JPH09286458A - バッグインボックス用袋体 - Google Patents

バッグインボックス用袋体

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JPH09286458A
JPH09286458A JP14875196A JP14875196A JPH09286458A JP H09286458 A JPH09286458 A JP H09286458A JP 14875196 A JP14875196 A JP 14875196A JP 14875196 A JP14875196 A JP 14875196A JP H09286458 A JPH09286458 A JP H09286458A
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bag
film
layer
innermost
box
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Toru Inoue
井上  徹
Kiyoshi Nakada
清 中田
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D75/00Packages comprising articles or materials partially or wholly enclosed in strips, sheets, blanks, tubes, or webs of flexible sheet material, e.g. in folded wrappers
    • B65D75/52Details
    • B65D75/58Opening or contents-removing devices added or incorporated during package manufacture
    • B65D75/5861Spouts

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内容物の味覚に影響することがなく、逆に、
内容物成分の袋体への吸着がない、またシール痩せしに
くく、耐熱性も良好である、そして輸送上等で破袋しに
くいバッグインボックス用袋体を提供する。 【解決手段】 多重袋の最内フィルムFLがシングルサ
イト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン
共重合体からなる中間層と、中間層をはさむ内層および
外層からなる少なくとも3層構成の共押出しフィルムで
あって、前記3層が密度の高い順に最外層3、最内層
1、中間層2であるような構成で、それぞれの密度が最
外層0.915 〜0.965 、中間層0.890 〜0.920 、最内層0.
910 〜0.930 であること、最内層1及び最外層3の少な
くとも一層がS-PEであること、さらに、最内フィルムF
Lの片面又は両面の法線方向に 1〜20μmの凹凸がある
ことを含むバッグインボックス用袋体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】柔軟な材質からなる袋体に液
体を充填して、段ボール等に収納して、流通、保存、使
用するバッグインボックスの前記袋体の材質に関する。
【0002】
【従来の技術】図2はバッグインボックスを示す概念図
であって、ボックスPのフラップを開いた状態である。
図3はヒートシールされた袋体の部分断面拡大図であ
る。バッグインボックスは、ミネラルウォーター、クリ
ーム、食酢、清酒、みりんや味液、醤油又はソース等の
飲料、調味料などの業務用の容器として、又、純水、現
像液や定着液、液体化学薬品など試薬や工業用液体容器
として用いられ、その容量サイズとして5〜20リット
ル程度の容量サイズが主体である。前記飲料、調味料な
どの業務用の容器としてのバッグインボックスは、内容
物の風味を重視する前記飲料または調味料等に用いられ
るものであり、その袋体Bは、2枚以上のフィルムを袋
体を形成するための周縁部シールSおよびグロメットG
を取り付けるためのシール部以外の部位は相互に接着し
ていないいわゆる多重袋である。前記多重袋とするフィ
ルムには、単体フィルム、複合フィルム共に用いられる
が、その最内フィルムとしては、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(以下EVA という)、低密度ポリエチレン(以
