JPH064674B2 - ヒトインタ−ロイキン−1遺伝子のクロ−ニング及び特性化 - Google Patents

ヒトインタ−ロイキン−1遺伝子のクロ−ニング及び特性化

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JPH064674B2
JPH064674B2 JP60130980A JP13098085A JPH064674B2 JP H064674 B2 JPH064674 B2 JP H064674B2 JP 60130980 A JP60130980 A JP 60130980A JP 13098085 A JP13098085 A JP 13098085A JP H064674 B2 JPH064674 B2 JP H064674B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はインターロイキン1(以下「IL−1」と称す
る)に関し、より詳しくはハイブリッド選択操作を用い
た、及びIL−1メッセンジャーリボ核酸(「mRN
A」)から合成された相補的デオキシリボ核酸(「cD
NA」)ライブラリーをスクリーニングするためにIL
−1遺伝子の部分を構成するクローンから得られた放射
線標識された天然及び合成オリゴヌクレオチドプローブ
を使用した、ヒトIL−1のための遺伝子のクローニン
グ、及びこのスクリーニングされたIL−1遺伝子の特
性化に関する。
発明の背景 正式に文献において「リンパ球活性化因子」即ち「LA
F」として知られていたIL−1は、マクロファージに
より免疫応答を行いながら分泌されるホルモンである。
この蛋白質因子は広範囲の免疫学的及び非免疫学的応答
を制御している。例えば、IL−1は内因性或いは白血
球の発熱物質、B−細胞活性化因子(BAF)、表皮性
細胞胸腺細胞活性化因子(ETAF)、白血球内因性仲
介物質(LEM)、リューマチ性関節炎において活性な
骨吸収因子と称される活性及びその他の各種活性を仲介
すると考えられる。
研究者たちは多くのIL−1の生物学的特性を確認した
が、このホルモンの化学的性質は良く理解されていな
い。今日まで、これは少なくとも部分的には必要な研究
を行うために十分な量の精製された形態のIL−1が利
用可能でないことにより妨げられている。
過去においてヒト及びネズミの両源から得られたIL−
1を精製し、部分的に特性化する試みがなされている。
例えばマイツェル(Mizel)、122ジャーナル・オブ・イ
ムソロジー(J.Immunol.)2167−2172(1979年)は、活
性化剤としてのホルボールミリスチックアセテートと共
に補給された生育培地中で培養されたマクロファージ細
胞系統P388D1からのネズミIL−1の産生を報告して
いる。この培養液からのIL−1はアンモニウム沈澱、
ジエチルアミノエチル(「DEAE」)セルロースカラ
ムクロマトグラフィ、限外過及びセファクリルS200
(Sephacryl S200)カラムクロマトグラフィーに付され
た。得られた活性画分はドデシル硫酸ナトリウム(「S
DS」)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(「PAG
E」)により分析され、12,000〜16,000ダルトンの範囲
の分子量を有することが見出された。ポリアクリルアミ
ドゲル中の等電点電気泳動(「IEF」)によりIL−
1のpIは5.0〜5.4の範囲にあることが判明した。
引き続く報文において、マイツェル等(Mizelet al.)1
26ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)834
〜837(1981年)は、上記マイツェルにおいて使用され
た同一のP388D1細胞系統からのIL−1を硫酸アンモ
ニウム沈澱、フェニルセファロースクロマトグラフィ
ー、アルトロゲル(Ultrogel)AcA54ゲル過クロマ
トグラフィー及び調製平底IEFにより「見掛け上均
質」になるまで精製することを論じている。IEFから
IL−1のpIは約4.9〜5.1と測定された。ゲル電気泳
動によりIL−1の分子量は約14000ダルトンと決定さ
れた。
研究者達は又、ヒト末梢血液白血球及び単球から産生さ
れたIL−1についても検討している。ブライデン等
(Blyden et al.)、118ジャーナル・オブ・イムノロジ
ー(J.Immunol.)1631〜1638(1977年)はヒト末梢血液
白血球から調整されたIL−1をセファデックス(Seph
adex)G−100カラムクロマトグラフィーにより濃縮す
る手法を開示した。この方法は、粗製IL−Iの4〜5
倍の濃度が得られると報告されている。この粗製IL−
1の調製の際には血清からアルブミンを除去するために
DEAE−Bio-Gel A イオン交換クロマトグラフィ
が使用された。次に集められた活性画分をヒドロキシア
パタイトカラム上に吸着させた。ピークIL−1活性を
含有する画分を次いでCM−Bio-Gel A カチオン交
換樹脂にかけた。これらの操作により約20%の初期IL
−1が回収された。得られたIL−1は約13,000ダルト
ンの分子量及び約6.8〜7.2のpIを有することが判明し
た。
トガワ等(Togawa et al.)、122ジャーナル・オブ・イ
ムノロジー(J.Immunol.)2112〜2118(1979年)による
ヒト白血球から調製された粗製IL−1は先ず膜過に
より処理され、次いでBio-Gel P-100 クロマトグラフ
ィーカラムにかけられ、これは一つは12,000〜22,000ダ
ルトンの範囲及びもう一つは50,000〜70,000ダルトンの
範囲の二つの主たる活性のピークを示した。このBio-Ge
l P-100 カラムの低分子量領域の活性画分をプール
し、ブルーセファロース(Blue Sepharose)カラムにか
け、次いでDEAE−セルロースイオン交換クロマトグ
ラフィーにかけた。その後、L−1含有画分をプール
し、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィカラムに
かけた。トガワ等(Togawa et al.)は、これらの操作
の各々から得られる低分子量IL−1活性が2%ヒト血
清で再構成され、濃縮され、Bio-Gel P-100上で再クロ
マトグラフされると、より高分子量の活性の相当な部分
が表われることを発見した。
より最近の研究において、ラッハマン(Lachman)、42
フェデレーション・プロシーディング(Federation Pro
ceedings)2639-2645(1983)は急性単球白血病或いは急
性骨髄単球白血病患者から得られた末梢血液単球或いは
白血病細胞をIL−1産生を刺戟するためのリポポリサ
ッカライド(「LPS」)と共に血清補給培養培地中に
おいて培養することによるIL−1の調製を報告してい
る。低分子量活性を殆んどの血清蛋白質から分離するた
めに中空糸透過過及び限界過が使用された。この低
分子量活性はアンホリン(Ampholine)及びスクロース
勾配におけるIEFにかけられた。この操作によりIL
−1活性は約6.8〜7.2のpIを有することが判明した。
この等電電気泳動IL−1活性は次いでSDS−PAG
Eに付され、これは分析されたヒトIL−1は約11,000
ダルトンの分子量を有することを示した。ラッハマン
(Lachman)は上記操作からのIL−1活性の総括回収
率は貧弱であり約4%の範囲であると報告している。
適量の均質なヒトIL−1の利用可能性は、関節炎及び
エリテマトーデスなどの自動免疫障害の研究及び可能性
のある治療において貴重であり得る。又、従来利用可能
であったよりもより大きい純度及び多量なヒトIL−1
は傷及び火傷の治療を首尾よく達成するために有用であ
り得る。
比較的多量の均質なヒトIL−1を提供する潜在的な方
法は組み換えDNA技術によるものである。組み換えD
NA技術は、蛋白質をコード化する遺伝子が一度単離さ
れ、同定されると所望の蛋白質を経済的に産生するよう
に開発されている。その様な蛋白質製造のための組み換
えDNA技術の一般的説明はサイエンス(Science)(1
977年4月)の196巻の編集論文及び賛助論文に示されて
いる。しかしながら、この参考文献において論じられて
いる組み換えDNA技術を利用するためにはヒトIL−
1をコード化する遺伝子を先ず単離しなければならな
い。
発明の要約 本発明に従えば、ヒトIL−1をコードする遺伝子が各
種ハイブリッド形成技術を用いてcDNAライブラリー
から数回のセクションで単離された。全ヒトRNAは比
較的高割合のIL−1を産生すると考えられた細胞から
抽出された。ポリアデニル化mRNAは全RNA抽出物
から単離された。cDNAライブラリーは逆転写酵素を
用いたサイズ分離ポリアデニル化mRNAの逆転写によ
り構成された。このDNAをDNAポリメラーゼIを用
いて二本鎖にし、適正なクローニングベクター中に挿入
した。得られた組み換えクローニングベクターを使用し
て適当な宿主の形質転換を行った。
形質転換された宿主を確認し、プールにグループ分けし
た。これらのプールから調整されたプラスミドDNAを
全RNAとハイブリッド形成させ、これはin vitroで翻
訳させるとIL−1生物学的活性を生じた(IL−1活
性mRNA)。IL−1活性mRNAとハイブリッド形
成したクローンのプールを確認し、次いで推定されたプ
ールを小分割し、ハイブリッド選択スクリーニングを繰
り返した。この操作により単一の形質転換体が究極的に
確認された。プラスミドDNAはこの形質転換体から調
整され、配列決定されてそのヌクレオチド及びアミノ酸
組成を確立した。この第1のクローンを放射線標識し、
次いで全cDNAライブラリーを再スクリーニングする
ためのハイブリッド形成プローブとして使用した。この
形質転換宿主から調製されたプラスミドDNAを放射線
標識された第1のクローンとハイブリッド形成させた。
陽性の信号を与えたプールをプレートから取り出し、こ
のプローブを用いて再スクリーニングした。この方法に
より単一の陽性コロニーが確認された。プラスミドDN
Aをこのコロニーから調製し、配列決定した。この第2
のクローンは第1のクローンの部分と重複し、IL−1
遺伝子の更に一部分を構成することが判明した。
このcDNAライブラリーを又第1のクローンの部分に
対応する合成オリゴヌクレオチドプローブを用いてスク
リーニングした。このスクリーニング操作は全第1クロ
ーンで構成されるプローブを用いた上記操作と実質的に
同様である。この第3のスクリーニング操作により第1
及び第2のクローンの部分に重複する二つの追加のクロ
ーン(第3及び第4)が見出された。これらのクローン
を次いでプローブとして用いて更にcDNAライブラリ
ーのスクリーニングを行い、更にIL−1遺伝の部分を
構成するクローンを単離した。
単離されたクローンの重複的性質のために全開放読み取
り枠のヌクレオチド及びアミノ酸配列及びIL−1遺伝
子の5′側面領域及び大きな3′側面領域のヌクレオチド
配列が決定された。又、IL−1遺伝子の全開放読み取
り枠及び遺伝子のコード化領域が哺乳動物及び細菌宿主
系においてそれぞれクローン化され、成熟IL−1を発
現した。この後生物学的アッセイを行って発現された蛋
白質生成物がIL−1であることを確認した。
発明の具体的な説明 ヒトIL−1産生細胞の源 好ましくは、ヒトIL−1をコードする遺伝子が探索さ
れるcDNAライブラリーは、先に比較的高割合のその
他のリンホカイン類が産生することが見出された細胞か
ら、それらが又ヒトIL−1を産生する可能性があると
の推定の下に構成される。これらの源としては、活性化
ヒト末梢血液付着単核細胞が挙げられる。本発明におい
て使用するために末梢血液単核細胞は標準的技術、例え
ばフィコール−ハイパーク(Ficoll-Hypaque)の遠心分
離などにより全血から分離することができる。血液から
取り出された白血球はIL−1分泌を誘発する適当な刺
戟剤を含有する培養培地中においてin vitroで培養され
る。
全血から取り出された白血球から得られる代りにIL−
1は又任意の単球に富んだ源から得られた単球より調製
することができる。その様な単球源としては、単球白血
病脾臓細胞、リンパ細胞及び肺胞マクロファージ類など
が挙げられる。
末梢血液白血球を培養するために使用される培地は、市
販の培地、例えばイーグル(Eagle)の最少必須培地
(「MEM」)或いはロスウェル・パーク・メモリアル
・インスティチュート(Roswell Park Memorial Instit
ute)(「RPMI」)培地、よりなるものであってよ
い。個々に或いは組み合わせて培養培地中に添加するこ
とのできる添加剤としては、グルタミン、HEPES緩
