JP2710046B2 - パイル織機のたて糸張力制御方法 - Google Patents
パイル織機のたて糸張力制御方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は、布移動式のパイル織機において、パイルた
て糸を積極的に送り出す装置に関し、特に、布の移動に
ともなって、たて糸張力を正確に制御するための方法に
関する。 〔従来の技術〕 パイル織機の送り出し装置は、送り出しビームからの
パイルたて糸を織機の前後方向に変位可能なテンション
ロールに巻き掛け、テンションロールに荷重を与えて、
この荷重とパイルたて糸の張力とを釣り合わせるととも
に、パイルたて糸の消費量に応じて送り出しビームを送
り出し方向に回転させることにより、パイルたて糸を送
り出し、パイルの形成にともなう布の前後方向の移動に
追従してテンションロールを前後方向に変位させてい
る。 特に、布移動式のパイル織機、例えばタオル織機の送
り出し装置は、パイルたて糸の送り出し過程で、織機の
主軸の数回転中に1回だけ、パイルたて糸およびパイル
組織の布を急速に送り出し、しかもパイル形成のために
その張力を低い値に設定する。このとき、テンションロ
ールの停止中の慣性力(静止の慣性力)、またはテンシ
ョンロールの前後あるいは後方への移動中の慣性力(運
動の慣性力)がパイルたて糸に作用するため、パイルた
て糸の張力は、布移動にともなって増大または減少し、
変動する。パイルたて糸の張力が増大すると、パイル抜
けが起き、またパイルたて糸の張力が減少すると、パイ
ルたて糸が開口不良となって、よこ入れ不良が起きやす
くなるため、安定なパイル製織は、不可能になる。 なお、パイルたて糸の送り出しにともなって、テンシ
ョンロールが回転するが、そのときのテンションロール
自体の回転は、低速で、回転量も少ないので、テンショ
ンロールの回転の慣性は、問題とならない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、布移動式のパイル織機において、テ
ンションロールの前後方向の変位にともなう慣性を打ち
消す方向の力をテンションロールに作用させることによ
り、パイル抜けや、パイルたて糸の開口不良を未然に防
止することである。 〔発明の解決手段〕 そこで、本発明は、織機のフレームに対してパイルた
て糸のテンションロールを機械的な支持系により前後方
向に変位自在に設けて、送り出しビームからのパイルた
て糸を上記テンションロールに巻き掛け、テンションロ
ールにパイルたて糸の張力と釣り合う方向の力を作用さ
せるとともに、パイルの形成にともなう布の前後移動に
追従してテンションロールを前後方向に変位させ、パイ
ルたて糸の消費量に応じて送り出しビームを送り出し方
向に回転させるパイル織機の送り出し装置において、上
記テンションロールの機械的な支持系に電気量−力の変
換手段を連結し、上記布の前後移動に伴うテンションロ
ールの前後方向の変位時に、上記電気量−力の変換手段
に電気信号を入力することにより、テンションロールの
前後方向の変位にともなう慣性を打ち消す方向の力をテ
ンションロールの機械的な支持系に与えることにより、
パイル抜きやパイルたて糸の開口不良を防止しながら、
パイルたて糸の張力を目標の値に制御するようにしてい
る。 ここで、代表的な実施例によれば、上記テンションロ
ールの前後方向の変位にともなう慣性を打ち消す方向の
力は、電気量−力の変換手段、例えばACサーボモータや
トルクモータなどにより回転力として、テンションロー
ルの機械的な支持系としてのテンションレバーの回転中
心に与えられる。 〔送り出し制御系の構成および機能〕 第1図は、本発明のパイル織機のたて糸張力制御方法
にもとづいて、織機の送り出し装置1をパイルたて糸2
の送り出しに応用した例を示している。多数のパイルた
て糸2は、織機の後側で、パイル送り出しビーム3の外
周に織り幅にわたって、シート状に巻き付けられてお
り、送り出しモータ3の回転によってギヤなどを積極的
に送り出され、ガイドロール5およびテンションロール
6の外周に巻き掛けられた後、織機の前側の織り前7の
方向に供給される。 上記ガイドロール5およびテンションロール6は、と
もに、織機のフレーム10に対し、機械的な支持系として
のテンションレバー8によって、織機の前後方向に回動
自在に支持されている。このテンションレバー8は、支
点軸9によってフレーム10の定位置で回動自在に支持さ
れており、これの一端とフレーム10のスプリング掛け11
との間に設けられた張力スプリング12によって、パイル
たて糸2に対し常に張力を掛ける方向に付勢されてい
る。 上記支点軸9は、第2図に示すように、ギヤ13a、13b
によって、あるいは第3図に示すように、空隙式の電磁
クラッチ14を介して、電気量−力の変換手段、例えばAC
サーボモータ15によって工藤されるようになっている。
このACサーボモータ15は、後述するように、張力制御装
置56によって制御されるようになっており、本発明のた
て糸張力制御方法にもとづいて、いずれかの方向に回転
し、停止状態でも、電流値に比例した所定の力として、
回転力を発生し続ける。このように、電気量−力の変換
手段は、張力制御装置56の出力としての電気量の信号を
当該電気量に比例した力に変換するものである。 そして、前記送り出しモータ4は、送り出し制御装置
16の制御下に置かれている。この送り出し制御装置16
は、変位検出器17によって検出されるテンションレバー
8の変位を所定の周期でサンプリングすることで、パイ
ルたて糸2の製織にともなう消費量を間接的に測定し、
その消費量に応じて、送り出しモータ4を送り出し方向
に駆動し、パイルたて糸2を送り出していく。 送り出し制御装置16は、送り出しモータ4を回転数N
(rpm)で駆動する。上記回転数Nは、後述の〔パイル
たて糸の送り出し量〕の欄に記載されているように、基
本回転数としてのモータ回転数Noと、自動制御系の出力
としての出力Mpとの和から計算される。したがって、パ
イルたて糸2の送り出しは、基本回転数としてのモータ
回転数Noで常時行われている。そして、送り出し量は、
モータ回転数Noに応じた量と、テンションレバー8の時
計方向への前後方向の変位つまり出力Mpに応じた量の和
となる。したがって、送り出しは、製織中に、常時行わ
れており、送り出しの時期(開始・停止)は、不定であ
る。 なお、この送り出し制御装置16は、フィードバック制
御系であり、通常、大きな時定数で応答するため、開口
運動時、あるいはパイル形成時の一時的なテンションロ
ール6の前後方向の変位を制御の対象としていない。こ
の送り出し制御装置16の内部構成は、後に第4図ととも
に詳記する。 一方、地たて糸18は、従来と同様に、地たて送り出し
ビーム19によって供給され、テンションロール20に巻き
掛けられ、織機の前方に案内されて、ヘルド21に通さ
れ、それらのヘルド21の上下運動によって、パイルたて
糸2とともに開口22を形成し、この開口22の位置でよこ
糸23と交錯し、おさ28によっておさ打ちされたよこ糸23
とともに、布24となる。 この布24は、前後方向に変位可能なクロスロール25、
定位置の巻取りロール26および複数の案内ロール25a、2
5bを経て、巻取りビーム27の外周に巻き取られていく。 なお、上記テンションロール20も、支点軸30に対し、
回動自在のテンションレバー29によって、前後方向に変
位自在に支持されており、張力スプリング31によって地
たて糸18に所定の張力を与える方向に付勢されている。
しかも、この支点軸30は、支持アーム30aによってフレ
ーム10に対し支点軸30bにより前後方向に揺動可能な状
態で支持されている。 布移動式のパイル織機では、第12図に見られるよう
に、おさ打ちの位置は、常に一定であるが、織り前7お
よび布24は、前後方向に移動する。布24に対するクロス
ロール25および地たて糸18に対するテンションロール20
は、前記の通り、前後方向に変位可能な状態で支持され
ており、通常、パイルモーション発生用の確動カム機構
によって、織機の主軸55の回転と同期した状態で、ファ
ーストピックのおさ打ち後に前方向に移動することによ
り、織り前7を前(布巻き取り側)方向に移動させ、2
回のルーズピックで適当なおさ逃げ量dを与える。 パイルたて糸18の送り出しは、これらのクロスロール
25やテンションロール20の前後方向の動きと直接関係せ
ず、前記のように、基本の速度で送り出しを行いつつ、
テンションレバー8の動きに応動して、送り量を増加ま
たは減少させる制御により行われる。 地たて送り出しビーム19や巻取りロール26および巻取
りビーム27の回転は、電動モータまたは機械式の送り出
し機構あるいは巻取り機構によって駆動されるようるな
っているが、それらの部分は、従来と同様である。 織機の運転によって、製織が進行すると、パイルたて
糸2が布24に織り込まれ、順次前方へ移動するため、パ
イルたて糸2の張力は、次第に高まっていく。それに伴
って、テンションレバー8は、張力スプリング12に抗し
