JP2008023934A - ガスバリア性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明プラスチックフィルムのような基材に滑剤等の突起物が形成されていたとしても、生産上適切な無機化合物層の膜厚でもって、ピンホール等の不具合が生じることなく、高いバリア性を得ることのできるカスバリア積層体を提供する。
【解決手段】透明プラスチック基材1の少なくとも片面に、樹脂層2および無機化合物層3をこの順で積層したガスバリア性積層体であって、前記樹脂層2が、Si(OR1)4 (R1 は加水分解性基)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成され、前記形成された樹脂層2の中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下であり、前記無機化合物層3が、前記樹脂層表面をプラズマにより表面処理した後に積層されたものであることを特徴とするガスバリア性積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば食品、日用品、医薬品等の包装分野に用いられる包装用の積層体、或いは電子機器関連部材等に用いられる積層体に関するものであり、特に高度なガスバリア性が必要とされる包装分野における包装や電子機器関連部材などに好適に用いられるようにした、高ガスバリア性を有する透明積層体に関するものである。
食品、日用品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められている。通常のガスバリア性が要求される包装材料においては、高分子の中では比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルムまたはそれらをコーティングしたフィルム等がよく用いられてきた。しかし、これらのフィルムは高度なガスバリア性が要求される包装材料としては使用できない。そのため上記のような要求があるものについては、アルミニウム等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料を用いざるを得なかった。
ところが、アルミニウム等の金属からなる金属箔等を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、包装材料を介して内容物を確認することができないこと、使用後の廃棄の際には不燃物として処理しなければならないこと、さらには検査の際に金属探知器が使用できないこと等、数多くの欠点を有し問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば、特許文献1、2等に記載されているような、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機化合物からなる蒸着薄膜を真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段によりプラスチックフィルム上に成膜したフィルムが上市されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性とガスバリア性を有する包装材料として好適とされている。
米国特許第3442686号明細書 特公昭63−28017号公報
透明蒸着フィルムにおいて、無機化合物の膜厚が薄い場合には基材上にある滑剤等の突起物をカバーできず十分なバリア性が得られない。また無機化合物の膜厚を増加させていくことによって高いバリア性が期待されるが、実際には膜厚を増加させていったとしても膜の内部応力によってクラックが発生し、バリア性が飽和してしまったり、逆に低下してしまうという現象が起こる。そのため、生産性を考慮した無機化合物の膜厚において、高いバリア性を得ることは大きな課題となっている。
また、プラスチックフィルムの長尺物に蒸着、印刷等を連続的に加工するためには、前記フィルムを巻き取り状態から、巻き出して加工する。このとき、前記フィルムは、一定の滑り性を有していないとフィルムの巻き出しが行えず、加工適正が低下してしまう。このため、前記フィルムには、上記のように一定の粒径の滑剤が充填されており、この滑剤が突起を形成している。このようなフィルムにそのまま真空蒸着等により蒸着層を設けると、ピンホール等の不具合が生じてしまう恐れがあった。
したがって本発明の目的は、透明プラスチックフィルムのような基材に滑剤等の突起物が形成されていたとしても、生産上適切な無機化合物層の膜厚でもって、ピンホール等の不具合が生じることなく、高いバリア性を得ることのできるカスバリア積層体を提供することにある。
本発明ではプラスチックフィルムに滑剤の突起物が形成されていたとしても、該フィルムの表面に特定の樹脂層を設け、その表面状態を特定化することにより上記のような課題を解決することができた。
請求項1に記載の発明は、透明プラスチック基材の少なくとも片面に、樹脂層および無機化合物層をこの順で積層したガスバリア性積層体であって、
前記樹脂層が、Si(OR1)4 (式中、R1 は加水分解性基を表す)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成され、
前記形成された樹脂層の中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下であり、
前記無機化合物層が、前記樹脂層表面をプラズマにより表面処理した後に積層されたものであることを特徴とするガスバリア性積層体である。
請求項2に記載の発明は、透明プラスチック基材の少なくとも片面に、樹脂層および無機化合物層をこの順で積層したガスバリア性積層体であって、
前記樹脂層が、Si(OR1)4 (式中、R1 は加水分解性基を表す)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成され、
前記形成された樹脂層の中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下であり、
前記無機化合物層が、前記樹脂層上に、プラズマCVD法により積層されたものであることを特徴とするガスバリア性積層体である。
請求項3に記載の発明は、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロースおよびデンプンからなる群から選択された少なくとも1種類以上を成分として有することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層体である。
