JP2696793B2 - 金属蒸着紙の製造方法 - Google Patents

金属蒸着紙の製造方法

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JP2696793B2 JP5475689A JP5475689A JP2696793B2 JP 2696793 B2 JP2696793 B2 JP 2696793B2 JP 5475689 A JP5475689 A JP 5475689A JP 5475689 A JP5475689 A JP 5475689A JP 2696793 B2 JP2696793 B2 JP 2696793B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ビール瓶、包火用紙(煙草用)等に用いら
れる金属蒸着紙の製造方法に関し、特に自動ビン貼り機
等の高速自動機械通過適性(作業適性)の改良された金
属蒸着紙に関するものである。
「従来の技術」 金属蒸着紙は酒、ビール、清涼飲料水等のレーベル用
紙、包火用紙、菓子類の包装用紙等に広く用いられてい
る。これらの用途に金属蒸着紙を用いる場合、先ず金属
蒸着紙を印刷し、次いで使用用途に応じた寸法に小断ち
断裁されて、自動ビン貼り機、自動包装機等にかけられ
てビン貼付けや包装が行われる。
しかしながら、近年自動ビン貼り機、自動包装機等の
高能率化、高速化に伴い小断ち断裁後の用紙がこれらの
高速機械貼付及び包装の際に機械と連動して好ましく給
紙されずに通過トラブルを引起し、結果的に機械をしば
しば停止せざるを得ない問題が発生してきた。(以後高
速機械通過適性と呼称する)。
「発明が解決しようとする課題」 上記の如き事情から、本発明は高速自動ビン貼り機や
自動包装機等に対して優れた高速機械通過適性を有する
金属蒸着紙を提供するものである。
「課題を解決するための手段」 本発明は、原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする水
性系塗被組成物層、合成樹脂を主成分とするアンダーコ
ート層、金属蒸着紙及び必要に応じて合成樹脂を主成分
とするトップコート層を順次設けてなる金属蒸着紙の製
造方法において、原紙として動的濡れ値が−0.32〜0.20
gの原紙を使用し、且つ原紙の片面に乾燥後の重量が5
〜30g/m2になるように水性系塗被組成物を塗被後、裏面
に3〜30g/m2の水性液を塗被することを特徴とする金属
蒸着紙の製造方法である。
「作用」 本発明者等は、ビール瓶用レーベル用紙、包火用紙、
菓子包装用紙等に用いられている金属蒸着紙の小断ち断
裁後の高速機械通過適性について、鋭意研究、検討を重
ねた結果、優れた金属光沢を持ち、しかも優れた高速機
械通過適性を有する金属蒸着紙を得ることに成功した。
即ち、金属蒸着紙は原紙に顔料と接着剤を主成分とす
る水性系塗被組成物を塗被乾燥し、その後アンダーコー
ト層、金属蒸着層、必要に応じてトップコート層を順次
設け、更に印刷によって塗被層側に非親水性の印刷イン
キ膜を形成、乾燥後に初めて所定の寸法に小さく断裁さ
れ、自動ビン貼り機或いは自動包装機等にかけられる。
これらの工程においては、塗被紙製造後に塗被紙が全く
カールをしていなくても、アンダーコート層、金属蒸着
層、又、必要に応じてトップコート層、印刷等の工程を
経るにつれて、これらの後加工が金属蒸着層側にのみ行
われるため、金属蒸着層側に収縮歪みが発生し、小断ち
断裁後に金属蒸着層側を内側にした小断ち後のカール
(以後、小断ちカールと呼称する)が発生することが明
らかとなった。この小断ちカールは、一般にそのカール
の度合いが僅かであるために見逃されていたが高速自動
ビン貼り機、自動包装機等の高速機械通過適性に対して
重要な影響を及ぼすことが明らかとなった。
従来、レーベル用紙等に使用される片面印刷用塗被紙
を印刷機へ給紙する時のカール防止対策としては、原紙
に水性系塗被組成物を塗被乾燥後、裏面に水塗りして印
