JPH08267641A - ガスバリア性を有する透明積層体 - Google Patents

ガスバリア性を有する透明積層体

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JPH08267641A
JPH08267641A JP7071474A JP7147495A JPH08267641A JP H08267641 A JPH08267641 A JP H08267641A JP 7071474 A JP7071474 A JP 7071474A JP 7147495 A JP7147495 A JP 7147495A JP H08267641 A JPH08267641 A JP H08267641A
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昇 佐々木
Masanobu Okamura
正信 岡村
Fumitake Koizumi
文剛 小泉
Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
Toshiaki Yoshihara
俊昭 吉原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】透明高分子樹脂基材上の少なくとも片面に厚さ
5〜300nmの無機化合物薄膜層を設け、水溶性高分
子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又
は、塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/
アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布
加熱乾燥したガスバリア性被膜、押出ラミネート法を用
いて加熱溶融されたポリオレフィン系熱可塑性樹脂層を
順次積層した。 【効果】高分子基材上に設けた無機化合物蒸着層上に、
耐熱性に優れたガスバリア性被膜を設けるので、押出ラ
ミネート法により高温加熱溶融された樹脂を積層後でも
熱のダメージを緩和し、蒸着膜を緻密構造にするため、
ガスバリア性が劣化しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品、医薬品、精密電子
部品等の包装分野に用いられる透明積層体に係わり、特
にガスバリア性を有する透明積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品、精密電子部品等の
包装に用いられる包装材料は、内容物の変質、特に食品
においては蛋白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さら
に味、鮮度を保持するために、また無菌状態での取扱い
が必要とされる医薬品においては有効成分の変質を抑制
し、効能を維持するために、さらに精密電子部品におい
ては金属部分の腐食、絶縁不良を防湿するために、包装
材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させ
る気体による影響を防止する必要があり、これら気体
(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求めら
れている。
【0003】そのため、従来から塩化ビニリデン樹脂を
コートしたポリプロピレン(KOP)やポリエチレンテ
レフタレート(KPET)あるいはエチレンビニルアル
コール共重合体(EVOH)など一般的にガスバリア性
が比較的に高いと言われる高分子樹脂組成物をガスバリ
ア材として包装材料に用いた包装フィルムやAl等の金
属からなる金属箔、適当な高分子樹脂組成物(単独で
は、高いガスバリア性を有していない樹脂であっても)
にAlなどの金属または金属化合物を蒸着した金属蒸着
フィルムを包装材料に用いた包装フィルムが一般的に使
用されてきた。
【0004】ところが、上述の高分子樹脂組成のみを用
いてなる包装フィルムは、Alなどの金属または金属化
合物をもちいた箔や蒸着膜を形成した金属蒸着フィルム
に比べるとガスバリア性に劣るだけでなく、温度・湿度
の影響を受けやすく、その変化によってはさらにガスバ
リア性が劣化することになる。一方、Alなどの金属ま
たは金属化合物を用いた箔や蒸着膜を形成した金属蒸着
フィルムは、温度・湿度などの影響を受けること少な
く、ガスバリア性に優れるが、包装体の内容物を透視し
て確認することができない、使用後の廃棄の際は不燃物
として処理しなければならないとする欠点を有してい
た。
【0005】そこで、これらの欠点を克服した包装材料
として、例えば米国特許第3442686、特公昭63
−28017号公報等に記載されているような酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化スズ等の無機酸化物を高分
子プラスチック基材上に、真空蒸着法やスパッタリング
法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発
されている。これらのフィルムは透明性及び酸素、水蒸
気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属蒸着
フィルムでは得ることのできない透明性、ガスバリア性
の両者を有する包装材料として好適とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た包装材料に適するフィルムであっても、包装容器また
は包装材として蒸着フィルム単体で用いられることはほ
とんどなく、包装袋として用いるためにヒートシール層
等を積層する場合がほとんどである。例えば加工性やコ
ストの点から押出ラミネートポリオレフィン系熱可塑性
樹脂を利用する場合が多い。
【0007】そのため、一般的な押出条件(押出温度:
320℃)でラミネートとすると、蒸着膜がラミ時に熱
によるダメージを受けクラックや傷等の損傷が発生し、
この損傷部分から酸素、水蒸気等の気体成分が浸透する
などして蒸着膜が本来有しているはずの高いバリア性が
低下してしまうと言う問題を有し、ある限定された条件
の場合しか押出ラミネート法を用いることができず実用
上問題があった。例えば、押出温度が320℃の場合
は、樹脂厚が15μ以下でしか用いることができない。
【0008】そこで本発明は、透明プラスチック基材に
無機化合物からなる蒸着層を設けたフィルムにおいて、
押出ラミネート法によりポリオレフィン系熱可塑性樹脂
層を積層する場合において一般的な押出条件を用いて積
