JP2004154825A - ダイカストマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型5,6に保持されたスリーブ30と、金属溶湯をキャビティに向けて射出、充填するプランジャ40と、分割体31に接続された溶湯供給管50を通じて金属溶湯をスリーブ30内に供給する電磁ポンプ100と、キャビティ内を減圧する真空装置61と、粉体離型剤をキャビティ内に供給する粉体供給装置21,制御弁25と、粉体潤滑剤をスリーブに噴射する粉体供給装置21,制御弁26と、キャビティおよびスリーブの内面と溶湯供給管50内の金属溶湯の液面とで構成される閉空間内の圧力が大気圧よりも上昇した場合に、キャビティ内のガスを外部に排出するチェック弁70,90とを有する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシンは、一対の金型、これら金型をそれぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレート、金型の開閉および型締を行う型締装置、一対の金型の間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填するためのプランジャおよびスリーブを備える射出装置等から構成される。
このダイカストマシンでは、鋳造した製品の金型からの取り外しを容易にするために、鋳造前に金型のキャビティの内面に離型剤を塗布することが行われている。また、金属溶湯を金型のキャビティ内に射出する際に、射出装置のスリーブとプランジャチップとの間の摩擦を低減するために、鋳造前にスリーブの内周面に潤滑剤を塗布することが行われている。
上記の離型剤や潤滑剤としては、離型材料や潤滑材料を水に溶解させた水溶性離型剤や水溶性潤滑剤が多く用いられているが、これらに代えて粉末状の材料からなる粉体離型剤や粉体潤滑剤が使用されはじめている。
粉体離型剤や粉体潤滑剤は、金型への温度衝撃の緩和、製品内へのガスの混入量の低下、蒸発成膜による高断熱効果、離型性能の向上、騒音の低下、排水処理の不要化等の水溶性離型剤や水溶性潤滑剤と比べて優れた種々の利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粉体離型剤や粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させるためには、金型のキャビティの表面やスリーブの内周面にこれらを均一に分散付着させる必要がある。
粉体離型剤を金型のキャビティの表面に塗布するには、たとえば、金型を型締した状態でキャビティ内に粉体離型剤を噴射する方法が採られる。
しかしながら、この塗布方法では、キャビティの形状等によってはキャビティの表面に粉体離型剤を均一に分散させることが難しいという問題があった。粉体離型剤が均一に塗布されないと、上記した粉体離型剤の性能が十分に発揮されない。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、粉末状の離型剤あるいは潤滑剤を用いて鋳造を行う際に、粉体離型剤および粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させることができ、品質の安定したダイカスト製品を鋳造することが可能なるダイカストマシンおよび鋳造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイカストマシンは、一対の金型と、前記各金型に保持された2つの分割体からなり、前記金型の間に形成されるキャビティに連通し金属溶湯が供給されるスリーブと、前記スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された金属溶湯を前記キャビティに向けて射出、充填するプランジャと、前記スリーブの一方の分割体に接続された溶湯供給管を通じて、金属溶湯を当該スリーブ内に供給する電磁ポンプと、前記金型が型締された状態において、前記キャビティ内を排気して減圧する排気手段と、排気中に鋳造品の前記金型からの離型を促すための粉体離型剤を前記キャビティ内に供給する離型剤供給手段と、排気の終了後に前記スリーブの内周面と前記プランジャとの間の摩擦を低減するための粉体潤滑剤を前記スリーブの内周面に噴射する潤滑剤供給手段と、前記キャビティおよびスリーブの内面と前記溶湯供給管内の金属溶湯の液面とで構成される閉空間内の圧力が大気圧よりも上昇した場合に、当該キャビティおよびスリーブ内のガスを外部に排出するガス排出手段とを有する。
