JP4573015B2 - 脱酸素剤外装包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱酸素剤を収納してなる脱酸素剤外装包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食料品、医薬品、化粧品などの酸化しやすい物品やカビなどの微生物汚染、腐敗を受けやすい物品の手軽で確実な保存方法として、脱酸素剤を用いる方法が定着し、小袋状、シート状、フィルム状などの形態の脱酸素剤が工業的に製造されるようになった。これら脱酸素剤は、小袋状の脱酸素剤を一定数量集めて、又は、シート状もしくはフィルム状などの脱酸素剤を一定の長さに切断して、又は、小袋状脱酸素剤の連包体(ウェブ)を一定数量巻き取ったボビンごと、酸素バリヤー性フィルムにより包装されて保存、物流過程に供される。
【0003】
従来から、脱酸素剤を収納する酸素バリヤー性容器として、ポリ塩化ビニリデンをコートした延伸ナイロン(KON)/ポリエチレン(PE)(以下、例えば、KON層とPE層の順序で積層された多層フイルムをKON/PEと表現する)が使用されてきた。
【0004】
しかし、近年、脱酸素剤を収納した包装体が大量に製造され、製品輸送の物流過程が複雑で激しくなるに従い、従来から用いてきたKON/PE外装包装体では、物理的な取扱い強度が不十分で、輸送物流過程で多層フイルムにピンホールが発生し、侵入した酸素により脱酸素剤が失活する事態が発生することがある。
実用的に取扱いできるためには、充分な耐ピンホール性が要求され、その突き刺し強度は、12N以上であることが必要である。
【0005】
一方、ガスバリヤー性に優れた包装材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)樹脂層及び結晶質ナイロンMXD6と他のナイロンのブレンド物からなるポリアミド樹脂層を含む層種構成が特開平4−216050号公報に、ヒートシール層/二軸延伸EVOH層/ポリプロピレン、ナイロン又はポリエステルの二軸延伸フィルム層の層構成が特開昭53−35778号公報に、それぞれ記載されている。
しかしながら、いずれも中間層の基材であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層(EVOH)は水蒸気バリヤー性が弱く、脱酸素剤の保存・物流用容器としては不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
脱酸素剤を包装する酸素バリヤー性フィルムには、▲1▼脱酸素剤は、酸素吸収活性を発現するするための触媒である水分を含有する場合があるため、水分が容器外に揮散しないように、水蒸気バリヤー性が高いこと、▲2▼一般に、脱気操作などにより減圧状態で収納・保存するため、強度及び耐ピンホール性が高いこと、▲3▼物流過程の激しい取扱いに耐えられるだけの十分な強度及び耐ピンホール性があること、▲4▼密封時又は開封時の操作性が良好であることが要求される。
【0007】
さらに、塩素を含有する材料は、焼却廃棄時に塩素を含んだ化合物が発生して環境汚染の原因になることが懸念されるため、塩素を含有しない材料が望まれている。
本発明の目的は、脱酸素剤の保存・流通において、上記の従来技術の課題を解決し、酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性及び耐ピンホール性がバランス良く優れ、機能的にも満足できる、焼却廃棄時の環境汚染の心配のない材料を使用した、脱酸素剤外装包装体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決する方法を検討した結果、(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン(高防湿OPP)層、(B)延伸ポリアミド樹脂層、(C)シーラント樹脂層を含む多層延伸フィルムであって、(B)のポリアミド樹脂が結晶質ナイロンMXD6単独、もしくは、結晶質ナイロンMXD6とその他のナイロンとの混合物、もしくは、結晶質MXD6ナイロンを基材に他の樹脂フイルムとの複合フイルムからなる(以上の意味の結晶質ナイロンMXD6を含むフイルムを、本発明では、結晶質ナイロンMXD6系フイルムと称す)からなる延伸積層フィルムを用いることによって容易に目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、脱酸素剤を収納してなる酸素バリヤー性フィルムからなる脱酸素剤の外装包装体であって、前記酸素バリヤー性フィルムが、(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン樹脂層、(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する二軸延伸ポリアミド樹脂層、及び(C)シーラント樹脂層からなる多層フィルムであることを特徴とする脱酸素剤の外装包装体である。