層した場合も、透明で且つガスバリア性の劣化のない実
用性の高いガスバリア性を有する透明積層体を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、請求項1に記載される発明
は、透明高分子樹脂基材上の少なくとも片面に厚さ5〜
300nmの無機化合物からなる薄膜層、金属アルコキ
シド加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含むガス
バリア被膜層、押出ラミネートポリオレフィン系熱可塑
性樹脂層を順次積層したことを特徴とするガスバリア性
を有する透明積層体である。
【0010】請求項2に記載される発明は、前記金属ア
ルコキシド加水分解物がテトラエトキシシラン又はトリ
イソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物の
加水分解物であることを特徴とする請求項1記載のガス
バリア性を有する透明積層体である。
【0011】請求項3に記載される発明は、前記無機化
合物からなる薄膜層が酸化珪素、酸化アルミニウム、酸
化スズの何れかであることを特徴とする請求項1、2何
れか記載のガスバリア性を有する透明積層体である。
【0012】請求項4に記載される発明は、透明高分子
プラスチック材料からなる基材上の少なくとも片面に厚
さ5〜300nmの無機化合物からなる薄膜層を設け、
次いで水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキ
シド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくと
も一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を
主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる
耐熱性に優れるガスバリア性被膜、更に押出ラミネート
法を用いてカーテン状に加熱溶融されたポリオレフィン
系熱可塑性樹脂層を順次積層したことを特徴とするガス
バリア性を有する透明積層体である。
【0013】請求項5に記載される発明は、前記水溶性
高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする
請求項4記載のガスバリア性を有する透明積層体であ
る。
【0014】請求項6に記載される発明は、前記金属ア
ルコキシドがテトラエトキシシラン又はトリイソプロポ
キシアルミニウム、或いはそれらの混合物であることを
特徴とする請求項4、5記載のガスバリア性を有する透
明積層体である。
【0015】
【作用】本発明の層構成によれば、押出ラミネートポリ
オレフィン系熱可塑性樹脂層が積層によっても、ガスバ
リア性被膜層が薄膜層に生じるクラックなどの欠陥或い
は微細孔を充填、補強することで緻密構造を形成するの
で、ガスバリア性の劣化が見られない。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。図
1は本発明のガスバリア性を有する透明積層体を説明す
る断面図である。
【0017】まず、本発明のガスバリア性を有する透明
積層体1の構成について図1を参照し説明する。1はガ
スバリア性を有する透明積層体であり、高分子プラスチ
ック基材2の表面に無機化合物薄膜層3、耐熱性に優れ
るガスバリア性被膜層4、ポリオレフィン系熱可塑性樹
脂層5が順次形成されている。
【0018】上述した基材2は透明を有する高分子プラ
スチック材料であり、蒸着薄膜層の無色透明を生かすた
めに透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリル
フィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未
延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を
有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用い
られる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレン
テレフタレートが好ましく用いられる。またこの基材2
の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防
止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されてい
ても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理と
してコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード
処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理
などを施しても良い。
【0019】基材2の厚さはとくに制限を受けるもので
はないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場
合も在ること、無機化合物薄膜層3を形成する場合の加
工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲
で、用途によって6〜30μmとすることが好ましいと
言える。
【0020】また、量産性を考慮すれば、連続的に薄膜
を形成できるように長尺フィルムとすることが望まし
い。
【0021】無機化合物薄膜層3は、酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化スズなどの無機化合物の蒸着膜からな
り、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を
有するものであればよい。ただし本発明の薄膜層3は、
酸化珪素、酸化アルミニウム酸化スズなどの無機化合物
に限定されることなく上記条件に適合する材料であれば
用いることができる。
【0022】薄膜層3の厚さは、用いられる無機化合物
の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5
〜300nmの範囲内であることが望ましく、その値は
適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると基材
2の全面が膜にならないことや膜厚が十分ではないこと
