JPH11105188A - 透明バリア性ポリプロピレンフィルム、それを使用した積層体および包装用容器 - Google Patents

透明バリア性ポリプロピレンフィルム、それを使用した積層体および包装用容器

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JPH11105188A
JPH11105188A JP9289287A JP28928797A JPH11105188A JP H11105188 A JPH11105188 A JP H11105188A JP 9289287 A JP9289287 A JP 9289287A JP 28928797 A JP28928797 A JP 28928797A JP H11105188 A JPH11105188 A JP H11105188A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基材として、ポリプロピレンフ
ィルムを使用するも、透明性、酸素、水蒸気等に対する
ガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト加
工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有
し、また、バリア性膜としての蒸着膜の剥離を防止し、
かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防
止してバリア−性膜として優れた耐性を発揮し、飲食
品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接着
剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の
物品の充填包装適性、保存適性等に優れた透明バリア性
ポリプロピレンフィルム、およびそれを使用した積層体
および包装用容器を提供することである。 【解決手段】 2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材の
一方の面に、少なくとも2種以上の無機酸化物による第
1の薄膜と第2の薄膜とを積層して設けたことを特徴と
する透明バリア性ポリプロピレンフィルム、それを使用
した積層体および包装用容器に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明バリア性ポリ
プロピレンフィルム、それを使用した積層体および包装
用容器に関し、更に詳しくは、透明性、酸素、水蒸気等
に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミ
ネ−ト加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工
適性を有し、また、バリア性膜としての蒸着膜の剥離を
防止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その
劣化を防止してバリア−性膜として優れた耐性を発揮
し、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨
き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等
の種々の物品の充填包装適性、保存適性等に優れた透明
バリア性ポリプロピレンフィルム、およびそれを使用し
た積層体および包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲食品、医薬品、化学品、化粧
品、その他等の種々の物品を充填包装するために、種々
の包装用材料が開発され、提案されている。そのような
包装用材料においては、包装目的、充填する内容物、包
装製品の貯蔵・流通、その他等によって異なるが、包装
用材料として、種々の物性が要求されるものである。而
して、それらの物性の一つとし、酸素および水蒸気等の
透過を阻止するガスバリア性があり、このものは、極め
て重要な要件の一つとされている。そのため、従来か
ら、酸素および水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性
材料が、種々、開発され、提案されている。例えば、ア
ルミニウム箔、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の
コ−ティング膜を有するナイロンフィルムあるいはポリ
エチレンテレフタレ−トフィルム、、ポリビニルアルコ
−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物フィルム、ポリアクリロニトリル系樹脂フィルム等の
ガスバリア性材料が、開発され、提案されている。更
に、近年、プラスチック基材の上に、例えば、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた
構成からなる透明バリア性フィルム、あるいは、アルミ
ニウム等の金属の蒸着膜を設けたバリア性フィルム等も
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
アルミニウム箔においては、使用後の再利用が困難であ
り、かつ、廃棄後焼却すると、金属箔由来の焼却灰が残
り、環境上の問題点がある。また、上記のポリ塩化ビニ
リデン系樹脂のコ−ティング膜を有するナイロンフィル
ムあるいはポリエチレンテレフタレ−トフィルム等にお
いては、使用後に廃棄し、焼却すると、例えば、塩素ガ
ス等の有害なガスが発生し、これもまた、環境上の問題
点がある。更に、上記のポリビニルアルコ−ルフィル
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物フィル
ム、ポリアクリロニトリル系樹脂フィルム等において
は、例えば、内容物として、食品を充填し、ボイル処理
やレトルト処理等の加熱殺菌時に、充分なバリア性を保
持することが困難であり、また、包装製品の保存、流通
環境における温度や湿度等に影響を受けるという問題点
がある。上記のような問題点を解決するものとして、上
記のように、近年、プラスチック基材の上に、例えば、
酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜
を設けた構成からなる透明バリア性フィルム、あるい
は、アルミニウム等の金属の蒸着膜をを設けた構成から
なるバリア性フィルムが提案されているが、これらのも
のは、使用後に焼却しても残留物が少なく、また、高湿
度下でのバリア性の劣化も少なく、種々の包装用材料と
して多用されているものである。
【0004】しかしながら、例えば、上記のプラスチッ
ク基材として、2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用
し、プラズマ化学蒸着法で酸化ケイ素の蒸着膜を形成す
る場合、プラズマ処理により、2軸延伸ポリプロピレン
フィルム自身が、黄変、あるいは、劣化し、無色透明な
バリア性ポリプロピレンフィルムを製造することが極め
て困難であるという問題点がある。更に、上記のプラズ
マ化学蒸着法で酸化ケイ素の蒸着膜を形成する場合、該
酸化ケイ素の蒸着膜と2軸延伸ポリプロピレンフィルム
との密着強度が不足し、バリア性が向上しないという問
題点もある。その原因は、プラズマ処理により、2軸延
伸ポリプロピレンフィルムの表面に、接着性が弱くなる
層(Werk Boundary Layer WB
L)が生成することによるものと推定されている。而し
て、バリア性を向上させるために、例えば、アルミニウ
