JP2004359033A - 足踏み式パーキングブレーキ操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レリーズレバーの姿勢を変化させるための構造が簡単で安価に構成できるとともに、部品点数を増やすことなくターンオーバスプリングを簡単に組み付けることができるようにする。
【解決手段】レリーズレバー44が連結ピン48を介してポール36に相対回転可能に連結されているとともに、第2長穴50を介してポールピン26と係合させられ、(a) →(b) に示すようにポール36が第1長穴40によりポールピン26に対して相対移動させられるのに伴って、レリーズレバー44は第2長穴50とポールピン26との係合によって姿勢変化させられ、操作ペダルとレリーズレバー44とに跨がって配設されたターンオーバスプリング46の付勢方向が反転させられる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は足踏み式パーキングブレーキ操作装置に係り、特に、パーキングブレーキの作動および解除を単一の操作ペダルの足踏み操作で行う機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 車体に固設されるブラケットと、(b) そのブラケットに支持軸まわりの回動可能に配設され、原位置から踏込み操作されることによりブレーキケーブルを引き締めてパーキングブレーキを作動させる操作ペダルと、(c) その操作ペダルおよび前記ブラケットの一方の部材に、前記支持軸を中心とする円弧状に設けられたラチェットと、(d) 前記操作ペダルおよび前記ブラケットの他方の部材に設けられたポールピンに、第1長穴を介して回転可能に配設され、前記ラチェットと噛み合わされることによりその操作ペダルが原位置側へ戻り回動することを阻止するとともに、そのラチェットとの噛合い姿勢において前記第1長穴により前記支持軸を中心とする周方向へ所定寸法だけ離間した第1位置と第2位置との間をその他方の部材に対して相対移動可能とされたポールと、(e) 前記踏込み位置において前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置から前記第2位置へ相対移動させられる際に、その相対移動に伴って機械的に姿勢変化させられるレリーズレバーと、(f) 前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置に保持された状態で前記操作ペダルが踏込み操作される際には、そのポールを前記ラチェットと噛み合う噛合い方向へ付勢するが、踏込み位置においてその操作ペダルに対する踏力が解除され、前記ブレーキケーブルの張力に従ってその操作ペダルが前記原位置側へ戻ろうとする際に、そのラチェットと噛み合っているそのポールが他方の部材に対して前記第2位置へ相対移動させられるとともに前記レリーズレバーが姿勢変化させられることにより思案点を越え、そのポールに対する付勢方向が噛合い解除方向へ変化するターンオーバスプリングとを備え、(g) パーキングブレーキの作動および解除を単一の操作ペダルの踏込み操作で行う足踏み式パーキングブレーキ操作装置が知られている。
【0003】
特許文献1、2に記載の装置はその一例で、レリーズレバーがポールピンまたはポールピンとは別に他方の部材に配設されたピンに回転可能に配設されており、ポールが第1位置から第2位置へ移動する際にそのポールとの係合でそのピンまわりに回転させられるとともに、ストッパによって所定の角度範囲で回転停止させられる一方、そのレリーズレバーとポールとの間にターンオーバスプリングが配設されてポールを付勢するようになっている。このような足踏み式パーキングブレーキ操作装置によれば、特許文献3に記載のようにポール自体の姿勢を変化させてターンオーバスプリングの付勢方向を変化させる場合に比較して、ポールの姿勢変化を抑制して噛合い状態を良好に維持しつつ、ターンオーバスプリングのターンオーバ量を拡大して、パーキングブレーキの解除動作が安定して行われるようにすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−30383号公報
【特許文献2】
特開平10−287217号公報
【特許文献3】
特開2002−274343号公報
【特許文献4】
特開2000−79869号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の足踏み式パーキングブレーキ操作装置は、レリーズレバーの姿勢を変化させるためにそのレリーズレバーとポールとの間に互いに係合する係合部を設ける必要があるため、加工工数が増えてコスト高になる。また、何れも可動部材であるレリーズレバーとポールとの間にターンオーバスプリングを配設する必要があるため、組付作業が面倒で時間が掛かるとともに、そのターンオーバスプリングの挙動が不安定で、こじりなどにより偏摩耗が生じたり所期の付勢力が得られなかったりする恐れがある。
