JP2000516468A - 核酸増幅および配列決定のための安定な組成物 - Google Patents

核酸増幅および配列決定のための安定な組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、試薬の混合物を含む組成物に関し、試薬には、希釈またはさらなる成分の追加なしで核酸増幅または配列決定での即時使用に適切な、熱安定酵素(例えば、熱安定DNAポリメラーゼ)、緩衝剤、補因子、および他の成分を含む。この組成物は、安定化剤(例えば、グリセロールまたは血清アルブミン)を含まず、そして予期せぬことに、凍結温度以上の温度での貯蔵で長期間活性を維持する。これらの組成物は、単独で、あるいは核酸増幅(例えば、図に例示されるような、ポリメラーゼ連鎖反応によって)および配列決定(例えば、ジデオキシまたは「Sanger」配列決定法によって)のために、または種々の医学的、法医、および農業適用において熱安定DNAポリメラーゼを利用する任意の手順のための、キットの形熊で、有用である。特に、この組成物および方法は、約7キロベースのサイズよりも大きい核酸分子を増幅および配列決定するために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸増幅および配列決定のための安定な組成物 発明の分野 本発明は、分子生物学および細胞生物学の分野にある。本発明は、特に、核酸 (DNAまたはRNA)が増幅または配列決定される技法での使用のための試薬組成物 、および特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって長い核酸分子を増幅および 配列決定する方法に関する。 発明の背景 DNAポリメラーゼ ウイルスおよび細胞生物体の増殖および再生の間、親の遺伝情報を含むDNAは 、正確にコピーされそして子孫に伝えられなければならない。この高度に調節さ れたDNA複製のプロセスは、酵素および付随タンパク質および補因子の複合体化 によってインビボで行われる(Kornberg,A.,Science 131:1503-1508,1959;Hi bner,U.およびAlberts,B.M.,Nature 285:300-305,1980)。このプロセスに 関与する一次酵素はDNAポリメラーゼであり、これは、デオキシヌクレオシド三 リン酸(dNTP)塩基の新しく形成したDNA鎖への付加を触媒する。したがって、 他の酵素(例えば、ヘリカーゼ、リガーゼ、およびATPase)とともに、DNAポリ メラーゼは、原核生物、真核生物、およびウイルスにおける増殖のための調製に おいて、DNAの迅速かつ比較的正確な複製を確実にする。 DNAポリメラーゼはまた、種々の分子遺伝技法においてインビトロでDNAを操作 するために使用される。これらの酵素は、インビトロDNA合成だけでなく、DNAフ ラグメントまたは遺伝子のヌクレオチド配列を決定すること(すなわち、「配列 決定」)にも有用であることが証明された。この後者の適用は、5'→3'方向にdN TPをDNAに付加する活性(すなわち、「ポリメラーゼ」活性)の他に、多くのDNA ポリメラーゼはまた、5'→3'および/または3'→5'方向にdNTPを除去する活性( すなわち、「エキソヌクレアーゼ」活性)を有するという事実に依存する。DN Aポリメラーゼはまた、ジデオキシヌクレオシド三リン酸のようなそれらの標識 された鎖停止剤の組込みによって配列決定のために使用され得る(米国特許第4, 962,020号;第5,173,411号;および第5,498,523号を参照のこと)。したがって 、同じ酵素、例えば、細菌EscheriChia coliからのDNAポリメラーゼIおよびIII 、動物細胞からのDNAポリメラーゼγ、またはバクテリオファージT7からのDNAポ リメラーゼ(米国特許第4,795,699号を参照のこと)は、DNA鎖の伸長を含むDNA 合成、およびDNA鎖の合成または切断のいずれかを含むDNA配列決定の両方のため に、インビトロで使用され得る。 しかし、あるDNAポリメラーゼの二重の活性は、いくつかのインビトロ適用に ついて欠点である。例えば、ポリメラーゼ活性によるDNAフラグメントのインタ クトなコピーのインビトロ合成は、テンプレートDNA鎖に沿って5'→3'方向に生 じる伸長プロセスであり、これは新しく形成されたDNAを同時にまたは続けて分 解し得るエキソヌクレアーゼ活性によって危険に曝される。この技術的問題を克 服するために、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性のないE.coli DNAポリメラーゼ Iのフラグメント(その発見後「クレノウフラグメント」と命名された)は、し ばしば、インビトロDNA合成に用いられる。クレノウフラグメントは、インタク トなE.coli DNAポリメラーゼIとほとんど同じ速度でインビトロDNA合成を提供 するが、新しく合成されたDNA分子は、酵素分解をほとんど受けずそして相応じ てより安定である。 不運にも、クレノウフラグメントのエラー速度(すなわち、正確でないdNTPが 酵素によって新しいDNA鎖に組み込まれる速度)は、E.coli DNAポリメラーゼI およびIIならびにバクテリオファージT4およびT7からのポリメラーゼを含む多く の他の通常使用されるDNAポリメラーゼよりも幾分高い(Kunkel,T.A.ら、J.Bi ol.Chem.259:1539-1545,1984;Tindall,K.R.,およびKunkel,T.A.,Biochem istry 27:6008-6013,1988;Mattila,P.ら、Nucl.Acids Res.19:4967-4973, 1991)。したがって、最近まで、合成、分解、およびエラーの速度は、インビト ロDNA合成にどのDNAポリメラーゼを使用するかを選択する場合、ともに考察され なければならなかった。 DNA配列決定 一般に、核酸を配列決定するために、2つの技法が伝統的に使用されている。 共同開発者(Maxam,A.M.およびGilbert,W.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74: 560-564,1997)の名を取って「マキサム・ギルバート配列決定」と呼ばれる第 1の方法では、DNAは放射標識され、4つの試料に分割され、そしてDNA中の特定 のヌクレオチド塩基を選択的に破壊しそして損傷部位で分子を切断する化学薬品 で処理される。得られるフラグメントをゲル電気泳動によって異なるバンドに分 離しそしてゲルをX線フィルムに曝露することによって、元のDNA分子の配列は 、フィルムから読まれ得る。この技法は、霊長類ウイルスSV40(Fiers,W.ら、N ature 273:113-120,1978;Reddy,V.B.ら、Science 200:494-502,1978)およ び細菌プラスミドpBR322(Sutcliffe,G.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.B iol.43:77-90,1979)を含む特定の複雑なDNA分子の配列を決定するために使用 されてきた。 開発者(Sanger,F.およびCoulson,A.R.,J.Mol.Biol.94:444-448,1975 )の名を取って「サンガー配列決定」と命名された配列決定の別の方法は、より 通常用いられる。この方法は、DNAポリメラーゼのDNA合成活性を使用し、これは 、反応停止ジデオキシヌクレオシド三リン酸(Sanger,F.ら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 74:5463-5467,1977)と短いプライマー(そのいずれかが検出可能 に標識され得る)との混合物と合わせる場合、4つのジデオキシ塩基のうちの1 つで特異的に停止した一連の新しく合成されたDNAフラグメントを生じる。次い で、これらのフラグメントをゲル電気泳動によって解析し、そして配列をマキサ ム・ギルバート配列決定法についての上記のように決定する。4つの別々の反応 を行うことによって(各ddNTPで1回)、かなりの複雑なDNA分子の配列は、迅速 に決定され得る(Sanger,F.ら、Nature 265:678-695,1977;Barnes,W.,Meth .Enzymol.152:538-556,1987)。サンガー配列決定法は通常E.coliまたはT7DN Aポリメラーゼを用いるが(米国特許第4,795,699号)、T7ポリメラーゼ変異体を 使用するこの技法の最近の改変は、配列決定を、異なる濃度で4つすべての鎖停 止ddNTPを含む単一の配列決定反応を使用して達成させる(米国特許第4,962,020 号および第5,173,411号)。反応混合物において反応中毒ピロホスフェートの 蓄積を低下または除去するための、この技法のさらなる改変もまた記載されてい る(米国特許第5,498,523号)。 ポリメラーゼ連鎖反応 同定および特徴付けの直後に、DNA合成に関連する種々の酵素および補因子の 活性が、1つ以上の選択されたDNA配列の濃度を劇的に増加させるまたはこの配 列を「増幅する」ためにインビトロで開発され得ることが認識された。多くの医 学的、診断学的、および法廷上の適用について、特定のDNA配列の増幅は、そのD NA配列が非常に少量で存在する試料の検出または単離を可能にするために必須で ある。より最近は、特異的遺伝子のインビトロ増幅は、分子生物学的技法によっ て治療タンパク質の産生を容易にするための強力かつ費用のかからない手段を提 供しており、そして同様に遺伝子治療での適用を有し得る。 種々の核酸増幅プロセスが記載されているが、最も通常に用いられるのは、米 国特許第4,683,195号および第4,683,202号に開示されるポリメラーゼ連鎖反応( PCR)技法である。このプロセスでは、増幅される核酸配列(「標的配列」)を 含む試料は、まず、加熱されて、核酸の二本鎖を変性または分離する。次いで、 試料を冷却し、そして標的配列にハイブリダイズする特異的オリゴヌクレオチド プライマーと混合する。このハイブリダイゼーションの後、緩衝化水溶液中のDN Aポリメラーゼを、ポリメラーゼによって複製する核酸鎖に連結されるdNTPの混 合物とともに、試料に添加する。重合化を完了させた後、産物を再度熱変性し、 他のラウンドのプライマーハイブリダイゼーションおよびポリメラーゼ複製に供 し、そしてこのプロセスを任意の回数繰り返す。このプロセスの所定のサイクル の各核酸産物が、2つの新しい核酸分子の産生(1つは各親鎖からのもの)につ いてのテンプレートとして用い、PCRプロセスは、標的配列の濃度が指数的に増 加する。