【0006】
好適には、前記ガス排出手段は、前記金型間に設けられたチルベント部と大気との間に設けられたチェック弁を有する。
さらに好適には、前記ガス排出手段は、前記排気手段と前記キャビティとを連通する排気路と大気との間に設けられたチェック弁を有する。
【0007】
本発明では、金型を型締したのち、キャビティ内を排気するとともに、キャビティ内に粉体離型剤を供給する。キャビティ内を排気すると、キャビティ内に空気の流れが発生する。このため、供給された粉体離型剤は空気の流れによってキャビティ内を拡散し、キャビティの全面に粉体離型剤が付着する。
排気手段による排気の終了後に、潤滑剤供給手段により、粉体潤滑剤がスリーブの内周面に向けて噴射される。
このとき、キャビティおよびスリーブの内面と溶湯供給管内の金属溶湯の液面とで閉空間が構成されているので、この閉空間への粉体潤滑剤の噴射により、閉空間の圧力が上昇し、液面が押圧されるが、ガス排出手段により閉空間のガスが排出され、閉空間の圧力が速やかに大気圧に等しくなる。これのより、閉空間内の圧力上昇により、金属溶湯の液面の変動の発生が抑制され、電磁ポンプにより正確な量の金属溶湯がスリーブに供給されることになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの要部の構成を示す鉛直方向の断面図である。
図1において、ダイカストマシン1は、固定ダイプレート2に保持された固定金型5と、移動ダイプレート3に保持された移動金型6と、固定金型5に固定された分割体31と移動金型6に固定された分割体32とからなるスリーブ30と、スリーブ30に嵌合するプランジャ40と、スリーブ30に接続された溶湯供給管50と、移動金型6およびスリーブ30の分割体32に接続された粉体供給装置21と、固定金型5に接続された真空装置61と、スリーブ30の分割体31に接続された溶湯供給管50を通じて溶湯MLをスリーブ30に供給する電磁ポンプ100と、溶湯供給管50に供給する溶湯MLを保持する溶湯溶解保持炉110とを有する。
また、ダイカストマシン1は、真空装置61と固定金型を接続する排気路と大気との間に設けられたチェック弁70を有する。
さらに、ダイカストマシン1は、金型5,6間に設けられたチルベント部80と大気との間に設けられたチェック弁90を有する。
チェック弁70,90が本発明のガス排出手段を構成している。
【0009】
固定ダイプレート2は図示しないベース上に固定されており、移動ダイプレート3はこのベース上に矢印A1およびA2で示す型開閉方向に移動可能に設置されている。
移動ダイプレート3の背後には、図示しない型締装置が設けられており、この型締装置は図示しない複数のタイバーによって移動ダイプレート3を通じて固定ダイプレート2と連結されている。型締装置の作動によって、移動ダイプレート3が型開閉方向A1およびA2に移動し、固定金型5と移動金型6との型開閉が行われ、固定金型5および移動金型6が型閉された状態で、移動ダイプレート3がさらに型閉方向A2に移動することにより、上記のタイバーが伸長し、固定金型5と移動金型6との型締が行われる。
【0010】
固定金型5には、金属溶湯が充填されるキャビティを構成するための凹部5aおよびこのキャビティに金属溶湯を導くための導入路を構成するための凹部5bとが形成されている。
移動金型6には、固定金型5の凹部5aおよび5bに対応して、キャビティを構成するための凹部6aおよびこのキャビティに金属溶湯を導くための導入路を構成するための凹部6bとが形成されている。
【0011】
また、移動金型6には、キャビティに充填された金属溶湯を凝固する直前に局部的に加圧するスクイズピン11が、凹部6aに対して矢印B1およびB2で示す向きに出没可能に設けられている。このスクイズピン11は、鋳造品にひけが発生するのを防いだり鋳造品の内部に巣が発生するのを防ぐために設けられている。スクイズピン11は、移動金型6の背後に設けられた図示しない油圧シリンダ等の駆動源により駆動される。
