JP2000153572A - バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 - Google Patents

バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材

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JP2000153572A
JP2000153572A JP11255472A JP25547299A JP2000153572A JP 2000153572 A JP2000153572 A JP 2000153572A JP 11255472 A JP11255472 A JP 11255472A JP 25547299 A JP25547299 A JP 25547299A JP 2000153572 A JP2000153572 A JP 2000153572A
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thin film
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vapor deposition
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア
性に優れ、更に、透明性、柔軟性等に優れたバリア性フ
ィルムおよびそれを使用した積層材を提供することであ
る。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物
の薄膜を設け、更に、該無機酸化物の薄膜の上に、その
構造中に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系
樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコ−テ
ィング膜を設けたことを特徴とするバリア性フィルムお
よびそれを使用した積層材に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリア性フィルム
およびそれを使用した積層材に関し、更に詳しくは、酸
素ガスおよび水蒸気等に対するバリア性に優れ、更に、
透明性、柔軟性等に優れたバリア性フィルムおよびそれ
を使用した積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲食品、医薬品、化学薬品、日用
品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装するため
に、種々の包装用材料が、開発され、提案されている。
而して、上記の包装用材料は、内容物の変質等を防止す
るため、主に、酸素ガスあるいは水蒸気ガスに対する遮
断性、いわゆる、ガスバリア性が強く要求されるもので
ある。ところで、酸素ガスあるいは水蒸気ガス等に対す
るバリア性素材としては、例えば、アルミニウム箔、あ
るいは、プラスチックフィルムの上にアルミニウムを真
空蒸着法等により真空蒸着してなるアルミニウム蒸着樹
脂フィルム、更に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂あるいは
塩化ビニリデンと他のモノマ−との共重合体樹脂からな
るフィルム若しくはプラスチックフィルムの表面にポリ
塩化ビニリデン系樹脂をコ−トした樹脂フィルム、ある
いは、ポリビニルアルコ−ルあるいはエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物からなるフィルム、更にまた、
プラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、
真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、
例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の
蒸着膜を設けた蒸着フィルム、若しくは、低温プラズマ
化学蒸着法等の化学気相成長法(CVD法)を用いて、
例えば、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着
フィルム等が知られている。これらのバリア性素材は、
他のプラスチックフィルム、あるいは、紙基材、その他
等の素材と積層し、例えば、飲食品、医薬品、化学薬
品、日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装
するに有用な包装用材料を提供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなバリア性素材は、確かに、酸素ガスバリア性、水
蒸気ガスバリア性等を有し、それなりの効果を期待し得
るものであるが、未だに、充分に満足し得るものではな
いと言うのが実状である。例えば、上記のアルミニウム
箔については、酸素ガス、水蒸気ガス等に対するガスバ
リア性は極めて優れているバリア性素材であるが、現
在、使用後の廃棄処理が問題になっている他、更に、基
本的には、不透明な素材であることから、内容物を充填
包装した包装製品において、外から内容物を視認し得な
いという問題点がある。次に、上記のプラスチックフィ
ルムの上にアルミニウムを真空蒸着法等により真空蒸着
してなるアルミニウム蒸着樹脂フィルムについては、上
記のアルミニウム箔と同様に、使用後の廃棄処理、外か
ら内容物を視認し得ないという問題点があるばかりでは
なく、ガスバリア性はアルミニウム箔よりも劣るため、
必ずしも満足し得るバリア性素材ではない。
【0004】更に、上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂あ
るいは塩化ビニリデンと他のモノマ−との共重合体樹脂
からなるフィルム若しくはプラスチックフィルムの表面
にポリ塩化ビニリデン系樹脂をコ−トした樹脂フィルム
については、樹脂系のバリア性素材として広く使用され
ているが、使用後の焼却処理において塩素系ガスを発生
することから、環境保護の点において好ましくなく、更
に、樹脂系であることから、ガスバリア性が必ずしも十
分ではなく、高度のガスバリア性が要求される内容物の
充填包装には使用できないと言うのが実状である。次
に、上記のポリビニルアルコ−ルあるいはエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物からなるフィルムまたはコ
−ティング膜については、絶乾条件においては、比較的
に優れた酸素ガスバリア性を示すが、水蒸気ガスバリア
性は十分ではなく、また、高湿度条件下においては、酸
素ガスバリア性も著しく悪化し、現実的な条件下では十
分に満足し得るバリア性素材とは言い得ないものであ
る。上記の高湿度依存性を改良するために、種々の方法
等が開発され、提案されているが、例えば、真空蒸着法
等を利用し、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を蒸着す
る方法等が提案されているが、湿度70%以上の高湿度
条件では酸素ガスバリア性の悪化を改善することはでき
ないものである(特開平4−7139号公報参照)。
【0005】次にまた、上記のプラスチックフィルム等
の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相
成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化
アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィ
ルムについては、酸素ガス、水蒸気ガス等に対するガス
バリア性は格段に向上させ、しかも、無機酸化物の蒸着
膜が透明性を有することから、充填包装した内容物を外
から視認し得るという利点を有するものである。しか
し、酸素ガス等のガスバリア性の効果を格段に向上させ
ることができるか否かは、基材フィルムが耐熱性を有す
るか否かということによることが大きいものである。例
えば、基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレ−
トフィルム等の耐熱性を有する基材フィルムを使用する
場合には、真空蒸着法等により蒸着膜を形成し、酸素ガ
ス等のガスバリア性の効果を格段に向上させることは可
能である。しかし、例えば、2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、あるいは、低
密度ポリエチレンフィルム等の耐熱性に劣る基材フィル
ムを使用する場合には、真空蒸着法等により蒸着膜を形
成することは技術的に可能であるが、酸素ガス等のガス
バリア性の効果を格段に向上させることは、極めて困難
であることから、必ずしも、充分に満足し得るものであ
るとは言い得ないものである。
【0006】更にまた、上記のプラスチックフィルム等
の基材フィルムの一方の面に、低温プラズマ化学蒸着法
等の気相成長法(CVD法)を用いて、例えば、酸化珪
素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた
蒸着フィルムについては、蒸着膜の形成時に、基材フィ
ルムに対する熱的ダメ−ジが少なく、種々のプラスチッ
クフィルムに無機酸化物の蒸着膜を形成することができ
るという利点を有するものであり、近年、非常に注目さ
れているものである。例えば、耐熱性に劣るポリオレフ
ィン系樹脂成形品にプラズマ化学蒸着法を利用して酸化
珪素の蒸着膜を形成する方法が提案されている(特開平
5−287103号公報参照)。しかしながら、上記の
方法において、特に、2軸延伸ポリプロピレンフィルム
等に蒸着した場合、シ−ラントフィルムを積層した後に
おいては、酸素ガスバリア性は、10cc/m2 以上で
あり、必ずしも充分に満足し得る酸素ガスバリア性を達
成することができるとは言い得ないというのが実状であ
る。また、上記において、酸素ガスバリア性を向上させ
るために、無機酸化物の蒸着膜の膜厚を1000Å以上
に形成しなければならず、而して、このような場合に
は、耐熱性に劣るポリオレフィン系樹脂フィルムのプラ
ズマ反応による強度劣化の問題点を解決しなければなら
ないという問題点がある。更に、無機酸化物の蒸着膜の
膜厚を厚くすると、蒸着フィルム自身が、黄色味を呈
し、飲食品等を充填包装する包装用材料として使用する
場合には、商品性に影響を与えるという問題点もある。
更にまた、酸素ガスバリア性を向上させるために、例え
ば、特開平7−285191号公報、特開平6−316
025号公報等では、蒸着フィルム上に、エチレン−ビ
ニルアルコ−ル共重合体、ポリビニルアルコ−ル等のフ
ィルムを積層する技術が開示されているが、蒸着膜と樹
脂膜との密着が不十分であり、やはり、高湿度下の酸素
バリア性が不足するという問題点がある。そこで本発明
は、酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優
れ、更に、透明性、柔軟性等に優れたバリア性フィルム
およびそれを使用した積層材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究の結果、その構造中に珪
素原子を有する変成ポリビニルアルコ−ル系樹脂を使用
することに着目し、まず、プラスチックフィルム等の基
材フィルムの一方の面に、物理気相成長法、化学気相成
長法、特に、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物
の薄膜の1層または2層以上の多層膜を設け、次いで、
該無機酸化物の薄膜の上に、その構造中に珪素原子を有
する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの主成
分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜を設けてバリ
ア性フィルムを製造し、而して、該バリア性フィルム
に、他のプラスチックフィルム、あるいは、紙基材、そ
の他等の素材を任意に積層して積層材を製造し、しかる
後、該積層材を使用し、これを製袋ないし製函して包装
用容器を製造し、該包装用容器内に、例えば、飲食品、
医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その他等の種々の
物品を充填包装して包装製品を製造したところ、酸素ガ
スおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優れ、内容物
の変質、改質等を防止して安定的に長期間の流通、保存
適性等を有し、また、透明性に優れているので、外から
内容物を視認し得ることができ、更に、柔軟性、ラミネ
−ト強度等に優れ破袋等もなく、極めて優れた良好な包
装製品を安価に製造し得ることができる有用なバリア性
フィルムおよびこれを使用した積層材を製造し得ること
を見出して本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、基材フィルムの一方
の面に、無機酸化物の薄膜を設け、更に、該無機酸化物
の薄膜の上に、その構造中に珪素原子を有する変性ポリ
ビニルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂
組成物によるコ−ティング膜を設けたことを特徴とする
バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材に関する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に図面
等を用いて更に詳しく説明する。本発明にかかるバリア
性フィルムおよびそれを使用した積層材についてその層
構成を図面を用いて更に具体的に説明すると、図1、図
2、図3、および、図4は、本発明にかかるバリア性フ
ィルムの層構成についてその一例を例示する概略的断面
図であり、図5は、本発明にかかる積層材の層構成につ
いてその一例を例示する概略的断面図である。
【0010】まず、本発明にかかるバリア性フィルム1
は、図1に示すように、基材フィルム2の一方の面に、
無機酸化物の薄膜3を設け、更に、該無機酸化物の薄膜
3の上に、その構造中に珪素原子を有する変性ポリビニ
ルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成
物によるコ−ティング膜4を設けた構成からなることを
基本構造とするものである。而して、本発明にかかるバ
リア性フィルムについて、具体例を例示すると、図2に
示すように、基材フィルム2の一方の面に、物理気相成
長法による無機酸化物の蒸着薄膜3aの1層、または、
その2層以上の多層膜(図示せず)を設け、更に、該無
機酸化物の蒸着薄膜3aの上に、その構造中に珪素原子
を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの
主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜4を設け
た構成からなるバリア性フィルム1aを挙げることがで
きる。また、本発明にかかるバリア性フィルムについ
て、別の例を例示すると、図3に示すように、基材フィ
ルム2の一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物
の蒸着薄膜3bの1層、または、その2層以上の多層膜
(図示せず)を設け、更に、該無機酸化物の蒸着薄膜3
bの上に、その構造中に珪素原子を有する変性ポリビニ
ルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成
物によるコ−ティング膜4を設けた構成からなるバリア
性フィルム1bを挙げることができる。更に、本発明に
