JP2004203022A - 帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯電防止性を有するプラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、リアクティブイオンエッチング(RIE)モードのプラズマを利用した前処理を施し、その上に厚さ5〜100nmの金属もしくは無機化合物からなる蒸着層を設けることを特徴とする帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルムである。
【選択図】図1
Description
蒸着膜の密着を強化し、デラミネーションの発生しないガスバリア性フィルムとしての帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、帯電防止性を有するプラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、リアクティブイオンエッチング(RIE)モードのプラズマを利用した前処理を施し、その上に厚さ5〜100nmの金属もしくは無機化合物からなる蒸着層を設けることを特徴とする帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルムである。
シドおよびまたはその加水分解物およびまたはその重合物の少なくとも1種類以上を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルムである。
マー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
ある。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。
<実施例1>
基材として厚さ15μmの帯電防止性延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(表面固有抵抗5.0×1011)の片面に、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理を施した。この時、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用い、処理ガスにはアルゴンを用いた。この上に、電子線加熱方式を用いた反応蒸着により、酸化アルミニウムを20nmの厚みで成膜して、強密着蒸着フィルムを作成した。
<実施例2>
処理ガスにアルゴン/酸素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着蒸着フィルムを作成した。
<実施例3>
処理ガスにアルゴン/窒素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着蒸着フィルムを作成した。
<実施例4>
処理方法として2基のプラズマ処理器を用いてRIEによる前処理を行い、始めにアルゴンによる処理を施し、続いて酸素による処理を連続して行った以外は、実施例1と同様の方法で強密着蒸着フィルムを作成した。
<比較例1>
基材へのRIEによる前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
<比較例2>
処理方法として一般的なインラインプラズマ処理器(冷却ドラム、ガイドロールの対面側に処理器がある)を使用して、プラズマエッチングによる前処理を行い、処理ガスにアルゴンガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
<比較例3>
処理方法として一般的なインラインプラズマ処理器(冷却ドラム、ガイドロールの対面側に処理器がある)を使用して、プラズマエッチングによる前処理を行い、処理ガスにアルゴン/酸素混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
この溶液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.4μmの複合被膜層を形成した。
<評価1>
酸素透過率…モダンコントロール社製(MOCON OXTRAN 10/50A)を用いて、30℃−70%RH雰囲気下で蒸着工程後のフィルムを測定した。
<評価2>
ラミネート強度…上記積層サンプルの蒸着フィルム/延伸ナイロン間のラミネート強度を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて測定した(JIS Z1707準拠)。但し、測定の際に測定部位を水で湿潤させながら行った。
2…無機酸化物蒸着層
3…複合被膜層
4…RIEによる前処理面層
Claims (12)
- 帯電防止性を有するプラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、リアクティブイオンエッチング(RIE)モードのプラズマを利用した前処理を施し、その上に厚さ5〜100nmの金属もしくは無機化合物からなる蒸着層を設けることを特徴とする帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記プラスチック材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン類の少なくとも一種類以上を成分に持つプラスチック材料、それらの少なくとも一種類以上を共重合成分に持つプラスチック材料、もしくはそれらの化学修飾体の少なくとも一種類以上を成分に持つプラスチック材料のいずれかの材料であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記プラスチック材料が、延伸ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記ポリエステル類が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ボリブチレンテレフタレート、ボリブチレンナフタレートの単体もしくはそれらの共重合体からなることを特徴とする請求項2記載の帯電防止強密着蒸着フィルム。
- 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、アルゴン、窒素、酸素、水素のうちの1種類のガス、またはこれらの混合ガスを用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理が、自己バイアス値を200V以上2000V以下とし、またEd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEd値が、100V・s・m-2以上10000V・s・m-2以下である低温プラズマによる処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記金属が、アルミニウム、錫、チタン或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記RIEモードのプラズマを利用した前処理と蒸着層が、同一の製膜機(インライン製膜機)にて施されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記蒸着層の上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシドおよびまたはその加水分解物およびまたはその重合物の少なくとも1種類以上を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
- 前記水酸基含有高分子化合物が、ポリビニルアルコールまたはポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、セルロース、デンプンの少なくとも1種類以上を成分に持つことを
特徴とする請求項10記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。 - 前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項10記載の帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム。
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