JP2020117232A - チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 - Google Patents

チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 Download PDF

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淑江 勝又
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Abstract

【課題】接合部において、十分な接合強度をもつことが可能な、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供する。【解決手段】チューブ容器10は、積層体シート55の対向する端部同士を重ね合わせて、互いに接合した接合部52を有する胴部チューブ50と、胴部チューブ50の一端51に接合された頭部部材40と、を備えている。接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが溶融して、基材層58の第1端面58aを覆うとともに、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着し、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが溶融して、基材層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着している。【選択図】図5

Description

本発明は、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器として、ラミネートチューブ容器が知られている。一般に、ラミネートチューブ容器は、胴部チューブ(ラミネートチューブ)と、口部を含む頭部部材とから構成されている。ラミネートチューブ容器の製造工程は、ラミネート層からなる胴部チューブを製筒する工程と、胴部チューブに対して頭部部材の成形を行う工程とから成り立っている。
このうち、ラミネート層からなる胴部チューブを製筒する工程においては、積層材を丸めて、該積層材の両端部の最外層である樹脂層(シーラント層)面と最内層である樹脂層(シーラント層)面とを重ね合わせ、重ね合わされた部分を溶着して溶着部(接合部)を形成して胴部チューブを製造している(例えば、特許文献1)。
特開2000−281094号公報
しかしながら、従来のチューブ容器では、接合部において、シーラント層同士の接合不良が発生する場合がある。この場合、接合部において、接合された積層材同士が剥がれてしまうといった問題がある。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、接合部において、十分な接合強度をもつことが可能な、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供することを目的とする。
一実施の形態によるチューブ容器は、外側から第1シーラント層と、基材層と、第2シーラント層とを含む積層体シートの対向する端部同士を重ね合わせて、互いに接合した接合部を有する胴部チューブと、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、前記接合部において、外側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層が溶融して、外側に位置する前記積層体シートの前記基材層の第1端面を覆うとともに、内側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層に接着し、内側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層が溶融して、内側に位置する前記積層体シートの前記基材層の第2端面を覆うとともに、外側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層に接着している。
一実施の形態によるチューブ容器において、前記内側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層は、前記基材層の前記第2端面よりも、前記基材層の前記第1端面から前記第2端面へ向かう方向へ溶融しており、前記外側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層は、前記基材層の前記第1端面よりも、前記基材層の前記第2端面から前記第1端面へ向かう方向へ溶融していても良い。
一実施の形態によるチューブ容器において、前記第1シーラント層の厚みは、前記第2シーラント層の厚みよりも薄くても良い。
一実施の形態によるチューブ容器において、前記積層体シートの厚みは、330μm以上350μm以下であっても良い。
一実施の形態によるチューブ容器において、前記基材層は、ポリエチレンテレフタレートを含んでいても良い。
一実施の形態によるキャップ付きチューブ容器は、本開示によるチューブ容器と、前記頭部部材に取り付けられるキャップと、を備える。
本発明によれば、チューブ容器の接合部において、十分な接着強度をもつことができる。
図1は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す側面図であって、キャップが閉鎖状態にあるときの図である。 図2は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す側面図であって、キャップが解放状態にあるときの図である。 図3は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す部分垂直断面図である。 図4Aは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの積層体シートの層構成の一例を示す断面図である。 図4Bは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの積層体シートの層構成の他の例を示す断面図である。 図5は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの接合部を示す水平断面図(図1のV-V線断面図)である。 図6(a)−(e)は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す概略図。 図7(a)−(b)は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す概略図。 図8は、実施例において、接合不良が生じた接合部の一例を示す水平断面図である。 図9は、実施例において、接合不良が生じた接合部の他の例を示す水平断面図である。 図10は、実施例において、接合不良が生じた接合部の更に他の例を示す水平断面図である。