ム蒸着膜等の金属蒸着膜を形成する技術分野において
は、プラスチック基材の表面に、例えば、ポリエステル
系、ウレタン系、エポキシ系、アミン系等の有機系アン
カ−コ−ト剤(AC剤)、あるいは、プライマ−コ−ト
剤等をコ−ティングし、蒸着膜との密着性を改善する技
術が提案されている。しかし、物理蒸着法で酸化ケイ素
の蒸着膜を形成する方法において、例えば、基材とし
て、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム等の
耐熱性に優れている基材を使用する場合には、上記のプ
ラスチック基材の表面に、有機系アンカ−コ−ト剤(A
C剤)、あるいは、プライマ−コ−ト剤等をコ−ティン
グする技術を適用することにより、蒸着膜との密着性を
改善する効果が見られて有効であるが、2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルム等の耐熱性に劣る基材においては、そ
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム自身が物理蒸着法に
おける蒸着プロセスで劣化することから、有効な手段と
なるには程遠い技術手段である。また、プラズマ化学蒸
着法で酸化ケイ素の蒸着膜を形成する方法においても、
酸化ケイ素の蒸着膜と2軸延伸ポリプロピレンフィルム
との密着性を改善するために、上記の有機系アンカ −
コ−ト剤(AC剤)、あるいは、プライマ−コ−ト剤等
をコ−ティングする技術を適用することが考えられる
が、プラズマ処理により、有機系アンカ−コ−ト剤(A
C剤)層、あるいは、プライマ−コ−ト剤層等が劣化
し、それら自身が黄変するために、2軸延伸ポリプロピ
レンフィルム自身の黄変を改善し、無色透明化すること
は極めて困難なことである。そこで本発明は、プラスチ
ック基材として、ポリプロピレンフィルムを使用する
も、透明性、酸素あるいは水蒸気等に対するガスバリア
性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト加工、印刷加
工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有し、また、
バリア性膜としての蒸着薄膜の剥離を防止し、かつ、そ
の熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防止してバ
リア−性膜として優れた耐性を発揮し、飲食品、医薬
品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接着剤、粘着
剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の充
填包装適性、保存適性等に優れた透明バリア性ポリプロ
ピレンフィルム、およびそれを使用した積層体および包
装用容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究の結果、2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルム基材の一方の面に、物理蒸着法による
無機酸化物の蒸着膜を形成し、これを第1の薄膜とし、
該第1の薄膜を、次に形成する第2の薄膜の第1の薄膜
への密着性を向上させ、かつ、第2の薄膜を形成するプ
ラズマ処理による2軸延伸ポリプロピレンフィルムの黄
変と劣化等を防止する耐プラズマ保護層とし、次いで、
上記の第1の薄膜の上に、プラズマ化学蒸着法による無
機酸化物の蒸着膜を形成し、これを第2の薄膜とし、少
なくとも2種以上の無機酸化物による第1の薄膜と第2
の薄膜とを積層して透明バリア性ポリプロピレンフィル
ムを製造し、更に、該透明バリア性ポリプロピレンフィ
ルムに、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂
層、あるいは、基材フィルム層等を積層して積層体を製
造し、更に、該積層体を使用して製袋または製函して包
装用容器を製造し、該包装用容器内に種々の物品を充填
包装したところ、透明性、酸素あるいは水蒸気等に対す
るガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト
加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を
有し、また、バリア性膜としての蒸着膜の剥離を防止
し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化
を防止してバリア−性膜として優れた耐性を発揮し、飲
食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接
着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々
の物品の充填包装適性、保存適性等に優れた透明バリア
性ポリプロピレンフィルム、およびそれを使用した積層
体および包装用容器を製造し得ることを見出して本発明
を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、2軸延伸ポリプロピ
レンフィルム基材の一方の面に、少なくとも2種以上の
無機酸化物による第1の薄膜と第2の薄膜とを積層して
設けたことを特徴とする透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルム、それを使用した積層体および包装用容器に関す
るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に更に
詳しく説明する。まず、本発明にかかる透明バリア性ポ
リプロピレンフィルム、それを使用した積層体および包
装用容器の構成についてその二三を例示して図面を用い
て説明すると、図1および図2は、本発明にかかる透明
バリア性ポリプロピレンフィルムの層構成を示す断面図
であり、図3、図4、および図5は、上記の本発明にか
かる透明バリア性ポリプロピレンフィルムを使用して製
造した積層体の層構成を示す断面図であり、図6、図
7、図8、図9、および図10は、上記の本発明にかか
る透明バリア性ポリプロピレンフィルムを使用した積層
体を使用して製袋ないし製函した包装用容器の構成を示
す平面図ないし斜視図である。
【0008】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレ
ンフィルム1は、図1に示すように、2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム2の一方の面に、少なくとも2種以上の
無機酸化物による第1の薄膜3と、第2の薄膜4とを積
層して設けた構成からなるものである。更に、具体的に
は、本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフィル
ム1aは、図2に示すように、2軸延伸ポリプロピレン
フィルム2の一方の面に、第1の薄膜3として、物理蒸
着法による無機酸化物の蒸着膜3aを設け、更に、第2
の薄膜4として、プラズマ化学蒸着法による無機酸化物
の蒸着膜4aを設けた構成からなるものである。而し
て、上記の例示は、本発明にかかる透明バリア性ポリプ
ロピレンフィルムの一例を例示したものであり、これに
限定されるものではなく、例えば、図示しないが、第1
の薄膜、第2の薄膜等は、2軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの一方の面のみならずその両方の面に設けたもので
もよいものである。
【0009】次に、上記の本発明にかかる透明バリア性