したがって、十分に制御され高性能のPCRプロセスにおいて、わずか20 サイクルによって標的核酸配列の百万倍以上の増幅を生じ得る(米国特許第4,68 3,195号および第4,683,202号を参照のこと)。 熱安定DNAポリメラーゼ 概略 最初に、DNA配列決定またはPCRでの使用のためのDNAポリメラーゼの選択は、 それらの単離の容易さおよび十分に特徴付けされた活性のため、E.coli DNAポ リメラーゼI、クレノウフラグメント、またはT4もしくはT7ポリメラーゼであっ た。しかし、これらの酵素の使用は、プロセスの開始段階においてDNA鎖を変性 するために使用される温度(代表的には70℃〜95℃)でのそれらの熱不安定性の ために、各配列決定またはPCRサイクルの開始の前にそれらの添加を必要とした (Saiki,R.K.ら、Science 230:1350-1354,1985;Mullis,K.B.およびFaloona ,F.A.,Meth.Enzymol.155:335-350,1987;米国特許第4,795,699号)。各サ イクルの開始での新鮮な酵素の添加のこの必要性は、これらのプロセスに必要と される時間の量を増加させ、そして試薬導入の間のオペレーターエラーおよび試 料の夾雑の危険性を増加させ、しばしば望ましくない結果を生じた。 これらの困難さは、PCRプロセスにおける熱安定DNAポリメラーゼの使用によっ て一部克服された(Saiki,R.K.ら、Science239:487-491,1988)。PCRで最も通 常使用される熱安定DNAポリメラーゼは、好熱菌Thermus aquaticusから単離され たTaqポリメラーゼである(Saikiら、1988,前出;米国特許第4,889,818号およ び第4,965,188号)。Taqポリメラーゼは70〜80℃の温度で最適に機能し、そして PCRの最初の段階でしばしば使用されるように、92〜95℃の温度への繰り返しの 曝露の際に実質的な活性を維持し得る(Gelfand,D.H.およびWhite,T.J.,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innis,M.A.ら編,Academic Press,129-141頁,1989;BeJ,A.K.およびMahbubani,M.H.,PCR Technology: Current Innovalions,Griffin,H.G.およびGriffin,A.M.編,CRC Press,219- 237頁,1994)。 PCRにおけるTaqポリメラーゼの使用は、各PCRサイクルの前に反応混合物に新 鮮な酵素を添加する必要性を排除した。代わりに、所望の数のサイクルでDNA重 合化を触媒するために十分な量のTaqポリメラーゼは、第1のPCRサイクルの開始 前に他の成分と混合され得、そして酵素は、上昇および低下される温度の繰り返 しサイクル全体にわたって機能し続ける。Taqポリメラーゼの使用はまた、PCRプ ロセスの自動化を容易にし(GelfandおよびWhite,前出)、それによって時間の 制約ならびに熱不安定ポリメラーゼで問題のあるオペレーターエラーおよび試料 夾雑の危険性を同時に劇的に減少させる。現在、工業的および学術的適用のため の核酸のほとんどのPCR増幅は、Taqポリメラーゼおよび自動化サーマルサイクル 装置を使用して行われる。 Taqポリメラーゼの他に、他の熱安定ポリメラーゼは、PCRでの類似の適用を見 いだした(BejおよびMahbubani,前出)。好熱菌Thermus thermophilus(Tthポ リメラーゼ)、Thermococcus Iitoralis(TliまたはVENTTMポリメラーゼ)、Pyr ococcus furiosus(PfuまたはDEEPVENTポリメラーゼ)、Pyrococcus woosii(Pw oポリメラーゼ)、および他のPyrococcus種、Bacillus sterothermophilus(Bst ポリメラーゼ)、Sulfolobus acidocaldarjus(Sacポリメラーゼ)、Thermoplas ma acidophjium(Tacポリメラーゼ)、Thermus flavus(Tfl/Tubポリメラーゼ) 、Thermus ruber(Truポリメラーゼ)、Thermus brockianus(DYNAZYMETMポリメ ラーゼ)、Thermotog aneapolitana(Tneポリメラーゼ;WO 96/10640を参照のこ と)、Thermotoga maritima(Tmaポリメラーゼ;米国特許第5,374,553号を参照 のこと)、ならびにThermotoga属(Tspポリメラーゼ)およびMethanobacterium thermoautotrophicum(Mthポリメラーゼ)の他の種から単離されたポリメラーゼ が、PCRでのTaqポリメラーゼに基質として特に有用である。これらのポリメラー ゼの各々は、特定の適用に有用であるが(BejおよびMahbubani,前出,222頁を 参照のこと)、Taqポリメラーゼは、さらに断然、PCRで最も通常使用されるポリ メラーゼである。 熱安定ポリメラーゼはまた、DNA配列決定技法における、特に「サイクル配列 決定」のようなジデオキシ配列決定の自動化された方法における適用を見いだし ている。これらのアプローチは、dNTPの代わりに、自動化DNA配列決定が、上記 のようにテンプレートDNAの配列の決定を可能にするddNTPを使用すること以外は 、ほとんどの点でPCRに類似する。自動化配列決定におけるより高い変性温度の 使用はまた、配列決定効率を改良し(すなわち、ほとんど誤った組込みが生じな い)、そしてGCリッチであるかまたは顕著な二次構造(例えば、スーパーコイル )を含むテンプレートの配列決定を可能にする。 しかし、これらのアプローチにおけるE.coliまたはT7 DNAポリメラーゼのよ うな熱不安定DNAポリメラーゼの使用は、PCRにおけるそれらの使用について上記 と同じ制限を受ける。したがって、より高い温度を利用するDNA配列決定の自動 化方法は、熱安定DNAポリメラーゼをますます用いており、PCRについて最も通常 使用されるのは、Taqポリメラーゼである。 技術的制限 しかし、配列決定およびPCRにおけるTaqおよび他の熱安定ポリメラーゼの使用 には、欠点がある。例えば、Taqポリメラーゼのエラー速度は、ほとんどの熱不 安定DNAポリメラーゼの速度よりも実質的に高く(すなわち、最終産物は「低性 能」である)、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(Tindallお よびKunkel,前出)を含み、平均、1サイクル当たり1塩基対当たり、約10-4の 誤った組込みである。さらに、Taqポリメラーゼは、DNAの比較的に短い長さを増 幅するためにのみ有用であり(約5〜6キロベース最大長)、したがって、現在の 多くの適用に必要である場合に大きな遺伝子およびゲノム全体のPCR増幅におけ るその使用が除外される。 これらの技術的制限は、明らかに関連する:TaqポリメラーゼPCRの長さの制限 が、親鎖におけるミスマッチした塩基の組込みの部位での新しく合成されたDNA 鎖の伸長の低い効率のためであると理論づけられている(Barnes,前出)。Taq ポリメラーゼにおける3'→5'エキソヌクレアーゼ活性の不在が、この困難性にさ らに寄与し、他のポリメラーゼでは、これらのミスマッチを修正しそしてエラー 速度を減少させる「プルーフリーディング」能力で作用する(BejおよびMahbuba ni,前出)。ほとんどの熱安定DNAポリメラーゼに存在する5'→3'エキソヌクレ アーゼ活性はまた、オリゴヌクレオチドプライマーの5'末端を分解し得(プライ マーの3'末端を分解し得る3'→5'エキソヌクレアーゼ活性との複雑化も)、PCR プロセスの早期停止によって望ましくない結果を生じる(WO 92/06200;Barnes ,前出を参照のこと)。 配列決定反応において、Taqポリメラーゼは、E.coliポリメラーゼIおよびク レノウフラグメントによって共有される制限を受ける。これらの酵素はそれぞれ 「差別的」であり、これは、それらがddNTP上のdNTPを新しく合成されたDNAに優 先的に組み込むことを意味する。したがって、自動化配列決定反応にTaqポリメ ラーゼを使用するために、比較的高い濃度のddNTPは、反応混合物中で維持され なければならず、酵素によるddNTP組込みを速度論的に好ましくする。高レベル のddNTPについてのこの必要性は、特に、大きなDNAフラグメントが配列決定され る場合、法外に高価である。 別の技術的制限のように、DNAポリメラーゼは、従来、グリセロール、ウシ血 清アルブミン、および/または他の安定化剤を含む貯蔵緩衝液中の高濃度のスト ック溶液で維持されており、そして−20℃以下で貯蔵される(例えば、WO 92/06 188;米国特許第5,436,149号)。この分野での従来の理解は、酵素が、より希釈 した操作濃度で(多くの生活性タンパク質のように)およびグリセロールまたは 他の安定化剤を含まない溶液中で、迅速に活性を失うことであった。さらに、こ れらの溶液のプレ混合および貯蔵がまたその安定性に有害な影響を及ぼすと考え られたので、酵素の溶液は、配列決定またはPCRプロセスでの使用の直前に、dNT PまたはddNTP、補因子(例えば、Mg++)、および1つ以上の界面活性剤と混合さ れなければならなかった。さらに、dNTPは、−20℃未満の温度で伝統的に保存さ れており、そしてまた、他に保存されるならば不安定であると考えられている( Maniatis,T.ら、Molecular Cloning,A Laboraiory Manual,CRC Press,1992) 。同時に、これらの制限により、DNA配列決定ならびに所望されるよりも高価で かつ時間がかかるPCRにおける熱安定DNAポリメラーゼを含む組成物の使用が行わ れる。 技術的制限の克服 いくつかのアプローチが、これらの技術的困難性を克服することを試みるため に行われている。例えば、DNA配列決定方法論の結果は、5'→3'エキソヌクレア ーゼ活性のないΔTaq(WO 92/06188)のような変異体Taq酵素の使用によって改良 されている。改良された配列決定結果はまた、ジデオキシ配列決定反応中に形成 され得るピロホスフェートを破壊するピロホスファターゼのような薬剤を反応混 合物中に含むことによって得られている(米国特許第5,498,523号を参照のこと )。ddNTPとdNTPとの間の区別を克服するために、この酵素が「非区別的」で あり、dNTPとほぼ同じ速度でddNTPを組み込むことを意味するので、数人の研究 者らは、配列決定にT7 DNAポリメラーゼを使用している(米国特許第4,795,699 号を参照のこと)。