JP2024063503A - チューブ容器及びキャップ付きチューブ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質の低下を抑制することが可能な、チューブ容器及びキャップ付きチューブ容器を提供する。【解決手段】チューブ容器10は、第1シーラント層51と、紙基材層52と、第2シーラント層53とを含む積層体50の対向する端部35同士を重ね合わせて、互いに接合した胴部シール部32を有する筒状の胴部チューブ30と、胴部シール部32を内側から覆う接合部材60と、胴部チューブ30に接合された頭部部材40と、を備えている。周方向における胴部シール部32の幅をWとし、周方向における接合部材60の長さをLとし、胴部シール部32において内側に位置する積層体50の紙基材層52の端縁から、接合部材60の端縁60a、60bのうち、一方の側の端縁60bまでの距離をDとした場合、W、L及びDは、1≦L/W≦4という関係、及び0.25≦D/L≦0.75という関係を満たす。【選択図】図5

Description

本開示は、チューブ容器及びキャップ付きチューブ容器に関する。
従来、紙を含む積層体を用いたチューブ容器が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、少なくとも発泡層として表面に熱可塑性樹脂層と紙層、内面に熱可塑樹脂層とを有する積層シートによりなる胴部を有するチューブ容器が開示されている。
特開2006-21816号公報
しかしながら、紙基材層を含む積層体を用いたチューブ容器では、積層体同士を重ね合わせて接合した接合部において、紙基材層の端面が露出し得る。このため、例えば、内容物が、端面から紙基材層内に染み込んでしまう可能性がある。
ここで、接合部の内面に、テープ等の接合部材を貼着することにより、紙基材層内への内容物の染み込みを抑制できる。一方、接合部材の長さが短い場合、接合部材の両端縁から、接合部材と積層体との間に内容物が入り込むことにより、内容物が、紙基材層内に染み込んでしまう可能性がある。また、接合部材の長さが長い場合、接合部材の両端縁近傍の領域において、接合部材と積層体との間の接着強度が低下するおそれがある。このように、接合部材と積層体との間の接着強度が低下した場合、接合部材の両端縁近傍の領域が、積層体から浮き上がってしまう可能性がある。これらの場合、チューブ容器の品質が低下するおそれがある。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、品質の低下を抑制することが可能な、チューブ容器及びキャップ付きチューブ容器を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様は、チューブ容器において、外側から順に配置された第1シーラント層と、紙基材層と、第2シーラント層とを含む積層体の対向する端部同士を重ね合わせて、互いに接合した接合部を有する筒状の胴部チューブと、前記接合部を内側から覆う接合部材と、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、前記接合部において、内側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁は、外側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁よりも周方向における一方の側に位置し、周方向における前記接合部の幅をWとし、周方向における前記接合部材の長さをLとし、前記接合部において内側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁から、前記接合部材の端縁のうち、前記一方の側の端縁までの距離をDとした場合、W、L及びDは、
1≦L/W≦4
という関係、及び
0.25≦D/L≦0.75
という関係を満たす、チューブ容器である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるチューブ容器において、前記接合部の厚み及び前記接合部材の厚みの合計厚みは、前記接合部以外の領域における前記胴部チューブの厚みの1.5倍以上1.8倍以下であっても良い。
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様によるチューブ容器において、前記接合部と、前記接合部以外の領域との間に、段差部が形成されていなくても良い。
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによるチューブ容器において、前記接合部の幅Wは、0.5mm以上2.0mm以下であっても良い。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるチューブ容器において、前記接合部材の長さLは、1.0mm以上4.0mm以下であっても良い。
本開示の第6の態様は、キャップ付きチューブ容器において、上述した第1の態様から上述した第4の態様のいずれかによるチューブ容器と、前記頭部部材に取り付けられたキャップと、を備える、キャップ付きチューブ容器である。
本開示によれば、チューブ容器の品質の低下を抑制できる。
図1は、内容物が充填された、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す部分垂直断面図である。 図2は、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図3は、本実施の形態による接合部材の層構成の一例を示す断面図である。 図4は、本実施の形態による接合部材の層構成の一例を示す断面図である。 図5は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの接合部を示す断面図(図1のV-V線断面図)である。 図6は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す斜視図である。 図7は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の製造方法を示す部分垂直断面図である。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図7は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されず、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
