JP2594744B2 - リンホカインの生産および精製 - Google Patents

リンホカインの生産および精製

Info

Publication number
JP2594744B2
JP2594744B2 JP5176039A JP17603993A JP2594744B2 JP 2594744 B2 JP2594744 B2 JP 2594744B2 JP 5176039 A JP5176039 A JP 5176039A JP 17603993 A JP17603993 A JP 17603993A JP 2594744 B2 JP2594744 B2 JP 2594744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
csf
leu
thr
glu
pro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5176039A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06319557A (ja
Inventor
スティーブン・シー・クラーク
ランダル・ジェイ・カウフマン
ゴードン・ジー・ウォング
エリザベス・エー・ウァング
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sandoz AG
Original Assignee
Sandoz AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27417446&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2594744(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sandoz AG filed Critical Sandoz AG
Publication of JPH06319557A publication Critical patent/JPH06319557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2594744B2 publication Critical patent/JP2594744B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/53Colony-stimulating factor [CSF]
    • C07K14/535Granulocyte CSF; Granulocyte-macrophage CSF
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/70Vectors or expression systems specially adapted for E. coli
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2840/00Vectors comprising a special translation-regulating system
    • C12N2840/44Vectors comprising a special translation-regulating system being a specific part of the splice mechanism, e.g. donor, acceptor

