JP2006507012A - 減少した塩基類似体検出活性を有するdnaポリメラーゼ - Google Patents

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Abstract

本発明は、減少した塩基類似体検出活性を有する古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体の生成および解析に関する。本発明は更に、DNA重合または3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を含む他のDNAポリメラーゼ活性を調節する更なる突然変異を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体を提供する。本発明はまた、減少した塩基類似体検出活性を有するDNAポリメラーゼの方法および応用を開示する。

Description

本発明は、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼに関する。
Taqとは異なり、古細菌DNAポリメラーゼ(例えば、Pfu、Vent)は、鋳型鎖中のウラシル(dU)残基を検出し合成を停止させる「先読み」機能を有する(Greaggら、1999, PNAS USA, 96:9405)。ウラシル検出は、古細菌においてDNAシトシン脱アミノ反応(dCMP→dUMP)を修復する経路の第一段階に相当すると考えられる(Greagg ら、1999、上述)。ウラシルに対面した際のDNA合成の停止は、古細菌DNAポリメラーゼを用いた忠実度の高いPCR増幅に重要な影響をもたらす。dUTPを必要とする技術(例えば、dUTP/UDGコンタミネーション除去法、Longoら1990, Gene, 93:125)またはウラシルを含むオリゴヌクレオチドを必要とする技術は、校正用DNAポリメラーゼを用いて実施することができない(Slupphaugら、1993, Anal. Biochem., 211:164; Sakaguchiら、1996, Biotechniques, 21:368)。しかしさらに重要なことに、ウラシル停止は標準的なPCR条件下で古細菌DNAポリメラーゼの性能を損なうことが示されている(Hogrefeら、2002, PNAS USA, 99:596)。
PCR増幅の間、少量のdCTPはdUTPへの脱アミノ反応を受け(%dUTPはサイクル時間によって異なる)、その後、古細菌DNAポリメラーゼによって取り込まれる。一旦取り込まれると、ウラシルを含むDNAは古細菌DNAポリメラーゼを阻害し、それらの効率を制限する。本発明者らは、Pfu、KOD、VentおよびDeep Vent DNAポリメラーゼを用いて行われる増幅反応への耐熱性dUTPアーゼ(dUTP→dUMP+PPi)の添加が、dUTP取り込みの防止によってPCR産物収量を著しく増加させることを発見した(Hogrefeら、2002、上述)。更に、Pfu DNAポリメラーゼの標的鎖長の許容範囲はdUTPアーゼの存在下で劇的に改善され(<2kbから14kbに)、これは、ウラシル毒性が、dUTP形成を促進する長期にわたる伸長時間の使用(72℃で1〜2分/kb)によってロングレンジ(long-range) PCRを重度に制限することを示している。
dUTP取り込みに加えて、ウラシルはまた、鋳型DNA中のシトシン脱アミノ反応の結果としても生じうる。温度サイクルの間にシトシン脱アミノ反応が起こる程度は測定されていないが、生成されたあらゆるウラシルはおそらく、古細菌DNAポリメラーゼのPCR性能を損なうであろう。鋳型DNAでのシトシン脱アミノ反応から生じるウラシルは、(dCTP脱アミノ反応によって生成される)dUTPの取り込みを妨げるのみであるdUTPアーゼの添加による影響を受けない。ウラシルをDNAの糖骨格から切除するウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、または、更にG:Tミスマッチを切除するミスマッチ特異的UDG(MUG)のような酵素の添加は、重合を妨げる鋳型ウラシルを除去するための一つの方法である。
別法として、ウラシル停止の問題は、古細菌DNAポリメラーゼに突然変異または欠失を導入して、ウラシルの検出を減少または理想的には排除し、その結果、取り込まれたウラシル(非変異原性ウラシル)および脱アミノ化されたシトシン(前変異原性ウラシル)に対面した際に合成の続行を可能にすることによって、克服されうる。このような突然変異体は、野生型の古細菌DNAポリメラーゼと比較してより高い産物収量を生成し、より長い標的を増幅することが期待されるであろう。更に、ウラシル検出が欠如した突然変異体は、リアルタイムQ-PCRに用いられるdUTP/UNGコンタミネーション除去法に適するであろう。現在のところ、TaqおよびTaq関連酵素のみが、dUTP取り込みに基づく除去法に使用できる。
従って、校正活性または重合活性および効率を損なわずに、dUTPの存在下でDNAを増幅できる耐熱性DNAポリメラーゼの必要性がある。
Pavlovら、2002, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:13510-13515およびWO 01/92501 A1は、反応性を増加させる、およびまたは、耐塩性を増加させるドメインを含むポリメラーゼキメラを記載する。
また当技術分野では、校正活性または重合活性および効率を損なわずにdUTPの存在下でDNAを増幅でき、その耐熱性DNAポリメラーゼが反応性の増加および/または耐塩性の増加を示す、耐熱性DNAポリメラーゼの必要性もある。
発明の概要
本発明は、校正DNAポリメラーゼの必須のPCR特性(例えば、ポリメラーゼ活性、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性、忠実度)を保持しており、また、例えばより高い収量、より長い増幅標的のようなロングレンジ増幅の成功率も改善する、減少した塩基類似体検出活性を有する古細菌のファミリーB型DNAポリメラーゼ突然変異体の構築および解析に関する。
本発明は、減少した塩基類似体検出活性を有し、アルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、もしくはアスパラギンに置換されたバリンであるV93位置での突然変異を含む、または突然変異古細菌DNAポリメラーゼが本明細書に定義されるような末端切断、欠失もしくは挿入を含む、突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、および特に、突然変異Pfu DNAポリメラーゼに関する。
好ましくは、突然変異古細菌DNAポリメラーゼは、バリンがアルギニン、リジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸に置換された、V93位置での突然変異を含むPfu DNAポリメラーゼを含む。より好ましくは、93位置のバリンはリジンで置換されている。
1つの実施形態では、古細菌DNAポリメラーゼは、D92、V93、およびP94の1以上の位置での欠失を含むPfu DNAポリメラーゼである。
更なる実施形態では、本発明は、87〜100残基間の1以上の残基にアミノ酸突然変異を有する、(配列番号18〜22によりコードされる)1以上の配列番号28〜32の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを提供し、ここで、候補アミノ酸は、この領域内でアミノ酸残基と置換されうる。好ましくは、87〜100残基の領域内のアミノ酸は、アルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グルタミン、またはアスパラギンのうちの1つで置換される。好ましくは、その突然変異はV93位置である。
更なる実施形態では、本発明は、87〜100残基間の1以上の残基にアミノ酸突然変異を有する、(配列番号17、23〜26によりコードされる)1以上の配列番号27、または33〜36の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを提供し、ここで、候補アミノ酸はこの領域内でアミノ酸残基と置換されうる。好ましくは、87〜100残基の領域内のアミノ酸は、アルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、またはアスパラギンのうちの1つで置換される。好ましくは、その突然変異はV93位置である。
本発明はまた、単独またはPCR促進因子および/もしくは添加剤との併用のいずれかで、387アミノ酸位置においてグリシンからプロリンへの置換(G387P; 配列番号33; 配列番号23によりコードされる)を更に含んで前記突然変異DNAポリメラーゼにDNA重合表現型の減少をもたらす突然変異Pfu DNAポリメラーゼ、またはV93D/D141A/E143AもしくはPfu V93N/D141A/E143A三重変異DNAポリメラーゼを更に含む突然変異Pfu DNAポリメラーゼ、Pfu G387P/V93RまたはG387P/V93EまたはG387P/V93KまたはG387P/V93DまたはG387P/V93N二重変異体と組み合わせたTaq、Thermus DNAリガーゼ、またはFEN-1ヌクレアーゼを含む、突然変異古細菌DNAポリメラーゼを提供する。本発明はまた、反応性およびまたは耐塩性を増加させるポリペプチドと組み合わせて、それによって本明細書において定義されるようなキメラを形成する、本明細書に記載された任意の単独変異、二重変異、もしくは三重変異古細菌DNAポリメラーゼ、本明細書に記載された、挿入を含む任意の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、または本明細書に記載された任意の末端切断型もしくは欠失型の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む組成物を提供する。これらのキメラは、PCR促進因子および/または添加剤と組み合わせて提供され得る。
本発明はまた、突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置での突然変異を含み、バリンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グルタミンまたはアスパラギンに置換され、突然変異古細菌DNAポリメラーゼが本明細書に定義されるような末端切断、欠失または挿入を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、およびそのためのパッケージング材料を含むキットを提供する。1つの実施形態では、キットは、バリンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、またはアスパラギンに置換されたV93位置での突然変異を有するPfu DNAポリメラーゼを含む。1つの実施形態では、キットは、D92、V93、またはP94の1以上の位置で欠失を有するPfu DNAポリメラーゼを含む。本発明のキットは、更にPCR促進因子および/または添加剤を含んでもよく、単独またはPCR促進因子および/もしくは添加剤との併用のいずれかで、例えばTaq DNAポリメラーゼを前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼより5倍、10倍、または100倍低い濃度で含んでもよく、あるいは、単独またはPCR促進因子および/もしくは添加剤との併用のいずれかで、Pfu G387P/V93RまたはG387P/V93EまたはG387P/V93KまたはG387P/V93DまたはG387P/V93N二重変異DNAポリメラーゼ、Pfu V93R/D141A/E143A、Pfu V93E/D141A/E143A、Pfu V93K/D141A/E143A、Pfu V93D/D141A/E143AまたはPfu V93N/D141A/E143A三重変異DNAポリメラーゼ、Thermus DNAリガーゼ、またはFEN-1ヌクレアーゼを含んでもよい。本発明はまた、反応性およびまたは耐塩性を増加させるポリペプチドと組み合わせて、それによって本明細書において定義されるようなキメラを形成する、本明細書に記載された任意の単独変異、二重変異、もしくは三重変異古細菌DNAポリメラーゼ、本明細書に記載された、挿入を含む任意の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、または本明細書に記載された任意の末端切断型もしくは欠失型の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含むキットを提供する。これらのキメラは、PCR促進因子および/または添加剤と組み合わせて
提供され得る。本発明の組成物は、反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドと組み合わせた野生型ポリメラーゼを含むキメラを更に含み得る。
本発明はまた、本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、および前記酵素を核酸鋳型と接触させ、前記酵素がDNA合成を可能にすることを含む、DNA合成方法を提供する。
1つの実施形態では、DNA合成は、例えば実施例3に記載されるように、dUTPの存在下で行われる。
本発明はまた、本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、突然変異古細菌DNAポリメラーゼを核酸鋳型と接触させ、突然変異古細菌DNAポリメラーゼがDNA合成を可能にして合成DNA産物を生成すること、および合成DNA 産物をクローニングベクターに挿入することを含む、DNA合成産物のクローニング方法を提供する。
本発明の任意の増幅方法またはクローニング方法は、Thermus DNAリガーゼまたはFEN-1ヌクレアーゼを更に含み得る。
本発明はまた、本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給するステップ、突然変異古細菌DNAポリメラーゼを用いて、少なくとも1種類の鎖終止剤(chain terminating agent)および1以上のヌクレオチド三リン酸の存在下で、配列決定されるべきDNA鋳型から鎖終止断片を生成するステップ、および前記断片のサイズからDNAの配列を決定するステップを含む、DNAの配列決定方法を提供する。この方法はTaq DNAポリメラーゼの存在下で実施でき、例えば、そこでは前記Taq DNAポリメラーゼは前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼより5倍、10倍、または100倍低い濃度である。好ましくは、配列決定は、例えばD141A/E143Aのように3'-5'エキソヌクレアーゼ活性に欠陥があるポリメラーゼを用いて行われる。
この方法はまた、単独またはPCR促進因子および/もしくは添加剤との併用のいずれかで、本明細書に記載されるような二重変異または三重変異DNAポリメラーゼの存在下で実施され得る。
本発明はまた、古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体による核酸鋳型の増幅を可能にして変異した増幅産物を生成する条件下で、核酸鋳型、PCRプライマー、および突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む反応混合物をインキュベーションするステップを含む、部位指定変異導入またはランダム変異導入のための線形的または指数関数的なPCR増幅方法を提供する。
1つの実施形態では、突然変異古細菌DNAポリメラーゼは、バリンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グルタミン、またはアスパラギンに置換された、V93での突然変異を含む。
定義
本明細書において用いられる場合、「減少した塩基類似体検出」は、例えばウラシルまたはイノシンなどの、DNA鋳型中に存在する塩基類似体を認識する能力の減少を伴うDNAポリメラーゼを指す。これに関連して、「減少した」塩基類似体検出活性を有する突然変異DNAポリメラーゼは、野生型酵素よりも低い塩基類似体検出活性を有する、すなわち野生型酵素の塩基類似体検出活性の10%以下(例えば、8%、6%、4%、2%または1%以下)を有するDNAポリメラーゼ突然変異体である。塩基類似体検出活性は、Greaggら(1999)Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 9045-9050および実施例3に記載されるように、ウラシル検出の減少を有するDNAポリメラーゼの検出のために記載されたものと同様のアッセイに従って決定されうる。あるいは、「減少した」塩基類似体検出は、塩基類似体を認識する能力の減少を伴う突然変異DNAポリメラーゼを指し、塩基類似体の認識の「減少」は、減少した塩基類似体検出活性を伴わない野生型DNAポリメラーゼと比較して、少なくとも10%、好ましくは50%、より好ましくは90%、最も好ましくは99%以上の>10 Kb PCRの量の増加によって明らかになる。>10 Kb PCR産物の量は、ゲルから溶出された>10 Kb PCR DNA産物の分光光度計吸光度アッセイ、または、例えばMolecular Dynamics (MD) FluorImager(商標)(Amersham Biosciences, カタログ番号63-0007-79)を用いたエチジウムブロマイド染色アガロース電気泳動ゲルでの>10 Kb PCR産物の蛍光分析のいずれかによって測定される。
本明細書において用いられる場合、「減少したウラシル検出」は、DNA鋳型中に存在するウラシル塩基を認識する能力の減少を伴うDNAポリメラーゼを指す。これに関連して、「減少した」ウラシル検出活性を有する突然変異DNAポリメラーゼは、野生型酵素よりも低いウラシル検出活性を有する、すなわち野生型酵素のウラシル検出活性の10%以下(例えば、8%、6%、4%、2%または1%以下)を有するDNAポリメラーゼ突然変異体である。ウラシル検出活性は、Greaggら(1999)Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 9045-9050および実施例3に記載されたアッセイに従って決定されうる。あるいは、「減少した」ウラシル検出は、ウラシルを認識する能力の減少を伴う突然変異DNAポリメラーゼを指し、ウラシルの認識の「減少」は、減少したウラシル検出活性を伴わない野生型DNAポリメラーゼと比較して、少なくとも10%、好ましくは50%、より好ましくは90%、最も好ましくは99%以上の>10 Kb PCRの量の増加によって明らかになる。>10 Kb PCR産物の量は、ゲルから溶出された>10 Kb PCR DNA産物の分光光度計吸光度アッセイ、または、例えばMolecular Dynamics (MD) FluorImager(商標)(Amersham Biosciences, カタログ番号63-0007-79)を用いたエチジウムブロマイド染色アガロース電気泳動ゲルでの>10 Kb PCR産物の蛍光分析のいずれかによって測定される。
本発明は、減少した塩基類似体検出(例えば、ウラシルもしくはイノシンなどの特定の塩基類似体の検出の減少、または少なくとも2つの塩基類似体の検出の減少)を示す突然変異DNAポリメラーゼを企図する。
本明細書において用いられる場合、「塩基類似体」は、PCR反応に必要とされる温度上昇の結果として化学修飾を受けた塩基を指す。好ましい実施形態では、「塩基類似体」はシトシンの脱アミノ反応によって生成されるウラシルを指す。別の好ましい実施形態では、「塩基類似体」はアデニンの脱アミノ反応によって生成されるイノシンを指す。
本明細書において用いられる場合、「合成」は、鋳型依存的様式で新たなポリヌクレオチド鎖を生成する、または既存のポリヌクレオチド(すなわちDNAもしくはRNA)を伸長する、任意のin vitroでの方法を指す。本発明による合成は、ポリメラーゼの使用によりポリヌクレオチド鋳型配列のコピー数を増加させる増幅を含む。ポリヌクレオチド合成(例えば増幅)は、ヌクレオチドのポリヌクレオチド(すなわちプライマー)への取り込みを引き起こし、その結果、ポリヌクレオチド鋳型に相補的な新たなポリヌクレオチド分子を形成する。形成されたポリヌクレオチド分子およびその鋳型は、更なるポリヌクレオチド分子を合成するための鋳型として使用され得る。
