JP5617075B2 - 酵素 - Google Patents

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Description

本発明は、DNAポリメラーゼ活性を有する新規なポリペプチド、及びその使用に関する。
DNAポリメラーゼは、DNA修復及び複製において、インビボ(in vivo)で必要とされるが、分子生物学者のためのインビトロ(in vitro)での診断及び分析の重要なツールとなっている。遺伝子「DNA polA」によりコードされるE.coli DNAポリメラーゼIは、1956年に発見され、1970年代初期にクローニング及び特性決定された。当該酵素は、ニックトランスレーション、cDNAクローニングにおける第二鎖cDNA合成、及びDNA配列決定によりDNA標識等の様々な用途を有する。いわゆるE.coli DNAポリメラーゼIの「クレノウ(Klenow)」又は「ラージ(Large)」フラグメントは、元々プロテアーゼ酵素サブチリシンによる未変性酵素の切断で作製された巨大な(large)タンパク質フラグメントである。このラージフラグメントは、5'→3'ポリメラーゼ活性、及び3'→5'エキソヌクレアーゼ・プルーフリーディング活性を有するが、前記未変性酵素におけるDNA修復の間に、ニックトランスレーションを媒介する5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を欠損する。
E.coliにおいて発見されているため、DNAポリメラーゼI様酵素は、多くの原核生物において、特性決定されているが、非E.coli対応物は、3'→5'エキソヌクレアーゼ・プルーフリーディング機能を常に有するわけではない。様々な好熱性真正細菌、例えば、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)、サーマス・ブロッキアナス(Thermus brockianus)、サーマス・ルバー(Thermus ruber)、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・カルドテナクス(Bacillus caldotenax)及びサーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)由来のDNAポリメラーゼI様酵素が、熱安定性であり、約45℃〜100℃でポリメラーゼ活性を維持することがわかっている。
一般的に、熱安定性DNAポリメラーゼは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の熱サイクル増幅反応によるか、又は鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製法(3SR)、及びループ媒介等温増幅(LAMP;Notomi等、2000、Nucleic Acids Res.28:e63を参照されたい)等の等温増幅反応による、核酸配列の増幅のための方法において幅広い用途が発見されている。熱安定性DNAポリメラーゼは、熱安定性、鎖置換活性、フィデリティ(エラー率)及びテンプレートDNA及び/又は遊離ヌクレオチドへの結合親和性等の様々な特性を有するため、典型的に、増幅反応の様々なタイプに適する。
等温増幅反応には、強力な鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼが必要であり、且つBst DNAポリメラーゼIラージフラグメント及びBca DNAポリメラーゼIラージフラグメント等のDNAポリメラーゼI酵素は、LAMP等の反応に適している(Notomi等、2000、上記を参照されたい)。
一方で、PCR等の熱サイクル増幅反応には、使用されるサイクル温度(典型的には、最大94℃)で適切な処理能力及び熱安定性を有するDNAポリメラーゼが必要である。PCRのための市販のDNAポリメラーゼの多くは、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を欠如するが、プルーフリーディング3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を有する、DNAポリメラーゼII様酵素である(例えば、Vent、Deep Vent、Pwo、Pfu、KOD,9N7、Tfu DNAポリメラーゼ)。いくつかのDNAポリメラーゼI酵素(典型的には、サーモトガ及びサーマス種由来のもの、例えば、Taq DNAポリメラーゼ)がPCRで使用されるが、例えばTaq DNAポリメラーゼは、等温増幅反応において十分に機能するよう、不十分な鎖置換活性を有する。
WO2007/127893は、サーモトガ・ナフトフィラ(Thermotoga naphthophila)及びサーモトガ・ペトフェリア(Thermotoga petrophellia)由来の熱安定性DNAポリメラーゼを開示する。
Moussard等(Int.J.Systemic&Evolutionary Microbiol.(2004)54:227−233)は、当該タイプの種として、サーモデスルファテーター・インディクスが属する、サーモデスルファテーター属の発見を開示している。
本発明は、核酸増幅反応等のDNAポリメラーゼ活性を必要とする反応における使用のための、新規な熱安定性DNAポリメラーゼI及びそのラージフラグメントを提供する。当該ポリメラーゼ、特にそのラージフラグメントは、驚くべきことに、且つ有利なことに、熱サイクル及び等温増幅反応の両方において有用であることがわかっている。熱安定性及びDNA複製能を維持する様々な突然変異体(欠失及び置換)が、本発明の範囲に含まれる。
本発明の特に非限定的な実施態様を、以下の図に関してここで記載する。
図1は、本発明の1つの実施態様による、サーモデスルファテーター・インディクス由来の新規なDNAポリメラーゼのクローニングの際に使用した遺伝子ウォーキング法を示す図である。 図2は、T.インディクスDNAポリメラーゼのクローニングにおいて使用される新規なpET24a(+)HIS領域の構造を示す図である。 図3は、クローン化T.インディクスDNAポリメラーゼのラージフラグメントの発現を示すSDS PAGEゲルである。レーン1は、サイズマーカー、レーン2は、インサートなしのpET24a(+)HISベクターでの誘導コントロール、レーン3は、100μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメント、レーン4は、100μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグのないラージフラグメント、レーン5は、20μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメント、レーン6は、20μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグのないラージフラグメント、レーン7は、5μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメント、レーン8は、5μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグのないラージフラグメント、レーン9は、単一ステップキレーティングセファロース精製を介して精製した、50uのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメント、及びレーン10は、12.5uのKlenTaq DNAポリメラーゼである。容量は、誘導E.coliKRX培養物の容量からロードしたタンパク質の量を表す。 図4は、クローン化T.インディクスDNAポリメラーゼの全長の実施態様の発現を示すSDS PAGEゲルである。レーン1は、サイズマーカー、レーン2は、インサートなしのpET24a(+)HISベクターでの誘導コントロール、レーン3は、100μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有する全長、レーン4は、100μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグのない全長、レーン5は、25uのPfu DNAポリメラーゼである。容量は、誘導E.coliKRX培養物の容量からロードしたタンパク質の量を表す。 図5は、クローン化T.インディクスDNAポリメラーゼを用いるラムダ(λ)DNAの増幅を示すPCR反応サンプルのアガロースゲルである。レーン1は、ラムダEcoRI/HindIIIサイズマーカーであり、レーン2は、500bp、400bp、350bp、275bp、225bp及び175bpのサイズマーカーであり、レーン3は1.25u Taq DNAポリメラーゼを用いる増幅産物を示し、レーン4は、2μlの誘導T.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグなしのラージフラグメントを示し、レーン5は、2μlの誘導T.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメントを示し、レーン6は、単一ステップキレーティングセファロース精製を介して精製した、8μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメントを示し、レーン7は、10μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有する全長を示し、及びレーン8は、インサートを欠損する誘導pET24a(+)HISベクターを用いた増幅産物を示す(ネガティブコントロール)。容量は、誘導E.coliKRX培養物の容量からロードしたタンパク質の量を表す。 図6は、クローン化T.インディクスDNAポリメラーゼを用いる増幅結果を示すLAMP反応サンプルのアガロースゲルである。レーン1は、ラムダEcoRI/HindIIIサイズマーカーであり、レーン2は、500bp、400bp、350bp、275bp、225bp及び175bpのサイズマーカーであり、レーン3は、8u Bst DNAポリメラーゼのラージフラグメントを用いる増幅産物を示し、レーン4は、2μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグなしのラージフラグメントを示し、レーン5は、2μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメントを示し、レーン6は、単一ステップキレーティングセファロース精製を介して精製した、8μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有するラージフラグメントを示し、レーン7は、10μlのT.インディクスDNAポリメラーゼのN末端HISタグを有する全長を示し、及びレーン8は、インサートを欠如する誘導pET24a(+)HISベクターを用いた増幅産物を示す(ネガティブコントロール)。容量は、誘導E.coliKRX培養物の容量からロードしたタンパク質の量を表す。
