JP7286695B2 - チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 - Google Patents

チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 Download PDF

Info

Publication number
JP7286695B2
JP7286695B2 JP2021041692A JP2021041692A JP7286695B2 JP 7286695 B2 JP7286695 B2 JP 7286695B2 JP 2021041692 A JP2021041692 A JP 2021041692A JP 2021041692 A JP2021041692 A JP 2021041692A JP 7286695 B2 JP7286695 B2 JP 7286695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
paper base
base layer
tube container
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021041692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022128365A (ja
Inventor
麻貴子 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2021041692A priority Critical patent/JP7286695B2/ja
Priority to JP2022014455A priority patent/JP7373135B2/ja
Publication of JP2022128365A publication Critical patent/JP2022128365A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7286695B2 publication Critical patent/JP7286695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Tubes (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Description

本開示は、チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器に関する。
従来、紙を含む積層体を用いたチューブ容器が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、内容物を充填する本体部分と、この本体部分に一体的に連結し本体部分に充填された内容物を排出する排出口を備えたヘッドからなるチューブ容器が開示されている。そして、特許文献1には、本体部分が、少なくとも外層がエンボス加工を施した合成紙製層よりなることが開示されている。
特開2003-72783号公報
しかしながら、紙基材を含むチューブ容器用包材を用いたチューブ容器では、頭部部材とチューブ容器用包材とを接合する接合部において、紙基材の端面が露出し得る。また、チューブ容器に内容物を充填した後にチューブ容器用包材同士を接合する底シール部においても、紙基材の端面が露出し得る。このため、例えば、風呂場や海辺などでのチューブ容器の使用時に、チューブ容器が水中に落下した場合、紙基材が水に濡れてしまう場合がある。そして、紙基材が水に濡れた場合、紙基材の一部分が他の部分から剥がれることにより、チューブ容器に外観不良が生じてしまう可能性がある。また、紙基材の一部分が他の部分から剥がれることにより、チューブ容器の内部と外部とが連通してしまう可能性があり、チューブ容器として機能しなくなるおそれがある。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、品質の低下を抑制することが可能な、チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供することを目的とする。
一実施の形態によるチューブ容器用包材は、外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層と、第1紙基材層と、第2シーラント層とを備え、浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上である、チューブ容器用包材である。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度の60%以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記第1紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記第1紙基材層と、前記第2シーラント層との間に設けられた第2紙基材層を更に備え、浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度の60%以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記第2紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器は、一実施の形態によるチューブ容器用包材の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合したシール部を有する胴部チューブと、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材とを備える、チューブ容器である。
一実施の形態によるキャップ付きチューブ容器は、一実施の形態によるチューブ容器と、前記頭部部材に取り付けられたキャップとを備える、キャップ付きチューブ容器である。
本開示によれば、チューブ容器の品質の低下を抑制することができる。
図1は、内容物が充填された、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す部分垂直断面図である。 図2Aは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図2Bは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図2Cは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図3Aは、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図3Bは、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図4は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIV-IV線断面図)である。 図5(a)-(b)は、浸漬試験に用いられる試験片を示す概略斜視図である。 図6(a)-(b)は、浸漬試験を説明する概略図である。 図7は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す斜視図である。 図8は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の製造方法を示す部分垂直断面図である。 図9は、実施例において、外観評価試験を説明する概略図である。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図8は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
まず、図1により、本実施の形態による積層体(チューブ容器用包材)50を使用して作製されたキャップ付きチューブ容器10Aについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器10Aは、チューブ容器10と、チューブ容器10の後述する頭部部材40に取り付けられたキャップ20とを備えている。
このうち、チューブ容器10は、ラミネート成形チューブである胴部チューブ30と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えている。
ここでは、まず、チューブ容器10の頭部部材40について説明する。
図1に示すように、頭部部材40は、肩部41と口部42とを有している。このうち口部42には、キャップ20が装着されるようになっている。
このような頭部部材40は、後述するように、例えば圧縮成形法により成形される。また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。