本発明による「DNA合成」は、PCR、ポリヌクレオチドの標識(すなわち、プローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーのため)、ポリヌクレオチド配列決定を含むがそれらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「ポリメラーゼ」はヌクレオチドの重合(すなわちポリメラーゼ活性)を触媒する酵素を指す。通常、酵素はポリヌクレオチド鋳型配列にアニーリングしたプライマーの3'末端で合成を開始し、鋳型鎖の5'末端の方向に進行する。「DNAポリメラーゼ」はデオキシヌクレオチドの重合を触媒する。好ましい実施形態では、本発明の「DNAポリメラーゼ」は古細菌DNAポリメラーゼである。本発明による有用な「DNAポリメラーゼ」は、「ポリメラーゼ」と名付けられた本明細書の項に含まれるものを含むが、それらに限定されない。
本発明の好ましい実施形態では、DNAポリメラーゼは、配列番号27〜38のうちの1つで示されるアミノ酸配列を有するポリメラーゼである。
本発明の好ましい実施形態では、DNAポリメラーゼは、配列番号17〜26のうちの1つで示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するポリメラーゼである。
好ましい実施形態では、本発明によるDNAポリメラーゼは耐熱性である。別の好ましい実施形態では、本発明によるDNAポリメラーゼはPfu DNAポリメラーゼである。
本明細書において用いられる場合、「古細菌」DNAポリメラーゼは、ファミリーB/pol I型グループ(例えば、Pfu、KOD、Pfx、Vent、Deep Vent、Tgo、Pwo)またはpol IIグループ(例えば、Pyrococcus furiosus DP1/DP2 2-サブユニット DNAポリメラーゼ)のいずれかに属するDNAポリメラーゼを指す。1つの実施形態では、「古細菌」DNAポリメラーゼは(PCR可能な)耐熱性古細菌DNAポリメラーゼを指し、Pyrococcus 種 (furiosus、種GB-D、woesii、abysii、horikoshii)、Thermococcus種(kodakaraensis KOD1、litoralis、種9 degrees North-7、種JDF-3、gorgonarius)、Pyrodictium occultum、およびArchaeoglobus fulgidusから単離されるDNAポリメラーゼを含むが、それらに限定されない。適切な古細菌は>80〜85℃の最大生育温度または>70〜80℃の至適生育温度を示すであろうと推測される。古細菌pol I DNAポリメラーゼ群由来の適切なPCR酵素は市販されており、Pfu(Stratagene)、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies, Inc.)、Vent(New England BioLabs)、Deep Vent(New England BioLabs)、Tgo(Roche)、およびPwo(Roche)を含む。上記に掲載したものと関連する更なる古細菌は、下記の参照文献、すなわちArchaea: A Laboratory Manual (Robb, F. T. およびPlace, A. R.編), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1995に記載されている。
本明細書において用いられる場合、「突然変異」ポリメラーゼは、本明細書に定義されるように、1以上のDNAポリメラーゼの活性、例えば、DNA重合、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性または塩基類似体検出活性を変化させる1以上の突然変異を含む古細菌DNAポリメラーゼを指す。1つの実施形態では、本発明の「突然変異」ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼの1以上の塩基類似体検出活性を減少させる1以上の突然変異を含むDNAポリメラーゼを指す。好ましい実施形態では、本発明の「突然変異」ポリメラーゼは減少したウラシル検出活性を有する。好ましい実施形態では、本発明の「突然変異」ポリメラーゼは減少したイノシン検出活性を有する。別の好ましい実施形態では、本発明の「突然変異」ポリメラーゼは減少したウラシルおよびイノシン検出活性を有する。本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼは、1以上のアミノ酸置換、1以上のアミノ酸挿入、末端切断または内部欠失を含むポリメラーゼを含む。
本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼはまた、本明細書に記載された任意の単独変異、二重変異、もしくは三重変異古細菌DNAポリメラーゼ、本明細書に記載された、挿入を含む任意の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、または本明細書に記載された任意の末端切断型もしくは欠失型の突然変異古細菌DNAポリメラーゼが、反応性およびまたは耐塩性を増加させるポリペプチドと結合して生じ、それによって本明細書において定義されるようなキメラを形成している、キメラポリメラーゼを含む。反応性およびまたは耐塩性を増加させるポリペプチドは、WO 01/92501 A1およびPavlovら、2002, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:13510-13515に記載され、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
1つの実施形態では、本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼは、配列番号28〜32のうちの1つより選択される配列を有し、93位置におけるバリンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グルタミン、またはアスパラギンのうちの1つによって置換される。
1つの実施形態では、本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼは、配列番号27、33〜36のうちの1つより選択される配列を有し、93位置におけるバリンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、またはアスパラギンのうちの1つによって置換される。
本発明の1つの実施形態では、本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼは、配列番号18〜22によってコードされるアミノ酸配列を有し、93位置におけるバリン残基をコードするコドンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グルタミン、またはアスパラギンより選択されるアミノ酸をコードするコドンによって置換される。
本発明の1つの実施形態では、本明細書に定義される「突然変異」ポリメラーゼは、配列番号17、23〜26によってコードされるアミノ酸配列を有し、93位置におけるバリン残基をコードするコドンがアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、またはアスパラギンより選択されるアミノ酸をコードするコドンによって置換される。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、またはアスパラギン酸のうちの1つで置換されているPfuポリメラーゼである。好ましくは、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸のうちの1つで置換されているPfuポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、またはグルタミンのうちの1つで置換されているKOD DNAポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、またはグルタミンのうちの1つで置換されているVentポリメラーゼである。好ましくは、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニンまたはグルタミン酸のうちの1つで置換されているVentポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、またはグルタミンのうちの1つで置換されているDeep Ventポリメラーゼである。好ましくは、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニンまたはグルタミン酸のうちの1つで置換されているDeep Ventポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、またはグルタミンのうちの1つで置換されているJDF-3ポリメラーゼである。好ましくは、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、またはリジンのうちの1つで置換されているJDF-3ポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、「突然変異」DNAポリメラーゼは、V93がアルギニン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、グルタミン、またはアスパラギン酸のうちの1つで置換されているTgoポリメラーゼである。
本明細書に定義される「キメラ」は、野生型または本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む第一アミノ酸配列(タンパク質)が、反応性を増加させるおよびまたは耐塩性を増加させるポリペプチドを定義する第二アミノ酸配列と結合した融合体であり、第一および第二アミノ酸配列は自然界では同じ関係では見いだされない。本発明による「キメラ」は、新たな機能タンパク質を形成するために結合された、無関係なタンパク質由来の2以上のアミノ酸配列(例えば、野生型または突然変異古細菌DNAポリメラーゼならびに反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドをコードする配列)を含む。本発明のキメラは、(異なるタンパク質においてではあるが)第一タンパク質をも発現している生物において見いだされる異種ポリペプチドを提示してもよく、または「種間」、「遺伝子間」等の異なる種類の生物によって発現されるタンパク質構造の融合体であってもよい。本発明は、反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドが野生型古細菌DNAポリメラーゼまたは本明細書に記載された任意の突然変異古細菌DNAポリメラーゼのN末端またはC末端に結合したキメラを含む。
本明細書において用いられる場合、「反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチド」は、その領域が本明細書に定義されるように反応性を増加させる、または本明細書に定義されるように耐塩性を増加させる、ポリペプチド配列を含むタンパク質もしくはタンパク質の領域もしくはタンパク質複合体または複数のペプチド配列であるドメインを指す。本発明による有用な「反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチド」は、Pavlovら、上述またはWO 01/92501に含まれる任意のドメイン、例えば、Sso7d、Sac7d、HMF様タンパク質、PCNAホモログ、および例えばトポイソメラーゼ Vに由来するヘリックス-ヘアピン-ヘリックスドメインを含むが、それらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「結合した」は、ポリペプチドドメインを機能的に連結するための当技術分野において既知の任意の方法を指し、介在ドメインを含むまたは含まない組換え融合、インテインを介した融合、非共有結合、ならびにジスルフィド結合を含む共有結合、水素結合、静電結合、および立体構造による結合を含むがそれらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「反応性」は、核酸修飾酵素、例えばポリメラーゼが鋳型または基質に結合し続け、多数の修飾反応を行う能力を指す。「修飾反応」は、重合、および外ヌクレオチド鎖分解性(exonucleolytic)切断を含むがそれらに限定されない。「反応性」はまた、核酸修飾酵素、例えばポリメラーゼが比較的長い(例えば0.5〜1 kb、1〜5 kb または5 kb以上の)ヌクレオチドの鎖を修飾する能力を指す。「反応性」はまた、核酸修飾酵素、例えばポリメラーゼが、伸長しているDNA鎖からの酵素の解離で中断されずに、一連の重合ステップを行う能力を指す。「反応性」は、ポリメラーゼの性質、DNA鋳型の配列、および例えば塩濃度、温度または特定のタンパク質の存在などの反応条件に依存し得る。
本明細書において用いられる場合、「反応性の増加」は、本明細書に定義される反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを欠く野生型または突然変異古細菌DNAポリメラーゼと比較して、5〜10%、好ましくは10〜50%、より好ましくは50〜100%以上の増加を指す。反応性および反応性の増加は、本明細書ならびにPavlov ら、上述およびWO 01/92501 A1で定義される方法に従って測定できる。本明細書に定義されるように、反応性を増加させるポリペプチドを含むキメラである、増加した反応性を有するポリメラーゼは、Pavlov ら、上述およびWO 01/92501 A1に記載されている。
本明細書において用いられる場合、「耐塩性の増加」は、野生型ポリメラーゼが活性を持つ最大塩濃度より高いことが知られる塩濃度で>50%の活性を示すポリメラーゼを指す。最大塩濃度は各ポリメラーゼによって異なり、当技術分野で知られているか、または当技術分野の方法に従って実験的に測定されうる。例えば、Pfuは、(PCRにおいては)30 mMで阻害され、増加した耐塩性を有するPfu酵素は30 mMを越える塩濃度で有意な活性(>50%)を持つであろう。本明細書に定義されるように、耐塩性を増加させるポリペプチドを含むキメラである、増加した耐塩性を有するポリメラーゼは、Pavlov ら、上述およびWO 01/92501 A1に記載されている。
本明細書において用いられる場合、「減少したDNA重合活性」を有するDNAポリメラーゼは、野生型酵素よりも低いDNA重合活性、例えば、野生型酵素のDNA重合活性の10%以下(例えば、8%、6%、4%、2%または1%以下)を有するDNAポリメラーゼ突然変異体である。減少したDNA重合活性を有するPfu DNAポリメラーゼを生成し、解析するために使用される方法は、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら; 2001年12月21日出願); 係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら; 2002年2月20日出願); 係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら; 2002年7月30日出願); および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら; 2002年8月23日出願)に開示され、その内容はその全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書において用いられる場合、「3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損」または「3'-5'exo-」は、取り込まれたヌクレオチドをDNA重合体の3’末端から除去する能力を実質的に欠く酵素を指す。ファミリーBポリメラーゼのメンバーによって例示される3'-5'エキソヌクレアーゼ活性のようなDNAポリメラーゼ・エキソヌクレアーゼ活性は、突然変異によって失われ、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼを生じうる。本明細書において用いられる場合、3'-5'エキソヌクレアーゼに欠損のあるDNAポリメラーゼは3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。「実質的に欠く」とは、活性の完全な欠如を含み、例えば、親酵素と比較して0.03%、0.05%、0.1%、1%、5%、10%、20%、または最大でも50%以下のエキソヌクレアーゼ活性を有する。D141AおよびE143A突然変異ならびに3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を減少させるかまたは削除する他の突然変異を含む 3'-5'エキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼを生成し、解析するために使用される方法は、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら; 2000年10月27日出願)に開示されている。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を減少させるかまたは削除する更なる突然変異が当技術分野において知られており、本明細書において企図される。
本明細書において用いられる場合、「突然変異」は、DNAによってコードされるアミノ酸配列を変える、親DNAまたは野生型DNA配列に導入された変化を指し、置換、挿入、欠失または末端切断を含むがそれらに限定されない。突然変異の結果は、親DNAによってコードされるタンパク質には見られない新たな性質、特性、機能、または形質の形成を含むがそれらに限定されず、N末端切断、C末端切断または化学修飾を含むがそれらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「耐熱性」は、例えば同様の活性を有する酵素の非耐熱型と比較して、好ましくは約90〜100℃、より好ましくは約70〜98℃と同程度の温度で安定であり活性を持つ酵素を指す。例えば、P. furiosus、M. jannaschii、A. fulgidusまたはP. horikoshiiなどの好熱性生物に由来する耐熱性核酸ポリメラーゼは、E. coli由来の核酸ポリメラーゼと比較して、高温でより安定であり活性を持つ。P. furiosusから単離された代表的な耐熱性核酸ポリメラーゼ(Pfu)は、Lundbergら、1991, Gene, 108:1-6に記載されている。更なる代表的な温度安定性ポリメラーゼは、例えば、好熱性細菌Thermus flavus、Thermus ruber、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermophilus (記載された他のものより多少低い至適温度を持つ)、Thermus lacteus、Thermus rubens、Thermotoga maritimaから、または好熱性古細菌Thermococcus litoralis、およびMethanothermus fervidusから抽出されたポリメラーゼを含む。
温度安定性ポリメラーゼは、二本鎖核酸がPCRサイクルの間に高温(約95℃)への曝露によって変性される温度サイクル過程において好ましい。
本明細書において用いられる場合、「鋳型DNA分子」という用語は、例えばプライマー伸長反応において、相補的な核酸鎖がDNAポリメラーゼによってそこから合成される核酸の鎖を指す。
