JP2544905Y2 - パーキングブレーキ操作装置 - Google Patents

パーキングブレーキ操作装置

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JP2544905Y2
JP2544905Y2 JP11365591U JP11365591U JP2544905Y2 JP 2544905 Y2 JP2544905 Y2 JP 2544905Y2 JP 11365591 U JP11365591 U JP 11365591U JP 11365591 U JP11365591 U JP 11365591U JP 2544905 Y2 JP2544905 Y2 JP 2544905Y2
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pole
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修治 小浜
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Toyoda Iron Works Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はパーキングブレーキ操作
装置に係わり、特にその操作時においてポールがラチェ
ットの歯を乗り越えつつ移動する際に発生する打撃音を
低減させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーキングブレーキ操作装置の一種に、
(a)パーキングブレーキ作動部に機械的に連結された
操作レバーと、(b)その操作レバーを回動軸まわりの
回動可能に支持するとともにその回動軸を中心とする円
弧形状に沿ってラチェットが形成されたセクタと、
(c)前記操作レバーに前記回動軸と平行な軸心まわり
の回動可能に取り付けられて前記ラチェットと噛み合わ
されるポールと、(d)前記操作レバーの先端に押込み
可能に設けられたノブと、(e)そのノブに一端が連結
されるとともに他端が前記ポールに相対回動可能に連結
され、そのノブが押込み操作されることによりそのポー
ルを回動させて前記ラチェットとの噛合いを解除するレ
リーズロッドと、(f)常には前記ノブが前記操作レバ
ーの先端から突き出し且つ前記ポールが前記ラチェット
と噛み合うように付勢するスプリングとを備えたものが
ある。実開平3−108572号公報に記載された装置
はその一例である。
【0003】このようなパーキングブレーキ操作装置に
おいては、操作レバーが予め定められた原位置から例え
ばその操作レバーに連結されたブレーキケーブルが引き
締められる制動位置まで回動操作されることにより、パ
ーキングブレーキ作動部が作動させられるが、このと
き、ポールがスプリングにより付勢されたままラチェッ
トの歯を乗り越えつつ移動することにより、操作レバー
の制動位置へ向かう回動が許容されるとともに、そのポ
ールが上記制動位置においてスプリングの付勢力により
ラチェットと噛み合わされることにより、操作レバーの
原位置へ向かう方向の回動が阻止されてパーキングブレ
ーキ作動部の作動状態が維持される。また、ノブがスプ
リングの付勢力等に抗して押込み操作されることにより
ポールとラチェットとの噛合いが解除されると、操作レ
バーの制動位置から原位置へ向かう方向の回動が許容さ
れて操作レバーが原位置まで戻され、パーキングブレー
キ作動部の作動が解除される。
【0004】また、このような形式のパーキングブレー
キ操作装置においては、一般に、上記ノブが意図せず不
用意に押し込まれることによりポールとラチェットとの
噛合いが解除されてパーキングブレーキ作動部の作動状
態が解除されることを防止するため、軽い接触ではノブ
が押し込まれないように、押込みに対する反発力が予め
定められた一定値以上となるように上記スプリングの強
さが設定されているのが普通である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに一定以上の強さに設定されたスプリングの付勢力
は、同時に前記ポールの歯先における前記ラチェットに