なお、移動金型6には、鋳造品を押し出すための図示しない押出ピンも設けられている。
【0012】
また、移動金型6および固定金型5の分割面には、チルベント80を構成するための溝部80aおよび80bがそれぞれ形成されている。
チルベント80は、移動金型6および固定金型5の間に形成されるキャビティに金属溶湯が射出、充填されたとき、キャビティ内のガスを排出するための排気路として機能する。また、チルベント80の流路は狭く、かつ、長いため、金属溶湯がチルベント80に流入したとしても、金属溶湯は途中で固化され、金型外部へ排出されることがない。
【0013】
チルベント80は、移動金型6に形成された排気路81と連通している。この排気路81は、チェック弁90と接続されている。
チェック弁90は、排気路81への大気の流入を阻止するとともに、キャビティ側からチルベント80を通じて排出されるガスの通過を許容する。すなわち、キャビティC内が減圧されているときには、キャビティCの大気の流入を阻止し、キャビティC内の圧力と大気圧との間に圧力差が発生すると自動的に作動して、キャビティC内のガスを排気する。
なお、チェック弁90には、可能な限り大口径のものを使用するのが好ましい
【0014】
スリーブ30は、固定金型5と移動金型6の下部に鉛直方向に沿って固定され、半円筒状に形成された2つの分割体31,32から構成されている。これら分割体31,32が固定金型5と移動金型6を型閉することにより接触することで、円筒状のスリーブ30となる。
プランジャ40は、スリーブ30の内周に嵌合し、矢印C1およびC2で示す鉛直方向に図示しない射出シリンダ等の駆動源によって駆動される。
【0015】
固定金型5に固定された分割体31には、溶湯供給管50が接続されている。この溶湯供給管50は、溶湯溶解保持炉110とスリーブ30とを接続している。
溶湯溶解保持炉110は、金属を溶解して保持している。この溶湯溶解保持炉110は、スリーブ30の分割体31に対して所定角度で傾斜している溶湯供給管50内の金属溶湯の液面の高さが常に一定となるように、液面の高さを調整する図示しない液面高さ調整機構を有している。
電磁ポンプ100は、溶湯供給管50の中途まで導かれた状態の金属溶湯を電磁作用により、スリーブ30に導く。電磁ポンプ100を駆動制御することにより、所定量の金属溶湯がスリーブ30の分割体31に形成された給湯口31hを通じてスリーブ30内に供給される。
【0016】
粉体供給装置21は、移動金型6に設けられた制御弁25およびスリーブ30の分割体32に設けられた制御弁26にそれぞれ接続されている。この粉体供給装置21は制御弁25側に粉体離型剤PSを供給し、制御弁26側に粉体潤滑剤PGを供給する。
【0017】
制御弁25は、移動金型6の凹部6bに形成された噴射口6hを開閉する。制御弁25が噴射口6hを開くことによって、粉体供給装置21から供給された粉体離型剤PSがキャビティ内に噴射される。
【0018】
制御弁26は、スリーブ30の分割体32に形成された噴射口32hを開閉する。制御弁26が噴射口32hを開くことによって、粉体供給装置21から供給された粉体潤滑剤PGがスリーブ30内に噴射される。
【0019】
粉体離型剤PSは、粉末状の材料から形成されており、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティの内面に付着させることにより、このキャビティの内面に金属溶湯が直接触れるのを防ぎ、鋳造された鋳造品の離型を容易にする。この粉体離型剤PSがキャビティの内面と金属溶湯との間に介在することにより、断熱、保温作用も果たす。粉体離型剤PSの形成材料は、金属溶湯を構成する材料に応じて適宜選択される。
粉体潤滑剤PGは、粉末状の材料からなり、スリーブ30の内周面に付着させることにより、スリーブ30の内周面とこれに嵌合するプランジャ40の外周面との間の摩擦を低減する。粉体潤滑剤PGの形成材料としては、たとえば、タルク等の材料が用いられる。
【0020】
真空装置61は、固定金型5の上端部に形成された排気口5hに排気管65を介して接続されている。この排気口5hを通じて、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティ内を排気し減圧する。