かかるバリア性フィルムについて、別の例を例示する
と、図4に示すように、基材フィルム2の一方の面に、
物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜3aと化学
気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜3bの2層以上
の多層膜3cを設け、更に、該多層膜3cを構成する無
機酸化物の蒸着薄膜3bの上に、その構造中に珪素原子
を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂をビヒクルの
主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜4を設け
た構成からなるバリア性フィルム1cを挙げることがで
きる。上記の例示は、本発明にかかるバリア性フィルム
についてその二三例を例示したものであり、本発明は、
これによって限定されるものではないことは言うまでも
ないことである。本発明にかかるバリア性フィルムは、
例えば、図示しないが、上記の図4に示すバリア性フィ
ルムにおいては、先に、化学気相成長法による無機酸化
物の蒸着薄膜を設け、次に、物理気相成長法による無機
酸化物の蒸着薄膜を設けて多層膜を構成するか、あるい
は、先に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜
を設け、次に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着
薄膜を設けて多層膜を構成してもよいものである。
【0011】次に、本発明にかかるバリア性フィルムを
使用した積層材についてその一例を例示すると、図5に
示すように、上記の図1に示すバリア性フィルム1を使
用した場合で説明すると、上記の図1に示すバリア性フ
ィルム1を構成するコ−ティング膜4の面に、必要なら
ば、例えば、印刷絵柄層等5を設け、更に、少なくと
も、ヒ−トシ−ル性樹脂層6を設けた構成からなる積層
材Aを挙げることができる。なお、上記の図5中、2、
3等の符号は、前述と同じ意味である。上記の例示は、
本発明にかかる積層材についてその一例を例示するもの
であり、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0012】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、積層材等を構成する素材、材料、製造
法等について説明すると、まず、本発明にかかるバリア
性フィルム、積層材等を構成する基材フィルムとして
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエ
チレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化部等のポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリ
アクリルニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
ビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹
脂、フッ素系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムな
いしシ−トを使用することができる。而して、本発明に
おいて、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、
例えば、上記の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、イ
ンフレ−ション法、Tダイ法、その他等の製膜化法を用
いて、上記の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、
2種以上の異なる樹脂を使用して多層共押し出し製膜化
する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化す
る前に混合して製膜化する方法等により、樹脂のフィル
ムないしシ−トを製造し、更に、例えば、テンタ−方
式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ない
し2軸方向に延伸してなる樹脂のフィルムないしシ−ト
を使用することができる。本発明において、基材フィル
ムの膜厚としては、5〜200μm位、より好ましく
は、10〜50μm位が望ましい。なお、上記におい
て、樹脂の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工
性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化
性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、
その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック
配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量と
しては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、
任意に添加することができる。また、上記において、一
般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、充填剤、強化剤、補強剤、帯電防
止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その
他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使
用することがてきる。
【0013】また、本発明において、基材フィルムは、
必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、
酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いて低温プラズマ処
理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化
処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。上
記の表面前処理は、無機酸化物の薄膜を形成する前に別
工程で実施してもよく、また、例えば、低温プラズマ処
理やグロ−放電処理等による表面処理の場合は、上記の
無機酸化物の薄膜を形成する前処理としてインライン処
理により前処理で行うことができ、このような場合は、
その製造コストを低減することができるという利点があ
る。上記の表面前処理は、基材フィルムと無機酸化物の
薄膜との密着性を改善するための方法として実施するも
のであるが、上記の密着性を改善する方法として、その
他、例えば、基材フィルムの表面に、予め、プライマ−
コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、あるいは、蒸着アン
カ−コ−ト剤層等を任意に形成することもできる。上記
の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等をビヒクルの主
成分とする樹脂組成物を使用することができる。また、
上記において、コ−ト剤層の形成法としては、例えば、
溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコ−ト
剤を使用し、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト
法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法を用いてコ−ト
することができ、そのコ−ト時期としては、基材フィル
ムの2軸延伸処理後の後工程として、あるいは、2軸延
伸処理のインライン処理等で実施することができる。な
お、本発明において、基材フィルムとしては、具体的に
は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエ
チレンテレフタレ−トフィルム、または、2軸延伸ナイ
ロンフィルムを使用することが望ましいものである。
【0014】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、積層材等を構成する無機酸化物の薄膜
について説明すると、かかる無機酸化物の薄膜として
は、基本的には金属の酸化物をアモルファス(非晶質)
化した薄膜であれば使用可能であり、例えば、珪素(S
i)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、
カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、
ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、
鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム
(Y)等の金属の酸化物をアモルファス(非晶質)化し
た薄膜を使用することができる。而して、上記の金属の
酸化物をアモルファス(非晶質)化した薄膜は、酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等のように金
属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、
SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX(ただ
し、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素
によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。また、
上記のXの値の範囲としては、珪素(Si)は、0〜
2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウ
ム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜
1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、
0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素
(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛
(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、
イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとるこ
とができる。上記において、X=0の場合、完全な金属
であり、透明ではなく全く使用することができない、ま
た、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。本発
明において、包装用材料としては、一般的に、珪素(S
i)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏
しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウ
ム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用
することができる。
【0015】ところで、本発明において、無機酸化物の
薄膜としては、上記のような無機酸化物の薄膜の1層、
あるいは、無機酸化物の薄膜の2層以上の多層膜からな
る無機酸化物の薄膜を使用するものである。而して、本
発明において、無機酸化物の薄膜の1層あるいは2層以
上の多層膜の製膜化法について説明すると、かかる方法
としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physi
cal Vapor Deposition法、PVD
法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相
成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Che
mical Vapor Deposition法、C
VD法)等を挙げることができる。本発明において、上
記の製膜化法について更に説明すると、例えば、上記の
ような金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化
して基材フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または、
原料に金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入し
て酸化させて基材フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着
法、更に、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成
式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着薄膜を形成すること
ができる。また、本発明においては、酸化ケイ素の蒸着
膜を形成する場合、オルガノシロキサンを原料とするプ
ラズマ化学気相成長法を用いて蒸着薄膜を形成すること
ができる。本発明において、上記の無機酸化物の薄膜の
膜厚としては、使用する金属または金属の酸化物の種類
等によって異なるが、例えば、無機酸化物の薄膜の1層
の厚さとしては、50〜2000Å位、好ましくは、1
00〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成する
ことが望ましく、また、無機酸化物の薄膜の2層以上の
多層膜の厚さとしては、100〜4000Å位、好まし
くは、120〜2000Å位が望ましいものである。
【0016】本発明において、無機酸化物の薄膜の1層
あるいは2層以上の多層膜の製膜化法について、その具
体例を挙げると、図6は、巻き取り式真空蒸着機の一例
を示す概略的構成図である。図6に示すように、真空チ
ャンバ−111の中で、巻き出しロ−ル112から繰り
出す基材フィルム113は、コ−ティングドラム114
を通り、蒸着チャンバ−115の中に入り、ここで、る
つぼ116で熱せられた蒸着源を蒸発させ、更に、必要
ならば、酸素吹き出し口117より酸素等を噴出させな
がら、上記の冷却したコ−ティングドラム114上の基
材フィルム113の上に、マスク118、118を介し
て無機酸化物の蒸着薄膜を成膜化し、次に、蒸着薄膜を
形成した基材フィルム113を真空チャンバ−111内
に送り出し、更に、巻き取りロ−ル119に巻き取るこ
とによって、無機酸化物の蒸着薄膜を有する基材フィル
ム113を製造することができる。而して、本発明にお
いては、上記のような製膜化を繰り返すか、あるいは、
図示しないが、上記のような巻き取り式真空蒸着機を2
連ないしそれ以上に連結して連続的に蒸着することによ
り、無機酸化物の蒸着薄膜の2層以上の多層膜からなる
無機酸化物の薄膜を製膜化することができるものであ
る。
【0017】次にまた、本発明において、無機酸化物の
薄膜としては、例えば、基材フィルムの一方の面に、有
機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャ
リヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不