請求項4に記載の発明は、前記樹脂層中に、R2 Si(OR3)3 (R3 は加水分解性基を表し、R2 は有機官能基を表す)で表されるシランカップリング剤が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性積層体である。
請求項5に記載の発明は、前記無機化合物層が、酸化珪素膜、窒化珪素膜またはそれらの混合物である酸窒化珪素膜であることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性積層体である。
請求項6に記載の発明は、透明プラスチック基材がポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂層がテトラエトキシシランの加水分解物、ポリビニルアルコールおよび有機官能基としてエポキシ基を含むシランカップリング剤を含有し、前記無機化合物層が酸化珪素膜であって、前記樹脂層上に、プラズマCVD法により積層されたものであることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性積層体である。
本発明のガスバリア積層体によれば、透明プラスチック基材の少なくとも片面に、中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下となるように樹脂層を形成している。この樹脂層の存在により、基材上にある滑剤等の突起物の影響が抑制される。また、この樹脂層の上に、プラズマ処理後あるいはプラズマCVD法により無機化合物層を積層している。これにより、樹脂層表面に存在する珪素化合物あるいはその加水分解物が活性化され、無機化合物層における無機化合物と、当該化合物との相互作用が起き、高いバリア性を発現するものである。
本発明によれば、透明プラスチックフィルムのような基材に滑剤等の突起物が形成されていたとしても、生産上適切な無機化合物層の膜厚でもって、ピンホール等の不具合が生じることなく、高いバリア性を得ることのできるカスバリア積層体を提供することができる。
本発明のガスバリア性積層体を実施の形態に沿って詳細に説明する。図1は本発明のガスバリア性積層体の一実施形態を示す側断面図であり、厚み方向に順に、透明プラスチック基材1、樹脂層2、無機化合物層3が順次積層されている。
本発明に用いられる透明プラスチック基材は、バリア層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムや、環状シクロオレフィンを含むシクロオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。
透明プラスチック基材は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。二軸方向に任意に延伸されていても問題ない。また、この基材の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。前述のように、本発明では透明プラスチック基材に滑剤を配合し、その突起物が形成されていたとしても、樹脂層の存在によりその影響が軽減され、優れたバリア性を提供することができる。
本発明の透明プラスチック基材1上に形成される樹脂層2は、Si(OR1)4 (R1 はCH3、C25、C24OCH3 等の加水分解性基)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液(コーティング剤)を塗布し加熱乾燥して形成される皮膜であり、樹脂層の表面平滑性を示す中心線平均表面粗さは20nm以下であり、最大高さは100nm以下でなければならない。より好ましくは、中心線平均表面粗さは10nm以下、最大高さは50nm以下が好ましい。なお、ここでいう中心線平均表面粗さおよび最大高さは、JIS B0601に示されるRaおよびRmaxを意味する。
コーティング剤に含まれる各成分について以下に詳述する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリビニルピロリドン、デンプン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロースおよびデンプンからなる群から選択された少なくとも1種類以上を成分として有することが好ましい。とくにポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発明のガスバリア性積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含み、とくに限定されるものではない。
金属アルコキシドは加水分解後に縮合し、ガラスなどのセラミック膜を形成することは周知の事実である。しかし金属酸化物は硬く、さらに縮合時の体積縮小による歪みによりクラックが入りやすいため、フィルム上に薄く透明で均一な縮合体被膜を形成することは非常に困難である。そこで、高分子を添加する事によって構造体に柔軟性を付与しクラックを防止して造膜する事が可能である。しかし金属アルコキシドあるいはその加水分解物と水酸基を有する水溶性高分子との混合物からなる樹脂層は、水素結合からなるため水に膨潤し溶解する。蒸着層との積層構造による相乗効果があっても過酷な条件での処理では劣化は免れない。
そこで、樹脂層2にR2 Si(OR3)3 (R3 はCH3、C25、C24OCH3 等の加水分解性基、R2 は有機官能基)、所謂シランカップリング剤を添加することにより、この膨潤を防ぐことができる。R2 Si(OR3)3 は加水分解基によりSi(OR1)4 、水溶性高分子と水素結合を形成するためにバリアの孔になり難く、また一方で有機官能基はネットワークをつくることで水素結合の膨潤を防ぐ。なかでも、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、イソシアネート基を持つものは、官能基が疎水性であるため、耐水性はさらに向上する。シランカップリング剤の添加量は乾燥後の樹脂層の質量に対し、任意の割合で添加が可能であるが、好ましくは1〜20%の割合で添加が可能である。
Si(OR1)4 にテトラエトキシシラン、水溶性高分子にPVAを用いた場合、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物を金属酸化物(例えばSiO2)に換算したときの金属酸化物と水溶性高分子との重量比率は、特にSiO2 /PVAが100/10〜100/100であることがより好ましい。PVAが100/10より少ないと無機化合物層3が硬く、フレキシビリティが低く、ヒビ割れ等のが劣化しやすい。またPVAが100/100以上であれば耐水性阻害の原因となる。
