JP5509534B2 - ラミネートチューブ胴部形成用積層シートおよびラミネートチューブ - Google Patents
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Description
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートは、表印刷を行うことができるため、内容物の表示などの変更が容易である。
前記積層フィルムは、最内層から順にヒートシール性フィルム(I)、ガスバリア性フィルム、金属薄膜およびヒートシール性フィルム(II)が積層され、前記最内層のヒートシール性フィルム(I)とガスバリア性フィルム、前記ガスバリア性フィルムと金属薄膜、前記金属薄膜とヒートシール性フィルム(II)とが熱融着性樹脂の溶融押出しによって接着され、
かつ前記金属薄膜の厚さが15〜50μmであるラミネートチューブ胴部形成用積層シートである。以下、本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートおよびラミネートチューブを詳細に説明する。
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートの好ましい態様を図1に示す。図1では、最内層から順にヒートシール性フィルム(I)(13)、熱融着性樹脂の溶融押出層(71)、ガスバリア性フィルム(20)、熱融着性樹脂の溶融押出層(73)、熱融着性樹脂の溶融押出層(75)、金属薄膜(40)、熱融着性樹脂の溶融押出層(77)、およびヒートシール性フィルム(II)(15)とが積層されている。金属薄膜(40)が、熱融着性樹脂の溶融押出層(75)と熱融着性樹脂の溶融押出層(77)とによって積層され、更にガスバリア性フィルム(20)が熱融着性樹脂の溶融押出層(73)を介して積層される態様である。ヒートシール性フィルム(I)(13)、ヒートシール性フィルム(II)(15)は、同一であってもよく異なっていてもよく、同様に、熱融着性樹脂の溶融押出層(71)、(73)、(75)、(77)も同一でも異なっていてもよい。上記態様としては、例えば、ヒートシール性フィルム(I)(13)としてポリオレフィンフィルム、熱融着性樹脂の溶融押出層(71)としてポリオレフィンの溶融押出層、ガスバリア性フィルム(20)としてポリオレフィンとナイロンとの複合膜、熱融着性樹脂の溶融押出層(73)としてポリオレフィンの溶融押出層、熱融着性樹脂の溶融押出層(75)としてエチレン・メタクリル酸共重合体、金属薄膜(40)としてアルミニウム箔、熱融着性樹脂の溶融押出層(77)としてエチレン・メタクリル酸共重合体、およびヒートシール性フィルム(II)(15)としてポリオレフィンフィルムを例示することができる。
本発明で使用する金属薄膜は、ラミネートチューブに適度の剛性を付与し、バリヤー性を発揮しうるものである。例えば、アルミニウム、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、またはこれらの合金等が例示される。金属薄膜は、ラミネートチューブに金属光沢の外観を表出されることができる。金属薄膜の厚さは、好ましくは20〜50μmである。15μm以下となると剛性の付与が十分でなく、一方、50μmを超えるとラミネートチューブのカットが困難となり、剛性が高くなりすぎるためにラミネートチューブ製造時の変形などが困難となり、またラミネートチューブ製造時のヒートシール熱量が上昇するため、不経済となる場合がある。
本発明で使用するバリヤー性フィルムは、最内層と金属薄膜との間に形成され、ラミネートチューブの内容物が高浸透性物質である場合に、最内層を浸透した後に金属薄膜に到達することを防止する目的で形成される。したがって、ガスバリア性は、内容物の浸透性によって適宜選択することができるが、一般には、30.0g/m2・24hr(40℃、90%RH)以下の水蒸気透過度と30.0cc/m2・24hr(1atm、20℃、dry)以下の酸素透過度との少なくともいずれかを満足する多層共押出し樹脂層を好適に使用することができる。
(4)ヒートシール性フィルム
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートは、最内層から順にヒートシール性フィルム(I)、ガスバリア性フィルム、金属薄膜およびヒートシール性フィルム(II)が積層され、このヒートシール性フィルム(I)がラミネートチューブの胴部内周面層となるよう筒状体に成形される。