まず、図1により、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器10Aについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器10Aは、チューブ容器10と、チューブ容器10の後述する頭部部材40に取り付けられたキャップ20とを備えている。
このうち、チューブ容器10は、ラミネート成形チューブである筒状の胴部チューブ30と、胴部チューブ30の後述する胴部シール部(接合部)32を内側から覆う接合部材60と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えている。
ここでは、まず、チューブ容器10の頭部部材40について説明する。
図1に示すように、頭部部材40は、肩部41と口部42とを有している。このうち口部42には、キャップ20が装着されるようになっている。
このような頭部部材40は、後述するように、例えば圧縮成形法により成形される。また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。
次に、チューブ容器10の胴部チューブ30について説明する。図1に示す胴部チューブ30は、全体として略円筒形状を有している。この胴部チューブ30は、ラミネート成形された積層体50(図2参照)から構成されている。また、胴部チューブ30は、積層体50の対向する端部35(図6参照)同士を重ね合わせて、互いに接合した胴部シール部(接合部)32を有している。この胴部シール部32は、胴部チューブ30の長手方向に沿って形成されている。このような胴部チューブ30は、積層体50を円筒状に丸め、対向する端部35同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたチューブである。
また、胴部チューブ30は、積層体50同士を互いに接合した底シール部34を有している。この底シール部34は、胴部チューブ30の他端33に形成された開口部50B(図6及び図7参照)から、例えば、アルコールを含有するクレンジング用剤、日焼け止め、練り歯磨き、トリートメント、ボディクリーム、整髪剤(いわゆるヘアワックス)、その他の内容物Cを適量分充填した後に、当該開口部50B近傍の積層体50同士を互いに接合した部分である。
次に、積層体50の層構成について説明する。図2は、胴部チューブ30を構成する積層体50の層構成の一例を示している。図2に示すように、積層体50は、外側から順に配置された第1シーラント層51と、紙基材層52と、第2シーラント層53とを含んでいる。なお、積層体50において、「外側」は、チューブ容器10における「径方向の外側」に対応する。
具体的には、図2に示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、印刷層54と、第1シーラント層51と、紙基材層52と、第1接着層55aと、バリア層56と、第2接着層55bと、中間層57と、第2シーラント層53とをこの順に備えている。図2に示す例においては、印刷層54が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
以下、積層体50の各層について説明する。
(第1シーラント層及び第2シーラント層)
第1シーラント層51及び第2シーラント層53といったシーラント層は、それぞれ、積層体50同士、及び積層体50と接合部材60とを接着させるための層であり、シーラント層を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料が用いられる。この場合、シーラント層には、例えばポリオレフィンを用いることができる。具体的には、シーラント層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール等その他の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用できる。シーラント層がポリエチレンを含む場合、ポリエチレンはバイオマス由来のポリエチレンであっても良い。
本実施の形態において、シーラント層を作製する場合、例えば、まず、上記の樹脂の1種以上を主成分とする樹脂組成物に対して、所望の添加剤が任意に添加され得る。このようにして、所望の樹脂組成物が調製される。次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、インフレーション法、その他の成形法を用いて、シーラントとしてのフィルム又はシートが成形される。
なお、シーラント層の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機又は有機充填剤等を任意に添加した材料が用いられても良い。
本実施の形態において、第1シーラント層51の厚み及び第2シーラント層53の厚みは、それぞれ50μm以上250μm以下であることが好ましい。
(紙基材層)
紙基材層52は、例えば、第1シーラント層51及び第2シーラント層53を支持するとともに積層体50全体の強度を高めるための層である。
本実施の形態では、紙基材層52は、未晒紙又は半晒紙を含んでいても良い。これにより、積層体50に入射する光を遮断でき、チューブ容器10の遮光性を向上させることができる。このため、チューブ容器10に充填された内容物が、光によって劣化又は変質してしまうことを抑制できる。この場合、紙基材層52を構成する紙の坪量は、例えば50g/m2以上200g/m2以下であっても良く、70g/m2以上200g/m2以下であることが好ましい。ここで、本明細書中、「未晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が55以上70未満、a*が7以上11以下、b*が18以上25以下の範囲にある紙を意味する。また、「半晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が70以上85以下、a*が3以上12以下、b*が20以上35以下の範囲にある紙を意味する。
