JP3789552B2 - バッグインボックス用袋体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
柔軟な材質からなる袋体に液体を充填して、段ボール等に収納して、流通、保存、使用するバッグインボックスの前記袋体の材質に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2はバッグインボックスを示す概念図であって、ボックスPのフラップを開いた状態である。図3はヒートシールされた袋体の部分断面拡大図である。
バッグインボックスは、ミネラルウォーター、クリーム、食酢、清酒、みりんや味液、醤油又はソース等の飲料、調味料などの業務用の容器として、又、純水、現像液や定着液、液体化学薬品など試薬や工業用液体容器として用いられ、その容量サイズとして5〜20リットル程度の容量サイズが主体である。
前記飲料、調味料などの業務用の容器としてのバッグインボックスは、内容物の風味を重視する前記飲料または調味料等に用いられるものであり、その袋体Bは、2枚以上のフィルムを袋体を形成するための周縁部シールSおよびグロメットGを取り付けるためのシール部以外の部位は相互に接着していないいわゆる多重袋である。
前記多重袋とするフィルムには、単体フィルム、複合フィルム共に用いられるが、その最内フィルムとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVA という)、低密度ポリエチレン(以下LDPEという)、中密度ポリエチレン(以下MDPEという)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPE という)などの単体フィルムにより構成されているケースが殆どであった。
例えば、具体的な2重袋の材質構成の例をあげれば、
例1 (外袋)ON/DL/LDPE、(内袋)LDPE、
例2 (外袋)ON/LDPE/AL/LDPE/LLDPE 、(内袋)LLDPE
等の組み合わせで使用されている。{略号は、ON:2軸延伸ナイロンフィルム、DL: ドライラミネーション、AL: アルミ箔}。
【0003】
LDPEフィルムは、製膜適性、熱接着性の良さからバッグインボックスの最内フィルムとして多用されてきたが、従来の輸送条件よりさらに過酷な条件(例えば輸送範囲の拡大等)による屈曲によるピンホール発生の少ない材質として、前記EVA やLLDPE 等の材質のフィルムを用いることがある。
LDPEに代えて、EVA 或いはLLDPE を用いることにより、耐屈曲性は向上し、ピンホールの発生は押さえられるが、LDPEを含めこれらの材質に起因する要素により内容物の味覚に影響することがある。例えば、樹脂臭そのものが内容物に移行したり、内容物中の成分の吸着による味覚の劣化がある。
また、これらの樹脂は、低温度領域でヒートシール可能であるが、反面、内容物の加熱充填の温度により、最内フィルム、中間フィルム、外面フィルム間で接着を起こしてしまう。すなわち、2重袋、3重袋のフィルム同士が熱接着をおこし、単層化してしまって、そのために該熱接着部のフィルムの剛度があがり、輸送時の振動等による屈曲により、ピンホールを発生しやすくなる。この結果漏れ事故の要因となることがあった。さらに、比較的低温で溶融する樹脂であるが、製袋におけるヒートシールバーHSによる加圧加熱の際に、シール熱融着部Hの厚みが薄くなり、特に、最内フィルムの該熱融着部の端部に位置する部分が痩せる現象を示すことがある(図3)。この部分をシール痩せDと称し、バッグインボックス容器として強い衝撃を受けたときに、前記シール痩せ部分Dにおいて、フィルムが断裂し、大きな液漏れとなることがあった。そのために、製袋の工程においては、シール状態に注意して、とくにその温度範囲の狭い作業条件で製袋していた。
【0004】
バッグインボックス用袋体の最内フィルム、中間フィルムあるいは外面フィルム等のフィルム表面が平滑であると、前記各フィルムを製膜する場合や、これらの各フィルムを用いて製袋をする工程において、しわが入りやすく問題となることがある。これは、製膜の時の巻き取りで接触する表裏のフィルムの滑りが悪いためであり、また、製袋時でのフィルムの2重、3重での繰り出しの時の滑りが悪いためである。そこで、従来の一般的な対策法としてはフィルム製膜時に滑剤を添加して滑りをよくするが、飲料や液体食品のような内容物の場合、前記滑剤(添加剤)によって味覚が劣化することがあるため、滑剤をはじめ添加剤が使用できなかった。
