JP7293830B2 - チューブ容器 - Google Patents

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本発明は、チューブ容器に関するものである。特に、プラスチック材料を用いたチューブ容器の利点を損なうことなく、ガスバリア性に優れるチューブ容器に関するものである。
チューブ容器はペースト状、半固形状のものを内部に収納し、搾り出すことのできる容器である。その形状は断面が円形あるいは楕円形の中空の筒状の構造で、内容物を搾り出す口部と蓋を一方の端部に有し、もう一方の端部であるエンド部は、内容物充填後にヒートシールなどで閉じられている。
チューブ容器の材質は、たとえば絵の具のチューブ容器など、アルミニウムや錫、鉛などの金属を用いたものもあり、空気によって変質しやすい内容物には適しているが、容器としての弾力性や復元性には欠けている。
そのため近年はプラスチック材料を用いた、所謂成型チューブが主流になっている。またチューブ容器の用途は歯磨き、洗顔料などのトイレタリー用品やクリームなどの化粧品、塗り薬などの薬品類、ペースト状の食品や香辛料、接着剤など日常生活に密着して幅広く用途を広げている。
実際にチューブ容器を使用する場面では、胴部に手指で圧力を加えるだけで内容物を搾り出して取り出すことができ利便性は大変優れている半面、その製造方法によっては、ガスバリア性が充分では無いとされる場合もあった。
一般にブローチューブ成型によるチューブ容器の場合には、ガスバリア性を有する材料を選択することによって、チューブ容器全体のガスバリア性を、ある程度までは確保することが可能であるとされる。
しかしながら、ラミネートチューブの場合には、その製造方法において、チューブ用のプラスチックフィルム積層体を円筒形にした後、一方の開口部にはプラスチックパーツを融着して閉鎖し、他方の開口部は内容物を充填した後、ヒートシールして密封する。
そのため、プラスチックフィルム積層体が筒状の胴部を形成してガスバリア性を有している場合でも、開口部のプラスチックパーツがガスバリア性を有しない場合には、全体としてガスバリア性が損なわれて、内容物の酸化や変質を招く恐れがあった。
これに対して、特許文献1には、胴部に加えてプラスチックパーツにもガスバリア層を設けたチューブ容器が記載されている。しかしこの場合でも。胴部のガスバリア層とプラスチックパーツのガスバリア層との間に距離があることから、この間隙によってチューブ容器のガスバリア性が低下するという問題を残していた。
特開2016-199280号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、プラスチックフィルムの積層体からなる筒状の胴部を有して、注出口およびそれを覆うキャップにプラスチックパーツを用いて構成されるチューブ容器において、ガスバリア性に優れるチューブ容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
チューブ容器であって、
ガスバリア層および最内層にシーラント層を有する積層体からなる胴部と、プラスチックパーツからなる注出口、および注出口を覆うキャップからなり、
注出口、およびキャップはプラスチックの成形品で形成されており、
胴部はシール部を有して円筒形に形成されており、
前記注出口は、円筒形の胴部の内径と直径を同じくする円盤と、その中央部に円盤の直径より外径の小さな、円筒形の注ぎ口を有してなり、
前記円筒形の胴部の一方の端部は、注出口の円盤が端部を塞いで配置されており、
前記注ぎ口は、円盤から容器外側方向に突き出しており、
前記円盤の容器内側になる面には、一面にガスバリア層を有しており、
前記円筒形の注ぎ口の内側は、円盤のプラスチックが、脆弱部を有して容器内外を隔てており、
前記円筒形の注ぎ口の外側は、円盤によるフランジとなっており、
フランジの容器外側になる面と円筒形の胴部とは、胴部を構成する積層体を周縁から内側に折り曲げて接着しており、
胴部を構成する積層体のガスバリア層と、円盤に設けられたガスバリア層とは、フランジにおいて、円筒形の注ぎ口の外周に沿って、上下から圧縮されて近接している部分を有しており、
前記フランジの、積層体に含まれるガスバリア層が上下から圧縮されて近接している部分において、積層体に含まれるガスバリア層と円盤に設けられたガスバリア層の間隔は、フランジの厚みと、積層体の最内層のシーラント層の厚みとを合計したものより、小さい値であり、
