JP2709311B2 - 熱安定性dnaポリメラーゼの5→3′のエキソヌクレアーゼ突然変異 - Google Patents

熱安定性dnaポリメラーゼの5→3′のエキソヌクレアーゼ突然変異

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願に対するクロスリファレンス 本出願は、全て1990年9月28日付で提出され、全て、
米国特許第4,889,818号として発行され1986年8月22日
付の放棄された899,241号の一部継続出願(CIP)である
1987年6月17付第063,509号のCIPである1988年1月12日
付の放棄された第143,441号のCIPである1990年5月15日
付の第523,394号のCIPである同時係属出願第590,213
号、590,466号及び590,490号の一部継続出願(CIP)で
ある。
本出願は同様に、1)1988年1月12日付第143,441号
及び上述のとおりのその祖型のCIPである1989年12月22
付第455,611号のCIPである1990年9月20日付の第585,47
1号のCIPである1990年12月21日付PCT/US90/07641;及び
2)1990年7月24日付第557,517号のCIPである1990年11
月2日付第609,157号のCIPである1991年8月15日付の第
746,121号のCIPでもある。
このCIPは同様に、以下の特許出願にも関連する: 1990年5月15日付米国特許第523,394号; 1989年12月22日付米国特許第455,967号; 1991年8月6日付PCT出願第91/05571号; 1991年8月13日付PCT出願第91/05753号。
この項で参照指示されている特許出願明細書は全て、
本書に参考として内含される。
発明の背景 発明の分野 本発明は、未変性酵素が示すものとは異なるレベルの
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が示されるように変
更又は突然変異された熱安定性DNAポリメラーゼに関す
る。本発明は同様に、このような変更ポリメラーゼを単
離及び生産するための手段にも関する。熱安定性DNAポ
リメラーゼは数多くの組換えDNA技術、特にポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)による核酸増幅、自立的(self−sus
tained)配列複製(3SR)及び高温DNA配列決定において
役立つものである。
背景技術 大腸菌(E.coli)などの中温菌からのDNAポリメラー
ゼの単離に関しては広範な研究が行なわれてきた。例え
ばBessman、1957年、J. BiolChem223:171−177及
びButtin及びKornberg,1966年、J. BiolChem241:541
9−5427を参照のこと。
幾分か少ないものの、テルムス・アクアチクス(Ther
mus aquaticus)、テルムス・サーモフィルス(Thermu
s thermophilus)、テルモタガ・マリチマ(Thermotog
a maritima)、テルムス(Thermus)スペーシースsps1
7,テルムス(Thermus)スペーシースZ05及びテルモシポ
・アフリカヌス(Thermosipho africanus)といった好
熱生物からDNAポリメラーゼを単離及び純化することに
ついても研究が行なわれてきた。当初存在している量に
比べて多い量に既存の核酸配列を増幅するために熱安定
性酵素を使用することは、米国特許第4,683,195号及び
4,683,202号の中で記述されていた(引用により、これ
らを本明細書に組み入れる)。標的DNAの変性,プライ
マのハイブリッド形成及び相補鎖の合成が関与するRCR
方法では、プライマ、鋳型、ヌクレオシド三燐酸、適当
な緩衝液及び反応条件、並びにポリメラーゼが用いられ
る。各々のプライマの延長生成物は望ましい核酸配列の
生産のための鋳型となる。2つの特許は、使用するポリ
メラーゼが熱安定性酵素である場合、熱がポリメラーゼ
活性を破壊することは無いことから全ての変性段階の後
にポリメラーゼを付加する必要が無いということを開示
している。
米国特許第4,889,818号、欧州特許公報第258,017号及
びPCT公開第89/06691は、テルムス・アクアチクス(The
rmus aquaticus)からの〜94kDaの熱安定性DNAポリメ
ラーゼの単離及び組換え体発現ならびにPCRにおけるこ
のポリメラーゼの利用について記述している(これらの
記載を引用により本明細書に組み入れる)。T.アクアチ
クス(aquaticus)DNAポリメラーゼは、PCR及びそ
の他の組換えDNA技法において使用するのに特に好まれ
るものであるが、その他の熱安定性ポリメラーゼに対す
る必要性も残っている。
発明の要約 その他の熱安定性ポリメラーゼに対する必要性に取り
組みながら、当該発明者は、テルムス・アクアチクス
Thermus aquaticus)(Taq)から分離されたものの
ようないくつかの熱安定性DNAポリメラーゼが5′→
3′エキソヌクレアーゼ又は構造依存性一本鎖エンドヌ
クレアーゼ(SDSSE)活性を示すことを発見した。以下
でさらに詳細に説明するように、このような5′→3′
のエキソヌクレアーゼ活性は、生産される生成物の量を
制限し、通常は指数的に蓄積される生成物のプラトー現
象に貢献する可能性があることから、RCRで使用すべき
酵素の中では望ましくないものである。さらに、熱安定
性DNAポリメラーゼ内の5′→3′ヌクレアーゼ活性の
存在は、特にG+Cが豊富な標的について10kb以上の長
いPCR生成物を効率良く生成する能力の欠陥に貢献する
可能性がある。DNA配列決定の利用分野及びサイクル配
列決定の利用分野においては、5′→3′のヌクレアー
ゼ活性の存在は、望まれるバンド強度の減少及び/又は
擬似又はバックグラウンドバンドの生成に貢献する可能
性がある。最後に、5′→3′ヌクレアーゼ活性が無け
れば、組合せ型ポリメラーゼ−リガーゼ連鎖反応(PLC
R)検定におけるより高感度の対立遺伝子識別を容易に
することができる。
しかしながら,熱安定性DNAポリメラーゼにおける強
化された又はより多くの量5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性は、標的核酸配列の同時の増幅及び検出のための
均質検定システムにおいて用いられるような酵素におい
ては望ましいものであり得る。一般に、強化された5′
→3′のエキソヌクレアーゼ活性は、高められたエキソ
ヌクレアーゼ開裂速度又はニックトランスレーション合
成の高められた速度、或いは又フラグメントの開裂の前
の比較的大きいヌクレオチドフラグメントの置換によっ
て定義づけされる。
従って、本発明は、変更された5′→3′エキソヌク
レアーゼ活性を示す熱安定性DNAポリメラーゼを提供す
ることによって先行技術の必要性を満たすべく開発され
た。熱安定性DNAポリメラーゼの使用目的に応じて、ポ
リメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を、一
定範囲の5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が発現され
うるように変更することが可能である。この5′→3′
エキソヌクレアーゼ活性の範囲は、強化された活性から
活性の全く欠如した状態にまで広がっている。いくつか
のPCR利用分野例えば均質検定においては強化された活
性が有利であるが、その他のほとんどのPCR利用分野に
おいて利用される熱安定性DNAポリメラーゼにおいて
は、できるかぎり少ない5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性が望まれる。
同様に部位特異的突然変異誘発ならびに欠失突然変異
誘発が両方共、本発明の熱安定性DNAポリメラーゼにお
ける望ましい変更された5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性をもたらしうるということも見出された。エキソヌ
クレアーゼ活性を変えるいくつかの突然変異がDNAポリ
メラーゼのプロセシングの可能性を変えることがわかっ
ている。数多くの利用分野(例えば、大量の高度に複雑
なゲノムDNAが存在する中での中サイズの標的の増幅)
において、プロセシング可能性の低下はPCRの最適化を
単純なものにし、高い酵素濃度での特異性の強化に寄与
する可能性がある。5′→3′エキソヌクレアーゼ活性
を除去するいくつかの突然変異は、熱安定性DNAポリメ
ラーゼのプロセシング可能性を減少させず強化させる可
能性があり、従ってこれらの突然変異体酵素がその他の
利用分野(例えば長いPCR生成物の生成)においては好
ましい可能性もある。5′→3′エキソヌクレアーゼ活
性を除去するいくつかの突然変異は、同時に、野性型と
の関係において、突然変異体の熱安定性ポリメラーゼの
耐熱性を高め、従ってこれらの突然変異体酵素は、G+
Cが豊富な又はその他の形では変性が困難な標的の増幅
においてさらに有効である。
熱安定性DNAポリメラーゼゲノムの特定の共通領域又
はドメインが、酵素の5′→3′エキソヌクレアーゼに
突然変異誘発が影響を及ぼすのに好ましい部位として同
定された。これらのドメインを単離し、そして天然の
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を全く又はほとんど
もたない熱安定性DNAポリメラーゼの中に挿入して、そ
の活性を増強することができる。かくして、変更された
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するキメラ熱安
定性DNAポリメラーゼを製造する方法も本発明に包含さ
れる。
発明の詳細な説明 本発明は、5′→3′エキソヌクレアーゼの発現を変
えるべく突然変異を受けた熱安定性DNAポリメラーゼを
コードするDNA配列及び発現ベクタを提供する。本発明
の理解を容易にするため、いくつかの用語を以下で定義
づけする。
「細胞」、「細胞系」及び「細胞培養物」という語
は、互換性ある形で使用でき、このような呼称は全て子
孫を含んでいる。従って、「形質転換体」又は「形質転
換された細胞」という語は、トランスファ(転移)の回
数に関わりなく、最初に形質転換された細胞及びこの細
胞から誘導された培養物を含んでいる。意図的な又は偶
然の突然変異のため、全ての子孫がDNA含有量について
正確に同一とは限らない。当初形質転換された細胞内で
スクリーニングされたのと同じ機能性をもつ突然変異体
子孫が、この形質転換体の定義中に含まれる。
「制御配列」という語は、特定の宿主生物体の中で作
動的(operable)に連鎖されたコード配列の発現に必要
なDNA配列のことを意味する。例えば、原核生物に適し
た制御配列には、プロモータが含まれ、任意のものとし
てオペレータ配列、リボソーム結合部位及び可能性ある
ものとしてその他の配列が含まれる。真核細胞は、プロ
モータ、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサを使用
することが知られている。
「発現系」という語は、作動的な連鎖の中に所望のコ
ード配列及び制御配列を含み、そのためこれらの配列に
よって形質転換された宿主がコードされたタンパク質を
生産することができるようになっているDNA配列のこと
を意味する。形質転換を実行するためには、発現系はベ
クター上に含有されていてよい;しかしながら、関連DN
Aが宿主染色体に組込まれていてよい。
「遺伝子」という語は、回収可能な生物活性ポリペプ
チド又は前駆物質の生産に必要な制御配列及びコード配
列を含むDNA配列のことを意味する。ポリペプチドは、
酵素活性が保持されるかぎり全長のコード配列により又
はコード配列のいずれか一部分によってコードされう
る。
「作動的に連鎖された」(operably linked)という
語は、制御配列がコード配列によってコードされたタン
パク質の発現を駆動するために機能することになるよう
なコード配列の位置づけのことである。従って、制御配
列に対し「作動的に連鎖された」コード配列というの
は、コード配列が制御配列の指令の下で発現されうるよ
うな配置のことである。
熱安定性ポリメラーゼを含む混合物に関連する場合の
「混合物」という語は、望ましい熱安定性ポリメラーゼ
を含むがその他のタンパク質も同様に含みうる材料の収
集物のことを意味する。望ましい熱安定性ポリメラーゼ
が組換え宿主細胞に由来する場合、その他のタンパク質
は通常宿主と関連するものである。宿主が細菌宿主であ
る場合、汚染タンパク質は当然のことながら細菌性タン
パク質となる。
「非イオン重合体洗剤」という語は、本発明において
は約3.5乃至約9.5好ましくは4〜8.5のpH範囲で熱安定
性ポリメラーゼ酵素を安定化させる能力によって特徴づ
けられる、イオン電荷を全くもたない界面活性剤のこと
を指している。
ここで使用する「オリゴヌクレオチド」という語は2
つ以上好ましくは3つ以上通常は10以上のデオキシリボ
ヌクレオチド又はリボヌクレオチドから成る分子として
定義づけされる。正確なサイズは数多くの要因によって
左右されるが、これらの要因はそれ自体オリゴヌクレオ
チドの究極的機能又は用途によって左右されるものであ
る。オリゴヌクレオチドは合成的にでも又クローニング
によってでも誘導することができる。
ここで使用する「プライマ」という語は、プライマ延
長が開始される条件下に置かれたとき、合成開始点とし
て作用することのできるオリゴヌクレオチドのことを言
う。オリゴヌクレオチド「プライマ」は、純化された制
限消化物の中といったように天然にも発生しうるが、合
成で生産することもできる。核酸鎖に相補的なものであ
るプライマ延長生成物の合成は、4つの異なるヌクレオ
シド三燐酸及び1つの熱安定性ポリメラーゼ酵素が適切
な緩衝液内で適当な温度で存在する中で開始される。
「緩衝液」の中には、望ましいpHに調整された状態で補
因子(例えば二価金属イオン)及び塩(適切なイオン強
度を提供するため)が含まれる。
プライマは、増幅における最大効率を得るため一本鎖
であるが、代替的には2本鎖であってもよい。2本鎖で
ある場合、プライマは、延長生成物を調製する前にまず
その鎖を分離する処理を受ける。プライマは通常オリゴ
デオキシリボ核酸である。プライマはポリメラーゼ酵素
が存在する中で延長生成物の合成を起動させるのに充分
長いものでなくてはならない。プライマの正確な長さ
は、プライマ供給源及び望まれる結果といった数多くの
要因によって左右され、反応温度は、鋳型に対するプラ
イマの適切なアニーリングを確保するべくプライマの長
さ及びヌクレオチド配列に応じて調整されなくてはなら
ない。標的配列の複雑性に応じて、オリゴヌクレオチド
プライマは標準的に15〜35のヌクレオチドを含んでい
る。短いプライマ分子は一般に、鋳型と充分に安定した
複合体を形成するのに比較的低い温度を必要とする。
プライマは、鋳型の特定の配列の1つの鎖に対し「実
質的に」相補的となるように選択される。プライマは、
プライマの伸長が起こるために鋳型鎖とハイブリッド形
成するのに充分相補的でなくてはならない。プライマ配
列が鋳型の正確な配列を反映している必要はない。例え
ば、非相補ヌクレオチドフラグメントをプライマの5′
末端に付け、プライマ配列の残りの部分は実質的にその
鎖に相補的であることが可能である。プライマ配列がハ
イブリッド形成しかくしてプライマの延長生成物の合成
のための鋳型プライマ複合体を形成するのに充分な相補
性を鋳型の配列との間に有することを条件として、プラ
イマの中に非相補的塩基又は比較手長い配列を点在させ
ることが可能である。
「制限エンドヌクレアーゼ」及び「制限酵素」という
語は、2本鎖DNAを特定のヌクレオチド配列又はその近
くにて切断する細菌性酵素のことを意味する。
「熱安定性ポリメラーゼ酵素」という語は、熱に対し
て安定し、耐熱性を有し、鋳型核酸鎖に対して相補的な
プライマ延長生成物を形成するのに適切な要領でヌクレ
オチドの結合に触媒として作用する(容易にする)酵素
のことを意味する。一般に、プライマ延長生成物の合成
はプライマの3′末端で始まり、合成が終結するまで鋳
型鎖に沿って5′方向に進む。
本発明の理解をさらに容易にするため、本発明の広い
概念を例示するため明細書全体を通して特定の熱安定性
DNAポリメラーゼ酵素が参考として示されているが、こ
れらの参考は本発明を制限する意図をもつものではな
い。頻繁に言及されている特定の酵素は、明細書で使用
されることになる共通の略号及びそのそれぞれのヌクレ
オチド及びアミノ酸配列の配列番号と共に、以下に記さ
れている。
以上で要約したように、本発明は、天然ポリメラーゼ
の活性から変更された5′→3′エキソヌクレアーゼ活
性を示す熱安定性DNAポリメラーゼに関する。従って、
本発明のポリメラーゼは、天然ポリメラーゼの活性から
強化された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性又は低下
した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性のいずれかを示
す。
低下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有する熱
安定性DNAポリメラーゼ DNAポリメラーゼはしばしば多機能を有する。ヌクレ
オチドの重合に加えて、大腸菌(E.coli)DNAポリメラ
ーゼI(pol.I)は、例えばDNAのピロリン酸分解ならび
にホスホジエステル結合の加水分解に触媒として作用す
る。pol Iについてはこのような加水分解活性が2つ特
徴づけされている:その1つは3′→5′エキソヌクレ
アーゼ活性であり、もう1つは5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性である。2つのエキソヌクレアーゼ活性はpo
l I分子の異なる2つのドメインと関連づけられる。し
かしながら、pol Iの5′→3′エキソヌクレアーゼ活
性は、熱安定性DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌ
クレアーゼ活性が自ら作用を及ぼす基質に対しより厳し
い構造的要件を有するという点で、この熱安定性DNAポ
リメラーゼのものと異なっている。
熱安定性DNAポリメラーゼの5′→3′のエキソヌク
レアーゼ活性についての適切かつ感度の高い検定は、活
性の構造的要件の発見を利用している。この検定の設計
の重要な特徴は、標識された下流オリゴヌクレオチドプ
ローブのエキソヌクレアーゼ開裂のために適切な形でポ
リメラーゼを位置づける上述のオリゴヌクレオシドプラ
イマである。重合−非依存性エキソヌクレアーゼ活性の
検定(すなわちデオキシヌクレオシド三燐酸が無い状態
で行なわれる検定)については、プローブは、鋳型に対
し相補的なプローブの領域がプライマの3′末端に直ぐ
隣接するような形で位置づけされなくてはならない。さ
らに、プローブは、鋳型に対して相補的で少なくとも1
つ、好ましくは2〜10の又最も好ましくは3〜5のヌク
レオチドをプローブの5′末端に含んでいるべきであ
る。鋳型に対してアニーリングされた時プライマとプロ
ーブの組合せは、ニックの3′−ヒドロキシル5′及び
ニックの置換された一本鎖3′を伴うニックを含む2本
鎖構造を作り出す。あるいは、検定は、重合依存性反応
として行なうことができ、この場合、各々のデオキシヌ
クレオシド三燐酸が1μM〜2mM好ましくは10μm〜200
μMの濃度で含まれるべきであるが、ただし、鋳型配列
によって命じられる通りに、制限されたdNTPの添加(従
って、制限されたdNTPの含有)が関与する可能性もあ
る。dNTPが存在する中で検定が行なわれる場合、必要な
構造的条件は、ポリメラーゼによる鋳型の相補的鎖の合
成を誘導するための上流のオリゴヌクレオチドプライ
マ、及び上流プライマを延長する過程においてポリメラ
ーゼによる接触を受けることになる標識づけされた下流
のオリゴヌクレオチドプローブである。重合−非依存的
熱安定性DNAポリメラーゼ5′→3′エキソヌクレアー
ゼ検定の一例が、以下に記されている。
合成3′リン酸化アリゴヌクレオチドプローブ(ポリ
メラーゼ延長を排除するためにリン酸化されたもの)BW
33(GATCGCTGCGCGTAACCACCACACCCGCCGCGCp)(配列番
号:13)(100pmol)を、ガンマー〔32P〕ATp(3000Ci/m
mol)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼにより5′末端
において32P−標識した。反応混合物をフェノール:ク
ロロホルム:イソアミルアルコールで抽出し、その後エ
タノールで沈澱で行なった。32P標識されたオリゴヌク
レオチドプローブを100μのTE緩衝液内に再溶解さ
せ、取り込まれなかったATPをSephadex G−50スピンカ
ラム上でのゲル濾過クロマトグラフィによって除去し
た。32P標識されたBW33プローブ5pmolを、10mMのトリス
−HCl(pH8.3)、50mMのKCl及び3mMのMgCl2を含む100μ
の反応混合物中で5pmolの合成オリゴヌクレオチドプ
ライマBW37(GCGCTAGGGCGCTGGCAAGTGTAGCGGTCA)(配列
番号:14)の存在下で5pmolの一本鎖M13mp10w DNAにアニ
ーリングした。アニーリング混合物を5分間95℃まで加
熱し、10分間70℃で冷却し、さらに10分間70℃で保温
し、次に30分間Perkin−Elmer Cetus DNAサーマルサイ
クラーの中で25℃まで冷却した。10μのアニーリング
混合物を含むエキソヌクレアーゼ反応混合物を1分間70
℃で予備保温した。予備保温反応物に2.5μlの体積で
熱安定性DNAポリメラーゼ酵素(DNAポリメラーゼ活性約
0.01〜1単位、又は0.005〜0.05pmolの酵素)を加え、
反応混合物を70℃で保温した。1分及び5分後にアリコ
ート(5μ)を取り出し、1μの60mMEDTAを添加し
て停止させた。反応生成物をホモクロマトグラフィで分
析し、オートラジオグラフィに従ってエキソヌクレアー
ゼ活性を数量化した。Polygram CEL300DEAEセルロース
薄層クロマトグラフィ板上で7Mの尿素中2%の部分的に
加水分解された酵母RNAを含むホモクロマトグラフィ混
合物中で、クロマトグラフィを行なった。5′→3′エ
キソヌクレアーゼ活性が存在する結果、32P標識された
オリゴマーが生成されることになり、このオリゴマーは
TLC板を上へ移動し、オートラジオグラム上で、原点に
とどまっている未分解プローブから容易に区別される。
熱安定性DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性は、二本鎖DNAの5′末端領域を切除し、逐
次的に5′−モノ−及びオリゴヌクレオチドを解放す
る。エキソヌクレアーゼのための好ましい基質は、除去
された(displaced)一本鎖DNAであり、ここで、除去さ
れた(displaced)一本鎖DNAと二重らせんDNAの間では
ホスフォジエステル結合の加水分解が発生している。好
ましいエキソヌクレアーゼ開裂部位は、2重らせん領域
内のホスフォジエステル結合である。従ってエキソヌク
レアーゼ活性は、構造依存型一本鎖エンドヌクレアーゼ
(SDSSE)としてより良く描写することができる。
Taq. TmaTsps17TZ05Tth及びTafを含め数多くの
熱安定性ポリメーラゼがこの5′→3′エキソヌクレア
ーゼ活性を示す。5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を
有する熱安定性ポリメラーゼがPCR法において利用され
る場合、生産される生成物の量の制限、長いPCR生成物
を生成するか又は有意な二次構造を含む領域を増幅する
能力の障害、シャドウバンドの生成又はDNA配列決定中
の望ましい終結バンドの信号強度の低下、2本鎖プライ
マー鋳型複合体の情況内でのオリゴヌクレオチドプライ
マの5′末端の分解、オリゴヌクレオチド誘導突然変異
誘発中のニックトランスレーション合成、及びRNA:DNA
ハイブリッドのRNA成分の分解、を含むさまざまな望ま
しくない結果が観察されている。
生成されたPCR生成物の量の制限は、そうでなければ
指数的な生成物の蓄積におけるプラトー現象のせいであ
る。このようなプライトー現象は、一部には、5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を伴うポリメラーゼがPCR
基質上でフォーク状構造と遭遇したとき5′→3′エキ
ソヌクレアーゼ活性がホスフォジエステル結合の開裂又
は加水分解をひき起こすために起こるものである。
このようなフォーク状構造は一般に或る種のG及びC
が豊富なDNA鋳型の中に存在する。これらの状況下での
これらのホスフォジエステル結合の開裂は、PCR法によ
るある種のG−及びCが豊富な標的の増幅を排除するこ
とから、望ましくないものである。さらにホスフォジエ
ステル結合の開裂は同様に、生成物の鎖濃度及び再生動
態がフォーク状構造基質を生じさせる場合にPCRの後期
サイクルの生成におけるプラトー現象にも寄与する。
DNA配列決定の状況下で、DNA延長反応中のホスフォジ
エステル結合の開裂が「偽停止」をひき起こすことか
ら、DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性はここでもフォーク状構造の鋳型で障害となる。一
方これらの「偽停止」はシャドウバンドに寄与し、極端
な場合には、正確且つ解釈が可能な配列データが不在を
もたらしうる。
2本鎖プライマー鋳型複合体と共にPCR法で利用され