次に、チューブ容器10の胴部チューブ30について説明する。図1に示す胴部チューブ30は、全体として略円筒形状を有している。この胴部チューブ30は、ラミネート成形された積層体50(図3A乃至図3B参照)から構成されている。また、胴部チューブ30は、積層体50同士を互いに接合した胴部シール部(シール部)32を有している。この胴部シール部32は、胴部チューブ30の長手方向に沿って形成されている。このような胴部チューブ30は、積層体50を円筒状に丸め、対向する端部35(図2A参照)同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたものであってもよい。また、胴部チューブ30は、積層体50を円筒状に丸め、対向する端面35a(図2Bおよび図2C参照)同士を突き合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたものであってもよい。この場合、胴部シール部32を補強するために、胴部シール部32に補強用のテープ32aが設けられていてもよい。なお、テープ32aは、図2Bに示すように、胴部チューブ30の一方の側(例えば、内面側)のみに設けられていてもよく、図2Cに示すように、胴部チューブ30の両側(内面側および外面側)に設けられていてもよい。
また、胴部チューブ30は、積層体50同士を互いに接合した底シール部34を有している。この底シール部34は、胴部チューブ30の他端33に形成された開口部50B(図8参照)から、例えば、クレンジング用剤、日焼け止め、練り歯磨き、トリートメント、ボディクリーム、整髪剤(いわゆるヘアワックス)、その他の内容物Cを適量分充填した後に、当該開口部50B近傍の積層体50同士を互いに接合したものである。
次に、積層体50の層構成について説明する。図3Aおよび図3Bは、胴部チューブ30を構成する積層体50の層構成の一例を示している。図3Aおよび図3Bに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって順に配置された第1シーラント層51と、第1紙基材層52と、第2シーラント層53とを備えている。また、図3Bに示すように、積層体50は、第1紙基材層52と、第2シーラント層53との間に設けられた第2紙基材層54を更に備えていてもよい。
具体的には、図3Aに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、印刷層55と、第1シーラント層51と、第1紙基材層52と、第1接着層56aと、バリア層57と、第2接着層56bと、補強層58と、第3接着層56cと、第2シーラント層53とをこの順に備えている。この場合、印刷層55が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
また、図3Bに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、第1シーラント層51と、印刷層55と、第1紙基材層52と、第1接着層56aと、第2紙基材層54と、第2接着層56bと、バリア層57と、補強層58と、第3接着層56cと、第2シーラント層53とをこの順に備えている。この場合、第1シーラント層51が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
以下、積層体50の各層について説明する。
第1シーラント層および第2シーラント層
第1シーラント層51および第2シーラント層53といったシーラント層は、それぞれ、積層体50同士を接着させるための層であり、シーラント層を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料が用いられる。この場合、シーラント層には、例えばポリオレフィンを用いることができる。具体的には、シーラント層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール等その他の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。シーラント層がポリエチレンを含む場合、ポリエチレンはバイオマス由来のポリエチレンであってもよい。
上記のヒートシール性フィルムは、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いて成形することができる。
また、シーラント層を構成する材料には、その製造工程において、またはその製造後に、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤を添加することができる。添加剤として、例えば、帯電防止剤などが挙げられる。
本実施の形態において、第1シーラント層51および第2シーラント層53の厚みは、それぞれ、50μm以上250μm以下であることが好ましい。
第1紙基材層および第2紙基材層
第1紙基材層52および第2紙基材層54といった紙基材層は、例えば、第1シーラント層51や第2シーラント層53を支持するとともに積層体50全体のコシを高めるための層である。紙基材層を構成する紙としては、晒紙であってもよく、半晒紙であってもよく、未晒紙であってもよい。また、紙の坪量は、例えば50g/m2以上200g/m2以下であってもよい。
本実施の形態では、後述する浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。ところで、図4に示すように、胴部チューブ30の他端33からは、第1紙基材層52が外方に露出している。このため、チューブ容器10を水中に落下させてしまった場合、第1紙基材層52内に水分が浸透し得る。これに対して本実施の形態では、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させてしまった場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうこと(すなわち、第1紙基材層52の一部分が他の部分から剥がれてしまうこと)を抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。なお、図示はしないが、胴部チューブ30の一端31からも、第1紙基材層52、または第1紙基材層52および第2紙基材層54が外方に露出し得る。また、図示はしないが、積層体50が第2紙基材層54を備える場合、胴部チューブ30の一端31および他端33からは、第1紙基材層52および第2紙基材層54が外方に露出し得る。また、図4において、図面を明瞭にするために、積層体50の各層のうち、第1シーラント層51、第1紙基材層52および第2シーラント層53以外の層の図示を省略している。
ここで、浸漬試験は、以下のようにして行うことができる。
浸漬試験では、まず、図5(a)に示すように、第1紙基材層52(および第2紙基材層54)が、試験片Sの側面から全周にわたって外方に露出するように、積層体50を、幅(W)15mmの矩形状に切り出す。この際、試験片Sの長さ(L)は、50mm以上150mm以下であってもよい。なお、図5(a)(および後述する図5(b)、図6(a)-(b))において、図面を明瞭にするために、積層体50の各層のうち、第1紙基材層52以外の層の図示を省略している。
次に、試験片Sの第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離する。剥離した部分の長手方向(図5(a)の左右方向)に沿った長さは、約2cmとする。なお、後述するように、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度を測定する場合には、試験片Sの第1紙基材層52ではなく、第2紙基材層54の一部分を他の部分から剥離する。
次に、図6(a)に示すように、水Wが充填された容器100内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体を水Wに浸漬する。この際、試験片Sが浮かないように、試験片S上に重り(図示せず)を置き、試験片Sを完全に水W中に沈める。次いで、図6(b)に示すように、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101で1時間保管する。その後、試験片Sを容器100から取り出す。このようにして、浸漬試験が行われる。
また、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度は、0.90N/15mm以上であることが好ましい。これにより、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを消費者が誤って落下させた場合や、使用時に内容物を絞り出す場合等に消費者が胴部チューブ30を折り畳んだ際に、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
また、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度は、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度の60%以上であることが好ましい。これにより、経時的に第1紙基材層52内に水分が浸透した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、長期間にわたって、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことをより効果的に抑制できる。
