JP4784040B2 - 高性能バリアフィルム - Google Patents

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本発明は、食品、医薬品、精密電子部品等の包装分野に用いられるガスバリア材としての高性能バリアフィルムに関するものである。
近年、食品や非食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められている。そのため従来から、温度・湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
ところが、アルミ等の金属箔を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性に優れるが、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないなどの欠点を有し問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段によりアルミニウムなどの金属、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは、酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、包装材料として好適とされている。
上記蒸着フィルムのバリア性能は、基材のバリア性,蒸着層の緻密さなどに影響されるとされている。ポリエチレンナフタレート(PEN)は機械適性、耐熱性などに優れ、また基材そのもののバリア性も優れていることから、蒸着基材として適しているが、材料コストが高く、包装用途には不向きである。しかしながら、このPENの特性を活かし、且つ安価な基材を提供する方法として、PENをスキン層として持つ、PEN/ポリエチレンテレフタレート(PET)共押し出しフィルムが上市されている。このフィルム上に蒸着層を積層させる試みが行われている。しかしながら、PEN/PETの相溶性の問題から、PEN/PET界面の凝集力が弱く、包装材料として十分な密着性を発現出来ていない。
この問題を解決するために、プラズマを用いたインライン前処理によりPEN/PETの層間凝集力を改善することが考えられる。
しかしながら、従来のプラズマ処理では、プラズマ発生のための電圧を印加する電極を基材のあるドラム側でなく、反対側に設置されている。この装置の場合、基材はアノード側に設置されることになるため、高い自己バイアスは得られず、結果として高い処理効果を発揮できなかった。
高い自己バイアスを得るために、直流放電方式を用いることも出来るが、この方法で高いバイアスの電圧を得ようとすると、プラズマのモードがグローからアークへと変化するため、大面積に均一な処理を行うことは出来ない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、PEN/PET共押しフィルムの凝集力を強化し、デラミネーションが発生しないガスバリア性フィルムとしての高
性能バリアフィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、すなわち、
ポリエチレンナフタレート(PEN)層とポリエチレンテレフタレート(PET)層とが直接接触して積層されているポリエチレンナフタレート(PEN)/ポリエチレンテレフタレート(PET)共押し出しフィルムのポリエチレンナフタレート(PEN)の面に、リアクティブイオンエッチング(RIE)モードのプラズマを利用した前処理を施し、前処理を施したポリエチレンナフタレート(PEN)面上に厚さ5〜100nmの金属もしくは無機化合物からなる蒸着層を設け、
ミネート強度が3.1〜4.1N/15mmであることを特徴とする高性能バリアフィルムである。
請求項2記載の発明は、前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、アルゴン、窒素、酸素、水素のうちの1種類のガス、またはこれらの混合ガスを用いて行う処理であることを特徴とする請求項1記載の高性能バリアフィルムである。
請求項3記載の発明は、前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、自己バイアス値を200V以上2000V以下とし、またEd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEd値が100V・s・m-2以上10000V・s・m-2以下である低温プラズマによる処理であることを特徴とする請求項1記載の高性能バリアフィルムである。
請求項4記載の発明は、前記金属が、アルミニウム、錫、チタン或いはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルムである。
請求項5記載の発明は、前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルムである。
請求項6記載の発明は、前記RIEモードのプラズマを利用した前処理と蒸着が、同一成膜機(インライン成膜機)にて行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルムである。
請求項7記載の発明は、前記金属もしくは無機化合物からなる蒸着層の上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシドおよびまたはその加水分解物およびまたはその重合物の少なくとも1種類以上を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルムである。
請求項8記載の発明は、前記水酸基含有高分子化合物が、ポリビニルアルコールまたはポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロース、デンプンの少なくとも1種類以上を成分に持つことを特徴とする請求項1記載の高性能蒸着バリアフィルムである。
請求項9記載の発明は、前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項7または8記載の高性能バリアフィルムである。
本発明により、PEN/PET共押し出しフィルムのPEN上に、RIEによる前処理を行うことで、PEN/PETの層間凝集力を高め、PEN上に金属または無機酸化物蒸着層を設けて、デラミネーションが発生しない高いバリア性能を有する高性能バリアフィルムを提供することが可能となった。
また、本発明の高性能バリアフィルムは、食品及び医薬品や電子部材等の非食品等の包