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】この発明は、霊長類動物の造血系前駆細胞
の発育と分化を刺激する作用を有する蛋白質の生産に関
するものであり、より詳細にはコロニー刺激因子(CS
F)の生産に関するものである。この発明の1つの目的
は、CSF蛋白質発現遺伝子を含んだベクターを生産
し、このベクターを微生物および細胞系に導入し、CS
F蛋白質を生産する組換え体DNA技術によってCSF
蛋白質を生産する方法を提供することにある。更に、こ
の発明の第2の目的は、天然または組換え体の何れを問
わず、供給源からCSF蛋白質を単離・精製する方法を
提供し、それによって、従来報告されたものより優れた
純度と活性水準とを保有する精製CSF蛋白質を提供す
ることにある。
【0003】
【発明の背景技術】血液中に見い出される多数の細胞系
は、何れも多分化能性造血幹細胞に由来する。幹細胞は
2つの機能を有し、(1)幹細胞自身を再生し、それによ
って生体内の幹細胞数を維持し、(2)任意の成熟血球系
へと分化方向の定められた子孫細胞を提供する。特定の
造血経路に沿って分化方向が定められた細胞を前駆細胞
と呼ぶ。Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球、赤血球、血
小板、および好酸球の前駆細胞、および種々の成熟血球
系に独立して発生することがある更に初期の前駆細胞に
ついて、イン・ビボ(生体内)およびイン・ビトロ(試験
管内)の双方で実験的に研究が行なわれた[デキスター
(1983年)、ジャーナル・オブ・パソロジー、141
巻、415〜433頁]。イン・ビトロで、各前駆細胞
系の増殖および/または分化は、様々な供給源に由来す
るそれぞれ特異的な「因子」に依存していることが判明し
た。例えば、赤血球の後期前駆細胞はエリスロポイエチ
ンと呼ばれる因子を必要とする。成熟好中性顆粒球、単
球および成熟マクロファージを生成する分化方向に定め
られた骨髄前駆細胞の生存、増殖および分化に必要な因
子は、コロニー刺激因子群(CSF群)と呼ばれる。
【0004】CSF活性はマウスで詳細に研究されてい
る。大部分の成熟マウス組織はCSF活性を産生する。
しかし、種々の組織から様々な方法で入手したCSF活
性を含有する組成物は、その生化学的特性を異にしてい
るようである。即ち、異なった因子間の構造的関連性
は、なお未知のままである。また、CSF活性は顆粒球
およびマクロファージ発生における1つ以上の段階で作
用するようでもあり、一方、観察される活性がすべて単
一の因子によって生じるのか、あるいは各段階毎に異な
った因子が作用するのかも明確ではない[バージエスお
よびメトカルフ(1980年)、ブラッド、56巻、94
7〜957頁]。
【0005】ヒトCSF活性体は、胎盤、ある種の胎児
組織、マクロファージ、刺激されたT細胞から得られて
いる。1またはそれ以上の強力なCSF活性体を産生す
るT細胞系(Mo)が、T細胞変異型毛状細胞白血球(白血
病性網内増殖症)の1患者から証明された[ゴールドら
(1978年)、ブラッド、52巻、1068〜1072
頁]。
【0006】CSF活性の顆粒球およびマクロファージ
産生に対する刺激能から、これらの(骨髄性)血球系の産
生増加を必要とする状態に対して、CSF活性を有する
医薬組成物が臨床上有用であるということが判明した。
事実、明らかに正規循環内の顆粒球値が極めて高い数人
の患者で、これらがCSF産生過剰を伴う腫瘍を有して
いることが示された。腫瘍を外科的に除去することによ
って、1例で顆粒球が急速に下降し正常値へ近付いたこ
とは、循環顆粒球数の調節にCSFが有用であろうとい
うことを強く示唆している[ホッキング、グッドマン、
ゴールド、ブラッド、61巻、600頁(1983
年)]。殊に、CSF組成物は、癌の化学療法または放射
線処置によって生じた骨髄抑制の処置に対し臨床上有用
である。また、CSFは顆粒球数および/または単球数
を増加および/または賦活化するので、CSF組成物は
重篤な感染症の処置に有用である。
【0007】様々な異なった形のCSF活性体が知られ
ており、顆粒球・CSF(G・CSF)、マクロファージ
・CSF(M・CSF)、顆粒球・マクロファージ・CS
F(GM・CSF)および多重型CSFがこれに含まれ
る。この発明は特にGM−CSFに関する。この発明は
特に霊長類動物のCSFに関するものであり、より詳細
には、ヒトCSFおよびサルCSFに関するものであ
る。CSF活性を有する組成物の生物学的・生化学的な
特性決定および臨床段階におけるこれらの組成物の検討
は、今日まで、ヒトおよび/またはその他の霊長類動物
のCSF組成物が希少で、また純粋でないことによって
妨げられてきた。CSF活性に係る蛋白質または蛋白質
群を同定することが如何に望ましいことであったかとい
うことは、よく理解できる。更に、生物学的・生化学的
な特性決定を行ない、治療剤として使用するのに十分な
量および純度をもってCSF蛋白質を容易に供給し得る
霊長類動物のCSF供給源、好ましくはヒトCSF供給
源を得ることが望ましい。
【0008】最近開発された分子クローニングの技術に
より、蛋白質を暗号化しているヌクレオチド配列をクロ
ーニングし、好適な宿主−ベクター系を用いてその蛋白
質を大量に生産することができる(マニアティス、モレ
キュラー・クローニング、ア・ラボラトリー・マニュア
ル、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、
コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、19
82年)。次いで、既知の分離・精製技術によって蛋白
質を分離することができる。今日まで用いられているク
ローニングの方法は、(1)蛋白質構造に関する知識、例
えばアミノ酸配列に基づいて行なう方法、(2)その蛋白
質に特異的な抗体を用いてクローン化した遺伝子によっ
て発現された蛋白質の同定に基づいて行なう方法、およ
び(3)翻訳すると、興味ある遺伝子によって暗号化され
た蛋白質または活性体を生成することができるRNA種
の同定に基づいて行なう方法の3つの一般的な範疇に分
けることができる。
【0009】これらの分野に属する各方法は、CSF蛋
白質のように、対象とする蛋白質が極めて少量しか入手
できない場合、適用が困難である。即ち、十分量の精製
蛋白質の入手が困難であると、アミノ酸配列ばかりでな
く、蛋白質の部分配列でさえ決定が困難である。同様
に、発現蛋白質の抗体結合による同定は、単一特異性多
クローン性高力価抗血清を使用して実施されることが多
い。そのような抗血清は、純粋な蛋白質(抗体)が十分量
存在しないと得ることができない。別の解決法が単クロ
ーン性抗体によって提供されるが、これに必要な抗体も
また、好適な抗原が存在しない場合は入手困難であり、
それに、そのような単クローン性抗体は、入手可能な組
換え体宿主−ベクター系によって蛋白質が発現される形
態では、その蛋白質と反応することができない。結局、
RNA種の翻訳が同定可能な蛋白質または活性体を生成
するためには、RNA供給源中に、当のRNAが、確実
な蛋白質または活性体シグナルを十分与え得るだけ豊富
に存在していることが必要である。特定の蛋白質を暗号
化しているRNAの相対的な豊富さは、その蛋白質の豊
富さと平行しており、従って希少な蛋白質は、通例、希
少なmRNAによって暗号化される。
【0010】Mo細胞系はヒトCSF類の精製と、対応
するメッセンジャーRNA類の同定との双方のための出
発物質として使用されてきた。しかし、この比較的良好
なCSF活性供給源でさえ、構造研究に必要な蛋白質を
十分に単離することは極めて困難であることが証明され
た。
【0011】CSFのように希少な蛋白質を暗号化して
いるヌクレオチドを、前記の方法でクローニングするの
に付随する固有な問題を克服するため、新規な方法を開
発した。この方法では、遺伝子生産物またはその活性を
確実に測定できることだけが必要である。CSF測定の
好適な方法は、本明細書の実施例2に記載する。第2の
態様では、組換え体または天然の何れを問わず、供給源
からCSF蛋白質を、従来可能であったよりもはるかに
高い純度と活性水準で単離・精製できる精製方法を開発
した。
【0012】
【本発明に係る組換え体DNA法の要約】この発明の第
1の態様は、先行技術の問題を克服し、組換え体DNA
技術を使用してCSF活性を有する使用可能な蛋白質を
提供することである。この発明において、CSF活性の
検定だけが必要である新規クローニング技術を、CSF
活性を有する蛋白質を暗号化しているcDNAをクロー
ニングするのに利用する。このようにして、この発明は
CSF活性を有する蛋白質を暗号化しているcDNA(即
ち、CSF/cDNA)、CSF/cDNAのような組換
え体ベクターを導入する微生物または細胞系、および微
生物または細胞系を培養することによってこのCSF/
cDNAを発現することにより、CSF蛋白質を生産す
る方法を提供する。この発明では、クローンからCSF
蛋白質を生産するのであるから、これがCSF活性を有
する蛋白質であることは間違いない。この発明は、更に
CSF/cDNAを含有している形質転換ベクターを調
製・単離する方法を含んでいる。この方法は、CSFを
生産する細胞からRNAを作成し、このRNAからポリ
アデニル化メッセンジャーRNAを作成し、このメッセ
ンジャーRNAから1本鎖cDNAを作成し、この1本
鎖cDNAを2本鎖cDNAへ変換し、この2本鎖cDN
Aを形質転換ベクターに挿入し、このベクターで細菌を
形質転換してコロニーを形成し、それぞれ200〜50
0コロニーのプールを拾い、各プールからプラスミドD
NAを単離し、このプラスミドDNAを、CSF蛋白質
の発現に好適な宿主細胞にトラスフェクション(導入)
し、トラスフェクションした細胞を培養し、その上清の
CSF活性を検定し、CSF陽性プールを選出して、プ
ール作成に使用したコロニーをスクリーニングし、CS
F活性を有するコロニーを同定することから成る。
【0013】この発明におけるCSF蛋白質は、骨髄系
細胞に対する発育および分化ホルモンである。これら
は、例えば骨髄抑制の臨床的処置に適用され、特に、癌
の化学療法または放射線処置に伴う(症候的な)顆粒球減
少症の臨床的処置に適用される。
【0014】この発明において、CSF蛋白質を暗号化
したDNA配列を第1図に示す。このDNA配列は、C
SF−Thrと呼ばれるヒトCSFの1変異体の暗号を完
全に示している。もう1つの対立遺伝子は100番目の
位置のThrをIleに置換えた以外は同一な生産物(CS
F−Ile)を暗号化している。上記のヒト配列に対する
変化は、ギボンCSF(ギボンザルのCSF)(CSF−
G)を暗号化したDNA配列における差異を示す。ま
た、これから推論されるアミノ酸配列を示す。
【0015】第2図はプラスミドpAdD26SVpA
(3)からプラスミドpTPLを作成する概略の説明、第
3図は、第2図からの概説の続きで、プラスミドpTP
Lからプラスミドp91023を作成する説明、第4図
は、第3図からの概説の続きで、プラスミドp9102
3(B)の説明である。第6図はベクターpTALC−1
85Rの模式表示、第7図はベクターAJ−14の模式
表示である。
【0016】
【操作の詳細な説明】事例の理解を容易にするために下
記の定義を設ける。下記の定義は、当該技術分野で流通
している意味から定義の異なる範囲まで支配する。増幅
とは、細胞が、その染色体DNA内で遺伝子を反復生産
するプロセスをいう。CSFとは、本明細書に記載の検
定により規定される生物学的活性である。CSF蛋白質
は、CSF活性を有する霊長類動物供給源から得られる
蛋白質である。この発明の目的のため、CSF蛋白質の
語は、MET残基によって先行されるCSF蛋白質、C
SF蛋白質の対立遺伝性変異体および修飾CSF蛋白質
を含んでいる。
【0017】下流とは、ヌクレオチド配列の3'末端の
方へ向かう方向をいう。エンハンサーとは、遺伝子に対
するエンハンサーの位置または配列の配向に関係なく、
遺伝子の転写を促進することができるヌクレオチド配列
をいう。
【0018】遺伝子は、与えられた蛋白質を暗号化して
いるデオキシリボヌクレオチド配列である。この発明の
目的から、遺伝子にはRNA転写開始シグナル、ポリア
デニル酸付加部位、プロモーター、またはエンハンサー
のように翻訳されないフランキング領域を含まないこと
とする。
【0019】連結(ライゲーション)は、2個のDNA鎖
の5'終末と3'終末との間のホスホジエステル結合を形
成するプロセスである。これは、T4リガーゼによる平
滑末端の連結を含む幾つかの公知の酵素技術によって達
成することができる。
【0020】配向とは、DNA配列におけるヌクレオチ
ド類の順序をいう。逆方向のDNA配列とは、その配列
が得られたDNAを対照点として比較したとき、他の1
配列との関係で5'から3'への順序が逆になっている配
列をいう。そのような対照点としては、供給源DNA中
の他の特定のDNA配列の転写方向またはその配列を含
んでいる複製可能なベクター複製起源のそれを含むこと
ができる。
【0021】転写とは、DNA鋳型からRNAを合成す
ることである。形質転換とは、外来性DNAを細胞にと
り込むことによって細胞の遺伝子型を変えることであ
る。ある場合には、形質転換は細胞表現型の変化によっ
て検出できる。形質転換した細胞は、形質転換体と呼称
する。形質転換以前の細胞を親細胞という。
【0022】翻訳とは、メッセンジャーRNAからポリ
ペプチドを合成することである。コロニー刺激因子活性
(CSF)は末梢血単核球から得た調整培地、肺および胎
盤組織、および骨髄、貧血患者の尿、血清、Tリンパ球
および単核食細胞系列の正常および新生物細胞を含む多
数の細胞供給源から誘導することができる。CSFを生
産する1細胞系は、ATCCに寄託され、CRL806
6のコード番号で利用することができるMo細胞系であ
る。この細胞系によって生産されたCSFは顆粒球−マ
クロファージCSF(GM−CSF)として知られてお
り、これは言うまでもなくヒトCSFである。ギボンC
SFの1供給源はUCD・MLA−144と名付けられ
たT細胞系であって、1983年9月29日にATCC
に寄託され、HB9370のコード番号で利用すること
ができる。
【0023】この発明において、CSFクローンを単離
するために、CSF活性の検定技術だけを必要とする新
規方法を使用した。先ず、Tリンパ球細胞(または、先
に示したようなその他の供給源)のようなCSF活性を
生産する細胞を同定する。次いで、この細胞のmRNA
を回収する。好ましくは、Tリンパ球細胞を使用する。
そのような場合、リンホカインに対するmRNAを含有
している膜結合型mRNAを、細胞内の遊離mRNAから
分離する。この分離によって、採取されたmRNAはリ
ンホカイン配列に対して5〜10倍強化されるものと確
信され、従って、所望のCSFクローンの確認を含む労
力が軽減される。次いで、オリゴdTセルロースを用い
るクロマトグラフィーによってポリアデニル化したメッ
センジャーRNAを作成する。
【0024】宿主にトランスフェクションして、CSF
活性を有する所望の蛋白質を発現するのに好適なベクタ
ーを使用し、このmRNAからcDNAライブラリーを作
成する。上に作成したmRNAを用いる標準的方法によ
って第1鎖cDNAを作成する。次いで、このRNA/c
DNAハイブリッドを2本鎖cDNA形に変換する。次
いで、このcDNAを好適なベクターへ挿入することが
できる。
【0025】CSFクローンの単離に好ましい宿主−ベ
クター系は、CSF/cDNAを好適な形質転換ベクタ
ーに発現することに基づいている。好適な形質転換ベク
ターは、哺乳類細胞へDNAを一過性に導入することに
よって期待できる[メロン、パーカー、グルツマン、マ
ニアティス(1981年)、セル、27巻、279〜28
8頁]、所望のCSF形質転換体を単離するために、集
団(ポピュレーション)細胞のすべてが、所望のCSF生
産物を発現する外来性遺伝子を必ず保有している必要は
ない。細胞の副次集団(サブポピュレーション)が数日間
にわたって所望の生産物を発現するよう、一過性に外来
性遺伝子を該副次集団へ導入することが可能である。こ
の発明方法では、DNAトランスフェクションおよび発
現系における形質転換ベクターに選択マーカーを置く必
要がないから、外来性DNAは1〜2週間にわたる細胞
発育期間の際に消失して終う。但し、好適な場合は、哺
乳類細胞のトランスフェクション後、2、3日は、所望
の生産物の合成が見られ、検出することができる。
【0026】最もよい宿主−ベクター系は、複製起点を
欠くSV40のDNA分子を導入したサルのCV−1細
胞系の開発に基づいている[グルツマン、セル、23
巻、175〜182頁(1981年)]。欠損SV40D
NAを含んでいるCOSと名付けられたサルの形質転換
CV−1細胞は、SV40ゲノムの完全なコピーを含ん
でいないが、高濃度の巨大T抗原を生産し、またSV4
0/DNA複製を許容する。また、これらは初期領域お
よびSV40の複製起点を含んでいる細菌性プラスミド
の欠失を有するSV40の複製を効率よく支持する[マ
イヤーズ、ツジャン(1980年)、プロシーディング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ・オブ・ザ・ユー・エス・エー、77巻、6491〜
6495頁]。このように、この系は、外来性DNAか
ら発現されたmRNAおよび蛋白質の濃度を高めるた
め、SV40によるDNA複製を介して、トランスフェ
クションした外来性DNAを増幅する手段を提供する。
但し、他の類似の系もまた使用できる。
【0027】CSF発現に使用するベクター類は、典型
的に下記に記載のように、エンハンサー、プロモータ
ー、イントロン、ポリアデニル化部位、3'−非暗号化
領域および翻訳活性化領域のような種々の要素を含んで
いる。
【0028】ベクター類はエンハンサーを含むことがで
きる。エンハンサーは機能的にプロモーターと区別され
るが、プロモーターと協調して作動するようである。細
胞レベルにおけるその機能はよく判っていないが、その
特異な性能は位置または配向に関係なく転写を活性化ま
たは増強する働きである。プロモーターは遺伝子の上流
に存在する必要があるが、エンハンサーは上流、即ち、
プロモーターから5'−上流の遺伝子内にイントロンと
して、または遺伝子から下流、遺伝子とポリアデニル化
部位との間またはポリアデニル化部位から3'−下流に
存在することができる。逆方向のプロモーターは機能し
ないが、逆方向のエンハンサーは機能する。エンハンサ
ーはシスに作用する。即ち、プロモーターが同一DNA
鎖上にある場合だけ、エンハンサーはプロモーターに影
響を与える。エンハンサーに関する一般的な論考につい
ては、コーリーら、セル、33巻、313〜314頁
(1983年)を参照。
【0029】哺乳類細胞に使用する好ましいエンハンサ
ーは、シミアン・ウイルス40、ポリオーマ・ウイル
ス、ウシ乳頭腫ウイルス、レトロウイルスまたはアデノ
ウイルスから得られる。理想的には、エンハンサーは宿
主が許容するウイルス、即ち、宿主型細胞に普通に感染
するウイルスから得るべきである。ウイルス性エンハン
サーは公的に利用可能なウイルス類から容易に得ること
ができる。2、3のウイルス、例えばラウス肉腫ウイル
スおよびシミアン・ウイルスのエンハンサー領域はよく
知られている[ルシウら、セル、33巻、705〜71
6頁(1983年)]。公開された当面のウイルスの制限
酵素地図に基づいてこれらの領域を切り出し、必要なら
ば、該エンハンサーを所望のベクターへ挿入し得るよう
その部位を修飾することは、分子生物学において日常行
なわれることである[例えば、カウフマンら、ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、159巻、6
01〜621頁(1982年)、およびモレキュラー・セ
ル・バイオロジー、2巻(11号)、1304〜1319
頁(1982年)を参照にせよ]。別法として、エンハン
サーを配列データから合成することもできる。ウイルス
性エンハンサーの大きさ(一般に、約150bpより小さ
い)は、合成を実際に達成し得る程度に十分小さい。
【0030】ベクター組立て体内に存在すべきもう1つ
の要素はポリアデニル化切り継ぎ(スプライシング)(ま
たは付加)部位である。この部位は遺伝子の翻訳領域か
ら僅か下流に位置しているDNA配列であり、転写が停
止した所から交代に、アデニン・リボヌクレオチドが付
加し、メッセンジャーRNAの3'−末端にポリアデニ
ン・ヌクレオチド尾部を形成する。ポリアデニル化は、
メッセンジャーRNA濃度を低下し、それによって蛋白
質生産物濃度を低下するメッセンジャーRNAの細胞内
分解という問題発生に対しメッセンジャーRNAを安定
化するのに重要である。
【0031】真核性ポリアデニル化部位はよく知られて
いる。真核遺伝子には一致した配列が存在している。ポ
リアデニル化が始まる所から11〜30ヌクレオチドに
5'−AAUAAA−3'の6ヌクレオチドが見い出され
る。ポリアデニル化部位を含んでいるDNA配列は、公
知文献に従ってウイルスから得ることができる。例示的
には、ポリアデニル化部位はマウス・ベーターグロブリ
ンから得られ、またシミアン・ウイルス40の初期また
は後期領域遺伝子から得ることができる。但し、ウイル
ス性ポリアデニル化部位の方が好ましい。これらの配列
は既知であるので、イン・ビトロで合成し、通常の手法
によりベクターと連結できる。
【0032】翻訳停止コドンからポリアデニル化部位を
隔離する部位は、好ましくは非促進真核遺伝子のような
翻訳されないDNA配列である。そのような配列および
遺伝子はプロモーターを賦与されないので、発現されな
いはずである。この配列は停止コドンからポリアデニル
化部位まで、約1000塩基程度までのかなりの鎖長で
あるべきである。この3'の翻訳されない配列は、一般
に生産物収量の増加を招来する。ベクターは一致したポ
リアデニル化配列から約30bp下流から終結することが
できるが、野性型環境においてポリアデニル化部位から
下流に見い出される3'−配列を保持していることが望
ましい。このような配列は典型的にはポリアデニル化部
位から下流に、約200〜600塩基対の鎖長である。
【0033】ベクターの翻訳されずに転写される部分に
イントロンが存在すると、生産物収量を増加することが
できる。そのようなイントロンは宿主細胞や遺伝子供給
源以外の供給源から得ることができる。例えば、アデノ
ウイルスの3分節系リーダーの第2イントロンからの
5'−スプライシング部位、およびアデノウイルス主後
期プロモーターの転写開始部位から下流を挿入した免疫
グロブリン遺伝子からの3'−スプライシング部位を含
んでいる雑種イントロンは生産物収量を増加する結果を
生じる。
【0034】CSFクローニングおよび発現ベクターの
好ましい態様には、翻訳活性化遺伝子がある。翻訳活性
化遺伝子とは、所望のメッセンジャーRNAの翻訳に影
響を与える蛋白質またはRNA生産物を暗号化している
遺伝子である。最良の例はアデノウイルス(VA)随伴遺
伝子(VAI)であって、このものは転写されて短いRN
A断片となり、アデノウイルス主後期mRNAの5'の翻
訳されない領域にある配列と相互に反応する[シンマツ
パヤら、(1982年)、セル、3巻、543頁]。VA
のRNAによって翻訳活性化されるのに必要な配列はア
デノウイルス後期mRNA3分節系リーダー内にある。
アデノウイルス3分節系リーダーは、アデノウイルス・
ゲノムの隣接していない領域からスプライシングされ、
アデノウイルスの主後期転写体5'終末に存在してい
る。VAのRNAは3分節系リーダー配列を含んでいる
mRNAと反応し合って、その翻訳を活性化することが
できる。従って、好ましいcDNAクローニングと発現
ベクターは、3分節系リーダーとアデノウイルスVA遺
伝子との切り継ぎ(スプライス)形を含んでいる。
【0035】これらのベクター類は、当該技術分野の専
門家にとって公知の手法により合成できる。エンハンサ
ー、プロモーター等のようなベクター要素は、天然供給
源または、前記のように合成された供給源より入手でき