以下、本発明によるキャップ付きチューブ容器の一実施の形態について、図1乃至図7を用いて説明する。図1乃至図7は、本発明の一実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す図である。なお、図1乃至図7において、内容物を充填した後の底部シールがなされていない空の状態のキャップ付きチューブ容器10Aを示している。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器10Aは、チューブ容器10と、チューブ容器10に取り付けられたキャップ20とを備えている。
このうち、チューブ容器10は、ラミネート成形チューブである胴部チューブ50と、胴部チューブ50の一端51に接合された肩部12とを有する頭部部材40とを備えている。
ここでは、まず、チューブ容器10の頭部部材40について説明する。
図3に示すように、頭部部材40は、口部11と、口部11下方に設けられた肩部12とを有している。
このうち口部11は、キャップ20の後述する内筒部28が螺着されるねじ部14を有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
また、肩部12は、口部11側から胴部チューブ50側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。この肩部12は、水平断面が円形状の形状をもっている。
このような頭部部材40は、後述するように、例えば圧縮成形法により成形される。また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。
次に、チューブ容器10の胴部チューブ50について説明する。図1乃至図3に示す胴部チューブ50は、全体として略円筒形状を有している。この胴部チューブ50は、ラミネート成形された積層体シート55(図4Aおよび図4B参照)から構成されており、この積層体シート55を円筒状に丸め、対向する端部同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたものである。このため、胴部チューブ50は、その長手方向に沿って積層体シート55同士を互いに接合した接合部52(図1、図2および図5参照)を有している。この胴部チューブ50の厚みT1(図4A参照)は、例えば330μm以上350μm以下であることが好ましい。胴部チューブ50の厚みT1が330μm以上であることにより、胴部チューブ50において、所定の強度を保つことができる。これにより、チューブ容器10を倒立させて置いた際に、胴部チューブ50の自立性および保形性を保つことができる。また、胴部チューブ50の厚みT1が350μm以下であることにより、胴部チューブ50の製造コストを低減することができるとともに、後述するように、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際の成形性を確保することができる。
次に、積層体シート55の層構成について説明する。図4Aおよび図4Bは、胴部チューブ50を構成する積層体シート55の層構成の一例を示している。
図4Aに示すように、積層体シート55は、外側から内側に向かって順に配置された、第1シーラント層56と、第1接着層57aと、基材層58と、第2接着層57bと、第2シーラント層59とを有している。この場合、例えば基材層58の内側に、裏面印刷によって印刷層が設けられていても良い。
また、図4Bに示すように、基材層58が、第1基材層581と、第2基材層582とを有し、第1基材層581と第2基材層582との間に、第3接着層57cが設けられていても良い。また、この場合、例えば第2基材層582の内側にバリア層60が設けられていている。
以下、積層体シート55の各層について説明する。
第1シーラント層
第1シーラント層56は、積層体シート55同士を接着させるための層であり、第1シーラント層56を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料であれば良い。第1シーラント層56には例えばポリオレフィンのフィルムを用いることができる。より具体的には、第1シーラント層56としては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール等その他の樹脂の1種ないしそれ以上からなるフィルムを使用することができる。
本実施の形態において、上記のヒートシール性フィルムとしては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いてフィルムないしシートを成形することができる。
なお、上述した第1シーラント層56の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤等を任意に添加したものを使用しても良い。
