JP7439405B2 - チューブ容器用積層体およびチューブ容器 - Google Patents

チューブ容器用積層体およびチューブ容器 Download PDF

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Description

本発明は、チューブ容器用積層体およびチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器用積層体は、外部からの水蒸気や酸素バリア性、遮光性のためにアルミニウム箔を中間層に用い、その外面および内面に熱可塑性樹脂からなるシーラント層を積層したものが使用されていた。
また、チュ-ブ容器用積層体は、通常、その外面に、所望の絵柄模様と共に、品名、製造者、販売者、その他の所定の事項を表示する印刷絵柄層が形成されている。そして、上記の印刷絵柄層は、一般的に、チュ-ブ容器用積層体を構成する中間層として、印刷基材層を設け、その裏面に、予め、グラビア印刷方式等により形成されていた。このため、チュ-ブ容器用積層体は、ドライラミネート用接着剤を介在させ、4層以上の多層構成の積層フィルムで胴部を形成することが多かった。
さらに、チュ-ブ容器においては、倒立チュ-ブ等のように直接店頭に陳列される場合もある。
しかし、アルミニウム箔を含む積層フィルムからなる胴部のラミネートチューブ容器は、胴部を構成する積層フィルムにアルミニウム箔を含むため、チューブ容器から内容物を絞り出した後、チューブ容器が元に戻る、いわゆるエアバッグ機能がないため、倒立チューブ容器としては適していないものだった。このため、基材層には、チューブ容器が元に戻る、いわゆるエアバッグ機能をもつ基材フィルム層を積層することが多かった。
また、アルミニウム箔を使用せずに、ガスバリア層として、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムなどを使用したものがある。このような構成は、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、著しく低下し、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
例えば、特許文献1は、アルミニウム箔を使用せずに、ガスバリア層としてアルミニウム蒸着基材フィルム層を設け、エアバッグ機能をもつたチューブ容器が提案されている。
特開2001-301777号公報
しかし、アルミニウム蒸着層の外側に白色隠蔽層を設けたとしても、黒ずんだ白色となり、十分な隠蔽性を出すことができなかった。
本発明は、このような状況においてなされたものであり、その目的は、生産性を有すると共に、印刷視認性、ガスバリア性および遮光性に優れたチューブ容器用積層体およびそれを用いたチューブ容器を提供することにある。
すなわち、本発明のチューブ容器用積層体は、外側から内側に向かって、少なくとも、第一シーラント層と、透明ガスバリア層を有する基材フィルム層と、印刷層と、第二シーラント層が積層され、かつ、前記第二シーラント層が、乳白ポリエチレン系樹脂を含み、かつ、前記透明ガスバリア層が、無機酸化物からなる蒸着層を含み、かつ、前記第一シーラント層の厚みは、前記第二シーラント層の厚みよりも薄いことを特徴とする。
また、本発明のチューブ容器は、チューブ容器用積層体の内面側シーラント層と外面側シーラント層とが対向するように、前記チューブ容器用積層体の両端を重ね合わせてなる筒状胴部の一方の開口部に、肩部と口部とを備えた頭部を設けることを特徴とする。
本発明によれば、生産性を有すると共に、印刷視認性、ガスバリア性および遮光性に優れたチューブ容器用積層体およびそれを用いたチューブ容器を提供することができる。
本発明にかかるチューブ容器用積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図1に示すチューブ容器用積層体を使用して製造した本発明にかかるキャップ付きチューブ容器の構成を示す側面図であって、キャップが閉鎖状態にあるときの図である。 図1に示すチューブ容器用積層体を使用して製造した本発明にかかるキャップ付きチューブ容器の構成を示す側面図であって、キャップが解放状態にあるときの図である。 図1に示すチューブ容器用積層体を使用して製造した本発明にかかるキャップ付きチューブ容器の構成を示す部分垂直断面図である。 図1に示すチューブ容器用積層体を使用して製造した本発明にかかるキャップ付きチューブ容器の筒状胴部の接合部を示す水平断面図(図2のV-V線断面図)である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図2之至図4により、本発明によるチューブ容器用積層体55を使用して作成されたチューブ容器10について述べる。
チューブ容器10はチューブ容器用積層体55を含む筒状胴部50と、筒状胴部50に対して圧縮成形により樹脂を設けることにより作製された肩部12および口部11とを備えている。またチューブ容器の口部にキャップ20が装着される。
このような構成からなるチューブ容器10は、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図2に示すように、本発明によるチューブ容器用積層体55を用い、そのチューブ容器用積層体55の両端部を重ね合わせて、その重合部分の外側と内側とをヒートシールしてヒートシール部を形成して、筒状胴部50を製造する。次いで、上記の筒状胴部50を金型内に装着し、筒状胴部の一方の開口部に、例えば、圧縮成形法等の方法によって、肩部12および口部11を形成する。このようにして筒状胴部の一方の開口部に、肩部および口部が一体に成形されてチューブ容器10が作製される。そしてチューブ容器の口部にキャップ20が装着される。