対する噛合い荷重としても作用させられるため、操作レ
バーが原位置から制動位置へ回動操作されるのに伴っ
て、ポールがラチェットの歯を乗り越えつつ移動する際
に比較的大きな打撃音を発生するという問題があった。
【0006】これに対し、ポールのレバー比、すなわ
ち、回動中心からポールの歯先までの長さに対する前記
スプリングによる付勢力が付与されるレリーズロッドと
の連結点からその回動中心までの長さの割合、を小さく
してポールの歯先における噛合い荷重を低くすることが
考えられる。しかし、このようにすると、上記レバー比
を小さくしたことに対応してポールとラチェットとの噛
合いが解除されるまでのノブのストロークが小さくな
り、僅かなノブの押込みでも誤ってパーキングブレーキ
が解除され易くなるため、レバー比を小さくして噛合い
荷重を低くするにも限界があった。また、ポールとラチ
ェットとの噛合いを解除する際に前記操作レバーを殆ど
引き上げることなくノブを押込み操作した場合、すなわ
ちパーキングブレーキ作動部による大きな噛合い荷重が
噛合い部に作用したままで半強制的に解除させようとし
た場合には、レバー比が小さいとこの噛合い荷重に抗し
てノブを押し込むための操作力が大幅に増大するという
問題もあった。
【0007】本考案は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、パーキングブレーキ
の誤解除に対する安全性と適度なノブの押込み操作力を
確保しつつ、ポールの歯先における噛合い荷重を小さく
して、制動操作に伴ってポールおよびラチェット間で発
生する打撃音を低減させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案の要旨とするところは、前記(a)操作レバ
ーと、(b)セクタと、(c)ポールと、(d)ノブ
と、(e)レリーズロッドと、(f)スプリングとを備
えたパーキングブレーキ操作装置において、(g)前記
ポールおよび前記操作レバーの一方および他方に設けら
れて、そのポールを前記レリーズロッドとの連結点と前
記ラチェットとの噛合点との間においてその連結点寄り
に予め定められた前記回動軸と平行な第1軸心まわりの
回動可能に支持する第1支持ピンおよびその第1支持ピ
ンと係合する第1係合部を有するとともに、前記スプリ
ングの付勢力に従って前記ポールが前記ラチェットと噛
み合う際にはそのポールを上記第1軸心まわりに回動さ
せ、且つ、前記ノブが押込み操作されて上記スプリング
の付勢力に抗してそれらポールとラチェットとの噛合い
が解除される際には、前記連結点と前記噛合点との間に
おいてその噛合点寄りに予め定められた前記回動軸と平
行な第2軸心まわりにポールが回動することを許容する
ように、前記第1係合部が、前記第1支持ピンの外周に
局部的に摺接するとともに前記スプリングの付勢力によ
り前記噛合点まわりに作用するモーメントを受け止める
半円内周面と、その半円内周面と反対側における半円部
分が開放状態とされた切欠きとを備えている第1軸心側
ポール支持機構と、(h)前記ポールおよび前記操作レ
バーの一方および他方に設けられてそのポールを前記第
2軸心まわりの回動可能に支持する第2支持ピンおよび
その第2支持ピンと係合する第2係合部を有するととも
に、前記ノブが押込み操作されて前記スプリングの付勢
力に抗して前記ポールと前記ラチェットとの噛合いが解
除される際にはそのポールを上記第2軸心まわりに回動
させ、且つ、上記スプリングの付勢力に従ってポールが
上記ラチェットと噛み合う際には、前記第1軸心まわり
にポールが回動することを許容するように、前記第2係
合部が、前記第2支持ピンの外周に局部的に摺接すると
ともに前記ノブの押込み操作力により前記噛合点まわり
に作用するモーメントを受け止める半円内周面と、その
半円内周面と反対側における半円部分が開放状態とされ
た切欠きとを備えている第2軸心側ポール支持機構とを
有することにある。
【0009】
【作用】上記パーキングブレーキ操作装置においては、
第1軸心側ポール支持機構としてポールおよび操作レバ
ーの一方および他方に設けられた第1支持ピンと第1係