また、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度は、0.40N/15mm以上であることが好ましい。この場合においても、チューブ容器10を水中に落下させてしまった場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
また、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度は、0.90N/15mm以上であることが好ましい。この場合においても、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを消費者が誤って落下させた場合や、使用時に内容物を絞り出す場合等に消費者が胴部チューブ30を折り畳んだ際に、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
さらに、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度は、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度の60%以上であることが好ましい。この場合においても、経時的に第2紙基材層54内に水分が浸透した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、長期間にわたって、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことをより効果的に抑制できる。
本実施の形態において、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みは、それぞれ50μm以上160μm以下であることが好ましい。第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ50μm以上であることにより、胴部チューブ30の遮光性を高く保つことができる。また、積層体50の外面501からバリア層57が透けて見えてしまうことを抑制できる。このため、胴部チューブ30の意匠性が低下することを抑制できる。また、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ50μm以上であることにより、プラスチックを基材層として使用した同じ厚みのフィルムと比べて、コシ(ループスティフネス)を強くすることができる。このため、プラスチックの使用量を削減できるとともに、積層体50の機械的強度を向上させることができる。さらに、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ160μm以下であることにより、胴部チューブ30の柔軟性を良好に保つことができる。このため、使用時に内容物を絞り出しやすくすることができ、チューブ容器10内に内容物が残存してしまうことを抑制できる。
接着層
第1接着層56a、第2接着層56bおよび第3接着層56cといった接着層は、第1シーラント層51、第1紙基材層52、第2紙基材層54、補強層58、第2シーラント層53などを互いに接着するための層である。この接着層を構成する材料は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択することができる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
また、接着層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用することができる。
本実施の形態において、接着層の厚さは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第1シーラント層51、第1紙基材層52、第2紙基材層54、バリア層57、補強層58、第2シーラント層53などを互いに積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
印刷層
印刷層55は、絵柄等の印刷が施された層であり、積層体50の意匠性を向上させるための層である。印刷層55としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。印刷方法は、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式であってもよい。
バリア層
バリア層57は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。バリア層57としては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、あるいは、内容物に対する保香性等を有する材料を使用することができる。具体的には、バリア層57としては、例えば、アルミニウム箔、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、またはこれらの合金等あるいは、アルミニウム等の金属蒸着薄層を使用することができる。バリア層57としてアルミニウム箔を使用する場合、バリア層57の厚みは、5μm以上20μm以下程度とすることができる。バリア層57としてアルミニウム箔を使用することにより、積層体50の作製を容易にすることができる。
また、バリア層57としてアルミニウム等の金属蒸着層を使用する場合、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVapor Deposition法、PVD法)等を利用して、補強層58上に、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜を形成することができる。
バリア層57として、アルミニウムの金属蒸着層を使用する場合、バリア層57の厚みは、通常、50Å以上3000Å以下程度であることが好ましく、特に、100Å以上2000Å以下程度であることが好ましい。また、上記のアルミニウムの蒸着薄膜を支持する補強層58の表面は、予め、蒸着膜の密着性を高めるために、例えば、蒸着プライマー等をコーティングすることができ、その他、所要の前処理を任意に施すことが可能である。
また、バリア層57は、従来公知の方法により形成することができる透明蒸着層であってもよい。この場合、バリア層57は、無機酸化物の蒸着層からなる透明蒸着層であってもよい。
透明蒸着層としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の酸化物の蒸着層を使用することができる。特に、チューブ容器用としては、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素の蒸着層を備えることが好ましい。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0~2、アルミニウム(Al)は、0~1.5、マグネシウム(Mg)は、0~1、カルシウム(Ca)は、0~1、カリウム(K)は、0~0.5、スズ(Sn)は、0~2、ナトリウム(Na)は、0~0.5、ホウ素(B)は、0~1.5、チタン(Ti)は、0~2、鉛(Pb)は、0~2、ジルコニウム(Zr)は0~2、イットリウム(Y)は、0~1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0~2.0、アルミニウム(Al)は、0.5~1.5の範囲の値のものを使用することができる。
透明蒸着層の厚みとしては、使用する無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50Å以上2000Å以下、好ましくは、100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着層の場合には、厚み50Å以上500Å以下、更に、好ましくは、100Å以上300Å以下が望ましいものである。
透明蒸着層は、補強層58上に以下の形成方法を用いて形成することができる。蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。具体的には、ローラー式蒸着層形成装置を用いて、成形ローラー上において蒸着層を形成することができる。さらに、蒸着層上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。これにより酸素や水蒸気などの透過を抑制するとともに、蒸着層と隣接して設けることにより、蒸着層のクラックの発生を効果的に防止することができる。上記のガスバリア性塗布膜は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
補強層
補強層58は、例えば、第1シーラント層51や第2シーラント層53を支持するとともに積層体50全体の強度を高めるための層である。補強層58を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルムないしシート、その他を使用することができる。一例として、補強層58は、ポリエチレンテレフタレートを含んでいてもよい。補強層58がポリエチレンテレフタレートを含む場合、ポリエチレンテレフタレートはバイオマス由来成分を含んでいてもよい。