【0006】
なお、特許文献4には、レリーズレバーと他方の部材との間にターンオーバスプリングを配設する技術が記載されているが、ポールを常に噛合い方向へ付勢するスプリングが別途必要で、部品点数が多くなる。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、レリーズレバーの姿勢を変化させるための構造が簡単で安価に構成できるとともに、部品点数を増やすことなくターンオーバスプリングを簡単に組み付けることができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 車体に固設されるブラケットと、(b) そのブラケットに支持軸まわりの回動可能に配設され、原位置から踏込み操作されることによりブレーキケーブルを引き締めてパーキングブレーキを作動させる操作ペダルと、(c) その操作ペダルおよび前記ブラケットの一方の部材に、前記支持軸を中心とする円弧状に設けられたラチェットと、(d) 前記操作ペダルおよび前記ブラケットの他方の部材に設けられたポールピンに、第1長穴を介して回転可能に配設され、前記ラチェットと噛み合わされることによりその操作ペダルが原位置側へ戻り回動することを阻止するとともに、そのラチェットとの噛合い姿勢において前記第1長穴により前記支持軸を中心とする周方向へ所定寸法だけ離間した第1位置と第2位置との間をその他方の部材に対して相対移動可能とされたポールと、(e) 前記踏込み位置において前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置から前記第2位置へ相対移動させられる際に、その相対移動に伴って機械的に姿勢変化させられるレリーズレバーと、(f) 前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置に保持された状態で前記操作ペダルが踏込み操作される際には、そのポールを前記ラチェットと噛み合う噛合い方向へ付勢するが、踏込み位置においてその操作ペダルに対する踏力が解除され、前記ブレーキケーブルの張力に従ってその操作ペダルが前記原位置側へ戻ろうとする際に、そのラチェットと噛み合っているポールが他方の部材に対して前記第2位置へ相対移動させられるとともに前記レリーズレバーが姿勢変化させられることにより思案点を越え、そのポールに対する付勢方向が噛合い解除方向へ変化するターンオーバスプリングとを備え、(g) パーキングブレーキの作動および解除を単一の操作ペダルの踏込み操作で行う足踏み式パーキングブレーキ操作装置において、(h) 前記レリーズレバーは、前記ポールピンに回転可能に連結されているとともに、そのポールピンと平行な連結ピンを介して前記ポールに相対回転可能に連結されている一方、(i) 前記ポールピンと前記レリーズレバーとの間、前記連結ピンとそのレリーズレバーとの間、およびその連結ピンと前記ポールとの間の何れか1箇所は、第2長穴により相対移動可能とされ、前記踏込み位置においてそのポールが前記他方の部材に対して前記第1位置から前記第2位置へ相対移動させられる際に、その第2長穴の作用でそのレリーズレバーが第1回転位置から第2回転位置へ姿勢変化させられ、前記ターンオーバスプリングの付勢方向が反転させられることを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明の足踏み式パーキングブレーキ操作装置において、前記レリーズレバーは、前記連結ピンを介して前記ポールに相対回転可能且つ相対移動不能に連結されているとともに、前記第2長穴を介して前記ポールピンと係合させられていることを特徴とする。
【0010】
第3発明は、第1発明または第2発明の足踏み式パーキングブレーキ操作装置において、前記ターンオーバスプリングは、前記レリーズレバーと前記他方の部材との間に配設され、そのレリーズレバーが前記第1回転位置に保持された状態では、そのレリーズレバーおよび前記連結ピンを介して前記ポールを前記噛合い方向へ付勢するが、そのレリーズレバーが前記第2回転位置へ回転させられると、そのレリーズレバーおよびその連結ピンを介してそのポールを前記噛合い解除方向へ付勢する位置に掛け止められていることを特徴とする。