る。基本的にはそれらの要素が、例えばウイルス機能に
見られる要素のように大量に入手可能なDNA内に見い
出される場合、あるいは、例えばポリアデニル化部位の
ように合成できる場合は、制限酵素の公的な使用によっ
て、供給源微生物を単純培養し、そのDNAを好適なエ
ンドヌクレアーゼで消化し、DNA断片を分離し、興味
ある要素を保有しているDNAを同定し、これと同一の
ものを回収することによって、大量のベクターを得るこ
とができる。通常、形質転換ベクターは少量が組み立て
られ、次いで、原核性プラスミドまたはファージのよう
に好適な自律複製を行なう合成ベクターと連結されるは
ずである。多くの場合、pBR322プラスミドが使用
できる(カウフマンら、前掲)。
【0036】合成ベクターは、例えばそれを許容する原
核微生物のトランスフェクションによって、多数の合成
ベクターのコピーを複製し、細胞溶解によって合成ベク
ターを回収し、細胞残屑から合成ベクターを分離する通
常の手法に従い、連結した形質転換ベクターをクローニ
ングするのに使用する。
【0037】CSF活性を生産する細胞からcDNAを
含有しているベクターを調製し、次いで、これをエシエ
リキア・コリに導入し、ペトリ皿の1皿当たり約200
0コロニーの割合となるように、これを培養する。コロ
ニーをニトロセルロース・フィルターに採取し、フィル
ターを新たな平板に移し、これをマスター(基準標本)と
して保存する。コロニーが発育した後、レプリカを作成
し、レプリカ・フィルターの切片がマスター平板の対応
部分と一致し得るように、注意深くこれに印を入れるこ
とにより、切片を基準標本と対応させる。
【0038】各レプリカ・フィルターを裁断し、あらか
じめ1枚当たり一定数のコロニーを含ませてある切片
(好ましくは、1切片当たり約200〜500コロニー)
を作成する。各切片からコロニーをL−ブロスのような
培地に播種し、遠心によって菌を捕集し、プラスミドD
NAを分離する。各切片毎に得られたプラスミドDNA
を、蛋白質発現に好適な宿主へと導入(トランスフェク
ション)する。ここにおいて、好ましい合成ベクター
は、真核細胞に有害な配列を欠失しているエシエリキア
・コリの変異株プラスミドpBR322である(カウフマ
ンら、前掲参照)。この変異株を使用することによっ
て、導入に先立ち、プラスミド残基を欠失させる必要が
なくなった。導入を行なった細胞を発育させた後、培地
のCSF活性を検定する。陽性検定の場合は、CSF/
cDNAを保有しているコロニーが、フィルターの特定
切片に存在することを示している。
【0039】基準マスター・フィルター切片の、どのク
ローンがCSF/cDNAを含んでいるのかを決定する
ために、フィルター切片上の各クローンをそれぞれ採取
し、これを発育させる。次に、この培養を1つのマトリ
ックスに配置する。マトリックスの横の各行および縦の
各列毎に1つづつプールを作る。プールした各培養毎に
DNA試料を作成し、これらを発現用宿主細胞へそれぞ
れ導入する。これらのプールから採取した上清のCSF
活性を検定する。ある縦の列のプールと、ある横の行の
プールがCSF活性を生産したとする。これら2つのプ
ールに共通するクローンにCSF/cDNAが含まれて
いるはずである。もし、マトリックスに1個以上の陽性
クローンが含まれていたら、1個より多くの縦列および
横の行が陽性であるはずである。このような場合には、
更に、少数のクローンでのスクリーニングが必要である
かも知れない。
【0040】制限酵素によってクローンからCSF/c
DNAを切り出し、既知の手法によりその配列を決定す
ることができる。ここに記載した方法が、CSF/cD
NAを任意の供給源から得るのに使用できることは容易
に理解できよう。第1図に、この発明によるCSF/c
DNAの完全なDNA配列と、それを翻訳したCSF蛋
白質生産物の予測されるアミノ酸配列とを併記して示
す。
【0041】本発明にかかる、CSF活性を示す蛋白質
をコードしているDNA配列(第1図参照)は、常法によ
って修飾することにより、本明細書記載の検定試験でな
おCSF活性を保有している最終CSF蛋白質の変異形
を作製することができる。本明細書の記載を補完するた
めに、ここに引用するベルギー特許第898,016号
には、システインを例えばセリンによって置換する代表
的な技術が記載されている。本発明のCSF/cDNA
には、ATGコドンを先行配列として有する天然のCS
F/cDNA遺伝子やCSF蛋白質のアレル変異体をコ
ードするCSF/cDNAが包まれる。1つのアレル変
異体を第1図に示す。本発明者らの発見にかかる今1つ
のアレル変異体は、第1図に示したものの358番目の
位置のシトシン残基(C)の代わりにチミジン残基(T)を
有する。本発明のCSF蛋白質は、CSF蛋白質のl−
メチオニン誘導体(Met−CSF)と、CSFタンパク質
のアレル変異体を包含する。第1図の配列によって示さ
れる成熟CSFタンパク質は、Ala・Pro・Ala・Arg
……の配列で始まり、その開始位置は第1図の59番目
のヌクレオチドの後の矢印で示される。Met−CSFは
Met・Ala・Pro・Ala・Arg……の配列で始まる。第
1図に示したアレル変異体は、(矢印の後のAlaから数
えて)100番目のアミノ酸残基にThrを有し、これを
CSF(Thr)と呼ぶ。もう1つの別の変異体は、100
番目にIle残基を有するものであって、これをCSF
(Ile)と呼ぶ。本発明の精製CSF蛋白質は、ヒト骨髄
細胞で検定したとき、蛋白質1mg当たり少なくとも10
7単位/mg、好ましくは少なくとも4×107単位/mgの
比活性を有する。
【0042】なお、本明細書、特に特許請求の範囲に云
う「アレル変異体」とは、同種由来の、同一の遺伝子座
を占める、塩基配列に固体差レベルの変異を有する遺伝
子によりコードされているアミノ酸配列を有する蛋白質
を指称し、「アミノ酸が付加、欠失または置換されたア
ミノ酸配列を有する変異体」とは、基本となる蛋白質の
アミノ酸配列に比較して1〜数個(例えば1〜5個)の
アミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列を
有し、かつ基本となる蛋白質の性質や機能を実質的に保
持している蛋白質を指称する。これらの変異体は、部位
特定変異誘発法のような自体常套の手段でこれを調製す
ることが可能なものである。例えば、上記したとおり、
ベルギー特許第898,016号にはCysをSerに置換する方
法が開示されている。その他、Nucleic Acids Resea
rch,Vol.10, 6487-6500(1982)、Science,Vol.224,
1431-1433(1984)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.
79,6409-6413(1982)等に記載の方法に準じて特定部位
の塩基配列を変換したDNAを得、これを使用して所望
のアミノ酸残基を有する変異体を産生することが可能で
ある。
【0043】CSFの発現に用いる宿主−ベクター系は
原核系でも真核系でもよいが、CSFの複雑さから、好
ましい発現系は哺乳類系のものである。発現は、好適な
CSFベクターを原核細胞または真核細胞に導入するこ
とによって、容易に達成される。前記の方法により得ら
れたDNA配列は、好適なプロモーターの支配下に哺乳
類細胞へ直接発現できる。当該技術分野の専門家に周知
の外来性プロモーターを使用することができる。原核細
胞または酵母細胞へCSFを発現するためには、先導配
列(または分泌配列)を除去しなければならない。第1図
に成熟CSF蛋白質のN末端コドンの位置を示してあ
る。これは、当該技術分野の専門家に周知の標準的な手
法を用いて実施することができる。一旦、所望のCSF
/cDNAクローンが得られれば、既知の好適な手技を
用いて、CSF蛋白質を発現する。例えば、CSF/c
DNAを好適なベクターに挿入し、好適な宿主細胞へベ
クターを導入し、形質転換された細胞を選択し、これら
の形質転換体を培養して、CSF活性を発現する。好適
な宿主細胞としては、細菌(例えば、エシエリキア・コ
リ)、酵母、哺乳類細胞(例えば、CHO)および昆虫細
胞が挙げられる。このようにして生産されたCSF蛋白
質は、蛋白質のN末端にメチオニン基を有することがで
きる(これをMet−CSFと呼ぶ)。原核細胞または真核
細胞によって生産される成熟蛋白質は、原核細胞生産物
が天然生産物と同程度、もしくはある程度の差をもって
グリコシル化され得る点を除けば、同じアミノ酸配列を
示す。下記の実施例において、CSF蛋白質を得るため
通常用いる各種の方法を説明する。その他の方法、また
は材料(例えば、ベクター)については、実施例および下
記の記載に基づけば当該技術分野の専門家に容易に明白
となろう。
【0044】好適な原核または真核細胞に発現したCS
F蛋白質は、当該技術分野の専門家に周知の精製・分離
手法によって回収することができる。但し、明示したよ
うに、この発明はまた、組換え体または天然の何れの供
給源からでもCSF蛋白質を高純度で、しかも高活性で
入手できる精製方法を提供する。
【0045】
【本発明の精製方法の要約】この発明は先行技術の諸問
題を克服してCSF活性を有する蛋白質を精製する方法
を提供する。この発明によるCSF蛋白質は、ヒト骨髄
検定法によって検定すると、蛋白質1mg当たり、少なく
とも約1×107単位の比活性を有し、好ましくは少な
くとも約2×107単位、一層好ましくは少なくとも約
4×107単位の比活性を有する。
【0046】この発明におけるCSF蛋白質の精製方法
は、下記の通り行なう。蛋白質を80%飽和硫酸アンモ
ニウムで沈澱させ、CSF蛋白質を含有するペレットを
作成する。該ペレットをpH約6〜約8の範囲の緩衝液
に再懸濁させる。CSFを含有する該緩衝液をクロマト
グラフィー・カラムに掛け、塩化ナトリウムを含有する
緩衝液で溶出し、CSF活性を有する画分を捕集する。
活性画分をプールし、これをC4逆相カラムに掛け、0
→90%アセトニトリル勾配で溶出して、活性画分を採
取する。
【0047】
【精製方法に関する図面の簡単な説明】第5図に精製C
SF蛋白質のSDS−PAGE分析を示す。
【0048】
【精製方法の詳細な説明】この発明方法によって精製す
るCSF蛋白質は、前記の組換え体DNA処理の出発供
給源として使用した、例えばMo細胞系またはUCD、
MLA−144ギボン細胞系等の任意の天然供給源から
誘導することができる。別法として、この発明の組換え
体DNA技術を使用してCSF蛋白質を作成することが
できる。
【0049】何れの供給源からのCSFであれ、この発
明方法によって精製することが可能である。CSF蛋白
質の任意の供給源から得た調整培地を、好ましくは1ml
当たり少なくとも、蛋白質約0.1mgの蛋白質濃度ま
で、限外濾過によって濃縮する。次いで、これに80%
飽和硫酸アンモニウムを加えることにより、蛋白質を沈
澱させる。得られたペレットをpH約6〜約8の範囲に
調節した緩衝水溶液に再懸濁させる。好適な緩衝液の例
としてはトリス−塩酸、HEPES、クエン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。
【0050】緩衝溶液をカラム・クロマトグラフィーに
より分別する。クロマトグラフィー・カラムに充填する
好適な材料はオクチルセファロース、DEAE−ウルト
ロゲル、AcA44−ウルトロゲル、ACA54−ウル
トロゲル等である。1またはそれ以上のこれらの材料を
連続使用することによって、一層高い純度を得ることが
できる。
【0051】各カラム毎の画分を採取し、CSF活性を
検定する。活性画分をプールし、トリフルオロ酢酸(T
FA)、ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)等で希釈しC4
逆相カラムに掛ける。次いで、TFAまたはHFBA
中、0→90%アセトニトリル勾配を用い、プール画分
をカラムに適用するのに何れの酸を使用したかによっ
て、それぞれ好ましくは0.10%または0.15%
(容積/容積)の濃度で、CSF活性を溶出する。
【0052】CSF活性を有する画分はSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動によって分析する[ラムリ、
ネーチャー、227巻、680頁(1970年)の記載の
通り、13.5%ゲル]。前記のクロマトグラフィー・
カラム材料を使用して追加的処理を行なえば、CSF蛋
白質を更に同質性に精製することができる。
【0053】SDS−PAGEによって分別した精製C
SF蛋白質は約15000〜約26000ダルトンの範
囲の見掛けの分子量を示し、非同質的なCSF蛋白質の
挙動を呈した。見掛けの大きさのこの異質性はこの蛋白
質の著しいグリコシル化に起因しており、糖蛋白質に共
通した像である。調整培地Mo細胞から更に純度の低い
試料をSDS−PAGE(非還元的条件で)によって分別
し、ゲルから溶出した蛋白質を検定すると、見掛けの分
子量が約28000〜30000のCSF活性を有する
第2の蛋白質の存在が明らかになった。
【0054】CSF活性をオクチルセファロース、DE
AE−ウルトロゲルに結合させ、C4逆相カラムから溶
出する。CSF活性のおよそ60%がCon−A(コンカ
ナバリンA)セファロースに結合し(40%は通過す
る)、α−メチルマンノシドで溶出する。
【0055】組換え体CSFの低塩分ゲル濾過による分
子量分析から、活性の約30%は約19000の推定分
子量で溶出したが、物質の70%は約38000の分子
量に相当する位置で溶出し、2量体として挙動した。も
し、このカラムに1M−NaCl溶液を含ませると、すべ
ての活性は約19000ダルトンに幅広いピークを示し
て溶出する。
【0056】精製CSFは、4M−グアニジン塩酸塩、
10mM−EDTA、10mM−2−メルカプトエタノー
ル、30%(v/v)エタノール中、4℃(pH7.4)でイ
ンキュベートすると、少なくとも16時間安定である。
またCSF活性は、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)
(pH2.0)および0.1%TFA+25%(v/v)アセ
トニトリル中で安定である。
【0057】既述のように、この発明のCSF蛋白質
は、例えば癌の化学療法または放射線処置によって生じ
る顆粒球減少症(症候性の)のような骨髄抑制の処置に適
用される。また、この発明のCSF蛋白質は重症感染症
の処置に使用することを適応とする。このような適用で
は、患者1人当たり約200〜1000μgの投与量が
指示される。CSF蛋白質は、好ましくは好適な薬理学
的担体に溶解し、経静脈的に患者に注射する。そのよう
な担体の例は、薬理学的食塩水およびヒト血清アルブミ
ン−食塩水である。
【0058】この発明のCSF蛋白質はまた、他の活性
および用途を有する。例えば、ネズミ類のCSFは好中
球を賦活する。従って、この発明の霊長類動物CSFも
また、好中球を賦活することが期待される。それ故にC
SFの生理学的機能は数倍にも達し得る。このリンホカ
インは、骨髄では宿主防御に働くエフェクター細胞の増
殖と分化を刺激し、一方末梢では、新生および既存の細
胞を賦活することができる。CSFの局所的な免疫応答
として、CSFは炎症領域または炎傷から離れた部位
で、好中球の循環を維持することができる。好中球の不
適切な局在化および/または賦活は、リウマチ様関節炎
のような種々の免疫を介する障害の機能変化とみなすこ
とができる。
【0059】下記の諸例を説明することによって、更に
この発明の理解を深めることができよう。但し、これら
は単に例示的な説明を意図するものであって、これによ
ってこの発明の請求の範囲が制限されるものではない。
特に明記しない限り、実施例において温度は℃で示す。
【0060】制限エンドヌクレアーゼ酵素は、商業的な
提供先の勧告による条件および操作方法に従い使用す
る。連結(ライゲーション)反応は、この発明に引用して
説明の一部とするマニアティスらの記載(前掲、245
〜6頁)により、その246頁に記載の緩衝液を使用
し、1〜100μg/mlのDNA濃度を用いて、平滑末
端DNAの場合は23℃、「付着末端」DNAの場合は1
6℃の温度で実施する。電気泳動は90mMトリス−ホ
ウ酸、10mM EDTAを含有する0.5〜1.5%
アガロースゲルで行なう。放射性標識DNAは、すべ
て、標識手段の何れを問わず32Pで標識した。「迅速調
製」とは、たとえばマニアティスらの記載(前掲、365
〜373頁)のように、バクテリオファージまたはプラ
スミドDNAの迅速、小規模生産をいう。
【0061】
【実施例A】
【第1段階】 Mo細胞系培養 Mo細胞(ATCC CRL8066)は、通常通り、2
0%ウシ胎児血清(FCS)、2mM−グルタミン、10
0単位/mlストレプトマイシン、100μg/mlペニシ
リンを含有するα(6%CO2)、またはイスコーブ(10
%CO2)培地に発育させた。細胞は4〜5日毎に植継ぎ
培養すべきである。細胞を計数し、フアルコンT−17
5フラスコで100〜150mlの培地に、3〜4×10
5/cmの密度で播種する。細胞は、20%FCS中で4
〜7日毎に倍になる。増殖速度は一定でなく、細胞は時
に増殖を停止したように見え、次いで、一挙に増殖を始
める。Mo細胞は無血清培地に発育できる。細胞をFC
Sから無血清培地へ移す場合、洗浄しない方がはるかに
細胞の生存がよい。無血清培地(SF)における細胞の最
適密度は5×105細胞/mlである。細胞は無血清培地
中で3日間僅かに増殖し(少なくとも一定数を維持し)、
次いで、少なくとも4日間、20%FCSを加えて養育
すべきである。SF培地が必要ならば、細胞に明らかな
害を与えることなく、数カ月間、この増殖日程(SF3
日間、20%FCS4日間)を週単位で繰り返すことが
できる。
【0062】
【第2段階】 CSF活性の検定 A.骨髄検定法 新鮮な骨髄を入手する。20番、22番、次いで25番
ゲージの注射針を通すことによって、骨片を破砕する。
滅菌したリン酸緩衝食塩溶液(PBS)で1:1に希釈し
(室温)、フィコール・パーク(6mlフィコールの上に約
30mlBM−PBSを重ねる)を重層する。1500rpm
で40分間(室温)遠心する。脂肪とPBSを除去して棄
てる。低密度層をピペットで除去する。PBSで2回洗
浄し、計数する。細胞をRPMI(ギブコ社から、RP
MI1600として購入)+10%HIFCS(熱処理不
活性化FCS)で3時間培養し、付着細胞を採取する。
【0063】培養培地(その都度、新たに調製): 20%FCS 0.3%寒天(水に溶解し、40℃に冷却) 2Xイスコーブ(Isocove)(寒天と1:1(v/v)の割
合) 1%P/S(最終濃度: ストレプトマイシン100単位
/ml、 ペニシリン100μg/ml) 10-4M−α−チオグリセロール(10-2M−予製品か
ら2Xイスコーブで調製) 寒天を約40°に冷却し他の成分と混合する。 水浴で37〜38°に冷却し、この温度に保つ。
【0064】3時間後、付着細胞きないものをピペット
で除去する。遠心し、計数する。2×105細胞/mlの
培養培地を添加し、水浴温度を37〜38°に調節して
維持する。マイクロ滴定板のウェル(穴)の第1横列に試
料を2穴づつ加える(例えば、トランスフェクションし
た細胞からの培地。通常、10μl試料)。細胞懸濁液1
00μlづつ、各ウェルに加える。更に細胞懸濁液50
μlづつを、第1横列の各ウェルに追加する。完全に混
合し、第1横列から、溶液50μlを次の横列に移す。
このようにして、平板上、1:3の希釈となるまで順次
希釈を続ける。平板をパラフィルムで包む。十分な加温
環境中で、10%CO2、37℃で10〜14日間、イ
ンキュベートし、コロニー数を計算する。
【0065】コロニー数の計数は、各ウェル毎に発育し
たコロニーの全数を数える。各検定毎に、数個づつ試料
を加えないでウェルを培養し(ブランク)、バックグラウ
ンド・コロニー数を得る。試料を含んでいる各ウェルか
ら得られたコロニー数から、ブランク・ウェルの平均発
育コロニー数を差し引く。CSF濃度がほぼ飽和した状
態の場合、CSFの1単位は、ヒト骨髄細胞数105
たりのバックグラウンド(105細胞/mlで培養)に対し
て、更に1コロニー多く生成を刺激する量に相当する。
ほぼ飽和した濃度は、希釈により、種々の希釈度におけ
るコロニー数を比較し、飽和濃度から直ぐ下の濃度を見
い出すことにより決定する。
【0066】この検定によって、顆粒球、単球またはそ
の双方の血球系が計数される。コロニーにおける血球の
型は、そのコロニーを採集し、独立した細胞を染色する
ことによって決定する。
【0067】B.KG−1細胞検定 KG−1細胞[ブラッド、56巻、3号、(1980年)]
は、イスコーブ培地+10%FCSに1週間当たり2回
継代し、各継代毎に2×105細胞/mlを播種して発育
させる。30〜35継代の細胞だけを検定に使用する。
検定は、前記の骨髄の場合と同じ方法で行ない、但しK
G−1細胞の場合、寒天混合物に4×103細胞/mlで
培養する。
【0068】各ウェルに発育するコロニー数を算定し、
前記の骨髄検定の場合のようにバックグラウンド数を差
し引く。1KG−1CSF単位/mlは、発育するKG−
1コロニーの最高数(飽和)の半分の発育を刺激するCS
F濃度である。最高数は、数個のウェルでCSFの飽和
濃度を含むことによって得られる。
【0069】
【第3段階】 ベクターp91023(B)の組立て 形質転換ベクターは、カウフマンらの記載[モレキュラ
ー・セル・バイオロジー、2巻、11号、1304〜1
319頁(1982年)]のpAdD26SVpA(3)であ
る。このベクターは第2図に示す構造を有する。即ち、
このプラスミドはアデノウイルス2(Ad2)の主後期プ
ロモーターの転写調節に支配されているマウス・ジヒド
ロ葉酸レダクターゼ(DHFR)cDNA遺伝子を含んで
いる。5'−スプライシング部位はアデノウイルスDN
Aに含まれており、免疫グロブリン遺伝子から誘導され
た3'−スプライシング部位はAd2主後期プロモーター
とDHFR暗号配列との間に介在している。SV40の
初期ポリアデニル化部位はDHFR暗号配列の下流に存
在する。pAdD26SVpA(3)の原核系誘導部分はpS
VOdに由来しており[メロン、パーカー、グルツマン、
マニアティス、(1981年)、セル、27巻、279〜
288頁]、哺乳類の細胞で複製を阻害することが知ら
れているpBR322配列を含んでいない[ラスキーおよ
びボッチャン(1981年)、ネーチャー(ロンドン)、2
93巻、79〜81頁]。
【0070】第2図に示したように、pAdD26SVp
A(3)をプラスミドpCVSVL2へ変換する。pAd−
D26SVpA(3)にある2つのPst1部位の1個を欠
失することによってpAdD26SV−pA(3)をプラス
ミドpAdD26SVpA(3)(d)へ変換する。これは、P
st1で部分消化し[1個のPst1部位だけを切断した線
状プラスミドの副次集団(サブポピュレーション)を得る
ことができるよう、不足した酵素活性を使用する]、次
いで、クレノウで処理し、連結してプラスミドを再び環
状に戻し、エシエリキア・コリに導入して、SV40ポ
リアデニル化配列の3'の位置にあるPst1部位の欠失
をスクリーニングすることによって達成される。
【0071】第2図に示したように、アデノウイルスの
3分節系リーダーおよびウイルス随伴遺伝子(VA遺伝
子)をpAdD26SVpA(3)(d)へ挿入した。先ずPvu
IIでpAdD26SVpA(3)(d)を切断し、3分節系リ
ーダーを含んでいる3つのうちの1番目の要素の3'−
位で開裂した線状分子を作成した。pJAW43[ザイン
ら(1979年)、セル、16巻、851頁]をXhoIで
消化し、クレノウで処理し、PvuIIで消化し、アクリ
ルアミド・ゲルで電気泳動することによって[6%トリ
ス−ホウ酸緩衝液:マニアティスら(1982年)、前
掲]、第2リーダーと第3リーダーの1部とを含有して
いる140塩基対の断片を単離した。次いでこの140
bp断片を、先にPvuIIで消化したpAdD26SVpA
(3)(d)へ連結した。この連結生産物を使用して、これ
をテトラサイクリン耐性エシエリキア・コリに導入し、