さらに、円筒形の胴部のもう一方の端部は、胴部の長手方向に対して直角にシールされて密封されていることを特徴とする、チューブ容器である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記胴部を構成する積層体のガスバリア層と、円盤に設けられたガスバリア層は、そのうちのどちらか、あるいは両方が、無機化合物の蒸着による被膜によるものであることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ容器である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記円盤に設けられたガスバリア層は、インサートインジェクションにより設けられたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチューブ容器である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記円盤に設けられたガスバリア層は、無機化合物の蒸着による被膜を有するガスバリアフィルムを、円盤に接着して形成されたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチューブ容器である。
また、請求項5に記載の発明は、
前記注出口を覆うキャップと、注出口とは、ヒンジを介して一体に成形されたものであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載のチューブ容器である。
本発明によれば、プラスチックフィルムの積層体からなる筒状の胴部を有して、注出口にプラスチックパーツを用いて形成されるチューブ容器において、ガスバリア性に優れるチューブ容器の提供が可能である。
特に請求項2に記載の発明によれば、胴部を構成する積層体のガスバリア層と、円盤に設けられたガスバリア層とは、無機化合物の蒸着による被膜によるものであることによって、ガスバリア層を透明な層とすることができ、意匠的に必要な場合、あるいはアルミニウム箔など金属箔を用いることが不適当な場合に有効である。
また特に、チューブ容器の内容物の取出しにおいて、金属箔を用いる場合に比べてチューブ容器の胴部を押圧した際の、容器形状の復元性に優れるチューブ容器とすることに効果的である。
特に請求項3に記載の発明によれば、円盤に設けられたガスバリア層は、インサートインジェクションにより設けられたものであることによって、プラスチックの成形品である注出口に、ガスバリア性をより容易に付与することができる。また、円盤の容器内側になる面に、一面にガスバリア層を設けてあるために、ガスバリア性能の向上に効果的である。
特に請求項4に記載の発明によれば、円盤に設けられたガスバリア層は、無機化合物の蒸着による被膜を有するガスバリアフィルムを、円盤に接着して形成されたものであることによって、抽出口の成型工程は簡素化される利点を有する。また、ガスバリアフィルムの接着は、たとえばヒートシール、接着剤を介しての接着、粘着剤を介しての接着など、適切な手段の中から適宜選択して用いることが可能である。
特に請求項5に記載の発明によれば、キャップが、注出口と、ヒンジを介して一体に成形されたものであることによって、パーツの数を減らすことができ、したがって生産性の向上に有効であるほか、キャップの開閉が容易になるために、チューブ容器としてより使い勝手のよいものとすることができる。
図1は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様を説明するための、斜視模式図である。 図2は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様を説明するための、チューブ容器上部の、部分断面模式図である。 図3は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様において、図2に示す例の、一部を拡大した、部分断面模式図である。 図4は、本発明に係るチューブ容器の胴部を構成する積層体の、一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
以下、本発明を図1~図4を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様を説明するための、斜視模式図である。
本発明は、チューブ容器(100)に関するものである。このチューブ容器は、ガスバリア層、および最内層にシーラント層を有する積層体からなる胴部(10)と、プラスチ
ックパーツからなる注出口(20)、および同じくプラスチックパーツからなり、注出口(20)を覆うキャップ(30)から構成される。
注出口(20)は、円筒形の胴部(10)の内径と直径を同じくする円盤(23)、およびその中央部に円盤(23)の直径より外径の小さな、円筒形の注ぎ口(21)を有してなり、円筒形の胴部(10)の一方の端部は、注出口(20)の円盤(23)が端部を塞いで配置されている。
胴部(10)を構成する積層体は、プラスチックフィルムを基材として、必要な層を積層して構成される。たとえば、厚さ50μm~250μmのフィルムとすることができる。プラスチックフィルム、ガスバリア層、シーラント層などについては、図4についての説明において個々に後述する。