刷する際に発生するカールを防止する方法が知られてお
り、本出願人も同様のカール対策として特開昭62-13319
8で水塗り装置のアプリケーターロールを紙シートの走
行速度に対して相対速度差が1000m/分以上になるように
回転して3〜4g/m2の水を裏面に塗被する方法を提案し
た。
しかし、この様な片面印刷用レーベル用紙のカール防
止対策では、水塗り条件を種々工夫しても金属蒸着紙の
小断ちカールを改良することは出来なかった。この為に
本発明者等は、鋭意検討、実験を重ねた結果、特定の動
的濡れ値を有する原紙を使用し、その片面に塗被組成物
を乾燥重量が5〜30g/m2になるように塗被後、裏面に水
性液を3〜30g/m2塗被乾燥させた片面塗被紙を使用する
ことにより、優れた金属蒸着光沢を有し、しかも印刷後
の小断ちカールの発生がなく、優れた高速機械通過適性
を有する金属蒸着紙が得られることを見出し、遂に本発
明を完成するに至った。
而して、本発明で用いられる原紙の動的濡れ値は原紙
の米秤や裏面への水塗り量にもよるが、−0.32〜0.20g
の範囲で有効であり、より好ましくは−30.0〜0.10gで
ある。因みに、−0.32g未満では水性系塗被液の原紙へ
の浸透が少な過ぎて塗被層側へのカールが強くなり小断
ちカールの改善効果が少なく、一方0.20gを越えると給
水量が多くなり水が原紙層内部まで浸透する為の裏面水
塗り効果が少なくなり、この場合も同様に小断ちカール
の改善効果を期待することが出来ない。
また、本発明において裏面水性液の塗被量は3〜30g/
m2が必要であり、より好ましくは5〜20g/m2の範囲であ
る。因みに、3g/m2では本発明で規定された原紙を用い
ても金属蒸着紙の小断ちカールの発生を防止出来ない
し、また30g/m2を越えると水性液を均一に塗被すること
が困難であるばかりでなく、金属蒸着面を外にした逆小
断ちカールが発生し易くなり、この場合もやはり高速機
械通過適性を有する片面印刷用塗被紙を得ることが出来
ない。
更に、水性系塗被組成物の塗被量としては乾燥重量で
5〜30g/m2、より好ましくは10〜25g/m2の範囲となるよ
うに塗被乾燥されることが重要である。因みに、5g/m2
未満では連続した塗被層が得られ難く、優れた金属光沢
が得られず、一方、30g/m2を越えると塗被層の乾燥収縮
がひどくなり、本発明で規定した動的濡れ値を有する原
紙を用いても小断ちカールの発生を抑制することが出来
ない。
即ち、本発明は特定の動的濡れ値を有する原紙上に、
規定量の印刷用水性系塗被組成物を塗被い、更にその裏
面に規定量の水性液を塗被或いは含浸させるもので、上
記3条件の相乗効果によって、初めて本発明の目的とす
る小断ちカールの発生がなく高速機械通過適性に優れ、
且つ金属光沢を有する金属蒸着紙が得られるものであ
る。従って、上記3条件の内のいずれか1つである。そ
の規定条件を外れると、本発明の所望の効果を発揮する
ことができない。
ここに、動的濡れ値とは、動的濡れ性試験器(WET-30
00/レスカ(株)製)を用いて、原紙の水に対する濡れ
易さ(付着力)を時間的に測定した値である。具体的に
は、上記試験器を用いて、2×5cmの試験片を16mm/秒の
速さで、水中12mmの深さに10秒間浸漬した時の時間的濡
れの大きさ(付着力)を測定するものである。本発明者
等はこの濡れ値について更に研究した結果、この試験器
で測定される時間的な濡れ値として水浸漬後2秒後の濡
れ値が本発明の小断ちカールの調節に極めて大きな影響
を持つことを見出したものである。従って、本発明でい
う原紙の動的濡れ値とは、水浸漬後2秒後の濡れ値をい
うものである。
又、原紙の動的濡れ値のコントロールは、パルプ組
成、叩解条件、填料の種類と添加量、紙力剤、内添サイ
ズ剤、pH、表面サイズ剤、表面処理剤、乾燥条件等を個
々の沙紙機及び沙紙条件により適宜調整して決定される
ものであり、一概に特定できるものではない。なお、本
発明の方法で特定した原紙の動的濡れ値と小断ちカール
