JP2003290900A - コールドチャンバ式ダイカスト機の射出装置 - Google Patents

コールドチャンバ式ダイカスト機の射出装置

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JP2003290900A JP2002099830A JP2002099830A JP2003290900A JP 2003290900 A JP2003290900 A JP 2003290900A JP 2002099830 A JP2002099830 A JP 2002099830A JP 2002099830 A JP2002099830 A JP 2002099830A JP 2003290900 A JP2003290900 A JP 2003290900A
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molten metal
piston
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speed
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JP2002099830A
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Ryoichi Yoshida
亮一 吉田
Jiro Sotoma
次郎 外間
Katsuyuki Yoshida
克幸 吉田
Masashi Kato
正志 加戸
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SANPO KK
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SANPO KK
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶湯の注入量によっては、射出スリーブ内に空
気が多くても、充填工程前に完全にその空気を排除した
後、溶湯の充填を可能とし、可及的に薄いビスケットを
形成する。 【解決手段】射出装置1は、射出スリーブ2と同軸、可
動金型21及び固定金型22に分離可能に配設される対
向スリーブ4と、プランジャ3と対向し、射出スリーブ
2内及び対向スリーブ4内を摺動でき、外周にシール性
を有する対向ピストン5と、対向ピストン5の摺動動力
源であり、対向ピストン5の先端面の作用圧力を支持可
能な対向シリンダ6と、対向ピストン5,対向シリンダ
6を連結する対向ロッド7と、プランジャ3及び対向ピ
ストン5の位置を検知する位置検知部16と、位置検知
部16の位置情報を受け、対向シリンダ6及びプランジ
ャ3を制御する制御部8と、プランジャ3と対向ピスト
ン5との間の溶湯室9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コールドチャンバ
式ダイカスト機の射出装置に関し、特に横形の横鋳込み
及び射出スリーブ基端側を高くした傾斜鋳込みのダイカ
スト機に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト金属としてアルミニウム合
金、亜鉛合金、マグネシウム合金等を使用するコールド
チャンバ式ダイカスト機の一般的な射出部の基本構成
は、図5に示す横形の横鋳込みの場合、固定盤20及び
固定金型22に設けられる射出スリーブ2内においてプ
ランジャ3が摺動可能に配設される構成である。また、
固定金型22と可動金型21との間に、射出スリーブ2
の先端側からビスケット空間23、湯道12、湯口1
3、キャビティ14と順次形成されている。射出部の充
填工程は、注入口10から柄杓等にて溶湯を、基端に後
退させたプランジャ3前に給湯し、プランジャ3を前進
させて溶湯を充填速度にてキャビティ14へ充填し、成
形後に可動金型21を離して押出ピン24にてダイカス
ト品を排出する。排出されたダイカスト製品には、湯口
13からビスケット空間23までの不要部分が付いてい
るため、これをカットしている。なお、射出スリーブ2
の基端側を高く傾斜させるタイプの傾斜鋳込みの場合も