下LDPEという)、中密度ポリエチレン(以下MDPEとい
う)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPE という)
などの単体フィルムにより構成されているケースが殆ど
であった。例えば、具体的な2重袋の材質構成の例をあ
げれば、 例1 (外袋)ON/DL/LDPE、(内袋)LDPE、 例2 (外袋)ON/LDPE/AL/LDPE/LLDPE 、(内袋)LLDP
E 等の組み合わせで使用されている。{略号は、ON:2軸延
伸ナイロンフィルム、DL: ドライラミネーション、AL:
アルミ箔}。
【0003】LDPEフィルムは、製膜適性、熱接着性の良
さからバッグインボックスの最内フィルムとして多用さ
れてきたが、従来の輸送条件よりさらに過酷な条件(例
えば輸送範囲の拡大等)による屈曲によるピンホール発
生の少ない材質として、前記EVA やLLDPE 等の材質のフ
ィルムを用いることがある。LDPEに代えて、EVA 或いは
LLDPE を用いることにより、耐屈曲性は向上し、ピンホ
ールの発生は押さえられるが、LDPEを含めこれらの材質
に起因する要素により内容物の味覚に影響することがあ
る。例えば、樹脂臭そのものが内容物に移行したり、内
容物中の成分の吸着による味覚の劣化がある。また、こ
れらの樹脂は、低温度領域でヒートシール可能である
が、反面、内容物の加熱充填の温度により、最内フィル
ム、中間フィルム、外面フィルム間で接着を起こしてし
まう。すなわち、2重袋、3重袋のフィルム同士が熱接
着をおこし、単層化してしまって、そのために該熱接着
部のフィルムの剛度があがり、輸送時の振動等による屈
曲により、ピンホールを発生しやすくなる。この結果漏
れ事故の要因となることがあった。さらに、比較的低温
で溶融する樹脂であるが、製袋におけるヒートシールバ
ーHSによる加圧加熱の際に、シール熱融着部Hの厚み
が薄くなり、特に、最内フィルムの該熱融着部の端部に
位置する部分が痩せる現象を示すことがある(図3)。
この部分をシール痩せDと称し、バッグインボックス容
器として強い衝撃を受けたときに、前記シール痩せ部分
Dにおいて、フィルムが断裂し、大きな液漏れとなるこ
とがあった。そのために、製袋の工程においては、シー
ル状態に注意して、とくにその温度範囲の狭い作業条件
で製袋していた。
【0004】バッグインボックス用袋体の最内フィル
ム、中間フィルムあるいは外面フィルム等のフィルム表
面が平滑であると、前記各フィルムを製膜する場合や、
これらの各フィルムを用いて製袋をする工程において、
しわが入りやすく問題となることがある。これは、製膜
の時の巻き取りで接触する表裏のフィルムの滑りが悪い
ためであり、また、製袋時でのフィルムの2重、3重で
の繰り出しの時の滑りが悪いためである。そこで、従来
の一般的な対策法としてはフィルム製膜時に滑剤を添加
して滑りをよくするが、飲料や液体食品のような内容物
の場合、前記滑剤(添加剤)によって味覚が劣化するこ
とがあるため、滑剤をはじめ添加剤が使用できなかっ
た。
【0005】そこで、前記味覚の劣化や加熱充填による
フィルム間の熱接着対策として、中密度ポリエチレン
(MDPE) のフィルムを最内フィルムとすることにより、
前記の課題は解決することができるが、フィルムの剛度
が大きくなりすぎて、耐屈曲性に弱いのでピンホールの
発生があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】袋体の最内フィルムの
最内層を構成している樹脂成分から、前記構成成分中に
含まれる低分子量物等が内容物に溶出して、前記内容物
の味覚に影響することがなく、逆に、内容物成分の前記
袋体への吸着がない材質構成され、製膜、製袋の各工程
における加工適性がよく、さらに内容物を充填して、保
管したり輸送する段階において破袋しにくいバッグイン
ボックス用袋体を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】バッグインボックス用袋体であ
って、前記袋体が2枚以上のフィルムから構成された多
重袋において、前記多重袋の最内フィルムがシングルサ
イト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン
共重合体(以下、S-PEという)からなる中間層と、前記
中間層をはさむ最内層および最外層からなる少なくとも
3層構成の共押出しフィルムであって、前記3層が密度