あるいは、非区別的である種々の生物体(例えば、E.coli )からのDNAポリメラーゼの変異体も記載されている;「Mutant DNA Polymerase s and Use Therof」という題の1995年9月8日に出願されたDeb K.Chatterjeeの同 時係属中の米国特許出願第08/525,057号を参照のこと(その開示は参考として特 に本明細書に援用される)。しかし、上記のように、E.coliおよびT7 DNAポリ メラーゼの両方とも熱不安定性であり、そのため自動化配列決定でのそれらの使 用は、各サイクルの最初での新鮮な酵素の添加を必要とする。 より最近では、Thermotoga neapolitanaからのTneポリメラーゼでの変異が記 載されており、これはこれらの制限を克服する(WO 96/10640)。これらの変異 の1つは、野生型タンパク質(配列番号1)におけるアミノ酸位置番号730での フェニルアラニン残基が、チロシン残基で置換されており、これは、熱安定性お よび非区別性の両方である変異体Tneポリメラーゼ(配列番号2)を生じる。し たがって、この変異体Tneポリメラーゼは、自動化DNA配列決定で使用される他の 酵素で見られる熱不安定性およびddNTP区別化の両方の問題の解決を提供する。 上記と同じ日に出願された「Cloned DNA Polymerases from Thermotoga and Mut ants Thereof」という題のA,John HughesおよびDeb K.Chatterjeeの同時係属 の米国特許出願もまた参照のこと(その全体が参考として本明細書に援用される )。 PCR適用では、Taq産生されたPCR産物の低性能は、Taqポリメラーゼで欠けてい るプルーフリーディング3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を含むPfu DNAポリメラ ーゼの使用によってある程度まで緩和されている(Lundberg,K.S.ら、Gene 108 :1-6,1991)。Tli/VENTTM(BejおよびMahbubani,前出)およびDEEPVENTTM(Fl aman,J.-M.ら、Nucl.Acids Res.22(15):3259-3260,1994)を含む他の熱安定 DNAポリメラーゼもまた、PCR産物の性能を改良することが示されている。 この長さの制限を克服するために、E.coliDNAポリメラーゼIのクレノウフラ グメントに類似のTaqポリメラーゼのN-末端欠失変異体を含む5'→3'エキソヌク レアーゼ活性を欠く変異体酵素が調製されている。Klentaq-1およびKlentaq-2 78(Barnes,W.M.,Gene 112:29-35,1992;米国特許第5,436,149号)、Taq Sto ffelフラグメント(Lawyer,F.C.ら、PCR Meth.Appl.2:275-287,1993)、お よび5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く他の熱安定DNAポリメラーゼの変異体 (例えば、WO92/06200に開示されるもの)を含むこれらの変異体酵素のいくつか は、安定なPCR産物およびプライマーを漸増して提供することが示されている。 しかし、これらの酵素はまた3'→5'プルーフリーディング活性を欠失するので、 それらの使用は、PCRプロセスを上記の増加したエラー速度に供する。したがっ て、これらの変異体酵素でさえ、5〜6キロベースよりも長いDNAフラグメントの 高性能PCR増幅が非常に困難であることを証明した。 しかし、いくつかの酵素の特定の量を合わせることによって、大きなDNA配列 の高性能PCR増幅が達成された。例えば、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性のない 高濃度の熱安定DNAポリメラーゼ(例えば、Klentaq278)と3'→5'エキソヌクレ アーゼ活性を示す低濃度の熱安定DNAポリメラーゼ(例えば、Pfu/DEEPVENTまた はTli/VENTTM)との組み合わせの使用は、顕著に改良された性能を有する少なく とも35キロベース長の高濃度のDNA配列への増幅を提供する(Barnes,前出;米 国特許第5,436,149号)。類似の結果が、TthポリメラーゼとPyrococcus、Tli、 またはTmaからの低レベルの熱安定性ポリメラーゼとの混合物で得られている( 米国特許第5,512,462号)。明らかに、低レベルの3'→5'エキソヌクレアーゼ活 性は、大多数のポリメラーゼによって組み込まれた任意のミスマッチした塩基を 除去するのに十分であるが、プライマーを著しく分解するためには不十分である 。このアプローチはこれまでバクテリオファージλからの配列のような単純なDN A配列に適用されているが、細菌、酵母、植物、および動物のゲノムの配列を含 む、より大きくかつ多くの複雑な配列に適用可能であることを証明し得る。 しかし、ddNTPの差別化、長さ、および性能の制限を克服することにおけるこ れらの成功にもかかわらず、安定化剤を含まない操作濃度での凍結温度以上で長 期保存し得る、DNA配列決定またはPCRに必要な試薬を含む組成物は、これまでに 報告されていない。したがって、ほとんどの適用における熱安定酵素の溶液の使 用に対する時間および経済的制約は、まだ克服されていない。 発明の簡単な要旨 本発明は、核酸増幅および配列決定法で使用される従来の利用可能な試薬組成 物のこれらの時間的および経済的制限を克服する。詳細には、本発明は、希釈を 伴うまたは伴わない使用に適切な操作濃度で試薬の混合物を含みそして長時間の 貯蔵で活性を維持する組成物に関し、この混合物は、少なくとも1つの熱安定酵 素および少なくとも1つの緩衝塩から本質的に構成される。本発明はさらに、少 なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸、マグネシウム塩、および少なく とも1つの非イオン性界面活性剤をさらに含む核酸増幅での使用のためのこのよ うな組成物を提供し、ここで、上記熱安定酵素は、少なくとも1つの熱安定DNA ポリメラーゼである。別の実施態様では、本発明は、少なくとも1つのデオキシ ヌクレオシド三リン酸、少なくとも1つのジデオキシヌクレオシド三リン酸、マ グネシウム塩、および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤をさらに含む核酸 配列決定での使用のためのこのような組成物を提供し、ここで、上記熱安定酵素 は、少なくとも1つの熱安定DNAポリメラーゼである。より詳細には、本発明は 、このような組成物に関し、ここで上記熱安定DNAポリメラーゼは、Taq、Tne、T ma、Pfu、Pwo、またはTth DNAポリメラーゼ、あるいはそれらの変異体であり、 好ましくは、約0.1〜200ユニット/ミリリットル、約0.1〜50ユニット/ミリリッ トル、約0.1〜40ユニット/ミリリットル、約0.1〜36ユニット/ミリリットル、約 0.1〜34ユニット/ミリリットル、約0.1〜32ユニット/ミリリットル、約0.1〜30 ユニット/ミリリットル、または約0.1〜20ユニット/ミリリットルの濃度で、そ して最も好ましくは、約20ユニット/ミリリットルの濃度である。本発明はまた 、VENTまたはDEEPVENTTMDNAポリメラーゼをさらに含むこのような組成物に関し 、好ましくは、約0.0002〜200ユニット/ミリリットル、約0.002〜100ユニット/ ミリリットル、約0.002〜20ユニット/ミリリットル、約0.002〜2.0ユニット/ミ リリットル、約0.002〜1.6ユニット/ミリリットル、約0.002〜0.8ユニット/ミリ リットル、約0.002〜0.4ユニット/ミリリットル、または約0.002〜0.2ユニット/ ミリリットルの濃度であり、最も好ましくは約0.40ユニット/ミリリットルの濃 度である。本発明は、さらに、DNA増幅または配列決定のためのキットに関し、 このキットは、箱、カートン、チューブなどのようなキャリア手段を含み、バイ アル、 チューブ、アンプル、ビンなどのような1つ以上の容器手段をそこに密閉して有 し、ここで第1の容器手段は、希釈しない使用に適切な操作濃度で試薬の混合物 を含みそして長時間の貯蔵で活性を維持する組成物を含み、この混合物は、少な くとも1つの熱安定DNAポリメラーゼ、緩衝塩、マグネシウム塩、および少なく とも1つの非イオン性界面活性剤から本質的に構成される。第1の容器手段はま た、dNTP(PCR適用のため)またはddNTP(配列決定適用のため)の混合物を含み 得る。あるいは、dNTPまたはddNTPは、キットのキャリア手段内に密閉された第 2の容器手段も含み得る。 本発明はまた、増幅または配列決定されるべき核酸分子(これは、好ましくは 約4〜8キロベースのサイズより長く、より好ましくは約5〜7キロベースのサイズ よりも長く、そして最も好ましくは約7キロベースのサイズよりも長い)を、本 発明の組成物と接触させる工程を包含する、核酸分子を増幅または配列決定する 方法に関する。本発明はまた、これらの方法によって増幅された核酸分子を提供 する。 本発明はまた、より一般的には、分子生物学に有用な熱安定性タンパク質また は酵素を含む組成物に関する。これらの組成物は、長時間の貯蔵で酵素またはタ ンパク質活性を維持する、希釈を伴うまたは伴わない使用に適切な操作濃度で試 薬の混合物を含む。本発明のこの局面の組成物は、少なくとも1つの熱安定酵素 および少なくとも1つの緩衝塩を含む。これらの組成物中の熱安定酵素には、ポ リメラーゼ、制限酵素、アルカリホスファターゼ、逆転写酵素、リガーゼ、ヌク レアーゼ、ピロホスファターゼ、DNAse、RNAse、エキソヌクレアーゼ、RNAseイ ンヒビター、キナーゼ、トポイソメラーゼ、グアニリルトランスフェラーゼ、お よびグリコシラーゼ(例えば、ウラシルDNAグリコシラーゼ)が挙げられるが、 これらに限定されない。 本発明は、さらに、熱安定酵素またはタンパク質(制限酵素、ホスファターゼ など)に関する手順を行うためのキットに関し、このキットは、箱、カートン、 チューブなどのような容器手段を含み、バイアル、チューブ、アンプル、ビンな どのような1つ以上の容器手段をそこに密閉して有し、ここで第1の容器手段は 、希釈を伴うまたは伴わない使用に適切な操作濃度で試薬の混合物を含む組成物 を 含む。第1の容器手段内の試薬は、少なくとも1つの熱安定酵素またはタンパク 質および少なくとも1つの緩衝塩を含む。 本発明の組成物は、予期せぬことに、従来の組成物と比較して長期間にわたり 酵素活性を維持することが見いだされた。例えば、本組成物は、外界温度(約20 ℃〜25℃)で貯蔵した場合、少なくとも4週間、約4℃で少なくとも1年間、お よび約−20℃で少なくとも2年間、酵素活性を維持する。 