本明細書において用いられる場合、「鋳型依存的様式」という用語は、プライマー分子の鋳型依存的な伸長(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)を含む過程を指すことを意図する。「鋳型依存的様式」という用語は、新たに合成されるポリヌクレオチド鎖の配列が周知の相補的塩基対合の法則(例えば、Watson, J. D. ら、In: Molecular Biology of the Gene, 第4版、W. A. Benjamin, Inc., Menlo Park, Calif. (1987)を参照)によって決定される、RNAまたはDNAのポリヌクレオチド合成を指す。
「忠実度」という用語は本明細書において用いられる場合、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合の正確さを表す。DNAポリメラーゼの忠実度は、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち鋳型依存的様式で取り込まれていないヌクレオチドの取り込み頻度)によって測定される。DNA重合の正確さすなわち忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性および3'-5'エキソヌクレアーゼ活性の両方によって維持される。「高い忠実度」という用語は、塩基対当たり5×10-6またはそれより低いエラー率を指す。DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率は、当技術分野において既知のアッセイを用いて測定されうる。例えば、DNAポリメラーゼ突然変異体のエラー率は、Cline, J., Braman, J. C., およびHogrefe, H. H. (96) NAR 24:3546-3551に記載されているlacI PCR忠実度アッセイを用いて検定され得る。簡潔には、lacIOlacZα標的遺伝子をコードする1.9 kbの断片を、pPRIAZプラスミドDNAから2.5 U のDNA ポリメラーゼ(すなわち30分間に72℃で25 nmolの全dNTPを取り込むために必要な酵素量)を用いて、適切なPCRバッファー中で増幅する。lacIを含むPCR産物はその後、ラムダGT10アームにクローニングされ、lacI突然変異体の割合(MF, mutation frequency、突然変異頻度)は、(Lundberg, K. S., Shoemaker, D. D., Adams, M. W. W., Short, J. M., Sorge, J. A.,および Mathur, E. J. (1991) Gene 180:1-8に)記載されているように、色によるスクリーニングアッセイで測定される。エラー率は、bp当たり複製当たりでの突然変異頻度(MF/bp/d)として表され、ここでbpはlacI遺伝子配列中の検出可能な部位の数(349)、dは効果的な標的倍加の回数である。各DNAポリメラーゼ突然変異体について、少なくとも2回の独立したPCR増幅が行われる。
本明細書において用いられる場合、「増幅産物」は、PCR増幅反応後の二本鎖ポリヌクレオチド集団を指す。増幅産物は、当初のポリヌクレオチド鋳型およびPCR反応の間にポリヌクレオチド鋳型を用いてDNAポリメラーゼによって合成されたポリヌクレオチドを含む。
本明細書において用いられる場合、「ポリヌクレオチド鋳型」または「標的ポリヌクレオチド鋳型」または「鋳型」は、増幅される領域を含むポリヌクレオチドを指す。「増幅される領域」は本明細書において用いられる場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって合成されるいずれかのポリヌクレオチドの領域である。例えば、ポリヌクレオチド鋳型の増幅される領域は、2つのPCRプライマーがそれに対して相補的である2つの配列の間に存在する。
本明細書において用いられる場合、「プライマー」という用語は、ポリヌクレオチド鋳型にハイブリダイズでき、第二ポリヌクレオチド鎖の酵素的合成を開始できる一本鎖DNAまたはRNA分子を指す。本発明による有用なプライマーは、10〜100ヌクレオチドの長さ、好ましくは17〜50ヌクレオチドの長さ、より好ましくは17〜45ヌクレオチドの長さである。
「相補的」とは、塩基対合を介した2つのポリヌクレオチド鎖の領域間または2つのヌクレオチド間における配列相補性の広義の概念を指す。アデニンヌクレオチドはチミンまたはウラシルヌクレオチドと特異的な水素結合(「塩基対合」)を形成できることが知られている。同様に、シトシンヌクレオチドはグアニンヌクレオチドと塩基対合できることが知られている。
「野生型」という用語は、天然の起源から単離された時の遺伝子または遺伝子産物の特性を持つ遺伝子または遺伝子産物を指す。対照的に、「改変された」または「突然変異の」という用語は、野生型の遺伝子または遺伝子産物と比較した時に特性の変化を示す遺伝子または遺伝子産物を指す。例えば、本発明の突然変異DNAポリメラーゼは、減少したウラシル検出活性を示すDNAポリメラーゼである。
本明細書において用いられる場合、「FEN-1ヌクレアーゼ」は、本発明による有用な耐熱性FEN-1エンドヌクレアーゼを指し、例えばM. jannaschii、P. furiosusおよびP. woeseiなどの「超好熱菌」から精製されたFEN-1エンドヌクレアーゼを含むが、それらに限定されない。参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,843,669号を参照せよ。
本発明の方法によると、増幅反応におけるFEN-1の添加は多点変異導入の効率を劇的に増加させる。400 ng〜4000 ngのFEN-1が各増幅反応において使用されうる。好ましくは400〜1000 ng、より好ましくは400〜600 ngのFEN-1が増幅反応において使用される。本発明の好ましい実施形態では、400 ngのFEN-1が使用される。
本明細書において用いられる場合、「Thermus DNAリガーゼ」は、多点変異導入増幅反応に使用され、環状の突然変異鎖を形成するために各変異プライマーの伸長によって合成された突然変異断片をライゲーションする耐熱性DNAリガーゼを指す。TthおよびTaq DNAリガーゼは補因子としてNADを必要とする。
好ましくは1〜20 UのDNAリガーゼが各増幅反応において使用され、より好ましくは2〜15 UのDNAリガーゼが各増幅反応において使用される。
好ましい実施形態では、15 UのTaq DNAリガーゼが増幅反応において使用される。Taq DNAリガーゼ補因子NADは、0〜1 mMの濃度、好ましくは0.02〜0.2 mM、より好ましくは0.1 mMで使用される。
本明細書において用いられる場合、「PCR促進因子」または「ポリメラーゼ促進因子(Polymerase Enhancing Factor)」(PEF)は、PCNA、RFC、ヘリカーゼ等(Hogrefeら、1997, Strategies 10:93-96; および米国特許第 6,183,997号、ともに参照により本明細書に組み入れられる)を含むがそれらに限定されない、ポリヌクレオチドポリメラーゼ促進活性を有する複合体またはタンパク質を指す。
本発明はまた、例えば米国特許第6,333,158号およびWO 01/09347 A2(参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されているように、アクセサリーファクターと併用した突然変異古細菌DNAポリメラーゼを企図する。
本明細書において用いられる場合、末端切断を含む突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損があり、アミノ酸1〜4、好ましくはアミノ酸1〜93、または最も好ましくはアミノ酸1〜337にN末端切断を含む、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する末端切断DNAポリメラーゼを指す。
1つの実施形態では、末端切断を含む突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損があり、少なくとも最初のN末端アミノ酸が削除され、最初の337 N末端アミノ酸以上は削除されない、または少なくとも最初の1〜7 N末端アミノ酸が削除され、最初の337 N末端アミノ酸以上は削除されないN末端切断を含む、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する末端切断DNAポリメラーゼを指す。
1つの実施形態では、末端切断を含む突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、アミノ酸1〜7、好ましくはアミノ酸1〜38、より好ましくはアミノ酸1〜93、より好ましくはアミノ酸1〜116、または最も好ましくはアミノ酸1〜136にN末端切断を含む、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有し、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する末端切断DNAポリメラーゼである。
別の実施形態では、末端切断を含む突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、少なくとも最初の1〜7 N末端アミノ酸が削除され、最初の136 N末端アミノ酸以上は削除されないN末端切断を含む、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有し、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する末端切断DNAポリメラーゼである。
本明細書において用いられる場合、内部欠失を伴う突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼの最初のN末端136アミノ酸内に1アミノ酸、2〜4アミノ酸、5〜10アミノ酸、10〜25アミノ酸、25〜50アミノ酸、50〜75アミノ酸、75〜100アミノ酸、または最も好ましくは136アミノ酸の内部欠失を含む、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼを指す。
別の実施形態では、内部欠失を伴う突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼに欠損があり、突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼの最初のN末端337アミノ酸内に1アミノ酸、1〜5アミノ酸、5〜10アミノ酸、10〜25アミノ酸、25〜50アミノ酸、50〜100アミノ酸、100〜150アミノ酸、150〜200アミノ酸、好ましくは200〜250アミノ酸、好ましくは250〜300アミノ酸、または最も好ましくは337アミノ酸の内部欠失を含む、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼを指す。
別の実施形態では、内部欠失を伴う突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有し、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有するDNAポリメラーゼであり、アミノ酸6〜8、アミノ酸36〜38、アミノ酸90〜97、およびアミノ酸111〜116の領域に1以上のアミノ酸の内部欠失を含む。
別の実施形態では、内部欠失を伴う突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはPfu DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損があり、アミノ酸6〜8、アミノ酸36〜38、アミノ酸90〜97、およびアミノ酸111〜116の領域に1以上のアミノ酸の内部欠失を含む、減少した塩基類似体検出活性、好ましくは減少したウラシル検出活性を有するDNAポリメラーゼである。
発明の詳細な説明
塩基の脱アミノ反応および他の塩基修飾は、例えば温度の上昇などのPCR反応条件の結果として大いに増加する。これは、Pfu、VentおよびDeep Vent DNAポリメラーゼなどの古細菌校正DNAポリメラーゼを最終的に阻害する、PCR反応中の塩基類似体(例えばウラシルまたはイノシン)の進行性の蓄積を引き起こし、それらの効率を大幅に制限する。
本発明は、減少した塩基類似体検出活性を有する古細菌DNAポリメラーゼの単離および解析のための方法を開示することによって、PCR反応の塩基類似体混入の問題に対する改善法を提供する。
本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼは、より少ないユニットのポリメラーゼの使用を提供し、より短い伸長時間を用いて行われるアッセイを可能にし、および/またはより高い収量やより長い産物の達成において更なる成功を提供しうる。
古細菌DNAポリメラーゼ
古細菌で同定された2つの異なるクラスのDNAポリメラーゼ、すなわち、1. ファミリーB/ pol I型(Pyrococcus furiosus由来のPfuのホモログ)および2. pol II型(P. furiosus DP1/DP2 2-サブユニットポリメラーゼのホモログ)がある。両クラスからのDNAポリメラーゼは、関連した5'-3'エキソヌクレアーゼ活性をもともと欠如しており、3'-5'エキソヌクレアーゼ(校正)活性を有することが示されている。適切なDNAポリメラーゼ(pol Iまたはpol II)は、求められるアッセイ温度と同程度の至適生育温度を持つ古細菌に由来し得る。
耐熱性古細菌DNAポリメラーゼは、Pyrococcus種(furiosus、種GB-D、woesii、abysii、horikoshii)、Thermococcus種(kodakaraensis KOD1、litoralis、種9 degrees North-7、種JDF-3、gorgonarius)、Pyrodictium occultum、およびArchaeoglobus fulgidusから単離される。適切な古細菌は>80〜85℃の最大生育温度または>70〜80℃の至適生育温度を示すであろうと推測される。古細菌pol I DNAポリメラーゼ群由来の適切なPCR酵素は市販されており、Pfu(Stratagene)、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies, Inc.)、Vent(New England BioLabs)、Deep Vent(New England BioLabs)、Tgo(Roche)、およびPwo(Roche)を含む。
上記に掲載したものと関連する更なる古細菌DNAポリメラーゼは、下記の参照文献、すなわちArchaea: A Laboratory Manual (Robb, F. T. およびPlace, A. R.編), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1995ならびにThermophilic Bacteria (Kristjansson, J. K.編) CRC Press, Inc., Boca Raton, Florida., 1992に記載されている。
従って本発明は、減少した塩基類似体検出活性を有するファミリーB/pol I型またはpol II型のいずれかの耐熱性古細菌DNAポリメラーゼを提供する。
Figure 2006507012
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突然変異DNAポリメラーゼ
本発明の1つの実施形態では、古細菌ポリメラーゼは、減少したウラシル塩基検出を有する突然変異ポリメラーゼである。
本発明の1つの実施形態では、突然変異DNAポリメラーゼは、配列番号17〜24より選択される核酸配列によってコードされ、ここで、93位置のアミノ酸残基バリンをコードするコドンは以下のコドン、すなわち、
アルギニンをコードするコドン: AGA、AGG、CGA、CGC、CGG、CGT、
グルタミン酸をコードするコドン: GAA、GAG、
アスパラギン酸をコードするコドン: GAT、GAC、
リジンをコードするコドン: AAA、AAG、
グルタミンをコードするコドン: CAA、CAG、
アスパラギンをコードするコドン: AAC、AAU
のうちの1つによって置換される。
1つの実施形態では、突然変異DNAポリメラーゼは、配列番号27〜34の配列より選択されるアミノ酸配列を持ち、ここで、93位置のバリンはアルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、グルタミンおよびアスパラギンのうちの1つによって置換される。
別法として、突然変異DNAポリメラーゼは、配列番号35に示されるような93位置のバリンの欠失を有するPfu DNAポリメラーゼ、あるいは、配列番号36に示されるような92位置のアスパラギン酸、93位置のバリン、および94位置のプロリンの欠失を有するPfu DNAポリメラーゼであってもよい。同様に、突然変異DNAポリメラーゼは、配列番号25に示されるような93位置のバリンをコードするコドンGTTの欠失を有するPfu DNAポリメラーゼ、あるいは、配列番号26に示されるような、それぞれ92、93、および94位置のアスパラギン酸、バリン、およびプロリン残基をコードする連続したコドンGAT、GTT、および CCCの欠失を有するPfu DNAポリメラーゼであってもよい。
II. 減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異DNAポリメラーゼの作製
クローニングされた野生型DNAポリメラーゼは、減少した塩基類似体検出活性を示す型を生成するために多くの方法によって改変されうる。これらは下記の方法および当技術分野において既知の他の方法を含む。任意の校正古細菌DNAポリメラーゼが、本発明の減少した塩基類似体検出活性を有するDNAポリメラーゼの作製のために使用され得る。
遺伝子改変-変異導入
様々な生物由来のDNAポリメラーゼの直接比較は、これらの酵素のドメイン構造が高度に保存されており、多くの場合、酵素の明確なドメインに対して特定の機能を指定できることを示す。例えば、約340アミノ酸に渡る6つの最も保存されたC末端領域は、同一の線状配列に位置し、金属およびdNTP結合部位ならびにDNA鋳型を保持する溝を形成し、従って重合機能に必須である、高度に保存されたモチーフを含む。別の例では、金属結合、一本鎖DNA結合および3'-5'エキソヌクレアーゼ反応の触媒作用に関与する、E. coli DNAポリメラーゼIにおいて重要な残基を含む3つのアミノ酸領域は、アミノ末端側の半分に位置し、いくつかの原核生物および真核生物のDNAポリメラーゼでの同一の線状配列に位置する。これらの保存された領域の配置は、減少した塩基類似体検出活性を有するが、例えばDNA重合および校正活性などの必須の機能を保存しているDNAポリメラーゼを作製するための、直接的な遺伝子改変における有用なモデルを提供する。
減少した塩基類似体検出活性を有するDNAポリメラーゼの好ましい作製方法は、遺伝子改変(例えば、野生型DNAポリメラーゼのDNA配列の改変)によるものである。DNA配列のランダム突然変異ならびに標的突然変異を可能にする多数の方法は当技術分野において知られている(例えば、Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology (1995) 第3版 John Wiley & Sons, Inc.を参照)。加えて、従来の方法およびPCRに基づく方法の両方を含む、部位指定変異導入のための多数の市販キットがある。例としては、Stratageneから入手できるEXSITE(商標) PCR-Based Site-directed Mutagenesis Kit(カタログ番号200502)およびStratageneからのQUIKCHANGE(商標) Site-directed mutagenesis Kit(カタログ番号200518)、またStratageneからのCHAMELEON(商標)double-stranded Site-directed mutagenesis kit(カタログ番号200509)を含む。
加えて、減少した塩基類似体検出活性を有するDNAポリメラーゼは、当業者に知られている方法に従って(N末端、内部もしくはC末端での)挿入変異または末端切断によって生成されうる。
