JPH04300388A - 両面キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

両面キャスト塗被紙の製造方法

Info

Publication number
JPH04300388A
JPH04300388A JP6353591A JP6353591A JPH04300388A JP H04300388 A JPH04300388 A JP H04300388A JP 6353591 A JP6353591 A JP 6353591A JP 6353591 A JP6353591 A JP 6353591A JP H04300388 A JPH04300388 A JP H04300388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
double
cast
coated paper
sided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6353591A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Yamamoto
徹 山本
Kazuyuki Takada
和幸 高田
Masaji Okada
正司 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
Priority to JP6353591A priority Critical patent/JPH04300388A/ja
Publication of JPH04300388A publication Critical patent/JPH04300388A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面キャスト塗被紙の
製造方法に関し、特に高品質の薄物両面キャスト塗被紙
を効率良く製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物の高級化、ビジュアル化お
よびカラー化などにより、印刷適性ならびに印刷効果の
優れた塗被紙、とりわけ雑誌や書籍の本文用紙として薄
物の高級印刷用塗被紙の要望が高まっている。なかでも
キャスト塗被紙はその外観、印刷効果などの優れた特性
により最高級印刷用塗被紙として使用されているが、こ
れまで両面の薄物キャスト塗被紙は、要望に対して充分
な製品が市場に出されていなかった。
【0003】キャスト塗被紙の製造方法としては、湿潤
状態の塗被層を加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して
光沢仕上げするウエットキャスト法、湿潤状態の塗被層
を一旦乾燥した後、再湿潤液により可塑化させて鏡面を
有する加熱ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするリウ
エットキャスト法、湿潤状態の塗被層をゲル状態にして
鏡面を有する加熱ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げす
るゲル化キャスト法などが知られている。これらはいず
れも、顔料および接着剤を主体とする塗被層が水を含み
湿潤状態にある間に加熱された鏡面に圧接して乾燥し、
離型させて強光沢仕上げする点で原理的に共通している
【0004】キャスト塗被紙が本文用紙として使用され
る場合には、現実的には片面がキャスト仕上げされた強
光沢面を持ち、その裏面はアート紙やコート紙あるいは
上質紙である片面キャスト塗被紙が殆どである。キャス
ト塗被紙は印刷用塗被紙として最高級の光沢と平滑性を
持ち、印刷物は他のアート紙やコート紙では得られない
特有の美麗な仕上りを発揮する。このようなことから両
面ともに鏡面仕上げされた両面キャスト塗被紙、とりわ
け薄物両面キャスト塗被紙が要望されている。
【0005】この両面キャスト塗被紙を製造するには、
原紙または下塗りを設けた原紙の片面をキャスト仕上げ
して、これを一旦巻取り、再度その反対裏面に同様のキ
ャスト仕上げする方法やキャストコーターを連続に配置
して両面をキャスト仕上げする方法をとることになる。
【0006】しかしながら、これらの方法によって両面
キャスト塗被紙を製造する場合には、操業面と品質面で
解決しなければならない重要な問題点がある。即ちウエ
ットキャスト法の場合はキャスト塗被量が多いと両面目
をキャスト仕上げするときに、その水分が裏面に浸透し
て蒸発乾燥中に先にキャストされている面の光沢平滑性
を悪化させてしまう。またリウエットキャスト法やゲル
化キャスト法の場合はプレス圧が高いために同様に先キ
ャスト面を損なうという難点を抱えている。
【0007】キャスト塗被紙の製造においては、強光沢
と良好な平滑性を発揮させ、しかも効率の良い操業性を
得るために、湿潤塗被層を少なくする手段として下塗り