衝液及び各種抗生物質、例えばゲンタマイシン、ペニシ
リン及びストレプトマイシンなどが挙げられる。過去に
おいて、血清も又添加剤として通常使用されていた。
本発明において使用される好ましい刺戟剤はスタフィロ
コッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)
(「S.アウレウス」)或いはエシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)(「E.コリ」)から抽出されたLP
Sなどが挙げられる。更に、ホルボールエステル類、例
えばホルボールミリステート13−アセテートなども刺戟
剤として使用することができる。
白血球を培養してIL−1の分泌を誘発する方法は各種
環境条件内において行うことができる。しかしながら、
好ましくは培養液は空気中約5〜10%のCO2の加湿雰囲
気内において約35〜38℃の温度範囲に維持されるのが好
ましい。末梢血液白血球を活性化剤で刺戟することによ
り放出されるIL−1の量は時間と共に変わる。本発明
者らはIL−1発現の最適水準は刺戟後約24時間におい
て到達することを見出した。
ヒトIL−1産生細胞からのRNAの調製 ヒトの潜在的IL−1−産生細胞からの全RNAは標準
的方法、例えばチルギン等(Chirgwin et al.)、18バ
イオケミストリー(Biochemistry)5294(1979年)及び
マニアティス等(Maniatis et al.)、モレキュラー・
クローニング、ラボラトリー・マニュアル(Molecular
Cloning,a Laboratory Manual)、コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Lab
oratory)、ニューヨーク州コールドスプリング(Cold
Spring Harbor,New York)(1982年)に開示される方法
により抽出される。
周知の如く、細胞からRNAを抽出するに際し、抽出の
初期段階においてリボヌクレアーゼ(「RNase」)活性
を最少にすることが重要である。これを達成する一つの
方法は、RNaseを含む細胞蛋白質をRNaseによるRNA加
水分解の速度を越える速度で変性することである。上記
チルギン等(Chirgwin et al.)及び上記マニアティス
等(Maniatis et al.)の196における操作においては、
これはグアニジニウムチオシアネートを2−メルカプト
エタノール等の還元剤(蛋白質ジスルフィド結合を破壊
するために)と共に使用することにより行われている。
RNAは標準的技術、例えばフェノール/クロロホルム
抽出、エタノール沈澱或いは塩化セシウムによる沈降な
どにより蛋白質から単離されている。或いは又、RNA
はグアニジン塩酸塩を用いた抽出後、フェノール/クロ
ロホルムによる抽出により蛋白質から分離することがで
きる。
次にポリアデニル化mRNAは抽出蛋白質から分離され
る。この分離方法を行うために幾つかの技術が開発され
ているが、一つの好ましい方法はポリアデニル化mRN
Aをオリゴ(dT)−セルロース上においてエドモンド等
(Edmonds et al.)、68プロシーディングズ・オブ・ナ
チュラル・アカデミック・サイエンス(Proc.Natl.Aca
d.Sci.)1336(1971年);アビブ及びレーダー(Aviv a
nd Leder)69プロシーディングズ・オブ・ナチュラル・
アカデミック・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)140
8(1972年);及び上記マニアティス等(Maniatis et a
l.)197に記載されているようにクロマトグラフを行う
方法である。このオリゴ(dT)−セルロースカラムは負
荷緩衝液で準備され次いでmRNAがカラムにかけられ
る。その後カラムを先ず緩衝溶液で洗浄して未ポリアデ
ニル化mRNAを除去し、次いでポリアデニル化mRN
Aをカラムから緩衝化低イオン強度溶離剤で溶出する。
ポリアデニル化mRNAの完全性はゲル電気泳動により
検証される。
ポリアデニル化mRNAは次いでメチル水銀アガロース
による電気泳動によってサイズ分けされる。mRNAの
異ってサイズ分類に対応するゲル画分は次いで標準的ウ
サギ網状赤血球溶解物技術、例えばパルミター(Palmit
er)248ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)2095(1973年);ペルハム及びジ
ャクソン(Pelham and Jackson)67ヨーロピアン・ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリ(Eur.J.Biochem.)24
6(1976年);及びリー等(Lee et al.)253ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)3494(1978年)などに記載されている方法を用いて
in vitroで翻訳される。ウサギ網状赤血球アッセイのた
めのキットは多くの源、例えばベテスダ・リサーチ・ラ
ボラトリーズ(Bethesda Research Laboratories)〔メ
リーランド州ゲイタースバーグ(Gaithersburg,Marylan
d)〕或いはニューイングランドニュークリア(New Eng
land Nuclear)〔マサチューセッツ州ボストン(Bosto
n,Massachusetts)〕などから市販されている。或いは
又、mRNA翻訳は標準的技術、例えばストマ等(Stom
a et al.)79メス・エンチム(Meth.Enzym.)68(1981
年)に記載されている技術を用いてカエルキセアオバス
ラエビス(Xeaopus Laevis)(「X.ラエビス」)卵母
細胞中にmRNAをマイクロ注入することにより行うこ
とが出来る。網状赤血球溶解物翻訳或いはmRNAマイ
クロ注入卵母細胞のいずれかにより放出された液体を次
いで下記アッセイ法を用いてIL−1活性の存在の試験
を行う。in vitroで翻訳した場合にIL−1活性を生ず
るmRNAゲル画分をcDNA構成のためのmRNA源
として選択する。
X.ラエビス卵母細胞翻訳操作においては、約50ナノリ
ッター(「n」)のmRNA(無菌H2O中に0.5〜1mg
/mlの濃度で溶解)が各卵母細胞中に注入される。卵母
細胞はX.ラエビス〔ナスコ(Nasco)、ウイスコンシ
ン州フォートアトキンソン(Fort Atkinson,Wisconsi
n)〕から収穫され、150mlの卵母細胞インキュベーショ
ン培地(88mM NaCl、/mM KCl、2.4mM NaHCO3、0.82mM MgSO
4・7H2O、0.33mM Ca(NO3)2・4H2O、0.41mM CaCl2・6H2O、7.5m
M Trisベース、18単位/ml(11μg/ml)のペニシリンG
カリウム、及び18μg/mlストレプトマイシン)中にお
いてインキュベートされる。培地の最終pHはHClで7.6に
調整され、次いで過により殺菌される。注入後、卵母
細胞を0.1mlの新鮮な卵母細胞インキュベーション培地
中に入れ、1.5mlの無菌円錐ポリプロピレンチューブ内
において23℃で18時間インキュベートする。インキュベ
ーション後、卵母細胞上澄液を取り出し、下記に詳説す
る如く生物学的活性の試験を行う。
胸腺細胞増殖アッセイ 上記の如く、ウサギ網状赤血球溶解物或いはX.ラエビ
ス卵母細胞によるmRNA翻訳は、溶解物或いは卵母細
胞抽出物により放出された液体中のIL−1活性の存在
を試験することにより分析される。第1のアッセイは溶
解物或いは卵母細胞抽出物の試料のCD−1マウスから
得られた胸腺細胞の増殖を誘発する能力を確認すること
を含むものである。このアッセイにおいては、10〜12週
令のCD−1マウス〔チャールズ・リバー・ブリーディ
ング・ラボラトリーズ(Charles River Breeding Labor
atories)マサチューセッツ州ウイルミントン(Wilming
ton MA)〕から得られた約1×106の胸腺細胞を丸底マ
イクロプレートウェル〔コーニングプラスチックス(Co
rning Plastics)、ニューヨーク州コーニング(Cornin
g,New York)〕中にIL−1含有液体試料の3倍逐次稀
釈液の存在下において接種する。胸腺細胞は50U/mlのペ
ニシリン、50マイクログラム(「μg」)/mlのストレ
プトマイシン、2ミリモル(「mM」)のグルタミン、
0.2mMのゲンタマイシン、10mMHEPES緩衝液(「補
給MEM」)、pH7.4を3%v/vヒト血清及び10-5M2−
メルカプトエタノールと共に含有する150マイクロリッ
トル(「μ」)のMEM中において培養される。これ
らの試料を空気中の5%CO2雰囲気内において37℃で72
時間培養する。その後、培養液を0.5マイクロキューリ
(「μCi」)のトリチウム化されたチミジン(「3H-Td
r」)〔ニューイングランドニュークリア(New England
Nuclear)、マサチューセッツ州ボストン(Boston,Mas
sachusetts)、2Ci/mM比活性〕で約4時間に亘ってパ
ルス適用し、その後培養液を例えば、多重−自動化試料
収穫器を用いてガラスファイバー紙片上に採取する。
3H-Tdr導入を次いで液体シンチレーション計数により測
定する。この方法の詳細はギリス等(Gillis et a
l.)、120ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immuno
l.)2027(1978年)及び米国特許4,411,992号明細書に
示されている。
この胸腺細胞増殖アッセイ操作によりIL−1の存在下
に培養されたCD−1胸腺細胞のみが3H-Tdrを投与量に
依存して導入する。IL−1の不存在下に培養されたC
D−1細胞はバックグラウンド水準の3H-Tdrのみを導入
するにすぎない。IL−1活性は上記ギリス等(Gillis
et al.)によりインターロイキン−2活性を決定する
ために用いられた方法と同様にして3H-Tdr導入データの
線形部分から計算される。IL−1活性の単位は、実験
室標準に対比した最大胸腺細胞3H-Tdr導入の50%を発生
する試料の稀釈率の逆数として求められる。例えば、試
料が1:15の稀釈率において最大の胸腺細胞3H-Tdr導入
の50%を発生するならば、IL−1の1単位(「U」)
は150μアッセイ容量の1/15に見出され、即ち10μ
が活性の1Uを含有すると云われる。従って全試料
は、100U〔1000(μ/ml)÷10μ(U当り)〕の
IL−1活性/mlを含有することになる。上記ギリス等
(Gillis et al.)参照。
IL−1転換アッセイ 第2のIL−1活性の代替的アッセイ法として、IL−
1がインターロイキン2(「IL−2」)非生産ネズミ
腫瘍細胞系統LBRM-33-145をIL−2生産体に転換
することが本発明者らにより見い出されたという事実を
利用する方法を使用することができる。このアッセイに
おいてLBRM-33-1A5細胞、ATCCNo.GRL−8079
は50μg/mlのミトマイシンCを添加して不活性化さ
れ、37℃で1時間インキュベートされる。100μの不
活性化LBRM-33-1A5細胞(5×105細胞数/ml)を96
−ウェル平底プレート内において等容のミトゲン、フィ
トヘムアグルチニン(「PHA」)(1%最終濃度)と
IL−1含有液体試料の逐次稀釈液との存在下において
培養する。毎時間隔においてIL−1誘発されミトマイ
シンC−抑制されたLBRM-33-1A5細胞(即ちIL−
1活性)により発生されたIL−2活性の存在が50μ
のIL−2依存性CTLL−2細胞(8×104細胞数/m
l)を添加することにより直接確認される。マイクロウ
ェル培養物を次いで更に20時間インキュベートした後、
0.5μCiの3H-Tdr〔ニューイングランドニュークリア(N
ew England Nuclear)、マサチューセッツ州、ボストン
(Boston MA)、20Ci/mM比活性〕を4時間パルス適用す
る。その後、チミジン−パルス適用した培養物を多重自
動試料収穫器〔MASHIIマイクロバイオロジカルアソ
ーシエイツ(Micro-biological Associates)、メアリ
ーランド州ベテスダ(Bethesda,MD)〕を用いてガラス
ファイバー紙片上に採取する。3H-Tdr導入を液体シン
チレーション計数により測定する。この操作の詳細は、
上記ギリス等(Gillis et al.)及び米国特許4,411,992
号明細書に示されている。このアッセイにおいてはIL
−2の存在下において培養されたCTLL−2細胞のみ