【0005】
そこで、前記味覚の劣化や加熱充填によるフィルム間の熱接着対策として、中密度ポリエチレン(MDPE) のフィルムを最内フィルムとすることにより、前記の課題は解決することができるが、フィルムの剛度が大きくなりすぎて、耐屈曲性に弱いのでピンホールの発生があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
袋体の最内フィルムの最内層を構成している樹脂成分から、前記構成成分中に含まれる低分子量物等が内容物に溶出して、前記内容物の味覚に影響することがなく、逆に、内容物成分の前記袋体への吸着がない材質構成され、製膜、製袋の各工程における加工適性がよく、さらに内容物を充填して、保管したり輸送する段階において破袋しにくいバッグインボックス用袋体を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
バッグインボックス用袋体であって、前記袋体が2枚以上のフィルムから構成された多重袋において、前記多重袋の最内フィルムがシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(以下、S-PEという)からなる中間層と、前記中間層をはさむ最内層および最外層からなる少なくとも3層構成の共押出しフィルムであって、前記3層が密度の高い順に最外層、最内層、中間層であるような構成であって、それぞれの密度が最外層0.915 〜0.965 、中間層0.890 〜0.920 、最内層0.910 〜0.930 であること、前記最内層及び最外層の少なくとも一層がS-PEであること、さらに、前記最内フィルムの片面又は両面の法線方向に 1〜20μmの凹凸があることを含むバッグインボックス用袋体である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1(1−1)は本発明によるバッグインボックスの袋体を示す平面図、(1−2)は(1−1)のX−X部断面図、(1−3)は(1−2)のY部分の拡大図、図2はバッグインボックスの概念図、図3はシール部の断面拡大図である。バッグインボックス用の袋体Bは、グロメット(注出口)Gのフランジ部および袋体シール部のみが接着されている、いわゆる2重袋または3重袋であり、外装として段ボールやプラスチック製のボックスPの中に収納して用いられる(図2)。 以下の説明においては、図を含め、3重袋として説明する。前記袋体Bは、内容物Kが液体であるために、充填後、輸送及び保存等の流通段階、内容物の取り出し、残液保存等の使用段階を終えるまで、漏れる心配のないことが要求される。
本発明の最内フィルムFLは共押出法によって製膜する。従来の押し出しコート法による製膜であると、加工時の樹脂の加熱温度が高くなり、過熱により樹脂が酸化し、使用時に内容物への移臭の原因となるためである。また、共押出法により1工程で製膜できるために経済的な利点もある。
また、本発明において対象とする飲料、調味料等の内容物を充填する袋体としては、前記内容物の味覚を損なわないことが要求される。
袋体Bに用いられるフィルムは、その製膜、製袋等の工程における安定した作業の可能な材質であることが必要である。
本発明は、前記の多くの課題に対応するために、前記2重袋または3重袋の最内フィルムの材質に着目し、研究の結果、最内フィルム(以下FLフィルムという)を多層フィルムとし、該最内フィルムを構成する各層に用いる樹脂の種類と密度等を選択することにより、初期の課題を解決し得ることを見出した。
本発明においては、ポリエチレンおよびS-PEの密度とその表示はについては、概ね次のような範囲とした。
低密度 0.890 〜 0.925
中密度 0.926 〜 0.940
高密度 0.941 〜 0.965
【0009】
まず、最内FLフィルムのさらに接液部の樹脂、内容物とじかに接する場合の最内層の材質は、内容物の味覚に直接的に影響することは当然であり、本発明者は、最内層1として、通常の高圧法により重合された低密度のPEと比較して低分子量成分が少ない密度が0.910 〜0.930 のS-PEまたはPEを用いることにした。該接液部に用いる樹脂の密度は、中間層に用いる樹脂の密度よりも高いものとする。該最内層の樹脂としてはS-PE(0.910 〜0.930)を用いることがより好ましい。S-PE(0.910〜0.930)はMDPEよりもシール性がよくて、LDPEよりも低分子量成分が少ないため味覚の保持はさらによい結果を示し、袋体を形成するシール性にもすぐれた効果を示すことを見いだした。