真空装置61と固定金型5とを接続する排気管65の中途には、制御弁62,63が設けられている。これらの制御弁62および63を適宜開閉することにより、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティ内が減圧される。
さらに、排気管65の制御弁62と制御弁63との間には、大気との間にチェック弁70が設けられている。
【0021】
チェック弁70は、排気管65内の圧力が大気圧よりも低い場合には、排気管65への大気の流入を阻止する。排気管65内の圧力が大気圧よりも高い場合には、チェック弁70を通じた排気管65からのガスの外部への流出を許容する。すなわち、キャビティCと大気との間に生じた圧力差によって自動的に動作する。
なお、チェック弁70には、可能な限り大口径のものを使用するのが好ましい。
【0022】
次に、上記構成のダイカストマシン1による鋳造動作の一例について図2〜図8を参照して説明する。
まず、図2に示すように、移動ダイプレート3を型閉方向A2に移動させ、固定金型5と移動金型6との型締を行う。
図2に示すように、固定金型5と移動金型6とを型締すると、固定金型5と移動金型6の分割面は密着し、固定金型5と移動金型6の間には、閉空間であるキャビティCが形成されるとともに、キャビティCへ金属溶湯を導く導入路Cinが形成される。
さらに、固定金型5と移動金型6との型締により、分割体31と分割体32の分割面は密着し、分割体31および32によってスリーブ30が構成される。このスリーブ30は、導入路Cinと連通している。
なお、この状態で、溶湯供給管50内には、金属溶湯MLが所定の高さの液面となるように供給されている。この金属溶湯MLの液面とキャビティCの内面とスリーブ30の内周面とで閉空間を形成している。
【0023】
固定金型5と移動金型6との型締が完了したのち、図3に示すように、プランジャ40を矢印C1で示す鉛直上向きに上昇させ、プランジャ40の先端部(プランジャチップ)をスリーブ30の給湯口31hよりも上方に位置させる。
これにより、スリーブ30がプランジャ40によりシールされ、キャビティCは外部から完全に閉塞された状態となる。
【0024】
プランジャ40を上昇させたのち、制御弁62および63を開く。これにより、固体金型5の上端部に形成された排気口5hを通じてキャビティCおよびスリーブ30の一部によって形成された閉空間から空気が真空装置61によって排気され始める。
このとき、キャビティCおよびスリーブ30は減圧されるため、チルベント部80を通じて大気が流入しようとするが、チェック弁90によって阻止される。また、排気管65内の圧力も大気圧よりも低下するため、排気管65に大気が流入しようとするが、チェック弁70によって阻止される。
【0025】
真空装置61による排気を開始すると、キャビティC内に存在する空気は、たとえば、図3において点線で示すように排気口5hに向かって流れる。この空気の流れは、キャビティCの導入部CinからキャビティCの最奥部付近に位置する排気口5hに向かっている。
【0026】
真空装置61による排気の開始した後、制御弁25を開いて、噴射口6hから粉体離型剤PSを噴射させる。
噴射口6hから粉体離型剤PSが噴射されると、図3に示した空気の流れによって、粉体離型剤PSはキャビティCの導入部CinからキャビティCの最奥部に向かって急速に拡散する。
これにより、図4に示すように、キャビティC内には、粉体離型剤PSが略均一に分散し、キャビティCの内面に粉体離型剤PSが一様に付着する。
【0027】
キャビティCの内面への粉体離型剤PSの塗布が完了したところで、制御弁62のみを閉じることにより、キャビティC内の排気が停止する。
これにより、排気を停止すると、キャビティC内へは隙間から大気が急速に侵入し、キャビティC内の圧力は大気圧に近づく、あるいは、大気圧となる。
【0028】
次いで、図4に示したように、プランジャ40を矢印C2の向きに下降させて、プランジャ40の先端部をスリーブ30の噴射口32hよりも下方に位置させる。この状態から、制御弁26を開いて、噴射口32hから粉体潤滑剤PGをスリーブ30内に噴射させる。
これにより、スリーブ30の内周面に粉体潤滑剤PGが塗布される。
【0029】
