JP2619356B2 - 高強力なポリエステル糸の製造方法 - Google Patents

高強力なポリエステル糸の製造方法

Info

Publication number
JP2619356B2
JP2619356B2 JP60188731A JP18873185A JP2619356B2 JP 2619356 B2 JP2619356 B2 JP 2619356B2 JP 60188731 A JP60188731 A JP 60188731A JP 18873185 A JP18873185 A JP 18873185A JP 2619356 B2 JP2619356 B2 JP 2619356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
filament
stretching
shrinkage
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60188731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6163714A (ja
Inventor
ハンス・ターレル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoechst AG filed Critical Hoechst AG
Publication of JPS6163714A publication Critical patent/JPS6163714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2619356B2 publication Critical patent/JP2619356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/62Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/02Yarns or threads characterised by the material or by the materials from which they are made
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/902High modulus filament or fiber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、工業において使用される、即ち特に幌生
地、タイヤ、駆動用ベルト、コンベヤベルト等のような
工業製品に強度担持材料として撚糸、織物、編組物の形
で使用するための高強力でかつ縮みの少ないポリエステ
ル・マルチフィラメント糸を高い予備配向率(preorien
tation)で紡糸されたフィラメントから造る方法に関す
る。 〔従来の技術〕 高強力の糸をポリエステルフイラメントから造ること
は公知である。ドイツ連邦共和国特許出願公告公報第1,
288,734号によると、この目的に合わせて紡糸条件を、
固化する(solidifying)糸に作用する引張応力が非常
に小さく、従って分子配向度が極めて小さい優れたフイ
ラメントが得られるように選択する必要がある。 0.003よりも小さい複屈折率、なかんずく0.002よりも
小さい複屈折率すら要求されている。このようなフイラ
メントを後に高率の延伸処理に付した場合、得られる製
品は高強度の糸である。繊度1100dtxのタイヤコードを
造るためのポリエチレンテレフタレート糸の負荷(荷
重)−伸度−曲線(KD−ダイヤグラム)の経過を第1図
において曲線aとして図示した。この材料のテナシティ
(tenacity)は11%の破断伸び率で約76cN/texである。
しかし、このような糸は反面高い熱収縮率を有してい
る。この熱収縮率は例えば200℃の熱風処理で約18%で
ある。200℃での熱収縮率の値を測定するのが一般的で
ある。なぜなら、一般に200℃と言う温度はこのような
糸から成るシート様構造物の被覆部で生じ得る最高温度
であるからである。例えばなお18%の収縮率を有してい
る糸材料はこのような被覆工程の際に著しいかつ制御し
がたい寸法変動を生じる。従って、熱収縮率S200を上記
した18%から低減させる必要がある。これは一般的な方
法により熱機械的な収縮方法によって行われるが、この
収縮方法にあっては糸はコントロールされた引張応力
(tension)のもとで収縮させる。この方法では、200℃
における熱収縮率S200を例えば5%にまで低減すること
ができる。しかし、このやり方は必然的に例えば最大引
張力伸び率を16%に増し、同時にテナシティを例えば76
cN/texから72cN/texへ低下させてしまう。 最大引張力伸び率と最大引張力の値はこのような糸の
性質を充分に特徴づけるには不適当である。収縮処理工
程後に物理的特性に生じる変化を、第1図のKD−ダイヤ
グラム内の曲線bが示している。この曲線は収縮率の低
い市販の糸の測定結果を示している。第1図の曲線bか
ら、いわゆる“シェリンケージ・サドル(shrinkage sa
ddle)”の形成が明白に認められる。 即ち、高い初期モジュラス、低い伸び率、高い弾性度
および僅かな収縮率に対する要求を満足させることは困
難である。なぜなら熱収縮率を低減させるために必要と
されるすべての熱機械的処理は、同時にテナシティの低
下および最大引張力伸び率、初期モジュラス並びに弾性
度のような機械的な性質の悪化をも招くからである。従
って、従来はこれらの妥協により問題の解決をせざるを
得なかった。即ち、充分に収縮処理された材料が使用さ
れた。この材料により、弾性度および初期モジュラスの
ような寸法安定性を決定する尺度となる所望の値を達す
るためには、この材料を極めて過大な寸法とせざるを得
なかった。ドイツ連邦共和国特許出願公告公報第1,288,
734号に記載の方法では必然的に紡糸速度も低くならざ
るを得ない。なぜなら、このような記載の条件下におい
てしか紡糸した直後の糸に必要とされる低い引張力を加
えることができないからである。しかし、紡糸速度が低
いと言うことは同時に紡糸ノズル当りの吐出量が少ない
ことを意味する。紡糸ノズル当たりの吐出量の著しい増
加に伴い紡糸速度も増すことは公知である。これは例え
ばドイツ連邦共和国公開特許公報第2,207,849号の第1
図に記載されている。従来、高速紡糸だけで高強力な糸
を造ろうとする全ての試みは、米国特許公報第2,604,66
7号にはじめて記載されているように、造られた糸の引
張強さが低いこと並びに破断点伸び率が高いことにより
全て失敗した。 ドイツ連邦共和国特許出願公告公報第2,254,998号に
は、高速紡糸糸を先ず合糸し、加撚し、次いで得られた
コード撚り糸を引続き延伸する方法が記載されている。
延伸する前にコード撚り糸を過度に撚らなければならな
いと言うことは手間がかかる。この方法は故障を生じ易
く、従って実用的な重要性を得るには至らなかった。 ドイツ連邦共和国特許公開公報第2,747,690号には紡
糸延伸処理工程とこれに引続いて行われる別個の多数の
延伸処理段階から成る多段の処理方法が記載されてい