があり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすこと
ができない場合がある。また膜厚が300nmを越える
場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができ
ず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因によ
り、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるためである。好ま
しくは、10〜150nmの範囲にあることである。
【0023】無機化合物からなる薄膜層3を透明高分子
プラスチック基材2上に形成する方法としては種々在
り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、
その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオン
プレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)など
を用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時
点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による
真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗
加熱方式、誘導加熱方式とすることが好ましく、薄膜と
基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プ
ラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いるこ
とも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために
蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行
っても一向に構わない。
【0024】ガスバリア性被膜層4は、耐熱性に優れ熱
ダメージを緩和し、また熱ダメージ等により薄膜層3に
生じたクラックなどの欠陥或いは微細孔を充填、補強す
ることで緻密構造を形成しガスバリア性の劣化を防止す
るために設けられもので、これを達成するために金属ア
ルコキシド及び加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方
が形成されたものである。
【0025】この形成方法としては、水溶性高分子と、
(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は
(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水
/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤、も
しくは水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アル
コール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属
アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処
理を行ったものを混合した溶液を基材2上の無機化合物
薄膜層3にコーティング、加熱乾燥し形成したものであ
る。
【0026】コーティング剤に含まれる各成分について
更に詳細に説明する。
【0027】本発明でコーティング剤に用いられる水溶
性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。特
にポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発
明のガスバリア性を有する透明積層体のコーティング剤
に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいう
PVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られる
もので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分け
ん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全P
VAまでを含み、特に限定されるものではない。
【0028】また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、
塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混合物であ
ってもよく、無水物でも水和物でも用いることができ
る。
【0029】更に金属アルコキシドは、テトラエトキシ
シラン〔Si(OC254 〕、トリイソプロポキシ
アルミニウム〔Al(O−2’−C373 〕などの
一般式、 M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3
25 等のアルキル基)で表せるものである。中でも
テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウ
ムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であ
るので好ましい。
【0030】上述した各成分を単独又はいくつかを組み
合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコ
ーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソ
シアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散
剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤
を加えることができる。
【0031】例えばコーティング剤に加えられるイソシ
アネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネ
ート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレ
ンジイソシアネート(以下TDI)、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート(以下TTI)、テトラメチルキ