当技術分野において既知の部位指定変異導入の旧来の方法は、突然変異されるべき配列の、一本鎖DNA鋳型の単離を可能にするM13バクテリオファージのようなベクターへのサブクローニングに依存する。これらの方法では、変異プライマー(すなわち、突然変異されるべき部位にアニーリングできるが、突然変異されるべき部位に1以上のミスマッチしたヌクレオチドを持つプライマー)を一本鎖の鋳型にアニーリングさせ、次に変異プライマーの3'末端から始まる鋳型の相補鎖を重合させる。その結果生じる二本鎖はその後、宿主細菌に形質転換され、望ましい突然変異についてプラークがスクリーニングされる。
より最近では、部位指定変異導入は、一本鎖の鋳型を必要としないという利点を持つPCR法を採用している。加えて、サブクローニングを必要としない方法が開発されている。PCRに基づく部位指定変異導入を行う場合、いくつかの問題を考慮しなければならない。第一に、これらの方法では、ポリメラーゼによって導入される望ましくない突然変異の拡大を防ぐために、PCRのサイクル数を減らすことが望ましい。第二に、反応中に残存する変異していない親分子の数を減らすために、選抜を用いなければならない。第三に、単一のPCRプライマー対の使用を可能にするために、広範な長さのPCR法が行われる。そして第四に、いくつかの耐熱性ポリメラーゼの鋳型非依存的な末端伸長活性のため、しばしば、PCRによって生成された突然変異産物の平滑末端ライゲーションの前の手順に末端削除ステップを組み込む必要がある。
下記のプロトコルは、以下のステップによってこれらの考慮すべき事項に対応している。第一に、用いられる鋳型濃度は従来のPCR反応で用いられるものより約1000倍高く、産物収量を著しく減少させることなく、サイクル数を25〜30から5〜10にまで減少させることを可能にする。第二に、E. coliの最も一般的な菌株ではDamが5-GATC-3配列でそれらのDNAをメチル化するので、制限エンドヌクレアーゼDpn I(認識標的配列: 5-Gm6ATC-3、ここでA残基はメチル化されている)が親DNAに対する選抜のために用いられる。第三に、長い(すなわち、プラスミド全長の)PCR産物の比率を増加させるために、PCR混合物にTaq Extenderが用いられる。最後に、T4 DNAリガーゼを用いた分子内ライゲーションの前にPCR産物の末端を削除するために、Pfu DNAポリメラーゼが用いられる。
減少したウラシル検出活性を示す突然変異古細菌DNAポリメラーゼの単離のための非限定的な例は、以下のとおりに詳述される。
プラスミド鋳型DNA(約0.5 pmole)を以下のものを含むPCR混合物に添加する。すなわち、1×変異導入バッファー(20 mM Tris HCl、pH 7.5; 8 mM MgCl2; 40μg/ml BSA); 12〜20 pmole の各プライマー(当業者は、必要に応じて、オリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング特性に影響を及ぼす塩基組成、プライマー長および意図するバッファー塩濃度などの要因を考慮して、変異プライマーを設計しうる;1つのプライマーは望ましい突然変異を含まなくてはならず、(同じまたは他方の)1つは後のライゲーションを容易にするために5'リン酸を持たなければならない)、各250μMのdNTP、2.5 U Taq DNAポリメラーゼ、および2.5 UのTaq Extender(Stratageneより入手可能。Nielsonら (1994) Strategies 7: 27 および米国特許第5,556,772号を参照せよ)。プライマーは、Matteucciら、1981, J. Am. Chem. Soc. 103:3185-3191(参照により本明細書に組み入れられる)のトリエステル法を用いて作製できる。別法として、例えばシアノエチルホスホアミダイト化学反応を用いたBiosearch 8700 DNA Synthesizerでの自動合成が選ばれうる。
PCRサイクルは以下の通り、すなわち、94℃で4分間、50℃で2分間および72℃で2分間の1サイクルに続いて、94℃で1分間、54℃で2分間および72℃で1分間の5〜10サイクルで行われる。親鋳型DNAおよび変異プライマーを取り込んでPCRによって生成された直鎖状DNAは、DpnI(10 U)およびPfu DNAポリメラーゼ(2.5 U)によって処理される。これは、in vivoでメチル化された親鋳型およびハイブリッドDNAのDpnI消化、ならびに直鎖状PCR産物での鋳型に指定されないTaq DNAポリメラーゼによる伸長塩基のPfu DNAポリメラーゼによる削除をもたらす。この反応は37℃で30分間インキュベーションされ、その後72℃に移され更に30分間インキュベーションされる。0.5 mM ATPを含む変異導入バッファー(1×を115μl)が、DpnI消化されPfu DNAポリメラーゼ削除を受けたPCR産物に添加される。その溶液を混合し、10μlを新しい微量遠心チューブに移し、T4 DNAリガーゼ(2〜4 U)を添加する。ライゲーションは37℃で60分間以上インキュベーションされる。最後に、処理された溶液を標準的な方法に従ってコンピテントE. coliに形質転換する。
1以上のランダムに位置する突然変異を有する突然変異体の一団を生じる、ランダム変異導入の方法が当技術分野に存在する。その後、このような突然変異体の一団は、野生型ポリメラーゼと比較して減少したウラシル検出活性を示すものについて(例えば、200μM dUTPの存在下で所定のDNAポリメラーゼの至適温度において30分間、10 nmoleのdNTPの重合体への取り込みを測定することによって)スクリーニングされうる。ランダム変異導入の方法の例は、いわゆる「エラープローン(error-prone)PCR法」である。名前が示す通り、この方法は、DNAポリメラーゼが高い忠実度の取り込みを支持しない条件下で、所定の配列を増幅する。異なるDNAポリメラーゼに対するエラープローン取り込みを促す条件は異なるが、当業者は与えられた酵素についてこのような条件を決定しうる。多くのDNAポリメラーゼにとって増幅の忠実度における重要な可変要因は、例えばバッファー中の二価金属イオンの種類および濃度である。従って、ポリメラーゼのエラー率に影響を与えるために、マンガンイオンの使用および/またはマグネシウムもしくはマンガンイオン濃度の変化が適用されうる。
変異導入によって生成された望ましい突然変異DNAポリメラーゼの遺伝子は、突然変異の部位および数を同定するために配列決定されうる。1以上の突然変異を有するそれらの突然変異体について、特定の突然変異の影響は、同定された突然変異を野生型遺伝子に部位指定変異導入によって導入することによって、特定の突然変異体が有する他の突然変異から隔離して評価されうる。このようにして生成された単独変異のスクリーニングアッセイは、その後、その突然変異のみの影響の決定を可能にする。
好ましい実施形態では、減少したウラシル検出活性を有する酵素は1以上の突然変異を含む古細菌DNAポリメラーゼに由来する。
好ましい実施形態では、減少したウラシル検出活性を有する酵素はPfu DNAポリメラーゼに由来する。
野生型Pfu DNAポリメラーゼのアミノ酸およびDNAコード配列は図7に示される(Genbank受け入れ番号P80061)。Pfu DNAポリメラーゼの構造および機能の詳細な説明は、いくつかの中でも特に米国特許第5,948,663号、5,866,395号、5,545,552号、5,556,772号で見いだすことができ、すべて参照により本明細書に組み入れられる。減少したウラシル検出活性を有するPfu DNAポリメラーゼを作製するための非限定的で詳細な方法は、実施例1において提供される。
本開示の利益を有する当業者は、Vent DNAポリメラーゼ、JDF-3 DNAポリメラーゼ、Tgo DNAポリメラーゼなどを含む他のexo+ DNAポリメラーゼに由来する、減少したウラシル検出活性を有するポリメラーゼが、本発明の組成物に適切に使用されうることを認識するであろう。特に本発明は、V93に1以上の突然変異を含むTgo、JDF-3およびKODより選択され、減少したウラシル検出活性を明示するDNAポリメラーゼを提供する。
本発明の組成物の酵素は、まだ単離されていないDNAポリメラーゼを含みうる。
本発明の好ましい実施形態では、突然変異Pfu DNAポリメラーゼはV93アミノ酸位置にアミノ酸置換を持つ。好ましい実施形態では、本発明の突然変異Pfu DNAポリメラーゼは、93アミノ酸位置でバリンからアルギニン、バリンからグルタミン酸、バリンからリジン、バリンからアスパラギン酸、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む。
本発明は更に、93アミノ酸位置でバリンからアルギニン、バリンからグルタミン酸、バリンからリジン、バリンからアスパラギン酸、バリンからグルタミン、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを提供する。特に、図6は減少した塩基類似体検出活性を有する本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼを示す。
本発明によれば、減少したウラシル検出活性を有するV93突然変異Pfu DNAポリメラーゼは、V93 Pfu DNAポリメラーゼの1以上の更なる活性、例えばDNA重合活性または3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を減少または除去する1以上の更なる突然変異を含みうる。1つの実施形態では、本発明によるV93突然変異Pfu DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼに3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損をもたらす1以上の突然変異を含む。別の実施形態では、本発明によるV93突然変異Pfu DNAポリメラーゼは、V93 Pfu DNAポリメラーゼのDNA重合活性での1以上の突然変異を含む。
別の実施形態では、突然変異古細菌DNAポリメラーゼは、反応性を増加させる、および/または、耐塩性を増加させるポリペプチドを更に含むキメラである。本発明による有用なポリペプチドおよびキメラの作製方法は、WO 01/92501 A1およびPavlovら、2002, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 99:13510-13515に記載されている。両参照文献はその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明は、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら; 2001年12月21日出願); 係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら; 2002年2月20日出願); 係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら; 2002年7月30日出願); および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら; 2002年8月23日出願)(それらの内容はその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されているように、DNA重合を減少させる1以上の突然変異を含む、減少したウラシル検出活性を有するV93R突然変異Pfu DNAポリメラーゼを提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、減少したDNA重合活性および減少したウラシル検出活性を有するV93R/ G387P、V93E/ G387P、V93D/G387P、V93K/G387PおよびV93N/G387P二重変異Pfu DNAポリメラーゼを提供する。
本発明は更に、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら; 2000年10月27日出願)に開示されているように、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を減少または削除する1以上の突然変異を含む、減少したウラシル検出活性を有するV93R、V93E、V93D、V93KおよびV93N突然変異Pfu DNAポリメラーゼを提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、減少した3'-5'エキソヌクレアーゼ活性および減少したウラシル検出活性を有するV93R/D141A/E143A三重変異Pfu DNAポリメラーゼを提供する。
本発明は更に、古細菌DNAポリメラーゼの塩基類似体検出活性を増加または削除しうる1以上の突然変異の組合せを提供する。
更なる突然変異を含むDNAポリメラーゼは、当技術分野においてよく知られている方法および本明細書に記載される方法に従って、鋳型DNA分子としてPfu DNAポリメラーゼまたはPfu V93R cDNAを用いた部位指定変異導入によって生成される。
減少したDNA重合活性を有するPfu DNAポリメラーゼの生成に使用される方法は、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら; 2001年12月21日出願); 係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら; 2002年2月20日出願); 係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら; 2002年7月30日出願); および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら; 2002年8月23日出願)に開示され、その内容はその全体が本明細書に組み入れられる。
D141AおよびE143A突然変異を含む 3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損JDF-3 DNAポリメラーゼの生成に使用される方法は、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら; 2000年10月27日出願)に開示されている。V93 Pfu DNAポリメラーゼcDNAおよび係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら; 2000年10月27日出願)の教示を有する当業者は、確立された部位指定変異導入法によって、係属中の米国特許出願第09/698,341号に開示されているように、対応するD141AおよびE143A突然変異の両方または他の3'-5'エキソヌクレアーゼ突然変異をV93 Pfu DNAポリメラーゼcDNAに導入するのに何ら困難を持たないであろう。
本発明によるキメラを作製する方法は、WO 01/92501 A1およびPavlovら、2002, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 99:13510-13515に記載されている。両参照文献はその全体が本明細書に組み入れられる。
1つの実施形態では、Pfu突然変異体は、米国特許第5,489,523号(参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるように発現および精製される。
III. 減少した塩基類似体検出活性について突然変異体を評価する方法
当技術分野で知られているようにまたは本明細書に記載されるように生成され、細菌で発現されるランダム突然変異体または部位指定突然変異体は、いくつかの異なるアッセイによって、減少したウラシル検出活性についてスクリーニングされうる。突然変異体および野生型酵素の発現のための実施形態は本明細書において記載される。1つの方法では、例えばLambda ZapII(登録商標)に基づく発現ベクターによる宿主細菌の感染によって生成される、溶菌性ラムダファージプラークで発現されるexo+ DNAポリメラーゼタンパク質は、メンブレン支持体に転写される。固定化したタンパク質はその後、取り込みを観測するためにDNA鋳型および従来とは異なるヌクレオチドを含むバッファー中にメンブレンを浸すことによって、メンブレン上でポリメラーゼ活性についてアッセイされる。
突然変異ポリメラーゼライブラリーは、Sagnerら(Sagner, G., Ruger, R.,およびKessler, C. (1991) Gene 97:119-123)によって使用された技術の変形形態を用いてスクリーニングされうる。このアプローチのために、ラムダファージクローンを10〜20プラーク/cm2の濃度で播種し、レプリカプレートを作製する。プラークに存在するタンパク質をフィルターに転写し、ポリメラーゼスクリーニングバッファー(50 mM Tris (pH 8.0)、7 mM MgCl2、3 mM β-ME)に浸す。宿主細胞のタンパク質を65℃で30分間のインキュベーションにより加熱不活性化する間、フィルターをプラスチックラップとガラスの層の間に保持する。次に、熱処理したフィルターを新しいプラスチックラップに移し、1平方センチメートルのフィルターに対して約35μlのポリメラーゼアッセイ混合物を添加する。アッセイ混合物は、1×クローン化Pfu(cPfu)マグネシウムフリーバッファー(1×バッファーは20 mM Tris-HCl (pH 8.8)、10 mM KCl、10 mM (NH4)2SO4、100μg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)および0.1%Triton X-100; PfuマグネシウムフリーバッファーはStratagene(カタログ番号200534)から入手されうる)、125 ng/mlの活性化した仔ウシ胸腺DNAまたはサケ精子DNA、200μM dATP、200μM dGTP、200μM dCTPならびに5μCi/ml α-33P dCTPおよび200μM dUTPまたは200μM dTTPからなる。複製した2枚のフィルターをプラスチックラップとガラスプレートの間に置き、65℃で1時間インキュベーションし、その後70℃で1時間15分インキュベーションする。次に、フィルターを2×SSC中で1回の洗浄につき5分間で3回洗浄し、100%エタノールで2回すすぎ、真空乾燥する。その後、フィルターはX線フィルムに(約16時間)露光され、200μM dUTPまたは200μM dTTPの存在下で標識を取り込むプラークは、ファージクローンを有する元のプレートとフィルターを並べることによって同定される。この方法で同定されたプラークは、より希釈した濃度で再度播
種され、精製されたプラークの単離を可能にするために、同様の条件下でアッセイされる。
上述のようなアッセイでは、標識によって生じるシグナルは、200μM dTTPの存在下での同一の突然変異ポリメラーゼのポリメラーゼ活性と比較した、200μM dUTPの存在下でのポリメラーゼの重合活性の直接測定である。その後、野生型酵素と比較して減少したウラシル検出活性を有する突然変異DNAポリメラーゼを含むプラークが同定でき、更に、200μM dUTPの存在下での鋳型依存的DNA合成を測定するプライマー伸長アッセイにおいて検査され得る。例えば、Hogrefeら、2001, Methods in Enzymology, 343:91-116に記載されているように、1μlの適切に希釈した細菌抽出物(すなわち、クローン化ポリメラーゼまたは突然変異したクローン化ポリメラーゼを発現している細菌細胞の熱処理・清澄化抽出物)を、10μlの各ヌクレオチド混合物(200μM dATP、200μM dGTP、200μM dCTPならびに5μCi/ml α-33P dCTP、3H-dCTPおよび200μM dUTPまたは200μM dTTP、活性化した仔ウシ胸腺DNA, 1×の適切なバッファー(上記参照))に添加し、続いて至適温度で30分間(例えばPfu DNAポリメラーゼでは73℃)インキュベーションする。その後、伸長反応を氷上で急冷し、5μl分液を直ちにDE81イオン交換フィルター(2.3 cm; Whatman #3658323)上に滴下する。取り込まれなかった標識を2×SCC(0.3M NaCl、30 mM クエン酸ナトリウム、pH 7.0)で6回洗浄することによって除去し、続いて100%エタノールで短時間洗浄する。その後、取り込まれた放射活性をシンチレーション計数によって測定する。「全cpm」(フィルターの洗浄段階を省略する)および「最低cpm」(上述のようにフィルターを洗浄する)を測定するために、酵素を含まない反応もまた、サンプルのインキュベーションとともに用意される。結合したcpm(cpms bound)は、細菌抽出物の容量当たりに存在するポリメラーゼ活性の量に比例する。dUTPの存在下で有意な放射活性を取り込むことができる突然変異体が、更なる解析のために選択される。
