JP2007104909A - 好熱性細菌サーマス・カワライェンシス由来耐熱性dnaポリメラーゼ - Google Patents

好熱性細菌サーマス・カワライェンシス由来耐熱性dnaポリメラーゼ Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、PCRに応用可能な、DNAポリメラーゼ活性、および逆転写酵素活性を有する耐熱性組換えタンパク質、該組換えタンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子であるDNAを含む組換えベクターおよび該組換えベクターを含む形質転換体を提供することを目的とする。
【解決手段】 新種の好熱性細菌Thermus kawarayensis Thermus kawarayensisのゲノムDNAをクローニングして、DNAポリメラーゼをコードする遺伝子を含む組換えベクターを構築し、該組換えベクターを形質導入した形質転換体において、本発明の耐熱性DNAポリメラーゼを発現させ、精製する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、PCRに応用可能な耐熱性DNAポリマーゼに関し、より詳細には、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する、好熱性細菌サーマス・カワライェンシス由来耐熱性DNAポリメラーゼに関する。
DNAポリメラーゼは、DNA複製機構ならびにDNA修復における鍵酵素であり、種々の細胞から数多くのDNAポリメラーゼが分離、同定されている。DNAポリメラーゼは、現在、そのアミノ酸配列に基づいて、A、B、C、D、X、Yの6つのファミリーに分類されている。ファミリーAには、細菌のPolI型DNAポリメラーゼやミトコンドリアDNAを複製するDNAポリメラーゼγが含まれ、ファミリーBには、真核生物のα、δ、ε型、アーキアのB型、および細菌のPolII型DNAポリメラーゼが含まれる。ファミリーCには、細菌のPolIII型が含まれ、ファミリーXには、真核生物のDNAポリメラーゼβが含まれる。ファミリーDとYは、最近加えられたグループで、アーキア(Archaea)やヒトの一部のDNAポリメラーゼなどが含まれる。同じファミリーに属するものは、よく保存された共通のアミノ酸配列を有しており、生化学的性質についても、おおむね類似していることがわかっている。
これらのDNAポリメラーゼのうち、細菌のPolI型のDNAポリメラーゼは、DNA鎖伸長活性が強いことがわかっており、その中でも、好熱細菌由来のPolI型のDNAポリメラーゼは、強いDNA鎖伸長活性に加えて耐熱性を備えていることから、2本鎖DNAを1本鎖DNAにするための熱変性工程を必須工程として含むPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)において用いられ、その自動化に大きく貢献している。現在、PCR用のPolI型耐熱性DNAポリメラーゼとしては、米国のイエローストーン国立公園の温泉から分離された、好熱性細菌Thermus aquaticus由来のDNAポリメラーゼI(以下、TaqPolIという)をはじめとして、いくつかの好熱細菌由来のDNAポリメラーゼが分離、精製されており、目的によって使い分けられている。
PolI型耐熱性DNAポリメラーゼのなかには、特徴的な活性特性を有するものが報告されており、例えば、特開平9−224682号公報(特許文献1)には、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性(以下、単に、DNAポリメラーゼ活性という)に加えて、強いRNA依存性DNAポリメラーゼ活性(以下、逆転写酵素活性という)を有する、Thermus thermophilus由来のDNAポリメラーゼI(以下、TthPolIという)が開示されている。一方で、同じThermus属細菌に由来する上述したTaqPolIは、TthPolIとのアミノ酸配列の一致度が87%と非常に高いにも関わらず、ほとんど逆転写酵素活性を有しておらず、TthPolIのような強い逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼの精製例は、報告されていない。
現在、遺伝子工学技術において様々な手法が検討される中、現在のPCR技術およびその発展形を含むより汎用的な用途への可能性を備えた、さらなる有用な特性を有する耐熱性DNAポリメラーゼの精製が求められていた。
特開平9−224682号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明は、DNAポリメラーゼ活性、および逆転写酵素活性を有する組換えタンパク質、該組換えタンパク質をコードする遺伝子であるDNA、該DNAを含む組換えベクターおよび該組換えベクターを含む形質転換体を提供することを目的とする。
本発明者は、群馬県の温泉から、進化系統的にThermus aquaticusおよびThermus thermophilusの間に位置づけられる好気性の従属栄養細菌である新種の好熱性細菌サーマス・カワライェンシス(DSM No.16200)(以下、Thermus kawarayensisという)の分離、同定に成功した。本発明者は、この菌株から新規のPolIを分離し、詳細にその性質を解析したところ、すでにPCR用の酵素として応用されているTaqPolIおよびTthPolIと同等のDNAポリメラーゼ活性、および、TthPolIの約1.5倍の逆転写酵素活性を示すことを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明によれば、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる組換えタンパク質、または、配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつDNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性のうちいずれか一方または両方を有する組換えタンパク質が提供される。