て、第1図で時計方向に回動する。このときのテンショ
ンレバー8の変位は、変位検出器17によって変位量に比
例する電気的な信号として常時検出されている。なお、
検出は、常時連続的に行われているが、検出された電気
的な信号は、後述するように、サンプリングの技法によ
り所定のサンプリング回転角ごとに不連続な状態で送り
出し制御に利用される。 そして、検出された信号が送り出し制御装置16の入力
となるため、送り出し制御装置16は、送り出しモータ4
を積極的に回転させることによって、パイルたて糸2の
パイル送り出しビーム3を送り出し方向に回転させ、パ
イルたて糸2を送り出すことにより、テンションレバー
8の変位を解消して行く。 また、地たて糸18の送り出しは、上記のように、電動
モータ式の送り出し機構あるいは機械式の送り出し機構
によって送り出される。電動モータ式の送り出し機構で
あれば、その制御装置は、地たて糸18を基本速度で常
時、継続的に送り出しており、その送り出し過程で、地
たて糸18の張力を検出し、その検出した張力と目標の張
力とを比較して、地たて糸18の張力を目標の張力値とな
るように、基本速度を増加または減少させる。このよう
に、地たて糸18の送り出し動作は、常時連続的に行われ
ており、その速度は、目標の張力値に対する高低に応じ
て変化する。 〔パイル製織の動作〕 3本よこタオルのパイル組織の製織では、1繰り返し
は3ピックすなわち織機の主軸55の3回転であり、第12
図に見られるように、のルーズピック→のルーズピ
ック→のファーストピックとなり、の前進の過程を
経てのルーズピックに戻る。 第13図に見られるように、よこ入れは、95度から240
度の間で行われ、よこ糸23は、地たて糸18およびパイル
たて糸2の開口の状態で、開口内を飛走する。 そして、地たて糸18およびパイルたて糸2の、開口状
態は、第13図に見られる通りである。 織り前7(布24)の前方への移動時期は、1、2ピッ
ク目をルーズピックとするために、1ピック目の45度か
ら315度(終了)に設定されている。また、織り前7
(布24)の後方への移動時期は、3ピック目をファース
トピックとするために、3ピック目の45度から315度
(終了)の間に行われる。 そして、おさ打ちは、第1および第2番目のよこ入れ
で、通常の組織と同じように、おさ打ちされるが、第3
番目のよこ入れでは、いわゆるテリーモーションという
特殊なおさ打ちが行われる。第12図に見られるように、
おさ打ち点は、常に定位置であり、1、2ピック目
(、)では、織り前7が長打ち位置より前進して、
離れているため、よこ糸23は、不完全におさ打ちされる
が、3ピック目では、織り前7が後退して、おさ打ち位
置にあるため、おさ打ちは完全な状態となる。この完全
なおさ打ちにより、パイルたて糸2は、おさ逃げ量d
(不完全なおさ打ち時の織り前7とおさ打ち位置との離
間距離)に応じたパイルを形成する。 以上の全体的な動作のタイミングは、第13図に見られ
る通りである。なお、第13図では、第6図のパターン1
が代表例として記載されている。 〔パイルたて糸の送り出し量〕 前記の通り、3本よこタオルのパイル組織では、1繰
り返しが3ピックすなわち織機の主軸55の3回転であ
り、第1および第2のよこ入れでは、パイルが形成され
ないので、普通の組織と同じようなおさ打ちが行われる
が、第3番目のよこ入れでは、パイルが形成されるた
め、いわゆるテリーモーションという特殊なおさ打ちが
行われ、このときに、パイルたて糸2を低い張力でしか
もパイルの形成に必要な長さだけ急速に送り出す必要が
ある。 ここで、パイルたて糸2の送り出し量は、以下のよう
な計算によって求められる。 今、ここでパイル送り出しビーム3の回転数をω〔rp
m〕で、パイルたて糸2の巻き付け半径をR〔mm〕とす
ると、パイル送り出しビーム3の周速度vは、下記の式
によって求められる。 一方、織機の主軸55の回転数をn〔rpm〕とし、よこ
糸23の打込数をB〔本/cm〕とすれば、1ピック当りの
送り量は、10/B〔mm〕であるから、おさの逃げ量をd
〔mm〕とすれば、3ピックで必要なたて糸送り量Lは、
下記の式によって与えられる。 そして、3ピックに要する時間は3×(60/n)〔se
c〕であるから、周速度vは、下記のように書き改めら
れる。 以上の2式から周速度vを消去すると、回転数ωは、
下記のようになる。 ここで、送り出しモータ4からパイル送り出しビーム
3までのギヤ比をmとすれば、モータ回転数No〔rpm〕
は下記の式で求められる。 上記の式がパイルたて糸2の基本演算式であり、上記
ギヤ比mはシステムに固有の値であるから、巻き付け半
径R、回転数n、打込数Bおよびおさ逃げ量dを与えれ
ば、基本のモータ回転数Noは、演算可能となる。 第4図は、送り出し制御装置16の一例であり、このよ
うな基本的なモータ回転数Noを求める過程をブロックに
より示している。すなわち、主軸55の回転数n、打込数
Bおよびおさ逃げ量dは、設定器33によりパラメータと
して入力され、予め設定される。また、パイル送り出し
ビーム3の位置で、パイルたて糸2の巻き付け半径R
は、公知の手段の巻径検出器32によって常に測定されて
いる。そこで、演算器34は、これらの数値を入力とし、
上記の基本演算式による計算をして、モータ回転数Noを
ディジタル量として算出する。 一方、この基本演算式に自動制御系の出力Mpが加えら
れる。すなわち、最終的な回転数N〔rpm〕は、下記の
式によって求められる。 自動制御系の出力Mpは、主軸55の3回転つまり1繰り
返し(サンプリング周期)中の一定の回転角ごとに3r回
サンプリングして得られるテンションレバー8の変位XI
を平均して得られるPID出力であり、下記のように表さ
れる。なお、上記rは、サンプリング回数を設定する変
数であり、自然数1、2、3・・・として与えられる。
例えばr=1として設定されたとき、主軸55の1回転中
の所定のサンプリング回転角で変位XIを1回だけ検出す
るので、変位XIは、主軸55の3回転つまり1繰り返し
(サンプリング周期)で合計3回取り込まれることにな
る。 第4図は、同様に以上の過程をブロックで例示してい
る。すなわち、変位検出器17の出力は、サンプルホール
ド回路35によって、所定のサンプリング回転角ごとに保
持され、A/D変換器36によりアナログ量からディジタル
量の出力Xiに変換され、さらに平均化回路37により、あ
るサンプリング回数kについての平均値X(k)とな
る。もちろん、この1連のサンプリング・平均値動作
は、変位検出タイミング検出器38によって、織機の主軸
55の所定のサンプリング回転角毎に1繰り返し(サンプ
リング周期)中にサンプリング回数kに応じて実行され
る。 そして、平均値X(k)は、PID制御器39によって、
比例・積分・微分動作の下に出力Mpとなり、加算演算器
40により、最終的にディジタル的な指令の回転数Nとな
る。このあと、回転数Nの信号は、D/A変換器41によっ
て、アナログ量に変換され、加え合わせ点42を経て、駆
動増幅器43で増幅された後に、直流の送り出しモータ4
を駆動する。このときの送り出しモータ4の回転は、フ
ィードバック制御系のタコジェネレータ44によって検出
され、加え合わせ点42に負帰還される。 〔テンションロールへの力の付与〕 一方、テンションレバー8に与えられる力は、第5図
から下記のようにして求められる。パイルたて糸2の張
力Tの合成力のテンションレバー8に垂直な方向の成分
をFT、張力スプリング12によってテンションレバー8に
垂直な方向の成分をFOとすると、モーメントの釣り合い
の式は下記のようになる。 R1・FO=R2・FT FO=K・αx ここで、αは垂直方向の有効成分を示す係数で、Kは
ばね定数で、xは変位量であり、またR1、R2はそれぞれ
支点軸9から各作用点までの有効長さを示す。パイルた
て糸2は、上記の関係を保ちながら、変位検出器17によ
るフィードバック制御により、一定の低い張力Tで送り
出されていく。 クロスロール25がおさ逃げ量dだけ前方へ移動すると
きに、テンションロール6は、前方へ移動する。このと
き張力スプリング12が変位量Δxだけ伸びたとすれば、
次の式が成り立つ。 すなわち、パイルたて糸2の張力Tが増大し、これが
大きいと、パイル抜けが発生することになる。 そこで、ACサーボモータ15は、テンションレバー8を
第5図で時計方向に回動させ、テンションロール6に回
転力TMを付与する。このとき、上記式は下記の通り書き
改められる。 したがって、回転力TM=R1・K・α・Δxで与えられ
るトルクを与えれば、ΔFT=0となり、張力Tは増大し
ない。さらに、回転力TM>R1・K・αΔxとすれば、Δ
FT<0、すなわち張力Tを減少させ、弱くすることも可
能であり、そのように設定すれば、パイル抜けは、確実
に防止できる。 このとき、張力スプリング12の伸縮とパイルたて糸2
の張力Tの関係として、張力スプリング12の見掛け上の
ばね定数をK′とすれば、下記のような式が成立する。 すなわち、見掛け上のばね定数K′が、この場合に事実
