパレータを介して渦
巻状に巻回して電極体を形成し、その電極体をアルミニ
ウム箔などの金属箔を芯材とするラミネートフィルムか
らなる外装材内や電池缶内に収容し、電解液を注入した
後、密閉することによって電池が構成されている。
【0004】ところで、携帯電話などの長時間連続使用
や機能を追加することによる消費電力の増加に伴って、
その電源となるリチウムイオン二次電池もより一層の高
容量化が望まれている。
【0005】しかしながら、代表的な正極活物質である
LiCoO2 は、理論放電容量が274mAh/gであ
るが、深い充放電を行うとLiCoO2 が相変化を起こ
してサイクル寿命を低下させるため、実際のリチウムイ
オン二次電池においては放電容量が125〜140mA
h/gの範囲内になってしまうという問題がある。
【0006】また、上記LiCoO2 と同様にリチウム
含有複合酸化物の1種であるLiNiO2 は理論放電容
量がLiCoO2 と同様に274mAh/gであるが、
Li極を基準とした作動電位がLiCoO2 に比べて低
く、放電末期における電圧降下がLiCoO2 の場合ほ
ど急激ではないので、Li極に対して3.0〜4.0V
領域での放電容量がLiCoO2 に比べて大きく、Li
NiO2 の方がLiCoO2 より実用的な電位範囲(L
i極に対して3.0〜4.3Vの領域)での放電容量が
大きい。実際のLi極に対する3.0〜4.3V領域で
の放電容量は、合成条件によっても異なるが、一般にL
iNiO2 の場合は160〜200mAh/gである。
【0007】したがって、正極活物質としてLiCoO
2 を用いるよりも、LiNiO2 を用いた方が、より高
容量の電池を作製することができるものと期待される。
また、LiNiO2 は真密度が4.6〜4.8g/cm
であることから、LiCoO 2 とほぼ同程度の充填性が
得られるので、LiCoO2 をLiNiO2 で置き換え
ても、電極作製時に充填性が劣ることはほとんどない。
【0008】しかしながら、LiNiO2 は合成条件な
どによりNiイオン(Ni+ )が層間に混入しやすく、
この層間に混入したNiイオンがLiイオンの移動を阻
害するため、LiNiO2 の電気化学的容量が減少す
る。また、LiNiO2 の合成は酸素雰囲気下で注意深
く制御する必要があるため、LiNiO2 はLiCoO
2 より製造コストが高くなるという問題もあった。
【0009】また、LiMn2 4 は理論放電容量が1
48mAh/gであるが、このLiMn2 4 もLiC
oO2 と同様に充放電中に相変化を起こし、また、Li
CoO2 の真密度が4.9〜5.1g/cmであるのに
対し、LiMn2 4 の真密度は4.0〜4.2g/c
mとLiCoO2 に比べて小さいため、充填性を考慮す
ると、体積当たりの容量面でも不利を生じることにな
る。
【0010】以上のように、LiCoO2 、LiNiO
2 、LiMn2 4 は、それぞれ、長所、欠点を有する
が、それらを用いて高容量化を図っていくには、いずれ
の場合も、小粒径化やタップ密度の向上により充填性を
向上させることが必要であると考えられる。
【0011】ところで、正極を作製する場合、LiCo
2 などの正極活物質に電子伝導助剤、バインダーおよ
び溶剤を加え、混合分散して調製した正極合剤含有ペー
ストを基体としての作用を兼ねる正極集電体上に塗布
し、乾燥して正極合剤層を形成した後、高容量化を図る
ため、プレスして正極合剤層の厚みを調整している。正
極の体積当たりの容量を向上させるためには、正極合剤
層の密度を高くする必要がある。しかし、プレス圧を高
くして密度の向上を図ると電解液の浸透が抑制されるた
め、充放電時に容量の低下が生じたり、サイクル特性が
悪くなるという問題がある。
【0012】一方、従来からも、正極、負極または電解
液中に界面活性剤を添加することによって、電池特性を
改良することが提案されている(特開平05−3350
18号公報、特開平07−263027号公報)。
【0013】しかしながら、上記公報で提案されている
方法では、界面活性剤を負極活物質や結着剤とともに混
合分散したり、あるいは正極合剤層を形成後、プレス前
に界面活性剤を添加しているため、正極活物質の高充填
化には何ら寄与していない。また、水溶液中で正極合剤
を調製するため、水分の除去を完全にするには200℃
を超える高温で乾燥を行う必要があり、そのため、例え
ば結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いた場合には
乾燥時にポリフッ化ビニリデンの脱フッ酸反応を促進さ
せるおそれがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術における問題点を解決して、正極活物質の高
充填化を達成して、高容量でかつ充放電サイクル特性が
優れた非水二次電池を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、正極集電体の少
なくとも一方の面に正極合剤層を形成してなる正極、負
極および非水電解質をを有する非水二次電池において、
上記正極合剤中にフッ素系ノニオン型界面活性剤を含有
