JP3047777B2 - 離型剤の塗布方法 - Google Patents
離型剤の塗布方法Info
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Description
ほぼ均一成分の離型剤を塗布できる離型剤の塗布方法に
関する。
金型を開いて、あるいは鋳造品をとり出して金型が開い
た状態で、固定金型と可動金型との間に離型剤スプレー
装置を進入させ、噴射ノズルから離型剤を噴霧すること
により行う(たとえば、実開昭63−180150号公
報)。あるいは、密閉化された型内に霧化させた離型剤
を供給し型面に離型剤を塗布する(特開平4−1388
61号公報)
中には、すべり性能向上のために、鉱物を細かく粉末に
した物が含まれている。これらの物質は比重が大きく、
従来のように水などに混ぜて使用する場合沈澱するた
め、常に撹拌する必要があり、撹拌しても十分に成分を
均一にできず、それを型に塗布した場合、型面の塗布箇
所によって離型剤の成分が変わるという問題がある。本
発明の目的は、離型剤の成分を塗布箇所によらず一定と
することができる離型剤の塗布方法を提供することにあ
る。
発明の離型剤の塗布方法は次の通りである。 (1) 金型外で泡状化された離型剤を金型内に供給す
る工程、泡状化された離型剤を金型面に塗布する工程、
および 溶湯充填前に金型内の余剰離型剤をエアーブロー
により強制的に金型外に排除する工程、からなる離型剤
の塗布方法。 (2) 金型外で離型剤を攪拌機で攪拌させることによ
り離型剤を泡状化させる、(1)記載の離型剤の塗布方
法。 (3) 金型外で離型剤をノズルからの気体でバブリン
グさせて離型剤を泡状化させる、(1)記載の離型剤の
塗布方法。 (4) 前記ノズルからの気体に炭酸ガスを用い、前記
ノズルの離型剤水溶液中における沈み量をコントロール
することにより気泡中の炭酸ガス濃度をコントロールす
る、(3)記載の離型剤の塗布方法。
め、沈澱しやすい鉱物微粒成分が泡の膜に保持されて沈
澱することがない。その結果、泡状となって金型面に塗
布された離型剤中には、鉱物微粒がほぼ均一に含まれて
おり、その結果、金型面の何れの部位においても均一な
成分の離型剤が塗布される。したがって、離型性能が均
一になる。 上記(1)では、離型剤は金型外で泡状化された後、金
型内に供給される。金型外での泡状化のため、泡状化の
方法が金型の影響を受けず、自由度が高い。 上 記(1)では、離型剤が泡となっているので、かつエ
アーブローにより強制的に排除されるので、余剰の離型
剤の金型表面からの分離が容易であり、余剰の離型剤の
排除が容易であり、かつ型面に付着した泡状離型剤の厚
さが1層になってほぼ均一になる。 上 記(2)は、金型外泡状化の一例で、離型剤は機械的
攪拌により泡状化される。 上記(3)は、金型外泡状化の一例で、離型剤は気体バ
ブリングにより泡状化される。 上 記(4)では、気泡中の炭酸ガス濃度が調節されるこ
とにより、気泡中の炭酸ガスの泡膜への溶け込み量、し
たがって気泡中の気体体積の減少量が調節され、その結
果気泡のサイズの調節が可能になる。そして、気泡を小
さくすることで泡の持続力を大にし、気泡の金型への送
入時の気泡割れが抑えられ、金型面の均一塗布、エアブ
ロー時の気泡の除去が促進される。
照して説明する。本発明実施例の離型剤の塗布方法の構
成を説明する。はじめに、本発明の全実施例に共通な構
成(請求項1に対応)を、たとえば図1を参照して、説
明する。ただし、共通構成部分には、全実施例にわたっ
て、同一の符号が付してある。本発明実施例の離型剤の
塗布方法は、離型剤を泡状化する工程と、泡状化した離
型剤11を型面10に塗布する工程と、溶湯充填前に型
内の余剰離型剤を型外に排出する行程と、からなる。離
型剤11を泡状化させる方法としては、たとえば次の方
法がある。 起泡成分を持った材料、たとえば脂肪酸
塩を混入させ、機械的に攪拌するか、あるいは高圧ガス