また、本実施の形態において、第1シーラント層56の厚みT2は、第2シーラント層59の厚みT3よりも薄くなっている。これにより、内側に位置する積層体シート55b(図5参照)の第2シーラント層59aが溶融した場合に、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58b、および第1シーラント層56bのうち、基材層58の第2端面58bよりも第2方向D2(図5参照)へ溶融した第1シーラント層56bを確実に覆うことができる。これにより、内側に位置する積層体シート55bと、外側に位置する積層体シート55aとの間の接合強度を高めることができる。また、後述する内側シール部材82a(図6(a)参照)からの熱を、内側に位置する積層体シート55b(図5参照)の第1シーラント層56bおよび第2シーラント層59bに対して効果的に伝達させることができる。また、後述する外側シール部材82b(図6(a)参照)からの熱を、外側に位置する積層体シート55a(図5参照)の第1シーラント層56aおよび第2シーラント層59aに対して効果的に伝達させることができる。これにより、伝達された熱を、各層間に効率良く伝達させることができ、接合部52において、積層体シート55同士の接合性が低下する不具合を抑制することができる。さらに、第1シーラント層56の厚みT2の厚みを厚くしすぎないことで、基材層58の内側に裏面印刷によって印刷層を設けた際に、印刷層の視認性が低下する不具合を抑制することができる。このため、胴部チューブ50の意匠性が低下することを抑制することができる。
基材層
基材層58は、例えば、第1シーラント層56や第2シーラント層59を支持するとともに積層体シート55全体の強度を高めるための層である。基材層58を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルムないしシート、その他を使用することができる。一例として、基材層58は、ポリエチレンテレフタレートを含んでいても良い。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、押し出し低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのフィルムを用いることができる。
また、上述した樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。中でも、本実施の形態において、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが、印刷適正の面で優れるので好ましい。
なお、本実施の形態において、基材層58の厚みは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
第2シーラント層
第2シーラント層59は、積層体シート55同士を接着させるための層であり、第2シーラント層59を構成する材料としては、例えば上述した第1シーラント層56と同様の材料を用いることができる。
本実施の形態において、第2シーラント層59の厚みT3を厚くすることで、接合部52において、内側に位置する積層体シート55b(図5参照)の第2シーラント層59bの溶融量を大きくすることができる。これにより、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bのうち、溶融することにより、外側に位置する積層体シート55a(図5参照)の第2シーラント層59aに接着する第2シーラント層59bの量を大きくすることができる。このため、接合部52において、積層体シート55同士の接合性が低下する不具合を抑制することができる。また、第2シーラント層59の厚みT3を厚くしないことで、積層体シート55同士をヒートシールにより接合する際に、後述する内側シール部材82a(図6(a)参照)からの熱を、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bの厚み方向全体に対して効果的に伝達することができるとともに、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに対しても当該熱を伝達することができる。とりわけ、積層体シート55同士をヒートシールにより接合する際に、使用するヒートシール装置80(図6(a)参照)において、内側シール部材82aへ電力を供給する際に後述する電源81の出力に制約がある場合であっても、内側シール部材82aからの熱を、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bおよび第1シーラント層56bに対して効果的に伝達することができる。これにより、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bおよび第2シーラント層59bを確実に溶融させることができる。このため、接合部52において、積層体シート55同士の接合性が低下する不具合を抑制することができる。
接着層
第1接着層57a、第2接着層57bおよび第3接着層57cといった接着層は、第1シーラント層56、基材層58、第2シーラント層59などを接着するための層である。この接着層は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択することができる。
例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
接着層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、接着層の厚さは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第1シーラント層56、基材層58、第2シーラント層59などを積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
バリア層
バリア層は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。バリア層としては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、あるいは、内容物に対する保香性等を有する材料を使用することができる。具体的には、バリア層としては、例えば、アルミニウム箔、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、またはこれらの合金等あるいは、アルミニウム等の蒸着薄膜を有する樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。バリア層としてアルミニウム箔を使用する場合、バリア層の厚みは、5μm以上20μm以下程度とすることができる。
また、バリア層としてアルミニウム等の蒸着薄膜を有する樹脂のフィルムないしシートを使用する場合、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVapor Deposition法、PVD法)等を利用して、樹脂のフィルムの上に、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜を形成した樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