ポリプロピレンフィルムを使用して製造する積層体につ
いてその二三を例示して説明すると、本発明にかかる積
層体としては、例えば、図3に示すように、上記の図1
に示す透明バリア性ポリプロピレンフィルム1の第2の
薄膜4の面に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性を有するポ
リオレフィン系樹脂層5を積層してなる積層体Aを挙げ
ることができる。更には、本発明にかかる積層体として
は、図4に示すように、上記の図3に示す積層体Aの2
軸延伸ポリプロピレンフィルム2の他方の面に、少なく
とも、基材フィルム層6を積層してなる積層体Bを挙げ
ることができる。あるいは、本発明にかかる積層体とし
ては、図5に示すように、上記の図4に示す積層体Bの
基材フィルム層6の面に、更に、少なくとも、ヒ−トシ
−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層5aを積層した
積層体Cを挙げることができる。而して、上記に挙げた
例は、本発明にかかる積層体を構成する二三の例示であ
り、これによって限定されるものではなく、例えば、本
発明においては、図示しないが、基材フィルム層、ヒ−
トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層等の他に、
更に、その使用目的、充填包装する内容物、流通経路、
販売形態、用途等によって、他の基材を任意に積層し
て、種々の形態の積層体を設計して製造することができ
るものである。また、本発明において、基材フィルム
層、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層、
その他の層の積層位置としては、その使用目的、用途等
によって、任意に積層することができ、種々の形態の積
層体を設計して製造することができるものである。
【0010】次に、本発明において、上記のような積層
体を使用して製袋ないし製函してなる本発明にかかる包
装用容器の構成について説明すると、かかる包装用容器
としては、例えば、上記の図3に示す積層材Aを使用し
て製袋ないし製函した包装用容器を例示して説明する
と、図6の斜視図に示すように、上記の積層体A、Aを
2枚用意し、その最内層に位置するヒ−トシ−ル性を有
するポリオレフィン系樹脂層5、5の面を対向させて重
ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部の三方をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部7、7、7を形成して、本発明に
かかる三方シ−ル型の軟包装用容器Dを製造することが
できる。
【0011】次にまた、本発明にかかる包装用容器とし
ては、図7の平面図に示すように、例えば、上記の図5
に示す積層材Cを使用し、まず、それから所定の折罫l
(点線で示している)、貼着部8等を有する紙容器形成
用のブランク板9を打ち抜き加工して製造し、次に、図
8の斜視図に示すように、該ブランク板9の貼着部8を
他方の側端部10(図7に示す)と重ね合わせ、その重
合部分をヒ−トシ−ルして側端シ−ル部11を形成して
胴部12を製造し、更に、該胴部12の下方部分を常法
に従って折り込んでヒ−トシ−ルして底部13を形成
し、更にまた、その上方部分を常法に従ってヒ−トシ−
ルして屋根型シ−ル部14を形成して、本発明にかかる
屋根型の紙製包装用容器Eを製造することができる。
【0012】更にまた、本発明にかかる包装用容器とし
ては、図9の平面図に示すように、例えば、上記の図5
に示す積層材Cを使用し、まず、それから貼着部8a等
を有し、筒状胴部を形成し得る長方形の紙容器形成用の
ブランク板9aを打ち抜き加工して製造し、次に、図1
0の斜視図に示すように、該ブランク板9aの貼着部8
aを他方の側端部10a(図9に示す)と重ね合わせ、
その重合部分をヒ−トシ−ルして側端シ−ル部11aを
形成して筒状胴部12aを製造し、更に、該筒状胴部1
2aの下方部分に、例えば、円筒状の底板15をヒ−ト
シ−ルして底シ−ル部16を形成して底部15aを構成
し、更にまた、筒状容器12aの上方部分に、例えば、
引き剥がし片17で密閉されている飲み口18を有する
円筒状の蓋板19をヒ−トシ−ルして上部シ−ル部20
を形成して蓋部19aを構成して、本発明にかかる円筒
状の紙缶状包装用容器Fを製造することができる。な
お、本発明においては、上記に図示した例示の包装用容
器に限定されるものでないことは言うまでもないことで
あり、その目的、用途等により、種々の形態の包装用容
器を製造することができることは言うまでもないことで
ある。
【0013】次に、本発明において、上記のような本発
明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフィルム、積層
体および包装用容器等を構成する材料、その製造法等に
ついて説明すると、かかる材料、方法等としては、種々
のものを採用することができる。まず、本発明におい
て、本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフィル
ムを構成する材料について説明すると、まず、2軸延伸
ポリプロピレンフィルムとしては、第1の薄膜、同じく
第2の薄膜を保持し得るポリプロピレンフィルムであれ
ばいずれのものでも使用することができ、例えば、プロ
ピレンの単独重合体、または、他のモノマ−との共重合
体からなるポリプロピレン系樹脂のフィルムないしシ−
トを使用することができる。この樹脂のフィルムないし
シ−トは、単層、あるいは、2層以上の共押し出し法で
製膜し、また、二軸方向に延伸されているものが好まし
く、更に、その厚さとしては、バリア製フィルムの製造
時の安定性等から、約10〜100μm位、好ましく
は、20〜50μm位が望ましい。また、上記の樹脂の
フィルムないしシ−トとしては、必要ならば、その表面
に、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フレ−ム処
理、その他等の表面活性処理を任意に施すことができ
る。また、本発明においては、第1の薄膜との強固を密
着強度を達成するために、例えば、ポリエステル系、ウ
レタン系、エポキシ系、アミン系、その他等のアンカ−
コ−ト剤を第1の薄膜を形成する蒸着工程で、インライ
ン、あるいは、オフラインで形成することもできる。更
に、本発明においては、用途に応じて、例えば、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、充填剤、その他等
の所望の添加剤を、その透明性に影響しない範囲内で任
意に添加し、それらを含有するポリプロピレンフィルム
等も使用することができる。
【0014】次にまた、本発明において、透明バリア性
ポリプロピレンフィルムを構成する第1の薄膜として
は、基本的に無機酸化物をアモルファス(非晶質)化し
た薄膜であれば使用可能であり、例えば、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化カリウム、酸化スズ、酸化ナトリウム、酸化ホ
ウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イ
ットリウム等の無機酸化物をアモルファス(非晶質)化
した薄膜を使用することができる。本発明において、上
記の第1の薄膜としては、具体的には、例えば、上記の
ような金属酸化物からなる無機酸化物、あるいは、金属
等を使用し、必要ならば、酸素ガス等を供給しながら、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング
法等の物理気相成長法(物理蒸着法、Physical
Vapor Deposition法、PVD法)に
よって、無機酸化物の蒸着膜を形成し、これを第1の薄
膜として使用することができる。上記において、蒸着原
料の加熱方式としては、例えば、エレクトロンビ−ム
(EB)方式、高周波誘導加熱方式、抵抗加熱方式等を
用いられる。上記の物理蒸着法について、その一例とし
て、巻き取り式蒸着機の例を挙げて更に具体的に説明す
ると、図11の概略的構成図に示すように、巻き取り式
真空蒸着装置111の真空チャンバ−112の中で、巻
き出しロ−ル113から繰り出す2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルム114は、コ−ティングドラム115を経て
蒸着チャンバ−116の中に入り、ここで、るつぼ11
7で蒸着源として熱せられた金属、あるいは、金属酸化
物を蒸発させ、その際に、酸素吹き出し口118より酸
素ガス等を噴出させながら、冷却したコ−ティングドラ
ム115の2軸延伸ポリプロピレンフィルム114の上
に、マスク119、119を介して無機酸化物の蒸着膜
を成膜化し、次いで蒸着膜を形成した2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム114を真空チャンバ−112内に送り
出して巻き取りロ−ル120に巻き取ることによって、
第1の薄膜としての物理蒸着法による無機酸化物の蒸着
膜を製造することができる。
【0015】本発明において、2軸延伸ポリプロピレン
フィルムの上に、プラズマ化学蒸着法により無機酸化物
の蒸着膜を形成する場合には、プラズマ処理により2軸
延伸ポリプロピレンフィルムの表面が影響を受け、黄
変、更には、劣化等を起こし、而して、この黄変、劣化
等を改善することは、極めて困難なことであり、このた
め、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの上に、予め、第
1の薄膜としての物理蒸着法による無機酸化物の蒸着膜
を形成し、これをプラズマ化学蒸着法によるプラズマ処
理に対する耐プラズマ保護層とするものである。更に、
本発明においては、第1の薄膜としての物理蒸着法によ
る無機酸化物の蒸着膜は、第2の薄膜の第1の薄膜への
密着性を改善するものである。すなわち、第1の薄膜を
無機酸化物の蒸着膜で構成することにより、第2の薄膜
としてのプラズマ化学蒸着法による無機酸化物の蒸着膜
との親和性を向上させ、その密着強度を上げるものであ
る。本発明において、上記の密着強度を更に向上させる
ために、第1の薄膜としての無機酸化物の蒸着膜を有す
る2軸延伸ポリプロピレンフィルムを、大気中に長時間
保持することにより、あるいは、インラインまたはオフ
ラインで酸素プラズマ処理により、第1の薄膜としての
無機酸化物の蒸着膜面に、水酸基を導入することも可能
である。例えば、第1の薄膜としての無機酸化物の蒸着
膜が、酸化アルミニウムの蒸着膜である場合、アルミニ
ウムに直結した酸素(酸化アルミニウム)と水酸基(水
酸化アルミニウム)の比率を重量比で40:60〜7
0:30位にすることが好ましいものである。而して、
本発明において、上記の耐プラズマ保護層、更には、第
2の薄膜の密着性を向上させるものとしての第1の薄膜
は、透明性に優れ、非結晶性の無機酸化物の蒸着膜が好
ましく、具体的には、式AlOX (ただし、式中、X
は、1〜1.5の数を表す。)で表される酸化アルミニ
ウムの蒸着膜が好ましいものである。また、本発明にお
いて、第1の薄膜の膜厚としては、50〜300Å位、
より好ましくは、100〜250Å位が望ましく、而し
て、上記において、300Å、更には、250Åより厚
くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好
ましくなく、また、50Å未満、更には、100Å未満
であると、その効果を奏することが困難になることから
好ましくないものである。
【0016】次にまた、本発明において、透明バリア性
ポリプロピレンフィルムを構成する第2の薄膜として
は、基本的に無機酸化物をアモルファス(非晶質)化し
た薄膜であれば使用可能であり、例えば、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化カリウム、酸化スズ、酸化ナトリウム、酸化ホ
ウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イ
ットリウム等の無機酸化物をアモルファス(非晶質)化
した薄膜を使用することができる。本発明において、上
記の第2の薄膜としては、具体的には、例えば、上記の
ような金属酸化物からなる無機酸化物、あるいは、金
属、有機珪素化合物等を原料として使用し、必要なら
ば、酸素ガス等を供給しながら、プラズマ化学気相成長
法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相
成長法(プラズマ化学蒸着法、Chemical Va
por Deposition法、CVD法)等によっ
て、無機酸化物の蒸着膜を形成し、これを第2の薄膜と
して使用することができる。本発明において、上記のよ
うな第2の薄膜の膜厚としては、50〜300Å位、よ
り好ましくは、100〜250Å位が望ましく、而し
て、上記において、300Å、更には、250Åより厚
くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好
ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であ
ると、バリア性の効果を奏することが困難になることか
ら好ましくないものである。
【0017】ところで、本発明において、上記の第2の
薄膜としては、酸化ケイ素、SiOX (Xは、0〜2の
数を表す)を主体とする連続層を使用することが望まし
く、更に、透明性、バリア性等の点から、式SiO
X (Xは、1.7〜2.0の数を表す。)で表される酸
化ケイ素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好まし
いものである。更に、上記の第2の薄膜としての酸化ケ
イ素の蒸着膜を主体とする薄膜は、少なくとも珪素と酸
素とを構成元素として有する珪素化合物からなり、更
に、微量構成元素として、炭素または水素の一種以上の
元素を含み、また、その膜厚が、100〜300Åの範
囲内であることが好ましいものである。而して、本発明
において、上記のような第2の薄膜としての酸化ケイ素
の薄膜としては、有機珪素化合物を原料とし、低温プラ
ズマ発生装置等を利用するプラズマ化学気相成長法を用
いて形成した蒸着膜を使用することができる。上記にお
いて、有機珪素化合物としては、例えば、1.1.3.
3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキ
サン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラ
ン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシ
ラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシ
ラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、その他等を使用することができる。本発明にお
いて、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.
