JP4076037B2 - バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 - Google Patents

バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材に関し、更に詳しくは、酸素ガスおよび水蒸気等に対するバリア性に優れ、更に、透明性、耐熱性、柔軟性等に優れたバリア性フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲食品、医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装するために、種々の包装用材料が、開発され、提案されている。
而して、上記の包装用材料は、内容物の変質等を防止するため、主に、酸素ガスあるいは水蒸気ガスに対する遮断性、いわゆる、ガスバリア性が強く要求されるものである。
ところで、酸素ガスあるいは水蒸気ガス等に対するバリア性素材としては、例えば、アルミニウム箔、あるいは、プラスチックフィルムの上にアルミニウムを真空蒸着法等により真空蒸着してなるアルミニウム蒸着樹脂フィルム、更に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂あるいは塩化ビニリデンと他のモノマ−との共重合体樹脂からなるフィルム若しくはプラスチックフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン系樹脂をコ−トした樹脂フィルム、あるいは、ポリビニルアルコ−ルあるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体のケイ化物からなるフィルム、更にまた、プラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルム、若しくは、低温プラズマ化学蒸着法(CVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルム等が知られている。
これらのバリア性素材は、他のプラスチックフィルム、あるいは、紙基材、その他等の素材と積層し、例えば、飲食品、医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装するに有用な包装用材料を提供している。
【0003】
【発明が解決しよとする課題】
しかしながら、上記のようなバリア性素材は、確かに、酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性等を有し、それなりの効果を期待し得るものであるが、未だに、充分に満足し得るものではないと言うのが実状である。
例えば、上記のアルミニウム箔については、酸素ガス、水蒸気ガス等に対するガスバリア性は極めて優れているバリア性素材であるが、現在、使用後の廃棄処理が問題になっている他、更に、基本的には、不透明な素材であることから、内容物を充填包装した包装製品において、外から内容物を視認し得ないという問題点がある。
次に、上記のプラスチックフィルムの上にアルミニウムを真空蒸着法等により真空蒸着してなるアルミニウム蒸着樹脂フィルムについては、上記のアルミニウム箔と同様に、使用後の廃棄処理、外から内容物を視認し得ないという問題点があるばかりではなく、ガスバリア性はアルミニウム箔よりも劣るため、必ずしも満足し得るバリア性素材ではない。
【0004】
更に、上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂あるいは塩化ビニリデンと他のモノマ−との共重合体樹脂からなるフィルム若しくはプラスチックフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン系樹脂をコ−トした樹脂フィルムについては、樹脂系のバリア性素材として広く使用されているが、使用後の焼却処理において塩素系ガスを発生することから、環境保護の点において好ましくなく、更に、樹脂系であることから、ガスバリア性が必ずしも十分ではなく、高度のバリア性が要求される内容物の充填包装には使用できないと言うのが実状である。
次に、上記のポリビニルアルコ−ルあるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるフィルムについては、絶乾条件においては、比較的優れた酸素ガスバリア性を示すが、水蒸気ガスバリア性は十分ではなく、また、湿度条件下においては、酸素ガスバリア性も著しく悪化し、現実的な条件下では十分に満足し得るバリア性素材とは言い得ないものである。
上記の湿度依存性を改良するために、種々の方法等が開発され、提案されているが、例えば、真空蒸着法等を利用し、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を蒸着する方法等が提案されているが、湿度70%以上の高湿度条件下では酸素ガスバリア性の悪化を改善することはできないものである(特開平4−7139号公報参照)。
【0005】
次にまた、上記のプラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムについては、酸素ガス、水蒸気ガス等に対するガスバリア性は格段に向上し、しかも、無機酸化物の蒸着膜が透明性を有することから、充填包装した内容物を外から視認し得るという利点を有するが、基材フィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム等の耐熱性を有する基材フィルムしか真空蒸着できないことから、例えば、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、あるいは、低密度ポリエチレンフィルム等の耐熱性に劣る基材フィルムには、真空蒸着することが困難であることから、必ずしも、充分に満足し得るものであるとは言い得ないものである。
更に、上記の基材フィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用したものは、該ポリエチレンテレフタレ−トフィルムが、剛性を有し、硬く、更に、フィルムにしわ等を発生し易く、このため、柔軟性等を要求される包装用材料には不向きであるという問題点がある。
【0006】
更にまた、上記のプラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、低温プラズマ化学蒸着法(CVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムについては、蒸着膜の形成時に、基材フィルムに対する熱的ダメ−ジが少なく、種々のプラスチックフィルムに無機酸化物の蒸着膜を形成することができるという利点を有するものであり、近年、非常に注目されているものである。
例えば、耐熱性に劣るポリオレフィン系樹脂成形品にプラズマ化学蒸着法を利用して酸化珪素の蒸着膜を形成する方法が提案されている(特開平5−287103号公報参照)。
しかしながら、上記の方法において、シ−ラントフィルムを積層した後においては、酸素ガスバリア性は、5cc/m2 以上であり、必ずしも充分に満足し得る酸素ガスバリア性を達成することができるとは言い得ないというのが実状である。
また、上記において、酸素ガスバリア性を向上させるために、無機酸化物の蒸着膜の膜厚を1000Å以上に形成しなければならず、而して、このような場合には、耐熱性に劣るポリオレフィン系樹脂フィルムのプラズマ反応による強度劣化の問題点を解決しなければならないという問題点がある。
更に、無機酸化物の蒸着膜の膜厚を厚くすると、蒸着フィルム自身が、黄色味を呈し、飲食品等を充填包装する包装用材料として使用する場合には、商品性に影響を与えるという問題点もある。