この構成によって、MXD6が有する優れた酸素バリヤー性を保持し、水蒸気バリヤー性、耐ピンホール性を実用レベルにまで改善し、しかも、焼却廃棄時の環境汚染の心配がなく、安心して脱酸素剤を保存、物流過程に供することができる外装包装体が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン樹脂層、(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する延伸ポリアミド樹脂層、及び(C)シーラント樹脂層からなる多層フィルムが用いられる。
【0011】
本発明に用いる(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン樹脂層(高防湿OPP)とは、25μmの層厚での水蒸気バリヤー性が3.5g/m2・24hr以下の特性を有する、高防湿性(高水蒸気バリヤー性と同義語)を附与した二軸延伸ポリプロピレンのことである。即ち、通常の二軸延伸ポリプロピレンの水蒸気バリヤー性が同条件で7g程度/m2・24hrであるから、通常の二軸延伸ポリプロピレンの2倍以上の水蒸気バリヤー性を有した二軸延伸ポリプロピレンのことである。
【0012】
高防湿性二軸延伸ポリプロピレン樹脂層は、結晶性ポリプロピレン樹脂に、環状ポリオレフィン、石油樹脂もしくは環状オレフィン系樹脂又はこれらの組み合わせを添加したポリプロピレン樹脂組成物からなるフィルムを二軸延伸したフィルムを用いて成る層である。具体的には、石油樹脂3〜9重量部、結晶性ポリプロピレン91〜97重量部、及び石油樹脂と結晶性ポリプロピレンの合計重量に対し環状オレフィン系樹脂5〜20重量%からなる樹脂組成物を二軸延伸した層の少なくとも片面に結晶性ポリプロピレンの二軸延伸された層が積層されている、ポリプロピレン系二軸延伸積層フィルムである。
【0013】
ここで、前記石油樹脂には、シクロペンテンもしくはその誘導体、又はシクロヘキセンもしくはその誘導体を(共)重合して得られる脂環族系ポリマーを水添した樹脂が挙げられる。
前記環状オレフィン系樹脂には、エチレンと環状オレフィンを共重合して得られるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体、環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはこれを水添した樹脂、又は前記(共)重合体のグラフト変性物が挙げられる。
【0014】
高防湿二軸延伸ポリプロピレンを構成するポリプロピレン樹脂組成物には、通常使用される酸化防止剤、アンチックブロック剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、隠蔽剤その他の添加剤などの補助成分を利用しても良い。
【0015】
また、本発明の高防湿OPPは、二軸延伸されたものである。延伸倍率は、基本的に延伸効果があらわれる倍率であれば特に限定されないが、通常、経方向1.5倍以上、緯方向2.0以上、好ましくは経方向3.0〜7.0倍、緯方向5.0〜12.0倍である。
【0016】
本発明で用いる(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する二軸延伸ポリアミド樹脂層(OMXD6)とは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との縮重合により得られる結晶質ナイロンMXD6単独層、又は結晶質ナイロンMXD6と非晶質ナイロンとの混合物からなるMXD6系ポリアミド樹脂層からなる延伸フィルム層のことである。結晶質MXD6ナイロンと他のナイロン樹脂フイルムとからなる複合ナイロンフイルム層を使用することもできる。
結晶質ナイロンMXD6は、メタキシレンをアンモ酸化後、還元して得られるメタキシレンジアミン(MXDA)とアジピン酸との縮重合によって製造される。
【0017】
また、結晶質ナイロンMXD6に混合する場合の他の非晶質ナイロンは、原料としてジカルボン酸とジアミンの組み合わせ、又は、ラクタム、ジイソシアネートなどを用いて加圧溶融重合、脱炭酸縮合反応などによって得たポリアミドを使用することができる。ここで、ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などがあげられる。ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)エタンなどが用いられる。ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ラウロカプロラクタムなどがあげられる。ジイソシアネートとしては、例えば、ジフェエニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどが用いられる。更に、混合されるその他のナイロンは、ω−アミノカルボン酸の重縮合反応、二塩基性酸とジカルボン酸との重縮合反応などにより得ることができ、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、及びこれらの共重合体または混合物が用いられる。
【0018】