上小さくなっている。 〔テンションロールの前後方向の変位にともなう慣性の
打ち消し〕 ところで、布移動式パイル織機では、製織運動と同期
して、パイル組織の布24が移動し、クロスロール25が前
後方向に移動しており、このクロスロール25が再び後方
へ移動するとき、これに伴ってテンションロール6も従
動的に移動することになる。このとき、テンションロー
ル6自体、およびその機械的な支持系(レバー8)の静
止の慣性が大きいと、テンションロール6が充分に後退
しないため、パイルたて糸2または地たて糸18がゆる
み、開口不良となって、よこ入れができなくなる。ま
た、テンションロール6が後方へ移動しきった位置で、
テンションロール6が運動の慣性によって必要以上にオ
ーバーランすると、張力Tが高くなり、開口不良が発生
したり、均一なパイルの形成ができなくなったりする。 そこで、張力制御装置56は、本発明のパイル織機のこ
て糸張力制御方法による制御を実行する。 第12図の、およびは、本発明に係るパイル織機
のたて糸張力制御方法による作用効果の説明図である。 は、ルーズピックの状態を示しており、この状態でテ
ンションレバー8は、電気量−力の変換手段としてのAC
サーボモータ15に連結されており、テンションロール6
は、そのトルクによって前後方向に移動可能な状態で支
持されている。 のルーズピックの状態で、織り前7(布24)が後退を
開始するとき、ACサーボモータ15は、テンションレバー
8の支点軸9に対して反時計方向のトルクを一時的に作
用させることによって、停止状態のテンションロール6
を後退方向に強制的に移動させる。これにより、テンシ
ョンロール6の静止時の慣性は、ACサーボモータ15の一
時的な回転力によって、速やかに打ち消されるので、テ
ンションロール6は、布24の後退に速やかに追従する。
ACサーボモータ15のトルクが作用しなくなれば、それ以
後、テンションロール6は、張力スプリング12の付勢力
に応じた力をパイルたて糸2に作用させながら移動す
る。このようにして、ACサーボモータ15の回転力は、パ
イルたて糸2の緩みを防止する。もし、パイルたて糸2
に緩みが発生すると、開口不良となり、よこ入れミスな
どが発生しやすくなる。 また、は、ファーストピックの状態である。この状
態で、織り前7(布24)の後退が完了しているので、織
り前7は、おさ打ち位置と一致している。織り前7(布
24)が後退を完了したとき、テンションロール6は、移
動時の運動の慣性によって、引続き移動しようとするた
め、見かけ上張力スプリング12の力が強くなる。つま
り、織り前7(布24)が後退方向に移動し、その後退が
完了したとき、テンションロール6は、パイルたて糸2
の後退方向の移動に伴って、運動の慣性力を後退方向に
作用させている。この慣性力は、第12図でテンションレ
バー8に対して反時計方向に回動させる方向の力として
作用するため、張力スプリング12の引張力と同じ回転モ
ーメントとして、テンションレバー8に作用する。した
がって、パイルたて糸2は、張力スプリング12からの引
張力と、テンションロール6の運動時の慣性力とを同時
に受けることになり、これは、見かけ上、張力スプリン
グ12の力が強くなっていることと同じ現象となる。この
とき、ACサーボモータ15は、それに見合う時計方向の力
を布24の移動終了時に作用させることによって、見かけ
上のスプリング力を減少させ、パイルたて糸2の張力の
高まりを抑えることによって、パイル抜けを防止する。 さらに、は、織り前7(布24)が前進するときの状
態を示している。このとき、テンションロール6に停止
時の静止の慣性が働いているため、張力スプリング12の
力は、見かけ上強くなる。このとき、ACサーボモータ15
は、時計方向の力を作用させることによって、テンショ
ンロール6の停止時の静止の慣性を打ち消す。 このように、布移動式のパイル織機では、織り前7
(布24)の前進または後退時にテンションロール6に停
止時の静止の慣性または移動時の運動の慣性が働き、こ
れがパイルたて糸2の張力を一時的に高めたり低めたり
する。このような布移動運動によって、パイルたて糸2
の張力が目標張力から増大または減少するが、このと
き、電気量−力の変換手段としてのACサーボモータ15
は、それらの慣性力を打ち消す方向に回転力を作用させ
るから、パイルたて糸2の張力は、布移動に伴うテンシ
ョンロール6の慣性力に影響されず、目標値に正確に設
定できる。 第6図は、3ピック1繰り返しのパイル組織で、おさ
打ち、布移動との関連で、テンションロール6の前後運
動のパターン1、2、3、4a、4bを示している。織り前
7(たて糸だけの部分と布との境界線)は、布24の一部
である。したがって、この図において、布移動は、その
まま織り前7の位置の移動と対応している。 ちなみに、パターン1、2、3、4a、4bは、テンショ
ンロール6の前後運動のパターンであるが、同時に、モ
ータ15の駆動パターンでもある。 パターン1によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止する。また、布24(織
り前7)が前進方向に移動するとき、その移動期間にわ
たって、ACサーボモータ15は、テンションロール6に前
方に移動させる方向の力を与え、織り前7の前進を速や
かに行わせている。 パターン2によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
た後方への移動の完了時点から布24(織り前7)の前進
完了までの期間でテンションロール6に前方に移動させ
る方向の力を与え続け、運動の慣性を打ち消すとともに
パイルたて糸2の張力の高まりを防止する。 パターン3によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止する。また、布24(織
り前7)が後退した時点から前進方向に移動までの期間
にわたって、ACサーボモータ15は、テンションロール6
に前方に移動させる方向の小さな力を与え、織り前7の
前進を助けている。 パターン4aによれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止した後、小さな力を与
え続け、移動後の動きを抑えている。また、布24(織り
前7)が前進方向に移動するとき、その移動期間にわた
って、ACサーボモータ15は、テンションロール6に前方
に移動させる方向の大きな力を与え、織り前7の前進を
速やかに行わせている。 なお、パターン4bは、パターン1に対し、与える力を
小さく設定したものである。 上記のように、それぞれのパターンは、布24(織り前
7)の前後方向の移動に対応して、サーボモータ15の回
転力をテンションロール6に対し前方または後方に作用
させることを表している。 このように、布24が後退方向に移動するとき、ACサー
ボモータ15は、織り前7を後方に移動させる方向に力を
与え、その移動の完了時点で織り前7を前方に移動させ
る方向の力を与えており、また布24の前進時に、布24の
後退完了後継続的にまたは断続状態で織り前7を前方に
移動させる方向の力を与えている。このようなパターン
1、2、3、4a、4bは、パイルたて糸2の種類や、織り
前7の移動量、さらにテンションロール6の慣性などを
考慮して、適当な形態として設定される。 また、パイルたて糸2には、通常の開口運動、おさ打
ち運動による張力変動以外に、布24の移動による張力変
動などが複雑な位相関係をもって現れる。このような複
雑な張力変動も、パターンの設定によって相殺できる。 なお、地織りの部分では、布24の移動を禁止するとと
もに、テンションロール6への強制的な張力付与機構も
停止させる。 また、ACサーボモータ15の場合には、第2図に示すよ
うに、その回転力が2つのギヤ13a、13bを介して、支点
軸9に直接伝達されるため、テンションロール6の機械
系の質量が大きくなる。しかし、第3図に示すように、
それらの回転力の伝達過程に、空隙式の電磁クラッチ14
を介在させれば、テンションロール6の機械系の慣性が
小さくできるので有利である。 〔実施例1(第7図)〕 この実施例1は、張力制御装置56によって、上記電気
量−力の変換手段すなわちACサーボモータ15を所定の駆
動パターンで駆動する場合の基本的な構成を示してい
る。すなわち、関数発生器45は、所定の駆動パターンを
記憶しており、角度検出器46によって織機の主軸55の1
回転中の角度を検出し、その回転角度に応じて駆動パタ
ーンの出力を読み出し、これを加え合わせ点47を介し駆
動増幅器48に出力している。そこで、この駆動増幅器48
は、その入力信号に応じて、ACサーボモータ15を駆動し
ていく。一方、このACサーボモータ15の回転は、タコジ
ェネレータ49によって回転速度に比例する電気量の信号
として検出され、上記加え合わせ点47に負帰還されてい
る。このようにして、駆動増幅器48は、関数発生器45で
指定される駆動パターンにもとづいて、フィードバック
制御の下に、ACサーボモータ15の回転力TMを織機の回転