を吹き込み泡立てる。脂肪酸塩の例として、ラウリン酸
ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、がある。 界
面活性剤を混入させ、高温の部材の表面、たとえば高温
の型内に入って型面、に触れることにより、シャボン玉
がふくらむように泡立つ。界面活性剤としては、ノニオ
ン系界面活性剤、たとえばポリオキシエチレンアルキエ
ーテルがある。 重炭酸ソーダの粉末とエアーを混合
し、離型剤液と反応させる。 高圧炭酸ガスを離型剤
に吹き込む。 離型剤に揮発性アルコール成分をもつ
発泡剤を圧入する。 加圧、低温条件下で、ガス(た
とえば二酸化炭素)を離型剤に含有(溶解、または液化
して混合)させ、型の熱を受けたときに離型剤から分離
するのを利用して離型剤を泡状化させる。泡状化した離
型剤を型面に塗布するのは、型面を離型剤で覆うことに
よっておこなうことができる。
を型外で行い、また型内の余剰の泡状化した離型剤を溶
湯充填前に型外に排除する。 つぎに、本発明の各実施例
の構成を説明する。本発明の第1実施例(請求項1に対
応)では、図1に示すように、型外で泡状化された離型
剤11が型内9に供給される。型は、たとえば、固定金
型1と可動金型2と、スライドコア3、4を有し、固定
金型1と可動金型2を型閉し、スライドコア3、4が型
閉スライドすることにより、密閉状態となり、内部に鋳
造用キャビティ9(型内ともいう)を構成する。上部開
閉ピン5および下部開閉ピン6の開により、通路7より
型内9のエアを逃しながら、通路8を通り下側より上部
開閉ピン5まで、泡状離型剤11を充填する。これによ
って型面10は泡状離型剤11に覆われ、離型剤11が
型面10に塗布される。
は、図2、図3に示すように、泡状化された離型剤を型
面に塗布する工程、および溶湯充填前に型内の余剰離型
剤を型外に排除する工程、を有する。離型剤を型面に塗
布した後、型内9に充填された泡状離型剤11のうち型
面10に付着していない余剰部分を、型内9から型外へ
排除する。 図2では、泡状離型剤11をエアブローによ
り強制的に排除する。すなわち、ピン5、6を開いて、
通路7からエアブローを型内9に送り込み、通路8から
エアとともに離型剤11を排除する。型面10に沿って
圧力エアが流れて余剰の泡状離型剤11を吹きとばしな
がら通路8から流し出すことにより、型面10に付着し
た泡状離型剤11の厚さを1層にしてほぼ均一にする。
上記で、図1の工程から図2の工程に進む。型内の余剰
の泡状の離型剤11は溶湯充填前に型内から排除され
る。すなわち、エアブローを用いた強制的な排除であ
る。ついで、図3では、ピン5、6が閉められて、型内
9を密閉した後、溶湯、たとえばアルミ合金溶湯が図示
略の湯道を通してキャビティ9に充填され、冷却され、
鋳造製品が形成される。その後、型開きして製品を型か
らとり出す。泡状離型剤11は溶湯12に触れてつぶれ
る。その後、図1の工程に戻って、以下、上記サイクル
をくり返す。
は、型外泡状化の一例であり、図4に示すように、型外
で離型剤を攪拌機29で攪拌させることにより離型剤を
泡状化させる。図4において、固定金型1は鋳造用M/
Cの固定ダイプレート21に固定され、可動金型2は鋳
造用M/Cの可動ダイプレート22に固定され、溶湯金
属を充填し、一定の凝固時間経過後、鋳造用M/Cによ
り金型が開の状態になり、製品搬出工程、外冷工程終了
後、離型剤塗布工程に移る。離型剤タンク23から圧入
ポンプ24を使用して、一定量の液状離型剤を、エアコ
ンプレッサ25、エアハイドロユニット26、電気制御
バルブ27を作動させて定量シリンダー28に送る。定
量シリンダー28の離型剤は攪拌機またはミキサー29
等の作動により泡立てられ、泡状離型剤を効率よく生成
し、定量シリンダー28にて素早く金型内に圧送するこ
とにより、泡の持続力が低い欠点を補う。離型剤を、金
型内に充填し、一定時間経過後、残留余剰離型剤を排出
し、製品形状部のみに塗布する。泡状態のため余分の離