が投与量に依存して3H-Tdrを導入する。IL−2(従っ
てIL−1)の不存在下において培養されたCTLL−
2細胞はバックグラウンド水準の3H-Tdrを導入するに過
ぎない。この「転換」アッセイはより早く(24時間以内
に完結)及び上記胸腺細胞増殖アッセイよりも約1000〜
10,000倍感度が高いという利点を有する。にも拘らず、
本発明においては「転換」及び「増殖」アッセイの両者
を使用することが出来る。
mRNAからのcDNAの調製 上記の如く調製され、分析されたmRNAに対応する二
本鎖cDNAのライブラリーは逆転写酵素を用いた公知
の技術により構成される。本発明において使用すること
のできるその様な1つの方法は、ガブラー及びホフマン
(Gubler and Hoffman)により25ジーン(Gene)263-26
9(1983年)により修正された上記マニアティス等(Man
iatis et al.)により230において詳説されている。簡
単に説明すると、ポリアデニル化mRNAをmRNAの
ポリアデニル化尾部にハイブリッド形成したオリゴ−dT
を、第1のcDNA鎖のプライマーとして使用すること
により逆転写する。第2のcDNA鎖はDNAポリメラ
ーゼI.RNase H及びE.コリDNAリガーゼなどの酵素を
用いて合成する。この方法はマニアティス等(Maniatis
et al.)において開示されている標準的cDNA合成
技術が単純に使用された場合には必要とされる初期のc
DNA鎖の3′末端において形成されるヘアピンループ
のS1ヌクレアーゼ仲介切断を不要にする。二本鎖cD
NAを任意の便利な方法で分画してより短い鎖を除去
し、これにより小さなcDNA画分の不要なクローニン
グを回避する。
本発明に従えば、代りの標準的操作方法を使用してmR
NAから二本鎖cDNAを調製することが出来ることが
了解されるべきである。その様な一つの代替技術は、ラ
ンド等(Land et al.)により9ニュークレイック・ア
シッド・リサーチ(Nucl.Acids Res.)2251(1981年)
に開示されている。ランド等(Land et al.)の方法に
おいては、ヘアピンループも又第2cDNA鎖のプライ
マーとしては使用されていない。その代り、第1cDN
A鎖の3′末端は末端デオキシヌクレオチジルトランス
フェラーゼ(「TdT」)を用いてdCMP残渣の尾部
が付着されている。これはポリ−C残基の3′尾部を生
成する。次いで第2鎖の合成は3′尾部にハイブリッド
形成されたオリゴ−dGにより開始される。この技術は
マニアティス等(Maniatis et al.)の方法においてヘ
アピンがS1ヌクレアーゼを用いて切断される場合に生
じ得る第2cDNA鎖の5′尾部の部分を喪失すること
を回避することを助けると云われている。
cDNAのクローニング 次に、二本鎖cDNAがベクターの複製のために適合性
の原核或いは真核宿主細胞を形質転換するために使用さ
れるクローニングベクター内に導入される。その後形質
転換体を確認し、プラスミドDNAをそれから調製す
る。
本発明を実施するために、各種クローニングベクターを
利用することが出来る。プラスミドが好ましいがベクタ
ーはバクテリオファージ或いはコスミドであってもよ
い。クローニングが哺乳動物細胞内で起こる場合にはウ
イルス類も又ベクターとして使用することが出来る。
プラスミドが使用される場合には、それは自然源から得
ることも出来るし、或いは人工的に合成することも出来
る。選ばれる特別のプラスミドはE.コリの様な細菌、酵
母或いはその他の単細胞微生物の如何を問わず意図され
る形質転換宿主と適合性を有するべきである。このプラ
スミドは、使用される特別の宿主細胞に対して適当な複
製開始源(オリジン)を有するべきである。又、このプ
ラスミドは形質転換された宿主細胞を容易に確認し、形
質転換を行わない細胞から分離することを可能にする表
現型特性を有するべきである。その様な表現型特性は抗
生物質のような生育抑制物質に対して耐性を与える遺伝
子が含まれる。各種抗生物質、例えばテトラサイクリ
ン、ストレプトマイシン、サルファ薬品、ペニシリン及
びアンピシリンなどに耐性である遺伝子をコード化する
プラスミド類は市販されている。
E.コリが宿主細胞として使用される場合には、本発明
において使用することのできる多くの可能性のあるクロ
ーニングプラスミド類が市販されている。本発明を実施
するための好ましいプラスミドはpBR322である。
このプラスミドはサットクリッフェ(Sutcliffe)、43
コールド・スプリング・ハーバー・シンポジウム・オブ
・クオンティタティブ・バイオロジー(Cold Spring Ha
rbor Symp.Quant Biol.)77(1979年)に示される如く
完全に配列決定されている。このプラスミドの重要な利
点はそれがアンピシリン、耐性遺伝子におけるPst I部
位を含む11個の公知の独特の制限部位を有することであ
る。この特徴はホモポリマーテーリング法によるクロー
ニングに特に有用である。
バクテリオファージがプラスミドの代りに用いられる場
合にはその様なファージ類は上記プラスミド類の選択に
ついて述べた実質的に同一の特性を有するべきである。
これは表現型マーカー及び外来遺伝子の付着のための連
結可能な末端の存在を含むものである。
好ましくは、本発明においてはプラントエンドを有する
二本鎖cDNAがホモポリマーテーリングによりプラス
ミドベクター中に挿入される。周知の如く、この技術に
おいては、相補的ホモポリマートラックがcDNAの鎖
及びプラスミドDNAに付加される。ベクター及び二本
鎖cDNAを次いで相補的ホモポリマー尾部の間の水素
結合により結合し、E.コリなどの宿主細胞を形質転換す
ることのできる開かれた環状ハイブリッド分子を形成す
る。
一つのホモポリマーテーリングの操作においては、約50
〜150dAのヌクレオチド残基を線形化されたプラスミド
DNAの3′末端に付加する。同様な数のdTヌクレオ
チド残基が二本鎖cDNAの3′末端に付加され次いで
cDNA及びプラスミドが一緒に連結される。
別の好ましい方法においては、dG尾部は適当な制限酵
素で切断されたクローニングベクターの3′末端に付加
される。例えばpBR322プラスミドが使用される場合
には、制限酵素Pst Iを使用してプラスミドをアンピシ
リン耐性遺伝子において消化することが出来る。cDN
Aセグメントの適当なアニーリング緩衝液を用いたプラ
スミド中への挿入前に二本鎖cDNAの3′末端に相補
的dC尾部が付加される。
二本鎖cDNAはその他の各種標準的方法によりプラス
ミドクローニングベクター内に挿入され得ることが了解
されるべきである。その様な代替的技術の一つはDNA
リガーゼを用いることにより合成ヌクレオチドリンカー
をcDNA鎖の末端に付着させることを含むものであ
る。これらのリンカーは制限酵素で切断され、同一の制
限酵素で切断されたプラスミド内に挿入するための粘着
末端を生成する。シェラー等(Scheller et al.)、196
サイエンス(Science)177-180(1977年);上記マニア
ティス等(Maniatis et al.)219。
上記の如く調製された組み換えDNAプラスミドを用い
て宿主細胞を形質転換する。宿主は任意の原核或いは真
核細胞であり得るが、それはよく規定された細菌、例え
ばE.コリ或いは酵母株であるのが好ましい。その様な
宿主は容易に形質転換され、培養液中において迅速な生
育が可能である。その他の形態の細菌、例えばサルモネ
ラ或いはニューモコッカスもE.コリの代りに用いるこ
とが出来る。細菌の代りにその他の単細胞微生物、例え
ば真菌及び藻類などを使用することも出来る。いずれの
宿主が選ばれるにせよ、それは組み換えプラスミドを切
断する制限酵素を含有すべきでない。
E.コリが宿主として用いられる場合には、好ましい菌株
はMM294及びRR1である。MM294宿主のプラスミド
ベクターにる形質転換手法は上記マニアティス等(Mani
atis et al.)の255及びハナーン(Hanahan)、166ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Bi
ol)557(1983年)に示される如くよく知られている。
RR1宿主のプラスミドベクターによる形質転換手法も
又ボリバー等(Bolivar et al.)2ジーン(Gene)95
(1977年)及びピーコック等(Peacock et al.)655バ
イオケム.バイオフィズ.アクタ(Biochem Biophys.Ac
ta.)243(1981年)に示されるようによく知られてい
る。
適正な宿主として役立ち得るその他のE.コリの菌株とし
てはDH1(ATCC No.33849)及びC600などが挙
げられる。これらの菌株及びMM294及びRR1菌株は
広く市販されている。
上記マニアティス等(Maniatis et al.)及び上記ハナ
ーン(Hanahan)により開示されるものを含む形質転換
手法においては細胞による限られたプラスミドの摂取に
より僅かに少部分の宿主細胞が実際に形質転換されるに
過ぎない。形質転換された細胞は適当な生育培地及び表
現型確認物質、例えば抗生物質などを含有する寒天プレ
ート上に細胞培養液を置くことによって確認することが
できる。適当な耐性遺伝子(例えば抗生物質に対して)
を有する細胞のみが生き残る。組み換pBR322プラス
ミドがE.コリ菌株MM294を形質転換するために使用さ
れる場合には形質転換細胞はテトラサイクリンを表現型
確認物質として使用することにより確認することができ
る。
ハイブリッド形成選択によるcDNAライブラリーのス
クリーニング 上記の調製された形質転換体は先ずハイブリッド選択方
法によりIL−1遺伝子の存在のスクリーニングが行わ
れる。この操作において、個々の形質転換体がスクリー
ニングのために選ばれ、次いで群にプール分けされる。
これらの群を液体培養液中で生育させ、次いで複製プラ
スミドを幾つかの公知の技術の例えばアルカリ溶解など
の任意のものを用いて形質転換体から抽出する。プラス
ミドDNAはプラスミドを複製プラスミド中の独特の制
限部倍において切断することにより調整される。得られ
た線形化DNAセグメントをニトロセルロース上で過
する。プラスミドDNAをニトロセルロース上に焼付
け、未結合DNAを除去した後紙に結合するDNAを
上記で調製された全(IL−1活性)mRNAとハイブ
リッド形成溶液中においてハイブリッド形成させる。ハ
イブリッド形成後、未結合RNAを紙から除去する。
その後、結合され、ハイブリッド選択されたmRNAを
溶出し、次いで先に詳説したウサギ網状赤血球溶解物或
いはカエルX.ラエビス卵母細胞技術を用いてin vitro
で翻訳させる。網状赤血球溶解物翻訳或いはmRNAマ
イクロ注入卵母細胞により放出された液体について、次
いで上記の胸腺細胞増殖及び/又はIL−1転換アッセ
イを用いてIL−1活性の存在の試験を行う。
陽性の信号を与えたクローンの特別のプールを小分割
し、次いで上記ハイブリッド形成選択操作を繰り返して
陽性のサブプールを明らかにする。次に陽性サブプール
をサブサブプール或いは可能であれば個々のコロニーに
分割し、次いでハイブリッド形成選択操作を再び繰り返
す。この操作により、本発明者らは一つの陽性コロニー
を見出した。2C1と称されるプラスミドDNAがこの
特別の確認された陽性コロニーから調製される。この2
C1クローンは次いで以下に「スクリーニングされたc
DNAの特性化」と称する小題目の下に論じられる連鎖
−停止方法を用いたヌクレオチド配列決定により特性化
される。2C1クローンのDNA配列はIL−1遺伝子
のDNA組成を図示する第1図に示されている。第1図
においてヌクレオチド番号860からヌクレオチド番号120
2に伸長する2C1クローンはIL−1遺伝子の3′側面
領域の一部を構成する。
放射線標識2C1プローブを用いたcDNAライブラリ
ーのスクリーニング この2C1クローンをプローブとして使用してより大き
なクローンを得るための努力に際して、上記で調製され
た全cDNAライブラリーの再スクリーニングを行う。
2C1クローンからのこのcDNAインサートはプラス
ミドのPst I消化及びアガロースゲル電気泳動により調
製される。この様に調製された2C1cDNAインサー
トをcDNAライブラリーのスクリーニングを行うプロ
ーブとして使用する前に放射線標識する。各種標識技術
を使用することができるが、その比較的大きなサイズの
ために好ましくはプローブは「ニックトランスレーショ
ン」により標識される。クグビー等(Rigby et al.)11
3.ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.