また、本発明によれば、上記組換えタンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、および、該組換えベクターを含む形質転換体が提供される。
本発明によれば、DNAポリメラーゼ活性、および高い逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを提供することができる。また、本発明の耐熱性DNAポリメラーゼは、公知の逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼに比べて、その精製が非常に簡便であり、製造コストの低減が見込まれる。
以下、本発明を実施の形態をもって説明するが、本発明は、以下に示した実施の形態に限定されるものではない。
本発明の好熱性細菌サーマス・カワライェンシス由来耐熱性DNAポリマーゼI(以下、TkaPolIという)は、以下に示す手順によって組換えタンパク質として製造することができる。
まず最初に、培養されたThermus kawarayensisからゲノムDNAを調整する。得られたゲノムDNAを鋳型として、合計3回のPCRを経て、TkaPolI遺伝子(以下、TkapolAという)のコード領域全長の増幅産物を得る。得られた増幅産物を用いて組換えベクターを構築し、構築した組換えベクターを宿主細胞に導入し、形質転換体とする。最後に、所定の条件の下で形質転換体を培養した後、発現した組換えタンパク質を回収、精製し、単一な標品としてのTkaPolIを得る。以下、製造工程を具体的に説明する。
Thermus kawarayensisと同じThermus属に属する好熱性細菌のPolAの既知の塩基配列に基づいてPCRプライマーを作成し、1回目のPCRによりTkapolA断片の増幅を行ったのち、塩基配列を決定する。次に、決定されたTkapolA断片の上記塩基配列に基づいてPCRプライマーを作成し、2回目のPCRによりTkapolAの未知領域の増幅を行ったのち、塩基配列を決定する。決定されたTkapolAの未知領域の塩基配列と、先に決定されたTkapolA断片の塩基配列とを合わせて、TkapolAの全塩基配列を決定する。最後に、上記全塩基配列に基づき、5’末端に制限酵素認識部位が連結されたPCRプライマーを作成し、3回目のPCRによりTkapolAのコード領域全長の増幅を行う。
上述した手順で得られた上記増幅産物を所定のベクターに挿入して発現用の組換えベクターを構築する。上記発現用組換えベクターを用いて大腸菌を形質転換したのち培養し、得られた菌体を超音波破砕後に遠心分離を行って粗抽出液を得る。得られた粗抽出液に熱処理を加えたのち、さらに遠心分離を行って得られた上清画分についてイオン交換クロマトグラフィーを用いて最終精製を行う。本発明のTkaPolIは、公知の逆転写酵素活性を有する耐熱性PolIと比較して、上述した最終精製における工程をより少なくすることが可能であり、製造コストを低減することができる。
本発明のTkaPolIは、サーマス・カワライェンシス(Thermus kawarayensis)に由来し、配列番号1に表されるアミノ酸配列からなる分子量が約94000の組換えタンパク質、およびその誘導体である。
上記組換えタンパク質の誘導体とは、配列番号1で示されるアミノ酸配列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、DNAポリメラーゼ活性と逆転写酵素活性の両方あるいはそのいずれかの一方の酵素活性を有するタンパク質であって、配列番号1で示されるアミノ酸配列と90%以上、好ましくは95%以上の相同性を有するのが望ましい。上記誘導体は、Thermus kawarayensisのDNAポリメラーゼIのDNAポリメラーゼ活性と逆転写酵素活性の両方あるいはそのいずれかの酵素活性を損なわない範囲で、部位特異的変異誘発法等の人工的改変法を用いてDNA組換え技術によって得ることができる。
本発明のTkaPolIをコードする遺伝子の具体例として、配列番号2で表される塩基配列からなるDNAを挙げる事ができる。また、本発明のTkaPolIである上記誘導体をコードする遺伝子は、例えば配列番号2で表される塩基配列からなるDNAを用いて、部位特異的変異誘発法等の人工的改変法を用いてDNA組換え技術によって得ることができる。
なお、本発明のTkaPolIをコードする遺伝子は、配列番号3に表す塩基配列からなるセンスプライマーおよび配列番号4に表す塩基配列からなるアンチセンスプライマーを用い、30サイクル(95℃・30秒、62℃・30秒、72℃・1.5分)の条件でPCRを行うことにより増幅される約1.5kbのDNA断片を、電気泳動により確認する事により検出することが出来る。既存の他のDNAポリメラーゼ遺伝子は、上述したPCRによっては増幅(検出)されない。本発明のTkaPolIは、DNAポリメラーゼ活性、およびTthPolIの約1.5倍という強い逆転写酵素活性を備える、至適温度が70℃の耐熱性酵素であり、PCRにおける応用が充分に可能である。