注出口(20)、およびキャップ(30)はプラスチックの成形品で形成されており、それぞれが別部材として成形されているのでも良く、たとえばヒンジを介して一体に成形されているのでもよい。
図1に示す例においては、それぞれ別個に成形されている例である。この成形は、たとえば金型を用いるインジェクション成型によるものであってもよい。
このとき、プラスチック材料には特段の限定を加えるものではないが、成形性や、胴部積層体との密着性などに配慮すれば、たとえばポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、などから適宜選択することができる。
キャップ(30)の開閉は、キャップ(30)と注出口(20)の注ぎ口(21)の、嵌め合わせ、或いは螺合でも良く、またヒンジを介した一体成形とすることもでき、その場合には、キャップ(30)を取り外さずに、繋がったままで嵌め合わせによる開閉が可能である。
胴部(10)は、長手方向のシール部(11)を有して円筒形に形成されている。シール部(11)は、合掌貼り、或いは封筒貼りでシールすることができ、合掌貼りの場合には張り出したシール部を、胴部(10)に折りたたみ接着して、胴部(10)の表面を平滑にすることができる。
円筒形の胴部(10)の、一方の胴部端部(16)には、注出口(20)が、円筒内径(12)と直径を同じくする円盤(23)を有して、胴部端部(16)を塞いで配置されている。
この注出口(20)の円盤(23)には、チューブ容器(100)内側になる面に、ガスバリア層が設けてあり、注出口(20)のガスバリア性能の向上に有効である。
すなわち、本発明によるチューブ容器(100)は、胴部(10)を構成する積層体にガスバリア層を設けてあり、注出口(20)を形成する円盤(23)にもガスバリア層を設けてあることによって、チューブ容器(100)全体をガスバリア層で覆っていることになり、高度のガスバリア性能を実現することが可能である。
また、円筒形のもう一方の胴部端部(17)は、胴部(10)の長手方向に直角なシール部(18)によって、押しつぶされて平たくシールされ、チューブ容器(100)は密封されている。
このようにして、本発明によるチューブ容器(100)によれば、プラスチックフィルムの積層体からなる筒状の胴部(10)を有して、注出口(20)およびそれを覆うキャップ(30)にプラスチックパーツを用いて構成されるチューブ容器(100)において、ガスバリア性に優れるチューブ容器(100)の提供が可能である。
また、このようなチューブ容器(100)は、たとえば歯磨きなどのペースト状の内容物を収納して、開封したのち、内容物を取り出そうとする際には、手指で胴部(10)に加圧して内容物を押し出すことが可能であり、注出口(20)の開閉によって繰り返しの取出し、密閉が可能である。
図2は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様を説明するための、チューブ容器上部の、部分断面模式図である。
図2において、図中大きな楕円で囲った部分が、前述の注出口(20)である。注出口(20)は、円筒内径(12)と直径を同じくする、図中扁平な楕円で囲った部分の円盤(23)を有して、胴部端部(16)を塞いで配置されている。すなわち円筒内径(12)は、円盤の直径(22)と同じ寸法である。
円盤(23)の、チューブ容器(100)内側になる面には、一面にガスバリア層(24)を有している。このガスバリア層(24)は、胴部(1)を構成する積層体(15)に含まれるガスバリア層とでチューブ容器(100)全体を覆って、チューブ容器(100)のガスバリア性を向上させることに有効である。
チューブ容器が、プラスチック材料だけで構成され、金属箔や無機化合物のガスバリア層を有していない場合には、ガスバリア性能は限定的なものにとどまり、内容物の保存性の低下や、環境による内容物の変質、劣化の恐れは避けられない。
これに対して、本発明によるチューブ容器(100)においては、胴部(10)を構成する積層体中、および注出口(20)の円盤(23)部分にガスバリア層を有するものであって、チューブ容器(100)全体をガスバリア層で被覆して、ガスバリア性能を向上させようとするものである。
まず胴部(10)を構成する積層体(15)においては、その層構成中にガスバリア層を有しており、胴部(10)全体にわたって被覆され、高いレベルでのガスバリア性が保持される。
また注出口(20)については、円盤(23)部分一面にガスバリア層を有するために、またこの円盤(23)の直径は、胴部端部(16)の内径と同じであるために、胴部端部(16)において円形に被覆されて、高いレベルでのガスバリア性が保持される。