合部との係合により、ポールがレリーズロッドとの連結
点とラチェットとの噛合点との間においてその連結点寄
りに予め定められた第1軸心まわりの回動可能に支持さ
れるとともに、スプリングの付勢力に従ってポールがラ
チェットと噛み合う際には、噛合点まわりに作用するモ
ーメントが上記第1係合部の半円内周面により受け止め
られてそのポールが第1軸心まわりに回動させられ、ま
た、ノブが押込み操作されてそれらポールとラチェット
との噛合いが解除される際には、上記第1係合部の切欠
きにより、上記連結点と噛合点との間においてその噛合
点寄りに予め定められた第2軸心まわりにポールが回動
することが許容される。一方、第2軸心側ポール支持機
構としてポールおよび操作レバーの一方および他方に設
けられた第2支持ピンと第2係合部との係合により、ポ
ールが上記第2軸心まわりの回動可能に支持されるとと
もに、ノブが押込み操作されてポールとラチェットとの
噛合いが解除される際には、噛合点まわりに作用するモ
ーメントが上記第2係合部の半円内周面により受け止め
られてそのポールが第2軸心まわりに回動させられ、ま
た、スプリングの付勢力に従ってポールがラチェットと
噛み合う際には、上記第2係合部の切欠きによりそのポ
ールが第1軸心まわりに回動することが許容される。
【0010】これにより、ポールがラチェットの歯を乗
り越えつつ移動する際にはそのポールが専ら第1軸心ま
わりに回動させられ、その第1軸心がポールとレリーズ
ロッドとの連結点寄りにあることから、レバー比が小さ
い状態でスプリングの付勢力による噛合い荷重がポール
の歯先に作用させられる。一方、ノブが押込み操作され
てレリーズロッドがポールを回動させる際にはそのポー
ルが専ら第2軸心まわりに回動させられ、その第2軸心
がポールとラチェットとの噛合い点寄りにあることか
ら、レバー比が大きい状態でノブの押込みストロークが
規定されるとともに、その大きなレバー比により押込み
操作力が増幅されてポールの歯先に作用させられる。
【0011】
【考案の効果】したがって、本考案のパーキングブレー
キ操作装置によれば、操作レバーの制動方向への操作時
には、小さなレバー比によりポールとラチェットとの噛
合い荷重が小さくされるため、操作レバーの回動操作に
伴ってポールおよびラチェット間で発生する打撃音が低
減される。また、ノブの押込み操作時には、大きなレバ
ー比によりノブの押込みストロークが大きめに維持され
てパーキングブレーキの誤解除に対する充分な安全性が
確保されるとともに、ポールとラチェットとが噛み合っ
た状態でノブが押込み操作される場合であっても、その
押込み操作力が大きなレバー比によって軽減されるた
め、比較的小さな操作力で噛合いを解除することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0013】図1において、パーキングブレーキ操作装
置10は図示しない車体のフロアに固定されるセクタ1
2と、そのセクタ12に回動軸としてのピン14まわり
の回動可能に支持された操作レバー16などを備えて構
成される。操作レバー16は、その基端側に設けられた
ケーブルガイド18を介してブレーキケーブル20の一
端が図示しないケーブル係止部に連結されるとともに、
先端側に樹脂製のグリップ22が嵌着されており、その
グリップ22が把持されて図1においてピン14の右ま
わりに回動操作されることにより、ブレーキケーブル2
0が引き締められてそのブレーキケーブル20の他端が
連結された図示しないパーキングブレーキ作動部が作動
させられるようになっている。
【0014】セクタ12にはピン14を中心とする円弧
形状に沿ってラチェット24が形成されている一方、操
作レバー16には、そのラチェット24に噛み合わされ
るポール26が、その操作レバー16に設けられた前記
ピン14と平行な一対のピン28および30にそれぞれ
支持されて配設されている。これ等のピン28および3
0は、それぞれ第1支持ピンおよび第2支持ピンに相当
するもので、ピン28の軸心がポール26とレリーズロ
ッド38との連結点寄りの位置に予め定められた第1軸
心となっている一方、ピン30の軸心がポール26とラ