の高い順に最外層、最内層、中間層であるような構成で
あって、それぞれの密度が最外層0.915 〜0.965 、中間
層0.890 〜0.920 、最内層0.910 〜0.930 であること、
前記最内層及び最外層の少なくとも一層がS-PEであるこ
と、さらに、前記最内フィルムの片面又は両面の法線方
向に 1〜20μmの凹凸があることを含むバッグインボッ
クス用袋体である。
【0008】
【発明の実施の形態】図1(1−1)は本発明によるバ
ッグインボックスの袋体を示す平面図、(1−2)は
(1−1)のX−X部断面図、(1−3)は(1−2)
のY部分の拡大図、図2はバッグインボックスの概念
図、図3はシール部の断面拡大図である。バッグインボ
ックス用の袋体Bは、グロメット(注出口)Gのフラン
ジ部および袋体シール部のみが接着されている、いわゆ
る2重袋または3重袋であり、外装として段ボールやプ
ラスチック製のボックスPの中に収納して用いられる
(図2)。 以下の説明においては、図を含め、3重袋
として説明する。前記袋体Bは、内容物Kが液体である
ために、充填後、輸送及び保存等の流通段階、内容物の
取り出し、残液保存等の使用段階を終えるまで、漏れる
心配のないことが要求される。本発明の最内フィルムF
Lは共押出法によって製膜する。従来の押し出しコート
法による製膜であると、加工時の樹脂の加熱温度が高く
なり、過熱により樹脂が酸化し、使用時に内容物への移
臭の原因となるためである。また、共押出法により1工
程で製膜できるために経済的な利点もある。また、本発
明において対象とする飲料、調味料等の内容物を充填す
る袋体としては、前記内容物の味覚を損なわないことが
要求される。袋体Bに用いられるフィルムは、その製
膜、製袋等の工程における安定した作業の可能な材質で
あることが必要である。本発明は、前記の多くの課題に
対応するために、前記2重袋または3重袋の最内フィル
ムの材質に着目し、研究の結果、最内フィルム(以下F
Lフィルムという)を多層フィルムとし、該最内フィル
ムを構成する各層に用いる樹脂の種類と密度等を選択す
ることにより、初期の課題を解決し得ることを見出し
た。本発明においては、ポリエチレンおよびS-PEの密度
とその表示はについては、概ね次のような範囲とした。 低密度 0.890 〜 0.925 中密度 0.926 〜 0.940 高密度 0.941 〜 0.965
【0009】まず、最内FLフィルムのさらに接液部の
樹脂、内容物とじかに接する場合の最内層の材質は、内
容物の味覚に直接的に影響することは当然であり、本発
明者は、最内層1として、通常の高圧法により重合され
た低密度のPEと比較して低分子量成分が少ない密度が0.
910 〜0.930 のS-PEまたはPEを用いることにした。該接
液部に用いる樹脂の密度は、中間層に用いる樹脂の密度
よりも高いものとする。該最内層の樹脂としてはS-PE
(0.910 〜0.930)を用いることがより好ましい。S-PE
(0.910〜0.930)はMDPEよりもシール性がよくて、LDPEよ
りも低分子量成分が少ないため味覚の保持はさらによい
結果を示し、袋体を形成するシール性にもすぐれた効果
を示すことを見いだした。前記最内層樹脂1の次に中間
層2として、密度0.890 〜0.920 のS-PEを、さらに最外
層3に、密度0.915 〜0.965 のS-PEあるいはPEとする。
中間層として密度0.890 〜0.920 のS-PEを用いるのは、
バッグインボックス用袋体として柔軟性を持たせるとと
もに、LDPEやLLDPE を用いると、低分子量成分が最内層
を通して、内容物中に溶出し、味覚を低下させることが
あるので、前記のような低分子量成分を含有しないS-PE
とするのである。また、密度が0.890 〜0.920 と低いの
で、柔軟性もあり振動等による前記袋体の損傷を防止す
る効果もある。最外層に用いる樹脂は密度0.915 〜0.96
5 のS-PE又はPEとする。該最外層の樹脂の密度は、中間
層、最内層のいずれよりも高いものとする。本発明によ
る最内フィルムFLは3層以上の共押出多層フィルムで
あり、前記多層フィルムを構成する各樹脂の密度勾配
は、最外層>最内層>中間層のようにする。最外層の樹
脂の密度を高くすることによって、製膜時のフィルムの
巻取りでの密着を防止すること、また、バッグインボッ
クス用袋体として、加熱充填の際に前記最内フィルムと
中間フィルムとが融着するのを防止するためである。ま
た、前記最内層、最外層の密度を高くしたため、最内フ