この注出口(20)のガスバリア層(24)は、その形成方法については、特段の限定を加えるものではないが、注出口(20)の成形を行う際に、たとえばインジェクション成型の型内にガスバリア層を挿入して、インサートインジェクションの方法により設けることができる。
あるいは、円盤に設けられたガスバリア層は、無機化合物の蒸着による被膜を有するガスバリアフィルムを、円盤に接着して形成することが可能である。この場合には、抽出口の成型工程は簡素化される利点を有する。また、ガスバリアフィルムの接着は、たとえばヒートシール、接着剤を介しての接着、粘着剤を介しての接着など、適切な手段の中から
適宜選択して用いることが可能である。
また、この円盤(23)は、円盤の直径(22)より小さな外径の、円筒形の注ぎ口(21)を、チューブ容器(100)外側方向に突き出して有している。
円筒形の注ぎ口(21)の内側は、円盤(23)のプラスチックが、脆弱部(26)を有してチューブ容器(100)の内外を隔てている。脆弱部(26)はたとえば部分的に薄肉部を設ける方法も有効である。
内容物の取出しには、この脆弱部(26)を破壊して、チューブ容器(100)の内外の隔てをなくして開封し、注ぎ口(21)からの注出を可能にするものである。したがって、この注ぎ口(21)部分においては、未開封の状態においてのガスバリア性は確保され、保持される。
注ぎ口(21)の開封の方法については、その方法について限定を加えるものではないが、脆弱部(26)をきっかけとした破壊であり、たとえば注ぎ口(21)の底部を、下方に押し込んで破壊するのでもよい。またその脆弱部(26)の形状についても、ガスバリア性や、開封性に支障をきたさない限りにおいて任意である。
また、円筒形の注ぎ口(21)の外周は、円盤(23)によるフランジ(27)となっており、フランジ(27)のチューブ容器(100)外側になる面と、円筒形胴部(10)のチューブ容器(100)内側になる面とは、胴部(10)を構成する積層体(15)を周縁から内側に折り曲げて接着している。
この接着は、熱板によるヒートシール、あるいは超音波シールなどによるものとすることができ、胴部(10)を構成する積層体(15)の最内層に設けてあるシーラント層によって接着することができる。
この、フランジ(27)の部分において、凹部(40)が形成されており、この凹部(40)は、フランジ(27)上で、注ぎ口(21)の外側を周回して形成されている。この部分の詳細については、図3に示す例の説明において後述する。
図3は、本発明に係るチューブ容器の一実施態様において、図2に示す例の、一部を拡大した、部分断面模式図である。
胴部(10)を構成する積層体(15)はその層構成においてガスバリア層(13)を含んで構成されており、図3に示す例において、積層体(15)の中間層として設けられている。
この胴部(10)のガスバリア層(13)と、円盤(23)に設けられたガスバリア層(24)とは、フランジ(27)において、円筒形の注ぎ口(25)の外周に沿って、上下に重ねられており、特にフランジ(27)に設けられた、凹部(40)において、互いに近接している。
前述のように、フランジ(27)のチューブ容器(100)外側になる面と、円筒形胴部(10)のチューブ容器(100)内側になる面とは、胴部(10)を構成する積層体(15)を胴部端部(16)において、周縁から内側に折り曲げて接着している。
たとえばこの部分を矢印(41)方向に圧縮することによって、凹部(40)を形成することが可能である。この圧縮は加熱を伴う場合には、より効果的に凹部(40)を形成
することができる。また、注出口(20)のフランジ(27)は、フラットであるほうが、この圧縮のための加圧には好ましい。
この凹部(40)において、図3に示す例から見て取れるように、胴部(10)を形成する積層体(15)に含まれるガスバリア層(13)と、注出口(20)の円盤(23)に設けられたガスバリア層(24)とは、凹部(40)において最も近接している。
すなわち、凹部(40)において、ガスバリア層同士の間隔は、フランジの厚み(28)と、積層体(15)の最内層のシーラント層(14)の厚みとを合計したものより、小さい値となっている。これは矢印(41)方向の圧縮による効果であり、フランジの厚み(28)とシーラント層(14)の厚みが肉痩せすることにより、バリア層同士が互いに近接した凹み(40)とすることができる。
このガスバリア層同士の近接によって、この凹部(40)はガスバリア性能においては、ガス透過の隘路と成って作用するために、チューブ容器(100)としてのガスバリア性能の向上に効果的である。
これらのガスバリア層の形成には、たとえば注出口(20)の説明において前述した、インサートモールディング法を用いる場合においても、あるいは胴部(10)を形成する積層体(15)の場合においても、たとえばプラスチックフィルムの表面にガスバリア層を設けてなる、ガスバリアフィルムを用いることができる。
