JP2000033679A - 紙容器 - Google Patents

紙容器

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JP2000033679A
JP2000033679A JP20227398A JP20227398A JP2000033679A JP 2000033679 A JP2000033679 A JP 2000033679A JP 20227398 A JP20227398 A JP 20227398A JP 20227398 A JP20227398 A JP 20227398A JP 2000033679 A JP2000033679 A JP 2000033679A
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paper
layer
paper container
ldpe
sealant layer
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JP20227398A
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English (en)
Inventor
Yukinobu Yamaguchi
幸伸 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】紙容器としての密封性がよく、内容物の味覚に
悪影響を与えず、フィルムとして滑りがよく、ラミネー
ト工程、フレームシールまたはヒートシール適性、充填
包装機の適性として問題のない紙容器の提供。 【解決手段】 紙の少なくとも一方の面のヒートシーラ
ント層が、次の(a)、(b)の樹脂、(a)密度0.91
0 〜0.965 、MI0.2 〜20のポリエチレンまたはシング
ルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフ
ィン共重合体、(b)密度0.890 〜0.930 、MI0.2 〜
20のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンー
α・オレフィン共重合体を(b)を最内面層として、共
押出しラミネーション法により形成された積層体からな
る紙容器であり、また、最内面層(b)の原料樹脂に、
平均粒径5 〜20μmの無機系粒子をマスターバッチ方式
のブレンド法により2 〜20重量%及び/又は密度0.926
〜0.965 、MI0.2 〜20のPE 5〜20重量%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器の成形性(密
封性)、内容物の味覚保持等に優れた、牛乳、乳飲料、
ジュース等を包装する、特にチルド流通用に用いられる
紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【従来の技術】紙を基材とするゲーベルトップ型や、ブ
リック型等の紙容器は、容器としての密封性、保存性、
剛度或いは強度等を確保するために各種の素材フィルム
をラミネートした積層体を用いて形成される。低温流通
タイプから、常温流通かつ長期流通の可能なタイブの積
層体まで、その仕様は、内容物およびその滅菌方法、包
装方法、賞味期限の設定等によりそれぞれ設計される
が、その一般的な仕様として、PE/ 紙/PE 、PE/ 紙/PE/
AL/PET/PE 、PE/ 紙/PE/ SiOX 蒸着PET/PE、等があり、
シーラントのPEは、LDPEまたは MDPE が用いられてい
る。{略号は、PE: ポリエチレン、LDPE: 低密度ポリエ
チレン、MDPE: 中密度ポリエチレン、PET:ポリエステル
フィルム、AL箔: アルミ箔、 SiOX 酸化ケイ素}。上記
各種の仕様のうち、従来の低温流通(チルド流通)用と
して用いられる紙容器を構成する包装材料としては、LD
PE/ 紙/LDPE の積層体であった(LDPE: 低密度ポリエチ
レン) 。低密度ポリエチレンはシーラントとして積層体
を形成する際のラミネート加工性、容器を成形する時の
ヒートシール性が良いことから、最も多く用いられてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ただし、LDPEは、低分
子量成分を多く含んでいるので、該低分子量成分の一部
の溶出、逆に内容物成分の前記シーラント層への吸着に
より内容物の味覚を劣化させることがあった。さらに、