Molec Bio.)、237(1977年)及び上記マニアティス等
(Maniatis et al.)により108において論じられている
この周知の技術において極めて限られたDNaseIによ
る処理によってDNA中の広く分離された部位にニック
が導入され、これにより遊離3′-OH基を各ニックに曝
す。DNAポリメラーゼIを用いて適当に放射線標識さ
れたデオキシヌクレオチドトリホスフェート、32P−D
NTPを3′-OH末端に導入し、同時にDNAに沿ってニ
ックの逐次移動を引き起こす5′側のニックからヌクレ
オチドを除去する(「ニックトランスレーション」)。
スクリーニング操作において、これらの形質転換体を各
々約2000個の形質転換体で構成される各群にプールす
る。複製プラスミドはアルカリ性溶解などの幾つかの周
知の技術の任意のものによって抽出される。DNAはPs
t I制限部位において抽出プラスミドを切断することに
より調製される。得られたDNAセグメントはアガロー
スゲル上の電気泳動により分画され、次いでサザーン
(Southern)、98ジャーナル・オブモレキュラー・バイ
オロジー(J.Mol.Biol.)、503(1975年)により記載さ
れているサザーンブロッティングにより分析される。サ
ザーンブロッティング操作においてニトロセルロース
紙に結合するDNAを標識2C1プローブとハイブリェ
ド形成させる。このプローブにハイブリッド形成する特
異的DNA断片をオートラジオグラフィーにより確認す
る。
オートラジオグラフィーに際して、強いハイブリッド形
成バンドを示す推定されたクローンのプールをプレート
から取り出し、同一標識2C1cDNAプローブとのニ
トロセルロース紙上での直接細菌コロニーハイブリッ
ド形成において使用する。ハイブリッド形成の完結後、
ニトロセルロース紙をオートラジオグラフィーにより
追跡して陽性コロニーをつきとめる。この操作により本
発明者らは一個のその様な陽性コロニーを見出した。9
Hと称されるプラスミドDNAがこの特別のコロニーか
ら調製される。
9Hクローンは、以下に説明する連鎖−停止法を用いた
ヌクレオチド配列により特性化される。第2図に示され
る如く、第1図のヌクレオチド番号928からヌクレオチ
ド番号1,979まで伸長する9Hクローンのヌクレオチド
配列はIL−1遺伝子のやや大きな3′側面領域よりな
るものである。
合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたcDNAライ
ブラリーのスクリーニング 2C1クローンの部分に対応する放射線標識合成オリゴ
ヌクレオチドをプローブとして用いて上記調製cDNA
ライブラリーのスクリーニングを行う。合成オリゴヌク
レオチドプローブとライブラリークローンから調製され
たプラスミドcDNAとのハイブリッド形成は引き続い
てオートラジオグラフィーにより確認される。好ましく
は、このプローブはアンチセンス鎖から次の組成で構成
されるのがよい:5′−GTTGGTTCCACTCT
TAC−3′。この特別のプローブの構成は第1図のヌ
クレオチド番号975〜959に対応する。このプローブは容
易に合成されるに十分に短く、且つIL−1遺伝子のプ
ローブとして有用であるために十分な情報を含有するに
十分に長いという利点を有する。又、この同一のプロー
ブを以下に述べる2C1断片の配列決定のための連鎖−
停止操作におけるプライマーとして使用する。
上記オリゴヌクレオチド配列は本発明の合成プローブの
好ましい組成であるが、2C1断片のヌクレオチド配列
の他のセグメントに対応するその他の組成のプローブも
又本発明の趣旨或いは範囲から離れることなく使用され
得ることが了解されるべきである。
この合成オリゴヌクレオチドプローブは周知の技術、例
えば、ホスホジエステル或いはトリエステル法により化
学的に合成することができる。トリエステル合成技術の
詳細はスード等(Sood et al.)4ニュークレイック・
アシッド・リサーチ(Nucl.Acid Res.)2557(1977
年);及びヒロセ等(Hirose et al.)、28テク・レッ
ト(Tec.Lett.)2449(1978年)に示されている。合成
後、このオリゴヌクレオチドプローブはT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ及び32P−ATPで標識される。標準的
標識操作の手法は上記マニアティス等(Maniatis et a
l.)122に示されている。このオリゴヌクレオチドプロ
ーブはOH−5′末端を有して合成することにより典型
的に必要とされるホスファターゼ操作を回避するのが有
利である。
この標識オリゴヌクレオチドプローブを使用して上記サ
ザーンブロッティング法を使用してほぼ2000個の形質転
換体のプールから上記Pvu II及びHind III消化プラスミ
ドDNAのスクリーニングを行う。このプローブにハイ
ブリッド形成する特異的DNA断片がオートラジオグラ
フィーにより確認される。オートラジオグラフィーに従
って信号を与える特別のクローンのプールをプレートか
ら取り出し、同一の上記オリゴヌクレオチドプローブを
用いてニトロセルロース紙上において直接細菌コロニ
ーハイブリッド形成に使用する。ハイブリッド形成完結
後、ニトロセルロース紙をオートラジオグラフィーに
より追跡して陽性コロニーを確認する。本発明者らはそ
の様な二つの陽性のコロニーを見出し、それから5B及
び8Aと称されるプラスミドDNAを調製した。
5B及び8Aの両クローンの核酸配列は下記に詳説する
連鎖−停止法により分析する。第1図に示されている如
く、5Bクローンの組成はヌクレオチド番号591からヌ
クレオチド番号995まで伸長し、8Aクローンの組成は
ヌクレオチド番号448から1203まで伸長している。又第
2図を参照すると、両クローンはIL−1遺伝子の開放
読み取り枠乃至遺伝子の3′側面領域に伸長し、先に単
離した2C1及び9Hクローンの両者に重複する。
8Aクローン−由来プローブを用いたcDNAライブラ
リーのスクリーニング 8Aクローンの主たる5′部分をハイブリッド形成プロ
ーブとして使用して更に上記調製されたcDNAライブ
ラリーのスクリーニングを行った。好ましくはこのプロ
ーブは8Aクローンからの5′Pst I-Hae III断片により
構成される(第1図のヌクレオチド番号448〜771に対
応)。このプローブは8Aクローンを制限酵素Hae III
及びPst Iで消化し、次いで所望の断片を電気泳動によ
り単離することにより調製される。スクリーニング操作
に使用するためには、この5′Pst I-Hae III断片は上記
の如くニックトランスレーションにより放射線標識させ
る。
この様に調製されたプローブを用い、上記サザーンブロ
ッティング技術を用いてcDNAライブラリーのスクリ
ーニングを行う。標識プローブにハイブリッド形成する
特異的DNA断片はオートラジオグラフィーにより確認
される。この方法により、本発明者らは一つの陽性コロ
ニーを見出し、これから5Fと称されるプラスミドDN
Aを調製した。この5Fクローンのヌクレオチド配列は
又連鎖−停止法により決定され、ヌクレオチド番号6〜
616として第1図に示されている。第2図に示されてい
る如く、この5FクローンはIL−1遺伝子の開放読み
取り枠の主たる5′部分を構成し、5B及び8Aクロー
ンの5′部分に重複する。
5Fクローン−由来プローブを用いたcDNAライブラ
リーのスクリーニング 上記調製されたcDNAライブラリーは又、5Fクロー
ンの5′断片で構成されたプローブでスクリーニングさ
れた。このスクリーニング操作は上記の5′Pst I-Hind
IIIプローブを用いた場合と実質的に同一である。この
5′Pst I-Hae III断片で構成された特別のプローブは
5′クローンをHind III及びPst I制限酵素で消化した
後、電気泳動を用いて残存プラスミド断片から所望プロ
ーブを単離することにより調製された。
更にこのスクリーニング操作を使用することにより、本
発明者らは更に18E及び10Aと称される二つのクローン
を単離した。このヌクレオチド配列分析から本発明者ら
は18Eクローンは第1図のヌクレオチド番号−45からヌ
クレオチド番号652に伸長することを確認した。10Aク
ローンは約ヌクレオチド番号−45から約ヌクレオチド番
号1150まで伸長している。更に第2図に示されている如
く、両クローンは5B、8A、5Fクローンの5′末端
部分に重複し、IL−1遺伝子の5′側面領域に伸長し
ている。又、10Aクローンは遺伝子の全開放読み取り枠
に亘っている。了解される如く、第1図は上記クローン
即ち2C1、9H、5B、8A、5F及び18Eの各々を
正しい順序及び配向において組み合わせて作られたもの
であり、これはこれらのクローンの重複する性質により
可能となったものである。
スクリーニングされたcDNAの特性化 前記の単離されたプラスミドcDNAクローンは連鎖−
停止方法を用いて配列決定される。このヌクレオチド配
列決定方法はサンガー等(Sanger et al.)、70プロシ
ーディングズ・オブ・ナチュラル・アカデミック・サイ
エンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)(USA)5463(1977
年)により始められたものであった。米国特許4,322,49
9号明細書参照。連鎖−停止配列決定方法は「M13クロ
ーニング及び配列決定(M13Cloning and Sequencin
g)」と題されるアマーシャムハンドブック(Amersham
Handbook)、ブレンハイム クレセント、ロンドン(Bl
enheim Cresent,London)(1983年)(以下「アマーシ
ャムハンドブック」と略称する);メッシング(Messin
g)、2リコンビナント・DNA・テクニカル・ブリテ
ィン(2Recombinant DNA Technical Bulletin)、
NIHパブリケーション(NIH Publication)No.79
-99、2、43-48(1979年);ノランダー等(Norrander
et al.)、26ジーン(Gene)101(1983年);セレッテ
ィ等(Cerretti et al.)、11ヌクレイック・アシッズ
・リサーチ(Nucl.Acids.Res.)2599(1983年);及び
ビギン等(Biggin et al.)80プロシーディング・オブ
・ナチュラル・アカデミック・サイエンス(Proc.Natl.
Acad.Sci.)(USA)3963(1983年)などに示されて
いる。M13フィラメント状ファージをベクターとして使
用して対象となるDNA配列のクローニングを行った。
これらのファージベクターは連鎖−停止法により容易に
配列決定される一本鎖DNA鋳型を提供する。この方法
は遊離3′ヒドロキシ基を有する短いプライマー鎖を用
いた一本鎖鋳型分子を用意し、次いでDNAポリメラー
ゼを用いてこの鋳型鎖を全ての四つのデオキシリボヌク
レオチドトリホスフェート即ちdATP、dCTP、d
GTP及びdTTP(集合的に「dNTP類」と称す
る)を用い、それらの一つを放射線標識した連鎖伸長反
応において複写する。この合成反応において、3′−ヒ
ドロキシル末端を欠くヌクレオチド特異性の連鎖停止剤
例えば2′,3′ジデオキシヌクレオチドトリホスフェー
ト(「ddNTP」)を使用して一連の異った長さの鎖
伸長を生成する。この停止剤は成長するDNA鎖に導入
されるように正常の5′末端を有するが3′ヒドロキシル
末端に欠ける。一度停止剤がDNA連鎖中に組み込まれ
るとそれより更にデオキシヌクレオチドトリホスフェー
ト類は付加することができず、鎖の成長は停止する。各
々四つのヌクレオチドdNPT類、即ちdATP、cC
PT、dGTP、及びdTTPの一つのddNTPを有
する四つの別々の合成反応が行われる。正常なdNTP
類の一つが合成鎖がポリアクリルアミドゲル上でサイズ
により分類された後にオートラジオグラフィーにかけら
れるように放射線標識される。これらの四つの反応から
の連鎖伸長は別々のゲルレーンに隣合っておかれるの
で、オートラジオグラフィーからの断片のパターンはク
ローン化されたDNAのDNA配列に対応する。
上記の如く、各種クローンのDNA及び各種対応するア
ミノ酸配列が一緒に第1図に示されている。これらのク
ローンの重複する性質が適当な順序及び配向で配列され
ることを可能にしている。ヌクレオチド塩基及びアミノ
酸残基はIL−1遺伝子に対する開放読み取り枠の5′
末端、即ち星印を付けたATGコドン/Met残基から始
まって番号を付されている。アミノ酸の付番は停止コド
ンTAGに隣接して存在するAla残基(No.271)まで伸
びている。ヌクレオチド塩基の付番は第1図に示された
配列の最後まで伸びている。又、IL−1遺伝子の5′
側面領域に伸長するヌクレオチド配列の部分はマイナス
番号が付されている。ロメディコ等(Lomedico et a
l.)312ネイチャー(Nature)、(ロンドン)458(1984
年11月29日)で同定されたネズミIL−1遺伝子から測
定された成熟IL−1蛋白質のコード化領域はSer残基
からTAG停止コドン(ヌクレオチド337〜813)まで伸
長している。各種制限酵素切断部位も又第1図に示され
ている。
配列決定操作の準備において、第2図に示されるクロー
ンは各種制限酵素により消化され、次いで得られたDN
A断片がM13ファージベクター中にクローニングされて
一本鎖DNA鋳型を形成する。ある万能プライマーを使
用してクローンのセンス及びアンチセンス鎖の配列決定
を行う。単一成長停止操作を用いた断片の全長の配列決
定から得られた配列結果に頼る代りに、更に合成的に生
成されたプライマーを用いて鎖の長さに沿った他の中間
位置から鎖成長停止操作を開始する。この操作により、
上記確認された各種クローンを重複して配列決定して配
列を重複して確認するのに役立つ。
上記素描した連鎖−停止技術を用いる代りに本発明の趣
旨或いは範囲から離れることなくその他の公知の方法を
利用してIL−1遺伝子の配列決定を行うことができ
る。例えば、74プロシーディング・オブ・ナチュラル・
アカデミック・サイエンス(Proc.Nat′l Acad.Sci.)