以上、本発明のTkaPolIについて説明してきたが、本発明のTkaPolIの製造方法は、上述した実施形態に限定するものではなく、Thermus kawarayensis株由来のゲノムDNAから、遺伝子工学技術におけるその他の公知の手法および生物資源を用いて本発明の組換えタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、および、該組換えベクターを含む形質転換体を製造することができる。
以下、本発明のTkaPolIについて、実施例を用いてより具体的に説明を行うが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順に従って、本発明のTkaPolIを精製した。
(1)Thermus kawarayensisゲノムDNAの調整
まず、最初に、本発明者により群馬県の温泉から分離されたThermus kawarayensisの遺伝子のクローニングと一次構造の同定を行った。Thermus kawarayensisは、−80℃で、保存されていたものを用いた。培養はM74b培地(0.4%polypeptone、0.2%yeast extract、0.2%NaCl、pH7.5)を用いて行った。5mlの上記培地を試験管に移し、Thermus kawarayensisの上記凍結菌体50μlを植菌した後、70℃のアルミブロックで静置培養した。菌体が定常期に至ったものは、そのつど新しい培地に継代培養した。なお、Thermus kawarayensisの生育至適温度および至適pHは、それぞれ68℃およびpH7で、至適条件下での倍加時間は2.8時間であった。
上述した手順で調整したThermus kawarayensisの一晩培養液5mlを15mlコーニングチューブに移し、遠心分離(8000×g、4℃、10分間)により集菌し、上清を除いた。得られた菌体を100μlのSE溶液(0.15M・NaCl、0.1M・EDTA、pH8.0)に懸濁し、全量をエッペンドルフチューブに移した。さらに、上記懸濁液に5μlの10%SDSを加え、軽く混ぜ、60℃で10分間保温した。続いて、氷上で5分間冷却した後、100μlのTris−HCl(pH8.0)飽和フェノール−クロロホルム混液(Tris飽和フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール=25:24:1)を加え、ボルテックスで1分間撹拌した後、遠心分離(21000×g、4℃、10分間)を行い、上清を新しいエッペンドルフチューブに移した。上記上清に150μlのエタノールを加え、軽く混ぜ、遠心分離(21000×g、4℃、5分間)した後、上清を除いて沈殿しているDNAを回収した。回収したDNAに、500μlの70%エタノールを加え、遠心分離(21000×g、4℃、5分間)を行い、上清を除いて風乾した後、100μlのTEバッファに再懸濁し、1μlのRNaseA(10mg/ml)を加えて−25℃で保存した。上述した手順で得られたThermus kawarayensisのゲノムDNAを鋳型として以下に示す手順でPCRを行った。
(2)PCRによるTkapolA断片の増幅と塩基配列の決定
TkapolAおよびThermus thermophilusのPolAにおいて保存性の高い領域の塩基配列に基づいて、PCRプライマーとして、配列番号5に表す塩基配列からなるフォーワードプライマーおよび配列番号6に表す塩基配列からなるリバースプライマーを作成した。次に、上述した手順で得られたThermus kawarayensisゲノムDNA(200ng)、上記各PCRプライマー(各25pmol)、dNTP(200μM)、MgSO(1mM)、1×KOD-plus bufferおよび1U KOD−plusDNApolymerase(東洋紡績(株)製)によって調製したPCR反応液50μlを94℃で3分間保温することにより初期変性を行った後、25サイクル(94度・30秒、60度・30秒、68度・2分)の条件でPCRを行ったところ、約1800bpのDNA断片が増幅された。
増幅された上記DNA断片をpBluescriptKS(−)(STRATAGENE社製)のEcoRVサイトに挿入した後、塩基配列を決定した。決定した塩基配列とThermus aquaticusおよびThermus thermophilusのpolAの塩基配列とをそれぞれ比較したところ、ともに88%以上の一致度を示したことから、増幅されたDNA断片がTkapolAの断片であることが確認された。
(3)TkapolA全長のクローニングと塩基配列の決定
増幅されたTkapolA断片の塩基配列に基づいて、配列番号7〜10に表す塩基配列からなるプライマーを作成し、PCRによりTkapolAの未知領域の増幅を行った。PCRは、LA PCR(登録商標)in vitro Cloning Kit(タカラバイオ(株)製)を用いて行った。配列番号5に表す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に表す塩基配列からなるプライマーを用いてTkapolAの5’末端未知領域の約600bpを、配列番号7に表す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に表す塩基配列からなるプライマーを用いてTkapolAの3’末端未知領域の約200bpをそれぞれ増幅し、塩基配列を決定した。既に決定されていた上述したTkapolA断片の塩基配列と新たに決定された上記塩基配列とを合わせ、TkapolAの全塩基配列を決定した。決定された配列番号2に表される全塩基配列からTkaPolIは2502bpからなる遺伝子にコードされ、配列番号1に表されるアミノ酸833残基からなることがわかり、分子量は約94000と推定された。TkaPolIのアミノ酸配列は、Thermus aquaticus、Thermus thermophilus、およびThermus filiformisのPolIのアミノ酸配列とそれぞれ86.9%、89.8%、78.5%の一致度を示し、また、TkaPolIのアミノ酸配列中には、細菌のPolIに一般的に保存されている6つのモチーフ配列の存在が確認された。