なお、本発明においては、上記したヒートシール性フィルム(I)、(II)には、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
本発明では、上記金属薄膜、ガスバリア性フィルム、ヒートシール性フィルム(I)、(II)を熱融着性樹脂の溶融押出層を介して積層する。
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートでは、金属薄膜、ヒートシール性フィルム(I)、(II)、ガスバリア性フィルムを、熱融着性樹脂の溶融押出層を介して接着するが、熱融着性樹脂の溶融押出層は一層に限定されるものでなく、例えば図1において、熱融着性樹脂の溶融押出層(73)と熱融着性樹脂の溶融押出層(75)とが隣接して積層されるように、熱融着性樹脂の溶融押出層が2層以上が積層されてもよい。これにより、優れた接着性を確保することができる。例えば、金属薄膜層と積層に際しては、金属薄膜にエチレン−メタクリル酸共重合体やエチレン−アクリル酸共重合体等の酸変性ポリオレフィン樹脂を積層し、ついで、ポリエチレンの溶融押出し層を介してガスバリア性フィルムを接着することができる。前記酸変性ポリオレフィン樹脂によって接着を安定化させることができる。
本発明では、ラミネートチューブ胴部形成用積層シートを構成する熱融着性樹脂の溶融押出層の上に印刷層を形成することができる。表印刷によって内容物を表示できるため、記載内容の変更などを容易に行うことができる。
(7)アンカーコート剤
本発明では、熱融着性樹脂の溶融押出し層を形成する際に、アンカーコート剤を介して熱融着性樹脂の溶融押出し層を形成することができる。使用するアンカーコート剤としては、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系、その他のアンカーコーティング剤が例示できる。より好ましくは、例えば、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、またはヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート等の多官能イソシアナートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール、その他のヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とするものである。これらによれば、柔軟性と屈曲性に富む薄膜を形成することができ、その引っ張り伸長度を向上させ、上記した薄膜膜に対し、柔軟性、屈曲性などを有する被膜として作用し、ラミネート加工、印刷加工などの加工適性を向上させ、薄膜層へのクラックなどの発生を回避することができ、上記した薄膜膜のクラックの発生を防止し、ラミネート強度を向上させることができる。
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートは、最外層にOPニスなどを塗工し、印刷面を保護してもよい。
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートは、各層の溶融押出しラミネートによって製造することができる。
まず、ヒートシール性フィルム(I)(13)と金属薄膜(40)とを熱融着性樹脂の溶融押出層(77)によってラミネートし、更に金属薄膜(40)の裏面に熱融着性樹脂の溶融押出層(75)を押出す。これをEC第1工程と称する。
ラミネートチューブ胴部形成用積層シートに印刷層を形成する場合には、前記EC第3工程で得た積層体の熱融着性樹脂の溶融押出層(79)上にグラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式等を使用して所望の印刷などによって表印刷を行う。
(10)ラミネートチューブの製造方法
本発明のラミネートチューブ胴部形成用積層シートを使用して、ラミネートチューブを製造することができる。本発明のチューブ容器胴部形成用積層シートを筒状体に成形することによって得られる容器胴部は、胴部形成用積層シートの一方の側辺部の表面層上に他方の側辺部の裏面層が接当するようにして側辺部同士を重畳し、該重畳部を接着することによって成形される。その筒状胴部の一方の開口部に、例えば、押出成形法等の通常の方法によって、肩部および開口部を有する頭部を形成し、頭部の開口部にキャップを螺合させることで、ラミネートチューブを製造することができる。このラミネートチューブの筒状胴部の他方の開放端から、内容物を充填した後に、前記開放端を熱溶着して底シール部を形成すれば、内容物を充填包装したラミネートチューブからなる包装製品を製造することができる。