る。ノズルからの紡糸速度は、500〜3000m/分であるよ
うに示されているが、実施例には500〜最大1300m/分の
範囲しか記載されていない。従ってドイツ連邦共和国特
許出願公告公報第2,207,849号に記載された高い吐出量
で紡糸速度が早いという期待は実現していない。この不
経済な方法によって造られたフイラメントはなるほどそ
の熱安定性の点で従来公知の高強力なポリエステルから
成るフイラメントに比して改善が見られるが、しかし熱
水或いは化学薬品に対する安定性が比較的低いという大
きな欠点を有している。既にヨーロッパ特許出願公開第
0080906号および特開昭58−23914号に述べられているこ
の欠点は同様にこの特許願で請求されている低い結晶度
に起因している。なぜなら、非晶質のポリエチレンフタ
レートに対する化学薬品の作用の方が結晶質のポリエチ
レンテレフタレートに対する作用よりも著しく大きいか
らである。この方法は、実施例から明瞭であるように、
小さい繊度の糸にのみ適しているに過ぎず、かゝる糸は
化学薬品に対して益々敏感となる。 ヨーロッパ特許出願公開第0089912号の場合にも1500m
/分以上の高速の巻取速度で作業が行われる。このヨー
ロッパ特許出願には、従来適用されていた紡糸条件を変
えることにより、延伸後に高い引張強さを持つフィラメ
ントを得るために高い紡糸速度を用いる方法が記載され
ている。該特許出願には延伸されたフイラメントの熱機
械的性質については何等記載されていないが、そこで用
いられた延伸および撚糸の組合せから推量して、収縮率
が必然的に極めて高いように思われる。後に詳しく述べ
るように、充分な固定を達するには、延伸帯域での滞留
時間が極めて短か過ぎる。 特開昭51−53019号における記載から、0.03或いはそ
れ以上の複屈折率を有する延伸されたポリエステル−フ
ィラメントを極めて高強力なフィラメントに延伸でき、
次いでこのフィラメントに更に収縮処理を施す方法が知
られている。このようにして得られた糸は150℃の温度
で2.5%以下の熱収縮率を有してはいるが、しかしその
破断点伸び率は15%以上、大抵は16〜22%の範囲内にあ
る。これらのフイラメントもしくは糸が、第1図の曲線
bが示しているように『シュリンケージ・サドル』を示
すことは、その破断点伸び率が高いことだけから説明す
ることができる。 特開昭58−46117号によると、一定の最小結晶度を有
する予備配向された糸を同様に少なくとも85℃で延伸処
理に付している。この特開昭のすべての実施例では二段
階の延伸工程が使用されているにもかかわらず、このよ
うにして得られたフイラメントもしくは糸の物理的な値
は相対的に悪い。これらの糸の意図されている使用分野
は、完成物品を造る以前に更に熱的な処理を必要とする
ような分野でしかない。この特開昭にあっては、レゾル
シン/ホルムアルデヒド/ラテックス−仕上げ剤の熱固
定と硬化を行うための主にタイヤコード用撚り糸につい
て一般的な浸漬法(Dip process)を説明している。こ
れに対して本発明の目的はすべての工業上の使用分野を
意図した高強力な、収縮および伸びの少ないポリエステ
ルフイラメントの製法の提供にある。 特開昭58−23914号によっても同様に、175℃において
7.0%〜10.0%の熱収縮率(200℃における熱収縮率も相
応して高い)を有する糸が得られるに過ぎない。また同
じ出願人のヨーロッパ特許出願公開第0080906号にも、
フイラメント内の心部と鞘部との差(Kern−Mantel−Un
terschied)を無くすことを目的とした方法が記載され
ている。その方法で得られたばかりの糸の熱収縮率は同
様に高過ぎる。従ってこのフイラメントも本願発明で得
られるものと一致するものではない。なぜなら、収縮率
を低下させるためには、既に特開昭58−46117号に記載
された種類の後続の熱処理工程を行わなければならない
からである。この熱処理工程もこれら両特許願に記載さ
れているような浸漬法である。延伸した糸を1分間にわ
たって240℃で処理するという試験を行うと浸漬法と似
た結果が得られると思われ、そして上記処理を行うと糸
の本来の高過ぎる収縮率を低下し得ることが判る。 要するに、200℃における熱収縮率が可能な限り低
く、かつその上そのKD−曲線において『シュリンケージ
・サドル』を示さず、即ちその弾性特性が可能な限り未
収縮の糸の弾性特性に理想的に対応する高強力なポリエ
ステル糸を提供することが依然として未解決の課題であ
る。 〔発明の構成〕 本発明者は、ここに驚くべきことに、ポリエステルか
ら成るこの様に高強力なマルチフィラメント糸が製造で
きることを見出した。これらの未加撚の糸は200℃にあ
って7%未満の熱収縮率、20cN/texの負荷にあって少な
くとも90%の弾性度、かつ少なくとも7.5の安定度商値
(Stability quotient)SQを有している。本発明で製造
される糸を定義するのに用いられた安定度商値SQはジメ
ンションのない特性値である。この安定度商値は以下の
式で、即ち、 によって算出される。 ED20と言う概念は、既に上に定義したように、20cN/t
exの負荷の際の弾性度を意味し、値S200は200℃での百
分率で表した熱収縮率であり、値D54は54cN/texの負荷
の際の参考伸び率である。本発明に従って製造される糸
のKD−ダイヤグラフの経過は第1図において曲線cで示
した。 個々のフイラメントの結晶度は56〜65%である。有利
にはこの糸はポリエチレンテレフタレートから成り、こ
の場合フィラメント形成物質は場合によっては2重量%
以下の割合で他のコモノマー単位を有していてもよい。
3%未満、有利には2%未満の熱収縮率S200を有してい
る糸が優れている。従って、60%〜63%の結晶度を有す
る糸の場合、この結晶度はフィラメントの密度から以下
の式、即ち によって算出される。 フィラメントの密度dは勾配コラム(gradient colum
n)で決定できる。非晶質の領域の密度daは1.335g/ml
に、結晶性の物質の密度dkは1.455g/mlにそれぞれ設定
された。 このような糸の製造は本発明により、少なくとも0.02
5の複屈折率に相当する予備配向率と約1.90〜2.20の相
対溶液粘度に相当する平均分子量を有するポリエステル
糸を延伸することによって行われる。このようなフィラ
メントを熱延伸処理する。この場合適用した延伸比は最
大冷間延伸比の少なくとも90%であり、このように選択
された条件下でのこの延伸処理の際の延伸張力は19〜23
cN/tex間の値である。この延伸張力の好ましい範囲は20
〜23cN/texである。 即ち本発明は、工業用の未加撚、高強力ポリエステル
・マルチフィラメント糸であって、フィラメント形成物
質が約1.90〜2.20の相対溶液粘度(25℃において100ml
のジクロル酢酸中の1.0gの重合体)に相当する高い平均
分子量を有しており、個々のフィラメントが約57%〜約
65%の結晶度を有し、かつ糸が7%未満の200℃での熱
収縮率S200、少なくとも90%の20cN/texの負荷の際の弾
性度ED20、および少なくとも7.5%の安定度の商値SQを
有しているポリエステル糸を製造する方法において、少