ウラシル認識の減少を伴う突然変異DNAポリメラーゼはまた、100%dUTPの存在下でPCR産物を合成できるものとしても同定され得る(実施例3参照)。
「ウラシル検出」活性はまた、Greaggら、(1999) Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 9045-9050によって記載されているように、単一ウラシル鋳型におけるロングレンジ・プライマー伸長アッセイを用いても決定され得る。簡潔には、アッセイは、ポリリンカークローニング部位に渡るpUC 19断片のPCR増幅によって生成される119-merの鋳型を必要とする。PCRプライマーの配列は:
Figure 2006507012
Figure 2006507012
および
Figure 2006507012
である。
一方の鎖の末端から23塩基にUまたはTヌクレオチドのいずれかを取り込んでいる119-merオリゴヌクレオチドは、プライマーCおよびプライマーAまたはプライマーBのいずれかを用いて、標準的なPCR条件下でTaqポリメラーゼによって合成された。PCR産物はその後、アガロースゲルで精製され、Qiagenカラムによって抽出される。
ロングレンジ・プライマー伸長のために、反応バッファー中で65℃に加熱することによりプライマーCを119-bp PCR産物の一方の鎖にアニーリングさせ、室温まで冷却する。dNTP、[α-[32P] dATP、および5ユニットのDNAポリメラーゼ(Pfu、Taqおよび検査される突然変異Pfu DNAポリメラーゼ)を、20μlの最終容量になるように(各ポリメラーゼの供給業者によって指定されるように)ポリメラーゼ反応バッファーに添加し、反応は55℃で60分間行うことができる。反応生成物は変性アクリルアミドゲルでの電気泳動を受け、Fuji FLA-2000リン光撮像装置で取り込まれ、記録される。その後、好熱性古細菌Pyrococcus furiosus由来のDNAポリメラーゼ(Pfu)および検査される突然変異Pfu DNAポリメラーゼの、単一デオキシウリジンを含む鋳型を横切ってプライマーを伸長する能力が測定され、直接比較される。
IV. 本発明による野生型または突然変異酵素の発現
本発明によるDNAポリメラーゼの突然変異型(すなわち第二酵素)を発現、単離するために、当技術分野において既知の方法が利用されうる。本明細書に記載される方法はまた、本発明において有用な野生型酵素(例えば第一酵素)の発現のためにも利用できる。多くの細菌性発現ベクターは、外来配列によってコードされるタンパク質の高レベルの誘導性発現を可能にする配列エレメントまたは配列エレメントの組合せを含む。例えば、上述のように、組み込まれた誘導性のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を発現している細菌は、T7プロモーターに連結された突然変異DNAポリメラーゼ遺伝子を持つ発現ベクターによって形質転換されうる。適切な誘導剤、例えば、lac誘導性プロモーターのためのイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によるT7 RNAポリメラーゼの誘導は、T7プロモーターからの突然変異遺伝子の高レベルの発現を誘導する。
適切な細菌の宿主菌株は、当業者によって当技術分野で入手可能なものより選択されうる。非限定的な例として、E. coli株BL-21は、他のE. coli株と比較してプロテアーゼに欠損があるため、外因性のタンパク質の発現のために一般的に使用される。誘導性のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を持つBL-21株は、WJ56およびER2566を含む(Gardner & Jack, 1999, 上述)。特定のポリメラーゼ遺伝子でのコドン使用頻度が通常E. coli遺伝子において見られるものと異なる場合のために、より低頻度のアンチコドンを有するtRNAをコードするtRNA遺伝子(例えば、argU、ileY、leuW、およびproL tRNA遺伝子)を持つように改変されたBL-21株があり、クローン化されたタンパク質遺伝子、例えば、クローン化された古細菌酵素遺伝子の高い効率での発現を可能にしている(例えば、レアコドンtRNAを有するいくつかのBL21-CODON PLUSTM細胞株がStratageneから入手可能である)。
本発明の改変されたDNAポリメラーゼの精製に適切な、当業者に知られている多数の方法がある。例えば、Lawyerら(1993, PCR Meth. & App. 2: 275)の方法は、本来Taqポリメラーゼの単離のために設計されたので、E. coliで発現されたDNAポリメラーゼの単離によく適している。別法として、Kongら(1993, J. Biol. Chem. 268: 1965, 参照により本明細書に組み入れられる)の方法が使用されてもよく、それは、宿主タンパク質を破壊するための熱変性段階、ならびに(DEAEセファロースおよびヘパリンセファロースカラムによる)2つのカラム精製段階を用いて、高い活性を持ち約80%の純度のDNAポリメラーゼを単離する。更に、DNAポリメラーゼ突然変異体は、硫安分画に続くQセファロースおよびDNAセルロースカラムによって、または混入物質のHiTrap Qカラムへの吸着に続くHiTrapヘパリンカラムからの勾配溶出によって、単離されうる。
本発明は更に、改良された逆転写酵素活性を有する1以上の更なる突然変異を含む、突然変異V93R、V93E、V93D、V93KまたはV93N Pfu DNAポリメラーゼを提供する。
本発明は更に、減少した塩基類似体検出活性を有するV93古細菌突然変異DNAポリメラーゼまたはV93 Pfu突然変異DNAポリメラーゼが、例えばG387P(ポリメラーゼ マイナス)のようなDNA重合活性を減少させる、または例えばD141A/E143A(3'-5'エキソヌクレアーゼマイナス)のような3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を減少させる更なる突然変異を含む、組成物を提供する。本発明は更に、本明細書に記載されるように、キメラである突然変異古細菌ポリメラーゼを含む組成物を提供する。
本発明は、古細菌突然変異DNAポリメラーゼまたはPfu突然変異DNAポリメラーゼが表2に記載されるように混合された組成物を提供する。
Figure 2006507012
本発明は更に、減少した塩基類似体検出活性を有する任意の古細菌突然変異DNAポリメラーゼまたはPfu突然変異DNAポリメラーゼが
a)Pfu G387P(ポリメラーゼマイナス)、
b)Taqポリメラーゼ、
c)PEF、
d)(WO 01/92501 A1またはPavlovら、上述に記載されるような)Pfuポリメラーゼキメラ、
e)本明細書に記載されるような突然変異古細菌Pfuポリメラーゼキメラ、
f)Pfu g387P/V93R二重変異体
のいずれかと混合された組成物を提供する。
本発明はまた、以下を含むがそれらに限定されない更なる組成物を含む、V93突然変異古細菌DNAポリメラーゼまたはV93突然変異Pfu DNAポリメラーゼ、好ましくはV93Rの混合物を提供する。すなわち、
A.)PCR促進因子(PEF)と混合された組成物、
B.)PEFを含むまたは含まない、(任意の比率だが、好ましくはTaqに対してより高いPfu突然変異体の比率で)Taqと混合された組成物、
C.)(より忠実度の高いPCRのための)Pfu G387P、Pfu G387P/V93R、G387P/V93E、Pfu G387P/V93D、Pfu G387P/V93KまたはG387P/V93N突然変異体と混合された組成物、
D.)(多点部位指定変異導入のための)Thermus DNAリガーゼおよびFEN-1と混合された組成物、
E)(WO 01/92501 A1またはPavlovら、上述に記載されるような)Pfuポリメラーゼキメラまたは本明細書に記載されるような突然変異古細菌Pfuポリメラーゼキメラと混合された組成物、
F.)(Bornsら(2001) Strategies 14, 5-8ページおよび、市販のキット、Stratageneカタログ番号600320に添付の使用説明書に記載されるホットスタートPCRのために)特異性を増加させるための抗体、GC-rich PCRのためのDMSO、または(Stratageneカタログ番号600201で市販の)より高い特異性のための一本鎖DNA結合タンパク質のような添加剤と混合した組成物
である。
本発明はまた、本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、dUTPおよびウラシルN-グリコシラーゼの組合せを含む混合物をも企図する。
本発明は更に、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら; 2001年12月21日出願); 係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら; 2002年2月20日出願); 係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら; 2002年7月30日出願); および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら; 2002年8月23日出願)(その内容はその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるように、Taq(5 U/μl)、組み換えPEF(4 U/μl)、およびPfu G387P/V93R、E、N、D、KまたはN突然変異体(40 ng/μl)の混合物を含むEasy A組成物と併用される、減少した塩基類似体検出活性を有する本発明の古細菌DNAポリメラーゼを提供する。2.5 U/μlすなわち約20〜50 ng/μlの減少した塩基類似体検出活性を有するクローニングされた古細菌DNAポリメラーゼとともに用いる場合、Taq:Pfu比は好ましくは1:1、またはより好ましくは2:1以上である。
V. 本発明の応用
1つの態様では、本発明は、本発明の組成物を用いたDNA合成方法を提供する。一般的にポリヌクレオチドの合成は、合成プライマー、合成鋳型、新たに合成されるポリヌクレオチドに取り込まれるためのポリヌクレオチド前駆体(例えばdATP、dCTP、dGTP、dTTP)等を必要とする。ポリヌクレオチド合成を実施するための詳細な方法は、当業者によく知られており、例えば、Molecular Cloning第2版、Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)に見いだすことができる。
A. 増幅反応における応用
「ポリメラーゼ連鎖反応」すなわち「PCR」は、特定のポリヌクレオチド鋳型配列を増幅するin vitroでの方法を指す。PCRの技術は、PCR: A Practical Approach, M. J. McPhersonら、IRL Press (1991), PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innisらによる、Academic Press (1990)、およびPCR Technology: Principals and Applications for DNA Amplification, H. A. Erlich, Stockton Press (1989)を含む、多数の出版物に記載されている。PCRはまた、米国特許第4,683,195号; 4,683,202号; 4,800,159号; 4,965,188号; 4,889,818号; 5,075,216号; 5,079,352号; 5,104,792号; 5,023,171号; 5,091,310号; および5,066,584号を含む多くの米国特許にも記載され、その各々は参照により本明細書に組み入れられる。
本発明により提供される利点の理解を容易にするためにPCRの要約を示す。PCR反応は一連の温度サイクルの反復を含み、通常50〜100μlの容量で行われる。反応混合物はdNTP(4つのデオキシヌクレオチドdATP、dCTP、dGTP、およびdTTPのそれぞれ)、プライマー、バッファー、DNAポリメラーゼ、ならびにポリヌクレオチド鋳型を含む。PCRは、増幅されるべき二本鎖の標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする2つのプライマーを必要とする。PCRでは、この二本鎖の標的配列が変性され、1つのプライマーは変性された標的の各鎖にアニーリングされる。プライマーは互いに離れた部位で、一方のプライマーの伸長産物がその相補鎖から解離している時、他方のプライマーとハイブリダイズできるような方向で、標的ポリヌクレオチドにアニーリングする。一旦与えられたプライマーが標的配列にハイブリダイズすると、プライマーはDNAポリメラーゼの作用によって伸長される。その後、伸長産物は標的配列から変性され、その過程が繰り返される。
この過程の連続サイクルでは、より早期のサイクルで生成された伸長産物はDNA合成のための鋳型となる。第二サイクルの初めに、増幅産物は対数的速度で蓄積し始める。増幅産物は、第一プライマーの配列を含み最終的には第二プライマーに相補的な配列に続く第一鎖と、第一鎖に相補的な第二鎖を含む、個々の二本鎖DNA分子である。
PCR過程により可能な膨大な増幅のために、高いDNAレベルのサンプル、陽性対照の鋳型からの、または以前の増幅からの少量のDNA持ち越しは、意図的に添加された鋳型DNAの不存在下でもPCR産物を生じ得る。可能であれば、すべての反応混合物を、PCR産物の解析およびサンプル調製から隔離された区域で調製する。RNA/DNA調製、反応の混合、およびサンプルの解析のための、専用のまたは使い捨ての容器、溶液、およびピペット(好ましくはポジティブディスプレイスメントピペット)の使用は、交差汚染を最小限に抑える。また、HiguchiおよびKwok, 1989, Nature, 339:237-238、ならびにInnis ら編、1990, PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc., San Diego, Calif.でのKwokおよびOrrego(参照により本明細書に組み入れられる)も参照せよ。
本明細書において提供される酵素はまた、dUTP を取り込むPCR酵素を必要とするdUTP/UNG除去法にも有用である(Longoら、上述)。
加えて、ウラシル感受性を減少させる突然変異は、ロングレンジ増幅(より高い収量、より長い増幅標的)の成功率を改善すると期待される。ウラシル検出を排除する突然変異はまた、古細菌DNAポリメラーゼのエラー率をも増加させるであろうと予想される。もし、ウラシル停止が(シトシン脱アミノ反応に起因する)前変異原性ウラシルに対面した際に合成を妨げることによって忠実度に寄与するならば、その結果、ウラシル非感受性突然変異体はより高いGC→TA転位突然変異率を示すと思われる。従って、最適なPCRの性能および忠実度は、ウラシル非感受性古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体に、耐熱性エキソヌクレアーゼ(例えば、ポリメラーゼを減少させた校正DNAポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼIII)または忠実度を増加させた更なる突然変異のいずれかを加えることにより達成されうることが想定される。
1. 耐熱性酵素
PCR増幅のために、本発明において使用される酵素は耐熱性であることが好ましい。本明細書において用いられる場合、「耐熱性」は熱に対して安定であり、熱に対して抵抗性であり、例えば50〜90℃の高温で機能する酵素を指す。本発明による耐熱性酵素は、増幅反応に有効な単一基準を満たさなくてはならない。すなわち、その酵素は、二本鎖ポリヌクレオチドの変性を起こすために必要な時間高温に曝された時、不可逆的に変性(失活)してはならない。この文脈において用いられる場合、「不可逆的な変性」は、永続的で完全な酵素活性の喪失をもたらす過程を意味する。変性に必要な加熱条件は、例えばバッファー塩濃度ならびに変性されるポリヌクレオチドの長さおよびヌクレオチド組成に依存するが、一般的には、より短いポリヌクレオチドに対する85℃から105℃の範囲に渡り、主に温度およびポリヌクレオチドの長さに依存した時間、一般的には、より短いポリヌクレオチドに対する0.25分から、より長いDNA断片に対する4.0分の範囲に渡る。より高い温度は、バッファー塩濃度および/またはポリヌクレオチドのGC組成が増加する際に許容されうる。好ましくは、酵素は90〜100℃で不可逆的に変性されない。本発明による不可逆的に変性されない酵素は、増幅反応の間、少なくとも10%、または少なくとも25%、または少なくとも 50%以上の機能または活性を保持する。
2. PCR反応混合物
本発明の酵素混合物に加えて、当業者は合成/増幅反応の忠実度を増加させるための他のPCRパラメータも使用しうる。PCR忠実度がdNTP濃度、反応当たりに使用される酵素のユニット、pH、および反応中に存在するMg2+のdNTPに対する比率の変化などの要因によって影響されうることが報告されている(Mattilaら、1991、上述)。
Mg2+濃度はプライマー・鋳型相互作用を安定化することによりオリゴヌクレオチドプライマーの鋳型DNAへのアニーリングに影響を及ぼし、それはまた、ポリメラーゼの鋳型・プライマーとの複製複合体も安定化する。従ってそれはまた、非特異的アニーリングを増加させ、望ましくないPCR産物を生成し得る(ゲル中に複数のバンドを呈する)。非特異的増幅が起こる場合、Mg2+を低下させる必要があるか、またはMg2+をキレート化するためにEDTAを添加することができ、増幅の正確さおよび特異性を増加させる。
Mn2+またはCo2+のような他の二価陽イオンもまた、DNAの重合に影響を及ぼし得る。各DNAポリメラーゼに適した陽イオンは当技術分野において知られている(例えば、DNA Replication第2版、上述)。二価陽イオンはMgCl2、Mg(OAc)2、MgSO4、MnCl2、Mn(OAc)2、またはMnSO4などの塩の形で供給される。使用に適したTris-HClバッファー中の陽イオン濃度は、MnCl2では0.5〜7 mM、好ましくは0.5〜2 mMであり、MgCl2では0.5〜10 mMである。使用に適したBicine/KOAcバッファー中の陽イオン濃度は、Mn(OAc)2では1〜20 mM、好ましくは2〜5 mMである。
DNAポリメラーゼに必要とされる一価陽イオンは、カリウム、ナトリウム、アンモニウムまたはリチウムの塩化物塩または酢酸塩のいずれかによって供給されうる。至適濃度は反応に使用されるポリメラーゼに依存して変化しうるが、KClでは、その濃度は1〜200 mM、好ましくはその濃度は40〜100 mMである。
デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)は、二ナトリウム塩またはリチウム塩などのdATP、dCTP、dGTP、dUTP、およびdTTP塩の溶液として添加される。ヌクレオチドの至適濃度は全dNTP および二価金属イオン濃度、ならびにバッファー、塩、特定のプライマー、および鋳型に依存してPCR反応において変化しうるが、本方法では、各々1μM〜2 mMの範囲の最終濃度が適切であり、100〜600μMが好ましい。より長い産物、すなわち1500 bp以上の産物のために、Tris-HClバッファーを用いる場合、各500μMのdNTPが好ましいであろう。
dNTPは二価陽イオンをキレート化し、そのために、使用される二価陽イオンの量は反応中のdNTP濃度に応じて変化する必要がありうる。過剰量の(例えば、1.5 mM以上の)dNTPはエラー率を増加させ得るものであり、DNAポリメラーゼを阻害するおそれがある。dNTPの(例えば、10〜50μMへの)低下は、従ってエラー率を減少させうる。より大きいサイズの鋳型を増幅するためのPCR反応は、より多くのdNTPを必要としうる。