活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガ
ス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温
プラズマ化学気相成長法(CVD法)を用いて酸化珪素
等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成する方法により製造す
ることができる。上記において、低温プラズマ発生装置
としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズ
マ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することが
てき、而して、本発明においては、高活性の安定したプ
ラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生
装置を使用することが望ましい。具体的に、上記のプラ
ズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜の形成
法についてその一例を例示して説明すると、図7は、上
記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄
膜の形成法についてその概要を示すプラズマ化学気相成
長装置の概略的構成図である。上記の図7に示すよう
に、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21
1の真空チャンバ−212内に配置された巻き出しロ−
ル213から基材フィルム214を繰り出し、更に、該
基材フィルム214を、補助ロ−ル215を介して所定
の速度で冷却・電極ドラム216周面上に搬送する。而
して、本発明においては、ガス供給装置217、218
および、原料揮発供給装置219等から酸素ガス、不活
性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その
他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を
調整しなから原料供給ノズル220を通して真空チャン
バ−212内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そし
て、上記の冷却・電極ドラム216周面上に搬送された
基材フィルムフィルム214の上に、グロ−放電プラズ
マ221によってプラズマを発生させ、これを照射し
て、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成し、製膜
化する。本発明においては、その際に、冷却・電極ドラ
ム216は、チャンバ−外に配置されている電源222
から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ド
ラム216の近傍には、マグネット223を配置してプ
ラズマの発生が促進されており、次いで、上記で酸化珪
素等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成した基材フィルム2
14は、補助ロ−ル215を介して巻き取りロ−ル22
4に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長
法による無機酸化物の蒸着薄膜を製造することができる
ものである。而して、本発明においては、上記のような
製膜化を繰り返すか、あるいは、図示しないが、上記の
ようなプラズマ化学蒸着装置を2連ないしそれ以上に連
結して連続的に蒸着することにより、無機酸化物の薄膜
の2層以上の多層膜からなる無機酸化物の薄膜を製膜化
することができるものである。なお、図中、225は、
真空ポンプを表す。上記の例示は、その一例を例示する
ものであり、これによって本発明は限定されるものでは
ないことは言うまでもないことである。
【0018】上記において、酸化珪素等の無機酸化物の
蒸着薄膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−
ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチル
ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリ
メチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチル
ジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチル
シラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他
等を使用することができる。本発明において、上記のよ
うな有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラ
メチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサ
ンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成
された蒸着膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0019】而して、本発明において、上記で形成され
る酸化珪素の蒸着薄膜の場合、該酸化珪素の蒸着薄膜と
しては、式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表
す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の蒸着薄膜
であり、更に、透明性、バリア性等の点から、式SiO
X (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表
される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが
好ましいものである。上記において、Xの値は、モノマ
−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等に
より変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス
透過度は小さくなるが、膜自身と黄色性を帯び、透明性
が悪くなる。また、上記の酸化珪素の蒸着薄膜は、珪素
(Si)と酸素(O)を必須構成元素として有し、更
に、炭素(C)と水素(H)のいずれが一方、または、
その両者の元素を微量構成元素として含有する酸化珪素
の蒸着膜からなり、かつ、その膜厚が、50Å〜500
Åの範囲であり、更に、上記の必須構成元素と微量構成
元素の構成比率が、膜厚方向において連続的に変化して
いるものである。更に、上記の酸化珪素の蒸着薄膜は、
炭素からなる化合物を含有する場合には、その膜厚の深
さ方向において炭素の含有量が減少していることを特徴
とするものである。而して、本発明において、上記の酸
化珪素の蒸着薄膜について、例えば、X線光電子分光装
置(Xray Photoelectron Spec
troscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置
(Secondary Ion Mass Spect
roscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、
深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を
利用して、酸化珪素の蒸着薄膜の元素分析を行うことよ
り、上記のような物性を確認することができるものであ
る。また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着薄膜
の膜厚としては、膜厚500Å以下であることが望まし
く、具体的には、その膜厚としては、50〜500Å
位、より好ましくは、100〜300Å位が望ましく、
而して、上記において、300Å、更には、500Åよ
り厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるの
で好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満
であると、バリア性の効果を奏することが困難になるこ
とから好ましくないものである。上記のおいて、その膜
厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機
種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタル
パラメ−タ−法で測定することができる。また、上記に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着薄膜の膜厚を変更する手
段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すな
わち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着
する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
なお、上記の基材フィルム等のように、耐熱性の劣る基
材フィルムにプラズマ化学気相成長法により無機酸化物
の薄膜を形成する場合には、蒸着速度を遅くすると、プ
ラズマに暴露される時間が長くなり、基材フィルム等が
劣化するので好ましくなく、一般的には、50〜200
n/minの蒸着速度で蒸着膜を形成することが好まし
い。
【0020】更に、本発明において、無機酸化物の薄膜
の2層以上の多層膜の製膜化法としては、前述の例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティ
ング法等の物理気相成長法(PVD法)とプラズマ化学
気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の
化学気相成長法(CVD法)とを組み合わせて、その両
者からなる無機酸化物の薄膜を2層以上に重層して製膜
化することにより、無機酸化物の薄膜の2層以上の多層
膜からなる無機酸化物の薄膜を製造することもできる。
すなわち、図示しないが、まず、上記の巻き取り式真空
蒸着機を用いて、第1の無機酸化物の薄膜を形成し、次
に、その無機酸化物の薄膜の上に、上記のプラズマ化学
蒸着装置を用いて、第2の無機酸化物の薄膜を形成し、
その第1および第2の無機酸化物の薄膜により、無機酸
化物の薄膜の2層以上の多層膜からなる無機酸化物の薄
膜を形成することができる。上記において、製膜化の順
序は、いずれでもよく、例えば、先に、巻き取り式真空
蒸着機を用いて製膜化し、次に、プラズマ化学蒸着装置
を用いて製膜化してもよく、その逆の順序で製膜化して
もよいものである。
【0021】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルムあるいは積層材等を構成するその構造中
に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂を
主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜について
説明すると、かかるコ−ティング膜としては、例えば、
その構造中に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−
ル系樹脂の1種ないしそれ以上をビヒクルの主成分と
し、これに、必要ならば、例えば、充填剤、安定剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散
剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その
他等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に
混練してなる各種の溶剤型、水性型、あるいは、エマル
ジョン型等からなる樹脂組成物を調整し、而して、該樹
脂組成物を使用し、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビア
ロ−ルコ−ト法、キスロ−ルコ−ト法、スクイ−ズロ−
ルコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、カ−テンフロ−
コ−ト法、その他等のコ−ティング法により、コ−ティ
ング量、例えば、0.1g/m 2 〜10g/m2 (乾燥
状態)位、好ましくは、0.5g/m2 〜5g/m
2 (乾燥状態)位コ−ティングして、本発明にかかるコ
−ティング膜を形成することができる。上記において、
上記の樹脂組成物としては、具体的には、例えば、水、
あるいは、水とイソプロピ−ルアルコ−ルとを1対1〜
2位の割合で混合してなる溶媒中に、その構造中に珪素
原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂の1種な
いしそれ以上を少量づつ添加して充分に混練してなる水
溶液状の樹脂組成物を調整して使用することが好まし
い。
【0022】上記において、その構造中に珪素原子を有
する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂としては、分子内
に珪素原子を含むものであればいずれのものでも使用す
ることができ、特に、本発明においては、分子内に含有
する珪素原子がアルコキシル基、アシロキシル基あるい
はこれらの加水分解物、シラノ−ル基またはその塩等の
反応性置換基を有するものを使用することが好ましいも
のである。而して、本発明において、上記のその構造中
に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂と
しては、種々の方法で製造することができ、具体的に
は、例えば、ポリビニルアルコ−ル、あるいは、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物等のポリビニルアル
コ−ル系樹脂あるいはその変性物に、シリル化剤を用い
て後変性により珪素原子を導入する方法により製造する
ことができる。上記において、ポリビニルアルコ−ルと
しては、ポリ酢酸ビニルであり、そのアセチル基のケン
化度が、98モル%以上の完全ケン化したポリビニルア
ルコ−ルを使用することができ、また、エチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物としては、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体であり、その酢酸ビニルの含有率が、約7
9〜92モル%で、かつ、そのアセチル基の完全ケン化
したエチレン含有率25〜50モル%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物を使用することができる。ま
た、上記において、シリル化剤としては、例えば、トリ
メチルクロロシラン、ジメチルジクロルシラン、メチル
トリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニ
ルクロルシラン等のオルガノハロゲンシラン、トリメチ
ルアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン等の
オルガノシリコンエステル、トリメチルメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン等のオルガノアルコキシ
シラン、トリメチルシラノ−ル、ジメチルジシラノ−
ル、ジエチルシランジオ−ル等のオルガノシラノ−ル、
