JP7088128B2 - チューブ容器用シール材およびチューブ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、チューブ容器用シール材およびチューブ容器に関する。
従来、容器内に粘稠物や液体等を収納し、容器口部にアルミ箔等のシール材が形成され、その上から容器口部に螺合するキャップで閉蓋したチューブ容器が知られている。上記のシール材は、内容物が酸素との接触により変質するものの場合に、容器内への酸素の侵入を防止するために、主としてアルミ箔を用いた積層シール材が用いられている。上記のシール材は、通常、チュ-ブ容器の口部の開口先端部に、ヒートシール等により貼り合わせることにより取り付けられる。
アルミ箔を用いた積層シール材は、水蒸気および紫外線の遮蔽性の点では優れているが、アルミニウムが障害となって不純物の検査が行えないという問題があった。本出願人は、上記問題を解決するものとして特許文献1のチューブ容器用シール材を提案した。
具体的には、ガスバリア性塗布膜と無機酸化物の蒸着膜を設けた第一基材フィルムの表および/または裏面に、印刷層を設け、第二基材フィルムと、シーラント層とを順次積層した構成からなるものである。
このシール材は、アルミニウム箔等の金属箔を含まない層構成でありつつ、酸素ガス、水蒸気等のバリア性に優れる反面、チュ-ブ容器に収納された内容物をチューブ容器から取り出すため、シール材のつまみ部をつまんで引き剥がす際、シール材が破断して開封しにくい場合があった。
特開2000-56529号公報
従って本発明の課題は、キャップの開封時にシール材のつまみ部を破断しにくく、シール材のつまみ部を指で引きはがす際、開封しやすいチューブ容器用シール材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材フィルム層を三層の積層構造とすることで、シール材のフィルム強度を確保することにより、キャップの開封時にシール材のつまみ部を破断しにくく、シール材のつまみ部を指で引きはがす際、開封しやすいチューブ容器用シール材を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、チューブ容器の口部をシールするためのシール材であって、シール材は、外側から順に、基材層と、シーラント層と、を含む積層構造を有する積層体であって、前記基材層は、延伸フィルムを有する第一基材層と、延伸フィルムを有する第二基材層と、延伸フィルムを有する第三基材層を具備し、前記第二基材層は、前記第二基材層は、前記第二基材層の延伸フィルム上に設けられた無機酸化物の蒸着薄膜層と、前記無機酸化物の蒸着薄膜層上に設けられたガスバリア性塗布膜と、を備えたフィルムであって、前記無機酸化物の蒸着薄膜層は、前記第一基材層側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のチューブ容器は、上記チューブ容器用シール材でその口部の少なくとも一部に接合部を有することを特徴とする。
本発明によれば、チュ-ブ容器に収納された内容物をチューブ容器から取り出すため、キャップの開封時にシール材のつまみ部を破断しにくく、シール材のつまみ部を指で引きはがす際、開封しやすいチューブ容器用シール材という効果がある。
本発明の第1実施形態をチューブ容器用シール材で示す断面図である。 本発明の第2実施形態をチューブ容器用シール材で示す断面図である。 チューブ容器の製造方法を示す図である。 図1または図2に示すシール材をチューブ容器の口部の開口先端部に貼り合わせたシール材付きチューブ容器の一例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図3、図4により、本発明によるチューブ容器用シール材Aでその口部の少なくとも一部に接合して作成されたチューブ容器Bについて述べる。
チューブ容器14はラミネート積層体を含む筒状胴部13と、筒状胴部13に対して圧縮成形により樹脂を設けることにより作製された肩部12および口部11とを備えている。またチューブ容器14の口部11の開口先端部にチューブ容器用シール材Aの一部に接合部を形成し、さらにその上にキャップが口部11に装着される。
このような構成からなるチューブ容器14は、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図3に示すように、プラスチックフィルム等を積層したラミネート積層体20を用い、そのラミネート積層体20の両端部22、22´を重ね合わせて、その重合部分の外側と内側とをヒートシールしてヒートシール部23を形成して、筒状胴部13を製造する。次いで、上記の筒状胴部13を金型内(図示せず)に装着し、筒状胴部13の一方の開口部25に、例えば、圧縮成形法等の方法によって、肩部12および口部11を形成する。このようにして筒状胴部13の一方の開口部25に、肩部12および口部11が一体に成形されてチューブ容器Bが作製される。
または、射出成形法等により成形樹脂を押出成形して筒状体を製造し、次いで、その筒状体をブロー成形し、口部11、肩部12および胴部13を一体的に成形した単層ないし多層の押出チューブ容器14が作製される。
そして、図4に示すように、チューブ容器の口部11の開口先端部にチューブ容器用シール材Aのシーラント層10の面が接合され、キャップが装着される。
次に、図1により第1実施形態によるチューブ容器用シール材Aの概要について説明する。図1に示すように、チューブ容器用シール材Aは、外側から内側に向かって順に配置された、第一基材層1と、印刷層2と、第一接着層3と、第二基材層4と、無機酸化物の蒸着薄膜層5と、ガスバリア性塗布膜6と、第二接着層7と、第三基材層8と、第三接着層9と、シーラント層10とを備えている。