た場合、DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレア
ーゼ活性は、オリゴヌクレオチドプライマの5′−末端
の分解をもたらしうる。この活性は、PCRにおいて望ま
しくないものであるばかりでなく第2鎖cDNA合成及び配
列決定法においても望ましくない。
最適な効率のオリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発法
の間、使用されるDNAポリメラーゼは、鎖除去(strand
−displacement)合成及び/又はニックトランスレーシ
ョン能力を有していてはならない。従って、オリゴヌク
レオチド誘導型突然変異誘発に用いられるポリメラーゼ
における5′→3′のエキソヌクレアーゼ活性の存在も
又同様に望ましくないことである。
最後に、ポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性は一般に同様の固有のRNase H活性も含んでい
る。しかしながら、RNA:DNAハイブリッドを含むPCR法に
おけるようにポリメラーゼが逆転写酵素としても使用さ
れなくてはならない場合、このような固有のRNase H活
性は不利なものでありうる。
従って、本発明の一態様には、大幅に減少もしくは低
下された又は完全に除去された5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性を示す熱安定性DNAポリメラーゼ変異体の生
成が含まれる。このような変異体熱安定性DNAポリメラ
ーゼは、PCR、第2鎖cDNA合成、配列決定及びオリゴヌ
クレオチド誘導突然変異誘発といった方法において使用
するのにより適切かつ望ましいものとなるだろう。
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が低下又は除去さ
れた熱安定性DNAポリメラーゼ変異体の生産は、部位特
異的突然変異誘発及び欠失突然変異誘発といった方法に
よって達成できる。
例えば、Taq DNAポリメラーゼのアミノ酸配列内の残
基46におけるGlyのコドンの第2の位置でのGからAの
部位特異的変異(すなわちDNA配列におけるG(137)か
ら(A)の変異)は、5′→3′エキソヌクレアーゼ活
性の約1000分の1の減少をもたらし、ポリメラーゼ活
性、プロセシング可能性又は延長速度には見かけの変化
が全く無いということがわかった。Taq DNAポリメラー
ゼのヌクレオチド配列のこの部位特異的変異はGly(4
6)からAspへのアミノ酸変化をもたらす。
Taq DNAポリメラーゼのグリシン46はテルムス(Therm
us)スペーシスsps17DNAポリメラーゼ内で保存されてい
るが、残基43に位置しており、同じGlyからAspへの変異
Tsps17DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレア
ーゼ活性に対し同様の効果をもつ。Tth(Gly46)、TZ05
(Gly46)、Tma(Gly37)及びTaf(Gly37)DNAポリメラ
ーゼの保存されたGlyのAspへのこのような変異は、これ
らのポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性
に対しても類似の低下効果をもつ。
Tsps17 Gly43,Tth Gly46,TZ05 Gly46,Tma Gly37及びT
af Gly37は、同様に、保存されたA(V/T)YG(配列番
号:15)配列ドメイン内にも見い出され、いずれのポリ
メラーゼのこの保存された配列ドメイン内でのグリシン
のアスパラギン酸への変化も5′→3′エキソヌクレア
ーゼ活性を低下させることが予想される。具体的に言う
と、Tsps17 Gly43,Tth Gly46,TZ05 Gly46,及びTaf Gly3
7はAVYG配列ドメインを共有し、Tma Gly37はATYGドメイ
ン内に見出される。保存されたA(V/T)YG(配列番号:
15)ドメインを含むその他の熱安定性DNAポリメラーゼ
におけるグリシンからアスパラギン酸への変異は、Taq
ポリメラーゼの部位特異的変異誘発のために用いられる
ものと同じ原理及び技術を利用して達成されうる。この
ような部位特異的変異誘発技術の例としては、1990年5
月15日付出願の米国出願第523,394号の例5,1991年9月2
7日付出願の弁理士事件整理番号第2583.1号の例4,1989
年12月22日付出願の米国出願第455,967号の例4及び
5、ならびに1991年8月13日付のPCT出願第91105753号
の例5及び8がある。
このような部位特異的変異誘発は一般に、部位特異的
プライマ誘導変異誘発によって達成される。この技術は
現在当該技術分野において標準的なものであり、望まれ
る突然変異を表わす制限された誤対合を除いて突然変異
誘発させるべき一本鎖ファージDNAに対し相補的な合成
オリゴヌクレオチドプライマを用いて行なわれる。簡単
に言うと、プラスミド又はファージに対し相補的な鎖の
合成を誘導するためのプライマとして、合成オリゴヌク
レオチドが用いられ、得られる2重鎖DNAは、ファージ
支持宿主細菌に形質転換される。形質転換された細菌の
培養は、ファージを宿す単細胞からのプラーク形成を可
能にする上部寒天培地内で平板培養されるか或いは又、
プラスミドベクターのための薬物選択的培地上で平板培
養される。
理論的には、新しいプラークの50%が一本鎖として変
異された形態を有するファージを含み、50%はもとの配
列を有する。プラークはニトロセルロースフィルターに
移送され、「リフト」は、正確な対合のハイブリッド形
成を可能にするがもとの鎖との誤対合がハイブリッド形
成を妨げるのに充分であるような温度で、キナーゼ付加
された合成プライマとハイブリッド形成させられる。次
に、プローブとハイブリッド形成するプラークが採取さ
れ、培養され、そしてDNAが回収される。
以下に記述する構成においては、プラスミド構成のた
めの正しい連結は、連結混合物で大腸菌(E. coli)DG9
8,DG101,DG116、又はその他の適切な宿主をまず形質転
換することによって確認される。成功した形質転換体
は、当該技術分野において理解されているように、プラ
スミド構成の様式に応じて、アンピシリン、テトラサイ
クリンその他の抗生物質耐性によって、或いは又その他
の標識を用いて選択される。次に形質転換体からのプラ
スミドを、Clewell,D.B他、Proc,Natl,Acad,Sci(USA)
(1969年)62:1159の方法に従って、又任意にはクロラ
ムフェニコール増幅(Clewell,D.B.,J.Bacteriol.(197
2年)110:667)に従って調製する。次に、分離されたDN
Aは制限酵素により分析され、そして/又は、Messing、
他のNucleic Acid.Res.(1981年):309又はMaxamその
他のMethods in Enzymology(酵素化学方法(1981年)6
5;499によってさらに記述されているように、Sanger,
F.,他、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1977年)74:5463
のジデオキシ(チェーンターミネータ)法によって配列
決定される。
クローニング及び配列決定のため及びほとんどのlac
又はPLプロモータの制御下での構成の発現のためには、
大腸菌(E. coli)DG98,DG98,DG101,DG116を宿主として
用いた。PL NRBSプロモータの制御下での発現のために
は、大腸菌(E. coli)K12 MC1000ラムダ溶原株、N7N53c
I857 Sus P80,ATCC39531を使用することができる。ここ
で、変更された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をも
つ熱安定性DNAポリメラーゼの発現のために用いられる
宿主の例としては、1987年4月7にATCCに寄託された
(ATCC53606)E.coli D116及び1985年3月29日にATCCに
寄託された(ATCC53075)E.coli KB2がある。
M13ファージ組換え体としては、大腸菌(E. coli)K12
菌株DG98といったようなファージ感染を受ける可能性の
ある大腸菌(E. coli)株が使用される。DG98菌株は、19
84年7月13日にATCCに寄託され、39768という受入れ番
号をもつ。
哺乳動物の発現は、COS−7,COS−A2,CV−1及びマウ
ス細胞内で達成され、昆虫細胞ベースの発現はスポドプ
テラ・フルギペイダ(Spodoptera frugipeida)内で達
成されうる。
本発明の熱安定性DNAポリメラーゼは一般に、プラス
ミドPLSG33の特徴を含む大腸菌(E. coli)DG116から純
化される。一次的特徴は、温度調節されるプロモータ
(λPLプロモータ)、温度調節されるプラスミドベクタ
ー、正のレトロレギュレーション(retrolegulatory)
要素(PRE)(1987年5月19日付発行の米国特許第4,66
6,848号参照)及び熱安定性DNAポリメラーゼ遺伝子の変
更形態である。米国特許出願第455,967号明細書の46ペ
ージに記載されているように、pLSG33は、pLSG24のNde
I−BamH I制限フラグメントを発現ベクタpDG178に連結
することによって調製された。得られたプラスミドはア
ンピシリン耐性をもち、本発明の熱安定性DNAポリメラ
ーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損形態を発現す
ることのできるものである。10リットルの発酵用の種母
フラスコは、トリプトン(20g/)、イーストエキス
(10g/),NaCl(10g/)及び0.005%のアンピシリン
を含んでいる。種母フラスコは、寒天培地板からのコロ
ニーから接種されるか或いは又、凍結したグリセロール
保存培養物を用いることも可能である。種母は0.5〜1.0
O.D.(A680)まで増殖させられる。発酵内へ接種され
る種母培養物の量は、細菌の最終濃度がリットルあたり
1mgの乾燥重量となるように計算される。10リットルの
増殖培地には、25mMのKH2PO4、10mMの(NH42SO4、4mM
のくえん酸ナトリウム、0.4mMのFeCl2、0.04mMのZnC
l2、0.03mMのCoCl2、0.03mMのCuCl2及び0.03mMのH3BO3
が含まれている。以下の無菌成分が付加される:4mMのMg
SO4、20g/のグルコース、20mg/のチアミン−HCl及
び50m/のアンピシリン。pHはNaOHで6.8に調整され、N
H4OHの添加によって発酵中に制御された。グルコースは
発酵中、NH4OHの添加として連係して連続的に添加され
る。発泡は、消泡剤として必要なだけポリプロピレング
リコールを添加することによって制御される。溶存酸素
濃度は40%に維持される。
発酵物は上述のように接種され、培養物は21(A680
の光学濃度に達するまで30℃で増殖させられる。次に、
望まれるポリメラーゼの合成を誘発するため温度を37℃
まで上昇させる。誘導後8時間増殖を続行し、次に細胞
は向流ろ過とそれに続く遠心分離を用いての濃縮によっ
て収穫される。得られた細胞ペーストは−70℃で凍結さ
れ、約50グラムの細胞ペーストが得られる。相反する指
示の無いかぎり、全ての精製段階は、4℃で行なわれ
る。
上述のようなプラスミドpLSG33を宿す凍結(−70℃)
大腸菌E. Coli)K12菌株DG116又はその他の適切な宿主の
一部分を一晩−20℃にまで暖める。細胞ペレットに対
し、次の試薬を付加する:1体積の2×TE(100mMのトリ
ス−HCl,pH7.5,20mMのEDTA),1mg/mlのロイペプチン及
び144mMのPMSF(ジメチルホルムアミド中)。ロイペプ
チンの最終濃度は1μg/mlであり、PMSFについては2.4m
Mであった。好ましくは、ジチオトレイトール(DTT)を
TE内に含めて1mM DTTの最終濃度を提供する。混合物
は、混合機の中で低速で均質化される。使用に先立ち全
てのガラス製品は乾熱しておき、精製に用いる溶液はで
きれば使用に先立って加圧滅菌しておく。細胞は10000p
siでMicro flui−dizerに2度通過させることによって
溶菌させる。
溶菌液は、細胞湿潤重量の5.5×の最終体積に至るま
で、1mMのDTTを含む1×TEで希釈する。1μg/mlまでロ
イペプチンを添加し、2.4mMまでPMSFを添加する。最終
体積(分画I)は約1540mlである。
一般に硫酸アンモニウムを徐々に0.2M(26.4g/)に
なるまで添加し、そして溶菌液を撹拌する。硫酸アンモ
ニウムを添加した時点で、以下に記すポリエチレンイミ
ン(PEI)沈澱段階に先立って除去される沈降物が形成
される。硫酸アンモニウム沈降物は、20分間JA−14ロー
タの中で15000〜20000×gで懸濁液を遠心分離すること
によって除去される。上澄みは、デカントされ保持され
る。次に硫酸アンモニウムの上澄みを、それが75℃に達
するまで加熱プレート上で撹拌し、次に77℃の浴内に置
き、そこで15分間場合によって撹拌を加えながら保持す
る。次に上澄みを氷浴の中で20℃まで冷却し、PEI検定
のため10mlのアリコートを取り出す。
0.3%のPEI(BDHからPolymin Pとして市販されてい
る)が〜90%の高分子DNA及びRNAを沈澱させる、すなわ
ちいかなるDNAバンドもPEI処理後の臭化エチジウムで染
色されたアガロースゲル上に見えないということを確認
するため、PEI検定及びアガロースゲル電気泳動が用い
られる。10%の保存溶液から0.3%まで撹拌しながらゆ
っくりとPEIを加える。PEI処理された上澄みを、JA−14
ロータ内で20分間、10000RPM(17000×g)にて遠心分
離する。上澄みをデカントし、そして保持する。この体
積(分画II)は約1340mlである。
分画IIを、0.2Mの硫酸アンモニウムを含むTEの6〜10
カラム体積での平衡化の後の2.6×13.6cm(71ml)のフ
ェニルセファロースCL−4B(Pharmacia−LKB)カラム上
に負荷する。このとき10cm/時の線形流速で分画IIを負
荷する。流速は0.9ml/分である。カラムは、3カラム体
積の平衡化緩衝液で洗浄し、次に2カラム体積のTEで洗
浄して汚染する非DNAポリメラーゼタンパク質を除去す
る。組換え型熱安定性DNAポリメラーゼは、20%のエチ
レングリコールを含むTE中2.5M尿素4カラム体積で溶出
する。標準的な手順に従って、光学的吸収(A280),DNA
ポリメラーゼ活性検定及びSDS−PAGEによって、DNAポリ
メラーゼを含む分画を識別する。ピーク分画をプール
し、そして0.2ミクロンの無菌真空ろ過装置を通してろ
過する。体積(分画III)は約195mlである。メーカーの
推奨事項に従って、樹脂を平衡化させそして再循環使用
する。
1時間あたり1カラム体積で、6〜10カラム体積の0.
05MKCl,50mMのトリス−HCl,pH7.5,0.1mMのEDTA及び0.2
%のTween20により、2.6×1.75cm(93ml)のヘパリンセ
ファロースCl−6Bカラム(Pharmacia−LKB)を均衡化さ
せる。好ましくは、緩衝液は1mMのDTTを含んでいる。カ
ラムは、3カラム体積の平衡化緩衝液で洗浄する。本発
明の望ましい熱安定性DNAポリメラーゼを、同じ緩衝液
内で50−750mMのKCl勾配の10カラム体積の直線勾配で溶
出させる。無菌管内に分画(10分の1カラム体積)を収
集し、望ましい熱安定性DNAポリメラーゼを含む分画を
プールする(分画IV,体積177ml)。
Amicon YM30膜上で10mlまで分画IVを濃縮する。緩衝
液交換のため、20mlまで濃縮器を満たし毎回10mlまで体
積の濃縮することによって、2.5×の貯蔵を緩衝液(50m
Mのトリス−HCl,pH7.5,250mMのKCl,0.25mMのEDTA,2.5mM
のDTT及び0.5%のTween−20)で5回、ダイアフィルト
レーション(diafiltration)を行なう。濃縮器を空に
し10mlの2.5×の貯蔵緩衝液で洗い長し、この緩衝液は
濃縮物と合わさって分画Vを提供する。
残留DNAを除去するためには、陰イオン交換クロマト
グラフィが用いられる。生物学的安全用フードの中で手
順を行ない、無菌技術が用いられる。1秒あたり約5滴
の速度で注射器を用いて30mlの2.5×貯蔵緩衝液で、0.2
ミクロンの無菌使い捨て注射器先端部フィルタユニット
を伴うウオーターズ(Waters)Sep−PakプラスQMAカー
トリッジを平衡化させる。使い捨て注射器を用いて、1
秒あたり約1滴の割合でカートリッジ内に分画Vを通過
させ、無菌管内に収集する。カートリッジを5mlの2.5ml
貯蔵緩衝液で流水洗浄し、空気で押し乾燥する。80%の
グリセロールで溶離剤を1.5×に希釈し、−20℃で貯蔵
する。得られる最終分画IVのプールは、変更された5′
→3′エキソヌクレアーゼ活性を伴う活性熱安定性DNA
ポリメラーゼを含んでいる。
ヌクレオチド配列の部位特異的変異誘発に加えて、熱
安定性DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性を低下させるため、欠質変異技術を使用すること
も可能である。このような欠失変異の一例としては、熱
安定性DNAポリメラーゼの保存されたA(V/T)YG(配列
番号:15)ドメイン内のグリシンまで(グリシンを含め
て)の全てのアミノ末端アミノ酸の欠失がある。
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性に影響を及ぼす第
2の欠失変異は、Taq DNAポリメラーゼ内のAla77までの
欠失である。このアミノ酸(Ala77)は、Taq DNAポリメ
ラーゼの約85.5kDaのタンパク質分解生成物の中でアミ
ノ末端アミノ酸として同定された。このタンパク質分解
生成物は、いくつかの天然Taq DNAポリメラーゼ調製物
中で同定されており、タンパク質は安定しているように
見える。このようなAla77までの欠失はGly46を含んでい
ることから、これはTaq DNANポリメラーゼの5′→3′
エキソヌクレアーゼ活性にも影響を及ぼす。
しかしながら、Ala77で始まる欠失変異体は、ペプチ
ドが安定状態にとどまることをタンパク質分解の証拠が
示唆しているという点で、フェニルアラニン47で始まる
欠失突然変異体に比べ付加的な利点をもつ。さらに、Al
a77は、Taq DNAポリメラーゼ内の配列YKAよりもアミノ
酸5個前の配列HEAYG(配列番号:16)内に見出される。
Tth DNAポリメラーゼ、TZ05 DNAポリメラーゼ及びTsps1
7 DNAポリメラーゼ内には、類似の配列モチーフHEAYE
(配列番号:17)が見られる。アラニンは、保存された
モチーフYKAより5アミノ酸分前である。Taq Ala77に相
応するその他の熱安定性DNAポリメラーゼ例の中のアミ
ノ酸は、Tth Ala78,TZ05 Ala78,Tsps17 Ala74,Tma Leu7
2及びTaf Ile73である。この配列を含むテルムス(Ther
mus)の種の熱安定性DNAポリメラーゼ内のモチーフHEAY
(G/E)(配列番号:16又は配列番号:17)内のアラニン
又は対応するアミノ酸までの欠失は、その5′→3′エ
キソヌクレアーゼ活性を低下させるであろう。5′→
3′エキソヌクレアーゼモチーフYKAは同様にTma DNAポ
リメラーゼ(アミノ酸76−78)及びTaf DNAポリメラー
ゼ(アミノ酸77−79)の中に保存されている。この熱安
定性ポリメラーゼ一族の中では、保存されたモチーフ
(L/I)LET(配列番号:18)がYKAモチーフのすぐ前にあ
る。Taf DNAポリメラーゼIle73はこのYKAモチーフより
残基5個分前にあり、一方TMA DNAポリメラーゼLeu72
は、YKAモチーフより残基5個分前にある。テルモタガ
Thermotoga)又はテルモシポ(Thermosipho)属から
の熱安定性DNAポリメラーゼ内のモチーフ(L/I)LETYKA
(配列番号:19)内のLeu又はIleの欠失は同様に5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を低下させるであろう。
かくして、テルムス(Thermus)属のDNAポリメラーゼ
ならびにテルモタガ(Thermotoga)及びテルモシポ(Th
ermosipho)のDNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌク
レアーゼ活性を構成する保存されたアミノ酸配列が(I/
L/A)X3 YKA(配列番号:20)(なおここでX3は3つのア
ミノ酸のいずれかの配列である)として同定された。従
って熱安定性DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌク
レアーゼ活性は同様に、この保存されたアミノ酸ドメイ
ンを変異させることによって変えることができる。
当業者であれば、組換え宿主細胞内でこのような欠失
変異体が発現される場合、メチオニンコドンがつねにコ
ード配列の5′末端に置かれ、従って欠失変異体タンパ
ク質のアミノ末端配列は上述のテルムス(Thermus)属
内でMET−ALAとなる、ということがわかる。
欠失変異を行なうための好ましい技術には、熱安定性
DNAポリメラーゼのヌクレオチド配列上の既知の制限部
位の利用が含まれる。欠失すべき特定の1又は複数のア
ミノ酸の同定に続いて、欠失されるべきアミノ酸又はド
メインに対応する位置またはその位置に対しわずかに
3′遠位の位置で標的DNA配列の開裂をひき起こすがし
かし望まれるポリメラーゼのその他の特性をコードする
ドメインを、開裂された時に保持するような制限部位が
同定される。
あるいは、標的アミノ酸又はドメインをコードする配
列のいずれかの例(5′又は3′)上の制限部位を利用
してその配列を開裂させることも可能である。しかしな
がら、この場合、次に配列の2つの望ましい部分の連結
が必要となる。この連結は、当該技術分野では標準的な
ものであり1990年5月15日付出願の米国出願第523,394
号の例9,1991年8月13日付出願のPCT出願明細書第91/05
753号の例7、及び1990年9月28日付出願の米国特許出
願第590490号に例示されている技術を用いて行なうこと
ができる。
熱安定性DNAポリメラーゼの欠失変異を達成するため
のもう1つの技術は、PCR変異誘発法を利用することに
よるものである。この方法においては、制限部位ドメイ
ン及び任意的にはメチオニンコドンがすでに存在してい
ない場合このコドンを取り込むプライマが調製される。
かくして、このプライマによるPCR生成物は、酵素の
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をコードするドメイ
ンを除去するべく適切な制限酵素で消化されうる。次
に、生成物の2つの残りの区分が連結されて、5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性の欠如した熱安定性DNAポ
リメラーゼのためのコード配列が形成される。このよう
なコード配列は、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性の
欠如した望ましい熱安定性DNAポリメラーゼを生産する
ため適切な宿主細胞内で発現ベクターとして利用でき
る。
減少した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつTa
q DNAポリメラーゼ変異体に加えて、減少された5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を有する末端切除されたTm
a DNAポリメラーゼを、Tma DNAポリメラーゼ遺伝子の完
全なコード化配列が大腸菌(E. coli)内の発現ベクター
内に存在している場合でさえ組換え技術によって生産で
きるということも見出された。このような末端が切除さ
れたTma DNAポリメラーゼは、位置140のメチオニンコド
ンで出発する翻訳によって形成される。さらに組換え手
段を用いて、Tmaコード配列の位置284でのメチオニンコ
ドンにおいて翻訳を開始することにより生産されたタン
パク質に相当する末端切除されたポリメラーゼを生成す
ることが可能である。
アミノ酸1〜139の欠如したTma DNAポリメラーゼ(約
86kDa)及びアミノ酸1〜283の欠如したTma DNAポリメ
ラーゼ(約70kDa)は、ポリメラーゼ活性を保持してい
るが、低下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有
する。70kDaのTma DNAポリメラーゼの付加的な利点は、
それが未変性のTmaポリメラーゼに比べて有意に熱安定
性があるという点にある。
かくして無傷のTma DNAポリメラーゼI酵素の全配列
が活性のために必要とされることはないということがわ
かった。Tma DNAポリメラーゼIコード配列の一部分を
組換えDNA技術の中で用いてDNAポリメラーゼ活性をもつ
生物学的に活性の遺伝子生成物を生産することが可能で
ある。
さらに、Tma DNAポリメラーゼ配列をコードするDNAの
利用可能性は、同様にDNAポリメラーゼ活性をもつが低
下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するミュ
ーティン(変異体タンパク質)形態を生成するべくコー
ド配列を変更する機会を提供する。Tma DNAポリメラー
ゼのアミノ(N)−末端部分はポリメラーゼ活性のため
