JPWO2007036980A1 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

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Abstract

高分子フィルム基材と、この高分子フィルム基材の一方の面に形成された無機化合物のガスバリア性蒸着層と、このガスバリア性蒸着層上に形成されたガスバリア性被覆層とを具備するガスバリア性積層フィルムにおいて、前記積層フィルムを5%伸長した際の酸素透過度が、伸長する前の酸素透過度の1.5倍以下であるような酸素バリア性を有することを特徴とするガスバリア性積層フィルム。

Description

本発明は、食品、医薬品等の包装分野に用いられるガスバリア性積層フィルムに関する。
近年、食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制し、効能を維持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)の透過を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
例えば、食品においては、蛋白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を保持するために、また無菌状態での取扱いが必要とされる医薬品においては、有効成分の変質を抑制し、効能を維持するために、それらの包装材料にガスバリア性が要求されている。
そのため、従来から、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)等の,一般にガスバリア性が比較的高いとされる高分子樹脂組成物をラミネート又はコーティングしてなるガスバリア性積層フィルムが包装フィルムとして一般的に使用されてきた。また、単独では、高いガスバリア性を有していない高分子樹脂組成物にアルミニウム(Al)などの金属又は金属化合物を蒸着した金属蒸着フィルムや、最近では一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物(SiOX )薄膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を透明性を有する高分子材料からなる基材上に蒸着した蒸着フィルムが開発されている。これらは、高分子樹脂組成物単独からなるガスバリア材より優れたガスバリア性を有しており、かつ高湿度下での劣化も少ないため、これらの包装材料からなる包装フィルムが一般的に使用され始めている。
ところが、上述のPVA、EVOH系の高分子樹脂組成物を用いたガスバリア性積層フィルムは、温度依存性及び湿度依存性が大きいため、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見られ、特に水蒸気バリア性が低下し、包装の用途によっては煮沸処理やレトルト処理を行うとガスバリア性が著しく低下することがある。
また、PVDC系の高分子樹脂組成物を用いたガスバリア性積層フィルムは、湿度依存性は小さいが、1cm3 /m2 ・day・atm以下の酸素バリア性を有する高ガスバリア材(ハイガスバリア材)を実現することは困難である。また、PVDC系の高分子樹脂組成物は塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクリングなど廃棄物処理の面で問題がある。
さらに上述の金属又は金属化合物を蒸着した金属蒸着フィルムや一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物薄膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を蒸着した蒸着フィルムは、ガスバリア層として用いられる無機化合物の薄膜が可撓性に欠けており、揉みや折り曲げに弱く、また基材との密着性が悪いため、取り扱いに注意を要し、とくに印刷、ラミネート、製袋など包装材料の後加工の際にクラックを発生し、ガスバリア性が著しく低下するという問題がある。
また、形成方法として真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学気相成長法などの真空プロセスを用いるため、装置が高価であり、また形成工程において局部的に高温となり、基材に損傷を生じたり、低分子量部或いは可塑剤などの添加剤部などの分解、脱ガスなどを起因として無機薄膜中に欠陥、ピンホール等を発生することがあり、高いガスバリア性を達成できないこと、またコスト的に高価となるという問題を有している。
以上のような問題に対し、特開昭62−295931号公報に記載されるように、基材に金属アルコキシドの被膜を形成してなるガスバリア材が提案されている。このガスバリア材は、ある程度の可撓性を有するとともに、液相コーティング法による製造ができるため、コスト的にも安価とすることができる。
しかしながら、上記ガスバリア材は、基材単体の場合に比べて、ある程度ガスバリア性が向上するものの、未だ充分なガスバリア性を有するとは言えないものであった。
そこで、本発明は、ガスバリア性に優れているとともに、可撓性にも優れ、フィルムが伸長した際にもガスバリア性の劣化を低く抑えることの可能なガスバリア性積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明の一態様によると、高分子フィルム基材と、この高分子フィルム基材の一方の面に形成されたガスバリア性無機蒸着層と、このガスバリア性無機蒸着層上に形成されたガスバリア性被覆層とを具備するガスバリア性積層フィルムにおいて、積層フィルムを5%伸長した際の酸素透過度が、伸長する前の酸素透過度の1.5倍以下であるような酸素バリア性を有することを特徴とするガスバリア性積層フィルムが提供される。
本発明の一態様に係るガスバリア性積層フィルムは、積層フィルムを2%伸長した際の水蒸気透過度が、伸長する前の水蒸気透過度の1.5倍以下であるような水蒸気バリア性を有する。
高分子フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることができる。
ガスバリア性被覆層としては、水酸基を有する水性高分子を主成分とするものを用いることができる。水性高分子としては、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、及びセルロースからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることができる。
また、ガスバリア性被覆層としては、金属アルコキシド及び/又はその加水分解物と、水酸基を有する水性高分子とからなる複合物質を主成分とするものを用いることができる。金属アルコキシドとしては、ケイ素アルコキシドを用いることができる。