また、紙基材層52は、晒紙を含んでいても良い。晒紙は、耐光性に優れている。このため、紙基材層52が晒紙を含んでいることにより、チューブ容器10の胴部チューブ30が変色してしまうことを抑制できる。紙基材層52が晒紙を含む場合、紙基材層52を構成する紙の坪量は、例えば50g/m2以上200g/m2以下であっても良く、70g/m2以上200g/m2以下であることが好ましい。ここで、本明細書中、「晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が90以上98以下、a*が-1以上1以下、b*が-2以上10以下の範囲にある紙を意味する。
本実施の形態において、紙基材層52の厚みは、80μm以上300μm以下であることが好ましい。紙基材層52の厚みが80μm以上であることにより、胴部チューブ30の遮光性を向上させることができる。また、紙基材層52の厚みが300μm以下であることにより、胴部チューブ30の柔軟性が低下することを抑制できる。このため、チューブ容器10において、内容物を押し出しにくくなってしまうことを抑制できる。
なお、紙基材層52は、単層であっても良く、多層であっても良い。紙基材層52が多層である場合、紙基材層52のうちの少なくとも1層が未晒紙又は半晒紙を含んでおり、当該1層の厚みが80μm以上300μm以下であることが好ましい。
(印刷層)
印刷層54は、絵柄等の印刷が施された層であり、積層体50の意匠性を向上させるための層である。印刷層54としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用できる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル又はメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種又は2種以上を併用できる。印刷方法は、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式であっても良い。
(第1接着層及び第2接着層)
第1接着層55a及び第2接着層55bといった接着層は、第1シーラント層51、紙基材層52、第2シーラント層53等を互いに接着するための層である。接着層を構成する材料は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択できる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系又は有機チタン系等のアンカーコーティング剤が用いられても良い。また、接着層としては、例えば、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系又はその他のラミネート用接着剤等が任意に用いられても良い。
また、接着層を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアルコール、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー又は無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用できる。
本実施の形態において、接着層の厚みは、それぞれ3μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第1シーラント層51、紙基材層52又は第2シーラント層53等を互いに積層する方法は、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法又はその他の任意の方法であっても良い。また、上述したラミネートを行う際に、フィルムに、例えば、コロナ処理又はオゾン処理等の前処理が施されても良い。
(バリア層)
バリア層56は、酸素ガス及び水蒸気等の透過を抑制するための層である。バリア層56としては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、あるいは、内容物に対する保香性等を有する材料が用いられる。具体的には、バリア層56としては、例えば、アルミニウム箔、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、又はこれらの合金等あるいは、アルミニウム等の金属蒸着薄層を使用できる。バリア層56としてアルミニウム箔を使用する場合、バリア層56の厚みは、5μm以上20μm以下程度とすることができる。バリア層56としてアルミニウム箔を使用することにより、積層体50を容易に作製できる。
また、バリア層56としてアルミニウム等の金属蒸着層を使用する場合、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVapor Deposition法、PVD法)等を利用して、図示しない補強層上に、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜を形成できる。
バリア層56として、アルミニウムの金属蒸着層を使用する場合、バリア層56の厚みは、通常、50Å以上3000Å以下程度であることが好ましく、特に、100Å以上2000Å以下程度であることが好ましい。また、上記のアルミニウムの蒸着薄膜を支持する補強層(図示せず)の表面は、予め、蒸着膜の密着性を高めるために、例えば、蒸着プライマー等をコーティングでき、その他、所要の前処理を任意に施すことが可能である。
また、バリア層56は、従来公知の方法により形成できる透明蒸着層及びガスバリア層であっても良い。バリア層56が、透明蒸着層及びガスバリア層であることにより、積層体50を透明にすることもできる。この場合、バリア層56の透明蒸着層は、無機酸化物の蒸着層からなる透明蒸着層であっても良い。