(B)結晶質ナイロンMXD6単独層又は結晶質ナイロンMXD6と非晶質ナイロンとの混合物からなるMXD6系ポリアミド樹脂層を構成する、結晶質ナイロンMXD6と非晶質ナイロンの配合重量比は、100/0〜20/80である。
結晶質ナイロンMXD6単独、又は結晶質ナイロンMXD6と非晶質ナイロンとの混合物からなるMXD6系ポリアミド樹脂は、延伸温度50〜150℃で延伸倍率2〜6倍の条件で延伸されて延伸MXD6ナイロン(OMXD6)が得られる。
(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する二軸延伸ポリアミド樹脂は、延伸効果が表れる延伸条件、例えば、延伸温度50〜150℃で延伸倍率2〜6倍の条件で二軸延伸した、延伸ポリアミドが好ましい。
【0019】
本発明で用いる(C)シーラント樹脂層は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合物(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合物(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合物(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合物(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合物(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合物(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、アイオノマー(ION)などのエチレン共重合体系樹脂などがあげられる。この中でも、LDPE、LLDPEなどのオレフィン系樹脂がより好適に用いられる。
【0020】
(A)層、(B)層及び(C)層の各層は、接着性樹脂(Ad)を用い、これを各層間に押し出し積層する押し出しラミネーション法により積層することができる。
その際に使用される接着性樹脂(Ad)には、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合物(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合物(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合物(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合物(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合物(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合物(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、アイオノマー(ION)などのエチレン共重合体系樹脂が例示される他、変性ポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸もしくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、又は、マレイン酸、フマール酸もしくはイタコン酸などの二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させたものが例示される。
【0021】
本発明の外装包装体は、厚さ250μm以下の層状物である。
(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン樹脂層の厚さは、10〜30μmの範囲が好ましい。10μm以下では、耐ピンホールが低下し、30μm以上では、積層フィルム総厚みが大きくなり、取扱い性が低下する。(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する二軸延伸ポリアミド樹脂層は、15〜30μmの範囲が機能的、価格的に好ましい。
(C)シーラントの厚さは、20〜60μmの範囲が好ましい。20μm以下では、シール強度が低下し、使用中の破損も懸念される。60μm以上では、コスト高になる上、フイルムの総厚さが増して取扱い性が低下する。また、これらの各層間を接着させる接着性樹脂層(Ad)を使用する場合、その厚さは、10〜25μmの範囲が作業性、経済性、取扱い性の点で好ましい。
【0022】
本発明の外装包装体の製造法としては、例えば、(A)/(Ad)/(B)/(Ad)/(C)の3種5層フイルムの場合、先ず、(A)高防湿OPPフイルムと(B)OMXD6フイルムをロールで送りながら、その間を接着性樹脂層(Ad)を溶融押出して積層・接着した後、更に、(B)OMXD6フイルム面と(C)シーラント層間に接着性樹脂層(Ad)を押出し積層・接着して、前記3種5層の多層包装体が得られる。
【0023】