装に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の高性能バリアフィルムの一例を示す断面図である。プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理をPEN表面上に施したPEN/PET共押し出しフィルム1のPEN表面上に、金属または無機酸化物からなる蒸着層2、複合被膜層3が形成されている構造である。金属または無機酸化物からなる蒸着層2、複合被膜層3は基材の両面に形成してもよく、また多層にしてもよい。
本発明で用いられるPEN/PET共押し出しフィルム1は、PEN層の厚さはコスト面を考慮すると薄いほど好ましいが、成膜性も考慮すると1μm〜3μm程度が妥当である。またこの基材の蒸着層が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。
上記共押し出しフィルム1の総厚はとくに制限を受けるものでは無いが、加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
PEN/PETの層間凝集力を強化するために、PEN表面にプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理を施すことが有効である。このRIE
による処理を行うことで、発生したラジカルやイオンがPEN/PET層間に到達し、PEN/PETの層間凝集力を高める。
RIEによる前処理を行うためのガス種としては、アルゴン、酸素、窒素、水素を使用することが出来る。これらのガスは単独で用いても、2種類以上のガスを混合して用いてもよい。また、2基の処理器を用いて、連続して処理を行ってもよい。
加工速度、エネルギーレベルなどで示される処理条件は、基材種類、用途、放電装置特性などに応じ、適宜設定するべきである。ただし、プラズマの自己バイアス値は200V以上2000V以下、Ed=プラズマ密度×処理時間で定義されるEd値が100V・s・m-2以上10000V・s・m-2以下にすることが必要であり、これより若干低い値でも、ある程度の密着性を発現するが、未処理品に比べて優位性が低い。また、高い値であると、強い処理がかかりすぎて基材表面が劣化し、密着性が下がる原因になる。プラズマ用の気体及びその混合比などに関してはポンプ性能や取り付け位置などによって、導入分と実効分とでは流量が異なるので、用途、基材、装置特性に応じて適宜設定するべきである。
本発明で用いられる金属からなる蒸着層を形成する金属としては、アルミニウム、錫、チタン或いはそれらの混合物が挙げられる。
また、本発明で用いられる無機酸化物からなる蒸着層を形成する無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物が挙げられる。
蒸着層の厚さは、用いられる金属または無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。
より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。
金属または無機酸化物からなる蒸着層を共押し出しフィルム基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着層と基材の密着性及び蒸着層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
次いで、複合被膜層3を説明する。複合被膜層はガスバリア性を持った被膜層であり、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合したものを溶液とする。この溶液を金属または無機化酸化物からなる蒸着層にコーティング後、加熱乾燥し形成される。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等用いることができ、これ以外のものを用いても一向に構わない。
また、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C25等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
この溶液中にガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
複合被膜層3の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって最適条件異なり特に限定しない。但し乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一が塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題となる場合がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
複合被膜層3の上に印刷層、介在フィルム、シーラント層等を積層させて、包装材料と
することが出来る。
介在フィルムは、袋状包装材料時の破袋強度や突き刺し強度を高めるために設けられるもので、一般的に機械強度及び熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれる一種である必要がある。厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。
さらに、シーラント層は袋状包装体などを形成する際に接着層として設けられるものである。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。
共押し出しフィルム基材の反対面にも、必要に応じて印刷層、介在フィルム、シーラント層等を積層させることも可能である。
以下に、本発明の高性能バリアフィルムの実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
基材として厚さ12μmのPEN/PET共押し出しフィルム(PENスキン層1μm)のPEN面に、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理を施した。この時、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用い、処理ガスにはアルゴンを用いた。この上に、電子線加熱方式を用いた反応蒸着により、酸化アルミニウムを20nmの厚みで成膜して、蒸着バリアフィルムを作成した。
<実施例2>
処理ガスにアルゴン/酸素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着バリアフィルムを作成した。