次に、図1により本実施の形態によるチューブ容器用積層体55の概要について説明する。図1に示すように、チューブ容器用積層体55は、外側から内側に向かって順に配置された、第一シーラント層56と、第一接着層57aと、透明ガスバリア層53を有する基材フィルム層58と、印刷層54と、第二接着層57bと、第二シーラント層59とを備えている。また、一実施形態において、チューブ容器用積層体55は、基材フィルム層58と第一シーラント層56との間、または基材フィルム層58と第二シーラント層との間に、透明ガスバリア層53を備えている。
なお、図1に示すチューブ容器用積層体55において、例えば透明ガスバリア層53の上側に、ガスバリア性塗布膜が設けられていても良い。
なお、本明細書において、「外側」、「内側」とはチューブ容器用積層体55を用いてチューブ容器を作製した場合における「外側」および「内側」を意味する。
次に、チューブ容器用積層体の各層について説明する。
第一シーラント層56は、チューブ容器用積層体同士を接着させるための層である。第一シーラント層56を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料であれば良い。
第一シーラント層56は、基材フィルム層58に形成する印刷層を視認できるように透明であることが好ましい。
第一シーラント層56のヘイズ値(曇り度)が、24%以下、好ましくは、10%~20%位であることがより好ましい。このことにより印刷層の視認性に優れるチューブ容器用積層体55を提供することができる。
第一シーラント層56は、例えばポリオレフィンのフィルムを用いることができる。より具体的には、第一シーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール等その他の樹脂の1種ないしそれ以上からなるフィルムを使用することができる。
本実施の形態において、第一シーラント層56としては、上記の中でも、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンフィルムが扱いやすく、好ましい。
本実施の形態において、第一シーラント層56としては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いてフィルムないしシートを成形することができる。
なお、第一シーラント層56の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、帯電防止剤、難燃化剤、無機ないし有機充填剤等を任意に添加したものを使用しても良い。
また、本実施の形態において、第一シーラント層56の厚みは、第二シーラント層59の厚みよりも薄くなっている。第一シーラント層56の厚みを厚くしすぎないことで、基材フィルム層58に印刷層54を設けた際に、印刷層54の視認性が低下するのを抑制することができる。このため、チューブ容器の筒状胴部50の意匠性が低下することを抑制することができる。
更に、本実施の形態において、第一シーラント層56の厚みは、第二シーラント層59の厚みよりも薄いことにより、内側に位置する積層体55b(図5参照)の第二シーラント層59bが溶融した場合に、内側に位置する積層体55bの基材フィルム層58の第2端面58b、および第一シーラント層56bのうち、基材フィルム層58の第2端面58bよりも第2方向D2(図5参照)へ溶融した第一シーラント層56bを確実に覆うことができる。これにより、内側に位置する積層体55bと、外側に位置する積層体55aとの間の接合強度を高めることができる。
なお、本実施の形態において、第一シーラント層56の厚みは、好ましくは10μm以上200μm以下であり、更に好ましくは、30μm以上180μm以下である。
基材フィルム層58は、チューブ容器を構成する基本素材として、強度、強靭性、耐熱性を有する材料であればよい。
基材フィルム層58を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルムないしシート、その他を使用することができる。
上記の中でも、ポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が印刷適性、蒸着膜を形成する面で好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、純粋なポリエチレンテレフタレート樹脂および種々の変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を指すものである。
そして、基材フィルム層58としては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。中でも、本実施の形態において、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが、印刷適性の面で優れるので好ましい。
なお、本実施の形態において、基材フィルム層58の厚みは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、印刷層54は、チューブ容器における絵柄等を形成するための層である。
印刷層54は、上述した基材フィルム層上に、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方法によって形成できる。
絵柄としては、特に制限はなく、例えば、文字、図形、記号、模様等が挙げられる。