ここで、基材フイルム種の数(n)、接着性樹脂層の数(m)からなるフイルムを、n種m層フイルムと表現する。接着性樹脂層は、厚さ5μm以上250μm以下の層である。ドライラミネーション接着剤やコート剤等のような、厚さ5μm未満の層は含まれない。本発明においては、塩化ビニリデン等のハロゲンを含有する材料は使用しない。
【0024】
本発明で使用する多層フィルムは、含まれる構成要素である(A)高防湿OPP、(B)OMXD6系、(C)シーラントの各層は、各層に対応するフィルムを個別に製造した後、層間を接着性樹脂又は接着剤で貼り付けて製造される。その際の貼り付け(積層)方法としては、接着性樹脂層(Ad)を各層間に押し出し積層する押し出しラミネーション法、各層間もしくは一部に接着剤を塗布、圧着、乾燥するドライラミネート法などがあげられる。具体的には、A/B層間の積層方法としては、(A)二軸延伸ポリプレン(高防湿OPP)樹脂層と(B)延伸MXD6系ナイロン(OMXD6)樹脂層との直接の接着性が良くなく、しかもやや柔軟性に欠けるので、層間には厚さがありクッション的、接着性改善の役割も兼ねた接着性樹脂層(Ad)を入れる押し出しラミネーション法の方が接着剤を薄く塗布して(通常、数μm以下)貼り付けるドライラミネーション法より好ましい。また、B/C層間には、押し出しラミネーション法もドライラミネーション法も適用可能だが包装体にある程度の柔軟さが必要であるので、押し出しラミネーション法がより好ましい。
【0025】
本発明で得られる外装包装体は、水蒸気透過度が、25℃、0→75%RHで0.6g/m2・24hr未満、酸素透過度が25℃、60%RHで20ml/m2・24hr・atm以下、且つ、突き刺し強度が12N/ペン先半径0.5mm、50mm/min以上の特性を有するものである。本発明者が検討したところ、突き刺し強度10Nを境に、ピンホール発生事故が激減することが見出された。そこで安全率を見込んで、突き刺し強度が12N以上であれば、取扱い上、実用的な耐ピンホール性を有すると判断できる。
【0026】
包装される脱酸素剤は、鉄、アスコルビン酸に例示される酸素吸収性物質を、通気性の包装材料で包装したもの又は熱可塑性樹脂に配合したものであって、小袋状、シート状、フィルム状などのあらゆる形態の脱酸素剤である。具体的には、小袋状の脱酸素剤の集積、小袋状脱酸素剤の連包体(ウェブ)を巻き取ったボビン、又は、シート状もしくはフィルム状の脱酸素剤の束もしくはロール等である。
【0027】
本発明の外装包装体は、製造された脱酸素剤の保存、物流過程に供する包装体であるが、その他の飲食料品ボトル、バレルなどの包装体として幅広く使用可能である。外装包装体は、通常、シーラント層同士を合わせ、各種の加熱融着方法、例えば、ヒートバーシール、インパルスシール、高周波シールなどの方法によってシールし、袋状収納体が得られる。そして、これに製造された一定量の脱酸素剤を収納して、所望により真空操作又は脱気操作を行い、密封して保存、物流過程に供される。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。実施例で得られた多層フィルム又は脱酸素剤外装包装体の物理的性質は、以下の方法によって測定した。
(1)水蒸気透過度 単位:g/m2・24hr
得られた多層フイルムをJIS−Z−0208に従って測定した。
酸素透過度 単位:ml/m2・24hr
得られた多層フイルムを25℃、60%RHの条件で酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、OXY-TRAN100型)にて測定した。
【0029】
(3)突き刺し強度(耐ピンホール性) 単位:N(ニュートン)/ピン先半径0.5mm、50mm/min
得られた多層フイルムを直径1mm、先端曲率半径0.5mmのピンを50mm/minの速度条件で突き刺し、開孔する時の荷重(N)を測定した。
(4)落下試験
小袋状脱酸素剤包装体(三菱瓦斯化学(株)製、商品名エージレスZ-23PTR)が3,000個連なった連包体(ウェブ)をボビンに螺旋状に巻き取ったロール体を、得られた多層フイルムを用いて減圧操作を行いつつヒートシール法により密封し、脱酸素剤外装包装体を10サンプル得、これらの脱酸素剤外装包装体を2mの高さからコンクリート床面に10回繰り返し自然落下させた後、多層フイルムに破損やピンホールの発生が無いか観察した。
【0030】
実施例1
厚さ25μmの高防湿二軸延伸ポリプロピレン(高防湿OPP)(東セロ(株)製、商品名WH−OP HM−1)フイルムと片面に厚さ15μmの二軸延伸結晶質ナイロンMXD6(三菱瓦斯化学(株)製、商品名MXナイロン6580)フイルムを対向するように熱ロールで送り出しながら、その間に低密度ポリエチレン系接着性樹脂(三井化学(株)製、商品名ミソラン11P)を300℃で溶融押し出しして、押し出しラミネーション法により高防湿OPP/接着性樹脂/MXD6=25/15/15μmの積層フイルムを得た。次いで、得られたフイルムのMXD6側とシーラント樹脂としての線形低密度ポリエチレン(LLDPE)(東セロ(株)製、商品名TUX−FCD)フイルムとを対向して熱ロールで送りながら、その間に上記低密度ポリエチレン系接着性樹脂を溶融押し出しし、押し出しラミネーション法により接着して、最終的に高防湿OPP/接着性樹脂/MXD6/接着性樹脂/LLDPE=25/15/15/15/30μmの3種5層フイルム(総厚さ100μm)を得た。得られた多層フイルムは、上記の方法により、水蒸気透過度、酸素透過度、突き刺し強度(耐ピンホール性)を測定した。その結果を表1に示した。各測定は10回行い、数値の範囲を示した。