チェット24との噛合点寄りの位置に予め定められた第
2軸心となっている。図1は操作レバー16がその原位
置にある状態を示しており、この状態から操作レバー1
6が図における右まわりに所定角度以上回動操作される
ことにより、上記ポール26がラチェット24と噛み合
う。なお、操作レバー16には、セクタ12に当接する
ことにより原位置を規定するストッパ32が設けられて
いる。
【0015】グリップ22の先端には、その内部に介挿
された圧縮コイルスプリング34の付勢力に抗して押込
み可能にノブ36が設けられているとともに、そのノブ
36にはレリーズロッド38の一端部が一体的に連結さ
れている。圧縮コイルスプリング34は、その一端がノ
ブ36に当接しているとともに他端が操作レバー16の
先端側円筒部において内側に曲げ起こされた図示しない
係止部に当接しており、ノブ36およびレリーズロッド
38をノブ36がグリップ22から突き出す方向、すな
わち図における略左方向へ付勢している。レリーズロッ
ド38の他端部は、前記連結点においてポール26に相
対回動可能に連結されており、ポール26には、圧縮コ
イルスプリング34の付勢力によりそのポール26を図
1において左まわりに回動させようとするモーメントが
作用している。
【0016】上記ポール26の付近を拡大して詳細に示
す図2から判るように、ポール26には、第1係合部と
してピン28と係合する係合部40、および第2係合部
としてピン30と係合する係合部42がそれぞれ設けら
れている。係合部40は、ピン28の外周の略半周に亘
って摺接するとともに圧縮コイルスプリング34により
ポール26を図2において歯先44(噛合点)の左まわ
りに回動させようとするモーメントを受け止める半円内
周面46と、その半円内周面46と反対側における半円
部分が長穴状態に開放された切欠き48とを備えてお
り、ピン30の軸心O2 を中心とする円弧形状をなして
いる。また、係合部42は、ピン30の外周の略半周に
亘って摺接するとともにノブ36の押込み操作力により
ポール26を図2において歯先44の右まわりに回動さ
せようとするモーメントを受け止める半円内周面50
と、その半円内周面50と反対側における半円部分が長
穴状態に開放された切欠き52とを備えており、ピン2
8の軸心O1 を中心とする円弧形状をなしている。この
ため、半円内周面46がピン28に摺接している状態に
おいては、ポール26が係合部42の長穴ストロークの
範囲内で軸心O1 まわりに回動可能であるとともに、半
円内周面50がピン30に摺接している状態において
は、ポール26が係合部40の長穴ストロークの範囲内
で軸心O2 まわりに回動可能である。本実施例では上記
ピン28および係合部40により第1軸心側ポール支持
機構54が構成され、ピン30および係合部42により
第2軸心側ポール支持機構56が構成されている。
【0017】従って、ノブ36が圧縮コイルスプリング
34の付勢力に抗して押込み操作されていない通常の状
態においては、その圧縮コイルスプリング34の付勢力
に基づいて力F1 が連結点O3 に作用させられるが、そ
の力F1 によりポール26を図2において歯先44の左
まわりに回動させようとするモーメントは係合部40の
半円内周面46によって受け止められるため、ピン28
が支点となって力F1はポール26をピン28の左まわ
りに回動させるモーメントを作用させ、ポール26の歯
先44が前記ラチェット24に噛み合うよう付勢され
る。この時の歯先44におけるラチェット24に対する
噛合い荷重Ft は、ピン28の軸心O1 から歯先44ま
での長さに対する連結点O3 からその軸心O1 までの長
さの割合により定まる小さなレバー比により、上記の力
1 に対して比較的小さな値とされる。なお、上記のよ
うな連結関係から、ノブ32のグリップ22からの突出
し量は、このポール26とラチェット24との噛合いに
よって規定される。
【0018】一方、ノブ36が圧縮コイルスプリング3
4の付勢力に抗して押込み操作される状態においては、
その押込み操作力Fp0に基づいて力Fp1が連結点O3
作用させられるが、その力Fp1によりポール26を図2
において歯先44の右まわりに回動させようとするモー