グランシュタイン−ホグネスの方法により、140bp断
片にハイブリッド形成した32P標識プローブを使用して
コロニーをスクリーニングした。ハイプリッド化陽性の
コロニーからDNAを調製し、再構築されたPvuII部
位が、アデノウイルスの第2および第3後期リーダーに
特有な挿入された140塩基対の5'であるか、3'であ
るかを試験した。PvuII部位の正しい配向は、140
bp挿入体の5'側である。このプラスミドを、第2図でp
TPLと命名した。
【0072】SV40 DNAをAvaIIで消化し、そ
の末端をPolIのクレノウ断片で平滑化し、XhoIリン
カーをこの断片に連結し、XhoIで消化してXhoI部位
を開裂し、ゲル電気泳動によって4番目に大きい(D)断
片を単離することによって、SV40エンハンサー配列
を含んでいるSV40のAvaII D断片を得た。次い
で、この断片をXhoI断片pTPLに連結して、プラス
ミドpCVSVTL2−TPLを得た。pCVSVL2−
TPLにおけるSV40 D断片の配向は、SV40の
後期プロモーターがアデノウイルス主後期プロモーター
と同一の配向となるようにした。
【0073】pCVSVL2−PTLヘアデノ随伴ウイ
ルス(VA)遺伝子を導入するため、先ず、アデノウイル
ス2型HindIIIB断片を含んでいるプラスミドpBR
322を組み立てた。アデノウイルス2型DNAをHin
dIIIで消化し、ゲル電気泳動を行なってB断片を単
離する。次いで、この断片を、予めHindIIIで消化
したpBR322へ導入する。エシエリキア・コリをア
ンピシリン耐性に転換し、組換え体をHindIIIB断
片の挿入についてスクリーニングし、挿入体の配向を制
限酵素消化によって決定した。pBR322−AdHind
IIIBはアデノウイルス2型HindIIIB断片を第
3図に示した配向で含んでいる。
【0074】第3図に示したように、VA遺伝子は、プ
ラスミドpBR322−AdHindIIIBから、これを
HpaIで消化し、EcoRIリンカーを加え、EcoRIで
消化し、1.4Kb断片を回収することによって都合よ
く得られる。次いで、EcoRI接着末端を有する断片を
pTRLのEcoRI部位(予めEcoRIで消化した)へ連
結する。エシエリキア・コリHB101に導入し、テト
ラサイクリン耐性について選択した後、コロニーをフィ
ルター・ハイブリダイゼーションによってスクリーニン
グし、VA遺伝子に特異的であるDNAプローブを得
る。DNAはハイブリダイゼーション陽性のクローンか
ら調製し、制限エンドヌクレアーゼ酵素消化によって形
質決定を行なう。生産物プラスミドをp91023と命
名する。
【0075】p91023にある2つのEcoRI部位を
除去する。p91023をEcoRIで完全に切り出す
と、2つのDNA断片が生じる。1つは約7kbで、他方
は約1.3kbの共にVA遺伝子を含んでいる断片であ
る。PolIのクレノウ断片を用いてこの2つの断片の末
端を平滑化し、次いで2つの断片、即ち1.3kbおよび
7kbを互いに再連結する。VA遺伝子を含んでp910
23と類似し、但し2つのEcoRI部位を欠失している
プラスミドp91023(A)は、VA遺伝子断片でグラ
ンシュタイン・ホグネス・スクリーニング、および通常
の制限部位分析によって同定される。
【0076】次いで、p91023(A)にただ1つだけ
あるPstI部位を除去し、EcoRI部位で置き換える。
p91023(A)をPstIで完全に切断し、これをPol
Iのクレノウ断片で処理すると平滑末端を生じる。この
p91023(A)のPstI平滑末端部位にEcoRIリン
カーを連結する。PstI平滑末端部位にEcoRIが結合
した線状p91023(A)を、連結しなかったリンカー
から分離し、EcoRIで完全消化し、次いで再連結す
る。プラスミドp91023(B)を回収した。このプラ
スミドはp91023(A)と近似した構造を有するが、
但しPstI部位であった位置にEcoRI部位が導入され
ていることを確かめた。
【0077】[第4段階]cDNAライブラリーの作成 Mo細胞をPHAおよびPMAで16〜20時間誘導す
ると、リンホカイン産生が高まった。細胞を20%FC
S、0.3%(v/v)PHAおよび5ng/mlTP
Aを含有するイソコーブ培地に5×105細胞/mlの
密度で培養した。遠心により細胞を回収した。ペレット
とした細胞を氷冷した細胞溶解緩衝液20ml[RSB
緩衝液:0.01M−トリス−塩酸(pH7.4)、0.
01M−KCl、0.0015M−MgCl2、1μg/
mlシクロヘキサイミド、50単位/mlRNAsi
n、5mM−ジチオトレイトール]に再懸濁させた。氷
上で5分間細胞を膨化させ、次いで固く密着したドーン
ス(dounce)・ガラス・ホモジナイザーで10回転し
て、機械的にこれを粉砕した。このホモジネートを低速
回転で遠心し(ベックマンJ6型遠心機、2000RP
M)、核および未分解の細胞を除去した。上清を氷上に
保存し、核ペレットをもう一度RSB10mlに懸濁
し、低速回転で遠心した。2回目の上清を1回目の上清
とプールし、プールした上清を低速で遠心し、残存して
いる核および未分解細胞の混入を除去した。
【0078】遠心によって得た上清に2M−KClを加
えて0.15M−KClの濃度にし、これを高速回転で
遠心して(ベックマンSW28型ローター、25000
RPM、30分間)、細胞膜をペレット化した。細胞膜
ペレットを冷RSBで注意深く洗浄し、次いでこれを、
2M−蔗糖および0.15M−KClを含有するRSB
12mlに再懸濁させた。ベックマンSW41遠心チュ
ーブに、2.5M−蔗糖および0.15M−KClを含有
するRSB2mlを加え、その上に細胞膜液の2M−蔗
糖液6mlを重層し、2層の不連続勾配を作成した。チ
ューブの最上層に、更に1.3M−蔗糖と0.15M−K
Clを含有するRSB2.5mlを充填した。この勾配
を4℃で27000RPMで4時間回転した(ベックマ
ンSW41型ローター)。18番ゲージの注射針と注射
筒で、細胞膜層(2.0Mおよび1.3Mの蔗糖層間の境
界面)を側壁から注意深く採取した。
【0079】2つの勾配からの膜画分をプールし、これ
を蒸留水1容積で希釈し、次いでトリトンX−100お
よびデヒドロコール酸ナトリウムをそれぞれ0.5%と
なるように加え、等容積のフェノールで抽出した。更
に、水層をフェノールおよびクロロホルムの1:1混合
物で抽出し、最後に等容積のクロロホルムで抽出した。
次にNaClを0.25Mになるまで添加すると共に冷
エタノール2.5容を加えて、−20℃で1夜インキュ
ベートすることにより、細胞膜に結合しているRNAを
沈澱させた。沈澱したRNAを遠心によって捕集し(ベ
ックマン、J−6遠心機、4000RPM、10分
間)、これを蒸留水1mlに再懸濁させた。2×109
個の細胞からRNA約1mgが得られた。0.5mlオ
リゴdT−セルロース・カラムを通してクロマトグラフ
ィーを行ない、総・RNAからメッセンジャーRNA
(mRNA)を分離した。
【0080】即ち、RNAを70℃で5分間加熱した
後、氷上で急速に冷却し、次いで、室温の結合緩衝液
[0.5M.LiCl、0.01M−トリス−塩酸(pH
7.4)0.002M−EDTA、0.1%SDS]でこ
の液を5倍に希釈した。このRNA−結合緩衝液溶液
を、結合緩衝液で飽和したオリゴdT−セルロース・カ
ラムに室温で通過させた。カラムを結合緩衝液5mlで
洗浄した後、更に、0.15M−LiCl、0.01M−
トリス−塩酸(pH7.4)、0.002M−EDTAお
よび0.1%SDSから成る溶液5μlで洗浄した。
【0081】最後に、0.01M−トリス−塩酸(pH
7.4)、0.002M−EDTAおよび0.1%SDS
から成る溶液2mlでmRNAを溶出した。NaClを
0.25Mまで加え、2.5容積のエタノールを加えて−
20℃に1夜インキュベートすることにより、mRNA
が沈澱した。遠心により、沈澱したmRNAを捕集した
(ベックマン、SW55型ローター、30000RP
M、30分間)。注意深くチューブから上清を除去し、
得られたmRNAのペレットを再び水50mlに懸濁し
た。mRNAの懸濁液にNaClを加えて0.25Mと
し、次いでフェノールおよびクロロホルムの1:1混合
液で1回抽出し、次いでクロロホルムで3回抽出した。
2.5容積のエタノールを加えることにより、mRNA
が沈澱した。ドライアイス/エタノール浴で凍結・融解
を数回繰り返し、次いでエッペンドルフ遠心機で15分
間遠心した。チューブを注意深く傾斜して上清を除き、
mRNAペレットを蒸留水20μlに懸濁させた。最終
収量はmRNA約30μgであった。
【0082】標準的方法を用いて第1鎖cDNAを作成
した。すなわち、細胞膜mRNA10μgをcDNA合
成反応混合液100μg[300mM−トリス(pH
9.4)、140mM−KCl、10mM−MgCl2
10mM−β−メルカプトエタノール、各500μMの
dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP、プライ
マーとしてオリゴ−dT5μg(燐酸化、平均サイズ1
2〜18個)、32PdCTP150μCi(400Ci
/ミリモル)、リボヌクレアーゼ・インヒビターRNA
sin20単位、含有]に希釈した。逆転写酵素100
単位を添加して反応を開始し、42℃で30分間インキ
ュベートした。EDTAを40mMまで加えて反応を停
止し、RNAを0.2M−NaOH中で65℃で20分
間インキュベートすることによって分解した。2M−ト
リス(pH7.4)20μlを加えて塩基を中和した。
【0083】反応混合物をフェノール/クロロホルムで
抽出し、これを10mM−トリス50μl(pH7.
5)、1mM−EDTA(TE)で逆抽出して、水層を
プールした。第1鎖cDNAをDNAポリメラーゼIの
クレノウ断片と反応液100μl[50mM−燐酸カリ
ウム(pH7.4)、2.3mM−DTT、2−メルカプ
トエタノール、10mM−MgCl2、各150マイク
ロモルづつの4種の三燐酸デオキシヌクレオチド、32
−dCTP25μCi、含有]中で12時間16℃でイ
ンキュベートすることにより、2本鎖cDNAに変換し
た。フェノール/クロロホルムで抽出することによって
反応を停止し、水層を1mlのセファデックスG−50
カラムに通すことにより組込まれなかった三燐酸エステ
ルを除去した。溶出した画分をプールし、エタノールで
沈澱させた。
【0084】cDNAペレットを冷エタノールで洗浄
し、次いでこれを、20mMトリス(pH8.0)、1
mM−EDTA、80μM−S−アデノシルメチオニ
ン、EcoR1メチラーゼ300単位の反応液200μ
lに再懸濁して37℃で60分間インキュベートした。
フェノール/クロロホルム抽出によって反応を停止し、
メチル化されたcDNAをエタノール沈殿により捕集し
た。
【0085】cDNAペレットを70%エタノールで洗
浄し、これをS1緩衝液(マニアテイスら)200μl
に懸濁し、S1−ヌクレアーゼ200単位と30℃で3
0分間インキュベートした。フェノール/クロロホルム
抽出によって反応を停止し、エタノール沈殿によりcD
NAを捕集した。2本鎖にしたcDNAを25単位のク
レノウと20mM−トリス(pH7.4)、50mM−
NaCl、10mM−2−メルカプトエタノール、各5
00μMづつの4種の三燐酸デオキシヌクレオチドから
なる反応液100μl中で30分間室温でインキュベー
トすることにより、平滑化した。フェノール/クロロホ
ルム抽出によって反応を停止し、エタノール沈殿により
cDNAを捕集した。
【0086】T4リガーゼ緩衝液50μl(マニアテイ
スら)中で、cDNAとR1リンカー(ニュ・イングラ
ンド・バイオラボから購入)(配列:PCGGAATT
CCG)500ピコモルとを、T4リガーゼ2000単
位を用いて1夜16℃でインキュベートして連結した。
70℃、20分間インキュベートすることによって反応
を停止し、次いで、その最終塩濃度が0.1M−NaC
l、10mM−MgCl2、50mM−トリス−Cl
(pH7.4)となるように、この液を300μlに希
釈した。次いでEcoRI700単位でcDNAを2分
間37℃で消化した。フェノール/クロロホルム抽出に
よって反応を停止し、エタノール沈殿によりcDNAを
捕集した。そのペレットを再びTE50μlに懸濁し、
5mlのCl−4Bカラムを通過させた。溶出する画分
をプールし、エタノールで沈殿させた。沈殿したcDN
Aのトリス−酢酸緩衝液を臭化エチジウム1μg/ml
の存在下に1%アガロース・ゲルで電気泳動した。標準
的なガラス粉末法を用いて、500〜4000塩基対の
大きさのcDNAをゲルから単離した。溶出したcDN
Aをフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈
殿を行い、得られたペレット(エタノール洗浄後)をT
E50μlに再懸濁した。最終収量はcDNA100〜
500ngであった。
【0087】発現ベクターp91023(B)の作成は
先に記載した。EcoR1で消化し、ホスファターゼ処
理をした該ベクター(500ng)を100ngのcD
NAと反応液(標準T4リガーゼ反応液)100μl中
で16℃で1夜インキュベートして連結させた。フェノ
ール/クロロホルム抽出によって反応を停止し、tRN
A5μgをキャリヤーとして添加後、エタノール沈殿に
より連結されたcDNAを捕集した。
【0088】エタノールで沈殿させたcDNAを70%
エタノールで洗浄した後、これをTE100μlに懸濁
させた。このDNAのアリコート4μlを使用して、エ
シエリキア・コリMC1061の形質転換を行った(1
00μlの形質転換に4μlを使用)。それぞれ1%寒
天、L−ブロス、テトラサイクリン10μg/mlを含
有する150mmのペトリ皿(Tet平板)に、各25
個づつの形質転換体を塗布し、37℃で1夜インキュベ
ートした。各平板毎に約2000個のコロニーが発育
し、合計約50000コロニーを得た。コロニーの直径
が約0.5mmに達した後、平板表面に乾燥フィルター
を注意深く載せ、次いでこれをフィルターから静かに剥
がすことにより、コロニーをニトロセルロース・ディス
ク(137mm)へ移す。平板上のすべてのコロニーを
フィルターへ移したら、新たに調製したTet平板へこ
のフィルターを置く(コロニー側を上にして)。コロニ
ーを数時間発育させた後、各フィルター毎に、新しく濡
らしたフィルターを正確に元のフィルターに重ね、互い
に圧しつけた後、これを剥がして、各フィルターを新た
に調製したTet平板に戻し、平板を37℃で1夜イン
キュベートすることにより、各1枚づつのレプリカを作
成した。各レプリカは、元のフィルターと再度揃えるこ
とができるように注意深く印をした。
【0089】[第5段階]プラスミドDNAプールの作成 25枚の各レプリカ・フィルターは、外科用メスを使用
して注意深く裁断し、元のマスター・フィルターに対す
る各方向を注意しながら8組の断片に分けた。各断片か
らコロニーを10mlのL−ブロスに塗布した。遠心に
よって菌を捕集し(ベックマンJ−6型遠心機、300
0RPM、10分間)、これを25%蔗糖、50M−ト
リス−塩酸(pH8.0)から成る溶液0.6mlに再
浮遊させ、これに5mg/mlのリゾチーム0.12m
lを加えて、氷上で5〜10分間インキュベートするこ
とによりプロトプラストに変換させた。次ぎに、該プロ
トプラストを室温で10分間インキュベートした後、
0.5M−EDTA0.125mlを加え、更に、10
%SDSの50mM−トリス−塩酸(pH8.0)溶液
0.12mlを加えて、これを溶菌した。溶菌物を静か
に混合し、室温で15分間インキュベートした後、5M
−NaCl0.3mlを加えて蛋白質および染色体DN
Aを沈殿させた。氷上で15分間インキュベート後、溶
菌物をエッペンドルフ遠心機で冷時30分間遠心した。
【0090】上清を注意深く除去すると粘着性のDNA
/蛋白質ペレットが残るので、これに水2.5mlを加
えて希釈した。混合物を1mlのフェノールで抽出し、
遠心により層別し(ソルボールSS−34型ローター、
10K、10分間)、水層を新しいチューブに採った。
5M−NaCl0.5mlおよび冷エタノール7.5m
lを加え、ドライアイス/エタノール浴で混合物を数回
凍結することにより、DNAを沈殿させた。遠心によっ
て沈殿を捕集し(ソルボールSS−34型、10K、1
5分間)、これを0.3M−酢酸ナトリウム0.3ml
に再懸濁し、エタノール1mlを加えて再沈殿させた
(エッペンドルフ・チューブ中で行う)。ドライアイス
/エタノール浴に10〜15分間放置後、沈殿したDN
Aを遠心によって捕集し(エッペンドルフ、5分間)、
目的とするペレットを滅菌TE[10mM−トリス(p
H8)、1mM−EDTA]100μlに再懸濁した。
代表的な作成例から、5〜10μgのプラスミドDNA
が得られた。各試料は、元のフイルターの200〜50
0コロニーからのDNAを含んでいた。25枚のフィル
ターから合計200個のDNA試料が作成された。
【0091】[第6段階]CSFクローンの単離 第5段階で得られた各DNA試料は、下記の記載のよう
に、それぞれ個別にサルM6COS細胞へ導入した。M
6細胞を、10%加熱失活処理ウシ胎児血清(HIFC
S)を含有するダルベッコの修飾によるイーグル培地
(DME、ギブコ社より入手)に常法通り発育させ、1
週間に2回、1:6の希釈で分割する。M6細胞は、
1:6に分割して24時間後がトランスフェクションし
易い。導入する24時間前に、1.2×108個のM6細
胞(1:6分割)を、DME+10%HIFCS液1.
5lから成るセル・ファクトリー(ヌンク社から入手)
へ播種する。トランスフェクション直前に、平板を吸引
し、血清を含んでいない(SF)DME7mlで2回洗
浄する。DNAを0.1M−トリス(pH7.3)に溶解
し、2mM−グルタミン、ストレプトマイシン100μ
g/ml、ペニシリン100単位/mlおよびDEAE
−デキストラン0.25mg/mlを含有するDME培
地をこれに加えてトリス−DNA溶液の全容量が4ml
となるように調製する。溶解したDNAを含有している
培地4mlを、M6COS細胞を含有する平板に加え1
2時間インキュベートする。
【0092】インキュベーション終了後、SF−DME
7mlで細胞を1〜2回洗浄する。これに10%HI−
FSC、ペニシリン100単位/ml、ストレプトマイ
シン100μg/ml、2mM−グルタミンおよび0.
1mM−クロロキンを含有するDME5mlを加え、細
胞を2 1/2時間インキュベーションした。2 1/
2時間後、SF−DMEで1回洗浄し、次いで、平板1
枚当たりDME+10%HIFCS10mlを加える。
30時間後、培地を吸引し、次いで平板1枚当たりDM
E+10%HIFCS4mlを追加する。更に24〜2
6時間インキュベーション後、調整培地を回収する。
【0093】トランスフェクションした各培地は、KG
−1検定を用いてCSF活性を検定した。CSF活性が
陽性の場合は、試料毎に対応するマスター・フイルター
のクローンを確認しなければならない。例えば、CSF
活性の形質導入陽性が1つあれば、このトランスフェク
ションDNAが誘導された元のマスター・フイルター切
片のすべてのコロニーを拾い上げた。これらのコロニー
の320個を、ブロス+テトラサイクリン10μg/m
lから成る培地3mlへ拾い上げた。培養を一夜行っ
て、増殖させた。320個のコロニーを18×18のマ
トリックスに配置した。各横の行および縦の列毎に1つ
づつプールを作成した(合計36プール)(但し、最後
の横の行は14個である)。プールした各培養からDN
A試料を作成し、これを使用してCOS細胞へ導入し
た。これらのトランスフェクシヨンの上清について、K
G−1・コロニー検定を用い、検定した。このトランス
フェクシヨンの組合せから、2つの陽性試料が得られ
た。その1つは縦の列であり、もう1つは横の行であっ
た。この2つのプールに共通している培養はCSFクロ
ーンを含んでいる。
【0094】この培養から12個の独立したクローンを
単離し、先に記載の通り、L−ブロスの10ml培養か
ら小規模生産DNAを作成した。これらの標品から得た
10μlのDNA試料をEcoR1で消化し、得られた
DNA断片をアガロース・ゲル電気泳動により分析し
た。12個のクローンのうち9個に、共通した約750
塩基対の挿入体があった。これらのクローンの4個から
得たDNAと、残りの3個のクローンのDNAを、前記
のようにM6COSへ導入した。これらのトランスフェ
クシヨンの上清について、KG−1および骨髄によるC
SF検定を用いて検定を行なった。何れの検定でも、7
50bp断片を含んでいる4個のクローンは、すべてM
6COS細胞によって高濃度のCSF活性を発現される
が、一方、他の3個のクローンでは発現されないことが
明らかになった。従って、CSFの暗号領域は750b
pの挿入体内に位置しているに相違ない。
【0095】陽性クローンをEcoR1で消化すること
により、CSFを暗号化しているDNAを形質転換ベク
ターから脱離し、この断片をM13にサブクローンし、
標準的なジデオキシ配列決定法を用いて配列決定を行な
い、図1に示した配列を得た。COS細胞において、C
SF発現を指示することが最初に解明されたプラスミド
p91023(B)−CSFをpCSF−1と命名し
た。このプラスミドは、エシエリキア・コリのMC10
61株として、寄託番号ATCC3974のもとに19
84年7月2日、アメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(ATCC)に寄託された。
【0096】[第7段階]CSF蛋白質の発現 第6段階で単離した、CSF/cDNAを含有している
ベクターp91023(B)を導入したサルのM6CO
S細胞を、第6段階の記載のように培地に発育させ、C
SF蛋白質を生産させた。
【0097】即ち、このDNA(pCSF−1)の1m
gを0.1M−トリス(pH7.3)1mlに溶解し、こ
れに2mM−グルタミン、100単位/mlストレプト
マイシン、100μg/mlペニシリン(P/S)、
0.25mg/mlDEAE−デキストラン(分子量5
00000、ファルマシア社製)を含有するDME60
0mlを加えた。600mlのDNA−DEAE−デキ
ストラン溶液をセル・ファクトリー内でM6COS細胞
に加え、37°で12時間インキュベーションした。イ
ンキュベーション後、細胞をSF−DME900mlで
1回洗浄し、次いで0.1mM−クロロキン、10%H
IFCS、2mM−グルタミンおよびP/Sを含有して
いるDME600mlと2.5時間インキュベートす
る。クロロキンを含有している培地を吸引後、細胞をS
F−DMEで洗浄し、新たに10%HIFCSを含有す
るDME1500mlを加えて培養する。30時間後、
細胞をSF−DMEで洗浄し、培地をSF−DME80
0mlと置き換え、この培地で24時間37℃で放置し
てコンデイショニングする。調整培地を吸引し、新たに
SM−DME800mlと置き換える。細胞を24時間
放置して、この培地でコンデイショニングし、次いで調
整培地を捕集する。できるだけ回収した後、アミコン
2.5lチェンバーでYM5メンブランを使用し、加圧
限外濾過によって、この調整培地試料を20倍に濃縮す
る(分子量5000でカットオフ)。
【0098】[第8段階]組換え体CSFの精製 濃縮した調製培地200ml(第7段階、原材料4lか
ら)に固体硫酸アンモニウムを加えて、30%飽和濃度
とし、沈澱する蛋白質を遠心によって捕集した。更に、
その上清に固体硫酸アンモニウムを追加して、80%飽
和濃度とし、沈澱する蛋白質を遠心により捕集した。ペ
レットを1M−NaCl含有の20mM−クエン酸ナト
リウム(pH6.1)5mlに再懸濁した。溶解した蛋
白質を、これと同じ緩衝液で飽和したウルトロゲルAc
A54の1.6×100cmカラムに掛けた。見掛けの
分子量が19Kダルトンまたは溶出液が約90mlとな
った後、CSF活性をカラムから溶出した。ゲル濾過を
低いイオン強度で行なうとカラムから溶出するCSF活
性は約19Kダルトンと38Kダルトンの2つの見掛け
分子量の位置に現われ、GM−CSFが2量体を生成し
