JP2004268082A - 傾動鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents

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Kiyoshi Fujino
清 藤野
Eikichi Matsubara
永吉 松原
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Abstract

【課題】設備コストが安く、ガスの巻き込みや酸化膜の混入を有効に抑制すると共にひけ巣の発生を有効に抑制し、高品質な薄肉の鋳造品を効率よく製造することが可能な傾動鋳造装置及び鋳造方法を提供すること。
【解決手段】ガス排出通路13を有する金型キャビテイCの一部又は全部を形成することができる上金型2及び下金型1と、金型キャビテイCに設けられ金型キャビテイCに導入された溶湯を加圧する加圧手段11と、ガス排出通路13に接続する真空吸引手段と、金型キャビテイCに連通する鋳込みスリーブ5、鋳込みスリーブ5内を摺動するプランジャー6及び鋳込みスリーブ5の側部に突出して設けられ先部に溶湯受鍋8を有する溶湯供給管9を有する鋳込み手段と、装置本体の傾動を可能とする第1の回動手段17とを備えている傾動鋳造装置及びかかる傾動鋳造装置を用いた鋳造方法である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の溶湯を装置本体を傾動させて金型キャビテイに注湯することが可能な傾動鋳造装置及び鋳造方法に関し、より詳しくは、装置本体を傾動させて溶湯受鍋から金型キャビテイに溶湯を注湯する時、真空吸引力を行うことによって、高速、短時間充填を行い、薄肉鋳造を可能にし、金型キャビテイ内の溶湯を加圧してひけ巣の少ない鋳造品を製造することが可能な傾動鋳造装置及び鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルミニウム合金等からなる車体の接合部材(接手)等の溶接可能な鋳造品を鋳造する方法としては、傾動鋳造法やスクイズ鋳造法(竪型ダイカスト法)等が用いられている。
傾動鋳造方法は、鋳造装置を傾動させながら、金型キャビテイの下側から溶湯を鋳込む鋳造方法であるが、かかる装置においては、押湯による重力加圧だけであるので金型キャビテイへの充填速度が遅く、その間に溶湯の冷却、凝固が進むため薄肉鋳造が困難であった。また、大きな押湯は、冷却時間が長く、サイクルタイムが長くなり、生産性を上げることができなかった。さらに、押湯の高さの圧力だけでは、ひけ巣の発生が防止できず、鋳造品の強度が小さく、車体の軽量化部品等への適用は不向きであった。
【0003】
また、前記竪型ダイカスト法として、本発明者は、下側の固定金型と上側の可動金型と固定金型の下側において射出装置を設け、固定金型に鋳込みスリーブの内径よりも小径の縦方向の円形ゲートを設け、円形ゲートへの挿入部の直径が円形ゲートよりもわずかに小さい径のピンを可動金型に摺動自在に設けてピンを円形ゲート内を昇降させ得るように設け、可動金型の円形ゲート上部に設けた円形の溜部の入口の直径を鋳込時に円形ゲートから噴出する溶湯噴流の直径よりも大きく、溜部の天井高さを前記溶湯噴流の到達高さよりも高くした竪型鋳込装置を用いて、溶湯を金型の金型キャビテイ内へ鋳込み、溶湯が金型キャビテイ内を充填したらピンを突出させて押湯作用を行わせる方法を提案した(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、酸化物の混入やガスの巻き込み、あるいは溶湯凝固時に発生するひけ巣をある程度防止しうる点では優れているものの、高圧鋳込みのために大きい射出力及び型締力を必要とし、コストの高い設備が必要とされていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−146663号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる実状に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、設備コストが安く、ガスの巻き込みや酸化膜の混入を有効に抑制すると共にひけ巣の発生を有効に抑制し、高品質な薄肉の鋳造品を効率よく製造することが可能な傾動鋳造装置及び鋳造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、装置の傾動、真空吸引及び溶湯の加圧の3要素を組み合わせることにより、従来製造が困難であったアルミニウム合金等からなる薄型で大型の鋳造品であっても、品質の高い製品を効率よく製造することが可能であることを見い出し本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、鋳込みプランジャーや各加圧ピンの前方部にそれらの径より大きい内径の湯溜部を設けた場合、湯溜部の側壁に発生した凝固層を鋳込みプランジャーや各加圧ピンが直接押し出さない結果、凝固層の混入を防止すると共に抵抗が小さくなり、より小さい加圧力で溶湯を充分に加圧することができることを見い出した。
