JP4601800B2 - 紙容器用シーラントフィルムおよびそれを用いた液体紙容器 - Google Patents

紙容器用シーラントフィルムおよびそれを用いた液体紙容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体紙容器におけるヒートシーラント層の構成要素に用いる積層体に関する。さらに詳細には、フィルムの加工適性、低温ヒートシール性、ホットタック性、滑り性に優れ、かつ、内容物の味覚保持性能に優れたヒートシール用多層フィルムおよびそれを用いた液体紙容器の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体が内容物である紙容器としては、密封された容器から液漏れがあってはならない(液体密封性)ことは言うまでもないが、更に、空気中の酸素によって内容物が変質、変色等の悪影響を受けることがあるので、内容物の長期保存性のためには、前記紙容器への外気浸入もあってはならない(気密性)。
図3は、ゲーベルトップ型紙容器におけるシール性を確認する部位を示す斜視図(a)および上面図(b)であり、図4は、図3におけるW−W部の断面で、(a)段差部DS部、(b)センターシール部CS部のそれぞれ断面拡大図である。
紙容器の前記液体密封性及び気密性の点において、図3に示すようなゲーベルトップ紙容器Pを例としてあげれば、液漏れや気密性を損ない易い部位としては、紙容器の構造上、図3(a)に示す貼着板の接合端部である段差部DS及びセンターシール部CSである。図4(a)に示すように、前記段差部DSの断面には、パネルV2、SV1により形成される空隙部X、図4(b)に示すように、前記センターシール部CSの断面にはパネルV1、V2とサイドパネルの折り込み部SV1、SV2の合流点に空隙部Yがそれぞれ形成される。
紙容器の成形工程において、紙容器成形用積層体の内面樹脂が熔融して前記空隙部X及びYを確実に密封することが要求される。このように確実なる密封性を得るために容器成形時の接合部位置の樹脂を加熱して圧着する工程における加熱条件を強くするケースがあるが、その場合には、接液層の樹脂が酸化し、その際に発生する酸化臭が内容物に移行して味覚の低下となるため、前記シール条件の設定および安定稼動を保つのが難しく、注意深く条件保持をする必要があった。従って良好な機能を有する紙容器を得るための材質としては、作業条件の範囲が広いもの、特にシール温度が低くても密封性の得られる材料が望まれていた。
液体紙容器のシーラントフィルムには、成形性やヒートシールが容易であるLDPEが主に使用されてきたが、十分な熱エネルギー(シール温度)を与えると、前述のように接液層の樹脂が酸化し、その際発生する酸化臭が内容物に移行し、味覚劣化を及ぼすことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題に対し、中密度ポリエチレンを使用したりするケースがあるが、シール温度が高く、且つ、接着強度不足のため、しばしば、漏れ、胴膨れといった現象を引き起こしていた。また、近年の環境問題から、脱アルミ仕様として、バリア層に無機酸化物の蒸着層やアルミニウムの蒸着層を用いたバリア性プラスチックフィルムを使用するようになってきた。
上記バリア性プラスチックフィルムを使用した紙容器のシーラント層にLDPEを用いた場合、LDPEを溶かすのに十分な熱エネルギーを与える必要があるが、加熱温度を高くし過ぎることにより、ピンホールが発生し、紙容器としての漏れ、胴膨れといった問題が生ずる。
一部、メタロセン触媒を使用したLLDPE等も使用されているが、密度が小さいものを使用すると、低温シール性には優れるが、滑り性が悪くなり紙容器として成形加工の際に支障をきたすことがあった。
そこで、滑り性の向上をはかる為、シーラントフィルムに滑剤を添加したりするが、添加する滑剤の種類や添加量によって、滑材がシーラントフィルム表面上に移行し、内容物の味覚劣化、さらには、シール強度の低下等を与える問題があった。
また、メタロセン触媒を使用したLLDPEは、高剪断速度において、マルチサイト触媒を用いたLDPEより溶融粘度が高くなる為、流れにくくなり、トップ及びボトムの前記空隙部X、Yにおける埋まりおよびシール不良といった現象を引き起こす。
また、LLDPEは、LDPEと比較して、単鎖分岐しか持たない分子構造のため、溶融張力が小さく、インフレ成形におけるバブルの安定性が劣る。例えば、樹脂圧の上昇、モーター負荷、剪断抵抗発熱による樹脂温度の上昇等が認められる。
本発明の目的は、フィルムの加工適性、低温ヒートシール性、ホットタック性、滑り性に優れ、且つ、内容物の味覚保持性能に優れたヒートシール用多層フィルム及びそれを用いた液体紙容器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明者は、紙容器用シーラントフィルムを、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂に、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜10の低密度ポリエチレン5〜40%をブレンドした内層Aと密度0.900〜0.920メルトインデックス0.2〜5の直鎖状低密度ポリエチレン60〜95wt%、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドした貼合層Bとを備えた共