N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノアルキルシラン、その他等を使用することがで
きる。而して、本発明においては、例えば、上記のポリ
ビニルアルコ−ル、あるいは、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物等のポリビニルアルコ−ル系樹脂ある
いはその変性物に、シリル化剤を用いて後変性により珪
素原子を導入する方法としては、例えば、上記のシリル
化剤の1種ないしそれ以上を、これと反応しない有機溶
剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、ヘプタン、アセトン等に溶解させ、該溶液中に、上
記の粉末状のポリビニルアルコ−ル系樹脂を攪拌下に懸
濁させてその両者を反応させて、その構造中に珪素原子
を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂を製造するこ
とができる。
【0023】また、本発明において、その構造中に珪素
原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂として
は、具体的には、上記とは別の方法、例えば、ビニルエ
ステルと分子内にシリル基を有するオレフィン性不飽和
モノマ−との共重合体をケン化する方法により製造する
ことができる。具体的には、アルコ−ル中においてビニ
ルエステルと分子内にシリル基を有するオレフィン性不
飽和モノマ−とをラジカル開始剤を用いて共重合させ、
しかる後、該共重合体のアルコ−ル溶液にアルカリある
いは酸触媒を加えて該共重合体をケン化させることによ
り、その構造中に珪素原子を有する変性ポリビニルアル
コ−ル系樹脂を製造することができる。なお、上記の共
重合反応において、必要ならば、例えば、その分子内
に、カルボキシル基、スルホン酸基あるいはそれらの
塩、アミノ基、アミド基、あるいは、イミド基等のイオ
ン性親水性基を有するオレフィン性不飽和モノマ−、例
えば、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、それらの塩あるいはそれらのモノあるいはジアルキ
ルエステル、(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン
酸、(メタ)アクリルアミドのNメチロ−ル化物、その
他等のイオン性親水性基を有するオレフィン性不飽和モ
ノマ−を添加して共重合を行うことができる。これによ
り、水ぬれ性を向上させることができる変性ポリピニル
アルコ−ル系樹脂を製造することができるものである。
上記において、ビニルエステルとしては、具体的には、
酢酸ビニルを代表的なものとして使用することができ
る。また、上記において、分子内にシリル基を有するオ
レフィン性不飽和モノマ−としては、例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ア
リルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチル
エトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジメ
トキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリヘキシロキシシラン等のビニルシラン類、あるい
は、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピ
ルトリアセトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド
−エチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルア
ミド−プロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)
アクリルアミド−プロピルジメチルメトキシシラン等の
(メタ)アクリルアミド−アルキルシラン類等を使用す
ることができる。
【0024】次に、本発明において、その構造中に珪素
原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂おける珪
素原子の含有量としては、比較的少量の含有率でもその
効果が発揮され、通常、珪素原子を含有するシリル基を
含むモノマ−単位として、0.01〜10モル%位、好
ましくは、0.1〜5.0モル%位を含有していること
が望ましい。而して、本発明において、その構造中に珪
素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂を主成
分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜を使用するこ
とにより、該コ−ティング膜の化学気相成長法による無
機酸化物の蒸着薄膜に対する密着性が向上し、更に、そ
の両者の密着性が向上することにより、該無機酸化物の
蒸着薄膜とコ−ティング膜との2層が一体となり、その
相乗効果により、酸素ガス、あるいは、水蒸気ガス等に
対するガスバリア性が向上し、これにより、内容物の変
質等を防止し、その保存安定性等に優れた包装用容器等
を製造することができるものである。本発明において、
上記のように密着性が向上する理由は、定かではない
が、コ−ティング膜を構成するその構造中に珪素原子を
有する変性ポリビニルアルコ−ル系樹脂が、その珪素原
子に結合しているアルキル基、アルコキシル基、アシロ
キシル基あるいはこれらの加水分解物、シラノ−ル基ま
たはその塩等の反応性置換基等が、自身で反応し、ある
いは、無機酸化物の蒸着薄膜、特に、酸化珪素の蒸着薄
膜中の珪素原子等と結合し、その両者が強固に密接着し
ている2層構成のバリア性膜を構成することができるこ
とによるものであると推定される。
【0025】次にまた、本発明において、本発明にかか
る積層材を構成する印刷絵柄層としては、例えば、上記
の第1のバリア性薄膜の上に、通常のグラビアインキ組
成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、ス
クリ−ンインキ組成物、その他等のインキ組成物を使用
し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、
凸版印刷方式、シルクスクリ−ン印刷方式、その他等の
印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、
その他等からなる所望の印刷絵柄を形成することにより
構成することができる。上記において、各種のインキ組
成物は、例えば、インキ組成物を構成するビヒクルとし
ては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピ
レン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)ア
クリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレ
ン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニ
リデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリビニ
ルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹脂、ポ
リブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポ
リエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹
脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、フェノ−ル系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹
脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、アセチルブ
チルセルロ−ス、エチルオキシエチルセルロ−ス等の繊
維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴム等のゴム系樹脂、石油
系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂、アマニ油、大
豆油等の油脂類、その他等の樹脂の1種ないし2種以上
の混合物を使用することができる。而して、本発明にお
いて、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主
成分とし、これに、染料・顔料等の着色剤の1種ないし
2種以上を加え、更に、必要ならば、例えば、充填剤、
安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定
剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋
剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等
で充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物
を使用することがてきる。
【0026】次にまた、本発明において、本発明にかか
る積層材を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ
−トシ−ル性樹脂としては、例えば、熱によって溶融し
相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポ
リマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その
他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし
それ以上からなる樹脂を使用することができる。而し
て、本発明において、ヒ−トシ−ル性樹脂層としては、
上記のような樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、例え
ば、インフレ−ション法、Tダイ法、その他等の方法で
製膜化してなる樹脂のフィルムないしシ−ト、あるい
は、上記のような樹脂の1種ないしそれ以上をビヒクル
の主成分として含む樹脂組成物によるコ−ティンイグ膜
等の状態で使用することができる。その膜厚としては、
5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望
ましい。
【0027】ところで、本発明にかかる積層材において
は、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な
条件におかれることから、包装用容器を構成する積層材
には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下
衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全
性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求さ
れ、このために、本発明においては、上記のような諸条
件を充足する材料を任意に選択して使用し、これらを前
述の本発明にかかる積層材を構成する材料の他に、更
に、任意に加えて積層して所望の積層材を構成すること
ができる。而して、上記において、具体的には、例え
ば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタク
リル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリア
クリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹
脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、
ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィ
ルムないしシ−トから任意に選択して使用することがで
きる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙
等も使用することができる。本発明において、上記のフ
ィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に
延伸されたもの等のいずれのものでも使用することがで
きる。また、その厚さは、任意であるが、数μmから3
00μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとして
は、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティン
グ膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0028】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、印刷絵柄層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、
更に、その他の材料等を使用して、本発明にかかる積層
材を製造する方法としては、例えば、ラミネ−ト用接着
剤によるラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライ
ラミネ−ション法、あるいは、溶融押し出し接着性樹脂
による溶融押し出し樹脂層を介して積層する押し出しラ
ミネ−ション法等で行うことができる。上記において、
ラミネ−ト用接着剤としては、例えば、1液、あるい
は、2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メ
タ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
エ−テル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、そ
の他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等
のラミネ−ト用接着剤を使用することができる。而し
て、上記のラミネ−ト用接着剤のコ−ティング法として
は、例えば、ダイレクトグラビアロ−ルコ−ト法、グラ
ビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、リバ−スロ−ルコ
−ト法、フォンテン法、トランスファ−ロ−ルコ−ト
法、その他等の方法で塗布することができ、そのコ−テ
ィング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)
位、より好ましくは、1〜5g/m2 (乾燥状態)位が
望ましい。なお、本発明においては、上記のラミネ−ト
用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着
促進剤を任意に添加することができる。次にまた、上記
において、溶融押し出し接着性樹脂としては、前述のヒ
−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂を同
様に使用することができる。而して、本発明において、
溶融押し出し接着性樹脂としては、特に、低密度ポリエ
チレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエ
チレンを使用することが好ましいものである。上記の溶