前記最内層樹脂1の次に中間層2として、密度0.890 〜0.920 のS-PEを、さらに最外層3に、密度0.915 〜0.965 のS-PEあるいはPEとする。
中間層として密度0.890 〜0.920 のS-PEを用いるのは、バッグインボックス用袋体として柔軟性を持たせるとともに、LDPEやLLDPE を用いると、低分子量成分が最内層を通して、内容物中に溶出し、味覚を低下させることがあるので、前記のような低分子量成分を含有しないS-PEとするのである。また、密度が0.890 〜0.920 と低いので、柔軟性もあり振動等による前記袋体の損傷を防止する効果もある。
最外層に用いる樹脂は密度0.915 〜0.965 のS-PE又はPEとする。該最外層の樹脂の密度は、中間層、最内層のいずれよりも高いものとする。
本発明による最内フィルムFLは3層以上の共押出多層フィルムであり、前記多層フィルムを構成する各樹脂の密度勾配は、最外層>最内層>中間層のようにする。最外層の樹脂の密度を高くすることによって、製膜時のフィルムの巻取りでの密着を防止すること、また、バッグインボックス用袋体として、加熱充填の際に前記最内フィルムと中間フィルムとが融着するのを防止するためである。
また、前記最内層、最外層の密度を高くしたため、最内フィルムFLとしては、剛性が向上するために、製袋時での適性がよくなる。例えば、グロメットGを取り付けるためにフィルムに取り付け孔を設ける際に、フィルムの抜きを行う際の抜きの適性がよくなる。
前記共押出フィルムの構成として、中間層と最内層との間、または中間層と最外層との間に、層間接着性の改善、フィルムとしての柔軟性の改善等を目的とした別の層を介在させてもよい。
【0010】
このようにして得られた最内FLフィルムを用いて製袋したバッグインボックス用袋体は最内層樹脂を0.910 〜0.930 の密度のS-PEまたはPEとすることにより、接液面材質(最内面材質)からの内容物へ低分子量成分の内容物への溶出、または樹脂臭の移行が無くなり、さらに内容物の味覚成分の最内面フィルムへの吸着がなくなり、味覚の保持の点で安定した特性を示すことが判明した。中間層2として0.890 〜0.920 の密度のS-PEを用いることにより、該S-PEの柔らかさにより、MDPE単層と比較して屈曲による耐ピンホール性を改良し、容器として輸送途上における振動を受けた場合に同一条件の屈曲疲労によるピンホールの発生率が減少した。特に、低温時における屈曲においても前記ピンホールの発生の少ない、強度のある袋体となった。
また、前記最内フィルムの中間層が、S-PE単体ではなくて、前記中間層に用いるS-PEの密度の範囲と同じ低密度のLDPE、LLDPあるいは別グレードのS-PEとブレンドした樹脂からなる層であってもよい。すなわち、最内フィルムの中間層にS-PE(密度 0.890〜0.920)を用いることにより、前記最内フィルムに柔軟性を付与しているが、このS-PEの特性は、他の樹脂をブレンした場合も保持されるのである。ただし、前記S-PE以外の樹脂のブレンド割合は35%以下が好ましい。前記ブレンド割合が35%以上になるとフレンドする樹脂の種類によっては、S-PEの特性が損なわれる危険があるためである。
また、内容物の殺菌の目的、また、充填時の液の粘度調整等のために、例えば、90℃程度に加熱された液体を充填すると、この内容物の液温のために2重袋、3重袋のフィルムが軟化しフィルム同士が接着してしまうトラブル、いわば、多重袋が1重袋になってしまうことがあったが、本発明による多層構成の最内フィルムとすることにより、最外層に密度の高い層を積層したために、外面フィルムあるいは中間フィルムへの密着、仮着がなくなり、前記のようなトラブルを引き起こさない耐熱性のある袋体を得ることができた。
【0011】
更に、最内フィルムを3層共押出しフィルムとすることにより、例えば、押し出しコート法等の加工温度よりも低い温度で製膜できるため、樹脂の酸化の心配が少ないこと、多層を1工程で製膜できることにより経済的である。
前記最内フィルムを共押出しフィルムとし、該共押出しフィルムの外側に、ラミネート法またはコーティング法等により他のフィルムを積層させることも考えられるが、本発明の意図を妨げない範囲で実施することは可能である。
前記のような構成の多層フィルムをバッグインボックスの最内フィルムとすることにより、製膜、製袋の各工程において、ブロッキング(フィルムの接触面同士の仮着)しないフィルムとなり、製袋時においても、しわ等を発生させることのない安定した袋体を得ることができた。