ィルムFLとしては、剛性が向上するために、製袋時で
の適性がよくなる。例えば、グロメットGを取り付ける
ためにフィルムに取り付け孔を設ける際に、フィルムの
抜きを行う際の抜きの適性がよくなる。前記共押出フィ
ルムの構成として、中間層と最内層との間、または中間
層と最外層との間に、層間接着性の改善、フィルムとし
ての柔軟性の改善等を目的とした別の層を介在させても
よい。
【0010】このようにして得られた最内FLフィルム
を用いて製袋したバッグインボックス用袋体は最内層樹
脂を0.910 〜0.930 の密度のS-PEまたはPEとすることに
より、接液面材質(最内面材質)からの内容物へ低分子
量成分の内容物への溶出、または樹脂臭の移行が無くな
り、さらに内容物の味覚成分の最内面フィルムへの吸着
がなくなり、味覚の保持の点で安定した特性を示すこと
が判明した。中間層2として0.890 〜0.920 の密度のS-
PEを用いることにより、該S-PEの柔らかさにより、MDPE
単層と比較して屈曲による耐ピンホール性を改良し、容
器として輸送途上における振動を受けた場合に同一条件
の屈曲疲労によるピンホールの発生率が減少した。特
に、低温時における屈曲においても前記ピンホールの発
生の少ない、強度のある袋体となった。また、前記最内
フィルムの中間層が、S-PE単体ではなくて、前記中間層
に用いるS-PEの密度の範囲と同じ低密度のLDPE、LLDPあ
るいは別グレードのS-PEとブレンドした樹脂からなる層
であってもよい。すなわち、最内フィルムの中間層にS-
PE(密度 0.890〜0.920)を用いることにより、前記最内
フィルムに柔軟性を付与しているが、このS-PEの特性
は、他の樹脂をブレンした場合も保持されるのである。
ただし、前記S-PE以外の樹脂のブレンド割合は35%以下
が好ましい。前記ブレンド割合が35%以上になるとフレ
ンドする樹脂の種類によっては、S-PEの特性が損なわれ
る危険があるためである。また、内容物の殺菌の目的、
また、充填時の液の粘度調整等のために、例えば、90℃
程度に加熱された液体を充填すると、この内容物の液温
のために2重袋、3重袋のフィルムが軟化しフィルム同
士が接着してしまうトラブル、いわば、多重袋が1重袋
になってしまうことがあったが、本発明による多層構成
の最内フィルムとすることにより、最外層に密度の高い
層を積層したために、外面フィルムあるいは中間フィル
ムへの密着、仮着がなくなり、前記のようなトラブルを
引き起こさない耐熱性のある袋体を得ることができた。
【0011】更に、最内フィルムを3層共押出しフィル
ムとすることにより、例えば、押し出しコート法等の加
工温度よりも低い温度で製膜できるため、樹脂の酸化の
心配が少ないこと、多層を1工程で製膜できることによ
り経済的である。前記最内フィルムを共押出しフィルム
とし、該共押出しフィルムの外側に、ラミネート法また
はコーティング法等により他のフィルムを積層させるこ
とも考えられるが、本発明の意図を妨げない範囲で実施
することは可能である。前記のような構成の多層フィル
ムをバッグインボックスの最内フィルムとすることによ
り、製膜、製袋の各工程において、ブロッキング(フィ
ルムの接触面同士の仮着)しないフィルムとなり、製袋
時においても、しわ等を発生させることのない安定した
袋体を得ることができた。
【0012】製袋工程において袋体を構成するフィルム
としては、滑りの良いこと、並びにシール痩せの少ない
ことが望ましい。前記滑りを良くするために、本発明に
おいては、前記最内フィルムの片面または両面の法線方
向に1 〜20μmの凹凸を設けることによりフィルムの面
同士の滑りがよくなり、特に製膜及び製袋において、し
わを発生することがなくなった。滑りを改良すること
は、製膜時と製袋時の工程の安定性をもたらすととも
に、輸送時における安定的強度にも寄与する。それは、
輸送中等においフィルム同士の滑りが悪いとピンホール
が発生する(滑剤等の添加物が添加されておらず、その
上、フィルム表面がフラットで滑りが悪いため発生)こ
とがあるが、滑りを良くすることによってピンホール発
生の危険性は減少する。
【0013】また、前記シール痩せとは、前述のように
製袋をする際に、シール部のエッジにおいて最内フィル
ムの厚さが薄くなること(シール痩せD)であり、この
シール痩せがあると、衝撃等を受けたときにエッジ切れ
による破袋発生となる危険があったが、本発明の最内フ
ィルムを共押出しによる少なくとも3層構成のフィルム