また、上述した樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
本実施の形態において、補強層58の厚みは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
次に、図7および図8を参照して、キャップ付きチューブ容器10Aの製造方法について説明する。
まず、例えば、図3Aに示す積層体50を準備する。次に、例えば、図7に示すように、積層体50を円筒状に丸めることにより、その端部35同士が重ね合わされる。次いで、端部35において積層体50の外面501と内面502とがヒートシールされて胴部チューブ30が作製される。
この場合、積層体50の外面501側に設けられた第1シーラント層51(図3A参照)と、内面502側に設けられた第2シーラント層53(図3A参照)とが溶融して接合され、胴部チューブ30が得られる。
次に、圧縮成形法により上述したチューブ容器10を製造する。この際、胴部チューブ30が図示しない金型内に挿着され、金型内に、図示しない樹脂供給装置から溶融した樹脂を供給することにより、胴部チューブ30の一方の開口部50Aに、頭部部材40が圧縮成形される。これにより、胴部チューブ30と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えるチューブ容器10が得られる(図8参照)。
なお、上述したように、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、射出成形法により行われてもよい。
次に、得られたチューブ容器10の頭部部材40にキャップ20が装着され、キャップ20が装着されたキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。その後、複数のキャップ付きチューブ容器10Aは、内容物Cを充填するための工場等へ搬送される。
そして、内容物Cを充填するための工場等へ搬送されたキャップ付きチューブ容器10Aは、胴部チューブ30の開口部50B(図8参照)から、例えば、日焼け止め、練り歯磨き、その他の内容物Cが適量分だけ充填される。そして、開口部50Bを溶着することにより底シール部34(図1参照)を形成して、内容物Cを充填包装したキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
以上のように本実施の形態によれば、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させてしまった場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度が、0.90N/15mm以上である。これにより、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを消費者が誤って落下させた場合や、使用時に内容物を絞り出す場合等に消費者が胴部チューブ30を折り畳んだ際に、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度の60%以上である。これにより、経時的に第1紙基材層52内に水分が浸透した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、長期間にわたって、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことをより効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させてしまった場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度が、0.90N/15mm以上である。これにより、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを消費者が誤って落下させた場合や、使用時に内容物を絞り出す場合等に消費者が胴部チューブ30を折り畳んだ際に、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度が、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度の60%以上である。これにより、経時的に第2紙基材層54に水分が浸透した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できる。また、長期間にわたって、第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことをより効果的に抑制できる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、図3Aに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、未晒紙(王子マテリア社製、厚み120μm)を準備した。また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した第1紙基材層52となる未晒紙上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、第1紙基材層52上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙
上記において、「PE」は、ポリエチレンを意味している(以下同様)。
また、バリア層57として、アルミ箔(厚み9μm)を準備した。さらに、補強層58として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。
次に第1紙基材層52の内面に、押出しラミネート法により、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を厚み20μmの接着層として、バリア層57となるアルミ箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとを接着剤で貼り合わせたフィルムを貼り合わせた。
また、第2シーラント層53としてポリエチレンフィルム(厚み120μm)を準備した。
さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネート法により、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを厚み20μmの接着層として、第2シーラント層53となるポリエチレンフィルムを貼り合わせた。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
上記において、「EMAA」は、エチレン-メタクリル酸共重合体を意味している(以下同様)。また、「ALM」は、バリア層としてのアルミ箔を意味している(以下同様)。「PETフィルム」は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを意味している(以下同様)。「PEフィルム」は、ポリエチレンフィルムを意味している(以下同様)。
その後、第1シーラント層51上に、印刷層55を形成した。このようにして、図3Aに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
印/PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム 上記において、「印」は印刷層を意味している(以下同様)。
また、得られた積層体50を用いて、図1に示すチューブ容器10を作製した。
(1)浸漬試験前の剥離強度測定試験
次に、剥離強度測定試験を行った。この際、浸漬試験を行うことなく、剥離強度測定試験を行った。剥離強度測定試験は、JIS K7127に準拠して行った。試験片Sとしては、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出したものを用いた(図5(a)参照)。また、胴部チューブ30を切り出す際、試験片Sの幅方向が胴部チューブ30の周方向となるように、胴部チューブ30を切り出した。このようにして、3つの試験片Sを作製した。次に、これらの試験片Sについて、引張試験機(A&D社製、テンシロン万能材料試験機RTC-1310)を用いて、第1紙基材層52の剥離強度を測定した。
剥離強度の測定において、まず、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した(図5(b)参照)。剥離した部分の長手方向(図5(a)の左右方向)に沿った長さは、約2cmとした。次に、試験片Sのうち既に剥離されている部分をそれぞれ測定器の一対のつかみ具で把持し、つかみ具同士を互いに逆向きに移動させることにより、試験片Sを引っ張った。試験片Sを引っ張る引張速度は、50mm/minとした。そして、得られた引張強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(2)浸漬試験後の剥離強度測定試験