続いて、組換えベクターとして発現用プラスミドを構築し、大腸菌において発現させ、TkaPolIの組換えタンパク質を精製した。以下、その手順を説明する。
(4)発現用プラスミド(組換えベクター)の構築
TkapolAのコード領域全長を以下に示す手順でPCRによって増幅した。まず、上述したTkapolAの全塩基配列に基づいてPCRプライマーとして、配列番号11に示す塩基配列からなるフォーワードプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるリバースプライマーを作成した。
上記フォーワードプライマーとリバースプライマーの5’末端には、制限酵素認識部位として、それぞれNdeIサイトおよびBglIIサイトを設けた。
次に、上述した手順で得られたThermus kawarayensisゲノムDNA(200ng)、上記各PCRプライマー(各25pmol)、dNTP(200μM)、MgSO(1mM)、1×KOD-plus bufferおよび1U KOD−plusDNApolymerase(東洋紡績(株)製)によって調製したPCR反応液50μlを94℃で3分間保温することにより初期変性を行った後、25サイクル(94度・30秒、60度・30秒、68度・3分)の条件でPCRを行った。
PCR反応終了後、増幅されたTkapolAをNdeIおよびBglIIで制限酵素処理し、発現ベクターpET3c(Novagen社製)のT7プロモーターの下流に位置するNdeI−BamHIサイトに挿入し、発現用プラスミドpKWP1expを構築した。図1は、発現用プラスミドpKWP1expの構築工程を概略的に示した図である。
(5)組換えタンパク質の精製
上述した発現用プラスミドpKWP1expを用いて大腸菌BL21(DE3)codon plus−RPを形質転換し、1lの三角フラスコに用意したアンピシリン(0.1mg/ml)を含むLB培地(1%tryptone、0.5%yeast extract、1%NaCl、pH7.5)100mlに植菌して、37℃で一晩振盪培養した。上記培養液を2本の50mlコーニングチューブに分注し、遠心分離(8000×g、4℃、15分間)により集菌し、上清を除いた。細胞を7mlのバッファーA(50mM・Tris−HCl・pH8.0、2mM・MgCl、1mM・DTT、1mM・PMSF)で懸濁した後、15mlコーニングチューブ中で超音波処理した(Output1.5、Duty cycle 50%、氷冷下、15分間)。超音波破砕液を遠心分離(8000×g、4℃、15分間)し、上清を新しい15mlコーニングチューブに回収し、これを粗抽出液とした。
次に、上記粗抽出液についての熱処理工程を経て、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、陽イオン交換カラムクロマトグラフィーを順に行った。また、各精製画分について、後に詳説する方法によってDNAポリメラーゼ活性の測定を行なうとともに、各精製画分を10%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、CBBで染色した(SDS−PAGE)。以下、詳細に説明する。
まず、上記粗抽出液を75℃のアルミブロック恒温槽にセットして20分間加熱した。加熱後、40分間室温で放置した後、遠心分離(8000×g、4℃、15分間)し、上清(5.8ml)を新しい15mlコーニングチューブに回収した。この上清に、最終濃度が10%になるようにグリセロールを加え熱処理品とした(6.5ml)。この熱処理品6mlを、5mlの陰イオン交換カラム(Q−Spharose、PharmaciaBiotech社製)にアプライし、NaClをそれぞれ50mM、100mM、200mM含むバッファーB(50mM・Tris−HCl・pH7.5、1mM・DTT、3mM・MgCl、10%グリセロール)をそれぞれ20mlずつ用いて順次溶出を行った。NaClを200mM含む画分から最も高いDNAポリメラーゼ活性が検出された。DNAポリメラーゼ活性を有する画分(5ml)をバッファーBに対して透析した。透析した溶液を5mlの陽イオン交換カラム(CM−Spharose、PharmaciaBiotech社製)にアプライし、NaClをそれぞれ0mM、50mM、100mM含むバッファーBをそれぞれ30ml、15ml、15ml用いて順次溶出を行った。NaClを50mM含む画分から最も高いDNAポリメラーゼ活性が検出された。DNAポリメラーゼ活性を有する画分(4ml)を回収し、最終濃度が50%になるようにグリセロールを加え(7.2ml)、−30℃で保存した。
図2は、上述した各精製画分のSDS−PAGEを示した図である。図中のLane1は粗抽出液、Lane2は熱処理上清、Lane3はQ−Spharose溶出液、Lane4はCM−Spharose溶出液、LaneMは分子量マーカーを示す。
上述した各精製画分におけるDNAポリメラーゼ活性を表1にまとめて示す。
Figure 2007104909