これらの安定な即時使用試薬組成物は、医学的治療および診断、法医学および 農業科学のような分野で、核酸増幅(ポリメラーゼ連鎖反応すなわちPCRを含む )および配列決定(ジデオキシ配列決定を含む)に、あるいは熱安定DNAポリメ ラーゼまたは他の酵素(制限酵素、ホスファターゼ、キナーゼなど)を使用する 任意の手順に、有用である。 本発明の他の特徴、利点、および適用は、以下の本発明の好ましい実施態様の 説明から、および請求の範囲から、当業者に明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、表1に示されるように保存された15の異なる試薬組成物(表1の試料 10〜24に対応する)、および新鮮に作成されたコントロール試料を使用する10ナ ノグラムのテンプレートからの1.3キロベースのヒトゲノムDNAフラグメントのPC R増幅のアガロースゲル(紫外線照明下での臭化ブロマイド蛍光によって可視化 した)の写真である。「M」でマークしたレーンは、ロードしたDNAの量を示すマ ーカーを含む;バンドは、(上から下へ)100ナノグラム、60ナノグラム、40ナ ノグラム、および20ナノグラムのDNA分子量マーカーに対応する。 図2は、各増幅反応についてのテンプレートの(ナノグラムで)示された量を 使用する4.1キロベースのヒトゲノムDNAフラグメントのPCR増幅のアガロースゲ ル(紫外線照明下での臭化ブロマイド蛍光によって可視化した)の写真である。 ゲルの上部の試料は、4℃にて10週間保存した核酸増幅組成物で増幅し、一方、 ゲルの下部の試料は、外界温度(約20〜25℃)にて10週間保存した組成物で増幅 した。各部分における最も左のレーンは、図1に示すようにマーカーである。 発明の詳細な説明 定義 本開示を通じて、当該分野の当業者により一般的に理解されている種々の用語 が使用される。しかし、本明細書中に使用される特定の用語は、本発明の目的の ために特定の意味を有する。用語「dNTP」(複数形「dNTPs」)は、一般的にデ オキシヌクレオシド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、dUTP、dTTP、 dITP、7-デアザ-dGTP、αdATP、αdTTP、αdGTP、およびαdCTP)をいい、用語 「ddNTP」(複数形「ddNTPs」)は、ポリメラーゼ酵素によって新たに合成され る核酸に組み込まれるそれらのジデオキシ三リン酸をいう。本明細書に使用され る用語「ユニット」は、酵素の活性をいう。熱安定DNAポリメラーゼに関する場 合、活性の1ユニットは、dNTPsが、標準的な初回刺激DNA合成条件下で30分で、 酸不溶性物質(すなわち、DNAまたはRNA)に10ナノモルのdNTPを組み込む酵素量 のことである。「操作濃度」は、特定の機能(核酸の増幅、配列決定、または消 化)を実施するために溶液中で使用される最適濃度または最適近似濃度である、 試薬濃度を意味して使用される。本明細書で使用される用語「界面活性剤」は、 イオン性界面活性剤をいう。本明細書中で使用される用語「安定な」および「安 定性」は、酵素または酵素を含有する組成物が、約20-25℃の温度で少なくとも 4週間、約4℃の温度で少なくとも1年間、-20℃の温度で少なくとも2年間保存 された後に、本来の酵素活性(ユニット)の少なくとも70%、好ましくは少なく とも80%、および最も好ましくは少なくとも90%の酵素による維持を一般に意味す る。 概略 本発明は、最初の好ましい実施態様では、少なくとも1つの熱安定酵素(例え ば、熱安定DNAポリメラーゼ、制限酵素など)、少なくとも1つの緩衝塩、およ び酵素に関連する手順を実施するために必要な他の試薬(例えば、核酸増幅用の デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTPs)、核酸の配列決定用のdNTPおよびジデ オキシヌクレオシド三リン酸(ddNTPs)など)を含有する組成物を提供する。こ れらの組成物は、従来的に保存試薬溶液中に含有され、凍結を超えた温度での保 存でさえ増加した安定性を示す(酵素活性の維持として測定される)、安定な化 合物(例えば、グリセロール、血清アルブミン、またはゼラチン)を含有しない 。さらに、本発明は、即使用可能な濃度でこれらの試薬組成物を提供し、予め入 手可能な溶液を必要とする、時間のかかる希釈および前混合工程を除く。意外な ことに、これらの希釈濃度であっても、試薬組成物は、外界温度(約20-25℃) から約-70℃の温度範囲で、長期間安定である。 さらに好ましい実施態様では、本発明は、酵素に関連する手順(例えば、DNA ポリメラーゼの場合の核酸増幅または配列決定)を実施するために直ちに使用す るのに適したキットの形態で、即使用可能な組成物を提供する。これらのキット もまた、外界温度(約20-25℃)から-70℃温度範囲で長期間安定である。 試薬の供給源 本発明の組成物は、成分試薬を下記の濃度で混合することによって形成され得 る。即使用可能な組成物を作製するための成分は、例えば、GIBCO/LTI(Gaither sburg,Maryland)から入手され得る。 熱安定酵素 本発明に使用される熱安定酵素(例えば、DNAポリメラーゼ、制限酵素、ホス ファターゼなど)は、当該分野で周知の技術(BeiおよびMahbubani,前出;WO 92 /06200;WO 96/10640)によって、天然または組み換え供給源から、市販の種々 の耐熱細菌(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション、Rockville,M aryland)から単離され得るか、または組み換えDNA法(WO 96/10640)によって 得られ得る。熱安定酵素または組み換え系での発現のためのそれらの遺伝子の供 給源の使用のために適しているのは、好熱細菌Thermus thermophilus,Thermoco ccus litoralis、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus woosii、およびPyrococcus 属のその他の種、Bacillus sterothermophilus、Sulfolobus acidocaldarius、T hermoplasma acidophilum、Thermus flavus、Thermus ruber、Thermus brockian us、Thermotoga neapolitana、Thermotoga maritima、およびThermotoga属のそ の他の種、ならびにMethanobacterium thermoautotrophicum、およびそれらの変 異体である。しかし、その他の生物体からの熱安定酵素もまた、その範囲または その好ましい実施態様の範囲から逸脱することなく、本発明で使用され得ること は、理解されるべきである。単離の代替として、熱安定酵素(例えば、DNAポリ メラーゼ)は、例えば、GIBCO/LTI(Gaithersburg,Maryland)、New England B iolabs(Beverly,Massachusetts)、Finnzymes Oy(Espoo,Finland)、および Perkin Elimer Cetus(Norwalk,Connecticut)から市販される。一旦得られる と、精製酵素は、本発明の方法に従って、操作濃度で溶液中に入れられ、そして 保存され得る。 dNTPs 本発明の組成物のdNTP成分は、ポリメラーゼ作用によってそこに組み込まれる 、新たに合成された核酸のための「形成ブロック」として作用する。これらのdN TPs--デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシトシン三リン酸(dCTP )、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP) 、およびいくつかの応用のために、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、および デオキシイノシン三リン酸(dITP)、α-チオ-dATPおよび7-デアザ-dGTP--は、G IBCO/LTI(Gaithersburg,Maryland)、New England Biolabs(Beverly,Massac husetts)、およびSigma Chemical Company(Saint Louis,Missouri)を含む供 給源から市販される。dNTPsは、標識されていなくてもよく、またはそれらは、 当該分野に公知の方法により、放射線同位元素(例えば、3H、14C、32P、または35 S)、ビタミン(例えば、ビオチン)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン、 ローダミン、テキサスレッド、またはフィコエリトリン)、またはその他の検出 試薬と結合することによって、検出可能に標識され得る。標識されたdNTPsはま た、例えば、GIBCO/LTI(Gaithersburg,Maryland)またはSigma Chemical Comp any(Saint Louis,Missouri)から市販される。一旦得られると、dNTPsは、本 発明の方法に従って、操作濃度で溶液中に配置され、そして保存され得る。 ddNTPs 本組成物のddNTPは、ジデオキシ核酸配列決定方法論で「停止試薬」として作 用し、ポリメラーゼの作用によって新たに合成される核酸へ組み込まれる。これ らのddNTPs--ジデオキシアデノシン三リン酸(ddATP)、ジデオキシシトシント リオスフェート(ddCTP)、ジデオキシグアノシン三リン酸(ddGTP)、ジデオキ シチミジン三リン酸(ddTTP)、およびいくつかの応用にはジデオキシウイリジ ン三リン酸(ddUTP)およびジデオキシイノシン三リン酸(ddITP)--は、GIBCO/ LTI(Gaithersburg,Maryland)、New England Biolabs(Beverly,Massachuset ts)、およびSigma Chemical Company(Saint Louis,Missouri)を含む、供給 源から市販される。ddNTPsは、標識されていなくてもよく、または、それらは、 当該分野で公知の方法によって、放射線同位元素(例えば、3H、14C、32P、また は35S)、ビタミン(例えば、ビオチン)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン 、ローダミン、テキサスレッド、またはフィコエリトリン)、またはその他の検 出試薬に結合することによって、検出可能に標識され得る。