JP2013233982A - チューブ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】肩部と口頸部からなる頭部にアルミ部材を挿入したチューブ容器であって、アルミ部材に用いるアルミニウム箔の厚みを薄くでき、チューブ容器を初めて使用するときに、先端部を開口するのが容易であって、使用する前のバージン性が高く、アルミ部材の金型への挿入も容易なチューブ容器を提供する。
【解決手段】肩部と口頸部からなる頭部の内面に先端が開口されていないアルミ部材が挿入された状態で成形されていて、開封するときに、アルミ部材の先端を開口して使用するチューブ容器であって、アルミ部材の形状が略円錐台形で、円錐台形の上面が閉鎖されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ容器に関するものである。
ペースト状などの流動性の低い内容物を包装して、絞り出すようにして用いるチューブ容器は、食品、練歯磨、医薬品、化粧品、絵具、接着剤などに幅広く用いられている。このチューブ容器は、断面が円形或いは楕円形で筒状の胴部と、胴部上端より上方に向かって細くなっている肩部と、肩部の上端より伸びて、内容物を絞り出す口部が先端に設けられた口頸部からなっている。
チューブ容器は、従来、アルミニウムやスズ、鉛などの金属をインパクト成形した金属製のチューブ容器が用いられていた。その後、プラスチック樹脂を押出機から筒状に押出し、金型に入れて空気などを吹き込んで膨らませた、ブロー成型チューブ容器が用いられるようになった。
また、積層フィルムを筒状に巻いて胴部を形成し、肩部と口頸部からなる頭部を熱融着するか、または、この胴部を金型に入れてコンプレッション成形などで、樹脂で肩部と口頸部を成形するのと同時に一体化してチューブ容器とする、ラミネートチューブ容器と呼ばれているチューブ容器も用いられるようになった。
胴部にアルミニウム箔などの金属箔を積層した積層フィルムを胴部に用いたラミネートチューブ容器は、バリア性がきわめて高く優れているが、金属箔が不透明であるので、これを用いたラミネートチューブ容器も不透明となり、内容物の残量などを確認できないものであった。
そこで高いバリア性とともに、内容物が透視可能なラミネートチューブ容器が求められ、酸化ケイ素などの金属酸化物を蒸着した透明な蒸着フィルムを積層した積層フィルムが、胴部に使用されるようになり、透明なラミネートチューブ容器も用いられるようになった(例えば、特許文献1)。
しかし、胴部にバリア性があっても、頭部にバリア性がないと、バターや練乳などの食品向けチューブ容器や毛染め剤などの理美容向けチューブ容器のような高いバリア性を要求する内容物に対しては使用することができない。そこで、頭部にバリア性の高い樹脂を使用して、チューブ容器全体のバリア性を高めたチューブ容器が開発された(例えば、特許文献2、特許文献3)。
一方、頭部にアルミ部材を挿入したチューブ容器がある。このアルミ部材は、肩部と口頸部の形状に合わせて作られ、先端が開口された開口部が口頸部の位置に設けられ、開口部は内容物を絞り出すチューブ容器の先端の口部に合わせて作られている。
また、さらなるチューブ容器のバリア性の向上と、バージン性の付与のために、図5のように、口頸部1と肩部2と胴部3からなり、肩部2と口頸部1の形状に合わせて作られたアルミ部材7が、口頸部1と肩部2の内側に設けられ、口部4がその内方に位置するアルミ部材7の先端部によって閉鎖されていて、チューブ容器を初めて使用するときに、口頸部1のアルミ部材の先端を開口するようにしたチューブ容器があった。
公知文献を以下に示す。
実開平4−54842号公報 特開平8−217100号公報 特開平9−132252号公報
図5のようなチューブ容器の場合、アルミ部材は、アルミニウム箔が用いられ、成形されるため、口頸部の円筒状部分が薄くならないように、ある程度厚みのある、例えば50μm程度のアルミニウム箔が使用されている。そのため、成形でほとんど絞られないアルミ部材の先端部の肉厚が厚くなってしまう。先端部のアルミニウムが厚いと、チューブ容器を初めて使用するときに、先端部を開口するのが困難になってしまう。
また、このような形状のアルミ部材であると、筒状の胴部とともに金型に入れて、コンプレッション成形で、肩部と口頸部の成形と同時に一体化してチューブ容器とするとき、凸型の成形型に挿入して位置決めするのが簡単ではない。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、肩部と口頸部からなる頭部にアルミ部材を挿入したチューブ容器であって、アルミ部材に用いるアルミニウム箔の厚みを薄くでき、チューブ容器を初めて使用するときに、先端部を開口するのが容易であって、使用する前のバージン性が高く、アルミ部材の金型への挿入も容易なチューブ容器を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、肩部と口頸部からなる頭部の内面に先端が開口されていないアルミ部材が挿入された状態で成形されていて、開封するときに、該アルミ部材の先端を開口して使用するチューブ容器であって、
