JP3009381B2 - 成熟ヒト インターロイキン1 - Google Patents
成熟ヒト インターロイキン1Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインターロイキン1
(以下「IL−1」と称する)に関する。より詳しく
は、精製されたIL−1、IL−1の等質状態への精製
方法、並らびに精製されたIL−1のアミノ酸配列から
得られる合成オリゴヌクレオチドプローブを使用してI
L−1の遺伝子をクローニングしてIL−1メッセンジ
ャーリボ核酸(「mRNA」)から合成される相補的デ
オキシリボ核酸(「cDNA」)ライブラリーをスクリ
ーニングすること、およびスクリーニングされたIL−
1遺伝子の特性づけに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来文献において「リンパ球活性化因
子」即ち「LAF」として知られているIL−1はマク
ロファージにより免疫応答を行いながら産生されるホル
モンである。この蛋白質因子は広範囲の免疫学的及び非
−免疫学的応答を支配する。例えば、IL−1は、内因
性或いは白血球発熱物質、B−細胞活性化因子(BA
F)、表皮胸腺細胞活性化因子(ETAF)、白血球内
因性メディエータ(LEM)、慢性関節リューマチにお
ける骨吸収因子及び各種のその他の活性として称されて
いる活性を仲介するものと考えられている。その様なも
のとして、IL−1は上記活性を含むものとして本発明
において定義される免疫応答の治療の仲介を行うものと
して有望である。 【0003】研究者はこれまでにIL−1の多くの生物
学的特性を明らかにしてきたが、しかし、このホルモン
の化学的性質はよく理解されていない。今日まで、これ
は少なくとも部分的に必要な研究を行うために十分な量
の精製された形態でのIL−1が利用可能でなかったこ
とにより妨げられてきたものである。 【0004】過去において、ヒト及びネズミ源から得ら
れたIL−1を精製し、部分的に特性評価を行う試みが
なされている。例えばマイゼル[Mizel、122
J.Immunol.2167−2172(197
9)]はマクロファージ細胞系統P388D1からのネ
ズミIL−1の産生を報告している。培養液からのIL
−1が硫酸アンモニウム沈殿、ジエチルアミノエチル
(「DEAE」)セルロースカラムクロマトグラフィ
ー、限外濾過及びSephacryl S200カラム
クロマトグラフィーに付された。得られた活性画分は1
2,000〜16,000ダルトンの範囲の分子量を有
することが判明した。ポリアクリルアミドゲル中におけ
る等電点電気泳動によりIL−1のpIは5.0〜5.
4の範囲にあることが判明した。 【0005】引き続く報告において、マイゼル等[Mi
zel et al.,126 J.Immunol.
834〜837(1981)]は、上掲のマイゼエルの
文献において使用された同一のP388D1細胞系統か
らのIL−1を硫酸アンモニウム沈殿、フェニルセファ
ロースクロマトグラフィー、Ultrogel AcA
54ゲル濾過クロマトグラフィー及び調整用平坦−床I
EFにより「見かけ上の等質状態」まで精製することを
論じている。得られたIL−1は約4.9〜5.1のp
I及び約14,000ダルトンの分子量を有することが
判明した。 【0006】ブライデン等[Blydem et a
l.,118 J.Immunol1631−1638
(1977)]はSelphadex G−100カラ
ムクロマトグラフィーによりヒトの末梢血液白血球から
調製されたIL−1の濃縮方法を開示した。この方法は
粗製IL−1の4〜5倍の濃度が得られると報告され
た。粗製IL−1の調製の際に使用された血清からアル
ブミンを除去するためにDEAE−Bio−Gel A
アニオン交換クロマトグラフィーが使用された。次いで
集められた活性画分がヒドロキシアパタイトカラムに吸
着され、次いでCM−Bio−Gel Aカチオン交換
樹脂に適用された。これらの研究者はこれらの操作によ
り約20%の最初のIL−1が回収されたと報告されて
いる。得られたIL−1は約13,000ダルトンの分
子量及び約6.8〜7.2のpIを有することが判明し
た。 【0007】トガワ等[Togawa et al.,
122 J.Immunol.2112〜2118(1
979)]によりヒト白血球から調製された粗製IL−
1を先ず膜濾過に付し、次いでBio−Gel P−1
00クロマトグラフィーカラムにかけたところ、これは
2個の主たる活性ピークを示し、その一つは12,00
0〜22,000ダルトンの範囲にあるピークをもう一
つは約50,000〜70,000ダルトンの範囲のピ
ークを示した。低分子量領域の活性画分をプールし、次
いで青色Sepharoseカラム、DEAE−セルロ
ースイオン交換クロマトグラフィーカラム及びヒドロキ
シアパタイトクロマトグラフィーカラムにかけた。トガ
ワ等はこれらの操作の各々から得られる低分子量IL−
1活性が2%のヒト血清で戻され、濃縮され、及びBe
o−Gel P−100上で再クロマトグラフを行なわ
れると相当な部分の高分子量活性が出現することを発見
した。 【0008】ラッハマン[Lachman,42 Fe
deration Procee−dings 263
9−2645(1983)]は、急性単核細胞白血病或
いは急性骨髄性単核白血病患者から得られた末梢血液単
核細胞或いは白血病細胞からIL−1を調製することを
報告した、殆んどの血清蛋白質から低分子量活性を分離
するために中空糸透過濾過及び限外濾過が使用された。
この低分子量活性はアンホリン(Ampholine)
及びショ糖勾配中におけるIEFに付された。この方法
によりIL−1活性は約6.8〜7.2のpI及び約1
1,000ダルトンの分子量を有することが判明した。
ラッハマンは上記方法からのIL−1活性の全体回収率
は悪く、約4%の範囲であると報告した。 【0009】適量の均質なヒトIL−1の利用可能性は
関節炎及びエリテマトーデスなどの自動免疫障害の研究
及び可能性のある治療において貴重であり得る。又、こ
れまでに利用可能であったよりもより純度が高く且つ多
量のヒトIL−1は首尾よく傷及び火傷の治癒を達成す
るために有用となり得るものである。 【0010】比較的多量の均質なヒトIL−1を提供す
るための潜在的な方法は組み換えDNA技術によるもの
である。組み換えDNA技術は、蛋白質をコードする遺
伝子が一度単離され、且つ同定されると所望の蛋白質を
経済的に製造するために開発されてきた。その様な蛋白
質製造のための組み換えDNA技術の説明はScien
ce誌の196巻(1977年4月)の編集及び賛助論
文に示されている。しかしながら、この文献に論じられ
ている組み換えDNA技術を利用するためにはヒトIL
−1をコードする遺伝子を先ず単離しなければならな
い。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明はIL−1、ヒ
トIL−1の等質状態までの精製、及び等質IL−1の
アミノ酸組成及び部分的アミノ酸配列の決定に関するも
のである。本発明に従い、IL−1の粗製調製物をイオ
ン交換クロマトグラフィーとアフィニティークロマトグ
ラフィー方法との組み合わせにより精製した。この精製
方法のアフィニティークロマトグラフィー部分は不溶性
マトリックスに結合した染料リガンドを利用した。従来
技術に基づいて、同一の精製方法は他の哺乳動物種、例
えばネズミ、ウシ、あるいはブタのIL−1からのIL
−1に対して首尾よく使用することが出来るものと思わ
れる。 【0012】一度等質状態にまで精製されると、IL−
1分子のアミノ酸組成及び配列が分析された。分子のア
ミノ酸組成はアミノ酸アナライザーを使用して確認され
た。IL−1分子のN−末端部分のアミノ酸配列は、直
接エドマン(Edman)分解技術により、又、最初に
分子を分別し、高圧液体クロマトグラフィー(「HPL
C」)により断片を分離し、次いでIL−1ペプチドを
含有するHPLC画分をエドマン分解法により分析する
ことにより求めた。 【0013】本発明の更に別の側面に従えば、ヒトIL
−1をコードする遺伝子がcDNAライブラリーから上
記の如く求めたヒトIL−1のアミノ酸配列の部分に対
応する合成オリゴヌクレオチドプローブを用いて単離さ
れた。全ヒトRNAは比較的高割合のIL−1を産生す
ると考えられた細胞から抽出された。ポリアデニル化m
RNAは全RNA抽出物から単離された。cDNAライ
ブラリーはサイズ分離ポリアデニル化mRNAの逆転写
酵素による逆転写によって構成された。DNAはDNA
ポリメラーゼIを用いて二本鎖にし、適当なクローニン
グベクター中に挿入した。得られた組み換えクローニン
グベクターを使用して適当な宿主を形質転換させた。 【0014】形質転換された宿主を同定し、プールに組
み分けした。これらのプールから調製されたプラスミド
DNAを放射線標識されたオリゴヌクレオチドプローブ
とハイブリッド化した。プローブに対して陽性の信号を
与えたクローンのプールを同定し、次いで推定されたプ
ールを小分けし、ハイブリッド化スクリーニングを繰返
した。この操作により単一の形質転換体を最終的に同定
した。この形質転換体からプラスミドDNAを調製し、
制限エンドヌクレアーゼ消化により特徴付けを行った。
このIL−1遺伝子の配列を決定して、その核酸及びア
ミノ酸組成を確立した。又IL−1遺伝子をE.col
i/酵母細胞系中でクローニングして成熟IL−1を発
現させ、次いで生物学的アッセイを行って発現された蛋
白質生成物がIL−1であることを確認した。本願明細
書において「アリル変異体」とは、天然に存在する対立
遺伝子を意味し、人工的に修飾した遺伝子を含まない。 【0015】 【課題を解決するための手段】IL−1の調製 IL−1の粗製調製物は末梢血液白血球から調製され
る。白血球は全血から周知の技術、例えば所定量のFi
coll/Hypaque溶液に対する遠心分離などの
技術により分離される。血液から取り出された白血球は
IL−1分泌を誘発する適当な刺激剤を含有する培養培
地中においてin vitroで培養される。適当な培
養期間後に上澄液を遠心分離により取得し、使用される
まで貯蔵される。 【0016】全血から取り出される白血球から得る代り
にむしろIL−1は又任意の単核細胞に富んだ源から得
られる単核細胞から調製することが出来る。その様な単
核細胞源としては、単核白血病性脾臓細胞、リンパ細胞
及び肺胞マクロファージなどが挙げられる。 【0017】末梢血液白血球を培養するために使用され
る培地は市販の培地、例えばイーグルの最小必須培地
(「MEM」)或いはRoswell Park Me
morial Institute(「RPMI」)培
地により構成することが出来る。個々に或いは組み合わ
せて培養培地中に添加することのできる添加剤として
は、グルタミン、HEPES緩衝液及びゲンタマイシ
ン、ペニシリン、ストレプトマイシンなどの各種抗生物
質が挙げられる。過去においては、血清も又通常添加剤
として使用されていた。しかしながら、本発明者等は、
本発明の方法においては血清が培養液中に使用されない
場合に、培養上澄液からのIL−1の精製が容易に行わ
れることを見出した。血清を使用しない場合には、培養
液中に産生されるIL−1の量が3〜4倍減少するが、
血清がないと又産生される全蛋白質が100倍減少し、
それはIL−1の精製に含まれる複雑さを少なくするも
のである。 【0018】本発明について使用される好ましい刺激剤
としては、スタフィロコッカス・アウレウス(Stap
hylococcus aureus)、或いはエシェ
リヒア・コリ(「E.coli」,Escherich
ia coli)から抽出されたリポポリサッカライド
(「LPS」)が挙げられる。更に、ホルボールエステ
ル類、例えばホルボールミリステート13−アセテート
を刺激剤として使用することが出来る。 【0019】白血球を培養してIL−1の分泌を誘発す
る方法は各種環境条件下において行うことが出来る。し
かしながら、好ましくは約35〜38℃の温度範囲にお
いて空気中約5〜10%のCO2の加湿化雰囲気内にお
いて維持されるのがよい。末梢血液白血球を活性化剤に
より刺激することにより放出されるIL−1の量は時間
と共に変化する。本発明者等はIL−1発現の最適割合
は刺激後約24〜72時間において到達することを見出
した。 【0020】アッセイ/分析 本発明において、IL−1活性度及び本発明の精製、ク
ローニング及びIL−1発現操作の際の試料の蛋白質含
量を追跡するために胸腺細胞増殖アッセイ、IL−1転
換アッセイ及び蛋白質アッセイが使用される。又、精製
操作の際のIL−1活性を分析するためにドデシル硫酸
ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(「SD
S−PAGE」)及び二次元ゲル電気泳動が使用され
る。 【0021】胸腺細胞増殖アッセイ このアッセイはIL−1の試料のCD−1マウスに由来
する胸腺細胞の増殖を誘発する能力を確認するものであ
る。このアッセイにおいて、10〜12週令のCD−1
マウス(Charles River Breedin
g Laboratories,メリーランド州、ウィ
ルミントン)から得られた約1×106個の胸腺細胞を
3倍逐次希釈のIL−1含有試料の存在下において丸底
マイクロプレートウェル(Corning Plast
ics,ニューヨーク州、コーニング)に植付ける。胸
腺細胞は、50単位/ml(「U/ml」)のペニシリ
ン、50マイクログラム/ml(「μg/ml」)のス
トレプトマイシン、2ミリモル(「mM」)のグルタミ
ン、0.2mMのゲンタマイシン、10mM HEPE
S緩衝液、(一緒に「補給MEM」と称する)、pH
7.4を3%v/vヒト血清及び10-5モル(「M」)
2−メルカプトエタノールと共に含む150マイクロリ
ットル(「μl」)のMEM中において培養される。試
料は空気中5%CO2の雰囲気内で37℃において72
時間培養される。その後、培養物を約4時間0.5マイ
クロキューリ(「μCi」)のトリチウム化したチモジ
ン(「3H−Tdr」)(New England N
uclear、マサチューセッツ州、ボストン、2Ci
/mM特異活性)でパルス処理した。その後培養物を例
えば多重自動化試料採取器を用いてガラス繊維フィルタ
ー片上に採取する。3H−Tdrの導入は次いで液体シ
ンチレーション計数により測定される。この操作の詳細
はギリス等により開示されている[Gillis et
al.,120J.Immunol.2027(19
78)]。 【0022】この胸腺細胞増殖アッセイ方法により、I
L−1の存在下において培養されたCD−1胸腺細胞の
みが照射線量に応じて3H−Tdrを取り込む。IL−
1の不存在下に培養されたCD−1細胞はバックグラウ
ンド水準の3H−Tdrを導入するにすぎない。IL−
1活性は、上掲のギリス等によりインターロイキン−2
活性を求めるために使用された操作と同様にして3H−
Tdr導入データの線状部分から計算される。IL−1
活性の単位は実験室の標準に対比して胸腺細胞3H−T
dr導入の50%を発生する試料の希釈率の逆数として
求められる。例えば、ある試料が最大胸腺細胞3H−T
dr導入の50%を1:15の希釈率で発生するならば
IL−1の1単位(「U」)は150μlのアッセイ容
積の1/15に見出され、即ち10μlが活性の1Uを
含有するということができる。従って、全試料は100
UのIL−1活性/mlを含有することになる[100
0(μl/ml)÷10μl(U当り)](上掲のギリ
ス等の文献参照)。 【0023】IL−1転換アッセイ IL−1活性の第2の代替的アッセイ法は、IL−1
は、本発明者等によってインターロイキン−2(「IL
−2」)非産生体ネズミ腫瘍細胞系統,LBRM−33
−145,をIL−2産生体に転換すると見い出された
事実を利用するもので、この方法を用いることができ
る。このアッセイにおいて、LBRM−33−1A5細
胞、ATCC No.CRL−8079は50μg/m
lのマイトマイシンCを添加して不活性化され、37℃
で1時間インキュベートされる。100μlの不活性化
LBRM−33−1A5細胞(5×105細胞/ml)
はIL−1の含有液体試料の逐次希釈液と共に等容量の
有糸分裂促進剤(ミトゲン)フィトヘムアグルチニン
(「PHA」)(1%最終濃度)の存在下において96
−ウエル平底プレート中において培養する。6〜24時
間後IL−1誘発、ミトマイシンC−抑制のLBRM−
33−1A5細胞(従って、IL−1活性)により発生
されたIL−2の活性の存在を50μlのIL−2依存
性CTLL−2細胞(8×104細胞/ml)を添加し
て直接的に確認する。マイクロウエル培養物を更に20
時間インキュベート後、0.5μCiの3H−Tdrに
より4時間のパルス処理を行う(New Englan
d Nuclar,マサチューセッツ州、ボストン、2
Ci/mM特異活性)。その後、チミジン−パルス処理
された培養物を多重自動化試料採取器(MASH II;
Microbiological Associate
s,メリーランド州、ベテスダ)を用いてガラス繊維フ
ィルター片上に採取する。3H−Tdr導入は液体シン
チレーション計数により測定する。この方法の詳細は上
記ギリス等の文献及び米国特許第4,411,992号
明細書に示されている。このアッセイにおいては、IL
−2の存在下において培養されたCTLL−2細胞のみ
が照射線量に応じて3H−Tdrを導入する。IL−2
(従ってIL−1)の不存在下において培養されたCT
LL−2細胞はバックグラウンド水準の3H−Tdrを
導入するにすぎない。この「転換」アッセイはより迅速
である(24時間以内に完結)ということ、及び上記胸
腺細胞増殖アッセイよりも1,000〜10,000倍
感度が高いという利点を有する。しかしながら、「転
換」及び「増殖」の両アッセイを本発明において使用す
ることが出来る。 【0024】蛋白質アッセイ 精製試料の蛋白質含量はBiorad社(カリフォルニ
ア州、リッチモンド)から市販されているBiorad
蛋白質アッセイにより求められる。このアッセイはウシ
血清アルブミンを標準として用いるものである。このア
ルブミンの原理及び詳細はブラッドフォード[Brad
ford,72 Anal.Biochem.248
(1976)]に論じられている。 【0025】ゲル電気泳動 培養上澄液及びクロマトグラフィーカラム画分はSDS
−PAGEにより分析して本発明の精製操作を追跡す
る。このアッセイはレムリ[Laemmli,227
Nature(London)680(1970)]の
ゲル重層方法に従って行われる。このアッセイは10〜
20%勾配のポリアクリルアミドゲルを用いる0.75
mmのSDSスラブゲルを用いるものである。これらの
ゲルは一定の30mA電流において運転される。得られ
たゲル試料は例えばオークリー等[Oakley et
al.,105 Anal.Biochem.361
(1980)]により記載されている方法により銀染色
される。 【0026】高塩濃度を含有するこれらのアッセイ試料
は先ず0.1mM NH4HCO3中の0.001%SD
Sに対して透析され次いで真空乾燥される。乾燥残渣を
SDS−PAGE操作に先立ち還元緩衝液(2%SD
S)、1% 2−メルカプトエタノール中に溶解する。 【0027】二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動 本発明の精製操作完結後にIL−1をサモンズ等[Sa
mmons et al.,2Electrophor
esis 135(1981)]により記載されている
方法により二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り分析する。この方法においては、凍結乾燥されたIL
−1試料を水中1%(w/v)シクロヘキシルアミノエ
タン、2%(w/v)SDS、2%2−メルカプトエタ
ノール、10%グリセロールで構成されたSDS可溶化
緩衝液20μl中に再懸濁させる。これらの試料を10
0℃に10分間に亘り加熱する。2時間のプレフォーカ
シング後試料(100℃においてSDS中で10分間可
溶化)を第一次元のゲルに適用し、600ボルトの定電
圧において20時間フォーカシングを行なう。第一次元
のフォーカシングゲルを直接的にpH勾配ゲル走査計に
より走査する。その後ゲルを平衡化緩衝液[水中9.3
%(v/v)グリセロール;50%(v/v)Tris
−SDS緩衝液(30g Tris、2gDSD/l、
濃HClによりpH6.8に調製)、1%(w/v)S
DS;0.8%(v/v)2−メルカプトエタノール]
中で2分間濯ぎ、第二次元ゲル上の頂部におき、次いで
低温溶融アガロースで覆う。第二次元電気泳動(アクリ
ルアミドの10〜20%線状勾配)を染料前面がゲルの
底部に達するまで40mA/ゲルの定電流において行な
う。50%(v/v)エタノール及び10%(v/v)
氷酢酸中で固定後、ゲルを上掲のサモンズ等の文献にお
ける色硝酸銀法により染色する。 【0028】IL−1の精製 上記方法により調製された血液白血球培養物から得られ
る上澄液は、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオ
ン交換クロマトグラフィー、及びカラムマトリックスに
結合された染料配位子を用いたアフィニティクロマトグ
ラフィーにより精製される。全てのクロマトグラフィー
画分はIL−1活性及び蛋白質濃度が分析される。適当
な場合にはpH及び伝導率が測定される。各クロマトグ
ラフィー工程の後に、試料をSDS−PAGEで分析す
る。更に、アフィニティクロマトグラフィー操作の完結
後に活性画分を上記二次元ポリアクリルアミドゲル電気
泳動により分析する。 【0029】カチオン交換クロマトグラフィー用の適当
なカラムは、スルホプロピルセファデックスC−25
(Pharmacia Fine Chemical
s,ニュージャージ州、ピスカタウェイ)により構成さ
れる。好ましくは、カラムはIL−1試料の適用前に緩
衝液で平衡化され、次いでIL−1試料がカラムに適用
された後にIL−1活性の溶出を行うことなく非結合蛋
白質を除去するために同一緩衝液或いは異った緩衝液で
洗浄する。IL−1のカラムからの溶出はIL−1をカ
ラムから解離するために十分なpHの緩衝化された溶離
剤を用いて行われる。 【0030】カチオン交換クロマトグラフィー法からの
プールされた活性画分は更にアニオン交換クロマトグラ
フィーにより精製される。本発明者等はこの目的のため
に適した適当なカラム材料はDEAE−セファセル(S
ephacel)であることを見出した。DEAE−S
ephacelカラムを緩衝液で平衡化させ、試料濃縮
液をカラムに適用する。溶出は先ず出発緩衝液で行い、
引続き同一緩衝液中に線形塩勾配を用いて行う。画分を
集め、上記の如く分析を行う。 【0031】DEAE−セファセルカラムからプールさ
れた活性画分中のIL−1は更に支持体マトリックスに
結合した合成トリアジニル織物染料配位子を用いたアフ
ィニティカラムクロマトグラフィーにより精製される。
青色或いは赤色を含む各種染色を使用することが出来
る。この染料は例えばアガロース、ポリアクリルアミ
ド、セルロース或いはシリカベース無機材料により構成
される適当なカラムマトリックスにトリアジン環へのエ
ーテル結合を介して或いは又染料の一級アミン或いはア
ントラキノン基を介して結合されている。直接的に支持
体マトリックスに結合されずにこの染料は高分子量デキ
ストランに結合され、デキストランが次いでカラムマト
リックスに固定されることも可能である。マトリックス
に結合した青色及び赤色染色配位子の部分的化学構造を
それぞれ第1図及び第2図に示す。これらの染料構造
は、例えばスルホン化アントラキノン基の位置をトリア
ジン環に対して交換するか或いはスルホン酸置換基の代
りにスルホン酸塩を置換することにより修正して類似体
を形成することが出来ることが了解されるべきである。
フルトン[Fulton,Dye−Ligand Ch
romatography,マサチューセッツ州、レキ
シトン、Studio 6,Ine.(1980)]参
照。 【0032】SP−セファデックス(Sephade
x)及びDEAE−セファセル(Sephacel)上
で精製されたIL−1含有画分を染料配位子カラムに適
用する前にプールされた活性画分のイオン強度を低下す
ることが必要な場合がある。又、Mg++或いはCa++の
ような二価カチオンの存在はIL−1の染料配位子への
結合を高め得る。カラムは適当な緩衝液、例えばTri
s−HClで平衡化され、次いでIL−1活性を含有す
るプールされたDEAE画分をカラムに適用する。その
後カラムを同一の出発緩衝液で洗浄し、次いで溶出を同
一の緩衝液或いは特別の可溶性配位子中において線形塩
勾配を用いて行う。画分を集め上記の如く分析する。 【0033】本発明者等は赤色トリアジニル織物染料
は、上記カラム条件下において使用すると、IL−1の
結合に特に高度に特異的であることを発見した。第2図
に対応するこの赤色染料の商品名は「プロシオン(Pr
ocion)」レッド(反応性レッド120)(Imp
erial Chemical Industrie
s)である。本発明者等は又、青色トリアジニル織物染
料は、上記カラム条件下において使用すると、IL−1
の結合に高度に特異的、即ち赤色トリアジニル織物染料
の場合の約80%程度特異的であることをも発見した。
青色染料の商品名はシバクロン(登録商標)ブルー36
A(Cibacron(登録商標)Blue36A)
(Ciba AG)である。 【0034】上記精製方法により、本発明者等は出発上
澄液から約53%の高収率を維持しながら99%の純度
を越えてヒトIL−1蛋白質を精製した。上記アッセイ
操作により、本発明者等はヒトIL−1が約17,50
0ダルトンの分子量の単一分子量種より構成されること
を決定した。この分子量は従来ヒト或いはネズミのIL
−1について報告されていたものよりも実質的に重いも
のである。更に、他の観察者らの報告とは反対に、本発
明者等によってはその他の分子量のIL−1の種は見出
されなかった。上掲のラッハマン、トガワ等、マイゼル
等、及びブライデン等の文献を参照。しかしながら、本
発明を使用して本発明者等により経験されたIL−1の
高い収率により上記精製方法の際に相当量の他の低分子
量のIL−1種が失われたとは思われない。従って均等
なヒトIL−1の真の分子量は17,500ダルトンで
ある。 【0035】アミノ酸組成分析 他の蛋白質による汚染のないIL−1の生物学的研究を
可能にしたことに加えて、等質なIL−1を調製するこ
とが出来ることはIL−1分子のアミノ酸組成を決定す
ることを可能にした。この情報を用いて、臨床的試験及
び究極的には臨床的用途のためのIL−1遺伝子のクロ
ーニング及び大量の純粋IL−1の産生を助けることが
可能である。 【0036】アフィニティクロマトグラフィー操作から
の精製IL−1の試料をニンヒドリン検出を用いた自動
化アナライザーを用いてアミノ酸組成の分析を行った。
観察されたピークは市販の記録積算計を用いて積分し
た。この技術により本発明者等は下記の例4における表
Iにまとめて示したIL−1分子のアミノ酸組成を決定
した。 【0037】アミノ酸残基システイン(Cys)は加水
分解に不安定であるのでこの残基は自動化ニンヒドリン
分析によっては検出されない。Cys残基の存在は以下
に述べるアミノ酸配列分析により検出した。又、自動化
ニンヒドリン分析は、アスパラギン酸残基とアスパラギ
ン残基とを区別せずに、又、グルタミン酸残基とグルタ
ミン残基の区別もしない。しかしながら、以下に述べる
アミノ酸配列分析から1個のアスパラギン残基及び6個
のグルタミン残基がIL−1分子のN−末端部分(42
個のアミノ酸残基よりなる)に検出された。この様に表
Iにおいてはグルタミン酸及びグルタミン残基と同様に
アスパラギン酸及びアスパラギン残基も一緒に掲げられ
ている。 【0038】IL−1分子のN−末端部分のアミノ酸配
列分析 本発明者等は又IL−1分子のアミノ酸配列を検討し
た。本発明者等は、上記方法により調製された精製IL
−1中においてこの分子のN−末端が部分的に保護され
ていることを発見した。その様なものとして、この分子
は自動化アミノ酸配列装置に使用さるる化学的分析技術
に容易に従うことが出来ず、従って、全分子のアミノ酸
配列は標準的分析操作により決定することが出来なかっ
た。その結果、本発明者等は、2つの技術の組み合わせ
を用いて蛋白質分子のN−末端部分の配列を分析した。 【0039】第1の技術として、本発明者等は上記方法
により等質状態に精製されたかなり大きな11μgを越
えるIL−1を自動化配列決定装置を用いてアミノ末端
エドマン分解配列分析に付した。この技術によりIL−
1分子のN−末端部分の最初の20個の残基は次の配列
により構成されることが見出された: 【化5】NH2-Ala-Pro-Val-Arg-Ser-
Leu-Asn-Cys-Thr-Leu-Arg-Asp-
Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Leu-Val-
Met. 8番目の残基はCysと推定された。自動化配列決定操
作の8番目のサイクルにおいては、その他のの如何なる
残基も高収率で得られず、これは8番目の残基がCys
(これはエドマン分解により肯定的には検出されな
い)、グリコシル化スレオニン残基或いはグリコシル化
セリン(Ser)残基により構成されるとの結論を示
す。これらの後者の2つの可能性は以下に論ずる如く、
アミノ酸組成分析からグルコサミン或いはガラクトサミ
ンは観察されないので除去された。これにより8番目の
残基がCysで構成されるとの結論が導かれる。 【0040】第2のアミノ酸配列分析技術として、本発
明者等はアルギン残基における分子を酵素トリプシンを
用いて分別した。トリプシンがIL−1分子を又リジン
部位において切断することを防止するためにリジン分子
の側鎖を特別のブロッキング剤を用いて保護した。好ま
しくは、トリプシンをIL−1−トシルアミノ−S−フ
ェニルエチルクロロメチルケトン(「TPCK」)で処
理して、同時に存在し得るキモトリプシンなどのその他
の汚染酵素をを不活性化し、IL−1蛋白質が他の残基
において切断される可能性を最少にする。トリプシンを
使用する代りに、他の酵素を用いて他の残基部位におい
てIL−1分子を切断することも可能であることは了解
されるべきである。 【0041】IL−1分子の切断後得られたペプチド類
をHPLC操作により疎水性に基づいて分離した。本発
明において使用されるHPLC技術は蛋白質IL−1ペ
プチド類に最適に利用されるべき十分に大きな孔径、即
ち少なくとも300Åの孔径を有する逆相のオクタデシ
ル結合シリカカラムを用いるのが好ましい。 【0042】本発明の実施に当り使用するに適した逆相
HPLCカラムは市販の商品である。この目的に好まし
いカラムはSeparations Group,(カ
リフォルニア州、ヘスペリア)より市販されているVy
dac 218 TP逆相カラムである。このカラム
は、シロキサン(シリコン−酵素−シリコン)結合によ
り、5ミクロンの平均粒径に分類された300Å孔径の
シリカゲル表面に共有的に結合されたオクタデシルシラ
ン基よりなる。他の逆相カラムの使用も本発明の範囲内
であることが了解されるべきである。 【0043】オクタデシルカラムに結合したIL−1ペ
プチド類はアセトニトリルの線形勾配を用いて溶出され
る。この目的のための好ましい勾配はトリフルオロ酢酸
(TFA)、pH2.0中の0〜95%(v/v)のア
セトニトリル勾配である。 【0044】溶出されたペプチド類は市販の検出計を用
いて追跡するのが便利である。例えば、HPLCカラム
から溶出された画分中の相対的蛋白質濃度は、自動化紫
外線分光光度計を用いて230nm波長における溶出物
質の吸光度を測定することにより求めることができる。
適当な自動化紫外線吸収検出装置はWaters As
sociates(メイン州、ミルフォード)から利用
可能である。或いは又、蛋白質の溶出はステイン及びモ
スケラ[Stein及びMoschera,78Met
h.Enzymol.435(1981)]により記載
されている自動化蛍光検出装置を用いて追跡することも
出来る 溶出されたHPLC画分の配列の分析は上記ゲル電気泳
動により行われ、各HPLC画分に含まれるべきペプチ
ド類の数を決定する。その後、ペプチド類を真空濃縮
し、次いでアミノ酸配列の分析を行う。これは市販の商
品である自動化配列決定装置を用いて行うのが好まし
い。この技術により本発明者等はヒトIL−1分子のN
−末端部分近辺のIL−1分子の主たる部分は次のアミ
ノ酸残基の配列により構成されることを発見した: 【化6】Ser-Leu-Val-Met-Ser-Gly-
Pro-Tyr-Glu-Leu-Lys-Ala-Leu-
His-Leu-Gln-Gly-Gln-Asp-Met-
Glu-Gln-Gln-Val-Val-Phe. このアミノ酸断片のアミノ末端部分の最初の4つの残基
は、自動化エドマン分解技術により上記で決定された配
列のC−末端部分の最後の4つの残基に対応し、従って
IL−1分子のN−末端部分の最初の42個の残基は次
の配列より構成されるとの結論に導かれる: 【化7】NH2- Ala-Pro-Val-Arg-Ser-
Leu-Asn-Cys-Thr-Leu-Arg-Asp-
Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Leu-Val-
Met-Ser-Gly-Pro-Tyr-Glu-Leu-
Lys-Ala-Leu-His-Leu-Gln-Gly-
Gln-Asp-Met-Glu-Gln-Gln-Val-
Val-Phe. 【0045】ヒトIL−1産生細胞からのRNAの調製 ヒトIL−1産生細胞からの全RNAは標準的方法、例
えばチルギン等[Chirgwin et al.,1
8 Biochemistry 5294(197
9)]及びマニアティス等[Maniatis et
al.,Molecular Cloning,a L
aboratory Manual.Cold Spr
ing Harbor Laboratory,Col
d Spring Harbor,New York
(1982)]に開示されていてる方法により抽出され
る。 【0046】周知の如く、細胞からRNAを抽出するに
際し、抽出の初期段階においてリボヌクレアーゼ(「R
Nase」)活性を最小にすることが重要である。これ
を達成する1つの方法は、RNaseを含む細胞蛋白質
をRNAaseによるRNA加水分解の速度を越える速
度で変性することである。上記チルギン等及び上記マニ
アティス等の196の方法においては、これはグアニジ
ニウムチオシアネートを2−メルカプトエタノールなど
の還元剤と共に使用して行われている(蛋白質ジスルフ
ィド結合を破壊する)。RNAは標準的技術、例えばフ
ェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿或いはセ
シウムクロライドによる沈降などにより蛋白質から単離
される。 【0047】次に、ポリアデニル化mRNAを抽出蛋白
質から分離する。この分離操作を行うための幾つかの技
術が開発されているが、1つの好ましい方法は、ポリア
デニル化mRNAをオリゴ(dT)−セルロース上でエ
ドモンド等[Edmondset al.,68 Pr
oc. Natl.Acad. Sci. 1336
(1971)]、アヴィブ及びレダー[Aviv an
d Leder,69Proc.Natl.Acad.