とともに制御していく。 〔実施例2(第8図)〕 この実施例2は、ACサーボモータ15に対する複数の駆
動パターンと対応し、複数の関数発生器45a、45b・・45
nを用意し、これらの出力側の接点50a、50b・・50nをパ
ターン選択回路51によって、択一的にオンの状態に設定
し、加え合わせ点47に出力する例を示している。ここ
で、パターン選択回路51は主軸55のシャフトエンコーダ
52からの信号に基づいて、複数の関数発生器45a、45b・
・45nのいずれかを選択していく。同時に、このパター
ン選択回路51は、予め設定された入力情報に基づいて、
開口運動の指令、よこ糸23の選択、打込数(密度)Bの
選択などの制御をも行っていく。なお、この実施例で、
ACサーボモータ15の回転は、パルスジェネレータ53によ
って、パルス信号として検出され、F/V変換器54によっ
て、パルス周波数に比例する電圧の信号に変換され、加
え合わせ点47に帰還されている。 〔実施例3(第9図)〕 この実施例3は、前記実施例1と基本的に同じである
が、駆動増幅器48に正転または逆転の指令を与え、電気
量−力の変換手段としてのACサーボモータ15をいずれの
方向にも回転可能とする例である。なお、駆動源が逆転
不能であるときには、支点軸9の各端部に互いに逆方向
に回転する回転駆動源と空隙式の電磁クラッチ14を介在
させれば、1方向の回転駆動源によって、いずれの方向
への回転力TMの付与も可能となる。 〔実施例4(第10図)〕 この実施例4は、主軸55の回転速度に応じて、ACサー
ボモータ15に対する駆動パターンを選択する例である。
織機の高速運転または低速運転に応じて、接点50a、50b
が選択的にオンの状態となり、関数発生器45a、45bか
ら、第6図で示すような駆動パターン4aまたは駆動パタ
ーン4bが選択的に出力される。 〔実施例5(第11図)〕 この実施例5は、定電源回路57および駆動増幅器48に
よってACサーボモータ15を定速度で駆動するとともに、
空隙式の電磁クラッチ14を関数発生器45により駆動する
例である。すなわち関数発生器45は、角度検出器46から
の回転角度に応じて、駆動増幅器58を駆動し、電磁クラ
ッチ14に働く回転伝達力を連続的に制御していく。この
結果、ACサーボモータ15の回転力は、電磁クラッチ14に
より、駆動パターンに応じたトルクつまり回転力TMに変
換され、支点軸9に伝達される。 〔発明の他の実施例〕 また、以上の実施例は、いずれもテンションロール6
をテンションレバー8によって前後方向に回動運動可能
な状態で支持しているが、このテンションロール6の支
持形態は、例えば前後方向の直線に沿って変位可能な状
態で支持してもよく、したがって、電気量−力の変換手
段は、回転力に限らず、直線方向の力を発生するもので
あってもよい。 さらに、電気量−力の変換手段が張力スプリング12の
弾力をも負担する形式のものであれば、この張力スプリ
ング12は、省略することもできる。すなわち、テンショ
ンレバー8に対して張力スプリング12とACサーボモータ
15とが連結されているため、張力スプリング12の付勢力
は、常時、パイルたて糸2に対して基本の張力を常時継
続的に与えるよう作用している。これに対して、ACサー
ボモータ15は、布24(織り前7)の前後方向の移動に伴
って、テンションロール6が前後方向に移動するとき、
その移動の開始時点と、移動の終了時点など、テンショ
ンロール6の前後方向の移動に伴う慣性力を打ち消す方
向に不連続で一時的に力を作用させる。したがって、AC
サーボモータ15の力は、テンションレバー8に張力スプ
リング12により常時作用している力に対して特定のとき
にのみ畳重的に加算されることになる。ここで、ACサー
ボモータ15が張力スプリング12に代わって、常時、テン
ションレバー8に対してパイルたて糸2に対し必要な基
本の張力に対応する力を与えておれば、張力スプリング
12は不要となる。もちろん、この場合、ACサーボモータ
15は、テンションロール6の前後方向の移動開始時およ
び終了時などに前記と同様に、それらの移動に伴う慣性
力を打ち消す方向の回転力を重畳的にテンションレバー
8に動作させることになる。つまり、張力スプリング12
を省略するときには、ACサーボモータ15は、張力スプリ
ング12の弾力に対応する基力的な力と、テンションロー
ル6の前後方向の移動に伴う慣性力を打ち消す方向の一
時的な力とを同時に作用させるよう働くことになる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、テンションロールが機械的な支持系
によって、布の前後方向の移動に対応して前後方向に変
位自在に支持され、かつその機械的な支持系に電気量−
力の変換手段が連結されており、テンションロールの前
後方向の移動時および移動停止時に電気量−力の変換手
段がテンションロールの移動開始に伴う静止の慣性力や
移動終了に伴う運動の慣性力を打ち消す方向の力をテン
ションロールの機械的な支持系に作用させるため、テン
ションロールの慣性の影響を受けずに、布の前後移動を
速やかに追従させることができる。これによって、パイ
ルたて糸の張力の増大によるパイル抜けや、パイルたて
糸の張力の減少による開口不良が防止でき、安定したパ
イル製織が可能となる。
て糸を積極的に送り出す装置に関し、特に、布の移動に
ともなって、たて糸張力を正確に制御するための方法に
関する。 〔従来の技術〕 パイル織機の送り出し装置は、送り出しビームからの
パイルたて糸を織機の前後方向に変位可能なテンション
ロールに巻き掛け、テンションロールに荷重を与えて、
この荷重とパイルたて糸の張力とを釣り合わせるととも
に、パイルたて糸の消費量に応じて送り出しビームを送
り出し方向に回転させることにより、パイルたて糸を送
り出し、パイルの形成にともなう布の前後方向の移動に
追従してテンションロールを前後方向に変位させてい
る。 特に、布移動式のパイル織機、例えばタオル織機の送
り出し装置は、パイルたて糸の送り出し過程で、織機の
主軸の数回転中に1回だけ、パイルたて糸およびパイル
組織の布を急速に送り出し、しかもパイル形成のために
その張力を低い値に設定する。このとき、テンションロ
ールの停止中の慣性力(静止の慣性力)、またはテンシ
ョンロールの前後あるいは後方への移動中の慣性力(運
動の慣性力)がパイルたて糸に作用するため、パイルた
て糸の張力は、布移動にともなって増大または減少し、
変動する。パイルたて糸の張力が増大すると、パイル抜
けが起き、またパイルたて糸の張力が減少すると、パイ
ルたて糸が開口不良となって、よこ入れ不良が起きやす
くなるため、安定なパイル製織は、不可能になる。 なお、パイルたて糸の送り出しにともなって、テンシ
ョンロールが回転するが、そのときのテンションロール
自体の回転は、低速で、回転量も少ないので、テンショ
ンロールの回転の慣性は、問題とならない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、布移動式のパイル織機において、テ
ンションロールの前後方向の変位にともなう慣性を打ち
消す方向の力をテンションロールに作用させることによ
り、パイル抜けや、パイルたて糸の開口不良を未然に防
止することである。 〔発明の解決手段〕 そこで、本発明は、織機のフレームに対してパイルた
て糸のテンションロールを機械的な支持系により前後方
向に変位自在に設けて、送り出しビームからのパイルた
て糸を上記テンションロールに巻き掛け、テンションロ
ールにパイルたて糸の張力と釣り合う方向の力を作用さ
せるとともに、パイルの形成にともなう布の前後移動に
追従してテンションロールを前後方向に変位させ、パイ
ルたて糸の消費量に応じて送り出しビームを送り出し方
向に回転させるパイル織機の送り出し装置において、上
記テンションロールの機械的な支持系に電気量−力の変
換手段を連結し、上記布の前後移動に伴うテンションロ
ールの前後方向の変位時に、上記電気量−力の変換手段
に電気信号を入力することにより、テンションロールの
前後方向の変位にともなう慣性を打ち消す方向の力をテ
ンションロールの機械的な支持系に与えることにより、
パイル抜きやパイルたて糸の開口不良を防止しながら、
パイルたて糸の張力を目標の値に制御するようにしてい
る。 ここで、代表的な実施例によれば、上記テンションロ
ールの前後方向の変位にともなう慣性を打ち消す方向の
力は、電気量−力の変換手段、例えばACサーボモータや
トルクモータなどにより回転力として、テンションロー
ルの機械的な支持系としてのテンションレバーの回転中
心に与えられる。 〔送り出し制御系の構成および機能〕 第1図は、本発明のパイル織機のたて糸張力制御方法
にもとづいて、織機の送り出し装置1をパイルたて糸2
の送り出しに応用した例を示している。多数のパイルた
て糸2は、織機の後側で、パイル送り出しビーム3の外
周に織り幅にわたって、シート状に巻き付けられてお
り、送り出しモータ3の回転によってギヤなどを積極的
に送り出され、ガイドロール5およびテンションロール
6の外周に巻き掛けられた後、織機の前側の織り前7の