また、浸漬試験を行うとともに、剥離強度測定試験を行った。この際、まず、浸漬試験を行った。浸漬試験では、まず、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出した試験片Sを3つ作製した。また、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した。剥離した部分の長手方向に沿った長さは、約2cmとした。
次に、水Wが充填された容器100(図6(a)参照)内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体を水Wに浸漬した。次に、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101(図6(b)参照)で1時間保管した。
その後、試験片Sを容器100から取り出し、試験片S上の水滴を拭き取った。次に、容器100から試験片Sを取り出してから5分以内に、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、各試験片Sの引張強度を測定し、得られた引張強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(3)外観評価試験
次に、外観評価試験を行った。この際、図9に示すように、まず、水Wが充填された容器100内に、チューブ容器10を収容した。このとき、口部42を上にして開口部50Bからチューブ容器10内へ水Wが入り込むように、チューブ容器10を倒立させた状態で容器100内に収容した。そして、胴部チューブ30の約半分を水Wに浸漬させた。次に、チューブ容器10が収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101で一週間保管した。その後、チューブ容器10の外観に変化がないか目視で確認した。
(実施例2)
まず、図3Bに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、晒紙(天間特殊製紙社製、厚み80μm)を準備した。また、第2紙基材層54として、未晒紙(厚み100μm)を準備した。
次に、第1紙基材層52上に、印刷層55を形成した。続いて、第1紙基材層52となる晒紙の内面に、押出しラミネート法により、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを厚み20μmの接着層として、第2紙基材層54となる未晒紙を貼り合わせた。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
印/晒紙/PE/未晒紙
また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した第1中間体の印刷層55上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、印刷層55上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/未晒紙
また、補強層58として、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜(バリア層57)が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。
次に、第2紙基材層54となる未晒紙の内面に、押出ラミネート法により、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を厚み20μmの接着層として、バリア層57となる透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせた。
また、第2シーラント層53として乳白ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を準備した。
次に、さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネート法により、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを厚み20μmの接着層として、第2シーラント層53となる乳白ポリエチレンフィルムを貼り合わせた。このようにして、図3Bに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/未晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/乳白PEフィルム
上記において、「透明蒸着PETフィルム」は、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルムを意味している。「乳白PEフィルム」は、乳白ポリエチレンフィルムを意味している(以下同様)。
次に、実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。
(実施例3)
第1紙基材層52として、厚みが75μmの晒紙を使用したこと、第2紙基材層54として、晒紙(天間特殊製紙社製、厚み75μm)を使用したこと、第2シーラント層53として、ポリエチレンフィルム(厚み120μm)を使用したこと、以外は実施例2と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。実施例2による積層体50の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
(比較例1)
第1紙基材層として、厚みが120μmの未晒紙(中越パルプ工業社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。比較例による積層体の層構成は、以下の通りである。
印/PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
(比較例2)
第1紙基材層として、厚みが120μmの晒紙(大王製紙社製)を使用したこと、第2紙基材層を設けなかったこと、第2シーラント層として、厚みが120μmの乳白ポリエチレンフィルムを使用したこと、以外は実施例2と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。比較例による積層体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/乳白PEフィルム
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007286695000001
なお、上記表1において、「割合」は、浸漬試験前の第1紙基材層(または第2紙基材層)の剥離強度に対する、浸漬試験後の第1紙基材層(または第2紙基材層)の割合を意味する。評価の「○」は、第1紙基材層52または第2紙基材層54に剥離が生じていなかったことを意味する。評価の「×」は、一部または全周にわたって、第1紙基材層に剥離が生じていたことを意味する。
この結果、比較例1によるチューブ容器では、ところどころにおいて第1紙基材層に剥離が生じていた。比較例2によるチューブ容器では、全周にわたって、第1紙基材層に剥離が生じていた。一方、実施例1によるチューブ容器10では、第1紙基材層52に剥離が生じていなかった。このように、本実施の形態によれば、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制でき、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できることがわかった。また、第1紙基材層52に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できることがわかった。
また、実施例2および実施例3によるチューブ容器10では、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じていなかった。このように、本実施の形態によれば、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制でき、チューブ容器10に外観不良が生じてしまうことを抑制できることがわかった。また、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じてしまうことを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通してしまうことを抑制できることがわかった。このため、本実施の形態によれば、チューブ容器10の品質の低下を抑制できることがわかった。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 チューブ容器
10A キャップ付きチューブ容器
20 キャップ
30 胴部チューブ
31 一端
32 胴部シール部
35 端部
40 頭部部材
50 積層体
501 外面
502 内面
51 第1シーラント層
52 第1紙基材層
53 第2シーラント層
54 第2紙基材層