押出し製膜された積層体とし、前記α・オレフィンが、プロピレン、1―ブテン、3メチルー1―ブテン、4―メチルー1―ペンテン、1―ヘキセン、1―オクテン、デセンから選ばれる1又は2以上であること、貼合層Bが、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体60〜95wt%に密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドした樹脂からなる層であること、前記内層Aが、マスターバッチ式のブレンド方法により、平均粒度2〜15μmの無機系フィラー2.0〜5.0wt%を添加して製膜された層であること、前記マスターバッチのベースレジンが、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂であること、紙容器用シーラントフィルムがインフレーション法により製膜されたフィルムであることを含み、また、少なくとも、紙、バリア層、シーラントフィルムの順に構成された積層体から成形される紙容器の前記シーラントフィルムが請求項1〜請求項6のいずれかに記載の紙容器用シーラントフィルムであることを特徴とする液体紙容器であって、前記バリア層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄膜層もしくは蒸着層からなること、前記バリア層が、アルミニウムの薄膜層もしくは蒸着層からなること、前記バリア層が、金属箔からなること、前記バリア層が、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂のいずれかの樹脂からなること、前記バリア層が前記のバリア層の少なくとも1種以上選択されることを含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、紙容器用シーラントフィルムとして、製膜加工、紙容器の成形加工、容器としての密封性等に優れたフィルムおよびそれを用いた紙容器であり、特にシーラントフィルムを内層と貼合層の2層からなる共押出し製膜とし、内層はシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体と低密度ポリエチレンとのブレンド樹脂とし、必要により無機系フィラーを添加することを含むものである。また、前記シーラントフィルムを用いて、紙基材、バリア層、シーラントフィルム層からなる積層体から成形される紙容器である。
図1は、本発明の紙容器用シーラントフィルムの実施例を示し、(a)フィルムの層構成を示す断面図、(b)フィルムの別の層構成を示す断面図である。図2は、本発明の紙容器を形成する積層体の層構成の実施例を示す断面図である。
【0006】
本発明者は、紙容器用シーラントフィルムとして、内容物の味覚を良好に保持し、安定した密封性が得られるシーラントフィルムについて鋭意研究の結果、次のような多層構成のフィルムとすることによって良好な結果が得られることを確認し本発明を完成するに到った。
本発明の紙容器用シーラントフィルムは、図1(a)に示すように、少なくとも内層2と貼合層3とからなる多層フィルムである。内層2は、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂に、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜10の低密度ポリエチレン5〜40%とをブレンドした樹脂とする。
また、貼合層3は、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体60〜95wt%と密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドした樹脂とする。
また、貼合層3は、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のマルチサイト触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレン60〜95wt%と密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドしたものでもよい。
つまり、貼合層3は、シングルサイト系触媒を用いても、マルチサイト触媒を用いても、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のLLDPEであれば、液体紙容器として必要なホットタック性、低温シール性が得られることを見出した。
貼合層3として、前記ブレンドLDPEと同一の密度及びMIを持った、LDPE単層とすると、容器成形の際の低温ヒートシール性及びホットタック性が劣ることがわかった。
また、内層2には、マスターバッチ式のブレンド方法により、平均粒径2〜15μmの無機系フィラーFを2.0〜5.0wt%ををブレンドすることによってフィルムとして安定した滑り性を示し加工適性が向上した。
【0007】
滑り性の改善について、更に具体的に説明すると、前述のように、内層に低密度のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体を用いると滑り不良に伴う問題が発生することがある。
上記問題に対しては、図1(b)に示すように、マスターバッチ式のブレンド方法により平均粒径2〜15μmの無機系フィラーFを2.0〜5.0wt%添加することにより解決できる。