【0007】
すなわち本発明は、確定したクレームを記載します。に関する。
【0008】
また本発明は、確定したクレームを記載します。に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の傾動鋳造装置としては、ガス排出通路を有する金型キャビテイの一部又は全部を形成することができる上金型及び下金型と、前記金型キャビテイに設けられ該金型キャビテイに導入された溶湯を加圧する加圧手段と、前記ガス排出通路に接続する真空吸引手段と、前記金型キャビテイに連通する鋳込みスリーブ、該鋳込みスリーブ内を摺動するプランジャー及び前記鋳込みスリーブの側部に突出して設けられ先部に溶湯受鍋を有する溶湯供給管を有する鋳込み手段と、装置本体の傾動を可能とする第1の回動手段とを備えていれば特に制限されるものではなく、本発明の傾動鋳造装置によれば、溶湯を金型キャビテイの下側から供給し、金型キャビテイ内の湯面の上部に残った空気も真空で排出することでガスの巻き込みがなく、また、重力だけでなく真空の吸引力によって高速で短時間内に充填を行うことができ、鋳込み段階における溶湯の冷却が少なく、薄肉鋳造を可能にし、金型キャビテイに充填された溶湯を加圧することによって、ひけ巣の発生を有効に抑制して、高品質な鋳造品を好適に鋳造することができる。本発明の傾動鋳造装置を用いて製造する鋳造品としては特に制限されるものではないが、高品質の製品を製造することが困難な、強度や伸びを必要とするアルミニウム合金鋳造品、マグネシウム合金鋳造品等の軽金属合金鋳造品であっても好適に鋳造することができ、特に溶接を必要とするものや薄肉軽量で耐衝撃を必要とする鋳造品であっても好適に製造することができる。
【0010】
本発明の傾動鋳造装置における加圧手段としては、金型キャビテイ内に充填された溶湯を加圧することにより溶湯の凝固収縮体積を加圧補充し凝固時にひけ巣の発生を抑制し得る手段であれば特に制限されるものではなく、例えば、金型キャビテイの金型製品部を形成する金型に摺動自在に配設された加圧ピンを例示することができる。このような加圧ピンを製品形状に応じて適当な場所に、適当な形状、大きさのものを複数設けることにより、圧力伝達距離を短く、加圧圧力を効果的に用い、型締力を大幅に小さくすることができ、凝固時に約7%収縮するアルミニウムを含むアルミニウム合金等の凝固収縮が大きな軽金属合金からなる鋳造品、特に大型部品であっても、ひけ巣の発生を有効に抑制して、高品質の鋳造品を鋳造することができる。この加圧ピンによる加圧は、溶湯加圧時に発生する型開力又は型開き量を検出して、該型開力又は型開き量が一定になるように加圧ピンの加圧速度を制御する加圧制御手段を用いて行うことが好ましい。例えば、溶湯加圧による型開力又は型開き量を検出し随時フィードバックして加圧ピンの加圧速度の制御を行ったり、経験値に基づき加圧ピンの加圧速度をプログラム制御を行う等して、各加圧ピンの進出速度が金型キャビテイ製品部の溶湯の凝固速度に適応した速度になるようにする。これにより、小さい型締力のプレス装置でバリ吹きを防止しながら、ひけ巣の発生を防止することができる。また、加圧ピンの駆動源としては制御の行いやすいパルスモーター等を使用することが好ましい。なお、各加圧ピンの摺動部等にすべてシールパッキングを設け、金型外部からの空気の侵入を防止することが好ましい。
【0011】
前記加圧ピンの周囲には、ガス排出通路に連通する第1空隙及び第2空隙が形成されていることが好ましい。具体的に、第1空隙としては、金型キャビテイから連続する溶湯凝固ゾーン用空隙を例示することができ、第2空隙としては、溶湯凝固ゾーン用空隙に連続するガス排出空隙又はガス排出溝を例示することができる。ガス排出通路としては、溶湯充填時に金型キャビテイ内に存在するガスを排出することができるものであれば制限されるものではなく、具体的に金型中を貫通しているガス排出通路を例示することができ、該ガス排出通路には真空吸引手段、例えば、真空ポンプが接続されて、金型キャビテイ内部に残るガスを排出する。
【0012】
前記溶湯凝固ゾーン用空隙としては、加圧ピンの外周面と可動金型内周面との間に加圧ピンと同芯に形成された、加圧ピンの外周面と可動金型内周面との間隔が0.5〜2.5mm程度であって、10〜40mm程度の深さ(長さ)を有する溶湯凝固ゾーンとなる空隙を具体的に例示することができる。かかる溶湯凝固ゾーン用空隙は、該溶湯凝固ゾーン用空隙における先湯の凝固により各加圧ピンの作用面と協動して、簡単に金型キャビテイ内を密封・閉塞することができ、また鋳造装置の稼働に際して圧力調節等の複雑な操作も不要となり、さらに故障等の発生がないことから、溶湯凝固ゾーン用空隙を設けることは極めて実用的である。また、溶湯凝固ゾーン用空隙の近傍に冷却手段を設けることにより、溶湯凝固ゾーン用空隙に入ってきた先湯を早急に冷却凝固させることが好ましい。具体的には、上金型(可動金型)のガス排出通路周辺や加圧ピンに冷却穴を通し、水冷により温度を下げ、溶湯凝固ゾーン用空隙に入ってきた先湯を冷却凝固することができる。