印刷層54は、最外面でなく、基材フィルム層の裏面に形成されることによって、外部からの衝撃で絵柄層の損傷を防止することができるので好ましい。
印刷層54としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。
透明ガスバリア層53は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。また、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性だけでなく、内容物に対する保香性等を有する材料を使用することができる。また、透明ガスバリア層53は、チューブ容器において印刷層54を容器外部から視認できるように、透明であることが好ましい。
具体的には、上記の透明ガスバリア層53としては、例えば、無機酸化物の蒸着層、金属酸化物の蒸着層、バリア性樹脂からなる樹脂コーティング膜からなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
無機酸化物または金属酸化物の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化インジウム錫(ITO)、又は、亜鉛、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、バリウム、クロム等の金属酸化物、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナが好ましい。
蒸着層を形成する方法としては、上記のような金属の酸化物を原料とし、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を利用して、基材フィルムの上に蒸着層を形成することができる。
更に、具体的に説明すると、上記のPVD法では、例えば、巻き取り式蒸着機を使用し、真空チャンバーの中で、巻き出しロールから出た樹脂フィルムを蒸着チャンバーの中に入れ、ここで、るつぼで熱せられた蒸着源を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素吹き出し口より酸素等を噴出させながら、冷却したコーティングドラム上の樹脂フィルムの上に、マスクを介して蒸着層を形成し、次いで蒸着層が形成された樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取ることによって、本発明にかかる蒸着層を有する樹脂フィルムを製造することができる。
一方、上記のCVD法では、蒸着チャンバー内に配置された巻き出しロールから繰り出した樹脂フィルム面に、蒸着チャンバー内の冷却、電極ドラム周面上において、蒸着原料揮発供給装置から供給される例えばモノマーガスとしての有機珪素化合物、酸素ガス、不活性ガスからなる混合ガスを導入し、プラズマによって酸化珪素の蒸着層が形成された樹脂フィルムを製造することができる。そして、本発明においては、上記のような無機酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルムにおいて、酸素ガス、あるいは、水蒸気等が透過することを阻止し、これらに対するバリア層としての機能を奏するものである。
上記において、蒸着層の厚さは、十分な酸素バリア性を得るためには、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましく、10~100nmがさらに好ましい。
更に詳しくは、上記のPVD法においては、酸化アルミニウムからなる蒸着層の厚さは、20~100nmが好ましく、30~50nm位がより好ましい。
また、上記のCVD法においては、酸化珪素からなる蒸着層の厚さは、5~50nmが好ましく、10~30nmがより好ましい。
なお、上記において、総じて、金属酸化物、無機酸化物からなる蒸着層の場合は、蒸着層の厚さが200nmを超えると、蒸着層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくない。また、10nm未満であると、酸素バリア性を奏することが困難になることから好ましくないものである。
バリア性樹脂からなるコーティング膜としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルがおよそ79質量%~92質量%)を完全ケン化したエチレン含有率25モル%~50モル%のエチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、その他等を使用することができる。
ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。
本実施の形態において、ガスバリア性塗布膜は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
ガスバリア性塗布膜は、無機酸化物から構成される蒸着層と隣接するように設けることにより、蒸着薄膜層におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
本実施の形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
1 nM(OR2m
