JP7129020B2 - チューブ容器およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、チューブ容器およびその製造方法に関する。
従来、チューブ容器として、ラミネートチューブ容器と押し出しチューブ容器とが知られている。このうちラミネートチューブ容器は、ラミネートチューブとキャップとが一体化されたものであり、押し出しチューブ容器は、押し出しチューブとキャップとが一体化されたものである。
一般に、ラミネートチューブ容器は、胴部(ラミネートチューブ)と肩部とキャップとから構成されている。ラミネートチューブ容器の製造工程は、ラミネート層からなる胴部を製筒する工程と、胴部に対して肩部の成形を行う工程と、別途成形したキャップを肩部に装着する工程とから成り立っている。ここで、キャップがスクリューキャップである場合には、チューブ使用時にチューブ-キャップ間の開閉が行われるが、キャップがヒンジキャップである場合には、開閉はヒンジ蓋の開閉でのみ行われ、チューブ-キャップ間の開閉は行われない。
また従来、ヒンジキャップを胴部に直接一体成形することにより作製された一体成形チューブ容器が知られている(例えば特許文献1参照)。この一体成形チューブ容器は、押し出しチューブ容器であり、押し出しチューブからなる胴部とキャップとを一体成形することにより、キャップと胴部とが一体化されたものである。このような一体成形を行うことにより、別途肩部を成形する必要がなくなるため、肩部の樹脂量を削減することができる。また、キャップと胴部との間に隙間が存在しないため、塵や水の浸潤を防ぐことができる。
特開2005-001717号公報
一方で、従来の押し出しチューブ容器においては、胴部にアルミニウム等の金属層を入れ込むことは困難であり、ハイバリア性をもつチューブ容器を実現することが難しいという課題がある。また、押し出しチューブ容器においては、胴部に印刷を施す場合、その印刷方式が表刷りのみに限定されるため、コストが高く、意匠性も低いという課題がある。
これに対して従来のラミネートチューブ容器では、胴部にアルミニウム等の金属層を入れ込むことが可能であるが、胴部に含まれるシーラント層として一般的なポリエチレンを用いているため、シーラント層と、ポリプロピレン製キャップとの接着強度が低いという課題がある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ラミネート成形されたチューブを用いつつ、このラミネート成形チューブとキャップとの接合強度を高めることが可能な、チューブ容器およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、チューブと、前記チューブの一端に接合され、ヘッドとキャップとが一体化されたキャップ装置と、を備えたチューブ容器において、前記チューブは、ラミネート成形された積層体シートを有し、前記積層体シートは、シーラント層としてのメタロセンポリエチレン層を含み、前記キャップ装置は、メタロセンポリプロピレンを含む、チューブ容器である。
本発明は、前記キャップ装置は、改質剤を含む、チューブ容器である。
本発明は、前記積層体シートは、バリア層を含む、チューブ容器である。
本発明は、前記バリア層は、金属箔又は金属蒸着フィルムを含む、チューブ容器である。
本発明は、積層体シートを準備する工程と、前記積層体シートをマンドレルに巻き付け、前記マンドレルの一端に金型を装着する工程と、前記金型内に射出樹脂を射出することにより、ヘッドとキャップとが一体化されたキャップ装置を成形する工程と、を備え、前記積層体シートは、シーラント層としてのメタロセンポリエチレン層を含み、前記キャップ装置は、メタロセンポリプロピレンを含む、チューブ容器の製造方法である。
本発明によれば、ラミネート成形されたチューブを用いつつ、このラミネート成形チューブとキャップとの接合強度を高めることができる。
図1は、本実施の形態によるチューブ容器を示す側面図であって、キャップ装置が閉鎖状態にあるときの図。 図2は、本実施の形態によるチューブ容器を示す平面図であって、キャップ装置が閉鎖状態にあるときの図。 図3は、本実施の形態によるチューブ容器を示す側面図であって、キャップ装置が開放状態にあるときの図。 図4は、本実施の形態によるチューブ容器のキャップ装置をヘッドの内面側から見た底面図。 図5は、本実施の形態によるチューブ容器を示す部分垂直断面図。 図6は、チューブの積層体シートの層構成を示す断面図。 図7(a)-(d)は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す概略図。 図8(a)は、メタロセンポリマーの分子構造を示す概略図であり、図8(b)は、一般的なポリマーの分子構造を示す概略図。