図2および表1に示されるように、100mlの培養液から組換えタンパク質として比活性46.4U/mgのTkaPolIが0.4mg精製された。また、図2のLane3に示されるように、本発明のTkaPolIは、1回目の陰イオン交換カラムの溶出液において、既に、ほぼ単一な標品として精製されており、現在知られている逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼと比較すると、格段にその精製が簡便であることがわかった。この理由は明らかではないが、他の耐熱性DNAポリメラーゼに比べて、組換えタンパク質の発現効率が高いことが原因ではないかと考えられる。
(実施例2)
上述した手順で精製されたTkaPolIについて、DNAポリメラーゼ活性の特性(温度依存性、pH依存性、塩濃度依存性、金属イオン要求性および熱安定性)ならびに逆転写酵素活性について調べた。なお、70℃で、30分間に10nmolesの全ヌクレオチドを取り込む酵素活性を1Uとした。
TkaPolIの活性測定に際し、活性化calf−thymusDNAを調整した。活性化calf−thymusDNAは、10mg・calf−thymusDNA(NacalaiTesque社製)、50mM・Tris−HCl・pH7.5、5mM・MgCl、0.15U・DNaseIからなる反応液4.5mlを、37℃で30分間保温した後、80℃で10分間加熱することによりDNaseIを失活させて調整した。
TkaPolIの活性測定には、鋳型として上記活性化calf−thymusDNAを、基質としてdNTPおよびH−dTTPを含む反応液を調整し、後述する様々な条件で反応を行った後、反応液を氷上に移して冷却することにより反応を止めた。この反応液6μlを陰イオン交換フィルター(DE81)に滴下し、室温で風乾した。このフィルターを洗浄液(5%NaHPO)に浸し、室温で9分間、途中で2度洗浄液を交換して、穏やかに振盪させた。フィルターをイオン交換水中に移し、室温で6分間、途中で一度イオン交換水を交換して、穏やかに振盪させることによりNaHPOを除去した。次に、フィルターをエタノール中に移し、室温で5分間、穏やかに振盪させた後、キムタオル上に並べて、50℃で15分間乾燥させた。完全に乾燥させた上記フィルターを液体シンチレーションカクテル(AQUASOL−2、PACKARD社製)に浸し、液体シンチレーションカウンター(TRI−CARB2799TRシリーズ、PACKARD社製)で、合成されたDNAに取り込まれたトリチウムの放射線量を測定した。また逆転写酵素活性については、Poly(rA)・p(dT)を鋳型に、H−dTTPを基質として用い、その他の測定条件についてはDNAポリメラーゼ活性の測定条件と同様に行った。
なお、先に述べた発現タンパク質精製時の各精製画分についてのDNAポリメラーゼ活性測定は、反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP,dCTP,dGTP、40pmol(2.5μCi)H−dTTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、5mM・MgCl、1mM・DTT、2μl・精製画分)を調整し、70℃で10分間反応を行った後、上述したのと同様の手順で測定を行った。
以下、TkaPolIの活性特性について、各実験条件の詳細とその結果について述べる。なお、以下に述べる説明中、相対活性(%)とは、活性測定の結果最も高い活性を示した条件におけるヌクレオチドの取り込み量を100%として算出した相対値を意味する。
(a)温度依存性
反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP、dCTP、dGTP、40pmol(2.5μCi)H−dTTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、5mM・MgCl、1mM・DTT、0.008U・TkaPolI)を調整し、反応温度を35〜90℃の範囲で5℃ずつ変化させて10分間反応を行い、活性を測定した。
図3は、相対活性(%)と反応温度の関係を示した図である。図3が示すように、反応温度が55℃〜80℃の範囲で80%以上の高い活性を示し、35℃でも40%の活性を示し、その至適温度は70℃であることがわかった。一方、TaqPolIおよびTthPolIも70℃〜75℃付近が至適温度であり、本発明のThermus kawarayensis由来耐熱性DNAポリマーゼの活性の温度依存性はTaqPolIおよびTthPolIのそれと非常に類似していることが示された。
(b)pH依存性
リン酸およびホウ酸Bufferを用いて、反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP、dCTP、dGTP、40pmol(2.5μCi)・H−dTTP、25mM・KHPO/KHPO(pH5.7〜7.1at70℃)、もしくはHBO/NaOH(pH7.5〜9.5at70℃)、5mM・MgCl、1mM・DTT、0.008U・TkaPolI)を調整し、pH5.7〜9.5の範囲で、70℃で10分間反応を行い、活性を測定した。
図4は、相対活性(%)とpHの関係を示した図である。図4が示すように、pH7.0〜8.0の範囲で最も高い活性を示しており、本発明のThermus kawarayensis由来耐熱性DNAポリマーゼの活性のpH依存性についても他のthermus属細菌由来のPolIのそれと非常に類似していることが示された。
(c)塩濃度依存性