【0013】
前記ガス排出空隙又はガス排出溝としては、先湯が流入しない大きさや構造のものが好ましく、例えば、ガス排出空隙としては、加圧ピンの外周面と可動金型内周面との間に加圧ピンと同芯に形成された加圧ピンの外周面と可動金型内周面との間隔が0.2〜0.5mm程度のガス排出空隙を具体的に挙げることができ、前記ガス排出溝としては加圧ピンの外周面に軸線上に伸びたガス排出溝を具体的に挙げることができる。これらのガス排出通路は、ガスの残存しやすい位置、例えば金型キャビテイの上部に、そして少なくともその一つは傾動状態で最上部になる位置に設置することが好ましい。
【0014】
前記鋳込み手段は、金型キャビテイに連通する鋳込みスリーブと、該鋳込みスリーブ内を摺動するプランジャーと、前記鋳込みスリーブの側部に突出して設けられ先部に溶湯受鍋を有する溶湯供給管を有する。これら鋳込みスリーブ、溶湯供給管及び溶湯受鍋は、断熱性の高いセラミック等で作られていることが溶湯の温度低下を抑制し、凝固層の発生を抑制できる点から好ましい。
前記鋳込みスリーブとしては、金型キャビテイの入り口に連通する中空体であれば特に制限されるものではなく、型締時に鋳込みスリーブの先部が上金型及び下金型に挟持されて水平に支持されることが好ましい。下金型に低圧鋳造装置やスクイズ鋳造装置のように鋳込み穴があけられないので、冷却設計を容易に行うことが可能になって、下金型表面の断熱を効果的に行う離型剤の付着、乾燥を有効に行うことができ、湯じわやピンホールの発生を抑制することができる。また、鋳込みスリーブの直径は、鋳込みスリーブの内壁を摺動する鋳込みプランジャーの作用面積を小さくし、同一の鋳込み圧力を小さい駆動力で得るため、注湯充填が可能な範囲で小径のものが好ましい。
また、鋳込みスリーブ内を往復動するプランジャーは、鋳込みスリーブに導入された溶湯を前記金型キャビテイに充填すると共に、金型キャビテイ内の溶湯が加圧された時の逆流を防止するものであって、例えば、油圧シリンダーによって駆動される。
【0015】
鋳込みスリーブの側部に突出して設けられる溶湯供給管は、鋳込みスリーブ対して30〜60°、好ましくは40〜50°の角度をもって設けられていることが望ましい。また、この溶湯供給管の内径としては、40〜70mmであることが好ましく、これにより、酸化膜は一定の強度でつながっているので、酸化膜が溶湯受鍋内に残り、酸化膜の溶湯供給管内への導入を抑制することができる。また、溶湯供給管の長さとしては、50〜200mmであることが好ましく、さらにアルミに濡れない断熱性の良いセラミックを使用することにより、溶湯の温度低下を防ぎ、凝固層の発生を抑えることができる。
また、溶湯供給管は先部に溶湯受鍋を有するが、この溶湯受鍋の形状及び/又は前記溶湯供給管の傾斜角度が、装置本体を後方側(鋳込み手段側)に傾動させた状態において前記溶湯受鍋内に所定量の溶湯(鋳込み一回分の溶湯)が一旦保持できるように決定されることが好ましい。一旦、溶湯受鍋に保持させ、装置本体のゆっくりとした傾動により溶湯を鋳込みスリーブ及び金型キャビテイに導入するので、より穏やかに溶湯を導入することができて、ガスの巻き込みを有効に抑制することができる。
【0016】
かかる鋳込み手段は、後方側に進出又は回動するための鋳込み手段移動機構を有していることが好ましい。鋳込み手段移動機構としては、鋳込み手段を後方側に進出又は回動させることができれば特に制限されるものではないが、例えば、鋳込み手段を回動軸を介して下金型取付盤に取り付け、駆動源を用いて鋳込み手段を後方側に回動させる機構や、型締時に鋳込みスリーブの先部を上金型及び下金型に挟持して水平に支持しておき、型開きと同時に自動的に後方側に回動させる機構を挙げることができる。このような鋳込み手段移動機構を用いて、上金型及び下金型の型開きと同時又は型開き後に鋳込み手段を後方側に進出又は回動させて該溶湯受鍋内に残った酸化膜の排出及び清掃を行うことが好ましい。
【0017】
また、前記第1の回動手段としては、装置本体を前後方向に傾動させることができる手段であれば特に制限されるものではなく、例えば、下金型取付盤に取り付けられた回動軸と、該回動軸を中心に装置本体を傾動させる駆動源を備えた手段が挙げられる。
また、本発明の傾動鋳造装置は、溶湯受鍋の回動を可能とする第2の回動手段を備えていてもよく、これにより、装置本体の後方側への傾け角度を小さくすること又は傾けないことが可能となって、装置本体の設置スペースを抑えることが可能となる。また、本発明の傾動鋳造装置は、溶湯受鍋に所定量の溶湯を供給する給湯ラドルを備えると共に、該給湯ラドルを装置本体の傾動による溶湯受鍋の移動に連動させるよう制御する給湯ラドル制御手段を備える構成とすることもできる。これによれば、傾動鋳造装置を前方側に傾動させながら溶湯の供給が可能となる。
【0018】
さらに、本発明の傾動鋳造装置は、プランジャーの前方部及び/又は加圧ピンの前方部に、それぞれプランジャー又は加圧ピンより径の大きい内径の湯溜部を備えていることが好ましい。これにより、湯溜部の側壁に発生した凝固層を鋳込みプランジャーや各加圧ピンが直接押し出さない結果、凝固層の混入を防止すると共に加圧の抵抗が小さくなり、小さい加圧力で溶湯を充分に加圧することができる。