融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層の膜厚
としては、5〜100μm位、より好ましくは、10〜
50μm位が望ましい。なお、本発明において、上記の
積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある
場合には、必要ならば、例えば、アンカ−コ−ト剤等の
接着改良剤等をコ−トすることもできる。上記のアンカ
−コ−ト剤としては、具体的には、例えば、アルキルチ
タネ−ト等の有機チタン系アンカ−コ−ト剤、イソシア
ネ−ト系アンカ−コ−ト剤、ポリエチレンイミン系アン
カ−コ−ト剤、ポリブタジエン系アンカ−コ−ト剤、そ
の他等の水性あるいは油性等の各種のアンカ−コ−ト剤
を使用することができる。而して、本発明においては、
上記のアンカ−コ−ト剤を、例えば、ロ−ルコ−ト、グ
ラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイ
コ−ト、その他のコ−ティング法でコ−ティングし、溶
剤、希釈剤等を乾燥して、アンカ−コ−ト剤層を形成す
ることができる。上記のおいて、アンカ−コ−ト剤の塗
布量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望
ましい。
【0029】上記のようにして製造した本発明にかかる
積層材の酸素透過度は、温度23℃、相対湿度90%R
Hにおいて、10cc/m2 ・day・atm以下であ
る。上記の酸素透過度の測定は、前述の、例えば、米
国、モコン(MOCON)社製の酸素透過度測定機〔機
種名、オクストラン(OX−TRAN)2/20〕を用
いて23℃、90%RHの条件で測定することができ
る。
【0030】上記のようにして製造した本発明にかかる
積層材は、これを使用して製袋あるいは製函して、種々
の物品を充填包装するに適した有用な種々の形態からな
る包装用容器を製造可能とするものである。すなわち、
本発明においては、本発明にかかる積層材を使用して製
袋ないし製函して種々の形態からなる包装用容器を製造
し、而して、上記で製造した包装用容器は、透明性、酸
素、水蒸気等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優
れ、更に、ラミネ−ト加工、印刷加工、製袋ないし製函
加工等の後加工適性を有し、例えば、飲食品、医薬品、
洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等
の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の充填包
装適性、保存適性等に優れているものである。上記にお
いて、製袋ないし製函する方法について説明すると、例
えば、軟包装袋の場合、上記で製造した積層材を使用
し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向させ
て、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わ
せ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設
けて袋体を構成することができる。すなわち、その製袋
方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向さ
せて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更
にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方
シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−
ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ
−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−
トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる
種々の形態の包装用容器を製造することができる。その
他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等
も製造することが可能であり、更に、本発明において
は、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造する
ことができる。上記において、ヒ−トシ−ルの方法とし
ては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルト
シ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−
ル等の公知の方法で行うことができる。なお、本発明に
おいては、上記のような包装用容器には、例えば、ワン
ピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出
口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けること
ができる。
【0031】次にまた、本発明において、包装用容器と
して、紙基材を含む場合には、例えば、積層材として、
紙基材を積層した積層材を製造し、これから所望の紙容
器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク
板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、
ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトッ
プタイプの液体用紙容器等を製造することができる。ま
た、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等の
いずれのものでも製造することができる。本発明におい
て、上記のようにして製造した包装用容器は、例えば、
各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医
薬品、雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使用
されるものである。
【0032】
【実施例】上記の本発明について以下に実施例を挙げて
更に具体的に説明する。 実施例1 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ
化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の条
件で厚さ120Åの酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延
伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方の面に形
成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した2
軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化珪素
の蒸着薄膜の面に、下記の条件でコロナ処理を行った。
その結果、酸化珪素の蒸着薄膜表面の表面張力は、35
dynから62dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化珪素の蒸着薄
膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムを使用し、その酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面
に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラビア
コ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−ル変性ポリビニルア
ルコ−ル5重量部、水100重量部からなる水性樹脂組
成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−トして、厚さ
0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成し
て、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。次
に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング膜の上に、
引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビア
インキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成
した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0033】実施例2 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム(二村化学工業株式会社製、商品名、Q
H−1、片面コロナ処理品)を使用し、これをプラズマ
化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の条
件で厚さ150Åの酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延
伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に形成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:5.1×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:70m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した2
軸延伸ポリプロピレンフィルムの酸化珪素の蒸着薄膜の
面に、下記の条件でコロナ処理を施した。その結果、酸
化珪素の蒸着薄膜表面の表面張力は、42dynから6
5dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化珪素の蒸着薄
膜を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用
し、その酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面に、グラビ
ア印刷機を使用し、その第1色目にグラビアコ−ト用ロ
−ルを配置し、シラノ−ル変性ポリビニルアルコ−ル、
5重量部、水、100重量部からなる水性樹脂組成物を
使用し、これをグラビアロ−ルコ−トして、厚さ0.5
g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成して、本
発明にかかるバリア性フィルムを製造した。次に、上記
のバリア性フィルムのコ−ティング膜の上に、引き続い
て、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビアインキ組
成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送
り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビア
ロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラ
ミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合
で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。次い
で、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの
低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして、
本発明にかかる積層材を製造した。
【0034】実施例3 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の
送り出しロ−ルに装着し、下記の条件で厚さ150Åの
酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延伸ナイロンフィルム
の一方の面に形成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:5.1×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:70m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した2
軸延伸ナイロンフィルムの酸化珪素の蒸着薄膜の面に、
下記の条件でコロナ処理を施した。その結果、酸化珪素
の蒸着薄膜表面の表面張力は、42dynから65dy
nに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化珪素の蒸着薄
膜を形成した2軸延伸ナイロンフィルムを使用し、その
酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機
を使用し、その第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配
置し、シラノ−変性ポリビニルアルコ−ル5重量部、
水、100重量部からなる水性樹脂組成物を使用し、こ
れをグラビアロ−ルコ−トして、厚さ0.5g/m
2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成して、本発明に
かかるバリア性フィルムを製造した。次に、上記のバリ
ア性フィルムのコ−ティング膜の上に、引き続いて、上
記のグラビア印刷機を用いて、グラビアインキ組成物を
使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ナイロンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出し
ロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ル
コ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−
ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工
して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。次いで、上記
のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明に
かかる積層材を製造した。
【0035】実施例4 上記の実施例1の(4)において、印刷絵柄層を形成し
た2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの印刷
絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70
μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ト
して積層材を製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した
2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを押し出
しラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印
刷絵柄層の面に、溶融押し出し用低密度ポリエチレンを
使用し、厚さ20μmにこれを溶融押し出ししながら、
厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィルムを押し出し
ラミネ−トし、それ以外は、上記の実施例1と全く同様
にして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0036】実施例5 上記の実施例2の(4)において、印刷絵柄層を形成し
た2軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷絵柄層面に、
ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの低密度
ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を
製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリ
プロピレンフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り
出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し
出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこ
れを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの低密度ポリ
エチレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外
は、上記の実施例2と全く同様にして、本発明にかかる
積層材を製造した。
【0037】実施例6 上記の実施例3の(4)において、印刷絵柄層を形成し
た2軸延伸ナイロンフィルムの印刷絵柄層面に、ラミネ
−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの低密度ポリエ
チレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を製造す
る代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ナイロンフ
ィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り出しロ−ルに
装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し出し用低密度
ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこれを溶融押し
出ししながら、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを押し出しラミネ−トし、それ以外は、上記の実施
例3と全く同様にして、本発明にかかる積層材を製造し
た。
【0038】実施例7 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ
化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の条
件で厚さ120Åの酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延
伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方の面に形
成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した後、更
に、該酸化珪素の蒸着薄膜の上に、上記と同じ条件で同
様にして、厚さ120Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成し
て、厚さ240Åの酸化珪素の蒸着薄膜からなる多層膜
を形成した。更に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜からなる
多層膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−ト
フィルムの酸化珪素の蒸着薄膜の面に、下記の条件でコ
ロナ処理を行った。その結果、酸化珪素の蒸着薄膜表面
の表面張力は、35dynから62dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化珪素の蒸着薄
膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムを使用し、その酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面
に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラビア
コ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−ル変性ポリビニルア
ルコ−ル5重量部、水100重量部からなる水性樹脂組
成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−トして、厚さ
0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形成し
て、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。次
に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング膜の上に、
引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラビア
インキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成
した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0039】実施例8 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを巻き取り
式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該
フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アル
ミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エ
レクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空
蒸着法により、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの
蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.1×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:600m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの
酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ
処理を施した。その結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜
表面の表面張力は、45dynから60dynに向上し
た。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウム
の蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着
薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機を使用し、その
第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−
ル変性ポリビニルアルコ−ル5重量部、水100重量部
からなる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−
ルコ−トして、厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−
ティング膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィル
ムを製造した。次に、上記のバリア性フィルムのコ−テ
ィング膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を
用いて、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の
印刷絵柄層を形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0040】実施例9 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム(二村化学工業株式会社製、商品名、G
H−I、片面コロナ処理品)を使用し、これを巻き取り
式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該
フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アル
ミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エ
レクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空
蒸着法により、上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムの
上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:8.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.0×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:500m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムの酸化アルミニ
ウムの蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ処理を施し
た。その結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面
張力は、47dynから62dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウム
の蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルム
を使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着薄膜のコロナ
処理面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグ
ラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−ル変性ポリビ
ニルアルコ−ル、5重量部、水、100重量部からなる
水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト
して、厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング
膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造
した。次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング膜
の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、
グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄
層を形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送
り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビア
ロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラ
ミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合
で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。次い
で、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの
低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして、
本発明にかかる積層材を製造した。
【0041】実施例10 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
フィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送
り出しロ−ルに装着し、次いで、該フィルムをコ−ティ
ングドラムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に
用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム
(EB)加熱方式による酸化反応真空蒸着法により、上
記2軸延伸ナイロンフィルムの上に、膜厚200Åの酸
化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:7.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.0×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:500m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化アニミニウムの蒸着薄膜を形
成した2軸延伸ナイロンフィルムの酸化アルミニウムの
蒸着薄膜面に、下記の条件でコロナ処理を施した。その
結果、酸化アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面張力は、
45dynから60dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウム
の蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリナイロンフィルムを
使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着薄膜のコロナ処
理面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラ
ビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−変性ポリビニル
アルコ−ル5重量部、水、100重量部からなる水性樹
脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−トして、
厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形