(USA)560(1977年)のマクサム及びギルバート(M
axam and Gilbert)の化学的分解方法を使用することが
できる。
cDNAクローンからの機能的IL−1の発現 IL−1遺伝子のcDNAコード化領域が機能的ヒトI
L−1をコード化するか否かを決定するためにこの遺伝
子を哺乳動物細胞内で発現させ、次いで上記生物学的ア
ッセイで試験を行う。第1図に示されたIL−1遺伝子
の全開放読み取り枠を含有するcDNA断片を部分的に
シミアンウイルス40(Simian virus 40)(「SV4
0」)に由来するプラスミドベクター中に挿入する。こ
のウイルスのゲノムは単一の小さな共有的に閉じた環状
DNA分子よりなりその全ヌクレオチド配列は決定され
ている:フィアス等(Fiers et al.)、237ネイチャー
(Nature)(ロンドン)113-120(1978年);及びレデ
ィ等(Reddy et al.)、200サイエンス(Science)494-
502(1978年)。このpMLSV−IL−1αと称され
る構成された発現ベクターは第3図に図示されている。
このpMLSV−IL−1α発現ベクターは哺乳動物細
胞内にトランスフェクションされる。引き続くインキュ
ベーション後、細胞を収穫し、直接胸腺細胞有糸分裂ア
ッセイ及び上記IL−1転換アッセイを用いて成熟ヒト
IL−1の発現のアッセイを行う。本発明者らはpML
SV−IL−1αプラスミドでトランスフェクションさ
れた細胞により中程度の割合のIL−1が産生され、活
性の大部分は細胞抽出物中に見出されたということを発
見した。これは哺乳動物細胞がIL−1を効率的に分泌
することができなかったことを示唆している。これはお
そらくIL−1がマクロファージにより活発に分泌され
ずその代り損傷細胞により放出されていることを示唆す
るものである。或いは又恐らくマクロファージはIL−
1をその他の分泌蛋白質の機構とは異った機構によって
運ぶことが出来るのかもしれない。
生物学的に活性なIL−1の発現に必要とされるIL−
1遺伝子の必須部分を検討するために、IL−1遺伝子
のSer113をコード化するコドンTCA(ヌクレオチド番
号337、338及び339)からAla271をコード化するコドンG
CG(ヌクレオチド番号811、812及び813)に伸長するC
−末端部分をPL転写の熱不安定性レプレッサーを含有す
るE.コリを形質転換するために使用された発現ベクタ
ー中に挿入した。熱誘発時に本発明者らは細胞が極めて
高いIL−1活性を産生したことを見出した。これはI
L−1の生物学的活性がIL−1分子のC−末端の159
個のアミノ酸内に存在することを立証するものである。
本発明の方法及び生成物を更に下記の具体例により例示
する。
例1 ポリアデニル化mRNAの調製 ヒト全血〔ポートランド、オレゴン レッド クロス
(Portland,Oregon Red Cross)からの混合物〕から得
られた350〜400mlの容量の白血球濃縮物をヒストパーク
(Histopaque)〔シグマケミカルカンパニー(Sigma Ch
emical Company)、ミズーリー州、セントルイス(St.L
ouis,MO)〕上に重層されたCa 、Mg のないリン酸緩衝
化塩水(「PBS」)と混合して稀釈し、次いで室温で
600×gで30分間遠心分離した。白血球よりなる界面層
を回収し、PBSで洗浄し、室温で400×gにおいて10
分間遠心分離した。細胞をCa 、Mg のないPBS中で
更に2回洗浄し、各洗浄後200×gで10分間遠心分離し
た。
細胞を次いで10%ウシ胎児血清(v/v)と共にロスウェ
ル・パーク・メモリアル・インスチチュート(Roswell
Park Memorial Institute)(「RPMI」)−1640培
地中に含ませてプラスチック培養フラスコに添加した。
37℃における2時間のインキュベーション後、非付着細
胞を傾瀉分離し、フラスコに次いで追加の20μg/mlの
E.coliLPSを20μg/mlで含有するRPMI−1640培
地を補充した。16時間後付着LPS刺戟細胞をRNAの
ために収穫した。
全RNAを一般的に上記チルグイン等(Chirgwin et a
l.)により説明されている方法により単核細胞から抽出
した。この方法においては、グアニジニウムチオシアネ
ートを用いてRNaseによるRNA加水分解の速度を越え
る速度でRNaseを含む細胞蛋白質を変性した。mRNA
は細胞蛋白質からエタノール沈澱後8MグアニジンHC
l、25mM酢酸ナトリウムを用いて再懸濁(抽出)して取
り出した。グアニジンHCl抽出RNAを次いで等容量の
フェノール/クロロホルム:イソアミルアルコール(25
容量/24容量:1容量)で再抽出した。このような抽出
工程から得られたRNAを含有する水相を次いで50mM酢
酸ナトリウム濃度にし、0.6容量エタノールを添加して
沈澱させた。RNAは−20℃で冷凍した後遠心分離によ
り集めた。
その後、ポリアデニル化mRNAを上記マニアティス等
(Maniatis et al.)により197頁において開示された方
法を用いるオリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフ
ィカラム上で抽出蛋白質から分離した。簡単に説明する
と、カラムを20mM Tris-Cl(pH7.6)、0.5M NaCl、1mM
エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)及び0.1%ド
デシル硫酸ナトリウム(「SDS」)よりなる適用緩衝
液で準備した。蛋白質ペレットを水及び適用緩衝液に溶
解させ、次いでカラムに負荷した。非吸着物質を適用緩
衝液の初期洗液により溶出し、次いで更に0.1M NaClを
含有する適用緩衝液による洗液により溶出した。保持ポ
リアデニル化mRNAは10mM Tris-Cl(pH7.5)、1mM
EDTA及び0.05%SDSよりなる減少したイオン強度
の緩衝液で溶出した。溶出したポリアデニル化mRNA
は−20℃において1/10容酢酸ナトリウム(3M、pH5.
2)及び2.2容のエタノールで沈澱させた。ポリアデニル
化mRNAをオリゴ(dT)−セルロースカラムから溶
出後ポリアデニル化mRNAの安全性は上記マニアティ
ス等(Maniatis et al.)、199において詳説されている
アガロースゲルを通しての電気泳動により確認された。
ポリアデニル化mRNAはメチル水銀アガロースを通し
ての電気泳動によりサイズ分けした。mRNAの異った
サイズ分類に対応するゲル画分を次いでウサギ網状赤血
球溶解物を用いるか或いは上記の如きカエルX.ラエビ
ス(X.laevis)卵母細胞中の注射のいずれかによりin v
itroで翻訳させた。網状赤血球翻訳或いはmRNA注射
卵母細胞により放出された液を次いで上記アッセイを用
いてIL−1活性の存在について試験した。in vitroで
翻訳された際にIL−1活性を与えたmRNAゲル画分
をcDNA構成のためのmRNA源として選択した。
例2 cDNAライブラリーの構成 例1の精製されたmRNAから上記ガブラー及びホフマ
ン(Gubler and Hoffman)により修正された上記マニア
ティス等(Maniatis et al.)、229に詳説されている標
準的方法を用いてmRNAに対応する二本鎖cDNAの
ライブラリーを調製した。オリゴ−dTをmRNAのポ
リアデニル化尾部にハイブリッド形成して第1cDNA
鎖の逆転写のためのプライマーとして用いた。鳥類の骨
髄芽球症ウイルス(「AMV」)逆転写酵素がこのmR
NAを鋳型として用いることにより第1cDNA鎖を合
成した。簡単に説明すると、第1cDNA鎖の合成は50
mM Tris・HCl(pH8.3)、10mM MgCl2、10mMジチオスレイ
トール(「DTT」)、4mM Na・ピロホスフェート、
1.25mMdGTP、1.25mMdATP、1.25mMTTP、0.5m
MdCTP、15〜20μCiの〔α−32P〕dCTP(3,000C
i/mmol)、100μg/mlのオリゴ(dT12-18)、150μg/m
lのmRNA(例1から)、3000単位のAMV逆転写酵
素/mlを含む20〜40μの反応容積内で行われた。反応
は43℃で30分間行われ、次いでEDTAを20mMまで添加
して停止した。反応生成物はフェノールで抽出し、オカ
ヤマ及びベルグ(Okayama and Berg)、2モレキュラー
・セルラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.)、161〜1
70(1982)により記載されている2M NH4・アセテート
からエタノールで沈澱させた。第2のcDNA鎖は上記
の20mM Tris・HCl(pH7.5)、5mM MgCl、10mM(NH4)2S
O4、100mM KCl、0.15mMβ−NAD、50μg/mlBSA、
40μm dNTPs、8.5単位/mlのE.coli RNase H、2
30単位/mlのDNAポリメラーゼI、10単位/mlのE.コ
リDNAリガーゼの100μを含有する反応液中で合成
された。この混合物を12℃で1時間インキュベートし、
次いで更に22℃で1時間インキュベートした。その後E
DTAを20mMまで添加して反応を停止した。得られた二
本鎖cDNAを上記の如くフェノールを用いて抽出し
た。
この二本鎖cDNAをセファクリルS−400(Sephacryl
S-400)〔ファーマシア・ファイン・ケミカルズ(Phar
macia Fine Chemicals)〕のカラムクロマトグラフィー
によりサイズ分画し、pBR322DNAの末端標識断片
を分子量マーカーとして使用するアルカリアガロース電
気泳動を用いる分析により追跡した。500bp未満の長さ
を有するDNA鎖はこれらのサイズの小さいcDNA画
分の不必要なクローニングを避けるために除去した。
上記の如く調製された二本鎖cDNA画分は、上記マニ
アティス等(Maniatis et al.)により239頁から開示さ
れている方法によりpBR322プラスミド〔ファーマシ
ア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemical
s)〕のPst1部位に挿入した。この操作において、二本
鎖cDNAにその3′末端においてポリ(dC)尾部を
つけた。プラスミドpBR322はPst1制限酵素で消化し
た後その3′末端においてポリ(dG)の尾部を付け
た。この尾部付着プラスミドDNA及び尾部付着cDN
Aをアニーリング緩衝液(0.1M NaCL、10mM Tris-ci(p
H7.8)及び10mMEDTA)を用いてアニーリングし、新
規組み換えプラスミドを形成した。ここに記載される全
ての制限酵素はニューイングランド バイオラブズ(Ne
w England Biolabs)〔マサチューセッツ、ベバリー(B
everly,Massachusetts)〕から市販されているものであ
る。
これらの組み換えプラスミドはE.coli細胞が高割合のMg
2+中の生育により調製される上記ハナーン(Hanahan)
の方法を用いてE.coliMM294株中に形質転換された。
形質転換宿主をプレート培養し、次いでテトラサイクリ
ンを表現型確認物質として用いて確認した。この技術を
用いることにより、本発明者らはほぼ4×104個の独立
の形質転換体を得た。
例3 ハイブリッド形成選択によるcDNAライブラリーのス
クリーニング 上記例2において調製した形質転換体について、先ずハ
イブリッド選択法によりIL−1遺伝子のスクリーニン
グを行った。この方法において、形質転換体のうちほぼ
2000個の最も大きいコロニーを選び出し、テトラサイク
リン(25〜75μg/ml)を補給したルリア プロス(Lur
ia broth)よりなる液体培地中において96ウェルプレー
ト内で生育させた。これらのほぼ2,000個のコロニーの
内各々48個の16のプールをスクリーニングのために選び
出した。プラスミドDNAを宿主細菌の選ばれた試料か
らイシュ−ホロビッツ(Ish-Horowicz)及びバーク(Bu
rke)、9ニュークレイック・アシッド・リサーチ(9N
ucl.Scid.Res.)2989(1981)により詳説されている標
準的アルカリ溶解法により除去し、次いでセファクリル
S−400(Sephacryl S-400)カラム〔ファーマシア・フ
ァイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ニ
ュージャージ州ピスカッタウェイ(Piscataway,NewJers
ey)〕上のゲル過クロマトグラフを行った。単離され
たプラスミドをBam HI制限酵素を用いて完全に消化して
線形化した。この目的のために、プラスミドを50μの
緩衝液〔7mMトリス(pH7.4)、7mM塩化マグネシウ
ム、6mM NsCl〕中に再溶解し、次いで5μのBamHI制
限酵素を添加した。この混合物を37℃で1時間インキュ
ベートした。
次に、750μの20mM Tris-HCl、1mMのEDTA(pH7.
5)を添加した後10分間沸騰させることによりパンセス
等(Panses et al.)、78プロシーディング・オブ・ナ
チュラル・アカデミック・サイエンス(Proc.Nat′l.Ac
ad.Sci.)(USA)2253(1981)の方法に従って5μ
gのプラスミドDNAをニトロセルロースプロッティン
グ用に調製した。プラスミドDNAを室温で・750μ
の1N NaHOを20分間添加することにより更に変性させ
た。この混合物を次いで4.5mlの緩衝液〔250mM Tris HC
l(pH8.0)、150mMクエン酸ナトリウム、1.5M NaCl、.