【0019】
また、本発明の傾動鋳造装置は、溶湯供給管を通じて鋳込みスリーブに所定量の溶湯が供給されたことを検知することにより真空吸引手段を始動させるよう制御すると共に、鋳込みスリーブに溶湯の全量が供給されたことを検知することによりプランジャーを始動させるよう制御する始動制御手段を備えていることが好ましい。これにより、真空吸引手段とプランジャーの始動のタイミングを常に一定とすることが可能となり、安定した製造を行うことができる。溶湯の検出手段としては、溶湯供給管、鋳込み手段又は金型キャビテイのいずれか又は二以上に設けられた溶湯検出棒を具体的に例示することができる。なお、加圧ピンの始動のタイミングを同様の方法で制御することもできる。
【0020】
また、本発明の鋳造方法は、上記傾動鋳造装置を用い、装置本体を後方側に傾斜させて溶湯受鍋に溶湯を導入し、装置本体を前方側に傾動させて溶湯を鋳込みスリーブを通して金型キャビテイに注湯すると共に、真空吸引及び鋳込みプランジャーの進出を行う鋳造方法であれば特に制限されるものではなく、本発明の鋳造方法によれば、溶湯を金型キャビテイの下側から供給し、金型キャビテイ内の湯面の上部に残った空気も真空で排出することでガスの巻き込みがなく、また、重力だけでなく真空の吸引力によって高速で短時間内に充填を行うことができ、鋳込み段階における溶湯の冷却が少なく、薄肉鋳造を可能にし、金型キャビテイに充填された溶湯を加圧することによって、ひけ巣の発生を有効に抑制して、高品質な鋳造品を好適に鋳造することができる。
本発明の鋳造方法においては、溶湯が金型キャビテイ製品部に導入されると同時に、装置本体の回動速度を溶湯の金型キャビテイ製品部導入前に比して上げることが好ましく、これにより、溶湯の金型キャビテイ製品部導入前までは溶湯を穏やかに供給することができると共に、溶湯の金型キャビテイ製品部導入後は充填速度を上げて溶湯の冷却を抑制することができ、ガスの巻き込みを抑制しながら薄肉鋳造を行うことができる。
【0021】
本発明を適用した実施例を以下図面を参照して説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。図1は本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の概略縦断面図であり、図2は図1に示す傾動鋳造装置の金型の横断面図であり、図3は図1に示す傾動鋳造装置の直角方向からみた金型の縦断面図であり、図4〜10は図1に示す傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図であり、図11は本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の変形例の概略断面図であり、図12及び図13は図1に示す傾動鋳造装置における金型キャビテイの部分拡大による各加圧ピンの動作説明図である。なお、図1上、左方向を前方とし、右方向を後方とする。
【0022】
図1〜図10に示される本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置は、下部金型取付盤3に固定される合金鋼製の下金型1と、下金型1に圧着される上金型2と、下金型1と上金型2により形成される金型キャビテイCに溶湯を注入するための鋳込みスリーブ5と、鋳込みスリーブ5内を往復動するプランジャー6と、溶湯受鍋8から鋳込みスリーブ5に溶湯を供給するための溶湯供給管9と、1回につき所定量の溶湯Mを給湯する給湯ラドル7と、金型キャビテイC内の溶湯を加圧する加圧ピン11a〜11eと、金型キャビテイC内に連通するガス排出通路13と、ガス排出通路13に接続する真空ポンプ(不図示)と、装置本体の傾動を可能とする回動軸17とを有し、金型キャビテイCに溶湯を自動的に鋳込み、冷却してアルミ鋳造品を製造するものである。なお、図示されていないが、本傾動鋳造装置には、溶湯を冷却後、金型キャビテイCから鋳造品10を取り出すための型開きを行う型締装置等が設けられている。
【0023】
鋳込みスリーブ5は、傾動鋳造装置の金型キャビテイCに連通されるように下金型1と上金型2の合わせ面に先端を挟み込むように設置された、溶湯Mを金型キャビテイCへ注湯する例えばセラミックからなる円管であって、かかる円管壁側部には鋳込みスリーブ5に溶湯Mを供給する溶湯供給管9が接続されている。また、鋳込みスリーブ5の先端の金型キャビテイCにはプランジャー6の径より少し大きい内径を持つ湯溜部C1が設けられ、湯溜部C1はサイドゲート16を通じて金型キャビテイCの製品部に連通している。前記金型キャビテイCとしては特に制限されるものではないが、薄肉で大型な鋳造品を鋳造することができる金型キャビテイが好ましい。また、湯溜部C1としては、鋳込みスリーブ5の端部から漸次拡大するテーパー形状であることが好ましい。また、サイドゲートは、厚さを薄く幅を広くして、通路面積を確保しながら充填後の冷却を早くしてサイクルタイムの短縮をはかると共に金型キャビテイCの加圧時の圧力バックを少なくし、さらにトリミングプレスでの切断が容易にできる形状とすることが好ましい。また、湯溜部C1上部にガスを残存させないことも考慮して、具体的にサイドゲートは縦断面が逆T字形状であることが好ましい。なお、溶湯の圧力上昇は溶湯の金型キャビテイC充填完了に近い点から起こり、その時プランジャー6先端は金型入口の湯溜部C1にあり、鋳込みスリーブ5内で内圧が上昇することはなく、先端は保護して上下金型に挟み込むので鋳込みスリーブにセラミックを使用しても破損する心配はない。