とすることによって、ヒートシールの際の樹脂の溶融粘
度が極端に低下することがないために、前記シール痩せ
Dが少なく、シール条件が多少変動したとしても前記シ
ール痩せすることなく安定した強度を呈するシールの可
能なフィルムとなった。すなわち、本発明による最内フ
ィルムを前記少なくとも3層共押出しフィルムとするこ
とにより、前記シール痩せDに対しても大幅に改善さ
れ、安定したシール強度の袋体を供給することができる
ようになった。
【0014】グロメットGを取り付けるために、フィル
ムの所定の位置に孔をあけるが、本発明のフィルムにお
いては、前記孔明けのためのパンチング適性がよい。S-
PE単層であると腰が弱すぎ、グロメット(注出口)用の
孔をパンチであける時うまくあかないが、本発明の最内
フィルムの最内層と最外層に用いた0.910 〜0.965 の密
度のS-PEまたはポリエチレンの腰が強いので、前記孔開
けが安定してできるのである。
【0015】以上説明したように、本発明によるバッグ
インボックス用袋体とすることにより、内容物の味覚保
持、包装材料の加工時の適性がよく、内容物を充填し
て、保存や輸送の際の漏れや破袋のないものを得ること
が可能となった。製膜をはじめ、製袋や輸送における従
来の課題にも改善又は解決する多くの特徴のある袋体を
得ることができた。
【0016】本発明のバッグインボックス用袋体の最内
フィルムFLの製膜方法としては、Tダイキャスト、ま
たはインフレーション等の方法による共押出し法を用い
ることができる。また、本発明の共押出し法による最内
フィルムFLを構成する各層の厚みの比は特に限定しな
いが、中間層2の厚さの割合は、前記最内フィルムFL
の全厚さの50〜90%が好ましい。前記中間層の厚さの割
合が50%未満であると、バッグインボックス用袋体とし
て必要な柔軟性に劣るフィルムとなり、また、前記柔軟
性を重視して、前記中間層2の厚さの割合が前記最内フ
ィルムFLの全厚さの90%を超えると、前記シール痩せ
防止効果がなくなり、さらに、内容物のホットパックに
よるフィルム間の融着を起こす危険が生ずる。
【0017】前記共押出しフィルムを製膜する際にフィ
ルム表面が平滑であると、巻き取り作成時にしわが入り
やすい。これは、巻き取り時の接触する表裏のフィルム
の滑りが悪いためであり、一般的な対策法としてはフィ
ルム製膜時に滑剤を添加して滑りをよくするが、本発明
において対象とする飲料や液体食品のような内容物の場
合、前記滑剤(添加剤)によって味覚が劣化することが
あるため、滑剤をはじめ添加剤は可能な対策が可能なケ
ースには使用しないことが望ましい。さらに、本発明の
バッグインボックス用の袋のように2重袋、3重袋の製
袋をする際、2枚、3枚のフィルムを供給し、注出口
部、周縁部のシールをする際にも、該シール位置に前記
と同じ理由によるしわが発生することがありシール不良
となって、内容物の漏れの原因となることがある。そこ
で、本発明においては、最内フィルムFLの少なくとも
片面に1 〜20μmの凹凸を設けることにより、前記のト
ラブルを回避することができた。前記1 〜20μmの凹凸
を設ける方法は、例えば、製膜直後に凹凸面を有するロ
ールにフィルムを圧着することにより、該ロールの凹凸
を転移させることによって可能であるが、本発明におい
ては、凹凸を設ける方法に限定されない。
【0018】
【実施例】外袋をKON15/DL/LLDPE60のバリアー性を有す
る外面フィルムFNとし、最内フィルムを80μmのFL
フィルムとした2重袋において、該FLフィルムの材質
あるいは構成をつぎのように設定し、実施例および比較
例とした。 実施例1 S-PE/ S-PE/ S-PE(厚み比1/3/1 ) 実施例2 MDPE/ S-PE/MDPE (厚み比1/3/1 ) 比較例1 LLDPE 単層、 比較例2 MDPE単層、 比較例3 S-PE単層、 の5種類を用いたバッグインボックス用袋体を作成し
た。尚、前記FLフィルムに用いた樹脂のグレードは次
の通りであった。 S-PE :ダウケミカル AFFINITY PL1845(MI 3.5, D 0.910) S-PE :ダウケミカル AFFINITY HF1030(MI 2.5 D 0.935) S-PE :ダウケミカル AFFINITY FW1650(MI 3.0 D 0.902) LLDPE :三菱化学 SF240(MI 2.0, D 0.920) MDPE :三菱化学 SF941(MI 2.0, D 0.936) {略号 MI: メルトインデックス、D:密度、 前記の材