Sci.1408(1972)]、及び上記マニアティ
スの197、に記載されているように、クロマトグラフ
を行うことである。オリゴ(dT)−セルロースカラム
は負荷緩衝液を用いて調製され、mRNAをカラムに適
用する。その後カラムを先ず緩衝溶液で洗浄して未ポリ
アデニル化mRNAを除去し、次いでポリアデニル化m
RNAを緩衝化された低イオン強度の溶離剤を用いてカ
ラムから溶出する。ポリアデニル化mRNAの完全性は
ゲル電気泳動により検証される。 【0048】ポリアデニルmRNAは次いでmRNAの
異なった大きさの群に応じたメチル水銀アガロースゲル
画分を介して電気泳動により大きさを決定され、次いで
例えばパルミター[Palmiter,248 J.B
iol.Chem.2095(1973)]、ペルハム
及びジャクソン[Pelham and Jackso
n,67.Eur.J.Biochem.246(19
76)]、及びリー等[Lee et al.,253
J.Biol. Chem.3494(1978)]
により記載されている標準的なウサギ網状赤血球溶解物
技術を用いてin vitroで翻訳される。ウサギ網
状赤血球アッセイ用のキットは多くの供給源、例えばB
ethesda Research Laborato
ries(メリーランド州、ゲテルスブルグ)などから
市販されている。或いは又mRNAの翻訳は、ストマ等
[Stoma et al.,79.Meth.Enz
ym.68(1981)]により記載されている標準的
技術を用いてアフリカツメガエル(Xeaopus l
aevis「X.laevis」)の卵母細胞へのmR
NAの微量注射により行うことも出来る。網状赤血球溶
解物翻訳或いはmRNA微量注射卵母細胞により放出さ
れた液体を次いで上記アッセイを用いてIL−1の活性
の存在の試験を行う。in vitroにおいて翻訳し
た際にIL−1活性を与えたmRNAゲル画分をcDN
A構成のためのmRNA源として選択する。 【0049】アフリカツメガエル卵母細胞翻訳操作にお
いては、約50ナノリットル(「nl」)のmRNA
(無菌H2O中に0.5〜1mg/mlの濃度で溶解)
を各卵母細胞に注射する。卵母細胞をアフリカツメガエ
ル(Nasco,ウィスコンシン州、フォートアトキソ
ン)から採取し、150mlの卵母細胞インキュベーシ
ョン培地(88mM NaCl、1mM KCl.2.
4mM NaHCO3、0.82mM MgSO4・7H
2O、0.33mM Ca(NO3)2・4H2O、0.4
1mM CaCl2・6H2O、 7.5mM Tris
ベース、18単位/ml(11μg/ml)ペニシリン
Gカリウム及び18μg/mlストレプトマイシン)中
においてインキュベートする。培地の最終pHをHCl
で7.6に調整し、次いで濾過により殺菌する。注射
後、卵母細胞を0.1mlの新たな卵母細胞インキュベ
ーション培地中に入れ、1.5μlの無菌の円錐状のポ
リプロピレンチューブ内で23℃で18時間インキュベ
ートする。インキュベーション後卵母細胞が培養された
液体を採取し、次いで上記アッセイ法を用いてIL−1
活性の存在の試験を行う。 【0050】mRNAからのcDNAの調製 上記の如く調製され分析されたmRNAに対応する二本
鎖cDNAのライブラリーは逆転写酵素を用いた公知の
技術により構成される。本発明において使用されるその
様な方法の1つは上記マニアティス等の文献230に詳
細に説明されている。簡単に述べると、ポリアデニル化
mRNAは、mRNAのポリアデニル化尾部にハイブリ
ダイズされたオリゴ−dTを用いて第1のcDNA鎖の
プライマーとして逆転写する。これにより第2のDNA
鎖の一体的プライマーとして役立つ最初のcDNA鎖の
3’末端に「ヘヤピン」ループが生ずる。次いで、第2
のcDNA鎖を酵素DNAポリメラーゼIを用いて合成
し、ヘヤピンループS1ヌクレアーゼにより切断し、二
本鎖cDNA分子を生成する。二本鎖cDNAは任意の
便利な手段を用いて分別してより短い鎖を除去し、それ
により不用な小さなcDNA画分のクローニングを回避
する。 【0051】本発明に従えば、別の標準的操作方法を用
いてmRNAから二本鎖cDNAを調製することが出来
ることが理解されるべきである。その様な1つの代替技
術はランド等[Land et al.,9 Nuc
l.Acids Res.2251(1981)]によ
り開示されている。ランド等の方法においては、ヘヤピ
ンループは第2のcDNA鎖のプライマーとしては使用
されない。その代りに、第1のcDNA鎖の3’末端
が、末端デオキシヌクレオチジルストランスフェラーゼ
(「TdT」)を用いてdCMP残基で尾部が付着され
る。これはポリ−Cの残基の3’尾部を生成する。次い
で、第2の鎖の合成は、3’尾部にハイブリダイズされ
たオリゴ−dGにより開始される。この技術はマニアテ
ィス等の方法においてヘヤピンがS1ヌクレアーゼで切
断されるならば生じ得る第2のcDNA鎖の5’尾部の
部分を失うことを避けるのに役立つといわれている。 【0052】cDNAのクローニング 次に、二本鎖cDNAを、ベクターの複製のために相容
れることのできる原核生物或いは真核生物の宿主細胞を
形質転換するために使用されるクローニングベクター中
に挿入する。その後形質転換体が同定され、プラスミド
DNAがそれから調製される。 【0053】本発明を実施するためには各種のクローニ
ングベクターを利用することが出来る。好ましいベクタ
ーはプラスミドであるが、ベクターはバクテリオファー
ジ或いはコスミドであってもよい。クローニングが哺乳
動物細胞内で行われる場合にはウィルスも又ベクターと
して使用することができる。 【0054】プラスミドが使用される場合には、それは
天然源から得られても或いは人工的に合成されてもよ
い。選ばれる特別のプラスミドは、考えられている形質
転換宿主がE.coliのような細菌、酵母その他の単
細胞微生物であるか否かに応じて適合性を有すべきであ
る。プラスミドは使用されるべき特別の宿主細胞に対し
て適切な複製源を有するべきである。又、プラスミドは
形質転換された宿主細胞が容易に同定され、かつ形質転
換を行わない細胞から容易に分離されることを可能にす
る表現型特性を有するべきである。その様な表現型特性
は成長抑制物質、例えば抗生物質などに対する耐性を与
える遺伝子を包含し得る。各種抗生物質、例えばテトラ
サイクリン、ストレプトマイシン、サルファ剤、ペニシ
リン及びアンピシリンなどに耐性を有する遺伝子をコー
ド化するプラスミドが市販されている。 【0055】E.coliが宿主細胞として使用される
場合には、本発明において使用することのできる多くの
可能性のあるクローニングプラスミドが市販されてい
る。本発明を実施するために好ましいプラスミドはpB
R322である。このプラスミドはサットクリフ[Su
tcliffe,43 Cold Spring Ha
rbor Symp.Quant.Biol.77(1
979)]に示されているように完全に配列決定されて
いる。このプラスミドの重要な利点はアンピシリン耐性
遺伝子におけるPstI部位を含む11個の公知の独特
の制限部位を有することである。この特徴はホモポリマ
ーテーリング法によるクローニングに特に有用である。 【0056】プラスミドの代りにバクテリオファージが
使用される場合には、その様なファージはプラスミドの
選択に当って述べた上記の実質的に同一の特性を有する
べきである。これは、表現型マーカー及び外来遺伝子の
付着のための連結可能な末端の存在を含むものである。 【0057】好ましくは、本発明においてはブラントエ
ンドを有する二本鎖cDNAをホモポリマーテーリング
によりプラスミドベクター中に挿入する。周知の如く、
この技術においてはcDNAの鎖及びプラスミドDNA
に相補的なホモポリマートラックが付加される。ベクタ
ー及び二本鎖cDNAは次いで相補的なホモポリマーの
テール間に水素結合により結合され、E.coliなど
の宿主細胞を形質転換することのできる開かれた環状の
ハイブリッド分子を形成する。 【0058】ホモポリマーテーリングの1つの方法にお
いては約50〜150dAのヌクレオチド残基が線形化
プラスミドDNAの3’末端に付加される。同様な数の
dTヌクレオチド残基が二本鎖cDNAの3’末端に付
加され、次いでcDNA及びプラスミドが一緒に結合さ
れる。 【0059】別の好ましい方法においては、dGテール
が適当な制限酵素により切断されたクローニングベクタ
ーの3’末端に付加される。例えばpBR322プラス
ミドが使用される場合には、制限酵素PstIを使用し
てこのプラスミドをアンピシリン耐性遺伝子において消
化することが出来る。プラスミド中にcDNAセグメン
トを適当なアニーリング緩衝液を用いて挿入する前に二
本鎖cDNAの3’末端に相補的dCテールが付加され
る。 【0060】二本鎖cDNAはその他の各種標準的方法
によりプラスミドクローニングベクター中に挿入するこ
とが出来ることが了解されるべきである。1つのその様
な代替的技術はDNAリガーゼを用いてcDNA鎖の末
端に合成されたヌクレオチドリンカーを付着することを
含むものである。これらのリンカーは制限酵素で切断さ
れて同一酵素で切断されたプラスミド内に挿入するため
の付着末端を発生する。シエラー等[Scheller
et al.,196 Science 177−1
80(1977)]、上掲マニアティス等の文献219
参照。 【0061】上記の如く調製された組み換えDNAプラ
スミドを使用して宿主細胞の形質転換を行う。宿主は任
意の適当な原核生物或いは真核生物細胞でよいが、好ま
しくは、良く同定された細菌、例えばE.coli或い
は酵母菌株がよい。その様な宿主は容易に形質転換さ
れ、培養液中で迅速な生育が可能である。他の形態の細
菌、例えばサルモネラ或いはニューモコッカス(Pne
umococcus)などもE.coliの代りに使用
することが出来る。細菌の代りにその他の単細胞生物、
例えば真菌類(fungi)及び藻類(algae)な
ども使用することが出来る。いずれの宿主が選ばれるに
せよ、それは組み換えプラスミドを切断する制限酵素を
含有すべきではない。 【0062】E.coliが宿主として使用される場合
には、好ましい菌株はMM294及びRR1である。プ
ラスミドベクターによるMM294の形質転換の実験方
法は上記マニアティス等の文献の225において、及び
ハナハン[Hanahan166 J.Mol.Bio
l.557(1983)]に示されているように良く知
られている。RR1宿主のプラスミドベクターによる形
質転換の実験方法も又、ボリバー等[Bolivar
et al.,2 Gene 95(1977]]及び
ピーコック等[Peacock et al.,655
Biochem.Biophys.Acta.243
(1981)]に示されているように良く知られてい
る。適当な宿主として役立ち得るその他のE.coli
の菌株としては、DH1(ATCC No.3384
9)及びC600が挙げられる。これらの菌株及びMM
294及びRR1菌株は広く市販されている。 【0063】上記マニアティス等による文献及び上記ハ
ナハン等に文献に開示されているものを含む形質転換の
実験方法においては、細胞による制限されたプラスミド
の摂取により僅かに少量部分の宿主細胞が実際に形質転
換されるにすぎない。形質転換された細胞は、適当な生
育培地及び抗生物質などの表現型同定物質を含有する寒
天上に細胞培養液を置くことにより同定することが出来
る。適当な耐性遺伝子(例えば抗生物質に対する)を有
する細胞のみが生残る。組み換えpBR322のプラス
ミドがE.coli菌株MM294の形質転換に用いら
れる場合には形質転換された細胞はテトラサイクリンを
表現型同定物質として用いることにより同定することが
できる。 【0064】合成オリゴヌクレオチドスクリーニングプ
ローブの調製 上記の如く決定されたヒトIL−1分子のアミノ酸配列
のN−末端部分の1部に対応する放射線標識された合成
オリゴヌクレオチドをプローブとして用いてcDNAラ
イブラリーのスクリーニングを行う。この合成オリゴヌ
クレオチドプローブのライブラリークローンから調製さ
れたプラスミドcDNAとのハイブリッド化は引続いて
オートラジオグラフィーにより同定する。 【0065】IL−1分子のアミノ酸組成のN−末端部
分は次の残基により構成されることが決定された: 【化8】NH2−Ala−Pro−Vla−Arg−S
er−Leu−Asn−Cys−Thr−Leu−Ar
g−Asp−Ser−Gly−Gln−Lys−Ser
−Leu−Val−Met−Ser−Gly−Pro−
Tyr−Glu−Leu−Lys−Ala−Leu−H
is−Leu−Gln−Gly−Gln−Asp−Me
t−Glu−Gln−Gln−Val この配列情報を合成オリゴヌクレオチドプローブの基礎
として使用する。 【0066】本発明者等はIL−1遺伝子を含有すると
思われるプラスミドDNAをスクリーニングするための
プローブに使用するための合成オリゴヌクレオチドを上
記アミノ酸配列から開発した。このプローブは、第1の
Met残基から下流の上記アミノ酸配列によりコード化
されるアンチセンス配列に対応する次の配列により構成
されている: 【化9】 5’−AC TTG TTG TTC CAT GTC TTG GCC TTG CAG GTG CAG GGC TTT CAG TTC GTA GGG GCC GGA CAT−3’. このプローブは容易に合成されるに十分に短いという利
点を有すると共にIL−1遺伝子のプローブとして有用
な重要な情報を含有するに十分長いものである。上記説
明のオリゴヌクレオチド配列は、本発明の合成プローブ
の好ましい組成であるが、IL−1分子のN−末端アミ
ノ酸配列のその他のセグメントに対応するその他の組成
のプローブも又本発明の趣旨或いは範囲から離れること
なく使用することが出来ることが了解されるべきであ
る。 【0067】合成オリゴヌクレオチドプローブは、ホス
ホジエステル或いはトリエステル方法などの公知の技術
により化学的に合成することが出来る。トリエステル合
成技術の詳細はスッド等[Sood et al.,4
Nucl.Acid Res.2557(197
7)]及びヒロセ等[Hirose et al.,2
8Tet.Lett.2449(1978)]に示され
ている。合成後オリゴヌクレオチドプローブをT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼ及び32P−ATPで標識化する。
標識化操作からの標準的な実験方法は上記マニアティス
等の文献122に示されている。オリゴヌクレオチドプ
ローブはOH5’末端を用いて合成することにより典型
的に必要とされるホスファターゼ操作を回避するのが有
利である。 【0068】cDNAライブラリーのスクリーニング 本発明のスクリーニング操作において、形質転換体は各
々約2,000個の形質転換体で構成されている群にプ
ールされる。複製されたプラスミドは、例えば、アルカ
リ性溶解などの数個の公知の技術の任意のものを用いて
形質転換体から抽出される。プラスミドDNAはいずれ
もハイブリッドプラスミド上の独特の部位であるPvu
II及びHindIII制限部位においてプラスミドを切断
することにより調製される。得られたDNAセグメント
をアガロースゲル上の電気泳動により分別し、次いで直
接的にサザン[Southern,98 J.Mol.
Biol.503(1975)]により記載されている
サザンブロッティングにより分析する。サザンブロッテ
ィング操作(Southern blottingPr
ocedre)におけるニトロセルロースフィルターに
結合するDNAを,標識化されたオリゴヌクレオチドプ
ローブとハイブリダイズさせる。プローブにハイブリダ
イズする特異的DNA断片をオートラジオグラフィーに
より同定する。 【0069】オートラジオグラフィーに従って信号を与
える特別のクローンのプールをプレートから取り出し、
同一の上記オリゴヌクレオチドプローブを用いたニトロ
セルロースフィルター上における直接細菌コロニーハイ
ブリダイゼーションに使用する。ハイブリッド化完結後
にニトロセルロースフィルターをオートラジオグラフィ
ーにより追跡して最も大きな陽性のコロニーを同定す
る。本発明において発明者等は1つのその様なコロニー
を見出した。IL−1 X−14と称されるプラスミド
DNAはこの特別の同定された陽性コロニーから調製さ
れる。 【0070】スクリーニングされたcDNAの特性づけ 上記の如く得られたプラスミドDNAは制限酵素マッピ
ングにより特徴付けられる。制限酵素マッピングに対す
る各種術策は上記マニアティス等の文献の374により
論じられている。1つの標準的技術は線状DNAの末端
−標識化断片の部分的消化を含むものである。この技術
はスミス及びビルンスチール[Smith and B
irnstiel.3 Nucl.Acid Res.