無機系フィラーFは、加熱状態でも溶融しない為、滑りの改善には有効であるが、シーラントフィルム層1に万遍なく添加するとシーラントとしてのヒートシール層の流動性を損ない紙容器の段差部シール、センターシール部に空隙を生じやすくする。この欠点を防止するため、本発明のシーラントフィルム1においては、内層部分にのみ、均一に、無機系フィラーを添加する。その結果、表面の滑りを良くし、貼合層3の熱流動性を保持し紙容器の段差部シール、センターシール部の空隙部が埋め切れずにピンホールが形成されることを防止するものである。
【0008】
また、本発明における内層Aと貼合層Bとの層厚比は、A/B=1〜0.05、好ましくは、0.5〜0.07が望ましい。前記層厚比A/Bが1を超えると、内層Aの表面に有効にフィラーが析出しなくなり、十分な滑り性を得ることが出来なくなり、前記層厚比A/Bが0.05未満であると、A層の薄膜化による樹脂圧の上昇、モーター負荷、剪断抵抗発熱による樹脂温度の上昇等が生じ、樹脂が酸化劣化等を生じ、味覚劣化の要因となるため好ましくなない。
また、上記無機系フィラーが2.0wt%未満であると、シーラント層表面上にフィラーが出にくく、滑り不良を改善する効果が少なく、また、5.0wt%を超えた場合、シーラント層表面にフィラーが飽和状態になり、それ以上入れても滑り性への効果が認められない。また、シーラント層が飽和状態になり、シール阻害を起こし、逆に、シール開始温度を上げてしまうことになる。また、コストアップ要因にもなる。
【0009】
本発明において用いる無機系フィラーFは、AL2O3、TiO2、ZnO、Fe2O3、SnO2、 CeO2、NiO、PbO、S2Cl2、ZnCl2、FeCl2、CaCO3、B2O3などから、平均粒径が2〜15μmのものから選択でき、好ましくは、酸化珪素SiO2が用いられる。
無機系フィラーFの平均粒径が2μm未満の場合は滑り性の改良に効果がなく、また、前記平均粒径が15μmを超えると、製膜フィルムの表面に突出する無機系フィラーFにより容器表面を摩擦し、傷つけることがある。
【0010】
そして、この無機系フィラーFは、前記記載共押出しフィルムの内層Aで用いた密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂と同一の樹脂をベースレジンとして使用し、高濃度に分散したマスターバッチとして使用できる。
マスターバッチに含まれる無機系フィラーFの含有量は、粒子の密度や種類によるが、5〜20wt%程度である。
【0011】
また、本発明においては、インフレーション成形時における、バブル安定効果を付与するため、内層A及び貼合層B共に低密度ポリエチレン5〜40%添加して、溶融張力を上げ、製膜適性を向上させた。
【0012】
以上説明した構成の樹脂組成物により製膜したフィルム1を紙容器Pのシーラントフィルムとして用いる場合、図2に示すように、紙基材4、バリア層5、シーラントフィルム1を順に貼り合わせて積層体10とする。各層の層間には接着層6を介在させることができる。また、紙基材4の外面には、ヒートシール性を有する表面樹脂層7を設けることができる。
【0013】
本発明において、シーラントフィルム1の内層2及び貼合層3の樹脂に、低密度ポリエチレンブレンドすることによって、前記積層体10から紙容器Pを形成する際、ヒートシール時の樹脂の流れが良くなり、トップ及びボトム部における段差により形成される空隙部X、Yへの埋まりがよくなり、その結果、密封シール性が向上することを見出した。
【0014】
本発明に用いられる紙基材4としては、通常、200から450g/m2の液体容器用紙が用いられる。
【0015】
また、本発明に用いられるガスバリア層5としては、前記バリア層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄膜層を形成するか、もしくは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン等からなるフィルムに前記の物質を蒸着したフィルムをラミネートしてもよい。また、前記バリア層が、アルミニウムの薄膜層もしくは前記フィルムにアルミニウムを蒸着したフィルムであってもよい。前記バリア層が、金属箔であっても良いし、前記バリア層が、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂のいずれかの樹脂により形成されていてもよい。また、本発明の、前記バリア層は、前記の各種バリア層の中から少なくとも1種以上選択されたものであってもよい。
【0016】
本発明の紙容器用シーラントフィルム1は、インフレーション法を用いて製膜される。インフレーション方により製膜することによって、Tダイ製膜法等と比較して低温にて製膜加工が可能であり、加熱による樹脂臭によるトラブルが減少する。
【0017】
積層体10の形成において、紙基材4、バリア層5、シーラントフィルム1の各層の貼りあわせは、AC剤を介してのサンドイッチラミネーションやドライラミネーション等の方法を用いて貼合される。
前記サンドイッチラミネーションのための接着性樹脂として低密度ポリエチレンを用いる場合、トップ及びボトムの段差部シールの埋まり、つまり密封性等を考慮するとMI=3以上のものが好ましい。
また、サンドイッチラミネーションにおける低密度ポリエチレンの酸化臭、いわゆるPE臭を低減するために、押出ラミネート時の熔融樹脂温度を250〜300℃まで温度を下げ、公知のオゾン処理と併用して貼合しても良い。オゾン処理量としては、5〜25g/Nm3が好ましい。