同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の射出部で
は、注入される溶湯25の量が、図5に示すように、射
出スリーブ2内の半分程度であり(三分の一程度のとき
もある。)、残りには空気26が入っている。理論的に
は注入口10付近の八分目まで可能であるが、実際の作
業では、作業時間、手間等を考慮すると不可能であっ
て、経験的に半分程度が最も効率的になっている。この
ため、上半分の空気26を充填工程にて抜く必要があ
り、プランジャ3を前進させて充填速度になる前、遅い
速度にてプランジャ3外周の隙間から後方に空気を排出
し、ある程度なくなったところで充填速度に上げて、溶
湯25をキャビティ14内へ充填している。しかし、完
全に空気26を排出できずに充填速度になるため、残っ
た空気の巻き込みを生じて、鋳巣等の不具合を生じる問
題ある。他方、完全に空気26を後方へ排出できる速度
まで遅くすると、次に連続する充填速度に影響してしま
うため、速度を十分に遅くできずに、空気排出が不十分
になる問題もある。
【0004】更に、合金を少量使用する小製品であって
も高い型締力を必要とする場合、プランジャ径が大きく
なり、前述の空気26容積も大きくなってしまい、空気
巻き込みの防止が更に困難となる問題もある。他方、プ
ランジャ3の充填時の停止位置は、ビスケット空間23
に余裕をもたせることで、調整可能となっているので、
ビスケット空間23が大きいほうが良い。しかし、ダイ
カスト製品から見るとビスケット部分は不要部分であ
り、可及的に少なくする要請がある。
【0005】本発明は、上述の問題にかんがみてなされ
たもので、その目的とするところは、溶湯の注入量によ
っては、射出スリーブ内に空気が多くても、充填工程前
に完全にその空気を排除した後、溶湯の充填を可能と
し、可及的に薄いビスケットを形成できるコールドチャ
ンバ式ダイカスト機の射出装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るコールドチャンバ式ダイカスト機の
射出装置は、コールドチャンバ式ダイカスト機に使用さ
れ、射出スリーブ内を摺動するプランジャが、溶湯をキ
ャビティ内へ充填する射出装置において、前記射出スリ
ーブと同軸の延長上の連続位置であって、可動金型及び
固定金型に各々分離可能に配設される対向スリーブと、
前記プランジャと対向して配設され、前記射出スリーブ
内及び前記対向スリーブ内を摺動可能とし、外周にシー
ル性を有する対向ピストンと、前記対向ピストンの摺動
動力源であり、前記対向ピストンの先端面に作用する前
記プランジャ充填時の圧力を支持可能な対向駆動部と、
前記対向ピストンと前記対向駆動部とを連結する対向ロ
ッドと、前記プランジャ及び前記対向ピストンの位置を
検知する位置検知部と、前記位置検知部からの位置情報
を受け、前記対向駆動部,前記対向ピストン及び前記プ
ランジャの作動を制御する制御部と、前記プランジャと
前記対向ピストンとの間に形成され、前記プランジャと
前記対向ピストンとの相対位置,相対速度差によって内
容積を可変とされ、容積可変時に前記プランジャ外周か
ら内部空気を外排出でき、前記制御部による前記プラン
ジャ及び前記対向ピストンに対する作動制御によって溶
湯をキャビティへ充填できる溶湯室とを備える。
【0007】また、請求項2に係るコールドチャンバ式
ダイカスト機の射出装置は、前記請求項1に対して、上
記容積可変による内部空気の外排出が、上記プランジャ
及び上記対向ピストンの少なくとも一方を摺動させ、前
記プランジャ外周と上記射出スリーブとの隙間から上記
溶湯室内の空気を排出し、前記溶湯室内を溶湯のみとす
ることであり、上記制御部の前記プランジャ及び前記対
向ピストンに対する作動制御は、前進する前記プランジ
ャと後退する前記対向ピストンとの間に速度差を生じさ
せ、溶湯のみの前記溶湯室から湯道を介して上記キャビ
ティに対して溶湯を充填し、前記キャビティへの充填後
に前記プランジャ及び前記対向ピストンを停止し、前記
溶湯室においてビスケットを形成する制御である。
【0008】また、請求項3に係るコールドチャンバ式
ダイカスト機の射出装置は、前記請求項1に対して、上
記溶湯室が、給湯時において上記射出スリーブの注入口