(ただし、式中、R1、R2は、それぞれ、炭素数1~8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、R1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基およびi-ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH34)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC254)、テトラプロポキシシラン(Si(OC374)、テトラブトキシシラン(Si(OC494)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1~20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよび/またはエチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、リサイクル性を維持しつつ、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、無機酸化物から構成される蒸着薄膜層と隣接するように設けた場合に、蒸着薄膜層におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N-ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル-ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20~250℃、好ましくは50~220℃の温度で、1秒~10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
第二シーラント層59は、チューブ容器用積層体55同士を接着させるための層である。第二シーラント層59を構成する材料としては、例えば上述した第一シーラント層56と同様の材料を用いることができる。
また、第二シーラント層59は、例えば、太陽光等の光を遮光する性質を有する遮光性素材使用することが好ましい。遮光性素材としては、樹脂に顔料等の着色剤、更に、その他等の所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記の中でも、特に乳白ポリエチレン系フィルムが用いられることがチューブ容器用積層体上における印刷の色彩の鮮明さを際立たせることができるので好ましい。
乳白ポリエチレン系樹脂フィルムとしては、熱可塑性樹脂を主成分とし、これに、乳白顔料、その他の添加剤を任意に含有したものである。
上記の乳白顔料は、樹脂成分を着色し、遮光性等を付与するために添加するものであり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色顔料ないし体質顔料等を使用することができる。
乳白顔料が熱可塑性樹脂に対する質量比で、3~15質量%の範囲で含有されることにより、遮光性を有した乳白ポリエチレン系樹脂フィルムを安定して製膜することができるので好ましい。
乳白ポリエチレン系樹脂フィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とし、これに、乳白顔料、その他の添加剤を任意に添加して白色樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した白色樹脂組成物と透明な樹脂組成物とを使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いて製造することができる。具体的には、上記で調製した白色樹脂組成物と透明な樹脂組成物とを使用し、例えば、フィードブロック法、マルチマニホールド法等の多層Tダイキャスト成形法、あるいは、多層インフレーション成形法、更には、その他の成形方法を使用して、乳白ポリエチレン系樹脂フィルムを形成することができる。
上記の第二シーラント層59の厚さは、通常、10μm~300μmが好ましく、50μm~250μmがより好ましい。
第一接着層57aおよび第二接着層57bといった接着層は、第一シーラント層56、基材フィルム層58、第二シーラント層59などを接着するための層である。この接着層は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択することができる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
また、接着層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、接着層の厚さは、1μm以上6μm以下であることが好ましい。
また、第一シーラント層56、基材フィルム層58、第二シーラント層59などを積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
また、チューブ容器用積層体55には、必要に応じて印刷層54と第二シーラント層59の層間に、中間層が設けられていても良い。中間層は、チューブ容器用積層体の厚さを調整するために設けられる。中間層にはオレフィン樹脂を用いることができる。より具体的には、中間層としては、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレンフィルムが用いられることが好ましい。中間層の厚さは例えば50μm以上200μmであることが好ましい。
ところで、図5に示すように、本実施の形態においては、接合部52において、胴部50の径方向の外側(以下、単に外側という)に位置する積層体55aの第一シーラント層56aが溶融して、外側に位置する積層体55aの基材フィルム層58の第1端面58aを覆うとともに、胴部50の径方向の内側(以下、単に内側という)に位置する積層体55bの第一シーラント層56bに接着している。これにより、外側に位置する積層体55aと、内側に位置する積層体55bとの間の接合強度を高めることができる。このため、外側に位置する積層体55aが、内側に位置する積層体55bから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。なお、図5において、図面を明瞭にするために、透明ガスバリア層53、印刷層54、第一接着層57aおよび第二接着層57bの図示を省略している。