質構成における肩数字は層の厚みμmを表す}。 評価内容及び結果 (官能評価)前記の比較例を含めた各最内フィルムを日本
酒に浸漬する方法、言わば促進試験により評価した。そ
の方法は、各試験フィルム80μmを、20cm×20cmの面積
にして、ガラス壜にいれた日本酒の中に浸漬し、40℃×
3 ケ月間 (暗所) に保存後、パネル10名により通常の利
き酒の方法に準じて評価した。官能試験結果を表ー1に
示した。試験結果の表示としては味覚の劣化が、大、
小、無の3段階評価の人数で示した。 (以下余白) (耐屈曲ピンホール)各試験材質フィルムをゲルボフレッ
クステスター(−10℃で5000回屈曲)にかけた後、各フ
ィルムの30cm×21cmの面積内に発生したピンホールの数
をカウントした。但し、測定回数は各4回とし、そのな
かでの最大値を示した。 ピンホール数 [実施例1] 0 個 [実施例2] 0 〃 [比較例1] 8 〃 [比較例2] 40 〃 [比較例3] 0 〃 (耐熱性)90℃に加熱した、焼肉のたれを各材質のバッグ
インボックスに入れ、外袋と内袋の密着性を評価した。 [実施例1] 密着せず [実施例2] 密着せず [比較例1] フィルム同士の融着 [比較例2] 密着せず [比較例3] フィルム同士の融着 (耐シール痩せ)フィルム単体をPET フィルムではさみ、
180 ℃、30Kg/cm2、1秒( 上下金属シールバー) シール
した後、シール部Hの厚さを測定し、元のフィルム厚さ
に対する減少率で示した。 [実施例1] 0.5% 良好 [実施例2] 0.4% 良好 [比較例1] 2.0% 不良 [比較例2] 0.3% 良好 [比較例3] 1.2% やや不良 (外袋と内袋の滑り性)共押出し3層フィルムの接液面の
滑り性を測定した。なお、実施例1と同じ層構成の内袋
フィルムの両面に8 〜10μmの凹凸を設けたフィルムを
製膜して、これを[実施例1−2]とした。凹凸は、T
ダイキャスト法製膜の際に、表面に凹凸を有する冷却ロ
ールを用いて型付けをした。なお、凹凸の測定は、三次
元表面粗さ・輪郭形状測定機(日本電計株式会社製)を
用いた。この方法は、物体の表面を直接触針方式で3次
元測定するものである。また、動摩擦についてはASTM 1
894 に準じ、ヘイドン滑り測定機を用いて測定した。 滑りに関しては、本発明の最内フィルム(3層共押出し
フィルム)のままでも、その表面に密度のやや高い樹脂
層としたために、低密度PEと比較して滑りはよいがさら
に前記最内フィルムの表裏に8 〜10μmの凹凸を設けた
ことにより、より一層の効果を示した。 (耐落下破袋強度)バッグインボックスの二重袋にて水5
リットルを入れ1mの高さから水平落下させ、破袋まで
の回数を評価(最大10回) した。各材質ともテスト数と
して20ケずつを落下した時の結果は、表ー2の通りであ
った。(所定の落下回数における破袋発生数を表し
た)。 (衝撃強度)テンサイル型衝撃試験機にて、シール部の
衝撃強度を.20℃および−10℃において測定した(JIS
K7160 に準拠して測定した。なお試験片はJIS7116 1 型
に基づいて作成した)。 20 ℃ −10℃ 実施例1 50 mJ/cm2 45 mJ/cm2 実施例2 35 〃 30 〃 比較例1 30 〃 20 〃 比較例2 30 〃 10 〃 比較例3 50 〃 50 〃 (突刺強度)20℃と−10℃において先端形状φ0.5mm の
針を50mm/minの速度で試験フィルムを突き刺したときの
強度を示した。 総合的にみて本発明による3層共押出しフィルムを最内
フィルムとした袋体は、いずれの評価項目についても優
れた結果を示した。
【0019】
【発明の効果】バッグインボックス用袋体の最内フィル
ムを低密度のシングルサイト系触媒を用いたエチレン−
α・オレフィン共重合体からなる中間層と、前記中間層
に接する最内層、最外層に中高密度のポリエチレン(ま
たはS-PE)からなる少なくとも3層共押出しフィルムと
することにより、中間層を0.890 〜0.920 の密度のS-PE
により耐屈曲性が向上し、前記最内層の0.910 〜0.930
の密度のS-PEまたはPEを使用することにより、内容物の
味覚保持に対し良好な効果を持つ袋体を得ることができ
た。最内フィルムを少なくとも3層の共押出フィルムと
することによって、製膜の際の加工温度を低くすること
ができ、使用時の内容物の味覚の劣化が少なく、また、
多層フィルムを1工程で製造できるので経済的である。
最内フィルムの3層共押出しフィルムの最内、外層を0.