1つの適切な緩衝剤は、pHは8.0〜8.8の範囲でありうるが、好ましくはpH 8.3のTris-HClである。Tris-HCl濃度は、10〜100 mMが最も好ましいが、5〜250 mMである。好ましい緩衝剤は、pHは7.8〜8.7の範囲でありうるが、好ましくはpH 8.3のBicine-KOH である。BicineはpHバッファーおよび金属バッファーの両方として機能する。Tricineもまた使用されうる。
PCRはDNA増幅のための非常に強力な手段であり、従って非常に少量の鋳型DNAしか必要としない。しかし、いくつかの実施形態では、過剰な鋳型は混入物質の量を増加させ効率を減少させうるが、エラーの可能性を減少させるためにより高いDNA濃度が使用されうる。
通常、最大で3μMまでのプライマーが使用されうるが、鋳型に対して高いプライマーの比率は非特異的な増幅およびプライマーダイマーの形成を引き起こし得る。従って、プライマーダイマーの形成を避けるためにプライマー配列を確認することが、通常必要である。
本発明は、鋳型中のシトシン脱アミノ反応の影響を最小限にすることによって、およびより高い変性時間と変性温度の使用を可能にすることによって、GCに富むDNA鋳型のPCRを増進する、減少したウラシル検出活性を有するPfu V93R、V93E、V93K、V93D、またはV93N DNAポリメラーゼを提供する。
3. サイクルパラメータ
鋳型のGC含量が高い場合、変性時間は増加されうる。高いGC含量を有するプライマーまたはより長いプライマーに対して、より高いアニーリング温度が必要とされうる。グラジエントPCRはアニーリング温度を決定する有用な方法である。伸長時間は、より長いPCR産物の増幅のためには延長されるべきである。しかし、酵素に対する損傷を制限することが可能な場合にはいつでも、伸長時間を減少させる必要がある。
鋳型DNA数が非常に少ない場合にはサイクル数は増加され、多量の鋳型DNAが用いられる場合にはサイクル数は減少され得る。
4. PCR促進因子および添加剤
PCR促進因子はまた、増幅の効率を改善するために使用されうる。本明細書において用いられる場合、「PCR促進因子」すなわち「ポリメラーゼ促進因子」(PEF)は、ポリヌクレオチドポリメラーゼ促進活性を有する複合体またはタンパク質を指す(Hogrefeら、1997, Strategies 10:93-96; および米国特許第6,183,997号、ともに参照により本明細書に組み入れられる)。Pfu DNAポリメラーゼのために、PEFは天然型のP45(P50およびP45の複合体として)または組み換えタンパク質としてのいずれかを含む。Pfu P50およびP45の天然複合体では、P45のみがPCR促進活性を示す。P50タンパク質は細菌のフラビンタンパク質の構造と類似している。P45タンパク質はdCTPデアミナーゼおよびdUTPアーゼの構造と類似しているが、dUTPをdUMPとピロリン酸に変換するdUTPアーゼとしてのみ機能する。本発明によるPEFは、以下からなる群より選択され得る。すなわち、古細菌起源(例えばPyrococcus furiosus)から得られる単離または精製された天然に生じるポリメラーゼ促進タンパク質; Pfu P45と同一のアミノ酸配列を有する完全合成タンパク質もしくは部分合成タンパク質、またはポリメラーゼ促進活性を有するそのアナログ; 1以上の前記の天然タンパク質または完全合成タンパク質もしくは部分合成タンパク質のポリメラーゼ促進混合物; 1以上の前記の天然タンパク質または完全合成タンパク質もしくは部分合成タンパク質のポリメラーゼ促進タンパク質複合体; あるいは、1以上の前記の天然タンパク質を含む部分精製されたポリメラーゼ促進細胞抽出物(米国特許第6,183,997、上述)である。PEFのPCR促進活性は当技術分野においてよく知られている方法によって定義される。PEFのユニット定義はPEF(P45)のdUTPアーゼ活性に基づき、dUTPからのピロリン酸(PPi)の生成を観測することによって測定される。例えば、PEFがdUTPをdUMPとPPiに加水分解する間、PEFはdUTP(1×クローン化Pfu PCRバッファー中10 mMのdUTP)とともにインキュベーションされる。形成されたPPiの量は、Sigma(#P7275)から市販されている共役酵素アッセイシステムを用いて定量される。1ユニットの活性は、(85℃で)1時間当たりに形成される4.0 nmoleのPPiとして機能的に定義される。
他のPCR添加剤もまた、PCR反応の正確さおよび特異性に影響を及ぼしうる。0.5 mM以下のEDTAは増幅反応混合物中に存在しうる。Tween-20(商標)およびNonidet(商標)P-40などの界面活性剤は酵素希釈バッファー中に存在する。約0.1%以下の非イオン性界面活性剤の最終濃度が適切であるが、0.01〜0.05%が好ましく、ポリメラーゼ活性を阻害しないであろう。同様に、グリセロールはしばしば酵素調製品中に存在し、一般的に反応混合物中で1〜20%の濃度に希釈される。グリセロール(5〜10%)、ホルムアミド(1〜5%)またはDMSO(2〜10%)は、高いGC含量を持つまたは長い(例えば、>1 kb)鋳型DNAのためのPCRに添加され得る。これらの添加剤は、プライマー・鋳型ハイブリダイゼーション反応のTm(融解温度)およびポリメラーゼ酵素の耐熱性を変化させる。BSA(最大0.8μg/μlまで)はPCR反応の効率を改善できる。ベタイン(0.5〜2M)もまた、高いGC含量および長いDNA断片のPCRに有用である。塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC、>50 mM)、塩化テトラエチルアンモニウム(TEAC)、およびトリメチルアミン N-オキシド(TMANO)もまた使用されうる。上述の各添加剤の至適濃度を決定するために、テストPCR反応が実施されうる。
本発明は、抗体(ホットスタートPCRのため)およびssb(より高い特異性)を含むがそれらに限定されない添加剤を提供する。本発明はまた、例えば米国特許第6,333,158号およびWO 01/09347 A2(参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されているような、アクセサリーファクターと併用した突然変異古細菌DNAポリメラーゼを企図する。
様々な特異的PCR増幅の応用が当技術分野において利用できる(総説について、例えば、Erlich, 1999, Rev Immunogenet., 1:127-34; Prediger 2001, Methods Mol. Biol. 160:49-63; Jurecicら、2000, Curr. Opin. Microbiol. 3:316-21; Triglia, 2000, Methods Mol. Biol. 130:79-83; MaClellandら、1994, PCR Methods Appl. 4:S66-81; AbramsonおよびMyers, 1993, Current Opinion in Biotechnology 4:41-47を参照。その各々は参照により本明細書に組み入れられる)。
本発明は、i)非特異的増幅を減少させるホットスタートPCR; ii)非特異的PCR産物を減少させるために、高いアニーリング温度で開始され、その後次第にアニーリング温度を減少させるタッチダウンPCR; iii)外側のプライマー対と内側のプライマー対を用いて、より信頼性のある産物を合成するネステッド(nested) PCR; iv)既知の配列と隣接している領域の増幅のためのインバース(inverse) PCR(この方法では、DNAを消化し、所望の断片をライゲーションによって環状にし、その後、既知の配列に相補的なプライマーを用いたPCRで外側に伸長する); v)AP-PCR(任意のプライマーを用いる)/RAPD(ランダムに増幅された多型DNA)(これらの方法は、任意のオリゴヌクレオチドを用いた増幅により、ほとんど知られていない標的配列を有する種からゲノムフィンガープリントを作製する); vi)その後のPCRに用いられるcDNAを合成するために、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)を用いるRT-PCR(この方法は、組織または細胞における特定の配列の発現を検出するために非常に高感度である。それはまたmRNA転写産物の定量のためにも使用されうる); vii)RACE(cDNA末端の高速増幅)(これはDNA/タンパク質配列についての情報が限定されている場合に用いられる。この方法は、それぞれ1つだけの特異的プライマー(と1つのアダプタープライマー)を用いてcDNAの断片を生じ、cDNA の3'または5'末端を増幅する。重複するRACE産物はその後、組み合わせて完全長cDNAを生成することができる); viii)異なる組織において発現の異なる遺伝子を同定するために用いられるDD-PCR(ディファレンシャル・ディスプレイPCR)(DD-PCRの第一段階はRT-PCRを含み、その後、短い、意図的に非特異的なプライマーを用いて増幅が行われる); ix)同一の検体において2つ以上の特異的なDNA配列の標的が同時に増幅される、多重PCR(1つのDNA配列はPCRの質を検証するための対照として使用され得る); x)同一のプライマー対について標的DNAと競合する(競合PCR)、(しかし異なるサイズの)内部対照DNA配列を使用する、Q/C-PCR(定量/比較); xi)遺伝子を合成するために使用される、再帰的(Recursive) PCR(この方法に使用されるオリゴヌクレオチドは、長く伸びた遺伝子(>80塩基)に相補的で、交互に(約20塩基の)末端重複を有するセンスおよびアンチセンス鎖に相補的である); xii)非対称(Asymmetric) PCR; xiii)In Situ PCR; xiv)部位指定PCR変異導入を含むがそれらに限定されない、PCRの適用に使用され得る。
本発明は特定の増幅システムに限定されないことが理解されるべきである。他のシステムが開発された場合、それらのシステムは本発明の実施により利点を受けうる。
B. PCR増幅産物の直接クローニングにおける応用
本発明の酵素を用いて生成された増幅産物は当技術分野において既知の任意の方法によってクローニングできることが理解される。1つの実施形態では、本発明は、PCR増幅産物の直接クローニングを可能にする組成物を提供する。
PCR産物のクローニングのための最も一般的な方法は、隣接した制限部位をプライマー分子の末端に組み込むことを含む。PCRサイクルを実行し、次に、増幅DNAを精製し、適切なエンドヌクレアーゼで切断し、適合するベクター調製品にライゲーションする。
PCR産物の直接クローニングのための方法は、制限認識配列を持つプライマーを調製する必要性をなくし、クローニングのためにPCR産物を調製するための制限酵素処理段階の必要性をなくす。更に、このような方法は、介在する精製段階なしで直接PCR産物のクローニングを可能にすることが好ましい。
米国特許第5,827,657号および5,487,993号(本明細書にその全体が組み入れられる)は、PCRで生成される核酸の3'末端に付加される単一の3'-デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)残基を利用する、DNAポリメラーゼを用いたPCR産物の直接クローニングのための方法を開示する。ベクターは、適切な制限酵素を用いた反応によって単一の3'-デオキシチミジン一リン酸(dTMP)残基を与える認識配列を用いて調製される。従って、PCRで生成された遺伝子のコピーは、そのなかに適切な制限部位を有するプライマーを調製する必要性なしに、ベクターに直接クローニングすることができる。
Taq DNAポリメラーゼは、鋳型の不存在下においてPCR産物の3’末端に単一のdATPを付加するターミナルトランスフェラーゼ活性を示す。この活性は、Taqによって増幅されたPCR産物が単一の3'dT突出を有するベクターに直接ライゲーションされるTAクローニング法の基盤である。一方、Pfu DNAポリメラーゼはターミナルトランスフェラーゼ活性を欠如し、従って、平滑末端のベクターに効果的にクローニングされる平滑末端のPCR産物を生成する。
1つの実施形態では、本発明は、減少したウラシル検出活性を有する突然変異DNAポリメラーゼの存在下で生成され、続いてdATPの存在下72℃で15〜30分間 Taq DNAポリメラーゼとともにインキュベーションされたPCR産物を提供する。その結果、増幅DNA産物の末端への3'-dAMPの付加が、当業者によく知られている方法によるTAクローニングベクターへのクローニングを可能にする。
C. DNA配列決定における応用
本発明は更に、プライマー伸長反応を触媒するための、減少した塩基類似体検出活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを用いたジデオキシヌクレオチドDNA配列決定法を提供する。ジデオキシヌクレオチドDNA配列決定法は当技術分野でよく知られており、米国特許第5,075,216号、4,795,699号および5,885,813号において開示され、その内容はその全体が本明細書に組み入れられる。
D. 変異導入における応用
本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、好ましくはV93R Pfu DNAポリメラーゼはまた、PCRに基づくまたは線形増幅に基づく変異導入の効果の向上を提供する。従って本発明は、部位指定変異導入のために減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼの使用、および例えばQuikChange Site-directed Mutagenesis、QuikChange Multi-Site-Directed Mutagenesis(Stratagene)などの市販のキットへのそれらの組み込みを提供する。部位指定変異導入法および試薬は、係属中の米国特許出願第10/198,449号(Hogrefeら; 2002年7月18日出願)において開示され、その内容はその全体が本明細書に組み入れられる。本発明はまた、Mutazyme(PEFと組み合わせたexo-Pfu、GeneMorph Kit)を含む。GeneMorph kitは係属中の米国特許出願第10/154,206号(2002年5月23日出願)において開示され、その内容はその全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書において企図されるすべての突然変異古細菌DNAポリメラーゼは、PCRおよびRT-PCRに有用である。
VI. キット
本明細書の発明はまた、本発明の組成物の1以上の容器を有する包装単位を含むキット形式をも企図し、いくつかの実施形態では、PCRでの合成を含むポリヌクレオチド合成のために用いられる様々な試薬の容器を含む。キットはまた、1以上の以下の品目、すなわち、ポリヌクレオチド前駆体、プライマー、バッファー、使用説明書、および対照を含みうる。キットは、本発明による方法を実施するために適切な比率で混合された試薬の容器を含みうる。試薬容器は好ましくは、本発明の方法を実施する際に測定段階を不要にする単位量で試薬を含む。
本発明は、本発明の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、dUTPおよびウラシルN-グリコシラーゼの組合せを含むキットを企図する。
実施例1
減少したウラシル検出を有するPfu DNAポリメラーゼ突然変異体の構築
ウラシル検出を減少させる一方、ポリメラーゼまたは校正活性に最小限の影響を及ぼすと思われる突然変異をPfu DNAポリメラーゼに導入した。変異導入に使用されるDNA鋳型は、pBluescriptにクローニングされたPfu pol遺伝子(米国特許第5,489,523号に記載されるpF72クローン)を含んだ。QuikChangeまたはQuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用いて、点突然変異を導入した。QuikChange kitを用いて、変異プライマー対を用いて点突然変異を導入した(V93E、H、K、R、およびN)。QuikChange Multi kitを用いて、1つのリン酸化された変異プライマーの取り込みによって、または縮重コドン(V93GおよびL)の取り込みにより作製されたPfu V93変異体のライブラリーからのランダム突然変異体の選抜によって、特定の点突然変異を導入した。突然変異の組み込みを同定するために、クローンを配列決定した。
結果。Pfu DNAポリメラーゼのバリン93は、図1に記載されたQuikChangeプライマー配列を用いて、グリシン(G)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、グルタミン酸(E)、ヒスチジン(H)、およびロイシン(L)で置換された。
実施例2
突然変異Pfu DNAポリメラーゼを含む細菌抽出物の調製
プラスミドDNAはStrataPrep(登録商標)Plasmid Miniprep Kit(Stratagene)によって精製され、BL26-CodonPlus-RIL細胞を形質転換するために使用された。アンピシリン耐性コロニーを、Turbo Amp(商標)(100μg/μl)およびクロラムフェニコール(30μg/μl)を含む1〜5リットルのLB培地中で、穏やかに通気しながら30℃で培養した。細胞を遠心分離によって回収し、使用するまで-80℃で保存した。
細胞ペレット(12〜24グラム)を3倍容量の溶解バッファー(バッファーA: 50 mM Tris HCl (pH 8.2)、1 mM EDTA、および10 mM βME)に再懸濁した。リゾチーム(1 mg/g細胞)およびPMSF(1 mM)を添加し、細胞を4℃で1時間溶解した。細胞混合物を超音波処理し、残渣を15,000 rpmで30分間(4℃で)の遠心分離によって除去した。Tween 20およびIgepal CA-630を0.1%の最終濃度で添加し、上清を72℃で10分間加熱した。その後、熱変性したE. coliタンパク質を15,000 rpmで30分間(4℃で)の遠心分離によって除去した。
実施例3
PCRによるdUTP取り込みの評価
部分精製したPfu突然変異体調製品(熱処理した細菌抽出物)を、PCRの間のdUTP取り込みについてアッセイした。この実施例では、Pfu pol遺伝子を含む 2.3 kbの断片は、PCRプライマー:
Figure 2006507012
および
Figure 2006507012
を用いてプラスミドDNAから調製された。増幅反応は、1×クローン化Pfu PCRバッファー、7 ngプラスミドDNA、各100 ngのプライマー、2.5 UのPfu突然変異体(または野生型Pfu)、ならびに各200μMのdGTP、dCTP、およびdATPで構成された。相対的なdUTP取り込みを評価するために、様々な量のdUTP(0〜400μM)および/またはTTP(0〜200μM)をPCR反応混合物に添加した。増幅反応は実施例6に記載されるようなサイクルで行われた。
結果。V93EおよびV93R突然変異体の部分精製調製品は、野生型Pfuと比較して改善されたdUTP取り込みを示した(図2a)。各突然変異体は、200μM dUTP(および各200μMのTTP、dATP、dCTP、dGTP)の存在下で2.3 kbの標的の増幅に成功した。一方、Pfu V93N、V93G、V93H、およびV93L突然変異体を含む抽出物は、野生型Pfuと同様に、200μM dUTPの存在下でほとんどあるいはまったく増幅を示さなかった(データは示さない)。更なる検査は、Pfu V93R 突然変異体抽出物が100%dUTPの存在下(0%TTP)で2.3 kbの標的を増幅することを示した(図2b)。
実施例4
Pfu DNAポリメラーゼ突然変異体の精製