との間に性質として一般に測定されているコブ吸水度、
ステキヒトサイズ度等の値との間には見出せなかった。
本発明において、塗被組成物から成る塗被層を形成す
るために用いられる水性塗被液は、従来の顔料及び接着
剤を主成分とする塗被紙用塗被液をいずれも適用できる
ものである。
顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アン
モニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、タル
ク、プラスチックピグメント等の如き通常の塗被紙用顔
料の一種以上が適宜選択して使用される。
接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋
白等の蛋白質類;スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメ
タクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル
系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等
のビニル系重合体ラテックス、或いはこれらの各種重合
体ラテックスをカルボキイル基等の官能基含有単量体で
変性したアルカリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合
体ラテックス;ポリビニルアルコール、オレフイン・無
水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着
剤;陽性化澱粉、酸化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等の如き通常の塗被紙等接着剤の一種以上が
適宜選択して使用される。
なお、一般に接着剤は顔料100重量部に対して5〜50
重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で配合
される、また、塗被液中には必要に応じて消泡剤、着色
剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される
が、塗被層の固化を促進する助剤として、例えばアミ
ン、アミド、ポリアクリルアミド等や亜鉛、アンモニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の多価金属
の塩を顔料100重量部に対して0.1〜10重量部程度添加し
てもよい。
塗被液は、一般の塗被紙程度に用いられる例えばブレ
ードコーター、エヤーナイフコーター、ロールコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター、カーテン
コーター、ダイスロットコーター、グラビヤコーター、
チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター等の
塗被設置を設けたオンマシン或いはオフマシンーコータ
ーによて原紙上に一層あるいは多層に分けて塗被され
る。
その際の塗被液の固形分濃度は一般に40〜75重量%程
度であるが、操業性を考慮すると45〜70重量%の範囲が
好ましい。
また、湿潤塗被層を乾燥する方法としては、従来から
知られている蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、
電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、
レーザー加熱、電子線加熱等の各種方式が適宜採用でき
る。
本発明で用いられる水性液としては水が一般的である
が、小断ちカールの防止の為に水性液の粘度を高くし、
水塗りカール防止効果を助長する、澱粉類、CMC、メチ
ルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、カゼイ