3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメ
チルジシロキサンを原料として使用することが、その取
り扱い性、形成された蒸着膜の特性等から、特に、好ま
しい原料である。また、上記において、低温プラズマ発
生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プ
ラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用するこ
とがてき、而して、本発明においては、高活性の安定し
たプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による
発生装置を使用することが望ましい。上記のプラズマ化
学蒸着法について、その一例を挙げて更に具体的に説明
すると、図12の概略的構成図に示すように、プラズマ
化学蒸着装置211の真空チャンバ−212内に配置さ
れた巻き出しロ−ル213から繰り出す第1の薄膜を形
成した2軸延伸ポリプロピレンフィルム214は、補助
ロ−ル215を介して一定の速度で搬送されるととも
に、冷却・電極ドラム216周面上において、原料揮発
供給装置217、218、219から供給される有機珪
素化合物、酸素ガス、不活性ガス等からなる混合ガスを
原料供給ノズル220を通して導入し、グロ−放電プラ
ズマ221によって、酸化ケイ素の蒸着膜を、上記の2
軸延伸ポリプロピレンフィルム214の第1の薄膜上に
形成し製膜化し、而して、冷却・電極ドラム216は、
真空チャンバ−212外に配置されている電源222か
ら所定の電圧が印加されており、また、冷却・電極ドラ
ム216の近傍には、マグネット223を配置してプラ
ズマの発生を促進し、次に、上記で酸化ケイ素の蒸着膜
を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルム214は、
補助ロ−ル215を介して巻き取りロ−ル224に巻き
取って、本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを製造することができる。なお、図中、225
は、真空ポンプを表す。
【0018】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレ
ンフィルムは、上記のように、2軸延伸ポリプロピレン
フィルム基材の一方の面に、少なくとも2種以上の無機
酸化物による第1の薄膜と第2の薄膜とを積層し、而し
て、該第1の薄膜を、物理蒸着法による無機酸化物の蒸
着膜で構成し、第2の薄膜を、プラズマ化学蒸着法によ
る無機酸化物の蒸着膜で構成することにより、透明性と
基材との密着性に優れたハイバリア性を有する2軸延伸
ポリプロピレンフィルムを製造可能とするものである。
すなわち、本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレン
フィルムは、第1の薄膜としての物理蒸着法による無機
酸化物の蒸着膜が、非結晶性であることから、基材とし
てのポリプロピレンフィルムの熱収縮や吸水等による変
化に対してもクラック等が発生せず、バリア層としての
第2の薄膜としてのプラズマ化学蒸着法による無機酸化
物の蒸着膜の保護機能を果たし、これにより、第2の薄
膜としてのプラズマ化学蒸着法による無機酸化物の蒸着
膜が有するバリア性等の機能を損なうことなく、これに
より、透明性に優れ、更に、極めてハイバリア性を有す
る透明バリア性ポリプロピレンフィルムを製造すること
ができるものである。而して、本発明において、上記の
第1の薄膜と第2の薄膜との総膜厚は、600Å以下で
あることが好ましく、更に、その第2の薄膜の膜厚は、
100〜300Å位であることが望ましい。ちなみに、
本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフィルム
は、酸素透過度が、10cc/m2 /day(23℃/
90%RH)以下である。
【0019】次に、本発明において、積層体の最内層、
あるいは最外層を形成するヒ−トシ−ル性を有するポリ
オレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂と
しては、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィ
ルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポ
リマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性
ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等
の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが
できる。而して、上記のフィルムないしシ−トは、その
樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用す
ることができる。その膜もしくはフィルムないしシ−ト
の厚さとしては、5μmないし300μm位が好ましく
は、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
【0020】次にまた、本発明において、積層体を形成
する基材フィルム層を構成する基材フィルムとしては、
例えば、包装用容器を構成する場合、基本素材となるこ
とから、機械的、物理的、化学的、その他等において優
れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ
耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用する
ことができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他
等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使
用することができる。而して、上記の樹脂のフィルムな
いしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方
向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれの
ものでも使用することができる。そのフィルムの厚さと
しては、5μmないし100μm位、好ましくは、10
μmないし50μm位が望ましい。なお、本発明におい
ては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、
図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印
刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていて
もよい。
【0021】次にまた、本発明において、上記の基材フ
ィルム層を構成する基材フィルムとしては、例えば、紙
層を構成する各種の紙基材を使用することができ、具体
的には、本発明において、紙基材としては、賦型性、耐
屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイ
ズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、
クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用
することができる。上記において、紙層を構成する紙基
材としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好
ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使
用することが望ましい。勿論、本発明においては、紙層
を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとして
の各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用
することができる。
【0022】次に、本発明において、本発明にかかる積
層体を構成する材料として、例えば、水蒸気、水等のバ
リア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等
の樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは、酸素、水蒸
気等に対するバリア−性を有するポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料
等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練して
フィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフ
ィルムないしシ−ト等を使用することができる。これら
の材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用する
ことができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとし
ては、任意であるが、通常、5μmないし300μm
位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
【0023】なお、本発明においては、通常、包装用容
器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれること
から、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装
適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピン
ホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生
性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本
発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を
任意に選択して使用することができ、具体的には、例え
ば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタク
リル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリア
クリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹
脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、
ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィ
ルムないしシ−トから任意に選択して使用することがで
きる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙
等も使用することができる。本発明において、上記のフ
ィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に
延伸されたもの等のいずれのものでも使用することがで
きる。また、その厚さは、任意であるが、数μmから3
00μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとして
は、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティン
グ膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0024】次に、上記の本発明において、上記のよう
な材料を使用して積層体を製造する方法について説明す
ると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネ−
トする方法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドラ
イラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション
法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ押し出し成形
法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション
法、共押し出しインフレ−ション法、その他等で行うこ
とができる。而して、本発明においては、上記の積層を
行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処
理、フレ−ム処理、その他等の前処理をフィルムに施す
ことができ、また、例えば、ポリエステル系、イソシア
ネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリ
ブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング
剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエ
ステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス
系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−
コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0025】次に、本発明において、上記のような積層
体を使用して製袋ないし製函する方法について説明する
と、例えば、包装用容器がプラスチックフィルム等から
なる軟包装袋の場合、上記のような方法で製造した積層
体を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対
向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね
合わせ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部
を設けて袋体を構成することができる。而して、その製
袋方法としては、上記の積層体を、その内層の面を対向
させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、
更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二
方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ
−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付
シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ
−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかか
る種々の形態の包装用容器を製造することができる。そ
の他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)
等も製造することが可能であり、更に、本発明において
は、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造する
ことができる。上記において、ヒ−トシ−ルの方法とし
ては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルト
シ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−
ル等の公知の方法で行うことができる。なお、本発明に
おいては、上記のような包装用容器には、例えば、ワン
ピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出
口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けること
ができる。
【0026】次にまた、包装用容器として、紙基材を含
む液体充填用紙容器の場合、例えば、積層材として、紙
基材を積層した積層材を製造し、これから所望の紙容器
を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板
を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブ
リックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップ
タイプの液体用紙容器等を製造することができる。ま
た、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等の
いずれのものでも製造することができる。
【0027】本発明において、上記のようにして製造し
た包装用容器は、透明性、酸素、水蒸気等に対するガス
バリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト加工、
印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有し、
また、バリア性膜としての蒸着薄膜の剥離を防止し、か
つ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防止
して、バリア−性膜として優れた耐性を発揮し、例え
ば、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨
き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等
の種々の物品の充填包装適性、保存適性等に優れている
ものである。
【0028】
【実施例】
実施例1 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム(TD方向の引張強度:12Kgf/m
2 )を使用し、これをエレクトロンビ−ム(EB)加
熱方式のPVD真空蒸着機の送り出しロ−ルに装着し、
下記の条件で酸化アルミニウムの蒸着膜からなる保護層
を上記のポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に形成
した。 蒸着原料:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:2.5×10-3mbar 酸素導入前の蒸着チャンバ−内の真空度:2.2×10
-4mbar 酸素導入後の蒸着チャンバ−内の真空度:3.1×10
-4mbar フィルムの搬送速度:480m/分 蒸着面:コロナ処理面 蒸着膜の厚さ:250Å(蛍光X線分析法) (2).上記で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有
する2軸延伸ポリプロピレンフィルムを高周波プラズマ
方式CVD蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の
条件で酸化ケイ素の蒸着膜からなるバリア層を、2軸延
伸ポリプロピレンフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜
の上に形成して、本発明にかかる透明バリア性ポリプロ
ピレンフィルムを製造した。 反応ガス混合比:1.1.3.3−テトラメチルジシロ
キサン:酸素ガス:ヘリウム=1:10:8 真空チャンバ−内の真空度:7.0×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:3.8×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:10kW フィルムの搬送速度:100m/分 蒸着膜の厚さ:200Å(蛍光X線分析法) (3).上記で製造した本発明にかかる透明バリア性ポ
リプロピレンフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜の面に、厚
さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミ
ネ−ト法で積層して、下記の層構成からなる本発明にか
かる積層体を製造した。 上記において、接着剤としては、2液硬化型のウレタン
系接着剤を用いて、その接着剤量は、4.5g/m
2 (固形分量)であった。厚さ15μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム/酸化アルミニウムの蒸着膜/酸化
ケイ素の蒸着膜/接着剤層/厚さ50μmの低密度ポリ
エチレンフィルム
【0029】実施例2 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム(TD方向の引張強度:14Kgf/m
2 )を使用し、これをエレクトロンビ−ム(EB)加
熱方式のPVD真空蒸着機の送り出しロ−ルに装着し、
下記の条件で酸化アルミニウムの蒸着膜からなる保護層