前記ゲーベルトップ型紙容器等の容器を成形、密封する
際に、容器ブランクの貼り合わせ端部の段差、また、ゲ
ーベルトップ部の中のセンターシール部に形成される空
隙部には、LDPEの溶融樹脂により充填して容器として密
封をするが、前記溶融樹脂によって、空隙を埋めきれず
にピンホール状の貫通孔を発生することがあった。ま
た、前記LDPEはマルチサイト触媒より重合された低密度
ポリエチレンであって、該低密度ポリエチレンの分子量
分布は比較的広く、一般的に低分子量成分を含有する。
そのため、内容物が液体、粘性体等であると、前記低分
子量成分による臭いが内容物に移行したり、また、内容
物の香味成分等が、前記低密度ポリエチレン層に吸着し
たりして、味覚の好ましくない変化を起こすことがあっ
た。そのために、前記シーラントとして中密度ポリエチ
レンを用いるケースもあった。前記中密度ポリエチレン
は、LDPEのように低分子量成分は含まないが、製函(前
記紙容器の成型)の際のヒートシール温度を前記LDPEよ
り高くする必要があり、高温でシールすると樹脂が酸化
し、該酸化臭が内容物に移行し、味覚に悪い影響を及ぼ
すことがある。これらの課題に対し、本発明者は、LDPE
の代わりに、S-PE樹脂層をシーラント層にすることで、
前記の課題のかなりの解決を可能とすることを確認して
いるが、前記S-PEは、紙への接着等が弱い傾向があり、
さらに製膜後の表面のすべり性が不足する等、加工工程
等に問題があった。そこで、本発明の課題は、紙容器と
しての密封性がよく、内容物の味覚に悪い影響を与える
ことなく、フィルムとして滑りがよく、ラミネート工
程、フレームシールまたはヒートシール適性、充填包装
機の適性として問題のない紙容器を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者は、本発明の課題に対
して鋭意研究の結果、紙を基材とし、少なくとも一方の
面にヒートシーラント層を形成した積層体からなる紙容
器であって、前記ヒートシーラント層が、次の(a)、
(b)の樹脂、(a)密度( 以下、D と記載する)0.91
0 〜0.965 、メルトインデックス( 以下、MIと記載す
る)0.2〜20のシングルサイト系触媒を用いて重合したエ
チレンーα・オレフィン共重合体以外のPE、またはS-PE (b)D が0.890 〜0.930 、MIが0.2 〜20のS-PEを
(b)を最内面層として、共押出しラミネーション法に
より形成されている紙容器であり、また、前記最内面層
(b)を形成する原料樹脂に、少なくとも1種類の、平
均粒径が5 〜20μmの無機系粒子をマスターバッチ方式
のブレンド法により2 〜20重量%添加した樹脂を用いる
ことおよび/または前記最内面層(b)を形成する原料
樹脂に、D が0.926 〜0.965 、MI0.2 〜20のPEを5 〜20
重量%添加することにより本発明を完成するに到った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、容器、例えばゲーブル
トップ型、ブリック型等の最内層フィルムとして、シー
ル性(液体密封性)や内容物の品質保持性に優れたシン
グルサイト系PEを選定して、内容物の味覚の保持を確保
するとともに、前記S-PEが最内層(接液層)であるた
め、特に問題となる滑り性の向上、紙面への接着強度向
上のための研究を重ねて本発明を得た。なお、本明細書
においては、図面を含め、前記容器の形態の例としてゲ
ーベルトップ型紙容器により記載した。図1は、本発明
による紙容器の実施例を示す、(a)紙容器の斜視図、
(b)上面図、(c)紙容器を構成する積層体の層構成
を説明する断面図、(d)Z部の拡大図である。図2
は、図1のW−W部断面図であって、(a)DS部、
(b)CS部を示す。
【0006】主として液体を内容物とするゲーベルトッ
プ型等の紙容器Pにおいては、板紙を芯素材として、種
々の素材をラミネートした積層体を用いて容器の成形を
するのが一般的であり、その積層体の構成は、本発明に
おいては、図1(a)及び図1(c)に示すように、紙
容器Pを構成する積層体1として、基材層2の一方の面
に表面樹脂層3を設け、他の面にヒートシーラント層を
設ける。前記ヒートシーラント層4は内容物に直接に接
触する材料であり、内容物の物性を変化あるいは劣化さ
せることなく、内容物が前記紙容器Pから漏れないよう
にする密封機能性のあるものでなくてはならない。ま
た、空気の流通をも遮断する気密性のあることが望まし
い。