方向に供給される。 上記ガイドロール5およびテンションロール6は、と
もに、織機のフレーム10に対し、機械的な支持系として
のテンションレバー8によって、織機の前後方向に回動
自在に支持されている。このテンションレバー8は、支
点軸9によってフレーム10の定位置で回動自在に支持さ
れており、これの一端とフレーム10のスプリング掛け11
との間に設けられた張力スプリング12によって、パイル
たて糸2に対し常に張力を掛ける方向に付勢されてい
る。 上記支点軸9は、第2図に示すように、ギヤ13a、13b
によって、あるいは第3図に示すように、空隙式の電磁
クラッチ14を介して、電気量−力の変換手段、例えばAC
サーボモータ15によって工藤されるようになっている。
このACサーボモータ15は、後述するように、張力制御装
置56によって制御されるようになっており、本発明のた
て糸張力制御方法にもとづいて、いずれかの方向に回転
し、停止状態でも、電流値に比例した所定の力として、
回転力を発生し続ける。このように、電気量−力の変換
手段は、張力制御装置56の出力としての電気量の信号を
当該電気量に比例した力に変換するものである。 そして、前記送り出しモータ4は、送り出し制御装置
16の制御下に置かれている。この送り出し制御装置16
は、変位検出器17によって検出されるテンションレバー
8の変位を所定の周期でサンプリングすることで、パイ
ルたて糸2の製織にともなう消費量を間接的に測定し、
その消費量に応じて、送り出しモータ4を送り出し方向
に駆動し、パイルたて糸2を送り出していく。 送り出し制御装置16は、送り出しモータ4を回転数N
(rpm)で駆動する。上記回転数Nは、後述の〔パイル
たて糸の送り出し量〕の欄に記載されているように、基
本回転数としてのモータ回転数Noと、自動制御系の出力
としての出力Mpとの和から計算される。したがって、パ
イルたて糸2の送り出しは、基本回転数としてのモータ
回転数Noで常時行われている。そして、送り出し量は、
モータ回転数Noに応じた量と、テンションレバー8の時
計方向への前後方向の変位つまり出力Mpに応じた量の和
となる。したがって、送り出しは、製織中に、常時行わ
れており、送り出しの時期(開始・停止)は、不定であ
る。 なお、この送り出し制御装置16は、フィードバック制
御系であり、通常、大きな時定数で応答するため、開口
運動時、あるいはパイル形成時の一時的なテンションロ
ール6の前後方向の変位を制御の対象としていない。こ
の送り出し制御装置16の内部構成は、後に第4図ととも
に詳記する。 一方、地たて糸18は、従来と同様に、地たて送り出し
ビーム19によって供給され、テンションロール20に巻き
掛けられ、織機の前方に案内されて、ヘルド21に通さ
れ、それらのヘルド21の上下運動によって、パイルたて
糸2とともに開口22を形成し、この開口22の位置でよこ
糸23と交錯し、おさ28によっておさ打ちされたよこ糸23
とともに、布24となる。 この布24は、前後方向に変位可能なクロスロール25、
定位置の巻取りロール26および複数の案内ロール25a、2
5bを経て、巻取りビーム27の外周に巻き取られていく。 なお、上記テンションロール20も、支点軸30に対し、
回動自在のテンションレバー29によって、前後方向に変
位自在に支持されており、張力スプリング31によって地
たて糸18に所定の張力を与える方向に付勢されている。
しかも、この支点軸30は、支持アーム30aによってフレ
ーム10に対し支点軸30bにより前後方向に揺動可能な状
態で支持されている。 布移動式のパイル織機では、第12図に見られるよう
に、おさ打ちの位置は、常に一定であるが、織り前7お
よび布24は、前後方向に移動する。布24に対するクロス
ロール25および地たて糸18に対するテンションロール20
は、前記の通り、前後方向に変位可能な状態で支持され
ており、通常、パイルモーション発生用の確動カム機構
によって、織機の主軸55の回転と同期した状態で、ファ
ーストピックのおさ打ち後に前方向に移動することによ
り、織り前7を前(布巻き取り側)方向に移動させ、2
回のルーズピックで適当なおさ逃げ量dを与える。 パイルたて糸18の送り出しは、これらのクロスロール
25やテンションロール20の前後方向の動きと直接関係せ
ず、前記のように、基本の速度で送り出しを行いつつ、
テンションレバー8の動きに応動して、送り量を増加ま
たは減少させる制御により行われる。 地たて送り出しビーム19や巻取りロール26および巻取
りビーム27の回転は、電動モータまたは機械式の送り出
し機構あるいは巻取り機構によって駆動されるようるな
っているが、それらの部分は、従来と同様である。 織機の運転によって、製織が進行すると、パイルたて
糸2が布24に織り込まれ、順次前方へ移動するため、パ
イルたて糸2の張力は、次第に高まっていく。それに伴
って、テンションレバー8は、張力スプリング12に抗し
て、第1図で時計方向に回動する。このときのテンショ
ンレバー8の変位は、変位検出器17によって変位量に比
例する電気的な信号として常時検出されている。なお、
検出は、常時連続的に行われているが、検出された電気
的な信号は、後述するように、サンプリングの技法によ
り所定のサンプリング回転角ごとに不連続な状態で送り
出し制御に利用される。 そして、検出された信号が送り出し制御装置16の入力
となるため、送り出し制御装置16は、送り出しモータ4
を積極的に回転させることによって、パイルたて糸2の
パイル送り出しビーム3を送り出し方向に回転させ、パ
イルたて糸2を送り出すことにより、テンションレバー
8の変位を解消して行く。 また、地たて糸18の送り出しは、上記のように、電動
モータ式の送り出し機構あるいは機械式の送り出し機構
によって送り出される。電動モータ式の送り出し機構で
あれば、その制御装置は、地たて糸18を基本速度で常
時、継続的に送り出しており、その送り出し過程で、地
たて糸18の張力を検出し、その検出した張力と目標の張
力とを比較して、地たて糸18の張力を目標の張力値とな
るように、基本速度を増加または減少させる。このよう
に、地たて糸18の送り出し動作は、常時連続的に行われ
ており、その速度は、目標の張力値に対する高低に応じ
て変化する。 〔パイル製織の動作〕 3本よこタオルのパイル組織の製織では、1繰り返し
は3ピックすなわち織機の主軸55の3回転であり、第12
図に見られるように、のルーズピック→のルーズピ
ック→のファーストピックとなり、の前進の過程を
経てのルーズピックに戻る。 第13図に見られるように、よこ入れは、95度から240
度の間で行われ、よこ糸23は、地たて糸18およびパイル
たて糸2の開口の状態で、開口内を飛走する。 そして、地たて糸18およびパイルたて糸2の、開口状
態は、第13図に見られる通りである。 織り前7(布24)の前方への移動時期は、1、2ピッ
ク目をルーズピックとするために、1ピック目の45度か
ら315度(終了)に設定されている。また、織り前7
(布24)の後方への移動時期は、3ピック目をファース
トピックとするために、3ピック目の45度から315度
(終了)の間に行われる。 そして、おさ打ちは、第1および第2番目のよこ入れ
で、通常の組織と同じように、おさ打ちされるが、第3
番目のよこ入れでは、いわゆるテリーモーションという
特殊なおさ打ちが行われる。第12図に見られるように、
おさ打ち点は、常に定位置であり、1、2ピック目
(、)では、織り前7が長打ち位置より前進して、
離れているため、よこ糸23は、不完全におさ打ちされる
が、3ピック目では、織り前7が後退して、おさ打ち位
置にあるため、おさ打ちは完全な状態となる。この完全
なおさ打ちにより、パイルたて糸2は、おさ逃げ量d
(不完全なおさ打ち時の織り前7とおさ打ち位置との離
間距離)に応じたパイルを形成する。 以上の全体的な動作のタイミングは、第13図に見られ
る通りである。なお、第13図では、第6図のパターン1
が代表例として記載されている。 〔パイルたて糸の送り出し量〕 前記の通り、3本よこタオルのパイル組織では、1繰
り返しが3ピックすなわち織機の主軸55の3回転であ
り、第1および第2のよこ入れでは、パイルが形成され
ないので、普通の組織と同じようなおさ打ちが行われる
が、第3番目のよこ入れでは、パイルが形成されるた
め、いわゆるテリーモーションという特殊なおさ打ちが
行われ、このときに、パイルたて糸2を低い張力でしか
もパイルの形成に必要な長さだけ急速に送り出す必要が
ある。 ここで、パイルたて糸2の送り出し量は、以下のよう
な計算によって求められる。 今、ここでパイル送り出しビーム3の回転数をω〔rp
m〕で、パイルたて糸2の巻き付け半径をR〔mm〕とす
ると、パイル送り出しビーム3の周速度vは、下記の式
によって求められる。 一方、織機の主軸55の回転数をn〔rpm〕とし、よこ
糸23の打込数をB〔本/cm〕とすれば、1ピック当りの
送り量は、10/B〔mm〕であるから、おさの逃げ量をd
〔mm〕とすれば、3ピックで必要なたて糸送り量Lは、