に必要なものではないが、むしろタンパク質の5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性をコードする。
かくして、組換えDNA方法を用いて、Tma遺伝子のN末
端コード配列のほぼ最高3分の1まで欠失させ、クロー
ニングし、ポリメラーゼ検定においてきわめて活性であ
るが欠失の範囲に応じて5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性を全くもたない遺伝子生成物を発現することが可能
である。ポリメラーゼのいくつかのN末端短縮形態が活
性であることから、これらのポリメラーゼの発現のため
に用いられる遺伝子構成体は、コード配列の対応する短
縮形態を含むことができる。
N末端欠失に加えて、Tma DNAポリメラーゼ又はその
他の熱安定性DNAポリメラーゼのペプチド鎖内の個々の
アミノ酸残基を、酸化、還元又はその他の誘導体化によ
って変更することが可能であり、ポリメラーゼ活性を保
持するが低下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を
もつフラグメントを得るためタンパク質を開裂すること
もできる。Tma DNAポリメラーゼコード配列又はその他
の熱安定性DNAポリメラーゼのコード配列の一次構造に
対して欠失、付加又は変更により修正を行ない、そのコ
ード配列から生産されたmRNAの翻訳中に熱安定性DNAポ
リメラーゼへと取り込まれるアミノ酸を変化させること
は、タンパク質の高温DNAポリメラーゼ活性を破壊する
ことなく行なうことができる。
低下した又は増強された5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性のごとき新規の性質を含む熱安定性DNAポリメラ
ーゼを調製するためのもう1つの技術は、「熱安定性キ
メラDNAポリメラーゼ」の構成のための「ドメインシャ
フリング(混合)」技法である。例えば、Taq DNAポリ
メラーゼIコドン289−422に換えて約291〜約484のコド
ンを含むTma DNAポリメラーゼコード配列を用いること
は、Taq DNAポリメラーゼの3′→5′エキソヌクレア
ーゼドメイン(1−289)、Tma DNAポリメラーゼの5′
→3′エキソヌクレアーゼドメイン(291〜484)及びTa
q DNAポリメラーゼのDNAポリメラーゼドメイン(423〜8
32)を含有する新規な熱安定性DNAポリメラーゼを生み
出すことになる。あるいは、Tma DNAポリメラーゼの
5′→3′エキソヌクレアーゼドメイン及び3′→5′
エキソヌクアーゼドメイン(およそ、コドン1−484)
を、Taq DNAポリメラーゼのDNAポリメラーゼ(dNTP結合
及びプライマ/鋳型結合ドメイン)部分(およそ、コド
ン423−832)に融合させることができる。
ここでわかるように、「ドメインシャッフリング」に
よる「熱安定性キメラDNAポリメラーゼ」の生成のため
の供与体と受容体はTaq及びTma DNAポリメラーゼに制限
される必要はない。その他の熱安定性ポリメラーゼは、
Taq及びTma DNAポリメラーゼと類似のドメインを提供す
る。その上、5′→3′エキソヌクレアーゼドメイン
は、変更された5′→3′ヌクレアーゼ活性をもつ熱安
定性DNAポリメラーゼから誘導されうる。例えば、Taq D
NAポリメラーゼの1〜289の5′→3′ヌクレアーゼド
メインは、Taqポリメラーゼ遺伝子のGly(46)からAsp
への変異体形態から誘導されうる。同様に、Tma DNAポ
リメラーゼの5′→3′ヌクレアーゼ及び3′→5′ヌ
クレアーゼドメインは5′→3′エキソヌクレアーゼ欠
損ドメインをコードし、Tma Gly(37)→Aspアミノ酸1
〜484をコードするDNAフラグメント、又はこれらに代え
て末端切除形Met140〜アミノ酸484をコードするDNAフラ
グメントとして取出すことができる。
さまざまな手段のいずれを用いてもキメラDNAポリメ
ラーゼコード配列(新しい特性をもつもの)を生成する
ことができるが、好ましい方法は「オーバーラップ」PC
Rを利用する。この方法においては、意図された連結部
配列はPCRプライマ内(その5′末端で)に盛り込まれ
ている。個々のドメインの初期増幅に続いて、さまざま
な生成物が希釈され(約100〜1000倍)、組合わされ、
変性され、アニーリングされ、延長され、その後、そう
でなければ標準的なPCRのために最終的順方向及び逆方
向プライマが付加される。
当業者であれば、低下した5′→3′エキソヌクレア
ーゼ活性をもつ上述の熱安定性DNAポリメラーゼが組換
えDNA技法によって最も容易に構築されるということを
認識することだろう。低下した5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性をもつ本発明に従った変異体酵素の1つ又は
これらの酵素の誘導体又は相同体を生産したい場合、酵
素の組換え体形態を生産することには、発現ベクターの
構成、ベクターを用いた宿主細胞の形質転換及び発現が
発生するような条件下での形質転換された宿主細胞の培
養が、典型的には含まれる。
発現ベクターを構成するためには、成熟(ここでは全
てのキメラ又はミューテインを含む)酵素又は、活性を
破壊しない付加的な配列への又は活性タンパク質を与え
るための(ペプチダーゼでの処理といった)制御された
条件下で開裂可能な付加的な配列への変異体ポリメラー
ゼの融合をコードするDNAが得られる。次に、コード配
列は、発現ベクター内で適当な制御配列との作業的連鎖
状態に置かれる。ベクターは、宿主細胞内で自律的に精
製するように、又は宿主細胞の染色体DNA内に組込まれ
るように設計され得る。適切な宿主を形質転換するため
にこのベクターが用いられ、形質転換された宿主は、組
換え型ポリメラーゼの発現に適した条件下で培養され
る。
前述の段階の各々はさまざまな方法を行なうことがで
きる。例えば、ゲノムフラグメントから望ましいコード
配列を得、これを直接適切な宿主内で使用することが可
能である。さまざまな宿主内で作動的な発現ベクタのた
めの構成は、以下に一般的に記述するようにレプリコン
及び制御配列を用いて行なわれる。望ましいコード化及
び制御配列を含む適切なベクターの構成は、当該技術分
野において充分に理解されている標準的な連結及び制限
技術を利用する。単離されたプラスミド、DNA配列又は
合成オリゴヌクレオチドは開裂され、変更され、望まし
い形に再連結される。適切な制限部位は、通常得られな
い場合、以下に例示するように発現ベクターの構成を容
易にするべくコード配列の端部に付加することが可能で
ある。
部位特異的DNA開裂は、当該技術分野において一般に
理解されており又市販の制限酵素のメーカーが規定して
いるような条件の下で適当な制限酵素(1又は複数)で
処理することによって行なわれる。例えばNew England
Biolabs、製品カタログを参照のこと。一般に、約1μ
gのプラスミド又はその他のDNAが約20μの緩衝液中
で酵素1単位によって開裂される。以下の例では、DNA
の完全な消化を確保するための過剰の制限酵素が使用さ
れている。約37℃で約1時間から2時間の保温時間が標
準的であるが、変更も許容できる。各保温の後、タンパ
ク質はフェノール及びクロロホルムでの抽出により除去
される;この抽出の後には、エーテル抽出及びエタノー
ルでの沈澱による水性分画からのDNAの回収を続行うこ
とができる。望ましい場合には、開裂された分画のサイ
ズ分離を、標準技法を用いたポリアクリルアミドゲル又
はアガロースゲル電気泳動法によって行なうことも可能
である。例えばMethods in Enzymology,1980年,65;499
−560を参照のこと。
一本鎖の「突出」末端を有する制限開裂されたフラグ
メントは、50mMのトリス−Cl pH7.6,50mMのNaCl,10mMの
MgCl2,10mMのDTT及び5〜10μMのdNTPの中で20℃〜25
℃、約15〜25分の保温時間を用いて4つのデオキシヌク
レオシド三燐酸(dNTP)の存在下で大腸菌(E. coli)DN
AポリメラーゼI(クレノウ)の大フラグメントで処理
することにより、平滑末端(2本鎖末端)にすることが
できる。Klenowフラグメントは5′の突出末端でフィル
インするが、たとえ4つのdNTPが存在する場合でも、突
出する3′一本鎖をチューバックする。望ましい場合に
は、突出末端の性質によって課せられる制限条件の範囲
内でdNTPsのうちの1つだけつまり選択されたものだけ
を供給することにより、選択的修復を行なうことが可能
である。Klenowでの処理の後、混合物はフェノール/ク
ロロホルムで抽出され、エタノール沈澱される。S1ヌク
レアーゼを用いた適切な条件下での処理は核酸の全一本
鎖部分の加水分解をもたらすから、S1ヌクレアーゼを用
いて類似の結果を達成することも可能である。
Mafteuci、1981.J.AmChemSoc. 103:3185−3191
のトリエステル方法、或いは又自動合成方法を用いて、
合成オリゴヌクレオチドを調製することが可能である。
アニーリングに先立つ又は標識づけのための一本鎖のキ
ナーゼ付加は、50mMのトリス、pH7.6,10mMのMgCl2,5mM
のジチオトレイトール(DTT)、及び1〜2μMのATPの
存在下で0.5μMの基質に対し余剰の、例えば約10単位
のポリヌクレオチドキナーゼを用いて達成される。キナ
ーゼ付加がプローブの標識づけのためである場合、ATP
は高い比活性のγ−32Pを含むことになる。
以下の標準的条件及び温度で15〜30μの体積で連結
が行なわれる:20mMのトリス−Cl,pH7.5,10mMのMgCl2,10
mMのDTT,33μg/mlのBSA,10mM〜50mMのNaCl及び(相補的
一本鎖末端を伴うフラグメントの連結のため)0℃で0.
01〜0.02(Weissl単位のT4 DNAリガーゼと40μMのAT
P、又は(「平滑末端」連結のため)14℃で0.3〜0.6単
位のT4 DNAリガーゼと1mMのATPのいずれか。相補的末端
を伴うフラグメントの分子間結紮は、通常33〜100μg/m
lの合計DNA濃度(5〜100nMの合計末端濃度)で行なわ
れる。分子間鈍端結紮(通常、任意で20〜30倍のモル余
剰リンカーを用いる)は、1μMの合計末端濃度で行な
われる。
ベクター構成において、ベクターフラグメントは一般
に、5′リン酸を除去しベクターの再連結及び再構成を
防ぐため、細菌又は子ウシの腸内アルカリ性ホスファタ
ーゼ(BAP又はCIAP)で処理される。BAP及びCIAP消化条
件は当該技術分野において周知のものであり、公表され
たプロトコルが通常、市販のBAP及びCIAP酵素に付随し
てくる。核酸フラグメントを回収するためには、調製物
をフェノール−クロロホルムで抽出し、エタノール沈澱
してホスファターゼを除去しDNAを精製させる。あるい
は、適切な制限サイトが利用可能である場合、連結前後
の制限酵素消化により、望ましくないベクターフラグメ
ントの再連結を防ぐことができる。配列変更を必要とす
るコード配列又はベクターの一部分については、さまざ
まな部位特異的、プライマ誘導的な変異誘発方法が利用
可能である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、部位特
異的変異誘発を行なうために使用することが可能であ
る。現在当該技術において標準的なものであるもう1つ
の技術においては、望まれる突然変異をコードする合成
オリゴヌクレオチドが、変異誘発プライマの延長生成物
の構成のために鋳型として用いられるPBS13+のごとき一
本鎖ベクターの相補的核酸配列の合成を誘導するための
プライマとして用いられる。変異誘発されたDNAは、宿
主細菌に形質転換され、形質転換された細菌の培養物は
プレートされ同定される。変更されたベクターの同定に
は、ニトロセルロースフィルタ又はその他の膜に対する
選択された形質転換体のDNAの移行、及び変更された配
列に対する正確な対合のハイブリッド形成を可能にする
がしかしもとの鎖とのハイブリッド形成を妨げるような
温度でキナーゼ付加された合成プライマとハイブリッド
形成された「リフト」が関与することが考えられる。プ
ローブとハイブリッド形成するDNAを含む形質転換体が
次に培養され、変更されたDNAの溜めとして役立つ。
以下に記される構成においては、プラスミド構成のた
めの適正な連結は、まず連結混合物で大腸菌(E.coli
DG101又はその他の適切な宿主を形質転換することによ
って確認される。成功した形質転換体は、当該技術分野
では周知の通り、プラスミド構成様式に応じて、アンピ
シリン、テトラサイクリン又はその他の抗生物質耐性又
は感受性又はその他の標識を用いることによって選択さ
れる。形質転換体からのプラスミドは次に、Clewell
.,1969年、ProcNatlAcadSciUSA 62:1159の
方法に従って、任意にはクロラムフェニコール増幅(Cl
ewell,1972年,J.Bacterial110:667)に従って調製さ
れる。プラスミドDNAを得るためのもう1つの方法は、B
ethesda Research Laboratories刊行物Focus、第5巻、
第2号の11ページに「塩基−酸」抽出方法として記述さ
れており、プロトコルの段階12〜17を、DNAのCsCl/臭化
エチジウム超遠心分離で置き換えることによって、非常
に純粋なプラスミドDNAを得ることができる。分離され
たDNAは、制限酵素消化によって分析され、及び/又はM
essing、1981年、Nuc. Acids Res:309によってさ
らに詳述されているようなSanger.,1977年、ProcNa
tlAcad. Sci. USA 74:5463のジデオキシ(チェーンタ
ーミネータ)法によってか、或いは又Maxam、1980
年、Methods in Enzymology 65:499の方法によって配列
決定される。
制御配列、発現ベクター及び形質転換方法は、遺伝子
を発現するのに用いられる宿主細胞のタイプによって異
なる。一般に、宿主としては、原核生物、酵母菌、昆虫
又は哺乳動物の細胞が用いられる。原核生物の宿主は一
般に、組換えタンパク質の生産のために最も効果的で便
利なものであり、従って本発明の熱安定性DNAポリメラ
ーゼの発現にとって好ましいものである。
組換え型タンパク質を発現するのに最も頻繁に用いら
れる原核生物は、大腸菌である。クローニング及び配列
決定のためそして大部分の細菌性プロモータの制御下で
の構成の発現のためには、GCSC#6135として大腸菌(E.
coli)遺伝材料センタから入手できる大腸菌(E. coli
K12株MM294を宿主として使用することが可能である。PL
NRBS制御配列を伴う発現ベクタについては、大腸菌(E.
coli)K12株MC1000ラムダ溶原株、N7N53cI857Sus P80,A
TCC39531を用いることができる。19874月7日にATCCに
寄託された(ATCC53606)大腸菌(E. coli)DG116及び19
85年3月29日にATCCに寄託された(ATCC53075)大腸菌
E. coli):KB2も同様に有用な宿主細胞である。M13フ
ァージ組換え体については、大腸菌(E. coli)K12株DG9
8といったファージ感染を受けやすい大腸菌(E. coli
株が使用される。DG98株は、1984年7月13日にATCCに寄
託されている(ATCC39768)。
しかしながら、本発明の熱安定性DNAポリメラーゼの
組換え体発現のためには、バシルス・スプチリス(Baci
llus subtilis)などのかん菌、さまざなシュードモナ
ス(Pseudomonas)の種及びその他の細菌株といった大
腸菌(E. coli)以外の微生物株も用いることができる。
このような原株生物系においては、宿主又は宿主と適
合性ある種から誘導された制御配列及び複製部位を含む
プラスミドベクタが標準的に用いられる。
例えば、大腸菌(E. coli)は典型的には、Boliver
.,1977年、Gene :95によって記述されているpBR32
2の誘導体を用いて形質転換される。プラスミドpBR322
はアンピシリン及びテトラサイクリン耐性のための遺伝
子を含んでいる。これらの薬物耐性標識は、望ましいベ
クタを構成する上で保持することも破壊することもで
き、従って望まれる組換え体の存在を検出する助けとな
る。一般に使用されている制御配列、すなわち、リボソ
ーム結位部位配列と共に任意には1つのオペレータを伴
う転写開始のためのプロモータとしては、β−ラクタマ
ーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトース(lac)プロモ
ータ系(Chang.,1977年、Nature 198:1056)、トリ
プトファン(trp)プロモータ系(Goeddel、1980年Nu
c. Acids Res. :4057)及びラムダ誘導型PLプロモータ
(Shimatake、1981年、Nature 292:128)及びN−遺
伝子リボソーム結合部位(NRBS)が含まれる。1987年12
月8日付発行の米国特許第4,711,845号に、ポータブル
式制御システムカセットが記述されている。このカセッ
トは、NRBS配列の6bp3′内の開裂を許容する少なくとも
1つの制限部位をもつ第3のDNA配列の上流に位置するN
RBSに作動的に連鎖されたPLプロモータを含んでいる。
同様に有効なのは、1986年10月8日に公示された欧州特
許公開第196,864号中にChang他によって記述されている
ホスファターゼA(phoA)系である。しかしながら、本
発明の変更された熱安定性DNAポリメラーゼ発現ベクタ
ーを構成するためには、原核生物と適合性ある入手可能
なあらゆるプロモータ系を用いることができる。
細菌に加えて、酵母のごとき真核微生物を組換え宿主
細胞として使用することも可能である。
サッカロミセス・セレビシエー(Saccharomyces cere
visiae)の実験用株、つまりパン酵母菌が最も多く用い
られるが、その他のいくつかの菌株も一般に入手可能で
ある。2ミクロン複製起点を用いるベクターが一般的で
ある(Broach,1983年Meth. Enz. 101:307)が、酵母での
発現に適したその他のプラスミドベクタも知られている
(例えば、Stinccomb、1979年、Nature 282:39;Tsch
empe.,1980年、Gene 10:157:及びClarke、1983
年、Meth. Enz. 101:300を参照のこと)。酵母ベクター
のための制御配列には、解糖系酵素の合成のためのプロ
モータが含まれている(Hess.,1968年、J. Adv. Enzyme
Req.7:149,Halland.,1978年、Biotec hnology 1
7:4900;及びHalland.,1981年J. Biol. Chem. 256:138
5)。当該技術分野において知られているさらなるプロ
モータとしては、3−ホスフォグリセリ酸キナーゼのた
めのプロモータ(Hitzeman.,1980年、J.Biol Chem.25
5:2073)、及びグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラー
ゼ、ホスフォフラクトキナーゼ、グルコース−6−リン
酸イソメラーゼ、3−ホスフォグリセリン酸ムターゼ、
ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、
ホスフォグルコースイソメラーゼ及びグルコキナーゼと
いったその他の解糖酵素のためのプロモータが含まれ
る。増殖条件によって制御される転写の付加的利点をも
のその他のプロモータは、アルコールデヒドロゲナーゼ
2、イソサイトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代
謝と関連する分解酵素、並びにマルトース及びガラクト
ースの利用を担う酵素(Halland、前述)のためのプロ
モータ領域である。
コード配列の3′末端に置かれたとき、ターミネータ
配列も発現強化のために用いることができる。このよう
なターミネータは、酵母由来の遺伝子内のコード配列に
続く3′非翻訳領域内に見い出される。酵母適合性プロ
モータ、複製起点及びその他の制御配列を含むあらゆる
ベクターが、本発明の熱安定性DNAポリメラーゼのため
の酵母発現ベクターの構成に使用するのに適している。
本発明の熱安定性DNAポリメラーゼをコードするヌク
レオチド配列は、多細胞生物に由来する真核宿主細胞培
養物の中でも発現されうる。例えばTissue Culture,Ac
adenic Press.Cruz and Patterson,editors(1973年)
を参照のこと。有用な宿主細胞系としては、Cos−7,Cos
−A2,CV−1,マウス細胞例えばマウスの骨髄腫N51及びVE
RO,HeLa細胞及びチャイニーズハムスターの卵巣(CHO)
細胞が含まれる。このような細胞のための発現ベクター
には、通常、例えば一般に用いられるシミアンウイルス
40(SV40)からの初期及び後期プロモータ(Fiers.,1
978年、Nature 273:113)又は、ポリオーマウィルス、
アデノウィルス2、ウシの乳頭腫ウィルス(BPV)又は
鳥類の肉腫ウィルスといったその他のウィルス性プロモ
ータ、又は免疫グロブリンプロモータ及びヒートショッ
クプロモータといったような哺乳動物細胞と適合性ある
制御配列及びプロモータが含まれる。BPVベクター系を
用いた哺乳動物系内でDNAを発現するための系は、米国
特許第4,419,446号の中で開示されている。この系の変
形態様は、米国特許第4,601,978号に記述されている。
哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般的観点は、Axelの米
国特許第4,399,216号に記述されている。「エンハンサ
ー」領域も又、発現を最適化する上で重要である。これ
らは、一般にプロモータ領域の上流に見られる配列であ
る。複製起点は必要とあらばウィルス性供給源から得る
ことができる。しかしながら、染色体内への統合は、真
核生物内のDNA複製にとって共通のメカニズムである。
植物細胞を宿主として利用することもでき、ノパリン
シンターゼプロモータ及びポリアデニル化シグナル配列
(Depicker、1982年、J. MolApplGen:561)と
いった、植物細胞と適合性ある制御配列が利用可能であ
る。バキュロウィルスベクターによって提供される制御
系を用いた昆虫細胞を利用する発現系も同様に記述され
ている。(Miller、1986年、Genetic Engineering(S
etlow他.,eds.,Plenum Publishing):277−297)。昆
虫細胞ベースの発現はスポドプテラ・フルグペイダ(Sp
odoptera frupeida)内で達成できる。これらの系は、
同様に本発明の組換え熱安定性ポリメラーゼを生産する
のに用いることができる。
使用する宿主細胞に応じて、このような細胞に適切な
標準的技術を用いて転質転換が行なわれる。Cohen,1972
年,ProcNatlAcadSciUSA 69:2110により記述
されているような塩化カルシウムを用いるカルシウム処
理は、実質的な細胞壁バリヤを含む原核生物又はその他
の細胞のために用いられる。或る種の植物細胞のために
は、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agroba
cterium tumefaciens)を用いる感染(Shaw.,1983
年、Gene 23:315)が用いられる。哺乳動物の細胞のた
めには、Graham and van de Eb,1978年、Virology 52:
546のリン酸カルシウム沈澱方法が好まれる。酵母への
形質転換は、Van Solingen、1977年、J. Bact130:94
6及びHsiao、1979年、ProcNatlAcadSciUSA
76:3829の方法に従って行なわれる。
組換え宿種細胞内で、変更された5′→3′エキソヌ
クレアーゼ活性を有する望ましい熱安定性DNAポリメラ
ーゼがひとたび発現されると、タンパク質の精製が望ま
れる可能性がある。本発明の組換え熱安定性ポリメラー
ゼを精製するためにはさまざまな精製手順を用いること
ができるが、等しい純度の酵素調製物を生み出すために
は、比較的少ない段階しか必要でない可能性がある。大
腸菌(E. coli)の宿主タンパク質は熱に敏感であること
から、本発明の組換え熱安定性DNAポリメラーゼは、粗
溶菌液を熱不活性化することによって著しく富化するこ
とができる。この段階は、宿主DNAからの熱安定性DNAポ
リメラーゼの解離を確実に行ない、熱安定性DNAポリメ
ラーゼとその他の細胞溶菌液タンパク質とのイオン相互
作用を減少させるため、充分な量の塩(標準的には0.2
〜0.3Mの硫酸アンモニウム)の存在下で行なわれる。
さらに、0.3Mの硫酸アンモニウムの存在は、フェニー
ルセファロースカラムとの疎水性相互作用を促進する。
疎水性相互作用クロマトグラフィは、疎水性基を含む未
負荷のベッド材料との疎水性相互作用の強度の差に基づ
いて物質が分離される分離技術である。典型的には、カ
ラムはまず、高イオン強度のごとき疎水結合によって有
利な条件の下で平衡化される。次に、試料を溶出させる
ため、下降する塩勾配を用いることができる。
本発明に従うと、(変更された5′→3′エキソヌク
レアーゼ活性をもつ組換え型熱安定性DNAポリメラーゼ
を含む)水性混合物が、フェニルセファロース(Pharma
cia製)又はPhenyl Tsk(東ソー製)のごとき比較的強
い疎水性ゲルを含むカラム上に負荷される。フェニルセ
ファロースカラムとの疎水性相互作用を促進するため、
0.3M以上の硫酸アンモニウム(0.3Mが好ましい)又は0.