この場合、外側に位置する積層体55aの第一シーラント層56aのうち、基材フィルム層58の第1端面58aよりも第1方向(基材フィルム層58の第2端面58bから第1端面58aへ向かう方向)D1へ溶融した第一シーラント層56aの第1方向D1に沿った長さL1は、例えば0.40mm以上0.80mm以下程度とすることができる。
また、接合部52において、内側に位置する積層体55bの第二シーラント層59bが溶融して、内側に位置する積層体55bの基材フィルム層58の第2端面58bを覆うとともに、外側に位置する積層体55aの第二シーラント層59aに接着している。これにより、内側に位置する積層体55bと、外側に位置する積層体55aとの間の接合強度を高めることができる。このため、内側に位置する積層体55bが、外側に位置する積層体55aから剥がれてしまう不具合を抑制することができる。
この場合、内側に位置する積層体55bの第二シーラント層59bのうち、基材フィルム層58の第2端面58bよりも第2方向(基材フィルム層58の第1端面58aから第2端面58bへ向かう方向)D2へ溶融した第二シーラント層59bの第2方向D2に沿った長さL2は、例えば0.40mm以上0.80mm以下程度とすることができる。
また、内側に位置する積層体55bの第一シーラント層56bは、基材フィルム層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融している。これにより、内側に位置する積層体55bと、外側に位置する積層体55aとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第一シーラント層56bが基材フィルム層58の第2端面58bよりも、第2方向D2へ溶融することにより、内側に位置する積層体55bの厚みを、第2方向D2へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、内側に位置する積層体55bの端縁55cに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、内側に位置する積層体55bが、外側に位置する積層体55aから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。この結果、内側に位置する積層体55bが、外側に位置する積層体55aから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
この場合、内側に位置する積層体55bの第一シーラント層56bのうち、基材フィルム層58の第2端面58bよりも第2方向D2へ溶融した第一シーラント層56bの第2方向D2に沿った長さL3は、例えば0.10mm以上0.50mm以下程度とすることができる。
また、外側に位置する積層体55aの第二シーラント層59aは、基材フィルム層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融している。これにより、外側に位置する積層体55aと、内側に位置する積層体55bとの間の接合強度を更に高めることができる。また、第二シーラント層59aが基材フィルム層58の第1端面58aよりも、第1方向D1へ溶融することにより、外側に位置する積層体55aの厚みを、第1方向D1へ向かうにつれて、徐々に薄くすることができる。これにより、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、外側に位置する積層体55aの端縁55dに、局所的に大きな力が作用することを抑制することができる。このため、接合部52を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部52において、外側に位置する積層体55aが、内側に位置する積層体55bから剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制することができる。この結果、外側に位置する積層体55aが、内側に位置する積層体55bから剥がれてしまう不具合を効果的に抑制することができる。
この場合、外側に位置する積層体55aの第二シーラント層59aのうち、基材フィルム層58の第1端面58aよりも第1方向D1へ溶融した第二シーラント層59aの第1方向D1に沿った長さL4は、例えば0.10mm以上0.50mm以下程度とすることができる。
また、上述した接合部52において、外側に位置する積層体55aの基材フィルム層58と、内側に位置する積層体55bの基材フィルム層58とが重なり合う領域の第2方向D2に沿った長さL5は、例えば1.0mm以上1.5mm以下程度とすることができる。
なお、図5において、積層体55a、55bは、平坦状に示されているが、実際には円弧状に丸められている。このため、上述した長さL1乃至L5は、胴部50の周方向に沿った長さをいう。
次に、チューブ容器10の頭部部材40について説明する。
頭部部材40は、口部11と、口部11下方に設けられた肩部12とを有している。
このうち口部11は、キャップ20の後述する内筒部28が螺着されるねじ部14を有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