【0007】密封された紙容器Pのいかなる部位からも
液漏れがあってはならないことは言うまでもない。たと
えば、ゲーベルトップ型紙容器の場合、容器の構造上、
漏れ易い、気密性を損ないやすい部位としては、図2に
示すように、貼着板の接合端部(以下、段差部と言う)
DSにおける空隙X、及び、図2(b)に示すようにゲ
ーベルトップ(屋根)の中のセンターシール部CSにお
ける空隙Yである。説明上、紙容器の上部の部位にて、
説明したが、その底部にも同様の漏れやすい、あるい
は、気密性を損ない易い部位が存在する。前記段差部D
Sおよびセンターシール部に形成される空隙X,Y共
に、容器を形成している積層体1の折り曲げ段差部を溶
融樹脂により確実に密封する際に特に注意すべき箇所で
ある。
【0008】本発明においては、紙容器Pのヒートシー
ラント層4を2層構成のフィルムとすることによって、
紙容器として要求される性能、機能を付与することがで
きた。すなわち、図1(c)に示すように、前記ヒート
シーラント層4の2層構成は、紙へのラミネート側には
貼合層5として、D が0.910 〜0.965 、MIが0.2 〜20の
PEまたはS-PE、内容物に接する接液層として、D が0.89
0 〜0.930 、MIが0.2〜20のS-PEとするものである。
【0009】本発明におけるヒートシーラント層は、共
押出しラミネーション法により形成されたものとする。
ヒートシーラント層4がインフレーション法あるいはT
ダイ法によってフィルム化した層の場合は、その製膜工
程と紙にラミネートする工程との2工程となるが、本発
明では、共押出装置を搭載したラミネーターを用いるこ
とにより、紙面に直接共押出しラミネーションして積層
体とするものである。その結果、加工の工程が一度で積
層体とすることが可能である。紙容器の積層体の一方の
面には前記のシーラント層を設けるが、他の面、すなわ
ち、紙容器としての表面となる紙面には、LDPEを公知の
押出ラミネーターを用いてラミネートすることができ
る。前記表面の樹脂層は、内容物と接触しないため、通
常はLDPEを用いるが、S-PEを用いても良い。
【0010】本発明の紙容器のシーラント層4を前記の
2層の構成としたことにより、ヒートシール性(密封
性)あるいは、内容物の味覚の劣化防止等複数の課題に
対する解決を目的とした発明であり、結果として満足す
べきヒートシーラント層4を得ることができた。本発明
の紙容器におけるヒートシーラント層の厚みは、20〜10
0 μm、より好ましくは30〜50μmである。前記ヒート
シーラント層の厚みが20μm未満の場合、ヒートシール
部の段差にピンホールが発生するおそれがある。また、
ヒートシーラント層の厚みが100 μmを超えるとヒート
シールに時間がかかり、紙容器成形の効率が低下する。
また、ヒートシーラント層を2層構成とする場合の層厚
み比は、貼合層:接液層=4:1 〜1:1 の範囲が適当であ
る。
【0011】本発明の紙容器においては、図1(c)に
示すように紙容器Pを構成する積層体1の接液層6がS-
PEであるために、このS-PE面の滑りが悪く、紙容器の製
造工程におけるフレームシーラーにおいて、ブランクの
供給に支障がでることがある。前記フレームシーラーの
ブランク供給部は、ブランク板を多数積載し、その下部
から高速で一枚ずつ取り出し、フレームシーラー部に供
給する方式であり、この際に、ブランク表面の滑りが悪
いと、他のブランクの表面を傷つけることになる。
【0012】そこで、本発明者は、種々の滑り剤を前記
接液層を構成するS-PE樹脂中に添加して、テストを重ね
た結果、図1(d)に示すように、平均粒径が5 〜20μ
mの無機系粒子7をマスターバッチ方式のブレンド法に
より、接液層6を構成する樹脂に対し、2 〜20重量%添
加することにより、接液層6の表面の滑り性が改善され
ることを見出した。本発明におけるS-PEとしては、通常
使用される有機系の滑り剤( スリップ剤とも表現する)
が、補助的に添加されたものでもよいが、前記有機系の
滑り剤が持つ臭いが内容物に移行するおそれがあり、用
途によっては好ましくないことがある。本発明において
は、滑り剤としては前記無機系粒子による滑り性の改善
を主とするものである。前記無機系粒子7の滑り剤の添
加量が、接液層6を構成する樹脂に対し2 重量%未満で
は、滑り性の効果が少なく、また、20重量%を超える添
加をした場合、均質な製膜が困難となる。このようにし
て、適性な表面滑り性を付与した積層体は、加工工程に
おいて、供給の安定性があり、また、他のブランクに損