そこで本発明は、酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優れ、更に、透明性、耐熱性、柔軟性等に優れたバリア性フィルムおよびそれを使用した積層材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜と、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の硬化膜とを組み合わせることに着目し、まず、基材フィルムの一方の面に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着薄膜の上に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これと、少なくとも、金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物によるコ−ティング硬化膜を設けてバリア性フィルムを製造し、而して、該バリア性フィルムに、他のプラスチックフィルム、あるいは、紙基材、その他等の素材を任意に積層して積層材を製造し、次に、該積層材を使用し、これを製袋ないし製函して包装用容器を製造し、該包装用容器内に、例えば、飲食品、医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装して包装製品を製造したところ、酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優れ、内容物の変質、改質等を防止して安定的に長期間の流通、保存適性等を有し、また、透明性に優れているので、外から内容物を視認し得ることができ、更に、柔軟性、耐熱性、ラミネ−ト強度等に優れ破袋等もなく、極めて優れた良好な包装製品を安価に製造し得ることができる有用なバリア性フィルムおよびこれを使用した積層材を見出して本発明を完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、基材フィルムの一方の面に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着薄膜の上に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これと、少なくとも、金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物によるコ−ティング硬化膜を設けたことを特徴とするバリア性フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
本発明にかかるバリア性フィルムおよびそれを使用した積層材についてその層構成を図面を用いて更に具体的に説明すると、図1は、本発明にかかるバリア性フィルムの層構成についてその一例を例示する概略的断面図であり、図2は、本発明にかかる積層材の層構成についてその一例を例示する概略的断面図である。
【0010】
まず、本発明にかかるバリア性フィルム1は、図1に示すように、基材フィルム2の一方の面に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜3を設け、更に、該無機酸化物の蒸着薄膜3の上に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これと、少なくとも、金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物によるコ−ティング硬化膜4を設けた構成からなることを基本構造とするものである。
次に、本発明にかかる積層材1aとしては、図2に示すように、上記の図1に示すバリア性フィルム1を構成するコ−ティング硬化膜4の面に、必要ならば、印刷絵柄層5を設け、更に、該印刷絵柄層5を含む全面に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層6を設けた構成からなることを基本構造とするものである。
なお、図2において、図中、2、3等は、前述と同じ意味である。
上記の例示は、本発明にかかるバリア性フィルムおよび積層材についてその一例を例示するものであり、本発明はこれにより限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の積層材においては、充填包装する内容物、その使用目的等に応じて、他のプラスチックフィルム、紙基材、その他等を、所望の位置に任意に積層して積層材を製造することができるものである。
【0011】
次に、本発明において、本発明にかかるバリア性フィルム、および、積層材を構成する素材、材料、製造法等について説明すると、まず、本発明にかかるバリア性フィルム、あるいは、積層材を構成する基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化部等のポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、インフレ−ション法、Tダイ法、その他等の製膜化法を用いて、上記の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の異なる樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、基材フィルムの膜厚としては、5〜200μm位、より好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
なお、上記において、樹脂の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
また、上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、強化剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0012】
また、本発明において、基材フィルムは、必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いて低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
上記の表面前処理は、無機酸化物の蒸着薄膜を形成する前に別工程で実施してもよく、また、例えば、低温プラズマ処理やグロ−放電処理等による表面処理の場合は、上記の無機酸化物の蒸着薄膜を形成する前処理としてインライン処理により前処理で行うことができ、このような場合は、その製造コストを低減することができるという利点がある。
上記の表面前処理は、基材フィルムと無機酸化物の蒸着薄膜との密着性を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密着性を改善する方法として、その他、例えば、基材フィルムの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成することもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
また、上記において、コ−ト剤層の形成法としては、例えば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコ−ト剤を使用し、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法を用いてコ−トすることができ、そのコ−ト時期としては、基材フィルムの2軸延伸処理後の後工程として、あるいは、2軸延伸処理のインライン処理等で実施することができる。