該アルミ部材の形状が略円錐台形で、該略円錐台形の上面が閉鎖されていることを特徴とするチューブ容器である。
本発明のチューブ容器は、以上のような構成であって、アルミ部材が略円錐台形で、円錐台形の上面が閉鎖されている形状になっているので、従来の円筒形と円錐台形を組み合わせた形状のアルミ部材と比較し、成形前のアルミニウム箔の厚みを薄くすることができる。
そのため、チューブ容器を開封するときに、円錐台形の上面を突き破って開口するのが容易である。また、アルミニウム箔の厚みが薄いので、コスト的にも有利である。また、チューブ容器に成形するときに金型に挿入して、位置決めすることが容易にできる。
本発明の請求項2に係る発明は、前記略円錐台形の上面が平坦に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器である。
本発明は、略円錐台形の上面が平坦に形成されているので、円錐台形の上面を突き破って開口するのが、特に容易である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記アルミ部材の略円錐台形の少なくとも裾野部分が波目形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ容器である。
本発明は、チューブ容器のアルミ部材の円錐台形の少なくとも裾野部分が波目形状であるので、筒状の胴部とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部と口頸部の成形と同時に一体化するときに、アルミ部材の下端部から裏面にまで樹脂が廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材と成形樹脂の間で剥離することがない。
本発明の請求項4に係る発明は、前記アルミ部材の略円錐台形の上面を除いて、テーパー状に形成された側面が全周にわたって波目形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチューブ容器である。
本発明は、テーパー状に形成された側面が全周にわたって波目形状であるので、肩部と口頸部の成形と同時に一体化するときに、アルミ部材の下端部から側面の裏面全体にまで樹脂が廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材と成形樹脂の間で剥離することが確実に防げる。
本発明のチューブ容器は、従来の円筒形と円錐台形を組み合わせた形状のアルミ部材と比較し、アルミ部材に成形する前のアルミニウム箔の厚みを薄くすることができる。そのため、チューブ容器を初めて使用するときに、アルミ部材の先端部を開口するのが容易である。また、アルミニウム箔の厚みが薄いので、コスト的にも有利である。また、チューブ容器に成形するときに金型に挿入して、位置決めすることが容易にできる。
また、請求項2に記載の発明では、略円錐台形の上面が平坦に形成されているので、円錐台形の上面を突き破って開口するのが容易である。
請求項3および4に記載の発明では、さらに、筒状の胴部とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部と口頸部の成形と同時に一体化するときに、アルミ部材の下端部から裏面にまで樹脂が廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材と成形樹脂の間で剥離することがない。
本発明のチューブ容器の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。 本発明のチューブ容器の第1の実施形態に用いるアルミ部材を模式的に正面で示した説明図である。 図1のA−A断面を模式的に示した説明図である。 本発明のチューブ容器の第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。 従来のチューブ容器の一例を模式的に断面で示した説明図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明のチューブ容器の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図、図2は、本発明のチューブ容器の第1の実施形態に用いるアルミ部材を模式的に正面で示した説明図、図3は、図1のA−A断面を模式的に示した説明図である。