付近に移動可能とされ、上記容積可変による内部空気の
外排出は、上記プランジャのみ第1速度にて前進し、上
記対向ピストンを停止させ、前記溶湯室内の内部空気を
前記プランジャ外周と前記射出スリーブとの隙間から後
方へ排出し、前記溶湯室内を溶湯のみとすることであ
り、上記制御部の前記プランジャ及び前記対向ピストン
に対する作動制御は、溶湯のみで満たされる前記溶湯室
を圧縮せずに保持して、前記対向ピストン及び前記プラ
ンジャの両者を同方向及び同じ第2速度にて移動させ、
次に、前記溶湯室と湯道とが連通する瞬間に、前記プラ
ンジャは第2速度から充填速度まで変速前進して前記湯
道を介して上記キャビティへ前記溶湯室内の溶湯を充填
し、前記対向ピストンは前記プランジャの充填速度より
遅い第3速度にて後退し、次に前記対向ピストンの先端
面が上記可動金型と上記固定金型との合わせ面付近に位
置する時に前記対向ピストンを停止させ、前記プランジ
ャも停止して充填を終える制御である。
【0009】また、請求項4に係るコールドチャンバ式
ダイカスト機の射出装置は、前記請求項1に対して、上
記対向ピストンの先端面に作用する上記プランジャの充
填時の圧力を上記対向駆動部において検知する背圧検知
部が設けられ、上記制御部が上記位置検知部からの位置
情報及び前記背圧検知部からの背圧情報を受け、前記対
向駆動部,前記対向ピストン及び前記プランジャの作動
を制御し、上記溶湯室は、給湯時において上記射出スリ
ーブの注入口付近に移動可能とされ、上記容積可変によ
る内部空気の外排出は、前記プランジャのみ第1速度に
て前進し、前記対向ピストンを停止させ、前記溶湯室内
の内部空気を前記プランジャ外周と前記射出スリーブと
の隙間から後方へ排出し、前記溶湯室内を溶湯のみとす
ることであり、上記制御部の前記プランジャ及び前記対
向ピストンに対する作動制御は、前記対向ピストンに対
する前記対向駆動部からの支持をフリーとし、前記対向
ピストン及び前記プランジャの両者を同方向及び同じ第
2速度となるように、前記プランジャのみによる前進に
よって、溶湯のみで満たされる前記溶湯室を移動させ、
次に、前記溶湯室と湯道とが連通する瞬間に対応する設
定背圧を前記背圧検知部によって検知し、前記プランジ
ャは前記第2速度から充填速度まで変速前進して、前記
湯道を介して前記キャビティへ前記溶湯室内の溶湯を充
填し、前記対向ピストンは前記プランジャの充填速度よ
り遅い第3速度に制御されて後退し、次に、前記対向ピ
ストンの先端面が上記可動金型と上記固定金型との合わ
せ面付近に位置する時に前記対向ピストンを停止させ、
前記プランジャも停止して充填を終える制御である。
【0010】また、請求項5に係るコールドチャンバ式
ダイカスト機の射出装置は、前記請求項4に対して、上
記対向駆動部が油圧シリンダ装置であり、上記対向ピス
トンが受けて上記対向ロッドを介する上記溶湯室圧力の
伝達力を減衰させ、前記対向ピストン速度を制御する緩
衝部を設け、前記緩衝部によって前記対向ピストンが上
記第3速度に制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、請求項1の下位概念であ
る請求項3に対応する第1実施形態について図面を参照
して説明する。まず、ここで使用するダイカスト機は横
形、傾斜形といったタイプのコールドチャンバ式であ
り、射出スリーブが横配置の横鋳込み、射出スリーブ基
端側を高く配置した傾斜鋳込みといった鋳込みタイプの
射出装置1であり、その他の型締部、押出部等のダイカ
スト機構成部材は従来の一般的構成(例えば、JIS
B 6612参照)である。従って、本発明の特徴部分
以外のダイカスト機構成部材についての図示及び詳細な
説明を省略する。第1実施形態の射出装置1は、図1に
示すように、横鋳込みタイプの射出スリーブ2等に対し
て、主として対向スリーブ4、対向ピストン5、対向駆
動部である対向シリンダ6、対向ロッド7、制御部8及
びプランジャ3と対向ピストン5との間に形成される溶
湯室9等を備える構成である。
【0012】対向スリーブ4は、射出スリーブ2と同内
径,同軸の延長上連続であって、可動金型21及び固定
金型22に各々分離可能(4a,4b)に配設される。