ン、大豆蛋白、ポリアクリル酸塩等ポリビニールアルコ
ール、スチレン無水マレイン酸共重合体等の高分子化合
物も水性液として適宜用いることも可能であり、また必
要に応じて少量の無機顔料や有機顔料を併用することも
できる。この場合の水性液塗被層としては3〜30g/m2
あり、乾燥後に固形塗被物が残る水性液については、乾
燥後の塗被量が10g/m2以下になるように塗被されること
が重要である。10g/m2を越えると金属蒸着面を外にした
逆小断ちカールが発生するので好ましくない。
又、裏面の水性液塗被方法は特に限定するものではな
いが、ビルブレードコーター、ゲートロールコーター、
ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコー
ター等がオン或いはオフコーターで用いられ、特開昭62
-133198に記載した様な1〜3本のロール式キスコータ
ーが特に好ましく用いられる。なお、水性系塗被組成物
を塗被した後に裏面へ水性液が塗被されるが、水性系塗
被組成物の乾燥は裏面に水性液を塗被した後で同時に行
っても良い。
本発明の原紙としては、ヤンキーマシンで沙紙、乾燥
された原紙を使用するのが特に好ましい。即ち、ヤンキ
ードライヤー乾燥方式では湿潤紙層が鏡面ドライヤーの
表面に貼りついた状態で乾燥されるため、一般の長網沙
紙機における多筒式乾燥ドライヤーで乾燥された原紙を
使用した場合よりも表面平滑性に優れ、且つ乾燥工程中
での乾燥収縮が低く抑えられているため、金属光沢に優
れ、小断ちカールの起こり難い金属蒸着紙が得られるた
めである。なお、純白ロール紙の製造等で最近多用され
ている多筒式乾燥ドライヤーとヤンキードライヤーとを
組み合わせたヤンキーマシンで沙紙された原紙よりも、
ヤンキードライヤー乾燥のみで乾燥された原紙の方がよ
り湿度や水分変化に対する伸縮が小さく小断ちカールの
改良効果が大きいのみならず、金属蒸着紙(ラベル用
紙)に発生しやすい浸水クラックの発生が効果的に抑え
られるので瓶貼り用途においてはこのヤンキードライヤ
ー乾燥方式の原紙を用いるのが特に好ましいものであ
る。
かくして上記の如く特定の原紙上に特定の塗料層を塗
被された支持体は、塗料層を乾燥した後で平滑化処理を
施すのが好ましく、例えばスーパーキャレンダー、グロ
スキャレンダー(特開昭49-132305号,公表特許公報63-
500188号)、ソフトキャレンダー(紙パルプ技術タイム
ス,62年8月号,31〜36頁;PPI,1987年11月号、45〜47頁;
WFP,1985年,22,873〜877頁)等の金属ロールやドラムと
弾性ロールより成る各種キャレンダーがオンマシンやオ
フマシンで適宜使用される。なお、金属ロール表面は硬
質クロムメッキ等で鏡面処理してもよく、その表面温度
は100〜500℃の高温に保つのがより好ましい。また、弾
性ロールはエポキシ、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリアミドイミド等の樹脂ロールやコットン、
アスベスト、ナイロン、アミラド繊維等を成型してロー
ル化したもの等が適宜使用されるが、アラミドロールの
ように耐熱性の高い材質が特に好ましく用いられる。
高温キャレンダーで処理する際の各種処理条件は目的
とする塗被紙の種類、原紙条件、塗被層の性質、コート
層、紙水分、仕上げ速度等に応じて適宜調節されるが、
キャレンダーロールの表面温度は高い方が塗被層の可塑
化がより促進されるので好ましく、一般には40〜300℃
程度の範囲で調節される。また、キャレンダーロールの
加圧条件は線圧で、100〜500kg/cm程度に維持するのが
好ましく、一般には150〜350kg/cm程度の範囲で調節さ
れ、加圧ニップの数はソフトキャレンダーの場合には通
常1グラムあたり2〜6ニップであるが、スーパーキャ
レンダーの場合には3〜11ニップ程度が一般的である。
ニップに入る前の塗被紙の水分は約30〜10%程度が好ま