を上記のポリプロピレンフィルムの表面に形成した。 蒸着原料:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:3.0×10-3mbar 酸素導入前の蒸着チャンバ−内の真空度:2.5×10
-4mbar 酸素導入後の蒸着チャンバ−内の真空度:3.0×10
-4mbar フィルムの搬送速度:550m/分 蒸着面:見処理面 蒸着膜の厚さ:220Å(蛍光X線分析法) (2).上記で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有
する2軸延伸ポリプロピレンフィルムを高周波プラズマ
方式CVD蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の
条件で酸化ケイ素の蒸着膜からなるバリア層を、2軸延
伸ポリプロピレンフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜
の上に形成して、本発明にかかる透明バリア性ポリプロ
ピレンフィルムを製造した。 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:10:8 真空チャンバ−内の真空度:5.0×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:4.0×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:10kW フィルムの搬送速度:140m/分 蒸着膜の厚さ:180Å(蛍光X線分析法) (3).上記で製造した本発明にかかる透明バリア性ポ
リプロピレンフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜の面に、厚
さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミ
ネ−ト法で積層して、下記の層構成からなる本発明にか
かる積層体を製造した。 上記において、接着剤としては、2液硬化型のウレタン
系接着剤を用いて、その接着剤量は、4.5g/m
2 (固形分量)であった。厚さ20μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム/酸化アルミニウムの蒸着膜/酸化
ケイ素の蒸着膜/接着剤層/厚さ50μmの低密度ポリ
エチレンフィルム
【0030】比較例1 厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(TD
方向の引張強度:12Kgf/mm2 )を使用し、この
フィルムのコロナ処理面に、上記の実施例1に記載した
高周波プラズマ方式CVD蒸着装置を使用し、実施例1
と同じ条件で同様にして、酸化ケイ素の蒸着膜からなる
バリア層を形成して、透明バリア性ポリプロピレンフィ
ルムを製造した。上記で製造した透明バリア性ポリプロ
ピレンフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜の面に、厚さ50
μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ト
法で積層して、下記の層構成からなる積層体を製造し
た。上記において、接着剤としては、2液硬化型のウレ
タン系接着剤を用いて、その接着剤量は、4.5g/m
2 (固形分量)であった。厚さ20μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム/酸化ケイ素の蒸着膜/接着剤層/
厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルム
【0031】比較例2 厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(TD
方向の引張強度:12Kgf/mm2 )を使用し、この
フィルムのコロナ処理面に、下記の条件で蒸着用アンカ
−コ−ト剤をグラビアコ−ト法でコ−ティングした。 主剤:硝化綿/アクリルポリオ−ル系(固形分:25
%) 硬化剤:イソシアネ−ト系(固形分:75%) 混合比:主剤:硬化剤=100:5 溶剤:酢酸エチル コ−ト量:0.3g/m2 (ドライ) 次に、上記で形成したアンカ−コ−ト剤層面に、上記の
実施例1に記載した高周波プラズマ方式CVD蒸着装置
を使用し、実施例1と同じ条件で同様にして、酸化ケイ
素の蒸着膜からなるバリア層を形成して、透明バリア性
ポリプロピレンフィルムを製造した。上記で製造した透
明バリア性ポリプロピレンフィルムの酸化ケイ素の蒸着
膜の面に、厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルム
をドライラミネ−ト法で積層して、下記の層構成からな
る積層体を製造した。上記において、接着剤としては、
2液硬化型のウレタン系接着剤を用いて、その接着剤量
は、4.5g/m2 (固形分量)であった。厚さ20μ
mの2軸延伸ポリプロピレンフィルム/アンカ−コ−ト
剤層/酸化ケイ素の蒸着膜/接着剤層/厚さ50μmの
低密度ポリエチレンフィルム
【0032】実験例1 上記の実施例1〜2、および、比較例1〜2で製造した
各透明バリア性ポリプロピレンフィルムについて、下記
のデ−タを測定した。 (1).プラズマ化学蒸着法による無機酸化物の蒸着膜
中の構成元素比の測定 これは、米国、VGサイエンティフィック社製のX線光
電子分光分析測定機〔エスカ(ESCA)〕にて測定し
た。 (2).酸素透過度の測定 これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクスト
ラン(OXTRAN)〕にて測定した。 (3).水蒸気透過度の測定 これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マト
ラン(PERMATRAN)〕にて測定した。 (4).色の測定 これは、目視により着色観察し、更に、400nm固定
波長での全光線透過率を分光光度計(島津製作所株式会
社製、機種名、UV2200)にて測定した。 (5).第1の薄膜、および、第2の薄膜の膜厚測定 これは、蛍光X線分析法で測定した。 上記の(1)と(5)の測定結果については、下記の表
1に示し、また、上記の(4)の測定結果については、
下記の表2に示し、更に、上記の(2)と(3)の測定
結果については、下記の表3に示す。
【0033】
【表1】 上記の表1において、C/Si元素比は、ケイ素(S
i)を100とした炭素(C)の割合である。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 上記の表3において、酸素透過度は、cc/m2 /da
y・23℃・90%RHの単位であり、また、水蒸気透
過度は、g/m2 /day・40℃・90%RHの単位
である。
【0036】上記の表1〜3に示す結果より明らかなよ
うに、実施例1〜2のものは、いずれも透明性は、良好
であり、このことより、第1の薄膜としての酸化アルミ
ニウムの蒸着膜が、第2の薄膜を形成する際のプラズマ
化学蒸着法の蒸着プロセスにおけるプラズマ処理による
黄変防止機能を奏することが判明した。これに対し、比
較例1〜2のものは、いずれもプラズマ化学蒸着法の蒸
着プロセスにおけるプラズマ処理による黄変が、目視観
察、および、全光線透過率から確認された。また、バリ
ア性に関し、実施例1〜2のものは、酸素透過度、およ
び、水蒸気透過度ともに良好であったが、比較例1〜2
のものは、実施例1〜2のものに比べると、劣っている
ことが判明した。特に、酸素透過度においては、実施例
のものと、比較例のものとは、有意な差が観察された。
【0037】実施例3 上記の実施例1で製造した積層体を使用し、製袋機によ
り製袋して三方シ−ル型のプラスチック袋を製造した。
次に、上記で製造したプラスチック製袋にハム、ソ−セ
−ジを充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルし
て充填包装製品を製造したところ、高度なバリア性を有
し、そのバリア性の劣化も認められず、極めて良好な結
果を得た。
【0038】実施例4 上記の実施例1で製造した積層体の二軸延伸ポリプロピ
レンフィルム面に、低密度ポリエチレンを使用し、これ
を厚さ100μmに押し出しラミネ−トして、下記の層
構成からなる積層材を製造した。厚さ100μmの低密
度ポリエチレン層/厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピ
レンフィルム/酸化アルミニウムの蒸着膜/酸化ケイ素
の蒸着膜/接着剤層/厚さ50μmの低密度ポリエチレ
ンフィルム上記で製造した積層材を使用し、まず、該積
層材を丸めてその重合縁部を熱溶着してチュ−ブ形成用
の筒状胴部を製造し、次に、該筒状胴部の一方の端部
に、ポリプロピレン樹脂を使用してインジェクション成
形により首部を成形し、更に、該首部にキャップを螺合
させてチュ−ブ容器を製造した。次いで、上記のチュ−
ブ容器の他方の開口部から、内容物を充填し、しかる後
開口部をヒ−トシ−ルしてチュ−ブ状包装製品を製造し
た。上記の製品は、高度のバリア性を有し、内容物の充
填包装適性を有していた。
【0039】実施例5 上記の実施例2で製造した積層体の二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの面に、低密度ポリエチレンを使用し、厚
さ30μmで押し出しながら、坪量200g/m2 の紙
を、押し出しサンドラミネ−トし、更に、該紙の面に、
高圧法低密度ポリエチレンを厚さ30μmに押し出しラ
ミネ−トして、下記の構成からなる積層材を製造した。
厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/坪量200g/
2 の紙層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚
さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム/酸化ア
ルミニウムの蒸着膜/酸化ケイ素の蒸着膜/接着剤層/
厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルム上記で製造
した積層材を使用し、まず、該積層材から紙容器形成用
のブランク板を製造し、これを使用してその重合縁部を
熱溶着して紙容器形成用の角形胴部を製造し、次に、該
角形胴部の一方の底部を折り込みしシ−ルして底部を形
成して紙容器を製造した。次いで、上記の紙容器の上方
の開口部から、内容物を充填し、しかる後開口部を屋根
型にヒ−トシ−ルして屋根型の上方シ−ル部を形成して