対向ピストン5は、プランジャ3と同径で対向して配設
され、射出スリーブ2内及び対向スリーブ4内を摺動可
能とし、外周にシール性を有する。このシール性は、圧
力リング等の各種メカニカルシールを配設して、後述す
る溶湯室9の空気9bを外周から漏らすことなく、ま
た、プランジャ3の充填圧力を漏らすこともない。これ
に対してプランジャ3のシール性は、従来と同程度であ
って、空気9bを後方へ排出可能な隙間を有している。
【0013】対向シリンダ6は、油圧制御部6bに制御
される動力源として対向ピストン5を摺動し、対向スリ
ーブ4及び射出スリーブ2内において、所定速度にて任
意位置に移動できる。また、対向ピストン5の先端面に
作用するプランジャ3充填時の溶湯室9の圧力が、対向
ロッド7を介して作用しても強度的に十分これを支持で
きるような構造となっている。なお、対向駆動部として
は、一般的駆動機構であってもダイカスト機に採用でき
る機構であれば、この対向シリンダ6に限定されずに使
用できる。対向ロッド7は、対向ピストン5と対向シリ
ンダ6のシリンダピストン6aとを連結し、対向シリン
ダ6からの作動を伝えると同時に、対向ピストン5が受
けるプランジャ3側作用力を伝える。なお、対向ロッド
7は、図1に示す1本に限定せず、図示省略するが、対
向ピストン5側ロッドとシリンダピストン6a側ロッド
との2本とし、カップリングにて接続させる構成も採用
できる(JIS B 6612、横形コールドチャンバ
ダイカストマシンの各部の名称、参照)。他方、プラン
ジャ3は、油圧制御の射出シリンダ11によって作動さ
れ、プランジャロッド等15によって連結される。な
お、図中符号12は湯道、13は湯口、14はキャビテ
ィをそれぞれ示している。
【0014】位置検知部16は、図示省略するが、射出
シリンダ11のシリンダピストン11aによってプラン
ジャ3の位置を、対向シリンダ6のシリンダピストン6
aによって対向ピストン5の位置をそれぞれ検知し、位
置情報として制御部8へ送信する。この位置情報によっ
て、プランジャ3と対向ピストン5との相対位置及び相
対速度が検知可能となる。制御部8も図示省略するが、
位置検知部16からの位置情報を受け、対向ピストン5
を作動する対向シリンダ6の油圧制御部6b、及び射出
シリンダ11を介してプランジャ3の作動を制御する。
この制御部8は射出装置1専用に限定されずに、ダイカ
スト機本体制御部の一部として、又はFA制御の一部等
の各種設置形態を採用できる。溶湯室9は、プランジャ
3と対向ピストン5との間に形成され、後述する作動制
御によって、射出スリーブ2内及び対向スリーブ4内を
中心軸方向に移動可能とされ、かつ、プランジャ3と対
向ピストン5との相対位置、相対速度差によって内容積
を可変とされる。また、この容積可変時にプランジャ3
外周から内部空気9bが外排出される。さらに、制御部
8によるプランジャ3及び対向ピストン5に対する後述
の作動制御によって、注入口10から給湯された溶湯9
aが湯道12、湯口13を通ってキャビティ14へ充填
される。
【0015】次に、上述した第1実施形態の射出装置1
の作動を制御部8の作動制御に基づいて説明する。先ず
第1制御としては、プランジャ3が射出スリーブ2基端
側の通常の給湯位置まで移動・停止し、対向ピストン5
は前進・停止し、図2(イ)に示すように、対向ピスト
ン5とプランジャ3との間に形成される溶湯室9を注入
口10付近に位置させる。この溶湯室9容積の大きさ
は、各種製品毎に異なるアルミニウム合金の使用量に対
応させる。そして、溶湯室9へ必要量の溶湯9aを注入
する。この必要量は、従来と同様に、製品自体の量だけ
でなく、湯道12及びビスケット形成の分量、表層固化
する分、空気排出時の漏れ等による余分量も含める。
【0016】次に第2制御としては、図2(ロ)に示す
ように、プランジャ3のみ第1速度V1にて前進し、対
向ピストン5を停止させ、溶湯室9内の溶湯9a上の空
気9bをプランジャ3外周と射出スリーブ2との隙間か
ら後方へ排出する。これによって鋳巣等不具合の主原因
のひとつである空気9bが排除され、溶湯室9に残るの
は溶湯9aのみとなる。
【0017】次に第3制御の前段として、図2(ハ)に
示すように、溶湯9aのみで満たされる溶湯室9を圧縮