なくとも0.025の複屈折率に相当する高い予備配向率で
紡糸されたポリエステル供給糸を高い温度で、かつ最大
冷間延伸率の少なくとも90%の延伸率および19〜23cN/t
exの延伸張力の維持下に延伸処理することを特徴とする
方法に関する。 未加撚の糸は保護ねじり(protective torque)を全
く有していないか、もしくは僅かに有している。1100dt
ex−糸に関してはこの糸は、通常、メーター当たり60の
ねじり(turn)を有する。この糸はそのままで強度支持
体として、例えば被覆織物に使用できるか、或いは例え
ばタイヤの構成材としての撚り糸のための原料として役
立つ。 高強力の糸は大抵65cN/tex以上のテナシティを有して
いる。熱収縮率S200は、DIN53866に規定されたように20
0℃の空気中で10分間自由に収縮させた際の糸の相対的
な長さ変化を示す。 弾性度ED20は同様にDIN53835の方法によって決定し
た。すなわち糸を引張試験器内で定められた限界力まで
負荷し、次いで再び完全に除荷した。この場合得られた
数値は、所定の限界負荷値における全伸び率(εges
がどれほど高いか、また糸を除荷した後に残る残留伸び
率(εRest)がどれほど高いかを示す。弾性特性の尺度
としては弾性伸び率(ED)、すなわち弾性度があげられ
る。これは以下の式、即ち、 によって算出される。 第2図は、市販の低収縮率の糸の場合の適用した負荷
に対する弾性度の依存度を示している(曲線a)。この
曲線において、約10cN/texから弾性度の急激な降下が認
められる。弾性特性を記述するため、本発明の明細書で
は20cN/texの負荷下での弾性度を採用した。この弾性度
をED20として示した。他方、本発明による糸にあっては
第2図に示す曲線bによる依存度で表される。 参考伸び率D54も本発明による糸の機械的な特性を示
すのに役立つ。この参考伸び率は54cN/texの負荷の際の
伸びの値である。54cN/texの負荷の値は任意に選択し
た。この値はこの糸のテナシティーの75%にほぼ相当
し、糸の弾性特性に係る満足な説明を与え、特に試験し
た糸のKD−ダイヤグラム中の『シュリンケージ・サド
ル』が生じているか、或いは生じていないかを表してい
る。もちろん、完全な負荷−伸び−ダイヤグラムの再現
が試験する糸の機械的特性を最も良く示すはずだが、各
々の数値を基準とした比較の方がより適している。 従って、このダイヤグラムが個々の点の説明に関して
しばしは文献に記載されている。通常引用されるのは、
最大引張力と最大引張力伸び率である。しかし、既に上
に充分に説明したように、これらの数値は高強力のフイ
ラメントについて、特にこのフイラメントが収縮されて
いる場合に関してはこれらの値はあまり意味がない。既
に知られているように、例えば破断点伸び率は延伸比が
増大するにつれ逓減するが、もし後で熱機械的な方法に
より収縮を許容するとそれにつれて再び増大する。従っ
て最大引張力伸び率に関する記載は、これが引き続いて
許容される収縮を伴った高い延伸度によるものか、或い
は僅かな収縮が許容されたもしくはこの許容を伴わない
低い延伸度によるものかを判断することは不可能であ
る。その上、欠陥のあるフイラメントは低い破断強度を
示し、従って低い破断点伸び率を示す。従って、フイラ
メントの伸び特性を特徴づけるには、このような影響に
より不確実とならない領域内においてKD−ダイヤグラム
の一点を選択するのが良い。本発明にあっては特徴づけ
のため参考伸び率D54を選択した。主として英語の文献
に載っている初期モジュラス(ヤング弾性率とを称す
る)−KD−曲線においてその初期領域において曲線のス
ロープを示す−も高強力な繊維の特徴づけにはあまり適
していない。しかし、初期モジュラスからのフィラメン
トの全作業領域に関する推論は、延伸処理されているフ
ィラメントのみに可能で、収縮したフイラメントには適
用できない。例えば第1図の曲線bから明らかなよう
に、収縮したフイラメントにあっては特徴的な模式でKD
−ダイヤグラムが変化する。曲線aとbがまず互いに一
致してほぼ同一の初期モジュラスの値に達した後、曲線
bは約10cN/texから或る程度平坦になり、次いで高い負
荷値と高い伸び率で再び傾斜を増す。実際の使用にあっ
ては、シュリンケージ・サドルの上方niはあるが、しか
しまだ破断点伸び率の下方に明白に存在しているKD−ダ
イヤグラムの点に関連する伸び率に基づく記載が最も意
義あるものとなる。 かくして、簡単かつ経済的な方法により高強力の、熱
的におよび寸法上安定していてかつ高弾性なフイラメン
トを造ることが可能であることが見出された。この方法
は、このフイラメントから造られた繊維材料を更に後熱
処理しなくとも所望の諸特性を与え、多くの使用分野に
とって貴重である。 特許請求の範囲に記載されたフイラメント特性を得る
のに必須なのは、以下に詳細にのべるような比較的高い
予配向率の紡糸物について実施することのできる延伸処
理工程にある。 延伸処理方法は通常延伸比と延伸温度に関して定義さ
れる。この場合、本発明による延伸処理方法は、広く用
いられている『延伸温度』の概念によっては特徴づけら
れない。なぜなら、このような記述は、たとえ延伸帯域
内での滞留時間に関するデータが同時に提供されたとし
ても、第三者にとって著しい過ちを犯すことなしにはそ
れを再現することは殆んど不可能であるからである。加
熱器内の有効な糸温度を指示することは実際には不可能
である。 本明細書においてはその代りに最低延伸比および達せ
られるべき延伸張力のための範囲を規定した。 加熱器でフィラメントの妥当な滞留時間を維持するこ
とは、特に工業上での使用目的のための高繊度のフイラ
メントにあっては特別な重要性を持っている。この場合
熱伝導がどのような効果を与えるかは、例えばアレクサ
ンドレイスキー氏が記述している(Sowjet.Beitraege z
u Faserforschung und Texitiltechnik(繊維研究と織
物技術に対するソビエトの寄与)、1971,521頁)。もし
例えば加熱されたロールのような加熱された金属表面を
介して熱の伝導が行われる場合にあっては、延伸処理さ
れたフイラメントの固定時に常に一定の収縮を得るため
には1100Dtexの繊度の場合少なくとも0.5秒の滞留時間
が必要である。加熱された空気(対流)による熱伝導の
場合は、少なくとも3秒の滞留時間が必要である(Paks
hver著Khimicheskie Volokna,1983,1,59〜61頁)。例え
ばヨーロッパ特許出願公開第80906号に記載されている
ような速度の紡糸及び延伸の組合せプロセスの場合、例
えば500m/分の糸走行速度ではフイラメントの加熱され
たロールとの接触長は0.5秒の滞留時間で71.7mである。
工業的紡糸延伸装置において一般的であるように、直径
20cmの加熱ゴデットローラに通常のように10回捲回(te
nfold wrap)した場合、0.07秒未満の滞留時間に相応し
て6m未満の接触長が算出される。これらの数値から、高
速の紡糸−延伸の組合せプロセスよっては得られたフィ
ラメントの完全な固定は不可能であること、および低い
伸び率と高い弾性の下での所望の低い収縮性を同時には