Claims (3)

  1. チューブ容器用包材において、
    外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層と、第1紙基材層と、第2シーラント層とを備え、
    浸漬試験後の前記第1紙基材層内の剥離強度が、0.40N/15mm以上1.14N/15mm以下であり、
    前記第1紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下であり、
    前記第1紙基材層を構成する紙は、晒紙、半晒紙または未晒紙である、チューブ容器用包材。
  2. 前記第1シーラント層の面のうち前記外面側の面上に形成された印刷層を更に備える、請求項1に記載のチューブ容器用包材。
  3. 前記第1紙基材層の面のうち前記外面側の面上に形成された印刷層を更に備える、請求項1に記載のチューブ容器用包材。
JP2021041692A 2021-02-22 2021-03-15 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 Active JP7286695B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021041692A JP7286695B2 (ja) 2021-02-22 2021-03-15 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP2022014455A JP7373135B2 (ja) 2021-03-15 2022-02-01 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021026404 2021-02-22
JP2021041692A JP7286695B2 (ja) 2021-02-22 2021-03-15 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021026404 Division 2021-02-22 2021-02-22

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022014455A Division JP7373135B2 (ja) 2021-03-15 2022-02-01 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022128365A JP2022128365A (ja) 2022-09-01
JP7286695B2 true JP7286695B2 (ja) 2023-06-05