2387(1976)]により開発された。IL−1遺
伝子の領域におけるIL−1×−14プラスミドの部分
的制限酵素地図は第3図に示される。制限部位間の距離
は塩基対(「bp」)で与えられている。括弧内に示さ
れるPstI制限部位はクローニング操作により発生し
たものである。 【0071】第3図に示されたプラスミドcDNAの地
図は連鎖−停止方法を用いて配列決定されたものであ
る。このヌクレオチド配列決定の方法はサンガー等[S
anger et al.,70 Proc.Nat
l.Acad.Sci.(USA)5463(197
7)]により始められたものであった。又、米国特許第
4,322,499号明細書参照。連鎖停止配列決定の
方法はM13 Cloning and Sequen
cingと題されたAmersham Handboo
k [London,Blenheim Cresen
t (1983)](以下、Amersham Han
dbookと称する)、メッシング[Messing
2 Recombinant DNA Technic
al Bulletin,NIH Publicati
on No.79〜99、2,43〜48(197
9)]、ノランダー等[Norrander et a
l.,26Gene 101(1983)]、セレッテ
ィ等[Cerretti et al., 11 Nu
cl.Acid Res.2599(1983)、及び
ビギン等[Biggin et al.,80 Pro
c.Natl.Acad.Sci.(USA)3963
(1983)]などに示されている。興味の対象となる
DNA配列をクローン化するためにM13繊維状ファー
ジがベクターとして使用される。これらのファージベク
ターは連鎖停止方法により容易に配列化される一本鎖D
NA鋳型を与え、この方法は、遊離3’ヒドロキシル基
を有する短いプライマー鎖を有する一本鎖鋳型分子を開
始し、次いでDNAポリメラーゼを用いて全ての4つの
デオキシリボヌクレオチドトリホスフェート、即ちdA
TP、dCTP、dGTP及びdTTP(集合的に「d
NTPs」と称する)をそれらの一つを放射標識して用
いた連鎖延長反応において鋳型鎖を複写することを含む
ものである。この合成反応において、3’−ヒドロキシ
ル末端を欠いているヌクレオチド特異的連鎖停止剤、例
えば2’,3’ジデオキシヌクレオチドトリホスフェー
ト(「ddNTP」)を使用して一連の異なった長さの
連鎖延長を生成する。この停止剤はそれが成長DNA鎖
に導入されることができるように正常な5’末端を有す
るが、しかし3’−ヒドロキシル末端を欠くものであ
る。停止剤が一度DNA鎖中に一体化されると更にデオ
キシヌクレオチドトリホスフェートが付加されることが
出来ず、鎖の成長が停止する。各々四つのヌクレオチド
dNPTs、即ちdATP、dCPT、dGTP及びd
TTPの一つのddNTPを有する四つの別々の合成反
応が行われる。正常なdNPTsの一つは合成された鎖
がポリアクリルアミドゲル上で大きさにより分類された
後にオートラジオグラフすることができるように放射線
標識される。四つの反応からの連鎖延長物はオートラジ
オグラフィからの断片のパターンがクローン化されたD
NAのDNA配列に対応するように別々のゲルレーン中
に隣り合わせて置かれる。 【0072】上記技術により求められた第3図に示され
るプラスミドcDNAのDNA及び対応するアミノ酸配
列を第4図に示す。ヌクレオチド類は第4図に示した配
列の始めから番号が付されている。アミノ酸はIL−1
蛋白質の成熟NH2−末端、即ち矢印で示されたAla
残基から始まり停止コドンTAAに隣接して位置するS
er残基(No.153)まで番号が付されている。A
laコドンからTAG停止コドンまでのIL−1遺伝子
のコード化領域は第3図の箱部分として示されている。
第3図に示される制限酵素切断部位は又第4図にも示さ
れている。 【0073】配列決定操作の準備に際して、第3図に示
されたプラスミドcDNA部分は各種制限エンドヌクレ
アーゼで消化させ、次いで得られたDNA断片をM13
ファージベクター中にクローン化して一本鎖DNA鋳型
を形成する。センス及びアンチセンス鎖の中間位置から
上流及び下流の配列決定にはユニバーサルなプライマー
が使用される。単一の連鎖停止(鎖成長停止)方法を用
いたフラグメントの全長の配列決定から得られた配列結
果を信用するよりもむしろ追加の合成的に生成されたプ
ライマーを用いて鎖の長さに沿って他の中間位置から連
鎖停止方法が開始される。この方法により第3図に示さ
れるプラスミドcDNAの両鎖は重複して配列され、そ
れにより配列を重複して確認するのに役立つ。 【0074】上記連鎖停止技術を用いる代りに本発明の
趣旨から離れることなくIL−1の遺伝子の配列を行う
ためにその他の公知の方法を利用することが可能である
ことが了解されるべきである。例えば、74 Pro
c.Nat’l Acad.Sci.(USA)560
(1977)に示されているマクサム(Maxam)及
びギルバート(Gilbert)の化学的分解方法を使
用することができる。 【0075】上記の如く調製され及び精製されたIL−
1のアミノ酸配列の研究はスターン等の方法[Ster
n et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)871(1984)]に従って行われ
た。エンドペプチダーゼ、シアノーゲンブロマイドを用
いてIL−1をメチオニン残基において切断し、次いで
得られたフラグメントを標準的エドマン分解方法により
分析した。この方法により本発明者等はIL−1蛋白質
のC−末端は次のアミノ酸配列:Gln−Phe−Va
l−Ser−Serより構成されていることを確認し
た。これは、「天然の」IL−1は、mRNAからの翻
訳後にこの分子末端からアミノ酸の除去によって生じな
いことを確立するものである。これは、多くのコード化
された蛋白質がIL−1のその前駆体からの成熟の際に
IL−1遺伝子のオープンリーディングフレームの5’
末端から除去されることが明らかなので重要である。 【0076】cDNAクローンからの機能的IL−1の
発現 IL−1×−14クローンのcDNAコード領域が機能
的IL−1をコード化するか否かを決定するためにクロ
ーンが原核生物/真核生物宿主系において発現される。
IL−1×−14クローンのコード化領域を含有するハ
イブリッドcDNAフラグメントが2組の複製配列、即
ちベクターの原核生物宿主細胞における増幅のための第
1の配列及び外来構造蛋白質即ちIL−1の真核生物宿
主細胞における高割合の発現のための第2の配列を有す
るシャトル発現ベクター中に挿入される。形質転換され
た真核生物宿主細胞を採取し、上記の詳述した胸腺細胞
増殖アッセイ及びIL−2転換アッセイを使用して成熟
IL−1の発現のアッセイを行う。 【0077】各種タイプのシャトルベクターが開発され
ている。通常のタイプは、原核生物細胞、典型的には
E.coli中においてDNA複製の信号を与える複製
及びプロモーター配列のオリジン(origin)及び
真核生物細胞、最も普通には酵母細胞においてDNA複
製の信号を与える複製及びプロモーター配列の対比オリ
ジンを含む。シャトルベクターは又、形質転換された原
核生物細胞の選択のための薬剤耐性遺伝子のような表現
型マーカーも含む。シャトルベクターは形質転換された
真核生物細胞の選択のための対比の表現型マーカー変更
を有する。理想的には、高割合のIL−1の発現のため
には望ましくない蛋白質の発現を避けるために真核生物
のプロモーター配列から全ての蛋白質コード化配列が除
去される。又、この目的のために天然或いは合成の開始
コドン配列、即ちATGがIL−1遺伝子の挿入された
コード化領域の5’末端に付着される。 【0078】本発明を実施するための好ましいシャトル
ベクターはpY ADHで表わされる。模式的に第5図
に図示されるようにpY ADHプラスミドは、E.c
oli中における高複写DNA発現のための複製起点
(プラスミドpBR322から)及び形質転換された
E.coli細胞の選択のためのアンピシリン(「Am
pR」)耐性遺伝子を含む。このシャトルベクターは又
2μの円の複製起点、及び酵母栄養要求変異種(trp
マイナス)における形質転換された酵母宿主の選択のた
めの酵母TrpI遺伝子をも含む。このシャトルベクタ
ーは更に、このプラスミドの酵母及びE.coliの宿
主の両者においての伸長のためのアルコールデヒドロゲ
ナーゼ遺伝子(「ADH」)からの酵母プロモーター配
列をも含む。このプロモーター配列は、この遺伝子の酵
母中における高割合の発現率により、及びこの遺伝子の
完全なDNA配列が知られているので、本発明において
使用するのに特に有利である。開始ATGコドンを含む
全ての蛋白質コード化配列はADHプロモーター断片か
ら除去された。このpY ADHシャトルベクターは制
限酵素、即ちEcoRI及びStuIで切断するための
多くの独特な基質部位を含む。 【0079】第5図に図示される如く、pY ADH
IL−1プラスミドは、IL−1遺伝子のコード化領域
をプラスミドpY ADH中に導入することによりIL
−1遺伝子の発現のための発現ベクターとして調製され
る。このシャトルベクターの試料はATCC(1236
1 Parklawn Drive,Rockvill
e Maryland州 20852)に寄託No.3
9967で寄託されている。IL−1遺伝子のコード化
領域は上記で調製されたcDNAプラスミドから除去さ
れている。IL−1遺伝子のコード化領域の正確に5’
末端に独特の制限酵素切断部位がないためにコード化領
域の主たる部分はプラスミドcDNAから制限酵素Hp
aII及びPstIにより切断される。HpaII部位は遺
伝子コード化領域の5’末端からやや下流に位置してい
る。その後遺伝子の切断された5’末端を含有する合成
オリゴヌクレオチドは「天然」の主たるIL−1cDN
A断片への便利な連結のためのHpaII付着3’末端で
化学的に合成される。上記の如くADHプロモーター配
列の配列の下流の全ての蛋白質コード化配列は除去され
たので、合成オリゴヌクレオチドはATG開始コドンで
もってその5’末端で合成される。 【0080】このIL−1cDNA断片を合成オリゴヌ
クレオチドと共に、合成オリゴヌクレオチドの5’末端
と主たるIL−1cDNA断片の3’末端の立体配置に
対応する適当な制限酵素で予め消化されたシャトルベク
ターpY ADH中に挿入する。得られた組み換えシャ
トルベクターpY ADH IL−1を用いてシャトル
ベクターの高複写増幅のために原核生物宿主、例えば
E.coliを形質転換する。この最初の形質転換方法
の後、組み換えシャトルベクターをE.coli宿主か
ら単離し、次いでIL−1の高割合発現のために真核生
物宿主、例えば酵母細胞を形質転換するために使用す
る。形質転換された酵母宿主を採取し、得られた上澄液
について上記胸腺細胞増幅及び/又はIL−1転換アッ
セイを利用して生物学的活性のアッセイを行う。 【0081】本発明の方法及び生成物を以下の具体例に
より更に説明する。 【0082】 【実施例】例 1 IL−1製造 ヒトの全血(Portland、オレゴン赤十字から得
られた混合物)から得られた350〜400mlの白血
球濃縮物をHistopaque(SigmaChem
ical Company,ミズーリー州、セントルイ
ス)上に積層されたCa++,Mg++のないリン酸緩衝塩
水(「PBS」)と混合し希釈し、次いで室温において
600×gで30分間遠心分離を行った。白血球よりな
る界面層を回収し、PBSで洗浄し、室温において40
0×gで10分間遠心分離を行った。細胞を更に2回C
a++,Mg++のないPBS中で洗浄し、各洗浄後200
×gで10分間遠心分離を行った。 【0083】2×106細胞/mlの濃度で得られた単
核細胞をスピナーフラスコ内でMEM培地中で培養し
た。この培地は50U/mlペニシリン、50μg/m
lストレプトマイシン、2mMグルタミン、0.2mM
ゲンタマイシン、10mM HEPES、pH7.4を
補給した。細胞は、0.01mg/mlの加熱不活性化
したホルマリン固定されたスタフィロコッカス・アウレ
ウス(Staphylococcus aureus,
Igsorb,The Enzyme Center,
Inc.マサチューセッツ州、マルデン)を添加するこ
とによりIL−1産生の刺激を与えられた。汚染蛋白質
の産生を減少させるために血清は培養培地には添加しな
かった。空気中5%CO2の加湿された雰囲気において
35℃で24時間インキュベーション後培養物を室温に
おいて30分間7000×g遠心分離を行い、次いで上
澄液を除去して使用するまでポリプロピレンボトルに−
20℃で貯蔵した。 【0084】例 2 イオン交換クロマトグラフィー 例1で調製されたIL−1含有上澄液をカチオン交換ク
ロマトグラフィー及びアニオン交換クロマトグラフィー
で精製した。これらのクロマトグラフィー操作は4℃で
行われ、それらに使用されたゲルはIL−1活性の樹脂
への非特異的吸着を減少させるために0.1%Trit
on−X及び10%v/vウシ胎児血清で予備処理し
た。クロマトグラフィー操作に先立ち、培養上澄液は上
記方法で分析した。粗製IL−1溶液は1.98×10
7Uの典型的な全活性、6.37×104U/mg試料の
特異活性及び3.11×105μgの全蛋白質含量を有
していた。 【0085】A.カチオン交換クロマトグラフィー 培養上澄液のイオン強度は1Mクエン酸ナトリウム緩衝
液pH4.0を10mMクエン酸塩の最終濃度まで添加
して調製し、又、濃塩酸でpH4.0まで減少させた。
この様に調整された上澄液を予め150mM NaC
l、pH4.0と共に同一の緩衝液で平衡化しておいた
スルホプロピルSephadex(「SPS」)C−2
5(Pharmacia Fine Chemical
s,ニュージャージー州、ピスカタウエイ)の30×
1.6mlのカラムに適用した。培養上澄液は400m
l/時間の速度でカラムに適用した。 【0086】負荷が完結後、カラムを10カラム容の1
0mM−2N−モルホリノエタンスルホン酸(「ME
S」)緩衝液pH5.0で洗浄し、未結合蛋白質を除去
した。結合蛋白質を次いでカラムに50ml/時間の速
度で適用した4カラム容の10mMのTris−HC
l.pH8.1でカラムから溶出した。カラムのpHは
約3カラム容の溶離液を適用後に上昇したのがみとめら
れ、それによりIL−1ピークの溶出がもたらされた。
カラム画分を集め、上記の如く分析した。 【0087】本発明者らはカチオン交換カラムから溶出
したIL−1が、約1.1×107Uの活性及び約2.
10×105U/mgの特異活性を示し、それにより最
初のIL−1の約56%を保持しながら約3倍のIL−
1の活性の増大を達成することを見出した。又、約80
%の汚染蛋白質がカチオン交換クロマトグラフィー操作
により除去された。 【0088】B.アニオン交換クロマトグラフィー カチオン交換カラムからのプールされた濃縮液が更にD
EAE−Sephacel(Pharmacia Fi
ne Chemcals,ニュージャージー州、ピスカ
タウェイ)のカラム上でアニオン交換クロマトグラフィ
ーにより更に精製された。DEAE−Sephacel
カラムは10mM Tris−HCl.pH8.1で平
衡化された。IL−1はこの同一の平衡化緩衝液でSP
Sカラムから溶出されたのでSPSプールを20ml/
時間の速度で直接的にDEAE−Sephacelカラ
ムに負荷し、それにより透析による活性の損失を回避し
た。負荷後、カラムを5カラム容の同一の平衡化緩衝液
で洗浄し、次いで溶出を4カラム容の10mM Tri
s−HCl.pH8.1中の0〜400mM NaCl
の線形勾配を用いて行った。 【0089】本発明者等はIL−1活性が0.08〜
0.12M NaClの鋭いピークにおいて溶出された
ことを見出した。溶出画分のSDS−PAGE分析は、
幾つかの高分子量汚染物質並びに約17,500、1
5,000及び12,000ダルトンの三つの主たる分
子量のバンドを示した。カラム溶出液の分析は7.75
×106Uの全活性、2.58×106U/mgの特異活
性、3×103μgの全蛋白質及び39%の収率を示し
た。 【0090】例 3 アフィニティクロマトグラフィー 例2からの活性画分をプールして、10mM Tris
−HCl緩衝液、pH8.1中で予備平衡化しておいた
アガロースマトリックスに結合された染料配位子「Pr
ocion」赤色染料(Bethesda Resea
rch Laboratories,メリーランド州、
ベテスダ.Cat.No.5926 SA)の10×
1.6cmカラムを用いたアフィニティクロマトグラフ
ィー技術により更に精製した。IL−1の染料配位子カ
ラムへの結合を最適化するために、DEAE−Seph
acelプールのイオン強度はプールを10mM Tr
is−HCl緩衝液pH8.1中で1:4で希釈するこ
とにより40mM未満に低下させた。染料配位子カラム
は先ず4カラム容の同一出発緩衝液で洗浄して未結合蛋
白質を除去し、次いで溶出を15カラム容の10mM
Tris−HCl緩衝液、pH8.1中の0〜1.0M
NaClで構成されている線形勾配で行った。本発明
者等はIL−1活性が典型的には0.50〜0.55M
NaClにおける鋭いピークにおいて溶出されたこと
を見出した。カラム画分を集め上記の如く分析した。 【0091】IL−1の活性画分のSDS−PAGE分
析は、約17,500ダルトンの分子量を有する単一蛋
白質バンドを示した。上記の高分子量バンドはカラムか
ら溶出され15,000及び12,000ダルトンの低
分子量のバンドはより高い塩濃度において溶出された。
活性IL−1画分について行われた分析は、約6.2×
106UのIL−1の全活性、約9.5×108U/mg
の特異活性及び約6.5μgの全蛋白質含量を示した。
これは99%を越えるIL−1の総括純度及び出発上澄
液からの約31%の収率に相当する。SDS−PAGE
及び染料配位子アフィニティクロマトグラフィー後に集
められた画分の銀染色から得られた単一の蛋白質バンド
から、又、分析された画分の特異活性からも、IL−1
分子の本質的な等質性は本発明によりIL−1の高収率
を維持しながら達成されたことは明らかである。 【0092】染料配位子アフィニティクロマトグラフィ
ーから得られた等質なIL−1は又上記の如く銀染色と
共に二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動によっても
分析された。この操作も首尾一貫して全く同一の分子
量、即ち17,500ダルトンにおいて4つの染色スポ
ットをもたらし、同一色を銀染色において染色した。こ
れらのスポットは出発上澄液のいずれのロットが使用さ
れたかの如何に拘らず、常に同一の位置及び同一の相対
割合にあった。最も強いスポットは6.3〜5.9のp
Iを示した。他の3つのスポットはpH勾配がより酸性
になるにつれて、染色度が弱くなる。これらの結果はお
そらく異ったアミド化の状態によりヒトIL−1はin
vivoにおいて異った荷電状態にあることを示して
いる。銀染色が各スポットに対して全く同一の色をもた
らすという事実は同一の親蛋白質は全ての場合において
染色している可能性が最も強いことを示している。 【0093】例 4 アフィニティクロマトグラフィー−青色染料 例3の代替法として、例2からの活性画分をプールし、
次いで染料配位子がアガロースマトリックスに架橋され
たCibacron(登録商標)Blue 36A染料
(Bethesda Research Labora
toriesメリーランド州、ベセスダ、Cat.N
o.5904 SA)で構成されている、他は例3にお
いて使用されたのと本質的に同一のアフィニティクロマ
トグラフィー技術により更に精製する。活性画分につい
て行われた分析は約5.0×106UのIL−1の全活
性及び約7.6×108U/mgの特異活性を示し、そ
れは赤色染料由来IL−1中に存在していた活性の約8
0%であった。より高い純度を達成するためには、青色
染料配位子アフィニティクロマトグラフィーからの活性
画分を集め、その操作を繰り返すことが出来る。 【0094】例 5 アミノ酸組成分析 例3或いは4からの精製IL−1を5.7N HCl
(濃HCl(Kodak,ニューヨーク州、ロチェスタ
ー)から再蒸留)中において、真空中で24時間及び4
8時間沸騰させて、ペプチド結合の加水分解及び遊離ア
ミノ酸の放出を行なった。加水分解後、試料を真空乾燥
し、次いで0.2Nのクエン酸ナトリウム、pH2.2
中に再懸濁させた。これらの試料を次いでニンヒドリン
検出を用いる単一カラムLKB Model 4150
−Alpha(英国、ケンブリッジ)アミノ酸アナライ
ザー中に注入した。存在する特別のアミノ酸の量に対応
する出力「ピーク」の面積をLKB Model 22
20記録積分計により積分した。 【0095】本技術により決定されたヒトIL−1のア
ミノ酸組成を下記の表Iに示す。表Iに示される如く、
上記アミノ酸分析からはグルコサミン或いはガラクトサ
ミンは観察されず、これはヒトIL−1は単一分子量種
としてポリアクリルアミドゲル上を移動するという、本
発明者等の従来の発見に一致するものである。これらの
観察の一方或いは両方はもしヒトのIL−1が、付着し
た炭水化物部分を含むならば反対となるであろう。この
様にして、ヒトIL−1が糖蛋白質であることは有りそ
うにない。 【0096】 【表1】表 1 ヒトIL−1のアミノ酸分析 アミノ酸 分子当りの残基数 Asp/Asn 14 Thr 8 Ser 11 Glu/Gln 22 Pro 6 Gly 11 Ala 8 Cys 1* Val 11 Met 4 Ile 6 Leu 11 Tyr 4 Phe 11 His 3 Lys 13 Arg 3 *アミノ酸配列分析より決定 【0097】例 6 分子のN−末端部分のアミノ酸配列分析 例3或いは4の染料配位子アフィニティクロマトグラフ
ィーからの等質IL−1を含有する画分を先ず脱イオン
蒸留水で10倍に希釈し、1N HClでpH4.0に
調整し、次いで0.5mlベッド容量のSPS C−2
5クロマトグラフィーカラムに適用した。IL−1の適
用前にカラムを0.1Mクエン酸ナトリウム、0.05
M NaCl、pH4.0で構成されている緩衝液で平
衡化させた。IL−1の負荷後カラムを10mlの同一
緩衝液で洗浄し、次いで20mlの脱イオン蒸留水で洗
浄した。その後、IL−1を10mM ホウ酸ナトリウ
ムpH9.0で溶出した。 【0098】第1の配列決定分析操作において、上記の
如く濃縮した11.1μgの等質なIL−1を真空乾燥
し、次いでApplied Biosystems M
odel 470蛋白質配列決定器を用いて直接的に自
動化アミノ末端Edman分解に付した。この方法によ
り本発明者等は、IL−1分子のN−末端部分が次の配
列のアミノ酸残基よりなることを発見した: 【化10】NH2−Ala−Pro−Val−Arg−
Ser−Leu−Asn−Cys-Thr-Leu-Ar
g-Asp-Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Le
u-Val-Met. 第2の配列決定分析操作において等質なIL−1を酵素
トリプシンで分別し、次いで自動化配列決定分析に付し
た。IL−1分子のトリプシンによる分別前にリジン残
基の側鎖を特別の試薬無水シトラコン酸で保護した。こ
の目的のために、SPS C−25カラム溶出液からの
画分を真空中で1mlの最終容積まで濃縮した。1μl
の無水シトラコン酸(Pierce)を濃縮IL−1に
添加し、次いでpHを5N NaOHで8.3に調整し
た。反応混合物を15分間撹拌し、室温で1時間放置し
た。その時点において、第2の1μl量の無水シトラコ
ン酸を添加し、反応混合物を更に15分間撹拌し、次い
で混合物を5N NaOHで8.3の最終pHに調整し
た。室温において更に1時間放置後100μlの1M
Tris−HCl、pH7.4及び100μlの1M
NH4HCO3、pH7.8を反応混合物に添加して保護
工程(blocking process)を完結させ
た。 【0099】次に、2μgをTPCK−処理トリプシン
(Worthington)(10μlの10mM H
Cl、pH2.0中)を反応混合物に添加し、IL−1
分子をアルギニン残基において切断した。トリプシン添
加後、混合物をゆっくり5秒間撹拌し、次いで37℃に
おいて2時間インキュベートした。インキュベーション
時間の完了後、更に2μgのTPCK−処理トリプシン
を添加し、混合物を更に2時間37℃でインキュベート
した。混合物を次いで室温に冷却し、90%のギ酸(B
aker)でpH2.5に調整した。室温で4時間放置
後酸性化された混合物を0.5mlの6Mグアニジン−
HClを添加して希釈し、次いで予め水中0.1%TF
A(v/v)で平衡化しておいた4.6×250mmの
Vydac 218 TPカラムにBeckman M
odel 112ポンプ(Beckman Instr
uments,Division of Smith
Kline Beckman)を用いて約1ml/分の
流速で注入した。この負荷されたカラムを先ず水中0.
1%TFA(v/v)で洗浄し、未結合成分を除去し、
次いでIL−1ペプチド類を0.5%/分の割合で1m
l/分の流速で0.1%TFA(v/v)中0〜100
%アセトニトリルの線形勾配でカラムから溶出させた。
ペプチド類の溶出は、230nm波長における紫外線分
光光度法により検出した。 【0100】IL−1ペプチド類を含有する個々の画分
或いは2以上の画分より構成されているプールの配列決
定を、自動化アミノ末端Edman分解により行った。
配列決定前にIL−1を含有するHPLC画分をゲル電
気泳動により分析して、各画分中のペプチドの数を決定
した。その後、ペプチド類を真空濃縮して約30μlの
最終容積にして調整されたフィルター上にスポットし、
次いで44℃において加熱室で乾燥した。乾燥フィルタ
ーをApplied BiosystemsModel
No.470A自動化蛋白質配列決定器中に入れた。
この操作により本発明者等は、N−末端部分近辺のヒト
IL−1分子の主たる断片は次のアミノ酸残基の配列よ
り構成されていることを発見した: 【化11】Ser−Leu−Val−Met−Ser−
Gly−Pro−Tyr−Glu−Leu−Lys−A
la−Leu−His−Leu−Gln−Gly−Gl
n−Asp−Met−Glu−Gln−Gln−Val
−Val−Phe. この配列のN−末端の最初の四つの残基は上記において
直接自動化蛋白質配列決定により求められたC−末端の
最後の四つの残基と一致し、この中間配列は上記N−末
端配列の続きであるとの結論に導く。 【0101】例 7 例1の第1段落において説明したようにして調製された
単核細胞をRPMI−1640培地中に10%ウシ胎児
血清(v/v)と共にプラスチック培養フラスコに入れ
た。37℃における2時間のインキュベーション後、非
付着細胞をデカンテーション分離し、次いで20μg/
ml E.coli LPSを含有する追加の血清補給
RPMI−1640培地をフラスコに再び満たした。1
6時間後、付着LPS刺激細胞をRNAとして採取し
た。 【0102】全RNAは付着性単核細胞から上記Chi
rgwin等の方法により抽出した。この操作におい
て、グアニジニウムチオシアネートを使用してRNas
eによるRNA加水分解の速度を越える速度でRNas
eを含む細胞蛋白質を変性した。mRNAは細胞蛋白質
からセシウムクロライドの密なクッションを介して超遠
心分離により除去した。 【0103】その後、ポリアデニル化mRNAを上記マ
ニアティス等の文献197により開示されている方法を
用いてオリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィー
カラム上で抽出蛋白質から分離した。簡単に述べると、
カラムを20mM Tris−CI(pH7.6)、
0.5M NaCl、1mMエチレンジアミン四酢酸
(「ETDA」)及び0.1%SDSにより構成されて
いる適用緩衝液で準備した。蛋白質ペレットを水及び適
用緩衝液に溶解し、次いでカラムに負荷した。非吸着物
質を先ず適用緩衝液で洗浄し、次いで0.1M NaC
1を含有する適用緩衝液による追加の洗浄により溶出し
た。保持されたポリアデニル化mRNAは10mM T
ris−C1(pH7.5)、1mM EDTA及び
0.05%SDSにより構成されている減少されたイオ
ン強度の緩衝液を用いて溶出した。溶出されたポリアデ
ニル化mRNAを−20℃において1/10容酢酸ナト
リウム(3M、pH5.2)及び2.2容のエタノール
を用いて沈殿させた。ポリアデニル化mRNAをオリゴ
(dT)−セルロースカラムから溶出後、ポリアデニル
化mRNAの完全性を上記マニアティス等の文献199
において詳説されているアガロースゲルによる電気泳動
により確認した。 【0104】ポリアデニル化mRNAはメチル水銀アガ
ロースによる電気泳動により大きさの分類を行った。m
RNAの異った大きさの群に対応するゲル画分を次いで
上述の如き、ウサギ網状赤血球溶解物を使用して或いは
アフリカツメガエル卵母細胞に注射してin vitr
oで翻訳した。網状赤血球翻訳或いはmRNA注射卵母
細胞により放出された液体について、上記アッセイを用
いてIL−1活性の存在を試験した。in vitro
で翻訳された際に、IL−1活性を生じたmRNAゲル
画分をcDNA構成のためのmRNA源として選択し
た。 【0105】例 8 eDNAライブラリーの構成 mRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリーを例
7の精製mRNAから上記マニアティスらの文献229
により詳説されている標準的操作方法を用いて調製し
た。オリゴ−dTをmRNAのポリアデニル化された尾
部にハイブリダイズさせ、第1のcDNA鎖の逆転写の
ためのプライマーとして用いた。酵素鳥類骨髄芽球症ウ
ィルス(「AMV」)の逆転写酵素がmRNAを鋳型と
して用いて第1のDNA鎖を合成した。この方法の結
果、最初のcDNA鎖の3’末端にヘアピンループが形
成され、それは第2のcDNA鎖の一体的プライマーと
して役立った。mRNA鎖をNaOHで分解後、第2の
cDNA鎖をDNAポリメラーゼIを用いて合成した。
次いでヘヤピンをヌクレアーゼS1で除去して二本鎖c
DNA分子を形成した。 【0106】この二本鎖cDNAをSephacryl
S−400(PharmaciaFine Chem
icals)カラムクロマトグラフィーにより大きな分
類に分別し、末端標識化されたpBR322 DNAの
断片を分子量マーカーとして用いるアルカリアガロース
ゲル電気泳動を使用する分析により追跡した。500b
p未満の長さを有するDNA鎖は、これらの望ましくな
いcDNA画分の不必要なクローニングを避けるために
除外した。 【0107】上記の如く調製された二本鎖cDNA画分
を上記マニアティス等の文献の239に始まる方法によ
りpBR322プラスミド(Pharmacia Fi
neChemicals)のPstI部位中に挿入し
た。この操作において二本鎖cDNAはその3’末端に
おいてポリ(dC)でテーリングされた。プラスミドp
BR322をPstIエンドヌクレアーゼで消化し、次
いで3’末端にポリ(dG)でテーリングした。テーリ
ングされたプラスミドDNA及びテーリングされたcD
NAをアニーリング緩衝液(0.1M NaCl,10
mM Tris−C1(pH7.8)及び10mM E
TDA)でアニーリングし、新規な組み換えプラスミド
を形成した。ここに記載される全ての制限酵素はNew
England Biolabs,マサチューセッツ
州、ベバリーから市販されているものである。 【0108】これらの組み換えプラスミドは上記ハナハ
ンの操作方法を用いてE.coli菌株MM294中に
形質転換された。ここに用いられたE.coli細胞は
高められた割合のMg2+中における生育により調製され
た。形質転換宿主をプレート培養し、次いで形質転換体
を表現形同定剤としてテトラサイクリンを使用して同定
した。この技術を使用することにより、本発明者等は約
2×106個の独立の形質転換体を得た。 【0109】例 9 合成オリゴヌクレオチドスクリーニングプローブの調製 上記例8におけるようにして調製したcDNAライブラ
リーのスクリーニングにおけるプローブとして合成オリ
ゴヌクレオチドを使用した。このプローブは次の組成に
より構成されているものであった: 【化12】 5’AC TTG TTG TTC CAT GTC TTG GCC TTG CAG GTG CAG GGC TTT CAG TTC GTA GGG GCC GGA CAT 3’. このオリゴヌクレオチドプローブは上記スード等の文献
及び上記ヒロセ等の文献に詳説されているトリエステル
法により化学的に合成されたものであった。 【0110】化学合成が完了後、オリゴヌクレオチドプ
ローブの5’−末端を32Pで標識化した。標識化を容易
にすするためにオリゴヌクレオチドの5’末端はOH末
端で合成され、それによりDNA断片の標識化をする際
に典型的に使用されなければならないホスファターゼ処
理を除去した。標識化方法は1μlの合成オリゴヌクレ
オチドを16μlの32P−ATP(3000ci/m
M)、1μl(10U)のT4ポリヌクレオチドキナー
ゼ及び2μlの10×キナーゼ緩衝液Iに添加すること
を含むものであった。10×キナーゼ緩衝液Iは、0.