得られないことが明白である。 妥当な固定に必要な滞留時間は工業的には、処理すべ
き糸或いはトウ(tow)の速度を数100m/分に逓減するこ
とによってのみ達成できる。個々のフイラメント或いは
糸の延伸のためのこれらの条件の下で操作される延伸機
構によって充分に固定(set)されかつ熱的に安定化さ
れたフイラメントが得られる。しかし、経済的な理由か
ら特に収縮率の少ない工業用のフイラメントは、大多数
のフイラメントが相並んでシートの形で多数のロール機
構間で延伸されかつ収縮処理される所謂トウ延伸ライン
(tow drawing line)で製造される。本発明によるフイ
ラメントもこのような延伸装置によって有利に造られ
る。このようなトウ延伸ラインの基本的な構成を第3図
に示した。 既に上に詳しく述べたように、高強力のフイラメント
を造るための延伸比は、フイラメント固有の強度に可能
な限り完全に到達するのに可能である程に高くなければ
ならない。本発明によりこの延伸比は最大冷間延伸比
(max.VV)の少なくとも90%であり、以下のようにして
決定される。 即ち、紡糸フイラメントを室温で引張試験器内で100m
mのクランピング長さおよび400m/分のクランピング速度
で引き裂く。これから が得られる。 延伸方法を決定する他の要素は延伸張力である。この
延伸張力は延伸比、延伸温度および延伸域における滞留
時間から決まる独特な関数である。延伸張力は例えば張
力計によって測定された引張力と、定められた延伸比だ
け低減された供給糸の繊度との商である。 ところが、延伸し終わったフィラメントの本発明にお
いて望まれている収縮特性を充足するのに延伸張力が極
めて重要であることがこの度見出された。延伸張力から
フィラメントに与えられる内部張力は、第4図から認め
られるように熱収縮によって影響される。この第4図に
は1100dtexの最終繊度と0.0025の複屈折率を備えている
糸の延伸張力に対する200℃での収縮(S200)の依存性
を図示した(曲線a)。同様なことを0.033の複屈折率
と90%のmax.VVを備えていて、かつ3000m/分の巻取り速
度で紡糸された紡糸フイラメントを使用して実施した。
測定値は第4図に曲線bで表示した。 一定の延伸比から得られる一定の伸び特性と極めて低
い熱収縮率を備えているフィラメントを得るため、延伸
張力を可能な限り低く維持することが望ましい。高い延
伸張力はまた、個々のフイラメントの破断を容易に招
き、フイラメントを後で糸および織物へ加工することを
非常に困難にする。これが可能な限り低い延伸張力で作
業を行なわなければならないことのさらに他の理由であ
る。工業的な実施においては、延伸域の終端領域におけ
るフィラメントの繊度(カウント)に対して19〜23cN/t
ex、有利には20〜23cN/texの範囲内の延伸張力が最適な
結果を与えることが判った。もし温度を低減することに
より或いは滞留時間を短縮することにより延伸張力を高
めると、比較的高い収縮率しか得られないのみならず、
フイラメントの破断の数を増加する。延伸張力の低下は
更に温度を高めるかもっとゆっくりとした作業速度或い
は延伸比を低減することによってのみ達せられると考え
られる。しかし、延伸比の低減はこれに伴って強度の値
を悪化させることから回避しなければならない。ゆっく
りとした作業速度とこれに伴って長くなる延伸域での滞
留時間は、比較的高速な作業様式にあって完全な固定を
達するための時間があまりに短い場合にのみ有効とな
る。この時間が適度である場合は、作業速度を更に緩慢
にすることは延伸張力のより以上の低減をもたらさない
ばかりか、フィラメントの強度の悪化すら招く。温度の
上昇は、フィラメント或いは糸の最大引張力がそのよう
な高温でも超過されない温度まで可能であるに過ぎな
い。即ち、延伸を最も良好に行い得る比較的狭い領域が
得られるに過ぎない。この領域は19〜23、もしくは20〜
23cN/tex間の上記の領域内に存在している。 低い予備配向率を有する紡糸フイラメントについて得
られた延伸張力、延伸比、延伸温度および滞留時間の依
存性に関する経験をもとに高度に予備配向された紡糸フ
イラメントに適用しようとする場合、種々の困難に突き
当たる。高度に予備配向された紡糸フイラメントを、低
度に配向された紡糸フイラメントにとって最適な温度条
件および滞留時間条件下で延伸した場合、最大延伸比
(max.VV)で90%の延伸比の場合極めて高い延伸張力が
生じるが、この張力もまた上記の種々の困難を招く。そ
れ故、満足なフイラメントを得ようとする場合、延伸比
を低減せざるを得ない。しかしこの低減は結果として、
フィラメントの強度を著しく低減させ、それにも係わら
ずフイラメントはなお高い収縮値を有する。このような
効果は以下に記載する比較例5に対する例4から、およ
び比較例13に対する例12から明白に認めることができ
る。 ところが、驚くべきことに高い予備配向度を有する紡
糸フイラメントを、予備配向度の僅かな紡糸フイラメン
トでは引き裂きが生じて、もはや延伸不可能な程高い温
度で延伸することが可能であることがこのたび見出され
た。しかも延伸の際温度を高めることによって、19〜23
cN/texもしくは有利には20〜23cN/texの延伸張力を得る
ことが可能である。高い予備配向度を有する紡糸フイラ
メントにあってこの著しく高い延伸温度はフィラメント
に特別好都合な収縮特性を与え、かつまた最大冷間延伸
率(msx.VV)の少なくとも90%にもなる延伸比を使用す
ることを可能にする。 本発明による方法にあっても延伸温度について記述す
ることはそれほど意味はないであろう。なぜならこのよ
うな記述にあっては、この温度は例えば、唯一重要な温
度、つまりフィラメントの温度に関する記述ではなく、
その代りに加熱媒体の温度に関するものであるからであ
る。加熱炉内のフィラメントの温度の測定は実際には不
可能である。加熱炉を去った後、直ちにフィラメントの
極めて急速な冷却が始まる。フィラメント温度を炉の加
熱帯域の出口から様々な距離で測定し、そしてカウフマ
ン氏が“Faserforschung und Textiltechnik"(繊維の
研究と繊維に関する技術)、28巻(5)、297〜301頁
(1977)に記載している近似値式を適用することによっ
てのみ、炉の端部における本来のフィラメントの温度を
外挿的に推論することができる。加熱された空気が横方
向で流れる式の炉にあっては、炉内での充分に長い滞留
時間があった場合にのみ、フィラメントが炉を去る直前
に流れる空気の温度を有していると推論できる。加熱が
赤外線によって行われる炉にあっては、測定はもはや不
可能である。なぜなら、炉内においてフィラメント近傍
に設置されている温度感知器さえも赤外線によってフィ
ラメントとは異なる温度をとるからである。しかし、赤
外線の強度や炉内の加熱された空気の温度もこのような
感知器を介して同様に良好に調節することができる。実
施例には相当する効果を達成するには温度調節をどのよ
うに行わなければならないかを、そして延伸を特徴ずけ
るためには延伸張力並びに達せられた最大の延伸率の割
合を記載することだけで充分であろうことが記載されて
いる。 本発明による方法を実施するための好ましい装置は第