また、肩部12は、口部11側から胴部50側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。この肩部12は、水平断面が円形状の形状をもっている。
また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。上記において、チューブ容器の頭部部材40としては、上記のような高密度ポリエチレンの他に、更に、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体等を使用することもできる。
次に、チューブ容器の胴部50について説明する。図2に示すチューブ容器の胴部50は、全体として略円筒形状を有している。この胴部50は、ラミネート成形されたチューブ容器用積層体55(図1参照)から構成されており、このチューブ容器用積層体55を円筒状に丸め、対向する端部同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたものである。このため、胴部50は、その長手方向に沿ってチューブ容器用積層体同士を互いに接合した接合部52を有している。
この胴部50の厚みは、例えば300μm以上380μm以下であることが好ましい。胴部の厚みが300μm以上であることにより、チューブ容器の胴部において、所定の強度を保つことができる。これにより、チューブ容器を倒立させて置いた際に、胴部の自立性および保形性を保つことができる。また、胴部の厚みが380μm以下であることにより、チューブ容器用積層体の製造コストを低減することができるとともに、頭部部材を圧縮成形法で成形する際の成形性を確保することができる。
チューブ容器の筒状胴部を製造する際のヒートシール(溶着)する方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シール等を挙げることができる。
また、本実施の形態によるチューブ容器の頭部部材40と、筒状胴部50との接合は、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、チューブ容器の頭部部材と、筒状胴部との接合は、射出成形法により行われても良い。
次に、キャップ20について説明する。
図2之至図4に示すように、キャップ20は、ヘッド21と、ヘッド21に連結されたカバー22とを有している。ヘッド21とカバー22とは、中央にヒンジ25が設けられた一対の連結体23を介して互いに連結されている。これにより、カバー22は、ヘッド21に対して、連結体23のヒンジ25を軸として自由に回動可能であり、ヘッド21の上面を覆う蓋としての機能を果たす。なお、ヘッド21、カバー22および一対の連結体23は、射出樹脂により一体形成されている。
ヘッド21は、チューブ容器に取り付けられる内筒部28と、内筒部の径方向外側に位置する外筒部27と、内筒部および外筒部の上方に設けられ、注出口26が形成された上板29とを有している。このうち、内筒部28は、頭部部材40の口部11に取り付けられている。これら上板29、外筒部27および内筒部28は、射出樹脂により一体形成されている。上板29は、平板状であり、平面視略円形状を有している。また、上板29の略中央部には下方に突出したインナーリング29aが設けられ、頭部部材の口部11との嵌合をより完全なものとしている。また、注出口26は、注出時の使い勝手を良くし、カバーの栓部との嵌合を容易にするために、連結体23から離れるよう偏心して設けられている。なお、注出口26は、上板の略中心部に設けられても良い。
カバー22は、平らな蓋板32と、蓋板32の周辺を取り囲むように形成された略円筒状の側壁33とを有している。蓋板32には下方に突出したインナーリング35が設けられ、注出口26の内壁の嵌合部36との嵌合をより完全なものとしている。カバーの側壁33の端部内側で回転半径の最も大きな部分には突起37が形成されている。この突起37が、ヘッド21の上板29の上面に形成された凹陥部38に嵌合することにより、カバー22は上板29上に確実に係止される。また、蓋板32のヒンジ25を回転軸とする回転半径の最も大きな部分にカバー22を開き易くする突出片39が設けられている。
図2之至図4に示すように、カバー22の表面(閉鎖された蓋板32の表面)は平らに成形されているので、チューブ容器に内容物を充填することにより作製された商品は、倒立性(頭部を下にした時の自立性)を有し、店頭における展示陳列時および使用場所での不使用時には、倒立させて置くことができる。さらに蓋板32の中央部を僅かに凹面化させることで、自立を安定化することもできる。また、カバーの指先での開放操作のため、カバーに突出片を設け、さらにキャップの閉鎖時における突出片39の下部にあたる外筒部27の一部を、他の部分より内側に削った窪み部31を形成し、指が突出片に掛かり易くしている。
そして、本発明においては、上記で製造したチューブ容器が完成される前の下端部の開口部から充填包装する内容物を充填し、次いでその開口部をヒートシールして底溶着部を形成して、チューブ包装体を製造することができる。
上記において、充填包装される内容物としては、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練りがらし、練りわさび、クリーム、絵の具、軟膏、医薬品、その他等を挙げることができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、基材フィルムの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)の表面に、ガスバリア層として、酸化珪素を20nm蒸着した。