以下、本発明によるチューブ容器の一実施の形態について、図1乃至図5を用いて説明する。図1乃至図5は、本発明の一実施の形態によるチューブ容器を示す図である。このうち図1は、チューブ容器10の側面図であり、図2は、チューブ容器10の平面図であり、図3は、チューブ容器10の側面図である。また、図4はキャップ装置20の底面図であり、図5は、チューブ容器10の部分垂直断面図である。なお、図1乃至図5において、内容物を充填した後の底部シールがなされていない空の状態のチューブ容器10を示している。
図1乃至図5に示すように、本実施の形態によるチューブ容器10は、ラミネート成形チューブであるチューブ50と、チューブ50の一端51に接合され、ヘッド21とキャップ22とが一体化されたキャップ装置20とを備えている。
このうちキャップ装置20は、ヘッド21と、ヘッド21に連結されたキャップ22とを有している。ヘッド21とキャップ22とは、中央にヒンジ25が設けられた一対の連結体23と帯状体24とを介して互いに連結されている。これにより、キャップ22は、ヘッド21に対して、連結体23のヒンジ25を軸として自由に回動可能であり、ヘッド21の上面を覆う蓋としての機能を果たす。なお、ヘッド21、キャップ22、一対の連結体23および帯状体24は、後述するように樹脂(メタロセンポリプロピレン)により一体形成されている。
ヘッド21は、略中央に注出口26を有する上板29と、上板29の周囲に設けられた肩部27と、肩部27の周囲に設けられた接合部28とを有している。これら上板29、肩部27および接合部28は、樹脂(メタロセンポリプロピレン)により一体形成されている。上板29は、平板状であり、平面視略円形状を有している。また、肩部27は、上板29を構成する平面に対して傾斜しており、上板29からチューブ50側に向けて徐々にその径が広くなっている。注出口26は、上板29の略中心部に設けられているが、注出時の使い勝手を良くし、キャップ22の栓部34(後述)との嵌合を容易にするために、連結体23から離れるよう偏心して設けても良い。
また、図4に示すように、ヘッド21には、正面側(注出口26に対してヒンジ25の反対側)の肩部27から上板29にわたる内面に、一対の補強リブ31、31が互いに平行に立設されている。補強リブ31、31は、開閉操作時に加えられるヘッド21への正面側からの応力に対し、剛性を付与するものである。これにより、上板29全体の応力変形を小さくすることができ、注出口26の軽快な開閉操作を行うことができるとともに、ヘッド21の内面の内容物残留量を極力減少させることができる。
キャップ22は、平らな蓋板32と、蓋板32の周辺を取り囲むように形成された略円筒状の側壁33とを有している。蓋板32の略中央部には突出した栓部34が設けられている。また、栓部34の先端部には環状アンダーカット35が設けられ、注出口26の内壁の嵌合部36との嵌合をより完全なものとしている。キャップ22の側壁33の端部内側で回転半径の最も大きな部分には突起37が形成されている。この突起37が、ヘッド21の上板29の上面に形成された凹陥部38に嵌合することにより、キャップ22は上板29上に確実に係止される。このように本実施の形態によるチューブ容器10では、注出口26と栓部34とによる第1の係止機能に加えて、側壁33の突起37と凹陥部38とによる第2の係止機能を備えることによって、不用意な内容物の漏れを未然に防止することができる。また、蓋板32のヒンジ25を回転軸とする回転半径の最も大きな部分にキャップ22を開き易くする突出片39が設けられている。
キャップ22の表面(閉鎖された蓋板32の表面)は平らに成形されているので、チューブ容器10に内容物を充填することにより作製された商品は、倒立性(頭部を下にした時の自立性)を有し、店頭における展示陳列時および使用場所での不使用時には、倒立させて置くことができる。さらに蓋板32の中央部を僅かに凹面化させることで、自立を安定化することができる。また、キャップ22の指先での開放操作のため、キャップ22に突出片39を設け、さらにキャップ装置20の閉鎖時における突出片39の下部にあたる肩部27の一部を、他の部分より内側に削った略平面部41を形成し、指が突出片39に掛かり易くしている。また、内容物を充填する前のチューブ容器10において、キャップ装置20の周辺からチューブ50の外径を超えて突出する部分がないので、成形後の印刷機、充填機等への供給、箱詰め等への移送および整列をスムーズに行うことができる。
このようなキャップ装置20は、図4に示すように、ヘッド21とキャップ22とが180度開いたフラットな形状で例えば射出成形法により成形される。この成形されたキャップ装置20は、金型71(後述)から取り出され、直後にヒンジ25で折り曲げ、癖付けされる。このことにより、それ以降は図3に示すように、キャップ22がヘッド21の上板29に対して約135度開いた位置で止まるようになる。この角度は、ヒンジ25を有する連結体23と帯状体24からなる連結部の設計により適宜変えることができる。
