JP2740072B2 - 建物の増築方法および構築方法 - Google Patents

建物の増築方法および構築方法

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JP2740072B2
JP2740072B2 JP4110130A JP11013092A JP2740072B2 JP 2740072 B2 JP2740072 B2 JP 2740072B2 JP 4110130 A JP4110130 A JP 4110130A JP 11013092 A JP11013092 A JP 11013092A JP 2740072 B2 JP2740072 B2 JP 2740072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建物の増築方法およ
び構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来のユニット建物の構成を概
略的に示す斜視図である。この図において、符号A,A,
…は建物の居間、食堂、寝室等の各部屋部分を構成する
部屋ユニット、B1,B1,…は建物中央の屋根部分を構成
する棟側屋根ユニット、また、B2,B2,…は建物の外壁
側(平側)の屋根部分を構成する軒先側屋根ユニットで
ある。
【0003】上記部屋ユニットは、壁パネルや床パネル
から基本的に構成され、また両屋根ユニットは、例え
ば、特開昭53−1918号公報に記載されているよう
に、屋根板と、この屋根板を支持する支持枠とによって
構成されている。
【0004】これらのユニットは、予め工場で生産さ
れ、建築現場において組み立てられる。組立は、まず、
部屋ユニットA,A,…を相互に連結した状態で基礎に据
え付け、次に、据え付けられた各部屋ユニットA,A,…
の上部に、屋根ユニットB1,B2,…を相互に連結した状
態で据え付けて行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
軒先側屋根ユニットは、例えば、特開平2−17845
1号公報の記載より明らかなように、屋根板が支持枠の
外側に張り出すことにより、母屋側の屋根部分(支持枠
の内側)と軒部(支持枠の外側)とが不離一体に構成さ
れていたため、以下の不都合が指摘されている。
【0006】第1に、新たに、部屋ユニットを増設しよ
うと思っても、外壁から突き出ている軒先側屋根ユニッ
トの軒部が障害となって、増設しようとする部屋ユニッ
トと既設の部屋ユニットとを相互に連結することができ
ない。このため、増設に際しては、屋根ユニットをそっ
くり取り替えなければならず、無用の労力と経費とを要
する。この場合、屋根ユニットを代えずに、敢えて連結
(増設)しようとすれば、軒部が障害となって納まりが
非常に複雑になる。なお、上記の不都合は、増築の際に
限らず、建築プラン拡充の際にも発生する問題である。
【0007】第2に、既設の屋根ユニットが道路斜線、
隣地斜線、北側斜線等の各種斜線制限を受けて、軒部の
出寸法を短くしなければならない必要性に迫られた時、
軒部だけを単独で取り替えることができない。この場合
も、長い軒部を持つ屋根ユニットを、短い軒部を持つ屋
根ユニットに交換しなければならず、無用の労力と経費
とを要する。
【0008】第3に、製造者側も、かかる事態に対処す
るために、軒部の出寸法のみが異なる屋根ユニットを多
数用意しなければならず、このため、在庫量が増大す
る。
【0009】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、増築工事の簡易化及び迅速化に寄与できると共
に、建築プランの拡充変更等に対して、円滑に対処でき
建物の増築方法および構築方法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の建物の増築方法は、着脱することが
できる軒部と、屋根板と、該屋根板を支持する支持枠と
からなる屋根ユニットを居室上に設置してなる建物の増
築方法であって、上記軒部を取り外し、前記居に屋根
付部屋ユニットを連結することを特徴としている。
た、請求項2の建物の構築方法は、着脱することができ
る軒部と、屋根板と、該屋根板を支持する支持枠とから
なる屋根ユニットを居室上に設置してなる建物の構築方
法であって、出寸法の異なる複数の軒部を用意してお
き、これらの軒部から適宜選択した軒部と前記屋根板と
上記支持枠とから屋根を構築することを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の建物の増築方法によれば、軒部
だけを単独で屋根ユニットから容易に取り外すことがで
き、居室に屋根付居室を連結するだけの工事で増築され
るので、増築工事が一段と簡易迅速低廉となる。また、