させることによって、上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0016】特に、正極活物質、結着剤および有機溶媒
を含む系に、フッ素系ノニオン型界面活性剤を添加し、
混合分散して調製した正極合剤含有ペーストは、正極活
物質のより一層の高充填化が達成できる。これは、コバ
ルト酸リチウムなどの正極活物質の表面にフッ素系ノニ
オン型界面活性剤が吸着して結着剤とともに正極活物質
が分散していくので、フッ素系ノニオン型界面活性剤を
添加していない場合に比べて、正極活物質の高分散が可
能になる。したがって、同じ条件下で塗布、乾燥、プレ
スして正極合剤層を形成する場合には、フッ素系ノニオ
ン型界面活性剤を添加していると、フッ素系ノニオン型
界面活性剤を添加していない場合に比べて、正極合剤層
中の活物質の高充填化が達成できる。また、正極合剤層
中で正極活物質がより均一に分散しているので、充放電
の繰り返しに対する安定性も高くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、フッ素系ノニオ
ン型界面活性剤は、フルオロ基を有するノニオン型界面
活性剤であれば特に限定されることなく、各種のものを
用いることができる。例えば、そのフッ素系ノニオン型
界面活性剤の疎水基としては、パーフルオロアルキル
基、パーフルオロアルキルフェニル基、パーフルオロフ
ェニル基などが挙げられ、親水部分としてはポリエチレ
ンオキシド鎖、ポリオキサゾリン鎖などが挙げられる。
特に好ましいのは、下記の式(I)
【化2】 (mは4〜12の整数、nは5〜30の整数、Rは低級
アルキル基)で表される化合物である。
【0018】上記式(I)において、mは4〜12の整
数であるが、これはmを4以上にすることにより正極活
物質の高充填化を達成し、mを12以下にすることによ
り正極合剤含有ペーストの粘度の上昇を抑制して、正極
活物質の分散性を向上させるためである。また、上記式
(I)中において、nは5〜30の整数であるが、これ
はnを5以上にすることにより正極活物質の分散性を向
上させ、nを30以下にすることにより正極合剤含有ペ
ーストの粘度の上昇を抑制して塗布に適した粘度に保つ
ためである。
【0019】そして、上記式(I)において、Rは低級
アルキル基であり、この低級アルキル基は一般に炭素数
1〜5のアルキル基であって、この範囲に属するフッ素
系ノニオン型界面活性剤の市販品としては、例えば、大
日本インキ化学工業社製のF142(商品名)などがあ
る。そして、上記式(I)で表されるフッ素系ノニオン
型界面活性剤は、正極活物質、結着剤および有機溶媒を
含む系に添加することにより、本発明の効果を特に顕著
に発現させることができる。
【0020】フッ素系ノニオン型界面活性剤は、正極合
剤中に0.01〜1重量%含有させることが好ましく、
その含有量を0.01重量%以上にすることによってフ
ッ素系ノニオン型界面活性剤の添加の効果を充分に発現
させ、1重量%以下にすることによって正極合剤含有ペ
ーストの粘度の上昇を抑制して、正極活物質の分散性を
向上させることができる。
【0021】本発明において、正極活物質としては、特
に限定されることはないが、例えば、LiCoO2 など
のリチウムコバルト酸化物、LiMn2 4 などのリチ
ウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウムニッ
ケル酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロ
ム酸化物などの金属酸化物またはそれらを基本構造とす
る複合酸化物(例えば、異種金属添加品)、あるいは二
硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などを
単独でまたは2種以上の混合物として、あるいはそれら
の固溶体として用いることができる。
【0022】特にLiNiO2 、LiCoO2 、LiM
2 4 などの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上
を示すリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として
用いる場合には、高エネルギー密度が得られるので好ま
しい。その中でも真密度が最も低いLiMn2 4 を使
用する場合には、本発明のフッ素系ノニオン型界面活性
剤の添加による高充填化効果が特に顕著に発現する。
【0023】そして、正極は、例えば、上記正極活物質
に、必要に応じて鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの
電子伝導助剤や結着剤を添加し、有機溶剤が存在する系
に、前記フッ素系ノニオン型界面活性剤を添加し、混合
分散させて正極合剤含有ペーストを調製し(正極合剤含
有ペーストの調製にあたって、バインダーはあらかじめ
溶剤に溶解させておいてから正極活物質などと混合して
もよい)、得られた正極合剤含有ペーストを基体として
の作用を兼ねる正極集電体に塗布し、乾燥して正極集電
体の少なくとも一方の面に正極合剤層を形成し、その正