また、アルミニウムなどの金属箔もガスバリア層として有効ではあるが、電子レンジでの調理などが想定される場合には、高周波によるスパークなどが発生する恐れがあるために注意を要する。
あるいは、アルミニウムなどの金属箔の場合には、透明性は得られないことも考慮して、透明性を有する無機化合物からなるガスバリア層と比較して、適宜選択することができる。またチューブ容器の場合には、チューブ容器を外側から押圧して内容物を押し出す場合には、その容器の形状の復元性についても、用途によって、ガスバリア層の選択要件にくわえる必要もある。
図4は、本発明に係るチューブ容器の胴部を構成する積層体の一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
本発明において、チューブ容器(100)の胴部(10)を構成する積層体(15)は、プラスチックフィルムを基材として、ガスバリア層(13)、シーラント層(14)を有する。
プラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。そのほか延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。
またプラスチックフィルムは、接着剤層を介して他の層と積層して積層体(15)とす
ることができる。積層体(15)の層構成やその材料構成、厚さなどは、チューブ容器(100)に対する要求品質に応じて適宜設計することができる。
図4に示す例においては、積層体(15)はチューブ容器(100)外側から、チューブ容器外側のシーラント層(1)、印刷層(9)、基材プラスチックフィルム層(6)、接着剤層(7)、ガスバリア層(13)、接着剤層(8)、チューブ容器内側のシーラント層(14)から構成されている例である。
ここで、ガスバリア層(13)には、ガスバリアフィルムを用いている例であって、ガスバリア層(13)は、無機化合物層(5)、およびプラスチックフィルム層(4)から構成されている。
たとえば、ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルム層(4)は、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。ちなみに蒸着層の厚みは15nm~30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成される。
そのため、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
またガスバリア層として、たとえばSiOを用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物をパウチの外側から目で見ることが可能である。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
また、胴部(10)を構成する積層体(15)中の最内層に設けられるシーラント層(14)は、積層体(15)をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、チューブ容器の胴部(10)を形成することを可能にする。これによって、胴部のシール部(11)、およびシール部(18)を形成することができる。
チューブ容器外側のシーラント層(1)は、積層体(15)のチューブ容器(100)外側になる面に設けられ、たとえば胴部(10)を、封筒貼りで形成する場合や、合掌貼りあと、つき出した部分を、胴部(10)に折りたたみ接着をする場合などに用いることができる。
シーラント層(14)、およびチューブ容器外側のシーラント層(1)の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層(14)、およびチューブ容器外側のシーラント層(1)の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体(15)上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してあるシーラントの材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体(15)の表面にシーラント層(14)、およびチューブ容器外側のシーラント層(1)を形成することも可能である。
また、必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や意匠性の向上を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体(15)中の、チューブ容器(100)外側から見える層に印刷層(9)を設けることができる。印刷層(9)は、密着性などに配慮すれば、チューブ容器(100)の最外層に設けるのでも構わない。