本実施の形態において、キャップ装置20は、メタロセンポリプロピレンを含む樹脂材料から作製される。ここでメタロセンポリプロピレンとは、メタロセン触媒(カミンスキー触媒)を使用して重合したポリプロピレンである。メタロセンポリプロピレンは、キャップ装置20に対して85質量%以上100質量%以下含有するようにしても良い。このようにキャップ装置20がメタロセンポリプロピレンを含むことにより、後述するようにチューブ50のメタロセンポリエチレン層(第1シーラント層56)との接合強度を高めることができる。
また、キャップ装置20を構成する材料には、さらに改質剤が含まれていても良い。改質剤は、メタロセンポリプロピレン中に混合することにより、メタロセンポリプロピレンを良好に分散させる機能をもつ。このようにキャップ装置20が改質剤を含むことにより、キャップ装置20とチューブ50との接合強度をより高めることができる。このような改質剤としては、例えばエチレン・α-オレフィンコポレマーを挙げることができる。なお、改質剤は、キャップ装置20に対して0.5質量%以上15質量%以下だけ含まれていても良い。
次に、チューブ50について説明する。図1乃至図5に示すように、チューブ50は、全体として略円筒形状を有している。このチューブ50は、ラミネート成形された積層体シート55(図6参照)から構成されており、この積層体シート55を円筒状に丸め、対向する端部同士を例えばヒートシールにより接合して得られたものである。このため、チューブ50には、その長手方向に沿って積層体シート55の繋ぎ目52が形成されている。このチューブ50の厚みは、例えば200μm以上550μm以下としても良い。
次に、積層体シート55の層構成について説明する。図6は、チューブ50を構成する積層体シート55の層構成の一例を示している。図6に示すように、積層体シート55は、内面から外面に向かって順に配置された、第1シーラント層56と、バリア層57と、中間層58と、印刷基材層58Aと、第2シーラント層59とを有している。
なお、第1シーラント層56とバリア層57とは押出ラミネート(EC)により接合され、バリア層57と中間層58とはアンカーコート層(AC)及び押出ラミネート(EC)により接合され、中間層58と印刷基材層58Aとはアンカーコート層(AC)及び押出ラミネート(EC)により接合され、印刷基材層58Aと第2シーラント層59とはドライラミネート(DL)により接合されている。
第1シーラント層56は、熱によって溶融して融着することにより、キャップ装置20と接合される層であり、メタロセンポリエチレン層から構成される。ここでメタロセンポリエチレンとは、メタロセン触媒(カミンスキー触媒)を使用して重合したポリエチレンである。この第1シーラント層56の厚みは、例えば50μm以上200μm以下としても良い。このように第1シーラント層56がメタロセンポリプロピレンを含むことにより、この第1シーラント層56と、キャップ装置20を構成するメタロセンポリプロピレンとを高い接合強度で接合することができる。
バリア層57は、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性、太陽光、特に紫外線に対する遮光性、中身の香気成分の保香性等を有する材料が用いられても良い。またバリア層57の外表面には、蒸発された無機物が付着した蒸着膜が形成されても良い。バリア層57を構成する基材には、蒸着膜が形成される際の強度を充分に有し、かつ蒸着膜を良好に保持する樹脂フィルムを用いることができる。より具体的には、バリア層57の基材としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタラートフィルムが用いられ、蒸着膜の材料としてはシリカ(酸化珪素:SiOx)が用いられることが好ましい。バリア層57の厚さは例えば5μm以上25μm以下であることが好ましい。
バリア層57の基材としては、ポリエチレンテレフタレートのほか、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、バリア層57は、金属箔又は金属蒸着フィルムを有していても良い。この場合、金属箔又は金属蒸着フィルムを構成する材料としては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、あるいは、内容物に対する保香性等を有する素材等を使用することができる。具体的には、上記のバリア性素材としては、例えば、アルミニウム箔、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、またはこれらの合金等あるいは、アルミニウム等の蒸着薄膜を有する樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。上記金属箔としては、例えば厚さ5μm以上20μm以下のアルミニウム箔を使用することができ、また、上記金属蒸着フィルムとしては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PVD法)等を利用して、樹脂のフィルムの上に、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜を形成した樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