なお、本発明において、基材フィルムとしては、具体的には、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、または、2軸延伸ナイロンフィルムを使用することが望ましいものである。
【0013】
次に、本発明において、本発明にかかるバリア性フィルム、あるいは、積層材を構成する物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜について説明すると、かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着薄膜を形成することができる。
本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して基材フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
本発明において、物理気相成長法による無機酸化物の薄膜薄膜を形成する方法について、その具体例を挙げると、図3は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図3に示すように、巻き取り式真空蒸着装置11の真空チャンバ−12の中で、巻き出しロ−ル13から繰り出す基材フィルム2は、ガイドロ−ル14、15を介して、冷却したコ−ティングドラム16に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム16上に案内された基材フィルム2の上に、るつぼ17で熱せられた蒸着源18、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素吹き出し口19より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク20、20を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着薄膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成した基材フィルム2を、ガイドロ−ル15′、14′を介して送り出し、巻き取りロ−ル21に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を形成することができる。
【0014】
上記において、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着薄膜を使用することができる。
而して、包装用材料等に適するものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着薄膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着薄膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、包装用材料としては、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の薄膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着薄膜としては、無機酸化物の蒸着薄膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した積層体の状態でもよく、また、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の薄膜を構成することもできる。
【0015】
次に、本発明において、本発明にかかるバリア性フィルム、あるいは、積層材を構成するエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これと、少なくとも、金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物によるコ−ティング硬化膜について説明すると、かかるコ−ティング硬化膜としては、例えば、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の1種ないしそれ以上をビヒクルの主成分とし、これに、少なくとも、金属アルコキシド化合物の1種ないしそれ以上を添加し、更に、必要ならば、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に混練してなる溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等からなる樹脂組成物を調整し、而して、該樹脂組成物を使用し、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスロ−ルコ−ト法、スクイ−ズロ−ルコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、カ−テンフロ−コ−ト法、その他等のコ−ティング法により、コ−ティング量、例えば、0.1g/m2 〜10g/m2 (乾燥状態)位、好ましくは、0.5g/m2 〜5g/m2 (乾燥状態)位になるようにコ−ティングし、次いで、加熱乾燥、更には、エ−ジング処理等を施して、本発明にかかるコ−ティング硬化膜を形成することができる。
上記において、上記の樹脂組成物としては、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、金属アルコキシド化合物等を溶解ないし混練し、更に、これらを硬化させることから、アルコ−ル−水系溶液等を使用して調整した樹脂組成物を使用することが好ましく、而して、上記のアルコ−ル成分としては、例えば、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、エチルアルコ−ル、メチルアルコ−ル等を使用することができ、また、上記のアルコ−ル−水系溶液において、アルコ−ルと水との配合割合としては、例えば、アルコ−ル、50〜70重量部に対し水、50〜30重量部の割合で配合してアルコ−ル−水系溶液を調整することが望ましい。
【0016】
上記において、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体としては、例えば、酢酸ビニルの含有率が約79〜92wt%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を完全ケン化したエチレン含有率25〜50モル%のエチレン−ビニアルコ−ル共重合体を使用することができる。
上記のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体は、高いガスバリア性を有し、更に、保香性、透明性等に優れているものであり、而して、上記において、エチレン含有率が、50モル%以上のものは、酸素ガスバリア性が急激に低下し、また、透明性も悪くなることから好ましくなく、また、25モル%以下のものは、その薄膜がもろくなり、また、高湿度下において酸素ガスバリア性が低下して好ましくないものである。
【0017】
次にまた、上記において、金属アルコキシド化合物としては、例えば、アルコキシシラン化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタニウムアルコキシド化合物、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、テトラメトキシシラン〔Si(O−CH3 4 〕、テトラエトキシシラン〔Si(O−C2 5 4 〕、テトライソプロポキシシラン〔Si(O−iso−C3 7 4 〕、テトラブトキシシラン〔Si(0−C4 9 4 〕、ジメチルジメトキシシラン〔(H3 C)2 Si(O−CH3 2 〕、トリメトキシメチルシラン〔H3 CSi(O−CH3 3 〕、ジメチルジエトキシシラン〔(H3 C)2 Si(O−C2 5 2 〕等のアルコキシシラン化合物、テトラメトキシジルコニウム〔Zr(O−CH3 4 〕、テトラエトキシジルコニウム〔Zr(O−C2 5 4 〕、テトライソプロポキシジルコニウム〔Zr(O−iso−C3 7 4 〕、テトラブトキシジルコニウム〔Zr(0−C4 9 4 〕等のジルコニウムアルコキシド化合物、テトラメトキシチタニウム〔Ti(O−CH3 4 〕、テトラエトキシチタニウム〔Ti(O−C2 5 4 〕、テトライソプロポキシチタニウム〔Ti(O−iso−C3 7 4 〕、テトラブトキシチタニウム〔Ti(0−C4 9 4 〕等のチタニウムアルコキシド化合物等を挙げることができる。