透明蒸着層としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の酸化物の蒸着層を使用できる。特に、チューブ容器用としては、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素の蒸着層を備えることが好ましい。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0~2、アルミニウム(Al)は、0~1.5、マグネシウム(Mg)は、0~1、カルシウム(Ca)は、0~1、カリウム(K)は、0~0.5、スズ(Sn)は、0~2、ナトリウム(Na)は、0~0.5、ホウ素(B)は、0~1.5、チタン(Ti)は、0~2、鉛(Pb)は、0~2、ジルコニウム(Zr)は0~2、イットリウム(Y)は、0~1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0~2.0、アルミニウム(Al)は、0.5~1.5の範囲の値のものを使用できる。
透明蒸着層の厚みとしては、使用する無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50Å以上2000Å以下、好ましくは、100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着層の場合には、厚みは、50Å以上500Å以下、更に、好ましくは、100Å以上300Å以下が望ましい。
透明蒸着層は、図示しない補強層上に以下の形成方法を用いて形成できる。蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。具体的には、ローラー式蒸着層形成装置を用いて、成形ローラー上において蒸着層を形成できる。
(中間層)
中間層57は、積層体50の厚み及び強度等を調整するための層である。中間層57には、ポリエチレンテレフタレート、又はオレフィン樹脂が用いられても良い。より具体的には、中間層57としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、又は低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、若しくは中密度ポリエチレン等のポリエチレンフィルムが用いられることが好ましい。これらのポリエチレンフィルムは透明であっても良く、例えば乳白ポリエチレンフィルムのように着色されていても良い。中間層57として、乳白ポリエチレンフィルムが用いられることで積層体50の光沢性を際立たせることができる。中間層57の厚みは例えば50μm以上200μmであることが好ましい。
次に、チューブ容器10の接合部材60について説明する。接合部材60は、例えば、胴部シール部32を補強するためのテープであっても良い。
図3に示すように、接合部材60は、外側から順に配置された外側シーラント層61と、基材層62と、内側シーラント層63とを備えている。図3に示す例においては、外側シーラント層61が、接合部材60の外面601を構成し、内側シーラント層63が、接合部材60の内面602を構成する。なお、接合部材60において、「外側」は、チューブ容器10における「径方向の外側」に対応する。
また、図4に示すように、基材層62に積層されたバリア層64を更に備えていても良い。図4に示す例においては、接合部材60は、外側から順に配置された外側シーラント層61と、基材層62と、バリア層64と、内側シーラント層63とを備えている。なお、バリア層64が、外側シーラント層61と基材層62との間に設けられていても良い。図4に示す例においては、外側シーラント層61が、接合部材60の外面を構成し、内側シーラント層63が、接合部材60の内面を構成する。
以下、接合部材60の各層について説明する。
(外側シーラント層)
外側シーラント層61は、胴部チューブ30(積層体50)と接合部材60とを接着させるための層であり、外側シーラント層61を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料が用いられる。外側シーラント層61を構成する材料としては、例えば上述した第1シーラント層51と同様の材料を用いることができる。
本実施の形態において、外側シーラント層61の厚みは、15μm以上40μm以下であることが好ましい。
(基材層)
基材層62は、例えば、外側シーラント層61及び内側シーラント層63を支持するとともに接合部材60全体の強度を高めるための層である。基材層62を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルム乃至シート等が使用され得る。一例として、基材層62は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン又はポリオレフィンを含んでいても良い。
基材層62を構成する材料としてポリオレフィン系樹脂が使用される場合、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、押し出し低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのフィルムが使用され得る。
上述した樹脂のフィルム乃至シートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用できる。
本実施の形態において、基材層62の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
(内側シーラント層)
内側シーラント層63は、胴部チューブ30(積層体50)と接合部材60とを接着させるための層であり、内側シーラント層63を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料が用いられる。内側シーラント層63を構成する材料としては、例えば上述した第1シーラント層51と同様の材料を用いることができる。
ここで、内側シーラント層63の厚みは、接合部材60の厚みの33%以上45%以下であることが好ましい。内側シーラント層63の厚みが接合部材60の厚みの33%以上であることにより、後述するように内側シーラント層63を溶融させた際に、内側シーラント層63を積層体50の第2シーラント層53に接着させることができる(図5参照)。また、内側シーラント層63の厚みが接合部材60の厚みの45%以下であることにより、接合部材60の全体としての厚みを薄くできる。