【0018】
【実施例】
本発明の紙容器用シーラントフィルムについて、実施例により具体的に説明する。
積層体仕様
<A> PE20/紙400/PE30/SiOX-PET12/PE20/PEf40
<B> PE20/紙400/EMAA20/VM-PET12/PE20/PEf40
<C> PE20/紙400/EMAA20/SiOX-PET12/PE20/PEf40
[略号 PE:低密度ポリエチレン、SiOX-PET12:酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、PEf:シーラントフィルム、EMAA:エチレンメタクリル酸樹脂、VM-PET:アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、また、略号の後の数値は層の厚みμmを示す、紙の場合のみ単位はg/m2
シーラントフィルムの構成
<S−1>密度0.915、メルトインデックス2.0のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンープロピレン共重合体70wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン30wt%とのブレンド樹脂からなる層を貼合層とし、密度0.905、メルトインデックス4.0のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体55wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン10wt%と、シリカ10wt%を含有したマスターバッチ35wt%のブレンド樹脂からなる内層(内層としてはシリカを3.5wt%含有)とし、貼合層30μm/内層10μmの共押出し製膜フィルム40μm。
<S−2>密度0.915、メルトインデックス2.0の直鎖状低密度ポリエチレン90wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン10wt%とのブレンド樹脂からなる層を貼合層とし、密度0.905、メルトインデックス4.0のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体55wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン10wt%と、シリカ10wt%を含有したマスターバッチ35wt%のブレンド樹脂からなる内層(内層としてはシリカを3.5wt%含有)とし、貼合層30μm/内層10μmの共押出し製膜フィルム40μm。
<S−3>密度0.915、メルトインデックス2.0の直鎖状低密度ポリエチレン90wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン10wt%とのブレンド樹脂からなる層を貼合層とし、密度0.905、メルトインデックス4.0のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体55wt%と密度0.923、メルトインデックス3.8の低密度ポリエチレン10wt%と、シリカ10wt%を含有したマスターバッチ35wt%のブレンド樹脂からなる内層(内層としてはシリカを3.5wt%含有)とし、貼合層35μm/内層5μmの共押出し製膜フィルム40μm。
なお、前記マスターバッチはいずれも、ベースレジンが、密度0.905、シリカの平均粒径は4μmとした。
[実施例1]
積層体仕様<A>シーラント構成<S−1>
[実施例2]
積層体仕様<A>シーラント構成<S−2>
[実施例3]
積層体仕様<A>シーラント構成<S−3>
[実施例4]
積層体仕様<B>シーラント構成<S−1>
[実施例5]
積層体仕様<B>シーラント構成<S−2>
[実施例6]
積層体仕様<B>シーラント構成<S−3>
[実施例7]
積層体仕様<C>シーラント構成<S−1>
[実施例8]
積層体仕様<C>シーラント構成<S−2>
[実施例9]
積層体仕様<C>シーラント構成<S−3>
【0019】
シーラントフィルムの構成
<S−3>密度0.907、メルトインデックス2.0のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体フィルム40μm
<S−4>密度0.923、メルトインデックス4.0の低密度ポリエチレンフィルム40μm
[比較例1]
積層体仕様<A>シーラント構成<S−3>
[比較例2]
積層体仕様<A>シーラント構成<S−4>
[比較例3]
積層体仕様<B>シーラント構成<S−3>
[比較例4]
積層体仕様<B>シーラント構成<S−4>
[比較例5]
積層体仕様<C>シーラント構成<S−3>
[比較例6]
積層体仕様<C>シーラント構成<S−4>
<評価方法>
【0020】
上記構成の積層体を用いて、1.8リットル容量のゲーベルトップ型紙容器を(内容物としてミネラルウォーターを充填して)成形し、その際の紙容器成形時の加工適性(主に滑り性)と、充填機適性(主に低温シール性)を確認するとともに、充填して10日間(20℃にて保管)後に、10名による味覚官能試験を実施した。
<結果>
【0021】
評価結果の記載は、以下の通りである。