【0011】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの足踏み式パーキングブレーキ操作装置において、(a) 前記他方の部材は一対の側壁を備えていて、その側壁の内側に前記ポール、レリーズレバー、およびターンオーバスプリングが配設されている一方、(b) そのターンオーバスプリングは、両端および中間位置に掛止部を有するとともにその中間位置の掛止部の両側に一対のコイル部が設けられたダブルコイル型の捩りコイルスプリングで、両端の掛止部が前記一対の側壁に掛止されるとともに、中間位置の掛止部が前記レリーズレバーに掛止されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
このような足踏み式パーキングブレーキ操作装置においては、踏込み位置でポールが他方の部材に対して第1位置から第2位置へ相対移動させられると、連結ピンを介してそのポールに連結されているレリーズレバーは、第2長穴の作用で第1回転位置から第2回転位置へ姿勢変化させられ、ターンオーバスプリングによる付勢方向が反転してポールは噛合い解除方向へ付勢されるようになる。例えば第2発明では、レリーズレバーが連結ピンを介してポールに相対回転可能且つ相対移動不能に連結されているとともに、第2長穴を介してポールピンと係合させられているため、踏込み位置でポールが他方の部材に対して第1位置から第2位置へ相対移動させられると、連結ピンを介してポールと共に移動させられるレリーズレバーは、ポールピンと第2長穴との係合で連結ピンまわりに回転させられ、第1回転位置から第2回転位置へ姿勢変化させられる。したがって、次に操作ペダルが踏込み操作されてポールとラチェットとの噛合い力が低下すると、ポールとラチェットとの噛合いが解除され、操作ペダルの戻り回動が許容されてパーキングブレーキが解除可能となる。
【0013】
ここで、本発明ではレリーズレバーが連結ピンを介してポールに相対回転可能に連結され、第2長穴の作用で第1回転位置と第2回転位置との間で姿勢変化させられるようになっているため、レリーズレバーの姿勢を変化させるための係合部やストッパをポール等に別途設ける必要がなく、構造が簡単で安価に構成される。
【0014】
第3発明では、ターンオーバスプリングが、操作ペダルおよびブラケットの他方の部材とレリーズレバーとの間に配設されるため、ポールとレリーズレバーとの間に配設する場合に比較して組付作業が容易になるとともに、ターンオーバスプリングの挙動が安定して、こじり等による偏摩耗が抑制されるとともに作動が安定する。
【0015】
第4発明では、ターンオーバスプリングとしてダブルコイル型の捩りコイルスプリングが用いられ、両端の掛止部が他方の部材の一対の側壁に掛止されるとともに、中間位置の掛止部がレリーズレバーに掛止されるため、ターンオーバスプリングの姿勢や作動が一層安定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
前記ラチェットが設けられる一方の部材は例えばブラケットで、ポールやレリーズレバーは操作ペダルに設けられるが、ラチェットを操作ペダルに設けるとともに、ポールやレリーズレバーをブラケットに配設することも可能である。
【0017】
ポールピンは、例えば支持軸と平行に他方の部材に設けられるが、ラチェットに対してポールが噛み合うようになっておれば良く、ポールピンやポールの姿勢は適宜定められる。
【0018】
ポールに設けられる第1長穴は、踏込み位置で踏力が解除された場合に、所定寸法だけポールピンや他方の部材に対して相対移動できるようになっておれば良く、ラチェットとの噛合い姿勢において支持軸を中心とする周方向の成分を含んで設けられれば良いが、ラチェットとの噛合い姿勢が変化しないように支持軸を中心とする周方向へ設けることが望ましい。
【0019】
レリーズレバーを回転させて姿勢変化させる第2長穴は、例えば第2発明のようにレリーズレバーに設けられてポールピンと係合させられるが、その場合は、第1位置と第2位置との間のポールの移動に伴ってレリーズレバーが連結ピンまわりに大きく回転するように、前記第1長穴に対して所定角度で交差するように設けられる。
【0020】
上記第2長穴を連結ピン側に設けることも可能で、例えばレリーズレバーに第2長穴を設けて、ポールに一体的に立設された連結ピンと係合させたり、ポールに第2長穴を設けて、レリーズレバーに一体的に立設された連結ピンと係合させたりしても良い。この場合は、第2長穴と連結ピンとの係合で、レリーズレバーはポールピンまわりに回転させられ、第1回転位置と第2回転位置との間で姿勢変化させられる。
【0021】
ターンオーバスプリングとしては、第4発明のようにダブルコイル型の捩りコイルスプリングが好適に用いられるが、単一コイル型の捩りコイルスプリングを採用することもできるし、圧縮コイルスプリングや引張コイルスプリング、U字形状の板ばねなど、他の種々のスプリングを用いることもできる。
【0022】