請求項2記載の建物の構築方法によれば、建物の屋根
は、適宜選択した所定の出寸法の軒部と屋根板及び支持
枠により形成されるので、道路斜線、隣地斜線、北側斜
線等の各種斜線制限に対して対応できるものとなり、建
物の構築が迅速円滑かつ経済的に行える。 さらに、建築
プランの拡充または縮小に対しても、円滑に対処するこ
とができる。さらにまた、軒部が独立取引の対象として
登場し、生産が活性化する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図1は、この発明において用いられる
なし屋根ユニット及びこれに取り付けられる軒部のそれ
ぞれの一実施例の構成を示す斜視図である。また、図2
は、同軒部が取り付けられている屋根ユニットの構成を
示す斜視図である。
【0013】ここで、軒なし屋根ユニットとは、建物の
外壁側に据え付けられ、軒部を備えるのが常態であるに
もかかわらず、軒部を備えていない屋根ユニットを意味
し、図5に示すように、軒部を備えることが常態でない
棟側屋根ユニットは原則として含まない。
【0014】図1及び図2において、符号1はこの例の
軒なし屋根ユニットであり、この軒なし屋根ユニット1
は、屋根板2と、この屋根板2を支持する支持枠3とか
ら概略構成されている。
【0015】上記支持枠3は、屋根板2の両妻側端を支
持する一対の妻トラス梁4,4と、これら妻トラス4,4
間に架設され、それぞれ屋根板2の平側下端及び上端を
支持する軒梁5及び継梁6と、これら軒梁5と継梁6と
の間に架設され、屋根板2の内側面部分を支持する複数
のたる木7,7,…とによって構成されている。
【0016】上記妻トラス梁4,4は、下枠部材8,8
と、継枠部材9,9と、上枠部材10,10とを略三角形
に枠組みしてそれぞれ構成されており、この枠内には鉛
直材11,11が補強材としてそれぞれ設けられてい
る。
【0017】上記軒梁5の外側側面は、図3に示すよう
に、軒部12を取り付ける際の、軒なし屋根ユニット1
側の接合面となっており、その面は、軒なし屋根屋根
ユニットを部屋ユニットに据え付ける際に、部屋ユニッ
トを構成する外側壁枠19の上枠に載置固定される面と
なっている。
【0018】上記屋根板2は、例えば合板製、パーチク
ル・ボード製等の野地板からなるもので、同図に示すよ
うに、その下端縁を軒梁5の外側上端縁に合わせて固定
されている。なお、屋根板2としては、野地板の上に瓦
等を載せてあっても良い。
【0019】次に、符号12はこの例の軒部を示し、こ
の軒部12は、軒板13と、この軒板13を支持するた
めの軒枠14とからなっている。この軒枠14は、軒板
13の両妻側端を支持する一対の横枠部材15,15
と、これら横枠部材15,15間に架設され、それぞれ
軒板13の下端及び上端を支える軒先板16及び構造ジ
ョイント材17と、これら軒先板16と構造ジョイント
材17との間に架設され、軒板13の内側面部分を支え
る複数の軒たる木18,18,…とから構成されている。
【0020】軒部12は、軒なし屋根ユニット1に取り
付けられると、屋根板2に滑らかにつながって、全体と
して1つの片流れ屋根を構成するように、上記軒板13
の長さ方向の寸法は、屋根板2の妻側方向の寸法と同一
にされ、また、軒たる木18,18,…は、たる木5,5,
…のピッチ間隔に合わせて並設されている。
【0021】上記構造ジョイント材17の外側側面は、
図3に示すように、軒部12を軒なし屋根ユニット1に
取り付ける際の、軒部12側の接合面となっており、軒
梁5と断面同形かつ同一の長さ寸法に形成されている。
【0022】上記軒板13は、同図に示すように、その
上端縁を構造ジョイント材17の外側上端縁に合わせて
固定されている。
【0023】軒部12を軒なし屋根ユニット1に取り付
けるには、図2及び図3に示すように、まず、構造ジョ
イント材17の外側側面を軒梁5の外側側面に当てがっ
て、両者を密着させると共に、たる木7, 7, …の延長
線上に軒たる木18, 18,…が張り出すように、軒部
12の姿態を調節する。この後、構造ジョイント材17
を、軒梁5に対して複数のボルト20, 20, …とナッ
21, 21, …との締め付けにより固定する。
【0024】取り付けられた軒部12を取り外すには、
構造ジョイント材17を固定しているボルト20,20,
…とナット21,21,…との締め付けを緩め、構造ジョ
イント材17と軒梁5との緊結を解除すれば良い。
【0025】このようにして、部屋ユニットの外壁から
突き出ている軒部12だけを単独で除去し、この部屋ユ
ニットに、図4に示すように、片流れ屋根を持つ台形状
の部屋ユニット22を連結して建物が増築される。この
ように増築工事を一段と簡易迅速かつ低廉に行うことが
できる。
【0026】また、斜線制限により、軒部の出寸法が制