3図に概略的に示されている。 紡糸フイラメントはボビンクリールに装着された複数
のボビン1から引き出され、一緒にフィラメント束群と
してロール機構2に供給される。このロール機構は5〜
7個の加熱可能なロールから成り、これらのロールの表
面温度はフィラメント速度に応じて75〜100℃である。
次いでフィラメント束群はこれを完全に囲繞する加熱さ
れた炉3を通過し、次いで同様に5個から7個のロール
を備えたロール機構4に達する。ロール機構4の速度は
延伸比に応じた率だけロール機構2の速度よりも速い。
次いでこのロール機構からフィラメントは直接巻取り部
6に達するか或いはフィラメントはまず通常3個のロー
ルを備えているロール機構5を経て巻取り部6に案内さ
れる。 炉の加熱は、炉の壁を電気的に或いは液状の熱伝達体
を使用して加熱して行われる。同時に加熱された空気を
フィラメントの走行方向に対向する方向で流して加熱す
ることも可能である。他の実施例の態様としては炉内に
設けられた赤外線照射装置でフィラメント群を加熱する
ことである。他の可能な方法はフィラメント群をその走
行方向に対して横方向に流れる加熱空気で加熱すること
である。この後、もし延伸に引き続いて緩和工程を付す
場合、ロール機構4を適切な高い温度に加熱し、次いで
収縮処理をロール機構4とロール機構5との間で、或い
はロール機構4と巻取り部6との間で行う。後者の場合
収縮処理はこれらの両ユニット間で正確に調節すること
が可能でなければならない。 高度に予備配向されたポリエステル糸を本発明により
延伸することにより緩和処理を行うことなく約6%の熱
収縮率S200を達することが可能である。この糸は、これ
を複合材料に組み入れる以前に更に加熱処理されるコー
ド状または布状構造体、例えば自動車タイヤ、駆動ベル
トおよびベルトコンベヤベルトへのために使用するのに
適している。 この熱処理のための温度条件、時間条件および張力条
件は、収縮と伸びの点で製品構造体の性質を決定する。
この再熱処理を行った後でも本発明により得られた材料
が従来の材料よりも優れていることが実証された。仕上
げ処理された製品構造体も同様に従来の公知のものより
もより有利な収縮特性、伸び特性および弾性特性を有し
ており、かつ熱安定性と寸法安定性に優れている。更
に、仕上げ処理された材料の最終的な特性を得るのに、
従来公知の材料に比して熱作用に付す時間を短縮するこ
とが可能であることが明らかになった。即ち、比較的に
穏やかな条件下で、より短い滞留時間で繊維材料の再加
熱処理を行うことが可能である。このことは強度の点で
も有利である。 例えば暖房用ホース、PVC−で積層した織物などのあ
る種の工業製品にあっては、この収縮率でもなお高過ぎ
る場合がある。なぜならこれらの補強材料は更に加熱処
理することなく直接加硫処理されるかもしくは積層処理
されるからで、この場合収縮率がより低いフイラメント
糸を使用する必要がある。このフイラメントは、延伸ラ
インのロール機構4の表面を200℃より高い温度に加熱
し、このロール機構がロール機構4とロール機構5との
間で或いはロール機構4と巻取り部6との間でフィラメ
ントに規制された収縮を与えることによって得られる。 このようにして低予備配向率を有する紡糸物質から造
られたフィラメント或いは高い予備配向率を有している
が、しかし本発明による延伸処理が施されていないフィ
ラメントをこの様に収縮させる場合、200℃で約2〜3
%という低い熱収縮を得るため、これらのフィラメント
をより高い程度に緩和させる必要がある。この処理は前
記したような結果、即ち伸びが著しく上昇し、弾性が低
下するという結果を招く。 これに反して本発明により造られた糸にあっては緩和
処理後にあってもなお高い弾性が得られる。このこと
は、高い安定度の商値SQにも反映している。本発明によ
る糸は、例えばラテックス加工の際もう一度熱処理され
るタイヤ等を製造するための撚糸として使用するため
に、また延伸段階の後方で緩和処理を行ってPVC−被覆
した織物等に使用するのに適している。
【実施例】
以下に実施例により本発明による方法を詳説する。こ
れらの実施例から本発明により得られるフイラメント
が、本発明で要件とされる全ての条件を維持した際にの
み得られることが了解されよう。特に記さない限り百分
率および部の記載は重量単位に関する。 例 以下に記載の延伸試験に使用した紡糸材料は公知の技
術により以下に記載のようにして造られた。 例1〜7および12〜14において使用したポリエチレン
テレフタレートの顆粒はジクロル酢酸中において2.120
の相対溶液粘度を示した。例8と9においては1.990の
相対溶液粘度を有する材料を、例10においては2.308の
相対溶液粘度を有する材料が使用された。相対溶液粘度
は、通常のように25℃で100mlのジクロル酢酸中の重合
体1.0gの溶液に関して、この溶液が細管粘度計を通過す
る時間を測定し、一方同一条件下で純粋な溶剤の通過時
間を測定することによって決定した。使用されるポリエ
チレンテレフタレートの顆粒は押出機を経て融出され、
紡糸ポンプに供給され、紡糸パックを介して紡糸され
た。紡糸パック中に存在しているノズルプレートはそれ
ぞれ0.45mmの直径を有するそれぞれ100個の孔を有して
いる。紡糸ノズルから紡出されるフィラメントは2.120
及び2.308の相対溶液粘度を有する原料の場合、紡糸口
金プレートの下方に存在しているドイツ連邦共和国特許
公報第2115312号に記載されているような装置により再
加熱され、引き続き温度26℃の空気が0.5m/秒の速度で
横方向で吹きかけられる。二本のこのようなフィラメン
トは一緒に塗布装置に供給され、紡糸仕上げ液(spin f
inish)を塗布され、各実施例に記載した速度で引き出
され、巻取られる。次いでフィラメントは紡糸材料の予
備配向率に応じてそれぞれ異なる条件下で、かつ異なる
延伸装置で延伸され、部分的に収縮される。延伸装置は
延伸炉の様式に応じて異なる。 例において“IR"は加熱ダクトを意味し、フィラメン
トはこの中においてセラミック材から成る赤外線照射器
で加熱される。“空気”とは糸が横方向に流れる熱風で
加温される炉を意味し、これら両方の場合において、記
載した温度は感知器の温度に関する。一方炉“IR"内に
あって感知器はフィラメントシートの約15mm上方に存在
しており、炉“空気”内においてはこれらの感知器はフ
ィラメントシートの下方に存在しており、空気がフィラ
メントシートに接触する前の加熱された空気の温度を表
示する。 例1には低い予備配向率を有する紡糸フイラメントに
関する延伸作業様式が記載されている。記載された温度
はそれ以上高めることはできなかった。なぜなら、もし
それ以上高めた場合フィラメントが切れてしまうからで
ある。例5にあっては滞留時間および温度に関して例1
におけると同様な延伸条件が適用されているが、供給糸
は高い予備配向率を有している。後記の表にまとめて表
示した値を比較した場合、高い予備配向率のために収縮
率が例1におけるよりもほんの僅か低く、かつ安定度の
商の値もそれほど高くはなく、例1の同様に良好に固定
された糸に比して進歩がそれほど大きくないことが見受
けられる。しかし例4の値は、感知器により感知された
