JPH07126419A - ガスバリア性積層体 - Google Patents

ガスバリア性積層体

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JPH07126419A
JPH07126419A JP5275425A JP27542593A JPH07126419A JP H07126419 A JPH07126419 A JP H07126419A JP 5275425 A JP5275425 A JP 5275425A JP 27542593 A JP27542593 A JP 27542593A JP H07126419 A JPH07126419 A JP H07126419A
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water
gas barrier
layer
coating
film
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JP5275425A
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English (en)
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Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
Motoko Yoshikawa
素子 吉川
Toshiaki Yoshihara
俊昭 吉原
Noboru Sasaki
昇 佐々木
Takashi Miyamoto
隆司 宮本
Kazuya Hachifusa
和也 八房
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可撓性を有するとともに酸素、水蒸気などに対
するガスバリア性に優れ、耐熱性、耐湿性、耐水性を有
し、かつ製造、取扱いが容易なガスバリア性を有する積
層体を提供する。 【構成】高分子樹脂組成物からなる基材2上に、水溶性
高分子と、(a)一種以上の金属アルコキシド或いはそ
の加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を
含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とす
るコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる被膜層3
を第一層とし、無機化合物からなる蒸着層4を第二層と
して順次積層しガスバリア性積層体1を形成することに
より、高いガスバリア性を示し、かつ耐水性、耐湿性を
有するとともにある程度の変形に耐えられる可撓性を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品等の包装
分野に用いられるガスバリア性を有する積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質、とくに食品においては蛋
白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を
保持するために、また無菌状態での取扱いが必要とされ
る医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維
持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その
他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要が
あり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備
えることが求められている。
【0003】そのため、従来からポリビニルアルコール
(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共
重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂
(以下、PVDCとする)など一般にガスバリア性が比
較的高いと言われる高分子樹脂組成物をラミネート又は
コーティングによりガスバリア性積層体として包装材料
に用いた包装フィルムが一般的に使用されてきた。ま
た、適当な高分子樹脂組成物(単独では、高いガスバリ
ア性を有していない樹脂であっても)にAlなどの金属
又は金属化合物を蒸着した金属蒸着フィルムや最近では
一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物(SiOX )薄
膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を透明性を有する
高分子材料からなる基材上に蒸着などの形成手段により
形成された蒸着フィルムが開発されており、これらは高
分子樹脂組成物からなるガスバリア材より優れたガスバ
リア特性を有しており、高湿度下での劣化も少なく、包
装材料に用いた包装フィルムが一般的に使用され始めて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のPV
A、EVOH系の高分子樹脂組成物を用いてなるガスバ
リア性積層体は、温度依存性及び湿度依存性が大きいた
め、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見ら
れ、とくに水蒸気バリア性がなく、包装の用途によって
は煮沸処理やレトルト処理を行うとガスバリア性が著し
く低下することがある。またPVDC系の高分子樹脂組
成物を用いてなるガスバリア性積層体は、湿度依存性は
小さいが、酸素バリア性を1cm3 /m2 ・day・a
tm以下とする高ガスバリア材(ハイガスバリア材)を
実現することは、困難であるという問題がある。また被
膜中に塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクリン
グなど廃棄物処理の面で問題がある。
【0005】さらに上述の金属又は金属化合物を蒸着し
た金属蒸着フィルムや一酸化珪素(SiO)などの珪素
酸化物薄膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を蒸着し
た蒸着フィルムは、ガスバリア層に用いられる無機化合
物の薄膜が可撓性に欠けており、揉みや折り曲げ等物理
的な衝撃に弱く、また基材との密着性が悪いため、取り
扱いに注意を要し、とくに印刷、ラミネート、スリッタ
ー、製袋など包装材料の後加工の際に、クラックを発生
しガスバリア性が著しく低下する問題があり、フィルム
の取扱いに注意を要し、汎用性を低下させる問題を有し
ている。
【0006】また、形成方法に真空蒸着法、スパッタリ
ング法、プラズマ化学気相成長法などの真空プロセスを
用いて形成するため、装置が高価であり、また形成工程
において局部的に高温となり、基材に損傷を生じたり、
低分子量部或いは可塑剤などの添加剤部などの分解、脱
ガスなどを起因とする無機薄膜中に欠陥、ピンホール等
を発生することがあり、高いガスバリア性を達成できな
いこと、コスト的に高価となるという問題を有してい