5M以上のNaClを含む溶剤が用いられる。カラム及び試料
は、同様に0.5mMのDTTを含む50mMのTris(pH7.5)及び
1.0mMのEDTA(「TE」)緩衝液の中で0.3Mの硫酸アンモ
ニウムに調整され、試料はカラムに対し適用される。カ
ラムは0.3Mの硫酸アンモニウム緩衝液で洗浄する。次
に、減少する塩勾配、エチレンもしくはプロピレングリ
コール又は尿素ごとき疎水的相互作用を低下させる溶剤
で、酵素を溶出させることができる。
長期にわたる安定性のためには、本発明の熱安定性DN
Aポリメラーゼー酵素は、1又は複数の非イオン性ポリ
マー洗剤を含む緩衝液の中で保存することができる。こ
のような洗剤は、一般に約100〜250,000ダルトン好まし
くは約4,000〜200,000ダルトンの範囲内の分子量を有す
るものであり、約3.5〜約9.5好ましくは約4〜8.5のpH
で酵素を安定化させる。このような洗剤の例としては、
Mc Cutcheon Dinision of MC Publishing Co.,175 Rock
Road,Glen Rock,NJ(USA)により発行されたMc Cutche
onのEmulsifiers & Detergents(乳化剤と清浄剤)の2
95〜298ページ及び1989年7月28日付の同時係属米国出
願第387,003号に規定されているものが含まれる(これ
らの記載を引用により本明細書に組み入れる)。
好ましくは、洗剤はエトキシル化脂肪族アルコールエ
ーテル及びラウリルエーテル、エトキシル化アルキルフ
ェノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
化合物、修飾オキシエチル化及び/又はオキシプロピル
化直鎖アルコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコ
ール化合物、ポリソルビン酸化合物及びフェノール脂肪
族アルコールエーテルを含むグループの中から選択され
る。より具体的には、ICIAmericas Inc.,Wilmington,DE
からのポリオキシエチル化(20)モノラウリン酸ソルビ
タンであるTween20、及びBASF Wyadotte Corp.,Parsipp
any,NJからのエトキシル化アルキルフェノール(ノニ
ル)であるIconol NP−40が好ましい。
本発明の熱安定性酵素は、このような酵素の活性が必
要であるか又は望まれるあらゆる用途に用いることがで
きる。
Sangerジデオキシヌクレオチド法によるDNA配列決定
(Sanger.,1977年、ProcNatlAcadSciUSA 7
4:5463−5467)は近年、新たなベクター(Yanisch−Per
ron.,1985年、Gene 33:103−119)、塩基類似体(Mi
lls.,1979年、ProcNatlAcadSciUSA 76:2232
−2235、及びBarr.,1986年、Bio Technigues :428
−432),酵素(Tabor.,1987年、Proc,Natl Acad Sc
i,USA 84:4763−4771及びInnis,M.A.、1988年、Pro
c.Natl Acad Sci,USA 85:9436:9440)及びDNA配列分析
の部分的自動化のための計器(Smith.,1986年、Natur
e 321;674−679;Prober、1987年Science 238:336−34
1;及びAnsorge、1987年、Nuc,Acids,Res.15:4593−46
03)の開発を含め、著しい改良を受けてきた。基本的な
ジデオキシ配列決定手順には、(i)適切な一本鎖又は
変性2本鎖DNA鋳型にオリゴヌクレオチドプライマをア
ニーリングすること;(ii)各々1つのd標識dNTP又は
ddNTP(代替的には、標識プライマを用いることができ
る),未標識dNTPsの混合物及び1つの読み終りジデオ
キシヌクレオチド−5′−三燐酸(ddNTP)を含む4つ
の別々の反応においてDNAポリメラーゼでプライマを延
長すること;(iii)高解像度ポリアクリルアミド−尿
素ゲル上で反応生成物の4組を分離すること;並びに
(iv)DNA配列を推論するため検査することのできるゲ
ルのオートラジオグラフィ画像を生成すること、が含ま
れる。あるいは、反応生成物を同定するため蛍光標識プ
ライマ又はヌクレオチドを用いることができる。既知の
ジデオキシ配列決定方法は、大腸菌(E.coli)DNAポリ
メラーゼIのクレノウフラグメント、逆転写酵素、Taq
DNAポリメラーゼ又は変更T7 DNAポリメラーゼのごときD
NAポリメラーゼを利用する。
市販のキットの導入はこの技術を大幅に簡略化し、DN
A配列決定をあらゆる実験室にとっての日常的技術にし
た。しかしながらそれでもなお、パリンドロームヘヤピ
ループといった二次的構造を含む核酸及びG+Cの豊富
なDNAでうまく機能する配列決定プロトコルに対する必
要性が、当該技術分野には延在している。一本鎖DNA
は、ヘヤピンループといったような、延長反応における
不適切な停止を通して又5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性をもつ酵素の場合にはヘヤピンの接合における鋳型
鎖の開裂を通してジデオキシ(チェーンターミネータ)
配列決定プロトコルと著しく妨害する可能性のある二次
構造を形成することができる。高温は二次構造を不安定
にするから、熱安定性DNAポリメラーゼでの例えば70〜7
5℃といった高温における延長反応を行なう能力は、こ
のような二次構造を含むDNAの配列決定における著しい
改善をもたらす。しかしながら、ポリメラーゼ延長と適
合性ある温度が全ての二次構造を除去するわけではな
い。5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNAポ
リラーゼは、この分野におけるさらなる改良である。と
いうのもこのポリメラーゼは、鋳型を開裂して不適切な
停止すなわち延長ラン−オフ・フラグメントをもたらす
のではなくむしろ鎖の除去(displacement)反応におい
てヘヤピンを通して合成できるからである。
基本的ジデオキシ(チェーンターミネータ)配列決定
に代るものとして、サイクルジデオキシ配列決定は、ジ
デオキシチェーンターミネータの存在下での標的配列の
非対称な増幅である。単一のサイクルは考えられる全て
の長さ延長生成物の1群を生成する。延長反応生成物を
DNA鋳型から変性した後、プライマアニーリングとプラ
イマ延長の多くのサイクルがジデオキシターミネータの
存在上で起こる。この方法はPCR法とは異る。なぜな
ら、わずか1つのプライマしか用いられず各サイクル内
の配列決定反応生成物の増加は直線的であり、増幅生成
物は長さが不均一であり、次の反応に対する鋳型として
役立たないからである。サイクルジデオキシ配列決定
は、自動化されたDNA配列決定計器を用いる実験室及び
その他の大量配列決定実験室にとって利点を提供する技
術である。技術の特異性及び生成されるシグナル量の増
大のため、クローニング無しに直接ゲノミックDNAを配
列決定することが可能である。サイクル配列決定プロト
コルは、ゲノミック、クローニング及びPCR増幅された
鋳型を含む一本鎖及び二本鎖の鋳型に対処する。
熱安定性DNAポリメラーゼは、サイクル配列決定にお
いていくつかの利点をもつ;すなわち、これらのポリメ
ラーゼは、ゲノミック標的に対するペライマの特異的ハ
イブリッド形成のために必要とされるストリンジェント
・アニーリング温度に耐え、しかも各サイクル内で起こ
る高温変性の多くのサイクルに耐える。70〜75℃といっ
た高い温度で延長反応を実行することは、二次構造の不
安定化のため、二次構造を含むDNAでの配列決定結果に
おける著しい改善をもたらす。しかしながらこのような
温度は、全ての二次構造を排除するものではない。5′
→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNAポリメラー
ゼはこの分野におけるさらなる改良である。というの
も、このポリメラーゼは、鋳型を開裂して不適切な停止
を作り出すのではなくむしろ鎖除去(displacement)反
応においてヘヤピンを通して合成できるからである。さ
らに、PCRと同様に、サイクル配列決定は生成物の鎖の
復元という現象に悩まされる。5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼの場合、
生成物鎖復元によって作られた2本鎖領域へのプライマ
の延長は、復元された相補的生成物鎖の開裂をもたら
す。開裂された鎖はさらに短いものとなり、かくして不
適切な停止として現われる。さらに、適正な予め合成さ
れた停止シグナルは減少することになる。5′→3′エ
キソヌクレアーゼ活性が欠損している熱安定性DNAポリ
メラーゼは、このような延長生成物フラグメントが形成
されないという点で、改良をもたらす。サクイル配列決
定の一変形態様には、一定の増幅レベルを保持しながら
2本鎖鋳型の各鎖に対し配列決定梯子を同時に生成する
ことが含まれる(Ruans及びKidd,ProcNatlAcadSc
iUSA 1991年、88:2815−2819)。結合された増幅及び
配列というこの方法は、鎖サイクル配列決定と同様の形
で5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が欠損した熱安定
性DNAポリメラーゼの使用からの恩恵をこうむることに
なる。
特に好ましい態様においては、5′→3′エキソヌク
レアーゼ活性が減少されるか又は除去された酵素は、PC
Rとして知られている核酸増幅反応を触媒し、上述のと
おり、その結果、より高い5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性をもつそれぞれの天然性酵素で達成される以上に
優れた望ましい生成物の収量が生み出されることにな
る。収量の改善は、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性
によってひき起こされる、すでに合成された生成物を分
解する能力が無いことの結果である。核酸配列を増幅さ
せるためのこの方法は、米国特許第4,683,202号及び4,8
65,188号の中で開示されそして特許請求されている。こ
れらの記載を引用により本明細書に組み入れる。PCR核
酸増幅方法には、核酸又は核酸混合物の中に含まれてい
る少なくとも1つの特定の核酸配列を増幅することが関
与し、最も一般的な態様においては、2本鎖DNAが生成
される。収量の改善の他に、低下した5′→3′エキソ
ヌクレアーゼ活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼは、
より長いPCR生成物を生成する改善された能力、G+C
の豊富な鋳型から生成物を生産する改善された能力及び
PCR生成物及びDNA配列決定梯子(ladder)を高レベルの
2次構造のもつ鋳型から生成する改善された能力を示
す。
論述する上で容易なように、以下に記すプロトコルで
は、増幅すべき特定の配列が2本鎖核酸の中に含まれて
いるということを仮定している。しかしながら、この方
法は、mRNAのごとき1本鎖核酸を増幅する上でも同様に
有効である。ただし好ましい実施態様において、究極的
な生成物は2本鎖DNAである。一本鎖核酸の増幅におい
ては、第1の段階には相補的鎖の合成が関与しており
(この目的で2つの増幅プライマのうちの1つを用いる
ことができる)、その後に続く段階は以下で記す2本鎖
増幅法と同じように進められる。
この増幅法は、以下のような段階を含んでいる; (a)増幅されるべき各特定の配列について2つのオリ
ゴヌクレオチドプライマ及び4つの異なるヌクレオシド
三燐酸と各核酸鎖とを接触させる段階:ここで、各プラ
イマは、特定の配列の異なる鎖に対し実質的に相補的で
あるよう選択されており、かくして、1つのプライマか
ら合成された延長生成物はその相補対から分離されたと
きその他のプライマの延長生成物の合成のための鋳型と
して役立つことができるようになっている。この接触作
業は、相補的核酸鎖に対する各プライマのハイブリッド
形成を可能にする温度で行なわれる: (b)特定の核酸配列の各鎖に対し相補的なプライマ延
長生成物を形成するためヌクレオシドリン酸の結合を可
能にする本発明の熱安定性DNAポリメラーゼと各核酸鎖
を、段階(a)と同時に又はその後で接触させる段階; (c)酵素の活性を促進し、増幅中の異なる各配列につ
いて各核酸鎖鋳型に対して相補的な各プライマの延長生
成物を合成するために有効な時間にわたりそのために有
効な温度において、ただし相補的鎖鋳型から各延長生成
物を分離するほど高くはない温度及び時間で、段階 (b)からの混合物を維持する段階; (d)一本鎖分子を生成するためプライマ延長生成物が
合成された鋳型からこのプライマ延長生成物を分離する
のに有効な、ただし酵素を不可逆的に変性するほど高く
はない温度及び時間で、段階(c)からの混合物を加熱
する段階; (e)段階(d)で生産された一本鎖分子の各々に対す
るプライマのハイブリッド形成を促進するため有効な時
間にわたり、そのために有効な温度まで、段階(d)か
らの混合物を冷却する段階;及び(f)酵素の活性を促
進し、増幅中の異なる各配列について、段階(d)で生
産された各核酸鋳型に相補的な各プライマの延長生成物
を合成するのに有効な時間にわたり、そのために有効な
温度で、ただし相補的鎖鋳型から各々の延長生成物を分
離するほど高くない温度及び時間で、段階(e)からの
混合物を維持する段階。段階(e)と(f)の有効な時
間と温度は一致していてよく、かくして段階(e)及び
(f)は同時に行なうことができる。段階(d)〜
(f)は望ましい増幅レベルに至るまで反復される。
増幅方法は、既知の配列の特定の核酸配列を大量に生
産するのに有効であるのみならず、存在することはわか
っているが完全に特定されていない核酸配列を生産する
ためにも有効である。1つのプライマから合成された延
長生成物が鋳型(相補体)から分離された時点で規定の
長さの核酸へのその他のプライマの延長のための鋳型と
して役立つことができるように配列に沿って相対的な位
置に望ましい配列の異なる鎖に対しハイブリッド形成す
ることになる2つのオリゴヌクレオチドポリマーが調製
されうるように充分に詳しく、充分な数の塩基が配列の
両端においてわかっていることだけが必要なのである。
配列の両端での塩基についての知識が多ければ多いほ
ど、標的核酸配列に対するプライマの特異性及び反応の
特異性及び方法の効率は高いものとなりうる。
いずれの場合でも、増幅すべき配列の初期コピーが利
用可能でなくてはならないがこの配列は純粋な又は分離
された分子である必要はない。一般に、増幅プロセスに
は(a)ハイブリッド形成されることになるオリゴヌク
レオチドが合成されうるのに充分詳細に所要配列の末端
がわかっていること及び(b)連鎖反応を開始するのに
少量の配列が利用可能であることを仮定して、関与する
反応段階の数との関係において指数的な量で少なくとも
1つの特定の核酸配列を生産するための連鎖反応が関与
している。連鎖反応の生成物は、使用された特定のプラ
イマの5′末端に相応する末端をもつ分離された核酸の
2重鎖となる。
増幅しようとする特定の核酸配列を含んでいるか又は
含んでいると思われるものであることを条件として精製
された又は精製されていない形のあらゆる核酸配列を出
発核酸として利用することが可能である。増幅すべき核
酸は、あらゆる供給源例えばpBR322のごときプラスミ
ド、クローニングされたDNAもしくはRNA、又は細菌、酵
母菌、ウィルス、オルガネラ(細胞器官)及びさらに高
等植物及び動物などの生物体からの天然のDNA又はRNAか
ら得ることができる。DNA又はRNAは、血液、絨毛膜絨毛
などの組織材料又は羊膜細胞から、さまざまな技術によ
って抽出することができる。例えば、Maniatis1982
Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Sp
ring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)p280
〜281を参照のこと。従って、この方法は例えば、メッ
センジャーRNAを含むDNA又はRNAを利用することがで
き、これらのDNA又はRNAは、一本鎖であっても二本鎖で
あってもよい。さらに、各々を1鎖ずつ含むDNA−RNAハ
イブリッドを利用することも可能である。これらの核酸
のうちのいずれかの混合物は同様に、(同じ又は異なる
プライマを用いた)前の増幅反応から生産された核酸と
同じように用いることができる。増幅されるべき特定の
核酸配列は、大きな分子の単なる一分画であってもよい
し或いは又当初から分離された分子として存在し、かく
して特定の配列が核酸全体を構成するようになっていて
もよい。
増幅すべき配列は、当初純粋な形で存在する必要はな
い。配列は、特定の生物学的試料の極めてわずかな分画
しか構成しないであろう特定の微生物による核酸配列の
一部分又は、ヒトDNA全体の中に含まれたβ−グロブリ
ンの一部分(Saiki、1985年、Science 230:1530−15
34で例示されているようなもの)といった、複雑な混合
物のわずかな分画であってよい。細胞は、低張緩衝液内
での懸濁及び細胞間成分の細胞溶菌及び分散が起こるま
での約90℃〜100℃での熱処理(一般に1〜15分)の後
に、増幅法において直接用いることができる。加熱段階
の後、増幅試薬を直接溶菌済み細胞に付加することがで
きる。出発核酸配列は、望ましい特定の核酸配列を複数
含むことができる。増幅法は、1つの特定の核酸配列を
大量に生産するためのみならず、同じ又は異なる核酸分
子上にある複数の異なる特定の核酸配列を同時に増幅す
るためにも役立つ。
PCR法においては、プライマが主要な役割を果たす。
増幅法を説明する上で用いられる「プライマ」という語
は、特に増幅すべきフラグメントの末端配列に関する情
報において幾分かのあいまいさがある場合又は1991年8
月13日付のPCT出願第91/05−753号内に記されている縮
重プライマ法を利用する場合において、複数のプライマ
のことを指すことがある。例えば、タンパク質配列情報
から核酸配列が類推される場合、各々の鎖のために、遺
伝子コードの縮重に基づく考えられる全てのコドンの変
動を表わす配列を含むプライマの1つのコレクションを
用いることができる。このコレクションの中の1つのプ
ライマは、増幅のために役立つように増幅すべき所望の
配列の一部分と充分に相同的なものとなる。
さらに、異なるオリゴヌクレオチドプライマが適切な
数用いられるかぎり、最初の核酸又は核酸混合物から複
数の特定の核酸配列を増幅することが可能である。例え
ば、2つの異なる特定の核酸配列を生産しなくてはなら
ない場合、4つのプライマが使用される。プライマのう
ちの2つは、特定の核酸配列の1つに対して特異的であ
り、その他の2つのプライマは第2の特定の核酸配列に
対して特異的である。この要領で、2つの異なる特定の
配列の各々を、当該方法によって指数的に生産すること
ができる。
増幅すべき配列の内部配列(すなわち末端にない配
列)に対して相補的な1組のプライマを少なくとも1回
の増幅サイクルの後に添加することによって反応におい
てより大きい特異性を得るため、一定の与えられた数の
増幅サイクルの後に、一定の与えられた配列内の1つの
配列を増幅することが可能である。このようなプライマ
はどの段階ででも付加することができ、より短い増幅フ
ラグメントを提供することになる。あるいは、以前に増
幅に利用されたプライマと幾分かのオーバーラップを有
しながら非相補的な末端を伴うプライマを用いることに
より、さらに長いフラグメントを調製することができ
る。
プライマは同様に、生体外変異誘発のために増幅法が
用いられる場合に主要は役割を果たす。利用されるプラ
イマがもとの鋳型と正確に相補的でない増幅反応の生成
物は、鋳型よりもむしろプライマの配列を含むことにな
り、従って生体外異変を導く。さらなるサイクルにおい
て、この変異は、それ以上いかなる誤対合プライミング
も必要とされないことから、効率が低減されることなく
増幅されることになる。上述のような変更DNA配列を作
成する方法は、さらなる配列変更を誘発するべく異なる
プライマを用いて変更DNAに対して反復して行なうこと
ができる。このようにして、系列に対いて新規に付加す
る各々のものは、その直前のものとわずかにしか異なら
ないがもとのDNA原子配列とは漸進的に大きく異なる、
一連の変更配列を段階的に生み出すことが可能である。
充分な量のプライマが増幅すべき鎖に対して相補的で
ある1つの配列を含んでいることを条件として、プライ
マはその配列の一部として非相補性配列を含むことがで
きるため、その他の数多くの利点が実現可能である。例
えば、プライマの一方又は両方の5′末端において、鋳
型配列に対し相補的でないヌクレオチド配列(例えばプ
ロモータ、リンカー、コード配列など)を付着させ、か
くしてこれを増幅法の生成物に追加させることが可能で
ある。延長プライマが付加された後、非相補的ヌクレオ
チドインサートを含む望ましい量の新しい鋳型を達成す
るため充分なサイクルが行なわれる。こうして、単純な
技術を用いて比較的短かい時間(例えば2時間以下)内
で組合された大量のフラグメントの生産が可能となる。
例えば上述のホスフォトリエステル及びホスフォジエ
ステル方法又はその自動化された態様といった何らかの
適切な方法を用いて、オリゴヌクレオチドプライマを調
製することが可能である。このような自動化された態様
の1つにおいては、出発材料としてジエチルホスホロア
ミジトが用いられ、これはBeaucage、1981年、Tetrah
edron Letters 22:1859−1862によって記述されている
ように合成されうる。修飾された固形支持体でオリゴヌ
クレオチドを合成するための1つの方法は、米国特許第
4,458,066号に記されている。同様に、(制限エンドヌ
クレアーゼ消化物などの)生物学的供給源から分離され
たプライマを使用することも可能である。
しかしながら、どんなプライマが使用されようとも、
反応混合物は、PCRが起こるよう1つの鋳型を含んでい
なくてはならない。というのも、特定の核酸配列はその
配列を鋳型として含む核酸を用いることによって生産さ
れるからである。第1の段階には、増幅中の又は検出中
の各々の特定の核酸配列について2つのオリゴヌクレオ
チドプライマ及び4つの異なるヌクレオシド三燐酸と各
々の核酸鎖を接触させることが含まれる。増幅又は検出
すべき核酸がDNAである場合、ヌクレオシド三燐酸は通
常dATP,dCTP,dGTP及びdTTPであるが、工程中さまざまな
ヌクレオチド誘導体も同様に使用可能である。例えば、
未知の配列の試料中の既知の配列の検出のためにPCRを
用いる場合、1991年7月23日付のPCT出願第91/05210号
(引用によりこの記載を本明細書に組み入れる)に教示
されているように、試料の間の汚染を減少させる目的
で、dTTPの代りにdUTPがしばしば用いられる。
ヌクレオシド三燐酸の濃度は大幅に変化しうる。標準
的には、濃度は、増幅用緩衝液内で各々のdNTP中50〜20
0μMであり、MgCl2はポリメラーゼを活化させ反応の特
異性を増大させるため1〜3mMの量で緩衝液中に存在す
る。しかしながら、1〜20μMというdNTP濃度が、高い
比活性での放射線識されたプローブ生成又はDNA配列決
定といったいくつかの利用分野のためには好ましいもの
であり得る。
標的核酸の核酸鎖は、プライマの延長生成物である追
加の核酸鎖の合成のための鋳型として役立つ。この合成
は、適切ないかなる方法を用いても行なうことができる
が、一般に、好ましくはpH7〜9、最も好ましくは約8
のpHの緩衝水溶液内で起こる。合成を容易にするため、
鋳型鎖を含む緩衝液に対して2つのオリゴヌクレオチド
プライマのモル余剰分が加えられる。実際問題として、
付加されるプライマの量は、増幅すべき配列が複雑な長
連鎖核酸類の混合物内に含まれている場合、相補的(鋳
型)の量に比べモル過剰状態にある。プロセスの効率を
改善するためには、大きいモル過剰が好ましい。従っ
て、1000:1以上のプライマ対鋳型の比率がクローニング
されたDNA鋳型に対して一般に用いられ、複雑なゲノミ
ック試料からの増幅については一般に約108:1以上のプ
ライマ対鋳型比率が用いられる。
次に、鋳型、プライマ及びヌクレオシド三燐酸の混合
物を、増幅又は検出すべき核酸が2本鎖であるか1本鎖
であるかに応じて処理する。核酸が1本鎖である場合、
第1の延長サイクルに先立っていかなる変性段階も使用
する必要がなく、反応混合物は、プライマの相補的標的
(鋳型)配列に対するハイブリッド形成を促進する温度
に保たれる。このような温度は一般に数秒から5分好ま
しくは30秒から1本の有効時間にわたり約35℃から65℃
以上好ましくは約37℃から60℃である。5′→3′エキ
ソヌクレアーゼ変異体熱安定性DNAポリメラーゼのため
には、35℃から70℃のハイブリッド形成温度を用いるこ
とができる。プライマのハイブリッド形成の特異性を増
大させるためには、長さが15ヌクレオチド以上のプライ
マが用いられる。これよりも短いプライマには、さらに
低いハイブリッド形成温度が必要である。
もとの1本鎖核酸に対する相補体は、適切な緩衝液、
dNTPs及び1又は複数のオリゴヌクレオチドプライマの
存在下で本発明の熱安定性DNAポリメラーゼを添加する
ことによって合成できる。適切な単一のプライマが付加
される場合、プライマ延長生成物は1本鎖核酸に対し相
補的なものとなり、(プライマがどこで鋳型とハイブリ
ッド形成するかに応じて)等しい又は等しくない長さの
2重鎖に核酸鎖のハイブリッド形成することになり、次
にこれは上述のように2つの単一の分離した相補的鎖を
生成するべく、一本鎖へと分離されうる。このとき、も
との一本鎖核酸及び第1のプライマ延長生成物の両方を
鋳型として用いて次に続くプライマ延長サイクルが起こ
るように、第2のプライマが添加される。あるいは、一
本鎖核酸に対し2つ以上の適切なプライマ(そのうちの
1つは鋳型としてその他のプライマの延長生成物を用い
る合成をプライミングする)を添加し、反応を行なわせ
ることができる。
2本鎖標的の増幅又は一本鎖標的の第2サイクルの増
幅の場合のように、核酸が2本の鎖を含む場合、核酸の
鎖はプライマがハイブリッド形成される前に分離されな
くてはならない。この鎖分離は、物理的、化学的又は酵
素的手段を含む。適切なあらゆる変性方法によって達成
されうる。核酸の鎖を分離する好ましい物理的方法に
は、完全な(>99%)変性が起こるまで核酸を加熱する
ことが含まれる。典型的な熱変性には、核酸の組成及び
サイズに応じて一般に約数秒から数分までの時間の約80
℃〜150℃の範囲の温度が関与している。好ましくは、
有効な変性温度は数秒から1分の間で90℃〜100℃であ
る。ヘリカーゼ活性を有しATPが存在する中でDNAを変性
するものであることがわかっている酵素RecA又はヘリカ