5M Tris−C1(pH7.6)、0.1M Mg
Cl2、50mMジチオスレイトール、1mMスペルミ
ジン及び1mM ETDAより構成されているものであ
った。反応は37℃で30分間行われ、その後合成され
たオリゴヌクレオチド類をフェノール/クロロホルムで
抽出した。標識化されたプローブを未標識化オリゴヌク
レオチド類からSephadex G−50カラム(P
harmacia FineChemicals)上の
クロマトグラフィー或いはそれを通して遠心分離により
分離した。 【0111】例10 cDNAライブラリーのスクリーニング 上記例9において調製したcDNAライブラリーの最初
のスクリーニングを容易に行うために形質転換細菌培養
物を各々、約2,000個の形質転換体の異ったクロー
ンを有する群にプール分けした。プラスミドDNAをイ
シューホロヴィッツ及びバーク[Ish−Horowi
cz and Burke,9 Nucl.Acids
Res.2989(1981)]に詳説されている標
準的アルカリ溶解法により宿主細菌の試料から除去し
た。単離されたプラスミドを2つのフラグメントに分離
した。これは先ずプラスミドを完全にPvuII及びHi
ndIIIで消化することにより達成された。この目的の
ために、プラスミド類を20μlの1×HindIII緩
衝液(7mM、Tris(pH7.4)、7mM塩化マ
グネシウム、60mM NaCl)に再溶解し、次いで
1μlのPvuII及び1μlのHindIII制限エンド
ヌクレアーゼを添加した。この混合物を37℃で2時間
インキュベートした。 【0112】次に、プラスミド消化物を適当な大きさの
マーカーを用いて0.8%アガロースゲルによる電気泳
動により分別した。アガロースゲルは上記サザンにより
説明されている標準的方法を用いてニトロセルロースフ
ィルター上にプロットさせた。この転移操作後、フィル
ターを風乾し、約80℃で真空下に2時間焼成し、DN
A断片をニトロセルロースに結合させた。 【0113】結合されたDNAを次いで標識化されたオ
リゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズした。簡単
に述べると、焼成されたニトロセルロースを6×クエン
酸ナトリウム塩水(「SSC」)(20×SSCは80
0mlのH2O中175.3gのNaCl及び88.2g
のクエン酸ナトリウムにより構成され、pHは10NN
aOHで7.0に調整されている)中に予備浸漬し、次
いで6×SSC、0.5%NP40洗剤、0.1%サレ
オシル、5×Denhardtの溶液(0.02%Fi
coll、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02
%BSA)及び100μg/mlの変性鮭精液DNA
(Sigma TypeIII、ナトリウム塩)より構成
されているプレハイブリダイゼーション緩衝液中におい
て50℃で2〜4時間インキュベートした。フィルター
を、次いで上記ハイブリッド化溶液中において32P−標
識化オリゴヌクレオチドプローブ(106cpm/μ
g)(例3からのもの)で50℃において一晩インキュ
ベートした。一晩のハイブリダイゼーション後、フィル
ターを室温で十分に6×SSCで洗浄し、次いで50℃
で6×SSCにより5分間洗浄した。風乾後フィルター
を−70℃でオートラジオグラフィーに付した。 【0114】オートラジオグラフィーから本発明者等は
幾つかのハイブリッド化バンドを見出した。プラスミド
DNAがハイブリッド化バンドを生成したクローンのプ
ールをプレートから取り出し次いで上記と同一のハイブ
リッド化条件下において標識化されたオリゴヌクレオチ
ドプローブを用いたニトロセルロースペーパー上の直接
細菌コロニーハイブリッド化に使用した。この方法によ
り、単一のコロニーが同定された。 【0115】例11 スクリーニングされたcDNAの制限酵素マッピング IL−1 X−14と称されるプラスミドが例10に示
された操作により同定された陽性のコロニーから調製さ
れた。E.coli菌株RR1中に形質転換されたIL
−1 X−14プラスミドの試料はATCCに寄託番号
39925で寄託されている。その後このIL−1X−
14プラスミドを、線形化されたDNAの末端標識化さ
れた断片の部分消化を含む上記スミス及びブリンスチー
ルにより開発された技術を用いて制限酵素マッピングに
より分析した。DNA断片をそれらの5’末端において
ポリヌクレオチドキナーゼ及び32P−ATPを用いて32
P−ホスホリル基で標識化した。標識化したDNA鎖を
次いで非対称的に適当な制限酵素で切断して各々その一
方の末端で標識された二つの断片を与えた。これらの標
識化された断片をゲル電気泳動により単離した。これら
の二つの断片の各々を適当な制限酵素により部分的に消
化した。大きなスペクトルの消化断片が生成されるが、
標識化された断片は各々共通の標識化された末端を有す
る単純な重複系列を形成する。これらの断片をゲル電気
泳動により分別し、次いでオートラジオグラフィーによ
り検査した。ゲル上の断片の位置は、プラスミドDNA
に沿った制限部位の順序に直接対応する。 【0116】この操作により本発明者等は、IL−1遺
伝子の領域におけるIL−1X−14のプラスミドの制
限部位を第3図に示されるように部分的にマッピングし
た。遺伝子の制限部位間に示される番号は塩基対にある
部位間の近似的距離に対応する。 【0117】例12 スクリーニングされたcDNAの配列決定 第3図に示されるDNAセグメントの配列決定は以下に
述べる変更を除いては上記Amersham Hand
bookに記載されている方法と本質的に同一のジデオ
キシ連鎖−停止方法により行った。DNAセグメントを
HindIII及びPstI制限エンドヌクレアーゼで消
化し、次いで得られたDNA断片をM13一本鎖フィラ
メント状ファージベクターの菌株mp18及びmp19
(Amersham イリノイ州、アーリントンハイ
ツ)にクローン化させた。上記ノランダー等の文献に示
されているこれらのmp18及びmp19ファージベク
ターは次の独特のクローニング部位を含有する:Hin
dIII;SphI;PstI;SalI;AccI;H
incII;XbaI;BamHI;XmaI;Sma
I;KpnI;SstI;及びEcoRI。mp18及
びmp19ベクターの組成は上記制限部位の順序がmp
19ベクターにおいては反対になっていることを除いて
は同一であり、従って、DNAセグメントの両鎖をこれ
らの二つのベクターを用いて便利に配列決定することが
出来る。これらのmp18及びmp19ベクターは第3
図のcDNAセグメントの断片をその中に挿入されて菌
株K12のE.coli JM103及びJM105
(Bethesda Research Labora
tories、メリーランド州、ベセスダ)を形質転換
するために使用され、センス及びアンチセンス鎖の一本
鎖インサートを含有する複製一本鎖DNA鋳型を生成し
た。 【0118】合成のユニバーサルのプライマー:5’−
CCCAGTCACGACGTT−3’(P−L Bi
ochemicals,ウイスコンシン州、ミルウォー
キー)をアニーリングして、一本鎖DNA鋳型にし、上
記ヌクレオチド476〜477(第4図)の位置から上
流及び下流のDNA合成を開始するのに使用した。その
後、延長断片をゲル電気泳動により大きさ分離し、オー
トラジオグラフにかけ、断片のヌクレオチド断片を推定
した。三つの追加のプライマーを使用して、第4図のD
NAのセンス鎖に沿った中間位置からの合成を開始し
た。ヌクレオチド671〜688(第4図)に対応する
5’−CTGGAGAGTGTAGATCC−3’の組
成を有するプライマーを使用して、ヌクレオチドNo.
688から下流方向へのセンス鎖の合成を開始した。こ
のプライマー鎖の組成はユニバーサルなプライマーを使
用して予め得られた配列情報から確立された。組成:
5’−GATATAACTGACTTCAC−3’(第
4図のヌクレオチド851〜868に対応)の第2の合
成プライマーを使用してヌクレオチドNo.868から
下流方向のセンス鎖の配列化をした。配列:5’−GA
TTCGTAGCTGGATGC−3’(ヌクレオチド
No.235〜No.218に対応)を有する第3のプ
ライマーを使用してヌクレオチドNo.218から上流
方向のアンチセンス鎖の配列化を行った。 【0119】上記の「歩み寄り(walk dow
n)」法により、第3図のプラスミドcDNAの両鎖は
重複した方法で配列決定され、それによりそれらのヌク
レオチド配列が確認された。本発明の趣旨から離れるこ
となく鎖に沿った他の位置から鎖延長を開始するために
その他の合成プライマーを使用することが可能であった
ことが了解されるべきである。上記プライマー鎖は上記
文献のスード等及び上記ヒロセ等の文献に詳説されてい
るトリエステル法により化学的に合成されたものであ
る。しかしながら、ホスホジエステル法などによるその
他の公知の技術を使用して、プライマー鎖を合成するこ
とができることが了解されるべきである。 【0120】デオキシアデノシン5’(アルファー[35
S]チオ)トリホスフェート(以下に「dATP[α−
35S]」と称する)をジデオキシ配列反応における放射
活性標識として使用した。又、Amersham Ha
ndbookの36頁に示されているゲルを使用する代
りに6%のポリアクリルアミドゲルを使用した(6%ポ
リアクリルアミドゲル、0.4mm厚、7M尿素100
mM Trisホウ酸塩(pH8.1)及び2mM E
DTA含有)。 【0121】上記の如く第3図のプラスミドDNAのヌ
クレオチド配列は第4図に図示されている。このDNA
のセグメントは成熟IL−1をコードするIL−1遺伝
子の領域を含むことが見出された。これらのヌクレオチ
ド鎖は第4図のDNAセグメントの始めから番号を付さ
れている。ヌクレオチド配列及び蛋白質配列分析により
求められた対応するアミノ酸は適当なコドンの上に示さ
れている。IL−1遺伝子のアミノ酸配列は、IL−1
分子の成熟NH2−末端、即ち第4図において矢印で印
されているAla残基(ここからアミノ酸残基の付番が
始まる)から停止コドンTAAの直前のSer残基(N
o.153)まで延びている。各種制限酵素切断部位も
第4図に示されている。第4図におけるIL−1遺伝子
のコード化領域は第3図における箱で囲んだ部分に図示
されている。 【0122】IL−1アミノ酸配列研究は上記スターン
等の文献の方法に従って行われたが、この方法において
はシアノ−ゲンブロマイドを用いてIL−1をメチオニ
ン残基において切断した。得られた断片は標準的イオン
交換方法により大きさにより分離された。単離されたペ
プチド断片は次いでApplied Biosyste
ms Model 470蛋白質配列決定器を用いて自
動化アミノ末端Edman分解により配列決定された。
この方法により本発明者等は、ヌクレオチド配列により
得られた結果、即ちIL−1蛋白質のC−末端がアミノ
酸配列:Gln−Phe−Val−Ser−Serによ
り構成されていることを確認した。これは、「天然」の
IL−1はmRNAからの翻訳後この分子末端からのア
ミノ酸除去により生成されないことを確立する。これ
は、第4図のIL−1遺伝子のヌクレオチド配列から相
当な量のRNA配列がIL−1のその前駆体からの成熟
に際し、IL−1遺伝子のN−末端から除去されている
のが明らかであるので重要である。 【0123】例13 成熟IL−1の発現 IL−1遺伝子のコード化領域を第3図のcDNAクロ
ーンから切り出し、次いでpY ADHシャトルベクタ
ー中に挿入して組み換え発現プラスミドpYADH I
L−1を形成した。pY ADH IL−1シャトル発
現ベクターを調製するための再構成図式を第5図に示
す。このプラスミドはE.coli宿主細胞中で増幅さ
れ、次いで成熟IL−1の高割合発現のために酵母宿主
細胞を形質転換するために使用される。発現されたIL
−1の官能性は上記胸腺細胞増殖及びIL−2転換アッ
セイを用いて確認された。 【0124】HpaII部位(第4図の塩基#457)か
ら遺伝子の3’側面領域に至るIL−1遺伝子のコード
化領域の主たる部分を、上記マニアティス等の文献の1
04に示されている標準的実験方法においてHpaII及
びPstI制限酵素を使用することにより第3図及び第
4図に図示するcDNAプラスミドセグメントから除去
した。このIL−1遺伝子セグメントは、遺伝子の5’
末端に正確に対応する便利な制限部位が見出されなかっ
たので遺伝子の5’末端から29ヌクレオチド下流に位
置するHpaII部位においてcDNAクローンから切断
した。切り出されたIL−1遺伝子セグメントの3’−
PstI部位はT4 DNAポリメラーゼで満たされ以
下に述べるシャトルベクターのStuI部位と適合性の
あるブラントエンドを形成した。 【0125】IL−1遺伝子のコード化領域の5’末端
部分を戻し添加するため及びコード化領域の5’末端に
おいて翻訳開始コドンを創り出すために合成オリゴヌク
レオチドを化学的に合成した。このオリゴヌクレオチド
の組成は下記表IIに示す如くEco RI付着5’末端
に続いてATG開始コドンがあり、次いでIL−1遺伝
子のコード化領域の5’末端(HpaII部位に至る)を
含む。表IIに示されたオリゴヌクレオチドは上記スード
等及び上記ヒロセ等の文献に詳説されているトリエステ
ル技術により化学的に合成されたものであるが、このオ
リゴヌクレオチドはホスホジエステル法などの他の方法
により調製することができることが了解されるべきであ
る。 【0126】 【表2】表II ECOR1 Met Ala Pro Val Arg Ser Leu Asn Cys Thr Leu 5'-AATTCAAC ATG GCA CCT GTA CGA TCA CTG AAC TGC ACG CCT -3' GTTG TAC CGT GGA CAT GCT AGT GAC TTG ACG TGC GAGGC HpaII 【0127】又、IL−1遺伝子のコード化領域をHp
aII部位において切断する代りに第4図のプラスミドc
DNAを遺伝子の5’側面領域における制限酵素におい
て切断することも可能である。その後側面領域のヌクレ
オチド類は標準的技術により逐次除去することができ
る。 【0128】pY ADHシャトルベクターは、この合
成オリゴヌクレオチド及び切り出されたIL−1遺伝子
のコード化領域の主たる部分を連結するために上記マニ
アティス等の文献の104において示されている標準的
技術によりベクターを制限エンドヌクレアーゼEco
RI及びStuIを用いて完全に消化することにより調
製された。pY ADHプラスミドの消化から得られた
所望のより大きな断片は0.7%アガロースゲル上10
0ボルトにおいて22℃で2時間電気泳動を行うことに
より単離された。 【0129】第5図に示す如く、合成DNAオリゴマ
ー、IL−1遺伝子のコード化領域の切り出された主た
る部分及び所望の線形化されたpY ADH断片は、1
00μgのpY ADHベクター断片(Eco RI−
StuI)、40μgの主たるIL−1 cDNA断片
(HpaII−PstI[ブラント])、5μgの合成オ
リゴヌクレオチド(Eco RI−HpaII)、1μl
のT4 DNAリガーゼ及び十分なT4リガーゼ緩衝液
(0.4M Tris[pH7.4]、0.1MMgC
l2、0.1Mジチオスレイトール、10mMスペルミ
ジン、10mMATP及び1mg/mlBSA)より構
成されており、20μlの反応容量を形成する反応混合
物中で一緒に連結された。反応は15℃において15時
間インキュベートすることにより行われた。 【0130】得られたpY ADH IL−1と称され
る組み換えプラスミドを次いで上記ボリバー等及び上記
ピーコック等の文献に示されているような標準的形質転
換技術を用いてE.coli菌株RR1中に形質転換さ
せた。宿主細胞を培養してpY ADH IL−1プラ
スミドを増幅し、次いでプラスミドを上記マニアティス
等の文献368及び上記インシュ−ホロビッツ及びバー
ク等により詳説されている標準的アルカリ方法により宿
主細菌から除去した。プラスミドDNAを上記マニアテ
ィス等の文献の93に示されているセシウムクロライド
−エチジウムブロマイド密度勾配における平衡になるま
で遠心分離して精製した。本発明の範囲及び趣旨から離
れることなく、その他のE.coliから増幅されたプ
ラスミドDNAを抽出/濃縮する技術を使用することが
出来ることを了解すべきである。 【0131】上記の如く調製された増幅pY ADH
IL−1プラスミドを次いで使用して標準的技術により
S.セレビジアエ(S.Cerevisiae)のプロ
ターゼ欠陥酵母菌株20B−12(アルファ、pep
4.3、Trp1)を形質転換させた。形質転換に先立
ち、20B−12菌株をYP−グルコース培地(200
ml)中の培養液中で生育させて2×107細胞個/m
lの培養物を得た。これらの細胞を22℃において5分
間1000×gの遠心分離で採取し、次いで得られたペ
レットを無菌蒸留水で洗浄した。 【0132】これらの酵母細胞を次いで20mlのSE
D(1Mソルビトール、25mMETDA[pH8.
0]、及び50mMジチオスレイトール)中に再懸濁さ
せて濃縮し、30℃で10分間インキュベートした。細
胞−緩衝液混合物を次いで300×gで5分間遠心分離
した。ペレットを200mlの1Mソルビトールで一度
洗浄し、細胞を20mlのSCE(1Mソルビトール、
0.1Mクエン酸ナトリウム[pH5.8]、0.1M
ETDA)中に再懸濁した。細胞壁を破壊するために
グルスラーゼを0.2mlの量で溶液に添加し、次いで
溶液を時々静かに振盪しながら30℃で30分間インキ
ュベートした。 【0133】スフェロプラストの存在は、10μlの酵
母細胞を顕微鏡スライド上に一滴の5%ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)(wt/vol.)中に希釈し、4
00×位相差における「ゴースト」を観察して分析し
た。 【0134】細胞混合物を次いで300×gで3分間遠
心分離した。得られたペレットを20mlの1Mソルビ
トールで2回洗浄した。ペレットを次いで1回STC
(1Mソルビトール、10mM CaCl、10mM
Tris HCl[pH7.5])で洗浄した。 【0135】酵母スフェロプラストを次いでベッグス
[Beggs,275 Nature(London)
104(1978)]から適用された方法において予め
調製されたプラスミドベクターを用いて形質転換した。
ペレット化されたプロトプラストを1.0μlのSTC
に懸濁させ、次いで10μlの使い捨てチューブ(Fa
lcon # 2059)中の100mlのアリコート
に分割した。次いで1〜10μlのDNAプラスミドを
各アリコート(0.5〜5μg)に添加した。混合物を
室温で10分間静置し、次いで1mlのPEG(20%
PEG 4000、10mM CaCl2、10mM
Tris−HCl[pH7.4])を各アリコートに添
加してDNA摂取を促進した。室温において10分後、
混合物を350×gにおいて5分間遠心分離した。得ら
れたペレットを150μlのSDS(10mlの2Mソ
ルビトール、6.7μlのYEP[0.13mlの1M
のCaCl、27μlの1%ロイシン、及び3.7ml
のH2O])に再懸濁させた。この混合物を30℃で2
0分間インキュベートした。 【0136】その後、プロトプラスト/DNA混合物を
1.2Mソルビトール及び3%寒天を含む酵母最少培地
の存在下において45℃で且つトリプトファンなしにプ
レート培養した。この最少培地は0.67Difco酵
母、窒素塩基、0.5%カザミノ酸、2%グルコースよ
り構成されているものであった。プロトプラスト/DN
A混合物をこの培地中に維持することによりTrp/遺
伝子を含有する形質転換体のみが生き残った。 【0137】生物学的アッセイの前に、形質転換体を最
少培地から富有培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、
2%グルコース)に接種し、後期指数的生長相まで30
℃で15〜20時間生育させた。採取時にプロテアーゼ
阻害剤フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMS
F)を1mMまで添加した。培養物を次いで400×g
で遠心分離して細胞をペレット化した。その後細胞を1
度0.1vol.の冷H2O中において洗浄した。破壊
するために細胞を1mM PMSFを含有する0.1
vol.の冷H2Oに再懸濁させ、ガラスビーズ(1/3
容)を用いて2分間渦巻き撹拌させた。細胞残骸及びガ
ラスビーズを遠心分離によりペレット化した。得られた
上澄液はIL−1活性を示すことが判明した。これは上
澄液を上記胸腺細胞増殖及びIL−1転換アッセイの両
者において利用することにより確認された。 【0138】本発明の分野の当業者には明らかな如く、
本発明の趣旨即ち本質的特徴から離れることなく特に開
示された実施態様以外の形態で本発明を実施することが
可能である。従って、上記本発明の特別の実施態様はあ
らゆる面において例示的なものであり限定的なものでは
ない。本発明の範囲は前記説明に含まれる具体例に限定
されるものではなく冒頭の特許請求に掲げられる通りの
ものである。
(以下「IL−1」と称する)に関する。より詳しく
は、精製されたIL−1、IL−1の等質状態への精製
方法、並らびに精製されたIL−1のアミノ酸配列から
得られる合成オリゴヌクレオチドプローブを使用してI
L−1の遺伝子をクローニングしてIL−1メッセンジ
ャーリボ核酸(「mRNA」)から合成される相補的デ
オキシリボ核酸(「cDNA」)ライブラリーをスクリ
ーニングすること、およびスクリーニングされたIL−
1遺伝子の特性づけに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来文献において「リンパ球活性化因
子」即ち「LAF」として知られているIL−1はマク
ロファージにより免疫応答を行いながら産生されるホル
モンである。この蛋白質因子は広範囲の免疫学的及び非
−免疫学的応答を支配する。例えば、IL−1は、内因
性或いは白血球発熱物質、B−細胞活性化因子(BA
F)、表皮胸腺細胞活性化因子(ETAF)、白血球内
因性メディエータ(LEM)、慢性関節リューマチにお
ける骨吸収因子及び各種のその他の活性として称されて
いる活性を仲介するものと考えられている。その様なも
のとして、IL−1は上記活性を含むものとして本発明
において定義される免疫応答の治療の仲介を行うものと
して有望である。 【0003】研究者はこれまでにIL−1の多くの生物
学的特性を明らかにしてきたが、しかし、このホルモン
の化学的性質はよく理解されていない。今日まで、これ
は少なくとも部分的に必要な研究を行うために十分な量
の精製された形態でのIL−1が利用可能でなかったこ
とにより妨げられてきたものである。 【0004】過去において、ヒト及びネズミ源から得ら
れたIL−1を精製し、部分的に特性評価を行う試みが
なされている。例えばマイゼル[Mizel、122
J.Immunol.2167−2172(197
9)]はマクロファージ細胞系統P388D1からのネ
ズミIL−1の産生を報告している。培養液からのIL
−1が硫酸アンモニウム沈殿、ジエチルアミノエチル
(「DEAE」)セルロースカラムクロマトグラフィ
ー、限外濾過及びSephacryl S200カラム
クロマトグラフィーに付された。得られた活性画分は1
2,000〜16,000ダルトンの範囲の分子量を有
することが判明した。ポリアクリルアミドゲル中におけ
る等電点電気泳動によりIL−1のpIは5.0〜5.
4の範囲にあることが判明した。 【0005】引き続く報告において、マイゼル等[Mi
zel et al.,126 J.Immunol.