限されるような事態にも、出寸法の異なる複数の軒部か
ら、斜線制限に対して対処し得る出寸法の軒部を適宜選
択して取り付ければ良いので、建物の構築に対して迅速
円滑かつ経済的に対処することができる。
【0027】また、軒部単独で販売することができるの
で、商品の多様化・生産活動の活発化に寄与することが
できる。
【0028】なお、軒部12を取り外しても、図3に示
すように、軒梁5は部屋ユニットを構成する外壁壁枠1
9の上枠に載置固定された状態に留まるので、屋根にぽ
っかり穴が開くことも、部屋ユニットと屋根ユニットと
の間に隙間が生じることもない。したがって、軒なし屋
根ユニット1も屋根として充分機能する構成となってい
るので、当初から、軒なし屋根ユニット22を用いてユ
ニット建物を建設することも可能である。
【0029】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の実
施例においては、構造ジョイント材17を軒梁5に対し
てボルト20, 20, …とナット21, 21, …との締
め付けにより固定する場合について述べたが、固定具は
ボルト及びナットに限らず、釘やリベットを使用しても
良い。また、構造ジョイント材17と軒梁5との間にス
ペーサ合板を介在させるようにしても良い。
【0030】また、屋根板2や軒部12の取付構造は実
施例に限らない。上述の実施例においては、軒部12が
支持枠に3に取り付けられる場合について述べたが、軒
部12が屋根板2に直接接合されるようにしても良く、
屋根板2及び支持枠3の両方に固定されるようにしても
良い。
【0031】また、軒部12及び支持枠3の構成も実施
例に限らない。例えば、軒部12から軒たる木18,1
8,…を除去しても良く、支持枠3はトラス方式のもの
に限定されない。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の建物の増築方法によれ
ば、軒部だけを単独で屋根ユニットから容易に取り外す
ことができ、居室に屋根付居室を連結するだけの工事で
増築されるので、増築工事が一段と簡易迅速低廉とな
る。また、請求項2記載の建物の構築方法によれば、建
物の屋根は、所定の出寸法の軒部を適宜選択して取り付
けることにより形成されるので、道路斜線、隣地斜線、
北側斜線等の各種斜線制限に対しても対応できるものと
なり、建物の構築が迅速円滑かつ経済的に行える。
た、建築プランの拡充変更等に対して、円滑かつ経済的
にに対処できる。さらに、建築プランの拡充または縮小
に対しても、円滑に対処することができる。さらにま
た、軒部が独立取引の対象として登場し、生産が活性化
する。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明において用いられる軒なし屋根ユニッ
ト及びこれに取り付けられる軒部のそれぞれの一実施例
の構成を示す斜視図である。
【図2】同軒部が取り付けられている屋根ユニットの構
成を示す斜視図である。
【図3】同軒なし屋根ユニットに対する同軒部の取付構
造を示す図である。
【図4】同実施例の効果を説明するための図である。
【図5】従来のユニット建物の構成を概略的に示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 屋根ユニット(軒なし屋根ユニット) 2 屋根板 3 支持枠 12 軒部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着脱することができる軒部と、屋根板
    と、該屋根板を支持する支持枠とからなる屋根ユニット
    を居室上に設置してなる建物の増築方法であって、上記
    軒部を取り外し、前記居室に屋根付居室を連結すること
    を特徴とする建物の増築方法。
  2. 【請求項2】 着脱することができる軒部と、屋根板
    と、該屋根板を支持する支持枠とからなる屋根ユニット
    を居室上に設置してなる建物の構築方法であって、出寸
    法の異なる複数の軒部を用意しておき、これらの軒部か
    適宜選択した軒部と前記屋根板と上記支持枠とから屋
    根を構築することを特徴とする建物の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH075132Y2 (ja) * 1988-09-12 1995-02-08 トヨタ自動車株式会社 住宅の屋根パネル構造
JPH0423728U (ja) * 1990-06-18 1992-02-26
JP2539687Y2 (ja) * 1991-02-04 1997-06-25 ミサワホーム株式会社 ユニット式建物の軒先取付構造

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