極合剤層を加圧して圧縮する工程を経て作製される。た
だし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られるこ
となく、他の方法によってもよい。
【0024】上記正極の作製にあたって使用する結着剤
としては、例えば、熱可塑性樹脂、ゴム状弾性を有する
ポリマー、多糖類の一種またはそれらの混合物を用いる
ことができる。その具体例としては、例えば、ポリフッ
化ビニリデンやフッ化ビニリデンを主材とする共重合体
などのポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合樹脂、スチレンブタジエン
ゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキ
シド、ポリビニルピロリドン、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル
アルコール、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセル
ロース系樹脂などが挙げられる。それらの中でも、正極
の結着剤としてポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデ
ンを主材とする共重合体などのポリフッ化ビニリデン系
樹脂を用いるときは、本発明の効果を特に顕著に発現さ
せることができる。
【0025】本発明において、上記正極の作製にあたっ
て使用する集電体としては、アルミニウム、ニッケル、
銅、ステンレス鋼などの金属の箔、網、パンチングメタ
ル、エキスパンドメタルなどが用い得るが、正極集電体
としては特にアルミニウム箔が好適に用いられる。上記
正極集電体の厚さとしては、5〜60μm、特に8〜4
0μmが好ましく、また、その正極集電体の少なくとも
一方の面に形成する正極合剤層の厚みは、加圧して圧縮
した段階で、片面当たり30〜300μm、特に50〜
150μmが好ましい。
【0026】負極に用いる材料としては、リチウムイオ
ンをドープ・脱ドープできるものであればよく、本発明
においては、そのようなリチウムイオンをドープ・脱ド
ープできる物質を負極活物質という。そして、この負極
活物質としては、特に限定されることはないが、例え
ば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロ
ビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料、Si、S
n、Inなどの合金またはLiに近い低電圧で充放電で
きるSi、Sn、Inなどの酸化物などを用いることが
できる。
【0027】負極活物質として炭素材料を用いる場合、
該炭素材料としては下記の特性を持つものが好ましい。
すなわち、その(002)面の面間隔(d002 )に関し
ては、0.35nm以下が好ましく、より好ましくは
0.345nm以下、さらに好ましくは0.34nm以
下である。また、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)に
関しては、3.0nm以上が好ましく、より好ましくは
8.0nm以上、さらに好ましくは25.0nm以上で
ある。そして、上記炭素材料の平均粒径は8〜20μ
m、特に10〜15μmが好ましく、純度は99.9重
量%以上が好ましい。
【0028】負極は、例えば、上記負極活物質に、必要
に応じて、前記正極の場合と同様の結着剤を添加し、さ
らに要すれば電子伝導助剤を添加して、溶剤でペースト
状にし(結着剤はあらかじめ溶剤に溶解させておいてか
ら負極活物質などと混合してもよい)、得られた負極活
物質含有ペーストを基体としての作用を有する負極集電
体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、その負極合
剤層を加圧して圧縮する工程を経ることによって作製さ
れる。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法に限
られることなく、他の方法によってもよい。
【0029】特に、これからの非水二次電池では、負極
活物質についても高容量化に適するものを用いることが
要望されており、炭素材料の中でも結晶性が高く放電容
量が350mAh/g以上の高容量の天然黒鉛や天然黒
鉛形態を持つ黒鉛材料(以下、「天然黒鉛材料」とい
う)を負極活物質として用いた非水二次電池への関心が
高まっている。しかし、それらの高容量の天然黒鉛材料
の場合、通常の人造黒鉛材料に比べて、負極集電体に対
する接着力やそれらの黒鉛間の相互作用が弱く、それを
負極活物質として用いて作製した非水二次電池は、サイ
クル特性に課題を残している。そのような課題を解決す
るためには、天然黒鉛材料を用いた負極材料中に、カル
ボキシル基含有ポリマーとエポキシ基を分子内に2個以
上含有する架橋材とを含有させ、それらを含有する負極
合剤含有ペーストを負極集電体に塗布し、加熱乾燥して
カルボキシル基含有ポリマー中のカルボキシル基とエポ
キシ基とを反応させて3次元架橋することにより、負極