Pfu突然変異体の細菌による発現。Pfu突然変異体は、米国特許第5,489,523号(exo-Pfu D141A/E143A DNAポリメラーゼ突然変異体の精製)に記載されるように、または下記のように精製され得る。清澄化、熱処理した細菌抽出物は、バッファーB(バッファーA に0.1%(v/v) Igepal CA-630、および0.1%(v/v) Tween 20を加えたもの)で平衡化したQ-Sepharose(商標)Fast Flow column(約20 mlカラム)でクロマトグラフ分画された。流出画分が回収され、次にバッファーC(pH 7.5である以外、バッファーBと同一)で平衡化したP11リン酸セルロースカラム(約20 ml)に直接重層された。カラムを洗浄し、その後、0〜0.7M KCl勾配/バッファーC で溶出した。Pfu DNAポリメラーゼ突然変異体を含む画分(SDS-PAGEにより95 kD)は、バッファーD(50 mM Tris HCl (pH 7.5)、5 mM βME、5%(v/v)グリセロール、0.2%(v/v) Igepal CA-630、0.2%(v/v) Tween 20、および0.5M NaCl)に対して一晩透析され、その後、バッファーDで平衡化したハイドロキシアパタイトカラム(約5 ml)にアプライされた。カラムを洗浄し、Pfu DNAポリメラーゼ突然変異体を、400 mM KPO4、(pH 7.5)、5 mM βME、5%(v/v)グリセロール、0.2%(v/v) Igepal CA-630、0.2%(v/v) Tween 20、および0.5M NaClを含むバッファーD2で溶出した。精製したタンパク質はCentricon YM30 装置を用いて遠心濃縮され、Pfu 最終透析バッファー(50 mM Tris-HCl (pH 8.2)、0.1 mM EDTA、1 mM ジチオスレイトール (DTT)、50%(v/v)グリセロール、0.1%(v/v) Igepal CA-630、および0.1%(v/v) Tween 20)に交換された。
タンパク質サンプルは、Tris-Glycine 4-20%アクリルアミド勾配ゲルを用いたSDS-PAGEによってサイズ、純度、および概算濃度について評価された。ゲルは銀染色またはSypro Orange(Molecular Probes)によって染色された。タンパク質濃度はBCA assay (Pierce)を用いてBSA標準(Pierce)と比較して測定された。
結果: Pfu突然変異体V93EおよびV93Rは、SDS-PAGEによって測定されたように約90%の純度に精製された。
実施例5
Pfu 突然変異ポリメラーゼのユニット濃度および比活性の測定
精製されたPfu突然変異体調製品のユニット濃度はPCRによって測定された。このアッセイでは、500 bp lacZ標的がトランスジェニックマウスゲノムDNAからフォワードプライマー:
Figure 2006507012
およびリバースプライマー:
Figure 2006507012
を用いて増幅される。増幅反応は、1×クローン化Pfu PCRバッファー、100 ngゲノムDNA、各150 ngのプライマー、各200μMのdNTP、および様々な量の野生型Pfu(1.25 U〜5 U)またはPfu突然変異体(0.625〜12.5 U)のいずれかで構成された。増幅は、RoboCycler(登録商標)温度サイクラー(Stratagene)を用いて以下のプログラム、すなわち、(1サイクル)95℃で2分間;(30サイクル)95℃で1分間、58℃で1分間、72℃で1.5分間;(1サイクル)72℃で7分間によって行われた。PCR産物はエチジウムブロマイドを含む1%アガロースゲルで検査された。
結果。図3は、精製したPfu V93RおよびV93E突然変異体のタンパク質濃度、ユニット濃度、および比活性を記載した表を含む。
精製された突然変異体はまた、実施例3に記載された方法により、PCRの間のdUTP取り込みを評価するために再度アッセイされた。図4は、Pfu V93R突然変異体が100%TTP(レーン8)、50%TTP: 50%dUTP(レーン5)、および100%dUTP(レーン7)の存在下で同様の収量の500 bp増幅産物を生成するが、一方、Pfu V93E突然変異体は100%TTP(レーン1)および50%TTP: 50%dUTP(レーン3)の存在下で高い収量を生成し、100%dUTP(レーン4)の存在下ではより低い収量を生成することを示す。対照的に、クローン化したPfuは100%TTP(レーン12)の存在下においてのみ増幅可能である。これらの結果は、V93RおよびV93E突然変異が野生型Pfuと比較して有意にdUTP取り込みを改善し、V93R突然変異がウラシル検出の減少に関してV93E突然変異を上回るらしいことを示唆する。
実施例6
精製したPfu突然変異体によるPCR増幅
PCR反応は、標準的な条件下で、クローン化Pfu PCRバッファー(10 mM KCl、10 mM (NH4)2SO4、20 mM Tris HCl (pH 8.8)、2 mM MgSO4、0.1%Triton X-100および100μg/ml BSA)中で、様々な量のクローン化Pfu、PfuTurbo、または突然変異Pfu DNAポリメラーゼによって行われた。0.3〜9 kbの長さのゲノム標的に対して、PCR反応は100 ngのヒトゲノムDNA、各200μMのdNTP、および100 ngの各プライマーを含んだ。>9 kbの長さのゲノム標的に対して、PCR反応は250 ngのヒトゲノムDNA、各500μMのdNTP、および200 ngの各プライマーを含んだ。
Figure 2006507012
結果。dUTP取り込みを改善し、従ってウラシル検出を減少させる突然変異がまた、PCRの性能をも改善するかどうかを決定するために、比較を行った。図5では、12 kbの標的がkb当たり2分の伸長時間を用いてヒトゲノムDNAから増幅された。これらの条件下で、1 U、2 U、および4 UのPfu V93R突然変異体は標的の増幅に成功したが、一方、同じ量のクローン化Pfuは増幅できなかった。比較して、PfuTurboは長い標的の増幅に成功したが、PCR産物の収量はV93R突然変異体によって生成されたものより著しく低下した(図5)。kb当たり1分の伸長時間を用いた同様の実験は、12 kbの標的が5 Uおよび10 U のPfu V93Rにより高い収量で増幅でき、10 UのPfuTurboにより低い収量で増幅された(データは示さない)。全体として、これらの結果は、V93R突然変異がPfu DNAポリメラーゼのPCRの性能を劇的に改善することを実証する。
精製したPfu V93E突然変異体の同様の検査は、V93E突然変異がdUTP取り込みを改善するが(図2)、0.6 Uから10 Uの間の酵素量を用いてアッセイした場合、この突然変異体は長い12 kbの増幅産物を増幅できるほど強力ではない(データは示さない)ことを示した。比較して、その産物は10 UのPfuTurboを用いて増幅に成功した(データは示さない)。
図8は、dUTP取り込みにおける更なるPfu突然変異の結果を示す。Pfu V93KおよびV93R突然変異体は、野生型Pfuと比較して顕著に改善されたdUTP取り込みを示す。対照的に、Pfu V93W、V93 V93W、V93YおよびV93M突然変異体はほとんどあるいはまったくdUTP取り込みの改善を示さなかった(図8A参照)。加えて、V93DおよびV93R突然変異体の両方は野生型と比較して顕著に改善されたdUTP取り込みを示した(図8B)が、一方、V93N突然変異は非常に低いdUTP取り込みの改善を示した(図8C)。Pfu V93G突然変異はほとんどあるいはまったくdUTP取り込みの改善を示さなかった。
実施例7
減少したウラシル検出を有するTgo、JDF-3、およびKOD DNAポリメラーゼ突然変異体の構築
QuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用いて、Tgo、JDF-3、およびKOD DNAポリメラーゼのV93に突然変異を導入した。本発明は、減少したウラシル検出を有するPfu、Tgo、JDF-3およびKOD DNAポリメラーゼ突然変異体の構築および評価を記載する。古細菌のファミリーB型DNAポリメラーゼ間の比較的高度の同一性に基づき、Pfuにおいてウラシル感受性を減少させる6種の突然変異(V93Q、R、K、E、D、およびN)を、Tgo、JDF-3およびKOD DNAポリメラーゼに導入した。図10は、使用されたプライマー配列を記載する。突然変異の組み込みを確認するためにクローンを配列決定した。
バリン93はグルタミン(Q)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、リジン(K)、グルタミン酸(E)、およびアスパラギン酸(D)によって置換された。
実施例8
Pfu DNAポリメラーゼ欠失および挿入突然変異体の構築
挿入および欠失は、QuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用いて、Pfu DNAポリメラーゼのV93周辺の領域に導入された。図10は有用な突然変異の作製に使用されたプライマー配列を記載する。突然変異の組み込みを確認するためにクローンを配列決定した。
以下のPfu 突然変異体が構築された。すなわち、93、92、94、92-93、93-94、および92-94残基の欠失、ならびに残基92と93との間に1、2、または3残基のグリシンの挿入である。
実施例9
突然変異DNAポリメラーゼを含む細菌抽出物の調製
プラスミドDNAはStrataPrep(登録商標)Plasmid Miniprep Kit(Stratagene)によって精製され、BL26-CodonPlus-RIL細胞を形質転換するために使用された。アンピシリン耐性コロニーを、Turbo Amp(商標)(100μg/μl)およびクロラムフェニコール(30μg/μl)を含む1〜5リットルのLB培地中で穏やかに通気しながら30℃で培養した。細胞を遠心分離によって回収し、使用するまで-80℃で保存した。
細胞ペレット(12〜24グラム)を3倍容量の溶解バッファー(バッファーA: 50 mM Tris HCl (pH 8.2)、1 mM EDTA、および10 mM βME)に再懸濁した。リゾチーム(1 mg/g細胞)およびPMSF(1 mM)を添加し、細胞を4℃で1時間溶解した。細胞混合物を超音波処理し、残渣を15,000 rpmで30分間(4℃で)の遠心分離によって除去した。Tween 20およびIgepal CA-630を0.1%の最終濃度で添加し、上清を72℃で10分間加熱した。その後、熱変性したE. coliタンパク質を15,000 rpmで30分間(4℃で)の遠心分離によって除去した。
実施例10
PCRによるウラシル感受性の評価
部分精製した古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体調製品(熱処理した細菌抽出物)を、PCRによってウラシル感受性についてアッセイした。下記の表4は、用いられたPCRプライマー配列およびサイクル条件を要約する。
Figure 2006507012
ウラシル感受性において有意な減少を有する突然変異体を同定するために、100%dUTP存在下で、ゲノムDNAまたはラムダDNAから0.6 kb、0.97 kb、2.6 kb、または6 kbの断片が増幅された。<6kbの標的を用いたPCRは、1×PCRバッファー(Pfu突然変異体に対してはStratageneのクローン化Pfuバッファー; JDF-3突然変異体に対してはStratageneのTaq2000バッファー; Tgo突然変異体に対してはRocheのTgoバッファー; KOD突然変異体に対してはNovagenのKOD Hi Fiバッファー)、50ngのラムダDNAまたは100ngのゲノムDNA、100ngの各プライマー、2μlの突然変異抽出物(または2.5Uの精製DNAポリメラーゼ)、ならびに各200μMのdGTP、dCTP、dATPおよび200μM dUTPもしくは200μM TTPのいずれかで構成された。6kbのゲノム標的を用いたPCRは、1.5×PCRバッファー、240ngのゲノムDNA、200ngの各プライマー、2μlの突然変異抽出物(または2.5Uの精製DNAポリメラーゼ)、ならびに各500μMのdGTP、dCTP、dATPおよび500μM dUTPもしくは500μM TTPのいずれかで構成された。増幅反応は、上記の表に記載されるように、RoboCycler(0.6kb、0.97kb)またはPE9600(2.6kb、6kb)温度サイクラーを用いて行われた。
DNAポリメラーゼ突然変異体調製品はまた、PCRの間のdU-プライマー利用に関してアッセイされた。dUTPの不存在下(100%TTP)または存在下(0%TTP)で増幅を行い、ウラシル感受性の相対的な程度を決定した。この実施例では、970bpの断片がdUを含むプライマー(FU/RU)またはTを含むプライマー(FT/RT)を用いてラムダDNAから増幅された。増幅反応は、1×PCRバッファー、50ngのラムダDNA、100ngの各プライマー、2μlの突然変異抽出物(または2.5Uの精製DNAポリメラーゼ)、ならびに各200μMのdGTP、dCTP、dATPおよび200μM dUTPもしくは200μM TTPのいずれかで構成された。増幅反応は表4に記載されるようにRoboCyclerで行われた。
結果。
KOD: dUを含むプライマーとTTPとを用いた970bp増幅産物の増幅の成功によって証明されるように、KOD V93D、E、K、Q、およびRの部分精製調製品は減少したウラシル感受性を示した(図11)。一方、野生型KODおよびKOD V93N突然変異体は、dU-プライマーとTTPとを用いて増幅することができなかった。KOD V93KおよびV93R突然変異体のみが、100%dUTP存在下での増幅の成功によって示されるように、完全もしくはほぼ完全なウラシル感受性の削除を示した(図11)。一方、KOD V93D、E、およびQの置換は、これらの突然変異体は100%dUTPの存在下で増幅することができないので、部分的にウラシル感受性を減少させるだけである。
PCRアッセイを用いて相対的なウラシル感受性を決定するための論理的根拠は、以下の通りである。dU-プライマーによる増幅の成功は、ウラシル感受性の減少が、(プライマーアニーリング部位を形成する)PCRプライマー中の9個のウラシルを通り過ぎて突然変異体による重合を可能にするのに十分であることを示す。しかし、100%dUTP存在下での増幅に成功する突然変異体は、鋳型鎖中の多数のウラシル(鎖当たり約230個のウラシル; 25%のT含量で合成される925bpの断片)を通り過ぎて重合しなければならないので、ウラシル感受性を欠如またはほぼ完全に欠如しているはずである。
Tgo: Tgo V93R突然変異体のみが100%dUTP存在下で0.97kb増幅産物の増幅に成功し(図12)、アルギニン置換がウラシル感受性の減少に最も効果的であることを示した。
JDF-3: JDF-3 V93RおよびV93K突然変異体のみが100%dUTP存在下で0.97kb増幅産物の増幅に成功し(図12)、アルギニンおよびリジン置換がウラシル感受性の減少に最も効果的であることを示した。100%dUTPによる産物の収量は100%TTPによる収量より著しく低下し、JDF-3においてV93R突然変異はウラシル感受性を完全には削除しないことを示した(図13)。一方、Pfu V93R、Tgo V93R、およびKOD V93RはTTPおよびdUTPによって同様の収量を生成し、ウラシル感受性がほぼ完全に削除されることを示した。
Pfu欠失。本発明者らは、V93を中心にしてPfuに欠失(92、93、94、92-93、93-94、92-94)および挿入(D92とV93との間に1〜3個のグリシン)を構築した。PfuデルタV93およびデルタD92-V93-P94突然変異体のみが、ウラシル感受性の減少を示した(図14)。0.6kb、2.6kb、および6kbのゲノム増幅産物の増幅に基づいて、相対的なウラシル感受性は以下のように決定された。すなわち、(最も低い感受性/最も高いdUTP取り込み)Pfu V93R>Pfuデルタ93>Pfuデルタ92-94>野生型Pfu(最も高い感受性/dUTP取り込みを示さない)である。
本明細書において引用されたすべての特許、特許出願、出版された参考文献は、引用によりその全体が本明細書に組み入れられる。本発明は特にその好ましい実施形態について示し、記載しているが、様々な形態および詳細の変更が、添付した請求項によって含まれる本発明の範囲から逸脱することなく行われうることは、当業者により理解されるであろう。
図1は、QuikChange Mutagenesisのためのオリゴヌクレオチドプライマーを示す(配列番号6〜14、43〜55)。 図2(a)は、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したV93EおよびV93R突然変異体のdUTPの取り込みを示す。図2(b)は、100%dUTPの存在下での Pfu V93R突然変異体抽出物のPCR増幅を示す。 図3は、精製したPfu V93RおよびV93E突然変異体のタンパク質濃度、ユニット濃度、および比活性を示す。 図4は、異なるTTP:dUTP濃度比の存在下での、Pfu DNAポリメラーゼ突然変異体およびwt酵素のPCR増幅の有効性の比較を示す。 図5は、Pfu DNAポリメラーゼ突然変異体およびwt酵素の「長い」PCR増幅の有効性の比較を示す。 図6Aは、突然変異古細菌DNAポリメラーゼのDNA配列、図6Bは、突然変異古細菌DNAポリメラーゼのアミノ酸配列、図6Cは、突然変異Tgo DNAポリメラーゼのDNAおよびアミノ酸配列を示す。 図7は、野生型Pfu DNAポリメラーゼのDNAおよびアミノ酸配列を示す。 図8は、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したPfu突然変異体のdUTP取り込みを示す。図8Aは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したPfu突然変異体V93W、V93Y、V93M、V93KおよびV93RのdUTP取り込みを示す。図8Bは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したPfu V93DおよびV93R突然変異体のdUTP取り込みを示す。図8Cは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したPfu V93NおよびV93G突然変異体のdUTP取り込みを示す。 図9は、Pfu DNAポリメラーゼN末端切断型突然変異体のDNAポリメラーゼ活性を示す。 図10は、QuikChange Mutagenesisのためのオリゴヌクレオチドプライマーを示す(配列番号56〜74)。 図11は、KOD V93ポリメラーゼ突然変異体のDNAポリメラーゼ活性を示す。 図12は、Tgo V93 DNAポリメラーゼ突然変異体のDNAポリメラーゼ活性、およびJDF-3 V93ポリメラーゼ突然変異体との比較を示す。 図13は、JDF-3ポリメラーゼ突然変異体のDNAポリメラーゼ活性を示す。 図14は、Pfuポリメラーゼ欠失突然変異体のDNAポリメラーゼ活性を示す。
【配列表】
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Claims (76)

  1. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換、またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  2. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換、またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがKOD、およびJDF-3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  3. 該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼ。
  4. 該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼ。
  5. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがKODおよびJDF-3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  6. 前記突然変異DNAポリメラーゼが387アミノ酸位置にグリシンからプロリンへの置換(G387P)を更に含み、前記突然変異DNAポリメラーゼに減少したDNA重合表現型をもたらす、請求項1、2、または3のいずれか1項に記載の突然変異DNAポリメラーゼ。