中間層58は、積層体シート55の厚さを調整するために設けられる。中間層58にはオレフィン樹脂を用いることができる。より具体的には、中間層58としては、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレンフィルムが用いられることが好ましい。これらのポリエチレンフィルムは透明であっても良く、例えば乳白ポリエチレンフィルムのように着色されていても良い。中間層58として、乳白ポリエチレンフィルムが用いられることで積層体シート55の光沢性を際立たせることができる。中間層58の厚さは例えば50μm以上200μmであることが好ましい。なお、中間層58には、印刷層が設けられていても良い。
印刷基材層58Aは、印刷が施された層であり、基材層上に印刷層を形成したものであっても良い。基材層としては、例えば、押し出し低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのフィルムを用いることができる。また、印刷層としては、ウレタン硬化インキや、紫外線(UV)の照射でインキが硬化するUV硬化インキが用いられることが好ましい。UV硬化インキには、光重合性ポリマー、光重合開始剤、顔料や染料等の着色剤等が含まれる。
第2シーラント層59は、熱によって溶融し、融着する材料であれば良い。第2シーラント層59には例えばポリオレフィンのフィルムを用いることができる。より具体的には、第2シーラント層59としては、低温シール性に優れるポリエチレンのフィルム、特に低密度ポリエチレン(LDPE)のフィルムが用いられることが好ましい。第2シーラント層59の厚さはそれぞれ50μm以上200μmであることが好ましい。第2シーラント層59としては、低密度ポリエチレン(LDPE)のほか、例えば、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
本実施の形態によるチューブ容器10におけるチューブ50とキャップ装置20との接合は、チューブ50の端部内面とヘッド21の接合部28の外面間で、熱接着手段によって行われている。しかしながら、これに限定されることはなく、チューブ50の端部外面とヘッド21の接合部28の内面間、あるいは予めヘッド21の接合部28の端縁に溝状の凹陥部を設け該凹陥部にチューブ50の端部を装着して熱接着を行ってもよい。なお、いずれの場合においても、第1シーラント層56は、少なくともヘッド21の接合部28側を向く面に形成される。熱接着手段は、インモールド射出成形法、ホットエアー加熱、高周波加熱、超音波加熱、ヒートシールなどの方法を用いることができるが、インモールド射出成形法が最も効果的に用いられる。
次に、図7(a)-(d)を参照して、インモールド射出成形法を用いて上述したチューブ容器10を製造する方法について説明する。
まず、図7(a)に示すように、積層体シート55を準備する。この場合、第1シーラント層56、バリア層57、中間層58、印刷基材層58A、第2シーラント層59を互いに積層したシート材料を作製し、このシート材料を適宜所定の大きさにカットすることにより、積層体シート55を得る。
次に、図7(b)に示すように、積層体シート55を丸め、対向する端部同士を例えばヒートシールにより接合することにより円筒状に製筒する。
次いで、図7(c)に示すように、この円筒状の積層体シート55(チューブ50)をマンドレル72に巻き付け、マンドレル72の一端に、キャップ装置20の射出成形用の金型71を装着する。すなわち、予め筒状に成形された積層体シート55(チューブ50)を、先端部がヘッド21を射出成形するためのコアとなっているマンドレル72に差し込んだ状態で、キャップ装置20を成形する金型71のキャビティ内に所定の位置まで進入させる。
続いて、金型71内に、図示しない射出装置からメタロセンポリプロピレンを含む溶融した射出樹脂を射出することにより、ヘッド21とキャップ22とが一体化されたキャップ装置20を成形する。この場合、金型71内にチューブ50の一端を挿入することによって、キャップ装置20が成形されると同時に、キャップ装置20にチューブ50が一体的に融着される。その後、金型71およびマンドレル72から一体化されたキャップ装置20およびチューブ50を取り出すことにより、チューブ容器10が得られる(図7(d)参照)。