下記の式によって与えられる。 そして、3ピックに要する時間は3×(60/n)〔se
c〕であるから、周速度vは、下記のように書き改めら
れる。 以上の2式から周速度vを消去すると、回転数ωは、
下記のようになる。 ここで、送り出しモータ4からパイル送り出しビーム
3までのギヤ比をmとすれば、モータ回転数No〔rpm〕
は下記の式で求められる。 上記の式がパイルたて糸2の基本演算式であり、上記
ギヤ比mはシステムに固有の値であるから、巻き付け半
径R、回転数n、打込数Bおよびおさ逃げ量dを与えれ
ば、基本のモータ回転数Noは、演算可能となる。 第4図は、送り出し制御装置16の一例であり、このよ
うな基本的なモータ回転数Noを求める過程をブロックに
より示している。すなわち、主軸55の回転数n、打込数
Bおよびおさ逃げ量dは、設定器33によりパラメータと
して入力され、予め設定される。また、パイル送り出し
ビーム3の位置で、パイルたて糸2の巻き付け半径R
は、公知の手段の巻径検出器32によって常に測定されて
いる。そこで、演算器34は、これらの数値を入力とし、
上記の基本演算式による計算をして、モータ回転数Noを
ディジタル量として算出する。 一方、この基本演算式に自動制御系の出力Mpが加えら
れる。すなわち、最終的な回転数N〔rpm〕は、下記の
式によって求められる。 自動制御系の出力Mpは、主軸55の3回転つまり1繰り
返し(サンプリング周期)中の一定の回転角ごとに3r回
サンプリングして得られるテンションレバー8の変位XI
を平均して得られるPID出力であり、下記のように表さ
れる。なお、上記rは、サンプリング回数を設定する変
数であり、自然数1、2、3・・・として与えられる。
例えばr=1として設定されたとき、主軸55の1回転中
の所定のサンプリング回転角で変位XIを1回だけ検出す
るので、変位XIは、主軸55の3回転つまり1繰り返し
(サンプリング周期)で合計3回取り込まれることにな
る。 第4図は、同様に以上の過程をブロックで例示してい
る。すなわち、変位検出器17の出力は、サンプルホール
ド回路35によって、所定のサンプリング回転角ごとに保
持され、A/D変換器36によりアナログ量からディジタル
量の出力Xiに変換され、さらに平均化回路37により、あ
るサンプリング回数kについての平均値X(k)とな
る。もちろん、この1連のサンプリング・平均値動作
は、変位検出タイミング検出器38によって、織機の主軸
55の所定のサンプリング回転角毎に1繰り返し(サンプ
リング周期)中にサンプリング回数kに応じて実行され
る。 そして、平均値X(k)は、PID制御器39によって、
比例・積分・微分動作の下に出力Mpとなり、加算演算器
40により、最終的にディジタル的な指令の回転数Nとな
る。このあと、回転数Nの信号は、D/A変換器41によっ
て、アナログ量に変換され、加え合わせ点42を経て、駆
動増幅器43で増幅された後に、直流の送り出しモータ4
を駆動する。このときの送り出しモータ4の回転は、フ
ィードバック制御系のタコジェネレータ44によって検出
され、加え合わせ点42に負帰還される。 〔テンションロールへの力の付与〕 一方、テンションレバー8に与えられる力は、第5図
から下記のようにして求められる。パイルたて糸2の張
力Tの合成力のテンションレバー8に垂直な方向の成分
をFT、張力スプリング12によってテンションレバー8に
垂直な方向の成分をFOとすると、モーメントの釣り合い
の式は下記のようになる。 R1・FO=R2・FT FO=K・αx ここで、αは垂直方向の有効成分を示す係数で、Kは
ばね定数で、xは変位量であり、またR1、R2はそれぞれ
支点軸9から各作用点までの有効長さを示す。パイルた
て糸2は、上記の関係を保ちながら、変位検出器17によ
るフィードバック制御により、一定の低い張力Tで送り
出されていく。 クロスロール25がおさ逃げ量dだけ前方へ移動すると
きに、テンションロール6は、前方へ移動する。このと
き張力スプリング12が変位量Δxだけ伸びたとすれば、
次の式が成り立つ。 すなわち、パイルたて糸2の張力Tが増大し、これが
大きいと、パイル抜けが発生することになる。 そこで、ACサーボモータ15は、テンションレバー8を
第5図で時計方向に回動させ、テンションロール6に回
転力TMを付与する。このとき、上記式は下記の通り書き
改められる。 したがって、回転力TM=R1・K・α・Δxで与えられ
るトルクを与えれば、ΔFT=0となり、張力Tは増大し
ない。さらに、回転力TM>R1・K・αΔxとすれば、Δ
FT<0、すなわち張力Tを減少させ、弱くすることも可
能であり、そのように設定すれば、パイル抜けは、確実
に防止できる。 このとき、張力スプリング12の伸縮とパイルたて糸2
の張力Tの関係として、張力スプリング12の見掛け上の
ばね定数をK′とすれば、下記のような式が成立する。 すなわち、見掛け上のばね定数K′が、この場合に事実
上小さくなっている。 〔テンションロールの前後方向の変位にともなう慣性の
打ち消し〕 ところで、布移動式パイル織機では、製織運動と同期
して、パイル組織の布24が移動し、クロスロール25が前
後方向に移動しており、このクロスロール25が再び後方
へ移動するとき、これに伴ってテンションロール6も従
動的に移動することになる。このとき、テンションロー
ル6自体、およびその機械的な支持系(レバー8)の静
止の慣性が大きいと、テンションロール6が充分に後退
しないため、パイルたて糸2または地たて糸18がゆる
み、開口不良となって、よこ入れができなくなる。ま
た、テンションロール6が後方へ移動しきった位置で、
テンションロール6が運動の慣性によって必要以上にオ
ーバーランすると、張力Tが高くなり、開口不良が発生
したり、均一なパイルの形成ができなくなったりする。 そこで、張力制御装置56は、本発明のパイル織機のこ
て糸張力制御方法による制御を実行する。 第12図の、およびは、本発明に係るパイル織機
のたて糸張力制御方法による作用効果の説明図である。 は、ルーズピックの状態を示しており、この状態でテ
ンションレバー8は、電気量−力の変換手段としてのAC
サーボモータ15に連結されており、テンションロール6
は、そのトルクによって前後方向に移動可能な状態で支
持されている。 のルーズピックの状態で、織り前7(布24)が後退を
開始するとき、ACサーボモータ15は、テンションレバー
8の支点軸9に対して反時計方向のトルクを一時的に作
用させることによって、停止状態のテンションロール6
を後退方向に強制的に移動させる。これにより、テンシ
ョンロール6の静止時の慣性は、ACサーボモータ15の一
時的な回転力によって、速やかに打ち消されるので、テ
ンションロール6は、布24の後退に速やかに追従する。
ACサーボモータ15のトルクが作用しなくなれば、それ以
後、テンションロール6は、張力スプリング12の付勢力
に応じた力をパイルたて糸2に作用させながら移動す
る。このようにして、ACサーボモータ15の回転力は、パ
イルたて糸2の緩みを防止する。もし、パイルたて糸2
に緩みが発生すると、開口不良となり、よこ入れミスな
どが発生しやすくなる。 また、は、ファーストピックの状態である。この状
態で、織り前7(布24)の後退が完了しているので、織
り前7は、おさ打ち位置と一致している。織り前7(布
24)が後退を完了したとき、テンションロール6は、移
動時の運動の慣性によって、引続き移動しようとするた
め、見かけ上張力スプリング12の力が強くなる。つま
り、織り前7(布24)が後退方向に移動し、その後退が
完了したとき、テンションロール6は、パイルたて糸2
の後退方向の移動に伴って、運動の慣性力を後退方向に
作用させている。この慣性力は、第12図でテンションレ
バー8に対して反時計方向に回動させる方向の力として
作用するため、張力スプリング12の引張力と同じ回転モ
ーメントとして、テンションレバー8に作用する。した
がって、パイルたて糸2は、張力スプリング12からの引
張力と、テンションロール6の運動時の慣性力とを同時
に受けることになり、これは、見かけ上、張力スプリン
グ12の力が強くなっていることと同じ現象となる。この
とき、ACサーボモータ15は、それに見合う時計方向の力
を布24の移動終了時に作用させることによって、見かけ
上のスプリング力を減少させ、パイルたて糸2の張力の
高まりを抑えることによって、パイル抜けを防止する。 さらに、は、織り前7(布24)が前進するときの状
態を示している。このとき、テンションロール6に停止
時の静止の慣性が働いているため、張力スプリング12の
力は、見かけ上強くなる。このとき、ACサーボモータ15
は、時計方向の力を作用させることによって、テンショ
ンロール6の停止時の静止の慣性を打ち消す。 このように、布移動式のパイル織機では、織り前7
(布24)の前進または後退時にテンションロール6に停
止時の静止の慣性または移動時の運動の慣性が働き、こ
れがパイルたて糸2の張力を一時的に高めたり低めたり
する。このような布移動運動によって、パイルたて糸2