また、内側シーラント層63の厚みは、基材層62の厚みの1.0倍以上4.0倍以下であることが好ましい。内側シーラント層63の厚みが基材層62の厚みの1.0倍以上であることにより、内側シーラント層63を溶融させた際に、基材層62の端面62aを覆いやすくなる。この場合、後述するように、基材層62の端面62aよりも周方向の外側の領域において、接合部材60の厚みが、外側へ向かうにつれて、徐々に薄くなるようにできる。また、内側シーラント層63の厚みが基材層62の厚みの4.0倍以下であることにより、接合部材60の全体としての厚みを薄くできる。
本実施の形態において、内側シーラント層63の厚みは、15μm以上40μm以下であることが好ましい。
(バリア層)
バリア層64は、酸素ガス及び水蒸気等の透過を抑制するための層である。バリア層64としては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、あるいは、内容物に対する保香性等を有する材料が用いられる。バリア層64は、例えば上述した積層体50のバリア層56と同様の層であっても良い。
ところで、上述したように、胴部シール部32において、積層体50同士が重ね合わされている。そして、胴部シール部(接合部)32において、胴部チューブ30の径方向の内側(以下、単に内側という)に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bは、胴部チューブ30の径方向の外側(以下、単に外側という)に位置する積層体50aの紙基材層52の端縁52aよりも周方向における一方の側(図5の左側)に位置している。このとき、図5に示すように、外側に位置する積層体50aの第1シーラント層51aが、溶融している。そして、当該積層体50aの第1シーラント層51aは、当該積層体50aの紙基材層52の端縁52aを覆っている。これにより、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。また、当該積層体50aの第1シーラント層51aは、胴部シール部32において内側に位置する積層体50bの第1シーラント層51bに接着している。これにより、外側に位置する積層体50aと、内側に位置する積層体50bとの間の接合強度を高めることができる。このため、外側に位置する積層体50aが、内側に位置する積層体50bから剥がれてしまう不具合を抑制できる。なお、図5において、図面を明瞭にするために、印刷層54等の図示を省略している。
また、外側に位置する積層体50aの第2シーラント層53aが、溶融している。そして、当該積層体50aの第2シーラント層53aは、内側に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bを覆っている。これにより、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。また、内側に位置する積層体50bの第2シーラント層53bが、溶融している。そして、当該積層体50bの第2シーラント層53aは、外側に位置する積層体50aの第2シーラント層53aに接着している。これにより、外側に位置する積層体50aと、内側に位置する積層体50bとの間の接合強度を高めることができる。このため、外側に位置する積層体50aが、内側に位置する積層体50bから剥がれてしまう不具合を抑制できる。
また、図5に示すように、接合部材60の外側シーラント層61及び内側シーラント層63が、溶融している。そして、接合部材60の内側シーラント層63は、接合部材60の基材層62の端面62aを覆っている。また、溶融した内側シーラント層63は、積層体50の第2シーラント層53に接着している。これにより、積層体50と接合部材60との間の接合強度を高めることができる。このため、積層体50と接合部材60との間に内容物が浸透することを抑制できる。この結果、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。
また、接合部材60の外側シーラント層61及び内側シーラント層63が、溶融していることにより、基材層62の端面62aよりも周方向の外側の領域において、接合部材60の厚みは、外側へ向かうにつれて、徐々に薄くなっている。これにより、胴部シール部32を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、接合部材60の端縁60a、60bに、局所的に大きな力が作用することを抑制できる。このため、胴部シール部32を長手方向に沿って折り曲げた場合であっても、胴部シール部32において、接合部材60が、積層体50から剥がれるきっかけとなる部分が形成されることを抑制できる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合を効果的に抑制できる。このため、積層体50と接合部材60との間に内容物が浸透することを抑制できる。
ここで、周方向における胴部シール部(接合部)32の幅をWとし、周方向における接合部材60の長さをLとする。このとき、幅W及び長さLは、
1≦L/W≦4
という関係を満たしていることが好ましい。このように、幅W及び長さLが、1≦L/Wという関係を満たしていることにより、接合部材60が、胴部シール部32を覆いやすくなる。このため、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。また、幅W及び長さLが、L/W≦4という関係を満たしていることにより、胴部シール部32の幅Wに対して、接合部材60の長さLが長くなりすぎることを抑制できる。このため、接合部材60の端縁60a、60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接合不良が発生することを抑制できる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合を効果的に抑制できる。