温度が20℃だけ上昇することによって、著しく低い収縮
率を有する、特許請求の範囲に記載のすべての要件を確
実に充たす糸を得ることが可能であることを示してい
る。例6においても加熱機の温度は例4と同じ温度に高
められているが、作業速度を倍の速度に早めることによ
り滞留時間が半分になっている。この差異により延伸張
力が著しく上昇し、収縮率と安定度の商の値は明白に特
許請求された範囲外の値を示す。この例は本発明の要件
である延伸条件を維持することが如何に重要であるかを
示している。なぜなら、この条件を維持しなかった場
合、収縮率を低下させる高い予備配向率が紡糸材料に与
えられているにもかかわらず、熱安定性の点で従来のフ
イラメントもしくは糸に劣りさえする糸が得られるに過
ぎないからである。例8と10にあっては高い予備配向率
を有する紡糸フイラメントに本発明による延伸条件が適
用されている。しかし、使用したフィラメント形成物質
は異なった相対溶液粘度に相応して異なった平均分子量
を有している。 例7と9においては、延伸工程に引き続いて収縮工程
を行う方法が適用されている。両例の場合糸材料の達せ
られた熱収縮率が極めて僅かであるにもかかわらず弾性
はなお実質的に100%維持されており、特許請求された
安定度の商値も越えている。 これに対して、例2および3に示されているように、
この方法を低予備配向率を有する紡糸フイラメントに適
用した場合、例2におけると同じ弾性度にあっても糸材
料の熱収縮率は例7におけるよりも極めて高い。例3に
示したように、確かに、さらに緩和を行うと熱収縮率の
値を更に幾分低下させるが、それでもこの収縮値は決し
て例7および9に示すような低い値には至らない。他
方、極めて高い値に上昇した54cN/texにおける参考伸び
率と著しく低下した弾性度ED20は、KD−ダイヤグラムに
おいてはっきりとした“シュリンケージ・サドル”の形
成を示している。例14は、更に特許請求された0.025の
値以下の複屈折率にまで引き取り速度を増速させること
により予備配向率を増大させた場合、熱安定性の改善が
達せられることを示している。なぜなら延伸温度も既に
幾分高まるからである。しかし、特許請求されている範
囲の糸の物理的な値に達することはできない。例11から
13においては横方向に流れる空気によって作動する延伸
炉が使用されている。これら例にあっても延伸温度−こ
の例では延伸域の終端におけるフィラメントの温度でも
あると考えられる−を上昇させることによって始めて本
発明によるフィラメントが得られることが再び示されて
いる。例11においては延伸温度を250℃に高めることに
よってフィラメントの破断を常に伴った。245℃にあっ
ても幾つかのフィラメントは破断し、しかも他のフィラ
メントは極めて著しい毛細破断(capillary break)を
示した。例11にあっては0.0033の複屈折率を有している
に過ぎない予備配向率の僅かな供給糸が使用されてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は繊度引張強さcN/texと伸び率との関係曲線図、 第2図は弾性度ED45と繊度引張強さcN/texとの関係曲線
図、 第3図は本発明による方法を実施するのに好適な紡糸装
置、 第4図は繊度引張強さcN/texと熱収縮率S200%との関係
曲線図。 図中符号は、 1……ボビン 2……ロール機構 3……炉 4,5……ロール機構 6……巻取り部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工業用の未加撚、高強力ポリエステル・マ
    ルチフィラメント糸であって、フィラメント形成物質が
    約1.90〜2.20の相対溶液粘度(25℃において100mlのジ
    クロル酢酸中の1.0gの重合体)に相当する高い平均分子
    量を有しており、個々のフィラメントが約57%〜約65%
    の結晶度を有し、かつ糸が7%未満の200℃での熱収縮
    率S200、少なくとも90%の20cN/texの負荷の際の弾性度
    ED20、および少なくとも7.5%の安定度の商値SQを有し
    ているポリエステル糸を製造する方法において、少なく
    とも0.025の複屈折率に相当する高い予備配向率で紡糸
    されたポリエステル供給糸を高い温度で、かつ最大冷間
    延伸率の少なくとも90%の延伸率および19〜23cN/texの
    延伸張力の維持下に延伸処理することを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】延伸張力を20〜23cN/texの値に調節する特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。
JP60188731A 1984-08-30 1985-08-29 高強力なポリエステル糸の製造方法 Expired - Lifetime JP2619356B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE3431831.3 1984-08-30
DE19843431831 DE3431831A1 (de) 1984-08-30 1984-08-30 Hochfestes polyestergarn und verfahren zu seiner herstellung

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8281093A Division JP2854290B2 (ja) 1984-08-30 1996-10-23 高強力ポリエステル糸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6163714A JPS6163714A (ja) 1986-04-01
JP2619356B2 true JP2619356B2 (ja) 1997-06-11

Family

ID=6244234

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60188731A Expired - Lifetime JP2619356B2 (ja) 1984-08-30 1985-08-29 高強力なポリエステル糸の製造方法
JP8281093A Expired - Lifetime JP2854290B2 (ja) 1984-08-30 1996-10-23 高強力ポリエステル糸

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8281093A Expired - Lifetime JP2854290B2 (ja) 1984-08-30 1996-10-23 高強力ポリエステル糸

Country Status (7)

Country Link
US (1) US4973657A (ja)
EP (1) EP0173221B1 (ja)
JP (2) JP2619356B2 (ja)
AT (1) ATE49026T1 (ja)
BR (1) BR8504163A (ja)
CA (1) CA1300360C (ja)