本発明のある態様によれば、熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有し、且つ配列番号1に示されるサーモデスルファテーター・インディクス(Thermodesulfatator indicus)DNAポリメラーゼIラージ(Large)(又は「クレノウ(Klenow)」)フラグメントと、少なくとも51%同一、例えば少なくとも55%、56%、57%、58%、59%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%も同一であるアミノ酸配列を含んでなるか、又は当該アミノ酸配列からなる、ポリペプチドが提供される。好ましくは、当該ポリペプチドは単離される。
T.インディクスDNAポリメラーゼIのラージフラグメントは、以下のアミノ酸配列を有する。
MGLLKELPATKTLSMTRYELVLDPDKVKEIVEKAKGAEVVAIDLESDTKDPMRGKIVGVSLCFNPPKAYYFPFRHEGLEAQKQLPWEAFTHLASLIEDPSVKKIGHNIKYDLIILARYGVTLKGLEGDTMLASYLLDPTRRTHGLDELAEEVLGHTMIFYKEVTKELAKGESFARVPLEKAKVYACEDAHVTYLLYQYFWPKLKEESLWKVFTEIDRPLIEVLAHMEMVGIKIDTAYLRGLSREMAEKLKELEEKIYTLAGEKFNINSSKQLGQILFEKLKLPTVKKTPKKTAYSTDNEVLEELSAVHELPRLILEYRTLAKLKSTYVDALPKMVNPETGRLHTSFNQTVTATGRLSSSDPNLQNIPVRGEEGLKIRQAFVPEEIFAADYTQIDLRVLAHYSGDETLIKAFWQGEDIHRRTAAEIFGIPPEEVTPEMRRMAKTINFGIVYGMSPYGLAKELKIGRREAKAFIERYFERYPGVKRYMEQIVAEAREKGYVETLFGRKRPLPDINSPNRTAREFAERTAINTPIQGTAADIIKLAMIKIHRIFKEKGFGTRMLLQVHDELIFEAPKEIEEIQPIVRQIMEGVVELKVPLKVNLAIGKNWAEAKA(配列番号1)
さらなる、そして改善された配列解析により確認された、T.インディクスDNAポリメラーゼIのラージフラグメントについての別のアミノ酸配列は、以下の配列番号32である。
MGLLKELPATKTLSYDQYELVLDPDKVKEIVEKAKGAEVVAIDLESDTKDPMRGKIVGVSLCFNPPKAYYFPFRHEGLEAQKQLPWEAFTHLASLIEDPSVKKIGHNIKYDLIILARYGVTLKGLEGDTMLASYLLDPTRRTHGLDELAEEVLGHTMIFYKEVTKELAKGESFARVPLEKAKVYACEDAHVTYLLYQYFWPKLKEESLWKVFTEIDRPLIEVLAHMEMVGIKIDTAYLRGLSREMAEKLKELEEKIYTLAGEKFNINSSKQLGQILFEKLKLPTVKKTPKKTAYSTDNEVLEELSAVHELPRLILEYRTLAKLKSTYVDALPKMVNPETGRLHTSFNQTVTATGRLSSSDPNLQNIPVRGEEGLKIRQAFVPEEIFAADYTQIDLRVLAHYSGDETLIKAFWQGEDIHRRTAAEIFGIPPEEVTPEMRRMAKTINFGIVYGMSPYGLAKELKIGRREAKAFIERYFERYPGVKRYMEQIVAEAREKGYVETLFGRKRPLPDINSPNRTAREFAERTAINTPIQGTAADIIKLAMIKIHRIFKEKGFGTRMLLQVHDELLFEVPEKEIEEIQPIVRQIMEGWELKVPLKVNLAIGKNWAEAKA(配列番号32)
この配列は、配列番号1と99%同一である。
配列番号32に示される、613アミノ酸残基のT.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントの予測分子量は、約69,990ダルトンである。配列番号1に示される、612アミノ酸残基の予測分子量は、約69,820ダルトンである。
本発明によるポリペプチドに加わるためのアミノ酸配列は、配列番号32に示される配列と、少なくとも51%同一、例えば、少なくとも55%、56%、57%、58%、59%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%も同一であるアミノ酸配列であってよい。
配列同一性割合は、ベース配列として配列番号1又は32を用い、BLASTPコンピュータプログラムを用いて決定することができる。これは、必要に応じて、配列番号1又は32が、それに対して同一性割合が決定される配列であることを意味する。BLASTソフトウェアは、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi(2009年2月11日にアクセス可能)で一般に利用可能である。
T.インディクスは、深海の熱水噴出口から単離された好熱性無機独立栄養性硫酸塩還元細菌であり、55〜80℃の生育温度範囲、及び70℃の至適生育温度が報告されている(Moussard等、2004、Int.J.Syst.Evol.Microbiol.54:227−233を参照されたい)。本発明者等は、T.インディクス由来のゲノムDNA(gDNA)を単離し、DNAポリメラーゼIをコードするDNAポリメラーゼA(polA)遺伝子及びそのラージフラグメントをクローニングする、洗練された遺伝子ウォーキング技術を用いている。配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するラージフラグメントは、PCR及びLAMP増幅反応の両方で、これらの反応について様々な好ましいDNAポリメラーゼと比較した場合、驚くほど有効であることが示されている。94℃付近まで温度上昇するPCRにおいて機能する、十分に熱安定なT.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントの能力は、この細菌の至適生育温度が70℃であることによっては予測できないはずである。
本発明のポリペプチドは、鎖置換活性を呈してもよい。したがって当該ポリペプチドは、LAMP等の等温増幅反応の実施に適していてもよい。
当該ポリペプチドは、追加的に、又は代替的に、PCR等の熱サイクル増幅反応の実施に適していてもよい。
本明細書に記載のポリペプチドは、約613アミノ酸残基長、例えば、約610〜約620、約600〜約630、約550〜約650、又は約500〜約750アミノ酸残基長であってよい。
当該ポリペプチドは、配列番号1又は32のアミノ酸配列、又は当該ポリペプチドの任意の部分に付加されるか、又は当該部分から除去される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約250、約260、約270、280、281、282、283、284、285、286、287又は288の連続アミノ酸、及び/又はN末端領域及び/又はC末端領域に付加されるか、又は当該領域から除去される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約250、約260、約270、280、281、282、283、284、285、286、287又は288アミノ酸を有する配列番号1又は32のアミノ酸配列を含んでなるか、基本的に当該アミノ酸配列からなってもよい。
ある実施態様によれば、本発明のポリペプチドがN末端Hisタグを含む場合、全長は、619アミノ酸残基であってもよい。
本発明のさらなる態様によれば、熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有し、配列番号2に示されるT.インディクスDNAポリメラーゼIと、少なくとも55%同一、例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%も同一であるアミノ酸配列を含んでなるか、又は基本的にこれらからなってよい。好ましくは、本発明の本態様によるポリペプチドは、本発明の第一の態様によるポリペプチドであり、したがって、配列番号1に示されるT.インディクスDNAIラージフラグメントと少なくとも51%同一である。
T.インディクスDNAポリメラーゼIは、以下の全長アミノ酸配列を有する。
MAQKSLFPKKLPFKDDKDPIFVIDGSSFVYRAYYAIRGHLSNRKGLPTKAVFGFTQMLLKLLREMNPEYWVCFDAKGPTFRHEMYKEYKANRPPMPDDLSVQIPYIKEVTRAFGVPILEIEGFEADDLIAAIATRMERPIVIVGGDKDLFPLISEKVVMWDPMKDELIDESWIKKRFGIEPKKLLDVRALAGDSIDNVPGVPGIGEKTALRLIKEYGSLEEVLNHAEEIKQKRLRENLIKHAGDALISKKLVELEAKAPIPLEPDFYRKRPLNALKLRELFLELEFKKLLKELPATKTLSMTRYELVLDPDKVKEIVEKAKGAEVVAIDLESDTKDPMRGKIVGVSLCFNPPKAYYFPFRHEGLEAQKQLPWEAFTHLASLIEDPSVKKIGHNIKYDLIILARYGVTLKGLEGDTMLASYLLDPTRRTHGLDELAEEVLGHTMIFYKEVTKELAKGESFARVPLEKAKVYACEDAHVTYLLYQYFWPKLKEESLWKVFTEIDRPLIEVLAHMEMVGIKIDTAYLRGLSREMAEKLKELEEKIYTLAGEKFNINSSKQLGQILFEKLKLPTVKKTPKKTAYSTDNEVLEELSAVHELPRLILEYRTLAKLKSTYVDALPKMVNPETGRLHTSFNQTVTATGRLSSSDPNLQNIPVRGEEGLKIRQAFVPEEIFAADYTQIDLRVLAHYSGDETLIKAFWQGEDIHRRTAAEIFGIPPEEVTPEMRRMAKTINFGIVYGMSPYGLAKELKIGRREAKAFIERYFERYPGVKRYMEQIVAEAREKGYVETLFGRKRPLPDINSPNRTAREFAERTAINTPIQGTAADpaiKLAMIKIHRIFKEKGFGTRMLLQVHDELIFEAPEKEIEEIQPIVRQIMEGWELKVPLKVNLAIGKNWAEAKA(配列番号2)
全長T.インディクスDNAポリメラーゼIについて、さらなる且つ向上した配列解析により識別される代替のアミノ酸は、以下の配列番号34である。