834〜837(1981)]は、上掲のマイゼエルの
文献において使用された同一のP388D1細胞系統か
らのIL−1を硫酸アンモニウム沈殿、フェニルセファ
ロースクロマトグラフィー、Ultrogel AcA
54ゲル濾過クロマトグラフィー及び調整用平坦−床I
EFにより「見かけ上の等質状態」まで精製することを
論じている。得られたIL−1は約4.9〜5.1のp
I及び約14,000ダルトンの分子量を有することが
判明した。 【0006】ブライデン等[Blydem et a
l.,118 J.Immunol1631−1638
(1977)]はSelphadex G−100カラ
ムクロマトグラフィーによりヒトの末梢血液白血球から
調製されたIL−1の濃縮方法を開示した。この方法は
粗製IL−1の4〜5倍の濃度が得られると報告され
た。粗製IL−1の調製の際に使用された血清からアル
ブミンを除去するためにDEAE−Bio−Gel A
アニオン交換クロマトグラフィーが使用された。次いで
集められた活性画分がヒドロキシアパタイトカラムに吸
着され、次いでCM−Bio−Gel Aカチオン交換
樹脂に適用された。これらの研究者はこれらの操作によ
り約20%の最初のIL−1が回収されたと報告されて
いる。得られたIL−1は約13,000ダルトンの分
子量及び約6.8〜7.2のpIを有することが判明し
た。 【0007】トガワ等[Togawa et al.,
122 J.Immunol.2112〜2118(1
979)]によりヒト白血球から調製された粗製IL−
1を先ず膜濾過に付し、次いでBio−Gel P−1
00クロマトグラフィーカラムにかけたところ、これは
2個の主たる活性ピークを示し、その一つは12,00
0〜22,000ダルトンの範囲にあるピークをもう一
つは約50,000〜70,000ダルトンの範囲のピ
ークを示した。低分子量領域の活性画分をプールし、次
いで青色Sepharoseカラム、DEAE−セルロ
ースイオン交換クロマトグラフィーカラム及びヒドロキ
シアパタイトクロマトグラフィーカラムにかけた。トガ
ワ等はこれらの操作の各々から得られる低分子量IL−
1活性が2%のヒト血清で戻され、濃縮され、及びBe
o−Gel P−100上で再クロマトグラフを行なわ
れると相当な部分の高分子量活性が出現することを発見
した。 【0008】ラッハマン[Lachman,42 Fe
deration Procee−dings 263
9−2645(1983)]は、急性単核細胞白血病或
いは急性骨髄性単核白血病患者から得られた末梢血液単
核細胞或いは白血病細胞からIL−1を調製することを
報告した、殆んどの血清蛋白質から低分子量活性を分離
するために中空糸透過濾過及び限外濾過が使用された。
この低分子量活性はアンホリン(Ampholine)
及びショ糖勾配中におけるIEFに付された。この方法
によりIL−1活性は約6.8〜7.2のpI及び約1
1,000ダルトンの分子量を有することが判明した。
ラッハマンは上記方法からのIL−1活性の全体回収率
は悪く、約4%の範囲であると報告した。 【0009】適量の均質なヒトIL−1の利用可能性は
関節炎及びエリテマトーデスなどの自動免疫障害の研究
及び可能性のある治療において貴重であり得る。又、こ
れまでに利用可能であったよりもより純度が高く且つ多
量のヒトIL−1は首尾よく傷及び火傷の治癒を達成す
るために有用となり得るものである。 【0010】比較的多量の均質なヒトIL−1を提供す
るための潜在的な方法は組み換えDNA技術によるもの
である。組み換えDNA技術は、蛋白質をコードする遺
伝子が一度単離され、且つ同定されると所望の蛋白質を
経済的に製造するために開発されてきた。その様な蛋白
質製造のための組み換えDNA技術の説明はScien
ce誌の196巻(1977年4月)の編集及び賛助論
文に示されている。しかしながら、この文献に論じられ
ている組み換えDNA技術を利用するためにはヒトIL
−1をコードする遺伝子を先ず単離しなければならな
い。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明はIL−1、ヒ
トIL−1の等質状態までの精製、及び等質IL−1の
アミノ酸組成及び部分的アミノ酸配列の決定に関するも
のである。本発明に従い、IL−1の粗製調製物をイオ
ン交換クロマトグラフィーとアフィニティークロマトグ
ラフィー方法との組み合わせにより精製した。この精製
方法のアフィニティークロマトグラフィー部分は不溶性
マトリックスに結合した染料リガンドを利用した。従来
技術に基づいて、同一の精製方法は他の哺乳動物種、例
えばネズミ、ウシ、あるいはブタのIL−1からのIL
−1に対して首尾よく使用することが出来るものと思わ
れる。 【0012】一度等質状態にまで精製されると、IL−
1分子のアミノ酸組成及び配列が分析された。分子のア
ミノ酸組成はアミノ酸アナライザーを使用して確認され
た。IL−1分子のN−末端部分のアミノ酸配列は、直
接エドマン(Edman)分解技術により、又、最初に
分子を分別し、高圧液体クロマトグラフィー(「HPL
C」)により断片を分離し、次いでIL−1ペプチドを
含有するHPLC画分をエドマン分解法により分析する
ことにより求めた。 【0013】本発明の更に別の側面に従えば、ヒトIL
−1をコードする遺伝子がcDNAライブラリーから上
記の如く求めたヒトIL−1のアミノ酸配列の部分に対
応する合成オリゴヌクレオチドプローブを用いて単離さ
れた。全ヒトRNAは比較的高割合のIL−1を産生す
ると考えられた細胞から抽出された。ポリアデニル化m
RNAは全RNA抽出物から単離された。cDNAライ
ブラリーはサイズ分離ポリアデニル化mRNAの逆転写
酵素による逆転写によって構成された。DNAはDNA
ポリメラーゼIを用いて二本鎖にし、適当なクローニン
グベクター中に挿入した。得られた組み換えクローニン
グベクターを使用して適当な宿主を形質転換させた。 【0014】形質転換された宿主を同定し、プールに組
み分けした。これらのプールから調製されたプラスミド
DNAを放射線標識されたオリゴヌクレオチドプローブ
とハイブリッド化した。プローブに対して陽性の信号を
与えたクローンのプールを同定し、次いで推定されたプ
ールを小分けし、ハイブリッド化スクリーニングを繰返
した。この操作により単一の形質転換体を最終的に同定
した。この形質転換体からプラスミドDNAを調製し、
制限エンドヌクレアーゼ消化により特徴付けを行った。
このIL−1遺伝子の配列を決定して、その核酸及びア
ミノ酸組成を確立した。又IL−1遺伝子をE.col
i/酵母細胞系中でクローニングして成熟IL−1を発
現させ、次いで生物学的アッセイを行って発現された蛋
白質生成物がIL−1であることを確認した。本願明細
書において「アリル変異体」とは、天然に存在する対立
遺伝子を意味し、人工的に修飾した遺伝子を含まない。 【0015】 【課題を解決するための手段】IL−1の調製 IL−1の粗製調製物は末梢血液白血球から調製され
る。白血球は全血から周知の技術、例えば所定量のFi
coll/Hypaque溶液に対する遠心分離などの
技術により分離される。血液から取り出された白血球は
IL−1分泌を誘発する適当な刺激剤を含有する培養培
地中においてin vitroで培養される。適当な培
養期間後に上澄液を遠心分離により取得し、使用される
まで貯蔵される。 【0016】全血から取り出される白血球から得る代り
にむしろIL−1は又任意の単核細胞に富んだ源から得
られる単核細胞から調製することが出来る。その様な単
核細胞源としては、単核白血病性脾臓細胞、リンパ細胞
及び肺胞マクロファージなどが挙げられる。 【0017】末梢血液白血球を培養するために使用され
る培地は市販の培地、例えばイーグルの最小必須培地
(「MEM」)或いはRoswell Park Me
morial Institute(「RPMI」)培
地により構成することが出来る。個々に或いは組み合わ
せて培養培地中に添加することのできる添加剤として
は、グルタミン、HEPES緩衝液及びゲンタマイシ
ン、ペニシリン、ストレプトマイシンなどの各種抗生物
質が挙げられる。過去においては、血清も又通常添加剤
として使用されていた。しかしながら、本発明者等は、
本発明の方法においては血清が培養液中に使用されない
場合に、培養上澄液からのIL−1の精製が容易に行わ
れることを見出した。血清を使用しない場合には、培養
液中に産生されるIL−1の量が3〜4倍減少するが、
血清がないと又産生される全蛋白質が100倍減少し、
それはIL−1の精製に含まれる複雑さを少なくするも
のである。 【0018】本発明について使用される好ましい刺激剤
としては、スタフィロコッカス・アウレウス(Stap
hylococcus aureus)、或いはエシェ
リヒア・コリ(「E.coli」,Escherich
ia coli)から抽出されたリポポリサッカライド
(「LPS」)が挙げられる。更に、ホルボールエステ
ル類、例えばホルボールミリステート13−アセテート
を刺激剤として使用することが出来る。 【0019】白血球を培養してIL−1の分泌を誘発す
る方法は各種環境条件下において行うことが出来る。し
かしながら、好ましくは約35〜38℃の温度範囲にお
いて空気中約5〜10%のCO2の加湿化雰囲気内にお
いて維持されるのがよい。末梢血液白血球を活性化剤に
より刺激することにより放出されるIL−1の量は時間
と共に変化する。本発明者等はIL−1発現の最適割合
は刺激後約24〜72時間において到達することを見出
した。 【0020】アッセイ/分析 本発明において、IL−1活性度及び本発明の精製、ク
ローニング及びIL−1発現操作の際の試料の蛋白質含
量を追跡するために胸腺細胞増殖アッセイ、IL−1転
換アッセイ及び蛋白質アッセイが使用される。又、精製
操作の際のIL−1活性を分析するためにドデシル硫酸
ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(「SD
S−PAGE」)及び二次元ゲル電気泳動が使用され
る。 【0021】胸腺細胞増殖アッセイ このアッセイはIL−1の試料のCD−1マウスに由来
する胸腺細胞の増殖を誘発する能力を確認するものであ
る。このアッセイにおいて、10〜12週令のCD−1
マウス(Charles River Breedin
g Laboratories,メリーランド州、ウィ
ルミントン)から得られた約1×106個の胸腺細胞を
3倍逐次希釈のIL−1含有試料の存在下において丸底
マイクロプレートウェル(Corning Plast
ics,ニューヨーク州、コーニング)に植付ける。胸
腺細胞は、50単位/ml(「U/ml」)のペニシリ
ン、50マイクログラム/ml(「μg/ml」)のス
トレプトマイシン、2ミリモル(「mM」)のグルタミ
ン、0.2mMのゲンタマイシン、10mM HEPE
S緩衝液、(一緒に「補給MEM」と称する)、pH
7.4を3%v/vヒト血清及び10-5モル(「M」)
2−メルカプトエタノールと共に含む150マイクロリ
ットル(「μl」)のMEM中において培養される。試
料は空気中5%CO2の雰囲気内で37℃において72
時間培養される。その後、培養物を約4時間0.5マイ
クロキューリ(「μCi」)のトリチウム化したチモジ
ン(「3H−Tdr」)(New England N
uclear、マサチューセッツ州、ボストン、2Ci
/mM特異活性)でパルス処理した。その後培養物を例
えば多重自動化試料採取器を用いてガラス繊維フィルタ
ー片上に採取する。3H−Tdrの導入は次いで液体シ
ンチレーション計数により測定される。この操作の詳細
はギリス等により開示されている[Gillis et
al.,120J.Immunol.2027(19
78)]。 【0022】この胸腺細胞増殖アッセイ方法により、I
L−1の存在下において培養されたCD−1胸腺細胞の
みが照射線量に応じて3H−Tdrを取り込む。IL−
1の不存在下に培養されたCD−1細胞はバックグラウ
ンド水準の3H−Tdrを導入するにすぎない。IL−
1活性は、上掲のギリス等によりインターロイキン−2
活性を求めるために使用された操作と同様にして3H−
Tdr導入データの線状部分から計算される。IL−1
活性の単位は実験室の標準に対比して胸腺細胞3H−T
dr導入の50%を発生する試料の希釈率の逆数として
求められる。例えば、ある試料が最大胸腺細胞3H−T
dr導入の50%を1:15の希釈率で発生するならば
IL−1の1単位(「U」)は150μlのアッセイ容
積の1/15に見出され、即ち10μlが活性の1Uを
含有するということができる。従って、全試料は100
UのIL−1活性/mlを含有することになる[100
0(μl/ml)÷10μl(U当り)](上掲のギリ
ス等の文献参照)。 【0023】IL−1転換アッセイ IL−1活性の第2の代替的アッセイ法は、IL−1
は、本発明者等によってインターロイキン−2(「IL
−2」)非産生体ネズミ腫瘍細胞系統,LBRM−33
−145,をIL−2産生体に転換すると見い出された
事実を利用するもので、この方法を用いることができ
る。このアッセイにおいて、LBRM−33−1A5細
胞、ATCC No.CRL−8079は50μg/m
lのマイトマイシンCを添加して不活性化され、37℃
で1時間インキュベートされる。100μlの不活性化
LBRM−33−1A5細胞(5×105細胞/ml)
はIL−1の含有液体試料の逐次希釈液と共に等容量の
有糸分裂促進剤(ミトゲン)フィトヘムアグルチニン
(「PHA」)(1%最終濃度)の存在下において96
−ウエル平底プレート中において培養する。6〜24時
間後IL−1誘発、ミトマイシンC−抑制のLBRM−
33−1A5細胞(従って、IL−1活性)により発生
されたIL−2の活性の存在を50μlのIL−2依存
性CTLL−2細胞(8×104細胞/ml)を添加し
て直接的に確認する。マイクロウエル培養物を更に20
時間インキュベート後、0.5μCiの3H−Tdrに
より4時間のパルス処理を行う(New Englan
d Nuclar,マサチューセッツ州、ボストン、2
Ci/mM特異活性)。その後、チミジン−パルス処理
された培養物を多重自動化試料採取器(MASH II;
Microbiological Associate
s,メリーランド州、ベテスダ)を用いてガラス繊維フ
ィルター片上に採取する。3H−Tdr導入は液体シン
チレーション計数により測定する。この方法の詳細は上
記ギリス等の文献及び米国特許第4,411,992号
明細書に示されている。このアッセイにおいては、IL
−2の存在下において培養されたCTLL−2細胞のみ
が照射線量に応じて3H−Tdrを導入する。IL−2
(従ってIL−1)の不存在下において培養されたCT
LL−2細胞はバックグラウンド水準の3H−Tdrを
導入するにすぎない。この「転換」アッセイはより迅速
である(24時間以内に完結)ということ、及び上記胸
腺細胞増殖アッセイよりも1,000〜10,000倍
感度が高いという利点を有する。しかしながら、「転
換」及び「増殖」の両アッセイを本発明において使用す
ることが出来る。 【0024】蛋白質アッセイ 精製試料の蛋白質含量はBiorad社(カリフォルニ
ア州、リッチモンド)から市販されているBiorad
蛋白質アッセイにより求められる。このアッセイはウシ
血清アルブミンを標準として用いるものである。このア
ルブミンの原理及び詳細はブラッドフォード[Brad
ford,72 Anal.Biochem.248
(1976)]に論じられている。 【0025】ゲル電気泳動 培養上澄液及びクロマトグラフィーカラム画分はSDS
−PAGEにより分析して本発明の精製操作を追跡す
る。このアッセイはレムリ[Laemmli,227
Nature(London)680(1970)]の
ゲル重層方法に従って行われる。このアッセイは10〜
20%勾配のポリアクリルアミドゲルを用いる0.75
mmのSDSスラブゲルを用いるものである。これらの
ゲルは一定の30mA電流において運転される。得られ
たゲル試料は例えばオークリー等[Oakley et
al.,105 Anal.Biochem.361
(1980)]により記載されている方法により銀染色
される。 【0026】高塩濃度を含有するこれらのアッセイ試料
は先ず0.1mM NH4HCO3中の0.001%SD
Sに対して透析され次いで真空乾燥される。乾燥残渣を
SDS−PAGE操作に先立ち還元緩衝液(2%SD
S)、1% 2−メルカプトエタノール中に溶解する。 【0027】二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動 本発明の精製操作完結後にIL−1をサモンズ等[Sa
mmons et al.,2Electrophor
esis 135(1981)]により記載されている
方法により二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り分析する。この方法においては、凍結乾燥されたIL
−1試料を水中1%(w/v)シクロヘキシルアミノエ
タン、2%(w/v)SDS、2%2−メルカプトエタ
ノール、10%グリセロールで構成されたSDS可溶化
緩衝液20μl中に再懸濁させる。これらの試料を10
0℃に10分間に亘り加熱する。2時間のプレフォーカ
シング後試料(100℃においてSDS中で10分間可
溶化)を第一次元のゲルに適用し、600ボルトの定電
圧において20時間フォーカシングを行なう。第一次元
のフォーカシングゲルを直接的にpH勾配ゲル走査計に
より走査する。その後ゲルを平衡化緩衝液[水中9.3
%(v/v)グリセロール;50%(v/v)Tris
−SDS緩衝液(30g Tris、2gDSD/l、
濃HClによりpH6.8に調製)、1%(w/v)S
DS;0.8%(v/v)2−メルカプトエタノール]
中で2分間濯ぎ、第二次元ゲル上の頂部におき、次いで
低温溶融アガロースで覆う。第二次元電気泳動(アクリ
ルアミドの10〜20%線状勾配)を染料前面がゲルの
底部に達するまで40mA/ゲルの定電流において行な
う。50%(v/v)エタノール及び10%(v/v)
氷酢酸中で固定後、ゲルを上掲のサモンズ等の文献にお
ける色硝酸銀法により染色する。 【0028】IL−1の精製 上記方法により調製された血液白血球培養物から得られ
る上澄液は、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオ
ン交換クロマトグラフィー、及びカラムマトリックスに
結合された染料配位子を用いたアフィニティクロマトグ
ラフィーにより精製される。全てのクロマトグラフィー
画分はIL−1活性及び蛋白質濃度が分析される。適当
な場合にはpH及び伝導率が測定される。各クロマトグ
ラフィー工程の後に、試料をSDS−PAGEで分析す
る。更に、アフィニティクロマトグラフィー操作の完結
後に活性画分を上記二次元ポリアクリルアミドゲル電気
泳動により分析する。 【0029】カチオン交換クロマトグラフィー用の適当
なカラムは、スルホプロピルセファデックスC−25
(Pharmacia Fine Chemical
s,ニュージャージ州、ピスカタウェイ)により構成さ
れる。好ましくは、カラムはIL−1試料の適用前に緩
衝液で平衡化され、次いでIL−1試料がカラムに適用
された後にIL−1活性の溶出を行うことなく非結合蛋
白質を除去するために同一緩衝液或いは異った緩衝液で
洗浄する。IL−1のカラムからの溶出はIL−1をカ
ラムから解離するために十分なpHの緩衝化された溶離
剤を用いて行われる。 【0030】カチオン交換クロマトグラフィー法からの
プールされた活性画分は更にアニオン交換クロマトグラ
フィーにより精製される。本発明者等はこの目的のため
に適した適当なカラム材料はDEAE−セファセル(S
ephacel)であることを見出した。DEAE−S
ephacelカラムを緩衝液で平衡化させ、試料濃縮
液をカラムに適用する。溶出は先ず出発緩衝液で行い、
引続き同一緩衝液中に線形塩勾配を用いて行う。画分を
集め、上記の如く分析を行う。 【0031】DEAE−セファセルカラムからプールさ
れた活性画分中のIL−1は更に支持体マトリックスに
結合した合成トリアジニル織物染料配位子を用いたアフ
ィニティカラムクロマトグラフィーにより精製される。
青色或いは赤色を含む各種染色を使用することが出来
る。この染料は例えばアガロース、ポリアクリルアミ
ド、セルロース或いはシリカベース無機材料により構成
される適当なカラムマトリックスにトリアジン環へのエ
ーテル結合を介して或いは又染料の一級アミン或いはア
ントラキノン基を介して結合されている。直接的に支持
体マトリックスに結合されずにこの染料は高分子量デキ
ストランに結合され、デキストランが次いでカラムマト
リックスに固定されることも可能である。マトリックス
に結合した青色及び赤色染色配位子の部分的化学構造を
それぞれ第1図及び第2図に示す。これらの染料構造
は、例えばスルホン化アントラキノン基の位置をトリア
ジン環に対して交換するか或いはスルホン酸置換基の代
りにスルホン酸塩を置換することにより修正して類似体
を形成することが出来ることが了解されるべきである。
フルトン[Fulton,Dye−Ligand Ch
romatography,マサチューセッツ州、レキ
シトン、Studio 6,Ine.(1980)]参
照。 【0032】SP−セファデックス(Sephade
x)及びDEAE−セファセル(Sephacel)上
で精製されたIL−1含有画分を染料配位子カラムに適
用する前にプールされた活性画分のイオン強度を低下す
ることが必要な場合がある。又、Mg++或いはCa++の
ような二価カチオンの存在はIL−1の染料配位子への
結合を高め得る。カラムは適当な緩衝液、例えばTri
s−HClで平衡化され、次いでIL−1活性を含有す
るプールされたDEAE画分をカラムに適用する。その
後カラムを同一の出発緩衝液で洗浄し、次いで溶出を同
一の緩衝液或いは特別の可溶性配位子中において線形塩
勾配を用いて行う。画分を集め上記の如く分析する。 【0033】本発明者等は赤色トリアジニル織物染料
は、上記カラム条件下において使用すると、IL−1の
結合に特に高度に特異的であることを発見した。第2図
に対応するこの赤色染料の商品名は「プロシオン(Pr
ocion)」レッド(反応性レッド120)(Imp
erial Chemical Industrie
s)である。本発明者等は又、青色トリアジニル織物染
料は、上記カラム条件下において使用すると、IL−1
の結合に高度に特異的、即ち赤色トリアジニル織物染料
の場合の約80%程度特異的であることをも発見した。
青色染料の商品名はシバクロン(登録商標)ブルー36
A(Cibacron(登録商標)Blue36A)
(Ciba AG)である。 【0034】上記精製方法により、本発明者等は出発上
澄液から約53%の高収率を維持しながら99%の純度
を越えてヒトIL−1蛋白質を精製した。上記アッセイ
操作により、本発明者等はヒトIL−1が約17,50
0ダルトンの分子量の単一分子量種より構成されること
を決定した。この分子量は従来ヒト或いはネズミのIL
−1について報告されていたものよりも実質的に重いも
のである。更に、他の観察者らの報告とは反対に、本発
明者等によってはその他の分子量のIL−1の種は見出
されなかった。上掲のラッハマン、トガワ等、マイゼル
等、及びブライデン等の文献を参照。しかしながら、本
発明を使用して本発明者等により経験されたIL−1の
高い収率により上記精製方法の際に相当量の他の低分子
量のIL−1種が失われたとは思われない。従って均等
なヒトIL−1の真の分子量は17,500ダルトンで
ある。 【0035】アミノ酸組成分析 他の蛋白質による汚染のないIL−1の生物学的研究を
可能にしたことに加えて、等質なIL−1を調製するこ
とが出来ることはIL−1分子のアミノ酸組成を決定す
ることを可能にした。この情報を用いて、臨床的試験及
び究極的には臨床的用途のためのIL−1遺伝子のクロ
ーニング及び大量の純粋IL−1の産生を助けることが
可能である。 【0036】アフィニティクロマトグラフィー操作から
の精製IL−1の試料をニンヒドリン検出を用いた自動
化アナライザーを用いてアミノ酸組成の分析を行った。
観察されたピークは市販の記録積算計を用いて積分し
た。この技術により本発明者等は下記の例4における表
Iにまとめて示したIL−1分子のアミノ酸組成を決定
した。 【0037】アミノ酸残基システイン(Cys)は加水
分解に不安定であるのでこの残基は自動化ニンヒドリン
分析によっては検出されない。Cys残基の存在は以下
に述べるアミノ酸配列分析により検出した。又、自動化
ニンヒドリン分析は、アスパラギン酸残基とアスパラギ
ン残基とを区別せずに、又、グルタミン酸残基とグルタ
ミン残基の区別もしない。しかしながら、以下に述べる
アミノ酸配列分析から1個のアスパラギン残基及び6個
のグルタミン残基がIL−1分子のN−末端部分(42
個のアミノ酸残基よりなる)に検出された。この様に表
Iにおいてはグルタミン酸及びグルタミン残基と同様に
アスパラギン酸及びアスパラギン残基も一緒に掲げられ
ている。 【0038】IL−1分子のN−末端部分のアミノ酸配
列分析 本発明者等は又IL−1分子のアミノ酸配列を検討し
た。本発明者等は、上記方法により調製された精製IL
−1中においてこの分子のN−末端が部分的に保護され
ていることを発見した。その様なものとして、この分子
は自動化アミノ酸配列装置に使用さるる化学的分析技術
に容易に従うことが出来ず、従って、全分子のアミノ酸
配列は標準的分析操作により決定することが出来なかっ
た。その結果、本発明者等は、2つの技術の組み合わせ
を用いて蛋白質分子のN−末端部分の配列を分析した。 【0039】第1の技術として、本発明者等は上記方法
により等質状態に精製されたかなり大きな11μgを越
えるIL−1を自動化配列決定装置を用いてアミノ末端
エドマン分解配列分析に付した。この技術によりIL−
1分子のN−末端部分の最初の20個の残基は次の配列
により構成されることが見出された: 【化5】NH2-Ala-Pro-Val-Arg-Ser-
Leu-Asn-Cys-Thr-Leu-Arg-Asp-
Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Leu-Val-
Met. 8番目の残基はCysと推定された。自動化配列決定操
作の8番目のサイクルにおいては、その他のの如何なる
残基も高収率で得られず、これは8番目の残基がCys
(これはエドマン分解により肯定的には検出されな
い)、グリコシル化スレオニン残基或いはグリコシル化
セリン(Ser)残基により構成されるとの結論を示
す。これらの後者の2つの可能性は以下に論ずる如く、
アミノ酸組成分析からグルコサミン或いはガラクトサミ
ンは観察されないので除去された。これにより8番目の
残基がCysで構成されるとの結論が導かれる。 【0040】第2のアミノ酸配列分析技術として、本発
明者等はアルギン残基における分子を酵素トリプシンを
用いて分別した。トリプシンがIL−1分子を又リジン
部位において切断することを防止するためにリジン分子
の側鎖を特別のブロッキング剤を用いて保護した。好ま
しくは、トリプシンをIL−1−トシルアミノ−S−フ
ェニルエチルクロロメチルケトン(「TPCK」)で処
理して、同時に存在し得るキモトリプシンなどのその他
の汚染酵素をを不活性化し、IL−1蛋白質が他の残基
において切断される可能性を最少にする。トリプシンを
使用する代りに、他の酵素を用いて他の残基部位におい
てIL−1分子を切断することも可能であることは了解
されるべきである。 【0041】IL−1分子の切断後得られたペプチド類
をHPLC操作により疎水性に基づいて分離した。本発
明において使用されるHPLC技術は蛋白質IL−1ペ
プチド類に最適に利用されるべき十分に大きな孔径、即
ち少なくとも300Åの孔径を有する逆相のオクタデシ
ル結合シリカカラムを用いるのが好ましい。 【0042】本発明の実施に当り使用するに適した逆相
HPLCカラムは市販の商品である。この目的に好まし
いカラムはSeparations Group,(カ
リフォルニア州、ヘスペリア)より市販されているVy
dac 218 TP逆相カラムである。このカラム
は、シロキサン(シリコン−酵素−シリコン)結合によ
り、5ミクロンの平均粒径に分類された300Å孔径の
シリカゲル表面に共有的に結合されたオクタデシルシラ
ン基よりなる。他の逆相カラムの使用も本発明の範囲内
であることが了解されるべきである。 【0043】オクタデシルカラムに結合したIL−1ペ
プチド類はアセトニトリルの線形勾配を用いて溶出され
る。この目的のための好ましい勾配はトリフルオロ酢酸
(TFA)、pH2.0中の0〜95%(v/v)のア
セトニトリル勾配である。 【0044】溶出されたペプチド類は市販の検出計を用
いて追跡するのが便利である。例えば、HPLCカラム
から溶出された画分中の相対的蛋白質濃度は、自動化紫
外線分光光度計を用いて230nm波長における溶出物
質の吸光度を測定することにより求めることができる。
適当な自動化紫外線吸収検出装置はWaters As
sociates(メイン州、ミルフォード)から利用
可能である。或いは又、蛋白質の溶出はステイン及びモ
スケラ[Stein及びMoschera,78Met
h.Enzymol.435(1981)]により記載
されている自動化蛍光検出装置を用いて追跡することも
出来る 溶出されたHPLC画分の配列の分析は上記ゲル電気泳
動により行われ、各HPLC画分に含まれるべきペプチ
ド類の数を決定する。その後、ペプチド類を真空濃縮
し、次いでアミノ酸配列の分析を行う。これは市販の商
品である自動化配列決定装置を用いて行うのが好まし
い。この技術により本発明者等はヒトIL−1分子のN
−末端部分近辺のIL−1分子の主たる部分は次のアミ
ノ酸残基の配列により構成されることを発見した: 【化6】Ser-Leu-Val-Met-Ser-Gly-
Pro-Tyr-Glu-Leu-Lys-Ala-Leu-
His-Leu-Gln-Gly-Gln-Asp-Met-
Glu-Gln-Gln-Val-Val-Phe. このアミノ酸断片のアミノ末端部分の最初の4つの残基
は、自動化エドマン分解技術により上記で決定された配
列のC−末端部分の最後の4つの残基に対応し、従って
IL−1分子のN−末端部分の最初の42個の残基は次
の配列より構成されるとの結論に導かれる: 【化7】NH2- Ala-Pro-Val-Arg-Ser-
Leu-Asn-Cys-Thr-Leu-Arg-Asp-
Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Leu-Val-
Met-Ser-Gly-Pro-Tyr-Glu-Leu-
Lys-Ala-Leu-His-Leu-Gln-Gly-
Gln-Asp-Met-Glu-Gln-Gln-Val-
Val-Phe. 【0045】ヒトIL−1産生細胞からのRNAの調製 ヒトIL−1産生細胞からの全RNAは標準的方法、例
えばチルギン等[Chirgwin et al.,1
8 Biochemistry 5294(197
9)]及びマニアティス等[Maniatis et
al.,Molecular Cloning,a L
aboratory Manual.Cold Spr
ing Harbor Laboratory,Col
d Spring Harbor,New York
(1982)]に開示されていてる方法により抽出され
る。 【0046】周知の如く、細胞からRNAを抽出するに
際し、抽出の初期段階においてリボヌクレアーゼ(「R
Nase」)活性を最小にすることが重要である。これ
を達成する1つの方法は、RNaseを含む細胞蛋白質
をRNAaseによるRNA加水分解の速度を越える速
度で変性することである。上記チルギン等及び上記マニ
アティス等の196の方法においては、これはグアニジ
ニウムチオシアネートを2−メルカプトエタノールなど
の還元剤と共に使用して行われている(蛋白質ジスルフ
ィド結合を破壊する)。RNAは標準的技術、例えばフ
ェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿或いはセ
シウムクロライドによる沈降などにより蛋白質から単離
される。 【0047】次に、ポリアデニル化mRNAを抽出蛋白
質から分離する。この分離操作を行うための幾つかの技
術が開発されているが、1つの好ましい方法は、ポリア
デニル化mRNAをオリゴ(dT)−セルロース上でエ
ドモンド等[Edmondset al.,68 Pr
oc. Natl.Acad. Sci. 1336
(1971)]、アヴィブ及びレダー[Aviv an
d Leder,69Proc.Natl.Acad.
