JP2017077912A - 紙カップ - Google Patents

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Takashi Saito
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Abstract

【課題】
開封後でも密封性が高く、確実に再封鎖可能な紙カップ容器を得る。
【解決手段】
紙を基材とし、表裏に融着可能な樹脂層を有する積層シートからなる紙カップ(1)であって、円錐台側面形状を有する胴部(10)と、胴部の小径側を下端とし、下端に底部(20)を設け、大径側を開口部(113)とし、開口部上端にトップカール部(130)を設け、トップカール部上端にイージーピール性のある蓋材(3)を融着し、トップカール部下端にトップカールに固定する剛性リング(4)を配し、剛性リングと蓋材を覆い、剛性リングに着脱可能なキャップ(5)を配したことを特徴とする紙カップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙カップの開口部周縁に剛性リングを設け、剛性リングとキャップが開閉可能とする、紙カップに関する。
従来から、紙カップは用途によって飲料用カップ、食品用カップ、医療用カップ等に大別され、さらにジュース、炭酸飲料などのコールド飲料とコーヒーなどのホット飲料用が飲料用カップとして使用されている。さらに、ポップコーンなどの製菓用にも、紙カップの内側にポリエチレン樹脂やバリア層を設け、紙カップの開口部に蓋を融着する紙カップも製造されている。
これらの紙カップにおいて、長期間保存のできるバリア性の高い紙カップや、内容物の風味や味などが損なわない高機能の紙カップには、バリア性が高く、かつ、溶出性の低いバリア性フィルムを容器内側に設けた紙カップが有効である。
しかし、そのような紙カップも、蓋材が剥離され、一旦開口した後には、再封できないので、開封後の保存性に問題があった。
例えば、特許文献1では、両面がプラスチックコートされた紙製容器に、外層にエチレン・ポリビニルアルコール共重合物、中層にポリエステル樹脂、内層にポリオレフィン系合成樹脂の層からなる一体化されたプラスチック製容器が内挿されている容器を提案している。
また、この容器の上部に鍔片を設け、それに、アルミニウム箔とポリエチレンフィルムとを積層一体化した内蓋をヒートシールすることも提案している。
このように、エチレン・ポリビニルアルコール共重合物やポリエステル樹脂、アルミニウム箔の層が、ガスバリア性を有し、内容物の保存劣化を防いでいる。しかしながら、この様な内蓋は、一端開口されると、再度封鎖することが出来ないので、内容物が急激に劣化することが避けられない。
また、特許文献2では、内側を防水加工してなる有底円筒状の紙製容器において、紙製容器の上部外周縁部に、密着用シールを圧着して容器を密封し、プラスチックオーバーキャップを嵌合してなる構成の容器を提案している。
この容器の上部周縁部には断面がL字状のプラスチックリングをヒートシールし、その上から、密封性シールを粘着して密封し、さらにその上にオーバーキャップを嵌めている。しかしながら、このオーバーキャップは、一端外した密着シールを抱え込むように嵌めることになるので、密封性が完全ではなく、保存性能が不確実だという問題を抱えていた。
実公平1−11459号公報 実開平7−9787号公報
そこで、開封後でも密封性が高く、確実に再封鎖可能な紙カップ容器を得ることが、本発明の課題である。
本発明に係る紙カップは、
紙を基材とし、表裏に融着可能な樹脂層を有する積層シートからなる紙カップであって、円錐台側面形状を有する胴部と、胴部の小径側を下端とし、下端に底部を設け、
大径側を開口部とし、開口部上端にトップカール部を設け、
トップカール部上端にイージーピール性のある蓋材を融着し、
トップカール部下端にトップカールに固定する剛性リングを配し、
剛性リングと蓋材を覆い、剛性リングに着脱可能なキャップを配したことを特徴とする紙カップである。
本発明の紙カップは、紙カップのトップカールと蓋材を密着させたまま、トップカール近傍を剛性リングとキャップで挟み込むことができる。その為、蓋の密着状態や、剛性リングとトップカールの接合状態を、完全にしなくとも、容器の密封性を確保できる。
本発明の紙カップの第一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の紙カップの第二実施形態を示す縦断面図である。 紙カップを作成する展開図である。 紙カップに用いる積層シートの層構成を示す断面図である。
以下、本発明の紙カップにおける実施の形態例について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の紙カップの第一実施形態を示す縦断面図である。
紙カップ1は、紙を基材とする積層シートからなる胴部10と底部20とからなる。