上記の金属アルコキシド化合物としては、その取扱性、硬化反応性、経済性、その他等の点から、特に、アルコキシシラン化合物を使用することが好ましいものである。
本発明にかかる樹脂組成物において、上記のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体と上記の金属アルコキシド化合物との配合割合としては、金属アルコキシド化合物10重量部に対し、エチレン−ビニルアルコ−ルコ−ル共重合体0.1〜20重量部位の配合割合が好ましいものである。
【0018】
次に、上記の本発明にかかる樹脂組成物においては、二元反応性を有するシランカップリング剤を架橋剤等として添加することができる。
上記のシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルシリコ−ンの1種ないしそれ以上を使用することができる。
その使用量としては、微量添加するだけでよい。
【0019】
次にまた、上記の本発明にかかる樹脂組成物においては、上記のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、金属アルコキシド化合物、シランカップリング剤等を個々に、あるいは、相互に反応させて硬化させる硬化触媒を添加することができる。
上記の硬化触媒としては、例えば、水に実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第三アミン類、例えば、N.N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等、また、酸類として、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、酒石酸等の有機酸等を使用することができる。
その使用量としては、微量添加することで充分である。
【0020】
ところで、本発明において、上記のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これに、少なくとも、上記の金属アルコキシド化合物を添加し、更に、シランカップリング剤、硬化触媒等を添加し、更に、必要ならば、その他の添加剤を任意に添加し、アルコ−ル−水系溶剤、希釈剤等で充分に混練してなる樹脂組成物を調整し、これを通常のコ−ティング法でコ−ティングし、次いで、加熱乾燥、更には、エ−ジング処理等を施すことにより、コ−ティング硬化膜を形成することができる。
而して、上記のコ−ティング硬化膜は、酸素ガス、水蒸気ガス等に対するバリア性に優れ、更に、透明性、耐熱性、耐熱水性、その他等にも優れ、更にまた、無機酸化物の蒸着薄膜等に対する密接着性に優れているものである。
本発明においては、その反応機構等は、定かではないが、まず、金属アルコキシド化合物が、水等により加水分解して水酸基(例、シラノ−ル基)を生成し、更に、シランカップリング剤も同様に加水分解して水酸基(例、シラノ−ル基)等を生成し、次いで、これらの水酸基等とエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の水酸基等が個々に、あるいは、相互に脱水重縮合反応を起こし、架橋構造、あるいは、三次元状に網目構造のコ−ティング硬化膜を形成し、而して、かかるコ−ティング硬化膜により、上記のような作用効果を奏するコ−ティング硬化膜を形成し得るものであると推定されるものである。
更に、上記の水酸基、更には、シランカップリング剤の他方の反応性基等が、無機酸化物の蒸着薄膜を構成する金属、あるいは無機酸化物の蒸着薄膜表面上の活性な基と何らかの作用により、例えば、脱水縮合反応等の反応を起こして、無機酸化物の蒸着薄膜表面上に共有結合等で修飾され、更に、水酸基自体の無機酸化物の蒸着薄膜表面に吸着や水素結合等により強固な結合したコ−ティング硬化膜を形成するものと推定される。
【0021】
次にまた、本発明において、本発明にかかる積層材を構成する印刷絵柄層としては、例えば、上記のコ−ティング硬化膜の上に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリ−ンインキ組成物、その他等のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリ−ン印刷方式、その他等の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
上記において、各種のインキ組成物は、例えば、インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノ−ル系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、アセチルブチルセルロ−ス、エチルオキシエチルセルロ−ス等の繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂、アマニ油、大豆油等の油脂類、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、染料・顔料等の着色剤の1種ないし2種以上を加え、更に、必要ならば、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用することがてきる。
【0022】
次にまた、本発明において、本発明にかかる積層材を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂としては、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、ヒ−トシ−ル性樹脂層としては、上記のような樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、例えば、インフレ−ション法、Tダイ法、その他等の方法で製膜化してなる樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは、上記のような樹脂の1種ないしそれ以上をビヒクルの主成分として含む樹脂組成物によるコ−ティンイグ膜等の状態で使用することができる。
その膜厚としては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
【0023】
ところで、本発明においては、上記のような樹脂の中でも、特に、線状(直鎖状)低密度ポリエチレンを使用することが好ましいものである。
上記の線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
更に、本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性樹脂としての線状低密度ポリエチレンとしては、具体的には、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0024】