【0012】
製袋工程において袋体を構成するフィルムとしては、滑りの良いこと、並びにシール痩せの少ないことが望ましい。前記滑りを良くするために、本発明においては、前記最内フィルムの片面または両面の法線方向に1 〜20μmの凹凸を設けることによりフィルムの面同士の滑りがよくなり、特に製膜及び製袋において、しわを発生することがなくなった。滑りを改良することは、製膜時と製袋時の工程の安定性をもたらすとともに、輸送時における安定的強度にも寄与する。それは、輸送中等においフィルム同士の滑りが悪いとピンホールが発生する(滑剤等の添加物が添加されておらず、その上、フィルム表面がフラットで滑りが悪いため発生)ことがあるが、滑りを良くすることによってピンホール発生の危険性は減少する。
【0013】
また、前記シール痩せとは、前述のように製袋をする際に、シール部のエッジにおいて最内フィルムの厚さが薄くなること(シール痩せD)であり、このシール痩せがあると、衝撃等を受けたときにエッジ切れによる破袋発生となる危険があったが、本発明の最内フィルムを共押出しによる少なくとも3層構成のフィルムとすることによって、ヒートシールの際の樹脂の溶融粘度が極端に低下することがないために、前記シール痩せDが少なく、シール条件が多少変動したとしても前記シール痩せすることなく安定した強度を呈するシールの可能なフィルムとなった。すなわち、本発明による最内フィルムを前記少なくとも3層共押出しフィルムとすることにより、前記シール痩せDに対しても大幅に改善され、安定したシール強度の袋体を供給することができるようになった。
【0014】
グロメットGを取り付けるために、フィルムの所定の位置に孔をあけるが、本発明のフィルムにおいては、前記孔明けのためのパンチング適性がよい。S-PE単層であると腰が弱すぎ、グロメット(注出口)用の孔をパンチであける時うまくあかないが、本発明の最内フィルムの最内層と最外層に用いた0.910 〜0.965 の密度のS-PEまたはポリエチレンの腰が強いので、前記孔開けが安定してできるのである。
【0015】
以上説明したように、本発明によるバッグインボックス用袋体とすることにより、内容物の味覚保持、包装材料の加工時の適性がよく、内容物を充填して、保存や輸送の際の漏れや破袋のないものを得ることが可能となった。
製膜をはじめ、製袋や輸送における従来の課題にも改善又は解決する多くの特徴のある袋体を得ることができた。
【0016】
本発明のバッグインボックス用袋体の最内フィルムFLの製膜方法としては、Tダイキャスト、またはインフレーション等の方法による共押出し法を用いることができる。
また、本発明の共押出し法による最内フィルムFLを構成する各層の厚みの比は特に限定しないが、中間層2の厚さの割合は、前記最内フィルムFLの全厚さの50〜90%が好ましい。前記中間層の厚さの割合が50%未満であると、バッグインボックス用袋体として必要な柔軟性に劣るフィルムとなり、また、前記柔軟性を重視して、前記中間層2の厚さの割合が前記最内フィルムFLの全厚さの90%を超えると、前記シール痩せ防止効果がなくなり、さらに、内容物のホットパックによるフィルム間の融着を起こす危険が生ずる。
【0017】
前記共押出しフィルムを製膜する際にフィルム表面が平滑であると、巻き取り作成時にしわが入りやすい。これは、巻き取り時の接触する表裏のフィルムの滑りが悪いためであり、一般的な対策法としてはフィルム製膜時に滑剤を添加して滑りをよくするが、本発明において対象とする飲料や液体食品のような内容物の場合、前記滑剤(添加剤)によって味覚が劣化することがあるため、滑剤をはじめ添加剤は可能な対策が可能なケースには使用しないことが望ましい。
さらに、本発明のバッグインボックス用の袋のように2重袋、3重袋の製袋をする際、2枚、3枚のフィルムを供給し、注出口部、周縁部のシールをする際にも、該シール位置に前記と同じ理由によるしわが発生することがありシール不良となって、内容物の漏れの原因となることがある。
そこで、本発明においては、最内フィルムFLの少なくとも片面に1 〜20μmの凹凸を設けることにより、前記のトラブルを回避することができた。前記1 〜20μmの凹凸を設ける方法は、例えば、製膜直後に凹凸面を有するロールにフィルムを圧着することにより、該ロールの凹凸を転移させることによって可能であるが、本発明においては、凹凸を設ける方法に限定されない。
【0018】
【実施例】