このとき、噴射口32hから粉体潤滑剤PGをスリーブ30内に噴射するため、一時的に、キャビティCおよびスリーブ30内の圧力が上昇する。また、キャビティCおよびスリーブ30内の圧力が上昇すると、この圧力は、溶湯供給管50内の金属溶湯MLの液面を押し下げる力として作用する。
ここで、本実施形態れでは、チルベント部80および排気口5hにチェック弁90および70を接続しているため、これらチェック弁90および70を通じて、キャビティCおよびスリーブ30内のガスが金型5,6の外部に排出される。この結果、溶湯供給管50内の金属溶湯MLの液面を押し下げる力がホトンド作用せず、溶湯供給管50内の金属溶湯MLの液面が上下することが防止される。
【0030】
スリーブ30の内周面への粉体潤滑剤PGの塗布が完了したのち、図5に示すように、溶湯供給管50を通じて、金属溶湯MLをスリーブ30内に供給する。これにより、プランジャ40によって下部が閉塞された状態にあるスリーブ30内に金属溶湯MLが収容される。
ここで、溶湯供給管50内の金属溶湯MLの液面が上下することがないので、電磁ポンプ100によって正確に計量された金属溶湯MLがスリーブ30内に供給されることになる。
金属溶湯MLがスリーブ30内に供給されると、スリーブ30およびキャビティCで形成される閉空間の容積が供給された金属溶湯MLの分だで小さくなり、小さくなった容積分のガスがチェックバルブ70および90から外部に排出される。
【0031】
次いで、図6に示すように、プランジャ40を矢印C1の向きに上昇させて、プランジャ40の先端部がスリーブ30の給湯口31hを閉塞する位置に移動させる。この場合にも、プランジャ40の上昇量に応じた量のガスがチェックバルブ70および90から外部に排出される。
また、この位置において、制御弁63を閉じる。これにより、真空装置61側へ金属溶湯が漏れだすことがなくなる。
【0032】
この状態から、図7に示すように、プランジャ40をさらに矢印C1の向きの移動させて、スリーブ30内に収容された金属溶湯MLを導入路Cinを通じてキャビティC内に射出、充填する。
このとき、キャビティC内に金属溶湯MLが射出、充填された分だけ、ガスがチェックバルブ90からのみ外部に排出される。
【0033】
また、キャビティC内に金属溶湯MLを射出、充填したのち、金属溶湯MLが凝固する前に、スクイズピン11を突出させて、キャビティC内に充填された金属溶湯MLを加圧する。これにより、ひけや巣の発生が低減された鋳造品Wが鋳造される。
【0034】
鋳造品Wの鋳造が完了すると、図8に示すように、プランジャ40を矢印C2の向きに下降させたのち、移動ダイプレート3を型開方向A1に移動し、固定金型5と移動金型6とを開く。固定金型5と移動金型6とを開くと、鋳造品Wは固定金型5から離脱し、移動金型6とともに移動する。
移動ダイプレート3を所定の位置まで移動したのち、図示しない押出ピンを作動させて、鋳造品Wを移動金型6から離型する。
上記の工程により、鋳造品Wが得られる。
【0035】
本実施形態では、固定金型5と移動金型6とを型締した状態において、キャビティC内を排気し、この排気によって発生するキャビティC内の空気の流れを利用して粉体離型剤PSを十分に拡散させ、キャビティCの内面に付着させる。この結果、キャビティCの形状等にかかわらず粉体離型剤PSを一様に塗布することが可能となる。
また、本実施形態では、キャビティC内を排気するための排気口5hをキャビティCの最奥部に配置し、粉体離型剤PSの噴射口6sをキャビティCの導入路Cinに配置することにより、粉体離型剤PSをキャビティCの全体に行き渡らせることが可能となる。
この結果、粉体離型剤PSの塗布むらが発生せず、粉体離型剤PSのもつ離型、断熱性能を十分に発揮させることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態では、金型5,6の分割面にチルベント80を設け、このチルベント80と大気との間にチェック弁90を設けたので、真空装置61による減圧時に、チルベント80から大気がキャビティCに流入するのを防ぐことができ、確実な減圧を行うことができる。