易いことを示している。活性画分をプールし、0.15
%TFA濃度とし(10%TFAを加えることによっ
て)、これを0.1%TFAで飽和したビダックC4カ
ラム(0.46×25cm)へ掛けた。カラムをアセト
ニトリル0→90%の濃度勾配の0.1%TFAで展開
した(1ml/分、全量340ml)。
【0099】CSF活性はアセトニトリル濃度39〜4
3%(画分16〜20)で溶出した。画分19の試料2
0mlをSDSポリアクリルアミド・ゲル電気泳動によ
って分析した[ゲル濃度13.5%、ラミリ、ネーチャ
ー、227巻、680頁(1970年)]。見掛けの分
子量18〜26Kダルトンの単一な蛋白質の幅広いバン
ドが観察された。CSFのこのやや幅広いサイズ幅は糖
蛋白質に共通した像であって、広範囲に変化する炭水化
物の付加によるものである。19画分の蛋白質は、応用
生物系微量アミノ酸気相分析装置によりエドマン分解を
うける。約20μgの蛋白質を適用し、最初の16個の
アミノ酸配列は(A−P−A−R−S−P−S−P−S
−T−Q−P−W−E−H)であった。高収量で得られ
るこの単一な蛋白質のアミノ酸配列から、19画分のC
SF蛋白質は同質性に精製されていることが示唆され
る。生物検定で、19画分はA280の吸収1単位当たり
3×107単位であった。標準品蛋白質の水溶液では、
蛋白質1mg当たりの吸光度A280における吸収は0.8
〜1.2単位であるから、ヒトの骨髄細胞によって検定
した精製蛋白質の比活性は約1×107〜約4×107
位/mgである。
【0100】[実施例B] ギボンCSFのクローン形成 [第1段階]ギボンT細胞からmRNAの作成 UCD−MLA144という名のギボンT細胞系試料
を、20%ウシ胎児血清(FCS)を含んでいるRPM
I1640(ギブコ社から購入)で全細胞数が1×10
9となるまで数週間培養した。RPM I1640+1
%FCS1ml当たりに、12−0−テトラデカノイル
ホルボール−13−アセタート(TPA)10ngの存
在下に細胞を24時間賦活し、高濃度のCSFを生産す
るよう誘導した。遠心によって細胞を回収し(1000
RPM、5分間)、燐酸緩衝食塩液(PBS)で1回洗
浄し、更に遠心して細胞を捕集した。実施例Aに記載し
たMo細胞RNAの作成と同じ方法を用いて、これらの
細胞から、細胞膜に結合しているポリソーム(MBP)
mRNAを作成した。
【0101】[第2段階]第1鎖cDNA反応 MBP−mRNA(第1段階)6μgを合成反応混合液
(実施例A、第4段階、参照)50μlに希釈し、逆転
写酵素を添加して反応を開始した。42℃で30分間イ
ンキュベーションした後、EDTAを50mMまで加え
ることにより反応を停止し、水を加えて100μlとな
るよう希釈した。混合物をフェノール/クロロホルム、
次いでクロロホルムで抽出した。2mlのセファロース
CL−4Bカラムでクロマトグラフィーを行ない組込ま
れなかった三燐酸エステルからcDNA/RNAハイブ
リッドを分離した。溶出画分をプールし、エタノール沈
澱によりハイブリッドを捕集した。最終収量570ng
であった。
【0102】[第3段階]第2鎖cDNA反応 第1鎖cDNAペレット(第2段階)を水50mlに懸
濁し、エシエリキア・コリ・ポリメラーゼI、エシエリ
キア・コリ・リガーゼ、およびリボヌクレアーゼHを含
んだ標準反応混合液を用いて第2鎖合成を実施した。反
応液を16℃で1夜インキュベートし、次いで37℃で
1時間インキュベートした。EDTAを加えて反応を停
止し、フェノール/クロロホルムで抽出した。セファロ
ースCL−4Bカラムでクロマトグラフィーを行ない組
込まれなかった三燐酸エステルからcDNAを分離し、
溶出画分をプールし、エタノール沈澱によりcDNAを
捕集した。
【0103】[第4段階]組換え体cDNA作成 cDNAペレット(第3段階)を水75μlに懸濁し
た。末端転移酵素を含んでいる標準反応液25μlへ、
このcDNA溶液を加え、30℃で5分間インキュベー
トすることによってcDNAの末端にホモポリマー性C
「尾部」を付加した。EDTAを40mM加え、68℃
で10分間加熱して失活させることによって反応を停止
した。尾部化を行なったこのcDNA10ngに、10
mM−トリス(pH7.5)、1mMEDTA、100
mM−NaClから成る液10μl中でG尾部化pBR
322(ネン社より購入)をアニーリングした。アニー
リング反応は68℃で10分間、次いで57℃で2時間
インキュベートすることによって行なった。
【0104】[第5段階]細菌の形質転換 エシエリキア・コリMC1061株をL−ブロスに発育
させ、氷上で冷却し、遠心して回収し、形質転換に用い
るためCaCl2で処理した。次いで、アニーリング反
応を行なったcDNA5μlをCaCl2処理細菌20
0μlとインキュベートした。アニーリングをしたcD
NAをすべて使用して、そのような形質転換を15回行
ない、テトラサイクリン10μg/mlを含有した15
cmの1%寒天L−ブロス平板上に、これらを拡げた。
各平板に、それぞれ約1000コロニーが発育した。
【0105】[第6段階]レプリカ培養 形質転換によって得られた10000個のコロニーを、
それぞれつま揚子で拾い上げ、新たに調製した平板に移
し(1平板当たり500個、碁盤目状に)、37℃で1
夜発育させた。乾燥したニトロセルロース・フィルター
を平板表面上にしっかりと圧しつけることによって、各
プレートからコロニーを拾い上げた。このマスター・フ
ィルター1枚から、それぞれ2枚づつのレプリカ・フィ
ルターを作成した。マスター・フィルターは4℃で貯蔵
し、一方、レプリカ・フィルターは塩基で処理し、焙焼
してハイブリッド形成用に調製した。
【0106】[第7段階]32P−標識ハイブリダイゼー
ション・プローブの作成 制限酵素EcoR1による制限消化と、トリス酢酸およ
び臭化エチジウムを用いたアガロース・ゲル電気泳動に
よって、pCSF−1からcDNA挿入体を単離した。
ゲルから、cDNA断片を含んでいるバンドを切り出
し、ガラス粉末法により精製した。cDNA断片300
ngを10×T4DNAポリメラーゼ緩衝液[0.33
M−トリス酢酸(pH7.9)、0.66M−酢酸カリウ
ム、0.1M−酢酸マグネシウム、10mM−ジチオト
レイトール]1μlおよびT4DNAポリメラーゼ3単
位(ニュー・イングランド・バイオラブズ)へ加え、こ
れを水10μlで希釈した。37℃で5〜10分間イン
キュベートした後、この混合物を10×T4DNAポリ
メラーゼ緩衝液1μl、dCTP、dTTP、dGTP
の各2mM溶液1μlづつ、32P−dATP10μl
(10μCi/μl、3000Ci/ミリモル)、Tr
DNAポリメラーゼ3単位と混合した。37℃で20分
間インキュベートして反応を行なった。次いで2mM−
dATP1μlを加え、更に10分間37℃で反応液を
インキュベートした。
【0107】セファデックスG100カラムを用いたク
ロマトグラフィーによって、組込まれなかった三燐酸エ
ステルを標識cDNAから分離した。下試の配列: ATC TCG CTG CAC AG を有する合成オリゴヌクレオチドから第2のプローブを
作成した。この配列はCSF暗号領域のアミノ末端と相
補的である。このオリゴヌクレオチドは、標準的なポリ
ヌクレオチドキナーゼ反応によってその5'−末端に32
P−dATPを標識した。
【0108】[第8段階]CSF−cDNAクローンの
単離 標準的なハイブリダイゼーション・スクリーニング手法
によって、45個のクローンをT4標識pCSF−1
cDNAでハイブリダイゼーションした。これらのう
ち、約20個は更にハイブリダイゼーションしてオリゴ
ヌクレオチド標識プローブとした。これらのうちの1個
について、その暗号領域の配列決定を行なった。その配
列データから、多くの塩基置換が見受けられ、その幾つ
かは発現蛋白質におけるアミノ酸の相違を生じる。図1
において、実施例AでクローニングしたヒトCSF遺伝
子のDNA配列の上にこれらの差異を示した。
【0109】[実施例C] 末梢血リンパ球mRNAからのCSFクローニング[第
1段階]末梢血リンパ球からのmRNA調製 4本のプラズマフェレーゼ(血漿搬出)副産物(赤十字
から購入)をフイコール/ハイパーク濃度勾配法によっ
て分別し、末梢血リンパ球を調製した。5%ウシ胎児血
清、0.17%フイトヘマグルチニンおよび10ng/
mlホルボール・ミリステート・アセテート(PMA)
の存在下に、低密度RPMI−1640が2×106
胞/mlの密度で得られた(合計6×109細胞)。細
胞を遠心によって捕集し(1000RPM、5分間)、
燐酸緩衝食塩液(PBS)で1回洗浄し、もう一度遠心
によって捕集した。細胞を冷トリトン細胞溶解緩衝液5
0ml[140mM−NaCl、1.5mM−MgC
2、10mM−トリス(pH8.6)、0.5%トリト
ンX−100]に懸濁させ、10mM−ジチオトレイト
ール(DTT)および50単位/mlRNA sin
(バオテック社より購入)で行なう緩和な溶解手法によ
って細胞質RNAを調製した。
【0110】この分解物を2等分し、それぞれ20%蔗
糖を含有している溶解緩衝液10mlの層の上に重層し
た。細胞核は冷時、遠心によって除去した(4℃、40
0RPM、5分間)。上層(細胞質抽出分)を注意深く
捕集し、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を最終濃度
が1%となるように添加した。この溶液を等容積のフェ
ノール/クロロホルム混合物(1:1)で2回抽出し、
冷エタノール2.5容積を加えてRNAを沈澱させた。
沈澱したRNAを遠心によって捕集し(4000RP
M、15分間)、更にこれを0.15M−トリス(pH
7.5)、1mM−EDTA、0.25M−NaCl(T
E緩衝液+0.25M−NaCl)に再懸濁し、冷エタ
ノール2.5容積を加えて再沈澱させた。最後に、遠心
によってRNAを捕集し、水5mlに懸濁した。最終収
量7.5mgであった。
【0111】オリゴdTセルロースで選び出すことによ
って、全細胞質RNAからメッセンジャーRNAを単離
した。全RNA2.5mgを65℃で5分間加熱した。
0.5MとなるようにNaClを加え、RNAが室温に
戻るまで放冷した。このRNAをTE+0.5M−Na
Cl(結合緩衝液)で飽和した1mlのオリゴdTセル
ロースに通過させた。結合緩衝液でカラムを十分に洗
い、結合していないRNAを除去した。結合しているメ
ッセンジャーRNAは水3mlで溶出し、4M−NaC
l 0.2mlおよび2.5容積の冷エタノールを加える
ことによって沈澱させた。沈澱したmRNAを遠心によ
って捕集した(25000RPM、30分間)。最終ペ
レット(約100μg)は水50μlに懸濁した。
【0112】[第2段階]第1鎖cDNA反応 PBL(末梢血リンパ球)のmRNA20μgをcDN
A合成反応液50μl[100mM−トリス(pH8.
4)、140mM−KCl、10mM−MgCl2、1
0mM−2−メルカプトエタノール、dATP、dGT
P、dCTP、dTTPそれぞれ400μM、プライマ
ーとしてオリゴdT5μg(平均サイズ12〜18
個)、32P−dCTP25μCi(400μ・Ci/ミ
リモル)およびリボヌクレアーゼ・インヒビターRNA
sin 20単位、含有]に希釈した。37℃で逆転写
酵素60単位を添加することによって反応を開始し、4
2℃で30分間インキュベートした。40mMとなるま
でEDTAを加えることによって反応を停止し、フェノ
ールを飽和した等溶積の水で抽出した。フェノール層を
TE緩衝液50μlで逆抽出した。水層をプールした。
プールした水層は、TEを飽和したセファロースCL−
4B(シグマ社より購入)の5mlカラムを通過させる
ことによって、組込まれなかった三燐酸エステルからc
DNA/RNAハイブリッドを分離した。カラムから溶
出する画分をプールし、NaClを加えて250mMと
し、2.5容積を冷エタノールを加えて核酸を沈澱させ
た。遠心によりハイブリッドを捕集した(40000R
PM、30分間)。最終ペレット(cDNA2.5μ
g)は水50μlに懸濁した。
【0113】[第3段階]第2鎖cDNA反応 エシエリキア・コリDNAポリメラーゼI、エシエリキ
ア・コリDNAリガーゼおよびエシエリキア・コリRN
AseHの各酵素の組合わせ作用により、第2鎖cDN
Aを合成した。反応混合液(50μl)は、20mM−
トリス(pH8.0)、4mM−MgCl2、1.2mM
−EDTA、25μM−NAD、dATP、dGTP、
dCTP、dTTPそれぞれ100μMづつ、および32
P−dCTP50μCi(3000Ci/ミリモル)を
含んでいる。DNAポリメラーゼI3単位、DNAリガ
ーゼ0.5単位、RNAseH0.75単位を添加し、1
6℃で18時間、次いで37℃で1時間インキュベート
することによって反応を行なった。EDTAを加えて4
0mMとして反応を停止し、等容積のフェノールを加え
て抽出を行なった。フェノール層をTE50μlで逆抽
出し、水層をプールし、前記(第1鎖反応)で記載のよ
うにセファロースCL−4Bカラムを用いるクロマトグ
ラフィーによって、組込まれなかった三燐酸エステルか
らcDNAを分離した。32Pの取り込みに基づき、第1
鎖cDNAは定量的に2本鎖の形態に変換された。
【0114】[第4段階]組換え体cDNA作成 cDNA400ngを反応混合液50μl[1mM−2
−メルカプトエタノール、1mM−COCl2、および
ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラ
ーゼ9単位、含有]中で、30℃で5分間緩和に加熱す
ることにより、cDNAの末端にホモポリマーC「尾
部」を付加した。40mMまでEDTAを加え、68℃
で10分間加熱することによって反応を停止した。反応
液100μl[10mM−トリス(pH7.5)、1m
M−EDTA、100mM−NaCl]中で、この尾部
化を行なったcDNA200ngにG−尾部化pAT15
3(アマーシャム社より購入)500ngをアニーリン
グした。アニーリング反応は、予備的に68℃で5分間
インキュベートした後、57℃で2時間行なった。
【0115】[第5段階]細菌の形質転換 cDNAアニーリング反応生産物を使用し、直接これを
エシエリキア・コリMC1061株に導入した。細菌細
胞の新鮮なコロニーを用いてL−ブロス50mlに播種
し、550nmにおける光学密度が0.25となるま
で、数時間発育させた。細胞を氷上で冷却し、遠心によ
り回収した(2000RPM、10分間)。そのペレッ
トを冷0.1M−CaCl2溶液10mlに懸濁し、氷上
で10分間静置した。細胞を遠心によって捕集し(20
00RPM、5分間)、再び0.1M−CaCl2 2.
5mlに懸濁した。次いで、cDNAのアニーリング反
応物10μlとCaCl2処理細菌200μlとを氷上
で30分間、次いで37℃で2分間インキュベートし、
次にL−ブロス0.8mlを加えて最終的に37℃で3
0分間インキュベートした。
【0116】アニーリングしたcDNAをすべて使用
し、このような形質転換を20回行なった。各形質転換
混合物を、それぞれテトラサイクリン10μg/mlを
含有する1%寒天L−ブロス平板(直径15cm)に拡
げた。20個の形質転換から、合計20個のそのような
平板を作成し、これらを37℃で1夜インキュベートし
た。各平板に平均約1500個の細菌コロニーが発育
し、合計30000コロニーであった。
【0117】[第6段階]レプリカ培養 乾燥した137mmのニトロセルロース・フイルターを
コロニーの表面部に押しつけ、これを平板から持ち上げ
ることによって、各平板に増殖した元のコロニーをニト
ロセルロースに移した。標準的なレプリカ培養方法によ
ってこのフイルターから、それぞれ2枚の同じレプリカ
を作成した。即ち、元となる各フイルターを正方形のガ
ラス片上に静置した正方形の滅菌濾紙(ワットマン3M
M)上に、コロニー側を上にして注意深く置く。あらか
じめ湿らせた新しいニトロセルロース・フイルターを、
注意深くマスター・フイルターの上に揃え、第2の正方
形の滅菌濾紙をその上にかぶせ、完全にサンドイッチに
したものを、更に第2のガラス片を載せてしっかり押さ
えつけた。サンドイッチにしたフイルターに番号を付
し、また、将来それらを正しく揃えることができるよ
う、各フイルターの非対称の位置に3個のピンホールを
あけた。レプリカをマスター・フイルターから除き、テ
トラサイクリンを含有している新しいL−ブロス寒天板
にコロニー側を上にして置いた。同様の方法で、すみや
かに第2のレプリカを作成した。各マスター・フイルタ
ーを平板に戻し、すべての平板は、細菌コロニーの直径
が1mmに達するまで、数時間37℃でインキュベート
した。元となるマスター・フイルターは、4℃で貯蔵
し、レプリカは下記のハイブリッド形成用として、使用
した。
【0118】[第7段階]ハイブリダイセーション用フ
イルターの調製 0.5M−NaOH、1.5M−NaClに浸した濾紙
(ワットマン3MM)の上に各レプリカ・フイルター
(第6段階)をコロニー側を上にして7分間載せた。フ
イルターを、1M−トリス(pH7.5)、1.5M−N
aClに浸した中和濾紙に2分間移し、次いで第2の中
和濾紙のセットに5〜10分間移した。最後に、フイル
ターをSSC緩衝液[0.015M−クエン酸ナトリウ
ム、0.15M−NaCl(pH7.4)]に浸したフイ
ルター上に5分間放置し、自然乾燥し、真空で80℃で
1〜2時間ベイクした。
【0119】[第8段階]CSF/cDNAクローンの
単離 前記の実施例Bに記載のように、複製フイルターから放
射性標識pCSF−1/cDNA挿入体でプローブを作
成した。そのうち約20個のコロニーがcDNAでハイ
ブリッドを形成した。これらのうち12個をマスター・
フイルターから拾い、更に分析を行なうため、L−ブロ
スで1夜発育させた。これらのクローンから得られたD
NA試料(迅速調製)の制限酵素(Pst1)による消
化物のうちの3個は、ほとんど完全な鎖長を有してい
た。これらのうちの1個について配列決定を行なった。
このクローンの、CSF暗号領域配列はpCSFの対応
する配列と同一であった[358(Ile)の位置にTを
有する点を除く]。
【0120】[実施例D] Mo細胞系からのCSFの精製 Mo細胞系に随伴するHTLV−IIウイルスを失活さ
せるために、血清を含んでいないMo調整培地(40
l)を55℃で30分間インキュベートした。1000
0分子量をカット・オフするメンブラン・フロルタPT
GC[0.139平方米(1.5平方フィート)]を有す
るペリコン・カセットを使用する加圧式限外濾過によ
り、この培地を濃縮した。更に、硫酸アンモニウム沈澱
(80%飽和)により蛋白質を濃縮した。最終蛋白質ペ
レット(800mg)を20mM−トリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン塩酸塩(トリス−塩酸)(pH
7.4)100mlに再懸濁し、これと同じ緩衝液で透
析した(各回4lづつ、3回変える)。透析した蛋白質
を、これと同じ緩衝液で飽和したDEAE[(ジエチル
アミノエチル)−ウルトロゲル]2.5×10cmのカ
ラムに掛けた。カラムを20mM−トリス−塩酸(pH
7.4)800mlで洗浄し、次いで0.12M−NaC
lを含有した20mM−トリス−塩酸(pH7.4)8
00mlでCSF活性を溶出した。10ml画分を捕集
し、CSFを検定した。
【0121】活性画分(3)をプールし、加圧式限外濾
過(アミコンYMSメンブラン、分子量5000でカッ
ト・オフ)により6倍(5ml)に濃縮した。DEAE
カラムで濃縮した試料を、20mM−N−2−ヒドロキ
シエチルピベラジン−N−2−エタンスルホン酸(HE
PES)(pH7.4)、50mM−NaCl、0.01
%ポリエチレングリコール(PEG−8000)で飽和
したAcA44ウルトロゲル(10〜130Kダルトン
の分別能を有するアクリルアミド・アガロース・ウルト
ロゲル)の1.6×100cmカラムに掛けた。CSF
活性は見掛けの分子量30Kダルトンでカラムから溶出
した。活性画分をプールし、10%トリフルオロ酢酸
(TFA)を加えることによって0.15%TFA濃度
(V/V)とし、これをビダックC4逆相カラム(1×
25cm)に掛けた。
【0122】0.1%TFA(V/V)中、アセトニト
リル0→90%の直線勾配で、4ml/分の速度でカラ
ムを展開した(合計1000ml)。アセトニトリル約
47%(V/V)の濃度でCSF活性が溶出された。
0.15%(V/V)ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)
をプールした活性画分の1/2容積加えることによって
0.05%(V/V)HFBA濃度とし、0.15%(V
/V)HFBAで飽和したビダックC4カラム(0.4
6×25cm)に掛けた。0.15%(V/V)HFB
A中、アセトニトリル0→90%(V/V)の直線勾配
で、1ml/分の速度でカラムを展開した(合計340
ml)。CSF活性はアセトニトリル約53%(V/
V)の濃度で溶出された。画分37〜44(各1ml)
で活性が認められた。
【0123】画分40の0.15mlを4倍に濃縮し
(サバント・スピード・バック濃縮機使用)、2×SD
Sゲル試料緩衝液[0.125M−トリス−塩酸(pH
6.8)、4%SDS、20%グリセロール、0.04%
ブロムフェノール・ブルー]40μlを加えた。これら
の試料を2分間沸とうさせ、13.5%SDSゲルに適
用した[ラムリ、ネーチャー、227巻、680頁(1
970年)](図2参照)。測定の結果、画分(#4
0)は110000骨髄CSF単位/mlであった。こ
れはA280吸収単位当たり、約3.0×107単位に相当
する。代表的な蛋白質は1mg当たり、0.8〜1.2A
280単位の吸光係数を有するので、骨髄検定で、精製し
たCSFは約1×107〜約4×107単位/mgの比活
性を示した。精製したGM−CSFの試料1μgで応用
生物系微量アミノ酸気相配列決定装置を使用するエドマ
ン分解を行なった。残基3から5までの配列はAla
ArgSerと決定した。
【0124】[実施例E] 文献記載のようにプロトプラスト融合により[サンドリ
・ゴールディンら、モレキュラー・セル・バイオロジ
ー、1巻、743〜752頁(1981年)]、CHO
細胞におけるCSF配列、プラスミドp91023
(B)−CSFの同時形質転換(コトランスホーメーシ
ョン)および増幅をDHFR欠乏CHO細胞DUKX−
B11[チェージンおよびアーラウブ、プローシーディ
ング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシズ・オブ・ザ・USA、77巻、4216頁(1
980年)]へ導入した。CHO細胞の発育および維持
に関しては、カウフマンおよびシャープ[ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー、150巻、601
〜621頁(1981年)]の記載がある。プロトプラ
スト融合のために、p91023(B)−CSF−1を
エシエリキア・コリHB101株に導入し、0.5%カ
ザミノ酸、0.4%グルコース、0.012%MgS
4、5μg/mlチアミンおよび10μg/mlテト
ラサイクリンを含有しているm9塩50mlに細菌を発
育させ、600nmの吸光度0.6を示すまで増殖し
た。
【0125】クロラムフェニコールを加えて250μg
/mlとし、プラスミド・コピー数を増幅するため、培
養を更に16時間37℃でインキュベートした。細胞を
4℃で、3000×g、10分間遠心し、20%蔗糖を
含有した冷50mM−トリス−Cl(pH8.0)2.5
mlにペレットを懸濁させた。リゾチームを加え[0.
25M−トリス−Cl(pH8.0)の5mg/ml溶
液0.5ml]、混合物を5分間氷上に放置した。ED
TA[0.25M−EDTA(pH8.0)1ml]を加
え、更に5分間氷上に置き、次いで0.05M−トリス
−Cl(pH8.0)1.0mlを徐々に加えた。菌がプ
ロトプラストに変化するまで、懸濁液を37℃で15分
間インキュベートした。次いで、10%蔗糖および10
mM−MgCl2を含有したあらかじめ温めてある培地
20mlで、この懸濁液を徐々に希釈し、これを15分