活物質間の結着性や負極集電体と負極合剤層との接着強
度が高く、充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下が少
ない、サイクル特性の優れた非水二次電池が得られるよ
うになる。
【0030】上記のカルボキシル基含有ポリマーとして
は、例えば、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、アリル樹脂、ブタジエン樹脂などの熱可塑性樹脂、
ゴム弾性を有するポリマーなどでカルボキシル基を含有
するものが、それぞれ単独でまたは2種以上の混合物と
して用いることができ、それらの中でもフッ素系樹脂で
カルボキシル基を含有するものが好ましい。
【0031】上記カルボキシル基含有ポリマーにおける
カルボキシル基の含有量としては、架橋密度の点からポ
リマー中0.1mol%以上が好ましく、0.5mol
%以上がより好ましく、また、80mol%以下が好ま
しく、30mol%以下がより好ましい。
【0032】そして、上記カルボキシル基含有ポリマー
の数平均分子量としては、ポリマーの種類によっても異
なるが、1万以上が好ましく、10万以上がより好まし
く、また、100万以下が好ましく、特に50万以下が
より好ましい。
【0033】上記のエポキシ基を分子内に2個以上含有
する架橋材は、上記カルボキシル基含有ポリマーを架橋
させるためのものであり、そのような架橋材の具体例と
しては、例えば、グリシジルアミン、グリシジルエーテ
ル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、環式脂肪
族化合物(シクロヘキセンオキサイド基、トリシクロデ
センオキサイド基、シクロペンテンオキサイド基などを
有する化合物)などが挙げられ、それらの中でも室温で
安定に存在し、負極を加熱処理した場合にのみカルボキ
シル基と反応し得る点でグリシジルアミンが最も好まし
い。このようなグリシジルアミンに属するものの市販品
としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシ
ジル−m−キシレンジアミン〔三菱ガス化学社製:TE
TRAD−X(商品名)〕、1,3−ビス(N,N−ジ
グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン〔三菱ガス化
学社製:TETRAD−C(商品名)〕などが挙げられ
る。
【0034】上記エポキシ基を分子内に2個以上含有す
る架橋材のエポキシ基の含有量としては、カルボキシル
基と反応し得る反応点を多くするためにも、分子内に2
個以上であることが必要であり、4個以上であることが
好ましい。
【0035】上記カルボキシル基含有ポリマーとエポキ
シ基を分子内に2個以上含有する架橋材の混合比率とし
ては、カルボキシル基に対するエポキシ基の当量比(エ
ポキシ基の当量/カルボキシル基の当量)で0.2当量
比以上が好ましく、1当量比以上がより好ましく、ま
た、20当量比以下が好ましく、10当量比以下がより
好ましい。エポキシ基の比率を0.2当量比以上とする
ことにより、カルボキシル基とエポキシ基との反応を適
正に進行させ、架橋体とした時に充放電時における負極
合剤層と負極集電体との間の電気的接合状態を向上さ
せ、電池容量の低下を抑制することができる。一方、エ
ポキシ基の比率を20当量比以下とすることにより、電
解液への溶出を抑制して電池容量の低下を抑制し、適正
な電池容量を確保することができる。なお、このような
結着剤を用いる場合においても、非水二次電池に通常使
用されている結着剤を併用することができる。
【0036】上記負極の作製にあたって使用する負極集
電体としては、その材質や形状に関しては前記正極集電
体の場合と同様のものを用いることができるが、この負
極集電体としては特に銅箔が適している。そして、上記
負極集電体の厚さとしては、5〜60μm、特に8〜4
0μmが好ましく、また、その負極集電体の少なくとも
一方の面に形成する負極合剤層の厚さとしては、加圧し
て圧縮した段階で、片面当たり30〜300μm、特に
50〜150μmが好ましい。
【0037】上記正極や負極の作製にあたって、上記正
極活物質含有ペーストや負極活物質含有ペーストを集電
体に塗布する際の塗布方法としては、例えば、押出コー
ター、リバースローラー、ドクターブレードなどをはじ
め、各種の塗布方法を採用することができる。
【0038】本発明において非水電解質としては、液状
電解質、ゲル状ポリマー電解質、固体電解質のいずれも
用い得るが、通常、液状電解質が用いられるので、以下
においてはこの液状電解質に関して「電解液」という表
現を用い、それを中心に詳細に説明する。
【0039】本発明において、電解液は、例えば、有機
溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解
させることによって調製される。そして、その溶媒とし
てはエステルが好適に用いられる。特に鎖状エステル
は、電解液の粘度を下げ、イオン伝導度を高めることか
ら好適に用いられる。このような鎖状エステルとして