ーゼとして知られているクラスの酵素のうちのいずれか
の酵素によっても、鎖分離を誘発することが可能であ
る。ヘリカーゼで核酸の鎖を分離するのに適した反応条
件は、Kuhn Hoffmann−Berling,1978年CSH−Quantitati
ve Biology 43:63によって記述されており、RecAを使用
するための技術は、Radding,1982年,Ann, Rev, Genetics
16:405−437の中で総説されている。変性は、等しい
又は等しくない長さの2つの分離された相補的鎖を生み
出す。
2本鎖核酸が熱によって変性される場合、反応混合物
は、相補的標識(鋳型)配列に対する各プライマのハイ
ブリッド形成を促進する温度まで冷却される。この温度
は通常、試薬に応じて約35℃〜65℃以上好ましくは37℃
〜60℃である。ハイブリッド形成温度は一般に数秒から
数分、好ましくは10秒から1分までの有効期間中維持さ
れる。実際上は、温度は単に約95℃から37℃まで低下さ
せられ、ハイブリッド形成はこの範囲内の温度で起こ
る。核酸が一本鎖であろうと日本鎖であろうと、本発明
の熱安定性DNAポリメラーゼは、変性段階より前又は変
性段階中又は温度低下中又は温度がハイブリッド形成を
促進するための範囲内にあるときのいずれにでも添加す
ることができる。本発明に基づくポリメラーゼの熱安定
性のため、このようなポリメラーゼをいつでも反応混合
物に付加することが可能になっているが、混合物がスト
リンジェントハイブリッド形成温度より下に冷却されな
くなる時点で反応混合物に対しポリメラーゼを添加する
ことによって非特異的増幅を実質的に抑制することが可
能である。ハイブリッド形成の後、反応混合物は次に、
酵素の活性が促進されるか又は最適化される温度すなわ
ちハイブリッド形成されたプライマ及び鋳型からのプラ
イマ延長生成物の合成を容易にする上で酵素の活性を増
大させるのに充分な温度まで加熱されるか又はこの温度
に維持される。温度は実際には、各々の核酸鋳型に対し
て相補的である各々のプライマの延長生成物を合成する
のに充分なものでなくてはならないが、各々の延長生成
物をその相補的鋳型から変性するほど高いものであって
はならない(すなわち、温度は一般に約80℃〜90℃未満
である)。
用いられる核酸(1又は複数)に応じて、この合成反
応のために有効な標準的な温度は、約40℃〜80℃好まし
く50℃〜75℃である。さらに好ましい温度は、本発明の
熱安定性DNAポリメラーゼについて約65℃〜75℃であ
る。この合成に必要な時間は、主として温度、核酸の長
さ、酵素及び核酸混合物の複雑性に応じて、約10秒から
数分以上であると考えられる。延長時間は通常約30秒か
ら数秒である。核酸がさらに長い場合、よた長い時間が
相補的鎖合成のために一般に必要とされる。
新たに合成された鎖及び相補的核酸鎖は、増幅プロセ
スの次に続く段階で用いられる2本鎖分子を形成する。
次の段階では、2本鎖分子の鎖は、分子を変性させるの
に有効な時間にわたりこのために有効な温度での熱変性
によって分離されるが、この温度及び時間は、熱安定性
酵素が完全にかつ不可逆的に変性されるか又は不活性化
されるようなものではない。この鋳型の変性の後、温度
は、上述のように前段階で製造された相補的一本鎖分子
(鋳型)に対するプライマのハイブリッド形成を促進す
るようなレベルまで低下させられる。
このハイブリッド形成段階の後又はこの段階と同時
に、温度は、新たに合成された鎖及びもとの鎖の両方を
鋳型として用いたプライマ延長生成物の合成を可能にす
るため熱安定性酵素の活性を促進するのに有効である温
度に調整される。ここでも、温度は上述のように延長生
成物をその鋳型から分離(変性)するほど高いものであ
ってはならない。ハイブリッド形成はこの段階で起こる
可能性があり、従って前述の変性後の冷却段階は必要で
なくなる。このような場合、同時段階を用いて、好まし
い温度範囲は50℃〜70℃である。
鎖の分離、ハイブリッド形成及び延長生成物合成の1
つのサイクルに関与する加熱及び冷却段階は、特定の核
酸配列を望ましい量だけ生成するのに必要とされるだけ
の回数反復することができる。唯一の制限は、存在する
プライマ、熱安定性酵素及びヌクレオシド三燐酸の量で
ある。通常15〜30サイクルが完全に行なわれる。増幅さ
れたDNAの診断検出を目的とする場合、サイクル数は試
料の性質、試料内の初期標的濃度及び増幅後に用いられ
る検出法の感度によって左右される。一定の与えられた
検出感度に対しては、増幅中の試料が純粋でかつ初期標
的濃度が高い場合にはより少ない回数のサイクルしか必
要とされない。試料が核酸の複雑な混合物であり初期標
的濃度が低い場合、検出のために充分にシグナルを増幅
するには、さらに多くのサイクルが必要となる。一般的
増幅及び検出のためには、この工程が約15回くり返され
る。標識された配列特異的プローブで検出されるべき配
列を生成するのに増幅が用いられる場合及びヒトゲノム
DNAが増幅の標的である場合、明らかに検出可能なシグ
ナルが生産されるようすなわちバックグラウンドが検出
を妨害することのないように充分に配列を増幅するため
工程は15〜30回反復される。
いかなる主要試薬も枯褐しておらず又酵素が変性又は
不可逆的に不活性化された状態になっていないことを条
件として、初期添加の後いかなる追加のヌクレオチド、
プライマ又は熱安定性酵素も添加する必要はない。なお
上記条件のような場合には、反応が続行するために追加
のポリメラーゼ又はその他の試薬を加えなくてはならな
くなる。望ましい量の特定の核酸配列を生産するため適
切なサイクル数が完了した後、通常の要領すなわちEDT
A、フェノール、SDS又はCHCl3を添加して酵素を不活性
化することによって或いは又反応の成分を分離すること
によって反応を停止することができる。
増幅法は連続的に行なうことができる。自動化された
方法の一態様においては、一定の時間中一定のレベルで
制御されるべく濃度がプログラミングされるような形で
反応混合物を温度循環させることができる。この目的を
このような計器の1つとしてはPerkin−Elmer Cetus In
strumentsにより開発された市販されている増幅反応を
取り扱うための自動化された機械がある。この計器でPC
Rを行なうための詳細な指示事項は、計器購入時点で入
手可能である。
変更された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつ
本発明の熱安定性DNAポリメラーゼは、PCRにより核酸配
列の増幅が有用であるさまざまなプロセスにおいて非常
に役に立つ。増幅方法は、米国特許第4,800,159号に記
述されているように適切な表現ベクター内への挿入のた
め特定の核酸配列をクローニングするのに利用すること
ができる。ベクタは、組換えDNA技術の標準的方法によ
って配列の遺伝子生成物を生産するべく適切な宿主生体
を形質転換するのに使用することができる。このような
クローニングには、平滑末端連結を用いたベクタ内への
直接連結、又はプライマ内に含まれている部位で開裂す
るための制限酵素の使用が含まれよう。
本発明の熱安定性DNAポリメラーゼに適したその他の
方法には、米国特許第4,683,195号及び4,683,202号及び
欧州特許広報第229,701号;237,362号;及び258,017号に
記されているのが含まれる(これらの記載を引用により
本明細書に組み入れる)。さらに、当該酵素は、非対称
PCR〔Gyllensten及びErlich,1988年,ProcNatlAca
dSci,USA,85:7652〜7656、(本明細書に引用により組
み入れる)を参照のこと〕;逆PCR〔Ochman、1988
年、Genetics 120:621(本明細書に引用により組入れ
る)〕;においても有用であり、又DNA配列(Innis
1988年、ProsNatlAcadSci,USA 85:9436−9440及
びMc Conlongue、1988年、Nuc, Acids Res, 16(20):
9869),cDNA末端のランダム増幅(RACE)、一連のDNAフ
ラグメントを増幅するのに用いられるランダムプライミ
ングPCR、及びMETHODS:A Companion to Methods in Enz
ymology(方法:酵素学方法必携)(1991年)2:p.11〜1
9でLoh,E.が記述しているようなアンカーPCR及び連結媒
介アンカーPCRといった片側特異性(singlesided speci
ficity)をもつPCR法のためにも有用である。
5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNAポリ
メラーゼが役に立つもう1つのプロセスは、ポリメラー
ゼリガーゼ連鎖反応(PLCR)と呼ばれるプロセスであ
る。その名が示唆しているように、このプロセスは、PC
Rの特徴とリガーゼ連鎖反応(LCR)の特徴とを併せも
つ。
PLCRは一部には、利用されたdNTPの低濃度(〜1μ
M)が増幅の程度を制限していた対立遺伝子特異的PCR
の特異性を増大させる技術として開発されたものであ
る。PLCRでは、DNAが変性され、4つの相補的ではある
が隣接していないオリゴヌクレオチドプライマがdNTP、
熱安定性DNAポリメラーゼ及び熱安定性リガーゼと共に
添加される。
プライマは、非隣接的に標的DNAにアリーニングし、
熱安定性DNAポリメラーゼは非隣接プライマの間の間隙
を満たしかくしてプライマを隣接させるべく下流プライ
マの3′末端に対する適正なdNTPの付加をひき起こす。
このとき熱安定性リガーゼは2つの隣接するオリゴヌク
レオチドプライマを連結することになる。
しかしながら、熱安定性DNAポリメラーゼの中に5′
→3′エキソヌクレアーゼ活性が存在することは、この
ような活性が下流プライマの5′末端からのヌクレオチ
ド又は小さいオリゴヌクレオチドの切除をひき起こしか
くしてプライマの連結を妨げることから、2つのプライ
マ間の間隙を閉鎖する確率を著しく低下させる。従っ
て、PLCRにおいては、低下した又は除去された5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリ
メラーゼが特に有用となる。
簡単に言うと、減少、低下又は除去された5′→3′
エキソヌクレアーゼ活性をもつように変異を受けた本発
明の熱安定性DNAポリメラーゼは、以下に記述する均質
検定技術のような5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を
必要とする手順及び技術を除いて、そのそれぞれの変異
を受けていないポリメラーゼと同じ手順及び技術のため
に役立つ。さらに、本発明の変異を受けたDNAポリメラ
ーゼはしばしば、固有の5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性の減少又は除去に基き、手順及び技術のより効率の
良い性能をもたらすことになる。
低下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつ特
異的熱安定性DNAポリメラーゼは、TaqTmaTsps17T
Z05Tth、及びTaf DNAポリメラーゼの以下の変異形態
を含んでいる。以下の表内及びこの明細書全体を通し
て、欠失変異は、欠失を構成する番号付けされたヌクレ
オチド又はアミノ酸を含んでいる。
強化された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつ熱
安定性DNAポリメラーゼ 本発明のもう1つの態様は、それぞれの天然ポリメラ
ーゼのものに比べて強化された又は増大された5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を示す熱安定性DNAポリメ
ラーゼの生成を含む。増加された又は強化された5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性を有する本発明の熱安定性
DNAポリメラーゼは、1991年8月6日付のPCT出願第91/0
5571号内に記されている均質(homogeneous)検定系に
おいて特に有用である(引用により本明細書に組み入れ
る)。簡単に言うと、この系は、以下の段階を含む、試
料中の標的アミノ酸配列の検出方法である: (a)標的核酸の一領域に対して相補的な1つの配列を
含むオリゴヌクレオチド及び同じ標的核酸鎖の第2の領
域に対し相補的な1つの放列を含むが第1のオリゴヌク
レオチドが規定する核酸配列を含まない標識されたオリ
ゴヌクレオチドと、一本鎖核酸を含む試料とを接触させ
て、ハイブリッド形成条件下で2重鎖の混合物を生成す
る段階;なお、ここでこれらの2重鎖は、第1のオリゴ
ヌクレオチドの3′末端が標識されたオリゴヌクレオチ
ドの5′末端に隣接するように第1のオリゴヌクレオチ
ド及び標識されたオリゴヌクレオチドにアニーリングさ
れた標的核酸を含んでいる; (b)ポリメラーゼの5′→3′ヌクレアーゼ活性が、
アニーリングされ、標識されたオリゴヌクレオチドを開
裂し標識されたフラグメントを解放できるようにするの
に充分な条件の下に、5′→3′ヌクレアーゼ活性をも
つ鋳型依存型核酸ポリメラーゼと共に段階(a)の混合
物を維持する段階;及び (c)標識されたフラグメントの放出を検出し及び/又
は測定する段階。
この均質検定系は、標的配列が増幅されている間にシ
グナルを生成し、かくしてその他の検定システムに共通
の増幅された生成物の増幅後の取り扱いを最低限におさ
えるものである。さらに、増大した5′→3′エキソヌ
クレアーゼ活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼの特に
好ましい用途は、PCR技術を利用する均質検定系におい
てである。この特定の検定系は、以下の段階が関与して
いる:すなわち、 (a)前記試料を含むPCR検定に、標的核酸の領域に対
し相補的な配列を含む少なくとも1つの標識オリゴヌク
レオチドを提供する段階;なおここでこの標識オリゴヌ
クレオチドは段階(b)のオリゴヌクレオチドプライマ
によって境界づけされた標的核酸配列内でアニーリング
する; (b)一組のオリゴヌクレオチドプライマを提供する段
階、なおここで第1のプライマは、標的核酸配列の1つ
の鎖の中の1領域に対し相補的な配列を含み、相補的DN
A鎖の合成を起動させ、又第2のプライマは、標的核酸
の第2の鎖内の1領域に対し相補的な配列を含み、相補
的DNA鎖の合成を起動させる;又ここで各オリゴヌクレ
オチドプライマは、同じ核酸鎖にアニーリングされたあ
らゆる標識オリゴヌクレオチドの上流でその相補的鋳型
にアリーニングするように選択されている; (c)(i)標的領域内に含まれている鋳型核酸配列へ
のプライマ及び標識オリゴヌクレオチドのアニーリング
及び(ii)プライマの延長というPCR循環段階を許容す
る条件下で鋳型依存性重合剤として5′→3′ヌクレア
ーゼ活性をもつ核酸ポリアミラーゼを利用して標的核酸
配列を増幅する段階;なおここで、この核酸ポリメラー
ゼは、核酸ポリメラーゼの5′→3′ヌクレアーゼ活性
が標識オリゴヌクレオチドとその相補的鋳型核酸配列を
含むアニーリングされた2重鎖から同時に標識フラグメ
ントを放出して検出可能なフラグメント生成する間に、
1つのプライマ延長生成物を合成する; 及び (d)試料中の標的配列の存在又は不在を見極めるため
標識フラグメントの放出を検出し及び/又は測定する段
階。
本発明に基づく熱安定性DNAポリメラーゼの増大した
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性は、均質検定系内で
用いられた場合、その大きい方の相補的ポリヌクレオチ
ドにアニーリングされたオリゴヌクレオチドからのモノ
ヌクレオチド又は小さなオリゴヌクレオチドの開裂をひ
き起こす。開裂が効率良く起こるためには、上流オリゴ
ヌクレオチドも同様に、同じ大きい方のポリヌクレオチ
ドにアニーリングされなくてはならない。
この上流オリゴヌクレオチドの3′末端は、核酸ポリ
メラーゼのための初期結合部位を提供する。結合された
ポリメラーゼが下流オリゴヌクレオチドの5′末端に遭
遇すると直ちにポリメラーゼは、モノヌクレオチド又は
小さいオリゴヌクレオチドをそれから開裂させることが
できる。
2つのオリゴヌクレオチドは、それらが相補的標的核
酸上で極く近くでアニーリングして上流オリゴヌクレオ
チドの3′末端に対する核酸ポリメラーゼの結合がそれ
を自動的に下流オリゴヌクレオチドの5′末端と接触状
態に置くことになるように設計されうる。この方法は、
開裂を完遂するべく核酸ポリメラーゼを所定の位置にも
ってくるのに重合が必要とされないことから、「重合非
依存性開裂」と呼ばれる。
あるいは、2つのオリゴヌクレオチドが鋳型核酸標的
のより遠く隔離された領域にアニールする場合、核酸ポ
リメラーゼが下流オリゴヌクレオチドの5′末端と遭遇
する前に重合が起こらなくてはならない。重合が続行す
るにつれて、ポリメラーゼは下流オリゴヌクレオチドの
5′末端からモノヌクレオチド又は小さいオリゴヌクレ
オチドを徐々に開裂させる。この開裂は、下流オリゴヌ
クレオチドの残りが、鋳型分子から解離する程度にまで
不安定化されてしまうまで続く。この工程は「重合依存
性開裂」と呼ばれる。
下流オリゴヌクレオチドに対する標識の取りつけが、
開裂されたモノヌクレオチド及び小さいオリゴヌクレオ
チドの検出を可能にする。その後は、診愛裂の標識オリ
ゴヌクレオチドのその開裂されたフラグメントから区別
するため、複数の方法のうちのいずれでも利用できる。
この要領で、上流及び下流のオリゴヌクレオチドに対し
て相補的な配列を含む核酸試料を識別することが可能で
ある。換言すると、PCRの開始時点でプライマに付随し
て標識オリゴヌクレオチドが添加され、プローブの標識
ヌクレオチドの加水分解から生成されたシグナルが標的
配列の検出のための手段を提供する。
均質検定系の方法においては、問題の特定のオリゴヌ
クレオチド配列すなわち「標的核酸」を含んでいる疑い
のある試料が提供される。試料中に含まれている標的核
酸はまず必要とあらばcDNAに逆転写され、次に、当業者
にとっては周知の物理的、化学的又は酵素的手段を含む
適当なあらゆる変性方法を用いて変性されうる。鎖分離
のための好ましい物理的手段には、完全に(>99%)変
性されるまで核酸を加熱することが含まれる。代表的な
変性には、数秒から数分に至るまでの時間、約80℃から
約105℃までの温度が関与する。変性に対する1つの代
替法として、標識核酸は、例えば一本鎖RNA又はDNAウイ
ルスといったように試料中に一本鎖形態で存在する可能
性がある。
この場合、変性された核酸鎖は、単一の核酸鎖へのプ
ライマ及びプローブの結合を可能にする条件であるハイ
ブリッド形成条件下で、予め選択されたオリゴヌクレオ
チドプライマ及び標識オリゴヌクレオチド(ここでは、
「プローブ」としても言及されている)と共に保温され
る。当該技術分野において良く知られているように、プ
ライマは、その2重鎖配列に沿った相対的位置が、1つ
のプライマから合成された延長生成物がその鋳型(相補
体)から分離された時点でその他のプライマの延長のた
めの鋳型として役立ちかくして規定の長さの複製鎖生成
するように選択される。
相補的鎖はプローブ又はプライマのいずれよりも長い
ことから、鎖はより多くの接触点をもち、従って与えら
れたいかなる時間にわたっても互いを見い出す確率がさ
らに高くなっている。高いモル余剰のプローブ、及びプ
ライマは、鋳型の再アニーリングよりもむしろプライマ
及びプローブのアニーリングの方へ平衡を傾かせる一助
となる。
プライマは、重合剤が存在する中で延長生成物の合成
を起動するのに充分な長さをもっていなくてはならな
い。プライマの正確な長さ及び組成は、アニーリング反
応の温度、プライマの供給源及び組成、プライマアニー
リング部位までのプローブアニーリング部位の近接性及
びプライマ対プローブ濃度の比率を含む数多くの要因に
よって左右される。例えば、標的配列の複雑性に応じ
て、オリゴヌクレオチドプライマは標準的に約15〜30個
のヌクレオチドを含んでいるが、1つのプライマがそれ
以上又はそれ以下のヌクレオチドを含むこともできる。
プライマはそのそれぞれの鎖に選択的にアニーリング
し、安定した2重鎖を形成するだけの充分な相補性を有
していなくてはならない。
ここで用いられるプライマは、増幅すべき各特定の配
列の異なる鎖に対して「実質的に」相補的となるように
選択される。プライマは、鋳型の正確な配列を反映して
いる必要はないが、そのそれぞれの鎖に選択的にハイブ
リッド形成するのに充分な相補性を有していなくてはな
らない。非相補的塩基又はより長い配列をプライマの中
に点在させたり又はプライマの端部に位置づけすること
も可能であるが、この場合、プライマが鋳型鎖と安定し
た2重鎖を形成するのに充分な相補性をこの鋳型鎖との
間に保持していることを条件とする。プライマの非相補
性ヌクレオチド配列は制限酵素部位を含んでいてもよ
い。
均質検定系の実践に際しては、標識オリゴヌクレオチ
ドはまず最初に、核酸ポリメラーゼがごの2重鎖領域に
遭遇する前に相補的核酸にアニーリングされ、かくして
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が標識オリゴヌクレ
オチドフラグメントを開裂及び放出するのを可能にしな
くてはならない。
プライマ延長重合がこの2重鎖領域に達する前に又は
ポリメラーゼが重合非依存性工程において上流オリゴヌ
クレオチドに付着する前に標識オリゴヌクレオチドが相
補的核酸にアニーリングしてしまっている確率を高める
ためには、さまざまな技術を利用することができる。重
合非依存性工程については、プローブの5′末端がプラ
イマの3′−末端から比較的遠くなりかくしてプローブ
にはプライマ延長がプローブ結合部位をブロックする前
にアニールするためのより多くの時間が与えられること
になるように、プローブを位置づけすることができる。
短いプライマ分子は一般に、標的核酸と充分に安定した
ハイブリッド複合体を形成するのに比較的低い温度しか
必要としない。従って、標識オリゴヌクレオチドがプラ
イマアニーリングとの関係において比較的高い温度で標
的に優先的にアニーリングするように、標識オリゴヌク
レオチドをプライマよりも長くなるように設計すること
が可能である。
異なる熱安定性をもつプライマ及び標識オリゴヌクレ
オチドを使用することも可能である。例えば、プライマ
よりも大きいG/C含有量ひいてはプライマよりも大きい
熱安定性をもつように、標識オリゴヌクレオチドのヌク
レオチド組成を選択することが可能である。同様のやり
方で、天然の核酸の中に典型的に存在する塩基よりもさ
らに安定した塩基対を形成する塩基類似体を含む変更さ
れたヌクレオチドをプローブの中に取り入れることが可
能である。
当該検定の効率を最大限にするためプライマ結合に先
立ってプローブ結合を容易にすることのできるプローブ
の変更としては、プローブと標的のポリアニオンバック
ボーンの相反を減少させるためのプローブ内への正に帯
電した又は中立のホスフォジエステル連鎖の取込み、
(Letsinger、1988年、J. Amer. Chem. Soc, 110:4470を
参照);塩基の積み重ね(stacking)を増大させるため
の、プローブ内への5−ブロモウリジンのごときアルキ
ル化又はハロゲン化された塩基の取込み;増大した塩基
の積み重ねをもつ「A」構造へとプローブ対標的の2重
鎖を強制するための、プローブ内へのリボヌクレオチド
の取込み;及びプローブ内でのアデノシンの一部分又は
全てに対する、6−ジアミノプリン(アミノアデノシ
ン)の置換が含まれる。本発明に基づくこのような変更
されたプローブを調製するにあたっては、2重鎖形成の
律速段階が「核形成」つまり単一の塩基対の形成であ
り、従って望まれる結果を達成するためには例えば3′
又は5′末端部分のみといったようにプローブの一部分
の生物物理学的特性を変えるだけで充分であるというこ
とを認識すべきである。さらに、プローブの3′末端部
分(3′末端の8〜12ヌクレオチド)がポリメラーゼに
より5′末端のエキソヌクレアーゼ分解の後で解離する
ことから、3′末端の変更はポリメラーゼ/ヌクレアー
ゼ活性との干渉に関わり無く、行なうことができる。
標識オリゴヌクレオチド又はプライマの異なる熱安定
性を利用するべく、熱循環パラメータも同様に変動する
ことができる。例えば、熱循環における変性段階に続い
て、標識オリゴヌクレオチドの結合には許容されるがプ
ライマ結合には許容されない中間温度を導入することが
可能であり、この場合、温度はプライマのアニーリング
及び延長を可能にすべくさらに低下させられる。しかし
ながら適当な結果を得るためには、後のPCR法のサイク
ルにおいてのみプローブ開裂が起こる必要があるという
点に留意されたい。従って、後のサイクルにおいてプロ
ーブが優先的にプライマに結合するようたとえプライマ
が当初優先的にプローブに結合しようともプライマ濃度
がプライマ延長を通して減少されるような形で、反応混
合物を設定することが可能である。
プライマの前に標識オリゴヌクレオチドの結合に有利
に作用するためには、プライマ濃度に対する標識オリゴ
ヌクレオチドの高いモル過剰も使用することができる。
この態様においては、標識オリゴヌクレオチド濃度は、
典型的に、一般に0.5〜5×10-7Mであるそれぞれのプラ
イマ濃度よりも約2〜20倍高い範囲内にある。当業者で
あれば、オリゴヌクレオチド濃度、長さ及び塩基組成が
各々、反応混合物内のいずれかの特定のオリゴヌクレオ
チドのTmに影響を及ぼす重要な要因であることを認識す
ることができる。これらの要因の各々は、プライマアニ
ーリングよりもプローブアニーリングに有利に作用する
ため熱力学的偏りを作り出すように操作されうるもので
ある。
当然のことながら、増幅が関与しない系に対して、均
質検定システムを適用することもできる。実際、本発明
は、重合が起こることを必要とさえしていない。重合非
依存性の系のもつ1つの利点は、標的配列の増幅の必要
性を無くするという点にある。プライマ延長が存在しな
い場合、標的核酸は本質的に一本鎖である。プライマ及
び標識オリゴヌクレオチドが標的核酸に対し隣接して結
合されていることを条件として、オリゴヌクレオチドの
アニーリングと標識フラグメントの開裂の逐次的ラウン
ドが起こりうる。従って充分な量の標識フラグメントを
生成することができ、かくして重合が無い状態での検出
が可能となる。当業者であればわかるように、PCR増幅
中に生産されたシグナルはこの重合非依存性活性により
増大されうる。
上述の均質検定系に加えて、強化された5′→3′エ
キソヌクレアーゼ活性をもつ本発明の熱安定性DNAポリ
メラーゼは同様に、PCRプライマの1つが標的配列のRNA
コピーを作製するのに用いられるプロモータをコードす
るような転写増幅系のごときその他の増幅系においても
有用である。同様にして、本発明は、全て単一の温度で
その後DNAコピーを作製するのに使用されることになるR