メントは係合部42の半円内周面50によって受け止め
られるため、ピン30が支点となって力Fp1はポール2
6をピン30の右まわりに回動させるモーメントを作用
させ、ポール26の歯先44が前記ラチェット24から
離れるよう付勢される。この時の歯先44における解除
方向の力Fr は、ピン30の軸心O2 から歯先44まで
の長さに対する連結点O3 からその軸心O2 までの長さ
の割合により定まる大きなレバー比により、上記の力F
p1が増幅されて歯先44に作用させられる。そして、解
除方向の力Fr がポール26とラチェット24との噛合
点における摩擦抵抗を超えるような押込み操作力Fp0
作用させられると(図4参照)、レリーズロッド38が
操作レバー16の基端側へ移動させられ、ポール26が
ピン30の右まわりに回動させられてラチェット24と
の噛合いが解除される。なお、操作レバー16を少し引
き上げてノブ36が押込み操作される場合には、圧縮コ
イルスプリング34の付勢力に対応する比較的小さな押
込み操作力Fp0でノブ36を押込み操作できるととも
に、ポール26はピン30の軸心O3 まわりに回動する
とは限らない。
【0019】また、ポール26とラチェット24との噛
合いは、それらが噛み合うようにポール26が付勢され
た状態において、操作レバー16が図1においてピン1
4の右まわりに回動操作される場合には、上記付勢力に
抗して噛合いが外れる方向にポール26が軸心O1 まわ
りに回動することにより、ポール26がラチェット24
の歯を乗り越えてラチェット24上を移動することを許
容するが、ポール26およびラチェット24が噛み合っ
たあとに操作レバー16が左まわりに回動させられよう
とする場合には、前記噛合いが維持されて操作レバー1
6の回動を阻止するようになっている。なお、ポール2
6およびラチェット24は、それらの噛合いによってパ
ーキングブレーキ作動部の作動状態を維持し、且つ、相
互のぶつかり合いに耐えうる強度を備えるため、一般に
は、その素材に金属が用いられている。
【0020】上記のように構成されたパーキングブレー
キ操作装置10においては、操作レバー16が図1の状
態である原位置からピン14の右まわりに制動位置まで
回動操作されることにより、ブレーキケーブル20が引
き締められてパーキングブレーキ作動部が作動させられ
る。このとき、その回動操作に伴い圧縮コイルスプリン
グ30の付勢力に抗して、ポール26の係合部42にお
いてピン30が切欠き52側に相対移動するように、ポ
ール26がピン28まわりの回動を繰り返すことによ
り、図3に示すようにラチェット24の歯を乗り越えつ
つ移動させられ、回動操作が停止させられた時点で噛み
合っているラチェット24の歯とそのポール26とが、
図4において一点鎖線で示すように噛合いを維持するこ
とによってパーキングブレーキ作動部の作動状態が維持
される。なお、操作レバー16が回動操作後に停止され
てポール26がラチェット24と噛み合っている状態、
および、操作レバー16が原位置にあってポール26が
セクタ12に当接している状態においては、前記半円内
周面46はピン28の外周面に摺接しているが、前記半
円内周面50はピン30との間に僅かな隙間を有してお
り、組付け状態における寸法誤差等により、ポール26
とラチェット24との噛合い不良が生じないようになっ
ている。
【0021】ここで、上記圧縮コイルスプリング34の
付勢力は、ポール26とラチェット24との噛合いによ
りパーキングブレーキ作動部が作動状態とされている場
合に、不用意にノブ36が押し込まれることによりそれ
等ポール26とラチェット24との噛合いが解除される
ことがないように、ノブ36に軽く接触した程度ではノ
ブ36が容易に押し込まれないような一定値以上の強さ
に設定されている。また、その付勢力に基づいてポール
26とラチェット24との噛合い荷重は定まるが、ポー
ル26の歯先44における噛合い荷重Ft は、具体的に
は、以下に説明する計算式によって圧縮コイルスプリン
グ34の付勢力F0 から求められる。
【0022】図3において、上記圧縮コイルスプリング
34の付勢力F0 による前記力F1にその力F1 の方向