型剤は金型面付着離型剤から容易に分離され、排出され
る。ついで、溶湯金属充填工程にはいる。
は、型外泡状化の一例であり、図5に示すように、型外
で離型剤をノズル30からの気体によりバブリングさせ
ることにより離型剤を泡状化させる。ただし、装置は攪
拌機29がノズル30に変わるだけで第2実施例とほぼ
同じ装置が使用できる。そのため、同じ部分には第2実
施例と同じ符号を付してある。図5において、固定金型
1は鋳造用M/Cの固定ダイプレート21に固定され、
可動金型2は鋳造用M/Cの可動ダイプレート22に固
定され、溶湯金属を充填し、一定の凝固時間経過後、鋳
造用M/Cにより金型が開の状態になり、製品搬出工
程、外冷工程終了後、離型剤塗布工程に移る。離型剤タ
ンク23から圧入ポンプ24を使用して、一定量の液状
離型剤を、エアコンプレッサ25、エアハイドロユニッ
ト26、電気制御バルブ27を作動させて定量シリンダ
ー28に送る。定量シリンダー28内部にエアノズルか
らなる攪拌ノズル30を組み込み、離型剤を適量入れ、
ノズル30からエアを出してバブリングさせ、離型剤を
泡立て、泡状離型剤を効率よく生成し、定量シリンダー
28にて素早く金型内に圧送することにより、泡の持続
力が低い欠点を補う。離型剤を、金型内に充填し、一定
時間経過後、残留余剰離型剤を排出し、製品形状部のみ
に塗布する。泡状態のため余分の離型剤は金型面付着離
型剤から容易に分離され、排出される。ついで、溶湯金
属充填工程にはいる。
は、型外泡状化でかつ泡サイズ調整可能型の一例であ
り、図10に示すように、型1、2外で離型剤11をノ
ズル44からの気体でバブリングさせて離型剤11を泡
状化させ、型外で泡状化された離型剤11を型1、2内
に供給する。そして、離型剤泡状化工程において、ノズ
ル44からの気体に炭酸ガスを用い、ノズル44の離型
剤水溶液中における沈み量をコントロールすることによ
り気泡中のエアの巻き込み量を調整して気泡中の炭酸ガ
スとエアとの比、したがって気泡中の炭酸ガス濃度をコ
ントロールする。これによって、気泡形成時の炭酸ガス
の離型剤水溶液への溶け込み量および気泡形成後の炭酸
ガスの気泡液膜への溶解量を調整して気泡のサイズを小
さく保ち、泡の持続力を高くして金型1、2への離型剤
送入時の気泡割れを抑える。気泡割れが多く生じると金
型面に液ダレが生じ、塗布ムラや鋳巣発生を起すが、本
実施例ではこれが防止される。また、金型1、2内に送
入された泡状化離型剤は、金型1、2を冷却し熱を吸収
して泡は大きくなり、余剰泡状化離型剤11は金型1、
2より分離、排除しやすくなる。
剤タンク23から循環ポンプ24にてシリンダー43に
送り、圧送された低温液状離型剤11を噴射プレート4
5の穴46から放物線状シャフト42に沿わせて噴射さ
せる。同時にガスタンク33から炭酸ガスを圧入ポンプ
34により、放物線状シャフト42の中を通してシリン
ダー43に送り噴射されている低温液状離型剤11に定
量圧入することにより、低温泡状化離型剤を形成する。
放物線状シャフト42は油圧シリンダー41に連結され
上下の調整が可能であり、シリンダー43には放物線状
シャフト42の下限時に沈むくらいの低温液状離型剤1
1がある。油圧シリンダー41は放物線状シャフト42
と液面との位置を一定にしたり、放物線状シャフト43
の沈み量をコントロールすることによりエアの巻き込み
を変えて泡立ち方を変化させる。泡化されなかった低温
液状離型剤11は放物線状シャフト42の下部に流れ循
環ポンプ24にて再び噴射プレート45に送られ常に攪
拌する。吸引ポンプ47にて、形成された低温泡状化離
型剤のみを密閉された金型1、2に送り込み、金型1、
2を冷却後、余剰離型剤を金型1、2内より抜き取り、
泡状態の離型剤を金型の製品形状部のみに塗布する。
まず、本発明の全実施例に共通の作用を説明する。離型
剤成分の中には、鉱物を細かく粉末にしたものがすべり
性向上のために含まれている。これらの物質は比重が大