る。
【0007】そこで、上記問題に対して、特開昭62−
295931号公報に記載されるように、基材に金属ア
ルコキシドの被膜を形成してなるガスバリア材が提案さ
れている。このガスバリア材は、ある程度の可撓性を有
するとともに、液相コーティング法による製造ができる
ため、コスト的にも安価とすることができる。
【0008】しかしながら、上記ガスバリア材は、基材
単体の場合に比べて、ガスバリア性が向上すると言える
が、絶対的なガスバリア性を有するとは言えないもので
あった。
【0009】そこで、本発明は、可撓性を有するととも
に酸素、水蒸気などに対するガスバリア性に優れ、耐熱
性、耐湿性、耐水性を有し、かつ製造、取扱いが容易な
ガスバリア性を有する積層体を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
高分子樹脂組成物からなる基材上に、水溶性高分子と、
(a)一種以上の金属アルコキシド或いはその加水分解
物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶
液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーテ
ィング剤を塗布し、加熱乾燥してなる被膜を第一層と
し、無機化合物からなる蒸着層を第二層として順次積層
してなることを特徴とするガスバリア性積層体である。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明に基づき、水溶性高分子がポリビニルアルコールで
あることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層
体である。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1記載の
発明に基づき、金属アルコキシドは、テトラエトキシシ
ラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれ
らの混合物であることを特徴とするガスバリア性積層体
ある。
【0013】
【作用】本発明によれば、高分子樹脂組成物からなる基
材上に、水溶性高分子と、(a)一種以上の金属アルコ
キシド及びその加水分解物、または(b)塩化錫の少な
くとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶
液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥して
なる被膜を第一層とし、無機化合物からなる蒸着層を第
二層として順次積層してなることにより、第1層が第2
層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥或い
は微細孔の発生を抑制し、かつ充填、補強することで、
緻密構造が形成され、高いガスバリア性を示し、かつ耐
水性、耐湿性を有するとともにある程度の変形に耐えら
れる可撓性を有し、印刷、ラミネート、スリッター、製
袋などの後加工時のクラック発生などによるガスバリア
性の劣化を防止する。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を詳細に説明する。図1は
本発明のガスバリア性積層体の構成を説明する概略図で
ある。
【0015】図1において、1は本発明のガスバリア性
積層体あり、基材2、第1層であるガスバリア性を有す
る被膜層3、第2層である無機蒸着層4が順次積層され
ている。
【0016】基材2は、シート状またはフィルム状のも
のであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等)、ポリアミド(ネイロン−6、ナイロン−6
6等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなど、或いはこれ
ら高分子の共重合体など通常包装材料として用いられる
ものが使用できる。基材2は用途に応じて上記材料から
適宜選択される。厚さは用途に応じて決定されるが、3
〜200μmの範囲で、とくに6〜100μmのものが
望ましい。
【0017】この基材2に用いられる高分子樹脂材料
に、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、
着色剤など公知の添加剤、安定剤を加えることができ、
必要に応じて適宜添加される。
【0018】さらに基材2の表面をコロナ処理、プラズ
マ処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、被膜
の密着性を向上させることも可能である。
【0019】第1層であるガスバリア性を有する被膜層
3は、水溶性高分子の、(a)1種以上の金属アルコキ
シド或いは加水分解物、または(b)塩化錫の少なくと
も一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を
主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子と塩
化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解
させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或
いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合し
た溶液を基材2上にコーティング、加熱乾燥し、形成し
たものである。コーティング剤に含まれる各成分につい
て以下に詳述する。
【0020】本発明でコーティング剤に用いられる水溶
性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる、と
くにポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本
発明のガスバリア性積層体のコーティング剤に用いた場
合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、
一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢
酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVA
から酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVA
までを含み、とくに限定されるものではない。
【0021】また金属アルコキシドは、テトラエトキシ
シラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキシ
アルミニウム〔Al(O−2’−C3 7 3 〕などの
一般式、 M(OR)n (M:Si Ti Ai Zr等の金属, R:CH3
2 5 等のアルキル基)で表せるものである。なかで
もテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニ
ウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定で