Sci.1408(1972)]、及び上記マニアティ
スの197、に記載されているように、クロマトグラフ
を行うことである。オリゴ(dT)−セルロースカラム
は負荷緩衝液を用いて調製され、mRNAをカラムに適
用する。その後カラムを先ず緩衝溶液で洗浄して未ポリ
アデニル化mRNAを除去し、次いでポリアデニル化m
RNAを緩衝化された低イオン強度の溶離剤を用いてカ
ラムから溶出する。ポリアデニル化mRNAの完全性は
ゲル電気泳動により検証される。 【0048】ポリアデニルmRNAは次いでmRNAの
異なった大きさの群に応じたメチル水銀アガロースゲル
画分を介して電気泳動により大きさを決定され、次いで
例えばパルミター[Palmiter,248 J.B
iol.Chem.2095(1973)]、ペルハム
及びジャクソン[Pelham and Jackso
n,67.Eur.J.Biochem.246(19
76)]、及びリー等[Lee et al.,253
J.Biol. Chem.3494(1978)]
により記載されている標準的なウサギ網状赤血球溶解物
技術を用いてin vitroで翻訳される。ウサギ網
状赤血球アッセイ用のキットは多くの供給源、例えばB
ethesda Research Laborato
ries(メリーランド州、ゲテルスブルグ)などから
市販されている。或いは又mRNAの翻訳は、ストマ等
[Stoma et al.,79.Meth.Enz
ym.68(1981)]により記載されている標準的
技術を用いてアフリカツメガエル(Xeaopus l
aevis「X.laevis」)の卵母細胞へのmR
NAの微量注射により行うことも出来る。網状赤血球溶
解物翻訳或いはmRNA微量注射卵母細胞により放出さ
れた液体を次いで上記アッセイを用いてIL−1の活性
の存在の試験を行う。in vitroにおいて翻訳し
た際にIL−1活性を与えたmRNAゲル画分をcDN
A構成のためのmRNA源として選択する。 【0049】アフリカツメガエル卵母細胞翻訳操作にお
いては、約50ナノリットル(「nl」)のmRNA
(無菌H2O中に0.5〜1mg/mlの濃度で溶解)
を各卵母細胞に注射する。卵母細胞をアフリカツメガエ
ル(Nasco,ウィスコンシン州、フォートアトキソ
ン)から採取し、150mlの卵母細胞インキュベーシ
ョン培地(88mM NaCl、1mM KCl.2.
4mM NaHCO3、0.82mM MgSO4・7H
2O、0.33mM Ca(NO3)2・4H2O、0.4
1mM CaCl2・6H2O、 7.5mM Tris
ベース、18単位/ml(11μg/ml)ペニシリン
Gカリウム及び18μg/mlストレプトマイシン)中
においてインキュベートする。培地の最終pHをHCl
で7.6に調整し、次いで濾過により殺菌する。注射
後、卵母細胞を0.1mlの新たな卵母細胞インキュベ
ーション培地中に入れ、1.5μlの無菌の円錐状のポ
リプロピレンチューブ内で23℃で18時間インキュベ
ートする。インキュベーション後卵母細胞が培養された
液体を採取し、次いで上記アッセイ法を用いてIL−1
活性の存在の試験を行う。 【0050】mRNAからのcDNAの調製 上記の如く調製され分析されたmRNAに対応する二本
鎖cDNAのライブラリーは逆転写酵素を用いた公知の
技術により構成される。本発明において使用されるその
様な方法の1つは上記マニアティス等の文献230に詳
細に説明されている。簡単に述べると、ポリアデニル化
mRNAは、mRNAのポリアデニル化尾部にハイブリ
ダイズされたオリゴ−dTを用いて第1のcDNA鎖の
プライマーとして逆転写する。これにより第2のDNA
鎖の一体的プライマーとして役立つ最初のcDNA鎖の
3’末端に「ヘヤピン」ループが生ずる。次いで、第2
のcDNA鎖を酵素DNAポリメラーゼIを用いて合成
し、ヘヤピンループS1ヌクレアーゼにより切断し、二
本鎖cDNA分子を生成する。二本鎖cDNAは任意の
便利な手段を用いて分別してより短い鎖を除去し、それ
により不用な小さなcDNA画分のクローニングを回避
する。 【0051】本発明に従えば、別の標準的操作方法を用
いてmRNAから二本鎖cDNAを調製することが出来
ることが理解されるべきである。その様な1つの代替技
術はランド等[Land et al.,9 Nuc
l.Acids Res.2251(1981)]によ
り開示されている。ランド等の方法においては、ヘヤピ
ンループは第2のcDNA鎖のプライマーとしては使用
されない。その代りに、第1のcDNA鎖の3’末端
が、末端デオキシヌクレオチジルストランスフェラーゼ
(「TdT」)を用いてdCMP残基で尾部が付着され
る。これはポリ−Cの残基の3’尾部を生成する。次い
で、第2の鎖の合成は、3’尾部にハイブリダイズされ
たオリゴ−dGにより開始される。この技術はマニアテ
ィス等の方法においてヘヤピンがS1ヌクレアーゼで切
断されるならば生じ得る第2のcDNA鎖の5’尾部の
部分を失うことを避けるのに役立つといわれている。 【0052】cDNAのクローニング 次に、二本鎖cDNAを、ベクターの複製のために相容
れることのできる原核生物或いは真核生物の宿主細胞を
形質転換するために使用されるクローニングベクター中
に挿入する。その後形質転換体が同定され、プラスミド
DNAがそれから調製される。 【0053】本発明を実施するためには各種のクローニ
ングベクターを利用することが出来る。好ましいベクタ
ーはプラスミドであるが、ベクターはバクテリオファー
ジ或いはコスミドであってもよい。クローニングが哺乳
動物細胞内で行われる場合にはウィルスも又ベクターと
して使用することができる。 【0054】プラスミドが使用される場合には、それは
天然源から得られても或いは人工的に合成されてもよ
い。選ばれる特別のプラスミドは、考えられている形質
転換宿主がE.coliのような細菌、酵母その他の単
細胞微生物であるか否かに応じて適合性を有すべきであ
る。プラスミドは使用されるべき特別の宿主細胞に対し
て適切な複製源を有するべきである。又、プラスミドは
形質転換された宿主細胞が容易に同定され、かつ形質転
換を行わない細胞から容易に分離されることを可能にす
る表現型特性を有するべきである。その様な表現型特性
は成長抑制物質、例えば抗生物質などに対する耐性を与
える遺伝子を包含し得る。各種抗生物質、例えばテトラ
サイクリン、ストレプトマイシン、サルファ剤、ペニシ
リン及びアンピシリンなどに耐性を有する遺伝子をコー
ド化するプラスミドが市販されている。 【0055】E.coliが宿主細胞として使用される
場合には、本発明において使用することのできる多くの
可能性のあるクローニングプラスミドが市販されてい
る。本発明を実施するために好ましいプラスミドはpB
R322である。このプラスミドはサットクリフ[Su
tcliffe,43 Cold Spring Ha
rbor Symp.Quant.Biol.77(1
979)]に示されているように完全に配列決定されて
いる。このプラスミドの重要な利点はアンピシリン耐性
遺伝子におけるPstI部位を含む11個の公知の独特
の制限部位を有することである。この特徴はホモポリマ
ーテーリング法によるクローニングに特に有用である。 【0056】プラスミドの代りにバクテリオファージが
使用される場合には、その様なファージはプラスミドの
選択に当って述べた上記の実質的に同一の特性を有する
べきである。これは、表現型マーカー及び外来遺伝子の
付着のための連結可能な末端の存在を含むものである。 【0057】好ましくは、本発明においてはブラントエ
ンドを有する二本鎖cDNAをホモポリマーテーリング
によりプラスミドベクター中に挿入する。周知の如く、
この技術においてはcDNAの鎖及びプラスミドDNA
に相補的なホモポリマートラックが付加される。ベクタ
ー及び二本鎖cDNAは次いで相補的なホモポリマーの
テール間に水素結合により結合され、E.coliなど
の宿主細胞を形質転換することのできる開かれた環状の
ハイブリッド分子を形成する。 【0058】ホモポリマーテーリングの1つの方法にお
いては約50〜150dAのヌクレオチド残基が線形化
プラスミドDNAの3’末端に付加される。同様な数の
dTヌクレオチド残基が二本鎖cDNAの3’末端に付
加され、次いでcDNA及びプラスミドが一緒に結合さ
れる。 【0059】別の好ましい方法においては、dGテール
が適当な制限酵素により切断されたクローニングベクタ
ーの3’末端に付加される。例えばpBR322プラス
ミドが使用される場合には、制限酵素PstIを使用し
てこのプラスミドをアンピシリン耐性遺伝子において消
化することが出来る。プラスミド中にcDNAセグメン
トを適当なアニーリング緩衝液を用いて挿入する前に二
本鎖cDNAの3’末端に相補的dCテールが付加され
る。 【0060】二本鎖cDNAはその他の各種標準的方法
によりプラスミドクローニングベクター中に挿入するこ
とが出来ることが了解されるべきである。1つのその様
な代替的技術はDNAリガーゼを用いてcDNA鎖の末
端に合成されたヌクレオチドリンカーを付着することを
含むものである。これらのリンカーは制限酵素で切断さ
れて同一酵素で切断されたプラスミド内に挿入するため
の付着末端を発生する。シエラー等[Scheller
et al.,196 Science 177−1
80(1977)]、上掲マニアティス等の文献219
参照。 【0061】上記の如く調製された組み換えDNAプラ
スミドを使用して宿主細胞の形質転換を行う。宿主は任
意の適当な原核生物或いは真核生物細胞でよいが、好ま
しくは、良く同定された細菌、例えばE.coli或い
は酵母菌株がよい。その様な宿主は容易に形質転換さ
れ、培養液中で迅速な生育が可能である。他の形態の細
菌、例えばサルモネラ或いはニューモコッカス(Pne
umococcus)などもE.coliの代りに使用
することが出来る。細菌の代りにその他の単細胞生物、
例えば真菌類(fungi)及び藻類(algae)な
ども使用することが出来る。いずれの宿主が選ばれるに
せよ、それは組み換えプラスミドを切断する制限酵素を
含有すべきではない。 【0062】E.coliが宿主として使用される場合
には、好ましい菌株はMM294及びRR1である。プ
ラスミドベクターによるMM294の形質転換の実験方
法は上記マニアティス等の文献の225において、及び
ハナハン[Hanahan166 J.Mol.Bio
l.557(1983)]に示されているように良く知
られている。RR1宿主のプラスミドベクターによる形
質転換の実験方法も又、ボリバー等[Bolivar
et al.,2 Gene 95(1977]]及び
ピーコック等[Peacock et al.,655
Biochem.Biophys.Acta.243
(1981)]に示されているように良く知られてい
る。適当な宿主として役立ち得るその他のE.coli
の菌株としては、DH1(ATCC No.3384
9)及びC600が挙げられる。これらの菌株及びMM
294及びRR1菌株は広く市販されている。 【0063】上記マニアティス等による文献及び上記ハ
ナハン等に文献に開示されているものを含む形質転換の
実験方法においては、細胞による制限されたプラスミド
の摂取により僅かに少量部分の宿主細胞が実際に形質転
換されるにすぎない。形質転換された細胞は、適当な生
育培地及び抗生物質などの表現型同定物質を含有する寒
天上に細胞培養液を置くことにより同定することが出来
る。適当な耐性遺伝子(例えば抗生物質に対する)を有
する細胞のみが生残る。組み換えpBR322のプラス
ミドがE.coli菌株MM294の形質転換に用いら
れる場合には形質転換された細胞はテトラサイクリンを
表現型同定物質として用いることにより同定することが
できる。 【0064】合成オリゴヌクレオチドスクリーニングプ
ローブの調製 上記の如く決定されたヒトIL−1分子のアミノ酸配列
のN−末端部分の1部に対応する放射線標識された合成
オリゴヌクレオチドをプローブとして用いてcDNAラ
イブラリーのスクリーニングを行う。この合成オリゴヌ
クレオチドプローブのライブラリークローンから調製さ
れたプラスミドcDNAとのハイブリッド化は引続いて
オートラジオグラフィーにより同定する。 【0065】IL−1分子のアミノ酸組成のN−末端部
分は次の残基により構成されることが決定された: 【化8】NH2−Ala−Pro−Vla−Arg−S
er−Leu−Asn−Cys−Thr−Leu−Ar
g−Asp−Ser−Gly−Gln−Lys−Ser
−Leu−Val−Met−Ser−Gly−Pro−
Tyr−Glu−Leu−Lys−Ala−Leu−H
is−Leu−Gln−Gly−Gln−Asp−Me
t−Glu−Gln−Gln−Val この配列情報を合成オリゴヌクレオチドプローブの基礎
として使用する。 【0066】本発明者等はIL−1遺伝子を含有すると
思われるプラスミドDNAをスクリーニングするための
プローブに使用するための合成オリゴヌクレオチドを上
記アミノ酸配列から開発した。このプローブは、第1の
Met残基から下流の上記アミノ酸配列によりコード化
されるアンチセンス配列に対応する次の配列により構成
されている: 【化9】 5’−AC TTG TTG TTC CAT GTC TTG GCC TTG CAG GTG CAG GGC TTT CAG TTC GTA GGG GCC GGA CAT−3’. このプローブは容易に合成されるに十分に短いという利
点を有すると共にIL−1遺伝子のプローブとして有用
な重要な情報を含有するに十分長いものである。上記説
明のオリゴヌクレオチド配列は、本発明の合成プローブ
の好ましい組成であるが、IL−1分子のN−末端アミ
ノ酸配列のその他のセグメントに対応するその他の組成
のプローブも又本発明の趣旨或いは範囲から離れること
なく使用することが出来ることが了解されるべきであ
る。 【0067】合成オリゴヌクレオチドプローブは、ホス
ホジエステル或いはトリエステル方法などの公知の技術
により化学的に合成することが出来る。トリエステル合
成技術の詳細はスッド等[Sood et al.,4
Nucl.Acid Res.2557(197
7)]及びヒロセ等[Hirose et al.,2
8Tet.Lett.2449(1978)]に示され
ている。合成後オリゴヌクレオチドプローブをT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼ及び32P−ATPで標識化する。
標識化操作からの標準的な実験方法は上記マニアティス
等の文献122に示されている。オリゴヌクレオチドプ
ローブはOH5’末端を用いて合成することにより典型
的に必要とされるホスファターゼ操作を回避するのが有
利である。 【0068】cDNAライブラリーのスクリーニング 本発明のスクリーニング操作において、形質転換体は各
々約2,000個の形質転換体で構成されている群にプ
ールされる。複製されたプラスミドは、例えば、アルカ
リ性溶解などの数個の公知の技術の任意のものを用いて
形質転換体から抽出される。プラスミドDNAはいずれ
もハイブリッドプラスミド上の独特の部位であるPvu
II及びHindIII制限部位においてプラスミドを切断
することにより調製される。得られたDNAセグメント
をアガロースゲル上の電気泳動により分別し、次いで直
接的にサザン[Southern,98 J.Mol.
Biol.503(1975)]により記載されている
サザンブロッティングにより分析する。サザンブロッテ
ィング操作(Southern blottingPr
ocedre)におけるニトロセルロースフィルターに
結合するDNAを,標識化されたオリゴヌクレオチドプ
ローブとハイブリダイズさせる。プローブにハイブリダ
イズする特異的DNA断片をオートラジオグラフィーに
より同定する。 【0069】オートラジオグラフィーに従って信号を与
える特別のクローンのプールをプレートから取り出し、
同一の上記オリゴヌクレオチドプローブを用いたニトロ
セルロースフィルター上における直接細菌コロニーハイ
ブリダイゼーションに使用する。ハイブリッド化完結後
にニトロセルロースフィルターをオートラジオグラフィ
ーにより追跡して最も大きな陽性のコロニーを同定す
る。本発明において発明者等は1つのその様なコロニー
を見出した。IL−1 X−14と称されるプラスミド
DNAはこの特別の同定された陽性コロニーから調製さ
れる。 【0070】スクリーニングされたcDNAの特性づけ 上記の如く得られたプラスミドDNAは制限酵素マッピ
ングにより特徴付けられる。制限酵素マッピングに対す
る各種術策は上記マニアティス等の文献の374により
論じられている。1つの標準的技術は線状DNAの末端
−標識化断片の部分的消化を含むものである。この技術
はスミス及びビルンスチール[Smith and B
irnstiel.3 Nucl.Acid Res.
2387(1976)]により開発された。IL−1遺
伝子の領域におけるIL−1×−14プラスミドの部分
的制限酵素地図は第3図に示される。制限部位間の距離
は塩基対(「bp」)で与えられている。括弧内に示さ
れるPstI制限部位はクローニング操作により発生し
たものである。 【0071】第3図に示されたプラスミドcDNAの地
図は連鎖−停止方法を用いて配列決定されたものであ
る。このヌクレオチド配列決定の方法はサンガー等[S
anger et al.,70 Proc.Nat
l.Acad.Sci.(USA)5463(197
7)]により始められたものであった。又、米国特許第
4,322,499号明細書参照。連鎖停止配列決定の
方法はM13 Cloning and Sequen
cingと題されたAmersham Handboo
k [London,Blenheim Cresen
t (1983)](以下、Amersham Han
dbookと称する)、メッシング[Messing
2 Recombinant DNA Technic
al Bulletin,NIH Publicati
on No.79〜99、2,43〜48(197
9)]、ノランダー等[Norrander et a
l.,26Gene 101(1983)]、セレッテ
ィ等[Cerretti et al., 11 Nu
cl.Acid Res.2599(1983)、及び
ビギン等[Biggin et al.,80 Pro
c.Natl.Acad.Sci.(USA)3963
(1983)]などに示されている。興味の対象となる
DNA配列をクローン化するためにM13繊維状ファー
ジがベクターとして使用される。これらのファージベク
ターは連鎖停止方法により容易に配列化される一本鎖D
NA鋳型を与え、この方法は、遊離3’ヒドロキシル基
を有する短いプライマー鎖を有する一本鎖鋳型分子を開
始し、次いでDNAポリメラーゼを用いて全ての4つの
デオキシリボヌクレオチドトリホスフェート、即ちdA
TP、dCTP、dGTP及びdTTP(集合的に「d
NTPs」と称する)をそれらの一つを放射標識して用
いた連鎖延長反応において鋳型鎖を複写することを含む
ものである。この合成反応において、3’−ヒドロキシ
ル末端を欠いているヌクレオチド特異的連鎖停止剤、例
えば2’,3’ジデオキシヌクレオチドトリホスフェー
ト(「ddNTP」)を使用して一連の異なった長さの
連鎖延長を生成する。この停止剤はそれが成長DNA鎖
に導入されることができるように正常な5’末端を有す
るが、しかし3’−ヒドロキシル末端を欠くものであ
る。停止剤が一度DNA鎖中に一体化されると更にデオ
キシヌクレオチドトリホスフェートが付加されることが
出来ず、鎖の成長が停止する。各々四つのヌクレオチド
dNPTs、即ちdATP、dCPT、dGTP及びd
TTPの一つのddNTPを有する四つの別々の合成反
応が行われる。正常なdNPTsの一つは合成された鎖
がポリアクリルアミドゲル上で大きさにより分類された
後にオートラジオグラフすることができるように放射線
標識される。四つの反応からの連鎖延長物はオートラジ
オグラフィからの断片のパターンがクローン化されたD
NAのDNA配列に対応するように別々のゲルレーン中
に隣り合わせて置かれる。 【0072】上記技術により求められた第3図に示され
るプラスミドcDNAのDNA及び対応するアミノ酸配
列を第4図に示す。ヌクレオチド類は第4図に示した配
列の始めから番号が付されている。アミノ酸はIL−1
蛋白質の成熟NH2−末端、即ち矢印で示されたAla
残基から始まり停止コドンTAAに隣接して位置するS
er残基(No.153)まで番号が付されている。A
laコドンからTAG停止コドンまでのIL−1遺伝子
のコード化領域は第3図の箱部分として示されている。
第3図に示される制限酵素切断部位は又第4図にも示さ
れている。 【0073】配列決定操作の準備に際して、第3図に示
されたプラスミドcDNA部分は各種制限エンドヌクレ
アーゼで消化させ、次いで得られたDNA断片をM13
ファージベクター中にクローン化して一本鎖DNA鋳型
を形成する。センス及びアンチセンス鎖の中間位置から
上流及び下流の配列決定にはユニバーサルなプライマー
が使用される。単一の連鎖停止(鎖成長停止)方法を用
いたフラグメントの全長の配列決定から得られた配列結
果を信用するよりもむしろ追加の合成的に生成されたプ
ライマーを用いて鎖の長さに沿って他の中間位置から連
鎖停止方法が開始される。この方法により第3図に示さ
れるプラスミドcDNAの両鎖は重複して配列され、そ
れにより配列を重複して確認するのに役立つ。 【0074】上記連鎖停止技術を用いる代りに本発明の
趣旨から離れることなくIL−1の遺伝子の配列を行う
ためにその他の公知の方法を利用することが可能である
ことが了解されるべきである。例えば、74 Pro
c.Nat’l Acad.Sci.(USA)560
(1977)に示されているマクサム(Maxam)及
びギルバート(Gilbert)の化学的分解方法を使
用することができる。 【0075】上記の如く調製され及び精製されたIL−
1のアミノ酸配列の研究はスターン等の方法[Ster
n et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)871(1984)]に従って行われ
た。エンドペプチダーゼ、シアノーゲンブロマイドを用
いてIL−1をメチオニン残基において切断し、次いで
得られたフラグメントを標準的エドマン分解方法により
分析した。この方法により本発明者等はIL−1蛋白質
のC−末端は次のアミノ酸配列:Gln−Phe−Va
l−Ser−Serより構成されていることを確認し
た。これは、「天然の」IL−1は、mRNAからの翻
訳後にこの分子末端からアミノ酸の除去によって生じな
いことを確立するものである。これは、多くのコード化
された蛋白質がIL−1のその前駆体からの成熟の際に
IL−1遺伝子のオープンリーディングフレームの5’
末端から除去されることが明らかなので重要である。 【0076】cDNAクローンからの機能的IL−1の
発現 IL−1×−14クローンのcDNAコード領域が機能
的IL−1をコード化するか否かを決定するためにクロ
ーンが原核生物/真核生物宿主系において発現される。
IL−1×−14クローンのコード化領域を含有するハ
イブリッドcDNAフラグメントが2組の複製配列、即
ちベクターの原核生物宿主細胞における増幅のための第
1の配列及び外来構造蛋白質即ちIL−1の真核生物宿
主細胞における高割合の発現のための第2の配列を有す
るシャトル発現ベクター中に挿入される。形質転換され
た真核生物宿主細胞を採取し、上記の詳述した胸腺細胞
増殖アッセイ及びIL−2転換アッセイを使用して成熟
IL−1の発現のアッセイを行う。 【0077】各種タイプのシャトルベクターが開発され
ている。通常のタイプは、原核生物細胞、典型的には
E.coli中においてDNA複製の信号を与える複製
及びプロモーター配列のオリジン(origin)及び
真核生物細胞、最も普通には酵母細胞においてDNA複
製の信号を与える複製及びプロモーター配列の対比オリ
ジンを含む。シャトルベクターは又、形質転換された原
核生物細胞の選択のための薬剤耐性遺伝子のような表現
型マーカーも含む。シャトルベクターは形質転換された
真核生物細胞の選択のための対比の表現型マーカー変更
を有する。理想的には、高割合のIL−1の発現のため
には望ましくない蛋白質の発現を避けるために真核生物
のプロモーター配列から全ての蛋白質コード化配列が除
去される。又、この目的のために天然或いは合成の開始
コドン配列、即ちATGがIL−1遺伝子の挿入された
コード化領域の5’末端に付着される。 【0078】本発明を実施するための好ましいシャトル
ベクターはpY ADHで表わされる。模式的に第5図
に図示されるようにpY ADHプラスミドは、E.c
oli中における高複写DNA発現のための複製起点
(プラスミドpBR322から)及び形質転換された
E.coli細胞の選択のためのアンピシリン(「Am
pR」)耐性遺伝子を含む。このシャトルベクターは又
2μの円の複製起点、及び酵母栄養要求変異種(trp
マイナス)における形質転換された酵母宿主の選択のた
めの酵母TrpI遺伝子をも含む。このシャトルベクタ
ーは更に、このプラスミドの酵母及びE.coliの宿
主の両者においての伸長のためのアルコールデヒドロゲ
ナーゼ遺伝子(「ADH」)からの酵母プロモーター配
列をも含む。このプロモーター配列は、この遺伝子の酵
母中における高割合の発現率により、及びこの遺伝子の
完全なDNA配列が知られているので、本発明において
使用するのに特に有利である。開始ATGコドンを含む
全ての蛋白質コード化配列はADHプロモーター断片か
ら除去された。このpY ADHシャトルベクターは制
限酵素、即ちEcoRI及びStuIで切断するための
多くの独特な基質部位を含む。 【0079】第5図に図示される如く、pY ADH
IL−1プラスミドは、IL−1遺伝子のコード化領域
をプラスミドpY ADH中に導入することによりIL
−1遺伝子の発現のための発現ベクターとして調製され
る。このシャトルベクターの試料はATCC(1236
1 Parklawn Drive,Rockvill
e Maryland州 20852)に寄託No.3
9967で寄託されている。IL−1遺伝子のコード化
領域は上記で調製されたcDNAプラスミドから除去さ
れている。IL−1遺伝子のコード化領域の正確に5’
末端に独特の制限酵素切断部位がないためにコード化領
域の主たる部分はプラスミドcDNAから制限酵素Hp
aII及びPstIにより切断される。HpaII部位は遺
伝子コード化領域の5’末端からやや下流に位置してい
る。その後遺伝子の切断された5’末端を含有する合成
オリゴヌクレオチドは「天然」の主たるIL−1cDN
A断片への便利な連結のためのHpaII付着3’末端で
化学的に合成される。上記の如くADHプロモーター配
列の配列の下流の全ての蛋白質コード化配列は除去され
たので、合成オリゴヌクレオチドはATG開始コドンで
もってその5’末端で合成される。 【0080】このIL−1cDNA断片を合成オリゴヌ
クレオチドと共に、合成オリゴヌクレオチドの5’末端
と主たるIL−1cDNA断片の3’末端の立体配置に
対応する適当な制限酵素で予め消化されたシャトルベク
ターpY ADH中に挿入する。得られた組み換えシャ
トルベクターpY ADH IL−1を用いてシャトル
ベクターの高複写増幅のために原核生物宿主、例えば
E.coliを形質転換する。この最初の形質転換方法
の後、組み換えシャトルベクターをE.coli宿主か
ら単離し、次いでIL−1の高割合発現のために真核生
物宿主、例えば酵母細胞を形質転換するために使用す
る。形質転換された酵母宿主を採取し、得られた上澄液
について上記胸腺細胞増幅及び/又はIL−1転換アッ
セイを利用して生物学的活性のアッセイを行う。 【0081】本発明の方法及び生成物を以下の具体例に
より更に説明する。 【0082】 【実施例】例 1 IL−1製造 ヒトの全血(Portland、オレゴン赤十字から得
られた混合物)から得られた350〜400mlの白血
球濃縮物をHistopaque(SigmaChem
ical Company,ミズーリー州、セントルイ
ス)上に積層されたCa++,Mg++のないリン酸緩衝塩
水(「PBS」)と混合し希釈し、次いで室温において
600×gで30分間遠心分離を行った。白血球よりな
る界面層を回収し、PBSで洗浄し、室温において40
0×gで10分間遠心分離を行った。細胞を更に2回C
a++,Mg++のないPBS中で洗浄し、各洗浄後200
×gで10分間遠心分離を行った。 【0083】2×106細胞/mlの濃度で得られた単
核細胞をスピナーフラスコ内でMEM培地中で培養し
た。この培地は50U/mlペニシリン、50μg/m
lストレプトマイシン、2mMグルタミン、0.2mM
ゲンタマイシン、10mM HEPES、pH7.4を
補給した。細胞は、0.01mg/mlの加熱不活性化
したホルマリン固定されたスタフィロコッカス・アウレ
ウス(Staphylococcus aureus,
Igsorb,The Enzyme Center,
Inc.マサチューセッツ州、マルデン)を添加するこ
とによりIL−1産生の刺激を与えられた。汚染蛋白質
の産生を減少させるために血清は培養培地には添加しな
かった。空気中5%CO2の加湿された雰囲気において
35℃で24時間インキュベーション後培養物を室温に
おいて30分間7000×g遠心分離を行い、次いで上
澄液を除去して使用するまでポリプロピレンボトルに−
20℃で貯蔵した。 【0084】例 2 イオン交換クロマトグラフィー 例1で調製されたIL−1含有上澄液をカチオン交換ク
ロマトグラフィー及びアニオン交換クロマトグラフィー
で精製した。これらのクロマトグラフィー操作は4℃で
行われ、それらに使用されたゲルはIL−1活性の樹脂
への非特異的吸着を減少させるために0.1%Trit
on−X及び10%v/vウシ胎児血清で予備処理し
た。クロマトグラフィー操作に先立ち、培養上澄液は上
記方法で分析した。粗製IL−1溶液は1.98×10
7Uの典型的な全活性、6.37×104U/mg試料の
特異活性及び3.11×105μgの全蛋白質含量を有
していた。 【0085】A.カチオン交換クロマトグラフィー 培養上澄液のイオン強度は1Mクエン酸ナトリウム緩衝
液pH4.0を10mMクエン酸塩の最終濃度まで添加
して調製し、又、濃塩酸でpH4.0まで減少させた。
この様に調整された上澄液を予め150mM NaC
l、pH4.0と共に同一の緩衝液で平衡化しておいた
スルホプロピルSephadex(「SPS」)C−2
5(Pharmacia Fine Chemical
s,ニュージャージー州、ピスカタウエイ)の30×
1.6mlのカラムに適用した。培養上澄液は400m
l/時間の速度でカラムに適用した。 【0086】負荷が完結後、カラムを10カラム容の1
0mM−2N−モルホリノエタンスルホン酸(「ME
S」)緩衝液pH5.0で洗浄し、未結合蛋白質を除去
した。結合蛋白質を次いでカラムに50ml/時間の速
度で適用した4カラム容の10mMのTris−HC
l.pH8.1でカラムから溶出した。カラムのpHは
約3カラム容の溶離液を適用後に上昇したのがみとめら
れ、それによりIL−1ピークの溶出がもたらされた。
カラム画分を集め、上記の如く分析した。 【0087】本発明者らはカチオン交換カラムから溶出
したIL−1が、約1.1×107Uの活性及び約2.