標識されたddNTPsは また、例えば、GIBCO/LTI(Gaithersburg,Maryland)またはSigma ChemiCal Co mpany(Saint Louis,Missouri)から市販される。一旦得られると、ddNTPsは、 本発明の方法に従って、操作濃度で溶液中に配置され、そして保存される。 緩衝液/塩 本発明の組成物を含有する全ての緩衝液および補因子、ならびにその濃縮保存 溶液は、GIBCO/LTI(Gaithersburg,Maryland)およびSigma Chemical Company (Saint Louis,Missouri)を含む、種々の商業的供給源から入手可能である。 本組成物をの形成における使用のために特に好ましい緩衝液は、硫酸、塩酸、リ して使用され得る。緩衝塩に加えて、カリウム(このましくは塩化カリウム)お よびマグネシウム(好ましくは塩化マグネシウムまたは硫酸マグネシウム)のよ うな補因子塩が、組成物に含有される。一旦得られると、緩衝液および補因子塩 は、本発明の方法に従って、操作濃度で溶液中に配置され、そして保存され得る 。 界面活性剤 少なくとも1つの界面活性剤が、成分酵素の増加した安定性および活性の両方 を提供するために、本発明の組成物の成分として含有され得る。平衡イオン強度 の維持、ならびに補因子のキレート化およびタンパク質の凝集または不活性化の 防御のために、非イオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤として特に好まし であるが、その他の非イオン性界面活性剤およびそれらの混合物もまた本組成物 に使用され得る。これらの界面活性剤は、通常濃縮水溶液または粉末形態で、Si gma Chemical Company(Saint Louis,Missouri)のような、供給源から市販さ れる。一旦得られると、界面活性剤は、本発明の方法に従って、操作濃度で溶液 中に配置され、そして保存され得る。 試薬組成物の処方 一旦試薬組成物が得られると、それらは、希釈またはさらなる試薬の添加を伴 うかまたは伴わずに、直ちに使用されるのに適した溶液を形成するために、操作 濃度で混合される。本発明の処方物に使用される水は、好ましくは、蒸留、脱イ オン化、および滅菌濾過され(0.1-0.2マイクロメーターフィルターを通して) 、そしてDNaseおよびRNase酵素による夾雑がない。このような水は、例えば、Si gma Chemical Company(Saint Louis,Missouri)から市販されるか、または、 当該分野の当業者に周知の方法に従って必要な場合に、作製され得る。 本組成物の成分は、任意の順序で混合され得るが、最初に緩衝液および補因子 塩を水に溶解し、残りの成分の添加の前にその溶液のpHを調整することがしばし ば好ましい。この方法で、pH感受性成分(特に酵素、ddNTPs、およびdNTPs)は 、処方中に酸またはアルカリ加水分解にほとんど供されない。 緩衝化塩溶液を処方するために、緩衝塩(好ましくはトリス(ヒドロキシメチ 有する溶液を与えるように、十分な量の水と混合される。この溶液に、マグネシ ウム塩(好ましくはその塩酸塩または硫酸塩のいずれか)が、1-10ミリモル、好 ましくは1.5-5ミリモル、そして最も好ましくは約1.5-2ミリモルの操作濃度を提 供するように添加され得る。カリウム塩(最も好ましくは塩化カリウム)もまた 、10-100ミリモル、そして最も好ましくは約50ミリモルの操作濃度で、溶液に添 加され得る。アンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウムもまた、2-50ミリモル、 好ましくは10-30ミリモル、最も好ましくは18ミリモルの操作濃度で、混合物に 添加され得る。硫酸アンモニウムおよび塩化カリウム(またはその他の塩)の組 み合わせもまた、本発明の組成物の処方で使用され得る。EDTAの含有は本発明の 組成物の機能または安定性に対して必須ではないようであるが、少量(好ましく は約0.1ミリモル)のエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)の塩もまた添加され得 る。全緩衝液および塩の添加後に、この緩衝化塩溶液を、全ての塩が溶解するま でよく撹拌し、そしてpHは、当該分野で公知の方法を使用して、7.4から9.2、好 ましくは8.0から9.0、そして、約5-6キロベースの大きさまでのヌクレオチドフ ラグメント(以後、「標準組成物」と呼ぶ)の増幅または配列決定で使用される 組成物について最も好ましくは約8.3に、そして約5-6キロベースの大きさを超え るヌクレオチドフラグメント(以後、「大配列組成物」と呼ぶ)の増幅または配 列決定のために使用される組成物について約8.9のpH値に調整される。 その緩衝化塩溶液に、本組成物の残りの成分が添加される。水溶液緩衝液への 1種以上の界面活性剤の添加は、次に添加されるタンパク質の溶解に助けになる 0.1-1%)、Brij 35(好ましくは0.01-1%濃度、そして最も好ましくは約0.1%)、 またはNonidet P-40(NP-40、好ましくは0.004-1%の濃度で混合物として、そし て最も好ましくは、標準組成物に対して0.1%の操作濃度で、そして大きな配列化 合物に対して0.02%のTween 20との混合物として)のような、少なくとも1つの 非イオン性界面活性剤が、緩衝溶液に添加され得る。この界面活性剤は、好まし くは、溶液へ残りの成分を入れる前に添加されるが、界面活性剤は処方の任意工 程で同等に添加され得る。処方後に、緩衝化塩溶液は、市販される(例えば、Mi llipore Corporation,Bedford,Massachusettsから)低タンパク質結合フィルタ ーユニットを通して濾過され、使用まで保存され得る。 次に、残りの成分を溶液に添加して本発明の組成物を処方する。少なくとも1 つの熱安定酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)が添加され、そして溶液はおだや かに撹拌される(タンパク質変性を最少にするため)。標準的なDNA増幅(PCRに よることも含む)または長さ約5-6キロベースまでのDNAセグメントの配列決定の ために、任意の熱安定DNAポリメラーゼ(以後「一次ポリメラーゼ」)が標準組 成物に使用され得るが、Taq、Tne、Tma、VENTTM、DEEPVENTTM、Pfu、またはPwo ポリメラーゼは、好ましくは、1ミリリットルあたり約0.1-200ユニット、1ミ リリットルあたり約0.1-50ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-40ユニット、 1ミリリットルあたり約0.1-36ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-34ユニッ ト、1ミリリットルあたり約0.1-32ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-30ユ ニット、または1ミリリットルあたり約0.1-20ユニットの溶液中の操作濃度で、 そして最も好ましくは、1ミリリットルあたり約20ユニットの操作濃度である。 長さ5-6キロベースより大きなDNAセグメントの増幅については、大きな配列組成 物は、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有する、低濃度の1つ以上のさらなる熱 安定DNAポリメラーゼ(以後「二次ポリメラーゼ」)を標準組成物に添加するこ とによって、処方されるべきである。この適用に特に適するのは、VENTTM、Pfu 、Pwo、またはTne、そして最も好ましくはDEEPVENTTM、DNAポリメラーゼである 。さらなるポリメラーゼが、1ミリリットルあたり約0.0002-200ユニット、1ミ リリットルあたり約0.002-100ユニット、1ミリリットルあたり約0.002-20ユニ ット、1ミリリットルあたり約0.002-2.0ユニット、1ミリリットルあたり約0.0 02-1.6ユニット、1ミリリットルあたり約0.002-0.8ユニット、1ミリリットル あたり約0.002-0.4ユニット、または1ミリリットルあたり約0.002-0.2ユニット の最終操作濃度、最も好ましくは1ミリリットルあたり約0.40ユニットの濃度を 与えるのに十分な量で、溶液に添加されるべきである。 これまで、大きな配列の増幅のために、一次ポリメラーゼの二次ポリメラーゼ に対する活性比率は、4:1-2000:1に維持されるべきだと考えられていた(米国特 許第5,436,149号を参照のこと)。しかし、本発明の組成物での、1:1 1:2、1:4 、1:5、1:8、1:10、1:25、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、および1:2000 の一次ポリメラーゼの二次ポリメラーゼに対する活性比率が、大きなヌクレオチ ド 配列の増幅に適し得ることが発見された。 核酸配列決定のために、試薬組成物は、上記に処方されたように使用され得る 。しかし、ジデオキシ法(米国特許第4,962,020号、第5,173,411号、および第5, 498,523号を参照のこと)による核酸配列決定には、好ましくは、配列番号2に 示される変異体Tne DNAポリメラーゼが、試薬組成物に添加される。Tneポリメラ ーゼは、1ミリリットルあたり約0.1-10,000ユニット、1ミリリットルあたり約 0.1-5000ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-2500ユニット、1ミリリットル あたり約0.1-2000ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-1500ユニット、1ミリ リットルあたり約0.1-1000ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-500ユニット 、1ミリリットルあたり約0.1-300ユニット、1ミリリットルあたり約0.1-200ユ ニット、1ミリリットルあたり約0.1-100ユニット、または1ミリリットルあた り約0.1-50ユニット、そして最も好ましくは、1ミリリットルあたり約300ユニ ットの操作濃度を与えるように溶液に添加される。 ジデオキシ配列決定には、各ddNTPの溶液もまた調製される。各溶液の塩基は 、緩衝溶液中にdATP、dCTP、dTTP、7-デアザ-GTPおよび/または他のdNTPsを、 約10-1000マイクロモル、約10-500マイクロモル、約10-250マイクロモル、また は約10-100マイクロモル、最も好ましくは、約100マイクロモルの濃度で、およ び (pH約7.5)、およびEDTAニナトリウムを最も好ましくは約0.1ミリモルの濃度で 含有する。