図4に紙カップに用いる積層シート100の断面図を示した。図4−1は積層シート100の基本的な構成で、紙からなる基材層101と、融着性のある熱可塑性樹脂層からなる最外層103と最内層102とから構成されている。
図4−2は、バリア性を向上させた積層シートで、紙の基材層101と最内層102の間に、バリア性を持つ金属箔層104や柔軟な曲げに対応するバリア樹脂層105、接着樹脂としてのポリエチレン層106などが設けられている。
図3に紙カップを製造するブランクの展開図を示すように、胴部10は、扇状に切断された胴部10の積層シートを巻き合わせて、内側面端部110と他方の外側面端部111とを貼り合せて作られる円錐台の側面形状を形成している。
側面の大径側を開口部113とし、開口部上端周縁1130を巻き締めて、トップカール部130を形成している。
また、円形の底部20積層シートの底周縁部21を垂直に折り曲げた底部20の周縁折り曲げ部21を、胴部10の小径側に設けた底折り曲げ部112が、表裏両面から包み込むように巻き込んだ状態で融着し、糸尻部1120を形成している。
積層シート内面には融着性のある熱可塑性樹脂層が設けられているので、トップカール部130周囲は熱可塑性樹脂層があって、融着性を有している。
図1で示すように、トップカール部130の上端には、イージーピール性のある蓋材3が融着している。
また、トップカール部130下端から外周側面側に掛けて、剛性リング4が融着、あるいは接着している。
剛性リング4は、トップカール部130に融着、あるいは接着することによって、トップカール部の剛性をアップさせると共に、外周周囲に、螺合、あるいは打栓可能な嵌合部を設けることによって、キャップと着脱可能にしている。
剛性リング4の平面部41は、トップカール部13の下端に融着、あるいは接着されている。また、剛性リング4の平面部41の外周周縁から上方側に起立する形で側壁42が形
成され、トップカール部130の外周囲端部に融着、あるいは接着させている。
このことによって、キャップ5と剛性リング4とを螺合し、ネジを締めていくと、トップカール部130が上下から挟み込まれ、厚み方向に押すように圧縮されて締め付けられるようになるので、確実に紙カップ1の開口部113を閉鎖することができる。
トップカール部130は、ブランクを巻いて、内面先端の端部を根元外側に融着、あるいは接着することで、さらに剛性が向上すると共に、ある程度の弾力性を有しており、上下から挟むと、適度な力で、押さえ込まれる。この為、状態が部分的に形状が変化し易い開封後の蓋材3とトップカール部130を一緒に挟んで密閉しやすい。
剛性リングの素材としては、プラスチック、あるいは金属、木など、キャップと着脱可能な剛性が出れば、素材にはこだわらない。ただ、生産性を高くするには、融着性を有する熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン・プロピレン共重合体樹脂などが好ましい。
図1では、キャップ5外周内側には内ネジ51、剛性リング4外周外側には外ネジ43が設けられ、それらが螺合するようになっている。これらのネジ山は、通常の一条ネジであってもかまわないが、多条ネジにすることによって、低い高さの剛性リング4やキャップ5であっても、均一に設けることができる。
蓋材3は、腰のある基材とその裏側に融着性のある熱可塑性樹脂層を設けた積層フィルムで構成される。基材としては、紙を主体とした構成であっても良いが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートのような2軸延伸フィルムが、薄くても強度があり、蓋を剥離する時に切れたりしにくいので、好ましい。
キャップの内側には、コンタクトリング52を設けると良い。
一旦、蓋材3の一部をトップカール部130から剥離した蓋材3であっても、コンタクトリング52でトップカール部130に押し付けることによって、より確実に再び密封(封止)することが出来る。
図2は、第二実施形態を示す縦断面図である。
剛性リング4は、トップカール部130の下端に接する平面部410が水平に設けられ、剛性リングの側壁420は天板部外周端部から下方側に垂下する形で形成され、側壁に打栓嵌合用の嵌合凹部44を設けている。また、剛性リングの天面部と側壁との間には、多数のリブが設けられ、補強されている。
そして、剛性リング4は、紙カップ1と、側面の接着部40と、上端の接着部400によって、紙カップ1に固定されている。
また、キャップの外周側壁50内側には、打栓用の嵌合突起53が設けられ、キャップを着脱可能にしている。
この為、キャップ5を本発明の紙カップの開口部に打栓すると、剛性リング4とキャップ5によってトップカール部13が上下から挟み込まれ、厚み方向に押すように圧縮されて締め付けられるようになるので、確実に紙カップ1の開口部113を密閉することができる。
第一実施形態と同じようにコンタクトリング52を設け、一旦、蓋材3の一部をトップカール部130から剥離した蓋材3であっても、コンタクトリング52でトップカール部130に押し付けて、より確実に再び密閉(封止)することが可能な仕組みになっている。