NA転写物を作るのにさまざまな酵素を用いる自己保持配
列複製(3SR)系においても使用することができる。
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼ
を適切なオリゴヌクレオチドと共にリガーゼ連鎖反応
(LCR)システム内に取込むことにより、LCR生成物を検
出するのに本発明を利用することもできる。
同様に、5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性
DNAポリメラーゼがPLCRにおいて役立つのとちょうど同
じ様に、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつその
他の熱安定性DNAポリメラーゼも異なる状況下でPLCRに
おいて役に立つ。このことは、PLCRにおける下流プライ
マの5′尾部が標的DNAに対して非相補的である場合に
いえることである。このような非相補性は、上流プライ
マの5′末端が通常標的DNAにアニーリングすることに
なるフォーク状構造をひき起こす。
熱安定性リガーゼはこのようなフォーク状構造に対し
て作用できない。しかしながら、熱安定性DNAポリメラ
ーゼ内の5′→3′エキソヌクレアーゼ活性の存在は上
流プライマのフォーク状5′尾部の切除をひき起し、か
くしてリガーゼが作用できるようにする。
低下した5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有する
熱安定性DNAポリメラーゼを調製するのに効果的である
ものとして以上に記述されている同じプロセス及び技術
は、強化された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有
する熱安定性DNAポリメラーゼを調製するためにも同様
に有効である。上述のように、これらの方法は、部位特
異的変異誘発、欠失変異誘発及び「ドメイン・シャフリ
ング」といった技術も含んでいる。
強化された5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつ
熱安定性DNAポリメラーゼを調製する上で特に有用なの
は、上述の「ドメイン・シャフリング」技法である。簡
単に要約すると、この技術には、そのポリメラーゼの非
常に活発な5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をコード
するものとして認められているポリメラーゼの特定のド
メインの開裂及びその後このドメインをさらに低いレベ
ル又はゼロレベルの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性
をコードする第2の熱安定性DNAポリメラーゼ遺伝子の
適切な部域内へと移送することが含まれる。望まれるド
メインは、第2の熱安定性DNAポリメラーゼの望ましく
ない特性をコードするドメインに置き換わることがで
き、又第2の熱安定性DNAポリメラーゼのヌクレオチド
配列に付加することもできる。
約291〜484のコドンを含むTma DNAポリメラーゼコー
ド配列がTaq DNAポリメラーゼエコドン289〜422の代り
に使用されている特定の「ドメインシャフリング」例が
上に記されている。この置換は、Taq DNAポリメラーゼ
の5′→3′エキソヌクレアーゼドメイン(コドン1〜
289)、Tma DNAポリメラーゼ3′→5′エキソヌクレア
ーゼドメイン(コドン291〜484)及びTaq DNAポリメラ
ーゼのDNAポリメラーゼドメイン(コドン423〜832)を
含む新規な熱安定性DNAポリメラーゼを生み出す。しか
しながら、当業者であれば、強化された5′→3′エキ
ソヌクレアーゼ活性のごときいくつかの望まれる特徴を
もつ熱安定性DNAポリメラーゼを構築するためにその他
の置換も行なうことができるということが認識できるこ
とだろう。
以下の例は、例示を目的としてのみ提供されているも
のであり、請求されている発明の範囲を制限する意図は
全く無いものである。これらの例において、全ての百分
率は、相反する規定のないかぎり、固体の場合重量百分
率であり、液体の場合体積百分率であり、全ての温度は
摂氏温度で示されている。
例1 既知の5′→3′エキソヌクレアーゼドメインの無作為
突然変異RCR誘発によるTaq DNAポリメラーゼの5′→
3′エキソヌクレアーゼ突然変異体の調製 インサート調製 PCRのための鋳型としてプラスミドpLSG12を用いた。
このプラスミドは、配列番号:1のTaqポリメラーゼ遺伝
子ヌクレオチド616〜621がAAGCTTからAAGCTGに変えられ
たpLSG5のHind IIIマイナスヴァージョンである。この
変化により、コードされるタンパク質配列を変更するこ
となくTaqポリメラーゼ遺伝子内でHind III認識配列が
削除された。
プライマとしてオリゴヌクレオチドMK61(AGGACTACAA
CTGCCACACACC)(配列番号:21)及びRA01(CGAGGCGCGCC
AGCCCCAGGAGATCTACCAGCTCCTTG)(配列番号:22)を用い
鋳型としてpLSG12用いて、Taqポリメラーゼ遺伝子のATG
出発(コドン)を含む384bpフラグメントならびにATG出
発コドンの下流のコード配列の追加の331bpを増幅する
ため、PCRを行なった。
以下の製剤及び反応物を以下の量だけ用いて、100μ
のPCRを25サイクルにわたり行なった: プライマMK61(配列番号:21)50pmol; プライマRA01(配列番号:22)50pmol; 各dNTP50μM; トリス−HCl,pH8.3,10mM; KCl 50mM; MgCl2 1.5mM; pLSG12. 75.6pg; Ampli Taq DNAポリメラーゼ2.5単位。
上述のPCR反応混合物をPerkin−Elmer Cetusサーモサ
イクラー内に入れ、以下のプロフィールを通して作用さ
せた。まず反応混合物を1分45秒にわたり最高98℃まで
上昇させ、25秒間98℃で保持した。反応混合物を次に45
秒にわたり55℃まで下降させ、20秒間この温度に保っ
た。最後に混合物を45秒にわたって最高72℃まで上昇さ
せ、30秒間72℃に保った。最後の5分の延長は、75℃に
て起こった。
次にPCR生成物をクロロホルムで抽出し、当該技術分
野においては周知の技術を用いてイソプロパノールで析
出させた。
2時間37℃で、300ngのPCR生成物試料を20UのHind II
Iで消化した(30μの反応中)。この一連の消化は、
クローニングのための330bpのフラグメントを生み出し
た。
37℃で2時間20UのHind III(40μ中)で5.3μgの
pLSG12を消化することによって、ベクタを調製した。こ
の消化の後で続けて12UのBss HIIを添加し、50℃で2時
間保温した。
30℃で30分間CIAP(子牛の腸内アルカリ性ホスファタ
ーゼ)特に0.04UのCIAPで処理することにより、ベクタ
ーを脱リン酸した。次に反応を停止させるためベクター
調製物に対して500mMのEGTAを4μ添加し、45分間65
℃で保温することによりホスファターゼを不活性化し
た。
上述のホスファターゼ処理されたベクタ225ngを10ng
のPCR誘導されたインサートと1:1のモル比で連結した。
次に、DG116細胞を連結混合物の5分の1で形質転換
し、30℃でアンピシリン耐性形質転換体を選択した。OD
6000.7に至るまで30℃で一晩適切なコロニーを増殖させ
た。PLベクタを含む細胞を37℃で4時間、9時間又は20
時間、振とう水浴内で保温し、調製物を音波処理し、0.
2Mの硫酸アンモニウムが存在する中で75℃で熱処理し
た。最後に、ポリメラーゼ活性及び5′→3′エキソヌ
クレアーゼ活性について抽出物を検定した。
上述の5′→3′エキソヌクレアーゼ検定を利用して
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を数量化した。具体
的に言うと、ガンマー〔32P〕ATP(3000C:1mmol)及びT
4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5′末端におい
て、合成3′リン酸化オリゴヌクレオチドプローブ(ポ
リメラーゼ延長を排除するためリン酸化されたもの)BW
33(GATCGCTGCGCGTAACCACCACACCCGCCGCGCP)(配列番
号:13)(100pmol)を32P標識した。反応混合物をフェ
ノール:クロロホルム:イソアミルアルコールで抽出し
その後続けてエタノール沈澱させた。32P標識したオリ
ゴヌクレオチドプローブを100μのTE緩衝液内に再溶
解させ、Sephadex G−50スピンカラム上でのゲルろ過ク
ロマトグラフィにより、取込まれなかったATPを除去し
た。10mMのトリス−HCl(pH8.3)、50mMのKCl、及び3mM
のMgCl2を含む100μの反応において5pmolの合成オリ
ゴヌクレオチドプライマBW37(GCGCTAGGGCGCTGGCAAGTGT
AGCGGTCA)(配列番号:14)の存在下で、5pmolの32p標
識されたBW33プローブを、5pmolの一本鎖M13mp10W DNA
にアニーリングさせた。アニーリング混合物を5分間95
℃まで加熱し、10分にわたって70℃まで冷却し、さらに
10分間70℃で保温し、次に30分にわたりPerkin−Elmer
Cetus DNAサーマルサイクラーの中で25℃になるまで冷
却した。10μのアニーリング混合物を含むエキソヌク
レアーゼ反応物を1分間70℃で予備保温した。予備保温
反応物に対し2.5μの体積で本発明の熱安定性DNAポリ
メラーゼ調製物(約0.3Uの酵素活性)を加え、反応混合
物を70℃で保温した。1分後と5分後にアリコート(5
μ)を取り出し、60mMのEDTAを1μ付加することに
よって停止させた。反応生成物をホモクロマトグラフィ
によって分析し、エキソヌクレアーゼ活性をオートラジ
オグラフィに従って数量化した。Polygram CEL300DEAE
セルロース薄層クロマトグラフィ板上で7Mの尿素上に2
%の一部分加水分解された酵母菌RNAを含むホモクロマ
トグラフィ混合液の中でクロマトグラフィを行なった。
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性の存在は小さい32P
標識されたオリゴマの生成をひき起こし、このオリゴマ
はTLC板を上へと移動し、原点に残った分解していない
プローブからオートラジオグラム上で容易に区別され
た。
クローン3−2は、予想されたレベルのポリメラーゼ
活性を有していたが、5′→3′エキソヌクレアーゼ活
性はほとんど検出不可能であった。これは、天然Taq DN
Aポリメラーゼの中に存在するものに比べ、5′→3′
エキソヌクレアーゼ活性について1000分の1以上の減少
に相当した。
このクローンを次に配列決定し、G(137)がDNA配列
内でAに変異していることがわかった。この変異は、Ta
q DNAポリメラーゼのアミノ酸配列においてGly(46)か
らAspへの変異をひき起こし、かくして著しく低下した
5′→3′エキソヌクレアーゼ活性をもつ本発明の熱安
定性DNAポリメラーゼをもたらした。
回収されたタンパク質は、1990年5月15日付出願の米
国特許出願第523,394号(引用により本明細書に組み入
れる)の中で教示されているTaq DNAポリメラーゼプロ
トコールに従って純化させた。
例2 TaqポリメラーゼのMet289(Δ289)544アミノ酸形態の
構成 1990年5月15日に提出された米国特許第523,394号の
例9に示されているように、天然Taqポリメラーゼの精
製中に、70℃でdNTPの鋳型依存型組込みを触媒する変更
形態のTaqポリメラーゼが得られた。この変更形態のTaq
ポリメラーゼは、免疫学的に言うと、精製された天然Ta
qポリメラーゼのおよそ90kdの形態と関係あるものであ
ったが、分子量はそれよりも低いものであった。SDS−P
AGE電気泳動に従ったBSA及びオバルブミンとの関係にお
ける移動度に基づくと、この形態の見かけの分子量は約
61kdである。酵素のこの変更態様は、SDS−PAGEウェス
タンブロット分析法或いは又SDS−PAGEゲル電気泳動法
に従った原位置DNAポリメラーゼ活性測定(Spanos.A.,
及びHubscher,U.(1983年)Meth.Enz.91:263−277)に
よって決定されるようにテルムス・アクアチクス(Ther
mus aquaticus)細胞の入念に調製された粗抽出液の中
には存在しない。この形態は、試料の取り扱いの間に生
じうるタンパク質分解の人工産物であると思われる。こ
の比較的低い分子量の形態は、均質になるまで精製さ
れ、ABI自動気相シーケンサ上でN末端配列決定が行わ
れた。得られたN末端配列をTaqポリメラーゼ遺伝子か
ら予想されるアミノ酸配列(配列番号:1)と比較する
と、この比較的短かい形態がGlu(289)とSer(290)の
間のタンパク質分解による開裂の結果として生じたもの
であることがわかる。
544アミノ酸の合成を誘導するTaqポリメラーゼ遺伝子
のさら末端が切除された形態を得るためには、一次翻訳
産生プラスミドpFC54・t、pSYC1578及び相補的合成オ
リゴヌクレオチドDG29(5′−AGCTTATGTCTCCAAAAGCT)
(配列番号:23)及びDG30(5′−AGCTTTTGGAGACATA)
(配列番号:24)を用いた。Hind III及びBamH Iを用い
てプラスミドpFC54・tの完全消化を行った。プラスミ
ドpSYC1578をBstX Iで消化し(配列番号:1のヌクレオチ
ド872〜883において)、4種類のdNTPの全ての存在下で
大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼKlenowフラグメント
で処理することによりヌクレオチド3′粘着末端を除去
し、そしてTaqポリメラーゼ配列内にLeu294をコードす
るCTG末端の2重鎖鈍端を生成せしめた(Taqポリメラー
ゼ配列番号:1ヌクレオチド880−882を参照)。DNA試料
Bal IIを用いて完全消化を行い、アガロースゲル電気
泳動法と電気溶出法によっておよそ1.6kbのBst X I(修
復されたもの)/Bgl II Taq DNAフラグメントを生成し
た。pFC54.tプラスミド消化物(0.1pmole)をTaqポリメ
ラーゼ遺伝子フラグメント(0.3pmole)及びアニーリン
グされた非リン酸化DG29/DG30 2重鎖アダプタ(0.5pmol
e)と30μg/ml、15℃で一晩、粘着性リガーゼ条件の下
で連結した。DNAを1mlあたり約10マイクログラムまで希
釈させ、平滑末端条件下で連結を続行した。連結された
DNA試料をXba Iで消化し、あらゆるIL−2ミューテイン
コード連結生成物を線状化(不活性化)した。大腸菌
E. coli)K12菌株DG116をアンピシリン耐性へと形質転
換するため、80ナノグラムの連結され消化されたDNAを
使用した。EcoR I(4,781dp+2.386bp),Pst I(4,138
bp+3,029bp),Apa I(7.167bp)及びHind III/Pst I
(3,400bp+3,029bp+739bp)で予想された消化生成物
を生成するおよそ7.17Kbのプラスミドの存在について、
AmpR候補をスクリーニングした。候補プラスミドを宿す
大腸菌(E. coli)コロニーを、約61kdのTaqポリメラー
ゼ関連ポリペプチドの温度誘導性合成について、シング
ロコロニー免疫ブロット法によってスクリーニングし
た。さらに、5′λPLプロモータ:Taq DNA連結部及び
3′Taq DNA:BT cry PPE連結部において、候補プラスミ
ドをDNA配列決定に付した。意図されたDNA配列をコード
し温度誘導可能な61kdのTaqポリメラーゼ関連ポリペプ
チドの合成を誘導するプラスミドの1つを、pLSG68と称
した。
61kDaのTaq Pol Iの発現 pLSG8を含む培養物を、米国特許出願第523,364号で教
示され以下の例3に記されているように増殖された。61
kDaのTaq Pol Iは、41℃で熱誘導の時点で分解しないよ
うに思われる。41℃で21時間の後、pLSG8を宿す培養物
からの熱処理された粗抽出液は、粗抽出液タンパク質1m
gにつき12310単位の熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有
し、これは未誘発培養物に比べ24倍の増大に当たる。21
時間、37℃で誘導されたpLSG8培養物からの熱処理され
た抽出液は、粗抽出液タンパク質1mgあたり9503単位の
活性を有していた。37℃で5時間と21時間の誘発の間で
は、Taq Pol Iの蓄積レベルにおいて9倍の増加が見ら
れ、41℃では5時間と21時間の誘発の間でほぼ4倍の増
大が見られた。同じ全タンパク質及び熱処理された抽出
物をSDS−PAGEによって分析した。ゲルの各レーンに対
して20μgの粗抽出液タンパク質又は20μgの粗抽出液
タンパク質からの熱処理された粗抽出液を適用した。17
℃及び41℃の21時間誘導された全タンパク質レーンの両
方に容易に見られる主要バンドは、その熱処理されたも
のと等しいほどに強いものである。37℃及び41℃の21時
間試料から得られた20μgの全タンパク質より熱処理さ
れた粗抽出液は、それぞれ熱安定性DNAポリメラーゼ活
性を186単位及び243単位含んでいる。PCRにおける61kDa
Taq DNAポリメラーゼの有用性を見極めるため、pLSG8
の誘導された培養物からの熱処理された粗抽出液を用い
てPCR検定を行なった。PCRにおける全長Taq Pol Iの供
給源として、pLSG5の誘導された培養からの熱処理され
た粗抽出液を用いた。末端切除酵素4単位及び2単位を
使用した反応においてPCR生成物が観察された。全長酵
素反応物のいずれにおけるよりもこれらのPCRにおいて
より多くの生成物が存在していた。さらに、非特異的な
より分子量の高い生成物は全く見えなかった。
61kDaのTaq Pol Iの精製 誘導されたpLSG8/DG116細胞からの61kDaのTaq Pol I
の精製は、幾分かの修正は加えたが1990年5月15日付の
米国特許第523,394号の例1におけるように全長Taq Pol
Iの生成と同様に推移した。
誘導されたpLSG8/DG116細胞(15.6g)を、1990年5月
15日付米国特許第523,394号及び以下の例3で記されて
いるように均質化し溶菌させた。分画Iは、1.87gのタ
ンパク質及び1,047×106単位の活性を含んでいた。0.2M
の硫酸アンモニウムの上澄みとして得られた分画IIは、
74ml中1.84gのタンパク質及び1.28×106単位の活性を含
んでいた。
熱処理に続いて、0.7%になるまでゆっくりとPolymin
P(pH7.5)を添加した。遠心分離の後、上澄み、分画I
IIは155mgのタンパク質と1.48×106単位の活性を含んで
いた。
分画IIIを10ml/cm2/時で1.15×3.1cm(3.2ml)のフェ
ニルセファロースカラム上に負荷した。適用された活性
の全てがカラム上に保持されていた。カラムをまず15ml
の平衡緩衝液で洗浄し、次にTE中5ml(1.5カラム体積)
の0.1MKClで洗浄した。20%のエチレングリコールを含
むTE中で2Mの尿素でポリメラーゼ活性を溶出させた。ポ
リメラーゼ活性を伴う分画(各々0.5ml)をプールし
(8.5ml)、0.1MのKClを含むヘパリンセファロース緩衝
液中で透析した。透析した材料、分画IV(12.5ml)は、
5.63mgのタンパク質と1.29×106単位の活性を含んでい
た。
分画IVを、上述のように平衡された1.0mlのベッド体
積のヘパリンセファロースカラム上に負荷した。カラム
を6mlの同じ緩衝液(A280、ベースラインまで)で洗浄
し、同じ緩衝液中15mlの直線0.1〜0.5MのKCl勾配で溶出
した。0.16Mと0.27Mの間のKClにより溶出する分画(1.1
5ml)をSDS−PAGEで分析した。約47kDaの少量の(<1
%)汚染タンパク質が61kDaのTaq Pol Iと同時精製され
た。0.165Mと0.255Mの間のKClで溶出する分画をプール
し、2.5Xの保存緩衝液中でCentricon30膜上でダイアフ
ィルトレーションした。分画Vは2.8mgのタンパク質及
び1.033×106単位の61kDa Taq Pol Iを含んでいた。
精製した61kDaのTaq Pol Iを用いるPCR 0.5ngのラムダDNA、各々10pmolの2つのラムダ特異的
プライマ、200μMずつのNTP,10mMのトリス−Cl,pH8.3,
3mMのMgCl2,10mMのKCl及び3.5単位の61kDa Taq Pol Iを
含むPCR反応(50μ)を行なった。比較として、2mMの
MgCl2及び50mMのKClの置換を伴って上述のように全長Ta
q Pol I 1.25単位を用いてPCR反応を行なった。熱循環
条件は、95℃で1分、60℃で1分を23サイクル、そして
最後の5分の延長時間は75℃であった。一回の反応あた
りのDNAの量をHoechst螢光発色素検定法で数量化した。
全長Taq Pol I(1.4×105倍の増幅)の場合の0.70μg
のDNAと比べて61kDaのTaq Pol I(2.2×105倍増幅)の
場合1.11μgの生成物が得られた。
61kDaのTaq Pol Iの熱安定性 PCRを模倣した緩衝液条件下で、組換え型94kDaのTaq
Pol I及び61kDa Taq Pol Iの定常状態熱不活性化を行な
った。94kDaのTaq Pol Iは97.5℃で約9分の見かけの半
減期を有し、一方61kDaのTaq Pol Iの半減期は、約21分
であった。61kDaのTaq Pol Iの熱不活性化は、0〜50mM
の範囲にわたりKCl濃度によって影響されなかった。
プラスミドpFC85a〜2.68kbのHind III−Asp718フラグ
メント内に含まれたさらにもう1つの末端切除Taqポリ
メラーゼ遺伝子を、ATG開始コドンに対し、Taq pol遺伝
子をコードするアミノ末端Hind III制限部位を作動的に
連鎖させることによって例えばプラスミドPPLNRBSATGを
用いて発現させることができる。発現時点でこの融合生
成物は〜70,000−72,000ダルトンの末端切除ポリメラー
ゼを生成する。
この特定の構成は、Hind IIIでプラスミドpFC85を消
化させ、dATP及びdGTPの存在下でKlenowフラグメントで
処理することによって作ることができる。得られるフラ
グメントは、一本鎖拡張を全て除去するためS1ヌクレア
ーゼでさらに処理され、生じたDNAはAsp718で消化さ
れ、4つのdNTP全てが存在する中でKlenowフラグメント
で処理される。回収されたフラグメントは、Sac Iで消
化されATG平滑末端を構成するべくdGTPの存在下でKleno
wフラグメントで処理された脱リン酸されたプラスミドP
PLNRBSATGに対してT4DNAリガーゼを用いて連結されう
る。この連結混合物は次に大腸菌(E.coli)DG116を形
質転換するために用いることができ、形質転換体はTaq
ポリメラーゼの生産のためにスクリーニングされる。発
現はウェスタン免疫ブロット分析及び活性分析によって
確認することができる。
例3 末端切除5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損Tmaポリメ
ラーゼ(MET283)の構成、発現及び精製、 天然Tma DNAポリメラーゼのアミノ酸1−283が欠けて
いる5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損Tma DNAポリメ
ラーゼを発現させるために、以下の段階を行なった。
プラスミドpTma12−1をBspH I(ヌクレオヂド位置84
8)及びHind III(ヌクレオチド位置2629)で消化し
た。アガロースゲル精製により1781塩基対フラグメント
を分離した。DNAからアガロールを分離するために、望
ましいフラグメントを含むゲル切片を、Costar spinex
フィルタユニット内で−20℃で凍結させた。室温で解凍
した後、マイクロ遠心分離器内でユニットを回転させ
た。DNAを含むろ液をSpeed Vac濃縮器の中で濃縮し、DN
Aをエタノール沈澱した。
分離されたフラグメントを、Nco I及びHind IIIで超
過したプラスミドpTma12−1にクローニングした。Nco
I消化が、BspH Iでの消化と同じ粘着末端配列を残すの
で、前記1781塩基対フラグメントはNco I及びHind III
での消化によってプラスミドpTma12−1から切り出され
た全長フラグメントと同じ粘着末端を有する。消化され
たプラスミドと分離されたフラグメントとの連結はフラ
グメントスイッチをひき起こし、pTma14と呼称されたプ
ラスミドを作製するのに用いられた。
類似の方法で、同じ分離されたフラグメントをpTma13
にクローニングすることによりプラスミドpTma15を構成
した。pTma14の場合と同様に、pTma15は、天然Tma DNA
ポリメラーゼのアミノ酸1から283が欠如したポリメラ
ーゼの発現を駆動する:未変性コード配列の位置284で
メチオニンコドンにおいて翻訳が開始する。
pTma14及びpTma15の発現プラスミドは両方共高いレベ
ルで、約70kDaの分子量の5′→3′エキソヌクレアー
ゼ活性の無い生物学的に活性な熱安定性DNAポリメラー
ゼを発現した;プラスミドpTma15は、pTma14より高いレ
ベルでポリメラーゼを発現した。3′→5′エキソヌク
レアーゼ活性にとってきわめて重要である3つのドメイ
ン全てにおけるアミノ酸配列モチーフの保持、エキソヌ
クレアーゼ活性にとってきわめて重要な第1のドメイン
に至るまでのアミノ末端からの距離、及び発現されたタ
ンパク質の長さといった大腸菌(E. coli)Pol IのKleno
wフラグメントとの類似性に基づくと、Tma DNAポリメラ
ーゼの短縮形態(MET284)は、3′→5′のエキソヌク
レアーゼ又はプルーフリーディング活性を示すが、5′
→3′エキソヌクレアーゼ活性が欠如している。初期SD
S活性ゲル検定及び3′→5′エキソヌクレアーゼ活性
についての溶液検定は、プラスミドpTma15を宿す大腸菌
E. coli)宿主細胞によって発現されたポリメラーゼの
プルーフリーディング活性のレベルの低下を示唆する。
MET284 Tma DNAポリメラーゼを、プラスミドpTma15を
含む大腸菌(E. coli)菌株DG116から精製した。10Lの発
酵のための種母フラスコには、トリプトン(20g/)、
酵母菌抽出物(10g/)、NaCl(10g/)、グルコース
(10g/)、アンピシリン(50g/)、チアミン(10g/
)が含まれた。種母フラスコには、寒天平板からのコ
ロニーを接種した(凍結したグルセロース培養を使用す
ることもできる)。種母フラスコを0.5 O.D.〜2.0 O.D.