に直角な軸心O1 からの長さRc1を乗じた左まわりのモ
ーメントが、噛合い荷重Ft にそのFt の方向に直角な
噛合点O3 からの長さRt1を乗じたものと等しいことか
ら、噛合い荷重Ft は次式(1)で表される。なお、付
勢力F0 と力F1 とは、グリップ22側における圧縮コ
イルスプリング34の付勢方向に対する連結点O3 のオ
フセット状態から定まる略一定の関係にあり、その係数
をkとして、F1 =kF0 とする。
【0023】
【数1】
【0024】上記(1)式における〔Rc1/Rt1〕は、
ピン28の軸心である第1軸心O1がポール26とレリ
ーズロッド38との連結点O3 寄りにあることから、ノ
ブ36が圧縮コイルスプリング34の付勢力に抗して押
込み操作されていない通常の状態における前記小さなレ
バー比に対応して小さい値となり、従って、ポール26
のラチェット24との噛合い荷重Ft が圧縮コイルスプ
リング34の付勢力F0 に対して小さくされる。これに
より、図3のように、操作レバー16の制動方向への回
動操作に伴ってポール26がラチェット24の歯を乗り
越えつつ移動させられる際にそのポール26の歯先44
がラチェットの歯に打ち当てられて発生する打撃音が低
減される。
【0025】一方、ノブ36が圧縮コイルスプリング3
4の付勢力に抗して押込み操作されると、図4において
一点鎖線で示す噛合い状態の位置から前記した半円内周
面50とピン30との間の隙間がなくなる状態にポール
26が噛合点O4 まわりに僅かに回動してその半円内周
面50がピン30の外周面に摺接したあと、図4におい
て実線で示すように、そのピン30の軸心O2 の右まわ
りに回動してポール26とラチェット24との噛合いが
解除される。そして、ノブ36が完全に押し込まれてポ
ール26の歯先44がラチェット24から所定距離だけ
離間した状態で、操作レバー16が左まわりに回動操作
されて原位置まで戻されることにより、上記パーキング
ブレーキ作動部の作動が解除される。
【0026】ここで、ノブ36の押込み操作力Fp0に基
づいて力Fp1がレリーズロッド38を介して連結点O3
に作用させられ、その力Fp1によって図4に示すように
ポール26がピン30の右まわりに回動させられる状態
においては、ポール26の歯先44におけるラチェット
24から離間しようとする解除方向の力Fr は、次のよ
うに具体的に算出される。この状態においては、押込み
操作力Fp0に基づく力Fp1にその力Fp1方向に直角な軸
心O2 からの長さRc2を乗じた右まわりのモーメント
が、解除方向の力Fr にそのFr の方向に直角な噛合点
3 からの長さRt2を乗じたものと等しくなる。この関
係から解除方向の力Fr は次式(2)で表される。な
お、押込み操作力Fp0と力Fp1とは、グリップ22側に
おいてノブ36が押し込まれる方向に対する連結点O3
のオフセット状態から定まる略一定の関係にあるととも
に、その関係が前記付勢力F0 と力F1 との関係と同じ
であるため、その係数をkとして、Fp1=kFp0とす
る。
【0027】
【数2】
【0028】上記(2)式における〔Rc2/Rt2〕は、
ピン30の軸心である第2軸心O2がポール26とラチ
ェット24との噛合点O4 寄りにあることから、ノブ3
6が圧縮コイルスプリング34の付勢力に抗して押込み
操作された状態における前記大きなレバー比に対応して
大きい値となり、従って、ノブ36の押込み操作力Fp0
が増幅されて大きな解除方向の力Fr が歯先44に作用
させられる。これにより、大きなレバー比によりノブ3
6の押込みストロークが大きくなるとともに、押込み操
作力Fp0がその大きなレバー比によって軽減される。
【0029】ところで、パーキングブレーキ作動部の作
動状態を維持している間は、ブレーキケーブル20を介
して操作レバー16に作用している上記作動部の力に基
づいて、ポール26とラチェット24との噛合点O4
はその作動部の力に対応した噛合い荷重Fb が作用して
おり、そのような噛合い荷重Fb が作用した状態でポー
ル26とラチェット24との噛合いを解除させようとす
ると、その噛合い荷重Fb に対応した摩擦抵抗Ff が、