シレンジイソシアネート(以下TMXDI)などのモノ
マー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0032】コーティング剤の塗布方法には、通常用い
られるディッピング法、ロールコーティング法、スクリ
ーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いる
ことができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や
加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μ
m以上あれば良いが、厚さが50μm以上では膜にクラ
ックが生じやすくなるため、0.01〜50μmの範囲
であることが好ましい。
【0033】なお、以上説明してきた塗布方法によるガ
スバリア性被膜層の形成方法をもちいると、金属アルコ
キシド加水分解物や塩化錫だけではなく、溶剤等の他の
成分もガスバリア性被膜層の中に成分として含まれるこ
とになる。
【0034】以上説明してきた方法以外の手段によりガ
スバリア性被膜層を形成してもよいことは勿論である。
【0035】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層5は、押
出ラミネートの際該樹脂を加熱溶融させカーテン状に押
出し基材2と貼り合わせヒートシール層として機能した
り、基材2とその他の基材を貼り合わせる際接着層とし
て機能するものであり、通常接着力を得るために高温で
樹脂を押出す必要がある。
【0036】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂として用い
ることができるのは、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹
脂等が使用できるが、一般的には押出加工適性の点から
ポリエチレンを用いる場合が多い。
【0037】該樹脂を加熱溶融させカーテン状に押出す
温度としては、樹脂により最適条件がことなるが、例え
ばポリエチレン樹脂を用いる場合は、290〜330℃
の範囲であることが好ましい。290℃未満のものは基
材2との接着力が弱く、330℃を越えるものはポリ臭
がひどく問題がある。好ましくは310〜320℃の範
囲にあることである。
【0038】該樹脂層5の厚さは、特に制限を受けるも
のでなく、樹脂の種類や加工条件等によりその最適な厚
さが異なる。実用的に用いられる厚さとしては、例えば
10〜60μmの範囲にあることである。
【0039】また、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層5
の上にヒートシール層などの他の層を積層することも可
能である。ヒートシール層は、袋状包装体などを形成す
る際の接着部に利用されるものであり、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸
エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属
架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決め
られるが、一般的には15〜200μmの範囲である。
形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のもの
をドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法に
より積層する方法、上記樹脂を加熱溶融させカーテン状
に押し出し、貼合わせる押出ラミネート法等いずれも公
知の方法により積層することができる。
【0040】本発明のガスバリア性を有する透明積層体
を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0041】〈実施例1〉基材2として厚さ12μmの
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ムの片面に図示しない抵抗加熱方式による真空蒸着装置
により、酸化珪素を約40nmの厚さに蒸着し無機化合
物薄膜層3を形成した。次いでその上に下記組成からな
るコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で
120℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmのガスバリア
性被膜層4を形成した。 (コーティング剤の組成)液と液を配合比(wt
%)で60/40に混合したもの。{但しはテトラエ
トキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6g
を加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%
(SiO2 換算)の加水分解溶液 はポリビニルアル
コールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液
(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)} 更にガスバリア性被膜層4の上に、押出ラミネート法を
用いてポリエチレン5を押出温度320℃にてカーテン
状に厚さ20μmになるように押出し、未延伸ポリプロ
ピレンフィルム25μmと同時にラミネートし本発明の
ガスバリア性を有する透明積層体1を得た。
【0042】〈実施例2〉実施例1において未延伸ポリ
プロピレンフィルム25μmの代わりに、低密度ポリエ
チレンフィルム40μmを用いた以外は、同様に作製し
本発明のガスバリア性を有する透明積層体1を得た。
【0043】〈実施例3〉実施例1において、押出ラミ
ネート法を用いてポリエチレン5を押出温度320℃に
てカーテン状に厚さ30μmになるように押出しラミネ
ートした以外は、同様に作製し本発明のガスバリア性を
有する透明積層体1を得た。
【0044】〈実施例4〉実施例4において、ポリエチ
レンの厚さを40μmとした以外は、同様に作製し本発
明のガスバリア性を有する透明積層体1を得た。
【0045】〈実施例5〉実施例1において、無機化合
物薄膜層3として厚さ20nmの酸化アルミニウムを図
示しない電子線加熱方式からなる真空蒸着装置によりを
設けた以外は、同様に作製し本発明のガスバリア性を有