塗被液を先ず原紙に塗被し、乾燥ないしは半乾燥した上
にキャスト塗被層を設ける方法がとられている。かかる
方法によれば、キャスト塗被層の塗被量を減少しても充
分な強光沢と良好な平滑性を得ることができる。特に下
塗り層の塗被量を多くしたり、二層以上の多層に分けて
下塗り塗被層を設けた場合には、上塗りキャスト湿潤層
の塗被量を大幅に減少させ、キャスト仕上げの蒸発水分
量を減少させることができる。
【0008】しかし、下塗り塗被層を設けた原紙の蒸気
透過性は下塗り塗被層形成によって著しく低下し、下塗
り塗被量が多すぎるとその傾向が大きくなるため、湿潤
塗被層の鏡面ドラム面への密着が不十分になったり、塗
被層の一部がドラム面へ付着するドラムピック現象がし
ばしば発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原紙の抄紙
方法を特定することにより、キャスト仕上げにおける水
分蒸気透過性を改良して、操業面および品質面に優れた
両面キャスト塗被紙、特に薄物両面キャスト塗被紙の製
造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙の両面に
顔料および接着剤を主成分とする下塗り塗被層を設け、
さらに顔料および接着剤を主成分とする上塗り塗被層を
設け、上塗り塗被層が湿潤状態にある間に加熱された鏡
面ドラムに圧接して乾燥し、両面を順次キャストコーテ
ィング仕上げする両面キャスト塗被紙の製造方法におい
て、該原紙が両面脱水機構を装備した抄紙機で製造され
ていることを特徴とする両面キャスト塗被紙の製造方法
である。
【0011】
【作用】キャスト塗被紙の製造方法においては、キャス
ト塗被層中の水分は塗被層が加熱ドラム面に密着されて
いるため、仕上げ面方向には蒸発することができず、通
常の塗被紙製造方法の乾燥とは異なり、水分は全て原紙
層を通して裏面へ蒸発させることになる。
【0012】即ち両面キャスト塗被紙の両面目をキャス
ト仕上げする場合は、キャスト塗被層の水分は加熱ドラ
ム面の熱により水蒸気化し、下塗り塗被層中を透過し、
次いで原紙層、裏面下塗り層を透過し、さらに先にキャ
ストされた裏面キャスト塗被層を透過して乾燥が行われ
る。このため両面キャスト塗被紙の生産速度は著しく制
限され、また先キャスト面の品質を維持することが不可
能であった。
【0013】本発明者らは長年にわたり両面キャスト塗
被紙の生産速度の改善と品質向上について、特に水蒸気
透過性の優れたキャスト塗被用原紙の開発に着目し、鋭
意研究した結果、原紙の水蒸気透過性は原紙中の微細繊
維や鉱物質顔料である填料の量に比例しているのみなら
ず、原紙中の厚さ方向における微細繊維や填料の分布が
大きく影響していることを見出した。
【0014】即ち、一般にフォードリニア式抄紙機と称
される、片面脱水方式の長網抄紙機で製造する場合には
、パルプスラリー中の微細繊維や填料の一部はワイヤー
より抜けて離脱していく、他方ワイヤーに接していない
フェルト面は急激な脱水作用がないため微細繊維や填料
の離脱が少ない。したがって片面脱水方式の長網抄紙機
で製造された原紙は、微細繊維や填料の分布が偏ってし
まい、フェルト面は緻密な層構造になり、そのため水蒸
気透過性が劣ることになる。
【0015】一方、両面から脱水される両面脱水機構の
、例えばツインワイヤー抄紙機などで製造した原紙の微
細繊維や填料の分布は、充分に調節した場合には原紙の
両側に少なく厚さ方向の中央付近に比較的多く均一な分
布を示した。そしてこのような原紙は水蒸気透過性が良
く、両面キャスト塗被紙の製造において従来の片面脱水
方式の長網抄紙機で製造した原紙に比較して乾燥効率が
大幅に改善された。
【0016】本発明でいう、両面脱水機構を装備した抄
紙機で製造した原紙とは、一般に走行可能な二組の長網
を装備した抄紙機で製造した原紙のことである。即ち、
パルプスラリーを抄紙機のワイヤーパートに設けた上下
または平行に配置した二組のワイヤーで同時に挟むか、
あるいは時間差をおいて両側から脱水を行うか、いずれ
にしてもパルプスラリーの両側から吸引脱水が可能な走
行するワイヤーを装備した抄紙機で製造した原紙である
【0017】パルプスラリー中の微細繊維や填料の一部
は両面から脱水される水と一緒に離脱する。脱水されな
がら形成される紙ウエットシートは、その両側において
中央からそれぞれの表面に向かう程微細繊維や填料の分
布が希薄となるが、厚さ方向に比較的均一な分布となり
、紙質密度も小さくなる。その結果、水蒸気が容易に透
過でき、水蒸気透過性に優れた原紙が得られるのである
【0018】本発明は、優れた品質の両面キャスト塗被
紙を効率良く製造するために、両面脱水機構を備えた抄
紙機により製造した原紙を使用するところに特徴を有す
るものであるが、さらに、原紙の米坪が50g/m2 
以下、あるいは両面キャスト塗被紙の米坪が90g/m