バリア層として、アルミニウムの蒸着薄膜を有する樹脂のフィルム等を使用する場合、バリア層の厚みは、通常、50Å以上3000Å以下程度であることが好ましく、特に、100Å以上2000Å以下程度であることが好ましい。また、上記のアルミニウムの蒸着薄膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他を使用することができる。上記の樹脂のフィルムの表面は、予め、蒸着膜の密着性を高めるために、例えば、蒸着プライマー等をコーティングすることができ、その他、所要の前処理を任意に施すことは可能である。
印刷層
また、上述したように基材層58上に、絵柄等の印刷が施された印刷層が形成されていても良い。印刷層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。印刷方法は、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式であってもよい。
また、積層体シート55には、必要に応じて中間層が設けられていても良い。中間層は、積層体シート55の厚さを調整するために設けられる。中間層にはオレフィン樹脂を用いることができる。より具体的には、中間層としては、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレンフィルムが用いられることが好ましい。これらのポリエチレンフィルムは透明であっても良く、例えば乳白ポリエチレンフィルムのように着色されていても良い。中間層として、乳白ポリエチレンフィルムが用いられることで積層体シート55の光沢性を際立たせることができる。中間層の厚さは例えば50μm以上200μmであることが好ましい。
また、本実施の形態によるチューブ容器10の頭部部材40と、胴部チューブ50との接合は、後述するように、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、チューブ容器10の頭部部材40と、胴部チューブ50との接合は、射出成形法により行われても良い。
ところで、図5に示すように、本実施の形態においては、接合部52において、胴部チューブ50の径方向の外側(以下、単に外側という)に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが溶融して、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆うとともに、胴部チューブ50の径方向の内側(以下、単に内側という)に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着している。これにより、外側に位置する積層体シート55aと、内側に位置する積層体シート55bとの間の接合強度を高めることができる。このため、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。なお、図5において、図面を明瞭にするために、第1接着層57aおよび第2接着層57bの図示を省略している。
この場合、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aのうち、基材層58の第1端面58aよりも第1方向(基材層58の第2端面58bから第1端面58aへ向かう方向)D1へ溶融した第1シーラント層56aの第1方向D1に沿った長さL1は、例えば0.40mm以上0.80mm以下程度とすることができる。
また、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが溶融して、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着している。これにより、内側に位置する積層体シート55bと、外側に位置する積層体シート55aとの間の接合強度を高めることができる。このため、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。
この場合、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bのうち、基材層58の第2端面58bよりも第2方向(基材層58の第1端面58aから第2端面58bへ向かう方向)D2へ溶融した第2シーラント層59bの第2方向D2に沿った長さL2は、例えば0.40mm以上0.80mm以下程度とすることができる。
また、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bは、基材層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融している。これにより、内側に位置する積層体シート55bと、外側に位置する積層体シート55aとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第1シーラント層56bが基材層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融することにより、内側に位置する積層体シート55bの厚みを、第2方向D2へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、内側に位置する積層体シート55bの端縁55cに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。この結果、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
この場合、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bのうち、基材層58の第2端面58bよりも第2方向D2へ溶融した第1シーラント層56bの第2方向D2に沿った長さL3は、例えば0.10mm以上0.50mm以下程度とすることができる。