25M HCl〕中に再懸濁させた。
その後、プラスミド消化物をシュライヒャー(Schleich
er)及びシュウェール(Schuell)のマニホールド・ド
ット・プロット装置を用いてニトロセルロース上で過
した。転移操作後、フィルターを風乾し、約80℃で2時
間焼付け、DNA断片をニトロセルロースに結合させ
た。次に、個々のクローンプールに対応するニトロセル
ロースの個々の円盤(約0.5cm)をニトロセルロースシ
ートから切り出し、2mlのH2O中で10分間煮沸した。こ
れらのニトロセルローススポットを80℃で2時間風乾さ
せた。
ニトロセルロース円盤に結合したDNAを次いで先にエ
タノール沈澱させた全IL−1活性mRNAとハイブリ
ッド形成させ、ハイブリッド形成溶液中に再懸濁させ
た。この目的のためには、約25μgの全mRNAを2.5
μのH2O、5μのホルムアミド及び2.5μの4×ハ
イブリッド形成塩〔400mMPIPES緩衝液(pH6.4)、
1.6mM NaCl及び40mM EDTA(pH8.0)〕中に懸濁さ
せた。ハイブリッド形成操作において、円形ニトロセル
ローススポットを10μの上記mRNA混合物と共に多
重ウエルマイクロタイタープレートの個々のウエル中に
入れ、次いで100μの無菌パラフィン油で覆った。マ
イクロタイタープレートは、一晩50℃において水浴上に
浮かばされた。一晩のハイブリッド形成後、紙に取り
出し、個々のポリプロピレンチューブに入れ、次いで10
回(洗浄当り1分間)65℃で1×クエン酸ナトリウム塩
水(「SSC」)(20×SSCは800mlのH2O中175.3g
のNaCl及び88.2gのクエン酸ナトリウムで構成され、pH
は10N NaOHで7.0に調整されている)、及び.2%ドデシ
ル硫酸ナトリウム(「SDS」)で洗浄した。紙を次
いで5回.2×SSCで洗浄した。
その後、紙円盤に200μの6.6μg/ml酵母tRNA
〔シグマ ケミカル社(Sigma Chemical Co.)、ミズー
リ州、セントルイス(St.Louis,Missouri)〕を有する
溶出溶液H2Oを添加し、次いで3分間沸騰水浴中でイン
キュベートさせ、次いでチューブを氷中に浸漬して冷却
することにより、ハイブリッド形成されたmRNAを
紙結合DNAから溶出した。溶液を次いで無菌1.5ml遠
心管に移した。更に100μの溶出溶液を紙に添加
し、次いでインキュベーション及び冷却操作を繰り返し
た。これを前記溶出液と共にプールした。次に、NaClを
溶出溶液(300μ全容積)に添加して、それを.3M
NaCl濃度にした。その後、2容のエタノールを添加
し、混合物を−70℃に冷凍した。RNAを引き続き遠心
分離により回収した。
得られたエタノール沈澱、ハイブリッド選択mRNAを
上記ウサギ網状赤血球溶解物法を用いてin vitroで翻訳
させた。この網状赤血球溶解物翻訳により放出された液
体について、上記胸腺細胞増殖及び/又はIL−1転換
アッセイを用いてIL−1活性の存在について試験を行
った。
上記方法により、一つのクローンのプールが陽性信号を
与えた。この48個のコロニーのプールを各6個のコロニ
ーの八つのプールに小分割し、次いで上記ハイブリッド
形成選択操作を繰り返した。その結果、二つの陽性のサ
ブプールが明らかになり、これらのサブプールを個々の
コロニー(全部で12個)に分割し、上記ハイブリッド形
成操作を再び繰り返した。この方法により、本発明者ら
は一つの陽性のコロニーを見出した。2C1と称される
プラスミドDNAをこの特別の陽性コロニーから上記標
準的アルカリ溶解法により調製した。
例4 スクリーニングされた2C1クローンの配列決定 この2C1クローンを上記アマーシャム ハンドブック
(Amersham Handbook)に実質的に記載され、以下の変
更を行ったジデオキシ連鎖−停止法により配列決定し
た。DNAセグメントをRsa I、Hae III及びPst I制限
酵素の各種組み合わせを用いて消化し、次いで得られた
DNA断片をM13一本鎖フィラメント状ファージベクタ
ーのmp18及びmp19株〔アマーシャム(Amersham)、イリ
ノイ州アーリントンハイツ(Arlington Heights,Illino
is)〕中にクローン化した。上記ノランダー等(Norran
der et.al.)に示されているmp18及びmp19ファージベク
ターは次の独特なクローニング部位を有する:Hind II
I;Sph I;Pst I;Sal I;Acc I;Hinc II;Xba I;Bam
HI;Xma I;Kpn I;Sat I;及びEcoRI.mp18及びmp19ベ
クターの組成は上記制限部位の順序がmp19ベクターにお
いてDNAセグメントの両方の鎖が二つのベクターで便
利に配列されるように逆転されていることを除いては同
一である。第1図のcDNAセグメントの断片を挿入さ
れたmp18及びmp19ベクターを用いて、菌株K12のE.コリ
JM103及びJM105〔ベテスダ・リサーチ・ラボラトリ
ーズ社(Bethesda Research Laboratories)、メリーラ
ンド州ベテスダ(Bethesda,Maryland)〕を形質転換
し、センス及びアンチセンス鎖の一本鎖挿入物を含有す
る複製一本鎖DNA鋳型を生成した。
合成万能プライマー:5′-CCCAGTCACGACGTT-3′〔P−
Lバイオケミカルズ(P−L Biochemicals)ウィスコ
ンシン州ミルウォーキー(Milwaukie,Wisconsin)〕を
これらの一本鎖DNA鋳型にアニーリングさせ、上記D
NA合成を開始するのに使用した。その後伸長断片をゲ
ル電気泳動によりサイズ分離し、オートラジオグラフィ
ーを行い、それから断片のヌクレオチド配列を演繹し
た。更に別のプライマーを使用して第2図のDNAセグ
メントのアンチセンス鎖に沿った中間位置から合成を開
始した。ヌクレオチド番号959〜975(第1図)に対応す
る5′-GTTGGTTCCACTCTTAC-3′の組成を有するプライマ
ーを用いて、このアンチセンス鎖の合成を開始した。こ
のプライマー鎖の組成は万能プライマーを用いて先に得
られた配列情報から確立された。
上記「ウオークダウン(walk down)」法により、2C
1クローンの両鎖の配列決定を重複して行って、それら
のヌクレオチド配列を確認した。その他の合成プライマ
ーを用いても本発明の範囲から離れることなく鎖に添っ
たその他の位置からの鎖伸長を開始することが可能であ
ることが了解されるべきである。上記プライマー鎖は、
上記スード等(Sood et al.)及びヒロセ等(Hirose et
al.)に詳説されているトリエステル法により化学的に
合成された。しかしながら、その他の公知の技術、例え
ばホスホジエステル法などを用いてプライマー鎖を合成
することも可能であることが了解されるべきである。
ジデオキシ配列反応においてはデオキシアデノシン5′
(α−〔35S〕チオ)トリホスフェート(以下「dAT
P〔α−35S〕」と称する)が放射性標識として使用さ
れた。又、アマーシャムハンドブック(Amersham Handb
ook)の36頁に示されているゲルを用いる代りに6%ポ
リアクリルアミドゲルを使用した〔7M尿素100mM Tris
ホウ酸塩(pH8.1)、及び2mM EDTAを含有する0.4
mm厚の6%ポリアクリルアミドゲル〕。
上記の如く、2C1クローンのヌクレオチド配列は第1
図に示され、それは本発明により単離された個々のクロ
ーンを一緒に組み合わせることにより決定された大きな
3′側面領域と共にIL−1遺伝子の組成を含むもので
ある。第1図において、ヌクレオチド類はDNA配列の
始めから番号を付されており、ヌクレオチド配列から決
定される対応するアミノ酸は適当なコドンの下に示され
ている。2C1クローンはヌクレオチド番号860からヌ
クレオチド番号1,202まで伸長し、IL−1遺伝子の3′
側面領域の一部を構成する。
例5 放射線標識された2C1プローブによるcDNAライブ
ラリーのスクリーニング より大きなクローンを得ようとする努力に際して、全c
DNAライブラリーを再スクリーニングするプローブと
して2C1クローンを使用した。2C1プローブは上記
マニアティス等(Maniatis et al.)、108に示され又前
記本明細書でも論じた方法により、ニックトランスレー
ションによって放射線標識した。この方法によりプロー
ブは約3×108CPM/μgDNAの特定活性に標識さ
れた。スクリーニング実験計画において使用する前に、
標識プローブは100℃で10分間水中で煮沸した後氷上で
冷却して変性した。スクリーニング操作においては上記
で調製された約4×104個の形質転換体を2,000群にプー
ル分けし、次いで複製プラスミドを上記の如くアルカリ
溶解により形質転換体から抽出した。その後DNAをPs
t Iによる消化によってプラスミドから調製し、次いで
得られたDNAセグメントを適正な大きさのマーカーを
用いて0.8%アガロースゲルによる電気泳動により分画
した。このアガロースゲルを上記サザーン(Southern)
により記載されている標準的方法を用いてニトロセルロ
ースフィルター上に吸い取らせる。転移操作の後、紙
を風乾し、真空下に約80℃で2時間焼き付けてDNA断
片をニトロセルロースに結合させた。
この結合DNAをその後標識2C1プローブとハイブリ
ッド形成させた。簡単に説明すると、焼付けられたニト
ロセルロースを6×SSC中に予備浸漬させ、次いで6
×SSC、0.5%NP40洗剤、0.1%サルコシル、5×デ
ンハート(Denhardt)溶液(0.02%Ficoll、0.02%ポリビ
ニルピロリドン、0.02%BSA)及び100μg/ml変性サ
ケ精液DNA〔シグマタイプIII(Sigma Type III)、
ナトリウム塩〕よりなる予備ハイブリッド形成緩衝液中
において68℃で2〜4時間インキュベートした。紙を
次いでハイブリッド形成溶液内において32P−標識2C
1プローブ(5×105cpm/ml)で68℃において一晩イン
キュベートした。一晩のハイブリッド形成後、紙を室
温で十分に6×SSCで洗浄し、次いで0.6×SSCで6
8℃において30分間洗浄した。風乾後、紙を−70℃に
おいてオートラジオグラフィーにかけた。
ラジオグラフィーから本発明者らは数個のハイブリッド
形成バンドを見出した。ハイブリッド形成バンドを生成
したプラスミドDNAが得られたクローンのプールをプ
レートから取り出し、次いで上記と同一のハイブリッド
形成条件下に標識2C1プローブを用いてニトロセルロ
ース紙上における直接細菌コロニーハイブリッド形成に
用いた。この操作により、単一の陽性のコロニーが明ら
かになった。9Hと称されるプラスミドDNAがこのコ
ロニーから調製された。
その後、9Hクローンのヌクレオチド配列は上記例4で
説明した連鎖−停止法を用いて以下の変更を行って確認
された。9HクローンはRsa I、Hind III、Pst I及びSa
u 3Aの制限酵素を各種組み合わせにより消化することに
より配列決定のための準備を行ってから、得られたDN
A断片をM13ファージベクターのmp18及びmp19株中への
クローニングを行った。上記例4で説明した万能プライ
マーを用いる合成の他、3個の追加のプライマーを用い
て9Hクローンのアンチセンス及びセンス鎖に沿った中
間位置から合成を開示した。第1図のヌクレオチド番号
1,098〜1,114に対応する5′-GTAATATGGGTAGAGTC-3′の
組成を有するプライマーを使用してヌクレオチド番号1,
097から上流方向にあるアンチセンス鎖の合成を開始し
た。このプライマー鎖の組成は万能プライマーを用いる
ことにより得られた前記配列決定情報から確立された。
ヌクレオチド番号1,381〜1,397に対応する5′-TCATCTTG
AGGCTCGGC-3′の組成の第2の合成プライマーを用いて
ヌクレオチド番号1,380から上流方向のアンチセンス鎖
の配列決定を行った。ヌクレオチド番号1,581〜1,598に
対応する配列5′-CATTTTGGTCCAAGTTG-3′を有する第3
の合成プライマーを用いてヌクレオチド番号1,598から
下流方向のセンス鎖の配列決定を行った。
第1図に示される如く、連鎖−停止法により決定された
9Hクローンの配列におけるヌクレオチドはヌクレオチ
ド番号927〜1,979に伸長し、IL−1遺伝子のやや大き
な3′側面領域を含んでなる。又、第2図を参照する
と、9Hクローンは2C1クローンの主たる部分に重複
し、これによりこの領域におけるIL−1遺伝子のヌク
レオチド配列を確認している。
例6 2C1クローン−由来合成オリゴヌクレオチドプローブ
によるcDNAライブラリーのスクリーニング 2C1クローンの部分に対応する放射線標識合成オリゴ
ヌクレオチドを上記例3で調製したcDNAライブラリ
ーのスクリーニングにおけるプローブとして使用した。
このプローブは次の組成よりなるものであった: 5′-GTTGGTTCCACTCTTAC-3′。
この特別の構成は2C1クローンを連鎖−停止法により
配列決定する際に例4で使用した合成プライマーの組成
に対応するものである。このオリゴヌクレオチドプロー
ブは上記スード等(Sood et al.)及び上記ヒロセ等(H
irose et al.)により詳説されたトリエステル法により
化学的に合成されたものであった。
化学合成の完了後、これらのオリゴヌクレオチドプロー
ブの5′末端を32Pで標識した。標識化を容易にするため
に、オリゴヌクレオチドの5′末端はOH末端で合成し