第1の実施形態のチューブ容器100は、図1のように、口頸部1と、肩部2と、胴部3とからなっていて、口頸部1の先端に設けられた口部4より内容物を絞り出すチューブ容器100である。そして、口頸部1の外周には、雄ネジ5が設けられ、図示しないキャップと螺合するようになっている。また、口頸部1の下端には、ネジ台座6が設けられている。
肩部2は、内面側にアルミ部材7が挿入されている。また、胴部3は、積層フィルムを筒状に巻いて形成した胴部材8からなっている。尚、肩部2は、アルミ部材を挿入した状態でコンプレッション成形をすることで、口頸部1と同時に成形される。
すなわち、口頸部1を形成している成形樹脂9が、肩部2のアルミ部材7の外側を覆う形で表面を形成し、さらに胴部材8とアルミ部材7の間に入って、アルミ部材7の下端部と胴部材8を接着させている。そしてさらに、アルミ部材7の下端を廻り込んで、裏面にまで至っている。
アルミ部材7は、形状が略円錐台形で、図5のような従来のチューブ容器と異なり、円錐台形の上端から円筒形が口頸部に合わせて伸びる形状になっておらず、円錐台形の上面が閉鎖されている。
内容物を絞り出すときに、アルミ部材7の先端、すなわち、円錐台形の上面をキャップなどに設けられた凸状部を用いて突き破るなどして開口して使用する。このようになっているので、使用前のバージン性が保たれ、また、バリア性が向上する。また、円錐台形の底面は、開放されている。そして、このアルミ部材7と胴部材8により、内容物が充填される収納部が形成されている。
アルミ部材7の形状は、略円錐台形であるが、図2の(A)、(B)のように、円錐台形の少なくとも裾野部分には、波打った波目形状となった波目形状部10が設けられている。図2(A)のアルミ部材7は、円錐台形の裾野部分にのみ、波目形状部10が設けられている。また、図2(B)のアルミ部材7は、円錐台形の斜面全面に波目形状部10が設けられている。
このように、少なくとも裾野部分に波目形状部10が設けられていると、胴部材8とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部2と口頸部1の成形と同時に一体化するときにアルミ部材7の波目形状部10に、図3のように、成形樹脂9が接着するので、剥がれにくくなる。
また、波目形状になっていることにより、流れやすくなった成形樹脂9がアルミ部材7の下端部から裏面にまで廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材7と成形樹脂9の間で剥離することがない。
また、アルミ部材7の下端部は、下方に垂直に伸びている。これによって、アルミ部材7の下方に垂直に伸びた部分と胴部材の上端とが一部重なり合って、この間を成形樹脂9で埋めて、両者を接着させている。この重なり合った部分によって、接着を強固なものにしている。
そして、図1のように、樹脂の厚くなっているネジ台座6の位置でアルミ部材7の上面が接着しているので、アルミ部材7と成形樹脂9とがしっかりと接着されている。そのため、チューブ容器を初めて使用するときに、先端部を突き破って開口するが、突き破るときに成形樹脂9からアルミ部材7が剥がれてしまうことがない。
アルミ部材7は、その内外面に樹脂層を成形前に設けておくことができる。成形前のアルミ部材7に使用するアルミニウム箔の厚みは、20から30μmが好ましく用いられる。アルミ部材7の外面に設ける樹脂層の樹脂は、成形時に成形樹脂9と溶着させるため、成形樹脂9と溶着可能な同系の樹脂を用いることが望ましい。
例えば、成形樹脂9がポリエチレンの場合は、アルミ部材7の樹脂層にもポリエチレン
を用いる。その厚みは150μm以下が望ましく、さらに望ましくは100μmである。また、ナイロンやポリエチレンテレフタレートをポリエチレンとアルミニウム箔の間に設けても良い。その厚みは、20μm以下、好ましくは15μm以下である。
アルミ部材7の内面にも、外面と同様に樹脂層を設けておく。このようにすれば、内容物が直接アルミニウムに触れないので、内容物によってアルミ部材7のアルミニウムが腐食されるのが防げ、逆にアルミニウムが溶け出して、内容物を汚染することもない。
また、成形樹脂9がアルミ部材7の下端を廻り込んで裏面に出てきたときに、アルミ部材7の内面に樹脂層が設けられていれば、成形樹脂9とアルミ部材7の内面の樹脂層が融着して、内容物の層間への浸透が防げて、成形樹脂9とアルミ部材7との間でデラミネーションが起きることが避けられる。
アルミ部材7の成形方法は、特に限定されない。(a)圧縮プレス絞り成形、(b)圧縮プレス熱絞り成形、(c)真空成形、(d)圧空成形でも成形可能である。ただし、(a)から(d)に行くに従って成形可能なアルミニウム箔の厚さが薄くなる。