次に、図2により第2実施形態によるチューブ容器用シール材Aの概要について説明する。図2に示すように、チューブ容器用シール材Aは、外側から内側に向かって順に配置された、第一基材層1と、印刷層2と、第一接着層3と、ガスバリア性塗布膜6と、無機酸化物の蒸着薄膜層5と、第二基材層4と、第二接着層7と、第三基材層8と、第三接着層9と、シーラント層10とを備えている。
なお、本明細書において、「外側」、「内側」とはチューブ容器用シール材を用いてシール材付きチューブ容器Bを作製した場合における「外側」および「内側」を意味する。
次に、チューブ容器用シール材Aの各層について説明する。
第一基材層1、第二基材層4および第三基材層8としては、チューブ容器用シール材としたときの基材となるものであり、シール時の耐熱性、強度、強靭性、等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができる。
そして、基材となる合成樹脂製フィルムとしては、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルムのいずれのものでも使用することができる。中でも、本実施の形態において、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが、印刷適性、剛性の面で優れるので好ましい。
上記の中でも、第一基材層1は、印刷層2を設けるので、チューブ容器用シール材として使用したときに外部から視認できるように、透視可能な合成樹脂製フィルムであることが好ましい。
また、上記の中でも、第二基材層4は、後述するように片面に無機酸化物の蒸着薄膜層5と、ガスバリア性塗布膜6を設けるので、第三基材層8を第二基材層4とシーラント層10との層間に設けることによって、第二基材層4と無機酸化物の蒸着薄膜層5が剥離(デラミネーション)を抑制できる点で好ましい。
基材となる合成樹脂製フィルムを構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルムないしシート、その他を使用することができる。
上記の中でも、ポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が、透明性、印刷適性、剛性、保香性、蒸着薄膜層またはガスバリア性塗布膜を形成する面で好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、純粋なポリエチレンテレフタレート樹脂および種々の変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を指すものである。
上記の中でも、第一基材層1、第二基材層4および第三基材層8に用いる合成樹脂製フィルムはチューブ容器用シール材としたときのシール材の摘み部のカールを防ぐので、同一樹脂、同一厚さのものが好ましい。
なお、本実施の形態において、第一基材層1、第二基材層4および第三基材層8の各層の厚みは、チューブ容器用シール材としたときのシール材の腰を考慮すると、6μm以上25μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。
なお、第一基材層1、第二基材層4および第三基材層8に用いる合成樹脂製フィルムは、必要に応じて、必要な面にコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理が施される。
また、印刷層2は、チューブ容器用シール材における絵柄等を形成するための層である。
印刷層2は、上述した第一基材層1または第二基材層4上に、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方法によって形成できる。
絵柄としては、特に制限はなく、例えば、文字、図形、記号、模様等が挙げられる。
印刷層2は、最表面でなく、第一基材層1の裏面または第二基材層4に形成されることによって、外部からの衝撃で絵柄層の損傷を防止することができるので好ましい。
印刷層2としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。
シーラント層10は、チューブ容器14の口部11の開口先端部に接着させるための層である。シーラント層10を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料を含んでいればよく、易開封性を有していてもよい。
シーラント層10は、例えばポリオレフィンのフィルムを用いることができる。より具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
本実施の形態において、シーラント層10としては、上記の中でも、低密度ポリエチレンフィルムが扱いやすく、好ましい。
本実施の形態において、易開封性のシーラント層10としては、ポリエチレン樹脂の他、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂とをブレンドしたブレンド樹脂、または、これに更にポリオレフィン系樹脂とスチレンの共重合体をブレンドしたブレンド樹脂、その他、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂に粘着付与剤等をブレンドした樹脂などを使用することができる。
本実施の形態において、シーラント層10としては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いてフィルムないしシートを成形することができる。
ここで、シーラント層10の片面にコロナ処理を施し、このコロナ処理面を積層対象側に対向させて接着して積層することが好ましい。
なお、シーラント層10の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤等を任意に添加したものを使用しても良い。
なお、本実施の形態において、シーラント層10の厚みは、好ましくは10μm以上200μm以下であり、更に好ましくは、15μm以上100μm以下である。