塩化カリウムおよび塩化アンモニウムを用いて、反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP、dCTP、dGTP、40pmol・(2.5μCi)H−dTTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、0〜200mM・KCl/0〜200mM・NHCl、5mM・MgCl、1mM・DTT、0.008U・TkaPolI)を調整し、70℃で10分間反応を行い、活性を測定した。
図5は、相対活性(%)と塩濃度の関係を示した図である。図5が示すように、反応系への塩化カリウムおよび塩化アンモニウムの添加は、いずれの場合もDNAポリメラーゼ活性を低下させた。TaqPolIおよびTthPolIの至適KCl濃度が50mM付近であることと比較すると、本発明のThermus kawarayensis由来耐熱性DNAポリマーゼは塩に対して感受性が高いことが示唆された。
(d)金属イオン要求性
現在までに報告されている全てのDNAポリメラーゼは、2価の金属イオンを補助因子として要求する。そこで、本発明のThermus kawarayensis由来耐熱性DNAポリマーゼのマグネシウムイオンおよびマンガンイオンの要求性について検討するべく、反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP、dCTP、dGTP、40pmol・(2.5μCi)・H−dTTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、0〜30mM・MgCl/0〜30mM・MnCl、1mM・DTT、0.008U・TkaPolI)を調整し、70℃で10分間反応を行い、活性を測定した。
図6は、相対活性(%)と金属イオン濃度の関係を示した図である。図6が示すように、塩化マグネシウムの至適濃度は5〜10mMであるのに対し、塩化マンガンの至適濃度は1mMであった。また、マンガンイオンを用いた場合の最大活性は、マグネシウムイオンを用いた場合に比べ約25%の値であり、それ以上の濃度で加えるとほとんど活性を示さなかった。この結果は他のPolI型酵素の性質とよく一致するものであった。
(e)熱安定性
TkaPolIの酵素溶液をあらかじめ55℃、75℃、95℃においてそれぞれ15〜60分間保温した後、反応液50μl(5μg・活性化calf−thymusDNA、200μM・各dATP、dCTP、dGTP、40pmol(2.5μCi)・H−dTTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、5mM・MgCl、1mM・DTT、0.008U・TkaPolI)を調整し、70℃で10分間反応を行い、活性を測定した。
図7は、相対活性(%)と反応系に加える前の酵素溶液の保温温度および保温時間との関係を示した図である。図7が示すように、55℃および75℃では、30分間保温しても活性は全く失われなかったが、95℃では15分間の保温で活性がほとんど消失することがわかった。
(f)逆転写酵素活性
TkaPolIの逆転写酵素活性について検証すべく、反応液50μl(1μg・Poly(rA)・p(dT)、40pmol(2.5μCi)・H−dTTP、10mM・Tris−HCl・pH8.0、80mM・KCl、1.5mM・MnCl、5μg・BSA、0.008U・TkaPolI)を調整し、60℃で15分間反応させた。併せて、陽性コントロールとしてTthPolI(rTthDNAポリメラーゼ、東洋紡績(株)製)を、陰性コントロールとしてTaqPolI(rTaqDNAポリメラーゼ、東洋紡績(株)製)を用いて同様の条件で反応を行ない、それぞれについて活性測定を行なった。
本発明のTkaPolI、TaqPolIおよびTthPolIについて、それぞれのDNAポリメラーゼ活性および逆転写酵素活性を表2に示す。
Figure 2007104909
表2に示されるように、本発明のTkaPolIは、DNAポリメラーゼ活性において、TthPolIと同等の活性を示すのみならず、逆転写酵素活性においては、TthPolIの約1.5倍にあたる、顕著な活性特性を示すことがわかった。
(実施例3)
本発明のTkaPolIのPCRにおける最適条件を検討すべく、PCR反応系でのKCl、NHCl、MgCl、TritonX−100、BSA、およびDTT濃度依存性および伸長反応の温度依存性について調べた。
鋳型DNAとしてThermus thermophilusゲノムDNAを用い、16SrDNA約1500bpを増幅するために、PCRプライマーとして、配列番号13に示す塩基配列からなるフォーワードプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるリバースプライマーを作成した。PCR反応液は、200ng・Thermus thermophilusゲノムDNA、25pmol・各プライマー、200μM・dNTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、0.02U・TkaPolIからなる基本構成に、各種添加剤を加えて50μlとし、各添加剤の濃度を変化させて反応を行った。PCRサイクルについては、95℃で3分間保温する事により初期変性を行った後、25サイクル(95℃・30秒、60℃・30秒、70℃・2分)の条件で行った。上述の手順でPCRを行ったのち、DNA断片の増幅を1%アガロースゲル電気泳動によって確認した。以下、各実験条件の詳細とその結果について述べる。
(イ)KClおよびNHCl濃度依存性