次に、水385g、イソプロピルアルコール67g及び0.5N塩酸9.1gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン175gと、シランカップリング剤としてグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
また、水溶性高分子として、ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
次いで、溶液Aと溶液Bとを重量比6.5:3.5となるよう混合し、バリアコート剤を調製し、これを、蒸着膜上にスピンコート法により塗布し、加熱処理を施し、乾燥状態で厚さが0.3μmのガスバリア性塗布膜を形成した。
さらに基材フィルムの裏面にポリウレタン系グラビアインキによって、美麗な絵柄印刷層を形成した。
他方、第二シーラント層として、線状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする樹脂組成物に白色顔料(5質量%含有)を含む乳白色線状低密度ポリエチレンフィルムを製造し、更にその一方の面に、コロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を作成した。
次に、前記の絵柄印刷層表面に、ロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネートの2液硬化型ウレタン接着剤)を乾燥後の重量が4g/m2になるよう塗布し、第二シーラント層として、厚さ210μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムのコロナ処理面側を積層して、積層フィルムを得た。
そして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側の表面に、ドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤を乾燥後の重量が4g/m2になるよう塗布した後、第一シーラント用に厚さ130μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを積層して、下記層構成の厚さ360μmのチューブ容器用積層体の原反を得た。なお、蒸着面は基材フィルムの外側である。蒸着面を外側にすることにより、蒸着面を内面にする場合に比較して、内容物による蒸着面へのアタックが緩和されて、蒸着面の劣化が抑えられる場合がある。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/ガスバリア性塗布膜バリアコート剤/ガスバリア層酸化珪素膜/基材フィルム二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層乳白LLDPEフィルム(210μm)(内側)
上記で得られたチューブ容器用積層体を用いて、マンドレルを利用して一方の側辺部と他方の側辺部とを重ね合わせて筒状に成形し、重ね合わせ部における積層体の裏面層と表面層とを熱溶着法により溶着することによって筒状成形体を得た。
引き続いて、このチューブ容器胴部に頭部部材を圧縮成形法により一体成形することにより、本発明の実施例1に係るチューブ容器を得た。頭部部材の材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。
このようにして、チューブ容器10を作製した。
このチューブ容器は、筒状胴部の基材フィルム(中間層)の裏刷りによる美麗な印刷模様等を視認でき、ラミネートチューブ容器の外観に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性、耐内容物性等に優れ、例えば、練り歯磨き、食品、化粧品、医薬品、その他等の内容物の充填包装に適し、倒立チューブ容器に適するものであった。
(実施例2)
第一シーラント層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。
(比較例1)
第二シーラント層の厚みおよびチューブ容器用積層体の総厚みを変更した以外は、実施例1と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。
(比較例2)
第一シーラント層と第二シーラント層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。
(比較例3)
基材フィルムの表面に酸化珪素を蒸着せず、基材フィルムと第二シーラント層の間にガスバリア層として、アルミニウム蒸着膜(50nm)を有する厚さ12μの2軸延伸ポリエステルフィルムを設けた以外は、実施例2と同様にして、下記層構成のチューブ容器用積層体の原反を得て、ラミネートチューブ容器を作製した。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(100μm)/接着剤層DL接着剤/基材層PETフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/バリア層(蒸着面)アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(210μm)(内側)
(比較例4)
第二シーラント層として、白色顔料を含有しない線状低密度ポリエチレンフィルムを用いると共に、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂からなるバインダ樹脂中に、酸化チタン顔料及び各種添加剤を添加し、溶剤を用いて混錬した白インキ(東洋インキ株式会社製品名NEWLPスーパー)を用いた以外は、実施例1と同様にして、チューブ容器用積層体の原反を得て、チューブ容器を作製した。