しく、キャレンダーの仕上げ速度は紙の米秤、紙品種等
によって大きく異なるが100〜1300m/分の範囲が好まし
い。
本発明の金属蒸着紙において、合成樹脂を主成分とす
るアンダーコート層を形成する前の塗被紙は、できるだ
け嵩高く、しかも平滑な表面を備えているのが望まし
い。理由はアンダーコート層上に設けられる金属蒸着紙
は約500Åと非常に薄いため、塗料層表面の平滑性が悪
いと充分な金属光沢が得られず、充分な表面平滑性を得
るためにスーパーキャレンダーで高圧処理をすると、平
滑性は得られてもラベル用紙の硬さ、腰、剛度が低下し
て、例えば最近の高速ラベル貼り機でビール瓶等に正常
にラベルを貼ることが出来なくなってしまうためであ
る。この点からもヤンキーマシン乾燥原紙が好ましく用
いられる。
また、キャレンダー処理においては前記の如く100℃
以上に加熱された高温キャレンダーで、本発明の熱可塑
性に富んだ塗料層を処理する方法は、紙を潰さずに嵩高
く表面を平滑に仕上げることができるため好ましい方法
である。
かくして形成された塗被紙上にアンダーコート層、金
属蒸着層並びに必要に応じてトップコート層が順次形成
されるが、アンダーコート層はその上に設けられる金属
蒸着層が優れた金属光沢を有するように紙に平滑性を付
与したり、蒸着層と塗料層を含む原紙の接着強度を高め
る目的で設けられる。アンダーコート層は合成樹脂を主
成分とする層であるが、使用される合成樹脂は、溶剤
系、水性系、ノンソルベント系に大別される。一般的に
は溶剤系のものが使用されるが、具体的な樹脂の例とし
ては、例えばアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、ビニ
ル系樹脂、セルローズ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂等が挙げられる。なお、各種の樹脂を適宜
アルカリ易溶性に変性して水性系で使用することもあ
る。また、アンダーコート層は、ロールコーター、リバ
ースコーター、グラビアコーター、キャストコーター、
バーコーター等一般に使用される塗工機で塗被される。
金属蒸着紙はアンモニウム、金、銀、亜鉛等の金属に
よって形成されるが、コストと外観の点からアンモニウ
ムが好ましい。アンモニウムの蒸着量は外観とコストの
面から蒸着膜厚0.01〜0.10μm程度が好ましい。
かくして形成された金属蒸着層上に金属蒸着面の酸化
防止や印刷等の後加工適性を高めるために、必要に応じ
てトップコート層が設けられる。なお、トップコート層
も合成樹脂を主成分として形成されるが、アンダーコー
ト層と同様の樹脂が用途に応じて適宜選択して使用され
る。
更に、ラベル用紙としてグラビア印刷機やオフセット
印刷機で必要な印刷を施した上に必要に応じてオーバー
コート層を設けることもあり、ラベル適性を向上せしめ
るために、調湿、カール防止等の処理工程を適宜付加す
ることもできる。
なお、本発明で用いる原紙としては、一般の印刷用塗
被紙に用いられる米秤30〜200g/m2程度のペーパーベー
スやボードベースの原紙が用いられるが、沙紙方法につ
いては特に限定されず、酸性沙紙、アルカリ性沙紙いず
れであっても良く、勿論、高歩留パルプを含む中質原紙
も使用できる。
「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論その範囲に限定されるものではない。また例中
の「部」及び「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。
実施例1 晒NKP60部、晒LKP40部のパルプ配合に、ロジンサイズ
1.5部、タルク5部、硫酸バンド3部を添加して調製し
た紙料を、ヤンキードライヤのみを使用した沙紙機で沙
紙乾燥して米秤50g/m2の原紙を得た。なお、この原紙の
動的濡れ値は−−0.25gであった。
別にカオリン(商品名:UW-90,EMC社製)100部、ヘキ
サメタ燐酸ソーダ0.2部をコーレス分散機を用いて水中