間37℃で保った。
【0126】6穴(ウエル)プレートで、プロトプラス
ト溶液(約109/ml)をCHO細胞(DHFR欠乏
DUKX−B11)(1ウエル当たり、約1×106
胞)に約1〜2×104プロトプラスト/細胞の割合で
加え、IEC K型遠心機の回転微量滴定盤ローターで
遠心し(2000RPM、8分間)、プロトプラストを
細胞上にペレットした。遠心後、吸引によって上清を除
去した。PEO−1450(ベーカー・ケミカル・カン
パニー)のポリエチレングリコール溶液50gを50m
lに含有している培地2mlづつを、6穴プレートの各
ウエルに加えた。細胞を再び2000RPMで90秒間
遠心してポリエチレングリコール溶液を除去し、プレー
トを各ウエル毎に4mlの培地で3回洗浄した。次い
で、細胞をトリプシン化し、10%ウシ胎児血清含有培
地10mlに懸濁し、円錐チューブに入れ、臨床検査用
遠心機で500RPMの回転により遠心した。3個のウ
エルからペレットとした細胞をプールして、10cmの
組織培養皿へ播種した。
【0127】カナマイシン、チミジン、アデノシン、デ
オキシアデノシン、ペニシリン、ストレプトマイシン1
00μg/mlおよび10%ウシ胎児透析血清を含有し
ている新たに調製した培地を各プレートに加えた。プロ
トプラストへの変化を免れた細胞の発育を阻止するため
には、カナマイシンが含まれる。2日後、10%ウシ胎
児透析血清、ペニシリン、およびストレプトマイシンを
含み、但しヌクレオシドを含有してないα培地へ1:1
5の割合で細胞を植え継いだ。次いで、4〜5日後に、
これと同じ選択培地(但し、ヌクレオシドを含有しな
い)を補給して細胞を培養した。
【0128】コロニーは選択培地に植え継いで10〜1
2日後に発現した。メトトレキサート(MTX)選択お
よび増幅には、下記の2通りの態様がある。第1の態様
では、単一で独立した形質転換クローン体をDHFR発
現を基準にして単離し、次いで外来性DNAのコピー数
を増幅する条件、即ちメトトレキサート濃度を増加した
発育条件下で各クローンを増殖した。第2の態様では、
多種類の各独立した形質転換体のプールをDHFR発現
を基準にして単離し、外来性DNAを増幅する条件、即
ちメトトレキサート濃度を増加した発育条件下で一緒に
増殖した。次いで、集団選択したクローン集団から個々
の独立した複数個のクローンを単離し、これについてそ
れぞれGM−CSF発現を分析した。高水準のGM−C
SF発現を示すクローン類は、更に外来性DNAを増幅
する(即ち、培地内のメトトレキサート濃度を増加した
発育)条件下で再び発育させた。
【0129】1つの実験において、DHFR+の7個の
形質転換体を、ヌクレオシド類を欠除しているα培地へ
プールして培養した。これらの細胞を、MTX濃度0.
02μMから始め、次いで0.1、0.5および2.0μ
MとMTXを逐次段階的に増加した濃度内で発育させ
た。KG−1細胞検定でGM−CSF活性を検定する
と、これらの細胞は1ml当たり3000〜12000
単位の活性を生産していた。選ばれた集団を0.5μ
M.MTXでクローニングし、2.0μM.MTXでク
ローニングした。0.5μM.MTXで得られたクロー
ン(010、D2およびB6)を、続いて2.0μM.
MTXの培地内での発育によって選び出した。KG−1
細胞検定でGM−CSF活性を検定すると、これらのク
ローン細胞系は1ml当たり15000〜30000単
位のGM−CSF活性を生産した。本実施例に従って生
産されたGM−CSFは、図1においてCSF−Thr
で示されるアミノ酸配列を有する。
【0130】[実施例F] エシエリキア・コリにおけるGM−CSFの発現 図6に模式的に説明を加えたベクターpTALC−18
5Rから、GM−CSFをエシエリキア・コリに発現し
た。GM−CSFの遺伝暗号配列は、合成的配列AT
G.CCA.CCA.CCT.CCT.TCT.CC
A.TCT.CCA.TCT.ACTで始まり、これは
成熟GM−CSFの最初の11個のアミノ酸残基を決定
する。pTALC−185Rにある残りのGM−CSF
の暗号配列はpCGF−1の配列、ヌクレオチド97−
447と同一であり、それにTAR.TAR.TAG配
列が続いている。3連のターミネーターの直後に続いて
pUC−18ポリリンカーがある。pUC−18ポリリ
ンカーから100塩基下流に、pBR322からのテト
ラサイクリン耐性遺伝子が、CSF遺伝子とは反対の配
向性で挿入された。テトラサイクリン耐性遺伝子はそれ
自身のプロモーターを保有している。時計の針と反対方
向を持続したままで、次にβ−ラクタマーゼの遺伝子が
あり、その後には複製のpUC−18(CoLE1)起
源が続く。
【0131】CSF配列へ回帰する前のプラスミドの最
終構造の特徴はPL−プロモーターである。スカッツマ
ンおよびローゼンバーグ[「モレキュラー・クローニン
グ、ア・ラボラトリー・マニュアル」(1982年)、
マールド・スプリング・ハーバー、419頁]の記載の
ように、このプロモーターは最も重要である。CSF発
現は、熱誘導後、このPL−プロモーターによって好適
なエシエリキア・コリ宿主株に推進される。すべての株
組立に用いられる親株はW31101acI0L8であ
る[ブレントおよびプタシュネ、プロシーディング・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
・ザ・USA、78巻(1981年)、4204〜42
08頁]。
【0132】λ−DNAの断片(λ−ヌクレオチド34
499−38214)は、W3110lacI0L8の
染色体のlacZ座位に組込まれた。この組込みは、p
BR322の複製起源と共にクロラムフェニコールおよ
びアンピシリン耐性遺伝子を保有しているpBR322
5配列を構成する組込みベクターを使用して行なわれた
[ボリバー、ジーン、4巻、(1978年)、121〜
136頁]。λDNAは、それ自身がLacIのBst
Eil部位からlacZの下流にあるTthillI
部位まで伸長している断片としてプラスミドに存在して
いるlacZへ挿入される。
【0133】lacZ染色体コピーへのλ−DNAの組
込みは相同組換えによって達成され、lac+、アンピ
シリン感受性、クロラムフェニコール耐性のコロニーが
見出された。挿入されたλ−DNAを除くすべてのプラ
スミド外配列の除去を誘導する第2の組換え反応現象
は、ラクトース−マツコンキー培養平板でスクリーニン
グした。第2の組換え反応現象に伴って、最初のlac
+、ampS、camR表現型はlac-、ampS、ca
S表現型に変化した。得られた株はGL400と命名
し、30°でλR、42°でλSであった。この表現型は
CI857の対立遺伝子の官能染色体コピーの存在を証明
している。
【0134】GL400は、SG20252株に生成し
た溶菌物からのPL形質導入によってlon-を表わし
た(lac△u169、ara△139、rpsl l
on▲100)。Tn10は選択培地でTetSについ
てスクリーニングすることによって元へ戻った[マロ
イ、ヌン、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、14
5巻(1981年)、1110〜1112頁]。最終の
宿主株をGI413と命名とした[lacI0L8、l
acZ△(λCI、REX、N)、lon△100]。
【0135】pTALC−185RをGI413へ導入
した。この株を1夜培養し、テトラサイクリン7μg/
mlを含有している誘導培地5mlに30°で発育させ
た。誘導培地は1l当たり、下記の成分を含有する。 1夜培養した培養物125μlを、テトラサイクリン7
μg/mlを含有しているこの培地(25ml)に播種
し、培養がA550 0.5の密度に達するまで水浴中で3
0℃で振盪した。その後、すみやかに40°の水浴に移
し、更に2時間振盪して、GM−CSPを合成させた。
細胞を回収し、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気
泳動によって、そのCSF含量を検定した。この条件下
においてGM−CSFは、細胞蛋白質の約5%となっ
た。
【0136】[実施例G] サッカロミセス・セレビシアエにおけるGM−CSFの
発現 A.ベクターの組立て ウラシル生合成経路に含まれている1酵素遺伝子(UR
A3)を選択遺伝子とし、複製の2μ起源として含有し
ているプラスミドを組立てた。このプラスミドは、酵母
の2ミクロン・プラスミドからの複製起源を含んだ断片
を付加することにより、Y1p5[ボトスタインら、ジ
ーン、8巻、17〜24頁(1979年)]から誘導し
た。
【0137】B.グリセルアルデヒド燐酸デヒドロゲナ
ーゼ(GPDH)遺伝子の単離 酵母からGPDHの2個の遺伝子を単離した(ホランド
およびホランド、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー、255巻、2596〜2605頁(19
80年)]。開示されている配列から合成したオリゴヌ
クレオチド・プローブを、酵母ゲノムDNAのプラスミ
ド・ライブラリーから標準的な方法でGPDH遺伝子を
単離するのに使用した。完全なGAP491遺伝子を含
んでいるプラスミドは、以前に寄託してある(ATCC
No.39777)。
【0138】C .異種遺伝子(ヘテロローガス・ジー
ン)発現のためのグリセルアルデヒド燐酸デヒドロゲナ
ーゼ・プロモーターの作成 所望の異種構造遺伝子の始めから、自然に間隔をおいて
GPDHプロモーターを入れたプラスミドを組立てた。
これはGPDH構造遺伝子のイニシエーター・メチオニ
ン・コドンに直ぐ隣接してKpnI部位を導入すること
によって達成された。このプロモーター「カセット」を
酵母発現ベクターYOp1に挿入した。
【0139】D.α因子遺伝子の単離 フェロモンを交配するα因子の遺伝子は酵母から単離さ
れている[カージャンおよびハースカウイツ、セル、3
0巻、933〜943頁(1982年)]。この配列か
ら合成された1オリゴヌクレオチド・プローブを、酵母
ゲノムDNAのプラスミド・ライブラリーから標準的な
方法で単離するのに使用した。
【0140】E.CSF発現プラスミドの作成 上記の諸要素およびヒトCSF遺伝子から、発現ベクタ
ー(AJ14、図7)を標準的な方法により組立てた。
このベクターにおいて、CSFの天然の先導配列は除去
され、成熟CSFを暗号化している配列はα因子のプレ
−プロ配列に隣接して挿入されている。GPDHプロモ
ーター、α因子のプレ−プロ配列および成熟CSF配列
間の接合部を要約し(下記)、ジデオキシヌクレオチド
配列決定法により確かめられた。AAATAAACAA
ATG.CGTTTTCCTTCA……AAA AG
A GAG GCG GAA GCT.GCA CCC
GCC CGC TCG……
【0141】F.GM−CSFの発現 プラスミドAJ14をサッカロミセス・セレビシアエの
1株に導入した。細胞を培養し、CSFが生産された。
以上の説明により、下記に示すこの発明の具体的態様が
一般に着想され、この発明を構成する。
【0142】1.CSFを生産する細胞からRNAを作
成し、このRNAからポリアデニル化したメッセンジャ
ーRNAを作成し、このメッセンジャーRNAから1本
鎖cDNAを作成し、この1本鎖cDNAを2本鎖cD
NAに変換し、この2本鎖cDNAを形質転換ベクター
へ挿入し、このベクターで細菌を形質転換して、コロニ
ーを生成し、それぞれ200〜500個のコロニーのプ
ールを拾い、各プールからそれぞれプラスミドDNAを
単離し、CSF蛋白質を発現するために、このプラスミ
ドDNAを好適な宿主細胞へ導入し、導入した細胞を培
養して、その上清のCSF活性を検定し、CSF陽性の
プールを選び、そのプールの作成に使用したコロニーを
スクリーニングしてCSF活性を有するコロニーを同定
することを含んで成るCSF/cDNAを含有している
形質転換ベクターの作成および単離方法。
【0143】2.CSFを生産する細胞がTリンパ球で
ある第1項記載の方法。 3.第1項記載の方法によって作成された発現ベクター
によって形質転換された細胞であって、蛋白質を分泌す
る真核細胞。 4.第5項記載の細胞が哺乳細胞であることから成る細
胞。 5.第1項記載の方法において、更に、CSF活性を有
するコロニーからCSF蛋白質を暗号化しているDNA
を単離し、CSFを暗号化しているこのDNAを、該C
SF/DNAと異種のプロモーターを保有する発現ベク
ターへ挿入することを含んで成る第1項記載の方法。 6.第5項記載の方法によって作成された発現ベクター
により形質転換された細胞。 7.細胞が原核細胞である第6項記載の細胞。 8.細胞が真核細胞である第6項記載の細胞。 9.CSFを暗号化しているcDNA。
【0144】10.図1に示したヌクレオチド配列を有
しているcDNA。 11.CSFを暗号化したcDNAを含んでいる発現ベ
クター。 12.図1に示したヌクレオチド配列を含んでいる発現
ベクター。 13.第11項記載の発現ベクターまたはその対立遺伝
子性変異体を含んでいる形質転換細胞。 14.第12項記載の発現ベクターを含んでいる形質変
換細胞。 15.その細胞が原核細胞である第13項記載の細胞。 16.その細胞が原核細胞である第14項記載の細胞。 17.その細胞が真核細胞である第13項記載の細胞。 18.その細胞が真核細胞である第14項記載の細胞。 19.その細胞が酵母細胞である第17項記載の細胞。
【0145】20.その細胞が酵母細胞である第18項
記載の細胞。 21.その細胞が哺乳類細胞である第17項記載の細
胞。 22.その細胞が哺乳類細胞である第18項記載の細
胞。 23.その細胞が昆虫細胞である第17項記載の細胞。 24.その細胞が昆虫細胞である第18項記載の細胞。 25.CSFを暗号化しているcDNAを発現すること
によって形質転換細胞中に作成されるCSF蛋白質。 26.その細胞が原核細胞である第25項記載の蛋白
質。 27.その細胞が真核細胞である第25項記載の蛋白
質。 28.その細胞が酵母細胞である第27項記載の蛋白
質。 29.その細胞が哺乳類細胞である第27項記載の蛋白
質。
【0146】30.その細胞が昆虫細胞である第27項
記載の蛋白質。 31.事実上、天然起源の蛋白質を含んでいないCSF
蛋白質。 32.事実上、ヒト起源の蛋白質を含んでいないCSF
蛋白質。 33.事実上、グリコシレーションを含んでいないCS
F蛋白質。 34.形質転換された真核細胞中でCSF蛋白質を暗号
化したcDNAの発現によりグリコシル化されたCSF
蛋白質。 35.その真核細胞が哺乳類細胞または昆虫細胞である
第34項記載のCSF蛋白質。 36.図1に示したヌクレオチド配列を有するcDNA
を発現することによって作成されたCSF蛋白質。 37.その細胞が原核細胞である第36項記載の蛋白
質。 38.その細胞が真核細胞である第36項記載の蛋白
質。 39.その細胞が酵母細胞である第38項記載の蛋白
質。
【0147】40.その細胞が哺乳類細胞である第38
項記載の蛋白質。 41.その細胞が昆虫細胞である第38項記載の蛋白
質。 42.事実上、図1に示したアミノ酸配列またはその対
立遺伝子性変異体を有するヒトCSF蛋白質。 43.そのCSFがCSF(Thr)である第42項記
載のCSF蛋白質。 44.そのCSFがCSF(Ile)である第42項記
載のCSF蛋白質。 45.そのCSFがMet−CSFである第42項記載
のCSF蛋白質。 46.そのCSFがCSFとMet−CSFとの混合物
である第42項記載のCSF蛋白質。 47.薬理学的な担体中にCSF蛋白質の骨髄抑制処置
量を含有している骨髄抑制の処置に用いる治療用組成
物。 48.CSF蛋白質で哺乳類を処置することを含んで成
る骨髄抑制を罹患している哺乳類の処置方法。 49.薬理学的な担体中にCSF蛋白質を含んで成る治
療用組成物を該哺乳類動物に静脈注射することをその処
置手段に含んでいる第48項記載の方法。
【0148】50.CSF蛋白質の有効量で哺乳類を処
置することを含んで成る、顆粒性循環白血球数を増加さ
せる哺乳類の処置方法。 51.事実上、図1に示したアミノ酸配列またはその対
立遺伝性変異体を有するギボンCSF。 52.そのCSFがCSF(Thr)である第51項記
載のCSF蛋白質。 53.そのCSFがCSF(Ile)である第51項記
載のCSF蛋白質。 54.そのCSFがMet−CSFである第51項記載
のCSF蛋白質。 55.そのCSFがCSFとMet−CSFとの混合物
である第51記載のCSF蛋白質。 56.水性媒質に懸濁した蛋白質類の混合物からCSF
蛋白質を精製する方法であって、80%飽和硫酸アンモ
ニウムにより蛋白質を沈澱させて、CSF蛋白質を含有
したペレットを作成し、pH約6〜約8の範囲に緩衝し
た溶液にそのペレットを再懸濁させ、CSFを含有する
緩衝溶液をクロマトグラフィー−カラムに掛け、塩化ナ
トリウムを含有する緩衝溶液でCSF活性を溶出し、C
SF活性を保有する画分を捕集し、活性画分をプール
し、プールした画分をC4逆相カラムに掛け、アセトニ
トリルの0→90%の濃度勾配によってCSF活性を溶
出し、CSF活性を含んでいる画分を捕集することを含
んで成るCSF蛋白質の精製方法。 57.その緩衝液をトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン塩酸塩、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N−2−エタンスルホン酸、およびクエン酸ナトリウム
の中から選ぶ第56項記載の方法。 58.クロマトグラフィー・カラムにオクチルセファロ
ース、ジエチルアミノエチルウルトロゲルまたはアクリ
ルアミド−アガロース・ウルトロゲルを充填する第56
項記載の方法。 59.プールした画分をC4カラムへ掛ける前にそれぞ
れ先ず、トリフルオロ酢酸溶液またはヘプタフルオロ酪
酸溶液中におけるアセトニトリルの濃度勾配で、プール
した画分を処理する第56項記載の方法。
【0149】60.トリフルオロ酢酸またはヘプタフル
オロ酪酸の溶出液濃度がそれぞれ0.10%または0.1
5%(V/V)である第59項記載の方法。 61.CSF蛋白質を含有している水性媒質を、先ず3
0%飽和硫酸アンモニウムで処理して蛋白質を沈澱さ
せ、その上清を残りの段階に用いる第56項記載の方
法。 62.第56項の方法において、硫酸アンモニウムで蛋
白質を沈澱させてペレットを作成する段階の後、そのペ
レットをトリス−塩酸溶液に再懸濁し、得られた溶液を
透析し、透析した溶液をDEAE−ウルトラゲルのカラ
ムに掛け、このカラムを少なくとも0.1M−NaCl
を含有しているトリス−塩酸溶液で溶出し、CSF活性
を含有する画分を捕集し、活性画分をプールし、プール
した画分をNaClおよびポリエチレングリコールを含
有しているHEPES溶液で飽和したACA44−ウル
トロゲルを充填したカラムに掛け、NaClおよびポリ
エチレングリコールを含んだHEPES溶液でカラムを
溶出し、CSF活性を含有する画分を捕集し、CSF活
性を含有する画分をプールし、プールした画分をトリフ
ルオロ酢酸で処理し、トリフルオロ酢酸で処理したプー
ル分をC4逆相カラムに掛け、トリフルオロ酢酸溶液中
におけるアセトニトリルの0→90%濃度勾配で溶出
し、CSF活性を含有する画分を捕集し、CSF活性を
含有する画分をプールし、プールした画分をヘプタフル
オロ酪酸で処理し、処理した溶液を第2のC4逆相カラ
ムに掛け、第2のC4逆相カラムをヘプタフルオロ酪酸
中におけるアセトニトリルの0→90%濃度勾配で溶出
して、CSF活性を有する画分を捕集することを含んで
成る第56項記載の方法。 63.第56項の方法において、硫酸アンモニウムで蛋
白質を沈澱させてペレットを作成する段階の後、そのペ
レットをNaClを含有しているクエン酸ナトリウム溶
液に再懸濁させ、これと同じ緩衝液で飽和したアクリル
アミド−アガロース・ウルトラゲルを充填したカラムに
この溶液を掛け、カラムをクエン酸ナトリウムおよびN
aClの溶液で溶出し、CSF活性を有する画分を捕集
し、CSF活性を有する画分をプールし、トリフルオロ
酢酸で処理し、処理溶液をC4逆相カラムに掛け、この
カラムをトリフルオロ酢酸溶液中におけるアセトニトリ
ルの0→90%濃度勾配で溶出し、CSF活性を有する
画分を捕集することを含んで成る第56項記載の方法。 64.骨髄検定において、少なくとも約1×107単位
/mgの比活性を有するCSF蛋白質。
【0150】65.約15000〜約26000ダルト
ンの分子量を有する第64項記載のCSF蛋白質。 66.骨髄検定において、蛋白質1mg当たり少なくと
も約4×107単位の比活性を有する第64項記載のC
SF蛋白質。 67.CSFをMo細胞調整培地から精製する第56項
記載の方法。 68.発現可能なCSF遺伝子を含んでいる組換え体ベ
クターでトランスフェクションした細胞の培養によって
得られた培地からCSFを精製する第56項記載の方
法。 69.p91023(B)−CSFでトランスフェクシ
ョンしたCOS細胞の培養によって得られた培地からC
SFを精製する第56項記載の方法。 70.霊長類動物細胞のコロニー形成刺激因子(CS
F)蛋白質を暗号化している遺伝子を好適なベクターへ
挿入し、その遺伝子を挿入した該ベクターを真核または
原核性宿主細胞へ導入し、そのCSF蛋白質を発現し、
単離することを含んで成る霊長類動物CSF蛋白質の生
産方法。 71.そのCSF蛋白質が顆粒性白血球(顆粒球)−マ
クロファージCSFである第70項記載の方法。 72.CSF蛋白質が図1のCSF−thrで示された
アミノ酸配列を有する第70項記載の方法。 73.CSF蛋白質が図1のCSF−ileで示された
アミノ酸配列を有する第70項記載の方法。 74.CSF蛋白質がギボンザルの顆粒性白血球−マク
ロファージCSFである第70項記載の方法。
【0151】75.CSF蛋白質が図1のCSF−Gで
示されたアミノ酸配列を有する第70項記載の方法。 76.CSF蛋白質が天然産CSFのアミノ酸配列と一
致しており、但し、天然CSFの生物学的活性に事実上
影響することなく、1またはそれ以上のアミノ酸を追加
し、置換し、または除去した蛋白質である第70項記載
の方法。 77.CSF蛋白質が天然産CSFのアミノ酸配列と一
致しており、但し、1またはそれ以上のシスティン残基
を他のアミノ酸残基で置換したものである第76項記載
の方法。 78.CSF蛋白質が天然産CSFのアミノ酸配列を有
し、但し、その配列がメチオニン残基により先行される
第77項記載の方法。 79.成熟形の第42、43、45、46項記載のCS
F蛋白質。 80.シグナル・ポテンシェーター開始領域を含んでい
る第42、43、45、46項記載のCSF蛋白質。 81.127個のアミノ酸を有するCSF蛋白質。 82.ATCC39754の番号でATCCに寄託され
ているエシエリキア・コリMC106Iを発現すること
によって得ることができるCSF蛋白質、またはATC
Cに寄託されているプラスミドp91023(B)−C
SFの127アミノ酸のCSF暗号化ヌクレオチド配
列。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCSF/cDNAのDNA配列と
これを翻訳したCSF蛋白質生産物のアミノ酸配列を示
す図。
【図2】プラスミドpAdD26SVpAからプラスミ
ドpTPLを作成する概略説明図。
【図3】プラスミドpTPLからプラスミドp9102
3を作成する概略説明図。
【図4】プラスミドp91023(B)の説明図。
【図5】精製CSF蛋白質のSDS−PAGE分析を示
す図。
【図6】ベクターpTALC−185Rの模式的表示
図。
【図7】ベクターAJ−14の模式的表示図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12N 5/00 B (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 ゴードン・ジー・ウォング アメリカ合衆国マサチューセッツ02138、 キャンブリッジ、マサチューセッツ・ア ベニュー1137番 (72)発明者 エリザベス・エー・ウァング アメリカ合衆国マサチューセッツ 017419、カーリスル、ウォルフ・ロッ ク・ロード136番