MAQKSLFPKKLPFKDDKDPIFVIDGSSFVYRAYYAIRGHLSNRKGLPTKAVFGFTQMLLKLLREMNPEYVWCFDAKGPTFRHEMYKEYKANRPPMPDDLSVQIPYIKEVTRAFGVPILEIEGFEADDLIAAIATRMERPIVIVGGDKDLFPLISEKWMWDPMKDELIDESWIKKRFGIEPKKLLDVRALAGDSIDNVPGVPGIGEKTALRLIKEYGSLEEVLNHAEEIKQKRLRENLIKHAGDALISKKLVELEAKAPIPLEPDFYRKRPLNALKLRELFLELEFKKLLKELPATKTLSYDQYELVLDPDKVKEIVEKAKGAEVVAIDLESDTKDPMRGKIVGVSLCFNPPKAYYFPFRHEGLEAQKQLPWEAFTHLASLIEDPSVKIOGHNIKYDLIILARYGVTLKGLEGDTMLASYLLDPTRRTHGLDELAEEVLGHTMIFYKEVTKELAKGESFARVPLEKAKVYACEDAHVTYLLYQYFWPKLKEESLWKVFTEIDRPLIEVLAHMEMVGIKIDTAYLRGLSREMAEKLKELEEKIYTLAGEKFNINSSKQLGQILFEKLKLPTVKKTPKKTAYSTDNEVLEELSAVHELPRLILEYRTLAKLKSTYVDALPKMVNPETGRLHTSFNQTVTATGRLSSSDPNLQNIPVRGEEGLKIRQAFVPEEIFAADYTQIDLRVLAHYSGDETLIKAFWQGEDIHRRTAAEIFGIPPEEVTPEMRRMAKTINFGIVYGMSPYGLAKELKIGRREAKAFIERYFERYPGVKRYMEQIVAEAREKGYVETLFGRKRPLPDINSPNRTAREFAERTAINTPIQGTAADIIKLAMIKIHRIFKEKGFGTRMLLQVHDELLFEVPEKEIEEIQPIVRQIMEGVVELKVPLKVNLAIGKNWAEAKA(配列番号34)
この配列は、配列番号2と99.44%同一である。
配列番号34に示される、900アミノ酸残基のT.インディクスDNAポリメラーゼIの予測分子量は、約102,900ダルトンである。配列番号2に示される900アミノ酸残基配列の予測分子量は、約102,850ダルトンである。
本発明によるポリペプチドに含まれるアミノ酸配列は、配列番号34に示される配列と、少なくとも51%同一、例えば少なくとも52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%も同一であるアミノ酸配列であってよい。
配列同一性割合は、ベース配列として配列番号2又は34を用い、BLASTPコンピュータプログラムを用いて決定することができる。これは、必要に応じて、配列番号2又は34が、それに対して同一性割合が決定される配列であることを意味する。
ポリペプチドは、配列番号2又は34のアミノ酸配列、又は当該ポリペプチドの任意の部分に付加されるか、又は当該部分から除去される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約250、約260、約270、280、281、282、283、284、285、286、287又は288の連続アミノ酸、及び/又はN末端領域及び/又はC末端領域に付加されるか、又は当該領域から除去される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約250、約260、約270、280、281、282、283、284、285、286、287又は288アミノ酸を有する配列番号1又は32のアミノ酸配列を含んでなるか、基本的にこれらからなってもよい。
本発明の本態様によるポリペプチドは、T.インディクスから得られ、且つ約102,500〜103,500ダルトン(好ましくは、約102,900又は約103,000ダルトン)の分子量を有する単離熱安定性DNAポリメラーゼI、又はその酵素活性フラグメントであってよい。「酵素活性フラグメント」なる用語は、T.インディクスからえら得られ、且つ全長ポリメラーゼのものと比較して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の酵素活性を有するようなポリメラーゼのフラグメントを意味する。所与の活性は、任意の標準的測定、例えば、所与の時間内に複製できるテンプレート配列のヌクレオチド塩基数により決定してもよい。当業者は、当該特性及び活性を定常的に決定することができる。
配列番号1に示されるT.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントの残基3〜612は、配列番号2に示される全長DNAポリメラーゼIの残基290〜900に対応した。配列番号の残基1〜2は、配列番号2の配列と比較して、宿主細胞においてラージフラグメントのインビトロ発現をさせるため、人工的に導入される(以下の実施例参照)。同様に、配列番号32に示されるT.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントの残基3〜613は、配列番号34に示される全長DNAポリメラーゼIの残基290〜900に対応した。
本発明によるポリペプチドは、本発明のさらなる態様によって、それが追加の機能的又は構造的ドメイン、例えば、親和性精製タグ(His精製タグ等)、又はDNAポリメラーゼ活性向上ドメイン、例えばアーケオグロブス・フルギダス(Archaeoglobus fulgidus)由来の増殖細胞核抗原ホモログ、T3 DNAポリメラーゼチオレドキシン結合ドメイン、スルホロブス・ソルファタリカス由来のDNA結合タンパク質Sso7d、Sso7d様タンパク質、もしくはその突然変異体、又はDANトポイソメラーゼV由来のヘリックス・ヘパリン・ヘリックスモチーフ等を含んでなる場合、サイズがより大きくてもよい。DNAポリメラーゼ活性向上ドメインは、Crenarchaeal微生物由来の高度に保存されたタンパク質ドメインが、DNAポリメラーゼの特性を向上させるために有用であることを開示する、同時継続の国際特許出願PCT/GB2009/000063に定義され且つ例示される、Cren7エンハンサードメイン又はその変異体でもよい。国際特許出願PCT/GB2009/000063は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明のポリペプチドは、DNAポリメラーゼ活性を必要とする1又は複数の反応、例えば、ニックトランスレーション、cDNAクローニングにおける第二鎖cDNA合成、DNA配列決定、PCR等の熱サイクル増幅反応、及び等温増幅反応、例えば、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製法(3SR)、及びLAMPからなる群の1又は複数の使用に適していてもよい。
本発明によれば、熱安定性5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を有し、且つ配列番号2又は34に示されるT.インディクスDNAポリメラーゼIの残基1〜289と、少なくとも55%、例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%も同一であるポリペプチドも提供する。
既知のDNAポリメラーゼとの配列比較に基づくと、ある態様によれば、本発明のポリペプチドは、3'→5'エキソヌクレアーゼ・プルーフリーディング活性を有する。
本発明のさらなる態様によれば、ポリペプチドは、熱サイクル増幅反応(例えばPCR)の間、高フィデリティのポリメラーゼ活性を呈する。高フィデリティは、PCRエラー率が、300×106増幅ヌクレオチド当たり1ヌクレオチド未満、例えば、250×106、200×106、150×106、100×106又は50×106増幅ヌクレオチド当たり1ヌクレオチド未満と定義することができる。あるいは、ポリペプチドのエラー率は、106増幅ヌクレオチド当たり1〜300ヌクレオチドの範囲、例えば、106増幅ヌクレオチド当たり1〜200、1〜100、100〜300、200〜300、100〜200又は75〜200ヌクレオチドでもよい。エラー率は、Kunkel等(1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4865−4869)により定義されるオパール復帰アッセイを用いて決定できる。
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のポリペプチドを含んでなる組成物が提供される。当該組成物は、例えば、緩衝剤、反応(DNA増幅反応、例えばPCR又はLAMP等)を実行するための大半又は全ての成分、安定化剤(熱安定性向上のための、E.coli GroELタンパク質)、及び/又の化合物を含んでもよい。
本発明は、T.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントと同一性を有するポリペプチドをコードする単離核酸をさらに提供する。例えば、当該核酸は、以下に示される配列を有してよい。
(5'→3'):atgggcctcttaaaggaacttccagctactaaaaccctttcgatgaccagatacgagctggttcttgacccggataaagtaaaagaaattgtagaaaaggccaaaggggccgaagtggtggctattgaccttgaaagtgatacgaaagaccccatgcgtgggaaaatagtaggggtctcgctttgttttaacccgcccaaagcctattatttcccttttagacatgaaggccttgaggcccaaaagcagcttccctgggaggcctttactcatctggccagcctcattgaagacccctcagttaaaaagataggccacaatatcaagtatgacttgattattcttgctcgctacggcgtaactttaaagggccttgaaggggataccatgctggcttcgtatctccttgatccaacacgtcgtacccacggccttgatgagctggccgaagaggtcctggggcataccatgattttttacaaggaagtgactaaagaactggccaaaggagagagctttgccagggtccctcttgaaaaggcaaaagtttacgcctgtgaagacgcccacgttacctatctgctttatcaatatttctggcccaaactcaaagaggaaagcctctggaaggtctttacggaaattgatcgacctttaatagaagttttggcccacatggaaatggtaggtattaagattgacaccgcctatcttagaggactttcgcgagaaatggctgaaaagttaaaggagcttgaagaaaaaatttacaccctggctggtgaaaaatttaatatcaattccagcaaacaactgggccagattttatttgaaaagctaaaactccctacggttaaaaagaccccaaaaaaaacggcctattcaacggataacgaagtattagaggaactttctgcggtccacgaacttccgcgtctgatacttgagtatagaactctggctaaactcaaatctacttatgttgatgccctcccgaagatggttaatcctgaaactggtcgtcttcatacttcctttaaccagacggttacggccactggaagactttcaagcagtgaccctaatcttcaaaatattcctgtgcgtggtgaagaggggcttaagattcgccaggcctttgtgccggaggagAtttttgctgccgattacactcagatcgatctgcgagttttagcccattactcgggagatgaaaccttgattaaggccttctggcagggggaagacattcaccggcgcacggctgcagaaatttttggtatcccgccagaagaagtaactcctgagatgcggcgtatggccaagactataaactttggcattgtttacggcatgagtccttacggtctggcgaaagaactcaaaattggccgccgtgaggccaaggcctttattgagcgctattttgaacgctacccaggtgtgaaacgctatatggaacaaatcgtggctgaagcccgagaaaagggctacgtggagacccttttcggacgcaaaaggcctcttcctgacatcaatagccctaatcgtacggcgcgcgagtttgccgagcgcacggctataaacactcctattcaggggacagccgctgatattatcaagctcgccatgataaaaattcaccggatttttaaagaaaaaggctttgggacaaggatgcttcttcaggtgcatgacgagcttatttttgaagcgccaaaagagattgaagaaatccagccaattgtccgacaaatcatggaaggagtggttgaattgaaggttcctctaaaagtaaacctggcaatagggaaaaattgggcagaggcaaaggcataa(配列番号3)
配列番号3のヌクレオチドは、以下の配列番号1のT.インディクスDNAポリメラーゼIラージフラグメントをコードする。
Figure 0005617075
Figure 0005617075
Figure 0005617075
あるいは、核酸は、以下に示す配列を有する。
(5'→3'):atgggcctcttaaaggaacttccagctactaaaaccctttcgtatgaccagtacgagctggttcttgacccggataaagtaaaagaaattgtagaaaaggccaaaggggccgaagtggtggctattgaccttgaaagtgatacgaaagaccccatgcgtgggaaaatagtaggggtctcgctttgttttaacccgcccaaagcctattatttcccttttagacatgaaggccttgaggcccaaaagcagcttccctgggaggcctttactcatctggccagcctcattgaagacccctcagttaaaaagataggccacaatatcaagtatgacttgattattcttgctcgctacggcgtaactttaaagggccttgaaggggataccatgctggcttcgtatctccttgatccaacacgtcgtacccacggccttgatgagctggccgaagaggtcctggggcataccatgattttttacaaggaagtgactaaagaactggccaaaggagagagctttgccagggtccctcttgaaaaggcaaaagtttacgcctgtgaagacgcccacgttacctatctgctttatcaatatttctggcccaaactcaaagaggaaagcctctggaaggtctttacggaaattgatcgacctttaatagaagttttggcccacatggaaatggtaggtattaagattgacaccgcctatcttagaggactttcgcgagaaatggctgaaaagttaaaggagcttgaagaaaaaatttacaccctggctggtgaaaaatttaatatcaattccagcaaacaactgggccagattttatttgaaaagctaaaactccctacggttaaaaagaccccaaaaaaaacggcctattcaacggataacgaagtattagaggaactttctgcggtccacgaacttccgcgtctgatacttgagtatagaactctggctaaactcaaatctacttatgttgatgccctcccgaagatggttaatcctgaaactggtcgtcttcatacttcctttaaccagacggttacggccactggaagactttcaagcagtgaccctaatcttcaaaatattcctgtgcgtggtgaagaggggcttaagattcgccaggcctttgtgccggaggagatttttgctgccgattacactcagatcgatctgcgagttttagcccattactcgggagatgaaaccttgattaaggccttctggcagggggaagacattcaccggcgcacggctgcagaaatttttggtatcccgccagaagaagtaactcctgagatgcggcgtatggccaagactataaactttggcattgtttacggcatgagtccttacggtctggcgaaagaactcaaaattggccgccgtgaggccaaggcctttattgagcgctattttgaacgctacccaggtgtgaaacgctatatggaacaaatcgtggctgaagcccgagaaaagggctacgtggagacccttttcggacgcaaaaggcctcttcctgacatcaatagccctaatcgtacggcgcgcgagtttgccgagcgcacggctataaacactcctattcaggggacagccgctgatattatcaagctcgccatgataaaaattcaccggatttttaaagaaaaaggctttgggacaaggatgcttcttcaggtgcacgacgaacttctttttgaagtgcctgaaaaagagattgaagaaatccagccaattgtccgacaaatcatggaaggagtggttgaattgaaggttcctctaaaagtaaacctggcaatagggaaaaattgggcagaggcaaaggcataa(配列番号33)
配列番号33のヌクレオチドは、以下の配列番号32のT.インディクスポリメラーゼIラージフラグメントをコードする。
Figure 0005617075
Figure 0005617075
本発明は、T.インディクス全長DNAポリメラーゼIと同一性を有するポリペプチドをコードする単離核酸をさらに提供する。例えば、当該核酸は、以下に示す配列を有してよい。
(5'→3'):atggcgcagaaaagcttgtttcctaaaaaattaccatttaaagatgataaagaccccatcttcgttattgacgggagttcttttgtttaccgggcttactatgccataagagggcatctatcaaaccgcaaagggctcccaaccaaggcggtctttgggtttacccagatgcitttaaagciffigcgtgagatgaaccctgagtatgtggtggtgtgctttgacgccaaagggcctacttttcgccacgagatgtacaaagaatacaaagccaaccgcccccccatgccagatgatctttccgtccagattccctatatcaaagaggtaaccagggcctttggagtccctattcttgaaatagaaggctttgaagctgacgatctcatcgccgctattgccactcgtatggaaagaccaattgtcatcgttggtggagataaagatttgttcccccttatttcagagaaagttgtcatgtgggaccccatgaaagacgaactgattgacgaaagctggataaagaaacgttttggcattgaacctaaaaagctccttgatgtaagggcccttgccggcgatagcattgataacgtgccaggggttccgggtattggtgaaaaaacggccctaaggctcataaaagaatacggttcccttgaagaagtccttaaccatgccgaagaaataaaacaaaagcgcttgcgtgaaaacctcatcaaacacgccggagacgcccttatttccaaaaaactggttgagcttgaggccaaagccccaatcccccttgagcctgatttttaccgcaaacggccattaaatgccctaaaactaagggaactcttccttgagcttgaatttaaaaagctcttaaaggaacttccagctactaaaaccctttcgatgaccagatacgagctggttcttgacccggataaagtaaaagaaattgtagaaaaggccaaaggggccgaagtggtggctattgaccttgaaagtgatacgaaagaccccatgcgtgggaaaatagtaggggtctcgctttgttttaacccgcccaaagcctattatttcccttttagacatgaaggccttgaggcccaaaagcagcttccctgggaggcctttactcatctggccagcctcattgaagacccctcagttaaaaagataggccacaatatcaagtatgacttgattattcttgctcgctacggcgtaactttaaagggccttgaaggggataccatgctggcttcgtatctccttgatccaacacgtcgtacccacggccttgatgagctggccgaagaggtcctggggcataccatgattttttacaaggaagtgactaaagaactggccaaaggagagagctttgccagggtccctcttgaaaaggcaaaagtttacgcctgtgaagacgcccacgttacctatctgctttatcaatatttctggcccaaactcaaagaggaaagcctctggaaggtctttacggaaattgatcgacctttaatagaagttttggcccacatggaaatggtaggtattaagattgacaccgcctatcttagaggactttcgcgagaaatggctgaaaagttaaaggagcttgaagaaaaaatttacaccctggctggtgaaaaatttaatatcaattccagcaaacaactgggccagattttatttgaaaagctaaaactccctacggttaaaaagaccccaaaaaaaacggcctattcaacggataacgaagtattagaggaactttctgcggtccacgaacttccgcgtctgatacttgagtatagaactctggctaaactcaaatctacttatgttgatgccctcccgaagatggttaatcctgaaactggtcgtcttcatacttcctttaaccagacggttacggccactggaagactttcaagcagtgaccctaatcttcaaaatattcctgtgcgtggtgaagaggggcttaagattcgccaggcctttgtgccggaggagatttttgctgccgattacactcagatcgatctgcgagttttagcccattactcgggagatgaaaccttgattaaggccttctggcagggggaagacattcaccggcgcacggctgcagaaatttttggtatcccgccagaagaagtaactcctgagatgcggcgtatggccaagactataaactttggcattgtttacggcatgagtccttacggtctggcgaaagaactcaaaattggccgccgtgaggccaaggcctttattgagcgctattttgaacgctacccaggtgtgaaacgctatatggaacaaatcgtggctgaagcccgagaaaagggctacgtggagacccttttcggacgcaaaaggcctcttcctgacatcaatagccctaatcgtacggcgcgcgagtttgccgagcgcacggctataaacactcctattcaggggacagccgctgatattatcaagctcgccatgataaaaattcaccggatttttaaagaaaaaggctttgggacaaggatgcttcttcaggtgcatgacgagcttatttttgaagcgcctgaaaaagagattgaagaaatccagccaattgtccgacaaatcatggaaggagtggttgaattgaaggttcctctaaaagtaaacctggcaatagggaaaaattgggcagaggcaaaggcataa(配列番号4)
配列番号4のヌクレオチドは、以下の配列番号2のT.インディクス全長DNAポリメラーゼIをコードする。
Figure 0005617075
Figure 0005617075
Figure 0005617075
あるいは、核酸は以下に示す配列を有する。
(5'→3'):atggcgcagaaaagcttgtttcctaaaaaattaccatttaaagatgataaagaccccatcttcgttattgacgggagttcttttgtttaccgggcttactatgccataagagggcatctatcaaaccgcaaagggctcccaaccaaggcggtctttgggtttacccagatgcttttaaagcttttgcgtgagatgaaccctgagtatgtggtggtgtgctttgacgccaaagggcctacttttcgccacgagatgtacaaagaatacaaagccaaccgcccccccatgccagatgatctttccgtccagattccctatatcaaagaggtaaccagggcctttggagtccctattcttgaaatagaaggctttgaagctgacgatctcatcgccgctattgccactcgtatggaaagaccaattgtcatcgttggtggagataaagatttgttcccccttatttcagagaaagttgtcatgtgggaccccatgaaagacgaactgattgacgaaagctggataaagaaacgttttggcattgaacctaaaaagctccttgatgtaagggcccttgccggcgatagcattgataacgtgccaggggttccgggtattggtgaaaaaacggccctaaggctcataaaagaatacggttcccttgaagaagtccttaaccatgccgaagaaataaaacaaaagcgcttgcgtgaaaacctcatcaaacacgccggagacgcccttatttccaaaaaactggttgagcttgaggccaaagccccaatcccccttgagcctgatttttaccgcaaacggccattaaatgccctaaaactaagggaactcttccttgagcttgaatttaaaaagctcttaaaggaacttccagctactaaaaccctttcgtatgaccagtacgagctggttcttgacccggataaagtaaaagaaattgtagaaaaggccaaaggggccgaagtggtggctattgaccttgaaagtgatacgaaagaccccatgcgtgggaaaatagtaggggtctcgctttgttttaacccgcccaaagcctattatttcccttttagacatgaaggccttgaggcccaaaagcagcttccctgggaggcctttactcatctggccagcctcattgaagacccctcagttaaaaagataggccacaatatcaagtatgacttgattattcttgctcgctacggcgtaactttaaagggccttgaaggggataccatgctggcttcgtatctccttgatccaacacgtcgtacccacggccttgatgagctggccgaagaggtcctggggcataccatgattttttacaaggaagtgactaaagaactggccaaaggagagagctttgccagggtccctcttgaaaaggcaaaagtttacgcctgtgaagacgcccacgttacctatctgctttatcaatatttctggcccaaactcaaagaggaaagcctctggaaggtctttacggaaattgatcgacctttaatagaagttttggcccacatggaaatggtaggtattaagattgacaccgcctatcttagaggactttcgcgagaaatggctgaaaagttaaaggagcttgaagaaaaaatttacaccctggctggtgaaaaatttaatatcaattccagcaaacaactgggccagattttatttgaaaagctaaaactccctacggttaaaaagaccccaaaaaaaacggcctattcaacggataacgaagtattagaggaactttctgcggtccacgaacttccgcgtctgatacttgagtatagaactctggctaaactcaaatctacttatgttgatgccctcccgaagatggttaatcctgaaactggtcgtcttcatacttcctttaaccagacggttacggccactggaagactttcaagcagtgaccctaatcttcaaaatattcctgtgcgtggtgaagaggggcttaagattcgccaggcctttgtgccggaggagatttttgctgccgattacactcagatcgatctgcgagttttagcccattactcgggagatgaaaccttgattaaggccttctggcagggggaagacattcaccggcgcacggctgcagaaatttttggtatcccgccagaagaagtaactcctgagatgcggcgtatggccaagactataaactttggcattgtttacggcatgagtccttacggtctggcgaaagaactcaaaattggccgccgtgaggccaaggcctttattgagcgctattttgaacgctacccaggtgtgaaacgctatatggaacaaatcgtggctgaagcccgagaaaagggctacgtggagacccttttcggacgcaaaaggcctcttcctgacatcaatagccctaatcgtacggcgcgcgagtttgccgagcgcacggctataaacactcctattcaggggacagccgctgatattatcaagctcgccatgataaaaattcaccggatttttaaagaaaaaggctttgggacaaggatgcttcttcaggtgcacgacgaacttctttttgaagtgcctgaaaaagagattgaagaaatccagccaattgtccgacaaatcatggaaggagtggttgaattgaaggttcctctaaaagtaaacctggcaatagggaaaaattgggcagaggcaaaggcataa(配列番号35)
配列番号35のヌクレオチドは、以下の配列番号34のT.インディクス全長DNAポリメラーゼIをコードする。
Figure 0005617075
Figure 0005617075
Figure 0005617075
Figure 0005617075
以下に規定するような核酸の変異体も、本発明に包含される。
本明細書に記載される単離核酸を含んでなるベクターがさらに提供される。
本発明の核酸又はベクターで形質転換された宿主細胞が、さらに提供される。
宿主細胞由来の組換えポリペプチド発現も、本発明に包含される。
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のポリペプチド、及び/又は本明細書に記載の組成物、及び/又は本明細書に記載の単離核酸、及び/又は本明細書に記載のベクター、及び/又は本明細書に記載の宿主細胞を、包装材料と一緒に含んでなるキットを提供する。当該キットは、例えば、PCR又はLAMP等、DNAポリメラーゼ活性を必要とする反応を行うためのポリペプチドを含む成分を含んでよい。
本発明は、例えばPCR等の熱サイクル反応を用いる標的核酸の配列を増幅する方法であって、
(1)前記標的核酸を、本明細書に記載の熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有するポリペプチドと接触させるステップ:及び
(2)前記標的核酸を、当該標的核酸を増幅させる熱サイクル反応条件下、前記ポリペプチドと一緒にインキュベートするステップ、
を含んでなる方法を提供する。
本発明の別の態様は、等温反応、例えばLAMPを用いる標的核酸の配列を増幅する方法であって、
(1)前記標的核酸を、本明細書に記載の熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有するポリペプチドと接触させるステップ;及び
(2)前記標的核酸を、当該標的核酸を増幅させる熱サイクル反応条件下、前記ポリペプチドと一緒にインキュベートするステップ、
を含んでなる方法を包含する。