この塩基にddNTPsの1つを加えて各々の4つの溶液を調製する。好ま しくは、約0.5-10マイクロモル、約0.5-8マイクロモル、約0.5-5マイクロモル、 約0.5-3マイクロモル、約0.5-2.5マイクロモル、または約0.5-2マイクロモル、 最も好ましくは、約2マイクロモルのddNTPの操作濃度を与えるように、ddATP、d dCTP、ddGTP、またはddTTPのナトリウムまたはリチウム塩が溶液に添加される。 サイクル配列決定の適用には、ddNTP溶液のpHは、好ましくは約9.0であり、ddNT Pの濃度はより低く、好ましくは約0.05から1.0マイクロモルまたは約0.05から0. 8マイクロモル、そして最も好ましくは約0.08から0.8マイクロモルであり得る。 いくつかの応用では、ほぼ同じ操作濃度で、ddITP、ddUTP、および/またはα- チオ-dATPを組成物へ組み込むか、または置換することもまた望まれ得る。従っ て、4つの溶液を調製し、各々は4つのddNTPの1つを含有し、ジデオキシ配列 決定で使用される4つの別々の反応を実施すために、本発明のポリメラーゼ組成 物と組み合わされる。あるいは、米国特許第4,962,020号および第5,173,411号に 開示されているような単一溶液配列決定には、4つのddNTPsが、配列決定反応を 実施するための本発明のポリメラーゼ組成物に添加される、単一溶液へ組み合わ され得る。 PCRを含む核酸増幅には、dNTP塩が、試薬組成物に添加される。好ましくは、d ATP、dCTP、dGTP、およびdTTPのナトリウムまたはリチウム塩が、各dNTPの操作 濃度を10-1000マイクロモル、好ましくは200-300マイクロモル、そして最も好ま しくは約200マイクロモルを与えるように溶液に添加される。いくつかの応用に 、同じ操作濃度でのdITPまたはdUTPの組成物への組み込みまたは置換もまた望ま れ得る。 化合物の変性を減少するために、試薬組成物の保存は、好ましくは遮光条件、 例えば、褐色またはそうでなければ不透明な容器中、または低採光に制御された 保存域での保存である。本発明の即使用可能な試薬組成物は、外界温度(約20-2 5℃)で約4-10週間予想以上に安定であり、4℃の保存で少なくとも1年、-20℃ の保存で少なくとも2年安定である。驚くことに、従来の生活性成分のストック 溶液によるような、凍結以下の温度(例えば、-20℃から-70℃)での組成物の保 存は、本発明の組成物の安定性を維持するために必要ではない。 その他の好ましい実施態様で、本発明の組成物は、核酸増幅または配列決定で の使用のためのキットに組み入れられ得る。本発明に従う配列決定キットは、バ イアル、チューブ、アンプル、ビンなどのようなその中に封入する1つ以上の容 器手段を有する、箱、カートン、チューブなどのような運搬手段を包含し、その 第一容器手段は操作濃度での試薬混合を有する安定な組成物を含有し、その試薬 は、少なくとも1つの熱安定DNAポリメラーゼ、少なくとも1つの緩衝塩、少な くとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸、および少なくとも1つのジデオキ シヌクレオシド三リン酸である。配列決定キットはまた、標準的な核酸配列決定 プロトコールを実施するために必要なさらなる試薬および化合物(例えば、ピロ ホスファターゼ)、配列決定ゲルを処方するためのアガロースまたはポリアクリ ルアミド培地、および配列決定される核酸の検出に必要なその他の成分を包含す る(DNA配列決定の方法に関する、米国特許第4,962,020号および第5,498,523号 を参照のこと)。 同様に、本発明に従う増幅キットは、バイアル、チューブ、アンプル、ビンな どのようなその中に封入する1つ以上の容器手段を有する、箱、カートン、チュ ーブなどのような運搬手段を包含し、その第一容器手段は操作濃度での試薬混合 物を有する安定な組成物を含有し、その試薬は、少なくとも1つの熱安定DNAポ リメラーゼ、少なくとも1つの緩衝塩、および少なくとも1つのデオキシヌクレ オシド三リン酸である。本発明のこの局面に包含される増幅キットはまた、標準 的な核酸増幅プロトコールを実施するために必要なさらなる試薬および化合物を 包含し得る(PCRによるDNA法に関する、米国特許第4,683,195号および第4,683,2 02号を参照のこと)。 試薬組成物の使用 本発明で具体化された組成物およびキットは、核酸配列決定または増幅方法論 を用いる任意の適用において、一般的な利用法を有する。本発明の組成物が使用 され得る増幅方法は、PCR(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号)、鎖 置換増幅(SDA;米国特許第5,455,166号;欧州特許第0 684315号)、ならびに核 酸配列に基づく増幅(NASBA;米国特許第5,409,818号;欧州特許第0 329 822号 )を包含する。本発明の組成物を使用し得る核酸配列決定法は、米国特許第4,96 2,022号および第5,498,523号に開示されているようなジデオキシ配列決定法、お よびランダム増幅多形DNA(RAPD)分析(Williams.J.G.K.ら、Nucl.Acids Res .18(22):6531-6535,1990)、任意プライムPCR(AP-PCR;Welsh,J.およびMcCle lland,M.,Nucl.Acids Res.18(24):7213-7218,1990)、DNA増幅フィンガ クロサテライトPCRまたはミニサテライト領域DNAの特異増幅(DAMD;Heath,D.D. ら、Nucl.Acids Res.21(24):5782-5785,1993)、および増幅フラグメント長 多形(AFLP)分析(欧州特許0 534858号;Vos,P.ら、Nucl.Acids Res.23(21) :4407-4414,1995;Lin,J.J.およびKuo,J.,FOCUS 17(2):66-70,1995)の ようなより複雑なPCRに基づく核酸フィンガープリント法を包含する。特に、本 発明の組成物およびキットは、医学的治療および診断、法医学、および農学およ びその他の生物学の分野において、熱安定DNAポリメラーゼを使用するいかなる 手順においても有用である。さらに、本発明の組成物が処方される方法は、全て の熱安定酵素またはその混合物に対して拡張され得、種々の生活性酵素またはそ の他のタンパク質の即使用可能な組成物の処方を可能にし、凍結を上回る温度で の長期の保存に対して、増大された安定性を示し得る。 本発明の組成物およびキットは、核酸分子の増幅および配列決定のための方法 に、特に有用である。本発明のこの局面に従う核酸増幅法は、増幅される核酸分 子を1つ以上の本発明の組成物との接触させ、従って、核酸分子の増幅コピー群 を提供する工程を包含する。本発明のこの局面に従う核酸配列決定法は、配列決 定される核酸分子を1つ以上の本発明の組成物と接触させる工程を包含する。こ れらの方法に従って、核酸分子の増幅および配列決定が、上記の増幅および配列 法のいずれか、最も好ましくはPCRによって完了され得る。この増幅および配列 決定法は、大きな核酸分子、好ましくは約4-8キロベースを超える大きさの核酸 分子、より好ましくは約5-7キロベースを超える大きさ、そして最も好ましくは 約7キロベースを超える大きさの核酸分子の増幅および配列決定(例えば、「ロ ングPCR」による)に、特に有用である。 本明細書に記載されている方法および適用に対するその他の適切な改変および 適応は明白であり、本発明およびその実施態様の範囲から逸脱することなく実施 され得ることは、当業者に容易に明白である。本発明を詳細に記載してきたが、 本発明は、以下の実施例を参考にすることによってより明白に理解され得る。こ れは、例示目的のみで本明細書中に包含され、本発明を限定することを意図しな い。 実施例1:標準組成物の処方 核酸増幅および配列決定のための安定で即使用可能な試薬組成物を処方する最 初の工程として、成分を、表1に示されているように、量を変化させて混合し、 24の異なる処方を得た。全処方のpHを約8.3に調整した。低タンパク質結合フィ ルターを通しての濾過後、全組成物を、20ユニット/mlのTaqポリメラーゼと処方 し、それは、約5-6キロベースの大きさまでの核酸フラグメントの増幅または配 列決定用の標準組成物としての使用に対して、安定であった。 実施例2:標準組成物の安定性 実施例1で処方された標準組成物の安定性を調べるために、各処方の試料を分 割し、採光を減少し、外界温度(約20-25℃)、4℃、-20℃、および-70℃で保存 した。各温度からの各処方の試料を、第一週の間毎日、その後週ごとに採取し、 そして安定性アッセイに使用した。これらの安定性アッセイを、標準的なPCRに よって、鋳型滴定を使用する鋳型(同時点で少数試料が比較される場合)、また は固定量の鋳型(より多数の試料が比較される場合)としてヒトゲノムDNAの細 分最適量(suboptimal amount)を増幅することによって実施した。所定の処方で の鋳型DNAの所望量に10ピコモルプライマーを添加し、反応混合物を、94℃で30 秒、55℃で30秒、そして72℃で1分/キロベースの35サイクルのPCRに供した。 次に、各反応の一部をアガロースゲル電気泳動に供し、紫外線照射下に臭化エチ ジウム蛍光によって可視化した。 これらのアッセイの結果は、処方のいくつかが保存に対して安定性を示すこと を示した。図1に示されているように、4℃での約3ヶ月保存後に、処方15およ び19は、これらの試料に対応するレーンのバンドの非存在によって示されるよう に、完全に酵素活性を消失した。しかし、この同じ時点で、処方10-14、16-18、 および20-24は、新鮮調製(コントロール)処方とほぼ同じレベルの酵素活性を 示した。 保存温度もまた、所定の処方の範囲内でさえ、処方の安定性に有意な影響を有 することが分かった。図2に示されているように、処方4の試料を4℃または約2 0-25℃での保存の約15週後に試験したとき、4℃で保存された試料は、コントロ ール試料に比較して、完全に酵素活性をとどめていた。しかし、約20-25℃で保 存された試料は、全ての鋳型濃度で得られた標的フラグメントがより少ない収量 であることによって示されるように、いくぶん活性を消失した。 種々の保存温度での全処方剤に対する結果を、表2にまとめる。これらの結果は、数種の組成物が、20-25℃での保存で6-12週、そして4℃で1年 を超えて、予想外に酵素活性を維持したことを示す。しかし、処方19は、処方の 24時間以内に活性を完全に消失した。処方15もまた、迅速な活性消失を示した。 