  7. 前記突然変異DNAポリメラーゼが141アミノ酸位置でのアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)および143アミノ酸位置でのグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を更に含み、前記突然変異DNAポリメラーゼに3'-5'エキソヌクレアーゼの欠損をもたらす、請求項1、2、または3のいずれか1項に記載の突然変異DNAポリメラーゼ。
  8. 前記突然変異DNAポリメラーゼが反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを更に含むキメラである、請求項1、2、または3のいずれか1項に記載の突然変異DNAポリメラーゼ。
  9. 欠失または挿入を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  10. 前記ポリメラーゼがD92、V93、およびP94の1以上の欠失を含む、請求項9に記載の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  11. 前記ポリメラーゼがD92、V93、およびP94の1以上の位置での欠失を含むPfu DNAポリメラーゼを含む、請求項9に記載の突然変異古細菌DNAポリメラーゼ。
  12. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換、またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  13. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換、またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがKOD、およびJDF-3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  14. 該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  15. 該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  16. 前記ヌクレオチド配列が387アミノ酸位置にグリシンからプロリンへの置換(G387P)を更に含み、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼに減少したDNA重合表現型をもたらす、請求項12または15のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  17. 141アミノ酸でのアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)および143アミノ酸位置でのグルタミン酸からアラニンへの置換(E143A)をコードするヌクレオチド配列を更に含み、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼに3'-5'エキソヌクレアーゼ欠損表現型をもたらす、請求項12または15のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  18. 反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを更にコードするキメラをコードするヌクレオチド配列を更に含む、請求項12または15のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  19. 挿入または欠失を含む突然変異古細菌DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  20. 前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがD92、V93、およびP94の1以上をコードするコドンの欠失を含む、請求項19に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  21. 前記ポリヌクレオチドがD92、V93、またはP94の1以上の位置での欠失を含むPfu DNAポリメラーゼをコードする、請求項18に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  22. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む組成物。
  23. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがKOD、およびJDF-3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む組成物。
  24. 該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼを含む組成物。
  25. 該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼを含む組成物。
  26. 該突然変異DNAポリメラーゼが反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを含むキメラである、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む組成物。
  27. 該突然変異DNAポリメラーゼが挿入または欠失を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含む組成物。
  28. 前記突然変異DNAポリメラーゼがD92、V93、およびP94の1以上の欠失を含む、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記ポリメラーゼがD92、V93、またはP94の1以上の位置での欠失を含むPfu DNAポリメラーゼを含む、請求項27に記載の組成物。
  30. Taq DNAポリメラーゼを更に含む、請求項22〜27のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 前記Taq DNAポリメラーゼが前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼより2倍、5倍、10倍または100倍低い濃度である、請求項30に記載の組成物。
  32. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項22、23、24、25、26、または27のいずれか1項に記載の組成物。
  33. PfuG387P DNAポリメラーゼまたはPfu G387P/V93RもしくはG387P/V93EもしくはG387P/V93K、G387P/V93D、もしくはG387P/V93N二重変異DNAポリメラーゼを更に含む、請求項22、23、24、25、26、または27のいずれか1項に記載の組成物。
  34. TaqならびにG387P/V93R、G387P/V93D、G387P/V93E、G387P/V93KおよびG387P/V93Nからなる群より選択される突然変異古細菌DNAポリメラーゼを更に含む、請求項22、23、24、25、26、または27のいずれか1項に記載の組成物。
  35. PEFを更に含む、請求項34に記載の組成物。
  36. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項34に記載の組成物。
  37. Pfu V93R/D141A/E143A、V93E/D141A/E143A、V93K/D141A/E143A、V93D/D141A/E143A、またはV93N/D141A/E143A三重変異体を含む組成物。
  38. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項37に記載の組成物。
  39. Thermus DNAリガーゼまたはFEN-1ヌクレアーゼを更に含む、請求項22、23、24、25、26、または27のいずれか1項に記載の組成物。
  40. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項39に記載の組成物。
  41. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
  42. 該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼ、およびそのためのパッケージング材料を含み、前記ポリメラーゼがKODおよびJDF-3 からなる群より選択されるキット。
  43. 該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼ、およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
  44. 該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼを含むキット。
  45. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項41、42、43、または44のいずれか1項に記載のキット。
  46. Taq DNAポリメラーゼを更に含む、請求項41、42、43、または44のいずれか1項に記載のキット。
  47. 前記Taq DNAポリメラーゼが前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼより2倍、5倍、10倍または100倍低い濃度である、請求項46に記載のキット。
  48. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項47に記載のキット。
  49. Pfu G387単独変異またはPfu G387P/V93RもしくはG387P/V93EもしくはG387P/V93KもしくはG387P/V93DもしくはG387P/V93N二重変異DNAポリメラーゼを更に含む、請求項41、42、43、または44のいずれか1項に記載のキット。
  50. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項49に記載のキット。
  51. Thermus DNAリガーゼ、FEN-1ヌクレアーゼまたはPCR促進因子および/もしくは添加剤ならびにそのためのパッケージング材料を更に含む、請求項41、42、43、または44のいずれか1項に記載のキット。
  52. 該突然変異DNAポリメラーゼが反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを含むキメラである、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを含むキット。
  53. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項52に記載のキット。
  54. Thermus DNAリガーゼ、FEN-1ヌクレアーゼまたはPCR促進因子および/もしくは添加剤ならびにそのためのパッケージング材料を更に含む、請求項52に記載のキット。
  55. DNA合成の方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記酵素を核酸鋳型と接触させ、前記酵素がDNA合成を可能にすること、
    を含む方法。
  56. DNA合成の方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記ポリメラーゼがKODおよびJDF-3からなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記酵素を核酸鋳型と接触させ、前記酵素がDNA合成を可能にすること、
    を含む方法。
  57. DNA合成の方法であって、
    (a)該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記酵素を核酸鋳型と接触させ、前記酵素がDNA合成を可能にすること、
    を含む方法。
  58. DNA合成の方法であって、
    (a)該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記酵素を核酸鋳型と接触させ、前記酵素がDNA合成を可能にすること、
    を含む方法。
  59. 前記DNA合成がdUTPの存在下で行われる、請求項55〜58のいずれか1項に記載の方法。
  60. DNA合成産物をクローニングする方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼを核酸鋳型と接触させ、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがDNA合成を可能にして、合成DNA産物を生成すること、
    (c)前記合成DNA産物をクローニングベクターに挿入すること、
    を含む方法。
  61. DNA合成産物をクローニングする方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換、バリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記ポリメラーゼがKODおよびJDF-3からなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼを核酸鋳型と接触させ、前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼがDNA合成を可能にして、合成DNA産物を生成すること、
    (c)前記合成DNA産物をクローニングベクターに挿入すること、
    を含む方法。
  62. DNA合成産物をクローニングする方法であって、
    (a)該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼを核酸鋳型と接触させ、前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼがDNA合成を可能にして、合成DNA産物を生成すること、
    (c)前記合成DNA産物をクローニングベクターに挿入すること、
    を含む方法。
  63. DNA合成産物をクローニングする方法であって、
    (a)該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼを供給すること、
    (b)前記突然変異Tgo DNAポリメラーゼを核酸鋳型と接触させ、前記突然変異Tgo DNAポリメラーゼがDNA合成を可能にして、合成DNA産物を生成すること、
    (c)前記合成DNA産物をクローニングベクターに挿入すること、
    を含む方法。
  64. DNAの配列決定の方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給するステップ、
    (b)前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼを用いて、少なくとも1種類の鎖終止剤および1以上のヌクレオチド三リン酸の存在下で、配列決定されるべきDNA鋳型から鎖終止断片を生成するステップ、
    (c)前記断片のサイズから前記DNAの配列を決定するステップ、
    を含む方法。
  65. DNAの配列決定の方法であって、
    (a)該突然変異古細菌DNAポリメラーゼがV93位置に突然変異を含み、前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからグルタミンへの置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記ポリメラーゼがKODおよびJDF-3からなる群より選択される、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異古細菌DNAポリメラーゼを供給するステップ、
    (b)前記突然変異古細菌DNAポリメラーゼを用いて、少なくとも1種類の鎖終止剤および1以上のヌクレオチド三リン酸の存在下で、配列決定されるべきDNA鋳型から鎖終止断片を生成するステップ、
    (c)前記断片のサイズから前記DNAの配列を決定するステップ、
    を含む方法。
  66. DNAの配列決定の方法であって、
    (a)該突然変異Pfu DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Pfu DNAポリメラーゼを供給するステップ、
    (b)前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼを用いて、少なくとも1種類の鎖終止剤および1以上のヌクレオチド三リン酸の存在下で、配列決定されるべきDNA鋳型から鎖終止断片を生成するステップ、
    (c)前記断片のサイズから前記DNAの配列を決定するステップ、
    を含む方法。
  67. DNAの配列決定の方法であって、
    (a)該突然変異Tgo DNAポリメラーゼがV93アミノ酸位置にバリンからアルギニンへの置換またはバリンからグルタミン酸への置換またはバリンからリジンへの置換またはバリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換を含む、減少した塩基類似体検出活性を有する突然変異Tgo DNAポリメラーゼを供給するステップ、
    (b)前記突然変異Tgo DNAポリメラーゼを用いて、少なくとも1種類の鎖終止剤および1以上のヌクレオチド三リン酸の存在下で、配列決定されるべきDNA鋳型から鎖終止断片を生成するステップ、
    (c)前記断片のサイズから前記DNAの配列を決定するステップ、
    を含む方法。
  68. Taq DNAポリメラーゼを更に供給する、請求項55〜58、60〜63または64〜67のいずれか1項に記載の方法。
  69. 前記Taq DNAポリメラーゼが前記突然変異Pfu DNAポリメラーゼより2倍、5倍、10倍または100倍低い濃度である、請求項68に記載の方法。
  70. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項55〜58、60〜63または64〜67のいずれか1項に記載の方法。
  71. Pfu G387P単独変異、Pfu G387P/V93RもしくはG387P/V93EもしくはG387P/V93KもしくはG387P/V93DもしくはG387P/V93N二重変異DNAポリメラーゼ、または反応性および/または耐塩性を増加させるポリペプチドを含むキメラである古細菌DNAポリメラーゼ突然変異体を更に供給する、請求項55〜58、60〜63または64〜67のいずれか1項に記載の方法。
  72. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項71に記載の方法。
  73. Pfu D141A/E143A二重変異DNAポリメラーゼを更に供給する、請求項55〜58、60〜63または64〜67のいずれか1項に記載の方法。
  74. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項73に記載の方法。
  75. 核酸鋳型、少なくとも1つのPCRプライマー、および請求項1に記載のポリメラーゼを含む反応混合物を、前記突然変異DNAポリメラーゼによる前記核酸鋳型の増幅を可能にして変異した増幅産物を生成する条件下でインキュベーションするステップを含む、部位指定変異導入またはランダム変異導入のための線形的または指数関数的なPCR増幅の方法。
  76. PCR促進因子および/または添加剤を更に含む、請求項75に記載の方法。
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