反応液50μl(上記基本構成、1.5mM・MgCl、0〜120mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100)、および、反応液50μl(上記基本構成、1.5mM・MgCl、0〜120mM・NHCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100)を調整し、KCl濃度およびNHCl濃度を0〜120mMの範囲で変化させて、それぞれについてPCRを行った。
図8(a)は、KClの濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図であり、図8(b)は、NHClの濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。なお、NHClを添加したものに関しては、コントロールのために、KCl・60mMの条件で得られた増幅産物についても同時に電気泳動を行った。
図8(a)および(b)が示すように、KClおよびNHClのいずれも、40〜60mMの濃度で良好な増幅が行われた。また、図8(b)に示されるように、NHClに比べKClを用いた場合のほうが多くのDNA断片の増幅が確認されることがわかった。
(ロ)MgCl濃度依存性
一般に、PCRにおいて酵素の特異性や反応の効率に影響を及ぼすとされているMgCl濃度依存性を検討すべく、反応液50μl(上記基本構成、0〜3mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100)を調整し、PCRを行った。
図9は、MgClの濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図9が示すように、0.5〜1.0mMの範囲で良好な増幅が行われていた。標準的なPCR緩衝液のMg2+濃度が1.0〜2.0mMであることに鑑みれば、本発明のTkaPolIは、現行の他の耐熱性DNAポリメラーゼと同様にPCRにおいて最適な活性を示すことがわかった。
(ハ)TritonX−100濃度依存性
界面活性剤を反応系に加えると、DNA増幅効率の向上が見られる場合があることから、TritonX−100の濃度依存性を検討すべく、反応液50μl(上記基本構成、1.5mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0〜0.3%・TritonX−100)を調整し、TritonX−100濃度を0〜0.3%の範囲で変化させてPCRを行った。
図10は、TritonX−100の濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図10が示すように、0.01%加えた場合に最も多くのDNA断片の増幅が確認された。また、TritonX−100を反応系に加えないとほとんどDNA断片の増幅が確認できないことから、TkaPolIのPCRにおける反応系には界面活性剤を添加することが望ましいことがわかった。
(ニ)BSA濃度依存性
界面活性剤と同様に、反応効率の向上が見られることが確認されているBSAの濃度依存性を検討すべく、反応液50μl(上記基本構成、1.5mM・MgCl、50mM・KCl、0〜0.5mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100)を調整し、PCRを行った。
図11は、BSAの濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図11が示すように、0.05〜1mg/mlの濃度において最もよい結果が得られたことから、BSAの反応系への添加も非常に有効であることが確認された。
(ホ)DTT濃度依存性
反応液50μl(上記基本構成、1.5mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100、0〜5mM・DTT)を調整し、DTT濃度を0〜5mMの範囲で変化させてPCRを行った。
図12は、DTTの濃度を変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図12が示すように、DTTの反応系への添加は、いずれの濃度においてもPCR増幅を阻害することがわかった。
(ヘ)伸長反応温度依存性
PCRサイクル中の伸長反応の温度依存性を検討すべく、反応液50μl(上記基本構成、0.75mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100)を調整し、95℃で3分間保温する事により初期変性を行った後、伸長工程の温度を64〜74℃の範囲で変化させて、25サイクル(95℃・30秒、60℃・30秒、64〜74℃・2分)の条件でPCRを行った。
図13は、伸長工程の温度を64〜74℃の範囲で変化させた場合の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図13が示すように、70℃で最も多くのDNA断片の増幅が確認された。
上述した検討事項に基づいて、本発明のTkaPolIのPCRにおける最適条件は、0.75mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSAおよび0.01%・TritonX−100の添加剤を含むPCR反応液において、伸長工程の温度が70℃であるということがわかった。この最適条件において、TaqPolIをコントロールとしてPCRを行った。その詳細について以下に示す。
(ト)TaqDNAポリメラーゼとの比較