ガスバリア性塗布膜6は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。
本実施の形態において、ガスバリア性塗布膜6は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
ガスバリア性塗布膜6は、無機酸化物から構成される蒸着薄膜層5と隣接するように設けることにより、蒸着薄膜層におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
本実施の形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
1 nM(OR2m
(ただし、式中、R1、R2は、それぞれ、炭素数1~8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、R1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基およびi-ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH34)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC254)、テトラプロポキシシラン(Si(OC374)、テトラブトキシシラン(Si(OC494)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1~20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜6における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜6の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、リサイクル性を維持しつつ、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜6の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、無機酸化物から構成される蒸着薄膜層と隣接するように設けた場合に、蒸着薄膜層におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜6は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N-ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル-ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜6の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20~250℃、好ましくは50~220℃の温度で、1秒~10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
ガスバリア性塗布膜6は、その上に印刷層が形成されていてもよい。印刷層の形成方法などについては上記した通りである。
なお、ガスバリア性塗布膜6は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
無機酸化物の蒸着薄膜層5は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。
本実施の形態において、無機酸化物の蒸着薄膜層5は、第二基材層4とガスバリア性塗布膜6との間に形成される。
蒸着薄膜層5としては、アルミニウムなどの金属、並びに酸化アルミニウム、酸化珪素(シリカ)、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウムなどの無機酸化物から構成される、蒸着膜を挙げることができる。
また、蒸着薄膜層5の厚さは、1nm以上150nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
蒸着薄膜層5の厚さを1nm以上とすることにより、チューブ容器用シール材シール材の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、蒸着薄膜層の厚さを150nm以下とすることにより、蒸着薄膜層におけるクラックの発生を防止することができる。
基材上への蒸着薄膜層5の形成は、従来公知の方法を用いて行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)などを挙げることができる。
また、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着薄膜層5の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10-2~10-8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10-1~10-6mbar程度が好ましい。なお、酸素導入量などは、蒸着機の大きさなどによって異なる。導入する酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。フィルムの搬送速度は、10~800m/min程度とすることができる。
蒸着薄膜層5の表面は、ガスバリア性塗布膜6が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
また、接着層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、接着層の厚さは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第一基材層1、第二基材層4、第三基材層8、シーラント層10などを積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