ところで、本発明にかかる積層材においては、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用容器を構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して使用し、これらを前述の本発明にかかる積層材を構成する材料の他に、更に、任意に加えて積層して所望の積層材を構成することができる。
而して、上記において、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0025】
次に、本発明において、本発明にかかるバリア性フィルム、印刷絵柄層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、更に、その他の材料等を使用して、本発明にかかる積層材を製造する方法としては、例えば、ラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ション法、あるいは、溶融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層を介して積層する押し出しラミネ−ション法等で行うことができる。
上記において、ラミネ−ト用接着剤としては、例えば、1液、あるいは、2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエ−テル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネ−ト用接着剤を使用することができる。
而して、上記のラミネ−ト用接着剤のコ−ティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、フォンテン法、トランスファ−ロ−ルコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位、より好ましくは、1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のラミネ−ト用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促進剤を任意に添加することができる。
次にまた、上記において、溶融押し出し接着性樹脂としては、前述のヒ−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂を同様に使用することができる。
而して、本発明において、溶融押し出し接着性樹脂としては、特に、低密度ポリエチレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエチレンを使用することが好ましいものである。
上記の溶融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層の膜厚としては、5〜100μm位、より好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある場合には、必要ならば、例えば、アンカ−コ−ト剤等の接着改良剤等をコ−トすることもできる。
上記のアンカ−コ−ト剤としては、具体的には、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系アンカ−コ−ト剤、イソシアネ−ト系アンカ−コ−ト剤、ポリエチレンイミン系アンカ−コ−ト剤、ポリブタジエン系アンカ−コ−ト剤、その他等の水性あるいは油性等の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のアンカ−コ−ト剤を、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法でコ−ティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥して、アンカ−コ−ト剤層を形成することができる。
上記のおいて、アンカ−コ−ト剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0026】
上記のようにして製造した本発明にかかる積層材の酸素透過度は、温度23℃、相対湿度90%RHにおいて、0.5cc/m2 ・day・atm以下である。
上記の酸素透過度の測定は、前述の、例えば、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過度測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN)2/20〕を用いて23℃、90%RHの条件で測定することができる。
【0027】
上記のようにして製造した本発明にかかる積層材は、これを使用して製袋あるいは製函して、種々の物品を充填包装するに適した有用な種々の形態からなる包装用容器を製造可能とするものである。
すなわち、本発明においては、本発明にかかる積層材を使用して製袋ないし製函して種々の形態からなる包装用容器を製造し、而して、上記で製造した包装用容器は、酸素、水蒸気等に対するガスバリア性、透明性、耐熱性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有し、例えば、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の充填包装適性、保存適性等に優れているものである。
上記において、製袋ないし製函する方法について説明すると、例えば、軟包装袋の場合、上記で製造した積層材を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けて袋体を構成することができる。
すなわち、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
【0028】
次にまた、本発明において、包装用容器として、紙基材を含む場合には、例えば、積層材として、紙基材を積層した積層材を製造し、これから所望の紙容器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
本発明において、上記のようにして製造した包装用容器は、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品、雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使用されるものである。
【0029】
【実施例】
上記の本発明について以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
(1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空蒸着法により、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:1.1×10-6mbar
EB出力:40kW
フィルムの搬送速度:600m/分
蒸着面:コロナ処理面
(2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ処理を施した。
その結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面張力は、45dynから60dynに向上した。
出力:10kw
処理速度:100m/min
(3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(エチレン含有率32モル%)10重量部、テトラエトキシシラン34重量部、水15重量部、イソプロピルアルコ−ル10重量部、三級アミン触媒0.17重量部、その他、エポキシシラン3.4重量部からなる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法でコ−ティングして、厚さ0.9g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成し、次いで、120℃で1分加熱処理してコ−ティング硬化膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング硬化膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。