傷をあたえることがない。また、本発明者は、前記接液
層を構成する樹脂中に、D が0.926 〜0.965 、MI0.2 〜
20のPEを5 〜20重量%添加することにより、S-PE樹脂の
滑り性を改善する効果のあることを見出した。前記PEの
添加量が5 重量%未満の場合には、滑り性の改善の効果
がなく、前記添加量が20重量%を超えると製膜性が悪く
なり、かつ、ヒートシール温度も高温を必要とし、内容
物の味覚に影響を及ぼすことがある。
【0013】ヒートシールによる密封性は、前述のよう
に、紙容器成形の際のヒートシール部における段差シー
ル部DSやセンターシール部CSの空隙部X,Yに溶融
樹脂を充填することが重要であり、また、ヒートシール
はできるだけ低温度でシールできることが、前記内容物
の味覚の劣化防止の面から望ましい。低密度のS-PEは、
低温シール性に優れ、低分子量成分が少ないために、内
容物の味覚保持の点で望ましいシーラントである。
【0014】以上述べたように、接液層6に用いる樹脂
としては、内容物の味覚の保持のために、低分子量成分
の少ないS-PEを用いる。前記のS-PEは低温シール性を確
保し、内容物に悪影響を及ぼさない樹脂である。該S-PE
は、MIが0.2 〜20、D が0.890 〜0.925 の範囲のものと
した。MIを0.2 〜20としたのは、製膜時の加工適性の範
囲であること、すなわち、MIが0.2 未満のS-PEでは、製
膜時の押出しラミネートが困難であり、また、MIが20を
超えると、押出の際の溶融膜が不安定となり、均一な層
となり難いためである。また、接液層6に用いる樹脂の
D を0.890 〜0.925 としたのは、低密度のS-PEの低温シ
ール性を利用するためであり、0.890 未満のものは上市
されておらず、D が0.926 を超えるとシール温度が高く
なり、内容物の味覚に影響する。
【0015】本発明者は、前記紙容器の段差部等に生ず
る空隙を埋める溶融樹脂としてはその溶融粘度が密封に
密接に関係することを見出した。すなわち、前記段差シ
ール部DSやセンターシール部CSの空隙X,Yを埋め
るためには、溶融した樹脂の粘度が低すぎないことが重
要であり、本発明のヒートシーラント層4を構成する接
液側の層を構成する前記S-PEは溶融粘度としても、前記
空隙X,Yを充填密封するのに適したものであり、共押
出しする貼合面側の樹脂は、紙面への良好な接着性が得
られ易いPEとすることが望ましい。前記MIは、製膜の可
能範囲であり、0.2 未満のMIでは、押出し製膜時に押し
出し難く、また、MIが20を超える樹脂であると、溶融膜
が不安定となり、加工性が極端に悪くなる。
【0016】シーラント層を前記低密度のS-PE単層とす
ることが考えられるが、その場合には、押出しラミネー
トにおいて、紙面への接着強度が弱くなる傾向があり、
また、S-PEの滑り性の対策として、本発明の無機系粒子
の添加がヒートシーラント層の全厚さに添加することに
なり、コストの上昇を招くことになるので好ましくな
い。
【0017】本発明者は、前記紙容器の段差部或いはセ
ンターシール部に形成される空隙を埋める溶融樹脂とし
てはその溶融粘度が密封に密接に関係することを見出し
た。すなわち、前記段差シール部やセンターシール部の
空隙を埋めるには、溶融した樹脂の粘度が、低すぎない
ことが重要であり、本発明においてシーラントの2層の
共押出しラミネートする場合の貼合面に用いる樹脂は、
D が0.910 〜0.965 、MIが0.2 〜20のPEまたはS-PEと
し、接液層に用いる樹脂は、D が0.890 〜0.930、MIが
0.2 〜20のS-PEとした。貼合面に用いる樹脂としては、
前記段差部またはセンターシール部の空隙を充填して密
封を完全にするとともに、紙面への接着を確実にする目
的である。前記段差部およびセンターシール部の空隙を
溶融した樹脂により充填し、容器として密封する接液層
樹脂としては、前記のS-PEが極めて優れている。また、
S-PEは、前記PEと比較して、20〜30℃低い押出し温度で
製膜可能であるので味覚の保持には、接液層としてより
好ましい。紙面への接着をする貼合層に用いる樹脂は、
その接着強度において、S-PEよりも前記のPEが優れてい
る。S-PEを貼合層として用いても、一般的な用途におい
ては実用上接着強度に問題はないが、より強い接着強度
を必要とする場合には貼合層としてPEが好ましい。
【0018】本発明においては、紙容器のヒートシーラ
ント層を共押出し法による2層とし、その接液層に無機