910 〜0.965 の密度のPE(またはS-PE)とすることによ
り、包装材料としての加工時(例えば製袋工程)におけ
る滑り性がよくなり、さらに、耐熱性がよくなるので、
安定した加熱充填が可能になった。すなわち、内容物の
殺菌の目的等のために加熱充填する際に、ときには90℃
程度の加熱された液体を充填することがあるが、この内
容物の高い液温のために2重袋、3重袋のフィルムが軟
化しフィルム間が接着してしまう、すなわち、本発明の
袋体仕様を用いることにより多重袋が1重袋になってし
まうトラブルがなくなった。3層共押出しフィルムの最
内、外層に0.910 〜0.965 の密度のPE(S-PEを含む)を
用いることにより、グロメット取り付けのための穴あけ
工程においてパンチが入りやすいようになった。最内フ
ィルムの表面層の材質を、0.910 〜0.930 の密度のS-PE
又はPEとすることによりシール際に発生するシール痩せ
現象がかなり抑えられ、衝撃による破袋に対して強度の
あるシールを得ることができた。最内フィルムの最内層
および最外層の少なくとも一層をS-PEとすることによっ
て、内容物の味覚の保持に効果を示す。また、最内フィ
ルムの片面または両面を凹凸化することにより、袋体の
内面同士の密着防止、及び外袋の内面と内面の密着、こ
すれによるピンホールの発生が減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバッグインボックス用袋体の平面
図及び部分断面拡大図
【図2】バッグインボックスの概念図
【図3】袋体のシール部の拡大断面図
【符号の説明】
P ボックス B 袋体 S 袋体シール部 G グロメット K 内容物 HS ヒートシールバー H 熱融着部 D シール痩せ部 FL 最内フィルム FM 中間フィルム FN 外面フィルム 1 最内フィルムの最内層 2 最内フィルムの中間層 3 最内フィルムの最外層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッグインボックス用袋体であって、前
    記袋体が2枚以上のフィルムから構成された多重袋にお
    いて、前記多重袋の最内フィルムがシングルサイト系触
    媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体
    からなる中間層と、前記中間層をはさむ最内層及び最外
    層からなる少なくとも3層の共押出しフィルムであるこ
    とを特徴とするバッグインボックス用袋体。
  2. 【請求項2】 前記3層が密度の高い順に最外層、最内
    層、中間層であるような構成であって、それぞれの密度
    が最外層 0.915〜0.965 、中間層 0.890〜0.920 、最内
    層 0.910〜0.930 であることを特徴とする請求項1記載
    のバッグインボックス用袋体。
  3. 【請求項3】 前記最内層及び最外層の少なくとも一層
    がシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α
    ・オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1
    及び請求項2記載のバッグインボックス用袋体。
  4. 【請求項4】 前記最内フィルムの片面又は両面の法線
    方向に 1〜20μmの凹凸があることを特徴とする請求項
    1〜請求項3記載のバッグインボックス用袋体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011235933A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Toppan Printing Co Ltd バッグインボックス用バッグ
JP2014223947A (ja) * 2013-04-23 2014-12-04 大日本印刷株式会社 薬液収納容器および薬液収納装置
CN107499719A (zh) * 2017-08-28 2017-12-22 安徽智博新材料科技有限公司 用于中药存储的保鲜设备
US10919680B1 (en) 2018-10-08 2021-02-16 Packaging Corporation Of America Liquid beverage container

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