あるので好ましい。
【0022】さらに塩化錫は塩化第一錫(SnC
2 )、塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混
合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いること
ができる。
【0023】上述した各成分を単独またはいくつかを組
み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらに
コーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシ
アネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散
剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を
加えることができる。
【0024】例えばコーティング剤に加えられるイソシ
アネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネ
ート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIとする)、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート(以下、TTIとす
る)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下、
TMXDIとする)などのモノマー類と、これらの重合
体、誘導体などがある。
【0025】コーティング剤の塗布方法には、通常用い
られる、ディッピング法、ロールコーティング法、スク
リーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いら
れる。被膜の厚さはコーティング剤の種類によって異な
るが、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲で
あればよいが、50μm以上では、膜にクラックが生じ
やすくなるため、0.01〜50μmとすることが望ま
しい。
【0026】次に第2層である無機蒸着層4は、珪素、
マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、
錫などの酸化物、窒化物、弗化物の単体、或いはそれら
の複合物、又は上記に挙げた物質単体からなり、真空蒸
着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD
法)などの真空プロセスにより被膜層3上に形成され
る。
【0027】無機蒸着層4の膜厚は、用途や第2層の膜
厚によって異なるが、数十Åから5000Åの範囲が望
ましいが、50Å以下では薄膜の連続性に問題があり、
また3000Åを越えるとクラックが発生しやすく、可
撓性が低下するため、好ましくは50〜3000Åであ
る。
【0028】さらに本発明のガスバリア性を有する積層
体1上には、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性
樹脂層、印刷層を被膜層3上または基材2上に積層する
ことができ、また複数の樹脂を接着層を介して積層する
ことも可能である。
【0029】本発明のガスバリア性を有する積層体を具
体的な実施例を挙げて説明する。
【0030】〔実施例1〕厚さ12μmのポリエチレン
テレフタレート(以下、PETとする)を基材とし、そ
の片面に下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合して
なるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機
で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmの被膜
を形成し、さらにSiO(酸化珪素)を蒸着源とし、電
子線加熱方式による真空蒸着法により、膜厚400Åの
蒸着層を形成しガスバリア性積層体を得た。
【0031】(コーティング剤の成分) (A)テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4
以下、TEOSとする〕10.4gに塩酸(0.1N)
89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形
分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液。 (B)トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−
2’−C3 7 3 :以下、TPAとする〕6.0gを
80℃の熱水90g中で溶解した後、塩酸(5N)4g
を添加し解膠させた固形分3wt%(Al2 3 換算)
の加水分解溶液。 (C)塩化第一錫(無水物)の3wt%の水/エタノー
ル溶液(水:エタノール重量比で50:50) (D)塩化第二錫(無水物)の3wt%の水溶液 (E)ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピ
ルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比
で90:10) (F)ポリビニルピロリドンの3wt%の水/エタノー
ル溶液(水:エタノール重量比で50:50)
【0032】 (コーティング剤の組成) 実施例 No.1 (A)/(E) 配合比(wt%)60/40 実施例 No.2 (A)/(B)/(F)配合比(wt%)50/10/40 実施例 No.3 (C)/(E) 配合比(wt%)60/40 実施例 No.4 (A)/(C)/(E)配合比(wt%)40/30/30 実施例 No.5 (A)/(D)/(E)配合比(wt%)40/30/30 比較例 No.6 コーティング無し 配合比(wt%) 比較例 No.7 (A)/(C)/(E)蒸着層無し 配合比(wt%)40/30/30
【0033】得られたガスバリア性積層体を40℃−9
0%RHの恒温恒湿下で4週間保存し、その前後のガス
バリア性を酸素透過度及び水蒸気透過度の測定により評
価した。酸素バリア性を25℃−100%RH雰囲気下
で酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 MO
CON OXTRAN 10/40A)を用いて測定
し、水蒸気バリア性を40℃−90RH雰囲気下で水蒸
気透過度測定装置(モダンコントロール社製 PERM
ATRAN W6)を用いて測定し、その結果を表1に
示す。なお比較例としてコーティングなしの蒸着膜のみ
のフィルムと蒸着膜なしのコーティング被膜のみのフィ
ルムも作製し同様に測定評価した。
【0034】
【表1】
【0035】これらから蒸着フィルムにコーティング剤
を塗布したもの(No.1〜5)は酸素バリア性及び水
蒸気バリア性はともに、コーティング無しのNo.6に
比べ高く、高ガスバリア性を示した。比較例のコーティ
ング被膜のみのもの(No.7)は酸素バリア性は高い
が、水蒸気バリア性がないことが認められた。
【0036】〔実施例2〕実施例1のNo.4、No.