外袋をKON15/DL/LLDPE60のバリアー性を有する外面フィルムFNとし、最内フィルムを80μmのFLフィルムとした2重袋において、該FLフィルムの材質あるいは構成をつぎのように設定し、実施例および比較例とした。
実施例1 S-PE▲1▼/ S-PE▲3▼/ S-PE▲2▼(厚み比1/3/1 )
実施例2 MDPE/ S-PE▲3▼/MDPE (厚み比1/3/1 )
比較例1 LLDPE 単層、
比較例2 MDPE単層、
比較例3 S-PE単層、
の5種類を用いたバッグインボックス用袋体を作成した。尚、前記FLフィルムに用いた樹脂のグレードは次の通りであった。
S-PE▲1▼ :ダウケミカル AFFINITY PL1845(MI 3.5, D 0.910)
S-PE▲2▼ :ダウケミカル AFFINITY HF1030(MI 2.5 D 0.935)
S-PE▲3▼ :ダウケミカル AFFINITY FW1650(MI 3.0 D 0.902)
LLDPE :三菱化学 SF240(MI 2.0, D 0.920)
MDPE :三菱化学 SF941(MI 2.0, D 0.936)
{略号 MI: メルトインデックス、D:密度、 前記の材質構成における肩数字は層の厚みμmを表す}。
評価内容及び結果
(官能評価)
前記の比較例を含めた各最内フィルムを日本酒に浸漬する方法、言わば促進試験により評価した。その方法は、
各試験フィルム80μmを、20cm×20cmの面積にして、ガラス壜にいれた日本酒の中に浸漬し、40℃×3 ケ月間 (暗所) に保存後、パネル10名により通常の利き酒の方法に準じて評価した。
官能試験結果を表ー1に示した。試験結果の表示としては味覚の劣化が、大、小、無の3段階評価の人数で示した。
(以下余白)
表ー1
Figure 0003789552
(耐屈曲ピンホール)
各試験材質フィルムをゲルボフレックステスター(−10℃で5000回屈曲)にかけた後、各フィルムの30cm×21cmの面積内に発生したピンホールの数をカウントした。但し、測定回数は各4回とし、そのなかでの最大値を示した。
ピンホール数
[実施例1] 0 個
[実施例2] 0 〃
[比較例1] 8 〃
[比較例2] 40 〃
[比較例3] 0 〃
(耐熱性)
90℃に加熱した、焼肉のたれを各材質のバッグインボックスに入れ、外袋と内袋の密着性を評価した。
[実施例1] 密着せず
[実施例2] 密着せず
[比較例1] フィルム同士の融着
[比較例2] 密着せず
[比較例3] フィルム同士の融着
(耐シール痩せ)
フィルム単体をPET フィルムではさみ、180 ℃、30Kg/cm2、1秒( 上下金属シールバー) シールした後、シール部Hの厚さを測定し、元のフィルム厚さに対する減少率で示した。
[実施例1] 0.5% 良好
[実施例2] 0.4% 良好
[比較例1] 2.0% 不良
[比較例2] 0.3% 良好
[比較例3] 1.2% やや不良
(外袋と内袋の滑り性)
共押出し3層フィルムの接液面の滑り性を測定した。なお、実施例1と同じ層構成の内袋フィルムの両面に8 〜10μmの凹凸を設けたフィルムを製膜して、これを[実施例1−2]とした。凹凸は、Tダイキャスト法製膜の際に、表面に凹凸を有する冷却ロールを用いて型付けをした。
なお、凹凸の測定は、三次元表面粗さ・輪郭形状測定機(日本電計株式会社製)を用いた。この方法は、物体の表面を直接触針方式で3次元測定するものである。
また、動摩擦についてはASTM 1894 に準じ、ヘイドン滑り測定機を用いて測定した。
Figure 0003789552
滑りに関しては、本発明の最内フィルム(3層共押出しフィルム)のままでも、その表面に密度のやや高い樹脂層としたために、低密度PEと比較して滑りはよいがさらに前記最内フィルムの表裏に8 〜10μmの凹凸を設けたことにより、より一層の効果を示した。
(耐落下破袋強度)
バッグインボックスの二重袋にて水5リットルを入れ1mの高さから水平落下させ、破袋までの回数を評価(最大10回) した。
各材質ともテスト数として20ケずつを落下した時の結果は、表ー2の通りであった。(所定の落下回数における破袋発生数を表した)。
表ー2
Figure 0003789552
(衝撃強度)
テンサイル型衝撃試験機にて、シール部の衝撃強度を.20℃および−10℃において測定した(JIS K7160 に準拠して測定した。なお試験片はJIS7116 1 型に基づいて作成した)。
Figure 0003789552
(突刺強度)