また、胴部シール部(接合部)32において内側に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bから、接合部材60の端縁60a、60bのうち、一方の側(図5の左側)の端縁60bまでの距離をDとした場合、
長さL及び距離Dは、
0.25≦D/L≦0.75
という関係を満たしていることが好ましい。このように、長さL及び距離Dが、0.25≦D/Lという関係を満たしていることにより、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することをより効果的に抑制できる。また、長さL及び距離Dが、D/L≦0.75という関係を満たしていることにより、接合部材60の端縁60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接合不良が発生することをより効果的に抑制できる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合をより効果的に抑制できる。
ここで、胴部シール部32の厚み及び接合部材60の厚みの合計厚みT1は、胴部シール部32以外の領域における胴部チューブ30の厚みT2の1.5倍以上1.8倍以下であることが好ましい。合計厚みT1が厚みT2の1.5倍以上であることにより、胴部シール部(接合部)32において、第1シーラント層51a、51b及び第2シーラント層53a、53bの合計厚みが薄くなりすぎることを抑制できる。このため、外側に位置する積層体50aと、内側に位置する積層体50bとの間の接合強度が低下することを抑制できる。また、合計厚みT1が厚みT2の1.5倍以上であることにより、胴部シール部(接合部)32において、シワが発生することを抑制できる。また、合計厚みT1が厚みT2の1.8倍以下であることにより、胴部シール部32と、胴部シール部32以外の領域との間において、厚みの変化量を小さくできる。ここで、頭部部材40を圧縮成形する際、後述するように、胴部チューブ30は図示しない金型内に挿着される。このため、胴部シール部32と、胴部シール部32以外の領域との間にいて、厚みの変化量が小さい場合、胴部チューブ30を図示しない金型内に挿着する際に、胴部チューブ30を金型内に挿着しやすくなる。このため、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際の成形工程を容易に行うことができる。なお、胴部シール部32以外の領域における胴部チューブ30の厚みT2は、チューブ容器10の中心軸線CL(図1参照)を中心に、胴部シール部32から90°以上270°以下回転させた領域における厚みを意味する。
本実施の形態では、胴部シール部32と、胴部シール部32以外の領域との間に、段差部が形成されていない。これにより、胴部チューブ30を図示しない金型内に挿着する際に、胴部チューブ30と金型とが干渉することを抑制できる。このため、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際の成形工程を容易に行うことができる。
また、胴部シール部32の幅Wは、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。胴部シール部32の幅Wが0.5mm以上であることにより、積層体50同士の接合強度を高めることができる。また、胴部シール部32の幅Wが2.0mm以下であることにより、胴部チューブ30の周方向の長さが長くなりすぎることを抑制できる。このため、胴部チューブ30に使用する樹脂量を低減できる。
さらに、接合部材60の長さLは、1.0mm以上4.0mm以下であることが好ましい。接合部材60の長さLが1.0mm以上であることにより、接合部材60が、胴部シール部32の全体を覆いやすくなる。また、接合部材60の長さLが4.0mm以下であることにより、接合部材60の長さLが長くなりすぎることを抑制でき、接合部材60の端縁60a、60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接合不良が発生することを抑制できる。
次に、図6及び図7を参照して、キャップ付きチューブ容器10Aの製造方法について説明する。
まず、例えば、図2に示す積層体50を準備する。次に、例えば、図6に示すように、積層体50を円筒状に丸めることにより、その端部35同士が重ね合わされる。次いで、端部35において積層体50の外面501と内面502とがヒートシールされて胴部チューブ30が作製される。
この場合、積層体50の外面501側に設けられた第1シーラント層51(図2参照)と、内面502側に設けられた第2シーラント層53(図2参照)とが溶融して接合され、胴部チューブ30が得られる。その後、接合部材60を胴部シール部32にヒートシールすることにより、胴部シール部32が、接合部材60によって内側から覆われる。
次に、圧縮成形法により上述したチューブ容器10を製造する。この際、胴部チューブ30が図示しない金型内に挿着され、金型内に、図示しない樹脂供給装置から溶融した樹脂を供給することにより、胴部チューブ30の一方の開口部50Aに、頭部部材40が圧縮成形される。これにより、胴部チューブ30と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えるチューブ容器10が得られる(図7参照)。
なお、上述したように、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、射出成形法により行われても良い。
次に、得られたチューブ容器10の頭部部材40にキャップ20が装着され、キャップ20が装着されたキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。その後、複数のキャップ付きチューブ容器10Aは、内容物Cを充填するための工場等へ搬送される。
そして、内容物Cを充填するための工場等へ搬送されたキャップ付きチューブ容器10Aは、胴部チューブ30の開口部50B(図7参照)から、例えば、日焼け止め、ハンドクリーム、クレンジング用剤、練り歯磨き、その他の内容物Cが適量分だけ充填される。そして、開口部50Bを溶着することにより底シール部34(図1参照)を形成して、内容物Cを充填包装したキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