成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング膜の上
に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラ
ビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を
形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ナイロンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出し
ロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ル
コ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−
ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工
して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。次いで、上記
のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明に
かかる積層材を製造した。
【0042】実施例11 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを巻き取り
式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該
フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アル
ミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エ
レクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空
蒸着法により、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの
蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.1×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:600m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した後、更に、該酸化アルミニウムの蒸着薄膜面上
に、上記と同じ条件で同様にして、膜厚200Åの酸化
アルミニウムの蒸着薄膜を形成し、膜厚400Åからな
る多層膜を形成した。次に、上記で形成した多層膜を構
成する酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、下記の条件で
コロナ処理を施した。その結果、酸化アルミニウムの蒸
着薄膜表面の表面張力は、45dynから60dynに
向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (3).次に、上記でコロナ処理した酸化アルミニウム
の蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウムの蒸着
薄膜のコロナ処理面に、グラビア印刷機を使用し、その
第1色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−
ル変性ポリビニルアルコ−ル5重量部、水100重量部
からなる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−
ルコ−トして、厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−
ティング膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィル
ムを製造した。次に、上記のバリア性フィルムのコ−テ
ィング膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を
用いて、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の
印刷絵柄層を形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0043】実施例12 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ
化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の条
件で厚さ120Åの酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延
伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方の面に形
成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した2
軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、
これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着
し、これをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アル
ミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エ
レクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空
蒸着法により、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムの酸化珪素の蒸着薄膜の上に、膜厚200Å
の酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.1×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:600m/分 蒸着面:コロナ処理面 (3).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した後、更に、該酸化アルミニウムの蒸着薄膜面上
に、下記の条件でコロナ処理を施した。その結果、酸化
アルミニウムの蒸着薄膜表面の表面張力は、45dyn
から60dynに向上した。 出力:10kw 処理速度:100m/min (4).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜と酸化アルミ
ニウムの蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレ
フタレ−トフィルムを使用し、その酸化アルミヘニウム
の蒸着薄膜の面に、グラビア印刷機を使用し、その第1
色目にグラビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−ル変
性ポリビニルアルコ−ル5重量部、水100重量部から
なる水性樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ
−トして、厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティ
ング膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを
製造した。次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティン
グ膜の上に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用い
て、グラビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷
絵柄層を形成した。 (5).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0044】実施例13 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを巻き取り
式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、該
フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、アル
ミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エ
レクトロンビ−ム(EB)加熱方式による酸化反応真空
蒸着法により、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの
蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:1.1×10-6mbar EB出力:40kW フィルムの搬送速度:600m/分 蒸着面:コロナ処理面 (2).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形
成した厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装
置の送り出しロ−ルに装着し、該酸化アルミニウムの蒸
着薄膜面上に、下記の条件で厚さ120Åの酸化珪素の
蒸着薄膜を形成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 蒸着面:コロナ処理面 (3).次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着薄膜と酸
化珪素の蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリエチレンテレ
フタレ−トフィルムを使用し、その酸化珪素の蒸着薄膜
の面に、グラビア印刷機を使用し、その第1色目にグラ
ビアコ−ト用ロ−ルを配置し、シラノ−ル変性ポリビニ
ルアルコ−ル5重量部、水100重量部からなる水性樹
脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−トして、
厚さ0.5g/m2 (乾燥状態)のコ−ティング膜を形
成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
次に、上記のバリア性フィルムのコ−ティング膜の上
に、引き続いて、上記のグラビア印刷機を用いて、グラ
ビアインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を
形成した。 (4).次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−
ト機の第1送り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面
に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリ
ウレタン系ラミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥
重量)の割合で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成
した。次いで、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ
−トして、本発明にかかる積層材を製造した。
【0045】比較例1 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、上記の実施例1
と全く同様にして、該2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムの一方の面に、厚さ120Åの酸化珪素の
蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造し、次
に、該バリア性フィルムの酸化珪素の蒸着薄膜面にコロ
ナ放電処理を施し、更に、酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ
処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄
層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリエチレン
テレフタレ−トフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対
向させ、その両者をドライラミネ−ション法により積層
して、積層材を製造した。
【0046】比較例2 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、上記の実施例2と全く同様に
して、該2軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面
に、厚さ150Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成して、バ
リア性フィルムを製造し、次に、該バリア性フィルムの
酸化珪素の蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、
酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形
成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着
剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その
両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材
を製造した。
【0047】比較例3 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
フィルムを使用し、上記の実施例3と全く同様にして、
該2軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に、厚さ150
Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルム
を製造し、次に、該バリア性フィルムの酸化珪素の蒸着
薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、酸化珪素の蒸着
薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にま
た、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成し
た。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ナイロンフィ
ルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者を
ドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造
した。
【0048】比較例4 (1).上記の実施例2と全く同様にして厚さ20μm
の2軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に、酸化
珪素の蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造し
た。なお、その際に、蒸着条件として、蒸着速度を30
m/minとし、かつ、蒸着薄膜の膜厚を250Åとし