2 以下である薄物両面キャスト塗被紙を、プレス皺や
紙切れなどのトラブルが発生せずに操業できる改善方法
について、原紙を中心に種々検討研究を重ねた結果、特
定の紙力増強剤を内添した原紙を用いると、極めて効果
的に薄物両面キャスト塗被紙が得られることを見出した
【0019】本発明の特定の紙力増強剤としては、アニ
オン性基を1〜20モル%含有するアクリルアミド系重
合体とカチオン性基を1〜30モル%含有するアクリル
アミド系重合体からなるアクリルアミド系樹脂、澱粉誘
導体および繊維素誘導体から選ばれる少なくとも一種以
上が選択的に使用される。これらの紙力増強剤はパルプ
スラリーに添加され、抄造、乾燥によって原紙に紙力を
付与するもので、一般に内添紙力増強剤と言われる。そ
して通常の内添紙力増強剤はフィルム化し易いため原紙
の水蒸気透過性を著しく阻害するが、本発明の原紙に用
いる上記特定の紙力増強剤はフィルム化が起こり難く、
水蒸気透過性の低下が少ないものであり、且つ紙力を有
効に増大させる効果を発揮する。
【0020】従って、キャスト仕上げの時の原紙の裂け
が効果的に防止でき、操業性を大幅に改善できると共に
、原紙の水蒸気透過性を低下させることがないので、高
速度でのキャストコーティングが可能となる。
【0021】上記の特定のアクリルアミド系重合体を構
成するアニオン性基の具体例としてはスルホン基、カル
ボキシル基などがあり、カチオン性基としては1級〜3
級アミノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。ま
た、天然高分子系の紙力増強剤である澱粉誘導体として
は陽性化澱粉、酸化澱粉などの変性澱粉類があり、繊維
素誘導体としてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどが挙げられる。
【0022】なお、上記のアクリルアミド系重合体を本
発明におけるパルプスラリーに添加する場合は、添加量
として対パルプ当りアニオン性アクリルアミド系重合体
を0.1〜2.0重量%、カチオン性アクリルアミド系
重合体を0.03〜0.7重量%程度の範囲で添加する
のが望ましい。因に、上記規定の最低率未満では所望の
効果がえられず、一方上限を越えると損紙の再離解性が
困難となり且つ経済上からも好ましくない。また天然高
分子系の紙力増強剤の場合は、添加量として対パルプ当
り0.05〜3.0重量%程度の範囲で好ましく用いら
れる。勿論、天然高分子系の紙力増強剤とアクリルアミ
ド系樹脂を適宜併用して用いることも可能である。
【0023】アクリルアミド系重合体をパルプスラリー
に添加する方法は、アニオン性重合体とカチオン性重合
体を同時に添加することを避ければどちらを先に添加し
ても構わない。しかし、通常はアニオン系、カチオン系
の順に添加し、前者が十分にパルプ中に分散される時間
を持ってから後者を添加することが望ましい。勿論、同
一化合物内に両イオン性基を持ついわゆる両性アクリル
アミド系重合体の場合はこの限りではない。
【0024】なお、天然高分子系の紙力増強剤を併用す
る場合は、そのイオン性を考慮して反対符号のイオン化
合物が直接あるいは短時間に接触することを避ければ、
その添加場所や添加時期については特に限定するもので
はない。
【0025】本発明の方法で用いられる原紙を抄造する
場合に使用されるパルプとしては、通常の抄紙機で使用
するものが用いられ、例えば化学パルプ(KP,SP,
APなど)、機械パルプ(SGP,RGP,CGP,T
MP,CTMP,SCPなど)、古紙再生パルプ(DI
Pなど)などがあり、さらにガラス繊維、石綿、スラグ
ロック、アルミノシリケート繊維、炭素繊維などの無機
繊維やポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アク
リル繊維、アラミド系繊維、フェノール系、弗素系繊維
および合成パルプなどの有機繊維も含まれる。これらの
パルプは最終製品の仕様に応じて適宜配合され、機械的
処理、必要な各種内添剤などが加えられ、パルプ調成を
経て抄紙される。
【0026】勿論、この場合の抄紙法としては酸性抄紙
、中性(アルカリ)抄紙などによって任意に抄紙される
ものであり、特に限定されるものではない。また、これ
らの抄紙法においては、例えば酸性抄紙の場合にはタル
クやカオリンなどの顔料が、中性抄紙の場合には重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウ
ム類、さらにタルクやカオリン、不透明性改善のために
二酸化チタン、焼成カオリン、プラスチックピグメント
などの顔料がパルプスラリー中に適宜内添され得るもの
である。
【0027】また、上記の如き条件によって抄紙される
原紙の米坪は薄物から厚物に至るまで適用が可能である
が、とりわけ本発明の方法は米坪が50g/m2 以下
の薄物用原紙、あるいは米坪が90g/m2 以下の薄