Family

ID=87888633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021041692A Active JP7286695B2 (ja) 2021-02-22 2021-03-15 チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7286695B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196465A (ja) 2019-05-31 2020-12-10 大日本印刷株式会社 回折光沢ラミネートチューブ容器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61220840A (ja) * 1985-03-28 1986-10-01 共同印刷株式会社 押出チユ−ブ
JP4268230B2 (ja) * 1997-07-04 2009-05-27 大日本印刷株式会社 ラミネ−トチュ−ブ容器形成用積層材およびそれを使用したラミネ−トチュ−ブ容器
JP2006021816A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Dainippon Printing Co Ltd 発泡表面を有するチューブ容器とその製法
JP2008081898A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Kohjin Co Ltd 化粧シート
JP6409489B2 (ja) * 2014-10-16 2018-10-24 凸版印刷株式会社 ラミネートチューブの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196465A (ja) 2019-05-31 2020-12-10 大日本印刷株式会社 回折光沢ラミネートチューブ容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022128365A (ja) 2022-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5173184B2 (ja) 押出チューブ容器用積層体
JP2007210640A (ja) プルタブ、該プルタブを有する紙容器および紙容器入り飲料
WO2022177024A1 (ja) チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP7423893B2 (ja) チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP7286695B2 (ja) チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP5774270B2 (ja) 積層体およびそれを用いたチューブ容器
JP5453879B2 (ja) 積層体およびそれを用いたチューブ容器
JP2022042808A (ja) チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP7373135B2 (ja) チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP2000117879A (ja) バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP2009166884A (ja) 蓋材
JP2000127285A (ja) バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP7392467B2 (ja) チューブ容器
JP2000127287A (ja) バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP2020019212A (ja) 積層体および包装袋
JP4028046B2 (ja) 透明バリア性ポリプロピレンフィルム、それを使用した積層体および包装用容器
JP4857871B2 (ja) 紙容器
JP2023045987A (ja) ラミネートチューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JPH11105189A (ja) 透明バリア性ナイロンフィルム、それを使用した積層体および包装用容器
JP2000025150A (ja) 積層材
JP5459948B2 (ja) 紙カップ容器
JP7470298B2 (ja) 積層体、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
JP2024063503A (ja) チューブ容器及びキャップ付きチューブ容器
JP7088128B2 (ja) チューブ容器用シール材およびチューブ容器
JP2022185422A (ja) チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210316

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210316

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210823

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220201

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220201

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220210

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220215

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220401

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220405

C27B Notice of submission of publications, etc. [third party observations]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C2714

Effective date: 20221125

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230106

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230317

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7286695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150