てDNA断片の標識の際に典型的に使用されなければな
らないホスファターゼ処理を除外した。標識方法は1μ
の合成オリゴヌクレオチドを16μの32P−ATP(7
000Ci/mMI)、1μ(10U)のT4ポリヌクレオチド
キナーゼ及び2μの10Xキナーゼ緩衝液Iに添加する
ことを含むものであった。この10Xキナーゼ緩衝液Iは
0.5M Tria-Cl(pH7.6)、0.1M MgCl2、50mMジチオスレイ
トール、1mMスパーミジン及び1mM EDTAよりなる
ものであった。反応は37℃で30分間行われ、その後合成
されたオリゴヌクレオチドをフェノール/クロロホルム
で抽出した。標識プローブは未標識オリゴヌクレオチド
からセファデックスG−50(Sephadex G-50)カラム
Iファーマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fi
ne Chemicals)〕上のクロマトグラフィー或いは遠心分
離により分離した。
この標識オリゴヌクレオチドプローブを用いて同一のサ
ザーン(Southern)ブロッティング法を使用してPvu II
及びHind IIIを用いる消化により調製され、予備ハイブ
リッド形成が45℃で行われた他は例5と同様にしてハイ
ブリッド形成された線形化DNAのスクリーニングを行
った。又、一晩のプローブインキュベーションを45℃に
おいて行なった後、6×SSCによる室温洗浄を行い、
次いで0.6×SSCにより5分間洗浄を行なった。オー
トラジオグラフィーに従って陽性の信号を与えた特別の
クローンのプールをプレートから取り出し、上記と同一
ハイブリッド形成条件下に同一の標識オリゴヌクレオチ
ドプローブを用いてニトロセルロース紙上における直接
細菌コロニーハイブリッド形成に使用した。この操作に
より、本発明者らは二つの陽性のコロニーを見出し、そ
れらから5B及び8Aと称されるプラスミドDNAが調
製された。
これらの5B及び8Aクローンは次の変更を行なった例
4で説明したジデオキシ連鎖−停止法により分析され
た。5B及び8AクローンはRsa I及びPst I及びHae II
I制限酵素で消化され、次いで得られたDNA断片をM1
3ファージベクターのmp18及びmp19株にクローン化し
た。例3及び5において用いた合成万能プライマーの他
に、二つの追加のプライマーを使用して8Aクローンの
アンチセンス及びセンス鎖に沿った中間位置から合成を
開始した。ヌクレオチド番号568〜584(第1図)に対応
する組成:5′-CAATTGTATGTGACTGC-3′を有するプライ
マーを使用してヌクレオチド番号585から下流方向のセ
ンス鎖の合成を開始した。このプライマー鎖の組成は万
能プライマーを使用して先に得られた配列化情報から確
立された。組成:5′-TCAGCAGCACTGGTTGG-3′(第1図
のヌクレオチド番号597〜613に対応)の第2の合成プラ
イマーを用いて、ヌクレオチド番号596から上流方向の
アンチセンス鎖の配列決定を行なった。この配列決定操
作を通じて、5Bクローンの組成はヌクレオチド番号59
1からヌクレオチド番号995まで伸長し、8Aクローンの
組成はヌクレオチド番号448からヌクレオチド番号1203
まで伸長することを確認した。即ち、第2図に示される
如く、8Aクローンは5Bクローンの両末端に亘って重
複する。又、両クローンはIL−1遺伝子の開放読み取
り枠内から遺伝子の3′側面領域に伸長し、両クローン
は上記例3及び5において述べた2C1及び9Hクロー
ンの両者に重複する。8Aクローンは事実2C1クロー
ンの全長に亘って重複してIL−1遺伝子のヌクレオチ
ド配列を重複して確認するものである。
E.coli菌株RR1中に形質転換されたこの8Aクローン
はアメリカンタイプカルチャーコレクション(American
Type Culture Collection.「ATCC」)〔12361パー
クローンドライブ、ロックビル、メリーランド州20852
(12361 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 2085
2)〕に寄託No.39998として寄託されている。
例7 8Aクローン−由来プローブによるcDNAライブラリ
ーのスクリーニング 8Aクローンからの5′Pst I-Hae III断片(第1図のヌ
クレオチド番号448〜771に対応)をハイブリッド形成プ
ローブとして使用して上記例3において調製されたcD
NAライブラリーのスクリーニングを更に行った。この
プローブは8Aクローンから制限酵素Pst I及びHae III
による消化後アガロースゲル電気泳動を行って調製し
た。スクリーニング操作に使用するために、5′Pst I-H
ae III断片は上記例3において述べた様なニックトラン
スレーションにより約3×108CPM/μgDNAの特
定活性に放射線標識した。スクリーニング実験に使用す
る前に、標識されたプローブは100℃で10分間水中で煮
沸した後氷上で冷却して変性した。この様にして調製し
たプローブを用いて上記例5において説明したサザーン
(Southeran)ブロッティング技術によりcDNAライ
ブラリーをスクリーニングした。この操作により一つの
陽性のコロニーが明らかとなり、これから5Fと称され
るプラスミドDNAが調製された。
5Fクローンのヌクレオチド配列は例4で詳説したジデ
オキシ連鎖−停止法を次の変更を加えて使用することに
より確認された。5FクローンをPst I、Hind III及びE
co RIの制限酵素を各種組み合わせで消化した後得られ
たDNA断片をM13ファージベクターのmp18及びmp19株
中にクローン化した。
上記配列決定操作により、5Fクローンはヌクレオチド
番号6〜ヌクレオチド番号616に伸長する第1図に示さ
れたIL−1クローンの部分よりなることが判明した。
更に第2図を参照すると、5FクローンはIL−1遺伝
子の開放読み取り枠の主たる5′部分を構成することが
判明した。又、このクローンは上記例6で述べた5B及
び8Aクローンの5′部分に重複する。
例8 5Fクローン−由来プローブによるcDNAライブラリ
ーのスクリーニング 上記例7で説明したのと同様な方法により、cDNAラ
イブラリーを又5Fクローンの5′Pst I-Hind III断片
よりなるプローブでスクリーニングした。この第1図に
おけるヌクレオチド番号6からヌクレオチド番号190ま
で伸長する特別のプローブは、5FクローンをPst I及
びHind III制限酵素で消化後アガロースゲル電気泳動を
行って調製した。この5′Pst I-Hind IIIプローブを用
いて上記例5及び7で述べた同一のサザーン(Souther
n)ブロッティング技術を用いてcDNAライブラリー
のスクリーニングを行った。更にこのスクリーニング操
作により本発明者らは二つの陽性コロニーを見出し、そ
れから18E及び10Aと呼ばれるプラスミドDNAを調製し
た(それぞれ寄託番号39996及び39997としてATCCに
寄託)。
この18Eクローンを又次の変更を加えた上記例4で説明
したジデオキシ連鎖−停止法により配列決定した。18E
クローンをPst I、Eco RI及びHind III制限酵素で消化
後、得られたDNA断片をM13ファージベクターのmp18
及びmp19株中にクローン化した。
上記配列決定操作により、18EクローンはIL−1遺伝
子の5′側面領域のヌクレオチド番号−45からヌクレオ
チド番号652まで伸長する第1図に示されたIL−1ク
ローンの部分より構成されることが判明した。又、第2
図を参照すると、このクローンはIL−1遺伝子の開放
読み取り枠の主たる5′部分に亘り、完全に5Fクロー
ンの全長に亘り、8A及び5B遺伝子の5′部分に重複
する。
18Eクローンと同様に、10Aクローンはヌクレオチド遺伝
子の5′側面領域においてほぼヌクレオチド番号−45か
ら始まることが判明した。しかしながら、3′方向にお
いて10Aクローンは18Eクローンの3′末端を越えて伸長
するのみならず、又5Bクローンの全長並びにIL−1
遺伝子の開放読み取り枠に亘り約ヌクレオチド番号1150
までに至っている。
本発明者らにより見出された上記クローンの各々の重複
する性質のためにIL−1遺伝子の全開放読み取り枠並
びに遺伝子の5′側面部分及び広範な3′側面部分が決定
された。第1図におけるヌクレオチドは各方向において
開放読み取り枠の始めから番号が付されている。アミノ
酸はIL−1遺伝子の開放読み取り枠、即ち星印を付さ
れたMet残基、から番号が付され残基番号No.271に従う
停止コドンTAGまで伸びている。上記ロメディコ等
(Lomedico et al.)に述べられているネズミIL−1
遺伝子の配列に基づいて、本発明者らは成熟IL−1蛋
白質のコード化領域はSer残基(ヌクレオチド番号337)
からTAG停止コドン(ヌクレオチド番号813)まで伸
長していることを決定した。
例9 IL−1遺伝子の全開放読み取り枠を用いたIL−1の
発現 第1図に示されたIL−1遺伝子の全開放読み取り枠を
機能性ヒトIL−1が発現されるか否かを確認するため
に哺乳動物細胞のトランスフェクションのためのプラス
ミドベクター中に挿入した。トランスフェクションの行
われた細胞及び細胞生成物について、それらの胸腺細胞
増殖を促進するか或いはIL−1転換アッセイにおける
IL−2産生を誘発する能力によりIL−1の発現につ
いて分析した。IL−1遺伝子の全開放読み取り枠を含
有する10Aクローンからの878塩基対Pst I-Hinc II断片
をpMLSV−6発現ベクター中に挿入してpMLSV
−IL−1αと称されるプラスミド発現ベクターを産生
した。このpMLSV−6プラスミドは寄託番号53081
としてATCCに寄託されている。
このpMLSV−6ベクターはそのゲノムが完全に配列
決定された単一の小さな共有結合的に閉じられたDNA
分子よりなるSV40から主として得られたものである〔上
記フィアス等(Fiers et al.)及びレディ等(Reddy et
al.)〕。pMLSV−6ベクターは、SV40プラスミド
のコントロール領域(DNA複製開始点、エンハンサー
要素及び初期及び後期プロモーターを含む)(SV40コー
ディネート5107〜208)を含有する第3図に示した斑点
を付したボックス部分を含む四つの主たる部分を含むも
のである。このベクター部分は元々pSV2−dhfrベク
ターからHind III-Pvu II断片として得られたものであ
る〔スブラマニ等(Subramani et al.)1モレキュラー
・セル・バイオロジー(1Mol.Cell Biol.)854-864(1
981年)及びレボウイッツ及びワイスマン(Lebowitz an
d Weissman)、87カレント・トピックス・イン・マイク
ロバイオロジー・アンド・イムノロジー(Current Topi
cs IN Microbiology and Immunology)43(1979
年)〕。pMLSV−6プラスミド中に使用するために
Pvr II部位はBam HI部位に転換され、Hind III部位はXb
a I部位に転換された。
初期プロモーターから下流にpMLSV−6ベクターは
次の組成の合成ポリリンカーを含む: 5′CTAGATCGATGAATTCTCGAGATCTGCAGCTGGTACCAAGCTT 3′ ′3 TAGCTACTTAAGAGCTCTAGACGTCGACCATGGTTCGAAGATC
5′ このポリリンカーはXba I粘着末端を有し、次の制限部
位を含有する:Xba I;Cla I;Eco RI;Xho I;Bgl I
I;Pst I;Pvu II;Kpn I;及びHind III。
このプラスミドの斜線を付したボックス部分は元々上記
スブラマニ(Subramani)によりpSV2-dhfrプラスミドか
らBgl II-Bam HI断片として得られたSV40の小t抗原供
与及び受容スプライス接合部(SV40コーディネート4035
〜4656)及びSV40ポリアデニル化信号(SV40コーディネ
ート2469〜2706)を含有する。このBgl II部位は合成重
合体の隣接末端と対応するようにXba1部位に転換され
た。
pMLSV−6プラスミドの長い薄線部分はプラスミド
pBR322の誘導体であり、哺乳動物細胞中のDNA複
製を阻害する配列を欠くプラスミドpML2dから得ら
れたものである〔サーバー等(Sarver et al.)、79プ
ロシーディング・オブナチュラル・アカデミック・サイ
エンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)(USA)7147-7151
(1982年);及びルスキー及びボッチャン(Luakey and
Botchan)、293ネイチャー(Nature)79-81(1981
年)〕。
10Aクローンは標準的技術によりPst I及びHinc II制御
酵素により消化し、標準的技術、例えば上記マニアティ
ス等(Maniatis et al.)に詳説されている技術により
pMLSV−6プラスミドの合成ポリリンカーのPst I
及びPvu II部位に挿入し、プラスミドベクターpMLS
V−IL−1αを形成した。
上記の如く調製したpMLSV−IL−1αプラスミド
をCOS−7サル腎臓細胞(ATCC、メリーランド州
ロックビル Rockville,MD)に標準的技術により、例え
ばルースマン及びマグヌスン(Luthman and Magnusso