物両面キャスト塗被紙に適用した場合に極めて優れた効
果を発揮するため、このような薄物原紙への適用は本発
明の好ましい実施態様のひとつである。
【0028】次に本発明は、特定の下塗り塗被層を用い
た場合に極めて優れた効果を得ることができる。以下、
下塗り塗被層について述べる。下塗り塗被層を設けたキ
ャスト原紙の水蒸気透過性は、下塗層の形成によって大
きく影響する。本発明者等は下塗層のあるキャスト原紙
の水蒸気透過性の改良についても鋭意検討を重ねた結果
、ジルコニウム化合物を含有した塗被紙は水蒸気透過性
に優れ、特にカオリンを配合した塗被紙ではその効果が
著しいことを見出し本発明を完成するに至った。
【0029】即ち、キャスト塗被紙の下塗層にカオリン
を全顔料の20重量%以上とジルコニウム化合物をZr
O2 として顔料に対して0.05〜3.0重量%含有
させることにより、下塗りキャスト原紙の水蒸気透過性
が著しく改良されると共に、極めて平滑な下塗り塗被層
が得られる結果、キャスト塗被層の量を大幅に減少させ
ることができ、両面キャスト塗被紙を高品質且つ高速度
で製造できるようになるのである。
【0030】本発明でいうカオリンは、一般の塗被紙用
顔料として用いられるもので、下塗り塗被層を形成する
顔料に対し20重量%以上含有させることが必要である
。因に20重量%未満では所望の高品質を得ることがで
きない。またカオリンと併用される他の顔料としては、
例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、サチンホワイト、プラスチックピグメントなどの
一般の塗被紙用顔料が挙げられる。
【0031】ここで本発明の下塗層に用いるジルコニウ
ム化合物としては、水溶性のものが好ましく、例えば酢
酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸
ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、
ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、オキシ塩化
ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシヨウ化
ジルコニウム、などがあり、塗被紙の製造においては炭
酸ジルコニウムアンモニウムが特に好ましく用いられる
【0032】本発明ではジルコニウム化合物をZrO2
 として顔料に対して0.05〜3.0重量%の範囲で
使用する。因に、0.05重量%未満では所望の効果が
得難く、3.0重量%を越えると塗液の粘度上昇が激し
くなり好ましくない。
【0033】上記のようなジルコニウム化合物を含有し
た塗被紙の水蒸気透過性が改良される理由については必
ずしも明らかではないが、以下のように推察される。ジ
ルコニウム化合物が塗液中で接着剤として存在する有機
高分子物の官能基、例えばカルボキシル基、水酸基など
と反応し、接着剤どうしがジルコニウム化合物を介して
強く反応した結果、塗液が原紙に塗被された際に接着剤
の原紙層への浸透が抑制されると共に、塗被液の固化不
動化が促進され、原紙の空隙を過度に埋めることなく、
且つ微細孔の多い塗被層となるためと思われる。特にカ
オリンを配合した塗被層は、本来緻密な層となり水蒸気
透過性が悪いものになるが、ジルコン化合物を含有して
ポーラスな塗被層となり、水蒸気透過性が著しく改良さ
れるものと思われる。
【0034】さらに、下塗層を顔料と共に構成する接着
剤は一般の塗被紙用接着剤が単独あるいは併用して用い
られる。この他、必要に応じて例えば消泡剤、潤滑剤、
離型剤、耐水化剤、流動変性剤、着色剤などの各種助剤
が適宜用いられる。
【0035】かくして調整された下塗り塗被液は、一般
に塗被紙製造に用いられる例えばブレードコーター、エ
ヤーナイフコーター、ロールコーター、サイズプレスコ
ーターなどの塗被装置でオンマシンあるいはオフコータ
ーによって、一層または多層に塗被される。塗被液の固
形分濃度は一般に40〜75重量%であるが、操業性を
考慮すると45〜70重量%が望ましい。塗被量は乾燥
重量で片面当り3〜20g/m2 の範囲で塗被される
が、薄物両面キャスト塗被紙を得るためには、3〜10
g/m2 程度の範囲で調節するのが好ましい。本発明
の効果をより確実にする上で乾燥後一旦水分が6%以下
、より好ましくは3%以下になるまで乾燥するのが、短
時間に反応効果を発揮させるために望ましい。さらに必
要ならばキャレンダー、スーパーキャレンダーなどによ
る平滑化処理をしても良い。
【0036】本発明においては、かかる下塗り塗被層の
上に、片面ずつ順次キャスト仕上げを行い両面キャスト
塗被紙を製造するが、キャスト塗被組成物およびキャス
ト方式は特に限定するものではない。また必要に応じて
両面キャスト仕上げ後にキャレンダー通紙を行い品質向
上をはかることも可能である。