また、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aは、基材層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融している。これにより、外側に位置する積層体シート55aと、内側に位置する積層体シート55bとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第2シーラント層59aが基材層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融することにより、外側に位置する積層体シート55aの厚みを、第1方向D1へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、外側に位置する積層体シート55aの端縁55dに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。この結果、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
この場合、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aのうち、基材層58の第1端面58aよりも第1方向D1へ溶融した第2シーラント層59aの第1方向D1に沿った長さL4は、例えば0.10mm以上0.50mm以下程度とすることができる。
また、上述した接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの基材層58と、内側に位置する積層体シート55bの基材層58とが重なり合う領域の第2方向D2に沿った長さL5は、例えば1.0mm以上1.5mm以下程度とすることができる。
なお、図5において、積層体シート55a、55bは、平坦状に示されているが、実際には円弧状に丸められている。このため、上述した長さL1乃至L5は、胴部チューブ50の周方向に沿った長さをいう。
次に、キャップ20について説明する。
図1乃至図3に示すように、キャップ20は、ヘッド21と、ヘッド21に連結されたカバー22とを有している。ヘッド21とカバー22とは、中央にヒンジ25が設けられた一対の連結体23を介して互いに連結されている。これにより、カバー22は、ヘッド21に対して、連結体23のヒンジ25を軸として自由に回動可能であり、ヘッド21の上面を覆う蓋としての機能を果たす。なお、ヘッド21、カバー22および一対の連結体23は、後述するように射出樹脂により一体形成されている。
ヘッド21は、チューブ容器10に取り付けられる内筒部28と、内筒部28の径方向外側に位置する外筒部27と、内筒部28および外筒部27の上方に設けられ、注出口26が形成された上板29とを有している。このうち、図3に示すように、内筒部28は、頭部部材40の口部11に取り付けられている。これら上板29、外筒部27および内筒部28は、射出樹脂により一体形成されている。上板29は、平板状であり、平面視略円形状を有している。また、上板29の略中央部には下方に突出した環状アンダーカット29aが設けられ、頭部部材40の口部11との嵌合をより完全なものとしている。また、注出口26は、注出時の使い勝手を良くし、カバー22の栓部34(後述)との嵌合を容易にするために、連結体23から離れるよう偏心して設けられている。なお、注出口26は、上板29の略中心部に設けられても良い。
カバー22は、平らな蓋板32と、蓋板32の周辺を取り囲むように形成された略円筒状の側壁33とを有している。図3に示すように、蓋板32には下方に突出した環状アンダーカット35が設けられ、注出口26の内壁の嵌合部36との嵌合をより完全なものとしている。カバー22の側壁33の端部内側で回転半径の最も大きな部分には突起37が形成されている。この突起37が、ヘッド21の上板29の上面に形成された凹陥部38に嵌合することにより、カバー22は上板29上に確実に係止される。また、蓋板32のヒンジ25を回転軸とする回転半径の最も大きな部分にカバー22を開き易くする突出片39が設けられている。
図1乃至図3に示すように、カバー22の表面(閉鎖された蓋板32の表面)は平らに成形されているので、チューブ容器10に内容物を充填することにより作製された商品は、倒立性(頭部を下にした時の自立性)を有し、店頭における展示陳列時および使用場所での不使用時には、倒立させて置くことができる。さらに蓋板32の中央部を僅かに凹面化させることで、自立を安定化することもできる。また、カバー22の指先での開放操作のため、カバー22に突出片39を設け、さらにキャップ20の閉鎖時における突出片39の下部にあたる外筒部27の一部を、他の部分より内側に削った窪み部31を形成し、指が突出片39に掛かり易くしている。
次に、図6(a)−(e)および図7(a)−(b)を参照して、圧縮成形法を用いて上述したチューブ容器10を製造する方法について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ヒートシール装置80を準備する。図6(a)に示すように、ヒートシール装置80は、電源81と、電源81に接続されたシール部材82とを備えている。このうち、シール部材82は、円筒形状の内側シール部材82aと、内側シール部材82aとともに接合対象物(積層体シート55)を挟み込む外側シール部材82bとを有している。このようなヒートシール装置80において、電源81の出力を調整することにより、接合対象物が所望の接合状態を得ることができるようになっている。なお、内側シール部材82aおよび外側シール部材82bには、電源81から、それぞれ独立して電力が供給されるようになっている。また、この場合、内側シール部材82aに対して電力を供給する際の電源81の出力と、外側シール部材82bに対して電力を供給する際の電源81の出力とは、それぞれ独立して調整することができるように構成されている。
また、図6(b)に示すように、積層体シート55を準備する。この場合、第1シーラント層56、第1接着層57a、基材層58、第2接着層57b、第2シーラント層59を互いに積層したシート材料を作製し、このシート材料を適宜所定の大きさにカットすることにより、積層体シート55を得る。
次に、積層体シート55を丸め、対向する端部同士を例えばヒートシールにより接合することにより円筒状に製筒し、胴部チューブ50を作製する。この際、まず、図6(c)に示すように、円筒形状の内側シール部材82aの外面上に積層体シート55を巻き付けて、積層体シート55の対向する端部同士を重ね合わせる。