せずに保持して、対向ピストン5及びプランジャ3の両
者を同方向及び同じ第2速度V2にて移動させる。この
第2速度V2は次の充填速度Vactへ増速する途中の
速度、又は充填速度Vact等のダイカスト製造上要請
される速度を適宜選択できる。
【0018】次に第3制御の後段として、図2(ニ)に
示される溶湯室9と湯道12とが連通する瞬間に、プラ
ンジャ3は第2速度V2から充填速度Vactまで変速
前進し、キャビティ14へ溶湯室9内の溶湯9aを充填
する。この時、対向ピストン5はプランジャ3の充填速
度Vactより遅い第3速度V3にて後退する。この両
者の相対速度差によって、溶湯室9の容積が可変されて
充填圧力まで高められる。プランジャ3の充填動作中、
空気9bの排除された溶湯9aでは空気巻き込み等が可
及的に防止される。また、第3速度V3がプランジャ3
の充填速度Vactに対応させて選択されれば、湯道1
2への充填速度Vactを十分に制御でき、キャビティ
14への溶湯9aの充填が十分に制御可能となる。
【0019】最後の第4制御は、図2(ホ)に示すよう
に、対向ピストン5の先端面が可動金型21と固定金型
22との合わせ面付近まで後退する時、対向ピストン5
を停止させ、プランジャ3も停止して充填を終える。こ
のプランジャ3の充填終了位置まで、十分に速度制御さ
れるため、溶湯室9には可及的に薄いビスケットを形成
できる。
【0020】請求項1,2に対応する他の実施形態とし
ては、上述の第2制御における溶湯室9内の空気9bを
排出する作動として、プランジャ3を停止させて対向ピ
ストン5を摺動させる場合、両者を同時に摺動させる場
合、又はこれらを組み合わせる等の各種摺動パターンを
採用する構成がある。また、第1実施形態の第3制御の
前段を省略してプランジャ3と対向ピストン5とに最初
から速度差を設けて溶湯室9内の溶湯9aを湯道12か
らキャビティ14へ充填する等の各種速度変化パターン
を構成することができる。
【0021】請求項4に対応する第2実施形態の射出装
置について説明する。第2実施形態は、上述の第1実施
形態に対して、図3に示す対向シリンダ6に背圧検知部
17を追加した構成である。背圧検知部17は、対向ピ
ストン5の先端面に作用する溶湯室9内圧力を対向シリ
ンダ6において検知すべく、シリンダピストン6aの対
向ロッド7反対側に設けられる。ここで検知される圧力
は、背圧情報として油圧制御部6b、制御部8へ送ら
れ、背圧情報単独又は位置情報とともに利用される。そ
の他の構成は、第1実施形態と同じであるため説明を省
略する。
【0022】次に、第2実施形態の作動について説明す
るが、上記第1実施形態の作動説明に対して、第1実施
形態との構成上の差異である背圧検知部17によって生
じる差異部分のみを説明する。即ち、図2(ロ)に示す
溶湯室9内の空気9bを排出までの第2制御まで同じで
ある。この後第3制御の前段が、図2(ハ)に示すよう
に、溶湯9aのみで満たされる溶湯室9を、対向ピスト
ン5及びプランジャ3の両者を同方向及び同じ第2速度
V2によって移動するのを、対向ピストン5に対する対
向シリンダ6からの支持をフリーとし、プランジャ3の
みの前進力によって行う点が異なる。この前進するプラ
ンジャ3のみによって溶湯室9を移動するため、移動が
スムーズとなる。次に第3制御の後段も、図2(ニ)に
示すように、溶湯室9と湯道12とが連通する瞬間に対
応する設定背圧を背圧検知部17によって検知する。こ
の時、プランジャ3は第2速度V2から充填速度Vac
tまで前進し、対向ピストン5は対向シリンダ6によっ
て強制的に制御され、プランジャ3の充填速度Vact
より遅い第3速度V3にて後退する。この後充填終了ま
での第4制御については前述第1実施形態と同じである
ため省略する。
【0023】更に、請求項5に対応する第3実施形態の
射出装置について説明する。第3実施形態は、図4に示
すように、前述の第2実施形態に対して、シリンダピス
トン6aの対向ロッド7反対側に緩衝部18を用いる構
成である。緩衝部18は、対向ピストン5が受けて対向
ロッド7を介する溶湯室9圧力の伝達力を減衰させ、対
向ピストン5の速度を落とすもので、例えば、油圧緩衝
器のダッシュポット、油圧ダンパ等がある。従って、第