【0024】
鋳込みスリーブ5へ溶湯Mを注湯する溶湯供給管9は、その入口に溶湯受鍋8を備えると共に、鋳込みスリーブ5に形成された溶湯導入開口51から約45°の斜め上方に向かって傾斜して設けられており、給湯ラドル7から溶湯供給管9に供給された1回分の溶湯Mを鋳込みスリーブ5に供給する。なお、図11に示すように、溶湯受鍋を回動軸20を介して設置することにより、給湯時の装置本体の後方側への傾き角度を小さくして溶湯が供給できるように構成することもできる。
前記鋳込みスリーブ5内を往復動するプランジャー6は、鋳込みスリーブ5に導入された溶湯を前記金型キャビテイCに充填すると共に、金型キャビテイC内の溶湯が加圧された時の逆流を防止するものであり、油圧シリンダー61によって駆動される小径のプランジャーロッド62と、プランジャーロッド62の先端に設けられ、鋳込みスリーブ5内を摺動する鋳込みスリーブ5の内径と略同一径であり、その作用面(前面)が溶湯Mを押し出す作用面となるプランジャーチップ63とを有する。なお、充填完了後の高圧加圧は主として金型キャビテイCに取り付けた加圧ピン行うので、プランジャーの圧力は金型キャビテイCを加圧した時、後退しないようにしておけば充分である。
【0025】
また、上記溶湯受鍋8、鋳込みスリーブ5及び鋳込みプランジャー6を具備する鋳込み手段18は、回動軸19を介して下金型取付盤3に取り付けられており、型開き時に後方側に回動して溶湯受鍋8に残った酸化膜の排出を容易にすると共に型交換が容易にできるようになっている。なお、上金型及び下金型には鋳込みスリーブを元にもどすときの力で横ずれしないように背面にストップピンを挿入しておくことが好ましい。
【0026】
図1〜図3に示すように、金型キャビテイCには、金型キャビテイC内の溶湯を加圧する各種加圧ピン11a〜11eが設けられている。各加圧ピンの周部にはそれぞれガス排出通路13に連通したガス排出空隙131及び溶湯凝固ゾーン用空隙14が設けられている。各加圧ピンは、加圧ピン用油圧シリンダー12の駆動により金型キャビテイC内あるいは湯溜部C2に進出して溶湯を加圧する。図1及び図4に示すように、型締完了後(次の鋳込前)に、ガス排出通路13やからNガスなど不活性ガスを金型キャビテイC及び鋳込みスリーブ5内に送入することができ、これにより溶湯Mの酸化を防止することができる。また、他の通路を利用して、不活性ガスを金型キャビテイC内及び鋳込みスリーブ内に送入することもできる。
【0027】
このような構成の傾動鋳造装置を用いた鋳造方法について以下説明する。
まず、図1に示されるような型締状態において、真空吸引通路13から金型キャビテイC内に不活性なNガスなどを送入し、金型キャビテイC及び鋳込みスリーブ5内の空気と置換しておく(図13(a)参照)。
次に、図4に示すように、回動軸17を中心として装置本体を後方側(溶湯受鍋側)に約60°傾動させ、この状態で、給湯ラドル7によって鋳造1回に必要な注湯量の溶湯を溶湯受鍋8に導入する。そして、図5に示すように、前方側に装置本体を回動させて(傾動状態を戻して)、溶湯Mを溶湯供給管9を通じ鋳込みスリーブ5内に導入する。溶湯が金型キャビテイC製品部に導入される前までは、ゆっくりと回動を行うので鋳込みスリーブ5内に入る溶湯がガスを巻き込むことが防止される。湯面が鋳込みスリーブ5をほぼ充満し先湯が金型キャビテイCの湯溜部C1に入り、製品部の入口にさしかかると、傾動戻し速度を上げると共に真空ポンプを作動させて真空吸引通路13からの真空吸引を開始する(図13(b)参照)。これにより、金型キャビテイCへの溶湯の充填速度を早くして充填時間を短くすることができる。また、このとき、鋳込みスリーブ5内及び金型キャビテイC内の空気の大半はNガスと置換されていてOガスの残存量は少なく、接触面積も小さいので、溶湯の表面酸化も少ない。
【0028】
続いて図6に示すように、さらに前方側に装置本体を回動させると、溶湯受鍋8内の湯面が金型キャビテイ内の溶湯に比して上方に位置するので押し湯効果も大きくなって溶湯は金型キャビテイに注湯されるが、金型キャビテイC内の流動抵抗も大きいので、湯面差hがさらに大きくなる時には、真空吸引力も大きくして充填速度を大きくして、その湯面差を小さくすることが好ましい。なお、真空吸引力を大きくしても湯溜部C1部分の溶湯圧力は溶湯の押し湯効果で負圧になることはなく、鋳込みスリーブ挿入部の隙間から、湯溜部C1部に空気が漏入してガスの巻き込みを起こすことはない。また、サイドゲート16の縦断面が逆T字形状となっていることにより、湯溜部C1の上部のガスも金型キャビティC内に導入されて、湯溜部C1にガスが滞留することを防止することができる。