反応液50μl(200ng・Thermus thermophilusゲノムDNA、25pmol・各プライマー、200μM・dNTP、50mM・Tris−HCl・pH8.0、0.75mM・MgCl、50mM・KCl、0.05mg/ml・BSA、0.01%・TritonX−100、0.この02U・TkaPolI)、および、コントロールとして反応液50μl(200ng・Thermus thermophilusゲノムDNA、25pmol・各プライマー、200μM・dNTP、10mM・Tris−HCl・pH8.3、50mM・KCl、1.5mM・MgCl、5U・rTaqDNAPolymerase(東洋紡績(株)製))を調整し、95℃で3分間保温する事により初期変性を行った後、25サイクル(95℃・30秒、60℃。・30秒、70℃・2分)の条件でPCRを行った。
図14は、本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物、および、TaqPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図である。図14が示すように、TaqPolIと同様に、本発明のTkaPolIによる良好なDNA断片の増幅が確認された。実験に用いたTkaPolIは50μl当りの使用量が0.02Uと非常に少なかったことに鑑みれば、本発明のTkaPolIのPCRへの応用が充分に可能であることがわかった。
なお、文中において使用した省略記号について、以下にまとめて示す。
bp…base pairs、kb…kiro base pairs、Tris…Tris[hydroxymethyl]aminomethane、SDS…sodium dodecyl sulfate、EDTA…ethylenediamine tetraacetic acid、DTT…dithiothreitol、dNTP…deoxynucleotide triphosphate(dATP・dCTP・dGTP・dTTP)、BSA…bovine serum albumin、CBB…Coomassie Brilliant Blue、PolI…DNApolymeraseI、polA…PolIをコードする遺伝子、PMSF…Phenylmethanesulfonyl Fluoride
本発明の耐熱性DNAポリメラーゼは、その好適な活性特性から、遺伝子工学分野をはじめとして臨床、食品、法医学、環境、衛生などの多くの分野で活用されているPCR技術およびその周辺技術において幅広く応用することが可能であり、さらに、その精製の簡便さも相まって、今後、PCR技術のさらなる改良に資することが期待される。
本発明の組換えベクターである発現用プラスミドpKWP1expの構築工程を概略的に示した図。 本発明のTkaPolIの精製画分のSDS−PAGEを示した図。 本発明のTkaPolIのDNAポリメラーゼ活性の相対活性(%)と反応温度の関係を示した図。 本発明のTkaPolIのDNAポリメラーゼ活性の相対活性(%)とpHの関係を示した図。 本発明のTkaPolIのDNAポリメラーゼ活性の相対活性(%)と塩濃度の関係を示した図。 本発明のTkaPolIのDNAポリメラーゼ活性の相対活性(%)と金属イオン濃度の関係を示した図。 本発明のTkaPolIのDNAポリメラーゼ活性の相対活性(%)と反応系に加える前の酵素溶液の保温温度および保温時間との関係を示した図。 図8(a)は、KClの濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図であり、図8(b)は、NHClの濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 MgClの濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 TritonX−100の濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 BSAの濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 DTTの濃度を変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 伸長工程の温度を64〜74℃の範囲で変化させた場合の本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。 最適条件における本発明のTkaPolIによるPCR増幅産物、および、TaqPolIによるPCR増幅産物の1%アガロースゲル電気泳動を示した図。

Claims (6)

  1. 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる組換えタンパク質。
  2. 配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつDNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性のうちいずれか一方または両方を有する組換えタンパク質。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の組換えタンパク質をコードする遺伝子。
  4. 請求項1に記載の組換えタンパク質をコードする遺伝子であって配列番号2で表される塩基配列からなるDNA。
  5. 請求項3または4のいずれか1項に記載の遺伝子であるDNAを含む組換えベクター。
  6. 請求項5に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
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