<実施例3>
処理ガスにアルゴン/窒素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着バリアフィルムを作成した。
<実施例4>
処理方法として2基のプラズマ処理器を用いてRIEによる前処理を行い、始めにアルゴンによる処理を施し、続いて酸素による処理を連続して行った以外は、実施例1と同様の方法で蒸着バリアフィルムを作成した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
基材へのRIEによる前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
<比較例2>
処理方法として一般的なインラインプラズマ処理器(冷却ドラム、ガイドロールの対面
側に処理器がある)を使用して、プラズマエッチングによる前処理を行い、処理ガスにアルゴンガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
<比較例3>
処理方法として一般的なインラインプラズマ処理器(冷却ドラム、ガイドロールの対面側に処理器がある)を使用して、プラズマエッチングによる前処理を行い、処理ガスにアルゴン/酸素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
上記の実施例1〜4で得られた蒸着バリアフィルム、比較例1〜3で得られた蒸着フィルム上に、下記に示す(1)液と(2)液を配合比(wt%)で6/4に混合した溶液を作成した。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
この溶液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.4μmの複合被膜層を形成した。
さらに、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネートにより、上記蒸着フィルム/未延伸ポリエチレン(40μm)の積層サンプルを作成し、下記の評価方法に基づいて酸素透過度およびラミネート強度(界面凝集力)を測定した。その結果を表1に示す。
<評価1>
酸素透過度…モダンコントロール社製(MOCON OXTRAN 10/50A)を用いて、30℃−70%RH雰囲気下で蒸着工程後のフィルムを測定した。
<評価2>
ラミネート強度…上記積層サンプルのPEN/PET間の凝集力を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて測定した(JIS Z1707準拠)。
Figure 0004784040
表1より明らかに、実施例1〜4で得られた本発明の高性能バリアフィルムは、比較例1〜3で得られたバリアフィルムに比較して酸素ガスバリア性およびPEN/PET間のラミネート強度(界面凝集力)に優れている。本発明の高性能バリアフィルムは、PEN/PET共押し出しフィルムのPEN上に、RIEによる前処理を行うことで、PEN/PETの層間凝集力を高め、PEN上に金属または無機酸化物蒸着層を設けて、デラミネーションが発生しない高いバリア性能を有する高性能バリアフィルムである。
本発明の高性能バリアフィルムは、食品、医薬品、精密電子部品等の包装分野に用いられるガスバリア材として用いられる。
本発明の高性能バリアフィルムの構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…プラスチック基材
2…無機酸化物蒸着層
3…複合被膜層
4…RIEによる前処理層

Claims (9)

  1. ポリエチレンナフタレート(PEN)層とポリエチレンテレフタレート(PET)層とが直接接触して積層されているポリエチレンナフタレート(PEN)/ポリエチレンテレフタレート(PET)共押し出しフィルムのポリエチレンナフタレート(PEN)の面に、リアクティブイオンエッチング(RIE)モードのプラズマを利用した前処理を施し、前処理を施したポリエチレンナフタレート(PEN)面上に厚さ5〜100nmの金属もしくは無機化合物からなる蒸着層を設け、
    ミネート強度が3.1〜4.1N/15mmであることを特徴とする高性能バリアフィルム。
  2. 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、アルゴン、窒素、酸素、水素のうちの1種類のガス、またはこれらの混合ガスを用いて行う処理であることを特徴とする請求項1記載の高性能バリアフィルム。
  3. 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、自己バイアス値を200V以上2000V以下とし、またEd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEd値が100V・s・m−2以上10000V・s・m−2以下である低温プラズマによる処理であることを特徴とする請求項1記載の高性能バリアフィルム。
  4. 前記金属が、アルミニウム、錫、チタン或いはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルム。
  5. 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルム。
  6. 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理と蒸着が、同一成膜機(インライン成膜機)にて行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルム。
  7. 前記金属もしくは無機化合物からなる蒸着層の上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシドおよびまたはその加水分解物およびまたはその重合物の少なくとも1種類以上
    を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高性能バリアフィルム。
  8. 前記水酸基含有高分子化合物が、ポリビニルアルコールまたはポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロース、デンプンの少なくとも1種類以上を成分に持つことを特徴とする請求項7記載の高性能バリアフィルム。
  9. 前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項7または8記載の高性能バリアフィルム。
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