JP4802854B2 - 線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム及びその包装袋 - Google Patents
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前記樹脂層が線状に押し出された樹脂で形成され、且つ空隙層を有しており、
前記樹脂層とシーラント層との間に、酸素バリア層を積層した
ことを特徴とする線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルムである。
化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けた蒸着フィルムやまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層フィルムを使用することができるが、これらの中でも、酸素バリア性、廃棄処分性、強度面などを考慮すると延伸ナイロンフィルムに無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けた透明蒸着延伸ナイロンフィルムが好ましい。
フィルム基材層(1)として、厚さ15μmの透明蒸着ナイロンフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名GL−AEY)を使用し、該フィルム基材層(1)片面にアンカーコート層(5)として、2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤(三井武田ケミカル株式会社製、商品名A−3210/A−3075)を固形分5%で1g/m2(乾燥重量)塗布後、該アンカーコート層(5)上に密度0.931g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名ZM033)を溶融フロー速度20g/10分、押し出し部の穴の直径0.5mm、穴の間隔1mmの押し出しダイ形状を有する線状押し出し機を使用して、線状押し出しラミネート方式により、空隙層(A)を有する厚さ15μmの樹脂層(2)を形成し、同時に該樹脂層(2)を介して、シーラント層(4)となる厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)(タマポリ株式会社製、商品名SE620LC)をラミネートして、本発明の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルムを得た。
フィルム基材層(1)として、厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(二村化学株式会社製、商品名FOR)を使用し、該フィルム基材層(1)片面にアンカーコート層(5)として、2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤(三井武田ケミカル株式会社製、商品名A−3210/A−3075)を固形分5%で1g/m2(乾燥重量)塗布後、該アンカーコート層(5)上に密度0.931g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名ZM033)を溶融フロー速度20g/10分、押し出し部の穴の直径0.5mm、穴の間隔1mmの押し出しダイ形状を有する線状押し出し機を使用して、線状押し出しラミネート方式により、空隙層(A)を有する厚さ15μmの樹脂層(2)を形成し、同時に該樹脂層(2)を介して、予め、酸素バリア層(3)としての、厚さ15μmの透明蒸着延伸ナイロンフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名GL−AEYBC)片面に2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤(三井武田ケミカル株式会社製、商品名A−3210/A−3075)を固形分5%で1g/m2(乾燥重量)塗布してアンカーコート層(5)を形成しておいた該酸素バリア層(3)の該アンカーコート層(5)面側とラミネートした。引き続き、該酸素バリア層(3)上に接着剤層(6)としての2液硬化型ウレタン系接着剤(三井武田ケミカル株式会社製、商品名A−525/A−50)を固形分30%で3g/m2(乾燥重量)塗布後、該接着剤層(6)を介して、シーラント層(4)となる厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)(タマポリ株式会社製、商品名SE620LC)をラミネートして、本発明の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルムを得た。
実施例1において、通常の押し出しラミネート方式(線状押し出し未実施)を用いて樹脂層(2)を形成した以外は実施例1と同様にして比較例1の耐ピンホール性包装フィルムを得た。
実施例1において、樹脂層(2)を形成する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を宇部興産株式会社製、商品名613Aにして、溶融フロー速度を30g/10分にした以外は実施例1と同様にして比較例2の耐ピンホール性包装フィルムを得た。
実施例1において、樹脂層(2)を形成する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を宇部興産株式会社製、商品名1520Fにして、溶融フロー速度を2g/10分にした以外は実施例1と同様にして比較例3の耐ピンホール性包装フィルムを得た。
実施例1において、通常の押し出しラミネート方式(線状押し出し未実施)を用いて、厚さ25μmの樹脂層(2)を形成し、最内層のシーラント層(4)を密度0.931g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名ZM033)を溶融フロー速度20g/10分、押し出し部の穴の直径0.5mm、穴の間隔1mmの押し出しダイ形状を有する線状押し出し機を使用して、線状押し出しラミネート方式により、40μmの厚さで線状押し出しラミネートした以外は実施例1と同様にして比較例4の耐ピンホール性包装フィルムを得た。
上記実施例1〜2および比較例1〜4で得られた耐ピンホール性包装フィルムを用いて下記の評価方法(条件)で屈曲試験(ゲルボ試験)を行ない、浸透液にてピンホール数を数えた。また、押し出し適性、空隙層の有無、総厚さの測定も行なった。その結果を表1
に示す。
(1)押し出し適性
押し出し機の吐出負荷(電流値)より、生産性を○(良)、△(可)、×(不可)で評価した。
(2)空隙層の有無
線状押し出し部どうしの距離を測定して評価した。
(3)屈曲試験(ゲルボ試験)
屈曲条件:440度ねじり×3.5インチ直進+2.5インチ直進。
屈曲環境:5℃×2000回(1時間)、検体サイズ:205mm×290mm。
実施例1と比較例1との比較結果からも線状押し出しラミネートを実施することで、屈曲試験におけるピンホール数は減少することがわかり、更なる耐ピンホール性への要求を満たすには実施例2のような構成が望ましい。比較例2から押し出し部の穴の直径0.5mm、隣接する穴どうしの間隔1mmにおいて、溶融フロー速度が30g/10分という樹脂においても押し出しは可能なものの、空隙層を得ることは出来なかった。比較例3においては2g/10分という溶融フロー速度では押し出しラミネートが困難であった。比較例4から最内層に線状押し出し部を形成しても耐ピンホール性の低減には有用ではなかった。
B・・・輸液バッグ
P・・・包装袋
1・・・フィルム基材層
2・・・樹脂層
3・・・酸素バリア層
4・・・シーラント層
5・・・アンカーコート層
6・・・接着剤層
10・・・耐ピンホール性包装フィルム
20・・・プラスチックポート部
30・・・周辺シール部
Claims (7)
- 少なくとも、フィルム基材層と、該フィルム基材層上に押し出しラミネート方法により押し出された樹脂層と、該樹脂層上にシーラント層とが順次積層されてなる耐ピンホール性包装フィルムにおいて、
前記樹脂層が線状に押し出された樹脂で形成され、且つ空隙層を有しており、
前記樹脂層とシーラント層との間に、酸素バリア層を積層した
ことを特徴とする線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。 - 前記線状に押し出された樹脂の溶融フロー速度(JIS K 6760準拠)が2.5g/10分以上、30g/10分未満であり、且つ押し出されている線状部の厚さが5μm以上、40μm未満であることを特徴とする請求項1記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。
- 前記線状に押し出しラミネートする際の、機械上での押し出し穴どうしの隙間が0.5mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。
- 前記線状に押し出された樹脂層が最内層ではなく、中間層に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。
- 前記酸素バリア層が延伸ナイロンフィルムに酸化珪素や酸化アルミニウムなどからなる無機酸化物を蒸着してなる透明蒸着延伸ナイロンフィルムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。
- 前記フィルム基材層が延伸ポリプロピレンフィルムからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルム。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の線状押し出しラミネート方法を用いた耐ピンホール性包装フィルムを用いて製袋したことを特徴とする包装袋。
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