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メ
チルエチルカーボネートなどの鎖状のカーボネート類、
プロピオン酸メチルなどの鎖状アルキルエステル類、リ
ン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステルなどが挙
げられ、それらの中でも特に鎖状のカーボネート類が好
ましい。
【0040】また、上記鎖状エステルなどに下記の誘電
率が高いエステル(誘電率30以上のエステル)を混合
して用いると負荷特性などが向上するので好ましい。こ
のような誘電率が高いエステルとしては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
特に環状構造のものが好ましく、とりわけ環状のカーボ
ネートが好ましく、エチレンカーボネートが最も好まし
い。
【0041】上記エステル以外に併用可能な溶媒として
は、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオ
キソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。その
ほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系
または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
そして、それらの溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上
混合して用いることができる。
【0042】電解液の調製にあたって使用するリチウム
塩などの電解質塩としては、例えば、LiClO4 、L
iPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2
2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、Li
C(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用
いられるが、特にLiPF6 やLiC4 9 SO 3 など
が好ましい。電解液中におけるリチウム塩などの電解質
塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3m
ol/l以上が好ましく、0.4mol/l以上がより
好ましく、また、1.7mol/l以下が好ましく、
1.5mol/l以下がより好ましい。
【0043】ゲル状ポリマー電解質は、電解液をゲル化
剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル化に
あたっては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどの直鎖状ポ
リマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線など
の活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー
(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以
上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官
能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただ
し、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル
化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポ
リマーがゲル化剤として作用する。
【0044】上記のように多官能モノマーを用いて電解
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができ、さら
に重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノ
エステル類なども使用することもできる。
【0045】本発明においては、非水電解質としては、
上記の電解液(液状電解質)やゲル状ポリマー電解液以
外に、固体電解液も用いることができる。その固体電解
質としては、無機系固体電解質、有機系固体電解質のい
ずれも用いることができる。
【0046】本発明においては、通常、上記正極と負極
との間にセパレータを介在させるが、そのセパレータと
しては、例えば、微孔性樹脂フィルム、不織布などが好
適に用いられる。上記微孔性樹脂フィルム材としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−プロピ
レン共重合体などが挙げられ、上記不織布材としては、
例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙
げられる。
【0047】本発明の非水二次電池は、例えば、上記の
ようにして作製される正極と負極との間にセパレータを