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のアミノ酸配列を有する霊長類GM
    −CSF蛋白質またはそのアレル変異体もしくは下記の
    アミノ酸配列において5個を越えないアミノ酸が付加、
    欠失または置換されたアミノ酸配列を有し且つ霊長類G
    M−CSF活性を有する変異体をコードする遺伝子: CSF-Thr:Ala Pro Ala Arg Ser Pro Ser Pro Ser Thr Gln Pro Trp Glu His Val Asn Ala Ile Gln Glu Ala Arg Arg Leu Leu Asn Leu Ser Arg Asp Thr Ala Ala Glu MET Asn Glu Thr Val Glu Val Ile Ser Glu MET Phe Asp Leu Gln Glu Pro Thr Cys Leu Gln Thr Arg Leu Glu Leu Tyr Lys Gln Gly Leu Arg Gly Ser Leu Thr Lys Leu Lys Gly Pro Leu Thr MET MET Ala Ser His Tyr Lys Gln His Cys Pro Pro Thr Pro Glu Thr Ser Cys Ala Thr Gln Thr Ile Thr Phe Glu Ser Phe Lys Glu Asn Leu Lys Asp Phe Leu Leu Val Ile Pro Phe Asp Cys Trp Glu Pro Val Gln Glu または CSF-Ile:Ala Pro Ala Arg Ser Pro Ser Pro Ser Thr Gln Pro Trp Glu His Val Asn Ala Ile Gln Glu Ala Arg Arg Leu Leu Asn Leu Ser Arg Asp Thr Ala Ala Glu MET Asn Glu Thr Val Glu Val Ile Ser Glu MET Phe Asp Leu Gln Glu Pro Thr Cys Leu Gln Thr Arg Leu Glu Leu Tyr Lys Gln Gly Leu Arg Gly Ser Leu Thr Lys Leu Lys Gly Pro Leu Thr MET MET Ala Ser His Tyr Lys Gln His Cys Pro Pro Thr Pro Glu Thr Ser Cys Ala Thr Gln Ile Ile Thr Phe Glu Ser Phe Lys Glu Asn Leu Lys Asp Phe Leu Leu Val Ile Pro Phe Asp Cys Trp Glu Pro Val Gln Glu または CSF-G: Ala Pro Ser Arg Ser Pro Ser Pro Ser Arg Gln Pro Trp Glu His Val Asn Ala Ile Gln Glu Ala Arg Arg Leu Leu Asn Leu Ser Arg Asp Thr Ala Ala Glu Ile Asn Glu Thr Val Glu Val Val Ser Glu MET Phe Asp Leu Gln Glu Pro Thr Cys Leu Gln Thr Arg Leu Glu Leu Tyr Lys Gln Gly Leu Arg Gly Ser Leu Thr Lys Leu Lys Gly Pro Leu Thr MET MET Ala Ser His Tyr Lys Gln His Cys Pro Pro Thr Pro Glu Thr Ser Cys Ala Thr Gln Ile Ile Thr Phe Glu Ser Phe Lys Glu Asn Leu Lys Asp Phe Leu Leu Val Thr Pro Phe Asp Cys Trp Glu Pro Val Gln Gly。
  2. 【請求項2】 ヒトGM−CSF蛋白質をコードする遺
    伝子を含む、請求項1記載の遺伝子。
  3. 【請求項3】 コードされているヒトGM−CSF蛋白
    質が、アミノ酸配列において天然ヒトGM−CSF蛋白
    質に対応するものである、請求項2記載の遺伝子。
  4. 【請求項4】 CSF−ThrまたはCSF−Ileをコード
    する遺伝子を含む、請求項1記載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 CSF−Ileの1つのアミノ酸が置換さ
    れた変異体をコードする遺伝子を含む、請求項1記載の
    遺伝子。
  6. 【請求項6】 CSF−Thr、CSF−IleおよびCSF
    −Gのいずれかのアミノ酸配列に、更にそのN−末端に
    次のシグナル配列が付加している蛋白質をコードする遺
    伝子を含む、請求項1記載の遺伝子: MET Trp Leu Gln Ser Leu Leu Leu Leu Gly Thr Val Ala Cys Ser Ile Ser。
  7. 【請求項7】 CSF−Thr、CSF−IleおよびCSF
    −Gのいずれかのアミノ酸配列に、更にそのN−末端に
    メチオニンが付加している蛋白質をコードする遺伝子を
    含む、請求項1記載の遺伝子。
JP5176039A 1984-07-06 1993-06-22 リンホカインの生産および精製 Expired - Lifetime JP2594744B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US62834284A 1984-07-06 1984-07-06
US65274284A 1984-09-19 1984-09-19
US65244784A 1984-09-19 1984-09-19
US628342 1990-12-14
US652742 1996-05-23
US652447 2000-08-31