20℃と−10℃において先端形状φ0.5mm の針を50mm/minの速度で試験フィルムを突き刺したときの強度を示した。
Figure 0003789552
総合的にみて本発明による3層共押出しフィルムを最内フィルムとした袋体は、いずれの評価項目についても優れた結果を示した。
【0019】
【発明の効果】
バッグインボックス用袋体の最内フィルムを低密度のシングルサイト系触媒を用いたエチレン−α・オレフィン共重合体からなる中間層と、前記中間層に接する最内層、最外層に中高密度のポリエチレン(またはS-PE)からなる少なくとも3層共押出しフィルムとすることにより、中間層を0.890 〜0.920 の密度のS-PEにより耐屈曲性が向上し、前記最内層の0.910 〜0.930 の密度のS-PEまたはPEを使用することにより、内容物の味覚保持に対し良好な効果を持つ袋体を得ることができた。
最内フィルムを少なくとも3層の共押出フィルムとすることによって、製膜の際の加工温度を低くすることができ、使用時の内容物の味覚の劣化が少なく、また、多層フィルムを1工程で製造できるので経済的である。
最内フィルムの3層共押出しフィルムの最内、外層を0.910 〜0.965 の密度のPE(またはS-PE)とすることにより、包装材料としての加工時(例えば製袋工程)における滑り性がよくなり、さらに、耐熱性がよくなるので、安定した加熱充填が可能になった。すなわち、内容物の殺菌の目的等のために加熱充填する際に、ときには90℃程度の加熱された液体を充填することがあるが、この内容物の高い液温のために2重袋、3重袋のフィルムが軟化しフィルム間が接着してしまう、すなわち、本発明の袋体仕様を用いることにより多重袋が1重袋になってしまうトラブルがなくなった。
3層共押出しフィルムの最内、外層に0.910 〜0.965 の密度のPE(S-PEを含む)を用いることにより、グロメット取り付けのための穴あけ工程においてパンチが入りやすいようになった。
最内フィルムの表面層の材質を、0.910 〜0.930 の密度のS-PE又はPEとすることによりシール際に発生するシール痩せ現象がかなり抑えられ、衝撃による破袋に対して強度のあるシールを得ることができた。
最内フィルムの最内層および最外層の少なくとも一層をS-PEとすることによって、内容物の味覚の保持に効果を示す。
また、最内フィルムの片面または両面を凹凸化することにより、袋体の内面同士の密着防止、及び外袋の内面と内面の密着、こすれによるピンホールの発生が減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバッグインボックス用袋体の平面図及び部分断面拡大図
【図2】バッグインボックスの概念図
【図3】袋体のシール部の拡大断面図
【符号の説明】
P ボックス
B 袋体
S 袋体シール部
G グロメット
K 内容物
HS ヒートシールバー
H 熱融着部
D シール痩せ部
FL 最内フィルム
FM 中間フィルム
FN 外面フィルム
1 最内フィルムの最内層
2 最内フィルムの中間層
3 最内フィルムの最外層

Claims (2)

  1. 外面フィルムと最内フィルムとから構成される2重袋、または、外面フィルムと中間フィルムと最内フィルムとから構成される3重袋からなるバッグインボックス用袋体からなり、更に、前記バッグインボックス用袋体を構成する2重袋または3重袋の最内フィルムが、最外層と中間層と最内層とからなる少なくとも3層の共押出しフィルムからなり、かつ、上記の最外層が、密度0.915〜0.965の範囲内にあるシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体からなり、また、上記の中間層が、密度0.890〜0.920の範囲内にあるシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体からなり、更にまた、上記の最内層が、密度0.910〜0.930の範囲内にあるシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体からなり、更に、密度の高い順に最外層、最内層、中間層であるような構成からなることを特徴とするバッグインボックス用袋体。
  2. 最内フィルムが、その片面又は両面の法線方向に1〜20μmの凹凸面を有することを特徴とする上記の請求項1に記載のバッグインボックス用袋体。
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