10×105U/mgの特異活性を示し、それにより最
初のIL−1の約56%を保持しながら約3倍のIL−
1の活性の増大を達成することを見出した。又、約80
%の汚染蛋白質がカチオン交換クロマトグラフィー操作
により除去された。 【0088】B.アニオン交換クロマトグラフィー カチオン交換カラムからのプールされた濃縮液が更にD
EAE−Sephacel(Pharmacia Fi
ne Chemcals,ニュージャージー州、ピスカ
タウェイ)のカラム上でアニオン交換クロマトグラフィ
ーにより更に精製された。DEAE−Sephacel
カラムは10mM Tris−HCl.pH8.1で平
衡化された。IL−1はこの同一の平衡化緩衝液でSP
Sカラムから溶出されたのでSPSプールを20ml/
時間の速度で直接的にDEAE−Sephacelカラ
ムに負荷し、それにより透析による活性の損失を回避し
た。負荷後、カラムを5カラム容の同一の平衡化緩衝液
で洗浄し、次いで溶出を4カラム容の10mM Tri
s−HCl.pH8.1中の0〜400mM NaCl
の線形勾配を用いて行った。 【0089】本発明者等はIL−1活性が0.08〜
0.12M NaClの鋭いピークにおいて溶出された
ことを見出した。溶出画分のSDS−PAGE分析は、
幾つかの高分子量汚染物質並びに約17,500、1
5,000及び12,000ダルトンの三つの主たる分
子量のバンドを示した。カラム溶出液の分析は7.75
×106Uの全活性、2.58×106U/mgの特異活
性、3×103μgの全蛋白質及び39%の収率を示し
た。 【0090】例 3 アフィニティクロマトグラフィー 例2からの活性画分をプールして、10mM Tris
−HCl緩衝液、pH8.1中で予備平衡化しておいた
アガロースマトリックスに結合された染料配位子「Pr
ocion」赤色染料(Bethesda Resea
rch Laboratories,メリーランド州、
ベテスダ.Cat.No.5926 SA)の10×
1.6cmカラムを用いたアフィニティクロマトグラフ
ィー技術により更に精製した。IL−1の染料配位子カ
ラムへの結合を最適化するために、DEAE−Seph
acelプールのイオン強度はプールを10mM Tr
is−HCl緩衝液pH8.1中で1:4で希釈するこ
とにより40mM未満に低下させた。染料配位子カラム
は先ず4カラム容の同一出発緩衝液で洗浄して未結合蛋
白質を除去し、次いで溶出を15カラム容の10mM
Tris−HCl緩衝液、pH8.1中の0〜1.0M
NaClで構成されている線形勾配で行った。本発明
者等はIL−1活性が典型的には0.50〜0.55M
NaClにおける鋭いピークにおいて溶出されたこと
を見出した。カラム画分を集め上記の如く分析した。 【0091】IL−1の活性画分のSDS−PAGE分
析は、約17,500ダルトンの分子量を有する単一蛋
白質バンドを示した。上記の高分子量バンドはカラムか
ら溶出され15,000及び12,000ダルトンの低
分子量のバンドはより高い塩濃度において溶出された。
活性IL−1画分について行われた分析は、約6.2×
106UのIL−1の全活性、約9.5×108U/mg
の特異活性及び約6.5μgの全蛋白質含量を示した。
これは99%を越えるIL−1の総括純度及び出発上澄
液からの約31%の収率に相当する。SDS−PAGE
及び染料配位子アフィニティクロマトグラフィー後に集
められた画分の銀染色から得られた単一の蛋白質バンド
から、又、分析された画分の特異活性からも、IL−1
分子の本質的な等質性は本発明によりIL−1の高収率
を維持しながら達成されたことは明らかである。 【0092】染料配位子アフィニティクロマトグラフィ
ーから得られた等質なIL−1は又上記の如く銀染色と
共に二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動によっても
分析された。この操作も首尾一貫して全く同一の分子
量、即ち17,500ダルトンにおいて4つの染色スポ
ットをもたらし、同一色を銀染色において染色した。こ
れらのスポットは出発上澄液のいずれのロットが使用さ
れたかの如何に拘らず、常に同一の位置及び同一の相対
割合にあった。最も強いスポットは6.3〜5.9のp
Iを示した。他の3つのスポットはpH勾配がより酸性
になるにつれて、染色度が弱くなる。これらの結果はお
そらく異ったアミド化の状態によりヒトIL−1はin
vivoにおいて異った荷電状態にあることを示して
いる。銀染色が各スポットに対して全く同一の色をもた
らすという事実は同一の親蛋白質は全ての場合において
染色している可能性が最も強いことを示している。 【0093】例 4 アフィニティクロマトグラフィー−青色染料 例3の代替法として、例2からの活性画分をプールし、
次いで染料配位子がアガロースマトリックスに架橋され
たCibacron(登録商標)Blue 36A染料
(Bethesda Research Labora
toriesメリーランド州、ベセスダ、Cat.N
o.5904 SA)で構成されている、他は例3にお
いて使用されたのと本質的に同一のアフィニティクロマ
トグラフィー技術により更に精製する。活性画分につい
て行われた分析は約5.0×106UのIL−1の全活
性及び約7.6×108U/mgの特異活性を示し、そ
れは赤色染料由来IL−1中に存在していた活性の約8
0%であった。より高い純度を達成するためには、青色
染料配位子アフィニティクロマトグラフィーからの活性
画分を集め、その操作を繰り返すことが出来る。 【0094】例 5 アミノ酸組成分析 例3或いは4からの精製IL−1を5.7N HCl
(濃HCl(Kodak,ニューヨーク州、ロチェスタ
ー)から再蒸留)中において、真空中で24時間及び4
8時間沸騰させて、ペプチド結合の加水分解及び遊離ア
ミノ酸の放出を行なった。加水分解後、試料を真空乾燥
し、次いで0.2Nのクエン酸ナトリウム、pH2.2
中に再懸濁させた。これらの試料を次いでニンヒドリン
検出を用いる単一カラムLKB Model 4150
−Alpha(英国、ケンブリッジ)アミノ酸アナライ
ザー中に注入した。存在する特別のアミノ酸の量に対応
する出力「ピーク」の面積をLKB Model 22
20記録積分計により積分した。 【0095】本技術により決定されたヒトIL−1のア
ミノ酸組成を下記の表Iに示す。表Iに示される如く、
上記アミノ酸分析からはグルコサミン或いはガラクトサ
ミンは観察されず、これはヒトIL−1は単一分子量種
としてポリアクリルアミドゲル上を移動するという、本
発明者等の従来の発見に一致するものである。これらの
観察の一方或いは両方はもしヒトのIL−1が、付着し
た炭水化物部分を含むならば反対となるであろう。この
様にして、ヒトIL−1が糖蛋白質であることは有りそ
うにない。 【0096】 【表1】表 1 ヒトIL−1のアミノ酸分析 アミノ酸 分子当りの残基数 Asp/Asn 14 Thr 8 Ser 11 Glu/Gln 22 Pro 6 Gly 11 Ala 8 Cys 1* Val 11 Met 4 Ile 6 Leu 11 Tyr 4 Phe 11 His 3 Lys 13 Arg 3 *アミノ酸配列分析より決定 【0097】例 6 分子のN−末端部分のアミノ酸配列分析 例3或いは4の染料配位子アフィニティクロマトグラフ
ィーからの等質IL−1を含有する画分を先ず脱イオン
蒸留水で10倍に希釈し、1N HClでpH4.0に
調整し、次いで0.5mlベッド容量のSPS C−2
5クロマトグラフィーカラムに適用した。IL−1の適
用前にカラムを0.1Mクエン酸ナトリウム、0.05
M NaCl、pH4.0で構成されている緩衝液で平
衡化させた。IL−1の負荷後カラムを10mlの同一
緩衝液で洗浄し、次いで20mlの脱イオン蒸留水で洗
浄した。その後、IL−1を10mM ホウ酸ナトリウ
ムpH9.0で溶出した。 【0098】第1の配列決定分析操作において、上記の
如く濃縮した11.1μgの等質なIL−1を真空乾燥
し、次いでApplied Biosystems M
odel 470蛋白質配列決定器を用いて直接的に自
動化アミノ末端Edman分解に付した。この方法によ
り本発明者等は、IL−1分子のN−末端部分が次の配
列のアミノ酸残基よりなることを発見した: 【化10】NH2−Ala−Pro−Val−Arg−
Ser−Leu−Asn−Cys-Thr-Leu-Ar
g-Asp-Ser-Gln-Gln-Lys-Ser-Le
u-Val-Met. 第2の配列決定分析操作において等質なIL−1を酵素
トリプシンで分別し、次いで自動化配列決定分析に付し
た。IL−1分子のトリプシンによる分別前にリジン残
基の側鎖を特別の試薬無水シトラコン酸で保護した。こ
の目的のために、SPS C−25カラム溶出液からの
画分を真空中で1mlの最終容積まで濃縮した。1μl
の無水シトラコン酸(Pierce)を濃縮IL−1に
添加し、次いでpHを5N NaOHで8.3に調整し
た。反応混合物を15分間撹拌し、室温で1時間放置し
た。その時点において、第2の1μl量の無水シトラコ
ン酸を添加し、反応混合物を更に15分間撹拌し、次い
で混合物を5N NaOHで8.3の最終pHに調整し
た。室温において更に1時間放置後100μlの1M
Tris−HCl、pH7.4及び100μlの1M
NH4HCO3、pH7.8を反応混合物に添加して保護
工程(blocking process)を完結させ
た。 【0099】次に、2μgをTPCK−処理トリプシン
(Worthington)(10μlの10mM H
Cl、pH2.0中)を反応混合物に添加し、IL−1
分子をアルギニン残基において切断した。トリプシン添
加後、混合物をゆっくり5秒間撹拌し、次いで37℃に
おいて2時間インキュベートした。インキュベーション
時間の完了後、更に2μgのTPCK−処理トリプシン
を添加し、混合物を更に2時間37℃でインキュベート
した。混合物を次いで室温に冷却し、90%のギ酸(B
aker)でpH2.5に調整した。室温で4時間放置
後酸性化された混合物を0.5mlの6Mグアニジン−
HClを添加して希釈し、次いで予め水中0.1%TF
A(v/v)で平衡化しておいた4.6×250mmの
Vydac 218 TPカラムにBeckman M
odel 112ポンプ(Beckman Instr
uments,Division of Smith
Kline Beckman)を用いて約1ml/分の
流速で注入した。この負荷されたカラムを先ず水中0.
1%TFA(v/v)で洗浄し、未結合成分を除去し、
次いでIL−1ペプチド類を0.5%/分の割合で1m
l/分の流速で0.1%TFA(v/v)中0〜100
%アセトニトリルの線形勾配でカラムから溶出させた。
ペプチド類の溶出は、230nm波長における紫外線分
光光度法により検出した。 【0100】IL−1ペプチド類を含有する個々の画分
或いは2以上の画分より構成されているプールの配列決
定を、自動化アミノ末端Edman分解により行った。
配列決定前にIL−1を含有するHPLC画分をゲル電
気泳動により分析して、各画分中のペプチドの数を決定
した。その後、ペプチド類を真空濃縮して約30μlの
最終容積にして調整されたフィルター上にスポットし、
次いで44℃において加熱室で乾燥した。乾燥フィルタ
ーをApplied BiosystemsModel
No.470A自動化蛋白質配列決定器中に入れた。
この操作により本発明者等は、N−末端部分近辺のヒト
IL−1分子の主たる断片は次のアミノ酸残基の配列よ
り構成されていることを発見した: 【化11】Ser−Leu−Val−Met−Ser−
Gly−Pro−Tyr−Glu−Leu−Lys−A
la−Leu−His−Leu−Gln−Gly−Gl
n−Asp−Met−Glu−Gln−Gln−Val
−Val−Phe. この配列のN−末端の最初の四つの残基は上記において
直接自動化蛋白質配列決定により求められたC−末端の
最後の四つの残基と一致し、この中間配列は上記N−末
端配列の続きであるとの結論に導く。 【0101】例 7 例1の第1段落において説明したようにして調製された
単核細胞をRPMI−1640培地中に10%ウシ胎児
血清(v/v)と共にプラスチック培養フラスコに入れ
た。37℃における2時間のインキュベーション後、非
付着細胞をデカンテーション分離し、次いで20μg/
ml E.coli LPSを含有する追加の血清補給
RPMI−1640培地をフラスコに再び満たした。1
6時間後、付着LPS刺激細胞をRNAとして採取し
た。 【0102】全RNAは付着性単核細胞から上記Chi
rgwin等の方法により抽出した。この操作におい
て、グアニジニウムチオシアネートを使用してRNas
eによるRNA加水分解の速度を越える速度でRNas
eを含む細胞蛋白質を変性した。mRNAは細胞蛋白質
からセシウムクロライドの密なクッションを介して超遠
心分離により除去した。 【0103】その後、ポリアデニル化mRNAを上記マ
ニアティス等の文献197により開示されている方法を
用いてオリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィー
カラム上で抽出蛋白質から分離した。簡単に述べると、
カラムを20mM Tris−CI(pH7.6)、
0.5M NaCl、1mMエチレンジアミン四酢酸
(「ETDA」)及び0.1%SDSにより構成されて
いる適用緩衝液で準備した。蛋白質ペレットを水及び適
用緩衝液に溶解し、次いでカラムに負荷した。非吸着物
質を先ず適用緩衝液で洗浄し、次いで0.1M NaC
1を含有する適用緩衝液による追加の洗浄により溶出し
た。保持されたポリアデニル化mRNAは10mM T
ris−C1(pH7.5)、1mM EDTA及び
0.05%SDSにより構成されている減少されたイオ
ン強度の緩衝液を用いて溶出した。溶出されたポリアデ
ニル化mRNAを−20℃において1/10容酢酸ナト
リウム(3M、pH5.2)及び2.2容のエタノール
を用いて沈殿させた。ポリアデニル化mRNAをオリゴ
(dT)−セルロースカラムから溶出後、ポリアデニル
化mRNAの完全性を上記マニアティス等の文献199
において詳説されているアガロースゲルによる電気泳動
により確認した。 【0104】ポリアデニル化mRNAはメチル水銀アガ
ロースによる電気泳動により大きさの分類を行った。m
RNAの異った大きさの群に対応するゲル画分を次いで
上述の如き、ウサギ網状赤血球溶解物を使用して或いは
アフリカツメガエル卵母細胞に注射してin vitr
oで翻訳した。網状赤血球翻訳或いはmRNA注射卵母
細胞により放出された液体について、上記アッセイを用
いてIL−1活性の存在を試験した。in vitro
で翻訳された際に、IL−1活性を生じたmRNAゲル
画分をcDNA構成のためのmRNA源として選択し
た。 【0105】例 8 eDNAライブラリーの構成 mRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリーを例
7の精製mRNAから上記マニアティスらの文献229
により詳説されている標準的操作方法を用いて調製し
た。オリゴ−dTをmRNAのポリアデニル化された尾
部にハイブリダイズさせ、第1のcDNA鎖の逆転写の
ためのプライマーとして用いた。酵素鳥類骨髄芽球症ウ
ィルス(「AMV」)の逆転写酵素がmRNAを鋳型と
して用いて第1のDNA鎖を合成した。この方法の結
果、最初のcDNA鎖の3’末端にヘアピンループが形
成され、それは第2のcDNA鎖の一体的プライマーと
して役立った。mRNA鎖をNaOHで分解後、第2の
cDNA鎖をDNAポリメラーゼIを用いて合成した。
次いでヘヤピンをヌクレアーゼS1で除去して二本鎖c
DNA分子を形成した。 【0106】この二本鎖cDNAをSephacryl
S−400(PharmaciaFine Chem
icals)カラムクロマトグラフィーにより大きな分
類に分別し、末端標識化されたpBR322 DNAの
断片を分子量マーカーとして用いるアルカリアガロース
ゲル電気泳動を使用する分析により追跡した。500b
p未満の長さを有するDNA鎖は、これらの望ましくな
いcDNA画分の不必要なクローニングを避けるために
除外した。 【0107】上記の如く調製された二本鎖cDNA画分
を上記マニアティス等の文献の239に始まる方法によ
りpBR322プラスミド(Pharmacia Fi
neChemicals)のPstI部位中に挿入し
た。この操作において二本鎖cDNAはその3’末端に
おいてポリ(dC)でテーリングされた。プラスミドp
BR322をPstIエンドヌクレアーゼで消化し、次
いで3’末端にポリ(dG)でテーリングした。テーリ
ングされたプラスミドDNA及びテーリングされたcD
NAをアニーリング緩衝液(0.1M NaCl,10
mM Tris−C1(pH7.8)及び10mM E
TDA)でアニーリングし、新規な組み換えプラスミド
を形成した。ここに記載される全ての制限酵素はNew
England Biolabs,マサチューセッツ
州、ベバリーから市販されているものである。 【0108】これらの組み換えプラスミドは上記ハナハ
ンの操作方法を用いてE.coli菌株MM294中に
形質転換された。ここに用いられたE.coli細胞は
高められた割合のMg2+中における生育により調製され
た。形質転換宿主をプレート培養し、次いで形質転換体
を表現形同定剤としてテトラサイクリンを使用して同定
した。この技術を使用することにより、本発明者等は約
2×106個の独立の形質転換体を得た。 【0109】例 9 合成オリゴヌクレオチドスクリーニングプローブの調製 上記例8におけるようにして調製したcDNAライブラ
リーのスクリーニングにおけるプローブとして合成オリ
ゴヌクレオチドを使用した。このプローブは次の組成に
より構成されているものであった: 【化12】 5’AC TTG TTG TTC CAT GTC TTG GCC TTG CAG GTG CAG GGC TTT CAG TTC GTA GGG GCC GGA CAT 3’. このオリゴヌクレオチドプローブは上記スード等の文献
及び上記ヒロセ等の文献に詳説されているトリエステル
法により化学的に合成されたものであった。 【0110】化学合成が完了後、オリゴヌクレオチドプ
ローブの5’−末端を32Pで標識化した。標識化を容易
にすするためにオリゴヌクレオチドの5’末端はOH末
端で合成され、それによりDNA断片の標識化をする際
に典型的に使用されなければならないホスファターゼ処
理を除去した。標識化方法は1μlの合成オリゴヌクレ
オチドを16μlの32P−ATP(3000ci/m
M)、1μl(10U)のT4ポリヌクレオチドキナー
ゼ及び2μlの10×キナーゼ緩衝液Iに添加すること
を含むものであった。10×キナーゼ緩衝液Iは、0.