系粒子をマスターバッチ法により、2〜20重量%添加し
てS-PEの滑り性をよくするが、接液層に、前記粒子を添
加すればよく、無機系粒子が比較的高価な材料であり、
ヒートシーラント層全厚に添加することに比較し、コス
トの削減となる。また、マスターバッチ法によるドライ
ブレンドによる添加は、前記粒子が、樹脂中に分散し易
く添加における作業性も良い。
【0019】以上詳細に説明したように、本発明のシー
ラントを最内面の樹脂、つまり、接液層の樹脂を低密度
のS-PE、または、低密度のS-PEに中高密度ポリエチレン
をブレンドした樹脂とする。紙への貼合面の樹脂をD=0.
910 〜0.965 、MI=0.2〜20のPEまたはS-PEとし、前記接
液層を形成する樹脂として、D=0.890 〜0.930 、MI=0.2
〜20のS-PEとし、滑り性を改善するためにブレンドする
中高密度ポリエチレンは、D が0.926 〜0.965 、MI0.2
〜20の樹脂を5 〜20重量%添加するものとする。また、
この接液層形成樹脂に対し、マスターバッチ法により平
均粒径5 〜20μmの無機系粒子を2 〜20重量%添加する
ことによって、内容物の味覚の劣化を防止でき、また、
紙容器としての密封性、ゲーベルトップ型紙容器の段差
部およびセンターシール部の空隙部の溶融樹脂による充
填(密封)が確実となり、紙容器の製造時の加工性が良
好な積層体とすることができた。
【0020】本発明の紙容器に用いる積層体は、基材層
の紙の一方の面に公知の方法により、LDPEを押出ラミネ
ートし、他方の面に、前記シーラント層として、共押出
しラミネーション法により、前記(a) 、(b) を共押出し
すると同時に、紙面に接着・積層するものである。紙容
器を構成する包装材料の積層加工を、前記共押出しラミ
ネーション法により行うことによって、別工程で共押出
しフィルムを製膜する必要がなくなり、また、押出しラ
ミネーションであるため、樹脂温度が高く紙面への接着
強度も安定する。
【0021】
【実施例】本発明を実施例により説明する。以下から
の実施例と比較例の積層体を作製し、紙容器を成形、
内容物を充填して、それぞれの項目について評価した。
以下の積層体の面はいずれも、 表面側←────→内容物側である。 実施例1 PE20/ 紙313/{ S-PE20 +(S-PE80%+MB20% )20 } 実施例2 PE20/ 紙313/{ S-PE30 +(S-PE80%+MB20% )10 } 実施例3 PE20/ 紙313/{ LDPE20 +S-PE20} 実施例4 PE20/ 紙313/{ LDPE30 +S-PE10} 実施例5 PE20/ 紙313/{ LDPE20 +(S-PE80%+MB20% )20 } 実施例6 PE20/ 紙313/{ LDPE30 +(S-PE80%+MB20% 実施例7 PE20/ 紙 313/{ LDPE20 +(S-PE90%+HDPE10実施例8 PE20/ 紙313/{ LDPE30 +(S-P E90%+HDPE10% )10 }実施例9 PE20/ 紙313/{ LDPE20 +(S-PE80%+HDPE10 % +MB10実施例10 PE20/ 紙313/{ LDPE30 +(S-PE80%+HDPE10% +MB10 略号 記号の後の数字は、層の厚み( μm) を示し、紙はg/m2
( ) 内はドライブレンドであることを示し、{
}内はその製膜法は共押出し法であることを示す。LD
PE、S-PE:各実施例に用いた樹脂のD 、MIは、次の通り
である。 実施例1,2 貼合面S-PE [D=0.905 、MI= 7.0] 接液面S-PE [D=0.905 、MI= 7.0] 実施例3,4 貼合面LDPE [D=0.919 、MI= 8.5] 接液面S-PE [D=0.905 、MI= 7.0] 実施例5,6 貼合面LDPE [D=0.919 、MI= 8.5] 接液面S-PE [D=0.905 、MI= 7.0] 実施例7〜10 貼合面LDPE[D=0.919、MI= 8.5] 接液面S-PE [D=0.905 、MI= 7.0] HDPE [D=0.941 、MI= 8.0] 表面PE: いずれもLDPE( D=0.923 、MI=3.7) MB: 無機系粒子を ベースレジンS-PE樹脂にマスターバ
ッチ方式にてブレンドした。無機系粒子: 平均粒径7 μ
mのシリカ含有率15%。 紙面への押出しラミネート: 紙面をフレーム処理して、
押出しラミネーションした。 押出し温度: いずれも、ダイ内温度でLDPEは320 ℃、S-