すなわち、基材層用の厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、印刷インキをグラビア印刷法により裏刷り印刷して絵柄印刷層を設け、この絵柄印刷層の上に、上記白インキをグラビア印刷法により2回ベタ印刷し、下記層構成のチューブ容器用積層体の原反を得た。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(180μm)/接着剤層DL接着剤/基材層PETフィルム(12μm)/ガスバリア層酸化珪素膜/ガスバリア性塗布膜バリアコート剤/絵柄印刷層/白ベタ印刷層/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
上記で得られた実施例1~2および比較例1~4におけるチューブ容器用積層体に対して印刷外観、酸素透過度、水蒸気透過度、ヘイズ、ループステフネスの各評価を行った。なお、参考のため、第一シーラントLLDPEフィルムのヘイズを測定した。
1)印刷視認性:目視で下記基準にて判定した。
〇:絵柄印刷が鮮明である。
×:絵柄印刷がやや不鮮明である。
2)酸素透過度:温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機(機種名、オクストラン(OXTRAN))にて測定した。なお、酸素透過度はチューブ容器用積層体の原反の状態で測定した。
3)水蒸気透過度:温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ-マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。なお、水蒸気透過度はチューブ容器用積層体の原反の状態で測定した。
4)ヘイズ:ヘイズ透過率メーターを使用し、ヘイズ及び全光線透過率値を測定した。なお、全光線透過率は、絵柄印刷層が形成されていない領域のチューブ容器用積層体を測定した。なお、比較例4の全光線透過率は、絵柄印刷層が形成されていない白ベタ印刷領域を測定した。
5)ループステフネス:積層体を、幅20mm、長さ150mmに切り出し、剛性試験機(東洋精機製作所社製、商品名:ループステフネステスタ)を用いてフィルムの剛性(N)の測定を行った。ループの長さは60mmとした。
評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
Figure 0007439405000001
実施例1および2は、いずれも良好な印刷視認性、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性、フィルム剛性、遮光性、チューブ容器製造適性に優れるものであった。
一方、比較例1は、総厚みが実施例より薄く、剛性、復元性に劣り、倒立チューブとして適さないものだった。また、比較例2および4は、チューブ容器の外側にある第1シーラント層のフィルムのヘイズが高くなるため、印刷絵柄層が白っぽくもやがかかっているように見え、やや不鮮明であった。また、比較例3は、フィルム4層をラミネートしなければならず、フィルム3層をラミネートする実施例と比べて生産性に劣ると共に、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性に劣るものであった。更に、比較例4は、実施例より遮光性に劣るものであった。
10 チューブ容器
10A キャップ付きチューブ容器
11 口部
12 肩部
14 ねじ部
20 キャップ
21 ヘッド
22 カバー
23 連結体
25 ヒンジ
26 注出口
27 外筒部
28 内筒部
29 上板
29a インナーリング
31 窪み部
32 蓋板
33 側壁
35 インナーリング
36 嵌合部
37 突起
38 凹陥部
39 突出片
40 頭部部材
50 胴部
52 接合部
53 透明ガスバリア層
54 印刷層
55 チューブ容器用積層体
56 第一シーラント層
57a 第一接着層
57b 第二接着層
58 基材フィルム層
59 第二シーラント層

Claims (4)

  1. 外側から内側に向かって、少なくとも、第一シーラント層と、透明ガスバリア層を有する基材フィルム層と、印刷層と、第二シーラント層が積層された積層体であって
    かつ、前記第二シーラント層が、乳白ポリエチレン系樹脂を含み、
    かつ、前記透明ガスバリア層が、無機酸化物からなる蒸着層を含み、
    かつ、前記第一シーラント層の厚みは、前記第二シーラント層の厚みよりも薄く、
    かつ、前記第一シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレンを含み、
    かつ、前記積層体全体の全光線透過率は、20%以下であることを特徴とするチューブ容器用積層体。
  2. 前記チューブ容器用積層体の厚みは、300μm以上380μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器用積層体。
  3. 前記透明ガスバリア層が、更にガスバリア塗布膜を含むことを特徴とする請求項1から2の何れか一項に記載のチューブ容器用積層体。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のチューブ容器用積層体の第一シーラント層と第二シーラント層とが対向するように、前記チューブ容器用積層体の両端を重ね合わせてなる筒状胴部の一方の開口部に、肩部と口部とを備えることを特徴とするチューブ容器。

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