また、第2回転位置に保持されているレリーズレバーは、操作ペダルが原位置へ戻された時に第1回転位置へ戻され、ポールを噛合い方向へ付勢するとともに第2位置から第1位置へ変位させる必要があり、例えば操作ペダルが原位置まで戻り回動させられる過程(特に、原位置付近)で、前記ターンオーバスプリングまたはレリーズレバーと係合させられてそのレリーズレバーを第1回転位置へ回転させることにより、該ターンオーバスプリングの付勢方向を噛合い方向へ戻す反転用係合部が一方の部材に設けられるが、運転者の手動操作や電動式の戻し装置などでレリーズレバーを第1回転位置へ戻すようにしても良い。
【0023】
第3発明では、ターンオーバスプリングが操作ペダルおよびブラケットの他方の部材とレリーズレバーとの間に配設されるが、第1発明、第2発明の実施に際してはレリーズレバーとポールとの間にターンオーバスプリングを配設することも可能で、その場合はレリーズレバーを第1回転位置、第2回転位置に位置決めするストッパを他方の部材との間に設ければ良い。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である足踏み式パーキングブレーキ操作装置10を示す図で、車載状態における車両側方から見た一部を切り欠いた側面図である。この足踏み式パーキングブレーキ操作装置10は、運転席前方において車体12に位置固定に配設されるプレート状のブラケット14に、支持軸16まわりの回動可能に取り付けられた操作ペダル18を備えている。操作ペダル18は、下端部にペダルパッド20が取り付けられたペダル本体22と、ブラケット14を挟んでペダル本体22と反対側に配設された補助プレート24とを備えており、それ等のペダル本体22および補助プレート24は、上記支持軸16の他、その支持軸16と平行なポールピン26、ケーブル連結ピン28により一体化され、支持軸16まわりに一体的に回動させられるようになっている。そして、図1に示す原位置から、ペダルパッド20が踏込み操作されて操作ペダル18が支持軸16の右まわりに回動させられると、ケーブル連結ピン28に連結されたブレーキケーブル30を引き締めて、図示しない車輪に配設されたパーキングブレーキを作動させる。補助プレート24は、ポールピン26付近まで達しているが、図1では内部を示すため途中で切り欠かれている。
【0025】
ブラケット14には、支持軸16を中心とする円弧状にラチェット32が設けられたラチェットプレート34が一体的に固設されている一方、前記ポールピン26にはポール36が回動可能に取り付けられ、噛合い歯38がラチェット32と噛み合わされることにより、操作ペダル18が原位置側へ戻り回動することを阻止するようになっている。ポール36は、図2の(a) に拡大して示すように第1長穴40を介してポールピン26に取り付けられており、図3の(a) 、(b) に示すラチェット32との噛合い姿勢において前記支持軸16を中心とする周方向へ所定寸法だけ相対移動可能とされており、図3(a) に示すように操作ペダル18に対して左まわり方向(原位置への戻り回動方向)の移動端に位置する第1位置と、図3(b) に示すように右まわり方向(踏込み方向)の移動端に位置する第2位置とへ相対移動させられる。すなわち、踏込み位置において操作ペダル18に対する踏力が解除され、ブレーキケーブル30の張力に従って操作ペダル18が原位置側へ戻ろうとする際に、ラチェット32と噛み合っている位置固定のポール36に対して操作ペダル18が第1長穴40の長さ寸法に対応する所定寸法だけ支持軸16の左まわりに回転させられるのであり、第1長穴40は、ポール36がラチェット32と噛み合っている噛合い姿勢において支持軸16を中心とする周方向へ長く設けられている。ラチェットプレート34が設けられたブラケット14は一方の部材に相当し、ポール36が配設された操作ペダル18は他方の部材に相当する。
【0026】
上記ポールピン26に対するポール36の相対移動により、ターンオーバ機構42によるポール36に対する付勢方向が、噛合い歯38がラチェット32と噛み合う噛合い方向から、その反対の噛合い解除方向へ切り換えられるようになっている。ターンオーバ機構42は、レリーズレバー44およびターンオーバスプリング46を備えて構成されており、レリーズレバー44は、ポールピン26と平行な連結ピン48を介してポール36に相対回転可能且つ相対移動不能に連結されているとともに、第2長穴50を介してポールピン26と係合させられている。そして、図3の(a) 、(b) に示すようにポール36が前記第1位置から前記第2位置へ操作ペダル18に対して相対移動させられると、連結ピン48を介してポール36と共にポールピン26に対して相対移動させられるレリーズレバー44は、第2長穴50とポールピン26との係合で第1回転位置から第2回転位置へ連結ピン48の右まわりに回転して姿勢変化させられる。すなわち、第2長穴50は、第1長穴40に対して交差するように設けられているのである。