3実施形態の作動は、前述第2実施形態に対して、油圧
シリンダ6の強制力によって対向ピストン5の速度を第
3速度V3へ制御するのではなく、緩衝部18によっ
て、対向ピストン5の第2速度V2が第3速度V3に制
御される点が異なり、その他の作動は同じである。第3
速度V3の制御を各種製品に適したタイプに調整する場
合、有効な選択肢の一つとなる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至5に
係る射出装置であれば、溶湯の注入量によっては、射出
スリーブ内に空気が多くても、充填工程前に完全にその
空気を排除した後、溶湯の充填を可能とし、可及的に薄
いビスケットを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の射出装置要部を示す断面図であ
る。
【図2】(イ)は溶湯給湯時の対向ピストン及びプラン
ジャを示す説明図であり、(ロ)は溶湯室内の空気を排
出する時であり、(ハ)は溶湯室の移動時であり、
(ニ)はプランジャの充填工程となる時であり、(ホ)
はプランジャの充填終了時である。
【図3】第2実施形態の特徴点である対向シリンダ及び
背圧検知部を示す説明図である。
【図4】第3実施形態の特徴点である対向シリンダ、背
圧検知部及び緩衝部を示す説明図である。
【図5】横形横鋳込みタイプのコールドチャンバ式ダイ
カスト機の従来の射出部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 射出装置 2射出スリーブ 3プランジャ 4対向
スリーブ 5対向ピストン 6対向シリンダ 7対向ロ
ッド 8制御部 9溶湯室 9a,25溶湯 9b,2
6空気 10注入口 11射出シリンダ 12湯道 1
4キャビティ 16位置検知部 17背圧検知部 18
緩衝部 21可動金型 22固定金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 克幸 埼玉県比企郡滑川町大字都25番46 株式会 社三峰内 (72)発明者 加戸 正志 埼玉県比企郡滑川町大字都25番46 株式会 社三峰内 Fターム(参考) 4E014 LA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コールドチャンバ式ダイカスト機に使用さ
    れ、射出スリーブ内を摺動するプランジャが、溶湯をキ
    ャビティ内へ充填する射出装置において、前記射出スリ
    ーブと同軸の延長上の連続位置であって、可動金型及び
    固定金型に各々分離可能に配設される対向スリーブと、
    前記プランジャと対向して配設され、前記射出スリーブ
    内及び前記対向スリーブ内を摺動可能とし、外周にシー
    ル性を有する対向ピストンと、前記対向ピストンの摺動
    動力源であり、前記対向ピストンの先端面に作用する前
    記プランジャ充填時の圧力を支持可能な対向駆動部と、
    前記対向ピストンと前記対向駆動部とを連結する対向ロ
    ッドと、前記プランジャ及び前記対向ピストンの位置を
    検知する位置検知部と、前記位置検知部からの位置情報
    を受け、前記対向駆動部,前記対向ピストン及び前記プ
    ランジャの作動を制御する制御部と、前記プランジャと
    前記対向ピストンとの間に形成され、前記プランジャと
    前記対向ピストンとの相対位置,相対速度差によって内
    容積を可変とされ、容積可変時に前記プランジャ外周か
    ら内部空気を外排出でき、前記制御部による前記プラン
    ジャ及び前記対向ピストンに対する作動制御によって溶
    湯をキャビティへ充填できる溶湯室とを備えること、を
    特徴とするコールドチャンバ式ダイカスト機の射出装
    置。
  2. 【請求項2】上記容積可変による内部空気の外排出が、
    上記プランジャ及び上記対向ピストンの少なくとも一方
    を摺動させ、前記プランジャ外周と上記射出スリーブと
    の隙間から上記溶湯室内の空気を排出し、前記溶湯室内
    を溶湯のみとすることであり、上記制御部の前記プラン
    ジャ及び前記対向ピストンに対する作動制御は、前進す