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60503011A Division JP2540509B2 (ja) 1984-07-06 1985-07-04 リンホカインの生産および精製

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06319557A JPH06319557A (ja) 1994-11-22
JP2594744B2 true JP2594744B2 (ja) 1997-03-26

Family

ID=27417446

Family Applications (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60503011A Expired - Lifetime JP2540509B2 (ja) 1984-07-06 1985-07-04 リンホカインの生産および精製
JP5176039A Expired - Lifetime JP2594744B2 (ja) 1984-07-06 1993-06-22 リンホカインの生産および精製
JP5175978A Expired - Lifetime JP2594743B2 (ja) 1984-07-06 1993-06-22 リンホカインの生産および精製
JP6253317A Expired - Lifetime JP2594768B2 (ja) 1984-07-06 1994-10-19 リンホカインの生産および精製

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60503011A Expired - Lifetime JP2540509B2 (ja) 1984-07-06 1985-07-04 リンホカインの生産および精製

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5175978A Expired - Lifetime JP2594743B2 (ja) 1984-07-06 1993-06-22 リンホカインの生産および精製
JP6253317A Expired - Lifetime JP2594768B2 (ja) 1984-07-06 1994-10-19 リンホカインの生産および精製

Country Status (28)

Country Link
EP (2) EP0337359B1 (ja)
JP (4) JP2540509B2 (ja)
KR (1) KR910001809B1 (ja)
AT (2) ATE67244T1 (ja)
AU (3) AU599572B2 (ja)
CA (2) CA1341618C (ja)
CY (1) CY1629A (ja)
DE (3) DE188479T1 (ja)
DK (2) DK168709B1 (ja)
ES (1) ES8701226A1 (ja)
FI (1) FI108796B (ja)
GR (1) GR851643B (ja)
HK (2) HK111594A (ja)
HU (1) HU208711B (ja)
IE (2) IE60819B1 (ja)
IL (2) IL75725A (ja)
LU (1) LU88337I2 (ja)
MY (1) MY102902A (ja)
NL (1) NL930089I2 (ja)
NO (4) NO179455C (ja)
NZ (2) NZ212645A (ja)
PL (1) PL153139B1 (ja)
PT (1) PT80776B (ja)
SA (1) SA94150015A (ja)
SG (1) SG108991G (ja)
SK (1) SK505985A3 (ja)
UA (1) UA39161C2 (ja)
WO (1) WO1986000639A1 (ja)

Families Citing this family (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU594014B2 (en) * 1984-03-21 1990-03-01 Research Corporation Technologies, Inc. Recombinant DNA molecules
JPS61227526A (ja) * 1984-07-25 1986-10-09 Chugai Pharmaceut Co Ltd 新規なコロニー刺激因子
ZA856108B (en) * 1984-10-29 1986-10-29 Immunex Corp Cloning of human granulocyte-macrophage colony simulating factor gene
AU588819B2 (en) * 1984-10-29 1989-09-28 Immunex Corporation Cloning of human granulocyte-macrophage colony stimulating factor gene
JP3038348B2 (ja) * 1984-11-20 2000-05-08 シェーリング コーポレイション ヒト顆粒状、マクロファージおよび好酸球の細胞増殖因子活性を示すポリペプチドをコードするcDNAクローン
JP2512453B2 (ja) * 1985-02-05 1996-07-03 シ−タス コ−ポレ−シヨン 天然のコロニ−促進因子―1の精製
ATE67517T1 (de) * 1985-09-30 1991-10-15 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Menschlicher granulozyten-colony stimulierender faktor.
EP0238655A4 (en) * 1985-10-03 1989-09-11 Biogen Nv POLYPEPTIDES LIKE THE GRANULOCYTE-MACROPHOUS COLONY STIMULATION FACTORS (GM-CSF) AND THEIR METHODS OF PRODUCING LARGE QUANTITIES IN MICROBIAL CELLS.
CA1295567C (en) * 1988-07-25 1992-02-11 Lawrence T. Malek Expression system for the secretion of bioactive human granulocyte, macrophage-colony stimulating factor (gm-csf) and other heterologous proteins from streptomyces
DE3545568A1 (de) * 1985-12-21 1987-07-16 Hoechst Ag Gm-csf-protein, seine derivate, herstellung solcher proteine und ihre verwendung
US5298603A (en) * 1985-12-21 1994-03-29 Hoechst Aktiengesellschaft GM-CSF protein, its derivatives, the preparation of proteins of this type, and their use
IL83003A (en) 1986-07-01 1995-07-31 Genetics Inst Factors that soak bone formation
GR871029B (en) 1986-07-14 1987-11-02 Genetics Inst Novel osteoinductive factors
US5162111A (en) * 1986-07-30 1992-11-10 Grabstein Kenneth H Treatment of bacterial diseases with granulocyte-macrophage colony stimulating factor
EP0256843A1 (en) * 1986-08-11 1988-02-24 Cetus Corporation Expression of g-csf and muteins thereof and their use
GB8624899D0 (en) * 1986-10-17 1986-11-19 Sandoz Ltd Monoclonal antibodies
JPH0618781B2 (ja) * 1986-10-18 1994-03-16 中外製薬株式会社 感染症治療剤
EP0276846A3 (en) * 1987-01-29 1989-07-26 Zymogenetics, Inc. Colony-stimulating factor derivatives
JP2521094B2 (ja) * 1987-04-28 1996-07-31 アムジェン、インコーポレーテッド ヒト顆粒球マクロファ―ジコロニ―刺激因子をコ―ドする合成dna、そのdnaを含むプラスミド、およびそのdnaで形質転換された大腸菌
JPH03500481A (ja) * 1987-06-25 1991-02-07 イミュネックス・コーポレーション ウシ顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
KR930007430B1 (ko) * 1987-07-16 1993-08-10 쉐링 코포레이션 크로마토그래피 단계에 의한 과립구-대식세포 콜로니-자극 인자의 정제방법
US5391706A (en) * 1987-07-16 1995-02-21 Schering Plough Corporation Purification of GM-CSF
ZA885101B (en) * 1987-07-17 1989-03-29 Schering Biotech Corp Human granulocyte macrophage colony stimulating factor and muteins thereof
AU626530B2 (en) * 1987-07-17 1992-08-06 Schering Biotech Corporation Human granulocyte-macrophage colony stimulating factor and muteins thereof
CA1317244C (en) * 1987-07-24 1993-05-04 Ernest Seigo Kawasaki Production of biologically active forms of csf using a baculovirus (acnpv)-insect cell expression system
WO1989011864A1 (en) * 1988-05-31 1989-12-14 Schering Biotech Corporation Method of treating myeloid leukemias
AU618283B2 (en) * 1988-10-10 1991-12-19 Instituto Nazionale Per Lo Studio E La Cura Dei Tumori The use of GM-CSF in the treatment of a patient requiring high-dose chemo- or radiotherapy for cancer
US5811523A (en) 1988-11-10 1998-09-22 Trinchieri; Giorgio Antibodies to natural killer stimulatory factor
JPH0322973A (ja) * 1989-01-19 1991-01-31 Wan Shen-Yuan ヒトヘパトーム細胞系によるコロニー形成促進因子(CSFs)の構成性産生
HUT63181A (en) * 1989-07-14 1993-07-28 Schering Corp Process for producing gm-csf antagonists originating from carboxy terminal of gm-csf
EP0628057B1 (en) 1992-02-28 1999-10-20 Board Of Regents The University Of Texas System Use of a therapeutical COMPOSITION FOR THE TREATMENT OF THERMAL INJURY
US6004807A (en) * 1992-03-30 1999-12-21 Schering Corporation In vitro generation of human dendritic cells
US6153183A (en) * 1992-11-24 2000-11-28 G. D. Searle & Company Co-administration of interleukin-3 mutant polypeptides with CSF's or cytokines for multi-lineage hematopoietic cell production
US7091319B1 (en) 1992-11-24 2006-08-15 Bauer S Christopher IL-3 variant hematopoiesis fusion protein
US6361977B1 (en) 1992-11-24 2002-03-26 S. Christopher Bauer Methods of using multivariant IL-3 hematopoiesis fusion protein
US6413509B1 (en) 1992-11-24 2002-07-02 S. Christopher Bauer Methods of ex-vivo expansion of hematopoietic cells using interleukin-3 mutant polypeptides with other hematopoietic growth factors
US6403076B1 (en) 1992-11-24 2002-06-11 S. Christopher Bauer Compositions for increasing hematopoiesis with interleukin-3 mutants
US6361976B1 (en) 1992-11-24 2002-03-26 S. Christopher Bauer Co-administration of interleukin-3 mutant polypeptides with CSF'S for multi-lineage hematopoietic cell production
US5772992A (en) * 1992-11-24 1998-06-30 G.D. Searle & Co. Compositions for co-administration of interleukin-3 mutants and other cytokines and hematopoietic factors
US6057133A (en) * 1992-11-24 2000-05-02 G. D. Searle Multivariant human IL-3 fusion proteins and their recombinant production
US5738849A (en) * 1992-11-24 1998-04-14 G. D. Searle & Co. Interleukin-3 (IL-3) variant fusion proteins, their recombinant production, and therapeutic compositions comprising them
KR100227406B1 (ko) 1993-05-12 1999-12-01 브루스 엠. 에이센 Bmp-11 조성물
DE69331268T2 (de) * 1993-06-30 2002-06-13 Lucky Ltd Modifizierte-Granulocyte-Makrophage-Kolonie-stimulierender-Faktor-Gen und seine Expression in Hefe
US6027919A (en) 1993-12-07 2000-02-22 Genetics Institute, Inc. BMP-12 and BMP-13 proteins and DNA encoding them
US5599536A (en) * 1993-12-13 1997-02-04 Sandoz Ltd. Method for suppressing the acute phase response in a patient receiving IL-6 therapy
US5578301A (en) * 1993-12-14 1996-11-26 Sandoz Ltd. Method for using GM-CSF to reduce the acute phase response in a patient being administered IL-6 therapy
US6165748A (en) 1997-07-11 2000-12-26 Genetics Institute, Inc. Frazzled nucleotide sequences and expression products
US6676937B1 (en) 1998-03-09 2004-01-13 Caritas St. Elizabeth's Medical Center Of Boston Inc. Compositions and methods for modulating vascularization
DE19905501B4 (de) 1999-02-10 2005-05-19 MediGene AG, Gesellschaft für molekularbiologische Kardiologie und Onkologie Verfahren zur Herstellung eines rekombinanten Adeno-assoziierten Virus, geeignete Mittel hierzu sowie Verwendung zur Herstellung eines Arzneimittels
DE60043216D1 (de) * 1999-02-12 2009-12-10 Univ Washington Gm-csf zur behandlung von morbus crohn
US6869762B1 (en) 1999-12-10 2005-03-22 Whitehead Institute For Biomedical Research Crohn's disease-related polymorphisms
CA2394033A1 (en) * 1999-12-10 2001-06-14 Whitehead Institute For Biomedical Research Ibd-related polymorphisms
US6689599B1 (en) 2000-10-20 2004-02-10 Genetics Institute, Llc Aggrecanase molecules
TWI329129B (en) 2001-02-08 2010-08-21 Wyeth Corp Modified and stabilized gdf propeptides and uses thereof
WO2003012038A2 (en) 2001-07-27 2003-02-13 Wyeth Aggrecanase molecules
PL371525A1 (en) 2002-01-31 2005-06-27 Wyeth Aggrecanase molecules
PL373396A1 (en) 2002-02-05 2005-08-22 Wyeth Truncated aggrecanase molecules
JP2005534308A (ja) 2002-07-29 2005-11-17 ワイス 修飾adamts4分子およびその使用法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4428632A (en) * 1979-08-10 1984-01-31 Thomas & Betts Corporation Coaxial cable transition connector
JPS6030654B2 (ja) * 1980-12-31 1985-07-17 株式会社林原生物化学研究所 ヒトコロニ−刺激因子の製造方法
US4438032A (en) 1981-01-30 1984-03-20 The Regents Of The University Of California Unique T-lymphocyte line and products derived therefrom
JPH0751511B2 (ja) * 1982-03-15 1995-06-05 味の素株式会社 インターロイキン2を含有してなる癌治療剤
AU594014B2 (en) * 1984-03-21 1990-03-01 Research Corporation Technologies, Inc. Recombinant DNA molecules
AU588819B2 (en) * 1984-10-29 1989-09-28 Immunex Corporation Cloning of human granulocyte-macrophage colony stimulating factor gene
ZA856108B (en) * 1984-10-29 1986-10-29 Immunex Corp Cloning of human granulocyte-macrophage colony simulating factor gene

Also Published As

Publication number Publication date
IL94754A0 (en) 1991-04-15
AU4009089A (en) 1989-12-07
AU599572B2 (en) 1990-07-26
ES544868A0 (es) 1986-11-16
DE3588199T2 (de) 1999-04-08
IL75725A0 (en) 1985-11-29
DK102886A (da) 1986-03-06
FI860308A0 (fi) 1986-01-22
IL75725A (en) 1993-02-21
CY1629A (en) 1992-07-10
IE851695L (en) 1986-01-06
AU4545685A (en) 1986-02-10
DK172679B1 (da) 1999-05-17
SA94150015A (ar) 2005-12-03
DK59493D0 (da) 1993-05-21
HU208711B (en) 1993-12-28
HK111594A (en) 1994-10-21
AU5497690A (en) 1990-09-13
AU644359B2 (en) 1993-12-09
JPS61502682A (ja) 1986-11-20
DE3584089D1 (de) 1991-10-17
EP0337359A3 (en) 1990-02-07
NL930089I1 (nl) 1993-10-01
SK280265B6 (sk) 1999-10-08
NO179455C (no) 1996-10-09
EP0337359B1 (en) 1998-10-21
JP2594768B2 (ja) 1997-03-26
CA1340852C (en) 1999-12-14
PT80776B (pt) 1987-09-30
NO307348B1 (no) 2000-03-20
CA1341618C (en) 2011-07-19
WO1986000639A1 (en) 1986-01-30
SK505985A3 (en) 1999-10-08
AU628069B2 (en) 1992-09-10
NZ212645A (en) 1990-02-26
MY102902A (en) 1993-03-31
JPH06319557A (ja) 1994-11-22
EP0188479A1 (en) 1986-07-30
ATE172494T1 (de) 1998-11-15
HUT38675A (en) 1986-06-30
DK59493A (da) 1993-05-21
FI860308A (fi) 1986-01-22
SA94150015B1 (ar) 2004-09-04
KR910001809B1 (ko) 1991-03-26
JP2540509B2 (ja) 1996-10-02
KR860700264A (ko) 1986-08-01
PL254400A1 (en) 1986-06-17
EP0188479B1 (en) 1991-09-11
LU88337I2 (fr) 1994-05-04
NO943300L (no) 1986-03-13
NZ228031A (en) 1991-12-23
NO943300D0 (no) 1994-09-07
DK102886D0 (da) 1986-03-06
DE3588199D1 (de) 1998-11-26
UA39161C2 (uk) 2001-06-15
NL930089I2 (nl) 1994-07-01
IE60819B1 (en) 1994-08-10
NO961452L (no) 1996-04-12
DE188479T1 (de) 1987-05-21
ATE67244T1 (de) 1991-09-15
JP2594743B2 (ja) 1997-03-26
IE930961L (en) 1986-01-06
GR851643B (ja) 1985-11-26
PT80776A (en) 1985-08-01
HK1011709A1 (en) 1999-07-16
JPH06199897A (ja) 1994-07-19
JPH07163351A (ja) 1995-06-27
DK168709B1 (da) 1994-05-24
SG108991G (en) 1992-03-20
EP0337359A2 (en) 1989-10-18
NO179455B (no) 1996-07-01
NO1996016I1 (no) 1996-12-18
FI108796B (fi) 2002-03-28
NO860775L (no) 1986-03-13
NO314941B1 (no) 2003-06-16
NO961452D0 (no) 1996-04-12
ES8701226A1 (es) 1986-11-16
PL153139B1 (en) 1991-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2594744B2 (ja) リンホカインの生産および精製
US4675285A (en) Method for identification and isolation of DNA encoding a desired protein
US5891429A (en) Recombinant human granulocyte-macrophage-colony stimulating factor (GM-CSF)
JP2557361B2 (ja) 哺乳動物インタ−ロイキン−4
US5942221A (en) Recombinant primate granulocyte macrophage-colony stimulating factor
CA1335717C (en) Human granulocyte-macrophage colony stimulating factor and muteins thereof
JPH0783717B2 (ja) ヒト顆粒球コロニー刺激因子をコードする遺伝子
JPH064674B2 (ja) ヒトインタ−ロイキン−1遺伝子のクロ−ニング及び特性化
JPH02195888A (ja) ヒトインターロイキン2活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含有する組換えdna体および該組換えdna体により形質転換された原核生物細胞
EP0198014A1 (en) Vectors containing a gene for a protein having erythroid-potentiating activity and recombinant dna methods for producing said protein
CZ285023B6 (cs) Vektor zahrnující gen kódující bílkovinu GM-CSF primátů, hostitelská buňka, která je jím transformována, a způsob výroby bílkoviny GM-CSF primátů za jejího použití

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term