◎;良好、○;仕様可能、△;条件により使用可能、×;トラブル発生の危険あり
【表1】
Figure 0004601800
【表2】
Figure 0004601800
表1および表2から明らかに、本発明の紙容器用シーラントフィルムを用いた場合(実施例)には、いずれも良好な結果を示したのに対し、シーラントフィルムとしてシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体単層の場合(比較例)には、滑り性が悪く実用に問題があり、また、シーラントフィルムが低密度ポリエチレン単層では、低温シール性に劣ることが判明した。
【0022】
【発明の効果】
本発明の紙容器用シーラントフィルムの構成とすることによって、紙容器としての低温シール性が可能となり、段差部における空隙の埋まりがよくなり、また、低温シール性による内容物のみかく保持効果を奏する。また、シーラントフィルムの製膜においても、その作業性は安定しており、生産性の向上効果を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器用シーラントフィルムの実施例を示し、(a)フィルムの層構成を示す断面図、(b)フィルムの別の層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の紙容器を形成する積層体の層構成の実施例を示す断面図である。
【図3】紙容器の具体的形状の例を示す、(a)斜視図、(b)その上面図である。
【図4】図3におけるW−W部の断面で、(a)段差部DS部、(b)センターシール部CS部のそれぞれ断面拡大図である。
【符号の説明】
P ゲーーベルトップ紙容器
F 無機系フィラー
DS 段差シール部
CS センターシール部
X 段差シール部に形成される空隙部
Y センターシール部に形成される空隙部
V1〜V2 紙容器のパネル
D 注出口
1 紙容器用シーラントフィルム
2 内層(または内層A)
3 貼合層(または貼合B)
4 紙基材
5 バリア層
6 接着層
7 表面樹脂層
10 積層体

Claims (9)

  1. 密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂に、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜10の低密度ポリエチレン5〜40%をブレンドし、更に、マスターバッチ式のブレンド方法により、平均粒度2〜15μmの無機系フィラー2.0〜5.0wt%を添加した内層Aと
    密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5の直鎖状低密度ポリエチレン60〜95wt%、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドした貼合層B
    とを備えたインフレーション法により共押出し製膜された積層体からなり、
    更に、上記の内層Aと貼合層Bとの層厚比が、A/B=1〜0.05の範囲で構成された積層体からなること
    を特徴とする紙容器用シーラントフィルム。
  2. 前記α・オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、3メチルー1−ブテン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセンから選ばれる1又は2以上であることを特徴とする請求項1記載の紙容器用シーラントフィルム。
  3. 貼合層Bが、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体60〜95wt%に、密度0.910〜0.925、メルトインデックス0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドした樹脂からなる層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙容器用シーラントフィルム。
  4. 前記マスターバッチのベースレジンが、密度0.900〜0.920、メルトインデックス0.2〜5のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の紙容器用シーラントフィルム。
  5. 少なくとも、紙、バリア層、シーラントフィルムの順に構成された積層体から成形される紙容器の前記シーラントフィルムが請求項1〜請求項4のいずれかに記載の紙容器用シーラントフィルムであることを特徴とする液体紙容器。
  6. 前記バリア層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄膜層もしくは蒸着層からなることを特徴とする請求項5に記載の液体紙容器。
  7. 前記バリア層が、アルミニウムの薄膜層もしくは蒸着層からなることを特徴とする請求項5に記載の液体紙容器。
  8. 前記バリア層が、金属箔からなることを特徴とする請求項5に記載の液体紙容器。
  9. 前記バリア層が、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂のいずれかの樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の液体紙容器。
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