その後、チューブ容器10のチューブ50内に底部側から内容物を充填し、チューブ50の底部をシールすることにより、商品としての内容物入りチューブ容器が得られる。
このように本実施の形態によれば、キャップ装置20は、メタロセンポリプロピレンを含み、チューブ50は、第1シーラント層56としてのメタロセンポリエチレン層を含む。一般に、メタロセンポリマーP1は、分子量(長さ)および結晶性が揃っており(図8(a)参照)、低分子量成分や低結晶性成分が、一般的なポリマーP2(図8(b)参照)と比較して少ない。このため、キャップ装置20とチューブ50とを相溶接着により一体的に接着する際、均一な分子鎖同士が絡み合い、相互に強固な接着がなされるものと考えられる。この結果、ラミネート成形チューブであるチューブ50とキャップ装置20とを高い接合強度で接着することができる。
また、本実施の形態によれば、チューブ50が、ラミネート成形された積層体シート55を有するので、製筒するコストや、印刷層を形成する場合のコストを抑えることができ、チューブ容器10の低コスト化を図ることができる。また、積層体シート55に例えばアルミメタリック層を含めることにより、チューブ50の外観をメタリック調にしたり、また、チューブ50にパール印刷を施したりすることができるので、高い意匠性をもつチューブ容器10を提供することができる。
また本実施の形態によれば、キャップ装置20は、改質剤を含むので、チューブ50とキャップ装置20との接合強度をより高めることができる。
また本実施の形態によれば、積層体シート55は、バリア層57を含むので、チューブ50に対してガスバリア性や光線バリア性を付与することができる。また、バリア層57は、金属箔又は金属蒸着フィルムを含むことにより、上記バリア性をより高めることができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1乃至図5に示す構成をもつチューブ容器10(実施例1)を作製した。この場合、まずメタロセンポリエチレン(メタロセンPE)製の第1シーラント層56を含む、厚さ454μmの積層体シート55を作製した。この積層体シート55の層構成および各層の厚みは、以下の通りである。
(外側)ポリエチレンフィルム100μm/DL/ポリエチレンテレフタレート12μm/AC/ポリエチレン(EC)20μm/白色ポリエチレンフィルム100μm/AC/エチレン・メタクリル酸共重合物(EMAA)20μm/アルミ箔9μm/エチレン・メタクリル酸共重合物(EMAA)20μm/ポリエチレン(EC)20μm/メタロセンポリエチレンフィルム150μm(内側)
上記において、「DL」は、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネート、乾燥後質量3.5g/m)を用いたドライラミネート法による接着層を意味している。また、「AC」はアンカーコート層を意味している。さらに、「EC」は、ポリエチレンを用いたエクストルージョンコーティング法による接着層を意味している。
次に、この積層体シート55を円筒形に製筒してチューブ50を作製した。その後、このチューブ50をマンドレル72に巻き付け、チューブ50に対してキャップ装置20を射出成形法により一体成形することにより、チューブ容器10(実施例1)を得た。キャップ装置20の材料としては、メタロセンポリプロピレン(メタロセンPP)を用いた。
(比較例1)
キャップ装置20の材料としてポリプロピレン(PP)を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器(比較例1)を作製した。
(比較例2)
第1シーラント層56の材料としてポリエチレン(PE)を用い、キャップ装置20の材料としてポリプロピレン(PP)を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器(比較例2)を作製した。
次に、これら3つのチューブ容器(実施例1、比較例1、比較例2)に対して、ヘッド21とチューブ50との接着強度を測定した。この場合、まずヘッド21とチューブ50との接着部に対して垂直に15mm幅のチューブ50の短冊状試験片を切り出した。次に、テンシロン試験機(株式会社オリエンテック製・型番STA-1150)を用いて、短冊状試験片を引張速度300mm/分にて引っ張った。このような測定をそれぞれ5回ずつ行い、各接着部のシール強度(N/15mm幅)を測定し、平均値を求めた。この結果を以下に示す。
Figure 0007129020000001
なお、上記表において、接着強度の「×」は、接着強度0N以上40N以下、「○」は、接着強度40N以上60N以下、「◎」は、接着強度60N以上、をそれぞれ意味している。
この結果、チューブ容器10(実施例1)は、チューブ容器(比較例1、比較例2)と比べて、高い接着強度を有していた。