次に、本実施形態におけるシール材付きチューブ容器Bについて説明する。
本実施の形態において、チューブ容器14の口部11は、その外周面に螺条が刻設され、この螺条に対応する螺条がキャップの内筒の内周面に刻設されて、口部11にキャップがねじ込まれて螺着できるようになっている。
チューブ容器14の口部11の先端はシール材のシーラント層10の面を介してヒートシール等により接合されている。チューブ容器の口部11の材質とシール材のシーラント層10を構成する樹脂は、互いにヒートシール性を有するものでなければならないことから、同一系の樹脂であることが好ましい。口部11の先端部は、シール材を接合する接合面が確保されるように、0.3mm以上2mm以下の幅をもつ周縁部を形成することが好ましい。
上述のようにして形成されたチューブ容器用シール材Aは、少なくともチュ-ブ容器14の口部外径をすっぽり覆ってシールするだけの大きさがあればよい。なお、シール材は、その形状は容器の口部11の形状に合わせて、ほぼ円形に形成されており、さらに開封用の起点となる開封用の摘まみ(タブ)15が設けられている。
一実施形態のチューブ容器において、例えば、チューブ容器14を構成する胴部13の材料としては、一般の内容物に対しては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタ-ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等を使用することができ、また、特殊な内容物によっては、酸素ガス、水蒸気,その他等の成分を選択的に吸着あるいは透過が少ない非吸着性、バリア性等を有する材料、例えば、アルミニウム箔、ポリアクリロニトリル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ナイロンMXD6樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ボリアミド系樹脂、ボリビニルアルコール系樹脂、金属あるいは金属酸化物の薄膜を形成する樹脂のフィルム、その他等から選択して単層ないし多層構成のバリア層として構成して使用することができる。本実施形態において、上記のような材料を使用し、それらを積層する場合に使用する接着剤としては、内容物により侵されたり、溶解したりしないものから選択して使用される。
また、本実施形態において、チューブ容器14の最外層あるいは最内層等を構成するシーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上を使用することができる。
また、本実施形態において、上記の単層ないし多層押出チュ-ブ容器を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタ-ル系樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ナイロンMXD6樹脂、ボリビニルアルコール系樹脂、その他等を使用することができる。本実施の形態において、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これらを任意に組み合わせて単層ないし多層に押出成形し、次いで、ブロー成形して、単層ないし多層押出チュ-ブ容器を製造することができる。
次に、上記のチューブ容器14において、その口部11および肩部12等を形成する方法としては、例えば、圧縮成形法又は射出成形法で形成することができる。本実施の形態において、口部11および肩部12等を形成する材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を使用し得るが、その他、例えば、口部11および肩部12を多層に押出成形する場合には、例えば、酸素ガス、香料などのバリア性を保持させるために行うものであり、例えば、ポリアミド系樹脂(ナイロンMXD6樹脂)、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等のバリア性樹脂とポリオレフィン系樹脂とを組み合わせて使用して、これらを多層に押出成形して、口部11および肩部12等を形成することができる。なお、必要に応じて、接着性を有するポリオレフィン系樹脂をバリア性樹脂との中間層として設けることができる。
上記の圧縮成形法においては、成形機のマンドレルに胴部13を装着しておき、キャビテイ又はマンドレルの先端のコアに所定量の溶融した熱可塑性樹脂等を押出し、キヤビテイとコアを圧縮することにより口部11、肩部12等を成形しながらチュ-ブ容器14を構成する筒状胴部一端の端部に取り付けることができる。
また、上記の射出成形法においては、熱可塑性樹脂を用いて、口部11、肩部12等を、予め成形したチュ-ブ容器14を構成する筒状胴13部の一端の端部に高周波シールや、ホットエアシール法で接着して形成することができる。あるいは、本実施形態においては、コア側にチュ-ブ容器14を構成する筒状胴部13を装着しておき、型締め時にコア内に筒状胴部13の一端を挿入し、口部11、肩部12等を射出成形と同時に接着するインサートインジェクション成形を行うことによって、チュ-ブ容器14を構成する筒状胴部13の一端の端部に口部11、肩部12を取り付けることができる。
内容物はチュ-ブ容器14の底部側の他方の開口部26から充填され、底部をヒートシールして、チューブ容器からなる包装製品を製造することができる。このことにより、シ-ル材付きチュ-ブ容器Bは、容器内全体がガスバリア性を有することになる。
内容物としては、例えば、各種の飲料品、練り歯磨き、化粧品、糊、練りがらし、練りわさび、クリーム類、絵の具、軟膏、医薬品等を挙げることができる。