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドの構造的変異体も包含する。本明細書で使用する場合、「変異体」なる用語は、ポリペプチドであって、ここでアミノ酸配列は、それが由来するベース配列とは、配列内の1又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されている点で異なるポリペプチドを意味する。アミノ酸置換は、あるアミノ酸が広義で類似する特性を有する異なるアミノ酸で置き換えられる場合、「保存的」であるとみなされる。非保存的置換は、アミノ酸が、異なるタイプのアミノ酸で置き換えられる場合のことを言う。
「保存的置換」は、同じクラスの別のアミノ酸によるアミノ酸置換を意味し、ここで当該クラスは、以下の通りに定義される。
Figure 0005617075
当該技術分野における当業者に周知であるように、保存的置換によりペプチドの一次構造を変更することは、ペプチドの活性を実質的に変更させなくてもよい。それは、配列に挿入されるアミノ酸側鎖が、置換されたアミノ酸側鎖と類似する結合及び接触を形成できる可能性があるためである。これは、当該置換がペプチド立体配座の決定において決定的な領域内にある場合であっても、そうである。
DNA結合ドメインポリペプチドの機能を干渉しない非保存的置換を提供することができる。
概して、ポリペプチドの生物学的活性を変更することなしに、より少ない非保存的置換が可能となるはずである。任意の置換(及び、実際には、任意のアミノ酸の欠失又は挿入)の効果の決定は、変異体ポリペプチドが、本発明の熱安定性DNAポリメラーゼ活性を保持するかを容易に決定できる当業者の、完全に定常的能力の範囲内である。例えば、ポリペプチドの変異体が本発明の範囲内であるかを決定する場合、当業者は、当該変異体が、酵素活性(すなわち、ポリメラーゼ活性)を、非変異体ポリペプチドの、少なくとも60%、好ましくは70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%保持するかを決定するはずである。活性は、例えば、所与の時間で複製できるテンプレート配列の塩基数等の、任意の標準的測定により測定できる。
好適には、変異体は、配列番号1、2、32又は34のいずれかの配列と、少なくとも55%同一、60%同一、65%同一、例えば、少なくとも70%又は75%同一、例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%も同一である配列を有することができる。
例えば、本発明には、熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有し、且つ配列番号1、2、32又は34のアミノ酸配列と共に、N−又はC−末端から削除された最大約3分の1のアミノ酸を含んでなるか、もしくは基本的にそれらからなる、又はかかる配列と少なくとも55%配列同一性を有するポリペプチドを包含する。例えば、最大約300アミノ酸が、配列番号2又は34のN−又はC−末端のいずれかから除去されてもよく;最大約205アミノ酸が、配列番号1又は32のN−又はC−末端のいずれかから除去されてもよい。
標準的な遺伝子コード、さらにポリペプチドをコードする核酸を用いることは、当業者に容易に想到且つ製造されることができる。当該核酸は、DNA又はRNAであってもよく、それがDNA分子である場合、例えばcDNA又はゲノムDNAを含んでもよい。
本発明は、本発明のポリペプチドをコードする変異体核酸を包含する。核酸配列との関連で「変異体」なる用語は、基本配列によりコードされるポリペプチドと、少なくとも同じ特性を呈するポリヌクレオチドによりコードされる得られたポリペプチド配列を提供するポリヌクレオチド配列からの、1又は複数の核酸の任意の置換、変動、改変、置き換え、欠失、又は当該配列への1又は複数の核酸の付加を意味する。したがって、当該用語には、対立遺伝子変異体が含まれ、そしてまた、本発明のポリヌクレオチド配列と実施的にハイブリダイズするポリヌクレオチドが含まれる。当該ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシーと高ストリンジェンシー条件で、又はその間で発生してよい。一般的な用語では、低ストリンジェンシー条件は、洗浄ステップが、0.330〜0.825M NaCl緩衝溶液中、プローブ配列の計算又は実際の融解温度(T)(例えば、およそ環境実験室温度から約55℃)未満である約40〜48℃の温度で行い、一方、高ストリンジェンシー条件では、洗浄は、0.0165〜0.0330M NaCl緩衝溶液中、プローブの計算又は実際のT(例えば、約65℃)未満である約5〜10℃の温度での洗浄が必要である。緩衝溶液は、例えば、SSC緩衝剤(0.15M NaCl及び0.015M tris−クエン酸ナトリウム)でよく、低ストリンジェンシー洗浄は、3×SSC緩衝剤で行い、且つ高ストリンジェンシー洗浄は、0.1×SSC緩衝剤で行う。核酸配列のハイブリダイゼーションに必要なステップは、例えばSambrook等(1989,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Habor)に記載がある。
典型的には、変異体は、本発明の核酸配列と同様に、ヌクレオチドの55%以上、典型的には、60%、65%、70%、80%、85%、又はさらに90%、95%、98%、又は99%又はそれ以上の配列同一性を有する。
本発明の変異体核酸は、特定の宿主細胞における発現のために最適化コドンであってよい。
本発明のDNAポリメラーゼ及び核酸は、従来の合成器を用いて合成的に調製できる。あるいは、これらを、組換えDNA技術を用いて調製しても、又は所望の場合は、任意の化学修飾を行った天然の供給源から単離してもよい。これらの場合、キメラタンパク質をコードする核酸は、その後好適な宿主細胞、例えばE.coli等の原核生物細胞を形質転換するために使用される好適な発現ベクターに組み込まれる。当該形質転換宿主細胞は、培養され、そしてタンパク質がそれから単離される。このタイプのベクター、細胞及び方法は、本発明のさらなる態様を形成する。
ヌクレオチドとアミノ酸配列との間の配列同一性は、当該配列のアラインメントを比較することにより決定できる。比較される配列における同等の位置が同じアミノ酸又は塩基で占められると、当該分子はその位置で同一である。同一性割合としてアラインメントのスコア付けは、比較される配列によって共有される位置での同じアミノ酸又は塩基の数の関数である。配列を比較する場合、最適なアラインメントは、配列における可能な挿入及び欠失を考慮するため、1又は複数の配列に導入されるギャップを必要としてよい。配列比較法は、比較される配列における同一分子の同数について、2つの比較配列間のより高い同系性を反映する、可能な限り小数のギャップを有する配列アラインメントが、多数のギャップを有するものよりもより高いスコアに到達するような、ギャップペナルティを使用できる。最大の同一性割合の計算には、ギャップペナルティを考慮した最適アラインメントの作製が必要である。
上記のBLASTPプログラムに加え、配列比較を行うためのさらに好適なコンピュータプログラムが、市販及び公開の部門において広く利用可能である。例には、MatGatプログラム(Campanella等、2003,BMC Bioinformatics4:29)、Gapプログラム(Needleman&Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48;443−453)及びFASTAプログラム(Altschul等,1990,J.Mol.Biol.215:403−410)がある。MatGAT バージョン2.03は、ウェブサイトhttp://bitincka.com/ledion/matgat/(2009年2月11日にアクセスした)から無料で利用可能であり、且つこれは、Indiana University Biology Archive(IUBIO Archive)へ公共配布として提出されてもいる。Gap及びFASTAは、以前からGCG Wisconsin パッケージとして知られている、Accelrys GCGパッケージ バージョン11.1(Accelrys,Cambridge,UK)の一部として利用できる。あるいは、FASTAプログラムは、European Bioinformatics Institute(http://www.ebi.ac.uk/fasta)(2009年2月11日にアクセスした)及びUnibersity of Virginia(http://fasta.biotech.virginia.edu/fasta_www/cgi 又は http://fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www2/fasta_list2.shtml、2009年2月11日にアクセスした)へ一般にアクセス可能である。FASTAは、所与の配列を有する配列データベースを調査するか、又は2つの所与の配列を比較するために使用できる(http://fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www/cgi/search_frm2.cgiを参照されたい、2009年2月11日にアクセスした)。典型的には、配列を比較する場合、コンピュータプログラムにより設定されるデフォルトパラメータを使用すべきである。当該デフォルトパラメータは、比較される配列のタイプと長さによって変化させてもよい。MatGATプログラムを用いる配列比較は、DNAについて、スコアリング・マトリクス=Blosum50、ファースト・ギャップ=16、エクステンディング・ギャップ=4、及びタンパク質について、スコア・マトリクス=Blosum50,ファースト・ギャップ=12.エクステンディング・ギャップ=2のデフォルトパラメータを使用してよい。FASTAプログラムを用いる比較は、Ktup=2、スコアリング・マトリクス=Blosum50、ギャップ=−10及びext=−2のデフォルトパラメータを使用してよい。
本発明のある態様によれば、配列同一性は、上記のデフォルトパラメータを用いるMatGATプログラムバージョン 2.03を用いて決定される。
本明細書で使用される場合、「DNAポリメラーゼ」は、テンプレート等のDNA等の核酸を用いるヌクレオチド鎖へのヌクレオチド単位の付加により、ポリヌクレオチド合成を触媒する任意の酵素のことを言う。当該用語には、遺伝子的改変によるか、又は化学的修飾によるか、又は他の当該技術分野で既知の方法によるかにかかわらず、天然の核酸ポリメラーゼの任意の変異体及び組換え機能的誘導体が含まれる。
本明細書で使用される場合、「熱安定性」DNAポリメラーゼ活性は、例えば、DNAポリメラーゼの非熱安定性状態と比較して、比較的に熱に対して安定であり、且つ例えば、45〜100℃、好ましくは55〜100℃、65〜100℃、75〜100℃、85〜100℃又は95〜100℃の高温で機能するDNAポリメラーゼ活性を意味する。