【0027】
ターンオーバスプリング46は、図2(b) に示すように一対のコイル部52、54を有するダブルコイル型の捩りコイルスプリングで、それ等のコイル部52、54の外側に設けられた端部掛止部56、58はそれぞれ前記ペダル本体22、補助プレート24に掛け止められている一方、コイル部52、54の間に位置する中間掛止部60はレリーズレバー44に掛け止められており、それ等が互いに離間するように付勢している。ペダル本体22および補助プレート24は、他方の部材すなわち操作ペダル18の一対の側壁に相当する。
【0028】
上記ターンオーバスプリング46の掛止位置は、図2(a) や図3(a) に示すようにポール36が第1位置に保持され且つレリーズレバー44が第1回転位置に保持された状態では、レリーズレバー44をポールピン26の左まわりに付勢し、連結ピン48を介してポール36を噛合い方向へ付勢するが、図3(b) に示すようにポール36が第2位置へ相対移動させられるとともにレリーズレバー44が第2回転位置へ回転させられると、レリーズレバー44に掛止された中間掛止部60が思案点を越えて変位させられ、そのレリーズレバー44をポールピン26の右まわりに付勢するとともに、連結ピン48を介してポール36を噛合い解除方向へ付勢するように定められている。
【0029】
図2(a) に示すように操作ペダル18が原位置に保持された状態では、ポール36は噛合い方向へ付勢されているが、ラチェット32との噛合いが不能で、操作ペダル18に設けられた第1ストッパ62に当接させられることにより、そのポール36、更にはレリーズレバー44のポールピン26まわりの回転位置が規定され、図3(a) に示すように操作ペダル18が踏込み操作されてポール36がラチェット32と噛み合うようになると、その噛合いによってポールピン26まわりの回転位置が規定される。また、図3(c) に示すように踏込み位置においてポール36が噛合い解除方向へ付勢され、ラチェット32との噛合いが解除されると、ポール36は操作ペダル18に設けられた第2ストッパ64に当接させられ、そのポール36、更にはレリーズレバー44のポールピン26まわりの回転位置が規定される。このようにポール36が第2ストッパ64に当接した状態で操作ペダル18が原位置側へ戻り回動させられると、図3(d) に示すようにレリーズレバー44に設けられた係合突出部66がブラケット14側に位置固定に設けられた反転用係合板68と係合させられることにより、レリーズレバー44は強制的に連結ピン48の左まわりに回転させられ、第1回転位置へ戻されるとともに、そのレリーズレバー44の回転に伴ってポール36は第2位置から第1位置へ変位させられ、図2(a) に示す初期状態に戻される。操作ペダル18は、図1に示すようにブレーキケーブル30のケーブル張力やリターンスプリング70の作用で原位置まで戻り回動させられるとともに、原位置ストッパ72がブラケット14に当接させられることにより操作ペダル18の原位置が規定されるようになっている。
【0030】
このような足踏み式パーキングブレーキ操作装置10においては、図1および図2(a) に示すようにポール36やターンオーバ機構42が初期状態に保持された状態で操作ペダル18が踏込み操作されると、ブレーキケーブル30が引き締められてパーキングブレーキが作動させられる。この状態では、図3(a) に示すようにターンオーバスプリング46の付勢力に従ってポール36は白抜き矢印Aで示す噛合い方向へ付勢され、ラチェット32と噛み合わされており、その状態で操作ペダル18に対する踏力が解除されると、図3(b) に示すようにブレーキケーブル30の張力に従って操作ペダル18が第1長穴40によって定められる所定寸法だけ白抜き矢印Aで示す原位置側へ戻り回動させられ、ポール36がポールピン26に対して白抜き矢印Aと反対方向へ第1位置から第2位置へ相対移動させられるとともに、レリーズレバー44が白抜き矢印Bで示すように第1回転位置から第2回転位置へ回転させられ、これにより、ターンオーバスプリング46による付勢方向が反転し、ポール36は白抜き矢印Cで示す噛合い解除方向へ付勢される。しかしながら、この状態ではブレーキケーブル30の張力によってポール36とラチェット32との噛合い状態が維持され、パーキングブレーキの作動状態が維持される。
【0031】