前記解除方向の力と逆向きに作用する。従って、パーキ
ングブレーキの解除に際して、操作レバー16を一旦制
動操作方向へ僅かに回動させたあとにノブ36の押込み
操作を行うことをせず、ポール26およびラチェット2
4が噛み合ったままの状態からノブ36の押込み操作を
してその噛合いを半強制的に解除する場合には、前記し
た大きなレバー比によるノブ36の押込み操作力Fp0
軽減効果が重要となる。
【0030】上述したように、本実施例のパーキングブ
レーキ操作装置10においては、操作レバー16の制動
方向への操作時には、小さなレバー比によりポール26
とラチェット24との噛合い荷重Ft が小さくされるた
め、操作レバー16の回動操作に伴ってポール26およ
びラチェット24間で発生する打撃音が低減される。ま
た、ノブ36の押込み操作時には、大きなレバー比によ
りノブ36の押込みストロークが大きめに維持されてパ
ーキングブレーキの誤解除に対する充分な安全性が確保
されるとともに、ポール26とラチェット24とが噛み
合った状態でノブ36が押込み操作される場合であって
も、押込み操作力Fp0がその大きなレバー比によって軽
減されるため、操作力Fp0が比較的小さくても噛合いを
解除することが可能となる。
【0031】以上、本考案の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本考案は他の態様で実施することも
できる。
【0032】例えば、前述の実施例においては、ピン2
8および係合部40により第1軸心側ポール支持機構5
4が構成され、ピン30および係合部42により第2軸
心側ポール支持機構56が構成されていたが、第1支持
ピンがポール26側に設けられるとともに第1係合部と
しての円弧状の長穴が操作レバー16側に設けられた
り、第2支持ピンがポール26側に設けられるとともに
第2係合部としての円弧状の長穴が操作レバー16側に
設けられたりして、第1軸心側ポール支持機構および第
2軸心側ポール支持機構が構成されても差支えなく、そ
れらを組み合わせて全体を構成しても良い。
【0033】また、前述の実施例においては、ポール2
6における一方の係合部40の切欠き48は、半円内周
面46と反対側における半円部分が長穴状態に開放され
てピン30の軸心O2 を中心とする円弧形状をなしてい
るとともに、他方の係合部42の切欠き52は、半円内
周面50と反対側における半円部分が長穴状態に開放さ
れてピン28の軸心O1 を中心とする円弧形状をなして
いたが、例えば、図5のポール60に示す係合部62お
よび64のように、半円内周面66や半円内周面68を
残して外周側に完全に開口した状態の切欠き70および
72であっても良い。
【0034】また、前述の実施例における係合部40お
よび42は、それぞれ軸心O2 およびO1 を中心とする
円弧形状を成していたが、ノブ36が押込み操作されて
半円内周面50がピン30に当接するまでは歯先44を
中心としてポール26が回動するため、部分的に歯先4
4を中心とする円弧形状とするなど、係合部40,42
の長穴形状は必要に応じて適宜変更され得る。
【0035】また、前記第1軸心O1 および第2軸心O
2 は、少なくとも〔Rc1/Rt1〕<〔Rc2/Rt2〕の関
係を満足する位置に定められれば良い。
【0036】また、前述の実施例における圧縮コイルス
プリング34は、操作レバー16の先端部において直接
的にノブ36を付勢する状態で介挿されていたが、これ
に替えて、ポール26を直接的に付勢する他のスプリン
グが介挿されても良い。
【0037】その他一々例示はしないが、本考案は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるパーキングブレーキ操
作装置を、その一部を切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1の装置の一部を拡大して詳細に示す図であ
る。
【図3】図1の装置において操作レバーが制動方向へ回
動操作される状態を示す図で、図2に相当する図であ
る。
【図4】図1の装置においてポールとラチェットとの噛
合いが解除される状態を示す図で、図2に相当する図で