に分散し、固形分濃度70%の顔料スラリーを調製した。
このスラリーに酸化澱粉(商品名:エースA,王子コンス
社製)3部、変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテッ
クス(商品名:JSR0696,日本合成ゴム社製)25部(固形
分)を加え、更に水を加えて固形分濃度60%の塗液を調
製した。
この塗液を上記原紙の平滑面側にオフのベンドブレー
ドコーターを用いて乾燥後の塗被量が15g/m2となるよう
に塗被乾燥した。続けて、2本のキスロールコーターを
使用して裏面に水を15g/m2塗被し、エアーホイル乾燥機
で乾燥して紙水分が6.5%の片面塗被紙をえた。次いで1
50℃の表面温度を有する金属ロールとエポキシ樹脂の弾
性ロールからなる4ニップのソフトコンパクトキャレン
ダーで線圧150kg/cmの条件で表面仕上げをし、その後ア
クリル系エマルジョンをグラビアコーターで乾燥後の塗
被量が4g/m2となるように塗工してアンダーコート層を
形成した。
次にアンダーコート層上にアンモニウムを真空蒸着機
で500Åの厚さになるように蒸着し、さらにアクリル系
のトップコート層形成樹脂を塗被して金属蒸着紙を得
た。
このようにして得た金属蒸着紙を下記の如き方法によ
り小断ちカールの評価を行った。
(小断ちカール) 印刷後の金属蒸着紙を6×10cmに小断ち後、20枚を重
ねて温度20℃、相対湿度60%RHの条件下に静置した後、
カールの発生状況を目視で判定した。
◎:カールの発生がなく、良好 ○:ほぼフラットであり、実用上問題なし ×:カールがひどく、不良 なお、このときの原紙の動的濡れ値(g)、塗被層の
乾燥塗被量(g/m2)、裏面水性液塗被量(g/m2)等各条
件及び得られた金属蒸着紙の品質評価結果を表−1に示
した。
実施例2 実施例1の紙料の調製において、ロジンサイズの添加
量1.5部を0.1部に変更したこと以外は実施例1と同様に
して動的濡れ値が0.15g、米秤50g/m2の原紙を得た。こ
の原紙上に実施例1と同様の塗液を乾燥後の塗被層が25
g/m2となるように同様に塗被したこと以外は実施例1と
同様にして金属蒸着紙を得た。次いで実施例1と同様に
して金属蒸着紙の小断ちカールを測定し、得られた結果
及びこのときの各条件を表−1に示した。
実施例3 実施例1の紙料の調製において、ロジンサイズの添加
量1.5部を1.0部に変更したこと以外は実施例1と同様に
して動的濡れ値が−0.15gの米秤50g/m2の原紙を得た。
この原紙上に実施例1と同様の塗液を乾燥後の塗被層が
10g/m2、及び裏面水性液塗被量10g/m2となるように塗被
し、ソフトコンパクトキャレンダーに替えて12段スーパ
ーキャレンダーを用いた以外は実施例1と同様にして金
属蒸着紙を得た。以後実施例1と同様に処理し、得られ
た結果及びこのときの各条件を表−1に示した。
実施例4 実施例3において、塗被層の乾燥重量が20g/m2,裏面
の水性液塗被量を25g/m2とした以外は実施例3と同様に
して金属蒸着紙を得た。このようにして得た金属蒸着紙
を実施例1と同様に印刷、処理し、得られた結果及びこ
のときの各条件を表−1に示した。
晒NKP60部、晒LKP40部のパルプ配合に、填料として重
質炭酸カルシウム10部、硫酸バンド0.5部、カチオン澱
粉0.5部、アルキルケテンダイマー0.1部及びアニオン性
ポリアクリルアマイド0.02部を添加して調製した紙料
を、4本の前乾燥用シリンダードライヤーを有するヤン
キードライヤ沙紙機で沙紙、乾燥して、動的濡れ値が−
0.10g、米秤50g/m2の原紙を得た。次いで、この原紙上
に実施例3と同様の塗液を乾燥後の塗被層が15g/m2、裏
面の水性液塗被量を15g/m2としたこと以外は実施例3と
同様にして金属蒸着紙を得た。以後、実施例1と同様に
して評価試験を行い、得られた結果及びこのときの各条
件を表−1に示した。