更に、ガスバリア性被覆層は、シランカップリング剤を含むことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層フィルムの構成を示す断面図である。 図2は、実施例1と比較例1のガスバリア性積層フィルムの伸長度と酸素透過度との関係を示すグラフである。 図3は、実施例1と比較例1のガスバリア性積層フィルムの伸長度と水蒸気透過度との関係を示すグラフである。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層フィルムの構成を説明する概略図である。
図1において、ガスバリア性積層フィルム1は、基材2上に、第1層であるガスバリア性無機蒸着層3及び第2層であるガスバリア性被覆層4を順次積層することにより構成されている。
基材2は、シート状またはフィルム状のものであって、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなど、或いはこれら高分子の共重合体など、通常包装材料として用いられるものを、用途に応じて適宜選択することができる。
この基材2を構成する高分子樹脂材料には、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を、必要に応じて適宜添加することができる。また、基材2の表面に、コロナ処理、アンカーコート処理等の表面改質を施し、被膜の密着性を向上させることも可能である。
基材2上に形成される、第1層であるガスバリア性無機蒸着層3は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムなどの酸化物、窒化物、弗化物の単体、或いはそれらの複合物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などの真空プロセスにより形成される。とくに酸化アルミニウムは、無色透明であり、ボイル・レトルト耐性等の特性にも優れており、広範囲の用途に用いることができる。
ガスバリア性無機蒸着層3の膜厚は、用途や第2層の膜厚によって異なるが、数nmから500nmの範囲が望ましい。5nm以下では薄膜の連続性に問題があり、また300nmを越えるとクラックが発生しやすく、可撓性が低下するため、好ましくは5nm〜300nmである。
ガスバリア性無機蒸着層3上に形成される、第2層であるガスバリア性被覆層4は、水性高分子を含む水溶液又は水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。或いは、水性高分子と1種以上の金属アルコキシド又はその加水分解物を含む水溶液又は水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。具体的には、このようなコーティング剤を基材2上の無機薄膜層3表面にコーティングし、加熱乾燥することにより形成される。
ガスバリア性被覆層4の形成にコーティング剤として用いられる水性高分子は、分子中に水酸基を有する高分子であり、必ずしも水溶性のものに限られない。例えば、エマルジョンなどの水に親和性を有するものを含む。
水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのアクリル樹脂、これらのアクリル系樹脂の共重合体などが挙げられる、特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)をコーティング剤に用いた場合に、ガスバリア性が最も優れている。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含み、とくに限定されるものではない。
金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3 7 3 〕などの、下記一般式により表されるものである。
M(OR)n (式中、MはSi、 Ti、 Ai、 Zr等の金属を示し、Rは、CH3 、C2 5 等のアルキル基を示す)
これらのなかでも、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
コーティング剤が金属アルコキシド又はその加水分解物を含む場合、ガスバリア性被覆層4は、水性高分子と金属アルコキシド又はその加水分解物の複合材料を含むものとなる。このように、金属アルコキシドを用いることにより、ガスバリア性被覆層4の耐水性を向上させることができる。
コーティング剤には、シランカップリング剤を添加することができる。これにより、形成されたガスバリア性被覆層4の耐熱性が高まり、ガスバリア性積層フィルムがボイル製品やレトルト製品の包装に使用されても、バリア性の低下を小さく抑えることができる。
また、コーティング剤には、ガスバリア性被覆層4のバリア性を損なわない範囲で、通常使用される充填剤、フィルムに滑り性を付与する滑剤、着色剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができる。
更に、コーティング剤には、ガスバリア性被覆層4自体にバリア性をもたせるために、モンモリロナイト、スメクタイト等の無機層状化合物を添加することもできる。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられる、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いられる。被膜の厚さはコーティング剤の種類によって異なるが、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲であればよい。50μm以上では、膜にクラックが生じやすくなるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
なお、ガスバリア性無機蒸着層3とコーティング剤の塗布により形成された被膜との間に、何らかの反応層が形成されるか、或いはこの被膜がガスバリア性無機蒸着層3に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥或いは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成され、これがガスバリア性の向上とガスバリア性無機蒸着層の保護層としての役割を果たす。
また、コーティング剤が、金属アルコキシドからなる無機成分とPVA等の水性高分子を主剤とするものである場合、次のようなメカニズムで、ガスバリア性の向上を図ることができる。すなわち、金属アルコキシドからなる無機成分は溶液中で加水分解、重縮合反応して、鎖状或いは三次元樹枝状のポリマーを形成し、乾燥加熱にともなう溶媒の蒸発によってさらに重合が進行する反応性に富む無機成分であり、水性高分子とは分子レベルの複合体を形成しているものと考えられる。従って、特定の粒子径からなるシリカ(SiO2 )などの微粒子や珪酸ソーダ(水ガラス)から得られるシリカゾル(コロイダルシリカ)などのように単に微粒子を分散したものとは異なる。