また印刷層(9)は、チューブ容器(100)の一部に設けるのでもよく、またはチューブ容器(100)の全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層(9)を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえばチューブ容器(100)の表面に印刷されたシールを貼着することも可能である。
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中から、プラスチックフィルム層への印刷適性、色調などの意匠性、密着性、容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ
印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
このように本発明によれば、プラスチックフィルムの積層体からなる筒状の胴部を有して、注出口にプラスチックパーツを用いて構成されるチューブ容器において、ガスバリア性に優れるチューブ容器の提供が可能である。
1・・・チューブ容器外側のシーラント層
4・・・プラスチックフィルム層
5・・・無機化合物層
6・・・・基材プラスチックフィルム層
7・・・接着剤層
8・・・接着剤層
9・・・印刷層
10・・・胴部
11・・・シール部
12・・・円筒内径
13・・・ガスバリア層
14・・・シーラント層
15・・・積層体
16・・・胴部端部
17・・・もう一方の胴部端部
18・・・シール部
20・・・注出口
21・・・注ぎ口
22・・・円盤の直径
23・・・円盤
24・・・ガスバリア層
26・・・脆弱部
27・・・フランジ
28・・・フランジの厚み
30・・・キャップ
40・・・凹み
41・・・矢印
100・・・チューブ容器

Claims (5)

  1. チューブ容器であって、
    ガスバリア層および最内層にシーラント層を有する積層体からなる胴部と、プラスチックパーツからなる注出口、および注出口を覆うキャップからなり、
    注出口、およびキャップはプラスチックの成形品で形成されており、
    胴部はシール部を有して円筒形に形成されており、
    前記注出口は、円筒形の胴部の内径と直径を同じくする円盤と、その中央部に円盤の直径より外径の小さな、円筒形の注ぎ口を有してなり、
    前記円筒形の胴部の一方の端部は、注出口の円盤が端部を塞いで配置されており、
    前記注ぎ口は、円盤から容器外側方向に突き出しており、
    前記円盤の容器内側になる面には、一面にガスバリア層を有しており、
    前記円筒形の注ぎ口の内側は、円盤のプラスチックが、脆弱部を有して容器内外を隔てており、
    前記円筒形の注ぎ口の外側は、円盤によるフランジとなっており、
    フランジの容器外側になる面と円筒形の胴部とは、胴部を構成する積層体を周縁から内側に折り曲げて接着しており、
    胴部を構成する積層体のガスバリア層と、円盤に設けられたガスバリア層とは、フランジにおいて、円筒形の注ぎ口の外周に沿って、上下から圧縮されて近接している部分を有しており、
    前記フランジの、積層体に含まれるガスバリア層および円盤に設けられたガスバリア層が上下から圧縮されて近接している部分において、
    積層体に含まれるガスバリア層と円盤に設けられたガスバリア層の間隔は、フランジの厚みと、積層体の最内層のシーラント層の厚みとを合計したものより、小さい値であり、
    さらに、円筒形の胴部のもう一方の端部は、胴部の長手方向に対して直角にシールされて密封されていることを特徴とする、チューブ容器。
  2. 前記胴部を構成する積層体のガスバリア層と、円盤に設けられたガスバリア層は、そのうちのどちらか、あるいは両方が、無機化合物の蒸着による被膜によるものであることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記円盤に設けられたガスバリア層は、インサートインジェクションにより設けられたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチューブ容器。
  4. 前記円盤に設けられたガスバリア層は、無機化合物の蒸着による被膜を有するガスバリアフィルムを、円盤に接着して形成されたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のチューブ容器。
  5. 前記注出口を覆うキャップと、注出口とは、ヒンジを介して一体に成形されたものであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載のチューブ容器。
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