【0029】
図7に示すように、溶湯が溶湯供給管9を通り過ぎ、鋳込みスリーブ5に入ると、図8に示すように、直ちに油圧バルブを開いて油圧シリンダー61を作動させることにより、鋳込みプランジャー6を前進させて溶湯を金型キャビテイCに押し込む。金型キャビテイC内の通路が狭く、金型キャビテイC内の流れ抵抗が大きいことにより、傾斜による重力及び真空吸引力によるだけは金型キャビテイCの端部の充填が不完全となる場合であっても、この鋳込みプランジャー6の前進により、溶湯を容易に補充充填することができる。この時、図12(b)及び図13(c)に示すように、溶湯は溶湯凝固ゾーン用空隙14に導かれ、狭い隙間で両側から冷却され、温度が低下し粘度が上昇、流動抵抗が大きくなり、重力や真空圧では流動せず停止し、凝固する。また、金型キャビテイC内の残存ガスは、ガス排出空隙131から真空吸引通路13を通り排出される。これにより、金型キャビテイC内にガスは残らず、製品にガスを巻き込むことはない。このため、ガス抜き加圧ピン11の一つ(本実施形態においては加圧ピン11c)は、前方側に最終的に傾動された状態で、金型キャビテイCの最高位置に設置することが好ましい。また、金型キャビテイCの湯溜部C1の内径はプランジャー6の内径より大きくなっているので、湯溜部C1の内壁に凝固層が発生した場合であっても、プランジャー6によって凝固層が金型キャビテイC製品部に押し出されることはなく、凝固層の混入を防止して、凝固層による抵抗も小さく、より小さい力で充填できる。また、加圧ピン11で金型キャビテイCを加圧した場合、その反力はこの凝固層にかかり、鋳込みプランジャー6を押し戻す力は小さくなる。
【0030】
図8に示すように、金型キャビテイCへの溶湯の充填が完了し、溶湯の冷却が始まると、溶湯の凝固収縮が生起するため、鋳込みプランジャーが後退しないようにして、図12(c)及び図13(d)に示すように、各加圧ピン11を前進させて溶湯を加圧する。このとき、溶湯の圧力が高くなっても溶湯凝固ゾーン用空隙14の溶湯は凝固しており、しかも溶湯排出方向は加圧方向と逆であり、加圧ピンとの摩擦力もあって凝固溶湯がガス排出空隙131に進入することはない。このように、冷却凝固収縮中に加圧することによって、ひけ巣の発生を抑制することができることに加えて、溶湯が金型表面から剥離することなく密着していて熱伝達が良く早く冷却凝固するため、結晶が小さく伸びと強度の大きな鋳造品を製造することが可能となる。特に、軽量化のための薄肉鋳造の場合、プランジャー6による充填のみでは金型キャビテイCの端部までの充填が難しい場合もあるが、適当な位置に適当な大きさで配置された複数の加圧ピンを作動させることで、全面的に完全に充填、凝固収縮体積を補充、ひけ巣のない緻密な組織で伸びと強度のある鋳造品を得ることができる。また、薄肉で耐衝撃性を必要とする鋳造品の場合、強度を必要とする場所の近くに加圧ピン11を設けて加圧することが有効である。加圧ピンの加圧と同時に、図9に示すように、前方側に傾動している装置本体を水平状態に戻す。
【0031】
ここで、図14は、溶湯の各凝固段階における加圧圧力と加圧影響面積の関係を示す。即ち、金型キャビテイCに溶湯を充填し、凝固が始まらない完全液体の状態ではパスカルの原理が働き抵抗も少ない。その時の加圧圧力は、従来の最高加圧圧力の1/5以下で全面積に充分に充填できる。凝固が始まると収縮も始まるので加圧補充充填をする必要があるが、この時はパスカルの原理は働かず、加圧圧力は全投影面積には到達しない。これを図14の二点鎖線で示し、加圧圧力をpa、各部分の圧力をp、平均加圧影響面積をAm、全投影面積をAoとしたとき、
∫pdA=pa×Am=pao×Ao=一定 (式1)
即ち、
加圧圧力×平均加圧影響面積
=平均加圧圧力×全投影面積
=鋳込み時加圧圧力×全投影面積
=(1/5)×最高加圧圧力×全投影面積
=(1/5)×従来の型締力
=一定 (式2)
となるように制御したものが図14の実線である。
【0032】
なお、式中、加圧圧力とは各加圧ピンの加圧圧力をいい、全投影面積とは金型キャビテイCに充填される全溶湯の型締方向の投影面積をいう。
最高加圧圧力は従来のダイカスト装置における加圧圧力と同一とする。
即ち、図14より、鋳造品の凝固割合(凝固速度)に応じて加圧速度を制御して加圧ピン11及びプランジャー6による加圧を行えば、従来の1/5程度の小さい型締力の鋳造機でバリを吹くことなく、充分に加圧鋳造することが可能である。
【0033】
金型キャビテイCの溶湯の冷却凝固が完了後、図10に示すように、型開きを行い、上金型2で持ち上げられた鋳造品10を各加圧ピン11及び押出ピン15によって押出し取り出す。
更に、鋳込み手段を反転させ、残った酸化膜を排出、次回の製品に酸化膜が混入することを防止する。この反転状態で金型交換を行うのでシングル段取りを容易にすることができる。
【0034】
また、本発明の他の実施形態に係る傾動鋳造装置について以下説明する。図15及び図16は、本発明の他の実施形態に係る傾動鋳造装置の概略部分断面図である。なお、上記実施形態に係る傾動鋳造装置と同様の構成のものについては、同一符号を付して説明を省略する。