実施例6 晒NKP20部、晒LKP80部のパルプ配合に、カチオン性ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂0.06部、サイズ剤アコ
ーペルを0.3部、重質炭酸カルシウム20部、カチオン澱
粉0.2部を添加して調成した紙料を長網沙紙機で沙紙
し、ゲートロールコーターを用いて燐酸エステル化澱粉
3g/m2塗被、乾燥して米秤105m2の原紙を得た。この原紙
の動的濡れ値は−0.30gであった。別にカオリン(商品
名;UW−90、EMC社製)50部、微粒化重質炭酸カルシウム
(商品名;カービタル90、富士カオリン社製)50部とを
配合しポリアクリル酸ソーダ0.2部を加えてコーレス分
散機にて分散し、固形分濃度70%のスラリーを調整し
た。この顔料スラリーに実施例1で使用した酸化澱粉6
部(固形分)およびスチレンーブタジエン共重合体ラテ
ックス12部(固形分)を加え、更に水を加えて固形分濃
度62%の塗被液を調整した。この塗被液を前記の原紙の
片面にブレードコーターを用いて乾燥重量が8g/m2にな
るように塗被乾燥し、引き続きベント・ブレードコータ
ーでナトリウム・カルボキシメチルセルローズ0.3%を
含む水性液5g/m2を塗被乾燥して、紙水分が6.0%の塗被
紙を得た。このようにして得られた塗被紙を金属ロール
の表面温度が85℃、2ニップ、線圧250Kg/cm、速度450m
/minの条件でソフトキャレンダー機により通紙仕上げを
行った。以後、この塗被紙を用いて実施例1と同様にし
て金属蒸着紙を得た。このときの各条件及び金属蒸着紙
の小断ちカールの測定結果等を表−1に示した。
比較例1〜2 実施例1の紙料の調製において、ロジンサイズの添加
量1.5部を2.0部(比較例1)、および0部(比較例2)
としたこと以外は実施例1と同様にして、動的濡れ値が
それぞれ−0.34g及び0.22gの原紙を得た。この原紙を用
いた以外は実施例1と同様にして金属蒸着紙を得た。更
に、同様にいてこのときの各条件及び金属蒸着紙の小断
ちカールの測定結果を表−1に示した。
比較例3〜4 水性液として、裏面に水を塗被量2g/m2(比較例3)
及び35g/m2(比較例4)となるように塗被した以外は実
施例1と同様にして金属蒸着紙を得た。更に、同様にし
てこのときの各条件及び金属蒸着紙の小断ちカールの測
定結果を表−1に示した。
比較例5〜6 塗被組成物の塗被乾燥重量を4g/m2(比較例5)及び3
5g/m2(比較例6)とした以外は実施例1と同様にして
金属蒸着紙を得た。更に、同様にしてこのときの各条件
及び金属蒸着紙の小断ちカールの測定結果を表−1に示
した。
「結果」 表−1の結果から明らかなように、本発明の実施例で
得られた金属蒸着紙は小断ちカールが殆ど発生せず、金
属光沢を有した金属蒸着面が得られ且つ高速自動機械通
過適性の優れたものであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする水
    性系塗被組成物層、合成樹脂を主成分とするアンダーコ
    ート層、金属蒸着層及び必要に応じて合成樹脂を主成分
    とするトップコート層を順次設けてなる金属蒸着紙の製
    造方法において、原紙として動的濡れ値が−0.32〜0.20
    gの原紙を使用し、且つ原紙の片面に乾燥後の重量が5
    〜30g/m2になるように水性系塗被組成物を塗被後、裏面
    に3〜30g/m2の水性液を塗被することを特徴とする金属
    蒸着紙の製造方法。
  2. 【請求項2】原紙の動的濡れ値が−0.30〜0.10g、水性
    系塗被組成物の固形量が10〜25g/m2であり、且つ裏目に
    塗被する水性液の塗被量が5〜20g/m2である請求項
    (1)記載の製造方法。
  3. 【請求項3】原紙がヤンキードライヤーで乾燥された原
    紙である請求項(1)又は(2)記載の製造方法。
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