PEは280 ℃とした。 〔実施例1〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.905 、MI
= 7.0 ) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%に上記
記載のMB20重量%をドライブレンドした樹脂を、厚さが
それぞれ20μm、20μmになるように共押出しコーティ
ングし、積層体1を作製した。 〔実施例2〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.905 、MI
= 7.0 ) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%に上記
記載のMB20重量%をドライブレンドした樹脂を、厚さが
それぞれ30μm、10μmになるように共押出しコーティ
ングし、積層体2を作製した。 〔実施例3〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )とを、各厚さが20
μm、20μmになるように共押出しコーティングし、積
層体3を作製した。 〔実施例4〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )とを、各厚さが
30μm、10μmになるように共押出しコーティングし、
積層体4を作製した。 〔実施例5〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%と上記記
載のMBを20重量%をドライブレンドした樹脂を、各厚さ
が20μm、20μmになるように共押出しコーティング
し、積層体5を作製した。 〔実施例6〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%と上記記
載のMBを20重量%をドライブレンドした樹脂を、各厚さ
が30μm、10μmになるように共押出しコーティング
し、積層体6を作製した。 〔実施例7〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )90重量%と上記記
載のHDPEを10重量%をドライブレンドした樹脂を、各厚
さが20μm、20μmになるように共押出しコーティング
し、積層体7を作製した。 〔実施例8〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )90重量%と上記記
載のHDPEを10重量%をドライブレンドした樹脂を、各厚
さが30μm、10μmになるように共押出しコーティング
し、積層体8を作製した。 〔実施例9〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%と上記記
載のHDPE10重量%および上記記載のMBを10重量%をドラ
イブレンドした樹脂を、各厚さが20μm、20μmになる
ように共押出しコーティングし、積層体9を作製した。 〔実施例10〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミル
クカートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20
μm押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、
MI=8.5) とS-PE(D=0.905 、MI= 7.0 )80重量%と上記
記載のHDPE10重量%および上記記載のMBを10重量%をド
ライブレンドした樹脂をを、各厚さが30μm、10μmに
なるように共押出しコーティングし、積層体10を作製
した。 〔比較例1〕支持体の紙として、坪量313g/m2 のミルク
カートン原紙に、LDPE( D=0.923 、MI=3.7) を厚さ20μ
m押出しコーティングし、逆側に、LDPE( D=0.919 、MI
=8.5) を40μmの厚さに押出しコートし、比較例として
の積層体を作製した。 <評価> 1)接着強度 シーラント層を紙に押出しラミネートした際の接着性 2)密封性(シール性) ゲーベルトップ型紙容器のヒートシール部の段差部、セ
ンターシール部の空隔部の密封性を液漏れシールチェッ
ク液の浸透レベルで評価した。 3)加工適性 紙容器積層体の抜き工程、スカイブヘミング工程、フレ
ームシーラーにおける供給性(滑り不良に伴う供給不良
の有無)、積み挙げたブランクから引き出すときに発生