介在させて渦巻状に巻回作製した渦巻状電極体あるいは
積層した積層電極体を、アルミニウム箔などの金属箔を
芯材とするラミネートフィルムで構成される外装材内や
ニッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製の電池缶内
に収容し、電解液を注入した後、密閉する工程を経て作
製される。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実施例に関して説明する。た
だし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0049】実施例1 正極の作製:正極活物質であるLiMn2 4 180重
量部、電子伝導助剤であるアセチレンブラック10重量
部、結着剤であるポリフッ化ビニリデン6重量部、フッ
素系ノニオン型界面活性剤〔大日本インキ工業社製、F
142(商品名)〕0.5重量部を均一になるように混
合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン70重量部を
加えて混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。得ら
れた正極合剤含有ペーストを70メッシュの網を通過さ
せて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミ
ニウム箔からなる正極集電体の両面にリード体との接合
部となる部分を除いて均一に塗布し、乾燥して正極合剤
層を形成した後、線圧198Nで加圧して全厚を169
μmに圧縮した。その後、所定サイズに切断し、正極集
電体の露出部分にアルミニウム製のリード体を溶接し、
シート状の正極を得た。この正極における正極合剤層の
密度は2.8g/cm3 であった。
【0050】負極の作製:負極活物質としての黒鉛系炭
素材料〔ただし、002面の面間隔(d002 )=0.3
37nm、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)=95.
0nm、平均粒径10μm、純度99.9%以上という
特性を持つ黒鉛系炭素材料)180重量部を、ポリフッ
化ビニリデン14重量部をあらかじめN−メチル−2−
ピロリドン190重量部を溶解させておいた溶液と混合
して負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極活
物質含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集
電体の両面にリード体との接合部となる部分を除いて均
一に塗布し、乾燥して負極合剤を形成した後、前記と同
圧で加圧して全厚を167μmに圧縮した。その後、所
定サイズに切断し、負極集電体の露出部分にニッケル製
のリード体の一端の溶接して、シート状の負極を得た。
【0051】電解液の調製:エチレンカーボネートとメ
チルエチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混
合溶媒にLiPF6 を1.2mol溶解させて、組成が
1.2mol/lLiPF6 /EC:MEC(1:2体
積比)で示される電解液を調製した。
【0052】上記電解液におけるECはエチレンカーボ
ネートの略称であり、MECはメチルエチルカーボネー
トの略称である。したがって、上記電解液を示す1.2
mol/lLiPF6 /EC:MEC(1:2体積比)
はメチルエチルカーボネートとエチレンカーボネートと
の体積比1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol
/l溶解させたものであることを示している。
【0053】非水二次電池の作製:上記正極および負極
を乾燥処理後、上記正極を厚さ25μmの微孔性ポリエ
チレンフィルムからなるセパレータを介して上記負極に
重ね、渦巻状に巻回して渦巻状の巻回構造の電極体にし
た。この渦巻状巻回構造の電極体を金属製の電池缶内に
収容し、上記電解液を注入した後、電池缶の開口部を電
池蓋や環状ガスケットを用いて封口し、その状態で3時
間放置し、正極、負極およびセパレータに電解液を充分
に浸透させて非水二次電池を作製した。
【0054】実施例2 正極の作製:正極活物質であるLiMn2 4 180重
量部、電子伝導助剤であるアセチレンブラック10重量
部、結着剤であるポリフッ化ビニリデン6重量部、フッ
素系ノニオン型界面活性剤〔大日本インキ化学工業社
製、F472(商品名)〕0.5重量部を均一になるよ
うに混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン70重
量部を加えて混合し、正極合剤含有ペーストを調製し
た。得られた正極合剤含有ペーストを70メッシュの網
を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ15μm
のアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にリード体
との接合部となる部分を除いて均一に塗布し、乾燥して