きく、従来のように水に混ぜて使用すると、沈澱して塗
布箇所によって離型剤成分が異なるという問題が生じ
る。しかし、本発明実施例では、離型剤11が泡状化さ
れているので、泡の中に鉱物などの沈澱しやすい物質を
混入した場合それらは沈澱することもなく、泡の膜で保
持されて、一定の位置にとどまる。したがって、良い分
布で離型剤に必要な成分を均一に保った離型剤を得るこ
とができ、塗布箇所で成分が変るようなことが生じなく
なる。また、離型剤11を泡状化しているため、余剰の
離型剤の、型面10に付着している泡状化離型剤からの
分離、移動、排除が容易であり、型面10に付着してい
る泡状離型剤層の厚さをほぼ一定にすることができる。
また、飛散がなく、工程内で回収が容易なため、離型剤
11の量は少量で済む。また、泡のサイズ、水分(液
分)量の制御、水分(液分)の温度により、型温の冷却
効果をコントロールできる。
りである。第1実施例では、離型剤は型外で泡状化され
た後型内に供給されるため、泡状化の方法として、金型
の影響を受けず種種の方法を選択することができる。 第
1実施例では、離型剤が泡となっているので、余剰の離
型剤の型表面からの分離が容易であり、余剰の離型剤の
排除が容易である。 第2実施例では、離型剤は機械的攪
拌により泡状化される。第3実施例では、離型剤は気体
バブリングにより泡状化される。 第4実施例では、離型
剤水溶液液面からのノズル44の沈み量を油圧シリンダ
ー41で調整することにより、気泡中の炭酸ガス濃度を
調整できる。その結果、気泡のサイズを調整でき、泡状
化離型剤11の金型1、2への送入時の気泡サイズを小
さく維持することにより気泡割れを抑制できる。また、
泡状化離型剤は型1、2から熱を奪うが、気泡中の炭酸
ガスの割合で奪う熱量を抑制でき、型冷却も調整でき
る。
となっているため、沈澱しやすい離型剤成分が泡の膜上
に保持される。これによって、金型の塗布箇所によって
離型剤成分が異なるという状態は生じなくなる。請求項
1の方法によれば、離型剤は金型外で泡状化された後金
型内に供給されるため、泡状化の方法として、金型の影
響を受けず種種の方法を選択することができる。 請求項
1の方法によれば、離型剤が泡となっているので、余剰
の離型剤の金型表面からの分離が容易であり、余剰の離
型剤の排除が容易であり、かつ型面に付着した泡状離型
剤の厚さが1層になってほぼ均一になる。 請求項2の方
法によれば、離型剤を機械的攪拌により泡状化できる。
請求項3の方法によれば、離型剤は気体バブリングによ
り泡状化できる。 請求項4の方法によれば、気泡中の炭
酸ガス濃度を調整することにより泡のサイズを調整で
き、泡状化離型剤の金型への送入時の気泡割れを抑制で
きる。
の、泡状化した離型剤の供給工程の断面図である。
工程の断面図である。
填工程の断面図である。
の、離型剤の泡状化および供給工程の断面図である。
の、離型剤の泡状化および供給工程の断面図である。
の、離型剤の供給および泡状化工程の断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 金型外で泡状化された離型剤を金型内に
供給する工程、 泡状化された離型剤を金型面に塗布する工程、および 溶
湯充填前に金型内の余剰離型剤をエアーブローにより強
制的に金型外に排除する工程、 からなる 離型剤の塗布方法。 - 【請求項2】 金型外で離型剤を攪拌機で攪拌させるこ
とにより離型剤を泡状化させる、請求項1記載の離型剤
の塗布方法。 - 【請求項3】 金型外で離型剤をノズルからの気体でバ
ブリングさせて離型剤を泡状化させる、請求項1記載の
離型剤の塗布方法。 - 【請求項4】 前記ノズルからの気体に炭酸ガスを用
い、前記ノズルの離型剤水溶液中における沈み量をコン
トロールすることにより気泡中の炭酸ガス濃度をコント
ロールする、請求項3記載の離型剤の塗布方法。
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