樹脂層2を形成するためのコーティング溶液へは、インキ、接着剤との密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物や、安定化剤、着色剤、粘度調整剤などの公知の添加剤などを、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加する事ができる。
乾燥後の樹脂層2の厚みは特に限定しないが、0.1μmを下まわると基材の凹凸を平滑にすることが難しく、厚みが50μm以上を越えるとクラックが生じ易くなる可能性があるため、0.1〜50μmとすることが望ましい。
樹脂層2の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗工方式を用いて基材の上に塗布する。
樹脂層2の乾燥法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など樹脂層2に熱をかけて、水分子を飛ばす方法であれば、これらのいずれでも、またこれらを2つ以上組み合わせてもかまわない。
続いて樹脂層2上への無機化合物からなる無機化合物層3の形成は、真空蒸着法によって形成させるが、樹脂層2をプラズマによって処理後、無機化合物からなる無機化合物層3を形成する必要がある。 プラズマ処理を行った後に無機化合物を成膜することによって、樹脂層2表面に存在する珪素化合物あるいはその加水分解物を活性化し無機化合物を成膜するため、無機化合物と、樹脂層表面との間の相互作用が起き、高いバリア性を発現するものである。そのため、このプラズマ処理と無機化合物からなる無機化合物層3の形成は同一の真空装置中で行われることが好ましい。
無機化合物からなる無機化合物層3は、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムなどの酸化物、チッソ、弗化物の単位あるいはそれらの複合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中では、特に酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素が好ましい。最適には、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素である。
プラズマ処理後に、無機化合物からなる無機化合物層3を樹脂層2上に形成する方法は、通常の真空蒸着法により形成することが可能である。例えば、反応性蒸着法、スパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(PECVD)などを用いることもできる。なお、プラズマCVD法により無機化合物層3を形成すれば、プラズマ中で成膜を行うため、樹脂層2の活性化と成膜が同時に可能であり、特に適していると考えられる。
無機化合物からなる無機化合物層3の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜1000nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が1000nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることが難しく、生産性も低くなる。
本発明のガスバリア性積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
[実施例1]
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(以下PET)を基材とし、その片面に下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.5μmの樹脂層を形成した。得られた樹脂層の中心線平均表面粗さは12nmであり、最大高さは43nmであった。さらに樹脂層表面にプラズマ処理を行った後、SiO(酸化珪素)を蒸着源とし、電子線加熱方式による真空蒸着法により、膜厚40nmの無機化合物層を形成しガスバリア性積層体を得た。
[実施例2]
厚さ100μmのPETを基材とし、その片面に下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.5μmの樹脂層を形成した。得られた樹脂層の中心線平均表面粗さは12nmであり、最大高さは43nmであった。さらにヘキサメチルジシロキサン(HMDSO):酸素=10:100混合した原料ガスをもちい、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を30nm成膜しガスバリア性積層体を得た。
[実施例3]
厚さ100μmのPETを基材とし、その片面に下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.5μmの樹脂層を形成した。得られた樹脂層の中心線平均表面粗さは15nmであり、最大高さは39nmであった。さらにヘキサメチルジシロキサン(HMDSO):酸素=10:100混合した原料ガスをもちい、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を30nm成膜しガスバリア性積層体を得た。
[比較例1]
厚さ100μmのPETを基材とし、その片面にヘキサメチルジシロキサン(HMDSO):酸素=10:100混合した原料ガスをもちい、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を30nm成膜した。PET基材の中心線平均表面粗さは32nmであり、最大高さは152nmであった。
[比較例2]
厚さ100μmのポリエチレンナフタレート(以下PEN)を基材とし、その片面にヘキサメチルジシロキサン(HMDSO):酸素=10:100混合した原料ガスをもちい、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を30nm成膜した。PEN基材の中心線平均荒さは10nmであり、最大高さが80nmであった。
[比較例3]
厚さ100μmのPETを基材とし、その片面に下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.5μmの樹脂層を形成した。得られた樹脂層の中心線平均表面粗さは12nmであり、最大高さは43nmであった。この樹脂層上にプラズマ処理を行わずに、SiO(酸化珪素)を蒸着源とし、電子線加熱方式による真空蒸着法により、膜厚40nmの蒸着層を形成した。
[比較例4]