次に、図6(d)に示すように、積層体シート55の対向する端部同士が重ね合わされた部分に外側シール部材82bを押し当てて、内側シール部材82aと外側シール部材82bとによって、積層体シート55の対向する端部同士が重ね合わされた部分を挟み込む。
次いで、図6(e)に示すように、積層体シート55の対向する端部同士が重ね合わされた部分をヒートシールにより接合する。この際、電源81から内側シール部材82aおよび外側シール部材82bに対して電力が供給され、内側シール部材82aおよび外側シール部材82bが熱を発生させる。そして、当該熱が積層体シート55に伝達され、積層体シート55の端部同士が接合されて接合部52が形成される。このようにして、胴部チューブ50が作製される。
この際、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが溶融して、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆うとともに、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着する(図5参照)。また、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが溶融して、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着する(図5参照)。
また、この際、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bが、基材層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融し、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aが、基材層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融する(図5参照)。
次いで、図7(a)に示すように、この円筒状の積層体シート55(胴部チューブ50)をマンドレル72に巻き付け、マンドレル72の一端に、頭部部材40の圧縮成形用の金型71を装着する。すなわち、予め筒状に成形された積層体シート55(胴部チューブ50)を、先端部が頭部部材40を圧縮成形するためのコアとなっているマンドレル72に差し込んだ状態で、頭部部材40を成形する金型71のキャビティ内に所定の位置まで進入させる。
続いて、金型71内に、図示しない樹脂供給装置から溶融した樹脂を供給することにより、頭部部材40を圧縮成形する。この場合、金型71内に胴部チューブ50の一端51を挿入することによって、頭部部材40が成形されると同時に、頭部部材40に胴部チューブ50が一体的に融着される。その後、金型71およびマンドレル72から一体化された頭部部材40および胴部チューブ50を取り出すことにより、チューブ容器10が得られる(図7(b)参照)。
また、キャップ付きチューブ容器10Aを製造する際には、チューブ容器10を作製することと並行して、キャップ20を準備する。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりキャップ20を作製する。そして、キャップ20をチューブ容器10の頭部部材40の口部に螺着させることにより、図1に示すキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
その後、キャップ付きチューブ容器10Aの胴部チューブ50内に底部側から内容物を充填し、胴部チューブ50の底部をシールすることにより、商品としての内容物入りキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
このように本実施の形態によれば、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが溶融して、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆うとともに、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着している。これにより、外側に位置する積層体シート55aと、内側に位置する積層体シート55bとの間の接合強度を高めることができる。このため、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。
また、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが溶融して、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着している。これにより、内側に位置する積層体シート55bと、外側に位置する積層体シート55aとの間の接合強度を高めることができる。このため、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bが、基材層58の第2端面58bよりも、第2方向(基材層58の第1端面58aから第2端面58bへ向かう方向)D2へ溶融している。これにより、内側に位置する積層体シート55bと、外側に位置する積層体シート55aとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第1シーラント層56bが基材層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融することにより、内側に位置する積層体シート55bの厚みを、第2方向D2へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、内側に位置する積層体シート55bの端縁55cに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。この結果、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