図15及び図16に示される本発明の他の実施形態に係る傾動鋳造装置は、溶湯供給管9の出口近傍の上部から貫通した溶湯検出棒21と、溶湯検出棒21によって溶湯供給管9内の溶湯が所定の湯面高さとなったことを検知することにより真空吸引手段を始動させると共に、溶湯供給管9内の溶湯が排出されたことを検知することによりプランジャー6を始動させるよう制御する始動制御手段(不図示)とを備えている。即ち、溶湯供給管9の出口近傍に配設された湯面検出棒21は、その先端が溶湯供給管9内の上部に位置し、溶湯供給管9内が溶湯で満たされているか否かを検知することができ、図15に示すように、溶湯の溶湯受鍋8から溶湯供給管9へ導入された溶湯が溶湯検出棒21に触れることにより所定量の溶湯が鋳込みスリーブ5に供給されたことを検知し、また、図16に示すように、溶湯検出棒21に溶湯が触れなくなることにより溶湯のほぼ全量が金型キャビテイに供給されたことを検知する。これにより、真空吸引手段とプランジャーの始動のタイミングを常に一定とすることが可能となり、安定した製造を行うことができる。また、溶湯検出棒を溶湯供給管の適当な位置に配設し、所定の速度で装置本体が回動している場合に、溶湯の溶湯受鍋から溶湯供給管へ導入された溶湯の溶湯検出棒への接触時間を測定することにより、鋳込むスリーブに供給された溶湯量を検知して、真空吸引手段及びプランジャーの始動を制御することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の重力傾動鋳造装置及び傾動鋳造方法によれば、設備コストが安く、ガスの巻き込みや酸化膜の混入を有効に抑制すると共にひけ巣の発生を有効に抑制し、高品質な薄肉の鋳造品を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の概略縦断面図であり、鋳込み前の状態を示す。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の金型の水平断面を示す説明図である。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の金型の縦断面(図1と直角方向)を示す説明図である。
【図4】図1に示す本発明の一実施形態に係る鋳造装置の作動状態を示す説明図で、装置を傾け、溶湯受鍋内へ溶湯を供給し、完了した状態を示す。
【図5】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、装置の傾きを戻し、溶湯を鋳込みスリーブに流入させている状態を示す。
【図6】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、装置の傾きを更に戻し、溶湯を金型キャビテイC内へ充填している状態を示す。
【図7】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、溶湯を金型キャビテイC内に充填、溶湯受鍋の溶湯が全量鋳込みスリーブ内に流入した状態を示す。
【図8】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、金型キャビテイC内の溶湯が鋳込みプランジャーで充填完了した状態を示す。
【図9】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、金型キャビテイCないの溶湯が加圧され凝固収縮が完了、同時に装置の傾きがなくなり、中立点に戻った状態を示す。
【図10】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の作動状態を示す説明図で、溶湯の冷却が完了し型が開いた状態、及び溶湯受鍋を反転させた状態を示す。
【図11】本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の変形例の概略断面図であり、溶湯受鍋を単独で傾転できるように回動軸を介して取り付けた例を示す。
【図12】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の主加圧ピンの作動状態を示す補助説明図で
(a)は図6の状態の時
(b)は図8の状態の時
(c)は図9の状態の時
を示す。
【図13】図1に示す本発明の一実施形態に係る傾動鋳造装置の加圧ピンの作動状態を示す補助説明図で
(a)は図4の状態の時
(b)は図5、図6、図7の状態の時
(c)は図8の状態の時
(d)は図9の状態の時
を示す。
【図14】本発明の加圧力と型締力との関係を示すグラフである。
【図15】本発明の他の実施形態に係る傾動鋳造装置の概略部分断面図であり、溶湯が鋳込みスリーブに供給された状態を示す。
【図16】本発明の他の実施形態に係る傾動鋳造装置の概略部分断面図であり、溶湯を金型キャビテイC内に充填、溶湯受鍋の溶湯が全量鋳込みスリーブ内に流入した状態を示す。
【符号の説明】
1 下金型
2 上金型
3 下金型取付盤