    る前記プランジャと後退する前記対向ピストンとの間に
    速度差を生じさせ、溶湯のみの前記溶湯室から湯道を介
    して上記キャビティに対して溶湯を充填し、前記キャビ
    ティへの充填後に前記プランジャ及び前記対向ピストン
    を停止し、前記溶湯室においてビスケットを形成する制
    御であること、を特徴とする請求項1に記載されるコー
    ルドチャンバ式ダイカスト機の射出装置。
  3. 【請求項3】上記溶湯室が、給湯時において上記射出ス
    リーブの注入口付近に移動可能とされ、上記容積可変に
    よる内部空気の外排出は、上記プランジャのみ第1速度
    にて前進し、上記対向ピストンを停止させ、前記溶湯室
    内の内部空気を前記プランジャ外周と前記射出スリーブ
    との隙間から後方へ排出し、前記溶湯室内を溶湯のみと
    することであり、上記制御部の前記プランジャ及び前記
    対向ピストンに対する作動制御は、溶湯のみで満たされ
    る前記溶湯室を圧縮せずに保持して、前記対向ピストン
    及び前記プランジャの両者を同方向及び同じ第2速度に
    て移動させ、次に、前記溶湯室と湯道とが連通する瞬間
    に、前記プランジャは第2速度から充填速度まで変速前
    進して前記湯道を介して上記キャビティへ前記溶湯室内
    の溶湯を充填し、前記対向ピストンは前記プランジャの
    充填速度より遅い第3速度にて後退し、次に前記対向ピ
    ストンの先端面が上記可動金型と上記固定金型との合わ
    せ面付近に位置する時に前記対向ピストンを停止させ、
    前記プランジャも停止して充填を終える制御であるこ
    と、を特徴とする請求項1に記載されるコールドチャン
    バ式ダイカスト機の射出装置。
  4. 【請求項4】上記対向ピストンの先端面に作用する上記
    プランジャの充填時の圧力を上記対向駆動部において検
    知する背圧検知部が設けられ、上記制御部が上記位置検
    知部からの位置情報及び前記背圧検知部からの背圧情報
    を受け、前記対向駆動部,前記対向ピストン及び前記プ
    ランジャの作動を制御し、上記溶湯室は、給湯時におい
    て上記射出スリーブの注入口付近に移動可能とされ、上
    記容積可変による内部空気の外排出は、前記プランジャ
    のみ第1速度にて前進し、前記対向ピストンを停止さ
    せ、前記溶湯室内の内部空気を前記プランジャ外周と前
    記射出スリーブとの隙間から後方へ排出し、前記溶湯室
    内を溶湯のみとすることであり、上記制御部の前記プラ
    ンジャ及び前記対向ピストンに対する作動制御は、前記
    対向ピストンに対する前記対向駆動部からの支持をフリ
    ーとし、前記対向ピストン及び前記プランジャの両者を
    同方向及び同じ第2速度となるように、前記プランジャ
    のみによる前進によって、溶湯のみで満たされる前記溶
    湯室を移動させ、次に、前記溶湯室と湯道とが連通する
    瞬間に対応する設定背圧を前記背圧検知部によって検知
    し、前記プランジャは前記第2速度から充填速度まで変
    速前進して、前記湯道を介して前記キャビティへ前記溶
    湯室内の溶湯を充填し、前記対向ピストンは前記プラン
    ジャの充填速度より遅い第3速度に制御されて後退し、
    次に、前記対向ピストンの先端面が上記可動金型と上記
    固定金型との合わせ面付近に位置する時に前記対向ピス
    トンを停止させ、前記プランジャも停止して充填を終え
    る制御であること、を特徴とする請求項1に記載される
    コールドチャンバ式ダイカスト機の射出装置。
  5. 【請求項5】上記対向駆動部が油圧シリンダ装置であ
    り、上記対向ピストンが受けて上記対向ロッドを介する
    上記溶湯室圧力の伝達力を減衰させ、前記対向ピストン
    速度を制御する緩衝部を設け、前記緩衝部によって前記
    対向ピストンが上記第3速度に制御されること、を特徴
    とする請求項4に記載されるコールドチャンバ式ダイカ
    スト機の射出装置。
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