する透明積層体1を得た。
【0046】〈実施例6〉実施例5において、押出ラミ
ネート法を用いてポリエチレン5を押出温度320℃に
てカーテン状に厚さ30μmになるように押出しラミネ
ートした以外は、同様に作製し本発明のガスバリア性を
有する透明積層体1を得た。
【0047】〈実施例7〉実施例1において、無機化合
物薄膜層3として厚さ50nmの酸化スズを図示しない
電子線加熱方式からなる真空蒸着装置によりを設けた以
外は、同様に作製し本発明のガスバリア性を有する透明
積層体1を得た。
【0048】〈比較例1〉実施例1においてガスバリア
性被膜層4を設けなかった以外は、同様に作製し透明積
層体を得た。
【0049】〈比較例2〉実施例3においてガスバリア
性被膜層4を設けなかった以外は、同様に作製し透明積
層体を得た。
【0050】〈比較例3〉実施例5においてガスバリア
性被膜層4を設けなかった以外は、同様に作製し透明積
層体を得た。
【0051】〈比較例4〉実施例6においてガスバリア
性被膜層4を設けなかった以外は、同様に作製し透明積
層体を得た。
【0052】得られた積層体を評価するために、ポリオ
レフィン系熱可塑性樹脂層を積層前後の水蒸気透過率
(g/m2 /day)及び透明性の測定を行った。その
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】実施例に対して比較例は、積層後のバリア
性が劣化しているが、本発明のガスバリア性を有する透
明積層体の実施例は、積層後もバリア性が良好な値を示
している。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明のガスバリア性
を有する透明積層体によれば、高分子基材上に設けた無
機化合物蒸着層上に、耐熱性に優れたガスバリア性被膜
を設けているので、押出ラミネート法により高温加熱溶
融された樹脂を積層した後でも熱のダメージを緩和し、
更に蒸着膜を緻密構造にするため、ガスバリア性が劣化
することないの透明で実用性の高い積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性を有する透明積層体を説
明する断面図である。
【符号の説明】
1 ガスバリア性を有する透明積層体 2 高分子プラスチック基材 3 無機化合物層 4 耐熱性に優れたガスバリア被膜層 5 ポチオレフィン系熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 龍吉 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 吉原 俊昭 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明高分子樹脂基材上の少なくとも片面に
    厚さ5〜300nmの無機化合物からなる薄膜層、金属
    アルコキシド加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を
    含むガスバリア被膜層、押出ラミネートポリオレフィン
    系熱可塑性樹脂層を順次積層したことを特徴とするガス
    バリア性を有する透明積層体。
  2. 【請求項2】前記金属アルコキシド加水分解物がテトラ
    エトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、
    或いはそれらの混合物の加水分解物であることを特徴と
    する請求項1記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  3. 【請求項3】前記無機化合物からなる薄膜層が酸化珪
    素、酸化アルミニウム、酸化スズの何れかであることを
    特徴とする請求項1、2何れか記載のガスバリア性を有
    する透明積層体。
  4. 【請求項4】透明高分子プラスチック材料からなる基材
    上の少なくとも片面に厚さ5〜300nmの無機化合物
    からなる薄膜層を設け、次いで水溶性高分子と、(a)
    1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、
    (b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水
    /アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗
    布し、加熱乾燥したガスバリア性被膜、更に押出ラミネ
    ート法を用いてカーテン状に加熱溶融されたポリオレフ
    ィン系熱可塑性樹脂層を順次積層したことを特徴とする
    ガスバリア性を有する透明積層体。
  5. 【請求項5】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項4記載のガスバリア性を
    有する透明積層体。
  6. 【請求項6】前記金属アルコキシドがテトラエトキシシ
    ラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれ
    らの混合物であることを特徴とする請求項4、5記載の
    ガスバリア性を有する透明積層体。
JP07071474A 1995-03-29 1995-03-29 ガスバリア性を有する透明積層体 Expired - Lifetime JP3119107B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1143175A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Toppan Printing Co Ltd 海苔の包装体
WO2004020309A1 (ja) * 2002-08-29 2004-03-11 Toppan Printing Co., Ltd. 引裂き性を有するガスバリア性包装袋
JP2007090786A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Nikon Corp 積層方法及びその積層方法を用いて作製された光学部品
JP4498490B2 (ja) * 1999-04-19 2010-07-07 大日本印刷株式会社 太陽電池のカバーフィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュール

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