胴部材8に用いる積層フィルムは、表面樹脂層、中間層、および、内面樹脂層を順次に積層した積層フィルムである。その積層フィルムの両端部の表面樹脂層と内面樹脂層との面を重ね合わせてその対向面を熱融着して筒状の胴部材8が製造されている。
表面基材層と内面基材層は、熱融着可能な熱可塑樹脂からなっている。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー等の熱可塑樹脂を使用することができる。
また、中間層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリメチルメタクリレートなど、その延伸または無延伸フィルムを使用することができる。
また、バリア性が必要な場合は、アルミニウム箔などの金属箔、あるいは、アルミ蒸着フィルム、透明無機蒸着フィルム、もしくは、バリア性の高い樹脂のフィルムを使用することができる。そして、中間層として、前述の延伸フィルムや、無延伸フィルムや、バリア性のあるアルミニウム箔や、蒸着フィルムなどを組み合わせて、または、単独で中間層とすることができる。
第1の実施形態のチューブ容器100は、以上のように、アルミ部材7が円錐台形であるので、従来の円筒形と円錐台形を組み合わせた形状のアルミ部材7と比較し、円筒形部分を成形する必要がないので、アルミ部材7に成形する前のアルミニウム箔の厚みを薄くすることができる。そのため、チューブ容器100を初めて使用するときに、アルミ部材7の先端部を開口するが容易である。また、アルミニウム箔の厚みが薄いので、コスト的にも有利である。また、形状が簡単であるので、チューブ容器100に成形するときに金型に挿入して、位置決めすることが容易にできる。
また、アルミ部材7の円錐台形の少なくとも裾野部分が波目形状であるので、筒状の胴
部とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部2と口頸部1の成形と同時に一体化するときに、アルミ部材7の下端部から裏面にまで成形樹脂9が廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材7と成形樹脂9の間で剥離することがない。
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態につき説明する。
図4は、本発明のチューブ容器の第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
第2の実施形態のチューブ容器200は、図4のように、口頸部1と、肩部2と、胴部3とからなっていて、口頸部1の先端に設けられた口部4より内容物を絞り出すチューブ容器200である。そして、口頸部1の外周には、雄ネジ5が設けられ、図示しないキャップと螺合するようになっている。また、口頸部1の下端には、ネジ台座6が設けられている。
肩部2には、内面側にアルミ部材7が挿入されていて、アルミ部材7の上面は、口頸部1の雄ネジ5の位置にきている。また、胴部3は、積層フィルムを筒状に巻いて形成した胴部材8からなっている。
肩部2は、第1の実施形態の同様、アルミ部材を挿入した状態でコンプレッション成形をすることで、口頸部1と同時に成形される。口頸部1を形成している成形樹脂9が、肩部2のアルミ部材7の外側を覆う形で表面を形成し、さらに胴部材8とアルミ部材7の間に入って、アルミ部材7の下端部と胴部材8を接着させている。そしてさらに、アルミ部材7の下端を廻り込んで、裏面にまで至っている。
アルミ部材7は、第1の実施形態のチューブ容器100と同様に形状が略円錐台形で、図5のような従来のチューブ容器と異なり、円錐台形の上端から円筒形が口頸部1に合わせて伸びておらず、円錐台形の上面が閉鎖されている。
そして、第1の実施形態のチューブ容器100のように、アルミ部材7が樹脂の厚くなっているネジ台座6で曲がって上面を形成しているのではなく、本実施形態のチューブ容器200では、口頸部1の雄ネジ5の位置に、アルミ部材7の上面が設けられている。
このためアルミ部材7の円錐台形の傾斜の斜度を大きくして、且つ、口部4側の口頸部1の肉厚を厚くし、口頸部1の外径を大きくしている。このように、アルミ部材7の上面が、口頸部1の肉厚の厚い部分でしっかりと成形樹脂9と接着されているので、チューブ容器を初めて使用するときに、アルミ部材7の先端部である上面を突き破って開口するときに、成形樹脂9からアルミ部材7が剥がれてしまうことがない。
そして、口頸部1の雄ネジ5の位置に、アルミ部材7の上面が設けられているので、アルミ部材7の上面が口部4に近くなっていて、開封するときに、アルミ部材7の上面を破ることが容易になっている。
このように、内容物を絞り出すときに、アルミ部材7の先端、すなわち、円錐台形の上面を開口して使用するようになっているので、使用前のバージン性が保たれ、また、バリア性が向上する。また、円錐台形の底面は、第1の実施形態と同様に開放されている。そして、このアルミ部材7と胴部材8に囲まれて、内容物が充填される収納部が形成されている。