実施例1
片面がコロナ放電処理された厚み70μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム((株)DNPテクノフィルム社製、商品名「SR−WN」)の前記処理面側に、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤を乾燥時の塗工量が0.1〜0.5g/cm2となるように塗布し、厚さ20μmの酸変性ポリオレフィン樹脂(三井デュポンポリケミカル株式会社製:商品名「ニュクレルN−0908C」)を介して厚さ30μmの軟質アルミニウム箔を積層し、更にそのアルミニウム箔の裏面に厚さ40μmの酸変性ポリオレフィン樹脂(三井デュポンポリケミカル株式会社製:商品名「ニュクレルN−0908C」)を積層した。
比較例1
片面がコロナ放電処理された厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムのコロナ放電処理に、印刷層を形成し、この印刷層に、厚さ25μmの酸変性ポリオレフィン樹脂(三井デュポンポリケミカル株式会社製:商品名「ニュクレルN−0908C」)の押出し樹脂層を介して、厚さ15μmの軟質アルミニウム箔を積層した。次いで、前記軟質アルミニウム箔面に、直鎖状低密度ポリエチレンA/ナイロンB/直鎖状低密度ポリエチレンCによる3層構成の厚さ50μmの押出しフィルム(グンゼ株式会社製、商品名「BGL」)を、前記軟質アルミニウム箔との間に、厚さ30μmの酸変性ポリオレフィン樹脂(三井デュポンポリケミカル株式会社製:商品名「ニュクレルN−0908C」)の押出し樹脂層を介して積層し、続いて、厚さ60μmの低密度ポリエチレン樹脂層を押出しラミネートした。
測定方法
(1)コシの評価
(i) 実施例1、比較例1のシートを縦方向(MD)、横方向(TD)、それぞれ30mm幅×10cmの短冊形に切断し、ループ間距離が7cm、貼り合わせ部が1.5cmとなるように両端を貼り合わせた(参照、図3の荷重前)。
(iii) 1.5cmまで押し込んだ際の荷重(反発力)を測定し、その数値をシートのコシとした。
(iv) 測定前のループ高さ(h)を測定しておき、1.5cmまで荷重をかけたあと、ゆっくりと荷重を開放しループ高さを測定した。荷重前から荷重解放後のループ高さを引き、「差」を算出した。
(v)荷重解放後のループ高さから1・5cmを引いた数値を戻り量とした。
15・・・ヒートシール性フィルム(II)、
20・・・ガスバリア性フィルム、
40・・・金属薄膜、
50・・・印刷層、
71、73、75、77、79・・・熱融着性樹脂の溶融押出層。
Claims (5)
- 積層フィルムの最内層がラミネートチューブの胴部内周面層となるようにして筒状体に成形されるラミネートチューブ胴部形成用積層シートにおいて、前記積層フィルムは、最内層から順に厚さが30〜100μmのヒートシール性フィルム(I)、厚さが10〜100μmのガスバリア性フィルム、厚さが20〜50μmの金属薄膜および厚さが30〜100μmのヒートシール性フィルム(II)が積層され、前記最内層のヒートシール性フィルム(I)とガスバリア性フィルム、前記ガスバリア性フィルムと金属薄膜、前記金属薄膜とヒートシール性フィルム(II)とが熱融着性樹脂の溶融押出しによって接着された、ラミネートチューブ胴部形成用積層シート。
- 前記積層フィルムは、金属薄膜、熱融着性樹脂の溶融押出し層、ヒートシール性フィルム(II)についで、熱融着性樹脂の溶融押出し層が積層されることを特徴とする、請求項1記載のラミネートチューブ胴部形成用積層シート。
- 前記ラミネートチューブ胴部形成用積層シートの最外層が、前記熱融着性樹脂の溶融押出し層に形成された印刷層であることを特徴とする、請求項2記載のラミネートチューブ胴部形成用積層シート。
- 前記ガスバリア性フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレンとポリアミドとの積層フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載のラミネートチューブ胴部形成用積層シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のラミネートチューブ胴部形成用積層シートからなるラミネートチューブ。
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