n)11ヌュークレイック・アシッド・リサーチ(Nucl.Ac
id Res.)1295(1983年)に記載されている方法を実質
的に用いてトランスフェクションした。COS−7細胞
(10cmプレート当り106個の細胞)の単層を10mM Tris
(pH7.5)を含有するダルベソコの修正イーグルス培地
(Dulbecco′S Modified Eagles Medium(DMEM)で
2回洗浄し、10mM Tris(pH7.5)、250μg/mlDEAE
−デキストラン(Dextran)〔分子量5×105;シグマケ
ミカル社、ミズーリー州セントルイス(Sigma Chemical
Company,st Louis MO)〕及び100μM クロロキンを
含む5mlのDMEM当り20μgのpMLSV−IL−1
αDNAに室温で8時間曝した。これらの細胞を10mM T
ris(pH7.5)を含有するDMEMでもう一度洗浄し生育
培地〔10%(v/v)ウシ胎児血清を有するDMEM〕を供給
した。これらの細胞を次いで37℃で5日間インキュベー
トし、その後IL−1活性を培地中及び細胞抽出物内に
おいてIL−1転換アッセイ及び直接胸腺細胞有糸分裂
アッセイの両者を用いて分析した。IL−1転換アッセ
イにより本発明者らは培地が約1400単位のIL−1活性
を示したのに対し、細胞抽出物は約4700単位の活性を示
すことを見出した。
例10 ヒトIL−1遺伝子の部分を用いた成熟IL−1の発現 Ser113をコードするコドン(ヌクレオチド番号337、338
及び339)からAla271をコードするコドン(ヌクレオチ
ド番号811、812及び813)まで伸長するIL−1遺伝子の
3′部分を発現ベクター中に挿入してE.coliにおけるI
L−1の発現を指示した。pILPαと称され、第4図
に図示されるこの発現ベクターはベースプラスミドpP
Lc28から構成された。このpPLc28プラスミドはA
TCCに寄託No.53082で寄託されている。プラスミドp
PLc28のゲノムはλファージPLプロモーターを含有す
る。第4図に図示される如く、このpPLc28プラスミ
ドはE.コリ中における高いDNA複製のための複製開
始点(プラスミドpBR322からのもの)および形質転
換E.コリ宿主の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子
(プラスミドpBR322からの「Ampr」)を含有する。
遺伝子の5′側面領域におけるAlu I部位(第2図におけ
る塩基番号351)からNde I制限部位(第2図中の塩基85
0)までのIL−1遺伝子の3′部分は標準的方法、例え
ば上記マニアティス等(Maniatis et al.)の104頁に示
されている方法によりAlu IおよびNde I制限酵素を使用
して10Aクローンから除去された。このIL−1遺伝子
セグメントはヌクレオチド番号337に正確に対応する如
何なる便利な制限部位も見出されなかったので、遺伝子
コード化領域の5′末端(ヌクレオチド番号337)から17
個のヌクレオチドの下流に位置するAlu I部位において1
0Aクローンから切断された。このIL−1遺伝子のコー
ド化領域の5′末端部分を戻し付加し、又、リボソーム
結合部位及び翻訳開始コドンをコード化領域の5′末端
に形成するためにある合成オリゴヌクレオチドを化学的
に合成した。このオリゴヌクレオチドの組成は下記表1
に示す如く、Eco RI粘着5′末端を含み、これに配列:T
AGGATAATTAで構成されるリボソーム結合部位が続き、次
いで開始コドンATGが続く。この開始コドンにSer117
の第2ヌクレオチドにおいて終るIL−1遺伝子のコー
ド化領域の5′末端が続く。表1に示されるオリゴヌク
レオチドは上記スード等(Sood et al.)及び上記ヒロ
セ等(Hirose et al.)に詳説されているトリエステル
技術により化学的に合成されたものであるが、このオリ
ゴヌクレオチドはその他の方法、例えばホスホジエステ
ル法によっても調製されることが出来ることが了解され
るべきである。
又、IL−1遺伝子のコード化領域をAlu I部位におい
て切断しないで第1図における10Aクローンは遺伝子の
コード化部分の5′側面領域における制限酵素部位にお
いて切断することが可能である。その後、この側面部分
のヌクレオチド類を逐次標準的技術により除去すること
が出来る。次に、Eco RI5′粘着末端、リボソーム結合
部位及び翻訳開始コドンよりなる合成オリゴヌクレオチ
ドをIL−1遺伝子の5′末端に結合することが出来
る。
このpPLc28発現ベクターは、ベクターを制限酵素Ec
o RI及びNde Iで標準的技術、例えば上記マニアティス
等(Maniatis et al.)、104に示されている技術により
完全に消化することにより合成オリゴヌクレオチド及び
IL−1遺伝子のコード化領域の切り出された主たる部
分に連結するために調製された。pPLc28プラスミド
の消化により得られた所望のより大きな断片は100ボル
トにおいて25℃で21/2時間1.5%アガロースゲル上にお
いて電気泳動を行うことにより単離した。
第4図に示される如く、合成DNAオリゴマー、IL−
1遺伝子のコード化領域の切り出された主たる部分及び
所望の線形化pPLc28断片は、50ナノグラム(ng)の
pPLc28ベクター断片(Eco RI-Nde I)、50ngの主た
るIL−1 cDNA断片(Nde I-Alu I)、5ngの合
成オリゴヌクレオチド(Alu I-Eco RI)、1単位のT4
DNAリガーゼ及び十分なT4リガーゼ緩衝液〔0.4M T
rin(pH7.4)、0.1M Mg Cl2、0.1Mジチオスレイトー
ル、10mMスパーミジン、10mM ATP及び1μg/mlB
SA〕により構成され、20μの反応容量を形成する反
応混合物中で一緒に連結された。この反応は25℃で15時
間インキュベーションすることにより行われた。
pILPαと称される得られた組み換えプラスミドを次
いでPLプロモーターの熱不安定性レプレッサーをコード
化する欠陥λリンゲンを含有するE.コリ菌株ΔH1中に
形質転換した。この形質転換操作においては、全連結ミ
ックスを有能ΔH1E.コリ(200μ)(ATCC#337
67)に添加した。この混合物を氷上に30分間設置した。
混合物を次いで4分間で30℃までパルス加熱し、L−ブ
ロス中において21/2時間生育させた。形質転換された
ΔH1宿主を次いでアンピシリン70μg/mlを含有する
L−ブロス中においてプレート培養した。発現実験のた
めにアンピシリン耐性ΔH1をL−ブロス中においてア
ンピシリンなしに30℃において720ナノメーターにおけ
る0.5の吸光度まで生育させた。
培養液を次いで1時間43℃に移してPLプロモーターの抑
制解除を促進させた。1時間の培養後、E.coli宿主の1
ml試料を4℃における遠心分離によりペレット化し、ド
ライアイスとメタノールの混合物に曝すことにより凍結
させた。1mlペレットを次いで50μの7Mグアニジン
塩酸塩に再懸濁させ、ドライアイス/メタノール上で再
凍結させた。グアニジン抽出物中の生物学的活性の存在
を次いで上記胸腺細胞有糸分裂及びIL−1転換アッセ
イにより確認した。本発明者らは、pIL1pαプラス
ミドはΔH1細胞ml当り838,433単位を越える生物学的
活性を発現することを見出した。これはIL−1遺伝子
のコード化領域がIL−1遺伝子の159アミノ酸C−末
端部分(ヌクレオチド番号337〜813)に存在することを
証明するものである。
本発明の対象である当業者にとって明らかな如く、本発
明は上記に開示された特別のもの以外の形態においても
本発明の趣旨或いは必須的特徴から離れることなく実施
することが可能である。従って、上記本発明の特別の実
施態様は全ての点において例示的なものであり、限定的
なものでないものであると考えられるわけである。本発
明の範囲は、前記説明の具体例に限定されることなく特
許請求の範囲に記載された通りのものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(3枚よりなる)はIL−1遺伝子のヌクレオチ
ド配列及び対応するアミノ酸配列を5′側面領域及び広
範囲の3′側面領域と共に図示するものであり、ヌクレ
オチドは各方向にIL−1遺伝子の開放読み取り枠の始
めから番号が付されており、対応するアミノ酸はこの同
一の位置即ち星印を付けたMet残基から残基番号271にお
ける停止コドンTAGまで番号が付されている。 第2図は第1図に示されたヌクレオチド配列に沿った本
発明により単離された各種クローンの位置及びクローン
の重複的性質を概略的に図示するものである。ボックス
で囲まれた部分は遺伝子の開放読み取り枠を表わし、ボ
ックスで囲まれた部分の斜線部分は成熟IL−1蛋白質
のコード化領域を示す。目盛は塩基対(「bp」)×102
で示されている。 第3図は、IL−1遺伝子の全開放読み取り枠を哺乳動
物細胞を形質転換して機能的IL−1を発現させるため
に使用されたSV40ベースの発現ベクターにクローニング
するために用いられた術策を図示するものである。 第4図は、IL−1遺伝子のコード化領域を細菌宿主を
形質転換して機能的IL−1を発現させるために使用さ
れたプラスミドにクローニングするために用いられた術
策を図示するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/25 (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 デイビツド、ジエー、コスマン アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 トウエルブス、アベニユ、イースト、310 (72)発明者 ケニス、エツチ、グラブスタイン アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 ナンバー、443、エヌ、イー、セブンテイ ーフイフス、ストリート、5829 (72)発明者 トマス、ピー、ホツプ アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 フイフテイーフアースト、エス、ダブリ ユ、4842 (72)発明者 シヤーリー、アール、クロンハイム アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 サーテイーシツクスス、エヌ、イー、 11526 (72)発明者 アルフ、デイー、ラーセン アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 ナンバー、15、サミツト、アベニユ、イー スト、320 (72)発明者 カール、ジエー、マーチ アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 エイス、エス、ダブリユ、8133 (72)発明者 ブルース、エー、モスリー アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 サーテイーシツクスス、アベニユ、エヌ、 イー、6833 (72)発明者 バージニア、エル、プライス アメリカ合衆国ワシントン州、シアトル、 ボイアー、アベニユ、イースト、2617 (56)参考文献 特開 昭61−149092(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列: Ser Ala 114 Pro Phc Ser Phe Leu Ser Asn Val Lys Tyr Asn Phe Mct Arg 128 Ile Ilc Lys Tyr Glu Phe Ile Lcu Asn Asp Ala Lcu Aon Gln 142 Ser Ile Ile Arg Ala Asn Asp Gln Tyr Lcu Thr Ala Ala Ala 156 Leu His Asn Leu Asp Glu Ala Val Lys Phc Asp Mct Gly Ala 170 Tyr Lys Scr Scr Lys Asp Asp Ala Lys Ilc Thr Val Ilc Lcu 184 Arg Ile Ser Lys Thr Gln Leu Tyr Val Thr Ala Gln Asp Glu 198 Asp Gln Pro Val Leu Leu Lys Glu Met Pro Glu Ile Pro Lys 212 Thr Ile Thr Gly Ser Glu Thr Asn Leu Leu Phe Phe Trp Glu 226 Thr His Gly Thr Lys Asn Tyr Phe Thr Ser Val Ala His Pro 240 Asn Leu Phe Ile Ala Thr Lys Gln Asp Tyr Trp Val Cys Leu 254 Ala Gly Gly Pro Pro Ser Ile Thr Asp Phe Gln Ile Leu Glu 268 Asn Gln Ala 271 から成る組換え成熟ヒトIL−1αポリペプチド。
  2. 【請求項2】前記ポリペプチドは形質転換された大腸菌
    (E.Coli)細胞中に生産される、特許請求の範囲第1項に
    記載の組換え成熟ヒトIL−1αポリペプチド。
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