する傷の有無を目視で評価する。 4)味覚 ミネラルウォーター又は、柑橘系果汁飲料を10℃、2 週
間静置保存後、味覚テストを実施した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】ヒートシーラント層を2層共押出しとし
て共押出しラミネートした積層体として紙容器を成形す
ることにより、紙面への接着が向上した。また、前記共
押出ししたヒートシーラント層の接液面の層に平均粒径
が5〜20μmの無機系粒子を、2 〜20重量%添加するこ
とによって、内面の滑り性がよくなり、紙容器成形工程
において、作業性が安定した。前記無機系粒子を接液層
のみに添加することにより、コスト上昇も最小限に抑え
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器の実施例を示す、(a)紙容器
の斜視図、(b)上面図、(c)紙容器を構成する積層
体の層構成を説明する断面図、(d)Z部の拡大図
【図2】図1のW−W部断面図であって、(a)DS
部、(b)CS部
【符号の説明】
P 紙容器 V 正面パネル SV サイドパネル DS 段差部 CS センターシール部 1 紙容器を構成する積層体 2 基材層 3 表面樹脂層 4 ヒートシーラント層 5 貼合層 6 接液層 7 無機系微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E060 AA04 AB04 BC01 BC04 BC07 DA18 DA23 EA03 4F100 AA01C AK04B AK04C AK62B AK62C AL05C BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 DG10A EH20 GB16 GB23 JA06B JA06C JA13B JA13C JA20C JD01 JL01 JL12B JL12C YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙を基材とし、少なくとも一方の面にヒー
    トシーラント層を形成した積層体からなる紙容器であっ
    て、前記ヒートシーラント層が、次の(a)、(b)の
    樹脂、(a)密度0.910 〜0.965 、メルトインデックス
    0.2 〜20のポリエチレン( 以下、PEと記載する) または
    シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・
    オレフィン共重合体(以下、S-PEと記載する) (b)密度0.890 〜0.930 、メルトインデックス0.2 〜
    20のS-PEを(b)を最内面層として、共押出しラミネー
    ション法により形成されていることを特徴とする紙容
    器。
  2. 【請求項2】前記最内面層(b)を形成する原料樹脂
    に、少なくとも1種類の、平均粒径が5 〜20μmの無機
    系粒子をマスターバッチ方式のブレンド法により2 〜20
    重量%添加したことを特徴とする請求項1記載の紙容
    器。
  3. 【請求項3】前記最内面層(b)を形成する原料樹脂
    に、密度0.926 〜0.965 、メルトインデックス0.2 〜20
    のPEを5 〜20重量%添加したことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の紙容器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002219783A (ja) * 2001-01-25 2002-08-06 Toppan Printing Co Ltd 紙容器用積層材料
JP2002219784A (ja) * 2001-01-25 2002-08-06 Toppan Printing Co Ltd 紙容器用積層材料
JP2006264334A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Curwood Inc 包装用積層体及びそれから製造した物品
US8544718B2 (en) 2004-10-20 2013-10-01 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Paper container for liquid

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