DE (2) DE3431831A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0319940A1 (de) * 1987-12-09 1989-06-14 Hoechst Aktiengesellschaft Fahrzeugreifen
JPH0397914A (ja) * 1989-09-11 1991-04-23 Unitika Ltd ポリエステル繊維とその製造法
US5277858A (en) * 1990-03-26 1994-01-11 Alliedsignal Inc. Production of high tenacity, low shrink polyester fiber
EP0450607B1 (en) * 1990-04-06 1997-08-06 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Polyester fiber and method of manufacturing same
EP0526740B1 (de) * 1991-07-05 1998-03-25 Hoechst Aktiengesellschaft Hochfestes Polyestergarn und Verfahren zu seiner Herstellung
JPH0516606A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
ID846B (id) 1991-12-13 1996-08-01 Kolon Inc Serat benang, benang ban poliester dan cara memproduksinya
EP0579083B1 (de) * 1992-07-10 1998-06-03 Hoechst Aktiengesellschaft Verfahren zum Verstrecken von erhitzten Garnen, damit erhältliche Polyesterfasern sowie deren Verwendung
DE4344691A1 (de) * 1993-12-27 1995-06-29 Hoechst Ag Hochfestes, schwer entflammbares Polyestergarn, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung
CZ287583B6 (en) * 1994-12-23 2000-12-13 Akzo Nobel Nv Process for producing thread of continuous polyester fibers
US6471906B1 (en) 2000-07-10 2002-10-29 Arteva North America S.A.R.L. Ultra low-tension relax process and tension gate-apparatus
KR20120002498A (ko) * 2010-06-30 2012-01-05 코오롱인더스트리 주식회사 폴리에스테르 섬유 및 그의 제조방법
EP4363642A1 (de) 2021-06-28 2024-05-08 Indorama Ventures Fibers Germany GmbH Elektrisch leitfähiges garn

Family Cites Families (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL287359A (ja) * 1962-01-02
US3966867A (en) * 1968-08-31 1976-06-29 Akzona Incorporated Manufacture of unique polyethylene terephthalate fiber
DE2207849B2 (de) * 1972-02-19 1976-04-01 Metallgesellschaft Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zur herstellung von texturierten, molekular orientierten faeden aus polyester oder polyamid
DE2254998B2 (de) * 1972-11-10 1975-07-10 Barmag Barmer Maschinenfabrik Ag, 5600 Wuppertal Verfahren zur Herstellung von Kord aus Chemiefasern
JPS584089B2 (ja) * 1974-11-06 1983-01-25 帝人株式会社 ポリエステルセンイノ セイゾウホウホウ
US4195052A (en) * 1976-10-26 1980-03-25 Celanese Corporation Production of improved polyester filaments of high strength possessing an unusually stable internal structure
US4101525A (en) * 1976-10-26 1978-07-18 Celanese Corporation Polyester yarn of high strength possessing an unusually stable internal structure
US4414169A (en) * 1979-02-26 1983-11-08 Fiber Industries, Inc. Production of polyester filaments of high strength possessing an unusually stable internal structure employing improved processing conditions
JPS55122015A (en) * 1979-03-12 1980-09-19 Unitika Ltd Polyester fiber for reinforcing rubber
US4251481A (en) * 1979-05-24 1981-02-17 Allied Chemical Corporation Continuous spin-draw polyester process
DE2925006C2 (de) * 1979-06-21 1983-06-30 Akzo Gmbh, 5600 Wuppertal Verfahren zur Herstellung schmelzgesponnener und molekularorientierend verstreckter, kristalliner Filamente
JPS5637311A (en) * 1979-08-27 1981-04-11 Kanebo Ltd Polyester fiber for woven and knitted fabric