以上のように本実施の形態によれば、胴部シール部(接合部)32において、内側に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bが、外側に位置する積層体50aの紙基材層52の端縁52aよりも周方向における一方の側に位置している。そして、周方向における胴部シール部32の幅をWとし、周方向における接合部材60の長さをLとし、胴部シール部32において内側に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bから、接合部材60の端縁60a、60bのうち、一方の側の端縁60bまでの距離をDとした場合、W、L及びDは、
1≦L/W≦4
という関係、及び
0.25≦D/L≦0.75
という関係を満たしている。このように、幅W及び長さLが、1≦L/Wという関係を満たしていることにより、接合部材60が、胴部シール部32を覆いやすくなり、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。また、幅W及び長さLが、L/W≦4という関係を満たしていることにより、胴部シール部32の幅Wに対して、接合部材60の長さLが長くなりすぎることを抑制できる。このため、接合部材60の端縁60a、60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接合不良が発生することを抑制できる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合を効果的に抑制できる。
また、長さL及び距離Dが、0.25≦D/Lという関係を満たしていることにより、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することをより効果的に抑制できる。また、長さL及び距離Dが、D/L≦0.75という関係を満たしていることにより、接合部材60の端縁60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接合不良が発生することをより効果的に抑制できる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合をより効果的に抑制できる。
このように、本実施の形態では、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できる。このため、従来のチューブ容器と比較して、胴部チューブ30を構成する積層体50の第2シーラント層53を薄くできる。この結果、胴部チューブ30に使用する樹脂量を低減できる。
また、本実施の形態によれば、胴部シール部32と、胴部シール部32以外の領域との間に、段差部が形成されていない。これにより、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際の成形工程を容易に行うことができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、図2に示す積層体50を作製した。この際、まず、紙基材層52として、未晒紙(クラフト紙)(78g)を準備した。また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した紙基材層52上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、紙基材層52上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、65μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙
上記において、「PE」は、ポリエチレンを意味している(以下同様)。
また、バリア層56として、アルミニウム箔(厚み9μm)を準備した。さらに、中間層57として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。そして、バリア層56としてのアルミニウム箔と、中間層57としてのポリエチレンテレフタレートフィルムとをドライラミネート法により接着させて、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
ALM/DL/PET
上記において、「DL」は、ドライラミネート法による接着層を意味している。また、「PET」は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを意味している(以下同様)。
次に、第2シーラント層53として、ポリエチレンフィルム(厚み150μm)を準備した。そして、押出ラミネート法を用いて、第2中間体のポリエチレンテレフタレートフィルム上に第2シーラント層53としてのポリエチレンフィルムを積層した。このようにして、積層体50の第3中間体を作製した。得られた第3中間体の層構成は、以下の通りである。
ALM/DL/PET/PEF
上記において、「PEF」は、ポリエチレンフィルムを意味している(以下同様)。
次いで、押出ラミネート法を用いて、第1中間体と第3中間体とを積層して、積層体50の第4中間体を作製した。この際、紙基材層52上に、接着層としてのエチレン-メタクリル酸共重合体を押し出し、押出ラミネート法を用いて、第3中間体を接着層上に積層した。なお、接着層の厚みは、20μmとした。得られた第4中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙/EMAA/ALM/DL/PET/PEF
上記において、「EMAA」は、エチレン-メタクリル酸共重合体を意味している(以下同様)。
その後、第1シーラント層51の一部の上に、印刷層54を形成した。このようにして、図2に示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
印/PE/未晒紙/EMAA/ALM/DL/PET/PEF
上記において、「印」は印刷層を意味している(以下同様)。