さらに、本実施形態では、チェック弁90に加えて、真空装置61とキャビティCとを接続する排気管65の中途にチェック弁70を設けることにより、粉体潤滑剤PGをスリーブ30内に噴射したときに、キャビティCおよびスリーブ30内の圧力が上昇し、溶湯供給管50内の金属溶湯MLの液面が押し下げられることによって、液面の高さが変動するのを防ぐことができる。これにより、電磁ポンプ100により、スリーブ30内に正確な量の金属溶湯MLを供給することができる。この結果、鋳造品の品質にばらつきが生じにくくなり、品質を向上させることができる。
また、キャビティC内の排気のために、制御弁ではなく、チェック弁を用いたことにより、キャビティCおよびスリーブ30内の圧力と大気圧との圧力差によって自動的に開閉させることができ、構造を簡素化でき、かつ、応答性を高めることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、粉末状の離型剤あるいは潤滑剤を用いて鋳造を行う際に、粉体離型剤および粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させることができる。
また、本発明によれば、所定量の金属溶湯をスリーブに精度良く供給できるため、良好な品質の製品を鋳造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す鉛直方向の断面図である。
【図2】図1に示したダイカストマシンの鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図3】図2に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図4】図3に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図5】図4に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図6】図5に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図7】図6に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図8】図7に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン
2…固定ダイプレート
3…移動ダイプレート
5…固定金型
6…移動金型
11…スクイズピン
21…粉体供給装置
31…真空装置
30…スリーブ
31,32…分割体
40…プランジャ
62,63…制御弁
70,90…チェック弁
PS…粉体離型剤
PG…粉体潤滑剤
CL…冷却媒体
W…鋳造品
100…電磁ポンプ
110…溶湯溶解保持炉
Claims (3)
- 一対の金型と、
前記各金型に保持された2つの分割体からなり、前記金型の間に形成されるキャビティに連通し金属溶湯が供給されるスリーブと、
前記スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された金属溶湯を前記キャビティに向けて射出、充填するプランジャと、
前記スリーブの一方の分割体に接続された溶湯供給管を通じて、金属溶湯を当該スリーブ内に供給する電磁ポンプと、
前記金型が型締された状態において、前記キャビティ内を減圧する排気手段と、
排気中に鋳造品の前記金型からの離型を促すための粉体離型剤を前記キャビティ内に供給する離型剤供給手段と、
排気の終了後に、前記スリーブの内周面と前記プランジャとの間の摩擦を低減するための粉体潤滑剤を前記スリーブの内周面に向けて噴射する潤滑剤供給手段と、
前記キャビティおよびスリーブの内面と前記溶湯供給管内の金属溶湯の液面とで構成される閉空間内の圧力が大気圧よりも上昇した場合に、当該キャビティおよびスリーブ内のガスを外部に排出するガス排出手段とを有する
ダイカストマシン。 - 前記ガス排出手段は、前記金型間に設けられたチルベント部と大気との間に設けられたチェック弁を有する
請求項1に記載のダイカストマシン。 - 前記ガス排出手段は、前記排気手段と前記キャビティとを連通する排気路と大気との間に設けられたチェック弁を有する
請求項1または2に記載のダイカストマシン。
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Cited By (6)
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