【0037】なお、薄物両面キャスト塗被紙の場合は、
キャスト塗被量は片面当り2〜12g/m2 程度の範
囲で調節するのが好ましい。因に2g/m2 未満では
光沢ムラが発生し良好なキャスト面を得ることができず
、12g/m2 を越えるような場合は既に述べたよう
に先キャスト面の光沢や平滑性が損なわれたり、生産性
の低下が起こりやすく好ましくない。
【0038】また、キャスト仕上げのプレスロールで加
熱鏡面ドラムに圧接するプレス圧力は10〜50Kg/
cm2 であり、10Kg/cm2 未満ではキャスト
塗被層の加熱鏡面ドラムへの密着が劣り光沢ムラが発生
しやすくなるために操業速度を落とさなければならず、
50Kg/cm2 を越えると両面目をキャスト仕上げ
する際に、先にキャストコーティングを終えている面の
品質が損なわれるおそれがあるので好ましくない。
【0039】上述した如く、本発明は特定の抄紙方法に
より、高品質の両面キャスト塗被紙を効率良く、高速度
で製造する方法であり、特に、原紙の米坪が50g/m
2 以下、あるいは両面キャスト塗被紙の米坪が90g
/m2 以下の場合に、原紙の強度改善と下塗り塗被層
の改善により、高品質の薄物両面キャスト塗被紙を操業
性良く製造する方法を提供するものである。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定するものではない。ま
た特に断らない限り、例中の部および%は重量部、重量
%を示す。
【0041】実施例1〜11 表1に示したパルプ、サイズ剤、紙力増強剤の種類と配
合、添加率によって構成される紙料を調成し、プラスチ
ック製の二重織りワイヤーを二組(トップワイヤーおよ
びボトムワイヤー)装備した両面脱水機構を有する抄紙
機(ツインワイヤーマシン/Valmet社製)で抄紙
して原紙を製造した。
【0042】なお、表1のパルプ配合は全パルプ100
部に対してNKP、LKPの配合部であり、内添剤は対
パルプ当たりの添加率である。また、表1にA〜Dとし
て示した内添紙力剤の内容を表2に示した。
【0043】この原紙に表3に示す下塗り塗被組成物A
〜Cを表1に示す組合わせとコート量(片面当たり固形
分)になるように、ブレードコーターで両面塗工し、水
分6%に乾燥して両面キャスト塗被紙用原紙を得た。な
お、表3の数値は全顔料100部に対する部(固形分)
である。
【0044】この両面キャスト塗被紙用原紙に、全顔料
100部中カオリン60部、軽質炭酸カルシウム40部
と全顔料100部に対して固形分として、カゼイン12
部、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合ラテッ
クス11部、離型剤1部から構成された、固形分濃度5
0%のキャスト塗被液を用いて、表1に示すキャストコ
ート量(固形分)になるように、図1に示す装置でウエ
ットキャスト方式によりコーター(2)で塗抹し直ちに
90℃に加熱されたキャストドラム(3)に圧接して乾
燥し、テイクオフロール(5)でドラムから剥離して片
面キャスト塗被紙を得た。(先キャスト)
【0045】
次いで、この片面キャスト塗被紙を再度同一工程で、反
対面に両面目のキャスト仕上げ(後キャスト)を行い両
面キャスト塗被紙を製造した。得られた両面キャスト塗
被紙の操業可能最大速度をキャスト速度として、また品
質評価結果を表1に示した。
【0046】比較例1〜3 両面脱水機構を有する抄紙機の代わりに、プラスチック
製の二重織りワイヤーを装備した通常の長網抄紙機(片
面脱水/Beloit製)で抄紙を行った以外は実施例
1(比較例1)、実施例10(比較例2)および実施例
2(比較例3)と同様にして両面キャスト塗被紙を得て
、キャスト速度と品質を表1に示した。
【0047】実施例12 実施例1と同じ両面キャスト塗被紙用原紙に実施例1と
同様にして、図2に示す装置でリウエットキャスト方式
により両面キャスト塗被紙を製造した。即ち、原紙にエ
アーナイフコーター(12)でキャスト塗被液を塗抹し
乾燥後プレスロール(14)とキャストドラム(13)
で形成されるプレスニップ(18)に通紙し、ここでノ
ズル(19)から供給されるポリエチレンエマルジョン
からなるリウエット液によってキャスト塗被層を再湿潤
した後、表面温度105℃のキャストドラムに圧接して
乾燥後、テイクオフロール(15)でドラムから剥離し
て片面キャスト塗被紙を得た。
【0048】次いで、この片面キャスト塗被紙を再度同
一工程で、反対面に両面目のキャスト仕上げを行い米坪
64g/m2 の両面キャスト塗被紙を製造した。得ら
れた両面キャスト塗被紙のキャスト速度と品質を表1に
示した。
【0049】実施例13 実施例1と同じ両面キャスト塗被紙用原紙に実施例1と
同様にして、図3に示す装置でゲル化キャスト方式によ
り両面キャスト塗被紙を得た。即ち、原紙にロールコー
ター(22)でキャスト塗被液を塗抹し、次いで濃度0
.5%の蟻酸カルシウム液(27)に接触させてキャス