上記パーキングブレーキの作動状態で操作ペダル18を更に踏込み操作すると、ケーブル張力に基づくポール36とラチェット32との噛合い力が低下し、図3(c) に示すようにポール36はターンオーバスプリング46の付勢力に従って白抜き矢印Aで示す噛合い解除方向へ回転させられ、ラチェット32との噛合いが解除される。これにより、操作ペダル18の戻り回動が許容され、踏込み操作の解除に伴って操作ペダル18はケーブル張力やリターンスプリング70の作用で原位置側へ戻り回動させられ、原位置の直前で図3(d) に示すようにレリーズレバー44が反転用係合板68と係合させられることにより、そのレリーズレバー44が白抜き矢印Aで示すように第2回転位置から第1回転位置へ戻されるとともに、ポール36が第2位置から第1位置へポールピン26に対して相対移動させられ、原位置では図2に示す初期状態に復帰させられる。
【0032】
ここで、本実施例ではレリーズレバー44が連結ピン48を介してポール36に相対回転可能且つ相対移動不能に連結されているとともに、第2長穴50を介してポールピン26と係合させられ、ポール36がポールピン26に対して相対移動させられるのに伴って、レリーズレバー44は第2長穴50とポールピン26との係合により第1回転位置と第2回転位置との間で姿勢変化させられ、ターンオーバ機構42の付勢方向が反転させられるようになっているため、レリーズレバー44の姿勢を変化させるための係合部やストッパをポール36や操作ペダル18に別途設ける必要がなく、構造が簡単で安価に構成される。
【0033】
また、ターンオーバスプリング46は、他方の部材である操作ペダル18とレリーズレバー44との間に配設されるため、何れも可動部材であるポール36とレリーズレバー44との間に配設する場合に比較して組付作業が容易になるとともに、ターンオーバスプリング46の挙動が安定して、こじり等による偏摩耗が抑制されるとともに作動が安定する。特に、本実施例ではターンオーバスプリング46としてダブルコイル型の捩りコイルスプリングが用いられ、両端の端部掛止部56、58がペダル本体22および補助プレート24に掛止されるとともに、中間掛止部60がレリーズレバー44に掛止されているため、ターンオーバスプリング46の姿勢や作動が一層安定する。
【0034】
なお、上記実施例ではレリーズレバー44とポールピン26との連結部分に第2長穴50が設けられていたが、図4のターンオーバ機構80のように、レリーズレバー44をポールピン26に相対回転可能且つ相対移動不能に連結するとともに、ポール36に位置固定に配設された連結ピン48に対して第2長穴82を介してレリーズレバー44を相対移動可能に係合させ、図4の(a) →(b) に示すようにポール36が前記第1位置から前記第2位置へ操作ペダル18すなわちポールピン26に対して相対移動させられることにより、ポールピン26に相対移動不能に連結されているレリーズレバー44が連結ピン48と第2長穴82との係合で第1回転位置から第2回転位置へポールピン26の右まわりに回転して姿勢変化させられるようにしても良い。
【0035】
また、図5のターンオーバ機構90のように、レリーズレバー44をポールピン26に相対回転可能且つ相対移動不能に連結するとともに、レリーズレバー44に位置固定に配設された連結ピン48に対して第2長穴92を介してポール36を相対移動可能に係合させ、図5の(a) →(b) に示すようにポール36が前記第1位置から前記第2位置へ操作ペダル18すなわちポールピン26に対して相対移動させられることにより、ポールピン26に相対移動不能に連結されているレリーズレバー44が連結ピン48と第2長穴92との係合で第1回転位置から第2回転位置へポールピン26の右まわりに回転して姿勢変化させられるようにすることもできる。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である足踏み式パーキングブレーキ操作装置の一部を切り欠いた側面図である。
【図2】図1の実施例の要部を示す図で、(a) はポール付近の拡大図、(b) はターンオーバスプリングの掛止状態を示す断面図である。
【図3】図1の足踏み式パーキングブレーキ操作装置のターンオーバ作動を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施例を説明する図で、図3の(a) 、(b) に対応する図である。
【図5】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3の(a) 、(b) に対応する図である。
【符号の説明】
10:足踏み式パーキングブレーキ操作装置 14:ブラケット(一方の部材) 16:支持軸 18:操作ペダル(他方の部材) 22:ペダル本体(側壁) 24:補助プレート(側壁) 26:ポールピン 32:ラチェット 36:ポール 40:第1長穴 44:レリーズレバー 46:ターンオーバスプリング 48:連結ピン 50、82、92:第2長穴

Claims (4)

  1. 車体に固設されるブラケットと、