紙カップに使用する積層シートの紙基材は、カップ原紙と呼ばれる、坪量150〜400g/mの板紙が用いられる。
最内層や最外層に用いる熱可塑性樹脂や、紙基材と最内層の間にサンドする熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・プ
ロピレン共重合体など、使用する温度に適した素材を選択して使用する。
また、バリア層としては、金属箔であるアルミニウム箔や、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化珪素や酸化アルミニウムなどの酸化金属を蒸着したフィルムを積層しても良い。
さらに、ポリアミド系樹脂などの強度を有する(破断しにくい)素材を積層しても良い。これらの積層化には、エクストルーダーラミネーション機で積層するか、接着剤を塗布して、ドライラミネーション機やウエットラミネーション機で貼り合せる。
基材の紙と金属箔や2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとの貼り合わせには、間に低密度ポリエチレンなどのエチレン系の熱可塑性樹脂やポリプロピレン系の熱可塑性樹脂を介して行なう。この熱可塑性樹脂層104の厚さは、12〜40μmとするが、エッジプロテクト(端面保護)する場合には、内面側の熱可塑性樹脂層を40〜60μmまで厚目にする。
本発明は、以上のようなもので、本発明の紙カップは、開封後に再度、確実に密封することができるので、未開封の状態ばかりでなく、再封後にも内容物の保存性が高く、使い易い紙カップ容器である。
蓋材と紙カップに使用する積層シートに金属箔などの層を加えることで、高いバリア性も確保できると共に、再封した状態でも、高いバリア性が維持することができる。
特に、剛性リングとトップカール部との融着や接着は、完全でなく、強度がばらついていたとしても、内容物の保護性能が確保できるので、容器の検査を大掛かりにする必要が無いなどのメリットがある。
また、単に一般的な機械で製造される紙カップの底側から剛性リングを嵌めて融着、あるいは接着固定するだけなので、剛性リングとキャップの成形が加わるだけなので、生産性も高く、過大な設備投資もせずに対応できるなど、本発明のメリットは大きい。
1・・・・・・・・・紙カップ
10・・・・・・・・胴部
11・・・・・・・・胴部貼り合わせ部
12・・・・・・・・胴部材下部折り返し部
100・・・・・・・積層シート
101・・・・・・・基材層
102・・・・・・・最内層
103・・・・・・・最外層
104・・・・・・・金属箔層
105・・・・・・・バリア樹脂層
106・・・・・・・サンドポリエチレン層
110・・・・・・・内側面端部
111・・・・・・・外側面端部
112・・・・・・・底折り曲げ部
1120・・・・・・糸尻部
113・・・・・・・開口部
1130・・・・・・開口部上端周縁
130・・・・・・・トップカール部
20・・・・・・・・底部
21・・・・・・・・周縁折り曲げ部
3・・・・・・・・・蓋材
4・・・・・・・・・剛性リング
41、410・・・・平面部
42、420・・・・側壁
43・・・・・・・・外ネジ
44・・・・・・・・嵌合凹部(打栓用)
40、400・・・・接着部
5・・・・・・・・・キャップ
51・・・・・・・・内ネジ(キャップ外周内側)
52・・・・・・・・コンタクトリング
53・・・・・・・・嵌合突起(キャップ打栓用)

Claims (6)

  1. 紙を基材とし、表裏に融着可能な樹脂層を有する積層シートからなる紙カップであって、
    円錐台側面形状を有する胴部と、胴部の小径側を下端とし、下端に底部を設け、
    大径側を開口部とし、開口部上端にトップカール部を設け、
    トップカール部上端にイージーピール性のある蓋材を融着し、
    トップカール部下端にトップカールに固定する剛性リングを配し、
    剛性リングと蓋材を覆い、剛性リングに着脱可能なキャップを配していることを特徴とする紙カップ。
  2. 剛性リングとトップカールが融着、あるいは接着して固定していることを特徴とする請求項1に記載の紙カップ。
  3. 剛性リングとキャップが螺合して着脱可能としていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙カップ。
  4. 剛性リングとキャップが打栓可能な嵌合によって着脱可能としていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙カップ。
  5. 紙カップと蓋を構成する積層シートが、バリア性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップ。
  6. 剛性リングが、融着可能な熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙カップ。
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