また、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aが、基材層58の第1端面58aよりも、第1方向(基材層58の第2端面58bから第1端面58aへ向かう方向)D1へ溶融している。これにより、外側に位置する積層体シート55aと、内側に位置する積層体シート55bとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第2シーラント層59aが基材層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融することにより、外側に位置する積層体シート55aの厚みを、第1方向D1へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、外側に位置する積層体シート55aの端縁55dに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。このため、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示すチューブ容器10(実施例1)を作製した。この場合、まず、図4Bに示す、厚さ340μmの積層体シート55を作製した。この際、第1シーラント層56の厚みT2は130μmとし、第1基材層581および第2基材層582の厚みはそれぞれ12μmとし、第2シーラント層59の厚みT3は、180μmとした。この積層体シート55の層構成は、以下の通りである。
(外側)ポリエチレンフィルム/DL/ポリエチレンテレフタレート/DL/ポリエチレンテレフタレート/蒸着膜/DL/ポリエチレンフィルム(内側)
上記において、「DL」は、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネート、乾燥後質量3.5g/m)を用いたドライラミネート法による接着層を意味している。
次に、この積層体シート55を円筒形に製筒して胴部チューブ50を作製した。この際、内側シール部材82aと外側シール部材82bとによって、積層体シート55をヒートシールにより接合した。この場合、内側シール部材82aに対して電力を供給する際の電源81の出力を200W、250W、280Wおよび300Wとするとともに、外側シール部材82bに対して電力を供給する際の電源81の出力を300W、350W、380W、400Wおよび460Wとし、それぞれの出力ごとに胴部チューブ50を10個ずつ作製した。
その後、この胴部チューブ50をマンドレル72に巻き付け、胴部チューブ50に対して頭部部材40を圧縮成形法により一体成形することにより、チューブ容器10(実施例1)を得た。頭部部材40の材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。
このようにして、チューブ容器10を作製した。
(実施例2)
第1シーラント層56の厚みT2が100μmであったこと、第2シーラント層59の厚みT3が、210μmであったこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器を作製した。
次に、これらチューブ容器10(実施例1および実施例2)の接合部52を長手方向に沿って折り畳み、接合部52において、積層体シート55同士が剥がれているか否かについて確認した。また、接合部52を切断して、接合部52の水平断面形状を観察し、外観評価を行った。この結果を表1および表2に示す。
なお、上記表1および表2において、評価の「×」は、接合部52において、積層体シート55同士が剥がれていたことを意味している。例えば、「外側」の欄に付された「×」は、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれていたことを意味しており、「内側」の欄に付された「×」は、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれていたことを意味している。また、評価の「○」は、接合部52において、積層体シート55同士が剥がれていなかったことを意味している。
この結果、実施例1によるチューブ容器10においては、実施例2によるチューブ容器10と比べて、積層体シート55同士の剥がれを抑制することができた。すなわち、実施例1のように、チューブ容器10において第1シーラント層56の厚みを130μm以上としたことにより、実施例2のように第1シーラント層56の厚みが130μm未満であるチューブ容器10に比べて、様々な製造条件において、外側に位置する積層体シート55aが、内側に位置する積層体シート55bから剥がれることを抑制することができた。これは、第1シーラント層56の厚みT2を130μm以上としたことにより、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着する第1シーラント層56aの量が大きくなり、接合部52において、積層体シート55同士の接合強度が向上したものと考えられる。
また、実施例1のように、チューブ容器10において第2シーラント層59の厚みを180μm以下としたことにより、実施例2のように第2シーラント層59の厚みが180μmよりも厚いチューブ容器10に比べて、様々な製造条件において、内側に位置する積層体シート55bが、外側に位置する積層体シート55aから剥がれることを抑制することができた。これは、第2シーラント層59の厚みT3を180μm以下としたことにより、積層体シート55同士を接合する際に、内側シール部材82aからの熱を、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bおよび第1シーラント層56bに対して効果的に伝達することができたためと考えられる。そして、当該熱により、第1シーラント層56bおよび第2シーラント層59bが溶融し、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着することにより、接合部52において、積層体シート55同士の接合強度が向上したものと考えられる。
このように、実施例1によるチューブ容器10においては、様々な製造条件において、積層体シート55同士の接合強度を高めることができることがわかった。このため、季節や室温により製造条件の見直しを行うことなく、接合部52において、十分な接合強度をもつチューブ容器10を製造することができる。