    該ブラケットに支持軸まわりの回動可能に配設され、原位置から踏込み操作されることによりブレーキケーブルを引き締めてパーキングブレーキを作動させる操作ペダルと、
    該操作ペダルおよび前記ブラケットの一方の部材に、前記支持軸を中心とする円弧状に設けられたラチェットと、
    前記操作ペダルおよび前記ブラケットの他方の部材に設けられたポールピンに、第1長穴を介して回転可能に配設され、前記ラチェットと噛み合わされることにより該操作ペダルが原位置側へ戻り回動することを阻止するとともに、該ラチェットとの噛合い姿勢において前記第1長穴により前記支持軸を中心とする周方向へ所定寸法だけ離間した第1位置と第2位置との間を該他方の部材に対して相対移動可能とされたポールと、
    前記踏込み位置において前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置から前記第2位置へ相対移動させられる際に、該相対移動に伴って機械的に姿勢変化させられるレリーズレバーと、
    前記ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置に保持された状態で前記操作ペダルが踏込み操作される際には、該ポールを前記ラチェットと噛み合う噛合い方向へ付勢するが、踏込み位置において該操作ペダルに対する踏力が解除され、前記ブレーキケーブルの張力に従って該操作ペダルが前記原位置側へ戻ろうとする際に、該ラチェットと噛み合っている該ポールが該他方の部材に対して前記第2位置へ相対移動させられるとともに前記レリーズレバーが姿勢変化させられることにより思案点を越え、該ポールに対する付勢方向が噛合い解除方向へ変化するターンオーバスプリングと
    を備え、パーキングブレーキの作動および解除を単一の操作ペダルの踏込み操作で行う足踏み式パーキングブレーキ操作装置において、
    前記レリーズレバーは、前記ポールピンに回転可能に連結されているとともに、該ポールピンと平行な連結ピンを介して前記ポールに相対回転可能に連結されている一方、
    前記ポールピンと前記レリーズレバーとの間、前記連結ピンと該レリーズレバーとの間、および該連結ピンと前記ポールとの間の何れか1箇所は、第2長穴により相対移動可能とされ、前記踏込み位置において該ポールが前記他方の部材に対して前記第1位置から前記第2位置へ相対移動させられる際に、該第2長穴の作用で該レリーズレバーが第1回転位置から第2回転位置へ姿勢変化させられ、前記ターンオーバスプリングの付勢方向が反転させられる
    ことを特徴とする足踏み式パーキングブレーキ操作装置。
  2. 前記レリーズレバーは、前記連結ピンを介して前記ポールに相対回転可能且つ相対移動不能に連結されているとともに、前記第2長穴を介して前記ポールピンと係合させられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の足踏み式パーキングブレーキ操作装置。
  3. 前記ターンオーバスプリングは、前記レリーズレバーと前記他方の部材との間に配設され、該レリーズレバーが前記第1回転位置に保持された状態では、該レリーズレバーおよび前記連結ピンを介して前記ポールを前記噛合い方向へ付勢するが、該レリーズレバーが前記第2回転位置へ回転させられると、該レリーズレバーおよび該連結ピンを介して該ポールを前記噛合い解除方向へ付勢する位置に掛け止められている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の足踏み式パーキングブレーキ操作装置。
  4. 前記他方の部材は一対の側壁を備えていて、該側壁の内側に前記ポール、レリーズレバー、およびターンオーバスプリングが配設されている一方、
    該ターンオーバスプリングは、両端および中間位置に掛止部を有するとともに該中間位置の掛止部の両側に一対のコイル部が設けられたダブルコイル型の捩りコイルスプリングで、両端の掛止部が前記一対の側壁に掛止されるとともに、中間位置の掛止部が前記レリーズレバーに掛止されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の足踏み式パーキングブレーキ操作装置。
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RU2479452C2 (ru) * 2007-10-30 2013-04-20 КАТЕРПИЛЛАР Инк. (корпорация штата Делавэр) Педальный механизм для рабочего тормоза и способ его сборки

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