これらの即使用可能な組成物の安定性のさらなる分析のために、数種の処方を 20-25℃または4℃で6ヶ月まで保存し、ポリメラーゼユニット活性の測定によっ て実施される安定性アッセイのために、試料を月毎に採取した。これらのアッセ イの結果を、表3および表4にまとめる。 数種の処方は、20-25℃での保存に安定であり、最も注目される処方20は、こ の温度で4ヶ月間の保存後でさえその酵素活性の>70%を維持した。先に記載した ように、処方19は、PCRアッセイによって測定された場合、最初の1ヶ月以内に 活性を完全に消失した。しかし、興味深いことに、ポリメラーゼユニット活性ア ッセイによって測定された場合、処方19は、4℃で保存されたとき1ヶ月安定で あったが、この温度での保存の2ヶ月までにはかなりの活性を消失した(表4) 。前に20-25℃での長期保存に安定であることが示された処方20は、4℃では少な くとも6ヶ月間、保存に安定であった。 まとめると、これらの結果は、本発明の組成物が、核酸増幅反応での使用に容 易に適し、20-25℃または4℃での保存に長期の安定性を示すことを示す。 実施例3:大きな配列組成物の処方および安定性 5-6キロベースを超える核酸フラグメントの増幅および配列決定での使用に対 して、上述のように、TaqポリメラーゼとVENTTMまたはDEEPVENTTMポリメラーゼ との混合物(米国特許第5,436,149号;Barnes,同上)またはTthとTli、Pyrococ cusまたはTmaとの混合物(米国特許第5,512,462号)が使用されることが示唆さ れた。従って、TaqおよびDEEPVENTTMDNAポリメラーゼを、表5に示されているよ うに、緩衝塩、補因子、および界面活性剤を含有する溶液中に、活性比100:1( 試料1-3に対して)または50:1(試料4に対して)で処方した。これらの各処方 を、DEEPVENTTMDNAポリメラーゼ活性に最適である(BejおよびMahbubani,同上 )、約pH9.1に調整した。次に、試料を約20-25℃または4℃で保存し、12週間毎 週そしてその後毎月、安定性アッセイでアッセイした。ここでは、100ナノグラ ムのヒトゲノム鋳型中の20キロベース標的がPCRで増幅された。反応混合物は、1 0ピコモルのプライマーを含有し、94℃で30秒、62℃で30秒、および68℃で1分 /キロベースの35サイクルPCRに供した。反応の一部をアガロース電気泳動に供 し、図1および2について上記に示されているように、紫外線照射下で臭化エチ ジウム蛍光によって可視化した。結果を表5にまとめる。 外界温度(20-25℃)での保存に際し、全ての処方は6-12週間安定であった。 これらの処方の4℃での保存は、11ヶ月を超える長期の安定性の増大を与えた。 同様の結果が、TaqおよびTne DNAポリメラーゼが、活性比1:1、1:2、1:4、1:5、 1:8、1:10、1:25、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、または1:2000で使用さ れた処方剤で得られ得た。これらの結果は、本発明の大きな配列組成物が5-6キ ロベースを超える核酸配列の増幅での使用に容易に適し、20℃から25℃、または 4℃での保存に対して長期の安定性を示すことを示す。 実施例4:Thermus flavis(Tfl)DNAポリメラーゼおよびThermotoga neapolitall a(Tne)DNAポリメラーゼの組み合わせ 核酸分子の増幅での使用のためのその他のDNAポリメラーゼ組成物を試験する ために、TflおよびTne DNAポリメラーゼの混合物を1:1比率で、2.7キロベースPu c19プラスミドを増幅するのに使用した。増幅反応は、1mM酢酸マグネシウムを 含有する緩衝液中で50μlの最終容量にした。AdtIIでの処理によって直鎖状に されたPuc19の80pgを鋳型として使用し、1μl酵素混合物と接触させた。PCR条 件は、94℃で1分、その後94℃で30秒、60℃で30秒、68℃で5分の35サイクルで あった。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、Tfl DNAポリメラーゼおよびTne DNAポ リメラーゼを含むこの組成物は、2.7キロベースPuc19プラスミドを効率よく増幅 することが分かった。増幅効率は、1μlのTaq DNAポリメラーゼを使用したPuc1 9の増幅と同等であった。 実施例5:Tfl/Tne組成物を使用するゲノムDNAの増幅 Tfl DNAポリメラーゼおよびTne DNAポリメラーゼを含有する組成物は、プラス ミドの大きさにされた核酸分子を効率よく増幅することが実証されたので、これ らの組成物を、ゲノムDNA鋳型から核酸分子を増幅する能力について試験した。 6つの異なるプライマーセットを構築し(0.25から4.1キロベースの大きさに並 べる)、K562ヒト白血病細胞株由来のゲノムDNA鋳型からヒトβ-グロビン遺伝子 を増幅するために使用した。各反応を、40ng/反応の鋳型、および0.5ユニット /反応または1ユニット/反応のTfl/Tne混合物(両混合物中で1:1比率のTflおよ びTne)を含有する50μl容積中で実施した。PCR条件を、94℃で1分、その後94 ℃で30秒、55℃で30秒、68℃で5分間の35サイクルであった。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、全てのプライマーに対して効率のよい 増幅が認められた。異なるプライマーを用いて産生された増幅産物の大きさは、 0.25キロベース、0.7キロベース、1.1キロベース、2.0キロベース、および4.1キ ロベースであった。これらの結果は、Tfl/Tne組成物が、ゲノムDNA鋳型由来の核 酸分子を効率よく増幅することを実証する。 実施例6:DNAポリメラーゼ組成物における種々の酵素比の使用 核酸増幅における異なる酵素比の効果を決定するために、Tfl(3'エキソー)D NAポリメラーゼより多量のTne(3'エキソ+)DNAポリメラーゼを含有する組成物 を作製し、Puc19およびβ-グロビン遺伝子を増幅する能力について試験した。Tf l/Tneの1:3混合物を作製し、これを用いて実施例4に記載の条件下でPuc19を増 幅し、実施例5に記載の条件下でβ-グロビンを増幅した。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、効率のよい増幅が、Puc19およびβ-グ ロビンの両方に対して認められた(全て鋳型の大きさ)。これらの結果は、3'エ キソ+DNAポリメラーゼ(Tne)が3'エキソ-DNAポリメラーゼ(Tfl)より多量に存 在する組成物が、プラスミドおよびゲノムDNA鋳型由来の核酸分子を効率よく増 幅することを実証する。 実施例7:DNAポリメラーゼ混合物を用いる大きな核酸分子の増幅 3'エキソ+および3'エキソ-DNAポリメラーゼの混合物を含有する組成物が、プ ラスミドの大きさおよび小さなゲノム核酸分子を効率よく増幅することが実証さ れたので、このような組成物を、大きな核酸分子を増幅する能力について試験し た。これらの研究に対して、Taq(3'エキソ+)DNAポリメラーゼおよびTma(3'エ キソ-)DNAポリメラーゼ(ULTmaTM;LTI,Gaithersburg,Maryland)の混合物を 調製した。2セットの混合物を調製した:1セットは、Taq 1ユニット、および 種々の量のULTma(0.3ユニット、0.6ユニット、0.8ユニットまたは1ユニット) を含有し、そしてもう一方のセットは、Taqは含有せず、種々の量のULTma(0.3 ユニット、0.6ユニット、0.8ユニットまたは1ユニット)のみを含有した。これ らの組成物を、ヒトβ-グロビン遺伝子の7.5キロベース領域に特異的なプライマ ーを使用して、80mgのヒトゲノムDNAを増幅するために使用した。PCR条件は、94 ℃で1分、その後94℃で30秒、60℃で30秒、68℃で5分の35サイクルであった。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、7.5キロベースβ-グロビンフラグメン トは、Taq DNAポリメラーゼおよびTmq DNAポリメラーゼの両方を含有する全ての 組成物によって効率よく増幅されることが分かった。しかし、Tma DNAポリメラ ーゼのみを含有する組成物は、この大きなフラグメントを増幅することができな かった。コントロール実験で、Taq DNAポリメラーゼのみを含有する組成物もま た、この大きなフラグメントを増幅することができなかった。これらの結果は、 3'エキソ+DNAポリメラーゼおよび3'エキソ-DNAポリメラーゼの混合物を含有する 組成物が、大きな核酸分子の効率的な増幅に有用であり、特に約7キロベースを 超える核酸分子の増幅に有用であることを実証する。 実施例8:種々の比のTaq DNAポリメラーゼおよびTma DNAポリメラーゼを使用す る大きな核酸分子の増幅 3'エキソ+(Taq)DNAポリメラーゼおよび3'エキソ-(Tma)DNAポリメラーゼの 混合物を含有する組成物が、大きな核酸分子を効率よく増幅することが実証され たので、種々の比率でこれらの酵素を含有する組成物を作製し、実施例7からの 7.5キロベースβ-グロビン遺伝子フラグメントを増幅する能力を試験した。2セ ットの混合物を調製した:1セットは、ULTma DNAポリメラーゼ1ユニット、お よび異なる量(0.25、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0ユニット)のTaq DN Aポリメラーゼを含有し、そしてもう一方のセットは、Taq DNAポリメラーゼ1ユ ニットおよび異なる量(1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2.0、3.0、4.0、また は6.0ユニット)のULTma DNAポリメラーゼを含有した。増幅鋳型、プライマー、 およびサイクル条件は、実施例7に記載の通りであった。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、7.5キロベースβ-グロビン遺伝子の効 率のよい増幅が、第一セットの混合物については0.5〜1.0ユニットのTaq DNAポ リメラーゼおよび1.0ユニットのULTmaを含有する組成物のみにおいて認められた 。 0.5ユニット未満のTaq DNAポリメラーゼを含有するこのセット中の組成物は、こ のフラグメントを増幅しなかった。しかし、もう一方のセットの全ての酵素混合 物(すなわち、1.0ユニットTaq DNAポリメラーゼおよび1.0〜6.0ユニットULTma DNAポリメラーゼを含有する組成物)は、7.5キロベースフラグメントの効率のよ い増幅を実証した。