ト塗被層をゲル化させた後、表面温度98℃のキャスト
ドラム(23)に圧接して乾燥後、テイクオフロール(
25)でドラムから剥離して片面キャスト塗被紙を得た
【0050】次いで、この片面キャスト塗被紙を再度同
一工程で、反対面に両面目のキャスト仕上げを行い、米
坪64g/m2 の両面キャスト塗被紙を製造した。得
られた両面キャスト塗被紙のキャスト速度と品質を表1
に示した。
【0051】なお本発明の実施例、比較例で得られた両
面キャスト塗被紙の品質はそれぞれ下記の方法により評
価した。光沢度はJIS  P−8142に準じて測定
した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、本発
明の方法により操業性、品質的に優れた薄物両面キャス
ト塗被紙を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
図1〜図3は、本発明の実施例1〜13および比較例1
〜3を実施するのに使用した各キャスト装置の概略図で
ある。
【図1】ウエットキャスト方式のキャスト装置の概略図
である。
【図2】リウエットキャスト方式のキャスト装置の概略
図である。
【図3】ゲル化キャスト方式のキャスト装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1、11、21・・・キャスト塗被紙用原紙2、12、
22・・・コーター 3、13、23・・・キャストドラム 4、14、24・・・プレスロール 5、15、25・・・テークオフロール6、16、26
・・・キャスト塗被紙 17・・・乾燥機 18・・・プレスニップ 19・・・ノズル 27・・・ゲル化液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の両面に顔料および接着剤を主成分と
    する下塗り塗被層を設け、さらに顔料および接着剤を主
    成分とする上塗り塗被層を設け、上塗り塗被層が湿潤状
    態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して乾燥し、
    両面を順次キャストコーティング仕上げする両面キャス
    ト塗被紙の製造方法において、該原紙が両面脱水機構を
    装備した抄紙機で製造されていることを特徴とする両面
    キャスト塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】原紙の米坪が50g/m2 以下である請
    求項1記載の両面キャスト塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】両面キャスト塗被紙の米坪が90g/m2
     以下である請求項1記載の両面キャスト塗被紙の製造
    方法。
  4. 【請求項4】原紙中にアニオン性基を1〜20モル%含
    有するアクリルアミド系重合体とカチオン性基を1〜3
    0モル%含有するアクリルアミド系重合体からなるアク
    リルアミド系紙力剤、澱粉誘導体紙力剤および繊維素誘
    導体紙力剤から選ばれる少なくとも一種を含有させる請
    求項1〜3記載の両面キャスト塗被紙の製造方法。
  5. 【請求項5】下塗り塗被層中にカオリンを全顔料の20
    重量%以上とジルコニウム化合物をZrO2 として全
    顔料に対して0.05〜3.0重量%含有させる請求項
    1〜4記載の両面キャスト塗被紙の製造方法。
JP6353591A 1991-03-27 1991-03-27 両面キャスト塗被紙の製造方法 Pending JPH04300388A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6353591A JPH04300388A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 両面キャスト塗被紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6353591A JPH04300388A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 両面キャスト塗被紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04300388A true JPH04300388A (ja) 1992-10-23

Family