サーモデサルファテーター・インディクスの寒天プレート培養物を、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures;受託番号DSM 15286)から入手した。以下に記載の通り、当該培養物からgDNAの抽出及び増幅後、以下に概説する遺伝子ウォーキング法を用い、DNAポリメラーゼA遺伝子(DNAポリメラーゼIをコードする「DNA polA」)の予想される5'開始及び3'停止に到達した。DNAポリメラーゼIのラージ(又はクレノウ)フラグメントは、PCR及びLAMPの両反応において非常に有効であることがわかった。
実施例1 ゲノムDNA抽出
T.インディクス培養物からのゲノムDNA抽出のための方法は、Gotz等(2002,Int.J.Syst.Evol.Microbiol.52:1349−1359)に基づくが、これは、Ausubel等(1994;Gurrent Protocols in Molecular Biology,Wiley,New York)に記載される方法の修正法である。
細胞ペレットを、567μlの1×TE緩衝剤(10mM Tris/HCl,pH8.0;1mM EDTA)、7.5% Chelex 100(Sigma)、50mM EDTA(pH7.0)、1%(w/v)SDS及び200μg プロテイナーゼK中に再懸濁し、そして50℃で1時間、低速回転でインキュベートした。Chelexを遠心分離により除去した。その後、100μlの5M NaCl及び0.7M NaCl中の80μlの10%(w/v)臭化セチルトリメチルアンモニウムを、当該細胞溶解物に添加し、このサンプルを65℃で30分インキュベートした。DNAをフェノール/クロロホルム抽出し、イソプロパノール沈殿をし、そして当該DNAを水に再懸濁した。DNA濃度は、1%アガロースゲルで見積もった。
実施例2 DNA polA遺伝子の初期スクリーニング
スクリーニング方法は、Shandilya等(2004,Extremophiles 8:243−251)に基づいた。
縮重polAプライマーPolATF1及びPolATR(以下を参照されたい)を用いて、〜570bpのフラグメントを、10ngのT.インディクスgDNAから増幅した。
PolATF1プライマーは、以下の配列を有する:
5’−CATTTTTGCTGCCGATTAywsncarathga−3’(配列番号5);及び
PolATRプライマーは以下の配列を有する:
5’−AACCGCGAAGTTTTTATTyragyagyac−3’(配列番号6)。
PCR反応ミックスは以下の通りである。
Figure 0005617075
PCRサイクル条件は、94℃で4分の初期変性、その後、94℃で10秒の変性、42℃で30秒のアニーリング、72℃で30秒の伸長、を45サイクル行った。72℃で7分の最終伸長を行い、4℃に保った。
〜570bp増幅産物を、TAクローニングし(Invitrogen pCR2.1キット、カタログ番号K2000−01)、そしてM13順方向プライマー(5'−TGT AAA ACG ACG GCC AGT−3')(配列番号7)及び逆方向プライマー(5'−AGC GGA TAA CAA TTT CAC ACA GGA−3')(配列番号8)を用いて、ABI−3100DNAシーケンサーで配列決定した。配列決定データから、当該フラグメントがDNAポリメラーゼA(DNA polA)遺伝子であることを確認した。
実施例3 DNA polA遺伝子ウォーキング
実施例2で得られた増幅産物から、T.インディクスgDNAが「歩行し(walk along)」、DNA polA遺伝子の5'開始及び3'停止に到達するよう、プライマーを設計した。
10ng gDNAを、10μl反応容量中の5uの様々な6塩基対−カッター制限エンドヌクレアーゼで個別に消化し、そして37℃で3時間インキュベートした。各々に特有の6−カッター制限酵素(RE)を用い、12の個別の消化反応を行った。その後、5μl消化テンプレートを、50μl反応容量中12.5uのT4 DNAリガーゼ、1μl 10×リガーゼ緩衝剤を用いて、16℃でインキュベーションし、セルフライゲーションさせた。
その後、セルフライゲーションしたDNAを、PCRの2つのラウンドでテンプレートとして使用した。図1に示すように、PCRの第一ラウンドは、プライマー2及び3(以下を参照されたい)を使用し、第二ラウンド(ネスト化ラウンド)は、プライマー1及び4(以下を参照されたい)を使用し、増幅に特異性を与えた。
第一ラウンドPCR:
第一ラウンドPCR反応ミックスは、以下の通りとした。
Figure 0005617075
サイクル条件は、94℃で4分の初期変性、その後、94℃で10秒の変性、55℃で10秒のアニーリング、72℃で5分の伸長、を35サイクル行った。72℃で7分の最終伸長を行い、4℃に保った。
プライマー2[15286_2_(pos.2085)]は、以下の配列を有する:
5’−AATCAAGGTTTCATCTCCCG−3'(配列番号9);及び
プライマー3[15286_3_(pos.2453)]は、以下の配列を有する:
5’−TATTCAGGGGACAGCCGCTG−3’(配列番号10)。
第二ラウンド(ネスト化)PCR:
第二ラウンドPCR反応ミックスは、以下の通りとした。
Figure 0005617075
サイクル条件は、94℃で4分の初期変性、その後、94℃で10秒の変性、55℃で10秒のアニーリング、72℃で5分の伸長、を25サイクル行った。72℃で7分の最終伸長を行い、4℃に保った。
プライマー1[15286_1_(pos.2063)]は、以下の配列を有する:
5’−TAATGGGCTAAAACTCGCAG−3’(配列番号11);及び
プライマー4[15286_4_(pos.2521)]は、以下の配列を有する:
5'−AAGGCTTTGGGACAAGGATG−3’(配列番号12)。
増幅PCRフラグメントを、ExoSAP処理し、ネスト化プライマーを用いて配列決定を行い、そこから新規な遺伝子ウォーキングプライマーを設計できるDNA polA配列データをさらに明らかにした。T.インディクスDNA polA遺伝子の開始及び停止に到達するフラグメントを作製するために、遺伝子ウォーキングの2つのさらなる別々のステップを必要とした。
さらなる遺伝子ウォーキングステップ1:
プライマー2及び3(上記の通り)を用いる第一ラウンドPCRの後、プライマー1及び4(上記の通り)を用いるネスト化PCRを行った。
〜1.5kbpと〜2.5kbpとの間のPCRフラグメントを、HindIII、KpnI、及びEcoRV消化/セルフライゲーション反応テンプレートから得た。
これらのフラグメントを、ネスト化プライマー(プライマー1及び4)を用いて配列決定した。フラグメントの配列決定は、DNA polAのC末端ストップコドンに到達し、そしてN末端に対する配列データのさらなる〜1100bpを与えた。新規な遺伝子ウォーキングプライマーを、N末端に対して歩行するように設計した。
さらなる遺伝子ウォーキングステップ2:
プライマー6及び7(以下を参照されたい)を用いる第一ラウンドPCRの後、プライマー5及び8(以下を参照されたい)を用いるネスト化PCRを行った。
プライマー5[15286_5_(pos.1036)]は、以下の配列を有する:
5’−TCT CGC TTT GTT TTA ACC C−3’(配列番号13);
プライマー6[15286_6_(pos.1013)]は、以下の配列を有する:
5’−CAT GCG TGG GAA AAT AGT A−3’(配列番号14);
プライマー7[15286_7_(pos.1008)]は、以下の配列を有する:
5’−ACT TTA TCC GGG TCA AGA AC−3’(配列番号15);及び
プライマー8[15286_8_(pos.941)]は、以下の配列を有する:
5’−TTT CGT ATC ACT TTC AAG GTC−3’(配列番号16)。
〜750bpと〜2kbpとの間のPCRフラグメントを、HindIII、PstI、及びKpnI消化/セルフライゲーション反応テンプレートから得た。
これらのフラグメントを、ネスト化プライマー(プライマー5及び8)を用いて配列決定した。この配列データは、当該フラグメントが、DNA polAのN末端ATG開始コドンに到達することを示した。
実施例4 全長(「FL])及びラージ(クレノウ)フラグメント(「LF])DNA polAの増幅
実施例3に記載の遺伝子ウォーキングプロトコールから得た配列データに基づき、ラージ(クレノウ)フラグメントについての開始及び停止が予測でき(既知のDNA polA配列を有するアラインメント、例えばTaq KlenTaqフラグメントに基づき)、全体のラージフラグメント遺伝子(〜1.7kb)を増幅する特異的プライマーの設計が可能となった。
これらの特異的プライマーは:
15286_FL_上流(NdeI)
5’−GTC CAC CAT ATG GCG CAG AAA AGC TTG TTT CCT AAA AAA TTA CCA TTT AAA GAT GA−3’(配列番号17);
15286_LF_上流(NdeI)
5’−CTT GAA CAT ATG GGC CTC TTA AAA GAA CTT CCA GCT AC−3’(配列番号18);及び
15286_下流(SalI)
5’−AGC CCT GTC GAC GGA TCC GCC AGC TTA TGC CTT TGC CTC TGC−3’(配列番号19)である
上記の通り、発現ベクターへのクローニングを促進するために、NdeI又はSalIの制限部位(上記のプライマー配列中の下線部)を、当該プライマーに組み込んだ。
遺伝子産物を、高フィデリティのPhusion DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を用いて増幅した。
PCR反応ミックスは以下の通りである。
Figure 0005617075
PCRサイクル条件は、98℃で30秒の初期変性、その後、98℃で3秒の変性、55℃で10秒のアニーリング、72℃で1.5分の伸長、を25サイクル行った。72℃で7分の最終伸長を行い、4℃に保った。
実施例5 pET24a(+)HISベクター構築
pET24a(+)ベクター(Novagen)を改変し、NdeI部位の上流に6×HISタグを付加した(図2を参照されたい)。当該HISタグは、以下の通り、XbaIとBamHI部位との間に挿入された。
重複プライマー対は、その上流プライマー(XBAI)が以下の配列を有し:
5’−TTC CCC TCT AGA AAT AAT TTT GTT TAA CTT TAA GAA GGA GAT ATA CTA TG CAC CA−3’(配列番号20)、及び
その下流プライマー(BamHI)が以下の配列を有する:
5’−GAA TTC GGA TCC GCT AGC CAT ATG GTG ATG GTG ATG GTG CAT AGT ATA TCT CCT T−3’(配列番号21)。