また、得られた積層体50を用いて、図1に示すチューブ容器10を作製した。このとき、胴部シール部32の幅Wは、1.0mmとした。また、接合部材60の長さLは、1.0mmとした。さらに、胴部シール部32において内側に位置する積層体50bの紙基材層52の端縁52bから、接合部材60の端縁60bまでの距離Dは、0.25mmとした。
また、接合部材60としては、以下の層構成を有するテープを使用した。
PE(厚み25μm)/PET(厚み25μm)/PE(厚み25μm)
(1)浸漬試験
次に、浸漬試験を行った。この際、まず、接合部材60の内面に、ミクロチェック浸透液を噴霧した。そして、6時間経過後、胴部シール部32を切断して、光学顕微鏡にて、紙基材層52内へのミクロチェック浸透液の染み込みの有無を観察した。
(2)外観評価
次に、接合部材60及び胴部シール部32を切断して、光学顕微鏡にて、接合部材60及び胴部シール部32の水平断面形状を観察した。
(実施例2)
接合部材60の長さLが4.0mmであったこと、距離Dが3.00mmであったこと、以外は実施例1と同様にして、浸漬試験及び外観評価を行った。
(比較例1)
接合部材60の長さLが0.5mmであったこと、距離Dが0.01mmであったこと、以外は実施例1と同様にして、浸漬試験及び外観評価を行った。
(比較例2)
接合部材60の長さLが4.5mmであったこと、距離Dが3.50mmであったこと、以外は実施例1と同様にして、浸漬試験及び外観評価を行った。
以上の結果を表1及び表2に示す。
Figure 2024063503000002
Figure 2024063503000003
なお、上記表2の浸漬試験の欄において、「○」は、紙基材層52内へのミクロチェック浸透液の染み込みが見られなかったことを意味する。また、「×」は、紙基材層52内へのミクロチェック浸透液の染み込みが見られたことを意味する。
また、上記表2の外観評価の欄において、「○」は、接合部材60の内側シーラント層63が、胴部チューブ30の第2シーラント層53に接着していたことを意味する。また、「×」は、接合部材60の内側シーラント層63が、胴部チューブ30の第2シーラント層53に接着していなかったことを意味する。
この結果、L/Wが0.5であり、D/Lが0.20である比較例1によるチューブ容器では、浸漬試験において、紙基材層52内へのミクロチェック浸透液の染み込みが見られた。一方、L/Wが1.0及び4.0であり、D/Lが0.25及び0.75である実施例1及び実施例2によるチューブ容器10では、浸漬試験において、紙基材層52内へのミクロチェック浸透液の染み込みが見られなかった。
また、L/Wが4.5であり、D/Lが0.78である比較例2によるチューブ容器では、外観評価において、接合部材60の内側シーラント層63が、胴部チューブ30の第2シーラント層53に接着していなかった。一方、L/Wが1.0及び4.0であり、D/Lが0.25及び0.75である実施例1及び実施例2によるチューブ容器10では、外観評価において、接合部材60の内側シーラント層63が、胴部チューブ30の第2シーラント層53に接着していた。この場合、接合部材60の端縁60a、60b近傍において、積層体50と接合部材60との間の接着強度を効果的に高めることができると考えられる。この結果、接合部材60が、積層体50から剥がれてしまう不具合を効果的に抑制でき、胴部シール部32において、紙基材層52内へ内容物が浸透することを抑制できると考えられる。
このように、本実施の形態によれば、チューブ容器10の品質の低下を抑制できることがわかった。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
10 チューブ容器
10A キャップ付きチューブ容器
20 キャップ
30 胴部チューブ
31 一端
32 胴部シール部
35 端部
40 頭部部材
50 積層体
50a 積層体
50b 積層体
51 第1シーラント層
52 紙基材層
52a 端縁
52b 端縁
53 第2シーラント層
60 接合部材
60a 端縁
60b 端縁

Claims (6)

  1. チューブ容器において、
    外側からから順に配置された第1シーラント層と、紙基材層と、第2シーラント層とを含む積層体の対向する端部同士を重ね合わせて、互いに接合した接合部を有する筒状の胴部チューブと、
    前記接合部を内側から覆う接合部材と、
    前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、
    前記接合部において、内側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁は、外側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁よりも周方向における一方の側に位置し、
    周方向における前記接合部の幅をWとし、
    周方向における前記接合部材の長さをLとし、
    前記接合部において内側に位置する前記積層体の前記紙基材層の端縁から、前記接合部材の端縁のうち、前記一方の側の端縁までの距離をDとした場合、
    W、L及びDは、
    1≦L/W≦4
    という関係、及び
    0.25≦D/L≦0.75
    という関係を満たす、チューブ容器。
  2. 前記接合部の厚み及び前記接合部材の厚みの合計厚みは、前記接合部以外の領域における前記胴部チューブの厚みの1.5倍以上1.8倍以下である、請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記接合部と、前記接合部以外の領域との間に、段差部が形成されていない、請求項1に記載のチューブ容器。
  4. 前記接合部の幅Wは、0.5mm以上2.0mm以下である、請求項1に記載のチューブ容器。
  5. 前記接合部材の長さLは、1.0mm以上4.0mm以下である、請求項1に記載のチューブ容器。
  6. キャップ付きチューブ容器において、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチューブ容器と、
    前記頭部部材に取り付けられたキャップと、を備える、キャップ付きチューブ容器。
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