DE3173948D1 (en) * 1980-02-18 1986-04-10 Ici Plc Process for forming a continuous filament yarn from a melt spinnable polyethylene terephthalat and novel polyester yarns produced by the process
EP0042664B1 (en) * 1980-06-24 1983-09-21 Imperial Chemical Industries Plc Polyester yarns produced by high speed melt-spinning processes
KR860000205B1 (ko) * 1981-01-19 1986-03-03 세꼬 마오미 상압 염색 가능한 폴리에스테르 섬유
JPS57154410A (en) * 1981-03-13 1982-09-24 Toray Ind Inc Polyethylene terephthalate fiber and its production
JPS57163422A (en) * 1981-03-31 1982-10-07 Toray Industries Polyester fiber for fishing net
JPS5823914A (ja) * 1981-07-30 1983-02-12 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性および化学安定性にすぐれたポリエステル高強力糸
JPS5846117A (ja) * 1981-09-14 1983-03-17 Teijin Ltd 熱安定性の優れたポリエステル繊維及びその製造法
JPS5898416A (ja) * 1981-11-30 1983-06-11 Asahi Chem Ind Co Ltd 高強度ポリエチレンテレフタレ−ト糸条
JPS5898419A (ja) * 1981-12-02 1983-06-11 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性および化学安定性にすぐれると同時に高強度を有するポリエステル繊維
ZA83849B (en) * 1982-02-22 1984-02-29 Goodyear Tire & Rubber Process for the production of high strength polyester yarn
JPS591713A (ja) * 1982-06-22 1984-01-07 Toray Ind Inc ポリエチレンテレフタレ−ト系繊維の製造方法
JPS595373A (ja) * 1982-07-02 1984-01-12 Casio Comput Co Ltd デ−タ転送方式
JPH0733610B2 (ja) * 1982-09-22 1995-04-12 東レ株式会社 ポリエステルタイヤコードの製法
JPS59211638A (ja) * 1983-05-11 1984-11-30 東レ株式会社 縫糸用ポリエステルフイラメント
JP3111086B2 (ja) * 1991-06-25 2000-11-20 マツダ株式会社 エンジンのクランクシャフトの軸受メタル組込方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA1300360C (en) 1992-05-12
BR8504163A (pt) 1986-06-24
DE3431831A1 (de) 1986-03-13
DE3575000D1 (de) 1990-02-01
ATE49026T1 (de) 1990-01-15
JPH09170113A (ja) 1997-06-30
JP2854290B2 (ja) 1999-02-03
EP0173221A2 (de) 1986-03-05
JPS6163714A (ja) 1986-04-01
EP0173221A3 (en) 1986-05-28
EP0173221B1 (de) 1989-12-27
US4973657A (en) 1990-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3816486A (en) Two stage drawn and relaxed staple fiber
JPS626908A (ja) 特別安定な内部構造をもつ高強力改良ポリエステル単繊維の製法
JP2619356B2 (ja) 高強力なポリエステル糸の製造方法
JPH0355566B2 (ja)
JPH02127507A (ja) 高い強力および高い引張り均一性をもつモノフイラメントおよびそれを紡糸および延伸する方法および装置
US5023035A (en) Cyclic tensioning of never-dried yarns
US7056461B2 (en) Process of making polyester multifilament yarn
US4446299A (en) Melt spinning of synthetic fibers
EP1743057B1 (en) Spinning poly(trimethylene terephthalate) yarns
KR100441899B1 (ko) 연속폴리에스테르필라멘트얀의제조방법
KR20170037392A (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 원사, 그 제조방법, 및 그것을 이용하여 제조된 타이어 코드
US3441642A (en) Drawing and heat relaxing nylon yarn
PT97628A (pt) Aparelho para fiacao de fibras sinteticas
JP2003527497A (ja) ポリ(トリメチレン)テレフタレート織物ステープル製造
JPS5921714A (ja) ポリエステル繊維の延伸方法
US5106685A (en) Process for manufacturing a smooth polyester yarn and yarn so obtained
JP2000512351A (ja) ポリエステルフィラメント及び該フィラメントの製造方法
US5935499A (en) Method and apparatus of transferring a packet and generating an error detection code therefor
US3493646A (en) Drawing and heat relaxing nylon yarn
US5173231A (en) Process for high strength polyester industrial yarns
JP2782510B2 (ja) ゴム製品補強材用ポリアミド糸及びその製造方法
CN1013774B (zh) 高强度聚酯纱线的生产方法
PT97629A (pt) Fio estirado
JPH0323645B2 (ja)
JPS59211619A (ja) 特殊なポリエステルフイラメント糸の製造方法