の張力が目標張力から増大または減少するが、このと
き、電気量−力の変換手段としてのACサーボモータ15
は、それらの慣性力を打ち消す方向に回転力を作用させ
るから、パイルたて糸2の張力は、布移動に伴うテンシ
ョンロール6の慣性力に影響されず、目標値に正確に設
定できる。 第6図は、3ピック1繰り返しのパイル組織で、おさ
打ち、布移動との関連で、テンションロール6の前後運
動のパターン1、2、3、4a、4bを示している。織り前
7(たて糸だけの部分と布との境界線)は、布24の一部
である。したがって、この図において、布移動は、その
まま織り前7の位置の移動と対応している。 ちなみに、パターン1、2、3、4a、4bは、テンショ
ンロール6の前後運動のパターンであるが、同時に、モ
ータ15の駆動パターンでもある。 パターン1によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止する。また、布24(織
り前7)が前進方向に移動するとき、その移動期間にわ
たって、ACサーボモータ15は、テンションロール6に前
方に移動させる方向の力を与え、織り前7の前進を速や
かに行わせている。 パターン2によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
た後方への移動の完了時点から布24(織り前7)の前進
完了までの期間でテンションロール6に前方に移動させ
る方向の力を与え続け、運動の慣性を打ち消すとともに
パイルたて糸2の張力の高まりを防止する。 パターン3によれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止する。また、布24(織
り前7)が後退した時点から前進方向に移動までの期間
にわたって、ACサーボモータ15は、テンションロール6
に前方に移動させる方向の小さな力を与え、織り前7の
前進を助けている。 パターン4aによれば、布24(織り前7)が後退方向に
移動を開始するとき、サーボモータ15は、テンションロ
ール6を後方に移動させる方向の力を与えて、テンショ
ンロール6の静止の慣性を軽減し、その後退を助け、ま
たその移動の完了時点でテンションロール6に前方に移
動させる方向の力を与え、運動の慣性を打ち消し、パイ
ルたて糸2の張力の高まりを防止した後、小さな力を与
え続け、移動後の動きを抑えている。また、布24(織り
前7)が前進方向に移動するとき、その移動期間にわた
って、ACサーボモータ15は、テンションロール6に前方
に移動させる方向の大きな力を与え、織り前7の前進を
速やかに行わせている。 なお、パターン4bは、パターン1に対し、与える力を
小さく設定したものである。 上記のように、それぞれのパターンは、布24(織り前
7)の前後方向の移動に対応して、サーボモータ15の回
転力をテンションロール6に対し前方または後方に作用
させることを表している。 このように、布24が後退方向に移動するとき、ACサー
ボモータ15は、織り前7を後方に移動させる方向に力を
与え、その移動の完了時点で織り前7を前方に移動させ
る方向の力を与えており、また布24の前進時に、布24の
後退完了後継続的にまたは断続状態で織り前7を前方に
移動させる方向の力を与えている。このようなパターン
1、2、3、4a、4bは、パイルたて糸2の種類や、織り
前7の移動量、さらにテンションロール6の慣性などを
考慮して、適当な形態として設定される。 また、パイルたて糸2には、通常の開口運動、おさ打
ち運動による張力変動以外に、布24の移動による張力変
動などが複雑な位相関係をもって現れる。このような複
雑な張力変動も、パターンの設定によって相殺できる。 なお、地織りの部分では、布24の移動を禁止するとと
もに、テンションロール6への強制的な張力付与機構も
停止させる。 また、ACサーボモータ15の場合には、第2図に示すよ
うに、その回転力が2つのギヤ13a、13bを介して、支点
軸9に直接伝達されるため、テンションロール6の機械
系の質量が大きくなる。しかし、第3図に示すように、
それらの回転力の伝達過程に、空隙式の電磁クラッチ14
を介在させれば、テンションロール6の機械系の慣性が
小さくできるので有利である。 〔実施例1(第7図)〕 この実施例1は、張力制御装置56によって、上記電気
量−力の変換手段すなわちACサーボモータ15を所定の駆
動パターンで駆動する場合の基本的な構成を示してい
る。すなわち、関数発生器45は、所定の駆動パターンを
記憶しており、角度検出器46によって織機の主軸55の1
回転中の角度を検出し、その回転角度に応じて駆動パタ
ーンの出力を読み出し、これを加え合わせ点47を介し駆
動増幅器48に出力している。そこで、この駆動増幅器48
は、その入力信号に応じて、ACサーボモータ15を駆動し
ていく。一方、このACサーボモータ15の回転は、タコジ
ェネレータ49によって回転速度に比例する電気量の信号
として検出され、上記加え合わせ点47に負帰還されてい
る。このようにして、駆動増幅器48は、関数発生器45で
指定される駆動パターンにもとづいて、フィードバック
制御の下に、ACサーボモータ15の回転力TMを織機の回転
とともに制御していく。 〔実施例2(第8図)〕 この実施例2は、ACサーボモータ15に対する複数の駆
動パターンと対応し、複数の関数発生器45a、45b・・45
nを用意し、これらの出力側の接点50a、50b・・50nをパ
ターン選択回路51によって、択一的にオンの状態に設定
し、加え合わせ点47に出力する例を示している。ここ
で、パターン選択回路51は主軸55のシャフトエンコーダ
52からの信号に基づいて、複数の関数発生器45a、45b・
・45nのいずれかを選択していく。同時に、このパター
ン選択回路51は、予め設定された入力情報に基づいて、
開口運動の指令、よこ糸23の選択、打込数(密度)Bの
選択などの制御をも行っていく。なお、この実施例で、
ACサーボモータ15の回転は、パルスジェネレータ53によ
って、パルス信号として検出され、F/V変換器54によっ
て、パルス周波数に比例する電圧の信号に変換され、加
え合わせ点47に帰還されている。 〔実施例3(第9図)〕 この実施例3は、前記実施例1と基本的に同じである
が、駆動増幅器48に正転または逆転の指令を与え、電気
量−力の変換手段としてのACサーボモータ15をいずれの
方向にも回転可能とする例である。なお、駆動源が逆転
不能であるときには、支点軸9の各端部に互いに逆方向
に回転する回転駆動源と空隙式の電磁クラッチ14を介在
させれば、1方向の回転駆動源によって、いずれの方向
への回転力TMの付与も可能となる。 〔実施例4(第10図)〕 この実施例4は、主軸55の回転速度に応じて、ACサー
ボモータ15に対する駆動パターンを選択する例である。
織機の高速運転または低速運転に応じて、接点50a、50b
が選択的にオンの状態となり、関数発生器45a、45bか
ら、第6図で示すような駆動パターン4aまたは駆動パタ
ーン4bが選択的に出力される。 〔実施例5(第11図)〕 この実施例5は、定電源回路57および駆動増幅器48に
よってACサーボモータ15を定速度で駆動するとともに、
空隙式の電磁クラッチ14を関数発生器45により駆動する
例である。すなわち関数発生器45は、角度検出器46から
の回転角度に応じて、駆動増幅器58を駆動し、電磁クラ
ッチ14に働く回転伝達力を連続的に制御していく。この
結果、ACサーボモータ15の回転力は、電磁クラッチ14に
より、駆動パターンに応じたトルクつまり回転力TMに変
換され、支点軸9に伝達される。 〔発明の他の実施例〕 また、以上の実施例は、いずれもテンションロール6
をテンションレバー8によって前後方向に回動運動可能
な状態で支持しているが、このテンションロール6の支
持形態は、例えば前後方向の直線に沿って変位可能な状
態で支持してもよく、したがって、電気量−力の変換手
段は、回転力に限らず、直線方向の力を発生するもので
あってもよい。 さらに、電気量−力の変換手段が張力スプリング12の
弾力をも負担する形式のものであれば、この張力スプリ
ング12は、省略することもできる。すなわち、テンショ
ンレバー8に対して張力スプリング12とACサーボモータ
15とが連結されているため、張力スプリング12の付勢力
は、常時、パイルたて糸2に対して基本の張力を常時継
続的に与えるよう作用している。これに対して、ACサー
ボモータ15は、布24(織り前7)の前後方向の移動に伴
って、テンションロール6が前後方向に移動するとき、
その移動の開始時点と、移動の終了時点など、テンショ
ンロール6の前後方向の移動に伴う慣性力を打ち消す方
向に不連続で一時的に力を作用させる。したがって、AC
サーボモータ15の力は、テンションレバー8に張力スプ
リング12により常時作用している力に対して特定のとき
にのみ畳重的に加算されることになる。ここで、ACサー
ボモータ15が張力スプリング12に代わって、常時、テン
ションレバー8に対してパイルたて糸2に対し必要な基
本の張力に対応する力を与えておれば、張力スプリング