また、接合部52の水平断面形状を観察し、外観評価を行ったところ、上記表1および表2において、「外側」の欄に「×」が付され、「内側」の欄に「○」が付されたチューブ容器10では、図8に示すように、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆っていなく、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着もしていなかった。また、上記表1および表2において、「内側」の欄に「×」が付され、「外側」の欄に「○」が付されたチューブ容器10では、図9に示すように、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆っていなく、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着もしていなかった。さらに、上記表1および表2において、「外側」および「内側」の欄に「×」が付されたチューブ容器10では、図10に示すように、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆っていなく、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着もしていなかった。また、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆っていなく、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着もしていなかった。このため、これらのチューブ容器においては、積層体シート55同士の接合強度が不十分であり、積層体シート55同士が剥がれたものと考えられる。また、これらの場合、接合部52を長手方向に沿って折り畳んだ際に、図8に示す積層体シート55aの端縁55d、図9に示す積層体シート55bの端縁55c、並びに図10に示す積層体シート55bの端縁55cおよび外側に位置する積層体シート55aの端縁55dに、局所的に大きな力が作用し、積層体シート55同士が剥がされるきっかけとなる部分が形成されたものと考えられる。そして、当該きっかけとなる部分から、積層体シート55同士が剥がれたものと考えられる。
一方、上記表1および表2において、「外側」および「内側」の欄に「○」が付されたチューブ容器10では、図5に示すように、接合部52において、外側に位置する積層体シート55aの第1シーラント層56aが溶融して、外側に位置する積層体シート55aの基材層58の第1端面58aを覆うとともに、内側に位置する積層体シート55bの第1シーラント層56bに接着していた。また、接合部52において、内側に位置する積層体シート55bの第2シーラント層59bが溶融して、内側に位置する積層体シート55bの基材層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体シート55aの第2シーラント層59aに接着していた。これにより、積層体シート55同士の接合強度が高められ、積層体シート55同士の剥がれが抑制されたものと考えられる。このように、本実施の形態によれば、積層体シート55同士の接合強度を高めることができ、積層体シート55同士の剥がれを抑制することができた。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 チューブ容器
10A キャップ付きチューブ容器
20 キャップ
40 頭部部材
50 胴部チューブ
51 一端
52 接合部
55 積層体シート
55a 積層体シート
55b 積層体シート
56 第1シーラント層
56a 第1シーラント層
56b 第1シーラント層
58 基材層
58a 第1端面
58b 第2端面
59 第2シーラント層
59a 第2シーラント層
59b 第2シーラント層

Claims (6)

  1. チューブ容器において、
    外側から第1シーラント層と、基材層と、第2シーラント層とを含む積層体シートの対向する端部同士を重ね合わせて、互いに接合した接合部を有する胴部チューブと、
    前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、
    前記接合部において、外側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層が溶融して、外側に位置する前記積層体シートの前記基材層の第1端面を覆うとともに、内側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層に接着し、内側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層が溶融して、内側に位置する前記積層体シートの前記基材層の第2端面を覆うとともに、外側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層に接着している、チューブ容器。
  2. 前記内側に位置する前記積層体シートの前記第1シーラント層は、前記基材層の前記第2端面よりも、前記基材層の前記第1端面から前記第2端面へ向かう方向へ溶融しており、前記外側に位置する前記積層体シートの前記第2シーラント層は、前記基材層の前記第1端面よりも、前記基材層の前記第2端面から前記第1端面へ向かう方向へ溶融している、請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記第1シーラント層の厚みは、前記第2シーラント層の厚みよりも薄い、請求項1または2に記載のチューブ容器。
  4. 前記積層体シートの厚みは、330μm以上350μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のチューブ容器。
  5. 前記基材層は、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のチューブ容器。
  6. キャップ付きチューブ容器において、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチューブ容器と、
    前記頭部部材に取り付けられるキャップと、を備える、キャップ付きチューブ容器。
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