包装製品を製造した。上記の製品は、高度のバリア性を
有し、内容物の充填包装適性を有していた。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材の一方の面
に、物理蒸着法による無機酸化物の蒸着膜を形成し、こ
れを第1の薄膜とし、該第1の薄膜を、次に形成する第
2の薄膜の第1の薄膜への密着性を向上させ、かつ、第
2の薄膜を形成するプラズマ処理による2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの黄変と劣化等を防止する耐プラズマ
保護層とし、次いで、上記の第1の薄膜の上に、プラズ
マ化学蒸着法による無機酸化物の蒸着膜を形成し、これ
を第2の薄膜とし、少なくとも2種以上の無機酸化物に
よる第1の薄膜と第2の薄膜とを積層して透明バリア性
ポリプロピレンフィルムを製造し、更に、該透明バリア
性ポリプロピレンフィルムに、ヒ−トシ−ル性を有する
ポリオレフィン系樹脂層、あるいは、基材フィルム層等
を積層して積層体を製造し、更に、該積層体を使用して
製袋または製函して包装用容器を製造し、該包装用容器
内に種々の物品を充填包装して、透明性、酸素あるいは
水蒸気等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更
に、ラミネ−ト加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等
の後加工適性を有し、また、バリア性膜としての蒸着膜
の剥離を防止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止
し、その劣化を防止してバリア−性膜として優れた耐性
を発揮し、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイ
ル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、
その他等の種々の物品の充填包装適性、保存適性等に優
れた透明バリア性ポリプロピレンフィルム、およびそれ
を使用した積層体および包装用容器を製造し得ることが
できるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムの層構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムの層構成を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用して製造した積層体の層構成を示す断面図
である。
【図4】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用して製造した積層体の層構成を示す断面図
である。
【図5】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用して製造した積層体の層構成を示す断面図
である。
【図6】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用した積層体を使用して製袋ないし製函した
包装用容器の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用した積層体を使用して製袋ないし製函した
包装用容器の構成を示す平面図である。
【図8】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用した積層体を使用して製袋ないし製函した
包装用容器の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレンフ
ィルムを使用した積層体を使用して製袋ないし製函した
包装用容器の構成を示す平面図である。
【図10】本発明にかかる透明バリア性ポリプロピレン
フィルムを使用した積層体を使用して製袋ないし製函し
た包装用容器の構成を示す斜視図である。
【図11】巻き取り式真空蒸着機の概略の構成を示す構
成図である。
【図12】プラズマ化学蒸着装置の概略の構成を示す構
成図である。
【符号の説明】
1 透明バリア性ポリプロピレンフィルム 1a 透明バリア性ポリプロピレンフィルム 2 2軸延伸ポリプロピレンフィルム 3 第1の薄膜 3a 無機酸化物の蒸着膜 4 第2の薄膜 4a 無機酸化物の蒸着膜 5 ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層 5a ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層 6 基材フィルム層 7 シ−ル部 8 貼着部 9 紙容器形成用のブランク板 10 側端部 11 側端シ−ル部 12 胴部 13 底部 14 屋根型シ−ル部 8a 貼着部 9a 紙容器形成用のブランク板 10a 側端部 11a 側端シ−ル部 12a 筒状胴部 15 円筒状の底板 15a 底部 16 底シ−ル部 17 引き剥がし片 18 飲み口 19 円筒状の蓋板 19a 蓋部 20 上部シ−ル部 A 積層体 B 積層体 C 積層体 D 三方シ−ル型の軟包装用容器 E 屋根型の紙製包装用容器 F 円筒状の紙缶状包装用容器 l 折罫
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 16/40 C23C 28/04 28/04 C08J 7/04 CES // C08J 7/04 CES B65D 1/00 B

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材の
    一方の面に、少なくとも2種以上の無機酸化物による第
    1の薄膜と第2の薄膜とを積層して設けたことを特徴と
    する透明バリア性ポリプロピレンフィルム。
  2. 【請求項2】 第1の薄膜が、物理蒸着法による無機酸
    化物の蒸着膜であることを特徴とする上記の請求項1に
    記載する透明バリア性ポリプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】 第2の薄膜が、プラズマ化学蒸着法によ
    る無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とする上記の請
    求項1または2に記載する透明バリア性ポリプロピレン
    フィルム。
  4. 【請求項4】 第1の薄膜が、第2の薄膜の第1の薄膜
    への密着性を向上させ、かつ、第2の薄膜を形成するプ
    ラズマ処理による2軸延伸ポリプロピレンフィルムの黄
    変と劣化を防止する耐プラズマ保護層であることを特徴
    とする上記の請求項1、2または3に記載する透明バリ
    ア性ポリプロピレンフィルム。
  5. 【請求項5】 第1の薄膜が、非結晶性の酸化アルミニ
    ウムまたは酸化マグネシウムの薄膜からなることを特徴
    とする上記の請求項1、2、3または4に記載する透明
    バリア性ポリプロピレンフィルム。
  6. 【請求項6】 第2の薄膜が、第1の薄膜のプラズマ処
    理面に設けられた薄膜であり、かつ、該薄膜が、少なく
    とも珪素と酸素とを構成元素として有する珪素化合物か
    らなり、更に、微量構成元素として、炭素または水素の
    一種以上の元素を含むことを特徴とする上記の請求項
    1、2、3、4または5に記載する透明バリア性ポリプ
    ロピレンフィルム。
  7. 【請求項7】 第1の薄膜と第2の薄膜との総膜厚が、
    600Å以下であり、更に、その第2の薄膜の膜厚が、
    100〜300Åであることを特徴とする上記の請求項
    1、2、3、4、5または6に記載する透明バリア性ポ
    リプロピレンフィルム。
  8. 【請求項8】 酸素透過度が、10cc/m2 /day
    (23℃/90%RH)以下であることを特徴とする上
    記の請求項1、2、3、4、5、6または7に記載する
    透明バリア性ポリプロピレンフィルム。
  9. 【請求項9】 2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材の
    一方の面に、少なくとも2種以上の無機酸化物による第
    1の薄膜と第2の薄膜とを積層して設けた構成からなる
    透明バリア性ポリプロピレンフィルムであり、更に、該
    透明バリア性ポリプロピレンフィルムの第2の薄膜面
    に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィ
    ン系樹脂層を積層した構成からなることを特徴とする積
    層体。
  10. 【請求項10】 ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィ
    ン系樹脂層が、接着剤層を介して積層した構成からなる
    ことを特徴とする上記の請求項9に記載する積層体。
  11. 【請求項11】 ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィ
    ン系樹脂層が、アンカ−コ−ト剤層を介して、押し出し
    ラミネ−ト法による押し出し樹脂層であることを特徴と
    する上記の請求項9に記載する積層体。
  12. 【請求項12】 2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材
    の他方の面に、更に、少なくとも、基材フィルム層を積
    層した構成からなることを特徴とする上記の請求項9、
    10または11に記載する積層体。
  13. 【請求項13】 基材フィルム層の上に、更に、少なく
    とも、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層
    を積層した構成からなることを特徴とする上記の請求項
    12に記載する積層体。
  14. 【請求項14】 2軸延伸ポリプロピレンフィルム基材
    の一方の面に、少なくとも2種以上の無機酸化物による
    第1の薄膜と第2の薄膜とを積層して設けた構成からな
    る透明バリア性ポリプロピレンフィルムであり、更に、
    該透明バリア性ポリプロピレンフィルムの第2の薄膜面
    に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィ
    ン系樹脂層を積層した構成からなる積層体を使用し、こ
    れを製袋または製函してなることを特徴とする包装用容
    器。
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