アルミ部材7の形状は、略円錐台形であるが、図2の(A)、(B)のように、円錐台形の少なくとも裾野部分には、波打った波目形状となった波目形状部10が設けられてい
る。図2(A)のアルミ部材7は、円錐台形の裾野部分にのみ、波目形状部10が設けられている。また、図2(B)のアルミ部材7は、円錐台形の斜面全面に波目形状部10が設けられている。
このように、少なくとも裾野部分に波目形状部10が設けられていると、胴部材8とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部2と口頸部1の成形と同時に一体化するときにアルミ部材7の波目形状部10に、図3のように、成形樹脂9が接着するので、剥がれにくくなる。
また、波目形状により流れやすくなった成形樹脂9がアルミ部材7の下端部から裏面にまで廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材7と成形樹脂9の間で剥離することがない。
また、アルミ部材7の下端部は、下方に垂直に伸びている。これによって、アルミ部材7の下方に垂直に伸びた部分と胴部材8の上端とが一部重なり合って、この間を成形樹脂9で埋めて、両者を接着させている。この重なり合わせ部によって、接着を強固なものにしている。
その他、アルミ部材7の層の構成あるいは成形方法は、第1の実施形態と同様である。また、胴部材8に用いる積層フィルムについても第1の実施形態と同様である。
このように、第2の実施形態では、口頸部1の雄ネジ5の位置に、アルミ部材7の上面が設けられていて、アルミ部材7の上面が口部4に近くなっていている。そのため、開封するときに、アルミ部材7の上面を破ることが容易になっている。また、口頸部1の肉厚を厚くした部分でアルミ部材7の上面が、しっかりと成形樹脂9と接着されているので、アルミ部材7の先端部である上面を突き破って開口するときに、成形樹脂9からアルミ部材7が剥がれてしまうことがない。
以上のように、本発明のチューブ容器は、従来の円筒形と円錐台形を組み合わせた形状のアルミ部材を使用したときと比較し、アルミ部材に成形する前のアルミニウム箔の厚みを薄くすることができる。そのため、チューブ容器を初めて使用するときに、アルミ部材の先端部を開口することが容易である。
また、アルミニウム箔の厚みが薄いので、コスト的にも有利である。また、アルミ部材の形状が簡単であるので、チューブ容器に成形するときに、アルミ部材を金型に挿入して、位置決めすることが容易にできる。
さらに、筒状の胴部とともに金型に入れて、コンプレッション成形などで、肩部と口頸部の成形と同時に一体化するときに、アルミ部材の円錐台形の少なくとも裾野部分が波目形状であるので、アルミ部材の下端部から裏面にまで樹脂が廻り込み、浸透しやすい内容物を充填しても、アルミ部材と成形樹脂の間で剥離することがない。
第1、第2実施形態において、胴部3を形成する胴部材8に積層フィルムを用いたが、本発明のチューブ容器はこれに限定されるものではない。樹脂を押出機から筒状に押出したチューブを胴部材8として用いても良い。
本発明のチューブ容器は、バター、練乳などの食品、あるいは、毛染め剤、トリートメント、接着剤、紫外線吸収剤など、チューブ容器の肩部にバリア性があって、口部がアルミでシール、密封されている必要がある用途に好ましく使用できる。
100、200・・・チューブ容器
1・・・口頸部
2・・・肩部
3・・・胴部
4・・・口部
5・・・雄ネジ
6・・・ネジ台座
7・・・アルミ部材
8・・・胴部材
9・・・成形樹脂
10・・・波目形状部

Claims (4)

  1. 肩部と口頸部からなる頭部の内面に先端が開口されていないアルミ部材が挿入された状態で成形されていて、開封するときに、該アルミ部材の先端を開口して使用するチューブ容器であって、
    該アルミ部材の形状が略円錐台形で、該略円錐台形の上面が閉鎖されていることを特徴とするチューブ容器。
  2. 前記略円錐台形の上面が平坦に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記アルミ部材の略円錐台形の少なくとも裾野部分が波目形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ容器。
  4. 前記アルミ部材の略円錐台形の上面を除いて、テーパー状に形成された側面が全周にわたって波目形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチューブ容器。
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