当該重複プライマーは、PCRにより増幅され、RE消化され、そしてpET24a(+)へライゲーションされた。当該ライゲーション反応物を、E.coli TOP10F'(Invitrogen)に形質転換し、カナマイシンを加えたLuria Brothプレートに播菌した。コロニーをPCRによりスクリーニングし、T7配列決定プライマーを用いて配列決定により評価した。T7配列決定プライマーは以下の通りである。
T7_プロモーター:5’−AAATTAATACGACTCACTATAGGG−3’(配列番号22)、
T7_ターミネーター:5’−GCTAGTTATTGCTCAGCGG−3’(配列番号23)。
実施例6 全長及びラージフラグメントDNA polAのクローニング
実施例4からのPCR産物を、Promega Wizard 精製キットを用いて精製し、その後NdeI/SalIを用いてRE消化を行った。DNAを、フェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈殿し、そして水に再懸濁した。その後、全長(「FL」)及びラージフラグメント(「LF」)配列を、各々pET24a(+)及びpET24a(+)HISに、NdeIとSalIとの間にライゲーションし、KRX細胞(Promega)にエレクトロポレート処理した。ベクター特異的T7プライマーを用いて、コロニーをPCRによりスクリーニングした。
実施例7 全長及びラージフラグメントDNAポリメラーゼの発現
実施例6から得た組換えコロニーを、5mlのLuria Broth(カナマイシン/クロラムフェニコールを含有する)中で一晩増殖させた。50mlのTerrific Brothバッフル付振とうフラスコに、一晩培養物の1/100希釈物を接種した。培養物を、275rpm、37℃で、OD600〜1まで増殖させ、その後24℃まで低下させ、終濃度0.1%のL−ラムノース、及び終濃度10mMのIPTGで誘導した。培養物を275rpm、24℃でさらに18時間インキュベートした。その後、10mlの培養物を、5000×gで10分間遠心分離により回収し、そして細胞を1mlの溶解緩衝剤(50mM Tris−HCl,pH8.0,100mM NaCl,1mM EDTA)中に再懸濁し、氷上で30秒、2バーストで超音波粉砕した(40v)。サンプルを5000×gで5分間遠心分離し、70℃で20分間熱溶解させ、バックグラウンドE.coliタンパク質を変性させた。サンプルを遠心分離し、上清の一定量を8%SS−PAGEでサイズ分画した。
図3に示されるように、T.インディクスラージフラグメントDNAポリメラーゼIを、予測値〜70kDaで発現した。
図4は、T.インディクス全長DNAポリメラーゼIが予測値〜103kDaで発現されたことを示す。
DNAポリメラーゼは、SDS−PAGEゲル上で、予測されるよりもわずかに速く泳動することが知られているため、その見かけの分子量は、予測よりも小さくなる。
実施例8 PCR活性アッセイ
実施例7で得られたサンプルのPCR活性を、500bpのλDNA PCRアッセイで試験した。Taq DNAポリメラーゼ(1.25u)をポジティブコントロールとして使用した。
PCR溶液は以下のものを含む。
Figure 0005617075
上流λプライマーは以下の配列を有する:
5’−GATGAGTTCGTGTCCGTACAACTGG−3’(配列番号24)、
一方、下流プライマーは以下の配列を有する:
5’−GGTTATCGAAATCAGCCACAGCGCC−3'(配列番号25)。
PCRは、94℃で3秒の変性、55℃で10秒のアニーリング、72℃で30秒の伸長、を35サイクル行った。72℃で7分の最終伸長を行い、4℃に保った。
反応産物の一定量を1.5%アガロースゲルに供し、結果を図5に示す。使用したPCR条件下では、T.インディクスラージフラグメントは、N末端HISタグを有する場合でもなしの場合でも、Taq DNAポリメラーゼと同等のPCR活性を示す(レーン3)が、T.インディクス全長DNAポリメラーゼは、検出可能なPCR産物が作製されなかった(レーン7)。ここで使用されるPCRアッセイ条件下では、Bst DNAポリメラーゼは、検出可能なPCR産物を何ら作製しなかった(データは示さない)。
実施例9 LAMP活性アッセイ
実施例7で得られたサンプルを、ループ媒介等温増幅(LAMP)活性についても試験した。
使用したLAMPプライマー(Nagamine等、2002を参照されたい)は以下の通りである:
ラムダ−FIP−LAMP(「FIP」)
5’−CAGCCAGCCGCAGCACGTTCGCTCATAGGAGATATGGTAGAGCCGC−3’(配列番号26);
ラムダ−BIP−LAMP(「BIP」)
5’−GAGAGAATTTGTACCACCTCCCACCGGGCACATAGCAGTCCTAGGGACAGT−3'(配列番号27);
ラムダ−F3−LAMP(「F3」)
5’−GGCTTGGCTCTGCTAACACGTT−3'(配列番号28);
ラムダ−B3−LAMP(「B3」)
5’−GGACGTTTGTAATGTCCGCTCC−3'(配列番号29);
ラムダ−loopF−LAMP(「loopF」)
5’−CTGCATACGACGTGTCT−3’(配列番号30);及び
ラムダ−loopB−LAMP(「loopB」)
5’−ACCATCTATGACTGTACGCC−3’(配列番号31)。
LAMPは、各々0.8μMのFIP及びBIP、各々0.2μMのF3及びB3、各々0.4μMのloopF及びloopBのプライマー、1.6mM dNTP、1M ベタイン(Sigma)、2mM MgSO4、1×Bst緩衝剤(New Engand Biolabs)、1ng λDNA、及び8uのBst DNAポリメラーゼラージフラグメント(New Engand Biolabs)もしくは1μlの試験サンプル(実施例7から)のいずれかを含有し、水で容量を調整した、総量25μlの反応混合物中で行われた。当該混合物を、65℃で1時間インキュベートし、増幅の検出のための臭化エチジウムで染色した、一定量を1%アガロースゲルに供した。
LAMPアッセイの結果を図6に示す。使用されるLAMP条件下、T.インディクスラージフラグメントは、N末端のHISタグを有する場合でもなしの場合でも、Bst DNAポリメラーゼラージフラグメントと同等のPCR活性を示す(レーン3)が、T.インディクス全長DNAポリメラーゼは、検出可能なLAMP産物を作製しなかった(レーン7)。これらのLAMP条件下では、全長DNAポリメラーゼが、任意のLAMP増幅産物を破壊する5’→3'エキソヌクレアーゼ活性を有する可能性がある。ここで使用されるLAMPアッセイ条件下で、Taq DNAポリメラーゼは、何ら検出可能なLAMP産物を作製しなかった(データは示さない)。
実施例10 熱安定性アッセイ
T.インディクスラージフラグメントの熱安定性を、実施例7に記載の通り、500bp λDNA PCRアッセイを用いて試験した。誘導したラージフラグメントのサンプルを、95℃で、0、2、4、6、8、10、15又は20分インキュベートし、その後、500bp λDNA PCRアッセイで使用した。使用した条件下で、ラージフラグメントは、95℃で最大4分のインキュベーションまで無影響であることがわかり、6分のインキュベーション後、PCR活性の低減を示し、そして8分のインキュベーション後は、検出可能なPCR産物は作製されなかった(データは示さない)。
このサンプルは、T.インディクスラージフラグメントが、PCRで有効な十分な期間、熱安定性であるが、95℃の変性温度でのインキュベーションの延長は、DNAポリメラーゼ活性に影響を及ぼすことを実証している。
本発明は、好ましいか又は例示的な実施態様に関して記載しているが、当該技術分野の当業者は、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、同じものに対する様々な改変及び変更を達成でき、且つ当該改変は、本明細書で明確に熟慮されていることを理解するはずである。本明細書に開示され、且つ添付の請求の範囲に明記される、特定の実施態様については限定する意図はなく、またいずれの類推をされるべきものでもない。
本明細書で引用される全ての文書は、その全体が参照により組み込まれる。

Claims (12)

  1. 熱安定性DNAポリメラーゼ活性を有し、且つ鎖置換活性を呈し、且つ配列番号1に示されるサーモデスルファテーター・インディクス(Thermodesulfatator indicus)DNAポリメラーゼIラージフラグメント(Large fragment)と、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでなるか、又は当該アミノ酸配列からなる、ポリペプチド。
  2. ループ媒介等温増幅(loop−mediated isothermal amplification)(LAMP)等の、等温増幅反応の実施に適する、及び/又は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の、熱サイクル増幅反応の実施に適する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記アミノ酸配列が、配列番号32である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. Cren7エンハンサードメインをさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチドを含んでなる組成物。
  6. 請求項1又は2に記載のポリペプチドをコードする核酸。
  7. 配列番号3又は配列番号33のヌクレオチド配列を有する、請求項6に記載の核酸。
  8. 請求項7に記載の核酸を含んでなるベクター。
  9. 請求項6又は7に記載の核酸、又は請求項8に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド、及び/又は請求項5に記載の組成物、及び/又は請求項6又は7に記載の単離核酸、及び/又は請求項8に記載のベクター、及び/又は請求項9に記載の宿主細胞を、その包装材料と一緒に含んでなる、キット。
  11. 熱サイクル反応を用いる標的核酸の配列を増幅する方法であって、
    (1)前記標的核酸を、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチドと接触させるステップ:及び
    (2)前記標的核酸を、当該標的核酸を増幅させる熱サイクル反応条件下、前記ポリペプチドと一緒にインキュベートするステップ、
    を含んでなる、方法。
  12. 等温反応を用いる標的核酸の配列を増幅する方法であって、
    (1)前記標的核酸を、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチドと接触させるステップ;及び
    (2)前記標的核酸を、当該標的核酸を増幅させる等温反応条件下、前記ポリペプチドと一緒にインキュベートするステップ、
    を含んでなる、方法。
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