次に、以下の各チューブ容器10(実施例2-実施例5)を作製した。
(実施例2)
キャップ装置20の材料として、メタロセンポリプロピレンと、0.5質量%の改質剤(三井化学株式会社製・タフマーA-20085S(商品名))とを含む樹脂材料を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器10(実施例2)を作製した。
(実施例3)
キャップ装置20の材料として、メタロセンポリプロピレンと、5質量%の改質剤(三井化学株式会社製・タフマーA-20085S(商品名))とを含む樹脂材料を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器10(実施例3)を作製した。
(実施例4)
キャップ装置20の材料として、メタロセンポリプロピレンと、10質量%の改質剤(三井化学株式会社製・タフマーA-20085S(商品名))とを含む樹脂材料を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器10(実施例4)を作製した。
(実施例5)
キャップ装置20の材料として、メタロセンポリプロピレンと、15質量%の改質剤(三井化学株式会社製・タフマーA-20085S(商品名))とを含む樹脂材料を用いたこと、以外は実施例1と同様にして、チューブ容器10(実施例5)を作製した。
次に、4つのチューブ容器(実施例2-実施例5)に対して、上記の方法と同様にして、ヘッド21とチューブ50との接着強度を測定した。また、ヘッド21とキャップ22との間に位置するヒンジ25の強度を測定した。ヒンジ25の強度は、キャップ22とヘッド21とのなす角度が最大225°となるように、キャップ22をヘッド21に対して500回開閉し、このときヒンジ25に割れまたは切れが生じていたかを目視によって確認することによって行った。この結果を以下に示す。
Figure 0007129020000002
なお、上記表において、接着強度の「×」は、接着強度0N以上40N以下、「○」は、接着強度40N以上60N以下、「◎」は、接着強度60N以上、をそれぞれ意味している。また、ヒンジ強度の「×」は、ヒンジ25に割れまたは切れが発生したこと、「○」は、ヒンジ25に割れまたは切れが発生しなかったこと、をそれぞれ意味している。
この結果、キャップ22の材料に占める改質剤の割合が増加するほど、ヘッド21とチューブ50との接着強度が増加するが、改質剤の割合が15質量%程度になると(実施例5)、ヒンジ25の強度が低下した。しかしながら、ヒンジ25の形状等によっては、ヒンジ25に実用上十分な耐性を付与することも可能であると考えられる。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 チューブ容器
20 キャップ装置
21 ヘッド
22 キャップ
25 ヒンジ
26 注出口
27 肩部
28 接合部
50 チューブ
55 積層体シート
56 第1シーラント層
57 バリア層
58 中間層
58A 印刷基材層
59 第2シーラント層

Claims (5)

  1. チューブと、
    前記チューブの一端に接合され、ヘッドとキャップとが一体化されたキャップ装置と、を備えたチューブ容器において、
    前記チューブは、ラミネート成形された積層体シートを有し、
    前記積層体シートは、シーラント層としてのメタロセンポリエチレン層を含み、
    前記キャップ装置は、前記キャップ装置に対して85質量%以上100質量%以下のメタロセンポリプロピレンを含み、
    前記積層体シートの前記メタロセンポリエチレン層と前記メタロセンポリプロピレンを含む前記キャップ装置とが相溶接着により一体的に接着されている、チューブ容器。
  2. 前記キャップ装置は、改質剤を含む、請求項1記載のチューブ容器。
  3. 前記積層体シートは、バリア層を含む、請求項1又は2記載のチューブ容器。
  4. 前記バリア層は、金属箔又は金属蒸着フィルムを含む、請求項3記載のチューブ容器。
  5. 積層体シートを準備する工程と、
    前記積層体シートをマンドレルに巻き付け、前記マンドレルの一端に金型を装着する工程と、
    前記金型内に射出樹脂を射出することにより、ヘッドとキャップとが一体化されたキャップ装置を成形する工程と、を備え、
    前記積層体シートは、シーラント層としてのメタロセンポリエチレン層を含み、
    前記キャップ装置は、前記キャップ装置に対して85質量%以上100質量%以下のメタロセンポリプロピレンを含み、
    前記積層体シートの前記メタロセンポリエチレン層と前記メタロセンポリプロピレンを含む前記キャップ装置とが相溶接着により一体的に接着されている、チューブ容器の製造方法。
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