(4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0030】
実施例2
(1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業株式会社製、商品名、GH−I、片面コロナ処理品)を使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空蒸着法により、上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:8.2×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:1.0×10-6mbar
EB出力:40kW
フィルムの搬送速度:500m/分
蒸着面:コロナ処理面
(2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ処理を施した。
その結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面張力は、47dynから62dynに向上した。
出力:10kw
処理速度:100m/min
(3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(エチレン含有率29モル%)10重量部、テトラエトキシシラン34重量部、水15重量部、イソプロピルアルコ−ル10重量部、三級アミン触媒0.17重量部、その他、エポキシシラン3.4重量部からなる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法でコ−ティングして、厚さ1.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成し、次いで、100℃で3分加熱処理してコ−ティング硬化膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング硬化膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。
(4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0031】
実施例3
(1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空蒸着法により、上記2軸延伸ナイロンフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:7.2×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:1.0×10-6mbar
EB出力:40kW
フィルムの搬送速度:500m/分
蒸着面:コロナ処理面
(2).次に、上記で酸化アニミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ナイロンフィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ処理を施した。
その結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面張力は、45dynから60dynに向上した。
出力:10kw
処理速度:100m/min
(3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリナイロンフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(エチレン含有率32モル%)10重量部、テトラエトキシシラン34重量部、水15重量部、イソプロピルアルコ−ル10重量部、三級アミン触媒0.17重量部、その他、エポキシシラン3.4重量部からなる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法でコ−ティングして、厚さ1.2g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成し、次いで、120℃で2分加熱処理してコ−ティング硬化膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング硬化膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。
(4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ナイロンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0032】
実施例4
上記の実施例1の(4)において、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこれを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外は、上記の実施例1と全く同様にして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0033】
実施例5
上記の実施例2の(4)において、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこれを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外は、上記の実施例2と全く同様にして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0034】
実施例6
上記の実施例3の(4)において、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ナイロンフィルムの印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ナイロンフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこれを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外は、上記の実施例3と全く同様にして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0035】
比較例1
(1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、上記の実施例1と全く同様にして、該2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方の面に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造し、更に、該バリア性フィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
(2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造した。
【0036】
比較例2