更に、本実施形態に係るガスバリア性積層フィルム上には、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性樹脂層、印刷層を、ガスバリア性被覆層4上または基材2上に積層することができ、また複数の樹脂を接着層を介して積層することも可能である。
通常、包装材料に印刷や貼り合わせなどの加工は、フィルムを機械上で巻き出しながら行うため、引っ張り応力がかかり、ガスバリア性蒸着層にクラック等が発生しやすい。しかし、以上説明した本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層フィルムは、伸長時のバリア性の低下が小さいため、フィルムに印刷を行ったり、他のフィルムと貼り合わせる等の加工を行っても、当初保持していたバリア性がほぼ維持され、高いバリア性のある包装材料を提供することができる。
以上のように、高分子樹脂組成物からなる基材2上に、無機化合物からなるガスバリア性蒸着層3を第1層とし、水性高分子(又は水性高分子と金属アルコキシドの複合体)を含むガスバリア性被覆層4を第2層として積層することにより得た本実施形態に係るガスバリア性積層フィルムは、高いガスバリア性を有し、かつ可撓性、ラミネート強度、耐水性、耐湿性、ボイル・レトルト耐性に優れ、さらに他の樹脂と積層しても、その強度は十分実用に耐えるものである。すなわち、高温・高湿度雰囲気下においてもガスバリア性を損なうことなく、食品や医薬品など内容物を劣化させることなく長期保存を可能とするものである。更に、積層フィルムを5%伸長した際の酸素透過度が、伸長する前の酸素透過度の1.5倍以下であるので、包装材料として印刷やラミネート、製袋など後加工においても、ガスバリア性を損なうことがないといる優れた効果を奏する。
以下、本発明のガスバリア性積層フィルムの具体的な実施例について説明する。
〔実施例1〕
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材の上面に酸化アルミニウムを15nmの厚さに蒸着し、さらにその上に、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 :以下、TEOSとする〕とポリビニルアルコールを含むコーティング剤をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃で1分間乾燥させ、膜厚約1μmの被膜を形成し、ガスバリア性積層フィルムを得た。
〔比較例1〕
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材の上面に酸化アルミニウムを15nmの厚さに蒸着し、ガスバリア性積層フィルムを得た。
実施例1及び比較例1に係るガスバリア性積層フィルムを長手方向に伸長し、伸長後のガスバリア性を求め、比較した。即ち、ガスバリア性積層フィルムを40℃−90%RHの恒温恒湿下で4週間保存し、その前後のガスバリア性を酸素透過度及び水蒸気透過度の測定により評価した。酸素バリア性を25℃−100%RH雰囲気下で酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 MOCON OXTRAN 10/40A)を用いて測定し、水蒸気バリア性を40℃−90RH雰囲気下で水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製 PERMATRAN W6)を用いて測定した。その結果を下記表1及び表2に示す。
なお、表1は、伸長後の酸素バリア性を、表2は、伸長後の水蒸気透バリア性をそれぞれ示す。また、図2及び図3は、表1及び表2を、伸長度を横軸に、透過度を縦軸にプロットしたものである。
Figure 2007036980
Figure 2007036980
表1及及び図2から、実施例1に係る積層フィルムは、5%の伸長度においても殆ど酸素透過度が増加していないのに対し、比較例1に係る積層フィルムは、5%の伸長度において、酸素透過度が20倍に急激に増加し、酸素バリア性が低下していることがわかる。
また、表2及及び図2から、実施例1に係る積層フィルムは、2%の伸長度においても殆ど水蒸気透過度が増加していないのに対し、比較例1に係る積層フィルムは、2%の伸長度において、水蒸気透過度が10倍に急激に増加し、水蒸気バリア性が低下していることがわかる。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア性蒸着層上へのガスバリア性被覆層の形成により、伸長後においても優れたガス透過性を維持しているため、印刷、ラミネート、製袋など加工の際にもガスバリア性が低下することがなく、食品、医薬品等の包装材料として適用することができ、その利用範囲は広い。

Claims (8)

  1. 高分子フィルム基材と、この高分子フィルム基材の一方の面に形成されたガスバリア性無機蒸着層と、このガスバリア性無機蒸着層上に形成されたガスバリア性被覆層とを具備するガスバリア性積層フィルムにおいて、前記積層フィルムを5%伸長した際の酸素透過度が、伸長する前の酸素透過度の1.5倍以下であるような酸素バリア性を有することを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
  2. 前記積層フィルムを2%伸長した際の水蒸気透過度が、伸長する前の水蒸気透過度の1.5倍以下であるような水蒸気バリア性を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 前記高分子フィルム基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 前記ガスバリア性被覆層が、水酸基を有する水性高分子を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  5. 前記水性高分子が、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、及びセルロースからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性積層フィルム。
  6. 前記ガスバリア性被覆層が、金属アルコキシド及び/又はその加水分解物と、水酸基を有する水性高分子とからなる複合物質を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  7. 前記金属アルコキシドがケイ素アルコキシドであることを特徴とする請求項6に記載のガスバリア性積層フィルム。
  8. 前記ガスバリア性被覆層が、シランカップリング剤を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のガスバリア性積層フィルム。
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