厚さ100μmのPENを基材とし、その片面にHMDSO:酸素=10:100混合した原料ガスをもちい、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を30nm成膜した。さらに下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.5μmの樹脂層を形成した。
(ガスバリア性被膜コーティング剤の調整)
(A):テトラエトキシシラン(Si(OC254 、以下TEOSと称す)17.9gと、メタノール10gに塩酸(0。1N)72.1gを加え、30分間攪拌し、加水分解させた固形分5%(重量比SiO2 換算)の加水分解溶液。
(B):ポリビニルアルコールの5%(重量比):水/メタノールアルコール=95:5(重量比)水溶液。
(C):β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランとイソプロピルアルコール(IPA溶液)に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2 Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
(D):粒径0.5μmのシリカの標準粒子。
(ガスバリア性被膜コーティング剤の成分配合比)
A:TEOSのSiO2 固形分(換算値)
B:PVA固形分
C:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランのR2 Si(OH)3固形分(換算値)
配合比はすべて固形分重量比率である。
実施例1・・・・・・・・・・・・・・A/B/C=70/20/10
実施例2・・・・・・・・・・・・・・A/B/C=70/20/10
実施例3・・・・・・・・・・・・・・A/B/D=70/20/10
比較例1・・・・・・・・・・・・・・コーティングなし
比較例2・・・・・・・・・・・・・・コーティングなし
比較例3・・・・・・・・・・・・・・A/B/C=70/20/10
比較例4・・・・・・・・・・・・・・A/B/C=70/20/10
また、実施例、比較例中におけるバスバリア性の測定は水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN-W 3/33)をもちい、40℃、相対湿度90%の条件下で測定を行った。その結果を下表に示す。また基材に用いたPETフィルムのバリア性は5.0g/m2/day 、PENフィルムのバリア性は2.0g/m2/dayである。
Figure 2008023934
表1により比較例1、2に示されているように表面平滑性の低いPETフィルムや、表面平滑性は高いものの樹脂層のないPENフィルムはバリア性が得られていない。また、樹脂層を形成したにもかかわらずプラズマ処理を行わなかった比較例3もバリア性に劣っている。比較例4では比較例2のフィルム上に皮膜層を形成した本発明とは逆の構成となっているが、比較例2と比較してほとんどバリア性は向上しない。一方で本発明によって作製された実施例1から3の積層体は良好なバリア性を示していることがわかる。
本発明のカスバリア積層体は、透明プラスチックフィルムのような基材に滑剤等の突起物が形成されていたとしても、生産上適切な無機化合物層の膜厚でもって、ピンホール等の不具合が生じることなく、高いバリア性を得ることができるので、食品、日用品、医薬品等の包装分野に用いられる包装用の積層体、或いは電子機器関連部材等に用いられる積層体、特に高度なガスバリア性が必要とされる包装分野における包装や電子機器関連部材などに好適に用いられる。
本発明のガスバリア積層体の構成を説明する概略断面図である。
符号の説明
1……透明プラスチック基材、2……樹脂層、3……無機化合物層。

Claims (6)

  1. 透明プラスチック基材の少なくとも片面に、樹脂層および無機化合物層をこの順で積層したガスバリア性積層体であって、
    前記樹脂層が、Si(OR1)4 (式中、R1 は加水分解性基を表す)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成され、
    前記形成された樹脂層の中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下であり、
    前記無機化合物層が、前記樹脂層表面をプラズマにより表面処理した後に積層されたものであることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. 透明プラスチック基材の少なくとも片面に、樹脂層および無機化合物層をこの順で積層したガスバリア性積層体であって、
    前記樹脂層が、Si(OR1)4 (式中、R1 は加水分解性基を表す)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成され、
    前記形成された樹脂層の中心線平均表面粗さが20nm以下であり、かつ最大高さが100nm以下であり、
    前記無機化合物層が、前記樹脂層上に、プラズマCVD法により積層されたものであることを特徴とするガスバリア性積層体。
  3. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロースおよびデンプンからなる群から選択された少なくとも1種類以上を成分として有することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
  4. 前記樹脂層中に、R2 Si(OR3)3 (R3 は加水分解性基を表し、R2 は有機官能基を表す)で表されるシランカップリング剤が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
  5. 前記無機化合物層が、酸化珪素膜、窒化珪素膜またはそれらの混合物である酸窒化珪素膜であることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性積層体。
  6. 透明プラスチック基材がポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂層がテトラエトキシシランの加水分解物、ポリビニルアルコールおよび有機官能基としてエポキシ基を含むシランカップリング剤を含有し、前記無機化合物層が酸化珪素膜であって、前記樹脂層上に、プラズマCVD法により積層されたものであることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性積層体。
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