次に本発明について実施例を挙げて更に具体的に本発明を説明する。
[実施例1]
まず、チューブ容器14の製造方法について説明する。胴部13を構成する基材層用の厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、ポリウレタン系グラビアインキによって、絵柄印刷層を形成した。次に、絵柄印刷層表面に、ロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤を4g/m2塗布し、乾燥した後、膜厚20nmの酸化珪素の蒸着膜を形成した厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、蒸着面に、ロールコート法にてDL接着剤を4g/m2塗布、乾燥した後、内面樹脂層として、厚さ180μmのコロナ処理された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを積層して、積層フィルムを得た。
そして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側の表面に、ドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤を4g/m2塗布、乾燥した後、表面樹脂層用に厚さ130μmの低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)フィルムを積層して、下記層構成の胴部形成用積層体の原反を得た。
表面樹脂層LDPEフィルム(130μm)/基材層PETフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/バリア層シリカ蒸着PETフィルム(12μm)/接着剤層DL接着剤/内面樹脂層LLDPEフィルム(180μm)
次に、上記の胴部形成用積層体を所望の幅に断裁し、内面樹脂層と外面樹脂層が当接するようにヒートシールして、直径25.4mm、長さ100mmの筒状胴部13を形成した。
更に、上記の筒状胴部13の一方の開口端部に、低密度ポリエチレン樹脂をもちいて、コンプレッション成形で肩部12と口部11とを成形しながら取り付けて、チューブ容器14を形成した。
次に、チューブ容器用シール材Aの製造方法について説明する。
まず、第二基材層4として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。第二基材層4の一方の面に、無機酸化物の蒸着薄膜層5として、CVD法により、厚さ0.03μmのシリカ蒸着膜を形成した。
次に、水385g、イソプロピルアルコール67g及び0.5N塩酸9.1gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン175gと、シランカップリング剤としてグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
また、水溶性高分子として、ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
次いで、溶液Aと溶液Bとを重量比6.5:3.5となるよう混合し、バリアコート剤を調製し、これを、蒸着膜上にスピンコート法により塗布し、加熱処理を施し、乾燥状態で厚さが0.3μmのガスバリア性塗布膜6を形成した。
一方、第一基材層1として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。第一基材層1の裏面にポリウレタン系グラビアインキによって、印刷層2を形成した。
次に、印刷層2表面に、第一接着層3としてロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤を4g/m2塗布し、乾燥した後、上記で製造した第二基材層4のガスバリア性塗布膜6の形成面と反対の面に積層した。続いて、ガスバリア性塗布膜の上に、第二接着層7としてロールコート法にてDL接着剤を4g/m2塗布、乾燥した後、第三基材層8として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した。
更に続いて、第三基材層8の上に、第三接着層9としてロールコート法にてDL接着剤を4g/m2塗布、乾燥した後、シーラント層10として、厚さ30μmのコロナ処理されたポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるイージーピール性フィルム(製品名:ジェイフィルム株式会社製 製品名SMX-Y03)を積層して、チューブ容器用シール材Aを得た。チューブ容器用シール材Aの層構成は以下の通りである。
第一基材層PETフィルム(12μm)/印刷層/第一接着層DL接着剤/第二基材層PETフィルム(12μm)/バリア層シリカ蒸着/ガスバリア性塗布膜/第二接着剤層DL接着剤/第三基材層PETフィルム(12μm)/第三接着層DL接着剤/シーラント層イージーピール性フィルム(30μm)
次に、上記で製造したチューブ容器用シール材Aのシートを打ち抜き、タブ15を設けたチューブ容器用シール材を作製した。このシール材を上記のチューブ容器14の上部の先端部にヒートシールで接合して一体化し、シール材付きチューブ容器Bを製造した。このシール材付きチューブ容器Bは、アルミニウム箔を用いず、酸素バリア性、水蒸気、保香性等のバリア性、印刷適性、強度、剛度、ヒートシール性、易開封性に優れ、また、チューブ容器用シール材Aのタブ15をつまんで引き剥がしやすいものであった。
[比較例1]
第三基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層しない以外は、実施例1と同様に操作して、チューブ容器用シール材を得て、シール材付きチューブ容器を作製して、同様に評価した。チューブ容器用シール材の層構成は以下の通りである。