(1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、上記の実施例2と全く同様にして、該2軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造し、更に、該バリア性フィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
(2).他方、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造した。
【0037】
比較例3
(1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ナイロンフィルムを使用し、上記の実施例3と全く同様にして、該2軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造し、更に、該バリア性フィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。
(2).他方、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ナイロンフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造した。
【0038】
実験例1
上記の実施例1〜6、および、比較例1〜3で製造した各バリア性フィルム、および、積層材について、下記のデ−タを測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3).色評価
これは、目視による着色観察、マクベス濃度計による測定、および、スガ試験機株式会社製のカラ−コンピュ−タ−による測定で評価した。
・目視による着色観察は、試料を10枚重ねて目視により、直接観察した。
・マクベス濃度計による測定は、試料1枚について、波長が500nmの全光線透過率で測定した。
・カラ−コンピュ−タ−による測定は、試料10枚で測定した。
Figure 0004076037
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
【0039】
【表1】
バリア性フィルム、および、積層材についての酸素透過度および水また、表1中、酸素透過度の単位は、cm3 /m2 ・day・atmであり、また、水蒸気透過度の単位は、g/m2 ・day・atm ある。
Figure 0004076037
Figure 0004076037
【0040】
上記の表1に示す結果より明らかなように、実施例1〜6にかかる積層材は、酸素透過度が、0.5cc/m2 ・day・atm以下である。
これに対し、比較例1〜3にかかる積層材は、酸素透過度が、2.0cc/m2 ・day・atm以上となった。
上記の結果は、実施例1〜6にかかる積層材が、コ−ティング硬化膜を設けることにより酸素透過度を改善できることを示しているものである。
次に、水蒸気透過度については、実施例1〜6にかかる積層材は、0.5g/m2 ・day・atm以下であり、これに対し、比較例1〜3にかかる積層材は、2.0g/m2 ・day・atm以上であった。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜と、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の硬化膜とを組み合わせることに着目し、まず、基材フィルムの一方の面に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、更にまた、該無機酸化物の蒸着薄膜の上に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これと、少なくとも、金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物によるコ−ティング硬化膜を設けてバリア性フィルムを製造し、而して、該バリア性フィルムに、他のプラスチックフィルム、あるいは、紙基材、その他等の素材を任意に積層して積層材を製造し、次に、該積層材を使用し、これを製袋ないし製函して包装用容器を製造し、該包装用容器内に、例えば、飲食品、医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装して包装製品を製造して、酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優れ、内容物の変質、改質等を防止して安定的に長期間の流通、保存適性等を有し、また、透明性に優れているので、外から内容物を視認し得ることができ、更に、柔軟性、耐熱性、ラミネ−ト強度等に優れ破袋等もなく、極めて優れた良好な包装製品を安価に製造し得ることができる有用なバリア性フィルムおよびこれを使用した積層材を製造することができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバリア性フィルムについてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる積層材についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を形成する方法についてその概要を示す巻き取り式真空蒸着装置の概略的構成図である。
【符号の説明】
1 バリア性フィルム
2 基材フィルム
3 物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜
4 コ−ティング硬化膜
5 印刷絵柄層
6 ヒ−トシ−ル性樹脂層
11 巻き取り式真空蒸着装置
12 真空チャンバ−
13 巻き出しロ−ル
14 ガイドロ−ル
14′ ガイドロ−ル
15 ガイドロ−ル
15′ ガイドロ−ル
16 コ−ティングドラム
17 るつぼ
18 蒸着源
19 酸素ガス吹出口
20 マスク
21 巻き取りロ−ル

Claims (4)

  1. 基材フィルムの一方の面に、物理気相成長法を用いて、無機酸化物の蒸着薄膜を形成し、
    次に、上記で形成した無機酸化物の蒸着薄膜の面に、コロナ処理を施してコロナ処理面を形成し、
    他方、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体をビヒクルの主成分とし、これに、金属アルコキシド化合物、シランカップリング剤、および、硬化触媒を添加し、アルコ−ル−水系溶剤で十分に混練してなる水性樹脂組成物を調製し、
    しかる後、上記で形成したコロナ処理面の面に、上記の水性樹脂組成物をグラビアロ−ルコ−ト法でコ−ティングして、コ−ティング膜を形成し、
    更に、上記で形成したコ−ティング膜に、加熱乾燥、エ−ジング処理を施して、上記のコ−ティング膜中のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、金属アルコキシド化合物およびシランカップリング剤の三者が相互に反応させてコ−ティング硬化膜を形成することを特徴とするバリア性フィルムの製造法。
  2. 無機酸化物の蒸着薄膜が、真空蒸着法による酸化アルミニウムの蒸着薄膜からなることを特徴とする上記の請求項1に記載するバリア性フィルムの製造法。
  3. エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体が、エチレン含有率25〜50モル%であることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載するバリア性フィルムの製造法。
  4. 金属アルコキシド化合物が、アルコキシシラン化合物であることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するバリア性フィルムの製造法。
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