ID=13232007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6353591A Pending JPH04300388A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 両面キャスト塗被紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04300388A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018181671A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
WO2018181670A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
WO2019188927A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
WO2019188974A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018181671A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
WO2018181670A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
CN110446667A (zh) * 2017-03-30 2019-11-12 特种东海制纸株式会社 玻璃板用衬垫纸及其制造方法
CN110446666A (zh) * 2017-03-30 2019-11-12 特种东海制纸株式会社 玻璃板用衬垫纸及其制造方法
JPWO2018181670A1 (ja) * 2017-03-30 2019-11-21 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
JPWO2018181671A1 (ja) * 2017-03-30 2019-11-21 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
TWI763813B (zh) * 2017-03-30 2022-05-11 日商特種東海製紙股份有限公司 玻璃板用間隔紙及其製造方法、積層體、以及玻璃板之保護方法
WO2019188927A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
WO2019188974A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
JPWO2019188974A1 (ja) * 2018-03-29 2021-02-12 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法
JPWO2019188927A1 (ja) * 2018-03-29 2021-02-12 特種東海製紙株式会社 ガラス板用合紙及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10168790A (ja) オフセット輪転印刷用塗被紙の製造方法
US4927495A (en) Support for photographic printing paper
JPH04300388A (ja) 両面キャスト塗被紙の製造方法
JP2002194698A (ja) オフセット印刷用艶消し塗工紙
JP4802128B2 (ja) 塗被紙の製造方法
JP2970019B2 (ja) 両面キャスト塗被紙の製造方法
JP5003249B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP2004238748A (ja) カード用紙
JP2005089868A (ja) オフセット印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP3110851B2 (ja) バリヤー性、透明性と共に寸法安定性に優れた紙及びその製造方法
JPH04327295A (ja) 印刷用塗被紙の製造方法
JP2559213B2 (ja) 軽量印刷用紙の製造方法
JPH0657686A (ja) オフセット輪転印刷用塗被紙用原紙
JPH05232627A (ja) 写真印画紙用支持体
JPH11100789A (ja) オフセット印刷用塗被紙の製造方法
JPH0247388A (ja) キャスト塗被紙の製造方法
JPH11279988A (ja) 艶消し塗工紙の製造方法
JP5243226B2 (ja) キャスト塗工紙の製造方法
JP3279648B2 (ja) キャスト塗被紙の製造法
JP2001180100A (ja) オフセット印刷用塗被紙
JPH10280296A (ja) オフセット輪転印刷用塗被紙の製造方法
JP2002038393A (ja) 低密度塗工板紙の製造方法
JP2964675B2 (ja) 模様入りキャスト塗被紙
JPH08325990A (ja) 塗工紙の製造方法
JPH01139896A (ja) キャスト塗被紙の製造方法