(A680)まで30℃で増殖させた。発酵槽内に接種された
種母培養の量は、細菌濃度が0.5mgの乾燥重量/リット
ルとなるように計算される。10リットルの増殖培地は、
25mMのKH2PO4,10mMの(NH42SO4,4mMのクエン酸ナトリ
ウム、0.4mMのFeCl3,0.04mMのZnCl2,0.03mMのCoCl2,0.0
3mMのCuCl2及び0.03mMのH3BO3を含んでいた。以下のよ
うな無菌成分を付加した:4mMのMgSO4,20g/のグルコー
ス、20mg/のチアミン及び50mg/のアンピシリン。pH
はNaOHで6.8に調整され、添加したNH4OHにより発酵中制
御された。NH4OH添加に関連付けることによってグルコ
ースを連続的に添加した。消泡剤として必要に応じてプ
ロピレングリコールを付加することにより、発泡を制御
した。溶存酵素濃度は40%に維持した。
発酵槽には上述のように接種を行ない、培養を30℃で
0.5〜1.0×1010細胞/mlの細胞密度(15の光学密度〔A
680〕)まで増殖させた。増殖温度はMET284 Tma DNAポ
リメラーゼの合成を誘導するため38℃まで移行した。温
度の移行はpTma15プラスミドのコピー数を増大させ、同
時に、宿主内の欠損プロファージ溶原によりコードされ
た温度感受性cI抑制因子の不活性化を通して変更された
Tma DNAポリメラーゼ遺伝子の転写を制御するラムダPL
プロモータを抑制除去する。
細胞は6時間37(A680)の光学密度まで増殖させ、遠
心分離によって収穫した。細胞マス(ca.95g/)を、5
0mMトリス−Cl,pH7.6,20mMのEDTA及び20%(w/v)のグ
リセロールを含む緩衝液の等量の中に再懸濁させた。懸
濁液をゆっくりと液体窒素中に滴下させ、「ビーズ」す
なわち小さいペレットとして懸濁液を凍結させた。凍結
細胞を−70℃で保存した。
凍結ビーズ200g(100gの湿潤重量細胞を含む)に対
し、100mlの1×TE(50mMのトリス−Cl,pH7.5,10mMのED
TA)及び0.3mMまでのDTT,2.4mMまでのPMSF,1μg/mlまで
のロイペプチン及び0.2mMまでのTLCK(プロテアーゼイ
ンヒビター)を添加した。試料を氷上で解凍し、低速で
ブレンダー内で均質に再懸濁させた。20000psiでAminco
フレンチプレスのセル内で、細胞懸濁液を溶菌させた。
粘度を減少させるため、溶菌した細胞試料を、各々50%
の負荷率、70%の出力で3分間4回音波処理した。1mM
のDTT,2.4mMのPMSF,1μg/mlのロイペプチン及び0.2mMの
TLCKを含む1×TEを用いて550mlになるまで音波処理物
を調整した(分画I)。
0.3Mまで硫酸アンモニウムを添加した後、沸とうして
いる水浴の中で粗溶菌液を急速に75℃にし、15分間75℃
の水浴へ移送して大腸菌(E. coli)宿主タンパク質を変
性し不活性化した。熱処理された試料を、急速に0℃ま
で冷やし20分間氷上で保持した。沈降したタンパク質及
び細胞膜を5℃で30分間20,000XGでの遠心分離により除
去し、上澄み(分画II)を保存した。
熱処理された上澄み(分画II)を、大部分のDNA及びR
NAを除去すべくポリエチレンイミン(PEI)で処理し
た。急速に撹拌しながら、0℃で437mlの分画IIにPolym
in P(10%〔w/v〕34.96ml,pH7.5)をゆっくりと添加し
た。0℃で30分間の後、30分間20,000×Gで試料を遠心
分離した。50mMのトリス−Cl,pH7.5,0.3Mの硫酸アンモ
ニウム、10mMのEDTA及び1mMのDTT内で平衡化された100m
lのフェニルセファロースカラム(3.2×12.5cm)に対し
80ml/時で上澄み(分画III)を適用した。同じ緩衝液約
200mlで(A280、ベースラインまで)でカラムを洗浄し
次に150mlの50mMトリス−Cl,pH7.5,100mMのKCl,10mMのE
DTA及び1mMのDTTで洗浄した。次に、50mMのトリス−Cl,
pH7.5,2Mの尿素,20%(w/v)のエチレングリコール、10
mMのEDTA、及び1mMのDTTを含む緩衝液でカラムからMET2
84 Tma DNAポリメラーゼを溶出し、DNAポリメラーゼ活
性を含む分画をプールした(分画IV)。
50mMトリス−Cl,pH7.5,1mMのEDTA、及び1mMのDTT中で
50mMのKClと同等の伝導率に分画IVを調整した。同じ緩
衝液中で平衡化された15mlのヘパリン・セファロースカ
ラムに対して(9ml/時で)試料を適用した。カラムを約
14ml/時(3.5カラム体積)で同じ緩衝液で洗浄し、同じ
緩衝液中で150mlの0.05〜0.5MのKCl勾配で溶出した。DN
Aポリメラーゼ活性は、0.11M〜0.22Mの間のKClで溶出し
た。pTma15でコードされた変形Tma DNAポリメラーゼを
含む分画をプールし、濃縮し、2.5×貯蔵緩衝液(50mM
のトリス−Cl,pH8.0,250mMのKCl,0.25mMのEDTA,2.5mMの
DTT及び0.5%のTween 20)に対しダイアフィルトレーシ
ョンし、その後1.5体積の無菌80%(w/v)グリセロール
と混合し、−20℃で保存した。場合によっては、ヘパリ
ンセファロース溶出されたDNAポリメラーゼ又はフェニ
ールセファロース溶出されたDNAポリメラーゼを透析す
るか又は50mMトリス−Cl,pH7.5,1mMのDTT,1mMのEDTA及
び0.2%のTween 20中50mMのKClと同等の伝導率に調整
し、同じ緩衝液中で平衡化されたアフィゲルブルーカラ
ムに適用する(1mgのタンパク質/1mlの樹脂)ことがで
きる。カラムを、同じ緩衝液3〜5カラム体積で洗浄
し、同じ緩衝液中10カラム体積のKCl勾配(0.05M〜0.8
M)で溶出した。DNAポリメラーゼ活性を含む分画(0.25
Mから0.4MまでのKClで溶出する)をプールし、濃縮し、
ダイアフィルトレーションし、上述のように保存した。
種々のDNAポリメラーゼの相対的な耐熱性を比較し
た。97.5℃で天然Tma DNAポリメラーゼの半減期は、天
然又は組換え型Taq DNA(すなわちAmpli Taq)DNAポリ
メラーゼの半減期の2倍以上である。驚くべきことに、
MET284 Tma DNAポリメラーゼの97.5℃での半減期は、天
Tma DNAポリメラーゼの半減期より、2.5〜3倍長い。
10mMのトリス−Cl,pH8.3及び1.5mMのMgCl2Taq又は
天然Tma DNAポリメラーゼについて)又は3mMのMgCl2(M
ET284 Tma DNAポリメラーゼについて)、50mMのKCl(Ta
q、天然Tma及びMET284 Tma DNAポリメラーゼについて)
又はKCl無し(MET284 Tma DNAポリメラーゼについ
て)、各々0.5μMのプライマーPCR01及びPCR02,1ngの
ラムダ鋳型DNA、各々200μMのdNTP(dCTPを除く)及び
各々4単位の酵素を含むPCR管を、0〜60分間、大型水
浴内で97.5℃で保温した。時間の経過につれて、試料を
ひき出し、0℃で保存し、残留活性について5μを標
準活性検定において10分間75℃で検定した。
天然Tma DNAポリメラーゼが97.5℃で約21〜22分の半
減期を有していたのに対して、Taq DNAポリメラーゼ
は、97.5℃で約10分の半減期を有していた。驚くべきこ
とに、Tma DNAポリメラーゼのMET284形態は、Taq又は天
Tma DNAポリメラーゼのいずれよりも著しく長い半減
期(50〜55分)を有していた。MET284 Tma DNAポリメラ
ーゼの改良された耐熱性は、PCR特に、標的及びPCR生成
物の配列の完全な変性のために必要とされる鎖分離温度
が酵素の不活性化を導くためにG+Cの豊富な標的を増
幅するのが困難である場合に、応用される。
10mMのトリス−Cl,pH8.3,3mMのMgCl2,200μMずつのd
NTP,0.5ngのバクテリオファージラムダDNA,0.5μMのプ
ライマPCR01,4単位のMET284 Tma DNAポリメラーゼ及び
0.5μMのプライマPCR02又はPL10を50μ含むPCR管
を、1分間96℃の変性温度及び2分間60℃のアニーリン
グ−延長温度を用いて25サイクル循環させた。ラムだDN
A鋳型、デオキシヌクレオチド貯蔵溶液及びプライマPCR
01及びPCR02は、PECI Gene Ampキットの一部を無してい
た。プライマPL10は次の配列を有している:5′−GGCGTA
CCTTTGTCTCACGGGCAAC−3′(配列番号:25)。又これは
バクテリオファージラムダヌクレオチド8106−8130に対
し相補的である。
プライマPCR01及びPCR02は、ラムダから500bp生成物
を増幅する。プライマ対PCR01及びPL10はラムダから1kb
生成物を増幅する。それぞれのプライマ組での増幅の
後、5μのアリコートをアガロースゲル電気泳動に付
し、臭化エチジウム染色で特定の意図された生成物バン
ドを視覚化した。両方のプライマ組で豊富なレベルの生
成物が生成され、MET284 Tma DNAポリメラーゼが意図さ
れた標的配列をうまく増幅したことが示された。
例4 末端切除型Tma DNAポリメラーゼの発現 MET 140での翻訳を開始するTma DNAポリメラーゼの
5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損形態を発現するた
め、アミノ酸1から139に相当するコード領域を発現ベ
クターから欠失させた。このような欠失を構成するため
のプロトコルは、例2及び3に記述されている構成に類
似している:すなわち、短縮された遺伝子フラグメント
を切り出し、次に全長フラグメントが切除されたベクタ
ー内にこれを再挿入する。しかしながら、短縮されたフ
ラグメントは、制限消化物から精製するのではなくむし
ろPCR増幅生成物として得ることができる。この方法論
は、新しい上流制限部位(又はその他の配列)が有用な
場合にこれを取り込むことができる。
位置140にあるメチオニンコドンまでの領域を欠失さ
せるために、PCRを用いてpTma12−1及びpTma13内にSph
I部位を導入した。Tma DNAポリメラーゼ配列番号:3(P
L63)のヌクレオチド409−436に対応する順方向プライ
マを、位置140のメチオニンコドンのちょうど上流でSph
I部位に導入するよう設計した。Tma DNAポリメラーゼ
配列番号:3(PL69)のヌクレオチド608−634の相補体に
一致する逆プライマは、位置621でXba I部位を含むよう
に選択された。Sma Iで線状化されたプラスミドpTma12
−1をPCR鋳型として用い、約225bpのPCR生成物を生成
せしめた。
消化の前に、PCR生成物をPCR反応混合物中でプロテイ
ナーゼK 50μg/mlに0.5%のSDS及び5mMのEDTAを加えた
もので処理した。37℃で30分間保温した後、プロテイナ
ーゼKを10分間68℃で熱不活性化した。この手順は、次
の制限消化を抑制する可能性のある生成物に結合された
あらゆるTaqポリメラーゼを除去した。緩衝液はTE緩衝
液に変えられ、余分なPCRプライマはCentrticon100マイ
クロ濃縮器で除去された。
増幅したフラグメントをまずSph Iで消化し、次にSph
I開裂末端で平滑末端を形成すべくKlenowで処理し、最
後にXba Iで消化した。得られたフラグメントを、Nco I
で消化されたプラスミドpTma13(pTma12−1でもよかろ
う)に連結させ、Klenowで修復し、次にXba Iで消化し
た。連結は、Nco I部位(コード配列の第1のメチオニ
ンコドン)及び導入されたSph I部位(位置140のメチオ
ニンコドンの上流)に続く領域が欠失された状態で、フ
レーム内コード配列を生成した。得られた発現ベクター
はpTma16と呼称された。
この例で使用されるプライマは以下にそして配列表の
節で示される。
例5 MET140発現ベクタ中の望ましくないRBSの除去 位置140のメチオニンコドンの上流のリボソーム結合
部位(RBS)を除去することによって、Tma DNAポリメラ
ーゼのMET140形態の発現の低減を達成することができ
る。RBSは、アミノ酸配列を変えることなくオリゴヌク
レオチド部位特異的変異誘発を介して除去された。遺伝
子コードの縮重性を利用して、核酸配列を変えるべくコ
ドンの第3の位置に変化をもたらすことができ、かくし
てコードされたタンパク質のアミノ酸配列を変えること
なくRBSを除去することができる。
変更された配列を含む変異誘発性プライマ(FL64)を
合成し、リン酸化した。Stratagenから市販されている
ヘルパーファージR408と同時感染させることによって、
一本鎖のpTma09(Nco I部位を有する全長クローン)を
調製した。一本鎖pTma09とpBS13+のPvu II消化物から
の大きなフラグメントの「ギャップを有する2重鎖」
を、まず2つのプラスミドを混合し、2分間沸とうする
まで加熱し、5分間65℃まで冷却することによって形成
した。次に、リン酸化したプライマを混合し2分間80℃
まで加熱し、その後ゆっくりと室温まで冷却することに
より「ギャップを有する2重鎖」とアニーリングさせ
た。Klenowでの延長により残留するギャップをフィルイ
ンし、フラグメントをT 4 DNAリガーゼで連結した。こ
れらの反応は両方共、30分間37℃で標準塩中200μMず
つのdNTPと40μMのATPの中で行なわれた。
得られた円形フラグメントをニトロセルロースフィル
タ上の平板形質転換によってDG101宿主細胞へと形質転
換させた。重複フィルタを作り、正しいプラスミドの存
在をγ32P−リン酸化プローブ(FL65)で調査すること
によって検出した。得られたベクタは、pTma19と呼称さ
れた。
pTma19からのRBSマイナス部分は、Nco I/Xbe Iフラグ
メントスイッチを介してpTma12−1へとクローニングし
た。Nco I及びXba IでプラスミドpTma19を消化し、上述
の例3のようにゲル電気泳動により620bpフラグメント
を精製した。プラスミドpTma12−1をNco I,Xba I、及
Xcm Iで消化した。Xcm I開裂は、「粘着」末端を連結
するのに適した条件下(希釈リガーゼ及び40μMのAT
P)で行なわれるその後の連結段階を目的として、RBS+
フラグメントを不活性化させる。最終的に、連結生成物
は、発現のためDG116宿主細胞に形質転換され、pTma19
−RBSと呼称される。
この例で用いられるオリゴヌクレオチド配列は、以下
にそして配列表の節で列挙される。
例6 末端切除型Tma DNAポリメラーゼMET−ASP21及びMET−GL
U74の発現 Tma DNAポリメラーゼ遺伝子コード配列の位置21にお
いてアスパラギン酸コドンで翻訳開始を行なうために、
このコドンの前にメチオニンコドンを導入して、最初の
Nco I部位からこの導入されたメチオニンコドンまでの
領域を欠失させる。例4と同様に、欠失法には、570塩
基対生成物を生成するためNco I部位とメニオニンコド
ンを取り込むように設計された上流プライマ(FL66)及
び上述の同じ下流プライマ(FL69)を用いるPCRが含ま
れた。
増幅した生成物を、余分なプライマ及び緩衝液を除去
するためCentricon−100マイクロ濃縮器で濃縮した。生
成物をSpeed Vac濃縮器で濃縮し、次に消化混合物中に
再懸濁した。増幅生成物をNco IV及びXba Iで消化し
た。同様にして、pTma12−1,pTma13、又はpTma19−RBS
を同じ2つの制限酵素で消化した。消化し増幅されたフ
ラグメントを消化された発現ベクタに連結した。得られ
た構成体は、天然Tmaコード配列の出発コドンの上流のN
co I部位から天然Tmaコード配列の位置21においてアス
パラギン酸コドンの上流に導入された新しいメチオニン
コドンまでの欠失を有している。
同様にして、翻訳開始がGlu74つまり天然Tmaコード配
列の位置74におるグルタミン酸コドンで始まるような形
で、欠失変異体を作製した。上述プライマ(FL67)はメ
チオニンコドンとNco I部位をGlu74の前に導入するよう
に設計される。使用された下流プライマ及びクローニン
グプロトコルは、MET−ASP21構成体について上述した通
りである。
この例で用いられた上流プライマ配列は、以下にそし
て配列表の節に列挙する。
例7 末端切除型Tafポリメラーゼの発現 5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が欠如しているTa
fポリメラーゼのミューテイン形態をTafポリメラーゼ遺
伝子の5′末端に欠失を導入することによって構成し
た。以下のプロトコルを用いて279及び417の両方の塩基
対欠失を作った;すなわち、望まれるフラグメントを切
除するための制限酵素で発現プラスミドを消化し、平滑
末端を生成するべくフラグメント末端をKlenow及び4つ
のdNTP全てを用いて修復し、望まれる欠失を伴う新しい
円形プラスミドを生成するべく生成物を連結した。93キ
ロダルトンのTafポリメラーゼの5′→3′エキソヌク
レアーゼ欠損形態を発現するため、アミノ酸2−93を含
む279bp欠失を生成させた。88キロダルトンのTafポリメ
ラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損形態を発現
するためには、アミノ酸2−139を含む417bp欠失を生成
させた。
コドン2−93が欠失されたプラスミドを作るために
は、Nco I及びNde IでpTaf03を消化し、末端をKlenow処
理により修復した。消化され修復されたプラスミドを5
μg/mlまで希釈し、平滑末端条件下で連結した。希釈し
たプラスミド濃度は、分子間連結に有利に作用する。連
結されたプラスミドをDG116に形質転換した。ミニ−ス
クリーンDNA調製物を制限分析に対し、適切なプラスミ
ドをDNA配列分析によって確認した。pTaf03からセグメ
ントを欠失させることにより生み出された、得た発現ベ
クターはpTaf09と呼称された。pTaf03から作製された類
似のベクターはpTaf10と呼称された。
コドン2−139が欠失した発現ベクターも作製した。
最初の制限消化がNco I及びBal IIで行なわれるという
点を除き、同じプロトコルを用いた。pTaf03から作製さ
れた発現ベクタpTaf11と呼称され、pTaf05から作製され
た発現ベクタはpTaf12と呼称された。
例8 5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定生DNAの誘導
と発現アミノ酸292から834までを含むテルムス(Thermu
s)スペーシスZ05のポリメラーゼ テルムス(Thermus)スペーシスZ05からの5′→3′
エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNAポリメラーゼをコ
ードするDNAフラグメントを得るために、アミノ酸292か
ら834を含むDNAポリメラーゼ遺伝子の一部分を、10mMの
トリス−HCl pH8.3,50mMのKClを含み100μの鉱油が上
に被さった80μの溶液: 50pmolesのTZA292 50pmolesのTZR01 10ngのテルムス(Thermus)スペーシスZ05ゲノムDNA 2.5単位のAmpli Taq DNAポリメラーゼ 各々50μMのdATP,dGTP,dCTP,dTTP 中で順方向プライマTZAA292及び逆方向プライマTZR01
を伴うPCRにおいて選択的に増幅させた。反応は、80℃
の予熱されたサイクラー内に管を入れた後7.5mMのMgCl2
を含む20μを添加することによって開始された。
ゲノムDNAを、制限エンドヌクレアーゼAsp718で完全
に消化し、5分間98℃で変性させ、0℃まで急速に冷却
した。試料を、以下のプロフィールに従ってPerkin−El
mer Cetusサーマルサイクラの中で循環させた: 96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
55℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
30秒にわたり72℃まで上昇させ1分間保持する。
このプロフィルを3サイクル反復する。
96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
65℃までステップ循環させ、2分間保持する。
プロフィルを25サイクル反復する。
最後のサイクルの後、5分間保持する。
アガロースゲル電気泳動により意図された1.65kbのPC
R生成物を精製し、フェノール−クロロホルム抽出とエ
タノール沈澱の後、回収した。精製された生成物を、制
限エンドヌクレアーゼNde I及びBgl IIで消化し、Nde I
/BamH I消化された脱リン酸されたプラスミドベクターp
DG164と連結させる(1989年12月22日付の米国特許第45
5,967号、例6B;引用によりこの明細書に組み入れる)。
大腸菌(E. coli)菌株DG116のアンピシリン耐性形質転
換体を30℃で選択し、望ましい組換え型プラスミドにつ
いスクリーニングした。プラスミドpZ05A292は、例2の
PLSG8でコードされたタンパク質と類似した、544アミノ
酸、5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損テルムス(Ther
mus)スペーシスZ05熱安定性DNAポリメラーゼをコード
する。DNAポリメラーゼ活性は、例2と同様に精製され
る。精製されたタンパク質は、5′→3′エキソヌクレ
アーゼ活性が欠損しており、対応する天然酵素に比べ耐
熱性があり、G+Cの豊富な鋳型のPCRにおいて特に有
用である。
例9 アミノ酸288〜830を含むテルムス(Thermus)スペーシ
スsps17の5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性D
NAポリメラーゼの誘導と発現 テルムス(Thermus)スペーシスsps17から5′→3′
エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNAポリメラーゼをコ
ードするDNAフラグメントを得るためには、アミノ酸288
〜830を含むDNAポリメラーゼの一部分を、10mMのトリス
−HCl pH8.3,50mMのKClを含み100μの鉱油が上に被さ
った80μの溶液: 50pmolesのTSA288 50pmolesのTSR01 10ngのテルムス(Thermus)スペーシスsps17ゲノムDNA 2.5単位のAmpli Taq DNAポリメラーゼ、 各々50μMのdATP,dGTP,dCTP,dTTP、 中で順方向プライマTSA288及び逆方向プライマTSR01
を用いるPCRにおいて選択的に増幅させた。80℃の予熱
されたサイクラー内に管を入れた後7.5mMのMgCl2を含む
20μを添加することによって反応を開始した。
ゲノムDNAを98℃で5分間変性し、0℃まで急速に冷
却させた。以下のプロフィールに従ってPerkin−Elmen
Cetusサーマルサイクラ内で、試料を循環させた: 96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
55℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
30秒にわたり72℃まで上昇させ1分間保持する。
プロフィルを3サイクル反復する。
96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
65℃までステップ循環させ、2分間保持する。
プロフィルを25サイクル反復する。
最後のサイクルの後5分間保持する。
アガロースゲル電気泳動法により、意図された1.65kb
のPCR生成物を精製し、フェノールクロロホルム抽出及
びエタノール沈澱の後回収した。精製された生成物を、
制限エンドヌクレアーゼNde I及びBql IIで消化し、Nde
I/BamH Iで消化され脱リン酸されたプラスミドベクタp
DG164に連結した(1989年12月12日付出願米国特許出願
第455,967号、例6B)。大腸菌(E. coli)菌株DG116のア
ンピシリ耐性形質転換体を30℃で選択し、望ましい組換
えプラスミドについてスクリーニングした。プラスミド
pSPSA288は、例2のpLSG8でコードされたタンパク質と
類似した、544アミノ酸、5′→3′エキソヌクレアー
ゼ欠損テルムス(Thermus)スペーシスsps17熱安定性DN
Aポリメラーゼをコードする。DNAポリメラーゼ活性を、
例2と同様に精製する。精製されたタンパク質は5′→
3′エキソヌクレアーゼ活性が欠損しており、対応する
天然酵素に比べ耐熱性が高く、G+Cの豊富な鋳型のPC
Rにおいて特に有用である。
例10 アミノ酸292から834を含むテルムス・サーモフィルス
Thermus Thermophilus)の5′→3′エキソヌクレ
アーゼ欠損熱安定性DNAポリラーゼの誘導と発現 テルムス・サーモフィルス(Thermus Thermophilu
s)から5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNA
ポリラーゼをコードするDNAフラグメントを得るため
に、アミノ酸292〜834を含むDNAポリメラーゼ遺伝子の
一部分を、10mMのトリス−HCl pH8.3,50mMのKClを含み
上に100μの鉱油が被さっている80μの溶液: 50pmolesのTZA292 50pmolesのDG122 1ngのEcoR I消化されたプラスミドpLSG22 2.5単位のAmpli Taq DNAポリメラーゼ 各々50μMのdATP,dGTP,dCTP,dTTP 中で順方向プライマTZA292及び逆方向プライマDG122
を用いるPCRにおいて選択的に増幅させる。80℃の予熱
されたサイクラの中に管を入れた後、7.5mMのMgCl2を含
む20μを付加することによって反応を開始させた。
プラスミドpLSG22(1989年12月22日付出願の米国特許
出願第455,967号;この記載は引用により本明細書に組
み込まれる)を制限エンドヌクレアーゼEcoR Iで完全に
消化し、98℃で5分間変性し、急速に0℃まで冷却し
た。以下のプロフィルに従って、Perkin−Elmer Cetus
サーマルサイクラ内で、試料を循環させた: 96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
55℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
30秒にわたり72℃まで上昇させ1分間保持する。
プロフィルを3サイクル反復する。
96℃までステップ循環させ、20秒間保持する。
65℃までステップ循環させ2分間保持する。
プロフィルを25サイクル反復する。
最後のサイクルの後5分間保持する。
アガロースゲル電気泳動法により、意図された1.66kb
のPCR生成物を精製し、フェノール−クロロホルム抽出