正極合剤層を形成した後、実施例1の場合と同圧で加圧
して全厚を171μmに圧縮した。所定サイズに切断
後、正極集電体の露出部分にアルミニウム製リード体を
溶接し、シート状の正極を得た。この正極における正極
合剤層の密度は2.75g/cm3 であった。そして、
この正極を用いた以外は実施例1と同様に非水二次電池
を作製した。
【0055】比較例1 正極活物質であるLiMn2 4 180重量部、電子伝
導助剤であるアセチレンブラック10重量部、結着剤で
あるポリフッ化ビニリデン6重量部を均一になるように
混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン70重量部
を加えて混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。得
られた正極合剤含有ペーストを70メッシュの網を通過
させて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアル
ミニウム箔からなる正極集電体の両面にリード体との接
合部となる部分を除いて均一に塗布し、乾燥して正極合
剤層を形成した後、実施例1の場合と同圧で加圧して全
厚を178μmに圧縮した。所定サイズに切断後、正極
集電体の露出部分にアルミニウム製のリード体を溶接し
て、シート状の正極を得た。この正極における正極合剤
層の密度は2.65g/cm3 であった。そして、上記
正極を用いた以外は実施例1と同様に非水二次電池を作
製した。
【0056】上記実施例1〜2および比較例1の各非水
二次電池について充放電を繰り返した時の電池容量の変
化を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】電池容量の測定方法は、充電を1Cの電流
制限回路を設けて4.2Vの定電圧で行い、放電を電池
の電極間電圧が2.75Vに低下するまで行う条件下で
充放電を300サイクルまで繰り返して、そのときの各
放電容量を測定した。そして、その結果の表1への表示
にあたっては、実施例1の電池の1サイクル目の放電容
量を100%とし、それに対する実施例1の電池の30
0サイクル目の放電容量、実施例2と比較例1の電池の
1サイクル目および300サイクル目の放電容量の相対
値を求め、それを表1には放電容量(%)として表示す
る。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示すように、実施例1〜2の電池
は、比較例1の電池に比べて、1サイクル目の放電容量
が高く、また、1サイクル目の放電容量と300サイク
ル目の放電容量との対比から明らかなように、充放電サ
イクルに伴う電池容量の低下が少なく、充放電サイクル
特性が優れていた。また、表1に示すように、実施例1
〜2の電池は、比較例1の電池に比べて、正極合剤層の
密度が高かったが、正極の作製にあたって、実施例1〜
2の電池、比較例1の電池とも、同圧で加圧しているに
もかかわらず、実施例1〜2の電池の正極合剤層の密度
が比較例1の電池の正極合剤層の密度より高くなったの
は、実施例1〜2の電池では正極合剤中にフッ素系ノニ
オン型界面活性剤を含有させたことにより、正極活物質
の高充填化を達成することができたことによるものであ
る。そして、上記のように、実施例1〜2の電池では、
正極活物質の高充填化を達成し、正極合剤層の厚みを薄
くして高密度化を達成したことが、電池特性として容量
が高くかつ充放電サイクル特性が優れるようになったこ
との要因になっているものと考えられる。
【0060】実施例3 正極活物質であるLiCoO2 162重量部、電子伝導
助剤であるアセチレンブラック10重量部、結着剤であ
るポリフッ化ビニリデン6重量部、フッ素系ノニオン型
界面活性剤〔大日本インキ化学工業社製、F142(商
品名)〕0.5重量部を均一になるように混合し、さら
にN−メチル−2−ピロリドン70重量部を加えて混合
し、正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合
剤含有ペーストを70メッシュの網を通過させて大きな
ものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミニウム箔か
らなる正極集電体の両面にリード体との接合部となる部
分を除いて均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し
た後、実施例1の場合と同圧で加圧して全厚を165μ
mに圧縮した。所定サイズに切断後、正極集電体の露出
部分にアルミニウム製のリード体を溶接して、シート状
の正極を得た。この正極における正極合剤層の密度は
3.25g/cm3 であった。そして、上記正極を用い
た以外は実施例1と同様に非水二次電池を作製した。
【0061】比較例2 正極活物質であるLiCoO2 162重量部、電子伝導
助剤であるアセチレンブラック10重量部、結着剤であ
るポリフッ化ビニリデン6重量部を均一になるように混
合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン70重量部を