5M Tris−C1(pH7.6)、0.1M Mg
Cl2、50mMジチオスレイトール、1mMスペルミ
ジン及び1mM ETDAより構成されているものであ
った。反応は37℃で30分間行われ、その後合成され
たオリゴヌクレオチド類をフェノール/クロロホルムで
抽出した。標識化されたプローブを未標識化オリゴヌク
レオチド類からSephadex G−50カラム(P
harmacia FineChemicals)上の
クロマトグラフィー或いはそれを通して遠心分離により
分離した。 【0111】例10 cDNAライブラリーのスクリーニング 上記例9において調製したcDNAライブラリーの最初
のスクリーニングを容易に行うために形質転換細菌培養
物を各々、約2,000個の形質転換体の異ったクロー
ンを有する群にプール分けした。プラスミドDNAをイ
シューホロヴィッツ及びバーク[Ish−Horowi
cz and Burke,9 Nucl.Acids
Res.2989(1981)]に詳説されている標
準的アルカリ溶解法により宿主細菌の試料から除去し
た。単離されたプラスミドを2つのフラグメントに分離
した。これは先ずプラスミドを完全にPvuII及びHi
ndIIIで消化することにより達成された。この目的の
ために、プラスミド類を20μlの1×HindIII緩
衝液(7mM、Tris(pH7.4)、7mM塩化マ
グネシウム、60mM NaCl)に再溶解し、次いで
1μlのPvuII及び1μlのHindIII制限エンド
ヌクレアーゼを添加した。この混合物を37℃で2時間
インキュベートした。 【0112】次に、プラスミド消化物を適当な大きさの
マーカーを用いて0.8%アガロースゲルによる電気泳
動により分別した。アガロースゲルは上記サザンにより
説明されている標準的方法を用いてニトロセルロースフ
ィルター上にプロットさせた。この転移操作後、フィル
ターを風乾し、約80℃で真空下に2時間焼成し、DN
A断片をニトロセルロースに結合させた。 【0113】結合されたDNAを次いで標識化されたオ
リゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズした。簡単
に述べると、焼成されたニトロセルロースを6×クエン
酸ナトリウム塩水(「SSC」)(20×SSCは80
0mlのH2O中175.3gのNaCl及び88.2g
のクエン酸ナトリウムにより構成され、pHは10NN
aOHで7.0に調整されている)中に予備浸漬し、次
いで6×SSC、0.5%NP40洗剤、0.1%サレ
オシル、5×Denhardtの溶液(0.02%Fi
coll、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02
%BSA)及び100μg/mlの変性鮭精液DNA
(Sigma TypeIII、ナトリウム塩)より構成
されているプレハイブリダイゼーション緩衝液中におい
て50℃で2〜4時間インキュベートした。フィルター
を、次いで上記ハイブリッド化溶液中において32P−標
識化オリゴヌクレオチドプローブ(106cpm/μ
g)(例3からのもの)で50℃において一晩インキュ
ベートした。一晩のハイブリダイゼーション後、フィル
ターを室温で十分に6×SSCで洗浄し、次いで50℃
で6×SSCにより5分間洗浄した。風乾後フィルター
を−70℃でオートラジオグラフィーに付した。 【0114】オートラジオグラフィーから本発明者等は
幾つかのハイブリッド化バンドを見出した。プラスミド
DNAがハイブリッド化バンドを生成したクローンのプ
ールをプレートから取り出し次いで上記と同一のハイブ
リッド化条件下において標識化されたオリゴヌクレオチ
ドプローブを用いたニトロセルロースペーパー上の直接
細菌コロニーハイブリッド化に使用した。この方法によ
り、単一のコロニーが同定された。 【0115】例11 スクリーニングされたcDNAの制限酵素マッピング IL−1 X−14と称されるプラスミドが例10に示
された操作により同定された陽性のコロニーから調製さ
れた。E.coli菌株RR1中に形質転換されたIL
−1 X−14プラスミドの試料はATCCに寄託番号
39925で寄託されている。その後このIL−1X−
14プラスミドを、線形化されたDNAの末端標識化さ
れた断片の部分消化を含む上記スミス及びブリンスチー
ルにより開発された技術を用いて制限酵素マッピングに
より分析した。DNA断片をそれらの5’末端において
ポリヌクレオチドキナーゼ及び32P−ATPを用いて32
P−ホスホリル基で標識化した。標識化したDNA鎖を
次いで非対称的に適当な制限酵素で切断して各々その一
方の末端で標識された二つの断片を与えた。これらの標
識化された断片をゲル電気泳動により単離した。これら
の二つの断片の各々を適当な制限酵素により部分的に消
化した。大きなスペクトルの消化断片が生成されるが、
標識化された断片は各々共通の標識化された末端を有す
る単純な重複系列を形成する。これらの断片をゲル電気
泳動により分別し、次いでオートラジオグラフィーによ
り検査した。ゲル上の断片の位置は、プラスミドDNA
に沿った制限部位の順序に直接対応する。 【0116】この操作により本発明者等は、IL−1遺
伝子の領域におけるIL−1X−14のプラスミドの制
限部位を第3図に示されるように部分的にマッピングし
た。遺伝子の制限部位間に示される番号は塩基対にある
部位間の近似的距離に対応する。 【0117】例12 スクリーニングされたcDNAの配列決定 第3図に示されるDNAセグメントの配列決定は以下に
述べる変更を除いては上記Amersham Hand
bookに記載されている方法と本質的に同一のジデオ
キシ連鎖−停止方法により行った。DNAセグメントを
HindIII及びPstI制限エンドヌクレアーゼで消
化し、次いで得られたDNA断片をM13一本鎖フィラ
メント状ファージベクターの菌株mp18及びmp19
(Amersham イリノイ州、アーリントンハイ
ツ)にクローン化させた。上記ノランダー等の文献に示
されているこれらのmp18及びmp19ファージベク
ターは次の独特のクローニング部位を含有する:Hin
dIII;SphI;PstI;SalI;AccI;H
incII;XbaI;BamHI;XmaI;Sma
I;KpnI;SstI;及びEcoRI。mp18及
びmp19ベクターの組成は上記制限部位の順序がmp
19ベクターにおいては反対になっていることを除いて
は同一であり、従って、DNAセグメントの両鎖をこれ
らの二つのベクターを用いて便利に配列決定することが
出来る。これらのmp18及びmp19ベクターは第3
図のcDNAセグメントの断片をその中に挿入されて菌
株K12のE.coli JM103及びJM105
(Bethesda Research Labora
tories、メリーランド州、ベセスダ)を形質転換
するために使用され、センス及びアンチセンス鎖の一本
鎖インサートを含有する複製一本鎖DNA鋳型を生成し
た。 【0118】合成のユニバーサルのプライマー:5’−
CCCAGTCACGACGTT−3’(P−L Bi
ochemicals,ウイスコンシン州、ミルウォー
キー)をアニーリングして、一本鎖DNA鋳型にし、上
記ヌクレオチド476〜477(第4図)の位置から上
流及び下流のDNA合成を開始するのに使用した。その
後、延長断片をゲル電気泳動により大きさ分離し、オー
トラジオグラフにかけ、断片のヌクレオチド断片を推定
した。三つの追加のプライマーを使用して、第4図のD
NAのセンス鎖に沿った中間位置からの合成を開始し
た。ヌクレオチド671〜688(第4図)に対応する
5’−CTGGAGAGTGTAGATCC−3’の組
成を有するプライマーを使用して、ヌクレオチドNo.
688から下流方向へのセンス鎖の合成を開始した。こ
のプライマー鎖の組成はユニバーサルなプライマーを使
用して予め得られた配列情報から確立された。組成:
5’−GATATAACTGACTTCAC−3’(第
4図のヌクレオチド851〜868に対応)の第2の合
成プライマーを使用してヌクレオチドNo.868から
下流方向のセンス鎖の配列化をした。配列:5’−GA
TTCGTAGCTGGATGC−3’(ヌクレオチド
No.235〜No.218に対応)を有する第3のプ
ライマーを使用してヌクレオチドNo.218から上流
方向のアンチセンス鎖の配列化を行った。 【0119】上記の「歩み寄り(walk dow
n)」法により、第3図のプラスミドcDNAの両鎖は
重複した方法で配列決定され、それによりそれらのヌク
レオチド配列が確認された。本発明の趣旨から離れるこ
となく鎖に沿った他の位置から鎖延長を開始するために
その他の合成プライマーを使用することが可能であった
ことが了解されるべきである。上記プライマー鎖は上記
文献のスード等及び上記ヒロセ等の文献に詳説されてい
るトリエステル法により化学的に合成されたものであ
る。しかしながら、ホスホジエステル法などによるその
他の公知の技術を使用して、プライマー鎖を合成するこ
とができることが了解されるべきである。 【0120】デオキシアデノシン5’(アルファー[35
S]チオ)トリホスフェート(以下に「dATP[α−
35S]」と称する)をジデオキシ配列反応における放射
活性標識として使用した。又、Amersham Ha
ndbookの36頁に示されているゲルを使用する代
りに6%のポリアクリルアミドゲルを使用した(6%ポ
リアクリルアミドゲル、0.4mm厚、7M尿素100
mM Trisホウ酸塩(pH8.1)及び2mM E
DTA含有)。 【0121】上記の如く第3図のプラスミドDNAのヌ
クレオチド配列は第4図に図示されている。このDNA
のセグメントは成熟IL−1をコードするIL−1遺伝
子の領域を含むことが見出された。これらのヌクレオチ
ド鎖は第4図のDNAセグメントの始めから番号を付さ
れている。ヌクレオチド配列及び蛋白質配列分析により
求められた対応するアミノ酸は適当なコドンの上に示さ
れている。IL−1遺伝子のアミノ酸配列は、IL−1
分子の成熟NH2−末端、即ち第4図において矢印で印
されているAla残基(ここからアミノ酸残基の付番が
始まる)から停止コドンTAAの直前のSer残基(N
o.153)まで延びている。各種制限酵素切断部位も
第4図に示されている。第4図におけるIL−1遺伝子
のコード化領域は第3図における箱で囲んだ部分に図示
されている。 【0122】IL−1アミノ酸配列研究は上記スターン
等の文献の方法に従って行われたが、この方法において
はシアノ−ゲンブロマイドを用いてIL−1をメチオニ
ン残基において切断した。得られた断片は標準的イオン
交換方法により大きさにより分離された。単離されたペ
プチド断片は次いでApplied Biosyste
ms Model 470蛋白質配列決定器を用いて自
動化アミノ末端Edman分解により配列決定された。
この方法により本発明者等は、ヌクレオチド配列により
得られた結果、即ちIL−1蛋白質のC−末端がアミノ
酸配列:Gln−Phe−Val−Ser−Serによ
り構成されていることを確認した。これは、「天然」の
IL−1はmRNAからの翻訳後この分子末端からのア
ミノ酸除去により生成されないことを確立する。これ
は、第4図のIL−1遺伝子のヌクレオチド配列から相
当な量のRNA配列がIL−1のその前駆体からの成熟
に際し、IL−1遺伝子のN−末端から除去されている
のが明らかであるので重要である。 【0123】例13 成熟IL−1の発現 IL−1遺伝子のコード化領域を第3図のcDNAクロ
ーンから切り出し、次いでpY ADHシャトルベクタ
ー中に挿入して組み換え発現プラスミドpYADH I
L−1を形成した。pY ADH IL−1シャトル発
現ベクターを調製するための再構成図式を第5図に示
す。このプラスミドはE.coli宿主細胞中で増幅さ
れ、次いで成熟IL−1の高割合発現のために酵母宿主
細胞を形質転換するために使用される。発現されたIL
−1の官能性は上記胸腺細胞増殖及びIL−2転換アッ
セイを用いて確認された。 【0124】HpaII部位(第4図の塩基#457)か
ら遺伝子の3’側面領域に至るIL−1遺伝子のコード
化領域の主たる部分を、上記マニアティス等の文献の1
04に示されている標準的実験方法においてHpaII及
びPstI制限酵素を使用することにより第3図及び第
4図に図示するcDNAプラスミドセグメントから除去
した。このIL−1遺伝子セグメントは、遺伝子の5’
末端に正確に対応する便利な制限部位が見出されなかっ
たので遺伝子の5’末端から29ヌクレオチド下流に位
置するHpaII部位においてcDNAクローンから切断
した。切り出されたIL−1遺伝子セグメントの3’−
PstI部位はT4 DNAポリメラーゼで満たされ以
下に述べるシャトルベクターのStuI部位と適合性の
あるブラントエンドを形成した。 【0125】IL−1遺伝子のコード化領域の5’末端
部分を戻し添加するため及びコード化領域の5’末端に
おいて翻訳開始コドンを創り出すために合成オリゴヌク
レオチドを化学的に合成した。このオリゴヌクレオチド
の組成は下記表IIに示す如くEco RI付着5’末端
に続いてATG開始コドンがあり、次いでIL−1遺伝
子のコード化領域の5’末端(HpaII部位に至る)を
含む。表IIに示されたオリゴヌクレオチドは上記スード
等及び上記ヒロセ等の文献に詳説されているトリエステ
ル技術により化学的に合成されたものであるが、このオ
リゴヌクレオチドはホスホジエステル法などの他の方法
により調製することができることが了解されるべきであ
る。 【0126】 【表2】表II ECOR1 Met Ala Pro Val Arg Ser Leu Asn Cys Thr Leu 5'-AATTCAAC ATG GCA CCT GTA CGA TCA CTG AAC TGC ACG CCT -3' GTTG TAC CGT GGA CAT GCT AGT GAC TTG ACG TGC GAGGC HpaII 【0127】又、IL−1遺伝子のコード化領域をHp
aII部位において切断する代りに第4図のプラスミドc
DNAを遺伝子の5’側面領域における制限酵素におい
て切断することも可能である。その後側面領域のヌクレ
オチド類は標準的技術により逐次除去することができ
る。 【0128】pY ADHシャトルベクターは、この合
成オリゴヌクレオチド及び切り出されたIL−1遺伝子
のコード化領域の主たる部分を連結するために上記マニ
アティス等の文献の104において示されている標準的
技術によりベクターを制限エンドヌクレアーゼEco
RI及びStuIを用いて完全に消化することにより調
製された。pY ADHプラスミドの消化から得られた
所望のより大きな断片は0.7%アガロースゲル上10
0ボルトにおいて22℃で2時間電気泳動を行うことに
より単離された。 【0129】第5図に示す如く、合成DNAオリゴマ
ー、IL−1遺伝子のコード化領域の切り出された主た
る部分及び所望の線形化されたpY ADH断片は、1
00μgのpY ADHベクター断片(Eco RI−
StuI)、40μgの主たるIL−1 cDNA断片
(HpaII−PstI[ブラント])、5μgの合成オ
リゴヌクレオチド(Eco RI−HpaII)、1μl
のT4 DNAリガーゼ及び十分なT4リガーゼ緩衝液
(0.4M Tris[pH7.4]、0.1MMgC
l2、0.1Mジチオスレイトール、10mMスペルミ
ジン、10mMATP及び1mg/mlBSA)より構
成されており、20μlの反応容量を形成する反応混合
物中で一緒に連結された。反応は15℃において15時
間インキュベートすることにより行われた。 【0130】得られたpY ADH IL−1と称され
る組み換えプラスミドを次いで上記ボリバー等及び上記
ピーコック等の文献に示されているような標準的形質転
換技術を用いてE.coli菌株RR1中に形質転換さ
せた。宿主細胞を培養してpY ADH IL−1プラ
スミドを増幅し、次いでプラスミドを上記マニアティス
等の文献368及び上記インシュ−ホロビッツ及びバー
ク等により詳説されている標準的アルカリ方法により宿
主細菌から除去した。プラスミドDNAを上記マニアテ
ィス等の文献の93に示されているセシウムクロライド
−エチジウムブロマイド密度勾配における平衡になるま
で遠心分離して精製した。本発明の範囲及び趣旨から離
れることなく、その他のE.coliから増幅されたプ
ラスミドDNAを抽出/濃縮する技術を使用することが
出来ることを了解すべきである。 【0131】上記の如く調製された増幅pY ADH
IL−1プラスミドを次いで使用して標準的技術により
S.セレビジアエ(S.Cerevisiae)のプロ
ターゼ欠陥酵母菌株20B−12(アルファ、pep
4.3、Trp1)を形質転換させた。形質転換に先立
ち、20B−12菌株をYP−グルコース培地(200
ml)中の培養液中で生育させて2×107細胞個/m
lの培養物を得た。これらの細胞を22℃において5分
間1000×gの遠心分離で採取し、次いで得られたペ
レットを無菌蒸留水で洗浄した。 【0132】これらの酵母細胞を次いで20mlのSE
D(1Mソルビトール、25mMETDA[pH8.
0]、及び50mMジチオスレイトール)中に再懸濁さ
せて濃縮し、30℃で10分間インキュベートした。細
胞−緩衝液混合物を次いで300×gで5分間遠心分離
した。ペレットを200mlの1Mソルビトールで一度
洗浄し、細胞を20mlのSCE(1Mソルビトール、
0.1Mクエン酸ナトリウム[pH5.8]、0.1M
ETDA)中に再懸濁した。細胞壁を破壊するために
グルスラーゼを0.2mlの量で溶液に添加し、次いで
溶液を時々静かに振盪しながら30℃で30分間インキ
ュベートした。 【0133】スフェロプラストの存在は、10μlの酵
母細胞を顕微鏡スライド上に一滴の5%ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)(wt/vol.)中に希釈し、4
00×位相差における「ゴースト」を観察して分析し
た。 【0134】細胞混合物を次いで300×gで3分間遠
心分離した。得られたペレットを20mlの1Mソルビ
トールで2回洗浄した。ペレットを次いで1回STC
(1Mソルビトール、10mM CaCl、10mM
Tris HCl[pH7.5])で洗浄した。 【0135】酵母スフェロプラストを次いでベッグス
[Beggs,275 Nature(London)
104(1978)]から適用された方法において予め
調製されたプラスミドベクターを用いて形質転換した。
ペレット化されたプロトプラストを1.0μlのSTC
に懸濁させ、次いで10μlの使い捨てチューブ(Fa
lcon # 2059)中の100mlのアリコート
に分割した。次いで1〜10μlのDNAプラスミドを
各アリコート(0.5〜5μg)に添加した。混合物を
室温で10分間静置し、次いで1mlのPEG(20%
PEG 4000、10mM CaCl2、10mM
Tris−HCl[pH7.4])を各アリコートに添
加してDNA摂取を促進した。室温において10分後、
混合物を350×gにおいて5分間遠心分離した。得ら
れたペレットを150μlのSDS(10mlの2Mソ
ルビトール、6.7μlのYEP[0.13mlの1M
のCaCl、27μlの1%ロイシン、及び3.7ml
のH2O])に再懸濁させた。この混合物を30℃で2
0分間インキュベートした。 【0136】その後、プロトプラスト/DNA混合物を
1.2Mソルビトール及び3%寒天を含む酵母最少培地
の存在下において45℃で且つトリプトファンなしにプ
レート培養した。この最少培地は0.67Difco酵
母、窒素塩基、0.5%カザミノ酸、2%グルコースよ
り構成されているものであった。プロトプラスト/DN
A混合物をこの培地中に維持することによりTrp/遺
伝子を含有する形質転換体のみが生き残った。 【0137】生物学的アッセイの前に、形質転換体を最
少培地から富有培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、
2%グルコース)に接種し、後期指数的生長相まで30
℃で15〜20時間生育させた。採取時にプロテアーゼ
阻害剤フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMS
F)を1mMまで添加した。培養物を次いで400×g
で遠心分離して細胞をペレット化した。その後細胞を1
度0.1vol.の冷H2O中において洗浄した。破壊
するために細胞を1mM PMSFを含有する0.1
vol.の冷H2Oに再懸濁させ、ガラスビーズ(1/3
容)を用いて2分間渦巻き撹拌させた。細胞残骸及びガ
ラスビーズを遠心分離によりペレット化した。得られた
上澄液はIL−1活性を示すことが判明した。これは上
澄液を上記胸腺細胞増殖及びIL−1転換アッセイの両
者において利用することにより確認された。 【0138】本発明の分野の当業者には明らかな如く、
本発明の趣旨即ち本質的特徴から離れることなく特に開
示された実施態様以外の形態で本発明を実施することが
可能である。従って、上記本発明の特別の実施態様はあ
らゆる面において例示的なものであり限定的なものでは
ない。本発明の範囲は前記説明に含まれる具体例に限定
されるものではなく冒頭の特許請求に掲げられる通りの
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は青色染料配位子の部分的構造式を図示
するものである。 【図2】第2図は赤色染料配位子の部分的構造式を図示
するものである。 【図3】第3図はIL−1遺伝子の部分的制限地図を図
示するものである。 【図4】第4図は2枚よりなり、第3図のヌクレオチド
断片に含まれるIL−1遺伝子のヌクレオチド配列及び
対応するアミノ酸配列を図示するものであり、ヌクレオ
チドは第4図に示された配列の始めから番号を付されて
おり、アミノ酸は蛋白質の成熟NH2−末端、即ち矢印
で示されたAla残基から残基番号153の停止コドン
ATTまで番号が付されている。 【図5】第5図は官能性IL−1を発現する目的で酵母
宿主を形質転換するために使用されたシャトルベクター
におけるIL−1遺伝子の解読領域をクローン化するた
めに使用された術策を図示するものである。
するものである。 【図2】第2図は赤色染料配位子の部分的構造式を図示
するものである。 【図3】第3図はIL−1遺伝子の部分的制限地図を図
示するものである。 【図4】第4図は2枚よりなり、第3図のヌクレオチド
断片に含まれるIL−1遺伝子のヌクレオチド配列及び
対応するアミノ酸配列を図示するものであり、ヌクレオ
チドは第4図に示された配列の始めから番号を付されて
おり、アミノ酸は蛋白質の成熟NH2−末端、即ち矢印
で示されたAla残基から残基番号153の停止コドン
ATTまで番号が付されている。 【図5】第5図は官能性IL−1を発現する目的で酵母
宿主を形質転換するために使用されたシャトルベクター
におけるIL−1遺伝子の解読領域をクローン化するた
めに使用された術策を図示するものである。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C12R 1:865)
(C12N 1/21
C12R 1:19)
(31)優先権主張番号 676533
(32)優先日 昭和59年11月30日(1984.11.30)
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 687646
(32)優先日 昭和59年12月31日(1984.12.31)
(33)優先権主張国 米国(US)
(72)発明者 デイビッド、ジェー、コスマン
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、トゥエルブス、アベニュ、イース
ト、310
(72)発明者 ケニス、エッチ、グラブスタイン
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、ナンバー、フォーハンドレッド、エ
ンド、フォーティースリー、エヌ、イ
ー、セブンティーフィフス、ストリー
ト、5829
(72)発明者 トマス、ピー、ホップ
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、フィフティーファースト、エスダブ
リュ、4842
(72)発明者 シャーリー、アール、クロンハイム
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、サーティーシックス、エヌイー、
11526
(72)発明者 アルフ、ディー、ラーセン
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、ナンバー、フィフティーン、サミッ
ト、アベニュ、イースト、320
(72)発明者 カール、ジェー、マーチ
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、エイス、エスダブリュ、8133
(72)発明者 ブルース、エイ、モスリー
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、トゥウェンティーセカンド、エヌイ
ー、8215
(72)発明者 バージニア、エル、プライス
アメリカ合衆国ワシントン州、シアト
ル、ボイアー、アベニュ、イースト、
2617
(56)参考文献 特開 昭61−119191(JP,A)
・Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,81(December
1984)p.7909−7911
・J.Immunol.,122(1979)
p.2112−2118
・Federation Proce
edings,42(1983)p.2639−
2645
・Nature,309(May 1984)
p.56−59
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.以下のアミノ酸配列: 【化1】 Ala Pro Val Arg Ser Leu Asn Cys Thr Leu Arg Asp Ser Gln Gln Lys Ser Leu Val Met Ser Gly Pro Tyr Glu Leu Lys Ala Leu His Leu Gln Gly Gln Asp Met Glu Gln Gln Val Val Phe Ser Met Ser Phe Val Gln Gly Glu Glu Ser Asn Asp Lys Ile Pro Val Ala Leu Gly Leu Lys Glu Lys Asn Leu Tyr Leu Ser Cys Val Leu Lys Asp Asp Lys Pro Thr Leu Gln Leu Glu Ser Val Asp Pro Lys Asn Tyr Pro Lys Lys Lys Met Glu Lys Arg Phe Val Phe Asn Lys Ile Glu Ile Asn Asn Lys Leu Glu Phe Glu Ser Ala Gln Phe Pro Asn Trp Tyr Ile Ser Thr Ser Gln Ala Glu Asn Met Pro Val Phe Leu Gly Gly Thr Lys Gly Gly Gln Asp Ile Thr Asp Phe Thr Met Gln Phe Val Ser Ser を有する活性成熟ヒトIL−1タンパク質をコードする
単離されたDNA分子、または前記DNA分子のアリル
変異体であって、胸腺細胞増殖アッセイにおいてIL−
1生物活性を有するタンパク質をコードするDNA分
子。 2.cDNAである、請求項1に記載の単離されたDN
A分子。 3.前記活性成熟ヒトIL−1タンパク質が、N末端に
メチオニン残基を有している、請求項1に記載の単離さ
れたDNA分子。 4.前記活性成熟ヒトIL−1タンパク質が、アッセイ
細胞株ATCC CRL−8079からのインターロイ
キン2放出を刺激する、請求項1に記載の単離されたD
NA分子。 5.以下の塩基配列: 【化2】 を含む、請求項1に記載の単離されたDNA分子。 6.以下のアミノ酸配列: 【化3】 Ala Pro Val Arg Ser Leu Asn Cys Thr Leu Arg Asp Ser Gln Gln Lys Ser Leu Val Met Ser Gly Pro Tyr Glu Leu Lys Ala Leu His Leu Gln Gly Gln Asp Met Glu Gln Gln Val Val Phe Ser Met Ser Phe Val Gln Gly Glu Glu Ser Asn Asp Lys Ile Pro Val Ala Leu Gly Leu Lys Glu Lys Asn Leu Tyr Leu Ser Cys Val Leu Lys Asp Asp Lys Pro Thr Leu Gln Leu Glu Ser Val Asp Pro Lys Asn Tyr Pro Lys Lys Lys Met Glu Lys Arg Phe Val Phe Asn Lys Ile Glu Ile Asn Asn Lys Leu Glu Phe Glu Ser Ala Gln Phe Pro Asn Trp Tyr Ile Ser Thr Ser Gln Ala Glu Asn Met Pro Val Phe Leu Gly Gly Thr Lys Gly Gly Gln Asp Ile Thr Asp Phe Thr Met Gln Phe Val Ser Ser を有する活性成熟ヒトIL−1タンパク質をコードする
単離されたDNA分子、または前記DNA分子のアリル
変異体であって、胸腺細胞増殖アッセイにおいてIL−
1生物活性を有するタンパク質をコードするDNA分子
を含んでいる組換え発現ベクター。 7.以下のアミノ酸配列: 【化4】 Ala Pro Val Arg Ser Leu Asn Cys Thr Leu Arg Asp Ser Gln Gln Lys Ser Leu Val Met Ser Gly Pro Tyr Glu Leu Lys Ala Leu His Leu Gln Gly Gln Asp Met Glu Gln Gln Val Val Phe Ser Met Ser Phe Val Gln Gly Glu Glu Ser Asn Asp Lys Ile Pro Val Ala Leu Gly Leu Lys Glu Lys Asn Leu Tyr Leu Ser Cys Val Leu Lys Asp Asp Lys Pro Thr Leu Gln Leu Glu Ser Val Asp Pro Lys Asn Tyr Pro Lys Lys Lys Met Glu Lys Arg Phe Val Phe Asn Lys Ile Glu Ile Asn Asn Lys Leu Glu Phe Glu Ser Ala Gln Phe Pro Asn Trp Tyr Ile Ser Thr Ser Gln Ala Glu Asn Met Pro Val Phe Leu Gly Gly Thr Lys Gly Gly Gln Asp Ile Thr Asp Phe Thr Met Gln Phe Val Ser Ser を有する活性成熟ヒトIL−1タンパク質をコードする
単離されたDNA分子、または前記DNA分子のアリル
変異体であって、胸腺細胞増殖アッセイにおいてIL−
1生物活性を有するタンパク質をコードするDNA分子
を含んでいる組換え発現ベクターによって形質転換され
た、細菌または酵母細胞である宿主細胞。 8.前記細胞が大腸菌(E.Coli)である、請求項
7に記載の宿主細胞。 9.前記細胞がサッカロマイセス・セルビシエ(S.c
erevisiae)細胞である、請求項7に記載の宿
主細胞。
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-
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・Nature,309(May 1984)p.56−59 |
・Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81(December 1984)p.7909−7911 |
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