ある。
【図5】本考案のパーキングブレーキ操作装置における
ポールの他の態様を示す図である。
【符号の説明】
10:パーキングブレーキ操作装置 12:セクタ 14:ピン(回動軸) 16:操作レバー 24:ラチェット 26,60:ポール 28:ピン(第1支持ピン) 30:ピン(第2支持ピン) 34:圧縮コイルスプリング 36:ノブ 38:レリーズロッド 40,62:係合部(第1係合部) 42,64:係合部(第2係合部) 46,66:第1係合部の半円内周面 48,70:第1係合部の切欠き 50,68:第2係合部の半円内周面 52,72:第2係合部の切欠き 54:第1軸心側ポール支持機構 56:第2軸心側ポール支持機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーキングブレーキ作動部に機械的に連
    結された操作レバーと、該操作レバーを回動軸まわりの
    回動可能に支持するとともに該回動軸を中心とする円弧
    形状に沿ってラチェットが形成されたセクタと、前記操
    作レバーに前記回動軸と平行な軸心まわりの回動可能に
    取り付けられて前記ラチェットと噛み合わされるポール
    と、前記操作レバーの先端に押込み可能に設けられたノ
    ブと、該ノブに一端が連結されるとともに他端が前記ポ
    ールに相対回動可能に連結され、該ノブが押込み操作さ
    れることにより該ポールを回動させて前記ラチェットと
    の噛合いを解除するレリーズロッドと、常には前記ノブ
    が前記操作レバーの先端から突き出し且つ前記ポールが
    前記ラチェットと噛み合うように付勢するスプリングと
    を備えたパーキングブレーキ操作装置において、 前記ポールおよび前記操作レバーの一方および他方に設
    けられて、該ポールを前記レリーズロッドとの連結点と
    前記ラチェットとの噛合点との間において該連結点寄り
    に予め定められた前記回動軸と平行な第1軸心まわりの
    回動可能に支持する第1支持ピンおよび該第1支持ピン
    と係合する第1係合部を有するとともに、前記スプリン
    グの付勢力に従って前記ポールが前記ラチェットと噛み
    合う際には該ポールを該第1軸心まわりに回動させ、且
    つ、前記ノブが押込み操作されて該スプリングの付勢力
    に抗して該ポールと該ラチェットとの噛合いが解除され
    る際には、前記連結点と前記噛合点との間において該噛
    合点寄りに予め定められた前記回動軸と平行な第2軸心
    まわりに該ポールが回動することを許容するように、前
    記第1係合部が、前記第1支持ピンの外周に局部的に摺
    接するとともに前記スプリングの付勢力により前記噛合
    点まわりに作用するモーメントを受け止める半円内周面
    と、該半円内周面と反対側における半円部分が開放状態
    とされた切欠きとを備えている第1軸心側ポール支持機
    構と、 前記ポールおよび前記操作レバーの一方および他方に設
    けられて該ポールを前記第2軸心まわりの回動可能に支
    持する第2支持ピンおよび該第2支持ピンと係合する第
    2係合部を有するとともに、前記ノブが押込み操作され
    て前記スプリングの付勢力に抗して前記ポールと前記ラ
    チェットとの噛合いが解除される際には該ポールを該第
    2軸心まわりに回動させ、且つ、該スプリングの付勢力
    に従って該ポールが該ラチェットと噛み合う際には、前
    記第1軸心まわりに該ポールが回動することを許容する
    ように、前記第2係合部が、前記第2支持ピンの外周に
    局部的に摺接するとともに前記ノブの押込み操作力によ
    り前記噛合点まわりに作用するモーメントを受け止める
    半円内周面と、該半円内周面と反対側における半円部分
    が開放状態とされた切欠きとを備えている第2軸心側ポ
    ール支持機構とを有することを特徴とするパーキングブ
    レーキ操作装置。
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