別の実験において、β-グロビン遺伝子の13.5キロベースフ ラグメントは、TaqとULTmaとを1:1または1:2比で含有する混合物を使用して効率 よく増幅された。まとめて、これらの結果は、Tma DNAポリメラーゼが、Taq DNA ポリメラーゼと同量またはより多い量で存在する組成物が、大きな核酸分子、特 に約7-13キロベースの大きさより大きな分子を効率よく増幅することを示す。 実施例9:ロングPCRについてのTaq DNAポリメラーゼおよびTne DNAポリメラー ゼの使用 その他のDNAポリメラーゼが、大きな核酸分子の増幅においてTaq DNAポリメラ ーゼもまた含有する組成物中で使用され得るかどうかを決定するために、Taq DN AポリメラーゼおよびTne DNAポリメラーゼの種々の混合物を作製した。これらの 実験に対して、Tne DNAポリメラーゼ欠失変異体(5'エキソ-;3'エキソ+)を、0. 05〜2.0ユニットの範囲の量で1ユニットTaq DNAポリメラーゼと混合し、これを 用いて実施例7に記載の条件下で7.5キロベースβ-グロビンフラグメントを増幅 した。 ゲル電気泳動による増幅産物の分析で、Tne DNAポリメラーゼおよびTaq DNAポ リメラーゼの全ての組み合わせが、7.5キロベースDNAフラグメントを効率よく増 幅することが分かった。これらの結果は、TaqおよびTne DNAポリメラーゼの組み 合わせを含有する組成物が、大きな核酸分子、特に約7キロベースの大きさを超 える分子の増幅において有用であることを示す。 理解を明確にする目的のために例示および実施例によっていくらか詳細に本発 明を十分に記載したが、当業者には、本発明は、本発明の範囲またはそれらのい かなる特定の実施態様にも影響することなく、条件、処方、およびその他のパラ メーターの広くかつ等価な範囲内で発明を改変または変更することによって同じ ことが実施され得、このような改変または変更は、添付の請求の範囲内に包含さ れると意図されることが明白である。 本明細書に記載されている全ての刊行物、特許、および特許出願は、本発明が 関連する当業者の水準を示すものであり、各個々の刊行物、特許、または特許出 願が参考として援用されて詳細かつ個別に示されているのと同程度に、本明細書 中に参考として援用されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ソルス,ジョセフ アメリカ合衆国 メリーランド 20879, ガイザースバーグ,アイビーベリー コー ト 4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.操作濃度で試薬の混合物を含む安定な組成物であって、該試薬が、少なく とも1つの熱安定酵素および少なくとも1つの緩衝塩である、安定な組成物。 2.試薬の混合物を含む核酸増幅のための安定な組成物であって、該試薬が、 少なくとも1つの熱安定DNAポリメラーゼ、少なくとも1つの緩衝塩、および少 なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸である、安定な組成物。 3.試薬の混合物を含む核酸配列決定のための安定な組成物であって、該試薬 が、少なくとも1つの熱安定DNAポリメラーゼ、少なくとも1つのデオキシヌク レオシド三リン酸、少なくとも1つのジデオキシヌクレオシド三リン酸、および 少なくとも1つの緩衝塩である、安定な組成物。 4.前記試薬が操作濃度で存在する、請求項2または3に記載の安定な組成物 。 5.前記熱安定DNAポリメラーゼが、Taq DNAポリメラーゼ、Tne DNAポリメラ ーゼ、Tma DNAポリメラーゼ、およびそれらの変異体からなる熱安定DNAポリメラ ーゼの群より選択される、請求項2または3に記載の組成物。 6.前記熱安定DNAポリメラーゼが、Pfu DNAポリメラーゼ、Pwo DNAポリメラ ーゼ、VENTTMDNAポリメラーゼ、DEEPVENTTMDNAポリメラーゼ、およびそれらの変 異体からなる熱安定DNAポリメラーゼの群より選択される、請求項2または3に 記載の組成物。 7.前記混合物が、DEEPVENTTMDNAポリメラーゼまたはVENTTMDNAポリメラーゼ をさらに含む、請求項5に記載の組成物。 8.前記Taq DNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユニッ ト/ミリリットルである、請求項5に記載の組成物。 9.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項8に記載の組成 物。 10.前記Tne DNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユニ ット/ミリリットルである、請求項5に記載の組成物。 11.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項10に記載の 組成物。 12.前記Tma DNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユニ ット/ミリリットルである、請求項5に記載の組成物。 13.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項12に記載の 組成物。 14.前記VENTTMDNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユ ニット/ミリリットルである、請求項6に記載の組成物。 15.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項14に記載の 組成物。 16.前記DEEPVENTTMDNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜20 0ユニット/ミリリットルである、請求項6に記載の組成物。 17.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項16に記載の 組成物。 18.前記Pfu DNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユニ ット/ミリリットルである、請求項6に記載の組成物。 19.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項18に記載の 組成物。 20.前記Pwo DNAポリメラーゼまたはその変異体の濃度が、約0.1〜200ユニ ット/ミリリットルである、請求項6に記載の組成物。 21.前記濃度が、約20ユニット/ミリリットルである、請求項20に記載の 組成物。 22.前記DEEPVENTTMDNAポリメラーゼまたはVNET DNAポリメラーゼの濃度が 、約0.002〜200ユニット/ミリリットルである、請求項7に記載の組成物。 23.前記濃度が、約0.40ユニット/ミリリットルである、請求項22に記載 の組成物。 24.前記DNAポリメラーゼが、約20℃〜25℃で保存された場合、少なくとも 4週間少なくとも90%の酵素活性を保持する、請求項2または3に記載の組成物 。 25.前記DNAポリメラーゼが、約4℃で保存された場合、少なくとも1年間 少なくとも90%の酵素活性を保持する、請求項5に記載の組成物。 26.マグネシウム塩をさらに含む、請求項2または3に記載の組成物。 27.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項2または 3に記載の組成物。 28.前記デオキシヌクレオシド三リン酸の濃度が、約200〜約300マイクロモ ルである、請求項2または3に記載の組成物。 29.前記ジデオキシヌクレオシド三リン酸の濃度が、約0.08〜約5マイクロ モルである、請求項3に記載の組成物。 30.1つ以上の容器を含む核酸増幅キットであって、第1の容器が、試薬の 混合物を含む安定な組成物を含み、該試薬が、少なくとも1つの熱安定DNAポリ メラーゼ、少なくとも1つの緩衝塩、および少なくとも1つのデオキシヌクレオ シド三リン酸である、核酸増幅キット。 31.1つ以上の容器を含む核酸配列決定キットであって、第1の容器が、試 薬の混合物を含む安定な組成物を含み、該試薬が、少なくとも1つの熱安定DNA ポリメラーゼ、少なくとも1つの緩衝塩、少なくとも1つのデオキシヌクレオシ ド三リン酸、および少なくとも1つのジデオキシヌクレオシド三リン酸である、 核酸配列決定キット。 32.前記試薬が操作濃度で存在する、請求項30または31に記載のキット 。 33.前記核酸分子を請求項2に記載の組成物と接触させる工程を包含する、 核酸分子を増幅する方法。 34.核酸分子を、以下からなる群より選択される組成物と接触させる工程を 包含する、該核酸分子を増幅する方法: 熱安定3'エキソ+DNAポリメラーゼおよび熱安定3'エキソ−DNAポリメラーゼを 含む組成物であって、該3'エキソ+DNAポリメラーゼの濃度および該3'エキソ−D NAポリメラーゼの濃度が等しい、組成物、および 熱安定3'エキソ+DNAポリメラーゼおよび熱安定3'エキソ−DNAポリメラーゼを 含む組成物であって、該3'エキソ+DNAポリメラーゼの濃度が、該3'エキソ− DNAポリメラーゼの濃度よりも高い、組成物。 35.前記核酸分子を請求項3に記載の組成物と接触させる工程を包含する、 核酸分子を配列決定する方法。 36.前記核酸分子を以下からなる群より選択される組成物と接触させる工程 を包含する、核酸分子を配列決定する方法: 熱安定3'エキソ+DNAポリメラーゼおよび熱安定3'エキソ−DNAポリメラーゼを 含む組成物であって、該3'エキソ+DNAポリメラーゼの濃度および該3'エキソ−D NAポリメラーゼの濃度が等しい、組成物、および 熱安定3'エキソ+DNAポリメラーゼおよび熱安定3'エキソ−DNAポリメラーゼを 含む組成物であって、該3'エキソ+DNAポリメラーゼの濃度が、該3'エキソ−DNA ポリメラーゼの濃度よりも高い、組成物。 37.前記核酸分子が、約4キロベースのサイズよりも大きい、請求項33〜 36のいずれか1項に記載の方法。 38.前記核酸分子が、約7キロベースのサイズよりも大きい、請求項37に 記載の方法。 39.前記核酸分子が、約8キロベースのサイズより大きい、請求項38に記 載の方法。 40.請求項33または34に記載の方法によって増幅される核酸分子。 41.前記核酸分子が、約4キロベースのサイズより大きい、請求項40に記 載の核酸分子。 42.前記核酸分子が、約7キロベースのサイズより大きい、請求項41に記 載の核酸分子。 43.前記核酸分子が、約8キロベースのサイズより大きい、請求項41に記 載の核酸分子。
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