【0031】
表1より、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性を維持しながら、同時に、耐ピンホール性を実用的に取扱いできる基準数値である12N以上に大きく向上、改善できることが分かった。
次に、得られた3種5層フイルムを用いて、落下試験を行った。落下試験後の脱酸素剤外装包装体には、破損やピンホールの発生はなかった。さらに、(A)層、(B)層間の接着性樹脂層(Ad)が、クッション的に接着性の改善をし、柔軟性及び取扱い性(ハンドリング性)が高かった。
【0032】
【表1】
Figure 0004573015
【0033】
比較例1
実施例1において、高防湿OPP/接着性樹脂/MXD6に代えて、ポリ塩化ビニリデンをコートした二軸延伸ナイロン(KON)(東洋紡(株)製、商品名N−812AE)を用いて押し出しラミネーション法により接着した以外は、全く同様にして多層フイルムを作成し、水蒸気透過度、酸素透過度、突き刺し強度(耐ピンホール性)を測定した。その結果を表1に示した。
次に、得られた多層フイルムを用いて、落下試験を行った。落下試験後の脱酸素剤外装包装体は、10サンプル中、2サンプルの多層フイルムにピンホールの発生が認められた。
【0034】
実施例2
実施例1において、(A)高防湿OPP樹脂層と(B)MXD6系樹脂層とをウレタン系接着剤(武田薬品(株)製、商品名A515/A12)を用いてドライラミネートにより(接着剤厚さ3μm程度)貼り合わせ、(C)シーラント樹脂層として厚さ40μmの線形低密度ポリエチレン(LLDPE)(東セロ(株)製、商品名TUX−FCD)を用いた以外は全く同様にして多層フイルムを作成し、水蒸気透過度、酸素透過度、突き刺し強度(耐ピンホール性)を測定した。その結果を表1に示した。
【0035】
表1の結果から、(A)高防湿OPP層と(B)MXD6層との層間をドライラミネーションする方法でも、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性を保持しながら、同時に、実用的な耐ピンホール性に向上、改善できることが分かる。
次に、得られた多層フイルムを用いて、落下試験を行った。落下試験後の脱酸素剤外装包装体には、破損やピンホールの発生が認められたものは無かった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によって、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性を保持し、同時に、突き刺し強度(耐ピンホール性)を十分実用的なレベルまでに向上、改善でき、しかも、焼却廃棄処理時に環境汚染の心配もなく、安心して脱酸素剤、その他の物品を保存、物流過程に供することができる脱酸素剤外装包装体が実現できる。
また、本発明の脱酸素剤外装包装体では、塩化ビニリデン等のハロゲンを含有する材料は使用しないので、焼却廃棄時の環境汚染の心配がない。

Claims (4)

  1. 脱酸素剤を収納してなる酸素バリヤー性フィルムからなる脱酸素剤の外装包装体であって、前記酸素バリヤー性フィルムが、(A)高防湿二軸延伸ポリプロピレン樹脂層、(B)結晶質ナイロンMXD6を含有する二軸延伸ポリアミド樹脂層、及び(C)シーラント樹脂層からなる多層フィルムであって、さらに前記酸素バリヤー性フィルムが、水蒸気透過度が0.6g/m ・24hr(25℃、0→75%RH)未満で、且つ、酸素透過度が20ml/m ・24hr・atm(25℃、60%RH)以下で、且つ、突き刺し強度が12N/ボールペン先半径0.5mm、50mm/min以上であることを特徴とする脱酸素剤外装包装体。
  2. 前記酸素バリヤー性フィルムが、(A)樹脂層と(B)樹脂層、又は、(B)樹脂層と(C)樹脂層とが、(Ad)接着性ポリオレフィン樹脂層により積層された多層フィルムである請求項1記載の外装包装体。
  3. 前記酸素バリヤー性フィルムが、(A)樹脂層と(B)樹脂層、又は、(B)樹脂層と(C)樹脂層とが、ドライラミネーション法により積層された多層フィルムである請求項1記載の外装包装体。
  4. 前記酸素バリヤー性フィルムが、(A)樹脂層の厚さが10〜30μm、(B)樹脂層の厚さが15〜30μm、(C)樹脂層が20〜60μmである請求項1記載の外装包装体。
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JP2001047561A (ja) * 1999-08-10 2001-02-20 Showa Denko Kk 酸素捕捉機能樹脂層を含むラミネートフィルム及びそれを使用したフレキシブルパッケージ

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