加えて混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。得ら
れた正極合剤含有ペーストを70メッシュの網を通過さ
せて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミ
ニウム箔からなる正極集電体の両面にリード体との接合
部となる部分を除いて均一に塗布し、乾燥して正極合剤
層を形成した後、実施例1の場合と同圧で加圧して全厚
を175μmに圧縮した。所定サイズに切断後、正極集
電体の露出部分にアルミニウム製のリード体を溶接し、
シート状の正極を得た。この正極における正極合剤層の
密度は3.15g/cm3 であった。そして、上記正極
を用いた以外は実施例1と同様に非水二次電池を作製し
た。
【0062】上記の実施例3および比較例2の電池につ
いても、前記実施例1と同様の条件下で充放電を300
サイクル繰り返し、放電容量を測定した。その結果を表
2に示す。ただし、その結果の表2への表示にあたって
は、実施例3の電池の1サイクル目の放電容量を100
%とし、それに対する実施例3の電池の100サイクル
目の放電容量、比較例2の電池の1サイクル目と300
サイクル目の放電容量の相対値を求め、それを表2には
放電容量%として表示する。
【0063】
【表2】
【0064】表2に示すように、実施例3の電池は、比
較例2の電池に比べて、1サイクル目の放電容量が大き
く、また、1サイクル目の放電容量と300サイクル目
の放電容量との対比から明らかなように、充放電サイク
ルに伴う電池容量の低下が少なかった。すなわち、正極
にフッ素ノニオン型界面活性剤を含有させた実施例3の
電池は、フッ素ノニオン型界面活性剤を含有させていな
い比較例2の電池に比べて、高容量であり、かつ充放電
サイクル特性が優れていた。また、表2に示すように、
実施例3の電池の正極合剤層の密度は比較例2の電池の
正極合剤層の密度より高かったが、これも、実施例1〜
2の電池の場合と同様に、実施例3の電池では、その正
極合剤中にフッ素系ノニオン型界面活性剤を含有させた
ことにより、正極活物質の高充填化を達成できたことに
よるものである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高容
量化でかつ充放電サイクル特性が優れた非水二次電池を
提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 一司 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AK05 AL02 AL06 AL07 AL08 AL11 AM03 AM05 AM07 CJ08 CJ22 HJ01 HJ02 5H050 AA07 AA08 BA17 CA07 CA08 CA09 CA11 CB02 CB08 CB09 CB11 DA02 DA09 EA24 GA10 GA22 HA01 HA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体の少なくとも一方の面に正極
    合剤層を形成してなる正極、負極および非水電解質を有
    する非水二次電池において、上記正極合剤中にフッ素系
    ノニオン型界面活性剤を含むことを特徴とする非水二次
    電池。
  2. 【請求項2】 フッ素系ノニオン型界面活性剤が、下記
    の式(I)で表される化合物であることを特徴とする請
    求項1記載の非水二次電池。 【化1】 (mは4〜12の整数、nは5〜30の整数、Rは低級
    アルキル基)
  3. 【請求項3】 フッ素系ノニオン型界面活性剤が、正極
    合剤中に0.01〜1重量%含有されていることを特徴
    とする請求項1記載の非水二次電池。
  4. 【請求項4】 正極の結着剤として、ポリフッ化ビニリ
    デン系樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載の非
    水二次電池。
  5. 【請求項5】 正極活物質として、リチウムニッケル酸
    化物、リチウムコバルト酸化物およびリチウムマンガン
    酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いた
    ことを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の非水二次電池を製造する
    にあたり、少なくとも正極活物質、結着剤および有機溶
    媒を含む系に、フッ素系ノニオン型界面活性剤を添加し
    て混合分散させて正極合剤含有ペーストを調製し、その
    正極合剤含有ペーストを正極集電体の少なくとも一方の
    面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成することにより
    正極を作製することを特徴とする非水二次電池の製造方
    法。
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