6の積層フィルムのコーティング面を接着面としてポリ
オールイソシアネート系接着剤にて未延伸ポリプロピレ
ンフィルム(CPP、30μm)とラミネートした積層
フィルムを引張試験機を用いて所定伸率引張り試験を行
った後、酸素透過度、水蒸気透過度の測定を実施し、さ
らに可撓性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】比較例の蒸着膜のみのフィルム(No.
6)は数%の伸びで引っ張りによる変形に耐えられず膜
にクラックを生じ、ガスバリア性が著しく低下したが、
本発明のガスバリア性積層体は10%程度まではほとん
ど劣化が認められず、その後の引っ張りによる変形によ
ってもその劣化は少なく、比較例の蒸着膜単体の積層フ
ィルムに比べてかなりの可撓性を有している。
【0039】〔実施例3〕OPP(二軸延伸ポリプロピ
レン)フィルム(30μm)を基材として、実施例1の
No.1のコーティング剤を用いて、実施例1と同様に
コーティング被膜を形成し、その上面にSiO、Al2
3 、SnO2 を蒸着源として電子線加熱方式により真
空蒸着法により、膜厚400Åの蒸着層を形成し、酸素
透過度及び水蒸気透過度の測定評価を行った。なお比較
例としてコーティング被膜を設けず、基材上に直接蒸着
した積層フィルムも同様に測定評価した。その結果を表
3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】上記したように、いずれの蒸着源を用いた
積層体においても第一層にコーティング被膜を設けるこ
とにより、著しいガスバリア性の向上が見られ、ハイレ
ベルのガスバリアフィルムが得られた。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明のガスバリア性
積層体は、高分子樹脂組成物からなる基材上に、水溶性
高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド或いはそ
の加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を
含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とす
るコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリ
ア性被膜を第一層とし、無機化合物からなる蒸着層を第
二層として順次積層することにより、この積層体は高い
ガスバリア性を有し、かつ可撓性、耐水性、耐湿性に優
れ、さらに他の樹脂と積層しても、その強度は十分実用
に耐えるものである。すなわち高湿度雰囲気下において
もガスバリア性を損なうことなく、食品や医薬品など内
容物を劣化させることなく長期保存を可能とするもので
ある。また包装材料として印刷やラミネート、スリッタ
ー、製袋など後加工においてもガスバリア性を損なうこ
とがない、汎用性のある透明ガスバリア包装材料を提供
できるとする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性積層体の構成を説明する
概略図である。
【符号の説明】
1 ガスバリア性積層体 2 基材 3 ガスバリア性被膜層 4 無機蒸着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/04 PFM C08L 29:04 (72)発明者 佐々木 昇 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 宮本 隆司 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 八房 和也 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子樹脂組成物からなる基材上に、水溶
    性高分子と、(a)一種以上の金属アルコキシド或いは
    その加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方
    を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤と
    するコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる被膜を
    第一層とし、無機化合物からなる蒸着層を第二層として
    順次積層してなることを特徴とするガスバリア性積層
    体。
  2. 【請求項2】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積
    層体。
  3. 【請求項3】前記金属アルコキシドは、テトラエトキシ
    シラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそ
    れらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のガ
    スバリア性積層体。
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