及びエタノール沈澱の後回収する。精製された生成物
を、制限エンドヌクレアーゼNde I及びBal IIで消化
し、Nde I/BamH Iで消化され脱リン酸されたプラスミド
ベクタpDG164と連結する(1989年12月12日付出願の米国
特許出願第455,967号、例6B)。大腸菌(E. coli)菌株D
G116のアンピシリン耐性形質転換体を30℃で選択し、望
ましい組換えプラスミドについてスクリーニングする。
プラスミドpTTHA292は、例2のpLSG8でコードされたタ
ンパク質と類似した、544アミノ酸、5′→3′エキソ
ヌクレアーゼ欠損テルムス・サーモフィルス(Thermus
thermophilus)熱安定性DNAポリメラーゼをコードす
る。DNAポリメラーゼ活性を、例2と同様に精製する。
精製されたタンパク質は5′→3′エキソヌクレアーゼ
活性が欠損しており、対応する天然酵素に比べ耐熱性が
高く、G+Cの豊富な鋳型のPCRにおいて特に有用であ
る。
例11 アミノ酸285〜892を含むテルモシポ・アフリカヌス(Th
ermosipho Africanus)の5′→3′エキソヌクレアー
ゼ欠損熱安定性DNAポリメラーゼの誘導と発現 テルモシポ・アフリカヌス(Thermosipho africanu
s)から5′→3′エキソヌクレアーゼ欠損熱安定性DNA
ポリメラーゼをコードするDNAフラグメントを得るため
には、アミノ酸285〜892を含むDNAポリメラーゼ遺伝子
の一部分を、10mMのトリス−HCl pH8.3,50mMのKClを含
み100μの鉱油が上に被さった80μの溶液: 50pmolesのTAFI285 50pmolesのTAFR01 1ngのプラスミドpBSM:TafRV3′DNA 2.5単位のAmpli Taq DNAポリメラーゼ 各々50μMのdATP,dGTP,dCTP,dTTP 中で順方向でプライマTAFI285及び逆方向プライマTAFR0
1を用いるPCRにおいて選択的に増幅させる。80℃の予熱
されたサイクラー内に管を入れた後7.5mMのMgCl2を含む
20μを付加することによって反応を開始させた。
プラスミドpBSM Taf RV′3(CETUS CASE2583,1,E4,p
53内に記されている通りに得られたもの;引用により本
明細書に組み入れる)を完全にEcoR Iで消化し、DNAを9
8℃で5分間変性させ、0℃まで急速に冷却した。以下
のプロフィルに従ってPerkin−Elmer Cetusサーマルサ
イクラ内で試料を循環させた。
95℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
55℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
30秒にわたり72℃まで上昇させ、1分間保持する。
プロフィルを3サイクル反復する。
95℃までステップ循環させ、30秒間保持する。
65℃までステップ循環させ、2分間保持する。
プロフィルを20サイクル反復する。
最後のサイクルの後、5分間保持する。
アガロースゲル電気泳動法により、意図された1.86kb
のPCR生成物を精製し、フェノールクロロホルム検出及
びエタノール沈澱の後回収する。精製された生成物を制
限エンドヌクレアーゼNde I及びBamH Iで消化し、Nde I
/BamH Iで消化され脱リン酸されたプラスミドベクターp
DG164と連結する(1989年12月22日付出願の米国特許出
願第455,967号、例6B)。大腸菌(E. coli)菌株DG116の
アンピリシン耐性形質転換体を30℃で選択し、望ましい
組換え型プラスミドについてスクリーニングする。プラ
スミドpTAFI285は例3のPTM15でコードされたタンパク
質に類似した、609アミノ酸、5′→3′エキソヌクレ
アーゼ欠損テルモシポ・アフリカヌス(Thermosipho a
fricanus)熱安定性DNAポリメラーゼをコードする。DNA
ポリメラーゼ活性を、例3と同様に精製される。精製さ
れたタンパク質は5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が
欠損しており、対応する未変性酵素に比べて耐熱性が高
く、G+Cの豊富な鋳型のPCRにおいて特に有用であ
る。
以上の明細書は当業者が本発明を実施できるようにす
るのに充分なものであると考えられる。本発明は、寄託
された細胞系によってその範囲が限定されるものではな
い。寄託された態様は本発明の一態様を単に例証するた
めのものであり、機能的に等価のあらゆる細胞系が本発
明の範囲内に入るのである。ここで、材料の寄託は、本
書に含まれている記述が本発明の最良の態様を含むあら
ゆる態様の実施を可能にするのに不適当であることを容
認するものではなく、又、寄託はそれが代表している特
定の例に請求の範囲を制限するものであるとみなされる
べきものではない。実際、本書で示し記述したものに加
えて、当業者には、前述の説明から本発明のさまざまな
変形態様が明らかになると思われ、これらの変形態様
は、添付のクレームの範囲内に入るものである。
(2)配列番号:1: (i)配列の特徴: (A)長さ:2499 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermus aquaticus (ix)特徴: (A)NAME/key:CDS (B)位置:1..2496 (xi)配列の記載:配列番号:1: (2)配列番号:2: (i)配列の特徴: (A)長さ:832 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:2: (2)配列番号:3: (i)配列の特徴: (A)長さ:2682 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermotoga maritima (ix)特徴: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:1..2679 (xi)配列の記載:配列番号:3: (2)配列番号:4: (i)配列の特徴: (A)長さ:893 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:4: (2)配列番号:5: (i)配列の特徴: (A)長さ:2493 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermus species sps17 (ix)特徴: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:1..2490 (xi)配列の記載:配列番号:5: (2)配列番号:6: (i)配列の特徴: (A)長さ:830 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:6: (2)配列番号:7: (i)配列の特徴: (A)長さ:2505 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermus species Z05 (ix)特徴: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:1..2502 (xi)配列の記載:配列番号:7: (2)配列番号:8: (i)配列の特徴: (A)長さ:834 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:8: (2)配列番号:9: (i)配列の特徴: (A)長さ:2505 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermus thermophilus (ix)特徴: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:1..2502 (xi)配列の記載:配列番号:9: (2)配列番号:10: (i)配列の特徴: (A)長さ:834 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:10: (2)配列番号:11: (i)配列の特徴: (A)長さ:2679 塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (vi)由来: (A)生物:Thermosipho africanus (ix)特徴: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:1..2676 (xi)配列の記載:配列番号:11: (2)配列番号:12: (i)配列の特徴: (A)長さ:892 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:蛋白質 (xi)配列の記載:配列番号:12: (2)配列番号:13: (i)配列の特徴: (A)長さ:33 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプローブBW33 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:13: GATCGCTGCG CGTAACCACC ACACCCGCCG CGC 33 (2)配列番号:14: (i)配列の特徴: (A)長さ:30 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプローブBW37 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:14: GCGCTAGGGC GCTGGCAAGT GTAGCGGTCA 30 (2)配列番号:15: (i)配列の特徴: (A)長さ:4 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:YES (iv)アンチ−センス:NO (ix)特徴: (A)NAME/KEY:ペプチド (B)位置:1..4 (D)他の情報:/ラベル=Xaa /注=“Xaa=Val又はThr" (xi)配列の記載:配列番号:15: (2)配列番号:16: (i)配列の特徴: (A)長さ:5 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (v)フラグメント型:internal (xi)配列の記載:配列番号:16: (2)配列番号:17: (i)配列の特徴: (A)長さ:5 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (v)フラグメント型:internal (xi)配列の記載:配列番号:17: (2)配列番号:18: (i)配列の特徴: (A)長さ:4 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (v)フラグメント型:internal (ix)特徴: (A)NAME/KEY:ペプチド (B)位置:1..4 (D)他の情報:/ラベル=Xaa /注=“Xaa=Leu又はIle" (xi)配列の記載:配列番号:18: (2)配列番号:19: (i)配列の特徴: (A)長さ:7 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (v)フラグメント型:internal (ix)特徴: (A)NAME/KEY:ペプチド (B)位置:1..7 (D)他の情報:/ラベル=Xaa /注=“Xaa=Leu又はIle" (xi)配列の記載:配列番号:19: (2)配列番号:20: (i)配列の特徴: (A)長さ:7 アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (v)フラグメント型:internal (ix)特徴: (A)NAME/KEY:ペプチド (B)位置:1..7 (D)他の情報:/ラベル=Xaa1−4 /注=“Xaa1=Ile又はLeu又はAla;Xaa2−4,それぞれ任
意のアミノ酸 (xi)配列の記載:配列番号:20: (2)配列番号:21: (i)配列の特徴: (A)長さ:22 ヌクレオチド (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーMK61 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:21: AGGACTACAA CTGCCACACA CC 22 (2)配列番号:22: (i)配列の特徴: (A)長さ:38 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーRA01 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:22: CGAGGCGCGC CAGCCCCAGG AGATCTACCA GCTCCTTG 38 (2)配列番号:23: (i)配列の特徴: (A)長さ:20 核酸 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:単鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーDG29 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:23: AGCTTATGTC TCCAAAAGCT 20 (2)配列番号:24: (i)配列の特徴: (A)長さ:16 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーDG30 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:24: AGCTTTTGGA GACATA 16 (2)配列番号:25: (i)配列の特徴: (A)長さ:25 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーPL10 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:25: GGCGTACCTT TGTCTCACGG GCAAC 25 (2)配列番号:26: (i)配列の特徴: (A)長さ:28 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL63 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:26: GATAAAGGCA TGCTTCAGCT TGTGAACG 28 (2)配列番号:27: (i)配列の特徴: (A)長さ:27 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL69 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:27: TGTACTTCTC TAGAAGCTGA ACAGCAG 27 (2)配列番号:28: (i)配列の特徴: (A)長さ:36 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL64 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:28: CTGAAGCATG TCTTTGTCAC CGGTTACTAT CAATAT 36 (2)配列番号:29: (i)配列の特徴: (A)長さ:18 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL65 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:29: TAGTAACCGG TGACAAAG 18 (2)配列番号:30: (i)配列の特徴: (A)長さ:31 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL66 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:30: CTATGCCATG GATAGATCGC TTTCTACTTC C 31 (2)配列番号:31: (i)配列の特徴: (A)長さ:31 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーFL67 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:31: CAAGCCCATG GAAACTTACA AGGCTCAAAG A 31 (2)配列番号:32: (i)配列の特徴: (A)長さ:49 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTZA292 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:32: CTCGGCATAT GGCTCCTGCT CCTCTTGAGG AGGCCCCCTG GCCCCC
GCC 49 (2)配列番号:33: (i)配列の特徴: (A)長さ:37 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTZR01 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:33: GACGCAGATC TCAGCCCTTG GCGGAAAGCC AGTCCTC 37 (2)配列番号:34: (i)配列の特徴: (A)長さ:49 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTSA288 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:34: GTCGGCATAT GGCTCCTAAA GAAGCTGAGG AGGCCCCCTG GCCCCC
GCC 49 (2)配列番号:35: (i)配列の特徴: (A)長さ:37 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTSR01 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:35: GACGCACATC TCAGGCCTTG GCGGAAAGCC AGTCCTC 37 (2)配列番号:36: (i)配列の特徴: (A)長さ:41 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーDG122 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:36: CCTCTAAACG GCAGATCTGA TATCAACCCT TGGCGGAAAG C 41 (2)配列番号:37: (i)配列の特徴: (A)長さ:48 ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTAFI285 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:37: GTCGGCATAT GATTAAAGAA CTTAATTTAC AAGAAAAATT AGAAAA
GG 48 (2)配列番号:38: (i)配列の特徴: (A)長さ: 46ヌクレオチド (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:DNAプライマーTAFR01 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチ−センス:NO (xi)配列の記載:配列番号:38: CCTTTACCCC AGGATCCTCA TTCCCACTCT TTTCCATAAT AAACAT 46
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 590.490 (32)優先日 1990年9月28日 (33)優先権主張国 米国(US) 審判番号 平8−8142 (72)発明者 アブラムソン,リチャード ディー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94618,オークランド,#30,ブロード ウェイ 5901

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生来の熱安定性DNAポリメラーゼの5′→
    3′エキソヌクレアーゼ活性に比べて低い5′→3′エ
    キソヌクレアーゼ活性を示すか又は5′→3′エキソヌ
    クレアーゼ活性を失っている変異型熱安定性DNAポリメ
    ラーゼ酵素において、該生来のDNAポリメラーゼはアミ
    ノ酸配列A(X)YG(この配列中、XはV又はTである
    (配列番号:15))を含み、該変異型熱安定性DNAポリメ
    ラーゼ酵素においては前記アミノ酸配列中のアミノ酸G
    が変異していることを特徴とする熱安定性DNAポリメラ
    ーゼ酵素。
  2. 【請求項2】サーマス・スペーシア(Thermus Specie
    s)sps17、サームス・スペーシスZ05、サーマス・アク
    アチクス(Thermus aquaticus)、サーマス・サーモフ
    ィルス(Thermus thermophilus)、サーモシポ・アフリ
    カヌス(Thermosipho africanus)及びサーモトガ・マ
    リチマ(Thermotoga maritima)の酵素の変異型から成
    る群から選択された請求項1に記載の変異型熱安定性DN
    Aポリメラーゼ酵素。
  3. 【請求項3】配列番号:2のアミノ酸残基1−832から本
    質上成るサーマス・アクアチクスポリメラーゼの変異型
    である、請求項1又は2に記載の変異型熱安定性DNAポ
    リメラーゼ酵素。
  4. 【請求項4】配列番号:4のアミノ酸1−893から本質上
    成るサーモトガ・マリチマのDNAポリメラーゼの変異型
    である、請求項1又は2に記載の変異型熱安定性DNAポ
    リメラーゼ酵素。
  5. 【請求項5】配列番号:6のアミノ酸1−830から本質上
    成るサーマス・スペーシスsps17のDNAポリメラーゼの変
    異型である、請求項1又は2に記載の変異型熱安定性DN
    Aポリメラーゼ酵素。
  6. 【請求項6】配列番号:8のアミノ酸1−834から本質上
    成るサーマス・スペーシスZ05のDNAポリメラーゼの変異
    型である、請求項1又は2に記載の変異型熱安定性DNA
    ポリメラーゼ酵素。
  7. 【請求項7】配列番号:10のアミノ酸1−834から本質上
    成るサーマス・サーモフィルスのDNAポリメラーゼの変
    異型である、請求項1又は2に記載の変異型熱安定性DN
    Aポリメラーゼ酵素。
  8. 【請求項8】配列番号:12のアミノ酸1−892から本質上
    成るアミノ酸配列を含んで成るサーモシポ・アフリカヌ
    スのDNAポリメラーゼの変異型である、請求項1又は2
    に記載の変異型熱安定性DNAポリメラーゼ酵素。
  9. 【請求項9】配列番号:15のGがDに変異している、請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の変異型熱安定性DNA
    ポリメラーゼ酵素。
  10. 【請求項10】配列番号:2のアミノ酸1−832から本質
    上成るが、46位のアミノ酸残基(G)が他のアミノ酸に
    置換されている、熱安定性DNAポリメラーゼ酵素。
  11. 【請求項11】配列番号:2のアミノ酸1−832から本質
    上成るが、46位のアミノ酸残基(G)がアスパラギン酸
    残基(D)により置換されている熱安定性DNAポリメラ
    ーゼ酵素。
  12. 【請求項12】N−末端に追加のメチオニン残基が存在
    する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱安定性DN
    Aポリメラーゼ酵素。
  13. 【請求項13】酸化、還元又は他の誘導体化により修飾
    されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱安
    定性DNAポリメラーゼ酵素。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱
    安定性DNAポリメラーゼをコードするDNA。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のDNAを含んで成る組換
    えDNAベクター。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の組換DNAベクターによ
    り形質転換された組換え宿主細胞。
  17. 【請求項17】請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱
    安定性DNAポリメラーゼ酵素の製造方法であって、 (a)前記熱安定性DNAポリメラーゼをコードするDNA配
    列を含んで成る組換DNAベクターにより形質転換された
    宿主細胞を培養し;そして (b)前記宿主細胞で生産された熱安定性DNAポリメラ
    ーゼを単離する; ことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】1又は複数のポリマー界面活性剤を含有
    する緩衝液中に請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱
    安定性DNAポリメラーゼを含んで成る安定な酵素組成
    物。
  19. 【請求項19】請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱
    安定性DNAポリメラーゼ、並びにプライマー対、プロー
    ブ又は1セットのヌクレオシドホスフェート前駆体から
    成る群から選択された1又は複数の他の、PCR反応を行
    うために有用な試薬を含んで成るキット。
  20. 【請求項20】請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱
    安定性DNAポリメラーゼ、並びにプライマー、ヌクレオ
    チドトリホスエート前駆体及びドオキシヌクレオチド−
    5′−トリホスフェートのごとき鎖停止ヌケレオチドト
    リホスフェートから成る群から選択された、核酸の配列
    決定のために有用な1又は複数の他、を試薬と含んで成
    るキット。
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