第一基材層PETフィルム(12μm)/印刷層/第一接着層DL接着剤/第二基材層PETフィルム(12μm)/バリア層シリカ蒸着/ガスバリア性塗布膜/第二接着剤層DL接着剤/シーラント層イージーピール性LLDPEフィルム(30μm)
[引裂き強度]
次に、これらチューブ容器用シール材A(実施例1および比較例1)の引裂き性については、エルメンドルフ法でチューブ容器用シール材4枚を1サンプルとして3サンプルについて引裂き強度を測定した。引裂き強度の測定はJIS規格7128-3:1998に準拠した。枠内の数値は平均値(最小値~最大値)である。この結果を表1に示す。
Figure 0007088128000001
表1からも明らかなように、実施例1のチューブ容器用シール材Aは、比較例1に比べて引裂き強度が高くなっている。また、実施例1、比較例1のシール材にて作製されたシールに設けられたタブを指でつまんでチューブの口部11の先端部より開封したところ、実施例1のシールは比較例1のシールに比べて、容易に引っ張ることができ、内容物をチューブ容器よりスムーズに取出すことができた。この理由としては、実施例1では、基材フィルム層を三層の積層構造であるので、チューブ容器用シール材Aのタブ15を指でつまんでチューブ容器の口部11の先端から開封する際、シールが破断することがないためである。また、実施例1のシールは比較例1のシールに比べ、カールすることなく、平滑であるので、シールのタブを指でつまんで開封しやすいためである。
[ヒートシール強度]
チューブ容器用シール材(実施例1および比較例1)のシーラント層とチューブ容器の口部とのヒートシール強度については、保存前(初期)と、40℃、90%RHにて1か月保存後のチューブ容器用シール材のヒートシール強度を測定した。
具体的には、まず、チューブ容器用シール材Aのシーラント層10の面とチューブ容器14の口部11の先端部が対向するように重ね合せ、ヒートシール条件、160℃、1MPa、1秒でヒートシールした。続いて、チューブ容器Bの開放端部(底部)から内容物として、チョコレートクリーム100gと、明太子100gを夫々充填し、底部をヒートシールにてシールした。次に、シール材のシーラント層とチューブ容器の口部の溶着している箇所に15mm巾の切り込みを入れ、引張圧縮試験機(オリエンテック社製SA-1150)を用いて300mm/分の速度、荷重レンジ50N、測定回数3回で測定した。ヒートシール強度は、JIS K 7161-7165に準拠した。この結果を表2に示す。なお、表2の初期とは、同条件でヒートシールした際の(保存前)のヒートシール強度である。
Figure 0007088128000002
表2に示されたとおり、実施例1チューブ容器用シール材は、いずれシール材も初期、1か月後において、比較例1と比較して、遜色ないヒートシール強度を有するものであった。
[耐圧強度、破袋強度]
実施例1および比較例1で得られたシール付きチューブ容器の開放端部(底部)から内容物として、チョコレートクリーム100gと、明太子100gを夫々充填し、底部をヒートシールにてシールした。保存前(初期)と、40℃、90%RHにて1か月保存後のチューブ容器について、耐圧試験機(城南オートマチック株式会社製、JY1507-6)を用いて、チューブ肩部12より45mm下方のチューブ胴部13に荷重600Nをかけたままで1分間保持して、破袋の有無を確認した。
<評価基準>
○:破袋していなかった。
×:破袋していた。
また、破袋強度はチューブ容器の底部シール部が破袋したときの荷重を記録した。この結果を表3に示す。
Figure 0007088128000003
表3に示されたとおり、実施例1および比較例1のシール材付きチューブ容器は、いずれもシール材の部分から破断することなく、チューブ容器の底部シール部から破袋した。また、実施例1のシール材は、初期、1か月後において比較例1と比較して、遜色ない耐圧強度および破袋強度を有するものであった。
1 第一基材層
2 印刷層
3 第一接着層
4 第二基材層
5 無機酸化物の蒸着薄膜層
6 ガスバリア性塗布膜
7 第二接着層
8 第三基材層
9 第三接着層
10 シーラント層
11 口部
12 肩部
13 胴部(筒状胴部)
14 チュ-ブ容器
15 開封用の摘まみ(タブ)
20 ラミネート積層体
22、22´ 両端部(貼り合わせ端部)
23 ヒートシール部
25 一方の開口部
26 他方の開口部
A シ-ル材
B シ-ル材付きチュ-ブ容器

Claims (3)

  1. チューブ容器の口部をシールするためのシール材であって、
    シール材は、外側から順に、基材層と、シーラント層と、を含む積層構造を有する積層体であって、
    前記基材層は、延伸フィルムを有する第一基材層と、
    延伸フィルムを有する第二基材層と、
    延伸フィルムを有する第三基材層を具備し、
    前記第二基材層は、前記第二基材層の延伸フィルム上に設けられた無機酸化物の蒸着薄膜層と、前記無機酸化物の蒸着薄膜層上に設けられたガスバリア性塗布膜と、を備えたフィルムであって、
    前記無機酸化物の蒸着薄膜層は、前記第一基材層側に設けられており、
    前記第三基材層は、前記第二基材層と前記シーラント層との層間にあり、
    前記第一基材層、前記第二基材層および前記第三基材層は、同一の樹脂および同一の厚さであることを特徴とするチューブ容器用シール材。
  2. 前記第一基材層、前記第二基材層および前記第三基材層は、二軸延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ容器用シール材。
  3. 請求項1乃至2のいずれか一項に記載のチューブ容器用シール材でその口部の少なくとも一部に接合部を有することを特徴とするシール材付きチューブ容器。
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