4 上金型取付盤
5 鋳込みスリーブ
51 溶湯送出開口
6 プランジャー
61 プランジャー油圧シリンダー
62 プランジャーロッド
63 プランジャーチップ
64 ガス排出空隙
7 給湯ラドル
8 溶湯受鍋
9 溶湯供給管
10 鋳造品
11 加圧ピン
11a 主加圧ピン
11b 加圧ピン
11c 加圧ピン
11d 加圧ピン(ボルト穴加圧ピン)
11e 加圧ピン(ボルト穴加圧ピン)
12 加圧ピン用油圧シリンダー
13 真空吸引通路
131 ガス排出空隙
14 溶湯凝固ゾーン用空隙
15 押出ピン
16 ゲート
17 鋳造装置回動軸
18 鋳込みスリーブ取り付けブロック
19 回動軸
20 溶湯受鍋回動軸
21 溶湯検出棒
C 金型キャビテイC
C1 入口湯溜部
C2 加圧ピン湯溜部
M 溶湯
窒素

Claims (15)

  1. ガス排出通路を有する金型キャビテイの一部又は全部を形成することができる上金型及び下金型と、前記金型キャビテイに設けられ該金型キャビテイに導入された溶湯を加圧する加圧手段と、前記ガス排出通路に接続する真空吸引手段と、前記金型キャビテイに連通する鋳込みスリーブ、該鋳込みスリーブ内を摺動するプランジャー及び前記鋳込みスリーブの側部に突出して設けられ先部に溶湯受鍋を有する溶湯供給管を有する鋳込み手段と、装置本体の傾動を可能とする第1の回動手段とを備えていることを特徴とする傾動鋳造装置。
  2. 加圧手段が加圧ピンであって、該加圧ピンの周囲に、ガス排出通路に連通する第1空隙及び第2空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造装置。
  3. プランジャーの前方部及び/又は加圧ピンの前方部に、それぞれプランジャー又は加圧ピンの径より大きい内径の湯溜部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の傾動鋳造装置。
  4. 金型キャビテイ内の溶湯加圧時に発生する型開力又は型開き量を検出して、該型開力又は型開き量が一定になるように加圧手段の加圧速度を制御する加圧制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  5. 型締時に鋳込みスリーブの先部が上金型及び下金型に挟持されて水平に支持されると共に、該鋳込みスリーブを具備する鋳込み手段が後方側に進出又は回動するための鋳込み手段移動機構を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  6. 溶湯受鍋の回動を可能とする第2の回動手段を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  7. 溶湯供給管を通じて鋳込みスリーブに所定量の溶湯が供給されたことを検知することにより真空吸引手段を始動させるよう制御すると共に、鋳込みスリーブに溶湯の全量が供給されたことを検知することによりプランジャーを始動させるよう制御する始動制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  8. 溶湯受鍋に所定量の溶湯を供給する給湯ラドルを備えると共に、該給湯ラドルを装置本体の傾動による溶湯受鍋の移動に連動させるよう制御する給湯ラドル制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  9. 装置本体を後方側に傾動させた状態において所定量の溶湯を前記溶湯受鍋内に一旦保持できるように、溶湯受鍋の形状及び/又は溶湯供給管の傾斜角度が決定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の傾動鋳造装置。
  10. 請求項1〜9に記載の傾動鋳造装置を用いた鋳造方法であって、装置本体を後方側に傾斜させて溶湯受鍋に溶湯を導入し、装置本体を前方側に傾動させて溶湯を鋳込みスリーブを通して金型キャビテイに注湯すると共に、真空吸引及び鋳込みプランジャーの進出を行うことを特徴とする鋳造方法。
  11. 溶湯が金型キャビテイ製品部に導入されると同時に、装置本体の回動速度を溶湯の金型キャビテイ製品部導入前に比して上げることを特徴とする請求項11に記載の鋳造方法。
  12. 溶湯の凝固割合に応じて溶湯の加圧速度を制御することを特徴とする請求項10又は11に記載の鋳造方法。
  13. 請求項5に記載の傾動鋳造装置を用いた鋳造方法であって、上金型及び下金型の型開きと同時に自動的に鋳込み手段を後方側に回動させて該溶湯受鍋内に残った酸化膜の排出及び清掃を行うことを特徴とする鋳造方法。
  14. 請求項6に記載の傾動鋳造装置を用いた鋳造方法であって、第2の回動手段によって溶湯受鍋を前方側へ傾動させることにより、装置本体の後方側への傾け角度を0°を含み小さくすることを特徴とする鋳造方法。
  15. アルミニウム合金鋳造品又はマグネシウム合金鋳造品を製造することを特徴とする請求項10〜14に記載の鋳造方法。
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