12は不要となる。もちろん、この場合、ACサーボモータ
15は、テンションロール6の前後方向の移動開始時およ
び終了時などに前記と同様に、それらの移動に伴う慣性
力を打ち消す方向の回転力を重畳的にテンションレバー
8に動作させることになる。つまり、張力スプリング12
を省略するときには、ACサーボモータ15は、張力スプリ
ング12の弾力に対応する基力的な力と、テンションロー
ル6の前後方向の移動に伴う慣性力を打ち消す方向の一
時的な力とを同時に作用させるよう働くことになる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、テンションロールが機械的な支持系
によって、布の前後方向の移動に対応して前後方向に変
位自在に支持され、かつその機械的な支持系に電気量−
力の変換手段が連結されており、テンションロールの前
後方向の移動時および移動停止時に電気量−力の変換手
段がテンションロールの移動開始に伴う静止の慣性力や
移動終了に伴う運動の慣性力を打ち消す方向の力をテン
ションロールの機械的な支持系に作用させるため、テン
ションロールの慣性の影響を受けずに、布の前後移動を
速やかに追従させることができる。これによって、パイ
ルたて糸の張力の増大によるパイル抜けや、パイルたて
糸の張力の減少による開口不良が防止でき、安定したパ
イル製織が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は送り出し装置の概略的な側面図、第2図は回転
力伝達部分の一部の断面図、第3図は電磁クラッチの部
分の断面図、第4図は送り出し制御装置のブロック線
図、第5図はテンションレバーに作用するモーメントの
説明図、第6図は各種駆動パターンの説明図、第7図な
いし第11図は張力制御装置のブロック線図、第12図は布
の移動とテンションロールの慣性との関係の説明図、第
13図はパイル製織動作のタイムチャート図である。 1…織機の送り出し装置、2…パイルたて糸、3…パイ
ル送り出しビーム、4…送り出しモータ、6…テンショ
ンロール、7…織り前、8…テンションレバー、9…支
点軸、12…張力スプリング、14…電磁クラッチ、15…AC
サーボモータ、16…送り出し制御装置、17…位置検出
器、18…地たて糸、25…クロスロール、26…巻取りロー
ル、27…巻取りビーム、29…テンションレバー、31…張
力スプリング、45…関数発生器、46…角度検出器、47…
加え合わせ点、48…駆動増幅器、49…タコジェネレー
タ、51…パターン選択回路、56…張力制御装置。
力伝達部分の一部の断面図、第3図は電磁クラッチの部
分の断面図、第4図は送り出し制御装置のブロック線
図、第5図はテンションレバーに作用するモーメントの
説明図、第6図は各種駆動パターンの説明図、第7図な
いし第11図は張力制御装置のブロック線図、第12図は布
の移動とテンションロールの慣性との関係の説明図、第
13図はパイル製織動作のタイムチャート図である。 1…織機の送り出し装置、2…パイルたて糸、3…パイ
ル送り出しビーム、4…送り出しモータ、6…テンショ
ンロール、7…織り前、8…テンションレバー、9…支
点軸、12…張力スプリング、14…電磁クラッチ、15…AC
サーボモータ、16…送り出し制御装置、17…位置検出
器、18…地たて糸、25…クロスロール、26…巻取りロー
ル、27…巻取りビーム、29…テンションレバー、31…張
力スプリング、45…関数発生器、46…角度検出器、47…
加え合わせ点、48…駆動増幅器、49…タコジェネレー
タ、51…パターン選択回路、56…張力制御装置。
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭61−83353(JP,A)
実開 昭59−133687(JP,U)
特公 昭51−22105(JP,B2)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.織機のフレームに対してパイルたて糸のテンション
ロールを機械的な支持系により前後方向に変位自在に設
けて、送り出しビームからのパイルたて糸を上記テンシ
ョンロールに巻き掛け、テンションロールにパイルたて
糸の張力と釣り合う方向の力を作用させるとともに、パ
イルの形成にともなう布の前後移動に追従してテンショ
ンロールを前後方向に変位させ、パイルたて糸の消費量
に応じて送り出しビームを送り出し方向に回転させるパ
イル織機の送り出し装置において、 上記テンションロールの機械的な支持系に電気量−力の
変換手段を連結し、上記布の前後移動に伴うテンション
ロールの前後方向の変位時に、上記電気量−力の変換手
段に電気信号を入力することにより、テンションロール
の前後方向の変位にともなう慣性を打ち消す方向の力を
テンションロールの機械的な支持系に与えることを特徴
とするパイル織機のたて糸張力制御方法。 2.上記テンションロールの機械的な支持系を支点軸に
よりフレームに対して回動自在なテンションレバーによ
り構成し、上記電気量−力の変換手段をテンションロー
ルの支点軸に回転力として作用させることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載のパイル織機のたて糸張力制
御方法。 3.布の前方への移動開始時に、テンションロールを前
方へ変位させる方向の力を電気量−力の変換手段により
テンションロールの機械的な支持系に作用させることを
特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
パイル織機のたて糸張力制御方法。 4.布の後方への移動開始時に、テンションロールを後
方へ変位させる方向の力を電気量−力の変換手段により
テンションロールの機械的な支持系に作用させることを
特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
パイル織機のたて糸張力制御方法。 5.布の後方への移動終了時に、テンションロールを前
方へ変位させる方向の力を電気量−力の変換手段により
テンションロールの機械的な支持系に作用させることを
特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
パイル織機のたて糸張力制御方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61289339A JP2710046B2 (ja) | 1986-12-04 | 1986-12-04 | パイル織機のたて糸張力制御方法 |
KR1019870013136A KR900004389B1 (ko) | 1986-12-04 | 1987-11-21 | 직기의 경사 장력 제어방법 |
US07/128,322 US4827985A (en) | 1986-12-04 | 1987-12-03 | Method of controlling pile warp tension in synchronism with loom movement |
EP87117966A EP0271021B1 (en) | 1986-12-04 | 1987-12-04 | Warp tension control method |
DE3789425T DE3789425T2 (de) | 1986-12-04 | 1987-12-04 | Verfahren zur Kettspannungskontrolle. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61289339A JP2710046B2 (ja) | 1986-12-04 | 1986-12-04 | パイル織機のたて糸張力制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63145451A JPS63145451A (ja) | 1988-06-17 |
JP2710046B2 true JP2710046B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=17741917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61289339A Expired - Fee Related JP2710046B2 (ja) | 1986-12-04 | 1986-12-04 | パイル織機のたて糸張力制御方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4827985A (ja) |
EP (1) | EP0271021B1 (ja) |
JP (1) | JP2710046B2 (ja) |
KR (1) | KR900004389B1 (ja) |
DE (1) | DE3789425T2 (ja) |
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