た。次に、上記の実施例2と同様にして、上記のバリア
性フィルムの酸化珪素の蒸着薄膜面にコロナ放電処理を
施し、更に、酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面に、印
刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミ
ネ−ト用接着剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その
両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材
を製造した。
【0049】比較例5 (1).上記の実施例3と全く同様にして厚さ15μm
の2軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に、酸化珪素の
蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造した。な
お、その際に、蒸着条件として、蒸着速度を30m/m
inとし、かつ、蒸着薄膜の膜厚を250Åとした。次
に、上記の実施例3と同様にして、上記のバリア性フィ
ルムの酸化珪素の蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、
更に、酸化珪素の蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄
層を形成し、更にまた、該印刷層絵柄面に、ラミネ−ト
用接着剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ナイロンフィ
ルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者を
ドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造
した。
【0050】比較例6 (1).基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トフィルムを使用し、上記の実施例8
と全く同様にして、該2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムの一方の面に、厚さ200Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造
し、次に、該バリア性フィルムの酸化アルミニウムの蒸
着薄膜面にコロナ放電処理を施し、更に、酸化アルミニ
ウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、印刷絵柄層を形成
し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラミネ−ト用接着剤
層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリエチレン
テレフタレ−トフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対
向させ、その両者をドライラミネ−ション法により積層
して、積層材を製造した。
【0051】比較例7 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、上記の実施例9と全く同様に
して、該2軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面
に、厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成
して、バリア性フィルムを製造し、次に、該バリア性フ
ィルムの酸化アルミニウムの蒸着薄膜面にコロナ放電処
理を施し、更に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜のコロナ
処理面に、印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄
層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その
両者をドライラミネ−ション法により積層して、積層材
を製造した。
【0052】比較例8 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
フィルムを使用し、上記の実施例10と全く同様にし
て、該2軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に、厚さ2
00Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成して、バリ
ア性フィルムを製造し、次に、該バリア性フィルムの酸
化アルミニウムの蒸着薄膜面にコロナ放電処理を施し、
更に、酸化アルミニウムの蒸着薄膜のコロナ処理面に、
印刷絵柄層を形成し、更にまた、該印刷絵柄層面に、ラ
ミネ−ト用接着剤層を形成した。 (2).他方、厚さ70μmの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用意し、その一方の面にコロナ放電処理を施し、
そのコロナ放電処理面に、上記の2軸延伸ナイロンフィ
ルムのラミネ−ト用接着剤層面を対向させ、その両者を
ドライラミネ−ション法により積層して、積層材を製造
した。
【0053】実験例1 上記の実施例1〜13、および、比較例1〜8で製造し
た各バリア性フィルム、および、積層材について、下記
のデ−タを測定した。 (1).酸素透過度の測定 これは、温度23℃、湿度0%RHと90%RHの条件
で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種
名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。 (2).水蒸気透過度の測定 これは、温度40℃、100%RHの条件で、米国、モ
コン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラ
ン(PERMATRAN)〕にて測定した。 (3).色評価 これは、目視による着色観察で評価した。目視による着
色観察は、試料を10枚重ねて目視により、直接観察し
た。上記のバリア性フィルム、および、積層材について
の酸素透過度および水蒸気透過度の測定結果について、
下記の表1に示す。
【0054】 上記の表1中、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 ・d
ay・atm〕であり、また、水蒸気透過度の単位は、
〔g/m2 ・day・atm〕である。
【0055】上記の表1に示す結果より明らかなよう
に、実施例1〜13にかかる積層材は、酸素透過度が、
10cc/m2 ・day・atm以下であり、特に、従
来、不可能であった基材フィルムとしての2軸延伸ポリ
プロピレンフィルムの場合には、湿度90%RH下にお
いても、酸素透過度が、10cc/m2 ・day・at
m以下であった。
【0056】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、その構造中に珪素原子を有する変成ポリビニルアル
コ−ル系樹脂を使用することに着目し、まず、プラスチ
ックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、化学気相
成長法または物理気相成長法あるいはその両者等による
無機酸化物の薄膜を設け、次いで、該無機酸化物の薄膜
の上に、その構造中に珪素原子を有する変性ポリビニル
アルコ−ル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物
によるコ−ティング膜を設けてバリア性フィルムを製造
し、而して、該バリア性フィルムに、他のプラスチック
フィルム、あるいは、紙基材、その他等の素材を任意に
積層して積層材を製造し、次に、該積層材を使用し、こ
れを製袋ないし製函して包装用容器を製造し、該包装用
容器内に、例えば、飲食品、医薬品、化学薬品、日用
品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装して包装
製品を製造して、酸素ガスおよび水蒸気等に対するガス
バリア性に優れ、内容物の変質、改質等を防止して安定
的に長期間の流通、保存適性等を有し、また、透明性に
優れているので、外から内容物を視認し得ることがで
き、更に、柔軟性、ラミネ−ト強度等に優れ破袋等もな
く、極めて優れた良好な包装製品を安価に製造し得るこ
とができる有用なバリア性フィルムおよびこれを使用し
た積層材を製造することができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図4】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図5】本発明にかかる積層材についてその一例の層構
成の概略を示す概略的断面図である。
【図6】本発明にかかる基材フィルムの一方の面に、物
理気相成長法による無機酸化物の薄膜を形成する方法に
ついてその概要を示す真空蒸着装置の概略的構成図であ
る。
【図7】本発明にかかる基材フィルムの一方の面に、プ
ラズマ化学気相成長法による無機酸化物の薄膜を形成す
る方法についてその概要を示すプラズマ化学気相成長装
置の概略的構成図である。
【符号の説明】
1 バリア性フィルム 1a バリア性フィルム 1b バリア性フィルム 1c バリア性フィルム 2 基材フィルム 3 無機酸化物の薄膜 3a 無機酸化物の蒸着薄膜 3b 無機酸化物の蒸着薄膜 3c 多層膜 4 コ−ティング膜 5 印刷絵柄層 6 ヒ−トシ−ル性樹脂層 A 積層材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CER C08J 7/04 CERP 7/06 CFD 7/06 CFDZ C23C 14/06 C23C 14/06 P 16/30 16/30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物
    の薄膜を設け、更に、該無機酸化物の薄膜の上に、その
    構造中に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル系
    樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコ−テ
    ィング膜を設けたことを特徴とするバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】 基材フィルムが、2軸延伸ポリプロピレ
    ンフィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
    ルム、または、2軸延伸ナイロンフィルムからなること
    を特徴とする上記の請求項1に記載するバリア性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 無機酸化物の薄膜が、物理気相成長法に
    よる無機酸化物の蒸着薄膜の1層または2層以上の多層
    膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜2に記載
    するバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 無機酸化物の薄膜が、物理気相成長法に
    よる酸化アルミニウムの蒸着薄膜の1層または2層以上
    の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項3に記
    載するバリア性フィルム。
  5. 【請求項5】 無機酸化物の薄膜が、化学気相成長法に
    よる無機酸化物の蒸着薄膜の1層または2層以上の多層
    膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜2に記載
    するバリア性フィルム。
  6. 【請求項6】 無機酸化物の薄膜が、プラズマ化学気相
    成長法による酸化珪素の蒸着薄膜の1層または2層以上
    の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項5に記
    載するバリア性フィルム。
  7. 【請求項7】 無機酸化物の薄膜が、有機珪素化合物を
    蒸着用モノマ−ガスとして使用し、プラズマ化学気相成
    長法による酸化珪素の蒸着薄膜の1層または2層以上の
    多層膜からなることを特徴とする上記の請求項5〜6に
    記載するバリア性フィルム。
  8. 【請求項8】 無機酸化物の薄膜が、珪素(Si)と酸
    素(O)を必須構成元素として有し、更に、炭素(C)
    と水素(H)のいずれが一方、または、その両者の元素
    を微量構成元素として含有する酸化珪素の蒸着薄膜の1
    層または2層以上の多層膜からなり、かつ、その膜厚
    が、50Å〜2000Åの範囲であり、更に、上記の必
    須構成元素と微量構成元素の構成比率が、膜厚方向にお
    いて連続的に変化していることを特徴とする上記の請求
    項5〜7に記載するバリア性フィルム。
  9. 【請求項9】 無機酸化物の薄膜が、物理気相成長法お
    よび化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜の2層
    以上の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項1
    〜2に記載するバリア性フィルム。
  10. 【請求項10】 無機酸化物の薄膜が、先に、化学気相
    成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、次に、物理
    気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設けた2層以
    上の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項9に
    記載するバリア性フィルム。
  11. 【請求項11】 無機酸化物の薄膜が、先に、物理気相
    成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、次に、化学
    気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設けた2層以
    上の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項9に
    記載するバリア性フィルム。
  12. 【請求項12】 基材フィルムの一方の面に、無機酸化
    物の薄膜を設け、更に、該無機酸化物の薄膜の上に、そ
    の構造中に珪素原子を有する変性ポリビニルアルコ−ル
    系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコ−
    ティング膜を設けた構成からなるバリア性フィルムのコ
    −ティング膜の面に、必要ならば、印刷絵柄層を設けた
    後、少なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層を設けたことを
    特徴とする積層材。
  13. 【請求項13】 積層材の酸素透過度が、温度23℃、
    相対湿度90%RHにおいて、10cc/m2 ・day
    ・atm以下であることを特徴とする上記の請求項12
    に記載する積層材。
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